説明

映像再生装置及び映像再生方法

【課題】立体的な表示上の操作位置と、立体的な表示上の操作位置に対する利用者の操作位置との関係を認識させることができる映像再生装置及び映像再生方法を提供する。
【解決手段】映像再生装置1は、複数の画素に利用者との距離情報を関連付けた距離画像を取得する距離画像センサ3と、距離情報に基づいて前記利用者との距離の重心を算出する重心算出部21cと、重心との関係に基づいて距離画像から利用者が操作を指示する位置を示す指示座標を算出する両手座標算出部21bと、距離情報と重心とに基づいて利用者に対する基準面及び仮想的な基準面を設定する基準面算出部21dと、基準面の距離を基準として距離画像の画素を取捨選択し指示画像を生成するとともに、操作用画像を生成し、仮想的な操作面と指示座標との位置関係に基づいて操作用画像に対して指示画像を配置して合成する表示制御部22とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像再生装置及び映像再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、表示画面に表示されたGUI(Graphic User Interface)に実際に触れているかのように操作することができる映像再生装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この映像再生装置は、GUIを含む画像を作成する表示情報作成部と、タッチパッドに対する利用者の特定の入力操作を検出する操作内容決定部と、GUIに対する操作位置としてタッチパッドに対する利用者の接触領域を示す画像を作成する身体位置表示部と、身体位置表示部によって作成された画像と表示情報作成部によって作成された表示情報とを合成する画像合成部とを有し、身体位置表示部により作成される接触領域を示す画像が、利用者の操作位置、つまりタッチパッドに利用者の手が触れた位置から推定して作成され、影とともに立体的に表示されるため、利用者は表示画面に表示されたGUIに実際に触れているかのように操作することができる。
【0004】
しかし、従来の映像再生装置によると利用者はタッチパッドに触れて操作を入力するため、平面的な表示上の操作位置とタッチパッドにおける利用者の操作位置との関係を認識させることができるが、タッチパッド上に操作範囲が限定されるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−72854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、従来に比べて利用者の操作を限定することなく、表示上の操作位置に対する利用者の操作位置を認識させることができる映像再生装置及び映像再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、上記目的を達成するため、距離センサの画素毎に利用者との距離情報を関連付けた距離画像を取得する距離画像取得部と、前記距離画像に関連付けられた前記距離情報に基づいて前記利用者の距離の重心を算出する重心算出部と、前記重心との関係に基づいて前記距離画像に関連付けられた前記距離情報から利用者が操作を指示する位置を示す指示座標を算出する指示座標算出部と、前記距離画像に関連付けられた前記距離情報と前記重心とに基づいて基準面を設定し、当該基準面と前記距離画像センサとの距離を算出する基準面算出部と、前記距離画像から前記基準面より距離センサ側に位置する画像を取得し、取得した当該画像から指示画像を生成する指示画像生成部と、前記指示画像の操作対象である操作用画像を生成する操作用画像生成部と、前記基準面から予め定めた位置に設定される仮想的な操作面と前記指示座標との位置関係に基づいて前記操作用画像に対して前記指示画像を配置して合成する表示制御部とを有することを特徴とする映像再生装置を提供する。
【0008】
上記した構成によれば、操作用画像に対する指示画像の操作位置と、操作用画像に対応した仮想的な操作面に対する利用者の操作位置との関係を認識させることができる。
【0009】
(2)また、本発明の他の態様は、上記目的を達成するため、距離センサの画素毎に利用者との距離情報を関連付けた距離画像を取得する距離画像取得ステップと、前記距離画像に関連付けられた前記距離情報に基づいて前記利用者の距離の重心を算出する重心算出ステップと、前記重心との関係に基づいて前記距離画像に関連付けられた前記距離情報から利用者が操作を指示する位置を示す指示座標を算出する指示座標算出ステップと、前記距離画像に関連付けられた前記距離情報と前記重心とに基づいて基準面を設定し、当該基準面と前記距離画像センサとの距離を算出する基準面算出ステップと、前記距離画像から前記基準面より距離センサ側に位置する画像を取得し、取得した当該画像から指示画像を生成する指示画像生成ステップと、前記指示画像の操作対象である操作用画像を生成する操作用画像生成ステップと、前記基準面から予め定めた位置に設定される仮想的な操作面と前記指示座標との位置関係に基づいて前記操作用画像に対して前記指示画像を配置して合成する表示制御ステップとを有することを特徴とする映像再生方法を提供する。
【0010】
上記した構成によれば、(1)と同様の効果を有する映像再生方法を達成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来に比べて利用者の操作を限定することなく、表示上の操作位置に対する利用者の操作位置を認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像再生装置の構成を示す概略図である。
【図2】映像再生装置の本体の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)〜(f)は、距離画像取得部の距離情報の取得動作を示す概略図である。
【図4】(a)〜(c)は、両手座標の算出動作及び重心の算出動作における距離画像の例を示す概略図である。
【図5】(a)〜(d)は、重心と操作基準面との関係及び距離画像と操作基準面との関係の一例を示す概略図である。
【図6】(a)〜(c)は、距離画像から指示画像を作成する動作及び指示画像とGUI画像との合成動作の一例を示す概略図である。
【図7】(a)〜(f)は、指示画像とGUI画像との合成動作の他の例を示す概略図である。
【図8】(a)〜(f)は、指示画像とGUI画像との合成動作の他の例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の映像再生装置及び映像再生方法の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
[実施の形態]
(映像再生装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る映像再生装置の構成を示す概略図である。
【0015】
この映像再生装置1は、本体2の内部に備えられたチューナによって受信した映像コンテンツ等を再生可能であり、再生した映像を表示するLCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面を備える表示部23に表示する。
【0016】
また、映像再生装置1は、映像再生装置1に対面する利用者4を含む物体の距離情報を取得する距離センサ3を有し、距離センサ3が取得した距離情報に基づいて動作する。距離センサ3は、例えば、赤外線レーザーと複数の受光素子からなる赤外線カメラを備え、赤外線レーザーが放射した赤外線の反射を赤外線カメラで撮影することで距離情報を画像形式で取得する。なお、後述するように、映像再生装置1は、距離情報によって認識される利用者4のジェスチャ等によって動作する。
【0017】
また、映像再生装置1は、複数の操作スイッチからなるリモコン2Aと、本体2にリモコン2Aから操作スイッチの操作に基づいて送信される操作信号を受信する図示しないリモコン受信部とを有し、操作信号に基づいて動作する。
【0018】
図2は、映像再生装置1の本体2の構成を示すブロック図である。
【0019】
映像再生装置1の本体2は、距離画像取得部20と、距離画像処理部21と、表示制御部22と、表示部23と、入力制御部24と、リモコン情報取得部25とを有する。
【0020】
距離画像取得部20は、距離センサ3が取得した複数画素の距離情報を距離画像として取得する。
【0021】
距離画像処理部21は、距離画像取得部20が取得した距離画像を、画像分割部21a、重心算出部21c、基準面算出部21d及び両手座標算出部21bによって処理する。
【0022】
画像分割部21aは、距離画像を各画素の距離情報に応じて複数の領域に分割する。両手座標算出部21bは、距離画像から操作用の指示位置として利用者の両手を検出する。重心算出部21cは、距離画像の奥行きの重心、及び画像面の重心を算出する。基準面算出部21dは、利用者にとっての仮想的な操作基準面を設定する。
【0023】
表示制御部22は、GUI生成部22a及び指示画像生成部22bを有し、表示用画像を生成する。
【0024】
GUI生成部22aは、操作対象としてのスイッチ等のGUI画像を生成する。指示画像生成部22bは、画像分割部21aが出力する画像を基準面算出部21dが算出する基準面情報に基づいて加工し、利用者の手を模した指示画像を生成する。また、指示画像生成部22bは、両手座標算出部21bが検出する両手の座標と基準面情報との関係に応じて指示画像と対になる影の画像を生成する。
【0025】
表示部23は、チューナによって受信した映像や、表示制御部22によって合成された指示画像及びGUI画像を表示する。
【0026】
入力制御部24は、表示制御部22が出力する制御信号に基づいて、映像再生装置1の各部を制御する。また、後述するリモコン情報取得部25が出力する制御信号に基づいて映像再生装置1の各部を制御する。
【0027】
リモコン情報取得部25は、リモコン受信部を介してリモコン2Aから操作信号を受信する。
【0028】
(動作)
以下に、本発明の実施の形態における映像再生装置の動作を図1〜図8を参照しつつ、(1)距離情報の取得動作、(2)距離画像の分割動作、(3)両手座標の算出動作、(4)重心の算出動作、(5)操作基準面及び仮想操作面の決定動作、(6)指示画像の生成動作及び画像合成動作及び(7)その他の動作に分けて説明する。
【0029】
利用者4が、距離センサ3の検知面30に対向すると、距離センサ3は利用者4を被検知物として検知し、その距離情報を取得する。以下に、距離センサ3の距離情報の取得動作を説明する。
【0030】
(1)距離情報の取得動作
図3(a)〜(f)は、距離画像取得部20の距離情報の取得動作を示す概略図であり、図3(a)は、斜視図、図3(b)は、y軸の正方向からの平面図、図3(c)は、x軸の負方向からの側面図である。
【0031】
図3(a)〜(c)に示すように、距離センサ3は、x−y平面(z=0)に検知面30を有する。被検知物3A及び3Bが検知面30に対向する位置に配置されている場合、距離センサ3は、図3(d)に示すように、各画素毎にそれぞれ距離情報を取得する。
【0032】
図3(d)に示す距離情報は、距離センサ3の検知面30を、例えば、25分割して、分割された各検知面に対向する被検知物との距離を記述したものである。なお、単位はcmである。また、被検知物がない場合、又は、被検知物が、例えば、検知面30〜40cmの位置の基準面3Cより遠方にある場合、距離を0cmと表す。なお、検知面の分割数は、説明の簡略化のため25個にしたが、例えば、640×480ドットからなるVGA(Video Graphics Array)の解像度等で検知面を分割する。また分割数(画素数)の上限は、距離センサ3の受光素子の数である。
【0033】
(2)距離画像の分割動作
次に、距離画像処理部21の画像分割部21aは、距離画像取得部20から図3(d)に示す距離情報を取得すると、分割された各検知面の距離をそれぞれ近い値でグループ化して、図3(e)に示すように分割領域30A及び30Bに分割する。
【0034】
次に、距離画像取得部20は、図3(f)に示すように、取得した距離の値を奥行き基準面3C(40cm)からの距離に変換する。つまり、図3(e)の各画素の値をdとすると40−dによって図3(f)に示す距離情報が得られる。なお、奥行き基準面30Cの値、40cmは一例であり、映像表示装置の画面サイズ等に比例して工場出荷時に決定するものであり、例えば、50インチのテレビに付属する距離センサを用いる場合は5m、といったように決定する。
【0035】
(3)両手座標の算出動作
図4(a)〜(c)は、両手座標の算出動作及び重心の算出動作における距離画像の例を示す概略図である。
【0036】
距離画像取得部20は、距離センサ3から図4(a)に示すような距離画像を取得する。次に、画像分割部21aは、図3に説明した方法を用い、距離情報同士が近いものでグループ化して分割領域32a〜32cとして分割し、図4(b)に示す距離画像31Bを得る。各分割領域32a〜32cと距離センサ3との距離は、例えば、分割領域32aが2m、分割領域32bが2.3m、分割領域32cが2mであるとする。
【0037】
次に、両手座標算出部21bは、図4(c)の距離画像31Cに示すように、例えば、分割領域32a〜32cのうち、距離が最も近いものを右手310及び左手311として検知し、分割領域32bの中心から右手の指示座標を、分割領域32aの中心から左手の指示座標を取得する。
【0038】
また、右手310及び左手311の区別は、右手の指示座標及び左手の指示座標が、重心312より右側に位置するか左側に位置するかで区別されるが、重心312は以下に説明する方法で算出される。
【0039】
(4)重心の算出動作
距離画像31Bの分割された各検知面を(x,y)で表し、奥行き基準面からの距離に変換された奥行をD(x,y)としたとき、重心312の座標(xCenter,yCenter,zCenter)は、以下の数1〜数3で示される。
【数1】

【数2】

【数3】

ただし、D(x,y)=0の場合、n(x,y)=0、D(x,y)>0の場合、n(x,y)=1であるとする。
【0040】
(5)操作基準面及び仮想操作面の決定動作
図5(a)〜(d)は、重心と操作基準面との関係及び距離画像と操作基準面との関係の一例を示す概略図である。
【0041】
表示制御部22の基準面算出部21dは、図5(a)に示すように、重心算出部21cが算出した距離方向の重心Gzから予め定めた間隔dzだけ検知面30側に操作基準面Szを設定する。また、基準面算出部21dは、操作基準面Szから予め定めた間隔dmだけ検知面30側に仮想操作面Svを設定する。
【0042】
図5(b)に示す距離画像31Cは、図4(c)に示すものと同一である。表示制御部22の指示画像生成部22bは、距離画像31Cの分割領域である右手310及び左手311を操作基準面Szに該当する距離の位置で分割し、それぞれ図5(c)に示す手前右手310a及び奥右手310b並びに手前左手311a及び奥左手311bとする。
【0043】
次に、指示画像生成部22bは、操作基準面Szより検知面30側の利用者4の左手4L及び右手4Rに該当する手前右手310a及び手前左手311aを距離画像31Dから抽出し、図5(d)に示す距離画像31Eを得る。
【0044】
(6)指示画像の生成動作及び画像合成動作
図6(a)〜(c)は、距離画像から指示画像を作成する動作及び指示画像とGUI画像との合成動作の一例を示す概略図である。
【0045】
指示画像生成部22bは、図6(a)に示す距離画像31Fを左右反転して図5(c)に示す距離画像31Eを得る。次に、指示画像生成部22bは、距離画像31Fの手前右手310a及び手前左手311aをそれぞれ左右反転して立体処理を施すことで、指示画像として図6(b)に示す左手画像240a及び右手画像241aを生成する。立体処理は、手前右手310a及び手前左手311aをそれぞれ左右反転したものの輪郭に対し、奥行きを感じるよう立体処理を施すものである。立体処理は、例えば、手前右手310a及び手前左手311aの各座標の距離に応じて予め濃淡値を設定し、その濃淡値と予め定めた標準の肌色とに基づいて生成される色で着色することで実現できる。
【0046】
次に、指示画像生成部22bは、図5(a)に示す利用者4の左手4L及び右手4Rと仮想操作面Svとの距離関係に基づいて、左手画像240a及び右手画像241aから図6(b)に示す影画像240b及び241bを補助画像として生成する。
【0047】
また、上記の指示画像生成部22bの左手画像240a及び右手画像241aと、影画像240b及び241bの生成動作と同時に、表示制御部22のGUI生成部22aは、操作用画像242a〜242cを含むGUI画像242を生成する。
【0048】
次に、表示制御部22は、左手画像240a及び右手画像241aと、影画像240b及び241bと、GUI画像242とを合成し、表示画像24Aを生成し、映像情報を表示部23に出力する。表示部23は、表示制御部22から入力した映像情報を表示する。なお、左手画像240a及び右手画像241a並びに影画像240b及び241bは、GUI画像242の視認性を考慮して半透明にしてもよい。
【0049】
また、左手画像240a及び右手画像241aは、利用者4の左手4L及び右手4Rと仮想操作面Svとの距離が大きいほど大きく描画し、利用者4の左手4L及び右手4Rと仮想操作面Svとの距離が小さいほど小さく描画する。つまり、例えば、図6(c)に示すように、左手4Lと仮想操作面Svとの距離が右手4Rに比べて小さい場合、左手画像240aは、右手画像241aに比べて小さく描画されて生成される。
【0050】
また、影画像240b及び241bは、利用者4の左手4L及び右手4Rと仮想操作面Svとの距離が大きいほど大きく描画し、左手画像240a及び右手画像241aから離れた位置に配置する。つまり、例えば、図6(c)に示す左手画像240aと影画像240bのように生成される。
【0051】
また、利用者4の左手4L及び右手4Rと仮想操作面Svとの距離が小さいほど左手画像240a及び右手画像241aに近い大きさで描画し、左手画像240a及び右手画像241aに近づいた位置に配置する。つまり、例えば、利用者4の右手4Rが仮想操作面Svの位置と一致している場合、図6(c)に示す右手画像241aと影画像241bのように生成される。
【0052】
また、表示制御部22は、利用者4の左手4L及び右手4Rが仮想操作面Svと一致している場合、入力制御部に24に対して操作信号を出力する。操作信号は、左手画像24a及び右手画像241aが指示する位置に依存し、例えば、図6(c)に示すように、操作対象241bを右手画像241aが指示している場合は、操作用画像242bに対応したものとなる。同様に、操作用画像242a及び操作用画像242cに対してもそれぞれ異なる操作信号が対応付けられており、左手画像24a及び右手画像241aが指示することで、表示制御部22は、対応した制御信号を入力制御部24に対して出力する。
【0053】
入力制御部24は、表示制御部22から入力した制御信号に基づいて本体2の各部を制御する。また、同様にリモコン情報取得部25から入力した制御信号に基づいて本体2の各部を制御する。
【0054】
(7)その他の動作
図7(a)〜(f)は、指示画像とGUI画像との合成動作の他の例を示す概略図である。
【0055】
指示画像生成部22bは、例えば、利用者4の左手4Lが差し出されると、左手画像240a及び影画像240bを生成するが、図7(a)及び(d)に示すように、表示画像24Bが複数のGUI画像243〜245を画面奥行き方向に含んでいる場合であって、左手画像240aがGUI画像243より画面手前側にある場合は、表示制御部22は、GUI画像243に対して影画像240bを合成する。
【0056】
また同様に、図7(b)及び(e)に示すように、左手画像240aがGUI画像243より画面奥、かつGUI画像244より画面手前側にある場合は、表示制御部22は、GUI画像244に対して影画像240bを合成する。
【0057】
また、図7(c)及び(f)に示すように、左手画像240aがGUI画像244より画面奥、かつGUI画像245より画面手前側にある場合は、表示制御部22は、GUI画像245に対して影画像240bを合成する。
【0058】
図8(a)〜(f)は、指示画像とGUI画像との合成動作の他の例を示す概略図である。
【0059】
指示画像生成部22bは、例えば、利用者4の左手4Lが差し出されると、左手画像240a及び影画像240bを生成するが、図8(d)に示すように、仮想照明Lvが利用者の左後方に位置する場合、表示制御部22は、図8(a)に示すように、左手画像240aより画面左側に位置するように影画像240bをGUI画像246に合成して表示画像24Cを生成する。
【0060】
また同様に、図8(e)に示すように、仮想照明Lvが利用者の後方に位置する場合、表示制御部22は、図8(b)に示すように、左手画像240aと画面横方向で同位置に影画像240bをGUI画像246に合成する。
【0061】
また、図8(f)に示すように、仮想照明Lvが利用者の右後方に位置する場合、表示制御部22は、図8(c)に示すように、左手画像240aより画面左側に位置するように影画像240bをGUI画像246に合成する。
【0062】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によると、映像再生装置1は、利用者4の近くに操作基準面Sz及び仮想操作面Svを設定し、利用者4の左手4L及び右手4Rと仮想操作面Svとの距離関係に応じて、GUI画像242と左手画像240a及び右手画像241aとの表示関係を変化させるため、立体的な表示上の操作位置と、立体的な表示上の操作位置に対する利用者の操作位置との関係を認識させることができる。
【0063】
また、映像再生装置1は、上記したGUI画像242と左手画像240a及び右手画像241aとの表示関係として、影画像240b及び241bを生成するとともに配置するため、利用者4により直感的に立体的な表示上の操作位置と、立体的な表示上の操作位置に対する利用者の操作位置との関係を認識させることができる。
【0064】
なお、左手画像240a及び右手画像241a並びに影画像240b及び241bの描画サイズ等は、利用者4の左手4L及び右手4Rと仮想操作面Svとの関係に基づいて変化するものであれば、実施例に示した以外の方法を用いてもよい。また、左手画像240a及び右手画像241a並びに影画像240b及び241bは、ポインタやアイコン等の他の画像で置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…映像再生装置、2…本体、2A…リモコン、3…距離センサ、3A、3B…被検知物、3C…基準面、4…利用者、4L…左手、4R…右手、20…距離画像取得部、21…距離画像処理部、21a…画像分割部、21b…両手座標算出部、21c…重心算出部、21d…基準面算出部、22…表示制御部、22a…GUI生成部、22b…指示画像生成部、23…表示部、24…入力制御部、24A-24C…表示画像、25…リモコン情報取得部、30…検知面、30A、30B…分割領域、30C…奥行き基準面、31A-31F…距離画像、32a-32c…分割領域、240a…左手画像、240b…影画像、241a…右手画像、241a…操作対象、241a…右手画像、241b…影画像、242a-242c…操作対象、242-246…GUI画像、310…右手、310a…手前右手、310b…奥右手、311…左手、311a…手前左手、311b…奥左手、312…重心、Gz…重心、Lv…仮想照明、Sv…仮想操作面、Sz…操作基準面、dm…間隔、dz…間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
距離センサの画素毎に利用者との距離情報を関連付けた距離画像を取得する距離画像取得部と、
前記距離画像に関連付けられた前記距離情報に基づいて前記利用者の距離の重心を算出する重心算出部と、
前記重心との関係に基づいて前記距離画像に関連付けられた前記距離情報から利用者が操作を指示する位置を示す指示座標を算出する指示座標算出部と、
前記距離画像に関連付けられた前記距離情報と前記重心とに基づいて基準面を設定し、当該基準面と前記距離画像センサとの距離を算出する基準面算出部と、
前記距離画像から前記基準面より距離センサ側に位置する画像を取得し、取得した当該画像から指示画像を生成する指示画像生成部と、
前記指示画像の操作対象である操作用画像を生成する操作用画像生成部と、
前記基準面から予め定めた位置に設定される仮想的な操作面と前記指示座標との位置関係に基づいて前記操作用画像に対して前記指示画像を配置して合成する表示制御部とを有することを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
前記画像生成部は、前記操作用画像に対する前記指示画像の配置に応じて補助画像を生成し、
前記表示制御部は、当該補助画像を前記操作用画像に対して前記指示画像とともに配置して合成することを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記指示座標が前記操作用画像の位置と一致した場合、当該操作用画像に対応した制御信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項4】
距離センサの画素毎に利用者との距離情報を関連付けた距離画像を取得する距離画像取得ステップと、
前記距離画像に関連付けられた前記距離情報に基づいて前記利用者の距離の重心を算出する重心算出ステップと、
前記重心との関係に基づいて前記距離画像に関連付けられた前記距離情報から利用者が操作を指示する位置を示す指示座標を算出する指示座標算出ステップと、
前記距離画像に関連付けられた前記距離情報と前記重心とに基づいて基準面を設定し、当該基準面と前記距離画像センサとの距離を算出する基準面算出ステップと、
前記距離画像から前記基準面より距離センサ側に位置する画像を取得し、取得した当該画像から指示画像を生成する指示画像生成ステップと、
前記指示画像の操作対象である操作用画像を生成する操作用画像生成ステップと、
前記基準面から予め定めた位置に設定される仮想的な操作面と前記指示座標との位置関係に基づいて前記操作用画像に対して前記指示画像を配置して合成する表示制御ステップとを有することを特徴とする映像再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−133955(P2011−133955A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290457(P2009−290457)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】