説明

日射遮蔽装置の操作コード

【課題】
日射遮蔽装置のヘッドボックスから垂下するループ状操作コードが幼児の首を絞める事故を未然に防止する。
【解決手段】
日射遮蔽装置の操作コードを交絡性又は接着性の紐材、例えば、永久磁石からなるボールチェーン、毛羽立加工紐、超強撚紐等とし、ヘッドボックスから垂下するループ状操作コードの幼児の手が届く部分を一本の紐状に絡み合わせるか、又は、ヘッドボックスから垂下するループ状操作コードを幼児の手が届かない高さに接着保持することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日射遮蔽装置のヘッドボックスから垂下する操作コードに関する。
【背景技術】
【0002】
ベネシャンブラインド、プリーツスクリーン、ロールブラインド等の日射遮蔽装置において、日射遮蔽材を開閉する操作コードはヘッドボックスからループ状に垂下する。そのループ状コードの片側を引くと、日射遮蔽材は開き、反対側を引くと、日射遮蔽材は閉じるので、幼児が面白がって操作コードを引いたり放したりして遊ぶことも少なくない。
しかし、幼児が、操作コードと戯れているときに、操作コードのループ部分が幼児の首に掛かると、幼児の首が絞められるから、安全上の大事故を起こすおそれがある。
【特許文献1】特公平3−30678号公報
【特許文献2】実公平8−9353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、この安全上の問題を解決するためになされたものであり、その課題は、ヘッドボックスからループ状に垂下する操作コードによる安全上の事故を未然に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を達成するため、本発明が採用する手段は、日射遮蔽装置の操作コードを交絡性又は接着性の紐材とし、ヘッドボックスから垂下するループ状操作コードの幼児の手が届く部分を一本の紐状に絡み合わせるか、又は、ヘッドボックスから垂下するループ状操作コードを幼児の手が届かない高さに接着保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、上記手段により、日射遮蔽装置のヘッドボックスから垂下するループ状操作コードが、絡み合って一本の紐状であるから、又は、幼児の手が届かない高さに保持されるから、操作コードが幼児の首を絞める事故は未然に防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
操作コードとしてチェーンホイールに掛けるボールチェーンを使用する場合、すべてのボール又は一定間隔毎のボールもしくは中芯をを永久磁石体にすると、ヘッドボックスから垂下するループ状操作コードは、磁力で相互に吸着して自ずから一本の紐状となる。このとき、ヘッドボックス又はその近辺の壁面等に鉄片等の吸着用強磁性体を配置し、その強磁性体に操作コードを磁力吸着させると、操作コードは幼児の手が届かない高さに保持される。このボールチェーンを屈曲性パイプ材で被覆すると、チェーンホイールをプーリに代えることができる。
【0007】
ボールチェーンのすべてのボール又は一定間隔毎のボールもしくは中芯をを強磁性体とすることも可能である。この場合、ヘッドボックスから垂下する操作コードはループ状のままであるが、ヘッドボックス又はその近辺の壁面等に吸着用永久磁石体を配置し、その永久磁石体に操作コードを磁力吸着させると、操作コードは幼児の手が届かない高さに保持される。このボールチェーンも屈曲性パイプ材で被覆すると、チェーンホイールをプーリに代えることができる。
【0008】
操作コードとしてプーリに掛ける紐材を使用する場合、紐材の少なくともヘッドボックスから垂下する部分を、表面がマジックテープ(登録商標)と同様な針布状の毛羽立加工紐又は超強撚紐にすると、ヘッドボックスから垂下するループ状操作コードは、接着又は交絡して自ずから一本の紐状となる。毛羽立加工紐の場合は、ヘッドボックス又はその近辺の壁面等に表面が紐材と同様な針布状の接着用毛羽立加工布を配置し、その毛羽立加工布に操作コードを接着又は交絡させると、操作コードは幼児の手が届かない高さに保持される。
【実施例】
【0009】
本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の操作コードを備える屋内用ブラインドの立面図であり、図1は、ヘッドボックスから垂下するループ状操作コードが接着又は交絡して一本の紐状となる状態を、図2は、ヘッドボックスから垂下するループ状操作コードがヘッドボックスと接着して幼児の手が届かない高さに保持される状態をそれぞれ示す。
【0010】
図3は、本発明実施例1の操作コードを示す図であり、この操作コード1は、ボール2と、中芯3とからなるループ状のボールチェーンである。すべての又は一定間隔毎のボール2もしくは中芯3は、永久磁石体であるから、図1に示すように、ヘッドボックス4から垂下するループ状操作コード1は、磁力で相互に吸着して自ずから一本の紐状となる。したがって、幼児が、操作コード1を弄んでも、操作コード1が幼児の首に掛かり首を絞めるおそれはない。
【0011】
ヘッドボックス4の前面に鉄片などの吸着用強磁性体5を付設し、図2に示すように、その強磁性体5に操作コード1を磁力吸着させると、操作コード1は幼児の手が届かない高さに保持されるから、幼児が操作コード1と係り合う機会は生じない。
【0012】
図4は、本発明実施例2の操作コードを示す図である。この操作コード1aは、ボール2と、中芯3とからなるループ状のボールチェーンを透明な屈曲性パイプ材6で被覆したものであり、図示していないが、ヘッドボックスのプーリに掛けられて垂下する。このボールチェーン1aも、実施例1と同様に、すべての又は一定間隔毎のボール2もしくは中芯3は、永久磁石体であるから、図1に示すように、ヘッドボックス4から垂下するループ状操作コード1aは、磁力で相互に吸着して自ずから一本の紐状となる。したがって、幼児が、操作コード1を弄んでも、操作コード1が幼児の首に掛かり首を絞めるおそれはない。また、図2に示すように、ヘッドボックス4の強磁性体5に操作コード1aを磁力吸着させると、操作コード1aは幼児の手が届かない高さに保持されるから、幼児が操作コード1と係り合う機会は生じない。
【0013】
図5は、本発明実施例3の操作コードを示す図であり、この操作コード1bは、表面が針布状の毛羽立加工紐である。図1に示すように、ヘッドボックス4から垂下するループ状操作コード1bは、接着又は交絡して自ずから一本の紐状となるから、幼児が、操作コード1を弄んでも、操作コード1が幼児の首に掛かり首を絞めるおそれはない。また、図示していないが、ヘッドボックスに表面が針布状の接着用毛羽立加工布を配置し、その毛羽立加工布に操作コードを接着又は交絡させると、操作コードを幼児の手が届かない高さに保持することができる。
【0014】
図6は、本発明実施例4の操作コードを示す図であり、この操作コード1cは、非常に強い撚りを掛けた超強撚紐である。ヘッドボックス4から垂下するループ状操作コード1cは、撚り戻しにより交絡して自ずから一本の紐状となるから、幼児が、操作コード1cを弄んでも、操作コード1cが幼児の首に掛かり首を絞めるおそれはない。
【0015】
図7は、本発明実施例5の操作コードの要部を示す図である。この操作コード1dは、ボールと中芯とからなる通常のボールチェーンであり、継手7が両端のボール2、2を脱着可能に接続してループを形成している。継手7は両側にボール2を弾性的開閉してボール2を掴む複数の爪8を備える。操作コード1dに少し強い張力が作用すると、爪8は開いてボール2を解放し操作コード1dのループは切れる。したがって、幼児が、操作コード1dを弄んでも、操作コード1dが幼児の首に掛かり首を絞めるおそれはない。図示していないが、この操作コードをプーリに掛けるときは、操作コードの継手以外の部分を屈曲性パイプ材で被覆する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の操作コードを備える屋内用ブラインドの立面図であり、ヘッドボックスから垂下するループ状操作コードが接着又は交絡して一本の紐状となる状態を示す。
【図2】本発明の操作コードを備える屋内用ブラインドの立面図であり、ヘッドボックスから垂下するループ状操作コードがヘッドボックスと接着して幼児の手が届かない高さに保持される状態を示す。
【図3】実施例1の操作コードを示す図、
【図4】実施例2の操作コードを示す図、
【図5】実施例3の操作コードを示す図、
【図6】実施例4の操作コードを備える屋内用ブラインドの立面図、
【図7】実施例5の操作コードの要部を示す図。
【符号の説明】
【0017】
1、1a、1b、1c、1d:操作コード
2:ボール
3:中芯
4:ヘッドボックス
5:強磁性体
6:屈曲性パイプ材
7:継手
8:爪



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックスから日射遮蔽材の操作コードがループ状に垂下する日射遮蔽装置において、前記操作コードは、交絡性又は接着性を有する紐材であることを特徴としてなる日射遮蔽装置の操作コード。
【請求項2】
操作コードは、ボールチェーンであり、前記ボールチェーンのすべてのボール又は一定間隔毎のボールもしくは中芯は、永久磁石体であることを特徴としてなる請求項1に記載の日射遮蔽装置の操作コード。
【請求項3】
ヘッドボックス又はその近辺の壁面等に吸着用強磁性体が配置されることを特徴としてなる請求項2又は3に記載の日射遮蔽装置の操作コード。
【請求項4】
操作コードは、ボールチェーンであり、前記ボールチェーンのすべてのボール又は一定間隔毎のボールもしくは中芯は、強磁性体であり、ヘッドボックス又はその近辺の壁面等に吸着用永久磁石体が配置されることを特徴としてなる請求項1に記載の日射遮蔽装置の操作コード。
【請求項5】
ボールチェーンは、屈曲性パイプ材で被覆されることを特徴としてなる請求項2ないし4のいずれか1つに記載の日射遮蔽装置の操作コード。
【請求項6】
操作コードは、少なくともヘッドボックスから垂下する部分が、針布状表面を有する毛羽立加工紐であることを特徴としてなる請求項1に記載の日射遮蔽装置の操作コード。
【請求項7】
ヘッドボックス又はその近辺の壁面等に針布状表面を有する接着用毛羽立加工吸着布が配置されることを特徴としてなる請求項6に記載の日射遮蔽装置の操作コード。
【請求項8】
操作コードは、少なくともヘッドボックスから垂下する部分が、撚り戻し性を有する超強撚紐であることを特徴としてなる請求項1に記載の日射遮蔽装置の操作コード。
【請求項9】
ヘッドボックスから日射遮蔽材の操作コードがループ状に垂下する日射遮蔽装置において、前記操作コードは、両端のボールが継手を介して脱着可能に接続されたボールチェーンであり、前記継手は前記ボールを弾性的に掴む複数の爪を備えることを特徴としてなる日射遮蔽装置の操作コード。












【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−70449(P2006−70449A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−251622(P2004−251622)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000109923)トーソー株式会社 (84)
【Fターム(参考)】