映像処理装置及び映像処理方法
【課題】プルダウン変換されたインターレース映像の再生中に一時停止やスロー再生を行う場合に、プログレッシブ映像への再変換を行わない簡素な構成で、フィールド間でブレたポーズ画や過去に戻るスロー映像が表示されることを防止する。
【解決手段】記録媒体に記録されたインターレース映像を再生すると共に、当該再生している映像の一時停止或いはスロー再生が可能な再生手段と、前記記録媒体に記録された映像がトップフィールドとボトムフィールドにプルダウン変換されたインターレース映像である場合に、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出する検出手段と、前記再生手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドが前記フレームメモリ領域に存在する状態で前記一時停止若しくはスロー再生を行う。
【解決手段】記録媒体に記録されたインターレース映像を再生すると共に、当該再生している映像の一時停止或いはスロー再生が可能な再生手段と、前記記録媒体に記録された映像がトップフィールドとボトムフィールドにプルダウン変換されたインターレース映像である場合に、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出する検出手段と、前記再生手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドが前記フレームメモリ領域に存在する状態で前記一時停止若しくはスロー再生を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は映像処理技術に関し、特にテープやディスク等の記録媒体に記録された映像の再生時に、一時停止やスロー再生等の特殊再生を可能とした映像処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
<秒間60フィールドのインターレース映像>
従来の映像処理装置として、テープなどの記録媒体に記録された映像を再生しているときに、ユーザの操作に応じて、一時停止やスロー再生といった特殊再生を行うよう構成された映像処理装置がある。
【0003】
こうした映像処理装置では、秒間60フィールドのインターレース映像の再生中に、一時停止を行った場合、1/60秒の時間差をおいて撮影されたトップ・フィールドとボトム・フィールドがポーズ画として表示されるため、再生していた映像が動きのあるシーンであった場合に、フィールド間でブレたポーズ画が表示される。また、スロー再生を行った場合、連続するトップ・フィールドとボトム・フィールドの組み合わせが何度か交互に表示されるため、フィールド間で撮影時の時間にして1/60秒進んだり、過去に戻ったりというスロー映像となる。
【0004】
図8は記憶媒体から再生される秒間60フィールドのインターレース映像を格納するフレーム・メモリ領域を持つメモリの状態を表しており、1001において記憶媒体から再生されたトップ・フィールドAoが上記フレーム・メモリ領域に格納される。1/60秒の間隔をおいて1002においてボトム・フィールドBeが上記フレーム・メモリに格納されるとともに、上記Aoが出力される。以下同様に、記録媒体から再生されたトップ・フィールドとボトム・フィールドの格納と出力が並行して行われる。
【0005】
<一時停止>
次に、図9は、上記インターレース映像の再生中に1107と1108の間でユーザ操作により一時停止が行われ、1121と1122の間で一時停止を解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、一時停止の開始点1108でフレーム・メモリ領域に存在するトップ・フィールドGoとボトム・フィールドHeが一時停止の終了点1122まで交互に表示される。
【0006】
図10は、上記一時停止時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。GoとHeでは撮影時間で1/60秒の間隔があるので、映像が動きのあるシーンであった場合にブレたポーズ画が出力される。
【0007】
<スロー再生>
次に、図11は、上記インターレース映像の再生中に1207と1208の間でユーザ操作により1/3倍速スロー再生が行われ、1221と1222の間でスロー再生が解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、スロー再生の開始点1208でフレーム・メモリ領域に存在するトップ・フィールドGoとボトム・フィールドHeの組み合わせが、通常の3倍に相当する期間(1208〜1210)出力され、次にボトム・フィールドHeとトップ・フィールドIoの組み合わせが1211〜1213の期間出力され、以下同様にトップ・フィールドとボトム・フィールドの組み合わせが3倍の期間ずつ、スロー再生が解除されるまで出力される。
【0008】
図12は、上記1/3倍速スロー再生動作時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。例えば、GoとHeでは撮影時間で1/60秒の間隔があるので、映像が動きのあるシーンであった場合に、スロー映像は1/60秒進み、1/60秒戻り、1/60秒進む映像となる。
【0009】
<秒間24フレームのプログレッシブ映像>
また、従来の映像処理装置として、秒間24フレームで撮影されたプログレッシブ映像(24p)に対して、2:3:2:3プルダウン変換処理や、2:3:3:2プルダウン変換処理によって重複フィールドを挿入し、秒間60フィールドのインターレース映像(60i)として記録媒体に記録するように構成された映像処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
ここで、図2と図3を用いプルダウン変換処理について説明する。
【0011】
<2:3:2:3プルダウン変換>
図2は2:3:2:3プルダウン変換処理の概要を示している。撮影又は受信した秒間24フレームのプログレッシブ映像201の連続する4つのフレームをA、B、C、Dとした場合に、第1のフレームAをトップ・フィールドAoとボトム・フィールドAeに分けて出力し、第2のフレームBをトップ・フィールドBoとボトム・フィールドBeに分けて出力するのに続いて、再度トップ・フィールドBoを重複フィールドとして出力し、第3のフレームCをボトム・フィールドCeとトップ・フィールドCoに分けて出力し、第4のフレームDをボトム・フィールドDeとトップ・フィールドDoに分けて出力するのに続いて、再度ボトム・フィールドDeを重複フィールドとして出力することで、上記4つのフレームが10のフィールドとなり、秒間60フィールドのインターレース映像202に変換される。
【0012】
<2:3:3:2プルダウン変換>
図3は2:3:3:2プルダウン変換処理の概要を示している。撮影又は受信した秒間24フレームのプログレッシブ映像301の連続する4つのフレームをA、B、C、Dとした場合に、第1のフレームAをトップ・フィールドAoとボトム・フィールドAeに分けて出力し、第2のフレームBをトップ・フィールドBoとボトム・フィールドBeに分けて出力するのに続いて、再度トップ・フィールドBoを重複フィールドとして出力し、第3のフレームCをボトム・フィールドCeとトップ・フィールドCoに分けて出力するのに続いて、再度ボトム・フィールドCeを重複フィールドとして出力し、第4のフレームCをトップ・フィールドCoとボトム・フィールドCeに分けて出力することで、上記4つのフレームが10のフィールドとなり、秒間60フィールドのインターレース映像302に変換される。
【0013】
こうした映像の再生中に、一時停止を行った場合、そのタイミングによって、同一のフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドがポーズ画として表示される場合と、1/24秒の時間差をおいて撮影された異なるフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドがポーズ画として表示される場合がある。後者の場合には、再生した映像が動きのあるシーンであった場合に、フィールド間でブレたポーズ画が表示される。このポーズ画は、上述した秒間60フィールドで撮影されたインターレース映像における(1/60秒のブレがある)ポーズ画に比べても、ブレの時間差が大きく(1/24秒)ユーザの目で見て違和感がある。また、スロー再生を行った場合、連続するトップ・フィールドとボトム・フィールドの組み合わせが何度か交互に表示されるため、同一のフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドが表示される状態と、異なるフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドが表示される状態があり、後者の状態においては、フィールド間で撮影時の時間にして一定であったり、1/24秒進んだり、過去に戻ったりというスロー映像となる。スロー映像に関しても、上述した秒間60フィールドで撮影されたインターレース映像における(1/60秒進んだり過去に戻ったりする)スロー映像に比べても、動きが歪でユーザの目で見て違和感がある。
【0014】
ここで、図13は記憶媒体から再生される秒間24フレームのプログレッシブ映像で撮影され、2:3:2:3プルダウン変換された秒間60フィールドのインターレース映像を格納するフレーム・メモリ領域を持つメモリの状態を表している。1301において記憶媒体からトップ・フィールドAoが再生され、上記フレーム・メモリ領域に格納される。1/60秒の間隔をおいて1302において記憶媒体からボトム・フィールドAeが再生され、上記フレーム・メモリに格納されるとともに、上記Aoが出力される。以下同様に、トップ・フィールドとボトム・フィールドの格納と出力が並行して行われる。
【0015】
<一時停止>
次に、図14は、上記プルダウン変換されたインターレース映像の再生中、1407と1408の間でユーザ操作により一時停止が行われ、1421と1422の間で一時停止を解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、一時停止の開始点1408でフレーム・メモリ領域に存在するトップ・フィールドCoとボトム・フィールドDeが、一時停止の終了点1422まで交互に出力される。
【0016】
図15は、上記一時停止時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。CoとDeでは撮影時間で1/24秒の間隔があるので、映像が動きのあるシーンであった場合に、ブレたポーズ画が出力される。
【0017】
<スロー再生>
次に、図16は、上記プルダウン変換されたインターレース映像の再生中、1507と1508の間でユーザ操作により1/3倍速スロー再生が行われ、1521と1522の間でスロー再生が解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、スロー再生の開始点1508でフレーム・メモリ領域に存在するトップ・フィールドCoとボトム・フィールドDeの組み合わせが、通常の3倍に相当する期間(1508〜1510)出力され、次にボトム・フィールドDeとトップ・フィールドDoの組み合わせが1511〜1513の期間出力され、以下同様にトップ・フィールドとボトム・フィールドの組み合わせが3倍の期間ずつ、スロー再生が解除されるまで出力される。
【0018】
図17は、上記1/3倍速スロー再生動作時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。例えば、CoとDeでは撮影時間で1/24秒の間隔があるので、映像が動きのあるシーンであった場合に、スロー映像は所々で1/24秒進み、1/24秒戻り、1/24秒進む映像となる。
【0019】
<秒間60フレームのプログレッシブ映像への変換>
また、従来の映像処理装置として、記録媒体に記録された秒間60フィールドのインターレース映像を再生する場合に、トップ・フィールドとボトム・フィールドを動き適応によって合成するか、若しくはトップ・フィールド又はボトム・フィールドより他のフィールドを得るフィールド内補間を行うことで、秒間60フレームのプログレッシブ映像に変換して出力するよう構成された映像処理装置がある(例えば、特許文献2参照)。また、この映像処理装置は、記録された映像が上記のように秒間24フレームで撮影されたプログレッシブ映像がプルダウン変換されたインターレース映像である場合には、重複フィールドを検出することでプルダウン変換のシーケンスを認識し、同一フレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドを合成して、秒間60フレームのプログレッシブ映像に再変換して出力する。このため、上記映像の再生中に一時停止やスロー再生を行った場合でも、ポーズ画はブレたものにはならないし、スロー映像も過去に戻るといった状態が起こることがない。
【0020】
このように、従来の映像処理装置では、秒間24フレームのプログレッシブ映像として撮影されプルダウン変換処理された秒間60フィールドのインターレース映像の再生時に、一時停止やスロー再生を行った際に、ブレたポーズ画が出力されたり、撮影時の時間で過去に戻ったりするスロー映像が再生されることのないようにするためには、プログレッシブ映像への変換が必要であった。
【特許文献1】特開2003−284007公報
【特許文献2】特開平10−327393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、プログレッシブ映像への変換は処理負荷が大きいため、映像処理装置の構成が複雑となってしまう。プルダウン変換されたインターレース映像の再生時にプログレッシブ映像への変換を行わず、インターレース信号のまま外部に出力するような、単純な構成の映像処理装置では、当該映像の再生時に一時停止やスロー再生を行った際に、ブレたポーズ画や、撮影時の時間で過去に戻ったりするスロー映像が再生されてしまう問題があった。
【0022】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、プルダウン変換されたインターレース映像の再生中に一時停止やスロー再生を行う場合に、プログレッシブ映像への再変換を行わない簡素な構成で、フィールド間でブレたポーズ画や過去に戻るスロー映像が表示されることを防止する映像処理技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の映像処理装置は、記録媒体に記録されたインターレース映像を再生すると共に、当該再生している映像の一時停止或いはスロー再生が可能な再生手段と、前記記録媒体に記録された映像がトップフィールドとボトムフィールドにプルダウン変換されたインターレース映像である場合に、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出する検出手段と、再生された前記インターレース映像のトップフィールドとボトムフィールドを格納するフレームメモリ領域を有する記憶手段と、前記フレームメモリ領域に格納されたトップフィールドとボトムフィールドを交互に出力する出力手段とを備え、前記再生手段は、プルダウン変換されたインターレース映像を再生中に一時停止若しくはスロー再生が指示された場合、前記検出手段の検出結果に基づいて、同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドが前記フレームメモリ領域に存在する状態で前記一時停止若しくはスロー再生を行う。
【0024】
また、本発明の映像処理方法は、記録媒体に記録されたインターレース映像を再生すると共に、当該再生している映像の一時停止或いはスロー再生が可能な再生工程と、前記記録媒体に記録された映像がトップフィールドとボトムフィールドにプルダウン変換されたインターレース映像である場合に、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出する検出工程と、再生された前記インターレース映像のトップフィールドとボトムフィールドをフレームメモリ領域に格納する記憶工程と、前記フレームメモリ領域に格納されたトップフィールドとボトムフィールドを交互に出力する出力工程とを備え、前記再生工程では、プルダウン変換されたインターレース映像を再生中に一時停止若しくはスロー再生が指示された場合、前記検出工程の検出結果に基づいて、同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドが前記フレームメモリ領域に存在する状態で前記一時停止若しくはスロー再生を行う。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、プルダウン変換されたインターレース映像の再生中に一時停止やスロー再生を行う場合に、プログレッシブ映像への再変換を行わない簡素な構成で、異なるフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドを表示することなく、フィールド間でブレたポーズ画やスロー映像が表示されることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0027】
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0028】
[第1の実施形態]
本実施形態は、プルダウン変換されたインターレース映像の再生時に、プログレッシブ映像への変換を行わなくても、ブレたポーズ画が出力されたり、時折過去に戻るスロー映像を再生したりすることがなく、一時停止やスロー再生を行うことができるように構成した例である。
【0029】
図1は、第1の実施形態の映像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示す映像処理装置100において、CPU102は、バス101を介してRAM103、ROM104、キー操作処理部105、入力信号処理部111、出力信号処理部121に接続されている。CPU102はROM104に格納されている制御プログラムに従って動作し、動作時の一時的な情報の格納場所としてRAM103を用いる。ユーザによって行われたキー操作の情報がキー操作処理部105を介してCPU102に通知され、上記制御プログラムは上記操作情報をもとに、入力信号処理部111と出力信号処理部121を制御して、映像の記録動作や再生動作、一時停止、スロー再生を行う。
【0031】
<記録動作>
まず、図1を用いて、映像の記録動作について説明する。
【0032】
通常、CCD112より撮影される映像は秒間60フィールドのインターレース映像となっている。入力信号処理部111の制御により、CCD112で撮影された秒間60フィールドのインターレース映像が、入力信号処理部111に入力され、画像処理が行われた後にRAM114に格納される。次に、上記RAM114に格納された映像が入力信号処理部111より出力され、出力信号処理部121に入力される。出力信号処理部121は入力された映像をビデオ信号出力部122及び液晶モニター123に出力する。また、出力信号処理部121は入力された映像を上記RAM125に格納する。続いて、出力信号処理部121はMotionJPEG符号化/復号化部124を制御し、上記RAM125に格納された映像のトップ・フィールドとボトム・フィールドを合成して得られる秒間30フレームのピクチャを符号化して、符号としてRAM125に書き戻す。次に、出力信号処理部121はテープ制御部126を制御し、上記RAM125に格納された符号を読み出して、テープに記録する。
【0033】
続いて、CCD112により撮影される映像が秒間24フレームのプログレッシブ映像である場合の記録動作について説明する。CPU102で動作している制御プログラムは、キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、記録される映像を、通常の秒間60フィールドのインターレース映像から秒間24フレームのプログレッシブ映像に切り替えるよう、入力信号処理部111と出力信号処理部121を制御する。また、秒間24フレームのプログレッシブ映像を記録する場合に、上記制御プログラムは、上記キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、2:3:2:3プルダウン変換処理と、2:3:3:2プルダウン変換処理のどちらを行うかを選択し、その結果に従い入力信号処理部111と出力信号処理部121を制御する。入力信号処理部111により、CCD112より撮影された秒間24フレームのプログレッシブ映像が、入力信号処理部111に入力される。ここで、画像処理が行われた後に、上述したプルダウン変換が行われ、秒間60フィールドのインターレース映像に変換され、RAM114のフレーム・メモリ領域に格納される。次に、上記フレーム・メモリ領域に格納された映像が入力信号処理部111より出力され、出力信号処理部121に入力され、RAM125に格納される。ここで、入力信号処理部111の出力するフィールドが、プルダウン変換により挿入された重複フィールドであるとき、CPU102は入力信号処理部111から重複フィールドを出力したという状態を取得し、出力信号処理部121に対して出力信号処理部121が入力したフィールドが重複フィールドであることを通知する。出力信号処理部121は上記RAM125に格納された映像をビデオ信号出力部122及び液晶モニター123に出力する。また、出力信号処理部121はMotionJPEG符号化/復号化部124を制御し、上記RAM125に格納された映像のトップ・フィールドとボトム・フィールドを合成して得られる秒間30フレームのピクチャを符号化して、符号としてRAM125に書き戻す。なお、符号化するトップ・フィールド又はボトム・フィールドが重複フィールドである場合には、そのフィールドが重複フィールドであることを示す情報を符号化時に付加する。出力信号処理部121はテープ制御部126を制御し、上記RAM125に書き戻された上記の符号を読み出して、テープに記録する。
【0034】
<再生動作>
次に、図1を再度参照して、記録された映像の再生動作について説明する。
【0035】
出力信号処理部121はテープ制御部126を制御し、テープに記録されている符号を読み出して、RAM125に格納する。次に、出力信号処理部121はMotionJPEG符号化/復号化部124を制御し、上記RAM125に格納された符号を復号化して、秒間30フレームのピクチャとしてRAM125に書き戻す。なお、符号化されたピクチャがプルダウン変換された映像であって、ピクチャのトップ・フィールド又はボトム・フィールドに重複フィールドであることを示す情報が付加されていた場合、MotionJPEG符号化/復号化部124は出力信号処理部121を介して、CPU102にトップ・フィールド又はボトム・フィールドが重複フィールドであることを通知する。出力信号処理部121は上記RAM125に書き戻されたピクチャをトップ・フィールド、ボトム・フィールドの順にRAM125のフレーム・メモリ領域に格納してから、入力信号処理部111に出力する。ここで入力信号処理部111は、出力信号処理部121より入力された映像に対して画像処理を行った後にRAM114に格納する。次に、上記RAM114に格納された映像が入力信号処理部111より出力され、出力信号処理部121へと戻される。出力信号処理部121は戻された映像をビデオ信号出力部122及び液晶モニター123に出力する。
【0036】
図4はCPU102で動作する制御プログラムが、出力信号処理部121の秒間60フィールドの映像出力に同期して行う、プルダウン変換の認識処理を示すフローチャートである。
【0037】
ステップS401において、MotionJPEG符号化/復号化部124より重複フィールドであると通知されたフィールドを出力信号処理部121がRAM125のフレーム・メモリ領域に格納する場合、カウント値に1を代入して(S403)処理を終了する。上記の通知が行われておらず、ステップS402においてカウント値が1から6の範囲内である場合、カウント値に1を加え(S404)処理を終了する。これらは、プルダウン変換された映像であると判断した場合に、撮影時のフレームと出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納するフィールドとの対応関係を認識するための処理である。いずれも成り立たない場合は、カウント値に0を代入する(S405)。これは、プルダウン変換された映像でないと判断した場合の処理である。この認識処理で得られた上記カウント値を用いて、後述する一時停止及びスロー再生が行われる。
【0038】
<一時停止>
更に図1を参照して、ユーザのキー操作によって映像の再生を一時停止する動作について説明する。
【0039】
CPU102で動作している制御プログラムは、キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、映像の再生を一時停止するよう出力信号処理部121を制御する。ここで、図5は上記制御プログラムが、出力信号処理部121の秒間60フィールドの映像出力に同期して行う、一時停止開始の判別処理を示すフローチャートである。即ち、ステップS501において、キー操作処理部105から一時停止が指示されていた場合に、一時停止開始の判別処理(S502〜S504)を行う。ステップS502において、上記カウント値が0の場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間60フィールドで撮影されたインターレース映像だと判断し、通常通りそのまま一時停止を開始する(S504)。上記カウント値が0でない場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間24フレームのプログレッシブ映像がプルダウン変換された映像だと認識する。ステップS503において、カウント値が奇数(最下位ビットが1)である場合には、上記フレーム・メモリ領域に同じフレームのトップ・フィールドとボトム・フィールド(例えば、DoとDe)が格納されると判断し、一時停止を開始する(S504)。カウント値が偶数(最下位ビットが0)である場合には、上記フレーム・メモリ領域に異なるフレームのトップ・フィールドとボトム・フィールド(例えば、DoとCe)が格納されると判断し、一時停止の開始を保留して、次のフィールドが出力信号処理部121よって上記フレーム・メモリ領域に格納されるまで待つことで、上記フレーム・メモリ領域に同じフレームのトップ・フィールドとボトム・フィールドが格納されるまで、一時停止の開始を遅延させる。
【0040】
出力信号処理部121はテープ制御部126を制御し、テープに記録されている符号の読み出しを一時停止し、さらにMotionJPEG符号化/復号化部124を制御し、符号の復号化を一時停止する。各ブロックの一時停止状態は、CPU102で動作している上記制御プログラムが、キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、出力信号処理部121を制御し、各ブロックを制御することで解除され、通常の再生動作に戻る。
【0041】
図18は、上記プルダウン変換されたインターレース映像の再生中に1607と1608の間でユーザ操作により一時停止が行われ、1621と1622の間で一時停止を解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、一時停止の開始点1608ではフレーム・メモリ領域に異なるフレームに属するトップ・フィールドCoとボトム・フィールドDeがあり、一時停止の開始が遅延される。次の時点1609では、フレーム・メモリ領域に同一のフレームに属するトップ・フィールドDoとボトム・フィールドDeがあり、一時停止が開始され、一時停止の終了点1422までそれらのフィールドが交互に出力される。
【0042】
図19は、上記一時停止時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。トップ・フィールドDoとボトム・フィールドDeは同時に撮影されたフレームであり、映像が動きのあるシーンであった場合でも、フィールド間で全くブレのないポーズ画が出力される。
【0043】
<スロー再生>
再び図1を用いて、ユーザのキー操作によって再生中の映像をスロー再生する動作について説明する。
【0044】
CPU102で動作している制御プログラムは、キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、再生中の映像をスロー再生するよう出力信号処理部121を制御する。ここで、図6は上記制御プログラムが、出力信号処理部121の秒間60フィールドの映像出力に同期して行う、スロー再生時のフレーム・メモリ領域の切り替え処理を示すフローチャートである。即ち、ステップS601において、キー操作処理部105からスロー再生の開始が指示されていた場合に、フレーム・メモリ領域の切り替え処理(S602〜S605)を行う。ステップS602において、上記カウント値が0の場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間60フィールドで撮影されたインターレース映像だと判断し、切り替え処理は行わない。上記カウント値が0でない場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間24フレームのプログレッシブ映像がプルダウン変換された映像だと認識するが、上記カウント値が1の場合、格納するフィールドが重複フィールドであると判断し、切り替え処理は行わない。上記カウント値が2以上の場合、ステップS603において、カウント値が偶数(最下位ビットが0)である場合には、上記フレーム・メモリに格納するフィールドが前回格納したフィールドと異なるフレームであると判断し、ステップS604においてフィールドを格納するフレーム・メモリ領域を切り替える。これにより、同一のフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドは同一のフレーム・メモリ領域に格納される。カウント値が奇数(最下位ビットが1)である場合には、フレーム・メモリに格納するフィールドと前回格納したフィールドが同一のフレームであると判断し、ステップS605においてフィールドを出力するフレーム・メモリ領域を切り替える。これにより、常に同一のフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドが出力される。
【0045】
出力信号処理部121はテープ制御部126を制御し、テープに記録されている符号の読み出しを指定されたスロー再生の速度(例えば1/3倍速)に減速し、さらにMotionJPEG符号化/復号化部124を制御し、符号の復号化をスロー再生の速度を元に間欠的に(例えば通常3回行う時間で1回)行う。各ブロックのスロー再生は、CPU102で動作している上記制御プログラムが、キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、出力信号処理部121を制御し、各ブロックを制御することで解除され、通常の再生動作に戻る。
【0046】
次に、図20は、上記プルダウン変換されたインターレース映像の再生中、1707と1708の間でユーザ操作により1/3倍速スロー再生が行われ、1721と1722の間でスロー再生が解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、スロー再生の開始点1708でフレーム・メモリ領域に格納するトップ・フィールドDoは、直前に格納されたボトム・フィールドCeと異なるフレームであるため、格納先が第1のフレーム・メモリ領域から第2のフレーム・メモリ領域へ切り替えられる。なお、出力先は依然として第1のフレーム・メモリ領域である。通常ボトム・フィールドCeが出力される期間の3倍に相当する期間(1708〜1710)に第1のフレーム・メモリ領域からボトム・フィールドCeとトップ・フィールドCoが交互に出力される。次に1711において、フレーム・メモリ領域に格納するボトム・フィールドDeは、直前に格納されたトップ・フィールドDoと同一のフレームであるため、出力先が第1のフレーム・メモリから第2のフレーム・メモリ領域へ切り替えられる。なお、格納先は依然として第2のフレーム・メモリ領域である。通常トップ・フィールドDoが出力される期間の3倍に相当する期間(1711〜1713)に第2のフレーム・メモリ領域からトップ・フィールドDoとボトム・フィールドDeが交互に出力される。以降、スロー再生が解除される時点1722まで同様に処理が行われる。
【0047】
図21は、上記1/3倍速スロー再生動作時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。映像が動きのあるシーンであった場合でも、スロー映像が所々で過去に戻ることはない。
【0048】
[第2の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態の映像処理装置に比べ、上述したスロー再生において、MotionJPEG符号化/復号化部124が出力したピクチャから、出力信号処理部121がトップ・フィールドとボトム・フィールドをRAM125のフレーム・メモリ領域へ格納するタイミングが異なるものである。
【0049】
<スロー再生>
図7はCPU102で動作している制御プログラムが、出力信号処理部121の秒間60フィールドの映像出力に同期して行う、スロー再生時のフレーム・メモリ領域へのフィールドの格納タイミングの判別処理を示すフローチャートである。
【0050】
即ち、ステップS701において、キー操作処理部105からスロー再生の開始が指示されていた場合に、フィールドの格納タイミングの判別処理(S702〜S706)を行う。ステップS702において、上記カウント値が0の場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間60フィールドで撮影されたインターレース映像だと判断し、ステップS704において、次のフィールドを上記フレーム・メモリ領域に格納するタイミングを、スロー再生の速度(1/S倍速)より得られるフィールド間隔(1/60秒×S)とする。上記カウント値が0でない場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間24フレームのプログレッシブ映像がプルダウン変換された映像だと認識するが、上記カウント値が1の場合、格納するフィールドが重複フィールドであると判断し、カウント値が0の場合と同じくステップS704の処理を行う。上記カウント値が2以上の場合、ステップS703において、カウント値が偶数(最下位ビットが0)である場合には、上記フレーム・メモリに格納するフィールドが前回格納したフィールドと異なるフレームであると判断し、ステップS705において、次のフィールドを上記フレーム・メモリ領域に格納するタイミングを早め、通常再生の速度(1倍速)より得られるフィールド間隔(1/60秒)とする。カウント値が奇数(最下位ビットが1)である場合には、フレーム・メモリに格納するフィールドと前回格納したフィールドが同一のフレームであると判断し、ステップS706において、次のフィールドを上記フレーム・メモリに格納するタイミングを、上述のステップS705で早めた分の間隔を補ったフィールド間隔(1/60秒×(2S−1))とする。
【0051】
次に、図22は、上記プルダウン変換されたインターレース映像の再生中、1807と1808の間でユーザ操作により1/3倍速スロー再生(S=3)が行われ、1821と1822の間でスロー再生が解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、スロー再生の開始点1808でフレーム・メモリ領域に格納するボトム・フィールドDeは、直前に格納されたトップ・フィールドCoと異なるフレームであるため、次のトップ・フィールドDoは1/60秒の間隔でフレーム・メモリ領域に格納される(1809)。1809で格納された上記トップ・フィールドDoは、直前に格納されたボトム・フィールドDeと同一のフレームであるため、次のボトム・フィールド(重複フィールド)Deは、前回のフィールドの格納時に早めた分の間隔を補った5/60秒の間隔でフレーム・メモリ領域に格納される(1814)。1814で格納された上記ボトム・フィールド(重複フィールド)Deは、重複フィールドであるため、次のトップ・フィールドEoは3/60秒の間隔でフレーム・メモリ領域に格納される(1817)。以降、スロー再生が解除される時点1822まで同様に処理が行われる。
【0052】
図23は、上記1/3倍速スロー再生動作時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。映像が動きのあるシーンであった場合でも、スロー映像が所々で過去に戻ることはない。
【0053】
[他の実施形態]
以上、本発明に係る実施形態について具体例を用いて詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0054】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図示の各フローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0055】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0056】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0057】
プログラムを供給するための記録媒体(記憶媒体)としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0058】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0059】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0060】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0061】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0062】
[効果]
本実施形態によれば、秒間24フレームから秒間60フレームへプルダウン変換されたインターレース映像の再生時に一時停止若しくはスロー再生を行う場合、プログレッシブ映像への再変換を行わない簡素な構成で、異なるフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドを表示することなく、再生した映像が動きのあるシーンであった場合でも、フィールド間でブレたポーズ画や1/24秒過去に戻るスロー映像が表示されることを防止できる。
【0063】
また、再生している映像がプルダウン変換されたインターレース映像であるか否かの検出と、プルダウン変換前のフレームと、プルダウン変換後のフィールドとの対応関係の検出とを、重複フィールドの検出のみによって容易に行うことができる。
【0064】
また、スロー再生時に2つのフレーム・メモリ領域を切り替えて用いることで、異なるフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドが交互に表示されることを防ぐことができる。
【0065】
また、スロー再生時に各フィールドを再生するタイミングを変化させることで、異なるフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドが交互に表示されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施形態の映像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】2:3:2:3プルダウン変換処理の概要を説明する図である。
【図3】2:3:3:2プルダウン変換処理の概要を説明する図である。
【図4】本実施形態のプルダウン変換の認識処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における一時停止処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態におけるスロー再生処理を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態におけるスロー再生処理を示すフローチャートである。
【図8】従来の秒間60フィールドのインターレース映像の再生動作におけるフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図9】従来の秒間60フィールドのインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際のフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図10】従来の秒間60フィールドのインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を表す図である。
【図11】従来の秒間60フィールドのインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際のフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図12】従来の秒間60フィールドのインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【図13】従来の秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作におけるフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図14】従来の秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際のフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図15】従来の秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【図16】従来の秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際のフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図17】従来の秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【図18】第1の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際のRAM125の状態を示す図である。
【図19】第1の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【図20】第1の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際のRAM125の状態を示す図である。
【図21】第1の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【図22】第2の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際のRAM125の状態を示す図である。
【図23】第2の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
100 映像処理装置
101 CPUバス
102 CPU
103 RAM
104 ROM
105 キー操作処理部
111 入力信号処理部
112 CCD
113 JPEG符号化/復号化部
114 RAM
115 カード制御部
121 出力信号処理部
122 ビデオ信号出力部
123 LCD
124 MPEG符号化/復号化部
125 RAM
126 テープ制御部
201 秒間24フレームのプログレッシブ映像
202 2:3:2:3プルダウン変換された映像
301 秒間24フレームのプログレッシブ映像
302 2:3:3:2プルダウン変換された映像
【技術分野】
【0001】
本発明は映像処理技術に関し、特にテープやディスク等の記録媒体に記録された映像の再生時に、一時停止やスロー再生等の特殊再生を可能とした映像処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
<秒間60フィールドのインターレース映像>
従来の映像処理装置として、テープなどの記録媒体に記録された映像を再生しているときに、ユーザの操作に応じて、一時停止やスロー再生といった特殊再生を行うよう構成された映像処理装置がある。
【0003】
こうした映像処理装置では、秒間60フィールドのインターレース映像の再生中に、一時停止を行った場合、1/60秒の時間差をおいて撮影されたトップ・フィールドとボトム・フィールドがポーズ画として表示されるため、再生していた映像が動きのあるシーンであった場合に、フィールド間でブレたポーズ画が表示される。また、スロー再生を行った場合、連続するトップ・フィールドとボトム・フィールドの組み合わせが何度か交互に表示されるため、フィールド間で撮影時の時間にして1/60秒進んだり、過去に戻ったりというスロー映像となる。
【0004】
図8は記憶媒体から再生される秒間60フィールドのインターレース映像を格納するフレーム・メモリ領域を持つメモリの状態を表しており、1001において記憶媒体から再生されたトップ・フィールドAoが上記フレーム・メモリ領域に格納される。1/60秒の間隔をおいて1002においてボトム・フィールドBeが上記フレーム・メモリに格納されるとともに、上記Aoが出力される。以下同様に、記録媒体から再生されたトップ・フィールドとボトム・フィールドの格納と出力が並行して行われる。
【0005】
<一時停止>
次に、図9は、上記インターレース映像の再生中に1107と1108の間でユーザ操作により一時停止が行われ、1121と1122の間で一時停止を解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、一時停止の開始点1108でフレーム・メモリ領域に存在するトップ・フィールドGoとボトム・フィールドHeが一時停止の終了点1122まで交互に表示される。
【0006】
図10は、上記一時停止時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。GoとHeでは撮影時間で1/60秒の間隔があるので、映像が動きのあるシーンであった場合にブレたポーズ画が出力される。
【0007】
<スロー再生>
次に、図11は、上記インターレース映像の再生中に1207と1208の間でユーザ操作により1/3倍速スロー再生が行われ、1221と1222の間でスロー再生が解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、スロー再生の開始点1208でフレーム・メモリ領域に存在するトップ・フィールドGoとボトム・フィールドHeの組み合わせが、通常の3倍に相当する期間(1208〜1210)出力され、次にボトム・フィールドHeとトップ・フィールドIoの組み合わせが1211〜1213の期間出力され、以下同様にトップ・フィールドとボトム・フィールドの組み合わせが3倍の期間ずつ、スロー再生が解除されるまで出力される。
【0008】
図12は、上記1/3倍速スロー再生動作時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。例えば、GoとHeでは撮影時間で1/60秒の間隔があるので、映像が動きのあるシーンであった場合に、スロー映像は1/60秒進み、1/60秒戻り、1/60秒進む映像となる。
【0009】
<秒間24フレームのプログレッシブ映像>
また、従来の映像処理装置として、秒間24フレームで撮影されたプログレッシブ映像(24p)に対して、2:3:2:3プルダウン変換処理や、2:3:3:2プルダウン変換処理によって重複フィールドを挿入し、秒間60フィールドのインターレース映像(60i)として記録媒体に記録するように構成された映像処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
ここで、図2と図3を用いプルダウン変換処理について説明する。
【0011】
<2:3:2:3プルダウン変換>
図2は2:3:2:3プルダウン変換処理の概要を示している。撮影又は受信した秒間24フレームのプログレッシブ映像201の連続する4つのフレームをA、B、C、Dとした場合に、第1のフレームAをトップ・フィールドAoとボトム・フィールドAeに分けて出力し、第2のフレームBをトップ・フィールドBoとボトム・フィールドBeに分けて出力するのに続いて、再度トップ・フィールドBoを重複フィールドとして出力し、第3のフレームCをボトム・フィールドCeとトップ・フィールドCoに分けて出力し、第4のフレームDをボトム・フィールドDeとトップ・フィールドDoに分けて出力するのに続いて、再度ボトム・フィールドDeを重複フィールドとして出力することで、上記4つのフレームが10のフィールドとなり、秒間60フィールドのインターレース映像202に変換される。
【0012】
<2:3:3:2プルダウン変換>
図3は2:3:3:2プルダウン変換処理の概要を示している。撮影又は受信した秒間24フレームのプログレッシブ映像301の連続する4つのフレームをA、B、C、Dとした場合に、第1のフレームAをトップ・フィールドAoとボトム・フィールドAeに分けて出力し、第2のフレームBをトップ・フィールドBoとボトム・フィールドBeに分けて出力するのに続いて、再度トップ・フィールドBoを重複フィールドとして出力し、第3のフレームCをボトム・フィールドCeとトップ・フィールドCoに分けて出力するのに続いて、再度ボトム・フィールドCeを重複フィールドとして出力し、第4のフレームCをトップ・フィールドCoとボトム・フィールドCeに分けて出力することで、上記4つのフレームが10のフィールドとなり、秒間60フィールドのインターレース映像302に変換される。
【0013】
こうした映像の再生中に、一時停止を行った場合、そのタイミングによって、同一のフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドがポーズ画として表示される場合と、1/24秒の時間差をおいて撮影された異なるフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドがポーズ画として表示される場合がある。後者の場合には、再生した映像が動きのあるシーンであった場合に、フィールド間でブレたポーズ画が表示される。このポーズ画は、上述した秒間60フィールドで撮影されたインターレース映像における(1/60秒のブレがある)ポーズ画に比べても、ブレの時間差が大きく(1/24秒)ユーザの目で見て違和感がある。また、スロー再生を行った場合、連続するトップ・フィールドとボトム・フィールドの組み合わせが何度か交互に表示されるため、同一のフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドが表示される状態と、異なるフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドが表示される状態があり、後者の状態においては、フィールド間で撮影時の時間にして一定であったり、1/24秒進んだり、過去に戻ったりというスロー映像となる。スロー映像に関しても、上述した秒間60フィールドで撮影されたインターレース映像における(1/60秒進んだり過去に戻ったりする)スロー映像に比べても、動きが歪でユーザの目で見て違和感がある。
【0014】
ここで、図13は記憶媒体から再生される秒間24フレームのプログレッシブ映像で撮影され、2:3:2:3プルダウン変換された秒間60フィールドのインターレース映像を格納するフレーム・メモリ領域を持つメモリの状態を表している。1301において記憶媒体からトップ・フィールドAoが再生され、上記フレーム・メモリ領域に格納される。1/60秒の間隔をおいて1302において記憶媒体からボトム・フィールドAeが再生され、上記フレーム・メモリに格納されるとともに、上記Aoが出力される。以下同様に、トップ・フィールドとボトム・フィールドの格納と出力が並行して行われる。
【0015】
<一時停止>
次に、図14は、上記プルダウン変換されたインターレース映像の再生中、1407と1408の間でユーザ操作により一時停止が行われ、1421と1422の間で一時停止を解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、一時停止の開始点1408でフレーム・メモリ領域に存在するトップ・フィールドCoとボトム・フィールドDeが、一時停止の終了点1422まで交互に出力される。
【0016】
図15は、上記一時停止時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。CoとDeでは撮影時間で1/24秒の間隔があるので、映像が動きのあるシーンであった場合に、ブレたポーズ画が出力される。
【0017】
<スロー再生>
次に、図16は、上記プルダウン変換されたインターレース映像の再生中、1507と1508の間でユーザ操作により1/3倍速スロー再生が行われ、1521と1522の間でスロー再生が解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、スロー再生の開始点1508でフレーム・メモリ領域に存在するトップ・フィールドCoとボトム・フィールドDeの組み合わせが、通常の3倍に相当する期間(1508〜1510)出力され、次にボトム・フィールドDeとトップ・フィールドDoの組み合わせが1511〜1513の期間出力され、以下同様にトップ・フィールドとボトム・フィールドの組み合わせが3倍の期間ずつ、スロー再生が解除されるまで出力される。
【0018】
図17は、上記1/3倍速スロー再生動作時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。例えば、CoとDeでは撮影時間で1/24秒の間隔があるので、映像が動きのあるシーンであった場合に、スロー映像は所々で1/24秒進み、1/24秒戻り、1/24秒進む映像となる。
【0019】
<秒間60フレームのプログレッシブ映像への変換>
また、従来の映像処理装置として、記録媒体に記録された秒間60フィールドのインターレース映像を再生する場合に、トップ・フィールドとボトム・フィールドを動き適応によって合成するか、若しくはトップ・フィールド又はボトム・フィールドより他のフィールドを得るフィールド内補間を行うことで、秒間60フレームのプログレッシブ映像に変換して出力するよう構成された映像処理装置がある(例えば、特許文献2参照)。また、この映像処理装置は、記録された映像が上記のように秒間24フレームで撮影されたプログレッシブ映像がプルダウン変換されたインターレース映像である場合には、重複フィールドを検出することでプルダウン変換のシーケンスを認識し、同一フレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドを合成して、秒間60フレームのプログレッシブ映像に再変換して出力する。このため、上記映像の再生中に一時停止やスロー再生を行った場合でも、ポーズ画はブレたものにはならないし、スロー映像も過去に戻るといった状態が起こることがない。
【0020】
このように、従来の映像処理装置では、秒間24フレームのプログレッシブ映像として撮影されプルダウン変換処理された秒間60フィールドのインターレース映像の再生時に、一時停止やスロー再生を行った際に、ブレたポーズ画が出力されたり、撮影時の時間で過去に戻ったりするスロー映像が再生されることのないようにするためには、プログレッシブ映像への変換が必要であった。
【特許文献1】特開2003−284007公報
【特許文献2】特開平10−327393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、プログレッシブ映像への変換は処理負荷が大きいため、映像処理装置の構成が複雑となってしまう。プルダウン変換されたインターレース映像の再生時にプログレッシブ映像への変換を行わず、インターレース信号のまま外部に出力するような、単純な構成の映像処理装置では、当該映像の再生時に一時停止やスロー再生を行った際に、ブレたポーズ画や、撮影時の時間で過去に戻ったりするスロー映像が再生されてしまう問題があった。
【0022】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、プルダウン変換されたインターレース映像の再生中に一時停止やスロー再生を行う場合に、プログレッシブ映像への再変換を行わない簡素な構成で、フィールド間でブレたポーズ画や過去に戻るスロー映像が表示されることを防止する映像処理技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の映像処理装置は、記録媒体に記録されたインターレース映像を再生すると共に、当該再生している映像の一時停止或いはスロー再生が可能な再生手段と、前記記録媒体に記録された映像がトップフィールドとボトムフィールドにプルダウン変換されたインターレース映像である場合に、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出する検出手段と、再生された前記インターレース映像のトップフィールドとボトムフィールドを格納するフレームメモリ領域を有する記憶手段と、前記フレームメモリ領域に格納されたトップフィールドとボトムフィールドを交互に出力する出力手段とを備え、前記再生手段は、プルダウン変換されたインターレース映像を再生中に一時停止若しくはスロー再生が指示された場合、前記検出手段の検出結果に基づいて、同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドが前記フレームメモリ領域に存在する状態で前記一時停止若しくはスロー再生を行う。
【0024】
また、本発明の映像処理方法は、記録媒体に記録されたインターレース映像を再生すると共に、当該再生している映像の一時停止或いはスロー再生が可能な再生工程と、前記記録媒体に記録された映像がトップフィールドとボトムフィールドにプルダウン変換されたインターレース映像である場合に、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出する検出工程と、再生された前記インターレース映像のトップフィールドとボトムフィールドをフレームメモリ領域に格納する記憶工程と、前記フレームメモリ領域に格納されたトップフィールドとボトムフィールドを交互に出力する出力工程とを備え、前記再生工程では、プルダウン変換されたインターレース映像を再生中に一時停止若しくはスロー再生が指示された場合、前記検出工程の検出結果に基づいて、同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドが前記フレームメモリ領域に存在する状態で前記一時停止若しくはスロー再生を行う。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、プルダウン変換されたインターレース映像の再生中に一時停止やスロー再生を行う場合に、プログレッシブ映像への再変換を行わない簡素な構成で、異なるフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドを表示することなく、フィールド間でブレたポーズ画やスロー映像が表示されることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0027】
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0028】
[第1の実施形態]
本実施形態は、プルダウン変換されたインターレース映像の再生時に、プログレッシブ映像への変換を行わなくても、ブレたポーズ画が出力されたり、時折過去に戻るスロー映像を再生したりすることがなく、一時停止やスロー再生を行うことができるように構成した例である。
【0029】
図1は、第1の実施形態の映像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示す映像処理装置100において、CPU102は、バス101を介してRAM103、ROM104、キー操作処理部105、入力信号処理部111、出力信号処理部121に接続されている。CPU102はROM104に格納されている制御プログラムに従って動作し、動作時の一時的な情報の格納場所としてRAM103を用いる。ユーザによって行われたキー操作の情報がキー操作処理部105を介してCPU102に通知され、上記制御プログラムは上記操作情報をもとに、入力信号処理部111と出力信号処理部121を制御して、映像の記録動作や再生動作、一時停止、スロー再生を行う。
【0031】
<記録動作>
まず、図1を用いて、映像の記録動作について説明する。
【0032】
通常、CCD112より撮影される映像は秒間60フィールドのインターレース映像となっている。入力信号処理部111の制御により、CCD112で撮影された秒間60フィールドのインターレース映像が、入力信号処理部111に入力され、画像処理が行われた後にRAM114に格納される。次に、上記RAM114に格納された映像が入力信号処理部111より出力され、出力信号処理部121に入力される。出力信号処理部121は入力された映像をビデオ信号出力部122及び液晶モニター123に出力する。また、出力信号処理部121は入力された映像を上記RAM125に格納する。続いて、出力信号処理部121はMotionJPEG符号化/復号化部124を制御し、上記RAM125に格納された映像のトップ・フィールドとボトム・フィールドを合成して得られる秒間30フレームのピクチャを符号化して、符号としてRAM125に書き戻す。次に、出力信号処理部121はテープ制御部126を制御し、上記RAM125に格納された符号を読み出して、テープに記録する。
【0033】
続いて、CCD112により撮影される映像が秒間24フレームのプログレッシブ映像である場合の記録動作について説明する。CPU102で動作している制御プログラムは、キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、記録される映像を、通常の秒間60フィールドのインターレース映像から秒間24フレームのプログレッシブ映像に切り替えるよう、入力信号処理部111と出力信号処理部121を制御する。また、秒間24フレームのプログレッシブ映像を記録する場合に、上記制御プログラムは、上記キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、2:3:2:3プルダウン変換処理と、2:3:3:2プルダウン変換処理のどちらを行うかを選択し、その結果に従い入力信号処理部111と出力信号処理部121を制御する。入力信号処理部111により、CCD112より撮影された秒間24フレームのプログレッシブ映像が、入力信号処理部111に入力される。ここで、画像処理が行われた後に、上述したプルダウン変換が行われ、秒間60フィールドのインターレース映像に変換され、RAM114のフレーム・メモリ領域に格納される。次に、上記フレーム・メモリ領域に格納された映像が入力信号処理部111より出力され、出力信号処理部121に入力され、RAM125に格納される。ここで、入力信号処理部111の出力するフィールドが、プルダウン変換により挿入された重複フィールドであるとき、CPU102は入力信号処理部111から重複フィールドを出力したという状態を取得し、出力信号処理部121に対して出力信号処理部121が入力したフィールドが重複フィールドであることを通知する。出力信号処理部121は上記RAM125に格納された映像をビデオ信号出力部122及び液晶モニター123に出力する。また、出力信号処理部121はMotionJPEG符号化/復号化部124を制御し、上記RAM125に格納された映像のトップ・フィールドとボトム・フィールドを合成して得られる秒間30フレームのピクチャを符号化して、符号としてRAM125に書き戻す。なお、符号化するトップ・フィールド又はボトム・フィールドが重複フィールドである場合には、そのフィールドが重複フィールドであることを示す情報を符号化時に付加する。出力信号処理部121はテープ制御部126を制御し、上記RAM125に書き戻された上記の符号を読み出して、テープに記録する。
【0034】
<再生動作>
次に、図1を再度参照して、記録された映像の再生動作について説明する。
【0035】
出力信号処理部121はテープ制御部126を制御し、テープに記録されている符号を読み出して、RAM125に格納する。次に、出力信号処理部121はMotionJPEG符号化/復号化部124を制御し、上記RAM125に格納された符号を復号化して、秒間30フレームのピクチャとしてRAM125に書き戻す。なお、符号化されたピクチャがプルダウン変換された映像であって、ピクチャのトップ・フィールド又はボトム・フィールドに重複フィールドであることを示す情報が付加されていた場合、MotionJPEG符号化/復号化部124は出力信号処理部121を介して、CPU102にトップ・フィールド又はボトム・フィールドが重複フィールドであることを通知する。出力信号処理部121は上記RAM125に書き戻されたピクチャをトップ・フィールド、ボトム・フィールドの順にRAM125のフレーム・メモリ領域に格納してから、入力信号処理部111に出力する。ここで入力信号処理部111は、出力信号処理部121より入力された映像に対して画像処理を行った後にRAM114に格納する。次に、上記RAM114に格納された映像が入力信号処理部111より出力され、出力信号処理部121へと戻される。出力信号処理部121は戻された映像をビデオ信号出力部122及び液晶モニター123に出力する。
【0036】
図4はCPU102で動作する制御プログラムが、出力信号処理部121の秒間60フィールドの映像出力に同期して行う、プルダウン変換の認識処理を示すフローチャートである。
【0037】
ステップS401において、MotionJPEG符号化/復号化部124より重複フィールドであると通知されたフィールドを出力信号処理部121がRAM125のフレーム・メモリ領域に格納する場合、カウント値に1を代入して(S403)処理を終了する。上記の通知が行われておらず、ステップS402においてカウント値が1から6の範囲内である場合、カウント値に1を加え(S404)処理を終了する。これらは、プルダウン変換された映像であると判断した場合に、撮影時のフレームと出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納するフィールドとの対応関係を認識するための処理である。いずれも成り立たない場合は、カウント値に0を代入する(S405)。これは、プルダウン変換された映像でないと判断した場合の処理である。この認識処理で得られた上記カウント値を用いて、後述する一時停止及びスロー再生が行われる。
【0038】
<一時停止>
更に図1を参照して、ユーザのキー操作によって映像の再生を一時停止する動作について説明する。
【0039】
CPU102で動作している制御プログラムは、キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、映像の再生を一時停止するよう出力信号処理部121を制御する。ここで、図5は上記制御プログラムが、出力信号処理部121の秒間60フィールドの映像出力に同期して行う、一時停止開始の判別処理を示すフローチャートである。即ち、ステップS501において、キー操作処理部105から一時停止が指示されていた場合に、一時停止開始の判別処理(S502〜S504)を行う。ステップS502において、上記カウント値が0の場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間60フィールドで撮影されたインターレース映像だと判断し、通常通りそのまま一時停止を開始する(S504)。上記カウント値が0でない場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間24フレームのプログレッシブ映像がプルダウン変換された映像だと認識する。ステップS503において、カウント値が奇数(最下位ビットが1)である場合には、上記フレーム・メモリ領域に同じフレームのトップ・フィールドとボトム・フィールド(例えば、DoとDe)が格納されると判断し、一時停止を開始する(S504)。カウント値が偶数(最下位ビットが0)である場合には、上記フレーム・メモリ領域に異なるフレームのトップ・フィールドとボトム・フィールド(例えば、DoとCe)が格納されると判断し、一時停止の開始を保留して、次のフィールドが出力信号処理部121よって上記フレーム・メモリ領域に格納されるまで待つことで、上記フレーム・メモリ領域に同じフレームのトップ・フィールドとボトム・フィールドが格納されるまで、一時停止の開始を遅延させる。
【0040】
出力信号処理部121はテープ制御部126を制御し、テープに記録されている符号の読み出しを一時停止し、さらにMotionJPEG符号化/復号化部124を制御し、符号の復号化を一時停止する。各ブロックの一時停止状態は、CPU102で動作している上記制御プログラムが、キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、出力信号処理部121を制御し、各ブロックを制御することで解除され、通常の再生動作に戻る。
【0041】
図18は、上記プルダウン変換されたインターレース映像の再生中に1607と1608の間でユーザ操作により一時停止が行われ、1621と1622の間で一時停止を解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、一時停止の開始点1608ではフレーム・メモリ領域に異なるフレームに属するトップ・フィールドCoとボトム・フィールドDeがあり、一時停止の開始が遅延される。次の時点1609では、フレーム・メモリ領域に同一のフレームに属するトップ・フィールドDoとボトム・フィールドDeがあり、一時停止が開始され、一時停止の終了点1422までそれらのフィールドが交互に出力される。
【0042】
図19は、上記一時停止時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。トップ・フィールドDoとボトム・フィールドDeは同時に撮影されたフレームであり、映像が動きのあるシーンであった場合でも、フィールド間で全くブレのないポーズ画が出力される。
【0043】
<スロー再生>
再び図1を用いて、ユーザのキー操作によって再生中の映像をスロー再生する動作について説明する。
【0044】
CPU102で動作している制御プログラムは、キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、再生中の映像をスロー再生するよう出力信号処理部121を制御する。ここで、図6は上記制御プログラムが、出力信号処理部121の秒間60フィールドの映像出力に同期して行う、スロー再生時のフレーム・メモリ領域の切り替え処理を示すフローチャートである。即ち、ステップS601において、キー操作処理部105からスロー再生の開始が指示されていた場合に、フレーム・メモリ領域の切り替え処理(S602〜S605)を行う。ステップS602において、上記カウント値が0の場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間60フィールドで撮影されたインターレース映像だと判断し、切り替え処理は行わない。上記カウント値が0でない場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間24フレームのプログレッシブ映像がプルダウン変換された映像だと認識するが、上記カウント値が1の場合、格納するフィールドが重複フィールドであると判断し、切り替え処理は行わない。上記カウント値が2以上の場合、ステップS603において、カウント値が偶数(最下位ビットが0)である場合には、上記フレーム・メモリに格納するフィールドが前回格納したフィールドと異なるフレームであると判断し、ステップS604においてフィールドを格納するフレーム・メモリ領域を切り替える。これにより、同一のフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドは同一のフレーム・メモリ領域に格納される。カウント値が奇数(最下位ビットが1)である場合には、フレーム・メモリに格納するフィールドと前回格納したフィールドが同一のフレームであると判断し、ステップS605においてフィールドを出力するフレーム・メモリ領域を切り替える。これにより、常に同一のフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドが出力される。
【0045】
出力信号処理部121はテープ制御部126を制御し、テープに記録されている符号の読み出しを指定されたスロー再生の速度(例えば1/3倍速)に減速し、さらにMotionJPEG符号化/復号化部124を制御し、符号の復号化をスロー再生の速度を元に間欠的に(例えば通常3回行う時間で1回)行う。各ブロックのスロー再生は、CPU102で動作している上記制御プログラムが、キー操作処理部105から通知されるユーザのキー操作に従って、出力信号処理部121を制御し、各ブロックを制御することで解除され、通常の再生動作に戻る。
【0046】
次に、図20は、上記プルダウン変換されたインターレース映像の再生中、1707と1708の間でユーザ操作により1/3倍速スロー再生が行われ、1721と1722の間でスロー再生が解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、スロー再生の開始点1708でフレーム・メモリ領域に格納するトップ・フィールドDoは、直前に格納されたボトム・フィールドCeと異なるフレームであるため、格納先が第1のフレーム・メモリ領域から第2のフレーム・メモリ領域へ切り替えられる。なお、出力先は依然として第1のフレーム・メモリ領域である。通常ボトム・フィールドCeが出力される期間の3倍に相当する期間(1708〜1710)に第1のフレーム・メモリ領域からボトム・フィールドCeとトップ・フィールドCoが交互に出力される。次に1711において、フレーム・メモリ領域に格納するボトム・フィールドDeは、直前に格納されたトップ・フィールドDoと同一のフレームであるため、出力先が第1のフレーム・メモリから第2のフレーム・メモリ領域へ切り替えられる。なお、格納先は依然として第2のフレーム・メモリ領域である。通常トップ・フィールドDoが出力される期間の3倍に相当する期間(1711〜1713)に第2のフレーム・メモリ領域からトップ・フィールドDoとボトム・フィールドDeが交互に出力される。以降、スロー再生が解除される時点1722まで同様に処理が行われる。
【0047】
図21は、上記1/3倍速スロー再生動作時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。映像が動きのあるシーンであった場合でも、スロー映像が所々で過去に戻ることはない。
【0048】
[第2の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態の映像処理装置に比べ、上述したスロー再生において、MotionJPEG符号化/復号化部124が出力したピクチャから、出力信号処理部121がトップ・フィールドとボトム・フィールドをRAM125のフレーム・メモリ領域へ格納するタイミングが異なるものである。
【0049】
<スロー再生>
図7はCPU102で動作している制御プログラムが、出力信号処理部121の秒間60フィールドの映像出力に同期して行う、スロー再生時のフレーム・メモリ領域へのフィールドの格納タイミングの判別処理を示すフローチャートである。
【0050】
即ち、ステップS701において、キー操作処理部105からスロー再生の開始が指示されていた場合に、フィールドの格納タイミングの判別処理(S702〜S706)を行う。ステップS702において、上記カウント値が0の場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間60フィールドで撮影されたインターレース映像だと判断し、ステップS704において、次のフィールドを上記フレーム・メモリ領域に格納するタイミングを、スロー再生の速度(1/S倍速)より得られるフィールド間隔(1/60秒×S)とする。上記カウント値が0でない場合、出力信号処理部121が上記フレーム・メモリ領域に格納している映像は秒間24フレームのプログレッシブ映像がプルダウン変換された映像だと認識するが、上記カウント値が1の場合、格納するフィールドが重複フィールドであると判断し、カウント値が0の場合と同じくステップS704の処理を行う。上記カウント値が2以上の場合、ステップS703において、カウント値が偶数(最下位ビットが0)である場合には、上記フレーム・メモリに格納するフィールドが前回格納したフィールドと異なるフレームであると判断し、ステップS705において、次のフィールドを上記フレーム・メモリ領域に格納するタイミングを早め、通常再生の速度(1倍速)より得られるフィールド間隔(1/60秒)とする。カウント値が奇数(最下位ビットが1)である場合には、フレーム・メモリに格納するフィールドと前回格納したフィールドが同一のフレームであると判断し、ステップS706において、次のフィールドを上記フレーム・メモリに格納するタイミングを、上述のステップS705で早めた分の間隔を補ったフィールド間隔(1/60秒×(2S−1))とする。
【0051】
次に、図22は、上記プルダウン変換されたインターレース映像の再生中、1807と1808の間でユーザ操作により1/3倍速スロー再生(S=3)が行われ、1821と1822の間でスロー再生が解除された場合のメモリの状態を表している。即ち、スロー再生の開始点1808でフレーム・メモリ領域に格納するボトム・フィールドDeは、直前に格納されたトップ・フィールドCoと異なるフレームであるため、次のトップ・フィールドDoは1/60秒の間隔でフレーム・メモリ領域に格納される(1809)。1809で格納された上記トップ・フィールドDoは、直前に格納されたボトム・フィールドDeと同一のフレームであるため、次のボトム・フィールド(重複フィールド)Deは、前回のフィールドの格納時に早めた分の間隔を補った5/60秒の間隔でフレーム・メモリ領域に格納される(1814)。1814で格納された上記ボトム・フィールド(重複フィールド)Deは、重複フィールドであるため、次のトップ・フィールドEoは3/60秒の間隔でフレーム・メモリ領域に格納される(1817)。以降、スロー再生が解除される時点1822まで同様に処理が行われる。
【0052】
図23は、上記1/3倍速スロー再生動作時の出力フィールドと、各フィールドの撮影時の時間との関係を表す図である。即ち、横軸は1/60秒毎に出力されるフィールドを表し、縦軸はそのフィールドが撮影された時間を表している。映像が動きのあるシーンであった場合でも、スロー映像が所々で過去に戻ることはない。
【0053】
[他の実施形態]
以上、本発明に係る実施形態について具体例を用いて詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0054】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図示の各フローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0055】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0056】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0057】
プログラムを供給するための記録媒体(記憶媒体)としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0058】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0059】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0060】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0061】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0062】
[効果]
本実施形態によれば、秒間24フレームから秒間60フレームへプルダウン変換されたインターレース映像の再生時に一時停止若しくはスロー再生を行う場合、プログレッシブ映像への再変換を行わない簡素な構成で、異なるフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドを表示することなく、再生した映像が動きのあるシーンであった場合でも、フィールド間でブレたポーズ画や1/24秒過去に戻るスロー映像が表示されることを防止できる。
【0063】
また、再生している映像がプルダウン変換されたインターレース映像であるか否かの検出と、プルダウン変換前のフレームと、プルダウン変換後のフィールドとの対応関係の検出とを、重複フィールドの検出のみによって容易に行うことができる。
【0064】
また、スロー再生時に2つのフレーム・メモリ領域を切り替えて用いることで、異なるフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドが交互に表示されることを防ぐことができる。
【0065】
また、スロー再生時に各フィールドを再生するタイミングを変化させることで、異なるフレームに属するトップ・フィールドとボトム・フィールドが交互に表示されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施形態の映像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】2:3:2:3プルダウン変換処理の概要を説明する図である。
【図3】2:3:3:2プルダウン変換処理の概要を説明する図である。
【図4】本実施形態のプルダウン変換の認識処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における一時停止処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態におけるスロー再生処理を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態におけるスロー再生処理を示すフローチャートである。
【図8】従来の秒間60フィールドのインターレース映像の再生動作におけるフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図9】従来の秒間60フィールドのインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際のフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図10】従来の秒間60フィールドのインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を表す図である。
【図11】従来の秒間60フィールドのインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際のフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図12】従来の秒間60フィールドのインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【図13】従来の秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作におけるフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図14】従来の秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際のフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図15】従来の秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【図16】従来の秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際のフレーム・メモリ領域を持つRAMの状態を示す図である。
【図17】従来の秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【図18】第1の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際のRAM125の状態を示す図である。
【図19】第1の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に一時停止を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【図20】第1の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際のRAM125の状態を示す図である。
【図21】第1の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【図22】第2の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際のRAM125の状態を示す図である。
【図23】第2の実施形態において秒間24フレームのプログレッシブ映像が2:3:2:3プルダウン変換されたインターレース映像の再生動作中に1/3倍速スロー再生を行った際に、出力されるフィールドの出力時刻と、撮影時刻との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
100 映像処理装置
101 CPUバス
102 CPU
103 RAM
104 ROM
105 キー操作処理部
111 入力信号処理部
112 CCD
113 JPEG符号化/復号化部
114 RAM
115 カード制御部
121 出力信号処理部
122 ビデオ信号出力部
123 LCD
124 MPEG符号化/復号化部
125 RAM
126 テープ制御部
201 秒間24フレームのプログレッシブ映像
202 2:3:2:3プルダウン変換された映像
301 秒間24フレームのプログレッシブ映像
302 2:3:3:2プルダウン変換された映像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録されたインターレース映像を再生すると共に、当該再生している映像の一時停止或いはスロー再生が可能な再生手段と、
前記記録媒体に記録された映像がトップフィールドとボトムフィールドにプルダウン変換されたインターレース映像である場合に、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出する検出手段と、
再生された前記インターレース映像のトップフィールドとボトムフィールドを格納するフレームメモリ領域を有する記憶手段と、
前記フレームメモリ領域に格納されたトップフィールドとボトムフィールドを交互に出力する出力手段とを備え、
前記再生手段は、プルダウン変換されたインターレース映像を再生中に一時停止若しくはスロー再生が指示された場合、前記検出手段の検出結果に基づいて、同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドが前記フレームメモリ領域に存在する状態で前記一時停止若しくはスロー再生を行うことを特徴とする映像処理装置。
【請求項2】
前記検出手段は、プルダウン変換時に挿入された前記インターレース映像の重複フィールドを検出することで、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出することを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項3】
前記検出手段は、
前記再生手段で再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が7フィールド以上である場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換されていない映像であると判別する手段と、
再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が奇数フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、新しいフレームの第1フィールドであると判別する手段と、
再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が偶数フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、直前に再生したフィールドと同じフレームの第2フィールドであると判別する手段と、
再生したフィールドが重複フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、直前に再生したフィールドと同じフレームの第3フィールドであると判別する手段とを備え、
前記各手段の判別結果に基づいて、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出することを特徴とする請求項2に記載の映像処理装置。
【請求項4】
前記フレームメモリ領域は、第1のフレームメモリ領域と、第2のフレームメモリ領域とを含み、
前記再生手段は、プルダウン変換されたインターレース映像のスロー再生中において、前記検出手段の検出結果に基づいて、第2フィールドが直前に再生した第1フィールドと異なるフレームとなる毎に、前記第1のフレームメモリ領域と前記第2フレームメモリ領域とを切り替えて格納し、
前記出力手段は、前記第1のフレームメモリ領域又は第2のフレームメモリ領域に同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドの両方が揃って格納される毎に、前記第1のフレームメモリ領域と第2のフレームメモリ領域とを切り替えて格納される同一フレームのトップフィールドとボトムフィールドとを交互に出力することを特徴とする請求項3に記載の映像処理装置。
【請求項5】
前記再生手段は、プルダウン変換されたインターレース映像のスロー再生中において、前記検出手段の検出結果に基づいて、再生したフィールドが直前に再生したフィールドと異なるフレームであれば、次のフィールドを再生するまでの間隔をスロー再生の速度に関わらず通常の再生速度の間隔とすることを特徴とする請求項3に記載の映像処理装置。
【請求項6】
記録媒体に記録されたインターレース映像を再生すると共に、当該再生している映像の一時停止或いはスロー再生が可能な再生工程と、
前記記録媒体に記録された映像がトップフィールドとボトムフィールドにプルダウン変換されたインターレース映像である場合に、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出する検出工程と、
再生された前記インターレース映像のトップフィールドとボトムフィールドをフレームメモリ領域に格納する記憶工程と、
前記フレームメモリ領域に格納されたトップフィールドとボトムフィールドを交互に出力する出力工程とを備え、
前記再生工程では、プルダウン変換されたインターレース映像を再生中に一時停止若しくはスロー再生が指示された場合、前記検出工程の検出結果に基づいて、同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドが前記フレームメモリ領域に存在する状態で前記一時停止若しくはスロー再生を行うことを特徴とする映像処理方法。
【請求項7】
前記検出工程では、プルダウン変換時に挿入された前記インターレース映像の重複フィールドを検出することで、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出することを特徴とする請求項6に記載の映像処理方法。
【請求項8】
前記検出工程では、
再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が7フィールド以上である場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換されていない映像であると判別する工程と、
再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が奇数フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、新しいフレームの第1フィールドであると判別する工程と、
再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が偶数フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、直前に再生したフィールドと同じフレームの第2フィールドであると判別する工程と、
再生したフィールドが重複フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、直前に再生したフィールドと同じフレームの第3フィールドであると判別する工程とを備え、
前記各工程での判別結果に基づいて、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出することを特徴とする請求項7に記載の映像処理方法。
【請求項9】
前記フレームメモリ領域は、第1のフレームメモリ領域と、第2のフレームメモリ領域とを含み、
前記再生工程では、プルダウン変換されたインターレース映像のスロー再生中において、前記検出工程での検出結果に基づいて、第2フィールドが直前に再生した第1フィールドと異なるフレームとなる毎に、前記第1のフレームメモリ領域と前記第2フレームメモリ領域とを切り替えて格納し、
前記出力工程では、前記第1のフレームメモリ領域又は第2のフレームメモリ領域に同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドの両方が揃って格納される毎に、前記第1のフレームメモリ領域と第2のフレームメモリ領域とを切り替えて格納される同一フレームのトップフィールドとボトムフィールドとを交互に出力することを特徴とする請求項8に記載の映像処理方法。
【請求項10】
前記再生工程では、プルダウン変換されたインターレース映像のスロー再生中において、前記検出工程での検出結果に基づいて、再生したフィールドが直前に再生したフィールドと異なるフレームであれば、次のフィールドを再生するまでの間隔をスロー再生の速度に関わらず通常の再生速度の間隔とすることを特徴とする請求項8に記載の映像処理方法。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の映像処理方法を、映像処理装置のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項1】
記録媒体に記録されたインターレース映像を再生すると共に、当該再生している映像の一時停止或いはスロー再生が可能な再生手段と、
前記記録媒体に記録された映像がトップフィールドとボトムフィールドにプルダウン変換されたインターレース映像である場合に、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出する検出手段と、
再生された前記インターレース映像のトップフィールドとボトムフィールドを格納するフレームメモリ領域を有する記憶手段と、
前記フレームメモリ領域に格納されたトップフィールドとボトムフィールドを交互に出力する出力手段とを備え、
前記再生手段は、プルダウン変換されたインターレース映像を再生中に一時停止若しくはスロー再生が指示された場合、前記検出手段の検出結果に基づいて、同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドが前記フレームメモリ領域に存在する状態で前記一時停止若しくはスロー再生を行うことを特徴とする映像処理装置。
【請求項2】
前記検出手段は、プルダウン変換時に挿入された前記インターレース映像の重複フィールドを検出することで、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出することを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項3】
前記検出手段は、
前記再生手段で再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が7フィールド以上である場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換されていない映像であると判別する手段と、
再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が奇数フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、新しいフレームの第1フィールドであると判別する手段と、
再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が偶数フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、直前に再生したフィールドと同じフレームの第2フィールドであると判別する手段と、
再生したフィールドが重複フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、直前に再生したフィールドと同じフレームの第3フィールドであると判別する手段とを備え、
前記各手段の判別結果に基づいて、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出することを特徴とする請求項2に記載の映像処理装置。
【請求項4】
前記フレームメモリ領域は、第1のフレームメモリ領域と、第2のフレームメモリ領域とを含み、
前記再生手段は、プルダウン変換されたインターレース映像のスロー再生中において、前記検出手段の検出結果に基づいて、第2フィールドが直前に再生した第1フィールドと異なるフレームとなる毎に、前記第1のフレームメモリ領域と前記第2フレームメモリ領域とを切り替えて格納し、
前記出力手段は、前記第1のフレームメモリ領域又は第2のフレームメモリ領域に同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドの両方が揃って格納される毎に、前記第1のフレームメモリ領域と第2のフレームメモリ領域とを切り替えて格納される同一フレームのトップフィールドとボトムフィールドとを交互に出力することを特徴とする請求項3に記載の映像処理装置。
【請求項5】
前記再生手段は、プルダウン変換されたインターレース映像のスロー再生中において、前記検出手段の検出結果に基づいて、再生したフィールドが直前に再生したフィールドと異なるフレームであれば、次のフィールドを再生するまでの間隔をスロー再生の速度に関わらず通常の再生速度の間隔とすることを特徴とする請求項3に記載の映像処理装置。
【請求項6】
記録媒体に記録されたインターレース映像を再生すると共に、当該再生している映像の一時停止或いはスロー再生が可能な再生工程と、
前記記録媒体に記録された映像がトップフィールドとボトムフィールドにプルダウン変換されたインターレース映像である場合に、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出する検出工程と、
再生された前記インターレース映像のトップフィールドとボトムフィールドをフレームメモリ領域に格納する記憶工程と、
前記フレームメモリ領域に格納されたトップフィールドとボトムフィールドを交互に出力する出力工程とを備え、
前記再生工程では、プルダウン変換されたインターレース映像を再生中に一時停止若しくはスロー再生が指示された場合、前記検出工程の検出結果に基づいて、同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドが前記フレームメモリ領域に存在する状態で前記一時停止若しくはスロー再生を行うことを特徴とする映像処理方法。
【請求項7】
前記検出工程では、プルダウン変換時に挿入された前記インターレース映像の重複フィールドを検出することで、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出することを特徴とする請求項6に記載の映像処理方法。
【請求項8】
前記検出工程では、
再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が7フィールド以上である場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換されていない映像であると判別する工程と、
再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が奇数フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、新しいフレームの第1フィールドであると判別する工程と、
再生したフィールドが重複フィールドではなく、前回再生した重複フィールドからの間隔が偶数フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、直前に再生したフィールドと同じフレームの第2フィールドであると判別する工程と、
再生したフィールドが重複フィールドである場合、当該再生したフィールドがプルダウン変換された映像であって、直前に再生したフィールドと同じフレームの第3フィールドであると判別する工程とを備え、
前記各工程での判別結果に基づいて、プルダウン変換前のフレームとプルダウン変換後のフィールドとの対応関係を検出することを特徴とする請求項7に記載の映像処理方法。
【請求項9】
前記フレームメモリ領域は、第1のフレームメモリ領域と、第2のフレームメモリ領域とを含み、
前記再生工程では、プルダウン変換されたインターレース映像のスロー再生中において、前記検出工程での検出結果に基づいて、第2フィールドが直前に再生した第1フィールドと異なるフレームとなる毎に、前記第1のフレームメモリ領域と前記第2フレームメモリ領域とを切り替えて格納し、
前記出力工程では、前記第1のフレームメモリ領域又は第2のフレームメモリ領域に同一のフレームに属するトップフィールドとボトムフィールドの両方が揃って格納される毎に、前記第1のフレームメモリ領域と第2のフレームメモリ領域とを切り替えて格納される同一フレームのトップフィールドとボトムフィールドとを交互に出力することを特徴とする請求項8に記載の映像処理方法。
【請求項10】
前記再生工程では、プルダウン変換されたインターレース映像のスロー再生中において、前記検出工程での検出結果に基づいて、再生したフィールドが直前に再生したフィールドと異なるフレームであれば、次のフィールドを再生するまでの間隔をスロー再生の速度に関わらず通常の再生速度の間隔とすることを特徴とする請求項8に記載の映像処理方法。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の映像処理方法を、映像処理装置のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2006−319481(P2006−319481A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137890(P2005−137890)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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