説明

映像生成装置および映像生成方法

【課題】映像データを構成する画素毎の画素データの色を加工し、彩度を向上させて高画質な映像データを生成することが可能となる。
【解決手段】映像生成装置100は、右眼用の映像データを構成する右眼用の複数の画素データおよび左眼用の映像データを構成する左眼用の複数の画素データを取得する映像取得部150と、画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換する第1色変換部162と、画素データが示す色を、変換された第1色と視覚混合すると変換前の画素データが示す色となる色特性上の第2色に変換する第2色変換部164と、右眼用の画素データまたは左眼用の画素データのいずれか一方の眼用の画素データを第1色変換部に供給し、対応する他方の眼用の画素データを第2色変換部に供給する色変換制御部166と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイに表示させるための表示データを生成する映像生成装置および映像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、左右のカメラのうち右のカメラ(撮像部)で撮像した映像を右眼に、左のカメラ(撮像部)で撮像した映像を左眼に水平視差を設けて視認させることで、ユーザ(観察者)に対して、あたかもオブジェクトが立体的に存在するように知覚させる技術が、映画やテレビジョン放送等様々な映像技術に採用されている。
【0003】
このような立体的な映像表示を実現するための技術については、様々な提案がなされており、例えば、水平視差のある右眼用の映像と左眼用の映像を、それぞれ垂直方向に短冊状に分解し、分解した右眼用の映像と、分解した左眼用の映像とを交互に並べた映像を、この映像から所定距離離隔した位置に設けられた、短冊状の開口部と遮光部とを有するパララックス・バリアを介して、左右それぞれの眼でそれぞれの眼に対応した視差映像を視認させることにより立体映像を知覚させる技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
さらに、μpolやXpol(登録商標)といった偏光フィルタ方式(パッシブタイプ)が開発されており、偏光フィルタ方式を採用する場合、ディスプレイの表示面に、偏光特性が異なる2種類の偏光フィルタが隔行で(1表示ライン毎に)交互に配置される。ここで、偏光特性が異なるとは、偏光フィルタに直線偏光を利用する場合、一方の偏光フィルタと他方の偏光フィルタとの偏光が例えば直交しており、円偏光を利用する場合、一方の偏光フィルタは右偏光であり他方の偏光フィルタが左偏光であることをいう。そして、一方の偏光フィルタが配置された表示ラインに右眼用の映像データを、他方の偏光フィルタが配置された表示ラインに左眼用の映像データを表示させると、観察者は、偏光眼鏡を通じて、隔行の表示ラインに示された右眼用の映像を右眼で、左眼用の映像を左眼で視認し、両眼視差による立体映像を知覚することが可能となる。
【0005】
さらに、電子シャッタ方式(アクティブタイプ)も開発されており、電子シャッタ方式を採用する場合、ディスプレイに、例えば120fps(Frame Per Second)といったフレーム切換速度で右眼用の映像データと左眼用の映像データとを交互に表示させる。そして、フレームに同期させて、右眼用の映像データを表示させているときには右のシャッタを開、左のシャッタを閉にし、左眼用の映像データを表示させているときには右のシャッタを閉、左のシャッタを開にする電子シャッタ眼鏡を通じて、観察者は、右眼用の映像を右眼で、左眼用の映像を左眼で、時分割で交互かつ排他的に視認し、両眼視差による立体映像を知覚することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09―18897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した立体映像を知覚させるための映像や、2次元映像を表示させるためのディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成されており、表示させる映像をより美しく見せるべく、例えば、ディスプレイを構成する発光素子等の材料を工夫することで、映像の彩度を向上させることが考えられる。
【0008】
しかし、発光素子の材料による彩度の向上には限界があり、また莫大な開発コスト、材料コストや製造コストもかかってしまう。したがって、簡易な方法で彩度を向上させる技術が望まれている。
【0009】
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、映像データを構成する画素毎の画素データの色を加工し、彩度を向上させて高画質な映像データを生成することが可能な、映像生成装置および映像生成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の映像生成装置は、立体映像を知覚させるための右眼用の映像データを構成する右眼用の複数の画素データおよび左眼用の映像データを構成する左眼用の複数の画素データを取得する映像取得部と、右眼用の画素データまたは左眼用の画素データのいずれか一方の眼用の画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換する第1色変換部と、右眼用の画素データまたは左眼用の画素データの他方の眼用の画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換し、さらに、変換された第1色と視覚混合すると変換前の画素データが示す色となる色特性上の第2色に変換する第2色変換部と、右眼用の画素データまたは左眼用の画素データのいずれか一方の眼用の画素データを第1色変換部に供給するように制御し、第1色変換部に供給した右眼用の画素データまたは左眼用の画素データのいずれか一方の眼用の画素データに対応する他方の眼用の画素データを第2色変換部に供給するように制御する色変換制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記色変換制御部は、右眼用の画素データまたは左眼用の画素データのうち一方の眼用の画素データの供給先を、第1色変換部と第2色変換部とにフレーム毎に交互となるように切り換え、かつ、同一タイミングでは右眼用の画素データまたは左眼用の画素データの他方の眼用の画素データと排他的になるように切り換えるように制御してもよい。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の他の映像生成装置は、映像データを構成する複数の画素データを取得する映像取得部と、画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換する第1色変換部と、画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換し、さらに、変換された第1色と視覚混合すると変換前の画素データが示す色となる色特性上の第2色に変換する第2色変換部と、画素データの供給先を、第1色変換部と第2色変換部とにフレーム毎に交互に切り換える色変換制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記第1色変換部は、画素データをRGBデータからXYZ表色系データに換算し、さらにXYZ表色系データをL表色系データに換算し、第1色として、換算したL表色系データに基づきL表色系の純色を示すデータを算出し、算出した第1色を、L表色系データからXYZ表色系データに換算し、さらにXYZ表色系データからRGBデータに換算してもよい。
【0014】
上記第2色変換部は、画素データをRGBデータからXYZ表色系データに換算し、さらにXYZ表色系データをL表色系データに換算し、第1色として、換算したL表色系データに基づきL表色系の純色を示すデータを算出し、第2色として、換算したL表色系データを中心として、算出した純色を示すデータとL表色系上の点対称の関係にある色を示すデータを算出し、算出した第2色を、L表色系データからXYZ表色系データに換算し、さらにXYZ表色系データからRGBデータに換算してもよい。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の映像生成方法は、立体映像を知覚させるための右眼用の映像データを構成する右眼用の複数の画素データおよび左眼用の映像データを構成する左眼用の複数の画素データを取得し、右眼用の画素データまたは左眼用の画素データのいずれか一方の眼用の画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換し、第1色に変換した右眼用の画素データまたは左眼用の画素データのいずれか一方の眼用の画素データに対応する他方の眼用の画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換し、さらに、変換された第1色と視覚混合すると変換前の画素データが示す色となる色特性上の第2色に変換することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、映像データを構成する画素毎の画素データの色を加工し、彩度を向上させて高画質な映像データを生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態にかかる映像生成装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図2】第1の実施形態にかかる表示データ生成部の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図3】第1色変換部の処理を説明するための説明図である。
【図4】色変換制御部の処理を説明するための説明図である。
【図5】表示制御部がディスプレイに表示させた立体表示データを説明するための説明図である。
【図6】第1色変換部の処理を説明するための説明図である。
【図7】色変換制御部の処理を説明するための説明図である。
【図8】色変換制御部の処理を説明するための説明図である。
【図9】第1の実施形態にかかる映像生成方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】第1色変換部の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】第2色変換部の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】第2の実施形態にかかる映像生成装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図13】第2の実施形態にかかる表示データ生成部の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図14】色変換制御部の処理を説明するための説明図である。
【図15】第2の実施形態にかかる映像生成方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】第3の実施形態にかかる第1色変換部と第2色変換部の処理を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0019】
立体映像を知覚させるための映像や、2次元映像を表示させるためのディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等で構成されており、表示させる映像をより美しく見せるべく、映像の彩度を向上させたいという要望がある。
【0020】
そこで以下の実施形態では、映像データを構成する画素毎の画素データの色を加工し、彩度を向上させて高画質な映像データを生成することが可能な映像生成装置を提供する。
【0021】
以下、第1の実施形態として、まず、立体映像を知覚させるための映像の彩度を向上させる映像生成装置について説明し、次に、第2の実施形態として2次元映像の彩度を向上させる映像生成装置について説明する。最後に第3の実施形態として、映像データを構成する画素毎の画素データに施す処理の他の例について補足する。
【0022】
(第1の実施形態:映像生成装置100)
図1は、第1の実施形態にかかる映像生成装置100の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図1に示すように、映像生成装置100では、右眼用の映像データ(以下、単に右眼立体映像データ132と称する)と左眼用の映像データ(以下、単に左眼立体映像データ134と称する)の2系統の映像データが並行して入力され、本実施形態の特徴である、映像データを構成する画素毎の画素データの色を加工した後、ラインシーケンシャル処理(詳細は後述する)が施された映像データが、1ライン(1画素ライン)毎に偏光特性が異なるディスプレイ110に出力される。このような処理を遂行すべく、映像生成装置100は、映像取得部150と、映像処理部152と、表示データ生成部160と、表示制御部170とを含んで構成される。
【0023】
映像取得部150は、立体映像を知覚させるための映像データ(以下、単に立体映像データ130と称する)を、外部の放送局126や通信網(インターネットやLAN)128から取得する。また、DVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray Disc)といった記録媒体から直接、立体映像データ130を取得することもできる。
【0024】
本実施形態において、映像取得部150は、まず、立体映像データ130として、右眼立体映像データ132と、左眼立体映像データ134とを並行して取得する。ここで、映像取得部150が取得可能な立体映像データ130は、サイドバイサイド方式、トップアンドボトム方式等、様々な方式によって形成される。このような立体映像データ130では、右眼立体映像データ132と左眼立体映像データ134とが、1対(2つ)の撮像部によって個別に撮像され、もしくは、両眼視差が生じるように調整されている。
【0025】
映像処理部152は、映像取得部150を通じて取得された立体映像データ130に対して、R(Red)G(Green)B(Blue)処理(γ補正や色補正)、エンハンス処理、ノイズ低減処理などの所定の映像信号処理を行う。所定の映像信号処理が行なわれた立体映像データ130は、不図示のメモリにて保持される。
【0026】
表示データ生成部160は、映像取得部150が取得した右眼立体映像データ132を構成する右眼用の複数の画素データおよび左眼立体映像データ134を構成する左眼用の複数の画素データを加工して、立体表示データを生成する。
【0027】
ここで、表示データ生成部160は、表示色を示すRGBデータ(画素データ)を1画素単位で加工するが、これに限定されず、例えば2画素×2画素で構成されるブロック単位で加工してもよい。
【0028】
本実施形態において、表示データ生成部160は、画素データの色を変換(加工)する処理を行う。
【0029】
図2は、第1の実施形態にかかる表示データ生成部160の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図2に示すように、表示データ生成部160は、第1色変換部162と、第2色変換部164と、色変換制御部166と、第1スイッチ168aと、第2スイッチ168bとを含んで構成される。
【0030】
第1色変換部162は、入力された右眼用の画素データ(以下、単に右眼画素データと称する)または左眼用の画素データ(以下、単に左眼画素データと称する)のいずれか一方の眼用の画素データが示す色(以下、単に元の色と称する)を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換する。ここで、所定の規則は、元の色の明度を変えずに彩度を高めることであり、第1色変換部162は、元の色を、L表色系の純色に変換する。
【0031】
まず、第1色変換部162は、入力された画素データの原色をR(Red)、G(Green)、B(Blue)とするRGBデータから、明度を示すY、およそ青みの程度を示すZ、それ以外の要素を含むXとからなるXYZ表色系データに換算する。RGBデータからXYZ表色系データへの換算は以下の式で求めることができる。
X=0.412453×R+0.35758×G+0.180423×B (式1)
Y=0.212671×R+0.71516×G+0.072169×B (式2)
Z=0.019334×R+0.119193×G+0.950227×B (式3)
【0032】
そして第1色変換部162は、画素データをXYZ表色系データからL表色系データに換算する。XYZ表色系データからL表色系データへの換算は以下の式で求めることができる。
fx=√xγ 但し、xγ>0.008856 (式4)
fx=(903.3×xγ+16)/116 但し、xγ≦0.008856 (式5)
fy=√yγ 但し、yγ>0.008856 (式6)
fy=(903.3×yγ+16)/116 但し、yγ≦0.008856 (式7)
fz=√zγ 但し、zγ>0.008856 (式8)
fz=(903.3×zγ+16)/116 但し、zγ≦0.008856 (式9)
γ=X/Xγ (式10)
γ=Y/Yγ (式11)
γ=Z/Zγ (式12)
=116×fy−16 (式13)
=500×(fx−fy) (式14)
=200×(fy−fz) (式15)
【0033】
ここで上記式10、11、12にあるXγ、Yγ、Zγは対象とする物体色と同一照明下の完全拡散反射面の3刺激値であり、式13のLは、明度を示す明度指数を、式14のaおよび式15のbは、色相と彩度に相当する位置を示すクロマティクネス指数である。
【0034】
さらに第1色変換部162は、元の色のL表色系データに基づきL表色系の純色を示すデータを算出する。
【0035】
図3は、第1色変換部162の処理を説明するための説明図である。図3に示すa色相環における円周上の各点のデータは、L表色系データにおいて彩度が最も高い純色を示す。
【0036】
まず、第1色変換部162は、上記式1から15を用いて、元の色のa値およびb値を算出する。図3において、その算出点Iをa色相環上に表す。そして、第1色変換部162は、算出点Iとa色相環上の原点とを結ぶ直線およびa色相環上の円周の交点であって算出点Iとの距離が近い方の交点Jを算出する。このようにして算出された交点Jが示すa値およびb値は、元の色に基づくL表色系における純色を示すデータとなる。なお、a色相環上の原点を中心として交点Jと点対称の関係にある点Hが示すa値およびb値は、交点Jが示す純色に対応する補色を示すデータである。
【0037】
また、上述したように、Lは、明度を示すデータであるため、第1色変換部162は、上記式13を用いて算出した値をそのまま用いる。
【0038】
こうして、第1色変換部162は、元の色のL表色系データから純色を示すL表色系データを算出することができる。
【0039】
そして第1色変換部162は、算出した純色を示すL表色系データをXYZ表色系データに換算する。L表色系データからXYZ表色系データへの換算は以下の式で求めることができる。
γ=fx 但し、fx>0.008856 (式16)
γ=(116×fx―16)/903.3 但し、fx≦0.008856 (式17)
γ=((L+16)/116) 但し、L>903.3×0.008856(式18)
γ=L/903.3 但し、L≦903.3×0.008856(式19)
γ=fz 但し、fz>0.008856 (式20)
γ=(116×fz―16)/903.3 但し、fz≦0.008856 (式21)
fx=a/500+fy (式22)
fy=(L+16)/116 但し、yγ>0.008856 (式23)
fy=(903.3×yγ+16)/116 但し、yγ≦0.008856 (式24)
fz=fy−b/200 (式25)
X=xγ×Xγ (式26)
Y=yγ×Yγ (式27)
Z=zγ×Zγ (式28)
ここでも上記式26、27、28に示すXγ、Yγ、Zγは対象とする物体色と同一照明下の完全拡散反射面の3刺激値である。
【0040】
最後に第1色変換部162は、換算した純色を示すXYZ表色系データをRGBデータに換算する。XYZ表色系データからRGBデータへの換算は以下の式で求めることができる。
R=3.240479×X―1.53715×Y―0.498535×Z (式29)
G=―0.969256×X+1.875991×Y+0.041556×Z (式30)
B=0.055648×X―0.204043×Y+1.057311×Z (式31)
こうして、第1色変換部162は、元の色(入力された画素データが示す色)を、算出した純色に変換する。
【0041】
第2色変換部164は、右眼画素データまたは左眼画素データの他方の眼用の画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換し、さらに、変換された第1色と視覚混合すると変換前の画素データが示す色となる色特性上の第2色に変換する。本実施形態において第2色変換部164は、右眼画素データまたは左眼画素データの他方の眼用の画素データが示す色を上述した第1色変換部162同様の所定の規則に従って色特性上の第1色に変換し、さらに、変換前の画素データが示す色を中心として第1色と色特性上の点対称の関係にある第2色に変換する。
【0042】
図3に戻って説明すると、まず、第2色変換部164は、上記式1〜15を用いて、入力された画素データをL表色系データ(図3中算出点Iで示す)に換算し、元の色(入力された画素データが示す色)に基づき純色を示すL表色系データ(図3中交点Jで示す)を算出する。
【0043】
そして、第2色変換部164は、図3に示す、算出点Iを中心として、純色を示す交点Jと点対称の関係にある算出点Kを算出する。こうして算出された算出点Kが示すa値およびb値は、純色と色特性上の点対称の関係にある第2色を示すデータとなる。
【0044】
さらに第2色変換部164は、上記式16〜31を用いて、算出した第2色を示すL表色系データをRGBデータに換算する。こうして、第2色変換部164は、元の色(入力された画素データが示す色)を、算出した第2色に変換する。
【0045】
ここで、第1色変換部162および第2色変換部164は、上記式1〜31を用いてRGBデータをXYZ表示系データに、XYZ表示系データをL表色系データに換算し、L表色系データをXYZ表示系データに、XYZ表示系データをRGBデータに換算しているが、RGBデータとXYZ表示系データとの関係を示すテーブルおよびXYZ表示系データとL表色系データとの関係を示すテーブルを予めメモリに保持させておき、かかるテーブルを参照することで上記換算を行うこともできる。かかるテーブルを備える構成により、処理負荷を軽減することが可能となる。
【0046】
色変換制御部166は、水平同期信号、垂直同期信号およびフレーム番号の群から選択される1または複数に基づき、画素データ毎に第1スイッチ168aを制御して、右眼画素データまたは左眼画素データのいずれか一方の眼用の画素データを第1色変換部162に供給するように制御し、第1色変換部162に供給した右眼画素データまたは左眼画素データのいずれか一方の眼用の画素データに対応する他方の眼用の画素データを第2色変換部164に供給するように制御する。
【0047】
ここで、一方の眼用の画像データに対応する他方の眼用の画像データとは、同一の撮像対象における実質的に同一の位置を撮像した画像データをいう。したがって、一方の眼用の画像データとそれに対応する他方の眼用の画像データとは視差を有することとなる。
【0048】
以下に、映像取得部150が取得した立体映像データ130が静止画の表示を目的とする場合と、動画の表示を目的とする場合における色変換制御部166の処理について詳述する。
【0049】
(静止画の表示を目的とする立体映像データ130の場合)
この場合、色変換制御部166は、水平同期信号に基づき、1ライン(1画素ライン)毎に第2スイッチ168bを制御して、第1色変換部162または第2色変換部164のうち、いずれか一方から出力された変換後の右眼画素データを1ライン分配置した右眼ラインデータと、第1色変換部162または第2色変換部164のうち、いずれか一方から出力された変換後の左眼画素データを1ライン分配置した左眼ラインデータとを、交互に並置して、ディスプレイ110に表示するための立体表示データを生成する。
【0050】
図4は、色変換制御部166の処理を説明するための説明図である。映像取得部150が、例えば、ディスプレイ110における1画面(1フレーム)を表示するための立体映像データ130のみを取得した場合、すなわち静止画を表示するための立体映像データ130を取得した場合、色変換制御部166は、水平同期信号に基づき、画素データ毎に第1スイッチ168aを制御して、右眼画素データを第1色変換部162に供給するように制御し、第1色変換部162に供給した右眼画素データに対応する左眼画素データを第2色変換部164に供給するように制御する。
【0051】
そして、色変換制御部166は、水平同期信号に基づき、1ライン毎に第2スイッチ168bを制御して、第1色変換部162から出力される変換後の右眼画素データを1ライン分配置した右眼ラインデータと、第2色変換部164から出力される変換後の左眼画素データを1ライン分配置した左眼ラインデータとを交互に並置した立体表示データ140を生成する。
【0052】
すると、図4に示すように、表示データ生成部160から出力される立体表示データ140は、立体表示データ140を表示させるディスプレイ110の偏光特性に基づいた、例えば、奇数ライン目のデータD1、D3、…、Dn−1(図4中、nは偶数)には右眼立体映像データ132を構成する画素データが示す色が純色に変換された右眼ラインデータR1、R3、…、Rn−1(図4中、黒色で示す)が配され、偶数ライン目のデータD2、D4、…、Dnには左眼立体映像データ134を構成する左眼ラインデータL2、L4、…Ln(図4中、白色で示す)が配されたものとなる。また、右眼ラインデータR1、R3、…、Rn−1の画素データは純色(第1色)に変換され、左眼ラインデータL2、L4、…、Lnの画素データは第2色に変換されているのでディスプレイ110上では純色と第2色とがライン単位で交互に並置されることとなる。
【0053】
なお、色変換制御部166は、水平同期信号およびフレーム番号に基づき、第1スイッチ168aを制御して、右眼画素データ(右眼立体映像データ132)または左眼画素データ(左眼立体映像データ134)のうちの一方の眼用の画素データの供給先を、第1色変換部162と第2色変換部164とにフレーム毎に交互となるように切り換え、かつ、同一タイミングでは右眼画素データまたは左眼画素データの他方の眼用の画素データと排他的になるように切り換えるように制御する構成としてもよい。その場合、色変換制御部166は、水平同期信号およびフレーム番号に基づき、第2スイッチ168bを制御して、第1色変換部162から出力される変換後の右眼画素データと、第2色変換部164から出力される変換後の左眼画素データとを、1フレーム毎に交互に出力して立体表示データ140を生成する構成となる。
【0054】
表示制御部170は、表示データ生成部160から出力された立体表示データ140をディスプレイ110に表示させる。
【0055】
図5は、表示制御部170がディスプレイ110に表示させた立体表示データ140を説明するための説明図である。図5に示すように、ディスプレイ110の表示面112には、隔行で(1ライン毎に)偏光特性の異なる偏光フィルタが設けられており、奇数番号(図5中、#1、#3、…、#n−1)のライン114(図5中、nは偶数)と偶数番号(図5中、#2、#4、…、#n)のライン116とで偏光特性が異なっている。ディスプレイ110を観察する観察者は、左右で偏光特性が異なる偏光眼鏡118を通じて、例えば奇数番号のライン114に表示された純色に変換された右眼立体映像データを右眼で、偶数番号のライン116に表示された第2色に変換された左眼立体映像データを左眼で視認し、両眼視差によって、表示面112と異なる結像位置124(図5中、純色に変換された右眼映像を黒で、第2色に変換された左眼映像を白で示す)で立体映像を知覚することが可能となる。
【0056】
このように、色変換制御部166が右眼画素データまたは左眼画素データのいずれか一方の眼用の画素データを第1色変換部162に供給するように制御し、第1色変換部162に供給した右眼画素データまたは左眼画素データのいずれか一方の眼用の画素データに対応する他方の眼用の画素データを第2色変換部164に供給するように制御することで、1ライン毎に、元の色に基づいて算出された純色と第2色とが交互に配置されることになる。上述したように第2色は、元の色を中心として純色と色特性上の点対称の関係にある色であるため、純色と第2色とで補色対比の効果を得ることができる。
【0057】
補色対比は、補色関係にある2色を同時に視認すると、互いの色を引き立て合い、互いの色の彩度が強調される現象である。したがって、表示データ生成部160が、1ライン毎に、元の色に基づいて算出された純色と第2色とが交互に配置された立体表示データ140を生成することで、互いの色、すなわち変換後の右眼立体映像データと変換後の左眼立体映像データの彩度を向上させることが可能となる。
【0058】
ここで、変換前の右眼立体映像データ132が示す色と変換後の右眼立体映像データが示す色、および変換前の左眼立体映像データ134が示す色と変換後の左眼立体映像データが示す色が異なるため、元の色と異なる色で映像を視認してしまうのではないかという疑問が生じ得る。これは以下に示す視覚混合の効果で回避することができる。
【0059】
視覚混合とは、隣合わせに配置された細かい点をある程度離隔した距離から視認した場合、それぞれの点が示す2以上の色が混ざった色として認識されるという視覚特性である。ディスプレイ110に表示される映像は、画素という点の集合体であるため、上記視覚混合の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態にかかる立体表示データ140は、変換後の右眼立体映像データと変換後の左眼立体映像データとが隣り合わせに配されているので、変換後の右眼立体映像データが示す色と変換後の左眼立体映像データが示す色とで視覚混合を生じさせることができ、視覚混合によって第1色と第2色とが合成され、元の色を視認させることが可能となる。
【0060】
したがって、視覚混合の効果を得られることを前提に、敢えて1ライン毎に、元の色に基づいて算出された純色と第2色とを交互に配置させ、ある程度離隔した距離から視認した場合の色を変えることなく補色対比の効果を得ることができる。こうして、彩度の向上を図り、高画質な映像データを生成することが可能となる。
【0061】
ここで、厳密に言えば、純色と第2色は、補色の関係にあるとは言い難い。しかし、図3に戻って説明すると、第2色(算出点K)は、純色(交点J)と補色関係にある色(点H)と同一の色相の色であるため、補色対比と同様の彩度向上効果を得ることができる。
【0062】
図6は、第1色変換部162の処理を説明するための説明図である。図6に示すように、元の色の算出点Iが図3に示す例よりも純色を示す交点Jに近い場合、第2色を示す算出点Kは、純色と補色関係にある色を示す点Hと同一の色相にない場合も生じ得る。しかし、元の色に基づく純色は彩度が最も高い色であり、ある程度は第1色の彩度と第2色の彩度を引き離すことができるため、補色対比と同等に彩度を向上させる効果を得ることができる。
【0063】
なお、ここで色変換制御部166は、第1スイッチ168aを制御して右眼立体映像データ132を第1色変換部162へ、左眼立体映像データ134を第2色変換部164へ供給しているが、当然、右眼立体映像データ132を第2色変換部164へ、左眼立体映像データ134を第1色変換部162へ供給するように第1スイッチ168aを制御してもよい。
【0064】
(動画の表示を目的とする立体映像データ130の場合1)
次に映像取得部150が取得した立体映像データ130が動画を目的とする場合における色変換制御部166の処理について説明する。
【0065】
図7は、色変換制御部166の処理を説明するための説明図である。映像取得部150が、動画の表示を目的とする立体映像データ130を取得した場合、色変換制御部166は、水平同期信号およびフレーム番号に基づき、第1スイッチ168aを制御して、右眼画素データまたは左眼画素データのうちの一方の眼用の画素データの供給先を、第1色変換部162と第2色変換部164とにフレーム毎に交互となるように切り換え、かつ、同一タイミングでは右眼画素データまたは左眼画素データの他方の眼用の画素データと排他的になるように切り換える。
【0066】
すると、表示データ生成部160から出力される立体表示データ144は、図7に示すように、フレーム1において、右眼立体映像データ132が配される奇数ライン目のデータD1、D3、…、Dn−1には右眼立体映像データ132を構成する画素データが示す色が純色に変換された右眼ラインデータR1、R3、…、Rn−1(図7中、黒色で示す)が配され、左眼立体映像データ134が配される偶数ライン目のデータD2、D4、…、Dnには左眼立体映像データ134を構成する画素データが示す色が第2色に変換された左眼ラインデータL2、L4、…、Ln(図7中、白色で示す)が配される。
【0067】
そして、次のフレーム2において、右眼立体映像データ132が配される奇数ライン目のデータD1、D3、…、Dn−1には右眼立体映像データ132を構成する画素データが示す色が第2色に変換された右眼ラインデータR1、R3、…、Rn−1(図7中、白色で示す)が配され、左眼立体映像データ134が配される偶数ライン目のデータD2、D4、…、Dnには左眼立体映像データ134を構成する画素データが示す色が純色に変換された左眼ラインデータL2、L4、…、Ln(図7中、黒色で示す)が配される。
【0068】
さらに、色変換制御部166は、所定時間経過した後のフレームp−1(pは偶数)において、奇数ライン目のデータに、純色に変換された右眼立体映像データを配し、偶数ライン目のデータに、第2色に変換された左眼立体映像データを配した立体表示データ144を生成するように第1スイッチ168aおよび第2スイッチ168bを制御し、フレームpにおいて、奇数ライン目のデータに、第2色に変換された右眼立体映像データを配し、偶数ライン目のデータに、純色に変換された左眼立体映像データを配した立体表示データ144を生成するように第1スイッチ168aおよび第2スイッチ168bを制御する。
【0069】
このように、色変換制御部166が、右眼画素データまたは左眼画素データのうちの一方の眼用の画素データの供給先を、第1色変換部162と第2色変換部164とにフレーム毎に交互となるように切り換え、かつ、同一タイミングでは右眼画素データまたは左眼画素データのうちの他方の眼用の画素データと排他的になるように切り換える構成により、動画の表示を目的とした立体映像データ130を取得した場合、フレーム内(右眼と左眼)およびフレーム間(時間軸方向)の両方において視覚混合と補色対比の効果を得ることができる。換言すれば、フレーム内において右眼で視認する映像と左眼で視認する映像とで視覚混合と補色対比の効果を得、同一眼で視認する映像においてフレーム間で視覚混合と補色対比の効果を得ることができ、元の色の明度を維持したまま、彩度を大幅に向上させることが可能となる。
【0070】
なお、ここでは、表示データ生成部160が、奇数番号のフレームにおいて、奇数ライン目のデータに、純色に変換された右眼立体映像データを配し、偶数ライン目のデータに、第2色に変換された左眼立体映像データを配した立体表示データ144を生成し、偶数番号のフレームにおいて、奇数ライン目のデータに、第2色に変換された右眼立体映像データを配し、偶数ライン目のデータに、純色に変換された左眼立体映像データを配した立体表示データ144を生成しているが、当然、奇数番号のフレームにおいて、奇数ライン目のデータに、第2色に変換された右眼立体映像データを配し、偶数ライン目のデータに、純色に変換された左眼立体映像データを配した立体表示データ144を生成し、偶数番号のフレームにおいて、奇数ライン目のデータに、純色に変換された右眼立体映像データを配し、偶数ライン目のデータに、第2色に変換された左眼立体映像データを配した立体表示データ144を生成してもよい。
【0071】
(動画の表示を目的とする立体映像データの場合2)
次に映像取得部150が取得した立体映像データが動画を目的とする場合であって、フレームシーケンシャル方式のディスプレイに表示させる場合における色変換制御部166の処理について説明する。この場合、色変換制御部166は、フレーム番号に基づき、第1スイッチ168aおよび第2スイッチ168bを制御する。
【0072】
図8は、色変換制御部166の処理を説明するための説明図である。フレームシーケンシャル方式のディスプレイに表示させる場合、色変換制御部166は、フレーム番号に基づき、第1スイッチ168aを制御して、右眼画素データまたは左眼画素データのいずれか一方の眼用の画素データの供給先を、第1色変換部162と第2色変換部164とに、1フレーム置きに見た場合交互になるように切り換え、右眼立体映像データ132の画素データ(右眼画素データ)の供給先と左眼立体映像データ134の画素データ(左眼画素データ)の供給先を、第1色変換部162と第2色変換部164とに排他的に切り換える。
【0073】
そして、色変換制御部166は、フレーム番号に基づき、1フレーム毎に、第2スイッチ168bを制御して、第1色変換部162または第2色変換部164のいずれか一方から出力された変換後の右眼画素データを1フレーム分配置した変換後右眼立体映像データと、第1色変換部162または第2色変換部164のいずれか一方から出力された変換後の左眼画素データを1フレーム分配置した変換後左眼立体映像データと、で構成される立体表示データ146を生成する。ここでは、奇数番号のフレームでは右眼立体映像データ132を、偶数番号のフレームでは左眼立体映像データ134を表示させる例を挙げて説明する。
【0074】
すると、表示データ生成部160から出力される立体表示データ146は、図8に示すように、フレーム1において、右眼立体映像データ132を構成する画素データが示す色が純色に変換された変換後右眼立体映像データ(図8中、黒色で示す)となり、次のフレーム2において、左眼立体映像データ134を構成する画素データが示す色が第2色に変換された変換後左眼立体映像データ(図8中、白色で示す)となる。また立体表示データ146は、フレーム3において、右眼立体映像データ132を構成する画素データが示す色が第2色に変換された変換後右眼立体映像データ(図8中、白色で示す)となり、次のフレーム4において、左眼立体映像データ134を構成する画素データが示す色が純色に変換された変換後左眼立体映像データ(図8中、黒色で示す)となる。
【0075】
このように、色変換制御部166は、フレーム(1+4×(q−1))(qは自然数)において、純色に変換した変換後右眼立体映像データを配し、フレーム(3+4×(q−1))において、第2色に変換した変換右眼立体映像データを配し、フレーム(2+4×(q−1))において、第2色に変換した変換後左眼立体映像データを配し、フレーム(4×q)において、純色に変換した変換後左眼立体映像データを配した立体表示データ146を生成するように、第1スイッチ168aおよび第2スイッチ168bを繰り返し制御する。
【0076】
したがって、フレームシーケンシャル方式のディスプレイに表示させるための立体表示データ146を生成する場合であっても、右眼で視認する映像と左眼で視認する映像とで視覚混合と補色対比の効果を得ることができ、同一眼で視認する映像においてフレーム毎に視覚混合と補色対比の効果を得ることができ、元の色の明度を維持したまま、彩度を大幅に向上させることが可能となる。
【0077】
以上説明したように、本実施形態にかかる映像生成装置100によれば、視覚混合により映像取得部150が取得した立体映像データ130を構成する画素データが示す元の色を維持したまま、補色対比により彩度を向上させた立体表示データを生成することができ、高画質な立体映像を視聴者に知覚させることが可能となる。
【0078】
また、本実施形態において色変換制御部166は、すべての画素データを第1色変換部162および第2色変換部164に供給するように制御するが、これに限定されず、任意の画素データのみを供給するように制御してもよい。
【0079】
ここでは、補色対比の効果を得るためのライン方向または時間軸方向に隣合わせにある2の画素データが基本的に略等しい色を示すことを前提に、画素データの色を第1色と第2色とに変換しているが、立体映像データ130の場合、右眼立体映像データ132と左眼立体映像データ134において視差が生じるため、同一の画素の位置に同一の色を示す画素データが配されるとは限らない。
【0080】
そこで、例えば、視差情報を用いて、右眼立体映像データ132および左眼立体映像データ134に含まれる同一の撮像対象を特定する手段を設け、色変換制御部166は、右眼立体映像データ132に含まれる特定された撮像対象の画素データを第1色変換部162に供給するように制御し、左眼立体映像データ134に含まれる特定された撮像対象の画素データを第2色変換部164に供給するように制御する。これにより、観察者が立体感を感じる割合が高いオブジェクト(撮像対象)等、部分的に彩度を向上させることができ、背景よりも被写体を際立たせることが可能となる。また、上記の同一の撮像対象を特定する別の手段としては、右眼立体映像データ132または左眼立体映像データ134のどちらか一方の眼用の映像データ内で、他方の眼用の立体映像データに含まれる撮像対象を移動させて、同一の撮像対象の画素データを特定するものであってもよい。
【0081】
(映像生成方法)
また、上述した映像生成装置100を用いた映像生成方法も提供される。
【0082】
図9は、第1の実施形態にかかる映像生成方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。ここでは、映像取得部150が取得した立体映像データ130が動画を目的とする場合であって、ラインシーケンシャル方式のディスプレイ110に表示させる場合について説明する。
【0083】
図9に示すように、まず、映像取得部150は、1フレーム分の立体映像データ130を取得し(S200)、映像処理部152は、映像取得ステップS200において取得された立体映像データ130に対して、所定の映像信号処理を行う(S202)。
【0084】
そして、色変換制御部166は、信号処理ステップS202で処理された立体映像データ130から画素データを取得し(S204)、取得した画素データのフレーム番号が奇数かつ右眼立体映像データ132の画素データであるか、または画素データのフレーム番号が偶数かつ左眼立体映像データ134の画素データであるか否かを判定する(S206)。
【0085】
判定ステップS206において、画素データのフレーム番号が奇数かつ右眼立体映像データ132の画素データ、または画素データのフレーム番号が偶数かつ左眼立体映像データ134の画素データであった場合(S206のYES)、色変換制御部166は、第1スイッチ168aを制御して画素取得ステップS204において取得した画素データを第1色変換部162に供給する(S208)。
【0086】
図10は、第1色変換部162の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。図10に示すように、まず、第1色変換部162は、上記式1から3を用いて、画素データをRGBデータからXYZ表示系データに換算し(S250)、上記式4〜15を用いてXYZ表示系データからL表色系データに換算する(S252)。そして第1色変換部162は、画素取得ステップS206において取得した画素データが示す色(元の色)に基づいて、L表色系における純色を示すデータを算出し(S254)、純色算出ステップS254で算出したL表色系における純色を示すデータを上記式16〜28を用いてXYZ表示系データに換算し(S256)、上記式29から31を用いてXYZ表示系データをRGBデータに換算する(S258)。
【0087】
図9に戻り、判定ステップS206において、画素データのフレーム番号が奇数かつ右眼立体映像データ132の画素データでない場合、または画素データのフレーム番号が偶数かつ左眼立体映像データ134の画素データでない場合(S206のNO)、色変換制御部166は、第1スイッチ168aを制御して画素取得ステップS206において取得した画素データ(第1色変換部162で変換した右眼画素データまたは左眼画素データのいずれか一方の眼用の画素データに対応する他方の眼用の画素データ)を第2色変換部164に供給する(S210)。
【0088】
図11は、第2色変換部164の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。なお、S250〜258については図10に示した処理と実質的に等しいため、同一の符号を付して省略し、ここでは処理の異なる第2色算出ステップS260について説明する。図11に示すように、第2色変換部164は、画素取得ステップS204において取得した画素データが示す色(元の色)を中心として、純色算出ステップS254で算出したL表色系における純色と点対称の関係にある第2色を算出する(S2650)。
【0089】
図9に戻り、表示制御部170は、第1色変換ステップS208において変換された純色を示す変換後の画素データおよび第2色変換ステップS210において変換された第2色を示す変換後の画素データを用いて、1フレーム分の立体表示データ144が完了したか否か、すなわち、1フレーム分の立体映像データ130を構成する画素データすべてを第1色変換部162または第2色変換部164に供給したか否かを判定する(S212)。
【0090】
1フレーム分の立体表示データ144が完了していなければ(S212のNO)、画素取得ステップS204に戻り、1フレーム分の立体表示データ144が完了すると(S212のYES)、表示制御部170は、立体表示データ144をディスプレイ110に表示させる(S214)。かかる処理は、1フレーム毎に繰り返し実行される。
【0091】
以上説明したように、本実施形態にかかる映像生成方法においても、視覚混合により映像取得部150が取得した立体映像データ130を構成する画素データが示す元の色を維持したまま、補色対比により彩度を向上させた立体表示データ144を生成することができ、高画質な立体映像を視聴者に知覚させることが可能となる。
【0092】
(第2の実施形態)
上述した映像生成装置100の映像取得部150は、立体映像を知覚させるための立体映像データ130を取得するが、2次元映像を表示させるための映像データ(以下、単に2次元映像データ)を取得した場合でも好適に彩度を向上させることが可能となる。第2の実施形態では2次元映像データを取得する映像生成装置300について説明する。
【0093】
図12は、第2の実施形態にかかる映像生成装置300の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図12に示すように、映像生成装置300は、映像取得部350と、映像処理部152と、表示データ生成部360と、表示制御部170とを含んで構成される。なお、上述した第1の実施形態と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、ここでは機能の異なる映像取得部350および表示データ生成部360について説明する。
【0094】
映像取得部350は、2次元映像を表示させるための2次元映像データ330を、外部の放送局126や通信網128から取得する。また、DVDやBDといった記録媒体から直接2次元映像データ330を取得することもできる。
【0095】
表示データ生成部360は、映像取得部350が取得した2次元映像データ330を構成する複数の画素データを加工(変換)して、2次元表示データを生成する。
【0096】
図13は、第2の実施形態にかかる表示データ生成部360の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図13に示すように、表示データ生成部360は、第1色変換部162と、第2色変換部164と、色変換制御部366と、第1スイッチ368aと、第2スイッチ368bとを含んで構成される。ここでも、上述した第1の実施形態と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0097】
色変換制御部366は、図13に示すように、フレーム番号に基づき、画素データの供給先を、第1色変換部162と第2色変換部164とにフレーム毎に交互に切り換えるように、第1スイッチ368aを制御する。
【0098】
図14は、色変換制御部366の処理を説明するための説明図である。色変換制御部366は、フレーム番号に基づき、第1スイッチ368aを制御して、画素データの供給先を、第1色変換部162と第2色変換部164とにフレーム毎に交互に切り換える。
【0099】
そして、色変換制御部366は、フレーム番号に基づき、1フレーム毎に、第2スイッチ368bを制御して、第1色変換部162から出力された変換後の画素データを1フレーム分配置した変換後2次元表示データと、第2色変換部164から出力された変換後の画素データを1フレーム分配置した変換後2次元表示データとを生成する。ここでは、奇数番号のフレームの画素データを第1色変換部162に、偶数番号のフレームの画素データを第2色変換部164に供給する例を挙げて説明する。
【0100】
すると、表示データ生成部360から出力される変換2次元表示データ340は、図14に示すように、フレーム1、3、5、…、r−1(rは整数かつ偶数)において、2次元映像データ330を構成する画素データが示す色が純色に変換された変換2次元表示データ340(図14中、黒色で示す)となり、フレーム2、4、6、…、rにおいて、2次元映像データ330を構成する画素データが示す色が第2色に変換された変換2次元表示データ340(図14中、白色で示す)となる。
【0101】
したがって、2次元映像データ330を表示させるためのディスプレイ310(フレームシーケンシャル方式のディスプレイと実質的に等しくなる)に表示させるための変換2次元表示データ340を生成する場合であっても、第1の実施形態同様、フレーム毎に視覚混合と補色対比の効果を得ることができ、元の色を維持したまま、彩度を大幅に向上させることが可能となる。
【0102】
(映像生成方法)
また、上述した映像生成装置300を用いた映像生成方法も提供される。
【0103】
図15は、第2の実施形態にかかる映像生成方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。なお、上述した第1の実施形態と実質的に等しい処理(S202、204、208、210)については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0104】
図15に示すように、まず、映像取得部350は、2次元映像データ330を取得し(S400)、信号処理ステップS202の処理を遂行する。
【0105】
色変換制御部366は、画素取得ステップS204において取得した2次元映像データ330の画素データのフレーム番号が奇数であるか否かを判定し(S406)、奇数である場合(S406のYES)、第1スイッチ368aを制御して画素データを第1色変換部162に供給する。また、2次元映像データ330の画素データのフレーム番号が偶数である場合(S406のNO)、第1スイッチ368aを制御して画素データを第2色変換部164に供給する。
【0106】
そして、表示制御部170は、第1色変換ステップS208において変換された純色を示す変換後の画素データおよび第2色変換ステップS210において変換された第2色を示す変換後の画素データを用いて、1フレーム分の変換2次元表示データ340が完了したか否か、すなわち、1フレーム分の2次元映像データ330を構成する画素データすべてを第1色変換部162または第2色変換部164に供給したか否かを判定する(S212)。
【0107】
1フレーム分の変換2次元表示データ340が完了していなければ(S212のNO)、画素取得ステップS204に戻り、1フレーム分の変換2次元表示データ340が完了すると(S212のYES)、表示制御部170は、変換2次元表示データ340をディスプレイ310に表示させる(S214)。
【0108】
以上説明したように、本実施形態にかかる映像生成方法においても、視覚混合により映像取得部350が取得した2次元映像データ330を構成する画素データが示す元の色を維持したまま、補色対比により彩度を向上させた変換2次元表示データ340を生成することができ、高画質な立体映像を視聴者に知覚させることが可能となる。
【0109】
(第3の実施形態)
上述した第1および第2の実施形態において、第1色変換部162および第2色変換部164は、L表色系において第1色および第2色を算出して、画素データの元の色を、L表色系上で点対称の関係となることを利用し、第1色または第2色に変換しているが、これに限定されずRGBデータのみを用いて第1色または第2色を算出することもできる。第3の実施形態では、RGBデータのみを用いて第1色または第2色を算出する方法について説明する。
【0110】
RGBデータの色変換については、立体表示データあるいは2次元表示データが、視覚混合の効果によって観察者には視覚混合によって元の色に見えるように各色成分を変換する必要がある。図16は、第3の実施形態にかかるRGBの階調が線形である場合の第1色変換部162と第2色変換部164の処理を説明するための説明図であり、特に図16(a)は第1色変換部162の処理を、図16(b)は第2色変換部164の処理を示す。
【0111】
図16(a)に示すように、変換前の画素データのRGBデータにおけるR値がα、G値がβ、B値がγであると仮定した場合(α、β、γはそれぞれ0〜255のうちの任意の整数)、例えば、第1色変換部162は、R値をα+δとし(δは0〜255のうちの任意の整数、δ≦αかつδ≦255−α)、B値をγ−ε(εは0〜255のうちの任意の整数、ε≦γかつε≦255−γ)とする。そして図16(b)に示すように、変換前の画素データのRGBデータにおけるR値がα、G値がβ、B値がγであると仮定した場合、第2色変換部164は、変換された第1色(R値、G値、B値)と視覚混合すると変換前の画素データが示す色となるように、R値をα−δとし、B値をγ+εとする。このように、第1色変換部162によるR値、G値、B値それぞれの変化量と第2色変換部164によるR値、G値、B値それぞれの変化量との絶対値を等しくし、かつ符号を反転することで、視覚混合の効果により元の色を視認することができる。なお、図16(a)、(b)は、R値とB値を変更した例を示しているが、これに限ったものではなく、R値とG値やG値とB値といった組み合わせや、RGB値すべての色成分の値を変更してもよい。また、ここでは、第1色変換部162および第2色変換部164は、元の色の明度を維持するようにR値、G値、B値を変換する。
【0112】
一方、図16に示す場合とは異なり、RGBの階調が非線形に変化する場合、第1色変換部162が変換するR値、G値、B値それぞれの色成分の差分量と、第2色変換部164が変換するR値、G値、B値それぞれの色成分の差分量とを色成分ごとにそれぞれ等しくする変換では元の色に見える変換とすることができない場合がある。RGBの階調が非線形に変化する場合とは、例えば、γ補正が施されている画像データの場合であり、この場合、第1色変換部162が変換する成分の差分量と、第2色変換部164が変換する成分の差分量は、γ補正を考慮した値とする。なお、第1色変換部162および第2色変換部164での色変換は明度を変更しないものとする。色相と同時に明度も変化してしまうと、ディスプレイ上に表示させた画像においてフリッカーが生じる恐れがあるからである。また、第1色変換部162および第2色変換部164での色変換は、RGBの各成分値の差を所定の値以上として、元の色より彩度を上げる変換とする必要がある。RGBのR値、G値、B値のすべての値が等しいとき彩度は0となるためである。
【0113】
したがって、RGBデータの値を変換するだけで、視覚混合の効果を得ることができ、観察者には元の色の明度を維持したまま、彩度を大幅に向上させることが可能となる。
【0114】
なお、以上説明した実施形態は、右眼立体映像データ132内の色変換後の画素データと、それに対応する左眼立体映像データ134内の色変換後の画素データの色とが、視覚混合により混ざり、観察者には色変換前の元の色に見えるという構成であるため、フレーム周期が遅い場合(例えば、1/30秒以下)には色変換後の色がうまく混ざらず、色変換前の元の色に見えない可能性もある。そのため、フレーム周期を好ましくは1/60以上、より好ましくは1/120秒以上、さらに好ましくは1/240秒以上にして表示するとよい。また、ディスプレイ110を液晶ディスプレイで構成する場合、液晶の応答速度や消費電力の観点から、1/120秒や1/240秒程度のフレーム周期が好ましい。
【0115】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0116】
なお、本明細書の映像生成方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、ディスプレイに表示させるための表示データを生成する映像生成装置および映像生成方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0118】
100、300 …映像生成装置
150、350 …映像取得部
160、360 …表示データ生成部
162 …第1色変換部
164 …第2色変換部
166、366 …色変換制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体映像を知覚させるための右眼用の映像データを構成する右眼用の複数の画素データおよび左眼用の映像データを構成する左眼用の複数の画素データを取得する映像取得部と、
前記右眼用の画素データまたは前記左眼用の画素データのいずれか一方の眼用の画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換する第1色変換部と、
前記右眼用の画素データまたは前記左眼用の画素データの他方の眼用の画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換し、さらに、変換された前記第1色と視覚混合すると変換前の画素データが示す色となる色特性上の第2色に変換する第2色変換部と、
前記右眼用の画素データまたは前記左眼用の画素データのいずれか一方の眼用の画素データを前記第1色変換部に供給するように制御し、前記第1色変換部に供給した右眼用の画素データまたは前記左眼用の画素データのいずれか一方の眼用の画素データに対応する他方の眼用の画素データを前記第2色変換部に供給するように制御する色変換制御部と、
を備えたことを特徴とする映像生成装置。
【請求項2】
前記色変換制御部は、
前記右眼用の画素データまたは前記左眼用の画素データのうち一方の眼用の画素データの供給先を、前記第1色変換部と前記第2色変換部とにフレーム毎に交互となるように切り換え、かつ、同一タイミングでは前記右眼用の画素データまたは前記左眼用の画素データの他方の眼用の画素データと排他的になるように切り換えるように制御することを特徴とする請求項1に記載の映像生成装置。
【請求項3】
映像データを構成する複数の画素データを取得する映像取得部と、
画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換する第1色変換部と、
画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換し、さらに、変換された前記第1色と視覚混合すると変換前の画素データが示す色となる色特性上の第2色に変換する第2色変換部と、
前記画素データの供給先を、前記第1色変換部と前記第2色変換部とにフレーム毎に交互に切り換える色変換制御部と、
を備えたことを特徴とする映像生成装置。
【請求項4】
前記第1色変換部は、
前記画素データをRGBデータからXYZ表色系データに換算し、さらにXYZ表色系データをL表色系データに換算し、
前記第1色として、換算した前記L表色系データに基づきL表色系の純色を示すデータを算出し、
算出した前記第1色を、L表色系データからXYZ表色系データに換算し、さらにXYZ表色系データからRGBデータに換算することを特徴とする請求項1から3に記載の映像生成装置。
【請求項5】
前記第2色変換部は、
前記画素データをRGBデータからXYZ表色系データに換算し、さらにXYZ表色系データをL表色系データに換算し、
前記第1色として、換算した前記L表色系データに基づきL表色系の純色を示すデータを算出し、
前記第2色として、前記換算したL表色系データを中心として、算出した前記純色を示すデータとL表色系上の点対称の関係にある色を示すデータを算出し、
算出した前記第2色を、L表色系データからXYZ表色系データに換算し、さらにXYZ表色系データからRGBデータに換算することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の映像生成装置。
【請求項6】
立体映像を知覚させるための右眼用の映像データを構成する右眼用の複数の画素データおよび左眼用の映像データを構成する左眼用の複数の画素データを取得し、
前記右眼用の画素データまたは左眼用の画素データのいずれか一方の眼用の画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換し、
前記第1色に変換した右眼用の画素データまたは左眼用の画素データのいずれか一方の眼用の画素データに対応する他方の眼用の画素データが示す色を所定の規則に従って色特性上の第1色に変換し、さらに、変換された前記第1色と視覚混合すると変換前の画素データが示す色となる色特性上の第2色に変換することを特徴とする映像生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−172134(P2011−172134A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35726(P2010−35726)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】