説明

映像再生装置

【課題】
編集工程無しで、音声と映像を同時に視聴出来るようにする。
同期して,映像を再生する。
【解決手段】
映像再生部(22)は、映像記録媒体(20)に記録される映像データを再生する。外部音声入力端子(10)に外部から音声が入力する。接続検出部(12)は、外部音声入力端子(10)への音声ケーブルの接続の有無を検出する。音声レベル検出部(14)及び音声レベル比較部(16)により、音声入力の有無を検出する。音声閾値時間計測部(18)は、無音声の時間を計測する。映像再生制御部(24)は、接続検出部(12)、音声レベル比較部(16)及び音声閾値時間計測部(18)の出力に従い、映像再生部(22)による映像再生を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像再生装置に関し、特に音声により再生動作を制御される映像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−64761号公報
【特許文献2】特開平5−150705号公報
【0004】
従来、映像再生装置として、ビデオデッキ、DVD再生装置、ビデオカメラ及び電子スチルカメラなどがある。記録されている音声の状態により映像信号の再生を制御する技術が特許文献1に記載されている。
【0005】
音声入力の有無により音声記録動作を制御する音声記録装置が、特許文献2に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
別々に記録された映像信号と音声信号を別々の機器で同時に再生して鑑賞する場合、例えば、映像信号の再生中に音声信号の再生が停止したとしても、ユーザが特に操作を行わなければ映像信号の再生は継続することになる。そうすると、ユーザは再生音声と共に再生映像を視聴していた状態から、映像のみを見る状態となり、映像の視聴を十分に楽しめなくなってしまう場合などがあった。また、逆に、音声だけが流れ続けることになってしまい、映像の再生が終わったときに、音声を手動で停止させなければならなかった。
【0007】
本発明は、このような不都合を解消し、別の機器で再生された音声に連動して、映像の再生の停止や再開、音声の出力等を制御する映像再生装置を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る映像再生装置は、映像記録媒体に記録される映像データを再生する映像再生手段と、外部から音声を入力する外部音声入力手段と、前記外部音声入力手段による音声入力を検出する音声入力検出手段と、前記音声入力検出手段で検出される音声入力の有無に従い、前記映像再生手段の再生動作を制御する映像再生制御手段とを具備し、前記映像再生制御手段は、前記音声入力があり、かつ前記映像再生手段が映像再生中でないときには、前記映像再生手段に映像再生を開始させ、前記音声入力が無いときには、前記映像再生手段による映像再生を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、別の機器で再生された音声と、映像とを合わせて鑑賞できることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施例の概略構成ブロック図を示す。
【図2】第1実施例の制御フローチャートである。
【図3】本発明の第2実施例の概略構成ブロック図である。
【図4】第2実施例の制御フローチャートである。
【図5】本発明の第3実施例の概略構成ブロック図である。
【図6】第3実施例の制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明に係る映像再生装置の第1実施例の概略構成ブロック図を示す。外部音声入力端子10には、外部の音声ソースから音声信号が入力する。接続検出部12は、外部音声入力端子10に音声ケーブルが接続されたか否かを検出する。音声レベル検出部14は、外部音声入力端子10から入力する音声信号のレベルを検出する。音声レベル比較部16は、音声レベル検出部14により検出される音声レベルを閾値と比較し、閾値以上の場合にH(高)信号又は有音検出信号を出力し、閾値未満の場合にL(低)信号又は無音検出信号を出力する。音声レベル検出部14と音声レベル比較部16からなる部分が,音声入力の有無を検出する音声入力検出手段として機能する。計測部18は、音声レベル比較部16のL出力が継続する間の時間を計測する。
【0013】
映像記録媒体20は、再生すべき映像データを記録した記録媒体であり、不揮発性半導体メモリ又はハードディスク等からなる。映像データは、動画データ又は静止画データからなる。映像記録媒体20には、所定時間の動画又は所定枚数の静止画像を記憶可能である。映像再生部22は、映像記録媒体20に記録される映像データを再生し、所定形式の再生映像信号を出力する。
【0014】
映像再生制御部24は、接続検出部12の出力、音声レベル比較部16の比較結果出力及び計測部18の出力に従い、映像再生部22の再生動作を制御する。
【0015】
音声出力部26は、外部音声入力端子10から入力した音声信号を外部に出力する。映像出力部28は、映像再生部22からの再生映像信号を外部に出力する。
【0016】
映像再生制御部24は映像再生部22を制御して、映像記録媒体20に記録された映像を、例えば、記録順に順次再生するスライドショー再生を行わせることができる。スライドショー再生は、記録順の他に、映像中の特定色の割合の高い順、輝度の高い順、音量の大きい順、特定の音声周波数が高い順などが適用可能である。また、スライドショー再生では、動画と静止画を混在して再生でき、動画と静止画を別々にしても再生できる。また、映像再生制御部24は、映像再生一時停止カウンタ30に、映像の再生を一時停止させておく時間をセットする。映像再生一時停止カウンタ30の詳細な機能は、後述する。
【0017】
図2は、本実施例の動作フローチャートを示す。図2を参照して、本実施例の動作を説明する。本実施例において、映像再生とは、上述したスライドショー再生などを行うことであり、動画を通常再生する処理や、静止画を所定の秒数ずつ再生して表示させる処理を言う。また、映像再生停止とは、上述したスライドショー再生を止めて、動画の表示をやめたり、静止画の表示をやめたりして、その後、例えば映像を選択する選択画面を表示したりすることを言う。また、映像再生一時停止とは、例えば、動画の再生を途中で停止させ、ストップ映像を表示した状態で表示を止めておくことや、静止画のスライドショーを停止させ、次の静止画の表示への移行を行わないことを言う。
【0018】
接続検出部12が、外部音声入力端子10に音声ケーブルが接続しているか否かを検出する(S1)。音声ケーブルが外部音声入力端子10に接続されている場合(S1)、音声レベル検出部14が、外部音声入力端子10から入力する音声のレベルを検出する(S4)。音声レベル比較部16が音声レベル検出部14により検出される音声レベルを所定の閾値Vthと比較することで、音声入力の有無を判定又は検出する(S5)。
【0019】
音声入力がある場合(S5でY)、映像再生制御部24は、映像再生部22が映像記録媒体20の記録映像を再生中か否かを判断する(S6)。映像再生中の場合(S6でY)、映像再生制御部24は、映像再生部22に映像再生を継続させ(S7)、ステップS1に戻る。映像再生中でない場合(S6でN)、映像再生制御部24は、映像再生部22に映像記録媒体20に記録された所定の映像の再生を開始させる(S8)。再生を一時停止した映像が動画である場合、映像再生部22は、再生を一時停止した位置からその動画の再生を再開する。再生を一時停止した映像が静止画である場合、映像再生部22は、次の静止画を再生する。このように映像再生を開始又は再開し(S8)、ステップS1に戻る。すなわち、S8では、映像再生一時停止状態から復帰する場合、一時停止されていた映像が動画であれば、一時停止されているストップ映像の次のフレームから表示が始まることになる。そして、一時停止されていた映像が静止画であれば、次の静止画から表示が始まることになる。静止画の表示においては、例えば10秒ごとに次の静止画が表示されるようなスライドショーが、ある静止画Aを表示している際に、残り2秒の地点で一時停止がされることがある。しかし、再生再開されると、残りの2秒分の静止画Aの表示は行わず、次の静止画Bの表示を行うように本実施例では行うものとする。この様にすることにより、ユーザは、映像再生として静止画の再生が行われていたとしてもすぐに一時停止から再開されたことがわかるようになる。
【0020】
音声が実質的に入力されていない場合も(S5でN)、映像再生制御部24は、映像再生部22が映像記録媒体20の記録映像を再生中か否かを判断する(S9)。映像再生中の場合(S9でY)、映像再生制御部24は、映像再生部22に映像再生を一時停止させる(S10)。映像再生制御部24は、映像再生一時停止カウンタ30に所定の正値をセットする(S11)。そして、ステップS1に戻る。映像再生一時停止カウンタ30にセットされる正値は、再生を一時停止する時間の閾値を規定する。
【0021】
映像再生中で無い場合(S9)、映像再生制御部24は、映像再生の一時停止中で、かつ、映像再生一時停止カウンタのカウント値が正値であるかどうかを判断する(S12)。映像再生の一時停止中で、かつ、映像再生一時停止カウンタのカウント値が正値である場合(S12)、映像再生制御部24は、映像再生一時停止カウンタをデクリメントして(S13)、ステップS1に戻る。すなわち、ステップS12で規定される条件が成立するたびに、映像再生一時停止カウンタのカウント値が減少する。
【0022】
映像再生の一時停止状態でない場合、又は、映像再生一時停止カウンタが0以下の場合には(S12)、映像再生制御部24は、映像再生部22に映像再生を停止させ(S14)、ステップS1に戻る。
【0023】
音声ケーブルが外部音声入力端子10に接続されていない場合(S1)、映像再生制御部24は、映像再生部22に映像再生を停止させる(S2)。映像再生制御部24は、映像再生一時停止カウンタをゼロでクリアする(S3)。この後、ステップS1に戻る。
【0024】
このように、本実施例では、音声入力無しで(S5)、映像再生中である場合(S9)、映像再生を一時停止し(S10)、音声入力の検出により映像再生を再開する(S8)。動画の場合、再生を一時停止した位置からその動画の再生を再開し、静止画の再生を一時停止していた場合には、次の静止画を再生する。
【実施例2】
【0025】
図3は、本発明に係る映像再生装置の第2実施例の概略構成ブロック図を示し、図4は、その動作フローチャートを示す。
【0026】
外部音声入力端子110には、外部の音声ソースから音声信号が入力する。音声レベル検出部114及び音声レベル比較部116は、それぞれ、音声レベル検出部14及び音声レベル比較部16と同様に機能する。
【0027】
映像記録媒体120は、再生すべき映像データを記録した、映像記録媒体20と同様の記録媒体である。映像再生部122は、映像記録媒体120に記録される映像データを再生し、所定形式の再生映像信号を出力する。
【0028】
映像再生制御部124は、音声レベル比較部16の比較結果に従い、映像再生部122の再生動作を制御し、音声レベル変換部125の音声出力レベルを制御する。
【0029】
音声レベル変換部125は、外部音声入力端子110からの音声信号を、映像再生制御部124により制御される音声レベルに変換して音声出力部126に供給する。音声出力部126は、音声レベル変換部125からの音声信号を外部に出力する。映像出力部128は、映像再生部122からの再生映像信号を外部に出力する。
【0030】
映像再生制御部124は、映像再生制御部24と同様に、映像再生部122を制御して、映像記録媒体120に記録された映像を、例えば、記録順に順次再生するスライドショー再生を行わせることができる。
【0031】
図4に示すフローチャートを参照して、本実施例の特徴的な動作を説明する。
【0032】
音声レベル検出部114が外部音声入力端子110から入力する音声信号のレベルを検出する(S21)、音声レベル比較部116が、入力音声レベルを閾値Vthと比較して、音声入力の有無を判定する(S22)。
【0033】
音声入力がある場合(S22)、映像再生制御部124が、映像再生部122による映像再生中か否かを判断する(S23)。映像再生中である場合(S23)、映像再生制御部124は映像再生部122に映像再生を継続させ(S24)、ステップS21に戻る。映像再生中でない場合(S23)、映像再生制御部124は、映像再生部122による映像再生が終了したかを確認する(S25)。映像再生が終了している場合(S26)、映像再生制御部124は音声レベル変換部125を音声ミュートするように制御する(S27)。これにより、外部音声入力端子110から入力した音声が、音声出力部126から出力されなくなる。そして、ステップS21に戻る。
【0034】
他方,映像再生が終了していない場合(S26)、映像再生制御部124は、映像再生部122に映像再生を開始させる(S28)。すなわち、直前の映像再生が最後まで実行されて停止していたときには(S26)、次の映像の再生を開始し(S28)、途中で再生を停止したときには(S26)、停止位置から映像再生を再開する(S28)。再生を一時停止した映像が動画である場合、映像再生部22は、再生を一時停止した位置からその動画の再生を再開する。再生を一時停止した映像が静止画である場合、映像再生部22は、次の静止画を再生する。このように映像再生を開始又は再開し(S28)、ステップS21に戻る。
【0035】
音声入力が無い場合(S22)、映像再生制御部124は、映像再生部122に映像再生を停止させ(S29),ステップS21に戻る。
【0036】
このように、本実施例では、音声入力が無いと(S22)、映像再生を停止する(S29)。映像再生停止の後に音声が入力した場合(S22)、直前の映像再生が最後まで実行されて停止していたときには(S26)、音声をミュートし(S27)、途中で再生を停止していたときには(S26)、映像再生を再開する(S28)。
【実施例3】
【0037】
図5は、本発明の第3実施例の概略構成ブロック図を示す。図3に示す実施例と同じ機能の要素には同じ符号を付してある。映像再生制御部132は、音声レベル比較部116の出力と操作部130によるユーザの操作に従い、映像再生部122及び音声レベル変換部125を制御する。
【0038】
図6は、本実施例の動作フローチャートを示す。図6を参照して、本実施例の特徴的な動作を説明する。
【0039】
音声レベル検出部114が外部音声入力端子110から入力する音声信号のレベルを検出する(S31)、音声レベル比較部116が、入力音声レベルを閾値Vthと比較して、音声入力の有無を判定する(S32)。
【0040】
音声入力がある場合(S32)、映像再生制御部132は、操作部130の操作の有無と内容を確認し(S33)。操作部130により再生停止操作が入力された場合(S34)、映像再生制御部132は映像再生部122に映像再生を停止させ(S35)、音声レベル変換部125を音声ミュートするように制御する(S36)。これにより、外部音声入力端子110から入力した音声が、音声出力部126から出力されなくなる。そして、ステップS31に戻る。
【0041】
操作部130の操作が無いか、又は、操作があっても、その操作が再生停止操作でない場合(S34)、映像再生制御部132が、映像再生部122による映像再生中か否かを判断する(S37)。映像再生中である場合(S37)、映像再生制御部132は映像再生部122に映像再生を継続させ(S38)、ステップS31に戻る。映像再生中でない場合(S37)、映像再生制御部132は、映像再生部122に映像再生を開始又は再開させる(S39)。すなわち、直前の映像再生が最後まで実行されて停止していたときには、次の映像の再生を開始し、途中で再生を停止したときには、停止位置から映像再生を再開する。再生を一時停止した映像が動画である場合、映像再生部22は、再生を一時停止した位置からその動画の再生を再開する。再生を一時停止した映像が静止画である場合、映像再生部22は、次の静止画を再生する。このように映像再生を開始又は再開し(S39)、ステップS31に戻る。
【0042】
音声入力が無い場合(S32)、映像再生制御部132は、映像再生部122に映像再生を停止させ(S40)、ステップS31に戻る。
【0043】
このように、本実施例では、音声入力が無いと(S32)、映像再生を停止する(S40)。映像再生停止の後に音声が入力した場合で(S32)、映像再生を停止したときには映像再生を開始する(S37,S39)。再生停止操作があったときに(S34)、音声をミュートする(S36)。
【0044】
上記各実施例は、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ハードディスクレコーダ、及びポータブルプレイヤーなど、映像を再生する機器一般に適用可能である。
【0045】
上記各実施例の機能を1つの装置に組み入れることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
10,110:外部音声入力端子
120:映像記録媒体
122:映像再生部
24,124,132:映像再生制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像記録媒体に記録される映像データを再生する映像再生手段と、
外部から音声を入力する外部音声入力手段と、
前記外部音声入力手段による音声入力を検出する音声入力検出手段と、
前記音声入力検出手段で検出される音声入力の有無に従い、前記映像再生手段の再生動作を制御する映像再生制御手段
とを具備し、
前記映像再生制御手段は、前記音声入力があり、かつ前記映像再生手段が映像再生中でないときには、前記映像再生手段に映像再生を開始させ、前記音声入力が無いときには、前記映像再生手段による映像再生を停止する
ことを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
前記音声入力検出手段は、前記外部音声入力手段から入力する音声のレベルを検出する音声レベル検出手段と、前記音声レベル検出手段で検出される音声レベルが閾値を超えるか否かを検出する音声レベル比較手段とを具備することを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
更に、前記外部音声入力手段により入力される音声信号のレベルを変換する音声レベル変換手段を有し、
前記映像再生制御手段は、前記映像再生手段が映像再生を停止しているとき、前記音声レベル変換手段を音声をミュートする状態に制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の映像再生装置。
【請求項4】
更に、前記外部音声入力手段により入力される音声信号のレベルを変換する音声レベル変換手段と、ユーザが操作する操作手段とを具備し、
前記映像再生制御手段は、前記操作手段による再生停止操作に従い、前記映像再生手段に映像再生を停止させ、前記音声レベル変換手段を音声をミュートする状態に制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の映像再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−44976(P2011−44976A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192744(P2009−192744)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】