説明

映像処理装置および映像処理方法

【課題】より使い勝手のよい映像受信装置および表示方式切換方法を提供する。
【解決手段】3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を含む映像信号を受信し、映像信号を2次元表示または3次元表示可能に処理する信号処理部107と、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を検出した場合に自動的に3次元表示とする第1設定と、識別子に関わらず3次元表示用の映像信号と2次元表示用の映像信号とを2次元表示とする第2設定と、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を検出した場合に3次元表示することを選択可能な表示がされる第3設定と、が可能な表示方式の自動切換設定に従い信号処理部107を制御する設定部121Aと、を備えた映像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、映像処理装置および映像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
左眼用の画像と右眼用の画像とを左眼と右眼とでそれぞれ見えるようにして、3次元映像を視聴可能とする複数の技術が提案されている。例えば3次元用の眼鏡を用いる場合には、画面に左眼用の画像を表示するときには眼鏡の右眼側の液晶レンズを遮光し、画面に左眼用の画像を表示するときには眼鏡の左眼側の液晶レンズを遮光して、3次元映像を視聴可能としている。
【0003】
また、3次元の動画を記録・伝送する方式には「サイド・バイ・サイド」方式と、「ライン・バイ・ライン」方式と、「トップ・アンド・ボトム」方式等が提案されている。これらのうちの「サイド・バイ・サイド」方式では、画像の横幅だけをオリジナル画像の2分の1に圧縮して、左右の視点からみた2枚の画像を横に並べて伝送される。「サイド・バイ・サイド」方式で伝送された画像は、受信装置側で横幅を2倍に伸ばして、右眼用と左眼用との2枚の画像を得ることが出来る。
【0004】
「トップ・アンド・ボトム」方式では、画像の縦幅だけをオリジナルの画像の2分の1に圧縮して、左右の視点からみた2枚の画像を縦に並べて伝送される。「トップ・アンド・ボトム」方式で伝送された画像は、受信装置側で縦幅を2倍に伸ばして、右眼用と左眼用との2枚の画像を得ることが出来る。
【0005】
近年、伝送されたコンテンツが3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を用いて、3次元映像表示と2次元映像表示とを切り替えて表示する映像受信装置の実用化が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−121553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
3次元表示あるいは2次元表示を行うように映像受信装置を設定していた場合であっても、視聴者や、視聴する番組内容に応じて3次元表示と2次元表示との表示方式を切り換えることが想定される。
【0008】
例えば、放送番組を視聴していると、本編の合間にコマーシャル映像が表示される。例えば、放送番組が3次元映像で伝送され、コマーシャル映像が2次元映像で伝送されている場合に、映像受信装置において3次元表示するように設定した場合、3次元映像と2次元映像とを交互に視聴することにより視聴者が快適に視聴することが妨げられる場合が想定される。また、子供が3次元映像を視聴することを回避するために、3次元表示から2次元表示へと切り替える必要が生じ得る。
【0009】
本発明は、上記事情を鑑みて成されたものであって、視聴者の意図を尊重した3次元表示と2次元表示との切り替えを実現し、より使い勝手のよい映像処理装置および表示処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を含む映像信号を受信し、前記映像信号を2次元表示または3次元表示可能に処理する信号処理部と、3次元表示用の映像信号であることを示す前記識別子を検出した場合に自動的に3次元表示とする第1設定と、前記識別子に関わらず3次元表示用の映像信号と2次元表示用の映像信号とを2次元表示とする第2設定と、3次元表示用の映像信号であることを示す前記識別子を検出した場合に3次元表示することを選択可能な表示がされる第3設定と、が可能な表示方式の自動切換設定に従い前記信号処理部を制御する設定部と、を備えた映像処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態の映像受信装置の外観と3D眼鏡との一構成例を概略的に示す図である。
【図2】実施形態の映像受信装置の信号処理系の一構成例を示すブロック図である。
【図3】実施形態の映像受信装置のリモートコントローラの一例について説明するための図である。
【図4】実施形態の映像受信装置の3D設定画面の一例を示す図である。
【図5】実施形態の映像受信装置の3D自動切換画面の一例を示す図である。
【図6】実施形態の映像受信装置の3D自動切換画面の一例を示す図である。
【図7】実施形態の映像受信装置の3Dメニュー画面の一例を示す図である。
【図8】実施形態の映像受信装置の3次元表示と2次元表示との切換動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態の映像受信装置および表示方式切換方法について、図面を参照して説明する。
図1に、本実施形態に係る映像受信装置の外観と、3次元映像を視聴する際に用いる3D眼鏡との一構成例を概略的に示す。なお、本実施形態の映像受信装置で受信される映像信号は、放送信号、DVD等の記録媒体からの供給されるコンテンツ、ネットワークを介して供給されるコンテンツの映像信号を含む。
【0013】
左眼用映像と右眼用映像とがフレーム毎に交互に映像受信装置100で表示される例について説明する。なお、左眼用映像の信号と右眼用映像の信号とは、外部から送られて来るものであっても、また、テレビジョン受信装置の内部で2次元表示用映像信号から擬似的に生成されるものであってもよい。
【0014】
映像受信装置100は、現在表示されている映像が、右眼用映像と左目用映像のどちらであるかを示す左右識別情報を出力する発信部102を有している。左右識別情報の搬送媒体は、有線、電波あるいは赤外線のいずれであってもよい。3D眼鏡200は、受信部202を有し、この受信部202は発信部102から左右識別情報を受信し、左と右との液晶眼鏡のシャッター動作を制御し表示された左右映像に同期させる。これにより視聴者は、右眼用映像を右眼で左眼用映像を左眼で観察し、立体映像を知覚することができる。
【0015】
図2は、上記映像受信装置100の主要な信号処理系を示している。
本実施形態の映像受信装置100は、3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を含む映像信号を2次元表示および3次元表示可能に処理する信号処理部と、3次元表示用の映像信号であるか2次元用の映像信号であるかを示す映像信号の識別子を検出し、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に3次元表示とする設定と、識別子に関わらず3次元表示用の映像信号および2次元表示用の映像信号を2次元表示とする設定とが可能な表示方式の自動切換設定に従い信号処理部を制御する3次元設定部を含む制御部と、を備えている。
【0016】
映像受信装置100は、受信手段として、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ103と、衛星デジタル放送用のチューナ105と、地上デジタル放送受信用のアンテナ108と、地上デジタル放送用のチューナ110と、を備えている。すなわち、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ103で受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子104を介して衛星デジタル放送用のチューナ105に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0017】
チューナ105で選局された放送信号は、PSK(Phase Shift Keying)復調器106に供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、信号処理部107に出力される。
【0018】
また、地上デジタル放送受信用のアンテナ108で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子109を介して地上デジタル放送用のチューナ110に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0019】
チューナ110で選局された放送信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器111に供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、信号処理部107に出力される。
【0020】
また地上波アナログ信号を受信するアナログチューナ118も設けられている。アナログチューナ118で受信された信号は、アナログ復調器119で復調され信号処理部107に出力される。
【0021】
また、外部入力端子101を介して、3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を含むデジタルあるいはアナログの映像信号および音声信号が外部機器から信号処理部107へ入力可能である。
【0022】
ここで信号処理部107は、PSK復調器106から供給されたデジタルの映像信号及び音声信号と、OFDM復調器111から供給されたデジタルの映像信号及び音声信号と、アナログ復調器119から供給された映像信号及び音声信号と、さらにライン入力端子からの映像信号及び音声信号とに対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部112及び音声処理部113に出力している。
【0023】
信号処理部107は、後述する制御部121からの制御信号に従って、入力された映像信号および音声信号に対して、左眼用映像と右眼用映像とを表示する3次元映像信号およびそれに同期する音声信号とする信号処理を行う3次元信号処理部107Aを備えている。
【0024】
3次元信号処理部107Aは、制御部121からの制御信号に従って入力された映像信号を3次元表示させる場合には、1フレームに含まれる左眼用の画像と右眼用の画像との横幅(あるいは縦幅)を2倍に伸ばして、左眼用映像と右眼用映像とを生成し、これらが交互に表示されるように出力する。
【0025】
また、3次元信号処理部107Aは、制御部121からの制御信号に従って入力された3次元表示用の映像信号を2次元表示させる場合には、例えば1フレームに含まれる左眼用の画像の横幅(あるいは縦幅)を2倍に伸ばして、左眼用映像のみが表示されるように出力する。
【0026】
グラフィック処理部112は、信号処理部107から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(On Screen Display)信号生成モジュール114で生成されるOSD信号を重畳して出力する機能を有する。また、このグラフィック処理部112は、信号処理部107の出力映像信号と、OSD信号生成部114の出力OSD信号とを選択的に出力すること、また、両出力を多重したり、画面の半分を構成するように組み合わせて出力することができる。
【0027】
グラフィック処理部112から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部115に供給される。この映像処理部115は、入力されたデジタルの映像信号を、映像表示部117で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換し、映像表示部117に出力して映像表示させる。
【0028】
上記音声処理部113は、入力されたデジタルの音声信号を、スピーカ116で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換し、スピーカ116に出力して音声再生させる。
【0029】
ここで、この映像受信装置100は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部121によって統括的に制御されている。
【0030】
制御部121は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵している。操作部131からの操作情報を受けたとき、または、リモートコントローラ140から送出された操作情報を受光部142から受信したとき、制御部121は、その操作内容が装置に反映されるように各部を統括して制御している。
【0031】
この場合、制御部121は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)611と、該CPUに作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)612と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ613とを利用している。
【0032】
制御部121は、カードI/F(Interface)145を介して、第1メモリカード147が装着可能なカードホルダ146に接続されている。これによって、制御部121は、カードホルダ146に装着された第1のメモリカード147と、カードI/F145を介して3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を含む映像信号等の情報の送受信を行なうことができる。制御部121は、図示していないが、さらに別のカードI/Fを介して、第2メモリカードが装着可能なカードホルダに接続されてもよい。
【0033】
制御部121は明るさセンサー148に接続されている。これにより周囲の明るさ情報を取得し、例えば画面の明るさを自動制御することが可能である。
【0034】
制御部121は、通信I/F151を介して第1LAN端子152に接続されている。これにより、制御部121は、第1LAN端子152に接続されたLAN対応のHDD(ハードディスクドライブ装置)と、通信I/F151を介して、例えばネットワークを介して提供されるコンテンツの、3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を含む映像信号等の情報の送受信を行なうことができる。この場合、制御部121は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能を有し、第1LAN端子152に接続されたLAN対応のHDDにIP(Internet Protocol)アドレスを割り当てて制御している。制御部121は、図示していないがさらに別の通信I/Fを介して第2LAN端子に接続されてもよい。
【0035】
制御部121は、USB I/F153を介してUSB端子154に接続されている。これにより、制御部121は、USB端子154に接続された各機器と、USB I/F153を介して、例えばDVD等の記録媒体から提供されるコンテンツの、3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を含む映像信号等の情報の送受信を行なうことができる。
【0036】
上記制御部121は、i.Link(登録商標) I/F155を介してi.Link(登録商標)端子156に接続されている。これにより、制御部121は、i.Link(登録商標)端子156に接続された各機器と、i.Link(登録商標)I/F155を介して、3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を含む映像信号等の情報の送受信を行なうことができる。
【0037】
上記制御部121は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)規格に合致したHDMI I/F157を介してHDMI端子158に接続された各機器と、3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を含む映像信号等の情報の送受信を行なうことができる。
【0038】
制御部121は、操作部131あるいは受光部142を介してリモートコントローラ140から供給される視聴者の指令に基づいて、3次元表示と2次元表示との表示方式を切り換える3次元設定部121Aを有している。
【0039】
3次元設定部121Aは、視聴者のリモートコントローラ140等の操作に応じて2次元表示と3次元表示とを選択可能とする選択手段A1を備え、3次元表示を行うときには、映像表示部117へ映像信号が出力されるタイミングに同期して発信部102へ左右識別信号102を出力する。
【0040】
図3は、上記リモートコントローラ140の外観を示している。このリモートコントローラ140には、主として、電源キー140a、入力切換キー140b、3Dキー140c、設定メニューキー140d、放送チャンネルのダイレクト選局キー140e、カーソルキー140f、決定キー140g、番組表キー140h、ページ切換キー140i、タイムシフトキー140j、戻るキー140k、終了キー140l、青,赤,緑,黄のカラーキー140mb、140mr、140mg、140my、チャンネルアップダウンキー140n、音量調整キー140o等が設けられている。
【0041】
続いて、上記映像受信装置の表示方式の設定および切換動作の一例について説明する。視聴者は、3次元表示の自動切換設定を行う場合、リモートコントローラ140の設定メニューキー140dを選択する。設定メニューキー140dが選択されると、制御部121は、OSD信号生成部114を制御してメニュー画面を表示させる。視聴者がメニュー画面の中の項目から機能設定を選択すると、制御部121は、OSD信号生成部114を制御して機能設定画面を表示する。視聴者が機能設定画面の中の項目から3D設定を選択すると、制御部121は、OSD信号生成部114を制御して3D設定画面を表示する。
【0042】
図4に、3D設定画面の一例を示す。3D設定画面には、「3D自動切換」、「3D視聴制限設定」、「3D暗証番号設定」、「3D暗証番号削除」、「3D注意表示」、および、「3D視聴時のご注意」の項目が表示される。視聴者がこれらの項目の中から「3D自動切換」を選択すると、制御部121は、OSD信号生成部114を制御して3D自動切換画面を表示する。
【0043】
図5に、3D自動切換画面の一例を示す。3D自動切換画面には、「3D」、「2D」、および、「オフ」の項目が表示される。「3D」が選択された場合、3次元設定部121Aは3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を検出した場合に自動的に3次元表示するように設定される。したがって、例えば番組の本編が3次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号であり、コマーシャルが2次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号である場合(又は3次元表示用の映像信号である識別子を含まない映像信号である場合)には、本編は3次元表示されコマーシャルは2次元表示される。
【0044】
「2D」が選択された場合、3次元設定部121Aは3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を検出した場合に3次元表示用の映像信号を自動的に2次元表示し2次元表示用の映像信号を2次元表示するように設定される。したがって、例えば番組の本編が3次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号であり、コマーシャルが2次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号である場合には、本編もコマーシャルも2次元表示される。
【0045】
「オフ」が選択された場合、3次元設定部121Aは3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に3次元表示するか2次元表示するかを選択する画面が表示されるように設定される。したがって、番組の本編が3次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号であり、コマーシャルが2次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号である場合には、本編を表示する前に3次元表示するか2次元表示するかを選択する画面が表示される。
【0046】
図6に、3D自動切換画面の他の例を示す。図6に示す3D自動切換画面には、「オン」、および、「オフ」の項目が表示される。「オン」が選択された場合、3次元設定部121Aは3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を検出した場合に自動的に3次元表示するように設定される。したがって、例えば番組の本編が3次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号であり、コマーシャルが2次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号である場合には、本編は3次元表示されコマーシャルは2次元表示される。
【0047】
「オフ」が選択された場合、3次元設定部121Aは3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に3次元表示するか2次元表示するかを選択する画面が表示されるように設定される。したがって、番組の本編が3次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号であり、コマーシャルが2次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号である場合には、本編を表示する前に3次元表示するか2次元表示するかを選択する画面が表示される。
【0048】
また、「オフ」が選択された場合に、3次元設定部121Aは3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を検出した場合に3次元表示用の映像信号を自動的に2次元表示し2次元表示用の映像信号を2次元表示するように設定されてもよい。この場合、例えば番組の本編が3次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号であり、コマーシャルが2次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号である場合には、本編もコマーシャルも2次元表示される。
【0049】
視聴者は番組視聴中に、リモートコントローラ140の3Dキー140cを選択することにより3次元表示と2次元表示とを切換ることが可能である。本実施形態に係る映像受信装置100では、番組視聴中に視聴者が3Dキー140cを選択することにより3次元表示から2次元表示へ(あるいは2次元表示から3次元表示へ)切換えた場合、3次元自動切換画面において設定された表示設定に関わらず、番組が終了するまで2次元表示(あるいは3次元表示)を維持する。
【0050】
すなわち、まず、3次元設定部121Aは、3次元自動切換画面において設定された表示方式に従って映像信号を表示する(ステップSTA1)。図8では、例えば3次元自動切換画面において「3D」が選択され、自動的に3次元表示を行うように設定されている場合について示している。リモートコントローラ140の3Dキー140cが選択されると(ステップSTA2)、3次元設定部121Aの選択手段A1はOSD信号生成部114を制御して3Dメニューを表示させる(ステップSTA3)。
【0051】
図7に3Dメニューの一例を示す。3Dメニューには、3Dアイコンと2D3Dアイコンと2Dアイコンとが表示される。視聴者はリモートコントローラ140のカーソルキー140fと決定キー140gとを使用していずれかのアイコンを選択することが出来る。
【0052】
視聴者が3Dアイコンを選択すると3次元表示用の映像信号が3次元表示となり2次元表示用の映像信号が2次元表示となる。視聴者が2D3Dアイコンを選択すると2次元表示用の映像信号が3次元表示用に変換されて表示される。視聴者が2Dアイコンを選択すると3次元表示用の映像信号や2次元表示用の映像信号が2次元表示となる。
【0053】
3次元設定部121Aの選択手段A1は、視聴者が2Dアイコンを選択したか否か判断する(ステップSTA4)。視聴者が2Dアイコンを選択した場合、3次元設定部121Aは3次元表示用の映像信号である識別子を検出した場合には3次元表示用の映像信号を2次元表示し2次元表示用の映像信号である識別子を検出した場合には2次元表示するように信号処理部107を制御する(ステップSTA5)。
【0054】
続いて、3次元設定部121Aは、受信された映像信号から視聴者が視聴中のイベント(番組)が終了したか否か判断し(ステップSTA6)、番組が終了するまで3Dメニュー画面での3次元表示設定を維持する。
【0055】
すなわち、映像信号は3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む第1映像信号と、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む第2映像信号とを含んでいる場合、3次元自動切換画面において自動的に3次元表示を行うように設定され、ユーザ操作に応じて表示方式が2次元表示に切換えられた場合に、3次元設定部112Aは第1映像信号および第2映像信号を2次元表示する。したがって、例えば番組の本編が3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む映像信号であり、コマーシャルが2次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む映像信号である場合には、本編もコマーシャルも2次元表示される。さらに番組の本編に3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む映像信号と、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む映像信号とが含まれる場合、本編は識別子に関わらず2次元表示される。
【0056】
番組が終了した場合、およびステップSTA4で視聴者が「2D」を選択しなかった場合、3次元設定部121Aは3次元自動切換画面において設定された表示方式で表示する。図8に示した例では自動的に3次元表示をする設定に戻る。従って、3次元設定部121Aは、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に3自動的に3次元表示をし、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に2次元表示をするように信号処理部107を制御し、3次元信号処理部107Aにより所定の信号処理が行われる。
【0057】
ここで、3次元設定部121Aは3次元表示用の映像信号を2次元表示している場合には、OSD信号生成部114を制御して表示画面にその旨を表示し、設定変更により3次元表示が可能であることを視聴者に提示する。
【0058】
また、3次元自動切換画面において3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に3次元表示を行い、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に2次元表示を行うように設定されている場合に、視聴者が3Dメニューにおいて3Dアイコンを選択した場合には、3次元設定部121Aは、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に3次元表示を行い、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に2次元表示を行うように信号処理部107の3次元信号処理部107Aを制御し、番組が終了後も同様に識別子が検出された場合に自動的に3次元表示を行い、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に2次元表示を行うように信号処理部107を制御する。
【0059】
また、3次元自動切換画面において3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に3次元表示を行い、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に2次元表示を行うように設定されている場合に、視聴者が3Dメニューにおいて2D3Dアイコンを選択した場合には、3次元設定部121Aは、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に3次元表示を行い、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に2次元表示用の映像信号から3次元表示用の映像信号を形成して3次元表示を行うように信号処理部107の3次元信号処理部107Aを制御し、番組が終了後は3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に3次元表示を行い、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に2次元表示を行うように信号処理部107を制御する。
【0060】
また、3次元自動切換画面において識別子に関わらず自動的に2次元表示を行うように設定されている場合に、視聴者が3Dメニューにおいて3Dアイコンを選択した場合には、3次元設定部121Aは、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を検出した場合に自動的に3次元表示をし、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子を検出した場合に自動的に2次元表示を行うように信号処理部107の3次元信号処理部107Aを制御し、番組が終了したら識別子に関わらず3次元表示用の映像信号および2次元表示用の映像信号を2次元表示するように信号処理部107を制御する。
【0061】
すなわち、映像信号が3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む第1映像信号と、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む第2映像信号とを含んでいる場合、3次元自動切換画面において自動的に2次元表示を行うように設定され、ユーザ操作に応じて表示方式が3次元表示に切換えられた場合に、3次元設定部112Aは第1映像信号を3次元表示し、第2映像信号を2次元表示する。したがって、例えば番組の本編が3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む映像信号であり、コマーシャルが2次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む映像信号である場合には、本編が3次元表示されコマーシャルが2次元表示される。さらに番組の本編に3次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む映像信号と、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子を含む映像信号とが含まれる場合、本編の中で3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出されたときに自動的に3次元表示され、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出されたときには自動的に2次元表示される。
【0062】
また、3次元自動切換画面において識別子に関わらず自動的に2次元表示を行うように設定されている場合に、視聴者が3Dメニューにおいて2Dアイコンを選択した場合には、3次元設定部121Aは、識別子に関わらず自動的に2次元表示を行うように信号処理部107の3次元信号処理部107Aを制御し、番組が終了後も識別子に関わらず3次元表示用の映像信号および2次元表示用の映像信号を2次元表示するように信号処理部107を制御する。
【0063】
また、3次元自動切換画面において識別子に関わらず自動的に2次元表示を行うように設定されている場合に、視聴者が3Dメニューにおいて2D3Dアイコンを選択した場合には、3次元設定部121Aは、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に3次元表示又は2次元表示を行い、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に2次元表示用の映像信号から3次元表示用の映像信号を形成して3次元表示を行うように信号処理部107の3次元信号処理部107Aを制御し、番組が終了後は識別子に関わらず3次元表示用の映像信号および2次元表示用の映像信号を2次元表示するように信号処理部107を制御する。
【0064】
また、3次元自動切換画面において3次元表示用の自動切換がオフとなっている場合に、視聴者が3Dメニューにおいて3Dアイコンを選択した場合には、3次元設定部121Aは、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に3次元表示を行い、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に2次元表示を行うように信号処理部107の3次元信号処理部107Aを制御し、番組が終了後は、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に2次元表示を行うか3次元表示を行うか選択する画面を表示するようにOSD信号生成部114を制御し、表示した画面で選択された表示方式に従う。
【0065】
また、3次元自動切換画面において3次元表示用の自動切換がオフとなっている場合に、視聴者が3Dメニューにおいて3Dアイコンを選択した場合には、3次元設定部121Aは、3次元表示用の映像信号と2次元表示用の映像信号とを自動的に2次元表示を行うように信号処理部107の3次元信号処理部107Aを制御し、番組が終了後は、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に2次元表示を行うか3次元表示を行うか選択する画面を表示するようにOSD信号生成部114を制御し、表示した画面で選択された表示方式に従う。
【0066】
また、3次元自動切換画面において3次元表示用の自動切換がオフとなっている場合に、視聴者が3Dメニューにおいて2D3Dアイコンを選択した場合には、3次元設定部121Aは、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に自動的に3次元表示又は2次元表示を行い、2次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に2次元表示用の映像信号から3次元表示用の映像信号を形成して3次元表示を行うように信号処理部107の3次元信号処理部107Aを制御し、番組が終了後は、3次元表示用の映像信号であることを示す識別子が検出された場合に2次元表示を行うか3次元表示を行うか選択する画面を表示するようにOSD信号生成部114を制御し、表示した画面で選択された表示方式に従う。
【0067】
上記のように、本実施形態に係る映像受信装置では、視聴者が3次元表示と2次元表示とを番組の視聴中に手動で切換えた場合に、視聴中の番組内では自動切換の設定に関わらず、視聴者が選択した表示を行う。したがって、視聴者が3次元の映像と2次元の映像とを交互に視聴することにより快適に視聴することが妨げられることを回避することが出来る。また、子供等の特定の視聴者が視聴する番組のみ3次元表示することを回避することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態の映像受信装置では同一番組内に限り3Dメニューでの設定が維持されるため、次の番組で3次元表示用の映像信号を受信した場合には3次元自動切換設定に従うため、視聴者の使い勝手も良好である。
【0069】
すなわち、本実施形態に係る映像受信装置によれば、視聴者の意図を尊重した3次元表示と2次元表示との切り替えを実現し、より使い勝手のよい映像受信装置および表示方式切換方法を提供することができる。
【0070】
なお、上記の実施形態の映像受信装置は、番組終了により視聴者が3Dメニューで設定した表示から自動切換設定に戻るように構成されていたが、視聴者がチャンネルを変更したことや電源オフしたことにより3Dメニューで設定した表示から自動切換の設定に戻るように構成されていてもよい。その場合であっても上述の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。
【0071】
また、上記映像受信装置は映像表示部およびスピーカを備えていたが、映像表示部およびスピーカは映像受信装置内に内臓されず外付けされるものであっても良い。その場合であっても上述の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。
【0072】
また、2次元表示用の映像信号である識別子を含む映像信号、3次元表示用の映像信号である識別子を含まない映像信号であってもよい。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
100…映像受信装置、102…発信部、103…アンテナ、105…チューナ、106…PSK復調器、107…信号処理部、107…信号処理モジュール、107A…3次元信号処理部、108…アンテナ、110…チューナ、111…OFDM復調器、112…グラフィック処理部、113…音声処理部、114…OSD信号生成部、115…映像処理部、116…スピーカ、117…映像表示部、118…アナログチューナ、119…アナログ復調器、121…制御部、121A…3次元設定部、A1…選択手段、131…操作部、140…リモートコントローラ、140c…3Dキー、140d…設定メニューキー、142…受光部、146…カードホルダ、147…メモリカード、148…センサー、152…LAN端子、154…USB端子、156…端子、158…HDMI端子、200…3D眼鏡、202…受信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を含む映像信号を受信し、前記映像信号を2次元表示または3次元表示可能に処理する信号処理部と、
3次元表示用の映像信号であることを示す前記識別子を検出した場合に自動的に3次元表示とする第1設定と、前記識別子に関わらず3次元表示用の映像信号と2次元表示用の映像信号とを2次元表示とする第2設定と、3次元表示用の映像信号であることを示す前記識別子を検出した場合に3次元表示することを選択可能な表示がされる第3設定と、が可能な表示方式の自動切換設定に従い前記信号処理部を制御する設定部と、を備えた映像処理装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記第1設定でユーザ操作に応じて表示方式が2次元表示に切換えられた場合に前記番組が終了するまで前記識別子に関わらず2次元表示をし、前記番組が終了した後、前記自動切換設定における前記第1設定に従った表示方式に戻すように構成されている請求項1記載の映像処理装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記第1設定、前記第2設定、または、前記第3設定をユーザ操作に応じて選択可能とする選択手段を備える請求項1または請求項2記載の映像処理装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記第1設定、または、前記第2設定および前記第3設定のいずれか一方をユーザ操作に応じて選択可能とする選択手段を備える請求項1または請求項2記載の映像処理装置。
【請求項5】
OSD信号を生成するOSD信号生成部と、
前記OSD信号生成部から出力された信号と前記信号処理部から出力された信号とから表示する画像を生成するグラフィック処理部と、をさらに備え、
前記設定部は、3次元表示用の映像信号を2次元表示している際に、前記OSD信号生成部を制御してその旨を表示するように構成されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の映像処理装置。
【請求項6】
前記信号処理部から出力された映像信号を表示する映像表示部をさらに備えた請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の映像処理装置。
【請求項7】
3次元表示用の映像信号であるか2次元表示用の映像信号であるかを示す識別子を含む映像信号を受信し、
3次元表示用の映像信号であることを示す前記識別子を検出した場合に自動的に3次元表示とする第1設定と、前記識別子に関わらず3次元表示用の映像信号と2次元表示用の映像信号とを2次元表示とする第2設定と、3次元表示用の映像信号であることを示す前記識別子を検出した場合に3次元表示することを選択可能な表示がされる第3設定と、が可能な表示方式の自動切換設定に従い信号処理を行う映像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−9415(P2013−9415A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−194070(P2012−194070)
【出願日】平成24年9月4日(2012.9.4)
【分割の表示】特願2011−93412(P2011−93412)の分割
【原出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】