説明

映像データ送信装置、映像データ受信装置および映像データ伝送システム

【課題】映像データを伝送するのに当り、ライン単位での映像ずれを補正することができる送信装置、受信装置および伝送システムを提供すること。
【解決手段】伝送システム1において、送信部2は、第1時間情報TM1を発生する第1時間情報発生部4と、水平同期信号HSYNC1をトリガとして、第1時間情報に応じて、同期信号時間情報値TMSを生成する同期信号時間情報生成部5と、映像データに同期信号時間情報値TMSが付加されたパケットを送信するパケット送信部6とを含んでいる。受信部3は、受信されたパケットから同期信号時間情報値TMSを取り出すパケット受信部9と、第2時間情報TM2を発生する第2時間情報発生部7と、同期信号時間情報値TMSおよび第2時間情報TM2の一致に応じて、水平同期信号HSYNC2を生成する水平同期信号生成部84とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データ送信装置、映像データ受信装置および映像データ伝送システムに関するものであり、特に、IEEE1394−1995等の通信方式で、映像データを送信する映像データ送信装置、映像データを受信する映像データ受信装置および映像データを伝送する映像データ伝送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケーブルで直結された映像送信装置とモニタにおいて、映像データの伝送は映像データの各画素に同期した画素クロックと共に行なわれる。これに対して、IEEE1394−1995(以後、単にIEEE1394とも言う)等の通信方式で映像データを伝送する場合には、ビデオクロック自体やビデオクロック周波数の情報は伝送されない。この場合、映像送信装置とモニタなどの映像受信装置のシステムごとに独自のクロック周波数で映像データの表示処理がなされることとなる。このため、例えば、映像送信装置と映像受信装置とにおいて、同一の周波数を有するビデオクロックを与えて表示処理をしたとしても、各々のビデオクロックにおける周波数偏差やジッタなどにより、映像受信装置において再生する映像に同期ずれが発生してしまうおそれが生じていた。
【0003】
このような問題を解決するための技術として、特許文献1の技術が開示されている。
図9は、特許文献1の通信装置を示すブロック図である。この通信装置では、映像データを入力する端子101とは別に映像データのフレームの同期信号を入力する端子102と、伝送路を介して接続された複数の機器に略共通する時間を計時するサイクルタイマ107と、入力された同期信号と計時された時間とに基づいて時間データを生成するラッチ109とを設け、伝送路を介して接続された複数の機器において略共通に計時される時間と、映像データの正確な同期のタイミングを示すフレームの同期信号とに基づいて時間データを生成するようにすることにより、映像データのフレームの同期のタイミングを受信側に正確に伝送することができる。
【特許文献1】特開平10−164104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の伝送装置では、映像データのフレームごとの同期ずれを補正することはできるが、ライン単位でのずれを補正することができず問題である。
【0005】
本発明は前記背景技術に鑑みなされたものであり、映像データの伝送、特にIEEE1394等の伝送方式で映像データを伝送するのに当り、ライン単位での映像ずれを補正することができる送信装置、受信装置および伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その解決手段は、映像データを送信する映像データ送信装置であって、時間情報を発生する時間情報発生部と、前記映像データの水平同期信号をトリガとして、前記時間情報生成部から発生される前記時間情報に応じて、同期信号時間情報を生成する同期信号時間情報生成部と、前記映像データに前記同期信号時間情報が付加されたパケットを送信するパケット送信部と、を備えることを特徴とする映像データ送信装置である。
【0007】
また、他の解決手段は、映像データを受信する映像データ受信装置であって、受信されたパケットから前記映像データおよび同期信号時間情報を取り出すパケット受信部と、時間情報を発生する時間情報発生部と、前記同期信号時間情報および前記時間情報の一致に応じて、水平同期信号を生成する水平同期信号生成部と、を備えることを特徴とする映像データ受信装置である。
【0008】
さらに、他の解決手段は、映像データを伝送する映像データ伝送システムであって、送信部と、受信部と、を備え、前記送信部は、送信部側の時間情報である第1時間情報を発生する第1時間情報発生部と、前記映像データの水平同期信号をトリガとして、前記第1時間情報発生部から発生される前記第1時間情報に応じて、同期信号時間情報を生成する同期信号時間情報生成部と、前記映像データに前記同期信号時間情報が付加されたパケットを送信するパケット送信部と、を含み、前記受信部は、受信された前記パケットから前記映像データおよび前記同期信号時間情報を取り出すパケット受信部と、前記第1時間情報と同一にされた第2時間情報を発生する第2時間情報発生部と、前記同期信号時間情報および前記第2時間情報の一致に応じて、水平同期信号を生成する水平同期信号生成部と、を含むことを特徴とする映像データ伝送システムである。
【0009】
本発明の映像データ送信装置、映像データ受信装置および映像データ伝送システムでは、映像データ送信装置または映像データ伝送システムの送信部(以後、送信側装置とも言う)において、映像データの水平同期信号をトリガとして、時間情報または第1時間情報に応じて、同期信号情報が生成される。この同期信号情報はパケットに付加されて、映像データ受信装置または映像データ伝送システムの受信部(以後、受信側装置とも言う)に伝送される。受信側装置では、パケットに付加された同期信号時間情報が取り出される。この同期信号時間情報が、時間情報または第2時間情報に一致するとき、受信側の水平同期信号が生成される。
【0010】
これにより、送信側装置の映像クロックと受信側装置の映像クロックとの間にクロックずれが生じたとしても、送信側装置の水平同期信号のタイミングに受信側装置の水平同期信号のタイミングを合致させることができる。従って、画素の一ライン単位での映像ずれを補正することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、映像データの伝送、特にIEEE1394等の伝送方式で映像データを伝送するのに当り、ライン単位での映像ずれを補正することができる送信装置、受信装置および伝送システムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の増幅器について具体化した実施形態を図1〜図8に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態にかかる伝送システム1の構成を示すブロック図である。伝送システム1は、送信部2および受信部3より構成されており、送信部2に入力される映像データGDTを、伝送路TFRを介して、受信部3に伝送するシステムである。
【0014】
送信部2は、第1時間情報発生部4と、同期信号時間情報生成部5と、パケット送信部6とを備えている。第1時間情報発生部4は、IEEE1394では送信側のサイクルタイマに相当する部分であり、実時間に応じた時間情報を出力する。第1時間情報発生部4では、‘0000’h〜‘FFFE’hの範囲でトグルされる第1時間情報TM1が出力される。なお、後述の受信部3が備える第2時間情報発生部7から出力される第2時間情報TM2は、プロトコルによって、この第1時間情報TM1と略同一の値に設定されている。
【0015】
同期信号時間情報生成部5は、外部から入力される映像データの水平同期信号HSYNC1をトリガとして、第1時間情報発生部4から生成される第1時間情報TM1に応じて、同期信号時間情報値TMSを生成する部分である。図2は、同期信号時間情報生成部5の構成を示すブロック図である。
【0016】
同期信号時間情報生成部5は、オフセット値設定レジスタ51と、無効パケットコード出力部52と、加算部53と、保持部54と、ラインカウンタ55と、ライン数比較部56と、同期信号時間情報選択部57とを備えている。
【0017】
オフセット値設定レジスタ51では、図示しないCPUにより、映像データの伝送に要する時間よりも長い時間が設定され、オフセット値OFSが出力されている。加算部53では、第1時間情報TM1に、オフセット値設定レジスタ51から出力されるオフセット値OFSが加算される。
【0018】
保持部54では、加算部53からの出力がD端子に接続され、水平同期信号HSYNC1がクロック端子(図中“>”記号)に接続されている。これにより、水平同期信号HSYNC1の立ち上がりエッジで加算部53からの出力が保持される。
【0019】
ラインカウンタ55では、水平同期信号HSYNC1がクロック端子に接続する。これにより、ラインカウンタ55では、水平同期信号HSYNC1の立ち上がりエッジでカウント出力LCT1の値が1つずつ計数されることとなる。また、ラインカウンタ55は、図示していないが送信部2側の垂直同期信号VSYNC1が活性化されるごとに初期化される。ライン数比較部56では、所定ライン数kごとに選択信号SELがハイレベルに活性化される。
【0020】
無効パケットコード出力部52では、常に無効パケットコードIVC(値は、‘FFFF’h)が出力されている。後述するように、受信部3では、この無効パケットコードIVCの値‘FFFF’hが同期信号時間情報値TMSとして受け取った場合には、無効として判定され、同期信号時間情報値TMSとして取り出されないこととなる。
【0021】
同期信号時間情報選択部57では、ライン数比較部56からの選択信号SELに応じて、無効パケットコード出力部52からの無効パケットコードIVCと、保持部54からの同期信号時間情報保持値TMSLとのいずれか一方から選択され、同期信号時間情報値TMSに出力される。具体的には、選択信号SELがローレベルの場合には、無効パケットコードIVCが選択され、選択信号SELがハイレベルの場合には、同期信号時間情報保持値TMSLが選択される。
【0022】
次いで、同期信号時間情報生成部5の動作について図3を参照して説明する。図3は、同期信号時間情報生成部5の動作を示すタイミングチャートである。
【0023】
(1)において、水平同期信号HSYNC1の立ち上がりエッジで第1時間情報TM1およびオフセット値OFSの加算値であるn+mが同期信号時間情報保持値TMSLに保持される。
【0024】
(2)において、水平同期信号HSYNC1の立ち上がりエッジでラインカウンタ55の値がインクリメントされる。これにより、ラインカウンタ55からのカウント出力LCT1はk−1からkへと変化することとなる。
【0025】
(3)において、ラインカウンタ55からのカウント出力LCT1がkに達するため、ライン数比較部56では、選択信号SELにハイレベルが出力される。
【0026】
(4)において、ライン数比較部56からの選択信号SELがハイレベルに変化すると、無効パケットコードIVC(値は‘FFFF’h)に代わり、同期信号時間情報保持値TMSL(値はm+n)が選択されて、同期信号時間情報値TMSに出力されることとなる。
【0027】
(5)において、再び水平同期信号HSYNC1が立ち上がると、ラインカウンタ55からのカウント出力LCT1の値はkからk+1に変化することとなる。
【0028】
(6)において、ラインカウンタ55からのカウント出力LCT1の値がk+1に変化すると、ライン数比較部56では、選択信号SELにローレベルが出力される。
【0029】
(7)において、ライン数比較部56からの選択信号SELがローレベルに変化すると、同期信号時間情報保持値TMSL(値はm+n)に代わり、無効パケットコードIVC(値は‘FFFF’h)が選択されて、同期信号時間情報値TMSに出力されることとなる。
【0030】
以上、説明したとおり、水平同期信号HSYNC1がk回ごとに第1時間情報TM1にオフセット値OFSを加算した同期信号時間情報保持値TMSLが出力されることとなる。
【0031】
パケット送信部6は、同期信号時間情報値TMSおよび映像データGDTを入力とし、映像データGDTをパケットに変換し、さらに、同期信号時間情報値TMSをそのパケットに付加する。伝送路TFRには、パケット送信部6から変換されたパケットが送出される。
【0032】
次いで、受信部3について説明する。受信部3は、第2時間情報発生部7と、同期信号生成部8と、パケット受信部9とを備えている。第2時間情報発生部7は、IEEE1394では、受信側のサイクルタイマに相当する部分であり、実時間に応じた時間情報を出力する。第2時間情報発生部7では、‘0000’h〜‘FFFE’hの範囲でトグルされる第2時間情報TM2が出力される。前述したように、第2時間情報TM2は、プロトコルにより、送信側のサイクルタイマである第1時間情報発生部4から出力される第1時間情報TM1と略同一の値に設定されている。
【0033】
パケット受信部9は、伝送路TFRを介して伝送されたパケットを受信し、映像データGDTおよび同期信号時間情報値TMSを分離して出力する。この分離の際に、同期信号時間情報値TMSとされる値が‘FFFF’hの値をとる場合には、無効なパケットとして処理され、同期信号時間情報値TMSは出力されない。
【0034】
同期信号生成部8は、同期信号時間情報値TMSおよび第2時間情報TM2の一致に応じて、水平同期信号HSYNC2および垂直同期信号VSYNC2を生成する部分である。図4は、同期信号生成部8の構成を示すブロック図である。
【0035】
同期信号生成部8は、画素カウンタ81と、画素数比較部82と、ライン検出信号選択部83と、水平同期信号生成部84と、同期信号時間情報一致検出部85と、ラインカウンタ86と、ライン数比較部87と、垂直同期信号生成部88とを備えている。
【0036】
画素カウンタ81では、外部から入力される画素クロックPCLKがクロック端子(図中では“>”記号)に入力され、ライン検出信号選択部83から出力される信号がクリア端子CLRに入力されている。これにより、画素クロックPCLKの立ち上がりエッジごとに計数され、ライン検出信号選択部83からの出力によりその内容が初期化されることとなる。また、図示していないが垂直同期信号VSYNC2が活性状態になる場合もその内容が初期化される。
【0037】
画素数比較部82では、画素カウンタ81からの画素カウント値PCNTが入力され、1ライン当りの画素数m−1と比較される。画素カウント値PCNTがm−1である場合には、出力に活性信号が出力される。
【0038】
同期信号時間情報一致検出部85では、第2時間情報TM2と、同期信号時間情報値TMSとが比較される。比較の結果、第2時間情報TM2と、同期信号時間情報値TMSが一致する場合には、一致出力信号TCMPには、画素クロックPCLK1周期分の正パルス信号が出力される。
【0039】
ラインカウンタ86では、水平同期信号生成部84の出力である水平同期信号HSYNC2がクロック端子(図中では“>”記号)に、垂直同期信号生成部88の出力である垂直同期信号VSYNC2がクリア端子CLRに入力されている。これにより、水平同期信号生成部84からの水平同期信号HSYNC2の立ち上がりエッジごとに計数されて、ラインカウント値LCNTに出力される。また、ラインカウンタ86は、垂直同期信号VSYNC2の出力ごとに初期化されることとなる。
【0040】
ライン数比較部87では、ラインカウンタ86からのラインカウント値LCNTが入力され、所定ライン数k−1の整数倍であるか否かが比較される。ラインカウント値LCNTがk−1の整数倍である場合には、出力が活性状態となる。
【0041】
ライン検出信号選択部83では、ライン数比較部87の出力に応じて、画素数比較部82の出力と、同期信号時間情報一致検出部85からの一致出力信号TCMPとのいずれか一方から選択される。具体的にはライン数比較部87の出力が活性状態の場合には、同期信号時間情報一致検出部85からの一致出力信号TCMPが選択され、ライン数比較部87の出力が非活性状態の場合には、画素数比較部82の出力が選択される。すなわち、ラインカウント値LCNTが、所定ライン数k−1の整数倍の場合のみ、一致出力信号TCMPが選択され、ライン検出信号選択部83から出力されることとなる。
【0042】
水平同期信号生成部84では、ライン検出信号選択部83の出力に応じて、水平同期信号HSYNC2が生成される。具体的には、ライン検出信号選択部83の出力がハイレベルである場合に、次の画素クロックPCLKの立ち上がりから画素クロックPCLK1周期分だけハイレベルが出力される。
【0043】
垂直同期信号生成部88では、ライン検出信号選択部83の出力に応じて垂直同期信号VSYNC2が生成される。具体的には、ライン検出信号選択部83の立ち上がりエッジ数が1フレームにおけるライン数に達した場合に、所定の画素クロックPCLK分だけ活性化した次のフレームの垂直同期信号VSYNC2が出力される。
【0044】
次いで、図5を参照して同期信号生成部8のフロー動作について説明する。図5は同期信号生成部8の制御手順を示すフローチャートである。
ステップS1において、前のフレームの垂直同期信号生成部88のシーケンスに基づいて、垂直同期信号生成部88から垂直同期信号VSYNC2が出力され、フレームにおけるラインの処理が開始される。
【0045】
ステップS2において、垂直同期信号生成部88からの垂直同期信号VSYNC2の出力に応じて、画素カウンタ81およびラインカウンタ86が初期化される。
【0046】
ステップS3において、第2時間情報TM2と、同期信号時間情報値TMSとを比較するラインか否かが判定される。具体的には、ライン数比較部87においてラインカウント値LCNTが所定ライン数k−1の整数倍であるか否かが比較され、ラインカウント値LCNTが所定ライン数k−1の整数倍である場合には、ステップS6に進み、そうでない場合には、ステップS4に進む。
【0047】
ステップS4において、画素カウンタ81からの画素カウント値PCNTが規定数、すなわち、1ライン当りの画素数に達しているか否かが判定される。具体的には、画素数比較部82において、画素カウンタ81からの画素カウント値PCNTが画素数m−1に達しているかが判定され、画素カウント値PCNTが画素数m−1に達している場合には、ステップS8に進み、そうでない場合にはステップS5に進む。
【0048】
ステップS5において、画素カウンタ81の内容がインクリメントされる。その後、ステップS4に戻る。
【0049】
ステップS6において、第2時間情報TM2が同期信号時間情報値TMSに等しいか否かが判定される。具体的には、同期信号時間情報一致検出部85において、第2時間情報TM2および同期信号時間情報値TMSが比較される。第2時間情報TM2が同期信号時間情報値TMSに等しい場合には、ステップS8に進み、そうでない場合にはステップS7に進む。
【0050】
ステップS7において、画素カウンタ81の内容がインクリメントされる。その後、ステップS6に戻る。
【0051】
ステップS8において、水平同期信号HSYNC2が出力され、次ラインの処理を開始する。具体的には、ステップS3において、第2時間情報TM2おおよび同期信号時間情報値TMSの一致検出を行なわないラインである場合には、画素数比較部82からの出力に基づき水平同期信号生成部84が水平同期信号HSYNC2を出力し、第2時間情報TM2および同期信号時間情報値TMSの一致検出を行なうラインである場合には、同期信号時間情報一致検出部85からの一致出力信号TCMPに基づき水平同期信号生成部84が水平同期信号HSYNC2を出力する。
【0052】
ステップS9において、ラインカウンタ86の内容がインクリメントされ、画素カウンタ81の内容が初期化される。その後、ステップS10に進む。
【0053】
ステップS10において、映像のライン数が1フレームを構成する規定数に達したか否かが判定される。映像のライン数が規定数に達したと判定される場合には1フレームの処理を終了し、そうでない場合にはステップS3に戻る。
【0054】
次いで、図6〜図8を参照して同期信号生成部8の動作について説明する。図6は、送信部2の画素クロックと受信部3の画素クロックPCLKとの間にクロックずれがない場合のタイミングチャートである。
(1A)において、画素カウンタ81からの画素カウント値PCNTがm−1に達すると画素数比較部82およびライン検出信号選択部83を介して、水平同期信号生成部84から水平同期信号HSYNC2が出力される。
【0055】
(2A)において、水平同期信号HSYNC2の立ち上がりエッジでラインカウンタ86がインクリメントされ、ラインカウント値LCNTがk−2からk−1に変化する。従って、ライン数比較部87の出力が活性状態に遷移してライン検出信号選択部83では同期信号時間情報一致検出部85からの一致出力信号TCMPが選択されることとなる。
【0056】
(3A)において、一致出力信号TCMPがハイレベルであるため、次の画素クロックPCLKの立ち上がりで水平同期信号生成部84から水平同期信号HSYNC2が出力される。また、それに伴い画素カウント値PCNTが初期化されて0にされる。
【0057】
(4A)において、水平同期信号HSYNC2の立ち上がりエッジにより、ラインカウンタ86がインクリメントされ、ラインカウント値LCNTの値がk−1からkに変化する。
【0058】
本タイミングでは、送信部2の画素クロックと受信部3の画素クロックPCLKとの間にクロックずれがないため、画素カウンタ81からの画素カウント値PCNTがm−1のタイミングで水平同期信号HSYNC2が出力されることとなる。
【0059】
図7は、送信部2の画素クロックが受信部3の画素クロックPCLKよりも進んでいる場合のタイミングチャートである。
(1B)において、画素カウンタ81からの画素カウント値PCNTがm−1に達すると画素数比較部82およびライン検出信号選択部83を介して、水平同期信号生成部84から水平同期信号HSYNC2が出力される。
【0060】
(2B)において、水平同期信号HSYNC2の立ち上がりエッジでラインカウンタ86がインクリメントされ、ラインカウント値LCNTがk−2からk−1に変化する。従って、ライン数比較部87の出力が活性状態に遷移してライン検出信号選択部83では同期信号時間情報一致検出部85からの一致出力信号TCMPが選択されることとなる。
【0061】
(3B)において、一致出力信号TCMPがハイレベルであるため、次の画素クロックPCLKの立ち上がりで水平同期信号生成部84から水平同期信号HSYNC2が出力される。また、それに伴い画素カウント値PCNTが初期化されて0にされる。
【0062】
(4B)において、水平同期信号HSYNC2の立ち上がりエッジにより、ラインカウンタ86がインクリメントされ、ラインカウント値LCNTの値がk−1からkに変化する。
【0063】
本タイミングでは、送信部2の画素クロックが受信部3の画素クロックPCLKよりも進んでいるため、画素カウンタ81からの画素カウント値PCNTがm−3のタイミングで水平同期信号HSYNC2が出力されることとなる。
【0064】
図8は、送信部2の画素クロックが受信部3の画素クロックPCLKよりも遅れている場合のタイミングチャートである。
(1C)において、画素カウンタ81からの画素カウント値PCNTがm−1に達すると画素数比較部82およびライン検出信号選択部83を介して、水平同期信号生成部84から水平同期信号HSYNC2が出力される。
【0065】
(2C)において、水平同期信号HSYNC2の立ち上がりエッジでラインカウンタ86がインクリメントされ、ラインカウント値LCNTがk−2からk−1に変化する。従って、ライン数比較部87の出力が活性状態に遷移してライン検出信号選択部83では同期信号時間情報一致検出部85からの一致出力信号TCMPが選択されることとなる。
【0066】
(3C)において、一致出力信号TCMPがハイレベルであるため、次の画素クロックPCLKの立ち上がりで水平同期信号生成部84から水平同期信号HSYNC2が出力される。また、それに伴い画素カウント値PCNTが初期化されて0にされる。
【0067】
(4C)において、水平同期信号HSYNC2の立ち上がりエッジにより、ラインカウンタ86がインクリメントされ、ラインカウント値LCNTの値がk−1からkに変化する。
【0068】
本タイミングでは、送信部2の画素クロックが受信部3の画素クロックPCLKよりも遅れているため、画素カウンタ81からの画素カウント値PCNTがmのタイミングで水平同期信号HSYNC2が出力されることとなる。
【0069】
以上の説明の通り、送信部2の画素クロックと、受信部3の画素クロックPCLKとの間に進みや遅れがあったとしても、所定ライン数kごとに同期信号時間情報一致検出部85において第2時間情報TM2および同期信号時間情報値TMSが比較された一致出力信号TCMPにより、水平同期信号HSYNC2が補正される。これにより、IEEE1394の伝送方式で映像データを伝送するのに当り、ライン単位での映像ずれを補正することができる伝送システム1とすることができる。
【0070】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、IEEE1394方式による伝送を行う伝送システムについて説明したが、他のパケット通信方式により伝送を行う伝送システムの場合にも本発明を適用することができる。
【0071】
なお、第1時間情報発生部4は映像データ送信装置における時間情報発生部の一例、オフセット値OFSはオフセット時間の一例、加算部53はオフセット時間加算部の一例、第2時間情報発生部7は映像データ受信装置における時間情報発生部の一例である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施形態にかかる伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同期信号時間情報生成部の構成を示すブロック図である。
【図3】同期信号時間情報生成部の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】同期信号生成部の構成を示すブロック図である。
【図5】同期信号生成部の制御手順を示すフローチャートである。
【図6】同期信号生成部の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】同期信号生成部の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】同期信号生成部の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】従来技術の通信装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0073】
1 伝送システム
2 送信部
3 受信部
4 第1時間情報発生部
5 同期信号時間情報生成部
6 パケット送信部
7 第2時間情報発生部
8 同期信号生成部
9 パケット受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを送信する映像データ送信装置であって、
時間情報を発生する時間情報発生部と、
前記映像データの水平同期信号をトリガとして、前記時間情報生成部から発生される前記時間情報に応じて、同期信号時間情報を生成する同期信号時間情報生成部と、
前記映像データに前記同期信号時間情報が付加されたパケットを送信するパケット送信部と、
を備えることを特徴とする映像データ送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像データ送信装置であって、
前記同期信号時間情報生成部は、前記時間情報に、所定のオフセット時間を加算するオフセット時間加算部を含む
ことを特徴とする映像データ送信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の映像データ送信装置であって、
前記所定のオフセット時間は、前記映像データの伝送に要する時間よりも長い時間である
ことを特徴とする映像データ送信装置。
【請求項4】
請求項1に記載の映像データ送信装置であって、
前記パケット送信部から伝送される前記パケットは、IEEE1394−1995に準拠したパケットである
ことを特徴とする映像データ送信装置。
【請求項5】
映像データを受信する映像データ受信装置であって、
受信されたパケットから前記映像データおよび同期信号時間情報を取り出すパケット受信部と、
時間情報を発生する時間情報発生部と、
前記同期信号時間情報および前記時間情報の一致に応じて、水平同期信号を生成する水平同期信号生成部と、
を備えることを特徴とする映像データ受信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の映像データ受信装置であって、
前記パケット受信部で受信される前記パケットは、IEEE1394−1995に準拠したパケットである
ことを特徴とする映像データ受信装置。
【請求項7】
映像データを伝送する映像データ伝送システムであって、
送信部と、
受信部と、
を備え、
前記送信部は、
送信部側の時間情報である第1時間情報を発生する第1時間情報発生部と、
前記映像データの水平同期信号をトリガとして、前記第1時間情報発生部から発生される前記第1時間情報に応じて、同期信号時間情報を生成する同期信号時間情報生成部と、
前記映像データに前記同期信号時間情報が付加されたパケットを送信するパケット送信部と、
を含み、
前記受信部は、
受信された前記パケットから前記映像データおよび前記同期信号時間情報を取り出すパケット受信部と、
前記第1時間情報と同一にされた第2時間情報を発生する第2時間情報発生部と、
前記同期信号時間情報および前記第2時間情報の一致に応じて、水平同期信号を生成する水平同期信号生成部と、
を含む
ことを特徴とする映像データ伝送システム。
【請求項8】
請求項7に記載の映像データ伝送システムであって、
前記同期信号時間情報生成部は、前記第1時間情報に、所定のオフセット時間を加算するオフセット時間加算部を含む
ことを特徴とする映像データ伝送システム。
【請求項9】
請求項8に記載の映像データ伝送システムであって、
前記所定のオフセット時間は、前記映像データの伝送に要する時間よりも長い時間である
ことを特徴とする映像データ伝送システム。
【請求項10】
請求項7に記載の映像データ伝送システムであって、
前記パケット送信部から伝送される前記パケットは、IEEE1394−1995に準拠したパケットであることを特徴とする映像データ伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−5123(P2008−5123A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−171421(P2006−171421)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】