説明

映像処理装置及び映像表示装置

【課題】より好適に色成分の復元処理を行う。
【解決手段】入力映像信号の色成分の復元を行って表示するために、映像の情報量を削減して伝送された入力映像信号を入力し、入力映像信号の輝度成分の空間的な変化の絶対値に基づいて前記映像信号の色成分の画素値の補間処理をおこなう映像処理部と、映像処理部で前記色成分の画素値の補間処理をおこなった映像を表示する映像表示部とを備えるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
入力された映像信号の色成分の画素値を修正することで、カラーのにじみをとり除くことを図る技術が、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-127454
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、色の解像度を復元する具体的な構成が開示されていない。また、色の解像度の復元効果を視覚的に分かりやすくアピールすることについての開示も一切なかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、より好適に色成分の復元処理を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための、本発明の一実施の態様は、例えば、映像の情報量を削減して伝送された入力映像信号を入力し、入力映像信号の輝度成分の空間的な変化の絶対値に基づいて前記映像信号の色成分の画素値の補間処理をおこなう映像処理部を備える構成とすれば良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より好適に色成分の復元処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例3に係る映像処理装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る映像処理装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1に係る入力信号の形式を示す図である。
【図4】本発明の実施例1に係る色成分復元部を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例1に係るライン遅延部を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例1に係る画素遅延部を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施例1に係る色成分復元部に入力される輝度信号の座標を示す図である。
【図8】本発明の実施例1に係る色成分復元部に入力される色信号の座標を示す図である。
【図9】本発明の実施例2に係る映像処理装置を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施例3に係る色成分復元部を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例3に係るコントラスト補正部を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施例4に係る映像処理装置を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施例4に係る疑似4:2:0化部を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施例4に係る疑似4:2:0化部の処理を示す図である。
【図15】本発明の実施例5に係る映像処理装置を示すブロック図である。
【図16】本発明の実施例6に係る映像処理装置を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施例6に係る差分表示部を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施例7に係る映像処理装置を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施例7に係る輝度成分復元部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための好ましい形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。
【実施例1】
【0010】
まず、本発明の実施例1について説明する。
【0011】
図2は、本発明の実施例1に係る映像処理装置等の回路ブロック図を示すものであって、映像信号出力装置100、色成分復元部200、ディスプレイ300が示されている。以下、各要素の動作、詳細について説明する。
【0012】
映像信号出力装置100は、Y信号400、Cb信号500、Cr信号600を色成分復元部200へ出力する装置であり、記録媒体再生装置や放送波の受信装置である。色成分復元部200は、映像信号出力装置100からの映像信号を入力とし、色成分の解像感を向上させた映像信号をディスプレイ300に対して出力する。ディスプレイ300は、色成分復元部200から、Y信号700、Cb信号800、Cr信号900を受けとり、光として出力する装置であり、典型的には液晶ディスプレイやプラズマディスプレイである。
【0013】
色成分復元部200のみを本実施例の映像処理装置とし、その他の映像信号出力装置100、ディスプレイ300を外部装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、色成分復元装置となる。また、色成分復元部200とディスプレイ300とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、映像表示装置となる。また、映像信号出力装置100が放送波の受信装置(例えばチューナ)である場合は、映像信号出力装置100と色成分復元部200とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、放送信号処理装置となる。
【0014】
図3は、映像信号出力装置100が出力するY信号400、およびCb信号500、およびCr信号600の画素構成を示すものである。一般的に映像信号は4:2:0形式で記録されていることが多い。これは、Y信号400、およびCb/Cr信号501として示すように、Y信号は1画素ごと、CbおよびCr信号は水平2画素、垂直2画素のブロックごとに画素値を記録する形式である。
ここで、4:2:0形式は、ヒトの視覚が輝度に比べて色には鈍感であるという性質を利用した画像の情報量の削減手法として広く利用されている。例えば、DVDやBlu−ray disc(登録商標)、さらには放送波の映像信号にも4:2:0形式が利用されている。しかし、4:2:0形式で色成分の劣化がまったく生じないわけではなく、映像によっては色成分の空間解像度が落ちたような印象を受けることもあり、充分とはいえなかった。以上のように4:2:0形式は映像の情報量を削減して伝送、伝達する形式である。
【0015】
色成分復元部200は、4:2:0のCb/Cr信号501に対して適応的な画素値補間を行うことで、失われた解像感を復元する。
【0016】
なお、以降では説明を簡単にするために、Cb/Cr信号501の画素値は、図3のCb信号500およびCr信号600のように各画素に割り当ててあるものとする。
【0017】
図4は、色成分復元部200の内部構成を示すブロック図である。色成分復元部200は、ライン遅延部210から212、画素遅延部220から223、補間処理部230および231から構成される。
【0018】
まず、ライン遅延部210について、図5を用いて説明する。図5は、ライン遅延部210の内部構成を示したブロック図である。なお、ライン遅延部211およびライン遅延部212も、入出力される信号が異なるだけで構成は同一である。ライン遅延部は、ラインメモリ215から218を有する。ラインメモリ215から218は、それぞれ1画面中の1行分の画素値を蓄えるためのメモリであり、通常はSRAM(Static Random Access Memory)によって実現され、FIFO(First−in First−out)型に構成される。入力信号400は、そのまま出力信号702としてライン遅延部210から出力され、また、ラインメモリ215に入力される。ラインメモリ215から218は直列に接続され、各ラインメモリの出力からはライン分遅延された信号が出力される。ラインメモリ216の出力は出力信号710としてライン遅延部210から出力される。これは入力信号400を2ライン分遅延させた信号である。ラインメモリ218の出力は出力信号701としてライン遅延部210から出力される。これは入力信号400を4ライン分遅延させた信号である。
【0019】
次に、画素遅延部220について、図6を用いて説明する。図6は、画素遅延部220の内部構成を示したブロック図である。なお、画素遅延部221から223も、入出力される信号が異なるだけで構成は同一である。画素遅延部220は、画素メモリ221から228を有する。画素メモリ221から214は、それぞれ1画素分の画素値を蓄えるためのメモリであり、通常はフリップフロップ素子によって実現される。入力信号700は、そのまま出力信号714として画素遅延部220から出力され、また画素メモリ221に入力される。画素メモリ221から224は直列に接続され、各画素メモリの出力からは画素遅延された信号が出力される。画素メモリ222の出力は出力信号700として画素遅延部220から出力され、これは入力信号710を2画素分遅延させた信号である。画素メモリ224の出力は出力信号713として画素遅延部220から出力され、これは入力信号710を4画素分遅延させた信号である。入力信号702は画素メモリ225から226によって2画素分遅延され、出力信号712として画素遅延部220から出力される。入力信号701は画素メモリ227から228によって2画素分遅延され、出力信号711として画素遅延部220から出力される。
【0020】
次に、補間処理部230について、図4を用いて説明する。入力Y信号400はライン遅延部210によりライン遅延され、4ライン遅延されたY信号701、および2ライン遅延されたY信号710、および遅延されないY信号702となる。Y信号702は、画素遅延部220によって2画素分遅延され、Y信号712として補間処理部230に入力される。同様に、Y信号701は、画素遅延部220によって2画素分遅延され、Y信号711として補間処理部230に入力される。また、Y信号710は、画素遅延部220によって画素遅延され、4画素遅延されたY信号713、および2画素遅延されたY信号700、および遅延されないY信号714として補間処理部230に入力される。このうちY信号700はそのまま色成分復元部200の出力Y信号となる。すなわち、補間処理部230には、ライン遅延部210および画素遅延部220によって、図7に示すような配置で入力Y信号400から画素値が入力される。
【0021】
次に、入力Cb信号500も、入力Y信号400と同様にライン遅延部211に入力され、4ライン遅延されたCb信号801、および2ライン遅延されたCb信号803、および遅延されないCb信号802となる。Cb信号802は、画素遅延部221によって2画素分遅延され、Cb信号812として補間処理部230に入力される。また、Cb信号801は、画素遅延部221によって2画素分遅延され、Cb信号811として補間処理部230に入力される。また、Cb信号803は、画素遅延部221によって画素遅延され、4画素遅延されたCb信号813、および遅延されないCb信号814として補間処理部230に入力される。すなわち、補間処理部230には、ライン遅延部211および画素遅延部221によって、図8に示すような配置で入力Cb信号500から画素値が入力される。
【0022】
補間処理部230は、Y信号700およびY信号711から714を参照して、Cb信号811から814から、出力Cb信号800を生成し出力する。なお、出力Cb800は、図7および図8に示す通り、出力Y信号700と同一座標の信号となる。ここで、補間処理部230は、Y信号の空間的な変化の割合に応じて、Cb信号800を、Cb信号811から814のフィルタ処理によって求める。これは、一般的な映像では、Cb信号の空間的な変化はY信号の空間的な変化と相関があるためである。
【0023】
また、入力Cr信号600に対しても、入力Cb信号と同様に処理が行われ、出力Cr信号900が出力される。
【0024】
以上の処理は、1画面中を左上から右下に向かって走査しながら、全画素に対して適用する。
【0025】
以上の構成により、4:2:0によって失われたCb信号を再現し、解像感を向上させることが可能となる。
【0026】
以上説明した本発明の実施例1によれば、より好適に色成分の復元処理を行う構成を提供できる。
【実施例2】
【0027】
次に本発明の実施例2について説明する。
【0028】
図9は、本発明の実施例2に係る映像処理装置等の回路ブロックを示すものである。本図には映像信号出力装置100、YCbCr−RGB変換部3100、RGB−YCbCr変換部3200、ディスプレイ300、色成分復元部201が示されている。以下、各要素の動作、詳細について説明する。なお、映像信号出力装置100およびディスプレイ300の動作は、実施例1で説明したものと同一であるため省略する。
【0029】
ここで、CbCr−RGB変換部3100、色成分復元部200、RGB−YCbCr変換部3200を含む構成を本実施例の映像処理装置とし、その他の映像信号出力装置100、ディスプレイ300を外部装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、色成分復元装置となる。また、CbCr−RGB変換部3100、色成分復元部200、RGB−YCbCr変換部3200とディスプレイ300とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、映像表示装置となる。また、映像信号出力装置100が放送波の受信装置(例えばチューナ)である場合は、映像信号出力装置100とCbCr−RGB変換部3100、色成分復元部200、RGB−YCbCr変換部3200とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、放送信号処理装置となる。
【0030】
YCbCr−RGB変換部3100は、例えば、ITU−R BT.601に規定される色空間の変換式を用いて、入力されるYCbCr色形式を、RGB色形式に変換して出力する。このとき、具体的には数式1、数式2、数式3を用いて色変換を行う。

(数1)
R = Y +1.402×Cr

(数2)
G = Y−0.344×Cb−0.714×Cr

(数3)
B = Y+1.722×Cb

次に、色成分復元部201について、図10を用いて説明する。図10は色成分復元部の内部構成を示す回路ブロック図である。
【0031】
色成分復元部201は、実施例1で説明した色成分復元部200から、ライン遅延部212、画素遅延部222から223、補間処理部231を除外し、ラインメモリ240および241、および画素メモリ251から254を追加したものである。入力R信号3300の処理は、実施例1で説明した色成分復元部200の入力Cb信号の処理と同一である。入力G信号3301は、ラインメモリ240および画素メモリ251から252によって、1ラインと2画素分遅延され、出力G信号3501として出力される。同様に入力B信号3302も、ラインメモリ241および画素メモリ253から254によって、1ラインと2画素分遅延され、出力G信号3502として出力される。すなわち、図10の構成では、R信号のみ色成分の復元処理をおこない、G信号、B信号については色成分の復元処理をおこなわない。
【0032】
次に、RGB−YCbCr変換部3200は、ITU−R BT.601に規定される色空間の変換式を用いて、入力されるRGB色形式を、YCbCr色形式に変換して出力する。このとき、具体的には、具体的には、数式4から数式6を用いて変換を行う。

(数4)
Y = 0.299×R+0.587×G+0.144×B

(数5)
Cb = −0.169×R−0.311×G+0.500×B

(数6)
Cr = 0.500×R−0.419×G−0.081×B

以上の構成により、色成分復元部201の補間処理部が、実施例1で説明した図4の色成分復元部200の構成に比べて、補間処理部の数を低減することができ、大幅に回路規模が削減されるため、映像処理装置は、より低コストで実装が可能となる。また、色成分の復元効果が視覚的に確認できる色は、ほぼ赤色に限定される。これはヒトの視覚特性によるものである。このため、R成分のみに対する色成分の復元処理でも、復元効果の低下は少ない。さらに、一般的に、Y成分の変化の絶対値とCbおよびCr成分の変換の絶対値の相関に比べて、Y成分の変化の絶対値とR成分の変化の絶対値の相関の方が高いため、本構成の方が復元の効果が向上する映像も多い。
【0033】
以上説明した本発明の実施例2によれば、好適に色成分の復元処理を行う装置をより簡便な構成で実現できる。
【実施例3】
【0034】
次に、本発明の実施例3について説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施例3に係る映像処理装置等の回路ブロック図を示すものであって、映像信号出力装置100、色成分復元部200、ディスプレイ300、コントラスト補正部1300、セレクタ1200、デモモード信号1400の入力手段が示されている。以下、各要素の動作、詳細について説明する。映像信号出力装置100および色成分復元部200およびディスプレイ300の動作は、実施例1で説明したものと同一であるため省略する。
【0036】
ここで、色成分復元部200、コントラスト補正部1300、セレクタ1200、デモモード信号1400の入力手段を含む構成を本実施例の映像処理装置とし、その他の映像信号出力装置100、ディスプレイ300を外部装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、色成分復元装置となる。また、成分復元部200、コントラスト補正部1300、セレクタ1200、デモモード信号1400の入力手段とディスプレイ300とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、映像表示装置となる。また、映像信号出力装置100が放送波の受信装置(例えばチューナ)である場合は、映像信号出力装置100と成分復元部200、コントラスト補正部1300、セレクタ1200、デモモード信号1400の入力手段とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、放送信号処理装置となる。
【0037】
コントラスト補正部1300は、入力されたY信号700に対して、より明暗がはっきりしたコントラスト感が高い映像を生成し、セレクタ1500に出力する。
【0038】
次に、図11を用いてコントラスト補正部1300について詳しく説明する。図11はコントラスト補正部の内部構成を示す回路ブロック図である。コントラスト補正部1300は、ヒストグラム検出部1310、ヒストグラム加算部1320、ヒストグラム平坦化部1330を有する。コントラスト補正部1300は、具体的には次の処理を行う。まず、ヒストグラム検出部1310は、入力されたY信号700の1画面分の輝度ヒストグラムを生成し、ヒストグラムh(y)とする(yは輝度値)。次に、ヒストグラム加算部1320は、数式7により、ヒストグラムh(y)から注目輝度値zまでのヒストグラム値の累積加算数を求める。

(数7)
P(y)=1/(nPixels)・Σh(i)
但し、Σはi=0からz

最後に、ヒストグラム平坦化部1330は、数式8により、コントラスト感が高くなるように補正されたY信号1000を出力する。

(数8)
Y’=Zmax・P(y)
但し、Zmaxは1画面中の最高輝度値

コントラスト補正部1300によりコントラスト補正されたY信号1000は、入力Y信号700、デモモード信号1400とともに、セレクタ1200に入力される。セレクタ1200は、デモモード信号1400がデモ状態を示しているときには、コントラスト補正されたY信号1000を、通常状態を示しているときにはY信号700を、ディスプレイ300へ出力する。
【0039】
以上の動作により、映像処理装置は、デモモードのとき、色成分が復元されたCb信号、Cr信号を、コントラスト補正したY信号とともに出力する。これにより、色成分が復元された映像信号をコントラスト補正した状態で出力することが可能となる。一般に、色成分の復元処理の効果は一見して分かりにくいことが多いが、映像をコントラスト補正することで、復元効果が見えやすくなり、より効果的にデモすることが可能となる。また、デモモード信号に応じてコントラスト補正の有無を切り替える構成とすることで、デモモードを入力映像と関係なく設定できる。これにより、サンプル映像に限らず一般映像を用いた効果的なデモが可能となる。尚、コントラスト補正1300およびセレクタ1200は、映像信号出力装置100と色成分復元部200の間に配置する構成としても同様の効果を得ることができる。
【0040】
以上説明した本発明の実施例3によれば、色の解像度の復元効果を視覚的に分かりやすくアピールすることが可能となる。
【実施例4】
【0041】
次に、本発明の実施例4について説明する。
【0042】
図12は、本発明の実施例4に係る映像処理装置等の回路ブロック図を示すものであって、映像信号出力装置100、色成分復元部200、ディスプレイ300、疑似4:2:0化部1500、セレクタ1600、1601、1602、1700、1701、1702、デモモード信号1400の入力手段が示されている。以下、各要素の動作、詳細について説明する。映像信号出力装置100および色成分復元装置200およびディスプレイ300の動作は、実施例1で説明したものと同一であるため省略する。
【0043】
ここで、色成分復元部200、疑似4:2:0化部1500、セレクタ1600、1601、1602、1700、1701、1702、デモモード信号1400の入力手段を含む構成を本実施例の映像処理装置とし、その他の映像信号出力装置100、ディスプレイ300を外部装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、色成分復元装置となる。また、疑似4:2:0化部1500、セレクタ1600、1601、16021700、1701、1702、デモモード信号1400の入力手段とディスプレイ300とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、映像表示装置となる。また、映像信号出力装置100が放送波の受信装置(例えばチューナ)である場合は、映像信号出力装置100と疑似4:2:0化部1500、セレクタ1600、1601、1602、1700、1701、1702、デモモード信号1400の入力手段とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、放送信号処理装置となる。
【0044】
図13は、疑似4:2:0化部1500の内部構成を示す回路ブロック図である。疑似4:2:0化部は、ラインメモリ1510から1512、画素メモリ1520から1523、平均部1530および1531を有する。入力Cb信号500は、ラインメモリ1511および画素メモリ1521および1522によって遅延され、水平2画素×垂直2画素のブロック単位で平均部1530に入力される。平均部1530は、入力された4画素の画素値を平均し、出力Cb信号1900として出力する。入力Cr信号600も、入力Cb信号500と同様に、水平2画素×垂直2画素のブロック単位で平均化され、出力信号2000として出力される。入力Y信号400はラインメモリ1510および画素メモリ1520によって、Cb信号1900およびCr信号2000との遅延量の調整がなされた上で、出力Y信号1800として出力される。入力Y信号400と出力Y信号1800は、遅延量の違いがあるだけで、画素値は同一である。
【0045】
次に、図14を用いて、疑似4:2:0化の処理について説明する。図14は、疑似4:2:0化部の入出力の画素値を示した図である。図示されるように、疑似4:2:0化部1500によって、Y信号400はそのままY信号1800となり、Cb信号500およびCr信号600は、視覚的に4:2:0形式にされCb信号1900およびCr信号2000となる。疑似4:2:0化部1500によって疑似4:2:0化されたY信号1800、Cr信号1801、Cb信号1802は、Y信号400、Cb信号600、Cr信号600およびデモモード信号1400とともに、セレクタ1700、1701、及び1702へそれぞれ入力される。セレクタ1700、1701、及び1702は、デモモード信号1400が、デモ状態を示しているときには、疑似4:2:0化されたY信号1800、Cr信号1801、Cb信号1802を出力し、デモモード信号1400が通常状態を示しているときには、Y信号400、Cb信号500、Cr信号600を、それぞれY信号1900、Cb信号1901、Cr信号1902として出力する。Y信号1900、Cb信号1901、Cr信号1902は、色成分復元部200に入力されるとともに、セレクタ1600、1601、及び1602へもそれぞれ入力される。セレクタ1600、1601、及び1602は、デモモード信号1400が、デモ状態を示しているときには、Y信号1900、Cr信号1901、Cb信号1902を出力し、デモモード信号1400が通常状態を示しているときには、Y信号700、Cb信号800、Cr信号900を、ディスプレイ300へ出力する。
【0046】
以上の構成により、映像信号出力装置の出力信号の色成分に劣化が少ない場合でも、デモモードのときには強制的に映像信号を4:2:0形式化して、色成分の復元の効果をより効果的にデモすることが可能となる。これは、映像信号出力装置として、色成分の復元回路が内蔵された記録媒体再生装置や放送波のチューナーが用いられた場合や、4:4:4形式出力が可能な映像信号源を用いた場合を想定している。
【0047】
以上説明した本発明の実施例4によれば、入力映像が色成分に劣化が少ない映像の場合でも、色の解像度の復元効果を視覚的に分かりやすくアピールすることが可能となる。
【実施例5】
【0048】
次に、本発明の実施例5について説明する。
【0049】
図15は、本発明の実施例5に係る映像処理装置等の回路ブロック図を示すものであって、映像信号出力装置100、色成分復元部200、拡大部2100、ディスプレイ300、セレクタ2200、2201、2202、デモモード信号1400の入力手段が示されている。以下、各要素の動作、詳細について説明する。映像信号出力装置100および色成分復元部200およびディスプレイ300の動作は、実施例1で説明したものと同一であるため省略する。
【0050】
ここで、色成分復元部200、拡大部2100、セレクタ2200、2201、2202、デモモード信号1400の入力手段を含む構成を本実施例の映像処理装置とし、その他の映像信号出力装置100、ディスプレイ300を外部装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、色成分復元装置となる。また、色成分復元部200、拡大部2100、セレクタ2200、2201、2202、デモモード信号1400の入力手段とディスプレイ300とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、映像表示装置となる。また、映像信号出力装置100が放送波の受信装置(例えばチューナ)である場合は、映像信号出力装置100と色成分復元部200、拡大部2100、セレクタ2200、2201、2202、デモモード信号1400の入力手段とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、放送信号処理装置となる。
【0051】
拡大部2100は、Y信号700およびCb信号800およびCr信号900を、数式9に示す最近傍拡大法により例えば2倍に拡大して、Y信号2300、Cb信号2301、Cr信号2302として出力する。

(数9)
out(z)=in(round(z/n))
但し、zは座標、nは拡大率、round()は四捨五入。
【0052】
セレクタ2200から2202は、デモモード信号1400がデモ状態を示しているときには、拡大されたY信号2300、Cr信号2301、Cb信号2302を出力し、デモモード信号1400が通常状態を示しているときには、Y信号700、Cb信号800、Cr信号900を、それぞれY信号2400、Cb信号2401、Cr信号2402として出力する。Y信号2400、Cb信号2401、Cr信号2402は、ディスプレイ部300に入力される。
【0053】
以上の構成により、デモモードのときに、色成分が復元された映像を強制的に拡大して、色成分の復元効果をより効果的にデモすることが可能となる。
【0054】
以上説明した本発明の実施例5によれば、色の解像度の復元部分を拡大して復元効果を視覚的に分かりやすくアピールすることが可能となる。
【実施例6】
【0055】
次に、本発明の実施例6について説明する。
【0056】
図16は、本発明の実施例6に係る映像処理装置等の回路ブロック図を示すものである。本図には映像信号出力装置100、色成分復元部200、差分部2600および2601、差分表示部2500、セレクタ2700、2701、2702、ディスプレイ300が示されている。以下、各要素の動作、詳細について説明する。映像信号出力装置100および色成分復元部200およびディスプレイ300の動作は、実施例1で説明したものと同一であるため省略する。
【0057】
ここで、色成分復元部200、差分部2600および2601、差分表示部2500、セレクタ2700、2701、2702、デモモード信号1400の入力手段を含む構成を本実施例の映像処理装置とし、その他の映像信号出力装置100、ディスプレイ300を外部装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、色成分復元装置となる。また、色成分復元部200、差分部2600および2601、差分表示部2500、セレクタ2700、2701、2702、デモモード信号1400の入力手段とディスプレイ300とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、映像表示装置となる。また、映像信号出力装置100が放送波の受信装置(例えばチューナ)である場合は、映像信号出力装置100と色成分復元部200、差分部2600および2601、差分表示部2500、セレクタ2700、2701、2702、デモモード信号1400の入力手段とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、放送信号処理装置となる。
【0058】
差分部2600は、入力Cb信号500と入力Cb信号800の差分絶対値を計算し、差分値2800として、差分表示部2500へ出力する。差分部2601も同様に、入力Cr信号600と入力Cr信号900の差分絶対値を計算し、差分値2801として、差分表示部2500へ出力する。
【0059】
次に、図17を用いて差分表示部2500について説明する。図17は、差分表示部2500の内部構成の回路ブロックを示すものである。図示されるように、差分表示部2500は、閾値処理部2510及び2511、AND部2530、セレクタ2520、2521、及び2522、を有する。閾値処理部2510は、Cr信号の差分絶対値2800が定数Kbを閾値処理し、超えていた場合はTrue、超えていなかった場合はFalseを、Cb閾値処理信号2540として、AND部2530へ出力する。閾値処理部2511も、閾値処理部2510と同様に、Cr信号の差分絶対値2801が定数Krを閾値処理し、超えていた場合はTrue、超えていなかった場合はFalseを、Cr閾値処理信号2541として、AND部2530へ出力する。AND部2530は、Cb閾値処理信号2540とCr閾値処理信号2541の論理積(AND)を計算し、閾値処理信号2550として、セレクタ2520、2521、及び2522へ出力する。セレクタ2520、2521、及び2522は、閾値処理信号2550がTrueのときには、定数Ly、定数Lb、定数Lrを、閾値処理信号2550がFalseのときには、Y信号700、Cb信号800、Cr信号900を、それぞれY信号2900、Cb信号2901、Cr信号2902として出力する。
【0060】
また、例えば、セレクタ2520、2521、及び2522は、内部に時間カウンタを備え、閾値処理信号2550がTrueのときには、定数Ly、定数Lb、定数Lrと、Y信号700、Cb信号800、Cr信号900を、一定時間ごとに切り替えて、それぞれY信号2900、Cb信号2901、Cr信号2902として出力するように構成してもよい。
【0061】
次に、セレクタ2700から2702は、デモモード信号1400がデモ状態を示しているときには、差分が強調されたY信号2900、Cr信号2901、Cb信号2902を出力し、デモモード信号1400が通常状態を示しているときには、Y信号700、Cb信号800、Cr信号900を、それぞれY信号3000、Cb信号3001、Cr信号3002として出力する。Y信号3000、Cb信号3001、Cr信号3002は、ディスプレイ部300に入力される。
【0062】
以上の構成により、デモモードのときに、色成分が復元された映像中で、とくに変化が大きく効果がよくわかる領域を特定の色で表示することで、色成分の復元効果をより効果的にデモすることが可能となる。
【0063】
また、例えば、変化が大きく効果がよくわかる領域を点滅表示することで、色成分の復元の効果をより効果的にデモすることが可能となる。
【0064】
以上説明した本発明の実施例6によれば、色の解像度の復元部分で変化の大きい部分を特定色で表示または特定色の点滅表示するなどの強調表示処理を行い復元効果を視覚的に分かりやすくアピールすることが可能となる。
【実施例7】
【0065】
次に、本発明の実施例7について説明する。
【0066】
図18は、本発明の実施例7に係る映像処理装置等の回路ブロック図を示すものであって、映像信号出力装置100、色成分復元部200、輝度成分復元部3000、ディスプレイ300が示されている。以下、各要素の動作、詳細について説明する。映像信号出力装置100および色成分復元部200およびディスプレイ300の動作は、実施例1で説明したものと同一であるため省略する。
【0067】
ここで、色成分復元部200および輝度成分復元部3000を含む構成を本実施例の映像処理装置とし、その他の映像信号出力装置100、ディスプレイ300を外部装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、輝度成分・色成分復元装置となる。また、色成分復元部200および輝度成分復元部3000とディスプレイ300とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、映像表示装置となる。また、映像信号出力装置100が放送波の受信装置(例えばチューナ)である場合は、映像信号出力装置100と色成分復元部200および輝度成分復元部3000とを含む構成を本実施例の映像処理装置としてもよい。この場合は、本実施例の映像処理装置は、放送信号処理装置となる。
【0068】
図19は、輝度成分復元部3000の内部構成を示す回路ブロック図である。輝度成分復元部3000は、輝度成分復元フィルタ3010、遅延部3020および3030を有する。輝度成分復元フィルタ3010は、入力された映像信号のY信号400から、解像感を向上させたY信号3100を出力する。この処理は、例えば、「S.Baker, T.Kanade, “Limits on super−resolution and how to break them”, Pattern Analysis and Machine Intelligence, IEEE Transactions on, Vol. 24, pp. 1167, 2002」に記載されている手法などを用いて実現可能である。遅延部3020および3030は、Cb信号500およびCr信号600を遅延させるメモリである。遅延部3020および3030は、輝度成分復元フィルタ3010の処理によって引き起こされるY信号3100の遅延に合わせて、入力Cb信号500を遅延させ、Cb信号3200として、同様に、入力Cr信号600も遅延させCr信号3300として、出力する。輝度復元部3000から出力される解像感が向上されたY信号3100、および遅延されたCb信号3200、および遅延されたCr信号3300は、色成分復元部200に送られ、色成分の復元処理がなされる。
【0069】
以上の構成により、色成分の復元の前処理として、輝度信号の解像感の復元がなされる。本実施例の色成分復元部は、輝度信号の変化に基づいて色成分を復元するため、本構成により色成分の復元効果がより向上することが期待できる。
【0070】
また、一般的に輝度成分復元フィルタ3010は、回路規模や必要なメモリ量が膨大であるため、同様の処理を色成分に適用すると高コストとなる。これに対して、本実施例の色成分復元部200は回路規模が小さく必要なメモリ量が少ない。よって、本実施例のように、輝度成分復元フィルタ3010と色成分復元部200を組み合わせることによって、輝度および色成分の解像感の向上を、最小限の回路規模および必要メモリ量で実現することができる。
【0071】
以上説明した本発明の実施例7によれば、輝度信号の解像度させることにより、色の解像度の復元効果をさらに高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
100 映像信号出力装置
200 色成分復元部
300 ディスプレイ
210、211、212 ライン遅延部
220、221、223 画素遅延部
230、231、231 補間処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像の情報量を削減して伝送された入力映像信号を入力し、
入力映像信号の輝度成分の空間的な変化の絶対値に基づいて前記映像信号の色成分の画素値の補間処理をおこなう映像処理部を備えることを特徴とする映像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像処理装置であって、
前記映像処理部は、入力映像信号の色成分情報の表色系を変換し、変換後の表色系における複数の色成分のうち、所定の色成分のみについて前記色成分の画素値の補間処理をおこなうことを特徴とする映像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の映像処理装置であって、
前記映像処理部は、デモ表示モードあるか否かを示す信号に応じて、映像信号のコントラスト補正を行うことを特徴とする映像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の映像処理装置であって、
前記映像処理部は、デモ表示モードあるか否かを示す信号に応じて、映像の部分拡大処理を行うことを特徴とする映像処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の映像処理装置であって、
前記映像処理部は、前記色成分の画素値の補間処理の前後の映像信号の差分を算出し、該算出した差分に応じた強調表示処理を行うことを特徴とする映像処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の映像処理装置であって、
前記映像処理部は、前記色成分の画素値の補間処理の前に輝度成分の復元処理を行うことを特徴とする映像処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の映像処理装置に、さらに映像表示部を備えることを特徴とする映像表示装置。
【請求項8】
映像信号の色成分の情報量を削減する色成分削減処理部と、
映像信号の輝度成分の空間的な変化の絶対値に基づいて前記映像信号の色成分の画素値の補間処理をおこなう色成分復元部とを備え、
デモ表示モードあるか否かを示す信号に応じて、前記色成分復元部で色成分の画素値の補間処理を行う映像信号を、前記色成分削減処理部における色成分削減処理を行った映像信号とするか、前記色成分削減処理部における色成分削減処理を行わなかった映像信号とするかを切換えることを特徴とする映像処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の映像処理装置に、さらに映像表示部を備えることを特徴とする映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−4999(P2013−4999A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130811(P2011−130811)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】