映像情報記録再生方法及び映像情報記録再生装置
【課題】 長時間のデータを記録する際に、データへのアクセス性能を損なうことなく記憶媒体上の未使用の領域を削減する。
【解決手段】 入力された画像データを符号化し、符号化した画像データを所定のデータ単位(61,62)毎に記憶媒体(5)に記録し、所定データ単位の画像データ(61,62)の一つあるいは複数を連続して再生する映像情報記録再生方法において、所定のデータ単位(61,62)毎の符号化データを、記憶媒体(5)のデータ格納領域(22)に連続して格納し、記憶媒体(5)上で管理データ領域(21)に、所定データ単位(61,62)毎に記録された画像データ(61,62)の管理情報を格納するデータ単位管理情報テーブル(70)を作成する。
【解決手段】 入力された画像データを符号化し、符号化した画像データを所定のデータ単位(61,62)毎に記憶媒体(5)に記録し、所定データ単位の画像データ(61,62)の一つあるいは複数を連続して再生する映像情報記録再生方法において、所定のデータ単位(61,62)毎の符号化データを、記憶媒体(5)のデータ格納領域(22)に連続して格納し、記憶媒体(5)上で管理データ領域(21)に、所定データ単位(61,62)毎に記録された画像データ(61,62)の管理情報を格納するデータ単位管理情報テーブル(70)を作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像情報記録再生方法及び装置に関するものであり、特に、監視用途などに適用する映像情報記録再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の映像情報記録再生装置においては、映像を記録する際にカメラなどから入力された映像信号を符号化してビデオテープやハードディスクなどの記憶媒体に記録する方法が一般的であり、長時間の記録を必要とする用途の場合には、フレーム内の空間的冗長性を利用してデータサイズを小さくするJPEG(Joint Photographic Experts Group)などのイントラ符号化技術や、フレーム間の時間的冗長性も利用してデータサイズを小さくするMPEG(Moving Picture Expert Group)などのインター符号化技術が広く用いられている。
【0003】
イントラ符号化技術を用いた場合には、1枚のフレームごとにデータは独立しており、記憶媒体上ではこれらの符号化データを、固定長の区画に1枚あるいは複数枚ずつ格納して管理されている。
【0004】
一方インター符号化を用いた場合には、イントラ符号化したキーフレームがまず符号化され、そのキーフレームを基準として時間軸方向のフレーム間相関を用いて符号化したフレームがそれに続き、これらがまとまって画像情報として有意な一つのまとまりを形成する。たとえば、MPEG−4の場合、まず、データの符号化条件などを示すヘッダに続いて、イントラ符号化したキーフレームであるI−VOPのデータが続き、その後I−VOPから順次時間方向の相関を用いて符号化したV−VOPが続く。あるI−VOPから次に出現するI−VOPの直前のV−VOPまでを、ここでは所定データ単位と呼ぶことにする。記憶媒体上では固定長の区画に1つあるいは複数の所定データ単位が記録され、管理される。
【0005】
ところで、監視用途の例にみるように長時間の記録が必要な場合には、有限容量の記憶媒体に対していかに効率よく符号化データを記録するかが重要となる。従来の技術では、これらの記録データは固定長区画のデータサイズに収まる範囲の最大個数が格納される。このような管理方法においては、固定長区画のデータサイズと所定データ単位のデータサイズとを完全に一致させるのが難しいため、記憶媒体に未使用領域が発生してしまう。特にインター符号化においては、1つの所定単位データは一般に複数のフレームデータをまとめたものであるため、イントラ符号化の1フレームデータに比べて単位データサイズが大きくなるため、その結果、固定長区画に入りきれなかった場合の未使用領域は相対的に大きなものとなる傾向があり、記憶媒体上に大きな未使用領域が発生してしまう。
【0006】
この改善策として、符号化の際に所定データ単位内のフレーム数を符号化後のデータ量に応じて変化させ、所定データ単位の倍数が記憶媒体の固定長区画データ量に近づくように符号化処理を制御することで記憶媒体上の未使用領域を少なくするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2004−357086号公報(第11頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら従来の技術では、第1に、次の入力画像の推定符号量を算出して符号化処理を切り替える必要があるため、この符号量推定の演算や処理切り替えなどで処理が複雑化するという問題があった。また、推定の符号量を用いて処理を切り替えているため、実際に符号化した結果が固定長区画データ量に必ずしも一致するとは限らず、結果として未使用領域が発生する可能性があった。また、符号化時の効率という観点から見た場合に、記録映像の内容的にはイントラ符合化することなくインター符号化のP−VOPとして効率よく記録可能な映像内容である場合でも、固定長区画のデータサイズの制約から強制的にイントラ符号化に切り替えられてしまうため、符号化効率が低下する問題があった。さらに、監視用途などでは、外部のアラームや監視画像の動きをトリガとして記録条件を変更するということが一般的に行われており、記録後にこのアラームに関連付けされた映像のみを視聴することが広く行われているため、アラームなどのトリガが入力された場合にはその時点の画像をイントラ符号化し、その時点からアクセスして再生可能であることが望ましいが、特許文献1による従来技術においては、固定長区画と予想累計データサイズとから判断してイントラ符号化タイミングを決定しているため、アラームの入力時点がランダムアクセスできるイントラ符号化になっているとは限らず、その結果、アラーム時点からすばやく再生が出来ないなど、アクセス性が悪いという問題があった。
【0009】
また、記憶媒体の記録可能領域がなくなった場合には古い記録データを削除し、そのことで確保した空き領域に新しくデータを記録していくわけであるが、このときにも上記と同様に記憶媒体上に上述の無駄な未使用領域が発生するという課題があった。
【0010】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、映像情報記録再生方法において、所望データへのランダムアクセス性能を損なうことなく、有限容量の記憶媒体に対してデータ記録時の未使用領域を削減し、かつ、連続記録を繰り返した際にも記憶媒体の未使用領域を削減した長時間記録を実現する映像情報記録再生装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、入力された画像データを符号化し、この符号化した画像データを所定のデータ単位毎に記憶媒体に記録し、この所定データ単位の画像データの一つあるいは複数を連続して再生する映像情報記録再生方法において、前記所定のデータ単位毎の符号化データを、記憶媒体のデータ格納領域に連続して格納し、前記記憶媒体上でデータ格納領域とは異なる領域に設けられた管理データ領域に、前記所定データ単位毎に記録された画像データの管理情報を格納するデータ単位管理情報テーブルを作成することを特徴とした映像情報記録再生方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、符号化した映像データを所定データ単位で記憶媒体上に連続して記録しているため、記憶媒体上の固定長区画サイズと符号化データサイズとの差異により発生する記憶媒体の未使用領域を削減でき、長時間の記録を実現する。このときに、従来技術のように記録データ自体を一定のサイズ以下とするように符号化部を制御する必要が無いため、符号化部での処理負荷を低減できる。また、所望のデータにアクセスするためのデータ単位管理情報テーブルを設けてデータを管理し、そのアドレスが指し示すデータの先頭はイントラ符号化されたデータであるため、データへのランダムなアクセス性を損なうことがない。
【0013】
さらに、古いデータを削除しながら新しいデータを記録していく連続記録の際にも、記憶媒体上に設けたデータ単位管理情報テーブルにより記録領域と削除領域の管理を行っているため、少ない処理負荷で記憶媒体の未使用領域を削減して連続記録を続けることを実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明を実施するための実施の形態1による映像情報記録再生装置を説明する図であり、より具体的には装置を実現するためのブロック図である。
【0015】
図1に示される映像情報記録再生装置1は、画像入力部2と、画像符号化部3と、データ記録部4と、記憶媒体5aを備えたデータ蓄積部5と、管理データ生成部6と、管理データの書き替え部7と、管理データの読み出し部8と、データ読み出し部9と、画像復号化部10と、画像出力部11と、処理制御部12とを有する。
【0016】
なお、図1においては、映像情報記録再生装置1に直接接続されて記録の開始や停止などをユーザが指定するためのコマンド入力手段、機器の状態を表示する状態表示手段、画像の符号化及び復号化処理において一時的にデータを格納するデータ一時格納手段、出力された画像を表示する表示装置など、本発明の効果に直接影響を及ぼさない部分は省略して示している。
【0017】
本実施の形態1の映像情報記録再生装置1では、画像入力部2に接続されたカメラなどから入力された映像を、処理制御部12により所定の画質及び記録間隔に制御して画像符号化部3にて符号化を行い、その符号化データ(画像データ)をデータ記録部4により所定のデータ単位ごとにデータの記憶媒体5aを備えたデータ蓄積部5に記録する。このデータの記録において、記録データの管理情報を管理データ生成部6にて生成し、データ蓄積部5に記録する。
【0018】
また、映像情報記録再生装置1では、蓄積部5に記録された画像データを再生する際には、管理データ読み出し部8にて蓄積部5に記録された管理データを読み出して所望画像データが記録されている領域の先頭アドレスを検索し、その情報(アドレス)に基づいてデータ読み出し部9がデータ蓄積部5より所望のデータ(画像データ)を読み出し、画像復号化部10にて画像データを復号し、画像出力部11より画像が出力される。
【0019】
ここで、本実施の形態1におけるデータの記録について図2を参照して説明する。図2は、データ蓄積部5と、データ蓄積部5の記憶媒体5a上の記憶領域を示す図であり、20はデータ蓄積部5の全記録領域であり、21は管理データを保存するための管理データ領域、22は画像データを記録するための画像データ領域である。このように、本実施の形態1の映像情報記録装置1では、データ蓄積部5の記録領域20を画像データの記憶領域22と管理データの記憶領域21とに分けてデータを記録する。
【0020】
従来の技術におけるデータの記録方法では、上記のように、各固定長区画に対して、最大格納可能なフレームデータを格納する方法で画像データを記録する構造となっており、固定長区画サイズと所定データ単位サイズとの不一致によりデータの未使用領域が発生していた。
【0021】
この未使用領域の削減することを目的とした前述の特許文献1においては、符号化時の処理切り替えにより、推定符号量に応じて所定単位データ内のフレーム数を変化させて所定データ単位のサイズを固定長区画サイズに近づけるように制御することで未使用領域の削減を目指したものであるが、このとき、データサイズの制御に負荷が発生するばかりではなく、文献1の図にもあるように未使用領域も依然として発生してしまうものであった。
【0022】
本実施の形態1では、所定データ単位毎のデータは固定長区画によって区切られること無く、連続してデータ記録領域に格納される。
図3に、本実施の形態1のデータ記憶領域におけるデータ格納の例を示す。図3において、22は記憶媒体上の画像データ領域であり、41乃至55は各々一つのフレームであり、41乃至45が一つの所定データ単位61であり、51乃至55が次の所定データ単位62である。このように、各所定データ単位のデータはデータ領域で固定長の区画で区切られることなく時系列に連続的に記録され、未使用領域を発生しない。
【0023】
この画像データの記録の際には管理データ生成部6により管理データ領域21に記録するための画像の管理データが生成される。この管理データの具体例を、図4に示す。図4において、70はデータ単位管理情報テーブル、71は管理情報の第1項目となるデータ有無フラグ、72は管理情報の第2項目となる画像データの記録年月日、73は管理情報の第3項目となる画像データの記録時刻、74は管理情報の第4項目となる記憶媒体上における画像データの先頭アドレスである。この管理データは、データ有無フラグ71、記録年月日72、記録時刻73、先頭アドレス74の4項目で1件のデータを構成し、1つの所定データ単位にあたり1件の管理データが作成され、画像データが記録された順番で記憶媒体上の管理データ領域に蓄積される。
【0024】
このデータ単位管理情報テーブル70においては、「一つ以上の連続して記録された1つ以上の所定データ単位であって、その合計データサイズsum_dataが規定データサイズ(規定の最大合計データサイズ) SIZE_GROUP_MAX以下であり、かつ次の所定データ単位を加えると合計データサイズsum_dataが上記規定データサイズ(SIZE_GROUP_MAX)を超えるものを一つのグループとして扱い、データ単位管理情報テーブル70に、このグループ内の所定データ単位に各々関連付けられた管理情報に続いて、一つのグループに対する管理情報の件数(count)が規定数COUNT_NUM_MAXになるまで、ここの所定データ単位と関連づけられていない空の管理情報を生成する。
このことを、図5を参照して説明する。図5は、第1の管理情報作成処理を説明するフローチャートである。
【0025】
まず、ステップ80において、所定データ単位の合計データサイズsum_dataを「0」にリセットし、管理データ件数countを「1」にリセットする。(具体的には合計データサイズsize_dataを保持するレジスタに「0」を書き込み、管理データ件数countを記憶乃至計数する図示しないレジスタ乃至はカウンタに「1」を書込む。以下他の変数についても同様である。)
【0026】
次に、ステップ81において、所定データ単位の符号化処理を行い、次に、ステップ82で、符号化データを記憶媒体に書き込み、次に、ステップ83において、その符号化した所定データ単位のデータサイズsize_unitを取得し(所定データ単位のデータサイズsize_unitをレジスタsize_unitに書き込み)、ステップ84において、この取得した所定データ単位のサイズsize_unitを合計データサイズsum_dataに加算して、加算結果を新たな合計データサイズsum_dataとする。
【0027】
そして、ステップ85において、この合計データサイズsum_dataが規定データサイズSIZE_GROUP_MAXよりも大きいかどうか判定し、合計データサイズsum_dataが大きくなければ(ステップ85でNO)、その所定データ単位は現在のグループに属するものとして、ステップ86において、この所定データ単位に対して1件の管理データを作成する。
【0028】
その後、ステップ87において、管理情報の件数countに1を加算した上で、ステップ81に戻り、ステップ81以下の処理を繰り返す。
一方、ステップ85において、合計データサイズsum_dataが規定データサイズSIZE_GROUP_MAXよりも大きいと判断されたときは(ステップ85でYES)、ステップ88に進む。
【0029】
ステップ88においては、その一つ前の時点の所定データ単位までを一つのグループに属するものとして(即ち、最後に符号化された所定データ単位を当該グループから除外して)グループを構成し、次のステップ89にて、現在までに作成された管理情報の件数countが規定数COUNT_NUM_MAXと一致しているかどうかを判定する。
【0030】
ステップ89で、一致していなければ(ステップ89でNO)、ステップ90で、所定データ単位と関連付けされない空の管理データを作成し、ステップ91で、管理情報件数countに「1」を加算し(カウンタのカウント値countを「1」だけ大きくし)、ステップ89に戻る。
【0031】
このような処理により、ステップ89で作成された管理情報の件数(所定データ単位に関連付けられた管理情報の件数と空の管理情報の件数の和)が規定数COUNT_NUM_MAXに達するまで、空の管理情報が作成される。
管理情報の合計件数countが規定数COUNT_NUM_MAXに達すると(ステップ89でYES)、ステップ92において、先にデータサイズを取得した最新の所定データ単位と関連付けられた管理データを作成する。
【0032】
その後、ステップ93にて管理データ件数countを1に設定し、ステップ94において、合計データサイズsum_dataを、最新の所定データ単位のデータサイズsize_unitに等しくする(合計データサイズsize_dataを格納するレジスタsize_dataに最新の所定データ単位のデータサイズsize_dataの値をセットして初期化する)。
次にステップ81に戻り、以下、次のグループについて上記と同様の処理を繰り返す。
【0033】
図5に示される処理のうち、ステップ81は、画像符号化部3で実行され、ステップ86,90,92は管理データ生成部6で実行され、その他の処理は、処理制御部12で実行される。そのため、変数や定数(size_data, size_unit, count,SIZE_GROUP_MAX)などを記憶するレジスタ、カウンタなどが処理制御部12内に設けられている。
【0034】
このような処理で作成された管理データの例を図6に示す。図6は図5の処理により作成された管理データの例であり、各グループに対する管理データ件数の規定数COUNT_NUM_MAXが32である例を示している。
【0035】
図6において、22は記憶媒体上の画像データ領域、70は記憶媒体上の管理データ領域に記録されたデータ単位管理情報テーブルであり、100乃至107は画像データ領域22に記録された各所定データ単位のデータであり、そのうち所定データ単位100乃至104で一つのグループ(第1のグループ)G1が構成され、所定データ単位105乃至107で別のグループ(第2のグループ)G2が構成されている。110乃至143はデータ単位管理情報テーブル70に記録された管理データである。管理データ110乃至114は、第1のグループG1の所定データ単位100乃至104に関連付けられたものであり、管理データ130乃至132は第2のグループG2の所定データ単位105乃至107に関連付けられたものである。
【0036】
管理データ120乃至122及び141乃至143は空の管理データである。
管理データ110乃至114の件数(5)と管理データ120乃至122の件数(27)の合計が32であり、管理データ130乃至132の件数(3)と管理データ141乃至143の件数(29)合計が32である。
【0037】
このように、図示の例では、所定データ単位100〜104が一つのグループ(第1のグループ)G1を構成するものとして扱われ、このグループG1に対して所定のデータ単位に関連付けられた管理データ110乃至114と空の管理データ120乃至122の総件数が規定数32となるように空の管理データが付加されている。
【0038】
同様に所定データ単位105乃至107が次のグループ(第2のグループ)G2を構成するものとして扱われ、このグループG2に対して所定のデータ単位に関連付けられた管理データ130乃至132と空の管理データ141乃至143の総件数が規定数32となるように、空の管理データが付加されている。
【0039】
次に、このように構成した管理データを用いて、記憶媒体上に連続した記録を実施する場合の処理について説明する。監視用途などでは、数日、あるいは数ヶ月などの長期間にわたってデータを記録し続けるといった連続的な記録が一般的に行われ、この場合には、過去に記録した一番古いデータから順にデータを削除して、そのことにより新たに確保された空き領域に新しいデータを記録する。この場合にも、データへのアクセス性を損なうことなく、かつ、記憶媒体上に未使用領域を作成しないことが重要である。
【0040】
本実施の形態1において、図4を参照して説明した処理で構成したデータ単位管理情報テーブル70を用いて連続的な記録処理を行う方法を、図7を参照して説明する。図7は、記憶媒体上に新しく記録するための空き領域が無くなり、記憶媒体上の古いデータを削除しながら新しいデータを記録する手法を説明するフローチャートである。本実施の形態においては、記録されたデータは、先に説明したグループ単位で削除するものとする。
【0041】
まず、ステップ150において、削除した領域のサイズの合計値(削除領域サイズ)sum_deleteを0に設定し、次に、ステップ151において、削除するグループを指定する値(グループ番号)target_groupを、一番古いグループを意味する「1」に設定し、次にステップ152において、削除する一つ目のグループかどうかを判別するフラグflg_firstを「1」に設定する。
【0042】
続いて、ステップ153において、データ単位管理情報テーブル70を用いて1番目のグループに対応する管理データよりこのグループが占有しているデータサイズsize_targetを算出する(データサイズを算出してレジスタsize_targetに格納する)。このデータサイズの算出はアドレス値を元に行われる。即ち、一つのグループの最初のデータ単位の先頭アドレス74と、次のグループの最初のデータ単位の先頭アドレスとを読み出し、両者の差(後者から前者を引いた値)をデータサイズsize_targetとする。但し、アドレスで最後尾のデータに対しては、別途管理しているポインタにてそのデータの終端を知るものとする。
【0043】
その後ステップ154にてこのグループ番号target_groupで指定されるグループのデータを削除する。
【0044】
次にステップ155において、ステップ153で算出されたデータサイズsize_targetを、削除した領域サイズの合計値(合計データサイズ)sum_deleteに加算して加算結果を新たな合計データサイズsize_deleteとする。合計データサイズsize_deleteは、現在までにどれだけのデータが削除されたかを示す。
【0045】
そして、ステップ156において、ターゲットとするグループ番号を一つ進めする(即ち、グループ番号(最初は最も古いグループを表す「1」であった)に「1」を加算し、次に古いグループを指定する番号にする)。
【0046】
次に、ステップ157において、ステップ154で実行されたグループの削除処理が、初めて行われたものであるかどうかをフラグflg_firstを参照することにより判別し、最初のグループであった場合には、次にステップ158においてフラグflg_firstを「0」にした上で、ステップ153に戻り、ステップ153乃至ステップ156をもう一度実施する。
【0047】
上記のようにしてステップ153乃至156が二度目に実行された時点では、ステップ157の判定を行うと、結果はNO(フラグflg_firstが1ではない)となる。
【0048】
そこで、次にステップ159において、削除したデータのサイズの合計(合計データサイズ)sum_delteが、記録時の規定データサイズSIZE_GROUP_MAXより大きいかどうかの判定を行う。
【0049】
累計値sum_deleteが規定データサイズSIZE_GROUP_MAX以下の場合には(ステップS159でNO)、ステップ153に戻り、ステップ153以下の、上記と同様の処理を繰り返す。
【0050】
ステップ159において、合計データサイズ(累計値)sum_deleteが規定データサイズSIZE_GROUP_MAXより大きい場合(ステップ159でYES)には、ここで空き領域確保のためのデータ削除作業は一時中断され、ここまでの処理で確保した空き領域に対して、ステップ160にて新しいグループのデータならびに管理情報の書き込みを行う。
【0051】
このステップ160では、図5のステップ80乃至94と同様の処理が行われる。処理の最後におけるデータ合計size_dataが合計データサイズsum_groupとして一時記憶される(レジスタsize_groupに格納される)。
【0052】
そしてステップ161において、ステップ160にて記録したグループの合計データサイズsum_groupをレジスタsum_groupに格納し、ステップ162にて、削除したデータサイズの累計値(合計データサイズ)sum_delteから新たに記録したグループのデータサイズsum_groupを減算し、減算結果を新たな、「削除したデータサイズの累計値(合計データサイズ)」sum_deleteとする(即ち減算結果をレジスタsum_deleteに書込む)。この累計値は、先に確保した空き領域がどれだけ残っているのかを表すものである。
その後、処理153から同様にこれら一連の処理を繰り返す。
【0053】
図7の処理のうち、ステップ153は管理データ読み出し部8及び処理制御部12で実行され、ステップ154はデータ記録部4(実際にデータを消去する場合)又は管理データ生成部6(管理データを書換えるだけの場合)で実行され、その他の処理は、処理制御部12で実行される。そのため、変数や定数(flg_first, size_target, target_group, size_delete, size_data)などを記憶するレジスタが処理制御部12内に設けられている。
【0054】
ところで、本実施の形態において、各所定データ単位のデータサイズは固定長のサイズにするような処理は行っていないため、新たに記録するグループにおける所定データ単位の件数が先に削除したグループの所定データ単位数と異なるケースが考えられるが、先に説明したように、データ単位管理情報テーブルでは各グループに対して空の管理データ領域を付加して、管理データの総件数が規定数(図6に示す例では32)となるようにしているので、新しく書き込んだグループのデータ件数が、削除したグループのデータ件数より多い場合においても、上記規定数を上回らない限り問題なくそれら所定データ単位の管理情報を作成できるとともに、すでに記録している過去のデータに対する管理情報にも不整合を生じることは無い。
【0055】
なおこれら一連の処理の中でデータを削除する際には、データ単位管理情報テーブル70におけるデータ有無フラグ71を管理データ書き替え部7にて「1」から「0」に書き替えてデータが存在しないことを明示し、データを記録する場合に、データ有無フラグを「0」から「1」に書き替えることでデータが存在していることを明示する。このことで、管理データ検索において、どのデータが削除されているのかを瞬時に知ることが可能となる。
【0056】
以上説明したように構成したことで、画像データを記憶媒体5a上に記録する際に、画像データを固定長区画で区切ることなく所定データ単位ごとに連続して記録することが可能となり、記憶媒体上の未使用領域の削減を実現することができる。また、古いデータを削除しながら新しいデータを記録する連続的な記録においても、データ単位管理情報テーブル70によるデータ管理方法により、未使用領域の削減を実現することができる。このとき、従来例のように符号化における高度なデータ量制御は必要ではなく、簡易な構成で実現可能である。
【0057】
また、本構成では記録されたデータを再生する際には、データが固定区画に区切られていなくても、データ単位管理情報テーブル70の第2項目(72)及び第3項目(73)から所望の日時データを検索し、第4項目(74)に記述されているアドレスより所望データの記録領域を検索可能であり、また、このアドレスで示されたデータの先頭は必ずイントラ符号化されたI−VOPであるのでその部分からの再生が可能となり、所望データへの良好なアクセスも実現する効果がある。
【0058】
なお、データ単位管理情報テーブル70において、一つのグループに対して割り当てるデータ件数の規定数(COUNT_NUM_MAX)は、実際の画像データ記録時の符号化条件によって考えうる最大数以上を割り当てればよいものであり、上記の例のように「32」に限るものではない。
【0059】
また、一つ以上の所定データ単位のまとまりをグループとして扱うための規定データサイズ(SIZE_GROUP_MAX)についても、その装置を実現するためのキャッシュサイズやハードウェア構成、及び記録される符号化データのサイズに応じて設定すればよいものであり、上記の例の数値に限定されるものではない。
【0060】
また、データを連続的に記録した場合には、最新のデータと関連付けられた管理データが、データ単位管理テーブル70の最後尾ではなく中間に位置することになるが、この終端位置は、前記データ有無フラグ71から知ることが出来る。但し、このようにする代わりに、データ単位管理テーブル70のデータ有無フラグ71にその所定データ単位が最後尾のデータであることを示す固有の値、たとえば、256などを割り当ててもよく、あるいは、装置上に設けられた不揮発性メモリなど別の手段でその終端のポインタを管理してもよい。
【0061】
また、本実施の形態1で示したデータ単位管理情報テーブル70に格納されるデータは、上記した例のものに限定されるわけではなく、例えば日付や時刻の情報は直接的に日付や時刻の値である必要は無く、算術演算などを用いて日時が一意に決定されればよく、たとえば日付と時刻とを同時にシリアルな連続値で示す方法でも良いし、また、別の効果を目的として上記の例で示したデータ単位管理情報テーブル70の項目以外に例えばカメラ番号やセンサの状態などの属性データを含んでいても良い。
【0062】
さらに、データを削除する際には、実際のデータ領域を必ずしも削除する必要は無く、データ単位管理情報テーブルでのみデータを削除したことを明示し、対応するデータ領域が書き込み可能であることを明示するだけでも一向に構わない。
【0063】
実施の形態2.
実施の形態1では、データ単位管理情報テーブルとして図4に示すものを用いているが、それに加えて図8に示すグループ管理情報テーブルを用いても良い。
【0064】
図8に示されるグループ管理情報テーブル170には、管理情報の第1項目となるデータ状態フラグ171と、管理情報の第2項目となるグループ合計データサイズ172と、管理情報の第3項目となるグループ先頭アドレスである173とが各グループの画像データの記録日時の順番に連続して記録される。グループ管理情報テーブル170では、前述した所定データ単位のまとまりで構成される一つのグループに対して第1項目乃至第3項目の1件の管理データが作成される。このグループ管理情報テーブル170において、データ状態フラグ171は、そのグループのデータが記録されていることを示すものであり、データが記録されている場合はたとえば0x01の値を設定し、データが消去された場合には0x00の値を設定するものとする。
【0065】
本実施の形態2の映像情報記録装置はデータを記録する際に、実施の形態1と同様に、データ単位管理情報テーブル70にて各所定データ単位ごとの管理データを作成するが、このとき、一つ以上の連続した所定データ単位のデータサイズ合計値が規定データサイズ(SIZE_GROUP_MAX)以下となる範囲が一つのグループとして扱われ、この一つのグループに対して、データ状態フラグ、そのグループの合計データサイズ、そのグループの先頭データアドレスとを有する1件の管理データが作成され、このデータが連続して記録されてグループ管理情報テーブル170が構成される。
【0066】
図9を参照して、本実施の形態2で作成されるグループ管理情報テーブル170について説明する。図9において、180はグループ管理情報テーブル170の1件目の管理データ、181は2件目の管理データであり、そのほか、図6及び図8と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。図9において、データ単位管理情報テーブル70における管理データ110乃至122が一つのグループとして扱われており、本グループ管理情報テーブル170では、この管理データ110乃至122に対応するグループに対して、1件の管理データ180が生成される。同様に、データ単位管理情報テーブル70の管理データ130乃至143が一つのグループに対応し、このグループに対して、1件の管理データ181が生成される。
【0067】
このようなデータ単位管理情報テーブル70及びグループ管理情報テーブル170を管理データ領域21に作成しながら画像データの記録を行う際に、長時間の記録を続け記憶媒体の空き容量がなくなった場合には、一番古いデータを削除することで新たなデータ記録のための空き領域を確保し、連続的な記録を続行し、このときに、データは一つのグループごとに前述の処理(実施の形態1で図7を参照して説明した処理)により削除されるわけであるが、このグループ管理情報テーブル170を用いることで、記憶媒体5a上に未使用領域を発生させることなくデータの連続記録を行う際に、空き領域確保のために削除が必要なグループの数を映像情報記録再生装置はグループ管理情報テーブル170から容易に取得できるため、映像情報記録再生装置の処理負荷を低減する効果があり、性能が低い映像情報記録再生装置においても未使用領域削減という効果を実現可能となる。
【0068】
なお、グループ管理情報テーブル170においては、その内容は図示の例に限定されるわけではなく、別の効果を目的として上記の例で示した項目以外の情報を含んでいても良い。
【0069】
実施の形態3.
図10及び図11は、本発明を実施するための実施の形態3による映像情報記録再生装置を説明するための図であり、より具体的には図10は装置を実現するためのブロック図であり、図11は記憶媒体5a上の記録領域の説明図である。
【0070】
図10に示す映像情報記録再生装置は、図1に示すものと概して同じであり、図1と同様の部材には同一の符号が付されている。図10に示す装置は、管理データ比較部13が付加されている点で異なる。
また、図11において、190は第1のデータ単位管理情報テーブル、191は第1のグループ管理情報テーブル、192は第2のデータ単位管理情報テーブル、193は第2のグループ管理情報テーブル、194はデータ単位管理情報テーブル用のチェックサムテーブル、195はグループ管理情報テーブル用のチェックサムテーブルである。
【0071】
図11に示したように、本実施の形態の映像情報記録再生装置では、データ単位管理情報テーブル(190、192)が2箇所に設けられ、また、グループ管理情報テーブル(191、193)が2箇所に設けられており、データ単位管理情報テーブル190及び192は互いに同一の内容で構成され、グループ管理情報テーブル191及び193も互いに同一の内容で構成される。また、データ単位管理情報テーブル190及び192に対して、データの正当性を評価するためのチェックサムテーブル194が設けられ、また、グループ管理情報テーブル191及び193に対して同様のチェックサムテーブル195が設けられている。
【0072】
本実施の形態3の映像情報記録再生装置では、データ記録の際に、管理データ生成部6にてデータ単位管理情報テーブル(190,192)を記憶媒体5aの2箇所に同一内容で作成する。このときに、データ単位管理情報テーブル(190,192)の一定個数のデータ単位ごとに、記述された内容のデータ量を合計し、その量を表す値をデータ単位管理情報テーブル用チェックサムテーブル194として記録する(テーブルを作成乃至テーブルに記録する)。同様に、データの記録の際に管理データ生成部6にて記憶媒体5aの2箇所に同一の内容でグループ管理情報テーブル(191,193)を作成し、このときに、グループ管理情報テーブル(191,192)に対しては、1つのグループごとにデータ量の合計を算出してグループ管理情報テーブル用チェックサムテーブル195を作成する(テーブルに記録する)。
【0073】
本実施の形態の映像情報記録再生装置の動作においては、まず、管理データ比較部13において、2つのデータ単位管理情報テーブル190及び192のデータを互いに比較し、両者のデータに差異が無い場合にはいずれか一方のデータ単位管理情報テーブル190又は192、例えば第1の管理情報テーブル190を使用してデータの検索及び管理を行う。両者間に差異があった場合には、差異があった箇所のデータ量をチェックサムテーブル194に記録されている値と、管理データ比較部13において、比較し、いずれかが合致すれば、合致した方のデータ単位管理情報テーブル(190,192の一方)をデータの検索に使用するように切り替える。
グループ管理情報テーブル(191,193)に関しても同様に、管理データ比較部13において、2つの管理情報テーブル191及び193のデータを互いに比較し、両者のデータに差異が無い場合にはいずれか一方のグループ管理情報テーブル(191,193の一方)、例えば第1のグループ管理情報テーブル191を使用してデータの検索及び管理を行う。両者間に差異があった場合には、差異があった箇所のデータ量をチェックサムテーブル195に記録されている値と、管理データ比較部13において、比較し、いずれかが合致すれば、合致した方のグループ管理情報テーブル(191,193の一方)をデータの検索に使用するように切り替える。
【0074】
なお、この管理情報テーブルのデータの比較処理は、あらかじめ設定したタスクスケージュールに基づいて実施されればよく、たとえば、毎日決まった時間に行う方法や、あるいは、装置が動作を開始してから一定時間経過ごとに実施するなどの方法でよい。
【0075】
このように構成したことで、記憶媒体上に未使用領域を生じない本実施の形態の映像情報記録再生装置にあって、データ単位管理情報テーブル及びグループ管理情報テーブルの一部が何らかの原因で破損した際にも、データ単位管理情報テーブル及びグループ管理情報テーブルをそれぞれ2つ有し、かつ、そのチェックサムテーブルを有していることで、データの破損していない管理情報テーブル(データ単位管理情報テーブル、グループ管理情報テーブル)を選択することができるため、記録及び再生の続行が可能となる。
【0076】
なお、この実施の形態ではデータ単位管理情報テーブルとグループ管理情報テーブルとの両方に対して、同一内容の管理情報テーブルを2つ設け、かつ、それぞれのチェックサムテーブルを設けるわけであるが、これらの管理情報を記録する記憶媒体上の位置については上記の例に限定されるものではなく、例えば、2つの管理情報テーブル(データ単位管理情報テーブル、グループ管理情報テーブル)を連続して(互いに隣り合う領域に)記録する形態であってもかまわない。
【0077】
実施の形態4.
図12は、本発明の実施の形態4による映像情報記録再生装置を説明するための図であり、より具体的には、本装置の構成を示すブロック図である。図12において14は管理データ蓄積部であり、図1と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
【0078】
本実施の形態の映像情報記録再生装置では、画像データはデータ蓄積部5に記録され、データ単位管理情報テーブル70及びグループ管理情報テーブル170は、画像データを記憶するデータ蓄積部5とは異なる記憶媒体14aを有する管理データ蓄積部14にそれぞれ記録される、この管理データを記憶するための記憶媒体14aは、たとえば揮発性のメモリなどで構成される。一般に、画像データの長時間記録においてはその画像データサイズは莫大なものとなるため、HDDなどの容量単価の安い記憶媒体が利用されるが、管理データは画像データに比べてデータサイズが格段に小さいため、その情報を半導体メモリなどに記録することも可能である。
【0079】
このように構成することで、記憶媒体上に未使用領域を生じない本実施の形態の映像情報記録再生装置にあって、管理情報テーブルを記録するための記憶媒体を半導体メモリで構成した場合には、一般にHDDなどの記憶媒体に比べてアクセス速度が速いため、管理情報テーブル(70,170)及び画像データにアクセスする際に所望データの検索に要する時間が低減できるため、より良好なデータアクセス性能を実現する。また、一つの媒体上で管理データと画像データとの両方にアクセスする場合に比べて、一つの媒体あたりのアクセス回数を削減することが可能となり、その結果、消耗部品であるHDDへのアクセス回数が削減可能となり、製品の長寿命化の効果がある。
【0080】
なお、本実施の形態4では、データ単位管理情報テーブル及びグループ管理情報テーブルのいずれをも画像データを記憶する記憶媒体とは異なる記憶媒体に記録する例で示したが、管理データへのアクセス頻度や使用可能な管理データ蓄積部14の容量などに応じて、データ単位管理情報テーブルのみあるいはグループ管理情報テーブルのみを画像データを記憶する記憶媒体とは異なる記憶媒体に記録してもよい。
【0081】
また、管理データ量域用の記憶媒体14のサイズに対して、管理情報テーブル(70,170)のデータサイズが相対的に十分に小さい場合には、データ単位管理情報テーブル及びグループ管理情報テーブルをそれぞれ一つずつに限る必要は無く、実施の形態3で説明したようにそれぞれ複数のテーブルを設けても良い。この場合、実施の形態3で説明したように、管理データ比較部13を設けて管理情報テーブルのデータの比較処理を行う。
【0082】
以上、実施の形態を説明したが、いずれの実施形態においても、映像記録再生装置は専用のハードウェアをもってして構成しても良いし、汎用のパーソナルコンピュータ上でソフトウェアによる処理手段により実現しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施の形態1の映像情報記録再生装置を説明するための、ブロック図である。
【図2】実施の形態1の映像情報記録再生装置を説明するためのデータ蓄積領域図である。
【図3】実施の形態1の映像情報記録再生装置を説明するための、データ格納構造図である。
【図4】実施の形態1の映像情報記録再生装置を説明するための、管理データ構成図である。
【図5】実施の形態1の映像情報記録再生装置におけるデータ管理方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施の形態1の映像情報記録再生装置を説明するための管理データ構成図である。
【図7】実施の形態1の映像情報記録再生装置における、連続記録動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施の形態2の映像情報記録再生装置を説明するための管理データ構成図である。
【図9】実施の形態2の映像情報記録再生装置を説明するための管理データ構成図である。
【図10】実施の形態3の映像情報記録再生装置を説明するためのブロック図である。
【図11】実施の形態3の映像情報記録再生装置を説明するための記憶媒体領域構成図である。
【図12】実施の形態4の映像情報記録再生装置を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0084】
1 映像情報記録再生装置、 2 画像入力部、 3 画像符号化部、 4 データ記録部、 5 データ蓄積部、 6 管理データ生成部、 7 管理データ書き替え部、 8 管理データ読み出し部、 9 データ読み出し部、 10 画像符号化部、 11 画像出力理部、 12 制御処理部、 13 管理データ比較部、 14 管理データ蓄積部、 20 全データ領域、 21 管理データ領域、 22 画像データ領域、 30 固定長区画領域、 41 VOP1、 42 VOP2、 43 VOP3、 44VOP4、 45 VOP5、 51 VOP6、 52 VOP7、 53 VOP8、 54 VOP9、 55 VOP10、 61 所定データ単位1、 62 所定データ単位2、 70 データ単位管理情報テーブル、 71 データ有無フラグ、 72 記録年月日、 73 記録時刻、 74 先頭アドレス、 100〜107 所定データ単位、 110〜143 管理データ、 170 グループ管理情報テーブル、 171 データ状態フラグ、 172 グループ合計データサイズ、 173 先頭アドレス、 180〜181 管理データ、 190 第1のデータ単位管理テーブル、 191 第1のグループ管理テーブル、 192 第2のデータ単位管理テーブル、 193 第3のグループ管理テーブル、 194−195 チェックサムテーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像情報記録再生方法及び装置に関するものであり、特に、監視用途などに適用する映像情報記録再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の映像情報記録再生装置においては、映像を記録する際にカメラなどから入力された映像信号を符号化してビデオテープやハードディスクなどの記憶媒体に記録する方法が一般的であり、長時間の記録を必要とする用途の場合には、フレーム内の空間的冗長性を利用してデータサイズを小さくするJPEG(Joint Photographic Experts Group)などのイントラ符号化技術や、フレーム間の時間的冗長性も利用してデータサイズを小さくするMPEG(Moving Picture Expert Group)などのインター符号化技術が広く用いられている。
【0003】
イントラ符号化技術を用いた場合には、1枚のフレームごとにデータは独立しており、記憶媒体上ではこれらの符号化データを、固定長の区画に1枚あるいは複数枚ずつ格納して管理されている。
【0004】
一方インター符号化を用いた場合には、イントラ符号化したキーフレームがまず符号化され、そのキーフレームを基準として時間軸方向のフレーム間相関を用いて符号化したフレームがそれに続き、これらがまとまって画像情報として有意な一つのまとまりを形成する。たとえば、MPEG−4の場合、まず、データの符号化条件などを示すヘッダに続いて、イントラ符号化したキーフレームであるI−VOPのデータが続き、その後I−VOPから順次時間方向の相関を用いて符号化したV−VOPが続く。あるI−VOPから次に出現するI−VOPの直前のV−VOPまでを、ここでは所定データ単位と呼ぶことにする。記憶媒体上では固定長の区画に1つあるいは複数の所定データ単位が記録され、管理される。
【0005】
ところで、監視用途の例にみるように長時間の記録が必要な場合には、有限容量の記憶媒体に対していかに効率よく符号化データを記録するかが重要となる。従来の技術では、これらの記録データは固定長区画のデータサイズに収まる範囲の最大個数が格納される。このような管理方法においては、固定長区画のデータサイズと所定データ単位のデータサイズとを完全に一致させるのが難しいため、記憶媒体に未使用領域が発生してしまう。特にインター符号化においては、1つの所定単位データは一般に複数のフレームデータをまとめたものであるため、イントラ符号化の1フレームデータに比べて単位データサイズが大きくなるため、その結果、固定長区画に入りきれなかった場合の未使用領域は相対的に大きなものとなる傾向があり、記憶媒体上に大きな未使用領域が発生してしまう。
【0006】
この改善策として、符号化の際に所定データ単位内のフレーム数を符号化後のデータ量に応じて変化させ、所定データ単位の倍数が記憶媒体の固定長区画データ量に近づくように符号化処理を制御することで記憶媒体上の未使用領域を少なくするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2004−357086号公報(第11頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら従来の技術では、第1に、次の入力画像の推定符号量を算出して符号化処理を切り替える必要があるため、この符号量推定の演算や処理切り替えなどで処理が複雑化するという問題があった。また、推定の符号量を用いて処理を切り替えているため、実際に符号化した結果が固定長区画データ量に必ずしも一致するとは限らず、結果として未使用領域が発生する可能性があった。また、符号化時の効率という観点から見た場合に、記録映像の内容的にはイントラ符合化することなくインター符号化のP−VOPとして効率よく記録可能な映像内容である場合でも、固定長区画のデータサイズの制約から強制的にイントラ符号化に切り替えられてしまうため、符号化効率が低下する問題があった。さらに、監視用途などでは、外部のアラームや監視画像の動きをトリガとして記録条件を変更するということが一般的に行われており、記録後にこのアラームに関連付けされた映像のみを視聴することが広く行われているため、アラームなどのトリガが入力された場合にはその時点の画像をイントラ符号化し、その時点からアクセスして再生可能であることが望ましいが、特許文献1による従来技術においては、固定長区画と予想累計データサイズとから判断してイントラ符号化タイミングを決定しているため、アラームの入力時点がランダムアクセスできるイントラ符号化になっているとは限らず、その結果、アラーム時点からすばやく再生が出来ないなど、アクセス性が悪いという問題があった。
【0009】
また、記憶媒体の記録可能領域がなくなった場合には古い記録データを削除し、そのことで確保した空き領域に新しくデータを記録していくわけであるが、このときにも上記と同様に記憶媒体上に上述の無駄な未使用領域が発生するという課題があった。
【0010】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、映像情報記録再生方法において、所望データへのランダムアクセス性能を損なうことなく、有限容量の記憶媒体に対してデータ記録時の未使用領域を削減し、かつ、連続記録を繰り返した際にも記憶媒体の未使用領域を削減した長時間記録を実現する映像情報記録再生装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、入力された画像データを符号化し、この符号化した画像データを所定のデータ単位毎に記憶媒体に記録し、この所定データ単位の画像データの一つあるいは複数を連続して再生する映像情報記録再生方法において、前記所定のデータ単位毎の符号化データを、記憶媒体のデータ格納領域に連続して格納し、前記記憶媒体上でデータ格納領域とは異なる領域に設けられた管理データ領域に、前記所定データ単位毎に記録された画像データの管理情報を格納するデータ単位管理情報テーブルを作成することを特徴とした映像情報記録再生方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、符号化した映像データを所定データ単位で記憶媒体上に連続して記録しているため、記憶媒体上の固定長区画サイズと符号化データサイズとの差異により発生する記憶媒体の未使用領域を削減でき、長時間の記録を実現する。このときに、従来技術のように記録データ自体を一定のサイズ以下とするように符号化部を制御する必要が無いため、符号化部での処理負荷を低減できる。また、所望のデータにアクセスするためのデータ単位管理情報テーブルを設けてデータを管理し、そのアドレスが指し示すデータの先頭はイントラ符号化されたデータであるため、データへのランダムなアクセス性を損なうことがない。
【0013】
さらに、古いデータを削除しながら新しいデータを記録していく連続記録の際にも、記憶媒体上に設けたデータ単位管理情報テーブルにより記録領域と削除領域の管理を行っているため、少ない処理負荷で記憶媒体の未使用領域を削減して連続記録を続けることを実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明を実施するための実施の形態1による映像情報記録再生装置を説明する図であり、より具体的には装置を実現するためのブロック図である。
【0015】
図1に示される映像情報記録再生装置1は、画像入力部2と、画像符号化部3と、データ記録部4と、記憶媒体5aを備えたデータ蓄積部5と、管理データ生成部6と、管理データの書き替え部7と、管理データの読み出し部8と、データ読み出し部9と、画像復号化部10と、画像出力部11と、処理制御部12とを有する。
【0016】
なお、図1においては、映像情報記録再生装置1に直接接続されて記録の開始や停止などをユーザが指定するためのコマンド入力手段、機器の状態を表示する状態表示手段、画像の符号化及び復号化処理において一時的にデータを格納するデータ一時格納手段、出力された画像を表示する表示装置など、本発明の効果に直接影響を及ぼさない部分は省略して示している。
【0017】
本実施の形態1の映像情報記録再生装置1では、画像入力部2に接続されたカメラなどから入力された映像を、処理制御部12により所定の画質及び記録間隔に制御して画像符号化部3にて符号化を行い、その符号化データ(画像データ)をデータ記録部4により所定のデータ単位ごとにデータの記憶媒体5aを備えたデータ蓄積部5に記録する。このデータの記録において、記録データの管理情報を管理データ生成部6にて生成し、データ蓄積部5に記録する。
【0018】
また、映像情報記録再生装置1では、蓄積部5に記録された画像データを再生する際には、管理データ読み出し部8にて蓄積部5に記録された管理データを読み出して所望画像データが記録されている領域の先頭アドレスを検索し、その情報(アドレス)に基づいてデータ読み出し部9がデータ蓄積部5より所望のデータ(画像データ)を読み出し、画像復号化部10にて画像データを復号し、画像出力部11より画像が出力される。
【0019】
ここで、本実施の形態1におけるデータの記録について図2を参照して説明する。図2は、データ蓄積部5と、データ蓄積部5の記憶媒体5a上の記憶領域を示す図であり、20はデータ蓄積部5の全記録領域であり、21は管理データを保存するための管理データ領域、22は画像データを記録するための画像データ領域である。このように、本実施の形態1の映像情報記録装置1では、データ蓄積部5の記録領域20を画像データの記憶領域22と管理データの記憶領域21とに分けてデータを記録する。
【0020】
従来の技術におけるデータの記録方法では、上記のように、各固定長区画に対して、最大格納可能なフレームデータを格納する方法で画像データを記録する構造となっており、固定長区画サイズと所定データ単位サイズとの不一致によりデータの未使用領域が発生していた。
【0021】
この未使用領域の削減することを目的とした前述の特許文献1においては、符号化時の処理切り替えにより、推定符号量に応じて所定単位データ内のフレーム数を変化させて所定データ単位のサイズを固定長区画サイズに近づけるように制御することで未使用領域の削減を目指したものであるが、このとき、データサイズの制御に負荷が発生するばかりではなく、文献1の図にもあるように未使用領域も依然として発生してしまうものであった。
【0022】
本実施の形態1では、所定データ単位毎のデータは固定長区画によって区切られること無く、連続してデータ記録領域に格納される。
図3に、本実施の形態1のデータ記憶領域におけるデータ格納の例を示す。図3において、22は記憶媒体上の画像データ領域であり、41乃至55は各々一つのフレームであり、41乃至45が一つの所定データ単位61であり、51乃至55が次の所定データ単位62である。このように、各所定データ単位のデータはデータ領域で固定長の区画で区切られることなく時系列に連続的に記録され、未使用領域を発生しない。
【0023】
この画像データの記録の際には管理データ生成部6により管理データ領域21に記録するための画像の管理データが生成される。この管理データの具体例を、図4に示す。図4において、70はデータ単位管理情報テーブル、71は管理情報の第1項目となるデータ有無フラグ、72は管理情報の第2項目となる画像データの記録年月日、73は管理情報の第3項目となる画像データの記録時刻、74は管理情報の第4項目となる記憶媒体上における画像データの先頭アドレスである。この管理データは、データ有無フラグ71、記録年月日72、記録時刻73、先頭アドレス74の4項目で1件のデータを構成し、1つの所定データ単位にあたり1件の管理データが作成され、画像データが記録された順番で記憶媒体上の管理データ領域に蓄積される。
【0024】
このデータ単位管理情報テーブル70においては、「一つ以上の連続して記録された1つ以上の所定データ単位であって、その合計データサイズsum_dataが規定データサイズ(規定の最大合計データサイズ) SIZE_GROUP_MAX以下であり、かつ次の所定データ単位を加えると合計データサイズsum_dataが上記規定データサイズ(SIZE_GROUP_MAX)を超えるものを一つのグループとして扱い、データ単位管理情報テーブル70に、このグループ内の所定データ単位に各々関連付けられた管理情報に続いて、一つのグループに対する管理情報の件数(count)が規定数COUNT_NUM_MAXになるまで、ここの所定データ単位と関連づけられていない空の管理情報を生成する。
このことを、図5を参照して説明する。図5は、第1の管理情報作成処理を説明するフローチャートである。
【0025】
まず、ステップ80において、所定データ単位の合計データサイズsum_dataを「0」にリセットし、管理データ件数countを「1」にリセットする。(具体的には合計データサイズsize_dataを保持するレジスタに「0」を書き込み、管理データ件数countを記憶乃至計数する図示しないレジスタ乃至はカウンタに「1」を書込む。以下他の変数についても同様である。)
【0026】
次に、ステップ81において、所定データ単位の符号化処理を行い、次に、ステップ82で、符号化データを記憶媒体に書き込み、次に、ステップ83において、その符号化した所定データ単位のデータサイズsize_unitを取得し(所定データ単位のデータサイズsize_unitをレジスタsize_unitに書き込み)、ステップ84において、この取得した所定データ単位のサイズsize_unitを合計データサイズsum_dataに加算して、加算結果を新たな合計データサイズsum_dataとする。
【0027】
そして、ステップ85において、この合計データサイズsum_dataが規定データサイズSIZE_GROUP_MAXよりも大きいかどうか判定し、合計データサイズsum_dataが大きくなければ(ステップ85でNO)、その所定データ単位は現在のグループに属するものとして、ステップ86において、この所定データ単位に対して1件の管理データを作成する。
【0028】
その後、ステップ87において、管理情報の件数countに1を加算した上で、ステップ81に戻り、ステップ81以下の処理を繰り返す。
一方、ステップ85において、合計データサイズsum_dataが規定データサイズSIZE_GROUP_MAXよりも大きいと判断されたときは(ステップ85でYES)、ステップ88に進む。
【0029】
ステップ88においては、その一つ前の時点の所定データ単位までを一つのグループに属するものとして(即ち、最後に符号化された所定データ単位を当該グループから除外して)グループを構成し、次のステップ89にて、現在までに作成された管理情報の件数countが規定数COUNT_NUM_MAXと一致しているかどうかを判定する。
【0030】
ステップ89で、一致していなければ(ステップ89でNO)、ステップ90で、所定データ単位と関連付けされない空の管理データを作成し、ステップ91で、管理情報件数countに「1」を加算し(カウンタのカウント値countを「1」だけ大きくし)、ステップ89に戻る。
【0031】
このような処理により、ステップ89で作成された管理情報の件数(所定データ単位に関連付けられた管理情報の件数と空の管理情報の件数の和)が規定数COUNT_NUM_MAXに達するまで、空の管理情報が作成される。
管理情報の合計件数countが規定数COUNT_NUM_MAXに達すると(ステップ89でYES)、ステップ92において、先にデータサイズを取得した最新の所定データ単位と関連付けられた管理データを作成する。
【0032】
その後、ステップ93にて管理データ件数countを1に設定し、ステップ94において、合計データサイズsum_dataを、最新の所定データ単位のデータサイズsize_unitに等しくする(合計データサイズsize_dataを格納するレジスタsize_dataに最新の所定データ単位のデータサイズsize_dataの値をセットして初期化する)。
次にステップ81に戻り、以下、次のグループについて上記と同様の処理を繰り返す。
【0033】
図5に示される処理のうち、ステップ81は、画像符号化部3で実行され、ステップ86,90,92は管理データ生成部6で実行され、その他の処理は、処理制御部12で実行される。そのため、変数や定数(size_data, size_unit, count,SIZE_GROUP_MAX)などを記憶するレジスタ、カウンタなどが処理制御部12内に設けられている。
【0034】
このような処理で作成された管理データの例を図6に示す。図6は図5の処理により作成された管理データの例であり、各グループに対する管理データ件数の規定数COUNT_NUM_MAXが32である例を示している。
【0035】
図6において、22は記憶媒体上の画像データ領域、70は記憶媒体上の管理データ領域に記録されたデータ単位管理情報テーブルであり、100乃至107は画像データ領域22に記録された各所定データ単位のデータであり、そのうち所定データ単位100乃至104で一つのグループ(第1のグループ)G1が構成され、所定データ単位105乃至107で別のグループ(第2のグループ)G2が構成されている。110乃至143はデータ単位管理情報テーブル70に記録された管理データである。管理データ110乃至114は、第1のグループG1の所定データ単位100乃至104に関連付けられたものであり、管理データ130乃至132は第2のグループG2の所定データ単位105乃至107に関連付けられたものである。
【0036】
管理データ120乃至122及び141乃至143は空の管理データである。
管理データ110乃至114の件数(5)と管理データ120乃至122の件数(27)の合計が32であり、管理データ130乃至132の件数(3)と管理データ141乃至143の件数(29)合計が32である。
【0037】
このように、図示の例では、所定データ単位100〜104が一つのグループ(第1のグループ)G1を構成するものとして扱われ、このグループG1に対して所定のデータ単位に関連付けられた管理データ110乃至114と空の管理データ120乃至122の総件数が規定数32となるように空の管理データが付加されている。
【0038】
同様に所定データ単位105乃至107が次のグループ(第2のグループ)G2を構成するものとして扱われ、このグループG2に対して所定のデータ単位に関連付けられた管理データ130乃至132と空の管理データ141乃至143の総件数が規定数32となるように、空の管理データが付加されている。
【0039】
次に、このように構成した管理データを用いて、記憶媒体上に連続した記録を実施する場合の処理について説明する。監視用途などでは、数日、あるいは数ヶ月などの長期間にわたってデータを記録し続けるといった連続的な記録が一般的に行われ、この場合には、過去に記録した一番古いデータから順にデータを削除して、そのことにより新たに確保された空き領域に新しいデータを記録する。この場合にも、データへのアクセス性を損なうことなく、かつ、記憶媒体上に未使用領域を作成しないことが重要である。
【0040】
本実施の形態1において、図4を参照して説明した処理で構成したデータ単位管理情報テーブル70を用いて連続的な記録処理を行う方法を、図7を参照して説明する。図7は、記憶媒体上に新しく記録するための空き領域が無くなり、記憶媒体上の古いデータを削除しながら新しいデータを記録する手法を説明するフローチャートである。本実施の形態においては、記録されたデータは、先に説明したグループ単位で削除するものとする。
【0041】
まず、ステップ150において、削除した領域のサイズの合計値(削除領域サイズ)sum_deleteを0に設定し、次に、ステップ151において、削除するグループを指定する値(グループ番号)target_groupを、一番古いグループを意味する「1」に設定し、次にステップ152において、削除する一つ目のグループかどうかを判別するフラグflg_firstを「1」に設定する。
【0042】
続いて、ステップ153において、データ単位管理情報テーブル70を用いて1番目のグループに対応する管理データよりこのグループが占有しているデータサイズsize_targetを算出する(データサイズを算出してレジスタsize_targetに格納する)。このデータサイズの算出はアドレス値を元に行われる。即ち、一つのグループの最初のデータ単位の先頭アドレス74と、次のグループの最初のデータ単位の先頭アドレスとを読み出し、両者の差(後者から前者を引いた値)をデータサイズsize_targetとする。但し、アドレスで最後尾のデータに対しては、別途管理しているポインタにてそのデータの終端を知るものとする。
【0043】
その後ステップ154にてこのグループ番号target_groupで指定されるグループのデータを削除する。
【0044】
次にステップ155において、ステップ153で算出されたデータサイズsize_targetを、削除した領域サイズの合計値(合計データサイズ)sum_deleteに加算して加算結果を新たな合計データサイズsize_deleteとする。合計データサイズsize_deleteは、現在までにどれだけのデータが削除されたかを示す。
【0045】
そして、ステップ156において、ターゲットとするグループ番号を一つ進めする(即ち、グループ番号(最初は最も古いグループを表す「1」であった)に「1」を加算し、次に古いグループを指定する番号にする)。
【0046】
次に、ステップ157において、ステップ154で実行されたグループの削除処理が、初めて行われたものであるかどうかをフラグflg_firstを参照することにより判別し、最初のグループであった場合には、次にステップ158においてフラグflg_firstを「0」にした上で、ステップ153に戻り、ステップ153乃至ステップ156をもう一度実施する。
【0047】
上記のようにしてステップ153乃至156が二度目に実行された時点では、ステップ157の判定を行うと、結果はNO(フラグflg_firstが1ではない)となる。
【0048】
そこで、次にステップ159において、削除したデータのサイズの合計(合計データサイズ)sum_delteが、記録時の規定データサイズSIZE_GROUP_MAXより大きいかどうかの判定を行う。
【0049】
累計値sum_deleteが規定データサイズSIZE_GROUP_MAX以下の場合には(ステップS159でNO)、ステップ153に戻り、ステップ153以下の、上記と同様の処理を繰り返す。
【0050】
ステップ159において、合計データサイズ(累計値)sum_deleteが規定データサイズSIZE_GROUP_MAXより大きい場合(ステップ159でYES)には、ここで空き領域確保のためのデータ削除作業は一時中断され、ここまでの処理で確保した空き領域に対して、ステップ160にて新しいグループのデータならびに管理情報の書き込みを行う。
【0051】
このステップ160では、図5のステップ80乃至94と同様の処理が行われる。処理の最後におけるデータ合計size_dataが合計データサイズsum_groupとして一時記憶される(レジスタsize_groupに格納される)。
【0052】
そしてステップ161において、ステップ160にて記録したグループの合計データサイズsum_groupをレジスタsum_groupに格納し、ステップ162にて、削除したデータサイズの累計値(合計データサイズ)sum_delteから新たに記録したグループのデータサイズsum_groupを減算し、減算結果を新たな、「削除したデータサイズの累計値(合計データサイズ)」sum_deleteとする(即ち減算結果をレジスタsum_deleteに書込む)。この累計値は、先に確保した空き領域がどれだけ残っているのかを表すものである。
その後、処理153から同様にこれら一連の処理を繰り返す。
【0053】
図7の処理のうち、ステップ153は管理データ読み出し部8及び処理制御部12で実行され、ステップ154はデータ記録部4(実際にデータを消去する場合)又は管理データ生成部6(管理データを書換えるだけの場合)で実行され、その他の処理は、処理制御部12で実行される。そのため、変数や定数(flg_first, size_target, target_group, size_delete, size_data)などを記憶するレジスタが処理制御部12内に設けられている。
【0054】
ところで、本実施の形態において、各所定データ単位のデータサイズは固定長のサイズにするような処理は行っていないため、新たに記録するグループにおける所定データ単位の件数が先に削除したグループの所定データ単位数と異なるケースが考えられるが、先に説明したように、データ単位管理情報テーブルでは各グループに対して空の管理データ領域を付加して、管理データの総件数が規定数(図6に示す例では32)となるようにしているので、新しく書き込んだグループのデータ件数が、削除したグループのデータ件数より多い場合においても、上記規定数を上回らない限り問題なくそれら所定データ単位の管理情報を作成できるとともに、すでに記録している過去のデータに対する管理情報にも不整合を生じることは無い。
【0055】
なおこれら一連の処理の中でデータを削除する際には、データ単位管理情報テーブル70におけるデータ有無フラグ71を管理データ書き替え部7にて「1」から「0」に書き替えてデータが存在しないことを明示し、データを記録する場合に、データ有無フラグを「0」から「1」に書き替えることでデータが存在していることを明示する。このことで、管理データ検索において、どのデータが削除されているのかを瞬時に知ることが可能となる。
【0056】
以上説明したように構成したことで、画像データを記憶媒体5a上に記録する際に、画像データを固定長区画で区切ることなく所定データ単位ごとに連続して記録することが可能となり、記憶媒体上の未使用領域の削減を実現することができる。また、古いデータを削除しながら新しいデータを記録する連続的な記録においても、データ単位管理情報テーブル70によるデータ管理方法により、未使用領域の削減を実現することができる。このとき、従来例のように符号化における高度なデータ量制御は必要ではなく、簡易な構成で実現可能である。
【0057】
また、本構成では記録されたデータを再生する際には、データが固定区画に区切られていなくても、データ単位管理情報テーブル70の第2項目(72)及び第3項目(73)から所望の日時データを検索し、第4項目(74)に記述されているアドレスより所望データの記録領域を検索可能であり、また、このアドレスで示されたデータの先頭は必ずイントラ符号化されたI−VOPであるのでその部分からの再生が可能となり、所望データへの良好なアクセスも実現する効果がある。
【0058】
なお、データ単位管理情報テーブル70において、一つのグループに対して割り当てるデータ件数の規定数(COUNT_NUM_MAX)は、実際の画像データ記録時の符号化条件によって考えうる最大数以上を割り当てればよいものであり、上記の例のように「32」に限るものではない。
【0059】
また、一つ以上の所定データ単位のまとまりをグループとして扱うための規定データサイズ(SIZE_GROUP_MAX)についても、その装置を実現するためのキャッシュサイズやハードウェア構成、及び記録される符号化データのサイズに応じて設定すればよいものであり、上記の例の数値に限定されるものではない。
【0060】
また、データを連続的に記録した場合には、最新のデータと関連付けられた管理データが、データ単位管理テーブル70の最後尾ではなく中間に位置することになるが、この終端位置は、前記データ有無フラグ71から知ることが出来る。但し、このようにする代わりに、データ単位管理テーブル70のデータ有無フラグ71にその所定データ単位が最後尾のデータであることを示す固有の値、たとえば、256などを割り当ててもよく、あるいは、装置上に設けられた不揮発性メモリなど別の手段でその終端のポインタを管理してもよい。
【0061】
また、本実施の形態1で示したデータ単位管理情報テーブル70に格納されるデータは、上記した例のものに限定されるわけではなく、例えば日付や時刻の情報は直接的に日付や時刻の値である必要は無く、算術演算などを用いて日時が一意に決定されればよく、たとえば日付と時刻とを同時にシリアルな連続値で示す方法でも良いし、また、別の効果を目的として上記の例で示したデータ単位管理情報テーブル70の項目以外に例えばカメラ番号やセンサの状態などの属性データを含んでいても良い。
【0062】
さらに、データを削除する際には、実際のデータ領域を必ずしも削除する必要は無く、データ単位管理情報テーブルでのみデータを削除したことを明示し、対応するデータ領域が書き込み可能であることを明示するだけでも一向に構わない。
【0063】
実施の形態2.
実施の形態1では、データ単位管理情報テーブルとして図4に示すものを用いているが、それに加えて図8に示すグループ管理情報テーブルを用いても良い。
【0064】
図8に示されるグループ管理情報テーブル170には、管理情報の第1項目となるデータ状態フラグ171と、管理情報の第2項目となるグループ合計データサイズ172と、管理情報の第3項目となるグループ先頭アドレスである173とが各グループの画像データの記録日時の順番に連続して記録される。グループ管理情報テーブル170では、前述した所定データ単位のまとまりで構成される一つのグループに対して第1項目乃至第3項目の1件の管理データが作成される。このグループ管理情報テーブル170において、データ状態フラグ171は、そのグループのデータが記録されていることを示すものであり、データが記録されている場合はたとえば0x01の値を設定し、データが消去された場合には0x00の値を設定するものとする。
【0065】
本実施の形態2の映像情報記録装置はデータを記録する際に、実施の形態1と同様に、データ単位管理情報テーブル70にて各所定データ単位ごとの管理データを作成するが、このとき、一つ以上の連続した所定データ単位のデータサイズ合計値が規定データサイズ(SIZE_GROUP_MAX)以下となる範囲が一つのグループとして扱われ、この一つのグループに対して、データ状態フラグ、そのグループの合計データサイズ、そのグループの先頭データアドレスとを有する1件の管理データが作成され、このデータが連続して記録されてグループ管理情報テーブル170が構成される。
【0066】
図9を参照して、本実施の形態2で作成されるグループ管理情報テーブル170について説明する。図9において、180はグループ管理情報テーブル170の1件目の管理データ、181は2件目の管理データであり、そのほか、図6及び図8と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。図9において、データ単位管理情報テーブル70における管理データ110乃至122が一つのグループとして扱われており、本グループ管理情報テーブル170では、この管理データ110乃至122に対応するグループに対して、1件の管理データ180が生成される。同様に、データ単位管理情報テーブル70の管理データ130乃至143が一つのグループに対応し、このグループに対して、1件の管理データ181が生成される。
【0067】
このようなデータ単位管理情報テーブル70及びグループ管理情報テーブル170を管理データ領域21に作成しながら画像データの記録を行う際に、長時間の記録を続け記憶媒体の空き容量がなくなった場合には、一番古いデータを削除することで新たなデータ記録のための空き領域を確保し、連続的な記録を続行し、このときに、データは一つのグループごとに前述の処理(実施の形態1で図7を参照して説明した処理)により削除されるわけであるが、このグループ管理情報テーブル170を用いることで、記憶媒体5a上に未使用領域を発生させることなくデータの連続記録を行う際に、空き領域確保のために削除が必要なグループの数を映像情報記録再生装置はグループ管理情報テーブル170から容易に取得できるため、映像情報記録再生装置の処理負荷を低減する効果があり、性能が低い映像情報記録再生装置においても未使用領域削減という効果を実現可能となる。
【0068】
なお、グループ管理情報テーブル170においては、その内容は図示の例に限定されるわけではなく、別の効果を目的として上記の例で示した項目以外の情報を含んでいても良い。
【0069】
実施の形態3.
図10及び図11は、本発明を実施するための実施の形態3による映像情報記録再生装置を説明するための図であり、より具体的には図10は装置を実現するためのブロック図であり、図11は記憶媒体5a上の記録領域の説明図である。
【0070】
図10に示す映像情報記録再生装置は、図1に示すものと概して同じであり、図1と同様の部材には同一の符号が付されている。図10に示す装置は、管理データ比較部13が付加されている点で異なる。
また、図11において、190は第1のデータ単位管理情報テーブル、191は第1のグループ管理情報テーブル、192は第2のデータ単位管理情報テーブル、193は第2のグループ管理情報テーブル、194はデータ単位管理情報テーブル用のチェックサムテーブル、195はグループ管理情報テーブル用のチェックサムテーブルである。
【0071】
図11に示したように、本実施の形態の映像情報記録再生装置では、データ単位管理情報テーブル(190、192)が2箇所に設けられ、また、グループ管理情報テーブル(191、193)が2箇所に設けられており、データ単位管理情報テーブル190及び192は互いに同一の内容で構成され、グループ管理情報テーブル191及び193も互いに同一の内容で構成される。また、データ単位管理情報テーブル190及び192に対して、データの正当性を評価するためのチェックサムテーブル194が設けられ、また、グループ管理情報テーブル191及び193に対して同様のチェックサムテーブル195が設けられている。
【0072】
本実施の形態3の映像情報記録再生装置では、データ記録の際に、管理データ生成部6にてデータ単位管理情報テーブル(190,192)を記憶媒体5aの2箇所に同一内容で作成する。このときに、データ単位管理情報テーブル(190,192)の一定個数のデータ単位ごとに、記述された内容のデータ量を合計し、その量を表す値をデータ単位管理情報テーブル用チェックサムテーブル194として記録する(テーブルを作成乃至テーブルに記録する)。同様に、データの記録の際に管理データ生成部6にて記憶媒体5aの2箇所に同一の内容でグループ管理情報テーブル(191,193)を作成し、このときに、グループ管理情報テーブル(191,192)に対しては、1つのグループごとにデータ量の合計を算出してグループ管理情報テーブル用チェックサムテーブル195を作成する(テーブルに記録する)。
【0073】
本実施の形態の映像情報記録再生装置の動作においては、まず、管理データ比較部13において、2つのデータ単位管理情報テーブル190及び192のデータを互いに比較し、両者のデータに差異が無い場合にはいずれか一方のデータ単位管理情報テーブル190又は192、例えば第1の管理情報テーブル190を使用してデータの検索及び管理を行う。両者間に差異があった場合には、差異があった箇所のデータ量をチェックサムテーブル194に記録されている値と、管理データ比較部13において、比較し、いずれかが合致すれば、合致した方のデータ単位管理情報テーブル(190,192の一方)をデータの検索に使用するように切り替える。
グループ管理情報テーブル(191,193)に関しても同様に、管理データ比較部13において、2つの管理情報テーブル191及び193のデータを互いに比較し、両者のデータに差異が無い場合にはいずれか一方のグループ管理情報テーブル(191,193の一方)、例えば第1のグループ管理情報テーブル191を使用してデータの検索及び管理を行う。両者間に差異があった場合には、差異があった箇所のデータ量をチェックサムテーブル195に記録されている値と、管理データ比較部13において、比較し、いずれかが合致すれば、合致した方のグループ管理情報テーブル(191,193の一方)をデータの検索に使用するように切り替える。
【0074】
なお、この管理情報テーブルのデータの比較処理は、あらかじめ設定したタスクスケージュールに基づいて実施されればよく、たとえば、毎日決まった時間に行う方法や、あるいは、装置が動作を開始してから一定時間経過ごとに実施するなどの方法でよい。
【0075】
このように構成したことで、記憶媒体上に未使用領域を生じない本実施の形態の映像情報記録再生装置にあって、データ単位管理情報テーブル及びグループ管理情報テーブルの一部が何らかの原因で破損した際にも、データ単位管理情報テーブル及びグループ管理情報テーブルをそれぞれ2つ有し、かつ、そのチェックサムテーブルを有していることで、データの破損していない管理情報テーブル(データ単位管理情報テーブル、グループ管理情報テーブル)を選択することができるため、記録及び再生の続行が可能となる。
【0076】
なお、この実施の形態ではデータ単位管理情報テーブルとグループ管理情報テーブルとの両方に対して、同一内容の管理情報テーブルを2つ設け、かつ、それぞれのチェックサムテーブルを設けるわけであるが、これらの管理情報を記録する記憶媒体上の位置については上記の例に限定されるものではなく、例えば、2つの管理情報テーブル(データ単位管理情報テーブル、グループ管理情報テーブル)を連続して(互いに隣り合う領域に)記録する形態であってもかまわない。
【0077】
実施の形態4.
図12は、本発明の実施の形態4による映像情報記録再生装置を説明するための図であり、より具体的には、本装置の構成を示すブロック図である。図12において14は管理データ蓄積部であり、図1と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
【0078】
本実施の形態の映像情報記録再生装置では、画像データはデータ蓄積部5に記録され、データ単位管理情報テーブル70及びグループ管理情報テーブル170は、画像データを記憶するデータ蓄積部5とは異なる記憶媒体14aを有する管理データ蓄積部14にそれぞれ記録される、この管理データを記憶するための記憶媒体14aは、たとえば揮発性のメモリなどで構成される。一般に、画像データの長時間記録においてはその画像データサイズは莫大なものとなるため、HDDなどの容量単価の安い記憶媒体が利用されるが、管理データは画像データに比べてデータサイズが格段に小さいため、その情報を半導体メモリなどに記録することも可能である。
【0079】
このように構成することで、記憶媒体上に未使用領域を生じない本実施の形態の映像情報記録再生装置にあって、管理情報テーブルを記録するための記憶媒体を半導体メモリで構成した場合には、一般にHDDなどの記憶媒体に比べてアクセス速度が速いため、管理情報テーブル(70,170)及び画像データにアクセスする際に所望データの検索に要する時間が低減できるため、より良好なデータアクセス性能を実現する。また、一つの媒体上で管理データと画像データとの両方にアクセスする場合に比べて、一つの媒体あたりのアクセス回数を削減することが可能となり、その結果、消耗部品であるHDDへのアクセス回数が削減可能となり、製品の長寿命化の効果がある。
【0080】
なお、本実施の形態4では、データ単位管理情報テーブル及びグループ管理情報テーブルのいずれをも画像データを記憶する記憶媒体とは異なる記憶媒体に記録する例で示したが、管理データへのアクセス頻度や使用可能な管理データ蓄積部14の容量などに応じて、データ単位管理情報テーブルのみあるいはグループ管理情報テーブルのみを画像データを記憶する記憶媒体とは異なる記憶媒体に記録してもよい。
【0081】
また、管理データ量域用の記憶媒体14のサイズに対して、管理情報テーブル(70,170)のデータサイズが相対的に十分に小さい場合には、データ単位管理情報テーブル及びグループ管理情報テーブルをそれぞれ一つずつに限る必要は無く、実施の形態3で説明したようにそれぞれ複数のテーブルを設けても良い。この場合、実施の形態3で説明したように、管理データ比較部13を設けて管理情報テーブルのデータの比較処理を行う。
【0082】
以上、実施の形態を説明したが、いずれの実施形態においても、映像記録再生装置は専用のハードウェアをもってして構成しても良いし、汎用のパーソナルコンピュータ上でソフトウェアによる処理手段により実現しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施の形態1の映像情報記録再生装置を説明するための、ブロック図である。
【図2】実施の形態1の映像情報記録再生装置を説明するためのデータ蓄積領域図である。
【図3】実施の形態1の映像情報記録再生装置を説明するための、データ格納構造図である。
【図4】実施の形態1の映像情報記録再生装置を説明するための、管理データ構成図である。
【図5】実施の形態1の映像情報記録再生装置におけるデータ管理方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施の形態1の映像情報記録再生装置を説明するための管理データ構成図である。
【図7】実施の形態1の映像情報記録再生装置における、連続記録動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施の形態2の映像情報記録再生装置を説明するための管理データ構成図である。
【図9】実施の形態2の映像情報記録再生装置を説明するための管理データ構成図である。
【図10】実施の形態3の映像情報記録再生装置を説明するためのブロック図である。
【図11】実施の形態3の映像情報記録再生装置を説明するための記憶媒体領域構成図である。
【図12】実施の形態4の映像情報記録再生装置を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0084】
1 映像情報記録再生装置、 2 画像入力部、 3 画像符号化部、 4 データ記録部、 5 データ蓄積部、 6 管理データ生成部、 7 管理データ書き替え部、 8 管理データ読み出し部、 9 データ読み出し部、 10 画像符号化部、 11 画像出力理部、 12 制御処理部、 13 管理データ比較部、 14 管理データ蓄積部、 20 全データ領域、 21 管理データ領域、 22 画像データ領域、 30 固定長区画領域、 41 VOP1、 42 VOP2、 43 VOP3、 44VOP4、 45 VOP5、 51 VOP6、 52 VOP7、 53 VOP8、 54 VOP9、 55 VOP10、 61 所定データ単位1、 62 所定データ単位2、 70 データ単位管理情報テーブル、 71 データ有無フラグ、 72 記録年月日、 73 記録時刻、 74 先頭アドレス、 100〜107 所定データ単位、 110〜143 管理データ、 170 グループ管理情報テーブル、 171 データ状態フラグ、 172 グループ合計データサイズ、 173 先頭アドレス、 180〜181 管理データ、 190 第1のデータ単位管理テーブル、 191 第1のグループ管理テーブル、 192 第2のデータ単位管理テーブル、 193 第3のグループ管理テーブル、 194−195 チェックサムテーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像データを符号化し、この符号化した画像データを所定のデータ単位毎に記憶媒体に記録し、この所定データ単位の画像データの一つあるいは複数を連続して再生する映像情報記録再生方法において、
前記所定のデータ単位毎の符号化データを、記憶媒体のデータ格納領域に連続して格納し、
前記記憶媒体上でデータ格納領域とは異なる領域に設けられた管理データ領域に、前記所定データ単位毎に記録された画像データの管理情報を格納するデータ単位管理情報テーブルを作成する
ことを特徴とした映像情報記録再生方法。
【請求項2】
前記データ単位管理情報テーブルにおいて、
所定のデータ単位毎に固定長の1件の管理情報を作成し、1件の管理情報には所定データ単位のデータが記録された日時情報及び記録データの先頭アドレス情報を含み、これら各1件の管理情報が記録日時の順に連続して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の映像情報記録再生方法。
【請求項3】
前記データ格納領域に連続して記録された1つ以上の所定データ単位であって、
その合計データサイズが規定データサイズ以下であり、次の所定データ単位を加えると合計データサイズが前記規定データサイズを超えるものを、一つのグループとして扱い、
前記データ単位管理情報テーブルに、このグループ内の所定データ単位に各々関連付けられた管理情報に続いて、
一つのグループに対する管理情報の件数が規定数になるまで個々の所定データ単位と関連付けされていない空の管理情報を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の映像情報記録再生方法。
【請求項4】
前記データ格納領域上で、データの記録により新たにデータを記録するための空き領域がなくなった場合に、古いデータを削除して空き領域を確保しながら新しいデータの記録を行う処理において、
1つ以上の所定データ単位で構成されて合計データサイズが規定データサイズ以下となる範囲で記録されている前記グループを削除する際に、記録されているデータの中で記録日時の古いものから順にグループ単位で削除され、新しいデータの書き込みを行う時点では必ず2つ以上のグループが削除されており、かつ、削除されているデータ領域のサイズが前記規定データサイズを超える複数のグループが削除されており、また、新しいデータの記録の際には、記録するデータの合計データサイズが前記規定データサイズ以下となる範囲で1つのグループを記録し、これらのデータグループの削除と記録とを必要な範囲で繰り返し、このときにデータ単位管理情報テーブルの一部を再構成することを特徴とする請求項1に記載の映像情報記録再生方法。
【請求項5】
前記データ格納領域に連続して記録された1つ以上の所定データ単位の合計データサイズが規定された値以下となる範囲をグループとして扱い、このグループに対して、前記データ単位管理情報テーブルとは別に、グループの情報を管理するためのグループ管理情報テーブルを作成することを特徴とする請求項1に記載の映像情報記録再生方法。
【請求項6】
前記グループ管理情報テーブルにおいて、
各グループに対して各1件の管理情報を構成し、1件の管理情報には各グループに含まれる全ての所定データ単位の合計データサイズと、各グループの先頭アドレス情報とを含み、これら各1件の管理情報が各グループの画像データの記録日時の順番に連続して構成されていることを特徴とする請求項5に記載の映像情報記録再生方法。
【請求項7】
前記データ単位管理情報テーブルを、記憶媒体上に同一内容で2つ以上構成し、かつ、前記データ単位管理情報テーブルの一定範囲ごとのデータ量を記録するデータ単位管理情報テーブル用チェックサムテーブルを設けることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の映像情報記録再生方法。
【請求項8】
前記グループ管理情報テーブルを、記憶媒体上に同一内容で2つ以上構成し、かつ、前記グループ管理情報テーブルの一定範囲ごとのデータ量を記録するグループ管理情報テーブル用チェックサムテーブルを設けることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の映像情報記録再生方法。
【請求項9】
前記データ単位管理情報テーブルを、画像データが格納された記憶媒体とは異なる記憶媒体に格納することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の映像情報記録再生方法。
【請求項10】
前記グループ管理情報テーブルを、画像データが格納された記憶媒体とは異なる記憶媒体に格納することを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載の映像情報記録再生方法。
【請求項11】
画像の入力部と、
入力された画像を符号化する手段と、
この符号化した画像データを蓄積するデータ蓄積手段と、
この蓄積された画像データの中から所望のデータを探し出すための画像検索手段と、
所望画像データの読み出しを制御する手段と、
符号化した画像データを所定データ単位毎の符号化データとして記憶媒体のデータ格納領域に連続して格納し、前記記憶媒体上でデータ格納領域とは異なる領域に設けられた管理データ領域に、前記所定単位毎に記録したデータの管理情報を格納するデータ単位管理情報テーブルを作成する管理データ生成手段と
を有することを特徴とする映像情報記録再生装置。
【請求項12】
前記管理データ生成手段が、前記データ格納領域に連続して記録された1つ以上の所定データ単位をグループとして扱い、このグループに対してグループ管理情報テーブルを作成することを特徴とする請求項11に記載の映像情報記録再生装置。
【請求項1】
入力された画像データを符号化し、この符号化した画像データを所定のデータ単位毎に記憶媒体に記録し、この所定データ単位の画像データの一つあるいは複数を連続して再生する映像情報記録再生方法において、
前記所定のデータ単位毎の符号化データを、記憶媒体のデータ格納領域に連続して格納し、
前記記憶媒体上でデータ格納領域とは異なる領域に設けられた管理データ領域に、前記所定データ単位毎に記録された画像データの管理情報を格納するデータ単位管理情報テーブルを作成する
ことを特徴とした映像情報記録再生方法。
【請求項2】
前記データ単位管理情報テーブルにおいて、
所定のデータ単位毎に固定長の1件の管理情報を作成し、1件の管理情報には所定データ単位のデータが記録された日時情報及び記録データの先頭アドレス情報を含み、これら各1件の管理情報が記録日時の順に連続して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の映像情報記録再生方法。
【請求項3】
前記データ格納領域に連続して記録された1つ以上の所定データ単位であって、
その合計データサイズが規定データサイズ以下であり、次の所定データ単位を加えると合計データサイズが前記規定データサイズを超えるものを、一つのグループとして扱い、
前記データ単位管理情報テーブルに、このグループ内の所定データ単位に各々関連付けられた管理情報に続いて、
一つのグループに対する管理情報の件数が規定数になるまで個々の所定データ単位と関連付けされていない空の管理情報を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の映像情報記録再生方法。
【請求項4】
前記データ格納領域上で、データの記録により新たにデータを記録するための空き領域がなくなった場合に、古いデータを削除して空き領域を確保しながら新しいデータの記録を行う処理において、
1つ以上の所定データ単位で構成されて合計データサイズが規定データサイズ以下となる範囲で記録されている前記グループを削除する際に、記録されているデータの中で記録日時の古いものから順にグループ単位で削除され、新しいデータの書き込みを行う時点では必ず2つ以上のグループが削除されており、かつ、削除されているデータ領域のサイズが前記規定データサイズを超える複数のグループが削除されており、また、新しいデータの記録の際には、記録するデータの合計データサイズが前記規定データサイズ以下となる範囲で1つのグループを記録し、これらのデータグループの削除と記録とを必要な範囲で繰り返し、このときにデータ単位管理情報テーブルの一部を再構成することを特徴とする請求項1に記載の映像情報記録再生方法。
【請求項5】
前記データ格納領域に連続して記録された1つ以上の所定データ単位の合計データサイズが規定された値以下となる範囲をグループとして扱い、このグループに対して、前記データ単位管理情報テーブルとは別に、グループの情報を管理するためのグループ管理情報テーブルを作成することを特徴とする請求項1に記載の映像情報記録再生方法。
【請求項6】
前記グループ管理情報テーブルにおいて、
各グループに対して各1件の管理情報を構成し、1件の管理情報には各グループに含まれる全ての所定データ単位の合計データサイズと、各グループの先頭アドレス情報とを含み、これら各1件の管理情報が各グループの画像データの記録日時の順番に連続して構成されていることを特徴とする請求項5に記載の映像情報記録再生方法。
【請求項7】
前記データ単位管理情報テーブルを、記憶媒体上に同一内容で2つ以上構成し、かつ、前記データ単位管理情報テーブルの一定範囲ごとのデータ量を記録するデータ単位管理情報テーブル用チェックサムテーブルを設けることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の映像情報記録再生方法。
【請求項8】
前記グループ管理情報テーブルを、記憶媒体上に同一内容で2つ以上構成し、かつ、前記グループ管理情報テーブルの一定範囲ごとのデータ量を記録するグループ管理情報テーブル用チェックサムテーブルを設けることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の映像情報記録再生方法。
【請求項9】
前記データ単位管理情報テーブルを、画像データが格納された記憶媒体とは異なる記憶媒体に格納することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の映像情報記録再生方法。
【請求項10】
前記グループ管理情報テーブルを、画像データが格納された記憶媒体とは異なる記憶媒体に格納することを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載の映像情報記録再生方法。
【請求項11】
画像の入力部と、
入力された画像を符号化する手段と、
この符号化した画像データを蓄積するデータ蓄積手段と、
この蓄積された画像データの中から所望のデータを探し出すための画像検索手段と、
所望画像データの読み出しを制御する手段と、
符号化した画像データを所定データ単位毎の符号化データとして記憶媒体のデータ格納領域に連続して格納し、前記記憶媒体上でデータ格納領域とは異なる領域に設けられた管理データ領域に、前記所定単位毎に記録したデータの管理情報を格納するデータ単位管理情報テーブルを作成する管理データ生成手段と
を有することを特徴とする映像情報記録再生装置。
【請求項12】
前記管理データ生成手段が、前記データ格納領域に連続して記録された1つ以上の所定データ単位をグループとして扱い、このグループに対してグループ管理情報テーブルを作成することを特徴とする請求項11に記載の映像情報記録再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−351089(P2006−351089A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−174762(P2005−174762)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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