説明

映像表示装置、および映像表示制御方法、ならびに映像表示装置のプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】3Dコンテンツを視聴している際の、視聴者のリアルタイムの生体情報に基づいた3D映像効果のある3Dコンテンツの表示を行うことができる映像表示装置を提供すること。
【解決手段】映像表示装置15では、視聴者が3次元映像を視聴中に、生体情報測定部11が視聴者の生体情報を測定する。測定した生体情報は生体指標算出部12に出力され、生体指標が算出される。当該生体指標は生体影響レベル解析部13に出力され、現在の視聴者の生体影響レベルが決定される。決定された生体影響レベルに基づいて、映像効果レベル調整部14では視聴者が視聴している3次元映像の映像効果レベルを調整し、その結果、視聴者には、自身の生体情報に基づく生体影響レベルに適した映像効果レベルの3次元映像が表示されることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元映像および3次元映像を表示するための映像表示装置、および映像表示調整方法、ならびに映像表示装置のプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、映像表示技術の飛躍的な発展により、2次元映像コンテンツを表示する技術に加え、3次元映像コンテンツ(以下、3Dコンテンツという)を表示する技術の開発が進められてきている。3Dコンテンツの表示技術は、アミューズメント、医療現場、または電子カタログ・広告等に利用でき、その利用範囲は非常に幅広い。中でもゲームまたは映画等のアミューズメントに利用するケースが増えつつある。
【0003】
通常3Dコンテンツは、視聴者の両眼の画像視差を利用して視聴するようになっているので、両眼の輻輳角、または両眼の焦点距離に矛盾が生じていたり、視差量が適当でなかったりすると、視聴者は生理的違和感を覚えるという現象が知られている。生理的違和感とは、視聴者の興奮度合いまたは刺激度合いが上昇してしまったり、立体感、臨場感、および没入感等を強く感じてしまったりする場合に生じるものである。生理的違和感が強いと、目眩、酔い、気分が悪くなる等視聴者の生体に影響を及ぼしてしまう場合もある。また、立体感、臨場感、および没入感等が弱過ぎても生理的違和感を感じる場合もある。
【0004】
また、視聴者それぞれの身体的特徴(瞳孔間距離、斜位、または視力等)からも映像視聴時に視聴者に生理的違和感を与える場合がある。特に、3Dコンテンツは、専用の眼鏡を装着して視聴する場合が多いので、眼鏡装着による違和感等も視聴者に生理的違和感を与える原因の一つになっている。
【0005】
上記したような原因から、3Dコンテンツを視聴した際に、視聴者ごとに立体感、臨場感、および没入感等の映像効果(立体効果)の感じ方に個人差があり、視聴者によっては立体効果が十分に伝わっていない可能性が高い。そこで、視聴者個人の状態に合わせた3次元表示を行う工夫が特許文献1〜3では行われている。
【0006】
例えば、特許文献1には、立体眼鏡を装着している視聴者の様々な生体量の変化を検出する表示装置が開示されている。具体的には、立体眼鏡に視聴者の脳波、脈波、皮膚温、および瞬きを検出するセンサが設けられている。センサによって得た各データを解析し、視聴者の興奮度、感動度、および疲労度等の感覚量を算出し、当該算出値に応じて表示している画像を3次元表示から2次元表示に戻したり、視聴者に対して休息を促すメッセージを流したりする。
【0007】
これによれば、視聴者が見ている映像から受ける感覚の度合いを推定し、この感覚度の変化によって見ている映像の効果を下げる画像処理、またはメッセージ表示を施すことによって、視聴者個人の受けている感覚に応じた安全な状態の映像を常に視聴者に与えることができる。
【0008】
また、特許文献2には、3Dコンテンツに付帯する3次元表示に関する付帯情報と、表示される3Dコンテンツを観察する観察者に関する個人情報とに基づいて、表示対象となる3Dコンテンツの表示状態を制御する表示装置が開示されている。より詳細には、付帯情報から得た観察者が感じる生理的違和感の程度を示す生体影響度を求め、この生体影響度と、年齢、性別、嗜好、および観察履歴等の個人情報とに基づいて、3Dコンテンツの表示状態を制御する。
【0009】
これによれば、観察者ごとに適した表示状態にして3Dコンテンツを表示することが可能となる。つまり、3Dコンテンツごとの生理的違和感の度合いと、観察者個人の生理的違和感の度合いとを考慮して3Dコンテンツを表示することができる。
【0010】
一方、特許文献3には、視聴者の年齢または健康状態等の条件に基づいたコンテンツ再生を行う表示装置が開示されている。具体的には、コンテンツの記録または伝送の際に、コンテンツのシーン単位で視聴者の生体に及ぼす影響の程度を示す情報を、各シーンの映像データおよび音声データと共に多重化する。そして、当該コンテンツを再生する際には、当該情報と、予め設定した視聴者の生体の3Dコンテンツ視聴に対する許容度を示す情報との比較に基づいたコンテンツ再生を行う。
【0011】
これによれば、視聴者に表示するシーンにおいて、視聴者の生体に与える影響が、視聴者の3Dコンテンツ視聴に対する許容度を上回った場合には、例えば、再生映像の選択または変更、再生映像の所定シーンのスキップ等を行うことができる。したがって、視聴者に合った適切かつ安全なレベルのコンテンツの再生が行われるようにすることができる。
【0012】
上述したような、視聴者の生体に与える影響を考慮して映像コンテンツの再生を行う従来の映像表示装置の一例として、特許文献3に開示されている映像表示装置を図7に示す。図7は、当該文献に開示されている映像表示装置40の要部構成を示すブロック図である。
【0013】
図7に示すように、映像表示装置40は、記録装置38と再生装置39とからなる。記録装置38は、映像データ生成部21、生体影響分析部22、ビデオ圧縮部23、音声データ生成部24、オーディオ圧縮部25、多重化部26、ユニット構成部27、データ記録部28、および記録媒体29によって構成されている。一方、再生装置39は、分離化部30、ビデオ復号部31、オーディオ復号部32、再生制御部33、ユーザインターフェース34、およびユーザ生体影響設定部35によって構成されている。
【0014】
映像表示装置40においてコンテンツを再生する際の処理の流れを簡単に説明する。まず、映像データ生成部21によって生成された映像データ、または外部から取得した映像データは、生体影響分析部22およびビデオ圧縮部23に供給される。生体影響分析部22では、映像データが生体に対してどのくらいの影響を及ぼすかを分析し、当該分析結果は、生体影響情報としてユニット構成部27に供給される。ビデオ圧縮部23では、ビデオ圧縮が行われ、圧縮された映像データは多重化部26に供給される。
【0015】
一方、音声データ生成部26によって生成された音声データ、または外部から取得した音声データは、オーディオ圧縮部25に供給される。オーディオ圧縮部25では、オーディオ圧縮が行われ、圧縮された音声データは多重化部26に供給される。
【0016】
多重化部26では、映像データおよび音声データがそれぞれ多重化され、各多重化データはユニット構成部27に供給される。ユニット構成部27では、多重化された映像データおよび多重化された音声データのユニット化を行うとともに、生体影響情報をユニットごとに記録し、ユニット化データをデータ記録部28に出力する。そして、データ記録部28では、ユニット構成部27から供給されたユニット化データを記録媒体29に出力し、記録媒体29への記録を行う。
【0017】
記録媒体29に記録されたデータは分離化部30に供給される。分離化部30では、多重化されているデータの分離が行われ、映像データはビデオ復号部31に供給され、音声データはオーディオ復号部32に供給される。また、生体影響情報を含むデータは、再生制御部33に供給される。ビデオ復号部31およびオーディオ復号部32では、それぞれデータの復号を行い、復号された映像データおよび音声データを再生制御部33に供給する。
【0018】
一方、ユーザ生体影響設定部35では、コンテンツの再生を行う前に、ユーザインターフェース34によって入力された情報に基づいて、ユーザの3Dコンテンツ視聴に対する許容度を示すユーザ生体影響情報を設定する。当該ユーザ生体影響情報は、再生制御部33に供給される。再生制御部33では、ユーザ生体影響情報および生体影響情報の両方の情報に基づいて、供給された映像データおよび音声データの再生の制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開平8−289327号公報(1996年11月1日公開)
【特許文献2】特開2004−246725号公報(2004年9月2日公開)
【特許文献3】特開2006−270924号公報(2006年10月5日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記した特許文献1〜3に開示されている技術では、視聴者個人のリアルタイムの生体情報に基づいて、視聴者に適した3次元表示の制御を行うことができない。また、長時間の視聴には耐えられないものもある。
【0021】
例えば、特許文献1に開示されている技術では、視聴者が3Dコンテンツを視聴するのと同時に、視聴者の感覚量(生体情報)を測定することが可能だが、当該感覚量を検出するためのセンサは視聴者が装着している立体眼鏡に付いている。当該立体眼鏡は大きく重たくなっているため、その装着感が悪く、視聴者が長時間の視聴に耐えられないという問題があった。
【0022】
また、検出した感覚量に基づいて、3次元表示を2次元表示に戻したり、休息を促すメッセージを表示したりすることはできるが、3次元表示の状態を制御することができない。すなわち、3Dコンテンツの立体効果自体を制御することができない。
【0023】
一方、特許文献2に開示されている技術では、3Dコンテンツの表示状態を制御することができるが、当該制御は視聴者の年齢、性別、および嗜好等の個人情報に基づいている。当該個人情報は、視聴以前に把握することができる一般的な情報であるため、視聴者個人のリアルタイムの生体情報に基づいていない。
【0024】
特許文献3に開示されている技術では、コンテンツのシーンごとに視聴者の生体に影響を及ぼす可能性を示す情報を予め測定した上で再生状態を制御しているので、予め分析済みのコンテンツにしか対応することができない。また、本文献においても、当該制御は予め設定した視聴者の生体の3Dコンテンツ視聴に対する許容度に基づいているので、視聴者個人のリアルタイムの生体情報に基づいた制御を行うことができない。
【0025】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、3Dコンテンツを視聴している際の、視聴者のリアルタイムの生体情報に基づいた、当該3Dコンテンツの3D映像効果を制御することができる映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明に係る映像表示装置は、上記課題を解決するために、3次元映像を3次元表示可能な映像表示装置において、視聴者が上記3次元映像を視聴中に、当該視聴者の生体に関わる情報である生体情報を測定する測定手段と、上記生体情報を解析し、解析した結果に基づいて、上記3次元映像を視聴することによって上記視聴者の生体に与える影響の程度を示す生体影響度を決定する解析手段と、上記生体影響度に基づいて、上記視聴者が視聴している上記3次元映像の映像効果を制御する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、視聴者が3次元映像を視聴中には、当該視聴者の生体情報が測定され、当該生体情報に基づいて解析される生体影響度に合わせて、視聴者が視聴している3次元映像の映像効果を制御する。その結果、視聴者には、自身の生体情報に基づく生体影響度に適した映像効果の3次元映像が表示されることになる。
【0028】
このように、視聴者が3次元映像を視聴中に、当該視聴者の生体情報を測定することによって、視聴者の生体情報を考慮した3次元表示を実現することができる。これによれば、視聴者の生体影響度が高すぎたり、あるいは低すぎたりして、生理的違和感を強く感じている場合には、3次元映像の立体感、臨場感、没入感等の立体効果を抑える、または増すことによって、視聴者が感じている生理的違和感を和らげることができる。
【0029】
逆に、3次元映像を視聴しているにも拘らず、視聴者によっては立体感、臨場感、および没入感等の立体効果が十分に伝わっていない場合が多い。その場合は、視聴者の生体影響度が低いので、それに合わせて3次元映像の表示状態を調整し、映像効果を高めることが可能となる。このように、視聴者が3次元映像を視聴している最中に生体情報を測定するので、視聴者のリアルタイムの生体情報に基づいて当該3次元映像の映像効果を制御することができる。したがって、視聴者のリアルタイムの生体情報に基づいた3次元映像の表示が可能となる。それ故、例えば、視聴者の体調が優れない場合等には、当該視聴者の体調に合わせた3次元映像の表示を行うことができる。
【0030】
また、本発明に係る映像表示装置は、上記生体情報に基づいて、上記生体に関わる指標である生体指標を算出する算出手段をさらに備え、上記解析手段は、上記生体指標を解析し、解析した結果に基づいて上記生体影響度を決定することを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、視聴者の生体情報に基づいて生体指標を算出し、当該生体指標に基づいて生体影響度を解析する。これによれば、視聴者の生体情報を考慮して映像効果を制御することができる。
【0032】
また、本発明に係る映像表示装置は、上記生体情報に基づいて、上記測定手段は、上記視聴者の指先から上記生体情報を測定することを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、視聴者が3次元映像を視聴している最中に生体情報を指先から測定しているので、3次元映像の視聴の邪魔にならない。
【0034】
また、本発明に係る映像表示装置は、上記生体情報は、脈波、心拍数、および血圧のうち、少なくともいずれかであることを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、視聴者のより正確な生体影響度を解析することができる。
【0036】
また、本発明に係る映像表示装置は、上記生体指標は、心拍間隔変動係数、脈波の高周波数成分に対する上記脈波の中間周波数成分の比(LF/HF)、血圧と心拍数との最大相互相関係数(ρmax)、および加速度脈波のうち、少なくともいずれかであることを特徴としている。
【0037】
上記の構成によれば、視聴者のより正確な生体影響度を解析することができる。
【0038】
また、本発明に係る映像表示装置は、上記制御手段は、上記映像効果として上記3次元映像の奥行き量、輝度、色度、表示速度、表示サイズ、および表示角度のうち、少なくともいずれかを制御することを特徴としている。
【0039】
上記の構成によれば、視聴者の生体情報を考慮して映像効果を制御することが可能となる。
【0040】
また、本発明に係る映像表示装置は、上記制御手段は、複数の上記映像効果を制御することを特徴としている。
【0041】
上記の構成によれば、複数の映像効果のうち、ある映像効果のレベルは上げて、それとは違う映像効果のレベルは下げるというように、映像効果を組み合わせて制御することができる。
【0042】
また、本発明に係る映像表示装置は、上記視聴者が2次元映像を視聴中に、上記測定手段が、上記視聴者の上記生体情報を測定し、上記解析手段が、上記生体情報を解析し、解析した結果に基づいて、上記生体影響度を決定すると、上記制御手段が、上記生体影響度に基づいて、上記2次元映像に上記映像効果を付加し、当該2次元映像を上記3次元映像に変換することを特徴としている。
【0043】
上記の構成によれば、視聴者が2次元映像を視聴中に、立体感、臨場感、および没入感が乏しく、明らかに視聴者が退屈している場合には、2次元映像に立体効果を付加し、3次元映像に変換することができる。
【0044】
また、本発明に係る映像表示装置は、上記制御手段は、上記奥行き量、上記輝度、上記色度、上記表示速度、上記表示サイズ、および上記表示角度のうち、少なくともいずれかの程度を上げることを特徴としている。
【0045】
上記の構成によれば、視聴者の生体影響度が低かった場合に、表示状態を調整し、立体感、臨場感、および没入感等の立体効果がより高い3次元映像を表示することができる。
【0046】
また、本発明に係る映像表示装置は、上記制御手段は、上記奥行き量、上記輝度、上記色度、上記表示速度、上記表示サイズ、および上記表示角度のうち、少なくともいずれかの程度を下げることを特徴としている。
【0047】
上記の構成によれば、視聴者の生体影響度が高かった場合に、表示状態を調整し、立体感、臨場感、および没入感等の立体効果を低めることによって、視聴者が感じる生理的違和感を和らげることができる。
【0048】
また、本発明に係る映像表示装置は、上記生体影響度が予め定められた基準を超えると、上記3次元映像の表示を停止する制御手段をさらに備えていることを特徴としている。
【0049】
上記の構成によれば、視聴者の生体影響度が予め定められた基準を超え、視聴者の生体に大きな影響を及ぼし危険な状態であると判断されると、3次元映像の表示を停止することができる。
【0050】
また、本発明に係る映像表示制御方法は、上記課題を解決するために、3次元映像を3次元表示する映像表示装置における映像表示制御方法であって、視聴者が上記3次元映像を視聴中に、当該視聴者の生体に関わる情報である生体情報を測定するステップと、上記生体情報を解析し、解析した結果に基づいて、上記3次元映像を視聴することによって上記視聴者の生体に与える影響の程度を示す生体影響度を決定するステップと、上記生体影響度に基づいて上記3次元映像の映像効果を制御するステップとを備えていることを特徴としている。
【0051】
上記の方法によれば、視聴者の生体情報を考慮して映像効果を制御することが可能な映像表示装置が実現される。
【0052】
また、本発明に係る映像表示制御方法は、上記生体情報に基づいて、上記生体に関わる指標である生体指標を算出するステップをさらに備え、上記生体影響度を決定するステップでは、上記生体指標を解析し、解析した結果に基づいて上記生体影響度を決定することを特徴としている。
【0053】
上記の方法によれば、視聴者の生体情報に基づいて生体指標を算出し、当該生体指標に基づいた生体影響度を考慮して映像効果を制御することができる。
【0054】
なお、上述した映像表示制御方法は、コンピュータによって実現しても良く、この場合には、コンピュータを上記各ステップとして実行させることにより上記映像表示制御方法をコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、視聴者個人のリアルタイムの生体影響度を把握することができる。そのため、視聴者の生体影響度が高すぎたり、低すぎたりして過度な生理的違和感を感じている場合には、当該視聴者の生体影響度に合わせて3次元映像の映像効果を制御することができる。例えば、視聴者が3次元映像の映像効果を過度に感じている場合には、3次元映像の立体感、臨場感、および没入感等の映像効果(立体効果)を下げることが可能である。逆に、視聴者が十分な映像効果を感じていない場合には、3次元映像の表示状態を調整することによって、3次元映像の映像効果を上げることが可能である。このように、本発明に係る映像表示装置は、視聴者の生体情報に合わせた最適な3次元映像の表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】生体影響レベルのレベル分けの一例を示す図である。
【図3】視聴者の生体情報を測定し、その測定結果に基づいて映像効果レベルを調整するまでの手順を示すフローチャートである。
【図4】映像効果レベルを下げる場合の調整手順を示すフローチャートである。
【図5】映像効果レベルを上げる場合の調整手順を示すフローチャートである。
【図6】(a)は、映像効果レベルの調整前の状態を示す図であり、(b)は、映像効果レベルの調整後の状態を示す図である。
【図7】従来の映像表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
(映像表示装置15の概要)
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、本実施形態に係る映像表示装置15の概要について、図1を参照して説明する。図1は、映像表示装置15の要部構成を示すブロック図である。映像表示装置15は、2次元表示だけでなく、3次元表示可能であり、3次元映像コンテンツ(以下、3Dコンテンツという)を再生することができる。
【0058】
図1に示すように、映像表示装置15は、映像処理部16、生体情報測定部11(測定手段)、表示ディスプレイ9、スピーカ10、およびリモートコントローラ1(以下、リモコン1という)から構成されている。
映像処理部16は、入力部2、制御部3、映像コンテンツ格納部4、再生部5、映像部6、音声部7、出力部8、生体指標算出部12(算出手段)、生体影響レベル解析部13(解析手段)、および映像効果レベル調整部14(制御手段)からなる。
【0059】
入力部2は、リモコン1からの光信号を受信して、当該リモコン1からの制御信号を受け付けるためのものである。映像表示装置15の電源オン/オフ、またはコンテンツの再生等の視聴者からの指示は、このリモコン1を介して行われる。
【0060】
制御部3では、各種の制御を行っており、リモコン1を介して視聴者から映像コンテンツの再生指示を入力部2が受信すると、その情報が制御部3に出力される。制御部3は映像コンテンツ格納部4から上記映像コンテンツのデータを取り出し、当該映像コンテンツのデータを再生部5に出力する。再生部5では当該制御部3から再生する映像コンテンツのデータを受信すると、当該データの映像データを映像部6に出力し、当該データの音声データを音声部7に出力する。映像部6では、出力された映像データを再生用の映像データに処理し、音声部7では、出力された音声データを再生用の音声データに処理する。映像部6が処理した映像データ、および音声部7が処理した音声データは出力部8に出力され、出力部8によって映像データは表示ディスプレイ9に出力され、音声データはスピーカ10に出力される。コンテンツを再生するための映像処理については、従来の技術と同様であるため、ここでは言及しない。
【0061】
本実施形態に係る映像表示装置15は、視聴者の生体情報を測定する生体情報測定部11を備えている。ここで言う生体情報とは、視聴者の脈波、心拍数、血圧、体温、発汗度、瞬目回数、呼吸回数、または脳波等の視聴者の生体に関わる情報である。生体情報測定部11は、入力部2が視聴者からの映像コンテンツ(3Dコンテンツ)の再生指示を受信すると、その情報を受けて視聴者の生体情報の測定を開始する。したがって、生体情報測定部11は、視聴者が映像コンテンツの視聴を開始すると同時に、当該視聴者の生体情報の測定を開始する。測定した生体情報は生体指標算出部12に出力され、当該生体指標算出部12によって生体情報を基に生体指標が算出される。ここで言う生体指標とは、上記生体情報に基づいて算出される、視聴者の生体に関わる指標である。算出された生体指標は生体影響レベル解析部13に出力され、当該生体影響レベル解析部13によって指標のレベルが解析され、視聴者の現在の生体影響レベル(生体影響度)が決定される。生体影響レベルは、3Dコンテンツを視聴することによって視聴者の生体に与える影響の程度を示す。例えば、生体影響レベルを高レベル・中レベル・低レベルに分けた場合には、高レベルであるほど、3Dコンテンツを視聴した際に3Dコンテンツの映像効果を過度に感じてしまうことに起因して、3Dコンテンツを視聴することによって視聴者の生体に大きな影響を及ぼす可能性が高いと判定する。生理的違和感とは、視聴者の興奮度合いまたは刺激度合いが上昇してしまったり、立体感、臨場感、および没入感等を強く感じてしまったりする場合に感じるものである。生理的違和感が強いと、目眩、酔い、気分が悪くなる等、視聴者の生体に影響を及ぼしてしまう場合もある。
【0062】
決定された生体影響レベルは制御部3に出力され、制御部3では生体影響レベルに基づいて再生する映像コンテンツのデータの映像効果レベルを調整するように映像効果レベル調整部14を制御する。ここで言う映像効果レベルとは、3Dコンテンツの立体感、臨場感、および没入感等の3次元表示上の映像効果(立体効果)のレベルである。映像効果レベル調整部14では、生体影響レベルに基づいてコンテンツデータの映像効果レベルを調整し、調整したデータを再び制御部3に出力する。制御部3は、出力されたデータを再生部5に出力し、上述したようなコンテンツの再生処理が行われる。
【0063】
再生する映像コンテンツは、映像コンテンツ格納部4に格納されているものの他に、記録媒体に記録されているもの、あるいはインターネットを通じて外部のサーバ等からダウンロードしたものであっても良い。映像表示装置15には、各種記録媒体に対応するリーダを内蔵、もしくは外付けすることが可能である。また、インターネットに接続するための各種インターフェースが付属していても良い。
【0064】
上記各種記録媒体とは、CD−ROM、CD−R、またはCD−RW等のCD(Compact Disc)、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD±R、またはDVD±RW等のDVD(Digital Versatile Disc)、HD DVD(High-Definition Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc)、SDカード、メモリスティック、コンパクトフラッシュ(登録商標)、マイクロドライブ、またはスマートメディア等のメモリカード、USBメモリ、MO(Magneto-Optical)、iVDR(information Versatile Disc for Removable usage)、各種磁気テープ、または外付けHDD(Hard Disc Drive)等である。
【0065】
(生体情報の測定)
上述したように、生体情報測定部11では、視聴者の生体情報の測定が行われる。以下では、視聴者の生体情報の測定について詳しく説明する。まず、視聴者の生体情報の測定形態について説明する。
【0066】
生体情報の測定形態としては、指先からの測定、掌からの測定、手首からの測定、帽子型の測定器による測定、仮面型の測定器による測定、または眼鏡型の測定器による測定等が可能である。生態情報測定部11が取り得る測定形態は1種類の形態に限らず、複数の測定形態を組み合わせて視聴者の生体情報を測定しても良い。指先等の手先から測定する形態であれば、視聴者の映像コンテンツの視聴の邪魔にならない点で好ましい。また、生体情報測定部11が測定する生体情報は、脈波、心拍数、血圧、体温、発汗度、瞬目回数、呼吸回数、または脳波等である。測定する生体情報については、1種類の測定項目に限らず、複数の測定項目を測定しても良い。
【0067】
生体情報測定部11が測定した視聴者の生体情報は、生体指標算出部12に出力され、当該生体情報を基に生体指標が算出される。算出する指標としては、例えば、CVRR(Coefficient of Variation of R-R intervals)、LF/HF、ρmax、加速度脈波、CVaa、a、Whalf、PO、またはPmax等が挙げられる。生体指標の一例を、表1に示す。算出する指標は1つであっても良いし、複数であっても良い。例えば、生体情報として脈波と心拍数と血圧とを測定した場合には、生体指標としてCVRR(心拍間隔変動係数)、LF/HF(脈波の中間周波数成分(0.05〜0.20Hz)/脈波の高周波数成分(0.20〜0.35Hz))、ρmax(血圧と心拍数との最大相互相関係数)、および加速度脈波を算出することが可能である。
【0068】
【表1】

【0069】
生体指標算出部12が算出した指標は、生体影響レベル解析部13に出力され、当該指標のレベルが解析され、視聴者の現在の生体影響レベルが決定される。上述したように、視聴者の生体影響レベルが高レベルであるほど、3Dコンテンツを視聴した際に3Dコンテンツの映像効果を過度に感じてしまうことに起因して、3Dコンテンツを視聴することによって視聴者の生体に大きな影響を及ぼす可能性が高い。以下では、生体影響レベルの決定方法について詳しく説明する。
【0070】
生体指標算出部12によって算出された指標は、生体影響レベル解析部13によってレベル分けされる。具体的には、各指標は指標値に基づいて、高レベル・中レベル・低レベルに分けられ、各指標のレベルが高レベルであるほど生体影響レベルは高くなる。生体指標として、CVRR、LF/HF、ρmax、および加速度脈波を算出した場合の、各指標のレベル分けの一例を表2に示す。
【0071】
【表2】

【0072】
表2に示すように、指標ごとに、当該指標の値に基づいてレベル分けされている。生体影響レベル解析部13は、各指標の値が該当するレベルを解析し、解析した各指標のレベルに基づいて生体影響レベルを決定する。具体的には、各レベルに基準値を設定しておき、各指標が該当する10段階レベルの平均に基づいて生体影響レベルを決定する。
【0073】
【表3】

【0074】
例えば、表3に示すような生体指標の算出結果が得られたとする。視聴者Xの結果に着目すると、10段階レベルでは、CVRR=レベル3、LF/HF=レベル3、ρmax=レベル2、および加速度脈波=レベル2であり、高中低レベルでは、すべてが低レベルに該当する。したがって、視聴者Xの生体指標の平均値は、3(CVRRのレベル)+3(LF/HFのレベル)+2(ρmaxのレベル)+2(加速度脈波のレベル)/4(平均)=2.5≒3となる。ここで、生体影響レベルは、図2に示すように大きく高レベル・中レベル・低レベルの3段階に分けられており、さらに細かく0〜10の10段階に分けられている。本図では、0〜3が低レベルであり、4〜6が中レベルであり、7〜10が高レベルである。なお、9〜10は危険な状態(視聴者の生体に大きな影響を及ぼしている状態)であると判断され、生体影響レベルが危険レベルに達した場合には、直ちに映像コンテンツの再生を停止するように構成すると良い。さらに、危険レベルに達しなくとも、視聴者の生体影響レベルが急激に上昇した場合等でも直ちに映像コンテンツの再生を停止するように構成するとより良い。図2に基づくと、視聴者Xの生体指標の平均値は10段階レベルの3であるため、低レベルに該当する。したがって、視聴者Xの生体影響レベルは低レベルであると決定される。
【0075】
一方、視聴者Yの結果に着目すると、10段階レベルでは、CVRR=レベル4、および加速度脈波=5であり、双方が中レベルに該当し、LF/HF=10、およびρmax=7であり、双方が高レベルに該当している。したがって、視聴者Yの生体指標値の平均値は、4(CVRRのレベル)+10(LF/HFのレベル)+7(ρmaxのレベル)+5(加速度脈波のレベル)10/4=6.5≒7となる。図2に基づくと、視聴者Yの生体指標値の平均値は7であるため、高レベルに該当する。したがって、視聴者Yの生体影響レベルは高レベルであると決定される。
【0076】
ここで、各指標の平均値を求めるのではなく、例えば、指標ごとに重み(ウェート)を付加した平均値を求めても良い。これによれば、指標ごとに重み付けをすることによって、複数の指標において重要度に差がある場合には、当該差を考慮して生体影響レベルを決定することができる。重み付けの一例として、表2には各指標の重みを表記している。これに基づくと、視聴者Xの生体指標の重み付けした平均値は、3(CVRRのレベル)×20/100+3(LF/HFのレベル)×40/100+2(ρmaxのレベル)×30/100+2(加速度脈波のレベル)×10/100=2.6≒3となる。
【0077】
一方、視聴者Yの重み付けした平均値は、4(CVRRのレベル)×20/100+10(LF/HFのレベル)×40/100+7(ρmaxのレベル)×30/100+5(加速度脈波のレベル)×10/100=7.4≒7となる。
【0078】
上記の生体影響レベルの決定方法に限られず、指標ごとの重み(ウェート)を重視した他のレベル決定方法を用いても良い。以下に、その一例を示す。
【0079】
視聴者Xの場合は、CVRR=レベル3、LF/HF=レベル3、ρmax=レベル2、および加速度脈波=レベル2であり、図2に基づくと、すべてが低レベルに該当する。すべての生体指標の高中低レベルが同じ場合には、重み付けの割合が一番高いLF/HFの10段階レベルを採用する。そのため、視聴者Xの10段階レベルは3となる。
【0080】
一方、視聴者Yの場合は、CVRR=4、および加速度脈波=5であり、図2に基づくと、双方が中レベルに該当し、LF/HF=10、およびρmax=7であり、双方が高レベルに該当している。各生体指標の高中低レベルが異なる場合は、重み付けの割合が高い、LF/HFとρmaxとに注目する。10段階レベルでは、LF/HF=レベル10、ρmax=レベル7となるので、視聴者Yの生体指標値は、10×40(LF/HFの重み付けの割合)+7×30(ρmaxの重み付けの割合)/70=8.7≒9となる。図2に基づくと、視聴者Yの生体指標値は9であるため、危険な高レベルに該当する。したがって、視聴者Yの生体影響レベルは危険な高レベルであると決定される。
【0081】
このようにして決定した視聴者の生体影響レベルは制御部3に出力され、生体影響レベルが中レベルであった場合は、入力部2から再生指示があった映像コンテンツのデータをそのまま再生部5に出力して視聴者に表示する。一方、生体影響レベルが低レベルまたは高レベルであった場合には、再生する映像コンテンツの映像効果レベルを調整するように制御部3が映像効果レベル調整部14を制御する。具体的には、生体影響レベルが高レベルであった場合は、3Dコンテンツ視聴が視聴者の生体に大きな影響を及ぼす可能性が高いと判断されるので、立体感、臨場感、および没入感等の映像効果(立体効果)のレベルを下げる。映像効果レベル調整部14では、再生する映像コンテンツの映像効果レベルを下げるために、例えば、奥行き量(depth)、輝度、色度、表示速度、表示サイズ、表示角度、光源の向き、または表面の反射等の各種パラメータを調整する。上記各種パラメータを調整することによって映像効果レベルを下げ、3Dコンテンツの立体感、臨場感、および没入感等を抑える。調整するパラメータは、再生する映像コンテンツの映像効果レベル、または視聴者の生体情報(生体指標)等を考慮して適宜決定する。なお、生体影響レベルが低レベルまたは高レベルであった場合に調整するパラメータを予め設定しておくことも可能である。
【0082】
同様に、生体影響レベルが低レベルであった場合は、3Dコンテンツ視聴が視聴者の生体にほとんど影響を及ぼさないと判断されるので、映像効果レベルを上げる。上述した各種パラメータを調整することによって映像効果レベルを上げ、3Dコンテンツの立体感、臨場感、および没入感等を高める。
【0083】
以上のように、映像効果レベル調整部14が調整した映像コンテンツのデータを再び制御部3に出力し、当該データを再生部5に出力することによって視聴者の生体情報を考慮した3次元表示を実現することができる。これによれば、視聴者の生体影響レベルが高レベルであると判定された場合には、映像コンテンツの映像効果(立体効果)を抑えることによって、視聴者が感じている生理的違和感を和らげることができる。
【0084】
逆に、3Dコンテンツを視聴しているにも拘らず、3次元表示の映像効果の感じ方に個人差があることから、視聴者によっては立体感、臨場感、および没入感等が十分に伝わっていない場合が多い。その場合は、視聴者の生体影響レベルが低レベルであると判定されるので、それに合わせて映像効果レベルを上げることによって、3次元表示の映像効果レベルを高めることができる。このように、視聴者が映像コンテンツを視聴中に生体情報を測定するので、視聴者のリアルタイムの生体情報に基づいて当該コンテンツの映像効果を制御することができる。それ故、例えば、視聴者の体調が優れない場合等には、当該視聴者の体調に合わせた3次元映像の表示を行うことができる。
【0085】
なお、生体情報測定部11による視聴者の生体情報の測定は、視聴者が映像コンテンツを視聴している間は定期的に繰り返し行われることが好ましい。例えば、一定時間経過するごとに生体情報の測定を行ったり、シーンごとに生体情報の測定を行ったりすることが好ましい。これによれば、より正確な視聴者の生体情報に基づいた映像効果の制御を行うことが可能となる。
【0086】
なお、例えば、表4に示すような生体指標の算出結果が得られたとする。表4に示すように、視聴者A〜Dでは、得られる生体指標値がそれぞれ異なる。すなわち、視聴者ごとに、3Dコンテンツを視聴することによって感じる生理的違和感が異なるのを表している。本実施形態によれば、このような視聴者ごとに異なる生理的違和感(生体影響レベル)を考慮して、各視聴者の生体に適した3次元表示を行うことが可能である。
【0087】
【表4】

【0088】
また、視聴者Bでは、ρmaxが0.29と高レベルに近く、刺激度合いが高い状態となっているが、LF/HFは1.05と中レベルであり、安定した状態となっている。このように、視聴者B個人内でも指標によって生体影響のレベルが異なるので、1つの指標をもって生体影響レベルを決定するのは難しい。そのため、生体影響レベルを決定する際には、複数の指標に基づいて当該レベルを決定するのが好ましい。これによれば、より正確な視聴者個人の生体影響レベルを決定付けることができる。
【0089】
以上で示した重み付けは一例であり、これに限定されるわけではない。各指標の重要度を考慮して適当な重みを付加することが好ましい。また、以上では、生体指標としてCVRR、LF/HF、ρmax、および加速度脈波を算出したが、特にこれに限定されるわけではない。算出する生体指標は適宜決定すれば良い。さらに、図2に示した生体影響レベルのレベル分けは一例であり、特にこれに限定されるわけではない。
【0090】
(生体情報の測定手順)
以下では、視聴者が映像コンテンツを視聴する際に、視聴者の生体情報を測定し、その測定結果に基づいて映像効果レベルを調整するまでの手順(映像表示調整方法)を詳しく説明する。まず、全体の大まかな流れを、図3のフローチャートに沿って説明する。図3は、視聴者の生体情報を測定し、その測定結果に基づいて映像効果レベルを調整するまでの手順を示すフローチャートである。
【0091】
まず視聴者が映像表示装置15の電源をオンにすると(ステップS1)、視聴者はリモコン1を介して任意の映像コンテンツ(3Dコンテンツ)を選択し、視聴を開始する指示を入力部2に出力する。映像コンテンツの視聴指示を受けた入力部2は、その情報を制御部3および生体情報測定部11に出力する。制御部3では、視聴指示を受けた映像コンテンツのデータを映像コンテンツ格納部4から取得し、当該データを再生部5に出力して視聴者は映像コンテンツの視聴を開始する(ステップS2)。一方、生体情報測定部11では、視聴者が映像コンテンツの視聴を開始すると、視聴者の生体情報の測定を開始する(ステップS3)。生体情報測定部11が測定した生体情報は生体指標算出部12に出力され、生体指標算出部12において、当該生体情報を基に各種生体指標が算出される(ステップS4)。そして、生体指標算出部が算出した生体指標に基づいて、生体影響レベル解析部13が視聴者の生体影響レベルを決定する(ステップS5)。
【0092】
生体影響レベル解析部13が決定した生体影響レベルは制御部3に出力され、当該生体影響レベルが高レベルであった場合には(ステップS6,YES)、ユーザが視聴している映像コンテンツの映像効果レベルを下げるように制御部3が映像効果レベル調整部14を制御する(ステップS7)。映像効果レベルを下げた後、視聴者が映像コンテンツの視聴を続ける場合には(ステップS8,YES)、ステップS3に戻り、映像コンテンツの視聴を続けると同時に視聴者の生体情報の測定を再び開始する。ここで、視聴者が映像コンテンツの視聴を終了する場合には(ステップS8,NO)、映像表示装置15の電源をオフにして終了する(ステップS9)。
【0093】
生体影響レベル解析部13が決定した生体影響レベルが高レベルではなく(ステップS6,NO)、低レベルであった場合には(ステップS10,YES)、ユーザが視聴している映像コンテンツの映像効果レベルを上げるように制御部3が映像効果レベル調整部14を制御する(ステップS11)。映像効果レベルを上げた後、視聴者が映像コンテンツの視聴を続ける場合には(ステップS8,YES)、ステップS3に戻り、映像コンテンツの視聴を続けると同時に視聴者の生体情報の測定を再び開始する。ここで、視聴者が映像コンテンツの視聴を終了する場合には(ステップS8,NO)、映像表示装置15の電源をオフにして終了する(ステップS9)。
【0094】
一方、生体影響レベル解析部13が決定した生体影響レベルが低レベルではなかった場合(ステップS10,NO)、すなわち中レベルであった場合には、制御部3は入力部2から視聴指示があった映像コンテンツのデータをそのまま再生部5に出力して視聴者に表示する。そして、視聴者がそのまま映像コンテンツの視聴を続ける場合には(ステップS8,YES)、ステップS3に戻り、映像コンテンツの視聴を続けると同時に視聴者の生体情報の測定を再び開始する。ここで、視聴者が映像コンテンツの視聴を終了する場合には(ステップS8,NO)、映像表示装置15の電源をオフにして終了する(ステップS9)。
【0095】
(映像効果レベルの調整手順)
次に映像効果レベル調整部14による映像効果レベルの具体的な調整手順について説明する。まず、視聴者の生体影響レベルが高レベルであり、映像効果レベルを下げる場合の調整手順について、図4のフローチャートに沿って説明する。図4は、映像効果レベルを下げる場合の調整手順を示すフローチャートである。
【0096】
制御部3から映像効果レベルを下げるように指示を受けると、映像効果レベル調整部14は映像効果レベルを下げる処理を開始する。上述したように、映像効果レベルを下げるために、映像効果レベル調整部14は視聴者が視聴している映像コンテンツの各種パラメータ(奥行き量、輝度、色度、表示速度、表示サイズ、表示角度、光源の向き、または表面の反射等)を調整する。すべてのパラメータを調整することも可能であるし、任意のパラメータを調整するように設定することも可能である。以下では、5つのパラメータ(奥行き量、輝度、色度、表示速度、および表示サイズ)のうち、奥行き量および輝度を下げる場合を想定して説明する。
【0097】
制御部3から映像効果レベルを下げる指示を受けると、映像効果レベル調整部14は、視聴者が視聴している映像コンテンツの奥行き量を下げるので(ステップS21,YES)、当該奥行き量を調整し(ステップS22)、輝度についても下げるので(ステップS23,YES)、当該輝度を調整する(ステップS24)。続いて色度、表示速度、および表示サイズについては調整しないので、色度はそのままの色度を保ち(ステップS25,NO)、表示速度についてもそのままの表示速度を保つ(ステップS27,NO)。また、表示サイズについてもそのままの表示サイズを保ち(ステップS29,NO)、各種パラメータの調整は終了する。このようにして映像効果レベルは調整される。なお、各種パラメータを調整した映像コンテンツのデータは再び制御部3に出力され、当該データを制御部3が再生部5に出力することによって、映像効果レベルが調整された映像コンテンツが視聴者に表示される。
【0098】
以下では、視聴者の生体影響レベルが低レベルであり、映像効果レベルを上げる場合の調整手順について、図5のフローチャートに沿って説明する。図5は、映像効果レベルを上げる場合の調整手順を示すフローチャートである。
【0099】
制御部3から映像効果レベルを上げるように指示を受けると、映像効果レベル調整部14は映像効果レベルを上げる処理を開始するが、以下では、5つのパラメータ(奥行き量、輝度、色度、表示速度、および表示サイズ)のうち、奥行き量、表示速度、および表示サイズを上げる場合を想定して説明する。
【0100】
制御部3から映像効果レベルを上げる指示を受けると、映像効果レベル調整部14は、視聴者が視聴している映像コンテンツの奥行き量を上げるので(ステップS31,YES)、当該奥行き量を調整する(ステップS32)。次に輝度および色度については調整しないので、輝度はそのままの輝度を保ち(ステップS33,NO)、色度についてもそのままの色度を保つ(ステップS35,NO)。一方、表示速度は上げるので(ステップS37,YES)、当該表示速度を調整する(ステップS38)。同様に、表示サイズについても上げるので(ステップS39,YES)、当該表示サイズを調整し(ステップS40)、各種パラメータの調整は終了する。このようにして映像効果レベルを調整する。なお、各種パラメータを調整した映像コンテンツのデータは再び制御部3に出力され、当該データを制御部3が再生部5に出力することによって、映像効果レベルが調整された映像コンテンツが視聴者に表示される。
【0101】
以上では、映像効果レベルを下げるために奥行き量および輝度を下げる例を挙げたが、特にこれに限定されるわけではなく、他のパラメータも調整可能である。同様に、映像効果レベルを上げるために、奥行き量、表示速度、および表示サイズを調整する場合に限定されるわけではない。また、映像効果レベルを調整するために調整するパラメータは上記パラメータに限定されない。また、ある映像効果はレベルを上げて、それとは違う映像効果はレベルを下げるというような、組み合わせの調整があっても良い。
【0102】
上述したように、映像効果レベルを調整するためにすべてのパラメータを調整することも可能であるが、任意のパラメータを調整するように設定することも可能である。任意のパラメータを調整するように設定する場合には、映像コンテンツの映像効果レベル、または視聴者の生体情報(生体指標)等を考慮して決定することが可能である。あるいは、調整するパラメータを視聴者自身が決定しても良い。いずれの場合でも、生体影響レベルが低レベルまたは高レベルであった場合にどのパラメータを調整するのかを予め設定しておく必要がある。この場合、映像効果レベル調整部14は、設定内容に基づいて各種パラメータの調整を行う。そのため、設定内容の情報が映像効果レベル調整部14に出力されるような構成にすることが好ましい。
【0103】
また、上記映像効果レベルの調整は、3Dコンテンツを視聴する際に行うものであるため、視聴者が2次元映像コンテンツを視聴しているのか、あるいは3Dコンテンツを視聴しているのかを判断し、視聴しているのが3Dコンテンツであった場合に視聴者の生体情報の測定を開始するような構成にすると良い。
【0104】
3Dコンテンツの視聴のみではなく、2Dコンテンツを視聴中に視聴者の生体情報を測定し、当該2Dコンテンツに3D効果を付加しても良い。例えば、視聴者が2Dコンテンツを視聴中に生体情報を測定し、立体感、臨場感、および没入感が乏しく、明らかに視聴者が退屈している場合には、前述と同様の方法で2Dコンテンツに立体効果を付加することが効果的である。これにより、視聴者のコンテンツ視聴に対する満足度がアップする。この時付加する立体効果のレベルは、予め設定しておいたり、もしくは視聴者のニーズに対応させたり、あるいは、視聴中に視聴者の生体情報レベルに応じて、徐々にレベルを上げていったりしても良い。
【0105】
(映像表示装置42の実施例)
図6に、本実施形態に係る映像表示装置42の具体的な実施例を示す。図6(a)は、映像効果レベルの調整前の状態を示す図である。図6(b)は、映像効果レベルの調整後の状態を示す図である。
【0106】
図6には、映像表示装置42が指先から視聴者の生体情報を測定する指先用生体情報測定器43を採用している例が示されている。図6(a)に示すように、視聴者には3次元表示の映像効果(立体感、臨場感、および没入感等)が高い3Dコンテンツが表示ディスプレイ41において表示されている。この際、指先用生体情報測定器43では、内部に備えた生体情報測定部11が視聴者の指先から生体情報を測定している。そして、測定した生体情報に基づいて、映像表示装置42内では、生体指標算出部12、および生体影響レベル解析部13によって、視聴者の現在の生体影響レベルが決定される。例えば、視聴者の生体影響レベルがグラフ17のようであったとする。グラフ17によると、視聴者の生体影響レベルは徐々に上昇しており、ボーダーライン(高レベル)に達している。その結果、映像表示装置42では、表示ディスプレイ41に表示されている3Dコンテンツの映像効果レベルを下げるように映像効果レベルの調整を行う。
【0107】
図6(b)に示すように、映像効果レベルを下げた結果、視聴者には3次元表示の立体効果(立体感、臨場感、および没入感等)が低い3Dコンテンツが表示ディスプレイ41において表示されている。この際、映像表示装置42では、指先用生体情報測定器43が視聴者の指先から生体情報を継続して測定しており、測定した生体情報に基づく視聴者の生体影響レベルはグラフ18のようになる。グラフ18によると、視聴者の生体影響レベルは、グラフ17と比較して低下しており、ボーダーライン(高レベル)よりも低くなっている。このように、視聴者の生体影響レベルを逐次的に検出しているため、視聴者のリアルタイムの生体影響レベルに合わせた3Dコンテンツの映像効果レベルの調整が可能となる。
【0108】
視聴者の生体影響レベルとは、視聴者自身の主観的評価または自覚症状だけでは把握できない場合も多く、特に3Dコンテンツの視聴においては、視聴者が気付かないうちに生理的違和感を視聴者に与えてしまっている場合も多い。本実施形態によれば、視聴者個人のリアルタイムの生体影響レベルを把握することができるので、視聴者が過度な生理的違和感を感じている場合には3Dコンテンツの映像効果レベルを下げることが可能である。逆に、視聴者が十分な映像効果(立体効果)を感じていない場合には3Dコンテンツの映像効果レベルを上げることが可能である。このように、映像表示装置15は、視聴者に合わせた最適な3Dコンテンツの表示を実現することができる。
【0109】
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、映像表示装置15に含まれている各部は、ハードウェアロジックによって構成すれば良い。または、次にように、CPU(Computer Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現しても良い。
【0110】
すなわち、映像表示装置15は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、このプログラムを格納した、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および上記プログラムと各種データとを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)ドライブを備えている。この構成により、本発明の目的は、所定の記録媒体によっても達成できる。
【0111】
この記録媒体は、上述した機能を実現するソフトウェアである映像表示装置15のプログラムのプログラムコード(実効形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録していれば良い。映像表示装置15に、この記録媒体を供給する。これにより、コンピュータとしての映像表示装置15(またはCPU、MPU)が、供給された記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し、実行すれば良い。
【0112】
プログラムコードを映像表示装置15に供給する記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、例えば、磁気テープまたはカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスク、またはCD−ROM/MO/MD/DVD/BD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系等とすることができる。
【0113】
また、映像表示装置15を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介して映像表示装置15に供給する。この通信ネットワークは映像表示装置15にプログラムコードを供給できるものであれば良く、特定の種類または形態に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、または衛星通信網等であれば良い。
【0114】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であれば良く、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、またはADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAまたはリモコン1のような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、または地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0115】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明のご術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明はゲームまたは映画等を始めとしたアミューズメントに利用する表示装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0117】
1 リモートコントローラ
2 入力部
3 制御部
4 映像コンテンツ格納部
5 再生部
6 映像部
7 音声部
8 出力部
9,41 表示ディスプレイ
10 スピーカ
11 生体情報測定部
12 生体指標算出部
13 生体影響レベル解析部
14 映像効果レベル調整部
15,40,42 映像表示装置
17,18 グラフ
38 記録装置
39 再生装置
43 指先用生体情報測定器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元映像を3次元表示可能な映像表示装置において、
視聴者が上記3次元映像を視聴中に、当該視聴者の生体に関わる情報である生体情報を測定する測定手段と、
上記生体情報を解析し、解析した結果に基づいて、上記3次元映像を視聴することによって上記視聴者の生体に与える影響の程度を示す生体影響度を決定する解析手段と、
上記生体影響度に基づいて、上記視聴者が視聴している上記3次元映像の映像効果を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
上記生体情報に基づいて、上記生体に関わる指標である生体指標を算出する算出手段をさらに備え、
上記解析手段は、上記生体指標を解析し、解析した結果に基づいて上記生体影響度を決定することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
上記測定手段は、上記視聴者の指先から上記生体情報を測定することを特徴とする請求項1または2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
上記生体情報は、脈波、心拍数、および血圧のうち、少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項5】
上記生体指標は、心拍間隔変動係数、脈波の高周波数成分に対する上記脈波の中間周波数成分の比(LF/HF)、血圧と心拍数との最大相互相関係数(ρmax)、および加速度脈波のうち、少なくともいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項6】
上記制御手段は、上記映像効果として上記3次元映像の奥行き量、輝度、色度、表示速度、表示サイズ、および表示角度のうち、少なくともいずれかを制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項7】
上記制御手段は、複数の上記映像効果を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項8】
上記視聴者が2次元映像を視聴中に、
上記測定手段が、上記視聴者の上記生体情報を測定し、
上記解析手段が、上記生体情報を解析し、解析した結果に基づいて、上記生体影響度を決定すると、
上記制御手段が、上記生体影響度に基づいて、上記2次元映像に上記映像効果を付加し、当該2次元映像を上記3次元映像に変換することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項9】
上記制御手段は、上記奥行き量、上記輝度、上記色度、上記表示速度、上記表示サイズ、および上記表示角度のうち、少なくともいずれかの程度を上げることを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項10】
上記制御手段は、上記奥行き量、上記輝度、上記色度、上記表示速度、上記表示サイズ、および上記表示角度のうち、少なくともいずれかの程度を下げることを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項11】
上記生体影響度が予め定められた基準を超えると、上記3次元映像の表示を停止する制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項12】
3次元映像を3次元表示する映像表示装置における映像表示制御方法であって、
視聴者が上記3次元映像を視聴中に、当該視聴者の生体に関わる情報である生体情報を測定するステップと、
上記生体情報を解析し、解析した結果に基づいて、上記3次元映像を視聴することによって上記視聴者の生体に与える影響の程度を示す生体影響度を決定するステップと、
上記生体影響度に基づいて、上記視聴者が視聴している上記3次元映像の映像効果を制御するステップとを備えていることを特徴とする映像表示制御方法。
【請求項13】
上記生体情報に基づいて、上記生体に関わる指標である生体指標を算出するステップをさらに備え、
上記生体影響度を決定するステップでは、上記生体指標を解析し、解析した結果に基づいて上記生体影響度を決定することを特徴とする請求項12に記載の映像表示制御方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の映像表示制御方法を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記の各ステップとして実行させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−234238(P2011−234238A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104275(P2010−104275)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、独立行政法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/革新的な三次元映像技術による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】