説明

易学鑑定システム

【課題】街頭で易者と依頼者とが対面して行われる対面式の易学鑑定を再現したゲーム機に関するものであり、特にその掌面についての画像取り込み等の動作際に映像等を組み合わせて行うことにより、あたかも目の前の易者が行っているかのような感覚を得ることができる業務用ゲーム装置である易学鑑定システムを提供する。
【解決手段】易学鑑定システム1は、依頼者Cの掌等の身体的特徴についての情報である判定資料Pを取り込む判定資料入力装置5と、映像を依頼者に表示するためのディスプレイ部3と、該判定資料Pから易学的な判断要素fを判定して、その結果に応じた易学的判断を出力する易断結果出力装置7とを具えた易学鑑定システム1において、上記依頼者Cの掌面等の画像である判定資料Pを取り込むにあたっては、掌等の撮影面側を解放状態として撮影を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にアミューズメント施設等に設置される占い用の業務用ゲーム機に関するものであって、特に易断を行うにあたり、手相のデータを読み取る工程や告知の工程を利用者に対してより臨場感を与えることにより対面形式の易断を擬似的に感得できるサービスを提供する易学鑑定システムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、易者と依頼者とが対面する方式の易断サービスが依頼者にとっての満足感、安心感を得るような点では、好ましい。しかしながら、現実的には時間的、経済的な制約により手軽に易断サービスを受けることができない場合も多く、これに替わる簡便な易断方法が試みられている。その簡便な易断方法としては、単に生年月日等の情報に基づいて予め登録されたフレーズを返すゲーム感覚の易断サービスや、テレビ電話等を用いた遠隔型の易断サービスなどが提案されている。
【0003】
しかしながら、ゲーム感覚の易断サービスでは、その易断手法が例えば利用者固有の情報を打ち込むだけで返答されるなど、精神的な充足感を得られるような質とは言い難い。
また遠隔型の易断サービスでは、易者と利用者との間で会話が行えることから限りなく対面方式の易断サービスに近いものを提供できるものの、通常の対面方式の易断サービスにかかる料金に加えて、通信回線等の付随する料金が更に必要となるために、経済的制約により必ずしも手軽に利用できるサービスとは言い難い。
もちろんこのほかの手法として、近年の高性能な家庭用ビデオゲーム機器を用いた占いゲームなども提供されているものの、家庭用ゲーム機器ということから、一定の価格範囲内に収めなくてはならず、必然的に充分な易断のための機材を用いることにも限界がある。
また業務用ゲーム機としても開発が進められているが、これら多くのものは、易者の易断手法(手相の認識など)を機械により再現することに主眼を置かれており、これらについてのみに着目すれば対面式の易断に近くなっているものの、対面式易断サービスの本質である易者と依頼者とのコミュニケーションによって得られる依頼者の精神的な充足感や満足感について、必ずしも充分な工夫がなされているとは言い難い(特許文献1、2)。
【特許文献1】特公平6−104145号公報
【特許文献2】特開平10−277259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような背景を認識してなされたものであって、街頭で易者と依頼者とが対面して行われる対面式の易学鑑定を再現したゲーム機に関するものであり、特にその掌面についての画像取り込み等の動作の際に映像等を組み合わせて行うことにより、あたかも目の前の易者が鑑定を行っているかのような感覚を得ることができる新規な業務用ゲーム装置である易学鑑定システムの開発を技術課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1記載の易学鑑定システムは、依頼者の掌等の身体的特徴についての情報である判定資料を取り込む判定資料入力装置と、映像を依頼者に表示するためのディスプレイ部と、該判定資料から易学的な判断要素を判定して、その結果に応じた易学的判断を出力する易断結果出力装置とを具えた易学鑑定システムにおいて、上記依頼者の掌面等の画像である判定資料を取り込むにあたっては、掌等の撮影面側を解放状態として撮影を行うことを特徴として成るものである。
【0006】
また請求項2記載の易学鑑定システムは、前記要件に加え、前記易学鑑定システムの判定資料入力装置は、1または2以上具えられており、複数の依頼者の身体的特徴を同時に撮影して依頼者同士に関連する易学鑑定を行うことができることを特徴として成るものである。
【0007】
更にまた請求項3記載の易学鑑定システムは、前記要件に加え、前記判定資料入力装置は、拡大鏡の形状を模した筐体であるカメラユニットを有することを特徴として成るものである。
【0008】
また請求項4記載の易学鑑定システムは、前記要件に加え、前記判定資料入力装置による掌の撮影は、依頼者の掌等の身体的特徴を複数の角度から撮影し、身体的特徴について立体的な画像として入力することを特徴として成るものである。
【0009】
更にまた請求項5記載の易学鑑定システムは、前記請求項3または4記載の要件に加え、前記判定資料入力装置のカメラユニットによる掌面等の撮影は、本装置に具えられているディスプレイ部に映し出される映像や音に連動して行われることを特徴として成るものである。
【0010】
更にまた請求項6記載の易学鑑定システムは、前記要件に加え、前記判定資料入力装置による身体的特徴についての撮影は、掌面の撮影に替えてもしくは併せて依頼者の顔を撮影することを特徴として成るものである。
【0011】
更にまた請求項7記載の易学鑑定システムの判定資料入力装置は、前記要件に加え、キー入力装置を具えており、このものは、少なくとも複数の依頼者が利用する際に、どの入力キーを押したかを互いに判別することができない構造であることを特徴として成るものである。
【0012】
更にまた請求項8記載の易学鑑定システムは、前記要件に加え、前記ディスプレイに易者の映像等を表示することにより易学鑑定結果を依頼者に告知することを特徴として成るものである。
【0013】
更にまた請求項9記載の易学鑑定システムは、前記要件に加え、特に依頼者同士の相性に関する易学鑑定結果が所定の基準より適していると判断された場合には、告知のほかに、依頼者の表示がある記念品が有償または無償で提供がされることを依頼者に告知し、依頼者の了解があった場合には、これを個別表示加工した上で提供することを特徴として成るものである。
【0014】
更にまた請求項10記載の易学鑑定システムは、前記要件に加え、通常の告知のほかに、依頼者へのメールアドレスに画像データとして編集された鑑定結果が提供されることを告知し、依頼者の了解があった場合には、撮影した画像と運勢の変化を表した運勢グラフや、易者のコメントなどを組み合わせた鑑定結果を送信することを特徴として成るものである。
【0015】
更にまた請求項11記載の易学鑑定システムは、前記要件に加え、依頼者の身体的特徴等に基づいて、利用した日以降、更に新しい鑑定結果をメールアドレスに送信することを特徴として成るものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、従来一般に用いられてきたフラットヘッドスキャナ等の判定資料入力装置を用いないことから、掌面などをコンタクトガラスに対して押し付ける必要が無く、今までのような押し潰された状態の映像ではないため、通常易者が観察している自然な状態に近い映像を得ることができ、より精度の高い易学鑑定を可能とする。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、同時に複数の依頼者の身体的特徴を入力することができるので、例えば依頼者同士の相性に関する易学鑑定を行うことができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、街頭で行われている対面式の易学鑑定サービスの際に易者が行う動作を再現することが可能になり、サービスを受けている依頼者も対面式の易学鑑定サービスと同様の臨場感を得ることができる。
ことができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、従来一般に用いられていたフラットヘッドスキャナ等のように平面的な画像ではなく、多角的に撮影することができるので一方向からの撮影では明確に現れなかった身体的特徴についてもより鮮明に入力することができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、大型のディスプレイに、ほぼ等身大の大きさで映し出される易者の映像とその映像に連続するように装飾された判定資料入力装置の受像素子部とを連動させながら撮影をすることにより、目の前で易者が手を観察しているかのような臨場感を得ることができる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、手相占いの判定資料入力装置をそのまま利用することにより効率よく依頼者の顔を撮影し、手相占いだけでなく顔相占いも合わせて行うことができ、多面的な易学鑑定を同時に行うことができる。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、易者から依頼者それぞれに対して簡単な質問をする際に、特に相手に対してその答えを知られたくないものであっても、互いにどの選択肢を選んだかを気づかれることがないので、質問に対して正直に解答することができる。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、従来のように易学鑑定結果を印字したシートが提供されるだけでなく、その内容を目の前の大型ディスプレイに映して、あたかも直接告知を受けているかのような臨場感を得ることができる。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、特に肯定的な鑑定結果が出た場合には、記念品を提供することができるので、依頼者はその肯定的な鑑定結果をより強く記憶に留めておくことができる。
【0025】
請求項10記載の発明によれば、従来の運勢グラフを含む易学鑑定結果は、モニタ画面による告知や紙に印字されて提供されることが多くあり、このため常時携帯し難いために依頼者は、その運勢グラフなどを充分に利用することができなかったが、その鑑定結果を「壁紙データ」等の画像データの形式で提供することによって、依頼者は、携帯電話の表示部の背景として設定することなどにより、いつでも利用することが可能になる。
【0026】
請求項11記載の発明によれば、依頼者は本発明の易学鑑定システムを利用することにより、身体的特徴についての入力作業を一度完了させた後も、この情報に基づいて運勢の変化等を示した易学鑑定結果を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を実施するための最良の形態は、以下述べる実施例をその一つとするものであると共に、この技術思想に基づく種々の改良した実施例も含まれるものである。
【実施例】
【0028】
図中の符号1は、本発明の易学鑑定システムを示すものであって、このものは、アミューズメント施設Aに設置される業務用ゲームである。
まず、この易学鑑定システム1の構成を説明するに先立ち特許請求の範囲並びに以下の明細書中に用いられる主要な語句について説明する。
【0029】
〔判定資料〕
判定資料Pとは、易学鑑定を行う際にそれぞれの易断手法に応じた手掛かりとなり得る依頼者C特有の情報であって、例えば手相易断にあっては掌面についての身体映像p1であり、顔相易断にあっては顔面についての身体映像p1である。更に暦による易断の場合には、生年月日情報p2であり、姓名判断の場合には、姓名の漢字である文字情報の姓名情報p3である。
【0030】
〔判定要素〕
判定要素fとは、判定資料Pから肉眼等により読み取る特徴点であって、各易断手法に対応した観察するポイントである。具体的な判定要素fとしては、手相易断における手相判定要素f1は、生命線等と呼ばれる掌面に現れるしわのそれぞれの形状や、それらの交差する位置やその角度や丘と呼ばれる掌上の凸部の形状などがあり、同様に顔相判定要素や耳相判定要素についても、構成する部位の形状や位置等が該当する。また生年月日判定要素f2は、一例として現在一般的に用いられている西暦表示から所定の暦に置き換えたものが該当する。姓名判断における姓名判定要素f3は、文字形式で送られてきたそれぞれの漢字の画数などが該当する。
【0031】
〔視覚判定〕
視覚判定とは、易者Fが判定資料Pの各判定要素fについて直接観察し導き出した総合的な結果、並びに、易者Fによるものと同等の判定が行えるコンピュータの解析に基づく擬似的な観察により導き出された結果も擬似的な視覚判定として含むものである。
【0032】
〔易学判断〕
易学判断とは、この視覚判定の内容に基づき、易者Fの易学的な見識より導き出される易学的な判断である。具体的な易学判断の内容は、視覚判定の内容から推認され得る依頼者Cの心体の変化や周囲の環境の変化などである。なお、この易学判断と視覚判定との相関関係を体系的に集積したものが、後述する易学ナレッジデータベース23である。
【0033】
〔易学鑑定結果〕
易学鑑定結果とは、依頼者Cの要求した易学鑑定の内容に応じて易者Fが告知する具体的な内容である。具体的には、カップルの相性、運勢等の見立てである。この告知は、一例としてディスプレイ部3に、易者Fの映像とともに表示されるものである。
【0034】
〔付加情報〕
付加情報とは、視覚判定に基づいて導き出された易学判断に関連する周辺情報であって、具体的にはその内容を促進するもしくは回避するためのラッキーアイテムなどに関する情報であり、図中のコメントg3の一部を構成するものである。
【0035】
この易学鑑定システム1は、ほぼ矩形の箱状の外観をした筐体部10と、各種の制御を行う制御部2と、各種の映像を出力するディスプレイ部3と、依頼者Cの身体的特徴を撮影し入力するためのカメラマウント部4や判定資料入力装置5と、依頼者Cの撮影部位を載せる観察ホルダ6と、種々の方法により易断結果を出力する易断結果出力装置7などを主要部材として構成される。
【0036】
以下易学鑑定システム1を構成する諸部材について詳しく説明する。
まず前記筐体部10について説明すると、このものは図1、2に示すように、組み上げられた状態では、ほぼ矩形の箱状をしている。このものは、平面視で矩形状をした底板であるベース部11に対して、その奥方側の一辺からほぼ垂直に立ち上がるようにメインパネル12が取り付けられており、 更に、このメインパネル12に対して対抗する前面パネル15と、これら2面を連結する二つの対抗する側面パネル14とが取り付けられている。
これら四つのパネル部材の上方には、これらにより支持されるように天井部17が具えられており、図示のように、この天井部17の側端部には、カーテン18が取り付けられている。
そしてこれらの部材によって区画された空間を鑑定室16とし、図1、2に示すように、この中には鑑定テーブル13、依頼者Cが座るためのイス19、後述する制御部2等が収められている。
【0037】
次に、制御部2について説明すると、このものは、前記筐体部10の鑑定室16に収められているものであって、本装置の各構成機器を制御するためのものである。具体的にこのものは、適宜のインターフェイスを具えており、これに対して接続された種々の構成機器の状況を把握しながら所定の信号をその機器に送って指示する。なお制御部2は、従来からの用いられている制御技術を適宜用いて構成されている。
また、この制御部2には、演算装置21と記憶装置22とが内蔵されており、この演算装置21は、後述する判定資料入力装置5からの入力された判定資料Pから判定要素fを解析して視覚判定などを行い、その判定の内容に基づいて、記憶装置22内に具えられている易学ナレッジデータベース23の中から対応するデータ(易学判断)を抽出する。そして演算装置21は、これら易学判断を依頼者Cの鑑定内容に応じて加工し、告知の操作や出力の操作を行うものである。
また詳しくは後述するが、この制御部2に併設するように、ネットワーク環境を利用して外部と接続ができる通信装置25を具えることも可能である。
【0038】
次に、ディスプレイ部3について説明する。このものは、依頼者Cに対して映像を表示させるためのものであって、易者Fの映像を、ほぼ等身大の大きさで表示させることができる大画面であるディスプレイが好ましい。更にまた易学鑑定システム1の全体の大きさや特に奥行き方向の大きさを考慮すると、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の大画面薄型モニタ31が好ましい。
もちろん、近年開発され実用化が進められている裸眼(専用の特殊ゴーグル等を着用しない)による3次元立体映像を描画できる立体表示モニタなどを用いることも当然差し支えない。
このディスプレイ部3は、筐体部10のメインパネル12の上側に、鑑定テーブル13の上面といくぶんか間隔を開けるように取り付けられている。
もちろんこのディスプレイ部3の近傍には、モニタに映し出される映像に合わせた音声などを再生するためのスピーカ32や、個別に再生するためのヘッドフォン型スピーカ33などが具えられている。
更に、このディスプレイ部3のディスプレモニター装置に代えて、後述するカメラマウント部4に連続するように、いわゆる張りぼての易者Fの模した人形を前面パネル15に取り付け、小型の表示部材(例えば小型の液晶表示装置)を別途設けるようにしても差し支えない。
【0039】
次に、カメラマウント部4について説明する。
このものは、後述する判定資料入力装置5のカメラユニット55を回動自在に保持するため部材であって、図示のようにディスプレイ部3と鑑定テーブル13との間に設けられたメインパネル12上のくりぬかれた取付孔12aから伸び出すように取り付けられている。
このカメラマウント部4は、メインパネル12に接する根元部を、人間の「二の腕」のあたりとしてアームの先端部を指先とするような外形を採っている。
そしてカメラマウント部4の構造は、骨格となるリンクアーム40がその内部に設けられており、この先端部の手を模した部分を手部41とし、この手部41には、後述する拡大鏡(天眼鏡)を模したカメラユニット55を握るような状態として設けられる。この手部41から根元部分までの範囲を腕部42とし、この腕部42の外側には、ディスプレイ部3に映し出されている易者Fの服装を模した装飾43が施されている。
更にカメラマウント部4のリンクアーム40は、人間の関節部分に相当する部位ごとに、それぞれ関節部を具えており、適宜の可動部アクチュエータ44等が埋め込まれ、前記制御部2の指示信号に応じて人間の腕から先の動きを再現できる構造を採っている。もちろんリンクアーム40は、このほかにも自在に曲がるボールジョイントなど複数を用いた構造として差し支えない。
【0040】
次に、判定資料入力装置5について説明する。
判定資料入力装置5は、依頼者Cに関する情報を入力するためのものであって、このものは、文字情報等を目的としたキー式の判定資料入力装置5と、映像や音声を入力するカメラやマイクとにより構成される。
まずキー式の判定資料入力装置5とは、主に名前や生年月日等の情報を、文字情報として入力するための多くの選択キー53などを具えたメインキーボード51と、多くとも10程度の選択キー53しか具えていない個別キーボード52とが具えられている。このメインキーボード51は、一例として図に示すように鑑定テーブル13のほぼ中央部付近に一つ具えられており、一方の個別キーボード52は、依頼者Cごとにそれぞれ一つずつ、互いに操作状況を認識し難いような構造をして具えられている。具体的には、個別キーボード52は、鑑定テーブル13の裏面外側にそれぞれ設けられるほか、鑑定テーブル13上に、指先付近を覆う目隠しフード54が取り付けられたものなどの構成を取る。
また選択キー53は、一例として視認し得なくとも手探りのみで目的の選択キー53を探せるように、図3に示すように、キーの形状自体を○や△や×などにすることが好ましい。
【0041】
次に、映像等を入力する判定資料入力装置5としては、カメラユニット55が具えられている。このものは、拡大鏡(天眼鏡)の形状を模したカメラ筐体56の中に、受像素子部57と、映像処理部57aと、高輝度LEDなどを用いた補助ライト57bとを埋め込んだものである。
受像素子部57には、既存の電荷結合素子(CCD)タイプのものや、相補型金属酸化物半導体(CMOS)タイプのもの受像部が用いられており、充分な画像品質を得られるように適宜光学レンズや、それらに関する撮影のため技術を用いることは差し支えない。
そして、このカメラユニット55は、前述したカメラマウント部4の手部41に外見上握られるようにして保持固定される。
もちろん、このカメラユニット55などの判定資料入力装置5は、配線ケーブル(図示は省略する)によって、前述の制御部2に接続されている。
また詳しくは後述するが、依頼者C自身が自由に持って動かし、適当な状態でボタン操作することにより撮影ができるようにした補助カメラ58を設けておくことも差し支えない。
この補助カメラ58は、制御されているカメラユニット55だけでは、幼児等の場合、所定の状態で掌を保持することが難しい場合があるため充分な撮影ができない場合があることから、一方の依頼者Cよって補助カメラ58を操作し撮影を行うためのものである。
また更に依頼者Cが幼児であり、撮影のための案内に従って撮影ができない場合には、制御部2は、音楽映像などを再生させて、依頼者Cの幼児に振り付けなどを誘導し、依頼者Cが振り付けを行っている間に手のひらや、顔などの身体映像p1をカメラユニット55などで撮影を行うようにすることも可能である。
【0042】
次に観察ホルダ6について説明すると、このものは一例として鑑定テーブル13の中央部に設けられた台状のものである。この観察ホルダ6の上には、例えば手の形をした二つの凹状をした窪みガイド61が設けられており、それぞれの依頼者Cは、観察してもらう手をこの窪みガイド61の凹部に沿って置くだけで簡単に所定の定置させることができ、併せて掌の凹凸を明確にすることができるような手Hや指先の定置状態へ案内することができる。
なお必要があれば観察ホルダ6は、その素材として透過性を有するものを用いて、その内部に発光体(高輝度LEDなど)を埋め込むことにより、被写体たる手Hを照射できるようにし、撮影に際して充分な光量を与えることができるようにすることも可能である。また図示は省略するが、この観察ホルダ6には、シート状のものを保持するためのクリップが具えられている。
【0043】
次に、この易断結果出力装置7について説明する。
このものは、制御部2の演算装置21で最終的に判定された易学鑑定結果の内容を依頼者Cに提供するための装置であって、一例としては、主に紙などに印刷するプリンタ71が用いられる。
もちろん、この易学鑑定結果の内容は、上述したディスプレイ部3によって、即時に告知されるが、この易断結果出力装置7は、主に有体物にその結果を記録するための装置である。
詳しくは後述するが、プリンタ71以外にも、景品73自体にその鑑定結果の内容の一部もしくは全部を印字して依頼者Cに提供する景品提供装置72を用いることも可能であり、更にネットワークNを用いてデジタルコンテンツとしての景品の提供も可能である。
【0044】
もちろん、この他にも構成する部材としては、図示省略するが駆動するための電源や、配線などがあり、また易学鑑定のサービス料を支払うための支払装置9などがある。
【0045】
本発明品の易学鑑定システム1は、以上のような基本構造を有するものであり、以下本装置の使用手順に従いながら作動態様について説明する。
なお本発明の易学鑑定システム1は、一人の依頼者Cに対する易断サービスを行うほかに、複数の依頼者Cに対して、互いに関連する内容(相性など)についても易断サービスを提供することができるが、以下の説明にあたっては、カップル等の相性に関する易断を例に挙げて、その手順を述べる。
【0046】
〔始動準備ステップ〕
この始動準備ステップは、本発明の易学鑑定システム1を使用(易学鑑定サービスを提供)するにあたっての装置の準備を行うものである。
まず、アミューズメント施設A等に設定されている本装置は、駆動源となる電源コンセントに接続される。そして、本装置に具えられている易断結果出力装置7のプリンタ71や景品提供装置72に対して、充分な印刷用の紙や景品73を充填しておく。
【0047】
〔サービス内容設定ステップ〕
次に依頼者Cは、鑑定テーブル13の手前に具えられているイス19に座って、易学鑑定の申し込みを行う。この時に依頼者Cであるカップルは、男性依頼者Cm用と女性依頼者Cf用と記されたイス19に座り、大画面薄型モニタ31の表示に従いながら、鑑定テーブル13の中央に備えられている判定資料入力装置5のメインキーボード51を用いて、鑑定内容を設定入力する。
このときの鑑定項目の数(恋愛運、健康運、金運、仕事運)や鑑定手法(手相、顔相、姓名判断、生年月日判断)、出力方法(画面表示のみ、画面表示と紙やシールに印刷の両方)など、これらの設定入力内容に応じたサービス料が算出されて表示される。
【0048】
〔判定資料入力ステップ〕
この判定資料入力ステップは、易学的判断を行うにあたって必要となる依頼者Cの身体的な特徴等が含まれた判定資料Pを、本装置に入力するためのものである。
具体的には、依頼者Cが申し込んだ易断手法等の内容に応じて、掌面や顔や横顔の画像や生年月日や名前などの情報を取り込む。
(i)文字データによる判定資料の入力
まず取り込む判定資料Pが生年月日や名前である場合は、依頼者Cは鑑定テーブル13上に備えられたメインキーボード51を操作してこれらの情報をそれぞれ入力する。これ以外でも、易者F等の映像により示された選択式の質問について解答する場合には、それぞれの依頼者Cは、図1に示すように個別に設けられた個別キーボード52を用いて相手にその操作が判らないように回答入力する。このような構造にすることにより、相手のことを考慮し不適切な回答をしてしまうことがない。当然、それぞれの回答内容がディスプレイ部に表示されないようにすることは言うまでもない。
【0049】
(ii)画像データによる判定資料の入力
次に掌面や顔についての画像データを入力する場合について説明する。
依頼者Cは、街頭で行われる対面式の易断と同様にディスプレイ部3の易者Fの映像と音声に指示に従い、イス19に座ったまま鑑定テーブル13に具えられている観察ホルダ6に手を差し出す。このとき一例として、観察ホルダ6の上に設けられた手Hの形をした窪み状の窪みガイド61に案内されて掌面を上方に向けて置く。なお図に示すように本実施例では、一例としてディスプレイ部3に向かって右側の窪みガイド61に女性の手Hfの右手を、左側の窪みガイド61に男性の手Hmの右手を置く構成としている。なお、差し出す手については、男女によって、それぞれ異なるほうの手を観察することも可能である。
本装置の制御部2は、依頼者Cの手が差し出されたことを認知すると、ディスプレイ部3の直下から伸びているカメラマウント部4に対して、画像取り込みのためにカメラユニット55を移動させるために制御を開始する。
この制御部2の制御によりカメラマウント部4は、ディスプレイ部3に映し出された上半身のみの易者Fの映像(モニタ映像部31a)において、切り取られてしまっている部分の「二の腕」から先の部分について補足して、あたかもつながっているかのような自然な動きを得られるようにしている。
このカメラマウント部4の制御された動きによってカメラユニット55は、依頼者Cが差し出した手を嘗めるように半円状の軌跡を取りながら移動し、複数の角度から撮影して制御部2に対してその画像データを送信する。
このようにして、掌面を解放状態として複数の角度から撮影することにより、掌面の膨らみや、溝状部(しわ)が自然な状態で取り込むことが可能であって、コンピュータなどによって、これらの判定資料Pから判定要素fを機械的に解析認知する場合であっても高精度で行うことができる。
【0050】
また手相のほかに顔相による易断を申し込んだ場合は、この掌面の撮影する行為ともに、図に示すように半円状の軌跡の最上部付近でカメラマウント部4を制御して、カメラユニット55を水平方向から垂直方向に起こし上げるようにし受像素子部57を依頼者Cの顔の正面に持ってくるようにして、それらの撮影を行う。
更にまた耳相による易断を申し込んだ場合には、依頼者Cが、易者F等の映像や音声の指示に従って顔相の撮影と同じようにカメラユニット55が垂直方向に立ち上がって状態の時に、首を廻すことにより依頼者Cの耳付近の撮影を行う。
更にカメラユニット55の映像処理部57aは、被写体である掌面等の付近が、撮影に対して充分な光量が得られないと判断した場合は、カメラユニット55の受像素子部57の近傍に具えられた補助ライト57bを発光させて、充分な画質の判定資料Pを得られるようにする。
【0051】
〔易学鑑定ステップ〕
この易学鑑定ステップは、判定資料入力ステップにより入力された判定資料Pより各判定要素fを解析判断して、その結果を易学ナレッジデータベース23に入力することにより易学判断を抽出し、依頼者Cの易学鑑定の内容に応じて加工して最終的な易学鑑定結果を求めるステップである。
まず制御部2の演算装置21は、判定資料Pとして入力された文字データや画像データより、各易断手法に応じた判定要素fを判定する。
なおこの演算装置21が行う画像形式の判定資料Pからこの判定要素fを判定するにあたっては、例えば異なる分野であるセキュリティシステム分野におけるバイオメトリクス認証技術などを用いることができる。これら技術を利用することにより、コンピュータなどの機械により身体的な特徴を自動で判定することが可能である。
また、画像形式の判定資料Pから各判定要素fを判定する手法に関しては、機械により判定する方法のほかに、例えばネットワークNでつながった遠隔地にいる易者F等の人間の肉眼により判定する方法を用いて差し支えない。
また文字列データ場合は、予め文字情報として形式により入力がされているので、コンピュタ−を用いて所定の変換作業を行うことで判定要素fを得ることが可能である。具体的には、入力された名前のデータからこの使われている漢字の総画を抽出する変換や、一般的な生年月日の表記から異なる暦に変換するなどがある。
【0052】
次に、この結果のデータを易学ナレッジデータベース23に送信し易学判断を抽出する。ここで得られた易学判断は、各判定要素fの特徴に応じて求められたものであって、演算部21は、これらそれぞれの易学判断を総合的に判断し、依頼者Cの鑑定内容や項目に応じて適宜加工を施して、最終的な易学鑑定結果を導き出す。
更に制御部2の演算装置21は、この易学鑑定結果についてサービス内容設定ステップで設定された出力方法(告知方法)に応じて、ディスプレイ部3の易者F等の映像と音声を用いた告知や、易断結果出力装置7のプリンタ71を用いた告知をさせるようにそれぞれの担当する機器に対して開始の信号を発する。
【0053】
〔鑑定結果出力ステップ〕
このものは、最終的に導き出された鑑定結果を依頼者Cに告知するステップであって、従来の占いゲーム同様に鑑定結果を易断結果出力装置7のプリンタ71によって印刷し告知する方法と、リアルタイムで正面のディスプレイ部3に易者Fの映像と音声によって、あたかも対面告知のような感覚で告知する方法とがある。
このディスプレイ部3の映像によって告知する場合には、依頼者C以外の者(本装置利用の順番を待って並んでいる者)に、その内容を聞かれたくない場合もあり、ディスプレイ部3に具えられたスピーカ32による再生に換えてヘッドフォン型スピーカ33で再生することにより依頼者C本人のみ聞くことができる。
また、告知の際に表示される映像には、易者Fの映像のほかに各依頼者Cの身体画像g1や、一定期間内の運勢の状態を示す運勢グラフg2や、付加情報などを示したコメントg3などの表示が含まれる。
更に詳細は後述するが、ネットワークNを用いて鑑定結果の内容を告知する手法も取り得る。
【0054】
〔課金ステップ〕
このステップは、易学鑑定サービスを受けるにあたっての料金を精算するためのものである。このステップに関しては、説明の順序として最後に述べているが、現実の操作手順においては、例えばサービス内容設定ステップの直後に行っても差し支えない。
また支払い方法については、現金だけでなくクレジットカード決済や、プリペイド式カードや、電子マネーなどを適宜用いることが可能である。
【0055】
〔他の実施の形態〕
本発明は以上述べた実施の形態を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
【0056】
〔易学鑑定結果の出力手法に関する他の実施形態〕
先に述べた実施例においては、易学鑑定結果の出力手法は、リアルタイムに映像を流して告知するほか、紙などにプリントしてものであったが、この他にも例えば、特定の鑑定結果が出た場合のみに提供する景品73や、デジタル情報の形式により易学鑑定結果の依頼者Cに提供することも可能である。
【0057】
(1)一定の鑑定結果が出た場合に限定した出力手法
先に述べた出力方法は、原則としてそのサービス料を支払うことを条件に一律の出力が得られるが、これに代えて、一定の鑑定結果が出た場合、例えばカップルの相性が良いと判定された場合などは、告知を行っている最中に、画面上に良い鑑定結果が出たことから、特別な記念品を提供することができる旨の表示を行い、依頼者Cが希望する場合にその特別な記念品を提供する。
この特別な記念品としては、一例としては、通常の紙のシートとは異なった、装飾模様などが施された内容の紙のシートに対して鑑定結果がプリントされるものや、カップルのそれぞれの名前などが刻印・印刷などの手法により施された表示74が入ったキーホルダー・ストラップなどが可能である。
【0058】
(2)携帯電話の電子メール機能を用いた出力手法
先に述べた実施例の出力手法に加えもしくは代えて、携帯電話Mの電子メール機能を利用して、易学鑑定結果を適宜編集した画像データとして予め依頼者Cにより入力されたメールアドレスに送信して間接的に告知を行う手法も可能である。
この場合に送られてくる告知画像Gは、ディスプレイ部3に表示されるものと同様に、図5、6、7、9、10に示すように身体画像g1や運勢グラフg2やコメントg3により構成された画像データであり、もちろん依頼者Cが、この画像データのデザインを好みに応じて選べるようにすることも差し支えない。
先に述べたディスプレイ部3に表示する場合、ヘッドフォン型スピーカ33を用いることにより、それぞれの依頼者Cごとに音声で個別の鑑定内容を告知するものの、ディスプレイ部3の表示や、図6に示すようなプリントしたものにあっては、依頼者双方ともに、知りえることにもなってしまう。
しかし電子メールを利用することにより、カップルのそれぞれの依頼者Cに対して個別に鑑定内容を個々のメールアドレスに送信できるので、それぞれの依頼者Cのみに関連する付加情報(アドバイス等)のコメントg3を、相手に知られること無く告知することができる。
なお電子メールを用いた鑑定結果の告知手法は、詳細な説明は省略するが、図に示すように、易学鑑定システム1の通信装置25により、インターネット等の通信網を利用して、所定のメールサーバ85宛てに告知画像Gのデータもしくは、これらの所在が記されたURLの表示のみを送信するものである。この告知画像Gである画像データは、本装置の演算装置21等により作成されるほか、ネットワークNで接続されている告知画像Gの作成を行う画像編集サーバ81により一括して作成し、配信サーバ82により各メールサーバ85宛てに送信させても差し支えない。
【0059】
以上、現在提供されている携帯電話Mのメール機能を中心にして説明してきたが、将来携帯電話Mの付加サービスとして提供され得る例えば画像や動画と音声等を組み合わせたコンテンツの送受信サービスなどもついても、当然に適用し得るものである。
また、携帯電話Mを中心に説明してきたが、当然パソコンやPDAや情報家電と呼ばれる電化製品などによる電子メール機能に適宜対応させた告知画像Gをこれらメールアドレスに送信し、間接的な告知を行うことも可能であることは言うまでもない。
更に易学鑑定システム1は、携帯電話Mや他の携帯型情報端末D(PDAやハンドヘルドPC)に具えられている例えばUSB(Universal Serial Bus)や赤外線等を用いたものなどの汎用的なインターフェイスや、機器固有の専用インターフェイス(例えば携帯電話Mに備えられたコネクタにつなげる接続ケーブルなど)を用いて、直接携帯電話Mや携帯型情報端末Dに対して、鑑定内容を示した告知画像G等のデータを送信してよい。
【0060】
〔携帯電話のカレンダー機能を利用した出力手法〕
更に、携帯電話Mのメールアドレスに対して送信する告知画像Gは、図10(2)(4)に示すようなレイアウトにすることも可能である。
この告知画像Gは、予め依頼者Cが判定資料入力ステップで、携帯電話Mのメールアドレスとともに入力された携帯電話Mの型式番号に応じて調整された画像である。
具体的な告知画像Gは、図10(2)に示すようなものであって、携帯電話Mに予め内蔵されている図10(1)に示すようなカレンダー表示画面Scに適宜重なるようなレイアウトとした壁紙データSwである。
本装置の制御部2は、このカレンダーの数字表示nの部分に合わせて、運勢の良し悪しを示すマークや、色分けなどを配置させた画像データである壁紙データSwを携帯電話Mのメールアドレスに送信する。一方の依頼者Cは、この受信した告知画像Gである壁紙データSwを、いわゆる待ち受け画面(背景・デスクトップ・壁紙)として設定する。
これにより、カレンダー表示機能と運勢表示機能が連動するために、携帯することが多い携帯電話Mの表示画面Smによって、常に鑑定結果を参考にすることが可能である。
もちろん、この他にもカレンダー表示機能を利用せず、図10(4)に示すような告知画像Gの中にカレンダーの数字表示nを含めたレイアウトの画像データ(壁紙データSw)とすることも可能である。このとき、従来からあるアミューズメント施設に設置されているシールプリント装置のように、カメラユニット55を用いて二人の映像を撮影し、この映像を背景にカレンダーの数字表示nと運勢グラフg2とを追加したオリジナルの壁紙データSw(告知画像G)を提供することも可能である。
更に、上述した特定の鑑定結果が出た場合の特別な景品73は、このような壁紙と呼ばれる画像データや、キャラクターが動くアニメーションのようなプログラムなどのデジタルコンテンツを利用したものであっても差し支えない。
【0061】
〔継続的な易学鑑定サービスの提供を可能にする他の実施形態〕
更に、この易学鑑定システム1のサービスは、原則としてサービス提供終了時点、すなわち鑑定結果が一度出力された時点で完結してしまうために、鑑定結果に記された運勢グラフg2の期間が過ぎてしまうと、更に継続して運勢グラフg2を得ようとした場合には、必然的に本装置を利用しなければならないことから、利用者に対して時間的・経済的な負担が生じてしまう。
この点を考慮した易学鑑定システム1は、依頼者Cが一度本装置を利用することによって依頼者Cの身体的な特徴を高品質の状態で入力し、集中管理センター8の一部である顧客管理サーバ80にその判定資料Pのデータ等を登録保存し、本装置を実際に利用しサービスの提供を受けた後であっても再度同様のサービスを提供することができる。
即ち、この集中管理センター8は、最初の利用の際に出力された運勢グラフg2に示された期間が経過する前に、一例として携帯電話Mの電子メールを用いて、更に継続的な運勢グラフg2を希望するか問い合わせ、依頼者Cが希望する場合には、利用時に顧客管理サーバ80に登録された判定資料Pに基づいて易学鑑定を行い、前回の運勢グラフg2に連続するように一定期間の運勢グラフg2を含んだ告知画像Gを送信する。
このとき集中管理センタ8は、一方的に依頼者C側に、告知画像Gが送くるほかに、より双方向性を意識して、依頼者Cに対して幾つかの質問が記載されたメールを送ることも差し支えない。この質問メールには、本装置の利用時同様に、選択式の回答を求めている質問が複数記載されており、これに対して依頼者Cは、質問の選択肢を選んで回答する。このほかにも、図示は省略するが例えばパソコンなどに接続されているWebカメラやデジタルカメラや、スキャナーなどを用いて再度判定資料Pを自宅などから集中管理センター8宛に送信し、その資料に基づいた易学鑑定を行うようにしても差し支えない。
顧客管理サーバ80は、この依頼者Cの各質問の回答を判定資料Pとして考慮したうえで、継続する運勢グラフg2等を作成する。
なお、このような継続的なサービスを行う場合は、サービス料金の徴収が複雑になってしまう場合があるために、一例としては携帯電話Mやインターネットサービス提供等の通信事業者と連携して、サービス料を徴収するシステムとすることも差し支えない。
もちろん依頼者Cが、一番初めの易学鑑定システム1を利用する際に、予め通常の期間のものに継続して運勢グラフg2等を送信するように設定できるようにして、その際に延長分の費用を併せて支払うようなシステムにすることも差し支えない。
また更に、運勢グラフg2に示された期間を継続するサービスのほかに、以前に易学鑑定システム1を利用した依頼者Cに対して、利用時に保存した判定資料Pのデータに基づいて希望の期間に関する運勢グラフをスポット的に提示するサービスを提供することも差し支えない。
この場合に依頼者Cは、例えば依頼者Cにとって特別なイベント(誕生日、入学入社試験日など)前後の期間について示された運勢グラフg2などの配信をメールなどで集中管理センター8に依頼する。これに応じて、集中管理センター8は、過去に得られた判定資料Pに応じて、指定の期間に応じた運勢グラフg2等を作成してメールやFAXや郵送等の手法を利用して依頼者Cに運勢グラフg2などを提供する。
【0062】
〔その他の易学鑑定手法〕
(a)上述してきた易学鑑定システム1は、基本的に利用者である人について、もしくは人と人との相性などを対象としてきた。図8に示す実施例では、家族の一員と同様の位置付けと考えられるようになった愛玩動物Cpを対象にして易学鑑定を行えるようにしたことを特徴とするものである。
具体的には、愛玩動物Cpの生年月日や、その種類や、その雌雄の情報などの判定資料を入力し、更にはこの愛玩動物Cpの顔等をカメラユニット55で撮影し、画像情報として入力する。このとき、愛玩動物Cpによっては撮影中に静止することを嫌がる場合も多い、このため図2、図3(2)に示すように、利用者が、自由に移動操作して撮影することができる補助カメラユニット58を用いることも好ましい。
この場合依頼者Cは、補助カメラ58に具えられているモニタ58aに映し出されたの撮影状態を示した映像を確認しながら適宜のタイミングで撮影ボタン58bを操作することによって愛玩動物Cpの必要な映像を入力することができる。
このほかにも愛玩動物Cpの顔などを取り込む手法としては、飼い主である依頼者Cが、携帯電話Mに内蔵されているデジタルカメラなどによって、予め撮影しておき、易学鑑定システム1にその画像情報を接続ケ−ブル75等を用いて転送する方法や、更には予め種々のカメラを用いて、愛玩動物Cpを撮影しプリント出力した写真そのものを鑑定テーブル13上の鑑定ホルダ6に定置させて、カメラユニット55により掌面の取り込みと同様に撮影する方法などが可能である。
【0063】
(b)更に上述した易学鑑定システム1は、その構成を単独の機能を具えた装置として説明したが、従来からあった他の用途を目的とした装置内部に、この易学鑑定システム1の機能を内蔵付加させたことを特徴とした実施例も可能である。
他用途の装置とは、図示を省略するが一例としてはアミューズメント施設A内に設置されているシールプリント装置や、街頭に設置されているインスタント式証明写真装置や、ATM(現金自動支払い装置)などが可能である。
これらの装置は、それぞれの用途に応じ、ディスプレイ部3として流用可能な利用者を案内ガイドするため画面やスピーカと、カメラユニット55として流用し得るカメラと、プリンタ71として流用可能な撮影した画像等をプリント出力するためのプリンタとが具えられている。
このため、上述した街頭での易学鑑定サービスを擬似的に体感できるように工夫された筐体部10やカメラマウント部4等の構成部材を省略することにより、これら他目的の装置は、はじめから内蔵されている制御システムのほかに、本発明の易学鑑定システム1の制御部2を機能的に統合させるもしくは追加することにより易学鑑定サービスを提供することができる。
もちろんこのような、種々の装置を利用した易学鑑定システム1は、それら装置に具えられたプリンタを用いることから、出力される易断結果の構図や内容については適宜調整が必要になる場合があることは言うまでもない。
【0064】
(c)更に顔相に関する易断内容を充実させたものが可能である。具体的には顔相による易学判断を行う場合に、女性を対象に図9に示すような運勢が良くなるメイクアップのアドバイスを付加することも可能である。この場合、カメラユニット55は、高精度に撮影することができような受像素子部57などを具えたものが好ましい。
具体的なアドバイスの内容は、例えば口紅の色とその描き方や、眉毛の位置やその形、その色合い、更にその髪形や、その髪の色などそれ以外にもについてである。このようなメイクアップ方法に関するコメントを含んだ場合は、易学鑑定についてカラープリント出力した鑑定結果報告書を依頼者に提供することが好ましい。
もちろん、このようなサービス提供は、男性や子供を対象とするものであっても差し支えなく、その場合それぞれの対象に応じた易学的な経験則を体系化した易学ナレッジデータベース23を備えておくことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の易学鑑定システムを一部透視して示す上方からの斜視図である。
【図2】本発明の易学鑑定システムの利用状態を示す斜視図である。
【図3】判定資料入力装置を示す図面であって、(1)はカメラユニットを示す斜視図であり、(2)は補助カメラを示す斜視図であり、(3)はメインキーボードを示す斜視図であり、(4)は個別キーボードを示す斜視図である。
【図4】本発明の易学鑑定システムの基本的な作動順序を示したブロック図である。
【図5】ネットワーク接続された易学鑑定システムの構成を示す概略図である。
【図6】本発明の易学鑑定システムによる易学鑑定結果を示した告知画像(紙などに印刷したものを含む)であって、手相による方法によって、その相性に関する易学鑑定結果を示すものである。
【図7】本発明の易学鑑定システムによる易学鑑定結果を示した告知画像(紙などに印刷したものを含む)であって、顔相によってその相性に関する易学鑑定結果を示すものである。
【図8】本発明の易学鑑定システムによる易学鑑定結果を示した告知画像(紙などに印刷したものを含む)であって、顔相によって愛玩動物とその飼い主とを相性に関する易学鑑定結果を示すものである。
【図9】本発明の易学鑑定システムによる易学鑑定結果を示した告知画像(紙などに印刷したものを含む)であって、特にメイクアップのアドバイスを含んだ顔相による易学鑑定結果を示すものである。
【図10】携帯電話の表示部に合わせた種々の告知画像を示す図であって、(1)は、携帯電話の通常のカレンダー表示画面を示すものであり、(2)は、カレンダー表示状態に調整された待ち受け画面として利用する告知画像を示したものであり、(3)は、(1)と(2)とを重ね合わせた状態の携帯電話の表示画面を示すものであり、(4)は予めカレンダー機能を備えた待ち受け画面とした告知画像である。
【符号の説明】
【0066】
1 易学鑑定システム
10 筐体部
11 ベース部
12 メインパネル
12a 取付孔
13 鑑定テーブル
14 側面パネル
15 前面パネル
16 鑑定室
17 天井部
18 カーテン
19 イス
2 制御部
21 演算装置
22 記憶装置
23 易学ナレッジデータベース
25 通信装置
3 ディスプレイ部
31 大画面薄型モニタ
31a モニタ映像部
32 スピーカ
33 ヘッドフォン型スピーカ
4 カメラマウント部
40 リンクアーム
41 手部
42 腕部
43 装飾
44 可動部アクチュエータ
5 判定資料入力装置
51 メインキーボード
52 個別キーボード
53 選択キー
54 目隠しフード
55 カメラユニット
56 カメラ筐体
57 受像素子部
57a 映像処理部
57b 補助ライト
58 補助カメラ
58a モニタ
58b 操作ボタン
6 観察ホルダ
61 窪みガイド
7 易断結果出力装置
71 プリンタ
72 景品提供装置
73 景品
74 表示(刻印など)
8 集中管理センター
80 顧客管理サーバ
81 画像編集サーバ
82 配信サーバ
85 メールサーバ
9 支払装置
A アミューズメント施設
C 依頼者
Cm 男性依頼者
Cf 女性依頼者
Cp 愛玩動物
D 携帯型情報端末
F 易者
f 判定要素
f1 手相判定要素
f2 生年月日判定要素
f3 姓名判定要素
G 告知画像
g1 身体画像
g2 運勢グラフ
g3 コメント
H 手
Hm 男性の手
Hf 女性の手
M 携帯電話
N ネットワーク
n 数字表示
P 判定資料
p1 身体映像
p2 生年月日情報
p3 姓名情報
Sc カレンダー表示画面
Sm 表示画面(携帯電話)
Sw 壁紙データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
依頼者の掌等の身体的特徴についての情報である判定資料を取り込む判定資料入力装置と、映像を依頼者に表示するためのディスプレイ部と、該判定資料から易学的な判断要素を判定して、その結果に応じた易学的判断を出力する易断結果出力装置とを具えた易学鑑定システムにおいて、上記依頼者の掌面等の画像である判定資料を取り込むにあたっては、掌等の撮影面側を解放状態として撮影を行うことを特徴とした易学鑑定システム。
【請求項2】
前記易学鑑定システムの判定資料入力装置は、1または2以上具えられており、複数の依頼者の身体的特徴を同時に撮影して依頼者同士に関連する易学鑑定を行うことができることを特徴とした請求項1記載の易学鑑定システム。
【請求項3】
前記判定資料入力装置は、拡大鏡の形状を模した筐体であるカメラユニットを有することを特徴とした請求項1または2記載の易学鑑定システム。
【請求項4】
前記判定資料入力装置による掌の撮影は、依頼者の掌等の身体的特徴を複数の角度から撮影し、身体的特徴について立体的な画像として入力することを特徴とした請求項1、2または3記載の易学鑑定システム。
【請求項5】
前記判定資料入力装置のカメラユニットによる掌面等の撮影は、本装置に具えられているディスプレイ部に映し出される映像や音に連動して行われることを特徴とした請求項3または 4記載の易学鑑定システム。
【請求項6】
前記判定資料入力装置による身体的特徴についての撮影は、掌面の撮影に替えてもしくは併せて依頼者の顔を撮影することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の易学鑑定システム。
【請求項7】
前記易学鑑定システムの判定資料入力装置は、キー入力装置を具えており、このものは、少なくとも複数の依頼者が利用する際に、どの入力キーを押したかを互いに判別することができない構造であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の易学鑑定システム。
【請求項8】
前記易断結果出力装置は、前記ディスプレイに易者の映像等を表示することにより易学鑑定結果を依頼者に告知することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の易学鑑定システム。
【請求項9】
前記易断結果出力装置は、特に依頼者同士の相性に関する易学鑑定結果が所定の基準より適していると判断された場合には、告知のほかに、依頼者の表示がある記念品が有償または無償で提供がされることを依頼者に告知し、依頼者の了解があった場合には、これを個別表示加工した上で提供することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の易学鑑定システム。
【請求項10】
前記易断結果出力装置は、通常の告知のほかに、依頼者へのメールアドレスに画像データとして編集された鑑定結果が提供されることを告知し、依頼者の了解があった場合には、撮影した画像と運勢の変化を表した運勢グラフや、易者のコメントなどを組み合わせた鑑定結果を送信することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の易学鑑定システム。
【請求項11】
前記易断結果出力装置は、依頼者の身体的特徴等に基づいて、利用後において更に新しい鑑定結果をメールアドレスに送信することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の易学鑑定システム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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