昆布穿孔装置
【課題】 風味を損なうことがなく、乾燥した昆布を数枚重ねて切断のための孔を縦横方向に開けることが短時間に且つ容易に実行できる簡便な穿孔装置を提供することである。
【解決手段】 縦横の加工を施すために、略90度の角度で回転できるツ−ルポスト内に設ける上下に移動できる上下移動体にモ−タ−を取り付け、このモ−タ−によって水平方向に移動が可能なドリルボックスを設けるとともに、このドリルボックスに固定するモ−タ−により鼓動摺る複数のドリルを直線上に配置し、一度の操作で数カ所の孔を同時に開けるようにして課題を解決するものである。
【解決手段】 縦横の加工を施すために、略90度の角度で回転できるツ−ルポスト内に設ける上下に移動できる上下移動体にモ−タ−を取り付け、このモ−タ−によって水平方向に移動が可能なドリルボックスを設けるとともに、このドリルボックスに固定するモ−タ−により鼓動摺る複数のドリルを直線上に配置し、一度の操作で数カ所の孔を同時に開けるようにして課題を解決するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昆布を裁断するための穿孔装置に関するものであり、特には風味を損なうことなく加工が容易となる簡便な穿孔装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昆布等食品あるいは紙、プラスチック等のシ−トの被加工品に裁断用の穴を開ける装置として、以下のようなものが知られている。均一の幅と適当な長さに整形された昆布葉に等間隔で数条のミシン刺しにより裁断のための孔を施された昆布製品を提供するためのミシン装置。下方に移動可能なドリルによって穿孔されるべき単一シ−ト状の可撓性材料を受入れるテ−ブルを備えており、前記ドリルの支持手段と該テ−ブルの相対的な移動をもたらす移動手段を含み、ドリルとテ−ブルに介在するミラ−と整列されたビデオ画像システムを備えている可撓性シ−トの穿孔装置。ロ−プに係止具を取り付け、この係止具に養殖貝類の稚貝を首吊りに状態に取り付けるために、一つの稚貝の耳部とロ−プと、他の稚貝の耳部とを貝座部で上下に積層して並べ上方からドリルで貫通孔を開けて、この貫通孔に下から係止具を刺し通しする、ロ−プに係止具を取り付けるのと係止具に稚貝を取り付けるのを略同時に行う装置。他に、ベルトコンベアで移送される昆布を回転刃により切断する装置等がある。また、刃物などにより線引きすることと同様の方法によって予め切り目を施して、その切り目に沿って切断することは従来普通に行われている。更に、通常のミシンを用いて、糸を通さない針によって被加工物に孔を開けることなども常識的には考えられる。
【特許文献1】 実開昭63−191188号公報
【特許文献2】 特開平7−148695号公報
【特許文献3】 特開平8−103186号公報
【特許文献4】 実開平7−11296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、干し昆布の成形加工には、その味を損なうことなく行うことが必要とされ、従って、レザ−等熱を利用する穿孔加工は出来難く機械的手段によることが望ましいが、前述の公知穿孔装置においては、昆布葉にミシン刺しにより孔を穿って切断する手段があるものの他には昆布を機械的に穿孔し切断できるように加工する装置がなく、前記他の穿孔装置を昆布の穴開けに転用するには、相当の改良を施して、加工時間を短縮し扱い易いものとしなければならない問題があり、本発明はこの問題を解決する昆布の味を損なうことなく且つ簡単に使用できる切断するための穿孔装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
台座の裏面に支柱を立設し、該支柱の上方に設けるア−ムから下方に向けてドリルヘッド吊り下げ軸を固定し、該ドリルヘッド吊り下げ軸にヘッド方向保持板を固定し、このヘッド方向保持板に穿つ略四分の一円弧の案内溝に挿嵌して摺動する方向ピンを設けるドリルヘッドを、昆布の縦横方向の穿孔が出来るように90度の角度で回転可能に前記ドリルヘッド吊り下げ軸に連結し、該ドリルヘッドを支持する背面板に固定する昇降用モ−タ−を駆動源として上下に往復動のできる上下移動体と該上下移動体に固定する水平移動用モ−タ−を駆動源として水平方向に移動するドリルボックスとから成るツ−ルポストの、該ドリルボックスにドリル駆動用モ−タ−に拠り駆動する被加工物に合わせて設ける複数のドリルを直線上に、ドリル直径の整数倍の間隔で配設するとともに、前記台座上に、水平に一方向の移動が可能な横移動体を摺動可能に設け、該横移動体上に被加工物を載せるテ−ブルを水平な縦方向に往復動できるように載設して、多層に重ねた昆布に切断のための孔を行、列ごとに一度に開けることの出来る昆布穿孔装置として、また、前記複数のドリルが、一つのモ−タ−に直結する回転体を介して、同一且つ同時に、ベルトに拠って駆動するドリルボックスを備えているツ−ルポストを有する装置として課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、乾燥した昆布に切断のための縦横の孔を等間隔で、行、列ごとに数度の操作で穿孔することが極めて容易となり、機械的に短時間で加工が出来るので昆布の味を損なうことなく、用途に合わせた形の昆布成形品を提供できることになる。更に、ミシン目を施すような場合には、単に剪断力が急激に加えられるために生じる乾燥した昆布に割れが発生することがなくきれいに孔開けができる効果を有するものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面に示す実施例に従って本発明の実施態様について説明する。
図1、図2、図3、図4において、脚付き台座1の背面に支柱2を立設し、この支柱2の上方部にア−ム3を設け、ア−ム3に下方に向けて垂下固定されるドリルヘッド吊り下げ軸4を設けるとともに、このドリルヘッド吊り下げ軸4には略四分の一円弧の案内溝を表裏に貫通して設けるヘッド方向保持板5を固定し、前記案内溝に挿嵌する方向ピン7を有するドリルヘッド6をドリルヘッド吊り下げ軸4の回転可能に連結している。ドリルヘッド6内に、支持板12に固定する昇降用モ−タ−9を駆動源として、支持板12に施す昇降ガイド溝11に案内されて昇降移動用螺子10によって上下動する上下移動体17と、この上下移動体17に固定する水平移動用モ−タ−13を駆動源とし、水平移動ガイド溝16に沿って水平移動螺子14により水平移動するドリルボックス28とから成る箱型のツ−ルポスト8を構成して、更に、ドリルボックス28には被加工物の大きさに見合う複数のドリル23を直線上に、ドリル23の直径の整数倍、望ましくは、ドリル直径に等しい長さの間隔で等分に配設して加工部を形成している。また、台座1の上に固定して設ける移動用基台42上に、横移動ハンドル43の操作により横方向の水平にスライドし往復動する横移動体33を搭載し、この横移動体33の上に被加工物である昆布を載せるテ−ブル30を、横移動体33上面を縦移動ハンドル34の操作により前後の縦方向にスライドするように設けて本装置の全体を構成している。
【0007】
図5から図15にはツ−ルポストの実施例を示してある。支柱7に支持板12をその背面で固定し、指示板12の内側上方に昇降用モ−タ−9を固定する。支持板12に設ける昇降ガイド溝11に嵌って摺動する鍔部を有する上下移動体17の雌捻子部を施す昇降ガイド15と昇降用モ−タ−9に直結し回転する昇降移動軸捻子10の雌捻子とが螺合して上下移動体17が向きを変えることなく上下動できるようになっている。L字状の上下移動体17の底面上に水平移動用モ−タ−13を固定し、水平移動を案内する溝を有する水平移動ガイドを設け、水平移動用モ−タ−13を駆動源として、それに直結する水平移動軸捻子14と螺合する雌捻子部を施す水平摺動凸部29が前記溝に挿嵌するように配置する水平方向に往復動するドリルボックス28を設け、このドリルボックス28にはドリルモ−タ−18を固定してドリルヘッド6の全体を形成し、この部分にカバ−を被せて箱型のツ−ルポスト8を構成している。このツ−ルポスト8が水平方向で略90度の角度で向きを変えることで縦横に切断のための孔を開けることができるものとなる。
【0008】
図16から図22にはドリルボックスの実施例を示す。本体にドリル駆動用のドリルモ−タ−18を固定してある。このドリル駆動用モ−タ−18の回転軸に回転ギア19を固定し、これに内壁に設ける歯が噛合しドリル駆動用モ−タ−18の回転を伝達する回転ベルト20に噛合し回転するドリルギア22を、ベアリング26を介して等間隔で直列に、本体に垂直に設けるとともに回転ベルト20の外周面にはガイドロ−ラ−27を当接させて配置し回転ベルト20を支持している。回転ベルト20の末端側にはアイドリングギア21を設けてエンドレスとしている。図21に示すようにドリルギア22にはそれぞれドリル23を着脱自在に挿入しそのドリル基部24を止ネジ25によって押さえつけてドリル23をドリルギア22に強固に固定するものである。この場合、望ましいのは、ドリル23の数を被加工物の大きさに見合うものとすれば良いが、20ないしは30センチメ−トル程度の長さに亘って略1ミリメートル程度の孔を開けるドリルを配置することが得策とは言えず本実施例にあっては、5個程度のドリルを設けて、孔を等間隔で穿つように何度かドリル位置を水平に移動させて所定の長さに亘る均等な孔あけを可能としている。もちろんドリルの数に制限を設けるものではない。例えば、直径が1ミリメ−トルのドリルを10ミリメ−トルの間隔で配置した場合には、略20センチメ−トルの長さに亘って1ミリメ−トル間隔で等間隔の孔を穿つには略5回に亘って1ミリメ−トルごとの水平移動を行えば良いことになる。本実施例においては、歯型ベルトを使用しているが、モ−タ−軸から各ドリルと単独に細めのベルトを掛けてドリルを回転させることも可能であり、その場合にはガイドロ0−ラ−は不要となる。
【0009】
以上説明した加工部にあっては、水平移動用モ−タ−13にはステッピングモ−タ−を用いて、ドリルヘッド6の上下の移動を行うための昇降用モ−タ−9及びドリルを回転させるためのドリル駆動用モ−タ−18は電動モ−タ−を使用し、これらの、工程を図示はしないが駆動を電気的逐次制御系として自動化し、この制御装置を台座1の適宜位置に取り付けておき、操作用のスイッチングボタンを手元に設けておけば良い。
【0010】
図23から図34には縦横方向に移動する卓部の実施例を示してある。縦移動ハンドル34の操作によって、このハンドル軸に設ける縦移動伝達ギア35と噛合し回転する縦移動軸捻子36に螺合して縦方向に移動する、図26、27,28に示すテ−ブル30を、基台42上をスライドする横移動体33上に、テ−ブル30に設ける縦移動凸部31及び縦移動ガイド32が、横移動体33に施す縦移動凸部ガイド穴37,テ−ブル移動レ−ル38及び縦移動ガイド穴39に緩く嵌合してスライドできるように搭載している。凸板状の横移動ガイド40を有する横移動体33は、この横移動ガイド40が基台42に形成する横移動レ−ル穴50内に施す横移動レ−ル49に沿って基台42上を摺動できるようにしてある。基台42に設ける横移動ハンドル43の軸部を横移動軸44とし、この横移動軸44には横移動ベルト駆動ギア45を固定し、基台42の延長部分に設ける横移動ベルトアイドリングギア48との間に横移動ベルト46が横移動ガイド穴47内で掛けられ、横移動ハンドル43の回転が、この横移動ベルト46に依って、横移動体33に施す横移動ベルト把持部41を介して横移動体33に伝達されて被加工物を横方向に移動させることが可能となる。
【0011】
卓部に関する本実施例においては、水平方向の縦横の移動をベルトを介して行う手段を示してあるが、ベルト駆動以外にも、例えばラック・ピニオンの組み合わせ等による駆動でも本装置の構成は可能であり、それらの選択は設計上の問題となる。
【0012】
図35はテ−ブル30に使用するトレ−52の例を示してあり、これは被加工物が加工時にその位置をずらすことを防ぐために、通常使用するものである。
図36から図38には、本装置に依って加工された昆布の形状を示して、被加工昆布大53,被加工昆布小54に穿孔列56を施した製品を表している。昆布片55の切断後の切断面は穿孔面57と折破断面58のようになる。
【0013】
以上、説明した機械的な本装置に依って、被加工物の縦横の移動は手動で行い、加工を自動的に行うことで、被加工物である昆布を重ねてトレ−上に載せ数回の操作で比較的短時間で切断するための縦横の孔列を穿つことができるので昆布の味を損なうことなく用途に見合う加工製品を生産できることになる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明の装置によって、昆布以外にもスルメなどの切断にも利用できるもので、比較的硬くはない乾燥食品等の切断には適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 装置全体の斜視図である。
【図2】 同上の面図である。
【図3】 同上の平面図である。
【図4】 同上の側面図である。
【図5】 ツ−ルポストの内部構成を示す斜視図である。
【図6】 ツ−ルポストの外観図である。
【図7】 ドリルヘッド内部構成図である。
【図8】 同上平面図である。
【図9】 同上側面図である。
【図10】 昇降部を示す部分正面図である。
【図11】 同上の平面図である。
【図12】 同上の側面図である。
【図13】 ツ−ルポストの水平移動部の正面図である。
【図14】 同上の平面図である。
【図15】 同上の側面図である。
【図16】 ドリル部正面図である。
【図17】 同上平面図である。
【図18】 同上側面図である。
【図19】 同上断面図である。
【図20】 同上水平断面図である。
【図21】 ドリル構成図である。
【図22】 同上平断面図である。
【図23】 テ−ブル移動装置正面図である。
【図24】 同平面図である。
【図25】 同側面図である。
【図26】 テ−ブルの正面図である。
【図27】 同平面図である。
【図28】 同側面図である。
【図29】 横移動体の正面図である。
【図30】 同平面図である。
【図31】 同側面図である。
【図32】 基台の正面図である。
【図33】 同平面図である。
【図34】 同側面図である。
【図35】 トレ−の実施例を示す斜視図ある。
【図36】 昆布加工品を示す斜視図である。
【図37】 同類似加工品図である。
【図38】 加工品の部分断面斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
1 台座
2 支柱
3 アーム
4 ドリルヘッド吊り下げ軸
5 ヘッド方向保持板
6 ドリルヘッド
7 方向ピン
8 ツ−ルポスト
9 昇降用モ−タ−
10 昇降移動軸捻子
11 昇降ガイド溝
12 支持板
13 水平移動用モ−タ−
14 水平移動軸捻子
15 昇降ガイド
16 水平移動ガイド
17 上下移動体
18 ドリル駆動用モ−タ−
19 回転伝達ギア
20 回転伝達ベルト
21 ドリル回転アイドリングギア
22 ドリルギア
23 ドリル
24 ドリル基部
25 止めネジ
26 ベアリング
27 ガイドロ−ラ−
28 ドリルボックス
29 水平摺動凸部
30 テ−ブル
31 縦移動凸部
32 縦移動ガイド
33 横移動体
34 縦移動ハンドル
35 縦移動伝達ギア
36 縦移動軸捻子
37 縦移動凸部ガイド穴
38 テ−ブル移動レール
39 縦移動ガイド穴
40 横移動ガイド
41 横移動ベルト把持部
42 移動用基台
43 横移動ハンドル
44 横移動軸
45 横移動ベルト駆動ギア
46 横移動ベルト
47 横移動ガイド穴
48 横移動ベルトアイドリングギア
49 横移動レ−ル
50 横移動レ−ル穴
51 横移動ガイド板
【技術分野】
【0001】
本発明は、昆布を裁断するための穿孔装置に関するものであり、特には風味を損なうことなく加工が容易となる簡便な穿孔装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昆布等食品あるいは紙、プラスチック等のシ−トの被加工品に裁断用の穴を開ける装置として、以下のようなものが知られている。均一の幅と適当な長さに整形された昆布葉に等間隔で数条のミシン刺しにより裁断のための孔を施された昆布製品を提供するためのミシン装置。下方に移動可能なドリルによって穿孔されるべき単一シ−ト状の可撓性材料を受入れるテ−ブルを備えており、前記ドリルの支持手段と該テ−ブルの相対的な移動をもたらす移動手段を含み、ドリルとテ−ブルに介在するミラ−と整列されたビデオ画像システムを備えている可撓性シ−トの穿孔装置。ロ−プに係止具を取り付け、この係止具に養殖貝類の稚貝を首吊りに状態に取り付けるために、一つの稚貝の耳部とロ−プと、他の稚貝の耳部とを貝座部で上下に積層して並べ上方からドリルで貫通孔を開けて、この貫通孔に下から係止具を刺し通しする、ロ−プに係止具を取り付けるのと係止具に稚貝を取り付けるのを略同時に行う装置。他に、ベルトコンベアで移送される昆布を回転刃により切断する装置等がある。また、刃物などにより線引きすることと同様の方法によって予め切り目を施して、その切り目に沿って切断することは従来普通に行われている。更に、通常のミシンを用いて、糸を通さない針によって被加工物に孔を開けることなども常識的には考えられる。
【特許文献1】 実開昭63−191188号公報
【特許文献2】 特開平7−148695号公報
【特許文献3】 特開平8−103186号公報
【特許文献4】 実開平7−11296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、干し昆布の成形加工には、その味を損なうことなく行うことが必要とされ、従って、レザ−等熱を利用する穿孔加工は出来難く機械的手段によることが望ましいが、前述の公知穿孔装置においては、昆布葉にミシン刺しにより孔を穿って切断する手段があるものの他には昆布を機械的に穿孔し切断できるように加工する装置がなく、前記他の穿孔装置を昆布の穴開けに転用するには、相当の改良を施して、加工時間を短縮し扱い易いものとしなければならない問題があり、本発明はこの問題を解決する昆布の味を損なうことなく且つ簡単に使用できる切断するための穿孔装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
台座の裏面に支柱を立設し、該支柱の上方に設けるア−ムから下方に向けてドリルヘッド吊り下げ軸を固定し、該ドリルヘッド吊り下げ軸にヘッド方向保持板を固定し、このヘッド方向保持板に穿つ略四分の一円弧の案内溝に挿嵌して摺動する方向ピンを設けるドリルヘッドを、昆布の縦横方向の穿孔が出来るように90度の角度で回転可能に前記ドリルヘッド吊り下げ軸に連結し、該ドリルヘッドを支持する背面板に固定する昇降用モ−タ−を駆動源として上下に往復動のできる上下移動体と該上下移動体に固定する水平移動用モ−タ−を駆動源として水平方向に移動するドリルボックスとから成るツ−ルポストの、該ドリルボックスにドリル駆動用モ−タ−に拠り駆動する被加工物に合わせて設ける複数のドリルを直線上に、ドリル直径の整数倍の間隔で配設するとともに、前記台座上に、水平に一方向の移動が可能な横移動体を摺動可能に設け、該横移動体上に被加工物を載せるテ−ブルを水平な縦方向に往復動できるように載設して、多層に重ねた昆布に切断のための孔を行、列ごとに一度に開けることの出来る昆布穿孔装置として、また、前記複数のドリルが、一つのモ−タ−に直結する回転体を介して、同一且つ同時に、ベルトに拠って駆動するドリルボックスを備えているツ−ルポストを有する装置として課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、乾燥した昆布に切断のための縦横の孔を等間隔で、行、列ごとに数度の操作で穿孔することが極めて容易となり、機械的に短時間で加工が出来るので昆布の味を損なうことなく、用途に合わせた形の昆布成形品を提供できることになる。更に、ミシン目を施すような場合には、単に剪断力が急激に加えられるために生じる乾燥した昆布に割れが発生することがなくきれいに孔開けができる効果を有するものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面に示す実施例に従って本発明の実施態様について説明する。
図1、図2、図3、図4において、脚付き台座1の背面に支柱2を立設し、この支柱2の上方部にア−ム3を設け、ア−ム3に下方に向けて垂下固定されるドリルヘッド吊り下げ軸4を設けるとともに、このドリルヘッド吊り下げ軸4には略四分の一円弧の案内溝を表裏に貫通して設けるヘッド方向保持板5を固定し、前記案内溝に挿嵌する方向ピン7を有するドリルヘッド6をドリルヘッド吊り下げ軸4の回転可能に連結している。ドリルヘッド6内に、支持板12に固定する昇降用モ−タ−9を駆動源として、支持板12に施す昇降ガイド溝11に案内されて昇降移動用螺子10によって上下動する上下移動体17と、この上下移動体17に固定する水平移動用モ−タ−13を駆動源とし、水平移動ガイド溝16に沿って水平移動螺子14により水平移動するドリルボックス28とから成る箱型のツ−ルポスト8を構成して、更に、ドリルボックス28には被加工物の大きさに見合う複数のドリル23を直線上に、ドリル23の直径の整数倍、望ましくは、ドリル直径に等しい長さの間隔で等分に配設して加工部を形成している。また、台座1の上に固定して設ける移動用基台42上に、横移動ハンドル43の操作により横方向の水平にスライドし往復動する横移動体33を搭載し、この横移動体33の上に被加工物である昆布を載せるテ−ブル30を、横移動体33上面を縦移動ハンドル34の操作により前後の縦方向にスライドするように設けて本装置の全体を構成している。
【0007】
図5から図15にはツ−ルポストの実施例を示してある。支柱7に支持板12をその背面で固定し、指示板12の内側上方に昇降用モ−タ−9を固定する。支持板12に設ける昇降ガイド溝11に嵌って摺動する鍔部を有する上下移動体17の雌捻子部を施す昇降ガイド15と昇降用モ−タ−9に直結し回転する昇降移動軸捻子10の雌捻子とが螺合して上下移動体17が向きを変えることなく上下動できるようになっている。L字状の上下移動体17の底面上に水平移動用モ−タ−13を固定し、水平移動を案内する溝を有する水平移動ガイドを設け、水平移動用モ−タ−13を駆動源として、それに直結する水平移動軸捻子14と螺合する雌捻子部を施す水平摺動凸部29が前記溝に挿嵌するように配置する水平方向に往復動するドリルボックス28を設け、このドリルボックス28にはドリルモ−タ−18を固定してドリルヘッド6の全体を形成し、この部分にカバ−を被せて箱型のツ−ルポスト8を構成している。このツ−ルポスト8が水平方向で略90度の角度で向きを変えることで縦横に切断のための孔を開けることができるものとなる。
【0008】
図16から図22にはドリルボックスの実施例を示す。本体にドリル駆動用のドリルモ−タ−18を固定してある。このドリル駆動用モ−タ−18の回転軸に回転ギア19を固定し、これに内壁に設ける歯が噛合しドリル駆動用モ−タ−18の回転を伝達する回転ベルト20に噛合し回転するドリルギア22を、ベアリング26を介して等間隔で直列に、本体に垂直に設けるとともに回転ベルト20の外周面にはガイドロ−ラ−27を当接させて配置し回転ベルト20を支持している。回転ベルト20の末端側にはアイドリングギア21を設けてエンドレスとしている。図21に示すようにドリルギア22にはそれぞれドリル23を着脱自在に挿入しそのドリル基部24を止ネジ25によって押さえつけてドリル23をドリルギア22に強固に固定するものである。この場合、望ましいのは、ドリル23の数を被加工物の大きさに見合うものとすれば良いが、20ないしは30センチメ−トル程度の長さに亘って略1ミリメートル程度の孔を開けるドリルを配置することが得策とは言えず本実施例にあっては、5個程度のドリルを設けて、孔を等間隔で穿つように何度かドリル位置を水平に移動させて所定の長さに亘る均等な孔あけを可能としている。もちろんドリルの数に制限を設けるものではない。例えば、直径が1ミリメ−トルのドリルを10ミリメ−トルの間隔で配置した場合には、略20センチメ−トルの長さに亘って1ミリメ−トル間隔で等間隔の孔を穿つには略5回に亘って1ミリメ−トルごとの水平移動を行えば良いことになる。本実施例においては、歯型ベルトを使用しているが、モ−タ−軸から各ドリルと単独に細めのベルトを掛けてドリルを回転させることも可能であり、その場合にはガイドロ0−ラ−は不要となる。
【0009】
以上説明した加工部にあっては、水平移動用モ−タ−13にはステッピングモ−タ−を用いて、ドリルヘッド6の上下の移動を行うための昇降用モ−タ−9及びドリルを回転させるためのドリル駆動用モ−タ−18は電動モ−タ−を使用し、これらの、工程を図示はしないが駆動を電気的逐次制御系として自動化し、この制御装置を台座1の適宜位置に取り付けておき、操作用のスイッチングボタンを手元に設けておけば良い。
【0010】
図23から図34には縦横方向に移動する卓部の実施例を示してある。縦移動ハンドル34の操作によって、このハンドル軸に設ける縦移動伝達ギア35と噛合し回転する縦移動軸捻子36に螺合して縦方向に移動する、図26、27,28に示すテ−ブル30を、基台42上をスライドする横移動体33上に、テ−ブル30に設ける縦移動凸部31及び縦移動ガイド32が、横移動体33に施す縦移動凸部ガイド穴37,テ−ブル移動レ−ル38及び縦移動ガイド穴39に緩く嵌合してスライドできるように搭載している。凸板状の横移動ガイド40を有する横移動体33は、この横移動ガイド40が基台42に形成する横移動レ−ル穴50内に施す横移動レ−ル49に沿って基台42上を摺動できるようにしてある。基台42に設ける横移動ハンドル43の軸部を横移動軸44とし、この横移動軸44には横移動ベルト駆動ギア45を固定し、基台42の延長部分に設ける横移動ベルトアイドリングギア48との間に横移動ベルト46が横移動ガイド穴47内で掛けられ、横移動ハンドル43の回転が、この横移動ベルト46に依って、横移動体33に施す横移動ベルト把持部41を介して横移動体33に伝達されて被加工物を横方向に移動させることが可能となる。
【0011】
卓部に関する本実施例においては、水平方向の縦横の移動をベルトを介して行う手段を示してあるが、ベルト駆動以外にも、例えばラック・ピニオンの組み合わせ等による駆動でも本装置の構成は可能であり、それらの選択は設計上の問題となる。
【0012】
図35はテ−ブル30に使用するトレ−52の例を示してあり、これは被加工物が加工時にその位置をずらすことを防ぐために、通常使用するものである。
図36から図38には、本装置に依って加工された昆布の形状を示して、被加工昆布大53,被加工昆布小54に穿孔列56を施した製品を表している。昆布片55の切断後の切断面は穿孔面57と折破断面58のようになる。
【0013】
以上、説明した機械的な本装置に依って、被加工物の縦横の移動は手動で行い、加工を自動的に行うことで、被加工物である昆布を重ねてトレ−上に載せ数回の操作で比較的短時間で切断するための縦横の孔列を穿つことができるので昆布の味を損なうことなく用途に見合う加工製品を生産できることになる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明の装置によって、昆布以外にもスルメなどの切断にも利用できるもので、比較的硬くはない乾燥食品等の切断には適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 装置全体の斜視図である。
【図2】 同上の面図である。
【図3】 同上の平面図である。
【図4】 同上の側面図である。
【図5】 ツ−ルポストの内部構成を示す斜視図である。
【図6】 ツ−ルポストの外観図である。
【図7】 ドリルヘッド内部構成図である。
【図8】 同上平面図である。
【図9】 同上側面図である。
【図10】 昇降部を示す部分正面図である。
【図11】 同上の平面図である。
【図12】 同上の側面図である。
【図13】 ツ−ルポストの水平移動部の正面図である。
【図14】 同上の平面図である。
【図15】 同上の側面図である。
【図16】 ドリル部正面図である。
【図17】 同上平面図である。
【図18】 同上側面図である。
【図19】 同上断面図である。
【図20】 同上水平断面図である。
【図21】 ドリル構成図である。
【図22】 同上平断面図である。
【図23】 テ−ブル移動装置正面図である。
【図24】 同平面図である。
【図25】 同側面図である。
【図26】 テ−ブルの正面図である。
【図27】 同平面図である。
【図28】 同側面図である。
【図29】 横移動体の正面図である。
【図30】 同平面図である。
【図31】 同側面図である。
【図32】 基台の正面図である。
【図33】 同平面図である。
【図34】 同側面図である。
【図35】 トレ−の実施例を示す斜視図ある。
【図36】 昆布加工品を示す斜視図である。
【図37】 同類似加工品図である。
【図38】 加工品の部分断面斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
1 台座
2 支柱
3 アーム
4 ドリルヘッド吊り下げ軸
5 ヘッド方向保持板
6 ドリルヘッド
7 方向ピン
8 ツ−ルポスト
9 昇降用モ−タ−
10 昇降移動軸捻子
11 昇降ガイド溝
12 支持板
13 水平移動用モ−タ−
14 水平移動軸捻子
15 昇降ガイド
16 水平移動ガイド
17 上下移動体
18 ドリル駆動用モ−タ−
19 回転伝達ギア
20 回転伝達ベルト
21 ドリル回転アイドリングギア
22 ドリルギア
23 ドリル
24 ドリル基部
25 止めネジ
26 ベアリング
27 ガイドロ−ラ−
28 ドリルボックス
29 水平摺動凸部
30 テ−ブル
31 縦移動凸部
32 縦移動ガイド
33 横移動体
34 縦移動ハンドル
35 縦移動伝達ギア
36 縦移動軸捻子
37 縦移動凸部ガイド穴
38 テ−ブル移動レール
39 縦移動ガイド穴
40 横移動ガイド
41 横移動ベルト把持部
42 移動用基台
43 横移動ハンドル
44 横移動軸
45 横移動ベルト駆動ギア
46 横移動ベルト
47 横移動ガイド穴
48 横移動ベルトアイドリングギア
49 横移動レ−ル
50 横移動レ−ル穴
51 横移動ガイド板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座に立設する支柱の上方部に設けるア−ムの下方に垂下固定されるドリルヘッド吊り下げ軸に、略4分の1円弧の案内溝を穿つヘッド方向保持板を固定し、該案内溝に挿嵌するピン依り案内されて少なくとも90度の角度で水平に回転することのできるドリルヘッドを連結し、該ドリルヘッド内に昇降用モ−タ−及び水平移動用モ−タ−を駆動源とし適宜動力伝達手段によって駆動する、垂直方向に移動し得る上下移動体と水平方向に移動するドリルボックスとから成るツ−ルポストの該ドリルボックスにドリル駆動用モ−タ−により適宜回転伝達手段によって駆動する複数のドリルを直線上に、該ドリル直径の整数倍の間隔で配設し、前記台座上で水平に一方向の往復動が適宜移動手段により可能となる横移動体を摺動可能に設け、該横移動体上に被加工物を載せるテ−ブルを水平に縦方向の移動が適宜手段により出来るように設けて成る、切断を容易にする孔を加工する昆布穿孔装置。
【請求項2】
前記ドリルの回転手段として、複数のドリルが、一つのモ−タ−に直結する回転体を介して同一且つ同時にベルトに依り駆動するドリルボックスを備えているツ−ルポストを有する請求項1記載の昆布穿孔装置。
【請求項1】
台座に立設する支柱の上方部に設けるア−ムの下方に垂下固定されるドリルヘッド吊り下げ軸に、略4分の1円弧の案内溝を穿つヘッド方向保持板を固定し、該案内溝に挿嵌するピン依り案内されて少なくとも90度の角度で水平に回転することのできるドリルヘッドを連結し、該ドリルヘッド内に昇降用モ−タ−及び水平移動用モ−タ−を駆動源とし適宜動力伝達手段によって駆動する、垂直方向に移動し得る上下移動体と水平方向に移動するドリルボックスとから成るツ−ルポストの該ドリルボックスにドリル駆動用モ−タ−により適宜回転伝達手段によって駆動する複数のドリルを直線上に、該ドリル直径の整数倍の間隔で配設し、前記台座上で水平に一方向の往復動が適宜移動手段により可能となる横移動体を摺動可能に設け、該横移動体上に被加工物を載せるテ−ブルを水平に縦方向の移動が適宜手段により出来るように設けて成る、切断を容易にする孔を加工する昆布穿孔装置。
【請求項2】
前記ドリルの回転手段として、複数のドリルが、一つのモ−タ−に直結する回転体を介して同一且つ同時にベルトに依り駆動するドリルボックスを備えているツ−ルポストを有する請求項1記載の昆布穿孔装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2008−279588(P2008−279588A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150947(P2007−150947)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(503384786)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(503384786)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]