説明

昇降機能付作業台装置

【課題】例えばリフターなどの昇降機能付作業台装置において、上昇に伴って、手すり上に置かれた手が、何らかの構造物等と手すりとの隙間に挟まれないように気配りすることなく、安心して昇降作業を行えるようにする。
【解決手段】昇降機能付作業台装置は、作業台1と、これを昇降方向に駆動可能な駆動部2と、作業台上の操作者を両側から囲む、一対の手すり3と、一方の手すりに取り付けられ、駆動部を駆動する操作指示を入力可能な操作スイッチ4と、他方の手すりの上方に取り付けられた防護部材5と、防護部材に対する接触を感知するセンサ6と、接触が感知された場合に、駆動部が上昇方向に駆動することを禁止し、接触が感知されない場合に、操作指示に従って、駆動部が上昇方向に駆動することを許可する制御コンピュータ7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばリフター、作業用リフター、作業台車などと呼ばれる、昇降機能付作業台装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の昇降機能付作業台装置としては、作業台に搭乗する操作者による操作スイッチによって、作業台が昇降されるものがある。この昇降に伴って、何らかの構造物や荷物などと作業台の手すり等との隙間に操作者の手が挟まれそうになったとしても、自身が操作する操作スイッチで昇降動作を停止できる。このため、伝統的に安心して操作可能とされている。特に作業性も考慮されて、操作スイッチは片手で操作可能に構成されている。
【0003】
更に、このように安心して操作するための技術としては、研磨装置において、昇降するインターナルギアとキャリアとの隙間で手や指を挟むことのないように、手や指を防護する防護カバーが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭9−193012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、伝統的な昇降機能付作業台装置の場合には、操作スイッチを操作する方の手と反対側の手が手すり上に置かれる状態が、操作者の基本姿勢となりやすい。他方で、操作スイッチで即時に停止可能とはいえ、実際には、操作スイッチが操作された時点から停止するまでには大なり小なりの時間はかかる。このため、上昇に伴って、手すり上に置かれた手が、何らかの構造物等と手すりとの隙間に挟まれないように気配りしながらの作業を強いられるという技術的問題点がある。特に、走行可能に構成された昇降機能付作業台装置の場合には、工場や倉庫等の中を任意の場所に移動されるので、想定外の構造物や荷物等の存在を気にせねばならない。
【0006】
更に、仮に特許文献1に開示された防護カバーを伝統的な昇降機能付作業台装置に適用したとしても、今度は、防護カバーの上に手を置かないように気を配るか、或いは、防護カバーと構造物等との隙間に手が挟まれないように気配りしながらの作業を強いられることが予想される。
【0007】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、安心して昇降作業を行える昇降機能付作業台装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る第1の昇降機能付作業台装置は上記課題を解決するために、作業台と、該作業台を上昇方向及び下降方向に駆動可能な駆動装置と、前記作業台上における操作者が搭乗するための空間を少なくとも両側から囲むように、前記作業台に取り付けられた手すりと、前記手すりのうち一方の片側に取り付けられており、前記駆動装置を少なくとも前記上昇方向に駆動する旨の操作指示を入力可能な操作スイッチと、前記手すりの他方の片側の上方に取り付けられた一の防護部材と、該一の防護部材に対する接触を感知する感知手段と、前記接触が感知された場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従うことなく、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを禁止すると共に、前記接触が感知されない場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従って、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを許可する制御手段とを備える。
【0009】
本発明に係る第1の昇降機能付作業台装置によれば、典型的には、作業台上に搭乗する操作者における、操作スイッチが取り付けられた手すりの一方の片側に近い方の片手(以下適宜、単に「操作用の手」と称する)によって、該操作スイッチが操作される。
【0010】
この操作スイッチにより駆動をしようとする際に、典型的には操作用の手とは逆の手(以下適宜、単に「逆の手」と称する)は、手すりの他方の片側の上方に取り付けられた一の防護部材によって、防護される。即ち、手すりに逆の手を置いている限りは、逆の手が、作業台や手すりと何らかの構造物等との隙間に、作業台の上昇に伴って挟まれることは、防護部材の存在によって阻止される。
【0011】
ここで特に、逆の手が防護部材の上に置かれていた場合には、一の防護部材への接触を感知する感知手段によって、その接触が感知される。すると、たとえ上昇方向に駆動する旨の操作指示が操作スイッチを介して入力されていたとしても、制御手段によって、駆動装置が上昇方向に駆動することは禁止される。このため、操作者は、逆の手が防護部材と構造物等との隙間に挟まれることを気にしないで昇降作業を安心して行える。特に、昇降する作業台上では、操作者は、上方に位置する荷物等に意識を集中することが望まれるので、このように逆の手のことを意識しないで昇降作業を行えることは、実践上、大変有利である。
【0012】
他方で、感知手段によって防護部材への接触が感知されない場合には、制御手段によって、操作スイッチを介して入力された操作指示に従って駆動装置が上昇方向に駆動することが許可される。即ち、通常の昇降動作が、操作スイッチからの指示に従って行われる。このため、操作者は、逆の手が防護部材と構造物等との隙間に挟まれることを気にしないで昇降作業を安心して行える。
【0013】
以上の結果、いずれの場合にも、手を挟まれることを心配することなく、安心して昇降作業を行うことが可能となる。
【0014】
本発明に係る第2の昇降機能付作業台装置は上記課題を解決するために、作業台と、該作業台を上昇方向及び下降方向に駆動可能な駆動装置と、前記作業台上における操作者が搭乗するための空間を少なくとも両側から囲むように、前記作業台に取り付けられた手すりと、前記手すりのうち一方の片側に取り付けられており、前記駆動装置を少なくとも前記上昇方向に駆動する旨の操作指示を入力可能な操作スイッチと、前記手すりの他方の片側の上方に取り付けられた一の防護部材と、前記手すりの他方の片側に対する接触を感知する感知手段と、前記接触が感知されない場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従うことなく、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを禁止すると共に、前記接触が感知された場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従って、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを許可する制御手段とを備える。
【0015】
本発明に係る第2の昇降機能付作業台装置によれば、典型的には、作業台上に搭乗する操作者の操作用の手によって、操作スイッチが操作される。
【0016】
この操作スイッチにより駆動をしようとする際に、典型的には逆の手は、手すりの他方の片側の上方に取り付けられた一の防護部材によって、防護される。
【0017】
ここで特に、逆の手が、防護部材により防護されている手すりの上に置かれていない場合には、感知手段によって、手すりへの接触が感知されない。すると、たとえ上昇方向に駆動する旨の操作指示が操作スイッチを介して入力されていたとしても、制御手段によって、駆動装置が上昇方向に駆動することは禁止される。このため、操作者は、逆の手が防護部材と構造物等との隙間に挟まれることを気にしないで昇降作業を安心して行える。
【0018】
他方で、感知手段によって防護部材により防護されている手すりへの接触が感知される場合には、制御手段によって、操作スイッチを介して入力された操作指示に従って駆動装置が上昇方向に駆動することが許可される。
【0019】
以上の結果、いずれの場合にも、手を挟まれることを心配することなく、安心して昇降作業を行うことが可能となる。
【0020】
本発明に係る第3の昇降機能付作業台装置は上記課題を解決するために、作業台と、該作業台を上昇方向及び下降方向に駆動可能な駆動装置と、前記作業台上における操作者が搭乗するための空間を少なくとも両側から囲むように、前記作業台に取り付けられた手すりと、前記手すりのうち一方の片側に取り付けられており、前記駆動装置を少なくとも前記上昇方向に駆動する旨の操作指示を入力可能な操作スイッチと、前記手すりの他方の片側に対する接触を感知する感知手段と、前記接触が感知された場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従うことなく、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを禁止すると共に、前記接触が感知されない場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従って、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを許可する制御手段とを備える。
【0021】
本発明に係る第3の昇降機能付作業台装置によれば、典型的には、作業台上に搭乗する操作者の操作用の手によって、操作スイッチが操作される。
【0022】
ここで特に、逆の手が手すり上に置かれていた場合には、手すりへの接触を感知する感知手段によって、その接触が感知される。すると、たとえ上昇方向に駆動する旨の操作指示が操作スイッチを介して入力されていたとしても、制御手段によって、駆動装置が上昇方向に駆動することは禁止される。このため、操作者は、逆の手が、手すりと構造物等との隙間に挟まれることを気にしないで昇降作業を安心して行える。
【0023】
他方で、感知手段によって手すりへの接触が感知されない場合には、制御手段によって、操作スイッチを介して入力された操作指示に従って駆動装置が上昇方向に駆動することが許可される。特に、逆の手で、荷物、道具、書類などの何らかの物体を持った状態で、操作用の手で操作する仕様の(言い換えれば、逆の手で手すりを掴むことが想定されていない仕様の)昇降機能付作業台装置の場合に、本発明は、極めて有効となる。この場合、手すりが、前述した防護部材の機能を有しているとも言える。
【0024】
以上の結果、いずれの場合にも、手を挟まれることを心配することなく、安心して昇降作業を行うことが可能となる。
【0025】
本発明に係る第1、第2又は第3の昇降機能付作業台装置の一態様では、前記操作スイッチの上方に、取り付けられた他の防護部材を更に備える。
【0026】
この態様によれば、操作用の手についても、他の防護部材により防護されているので、手が挟まれることを意識する度合をより低めつつ、昇降作業を行えるので、実践上極めて有利である。
【0027】
本発明に係る第4の昇降機能付作業台装置は上記課題を解決するために、作業台と、該作業台を上昇方向及び下降方向に駆動可能な駆動装置と、前記作業台上における操作者が搭乗するための空間を少なくとも両側から囲むように、前記作業台に取り付けられた手すりと、前記手すりのうち一方の片側に取り付けられており、前記駆動装置を少なくとも前記上昇方向に駆動する旨の操作指示を入力可能な操作スイッチと、前記手すりに沿うように、前記手すりの上方に取り付けられた防護部材と、該防護部材に対する接触を感知する感知手段と、前記接触が感知された場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従うことなく、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを禁止すると共に、前記接触が感知されない場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従って、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを許可する制御手段とを備える。
【0028】
本発明に係る第4の昇降機能付作業台装置によれば、典型的には、作業台上に搭乗する操作者の操作用の手によって、操作スイッチが操作される。
【0029】
この操作スイッチにより駆動をしようとする際に、典型的には操作用の手及び逆の手の両者は、手すりに沿うように手すりの上方に取り付けられた防護部材によって、防護される。
【0030】
ここで特に、操作用の手の一部や逆の手が、防護部材の上に置かれていた場合には、防護部材への接触を感知する感知手段によって、その接触が感知される。すると、たとえ上昇方向に駆動する旨の操作指示が操作スイッチを介して入力されていたとしても、制御手段によって、駆動装置が上昇方向に駆動することは禁止される。このため、操作者は、操作用の手の一部や逆の手が、防護部材と構造物等との隙間に挟まれることを気にしないで昇降作業を安心して行える。
【0031】
他方で、感知手段によって防護部材への接触が感知されない場合には、制御手段によって、操作スイッチを介して入力された操作指示に従って駆動装置が上昇方向に駆動することが許可される。
【0032】
以上の結果、いずれの場合にも、手を挟まれることを心配することなく、安心して昇降作業を行うことが可能となる。
【0033】
本発明に係る第1又は第4の昇降機能付作業台装置の他の態様では、前記感知手段は、前記防護部材の上面を覆うように形成されたセンサ部を有する。
【0034】
この態様によれば、防護部材の上面を覆うように形成されたセンサ部によって、逆の手或いは操作用の手の一部による防護部材への接触を確実に感知することが可能となる。
【0035】
本発明に係る第2又は第3の昇降機能付作業台装置の他の態様では、前記感知手段は、前記手すりの他方の片側の上面を覆うように形成されたセンサ部を有する。
【0036】
この態様によれば、手すりの片側の上面を覆うように形成されたセンサ部によって、逆の手の手すりへの接触を確実に感知することが可能となる。
【0037】
本発明に係る第1、第2、第3又は第4の昇降機能付作業台装置の他の態様では、前記作業台を移動させる移動手段を更に備える。
【0038】
この態様によれば、無軌道方式又は軌道方式で、例えば工場や倉庫等内や野外で、所望の場所へ移動した上で、想定外の構造物や荷物等の存在を気にすることなく、安心して作業台の昇降作業を行うことができる。
【0039】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
先ず、本実施形態に係る昇降機能付作業台装置の構成について説明する。ここに図1は、本実施形態に係る昇降機能付作業台装置の、側面から見た外観を含むブロック図であり、図2は、その正面から見た外観を含むブロック図である。
【0041】
図1及び図2において、本実施形態に係る昇降機能付作業台装置100は、主に、作業台1と、駆動部2と、手すり3と、操作スイッチ4と、防護部材5と、センサ6と、制御コンピュータ7とを備えている。
【0042】
図1及び図2に示すように、作業台1は、操作者が搭乗可能であり、この操作者によるスイッチ操作によって昇降される。作業台1は、後述する駆動部側の側面に、載置される荷物を保持するためのガード12を備える。
【0043】
駆動部2は、本発明に係る「駆動装置」の一例として、例えば、モータ8と、駆動伝達部9及び10と、コントローラ11と、支持板13とを備える。コントローラ11は、モータ8を駆動制御して、作業台1を上昇方向及び下降方向に移動させる。
【0044】
駆動伝達部9と支持板13との底面には、本発明に係る「移動手段」の一例としてのローラ14が、取り付けられている。ローラ14を備えることにより、作業台1は、所望の場所に移動可能である。
【0045】
手すり3は、例えばスチール製の棒やフレームから構成されている、一対の手すり3a,3bであって、作業台1上おける操作者が搭乗するための空間を両側から囲むように、作業台1に取り付けられている。
【0046】
操作スイッチ4は、一方の手すり3aに取り付けられており、例えば、作業台1が上昇方向へ移動を開始する或いは更にこの移動を継続させるスイッチと、下降方向へ移動を開始する或いは更にこの移動を継続させるスイッチと、移動を停止するスイッチとを備えている。尚、操作スイッチ4は、少なくとも、作業台1を上昇方向へ移動させる旨の操作指示を入力可能なスイッチと、作業台1を下降方向へ移動させる旨の操作指示を入力可能なスイッチとを備えるようにしてもかまわない。例えば、移動を継続させる押ボタン式のスイッチを離すことで、停止の指示としてもよい。
【0047】
防護部材5は、本発明に係る「一の防護部材」の一例として、例えばモータによる最大の上昇圧力である荷重値よりも大きい荷重値に耐えうる金属、樹脂、ゴム、セラミック、木材等から形成されており、他方の手すり3bに沿うように、手握り可能な空間を設けて取り付けられている。防護部材5は、他方の手すり3bの上に置かれた、操作用の手とは逆の手が、何らかの構造物等と手すりとの隙間に挟まらないように、逆の手を防護する。尚、防護部材5は、他方の手すり3bの上方にのみ、取り付けられてもよい。
【0048】
センサ6は、本発明に係る「感知手段」の一例として、防護部材5の上面を覆うように形成され、防護部材5の内部に組み込まれている。センサ6は、何らかの構造物等との接触を検知すると、後述する制御コンピュータに対して接触信号を出力する。例えば、センサ6は、その表面に印加される圧力を検知する圧電素子や感圧スイッチ、その表面における電圧の変化を検知する電気式センサ、或いはその表面の光量の変化を検知する光学式センサ等である。こうして、防護部材5に対する接触を感知する。
【0049】
制御コンピュータ7は、本発明に係る「制御手段」の一例として、昇降機能付作業台装置100の各部を制御する。制御コンピュータ7は、操作スイッチ4からの操作指示を受けて、駆動部2のコントローラ11を制御し、作業台1を上昇方向及び下降方向に移動させる。但し、操作スイッチ4からの操作指示を受けた際に、センサ6からの接触信号を受信したか否かによって、駆動部2の駆動を禁止又は許可する。
【0050】
制御コンピュータ7は、センサ6からの接触信号を受信した場合であって、操作スイッチ4からの操作指示の内容が、作業台1を上昇移動する場合には、駆動部2を上昇方向に駆動することを禁止する。即ち、操作者の逆の手がセンサ6の配備された防護部材5の上に置かれている可能性があるため、又は防護部材5が何らかの構造物等と接触している可能性があるために、作業台1を上昇方向に移動させない。一方、該接触信号を受信した場合であって、操作スイッチ4からの操作指示の内容が、作業台1を下降移動する場合には、該操作指示に従って、駆動部2を下降方向にのみ駆動することを許可する。即ち、操作者の逆の手がセンサ6の配備された防護部材5の上に置かれていても、下降であれば挟まれる心配はない。或いは接触しているとされる物体から退避するために、作業台1を下降方向に移動させる。
【0051】
また、制御コンピュータ7は、センサ6からの接触信号を受信しない場合には、操作スイッチ4からの操作指示に従って、駆動部2の上昇方向及び下降方向への駆動を許可する。
【0052】
尚、制御コンピュータ7は、駆動部2の駆動を禁止又は許可する制御に際して、防護部材5に対する接触を判定し、その後に、操作スイッチ4からの操作指示の内容を判定するが、先に、操作指示の内容を判定し、その後に、防護部材5に対する接触を判定してもよい。
【0053】
次に、本実施形態に係る昇降機能付作業台装置100の動作について、図1及び図2に加えて、図3を参照して説明する。ここに図3は、本実施形態に係る昇降機能付作業台装置100の動作処理を示すフローチャートである。
【0054】
具体的には、図3において、先ず、制御コンピュータ7にて、操作者により操作スイッチ4が操作されたか否かが判定される(ステップS11)、操作スイッチ4が操作されたと判定された場合には(ステップS11:YES)、センサ6により、防護部材5に対する接触が感知されたか否かが判定される(ステップS12)。ここで、センサ6からの接触信号が出力されない場合には(ステップS12:No)、操作スイッチ4を介して入力された操作指示に従って、駆動部2が駆動され、作業台1が上昇方向及び下降方向に自由に移動される(ステップS15)。一方、接触信号が出力された場合には(ステップS12:Yes)、操作指示の内容、即ち作業台1が上昇方向及び下降方向のどちらに移動されるかが判定される(ステップS13)。ここで、作業台1が下降方向に駆動される場合には(ステップS13:下降)、この操作指示に従って、作業台1が下降方向に自由に移動される(ステップS15)。一方、作業台1が上昇方向に駆動される場合には(ステップS13:上昇)、この操作指示に従うことなく、駆動部2の上昇方向への駆動が禁止される(ステップS14)。
【0055】
このように、第1実施形態の昇降機能付作業台装置は、他方の手すり3bの上方に、防護部材5を設けると共に、この防護部材5に対する接触を感知するセンサ6を設け、前記接触が感知された場合に、作業台1の上昇方向への移動を禁止するようにしたから、操作者は、スイッチ操作用の手とは逆の手が、防護部材と構造物等との隙間に挟まれることを気にしないで昇降作業を安心して行える。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る昇降機能付作業台装置について、図4を参照して説明する。
【0056】
先ず、本実施形態に係る昇降機能付作業台装置の構成について説明する。ここに図4は、第1実施形態における図1と同趣旨の模式図である。尚、図4において、図1に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0057】
図4において、本実施形態に係る昇降機能付作業台装置は、上述したセンサ6を配置した部位において、上述した第1実施形態の昇降機能付作業台装置と異なる。その他の構成については、第1実施形態の場合と概ね同様である。
【0058】
センサ21は、第1実施形態では、防護部材5の上面を覆うように形成されているが、本実施形態では、他方の手すり3bの上面を覆うように形成され、他方の手すり3bの内部に組み込まれている。センサ6は、他方の手すり3bに対する接触を検知すると、後述する制御コンピュータに対して接触信号を出力する。こうして、他方の手すり3bに対する接触を感知する。
【0059】
制御コンピュータ7は、センサ21からの接触信号を受信しない場合であって、操作スイッチ4からの操作指示の内容が、作業台1を上昇移動する場合には、駆動部2を上昇方向に駆動することを禁止する。即ち、逆の手が他方の手すり3bの上に置かれずに、防護部材5の上に置かれている可能性があるために、作業台1を上昇方向に移動させない。一方、該接触信号を受信しない場合であって、操作スイッチ4からの操作指示の内容が、作業台1を下降移動する場合には、該操作指示に従って、駆動部2を下降方向にのみ駆動することを許可する。
【0060】
また、制御コンピュータ7は、センサ21からの接触信号を受信した場合には、操作スイッチ4からの操作指示に従って、駆動部2の上昇方向及び下降方向への駆動を許可する。即ち、この場合には、逆の手が他方の手すり3bの上に置かれており、防護部材5により防護されているので、作業台1を上昇方向に移動させてよい。
【0061】
次に、本実施形態に係る昇降機能付作業台装置の動作について、図4に加えて、図5を参照して説明する。ここに図5は、本実施形態に係る昇降機能付作業台装置の動作処理を示すフローチャートである。
【0062】
具体的には、図5において、先ず、制御コンピュータ7にて、図3と同様に、操作スイッチ4が操作されたか否かが判定され(ステップS11)、操作スイッチ4が操作されたと判定された場合には(ステップS11:YES)、センサ21により、他方の手すり3bに対する接触が感知されたか否かが判定される(ステップS16)。ここで、センサ21からの接触信号が出力された場合には(ステップS16:Yes)、操作スイッチ4を介して入力された操作指示に従って、駆動部2が駆動され、作業台1が上昇方向又は下降方向に自由に移動される(ステップS15)。一方、接触信号が出力されない場合には(ステップS16:No)、図3と同様に、操作指示の内容、即ち作業台1が上昇方向及び下降方向のどちらに移動されるかが判定され(ステップS13)、作業台1が下降方向に駆動される場合には(ステップS13:下降)、この操作指示に従って、作業台1が下降方向に自由に移動される(ステップS15)。一方、作業台1が上昇方向に駆動される場合には(ステップS13:上昇)、この操作指示に従うことなく、駆動部2の上昇方向への駆動が禁止される(ステップS14)。
【0063】
このように、第2実施形態の昇降機能付作業台装置は、他方の手すり3bに対する接触を感知するセンサ21を設け、この接触が感知される場合に、逆の手が、防護部材5の上に置かれていないと判定し、作業台1の上昇方向への移動を許可するように構成されている。このため、操作者は、逆の手が、防護部材と構造物等との隙間に挟まれることを気にしないで昇降作業を安心して行える。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る昇降機能付作業台装置について、図6を参照して説明する。
【0064】
先ず、本実施形態に係る昇降機能付作業台装置の構成について説明する。ここに図6は、第1実施形態における図1と同趣旨の模式図である。尚、図6において、図1に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0065】
図6において、本実施形態に係る昇降機能付作業台装置は、他方の手すり3bのみならず一方の手すり3aにも、防護部材31を設けた点において、上述した第1及び第2の各実施形態の昇降機能付作業台装置と異なる。その他の構成については、第1実施形態の場合と概ね同様である。
【0066】
防護部材32は、操作スイッチ4側の一方の手すり3aに沿うように、手握り可能な空間を設けて取り付けられている。防護部材32は、一方の手すり3aの上に置かれた、操作用の手の一部が、何らかの構造物等と手すりとの隙間に挟まらないように、操作用の手を防護する。
【0067】
本実施形態に係る昇降機能付作業台装置の動作処理としては、制御コンピュータ7にて、図3に示した第1実施形態の場合と同様に、センサ6及び32により、一対の手すり3a及び3bの上方の防護部材5に対する接触が感知されたか否かが判定される。ここで、センサ6及び32からの接触信号が出力されない場合には、操作スイッチ4を介して入力された操作指示に従って、駆動部2が駆動される。一方、接触信号が出力された場合には、更に作業台1が上昇方向に駆動される場合には、駆動部2の上昇方向への駆動が禁止される。
【0068】
このように、第3実施形態の昇降機能付作業台装置は、一対の手すり3a及び3bの上方に、2つの防護部材5及び31を設けると共に、これら防護部材5及び31に対する接触を感知するセンサ6及び32を設け、前記接触が感知された場合に、作業台1の上昇方向への移動を禁止するようにしたから、操作者は、操作用の手の一部や逆の手が、防護部材と構造物等との隙間に挟まれることを気にしないで昇降作業を安心して行える。
【0069】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う昇降機能付作業台装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1実施形態に係る昇降機能付作業台装置の、側面から見た外観を含むブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る昇降機能付作業台装置の、正面から見た外観を含むブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る昇降機能付作業台装置の動作処理を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態に係る昇降機能付作業台装置の概要を示す正面図である。
【図5】第2実施形態に係る昇降機能付作業台装置の動作処理を示すフローチャートである。である。
【図6】第3実施形態に係る昇降機能付作業台装置の概要を示す正面図である。
【符号の説明】
【0071】
1…作業台、2…駆動部、3…手すり、4…操作スイッチ、5…防護部材、6…センサ、7…制御コンピュータ、100…昇降機能付作業台装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業台と、
該作業台を上昇方向及び下降方向に駆動可能な駆動装置と、
前記作業台上における操作者が搭乗するための空間を少なくとも両側から囲むように、前記作業台に取り付けられた手すりと、
前記手すりのうち一方の片側に取り付けられており、前記駆動装置を少なくとも前記上昇方向に駆動する旨の操作指示を入力可能な操作スイッチと、
前記手すりの他方の片側の上方に取り付けられた一の防護部材と、
該一の防護部材に対する接触を感知する感知手段と、
前記接触が感知された場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従うことなく、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを禁止すると共に、前記接触が感知されない場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従って、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを許可する制御手段と
を備えることを特徴とする昇降機能付作業台装置。
【請求項2】
作業台と、
該作業台を上昇方向及び下降方向に駆動可能な駆動装置と、
前記作業台上における操作者が搭乗するための空間を少なくとも両側から囲むように、前記作業台に取り付けられた手すりと、
前記手すりのうち一方の片側に取り付けられており、前記駆動装置を少なくとも前記上昇方向に駆動する旨の操作指示を入力可能な操作スイッチと、
前記手すりの他方の片側の上方に取り付けられた一の防護部材と、
前記手すりの他方の片側に対する接触を感知する感知手段と、
前記接触が感知されない場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従うことなく、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを禁止すると共に、前記接触が感知された場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従って、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを許可する制御手段と
を備えることを特徴とする昇降機能付作業台装置。
【請求項3】
作業台と、
該作業台を上昇方向及び下降方向に駆動可能な駆動装置と、
前記作業台上における操作者が搭乗するための空間を少なくとも両側から囲むように、前記作業台に取り付けられた手すりと、
前記手すりのうち一方の片側に取り付けられており、前記駆動装置を少なくとも前記上昇方向に駆動する旨の操作指示を入力可能な操作スイッチと、
前記手すりの他方の片側に対する接触を感知する感知手段と、
前記接触が感知された場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従うことなく、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを禁止すると共に、前記接触が感知されない場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従って、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを許可する制御手段と
を備えることを特徴とする昇降機能付作業台装置。
【請求項4】
前記操作スイッチの上方に、取り付けられた他の防護部材を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の昇降機能付作業台装置。
【請求項5】
作業台と、
該作業台を上昇方向及び下降方向に駆動可能な駆動装置と、
前記作業台上における操作者が搭乗するための空間を少なくとも両側から囲むように、前記作業台に取り付けられた手すりと、
前記手すりのうち一方の片側に取り付けられており、前記駆動装置を少なくとも前記上昇方向に駆動する旨の操作指示を入力可能な操作スイッチと、
前記手すりに沿うように、前記手すりの上方に取り付けられた防護部材と、
該防護部材に対する接触を感知する感知手段と、
前記接触が感知された場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従うことなく、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを禁止すると共に、前記接触が感知されない場合に、前記操作スイッチを介して入力された操作指示に従って、前記駆動装置が上昇方向に駆動することを許可する制御手段と
を備えることを特徴とする昇降機能付作業台装置。
【請求項6】
前記感知手段は、前記防護部材の上面を覆うように形成されたセンサ部を有することを特徴とする請求項1又は5に記載の昇降機能付作業台装置。
【請求項7】
前記感知手段は、前記手すりの他方の片側の上面を覆うように形成されたセンサ部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の昇降機能付作業台装置。
【請求項8】
前記作業台を移動させる移動手段を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の昇降機能付作業台装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−214087(P2008−214087A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57726(P2007−57726)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(302059274)アシスト テクノロジーズ ジャパン株式会社 (146)
【Fターム(参考)】