説明

映像記録再生装置および映像記録再生方法

【課題】 境界設定されたチャプタに少ない操作で任意のチャプタ名を付与する。
【解決手段】 録画処理部150bによる、通常の録画処理を行いながらチャプタ分割処理も行う録画処理によって区分けされた番組本編部分であるチャプタに対して付与するチャプタ名が、チャプタ名管理部150eによって番組のジャンル名に対応して登録され、登録されたチャプタ名が番組本編部であるチャプタに付与される。さらには、再生処理部150aによって、同じチャプタ名が付与された複数のチャプタが順次再生され、また、それらのチャプタの再生順序が示されるプレイリストがプレイリスト作成部150gによって作成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像コンテンツを記録して再生する映像記録再生装置および映像記録再生方法に係り、特に、記録が予定されている映像コンテンツのジャンルなど属性情報に対応するチャプタ名を任意に付与する映像記録再生装置および映像記録再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DVDレコーダやHDD(Hard Disc Drive;ハードディスクドライブ;以下HDDと称する)を備えたテレビジョン受像機など、様々なジャンルの映像コンテンツを録画したり、再生したり、さらには録画したコンテンツを再生したりする映像記録再生装置においては、映像コンテンツを再生しながら、または録画しながら、画面切替部検出などの画像分析や無音部検出などの音声分析を行って、自動的に画像分割点を設けて、対象となる映像コンテンツを複数のチャプタに区分けするチャプタ分割の機能を備えたものもある。
【0003】
例えば、特許文献1によれば、チャプタ境界を設定する任意のポイントでリモコンのボタンが押されることで、そのボタンに割りあてられたチャプタ名を、境界設定されたチャプタに自動的に付与する手法が公開されている。
【特許文献1】特開2006−012200号公報 (図6 段落0068−0072)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが特許文献1によれば、付与するチャプタ名は所定の文字列の中から選択し、また、チャプタ境界はリモコンのボタンによりユーザによって設定される形態であったので、境界設定されたチャプタに少ない操作で任意のチャプタ名を付与することは困難であった。
【0005】
そこで、本発明は上述した課題を解決するために、録画する映像コンテンツの属性情報に対応させたチャプタ名を登録し、チャプタ分割を行いながら録画し、分割されたチャプタに対して、登録されたチャプタ名を付与する映像記録再生装置および映像記録再生方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上述した課題を解決するため、属性情報を伴う映像コンテンツを所定条件に基づいて連続する複数の分割領域に区分けして録画する録画手段と、前記属性情報に対応させた前記複数の分割領域のチャプタ名を任意に登録することをユーザに許可するチャプタ名登録手段と、前記複数の分割領域それぞれに関連付けられたサムネイルと前記チャプタ名とを一覧表示する表示手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0007】
また本発明は上述した課題を解決するため、録画された前記映像コンテンツの複数の分割領域に対して、登録されたチャプタ名を付与するチャプタ名付与手段を具備することを特徴とするものである。
【0008】
また本発明は上述した課題を解決するため、前記チャプタ名が登録されている状態で、前記映像コンテンツを録画するとき、前記チャプタ名付与手段は、当該チャプタ名を当該映像コンテンツの複数の分割領域に付与することを特徴とするものである。
【0009】
また本発明は上述した課題を解決するため、前記チャプタ名が付与された映像コンテンツが録画されている状態で、前記映像コンテンツと同じ属性情報を伴う新たな映像コンテンツを録画するとき、前記チャプタ名付与手段は、当該チャプタ名に識別番号を付け足した新たなチャプタ名を付与することを特徴とするものである。
【0010】
また本発明は上述した課題を解決するため、前記属性情報は、映像コンテンツのジャンル名であることを特徴とするものである。
また本発明は上述した課題を解決するため、前記チャプタ名登録手段は、前記属性情報から引用したチャプタ名を選択的に提示することを特徴とするものである。
また本発明は上述した課題を解決するため、前記複数の分割領域の中からチャプタ名が同一のものを所定の順序で順次再生する再生手段を具備することを特徴とするものである。
【0011】
また本発明は上述した課題を解決するため、前記複数の分割領域の再生順序を示すプレイリストを作成するプレイリスト作成手段を具備し、前記再生手段は、前記プレイリストに基づいて順次再生することを特徴とするものである。
【0012】
また本発明は上述した課題を解決するため、属性情報を伴う映像コンテンツを所定条件に基づいて連続する複数の分割領域に区分けして録画し、前記属性情報に対応させた前記複数の分割領域のチャプタ名を任意に登録することをユーザに許可し、前記複数の分割領域それぞれに関連付けられたサムネイルと前記チャプタ名とを一覧表示することを特徴とするものである。
【0013】
また本発明は上述した課題を解決するため、録画された前記映像コンテンツの複数の分割領域に対して、登録されたチャプタ名を付与することを特徴とするものである。
【0014】
また本発明は上述した課題を解決するため、前記チャプタ名が登録されている状態で、前記映像コンテンツを録画するとき、当該チャプタ名を当該映像コンテンツの複数の分割領域に付与することを特徴とするものである。
【0015】
また本発明は上述した課題を解決するため、前記チャプタ名が付与された映像コンテンツが録画されている状態で、前記映像コンテンツと同じ属性情報を伴う新たな映像コンテンツを録画するとき、当該チャプタ名に識別番号を付け足した新たなチャプタ名を付与することを特徴とするものである。
【0016】
また本発明は上述した課題を解決するため、前記複数の分割領域の中からチャプタ名が同一のものを所定の順序で順次再生することを特徴とするものである。
また本発明は上述した課題を解決するため、前記複数の分割領域の再生順序を示すプレイリストを作成し、前記プレイリストに基づいて順次再生することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、録画する映像コンテンツの属性情報に対応させたチャプタ名を登録し、チャプタ分割を行いながら録画し、分割されたチャプタに対して登録されたチャプタ名を付与するので、少ない操作で任意のチャプタ名を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明における実施形態について図面を用いて説明する。
本発明による実施形態として、映像記録再生装置であるDVDレコーダにおける本発明の特徴である、録画するコンテンツのジャンルに対応するチャプタ名登録処理の一実施形態、区分けされた番組本編部分であるチャプタに対してチャプタ名を付与するチャプタ名付与処理の一実施形態、同じチャプタ名が付与された複数のチャプタを順次再生する同名チャプタ再生処理の一実施形態について、図を用いて説明する。
【0019】
まず図1は、本発明の一実施形態を示す、映像記録再生装置であるDVDレコーダの主要な構成要素を示す構成図であり、以下に詳細を説明する。
DVDレコーダ10は、HDDやメモリカードなどに録画された映像コンテンツや、CDやDVDに保存された映像コンテンツを再生するプレーヤ機能や、テレビ放送番組などの映像コンテンツをHDDや記録用光ディスクなどの記録媒体に記録するレコーダ機能を有している。
【0020】
なお、以下で説明する映像記録再生装置はDVDレコーダだけでなく、以上で説明したプレーヤ機能やレコーダ機能を有するHDDレコーダやテレビジョン受像機、コンピュータ装置、携帯型情報処理端末等であってもよい。
【0021】
まず、プレーヤ機能とレコーダ機能の動作の詳細を説明する。
DVDレコーダ10のユーザは、操作部130やリモコンRCへの操作入力によって、所望の信号源や放送チャンネルなどの選択を行い、任意の映像コンテンツの再生や記録の処理を制御することができる。
【0022】
すなわち、選択された信号源や放送チャンネルなどの操作入力の情報は、操作部130からの信号または、リモコンRCからの信号を受信部131で受信した信号として、データ制御バス151を介して制御部150へ出力される。そして、出力された信号に応じた制御が行われて、ユーザ所望の映像コンテンツが再生されたり記録されたりする。またDVDレコーダ10の動作状況などの情報は表示部132に表示される。
【0023】
ところで制御部150は、図示していないCPUや、CPUがDVDレコーダ10を制御するために実行するプログラム記憶のためのROMや、CPUのワークメモリとして利用されるRAMなどで構成される。
【0024】
すなわち本実施形態においては、録画されたテレビ放送番組などを再生する再生処理部150aや、テレビ放送番組などを録画する録画処理部150b、番組視聴や番組録画などの動作を予約する動作予約部150c、映像や音声データとともに放送波に含まれて送信されるデータから番組のジャンルやタイトルなどの番組情報を抽出する番組情報抽出部150d、録画する番組のジャンルに対応するチャプタ名を登録したり、所定のチャプタ名を抽出したり、チャプタ名を付与したりするチャプタ名管理部150e、録画したテレビ放送番組やその番組内のチャプタなどを一覧で表示するコンテンツ一覧表示部150f、録画したテレビ放送番組やその番組内のチャプタなどの再生順序が示されるプレイリストを作成するプレイリスト作成部150gなどを備えていて、これらは、前述したCPUやROM、RAMなどを利用することで実現される。
【0025】
そして、デジタルチューナ部101は、アンテナATdが受信したデジタル放送信号を受け、制御部150によって設定された所望のチャンネルの放送信号を選局して復調・復号部104へ出力する。そして復調・復号部104はデジタルチューナ部101で選局された放送信号に対して、放送波種別ごとに必要となる復調や復号の処理を行い、信号処理部108へ信号データを出力する。
【0026】
またアナログチューナ部102は、アンテナATaが受信したアナログ放送信号を受け、制御部150によって設定された所望のチャンネルの放送信号を選局して復調部105へ出力する。そして復調部105は、アナログチューナ部102で選局された放送信号に対して復調処理を行いセレクタ106へ信号データを出力する。
【0027】
さらに、AV入力部103から入力される外部装置からのアナログ映像音声信号データと、復調部105から出力される信号データは、セレクタ106に入力され、制御部150からの制御信号により一方が選択されてADC部107へ出力される。そしてADC部107は、入力されたアナログ信号をデジタル信号へ変換して信号処理部108へ出力する。
【0028】
外部IF部140は、LANなどによる外部ネットワーク接続部や、i.LINK規格やUSB規格に基づいた外部装置接続部、メモリカードを接続するためのカード接続部などであり、それぞれに接続されたネットワークや外部装置などに接続し、データ制御バス151を通して映像コンテンツデータをやりとりすることが可能である。
【0029】
なおデジタルチューナ部101やアナログチューナ部102、AV入力部103、外部IF部140は、それぞれ複数備えている形態であってもよい。
そして信号処理部108は、制御部150によって制御されて、前述したADC部107から入力された信号に対してMPEG符号化演算処理を行ったり、前述した復調・復号部104やデータ制御バス151を介して映像コンテンツデータを取得可能な各部から入力された信号に対してMPEG復号化演算処理を行って映像処理部110や音声処理部112へ信号を出力したり、さらに本実施形態においては、番組情報抽出部150dの制御の下で、入力された信号に含まれるジャンル名などの番組情報を抽出したり、文字情報などのデータを抽出したりして、データ制御バス151を介して制御部150へ出力し、出力されたデータはRAMなどに記憶されたりする。
【0030】
またOSD信号生成部109は、制御部150によって制御されて、信号処理部108から出力された映像信号と併せて映像処理部110へOSD信号を生成して出力する。本実施形態においては、チャプタ名管理部150eによる制御の下、ユーザが番組のジャンルに対応するチャプタ名を登録するための画面や、コンテンツ一覧表示部150fによる制御の下、録画したテレビ放送番組や、その番組内のチャプタなどを一覧で表示する画面などをOSD画面として生成して出力する。
【0031】
なおDVDレコーダ10に備えられたHDD115や、光ディスクドライブ116に装着された光ディスクODなどに保存されているデータは、制御部150による制御の下に、データ転送制御部114でそのデータの転送を制御されながら読み出され、信号処理部108でMPEG復号化演算処理がなされて映像処理部110や音声処理部112へ映像音声信号となって出力される。
【0032】
すなわち前述した、記録装置や記録媒体に保存されたテレビ放送番組などの映像コンテンツのデータを読み出して、適切な信号処理を行って映像音声信号を出力する機能がプレーヤ機能である。
【0033】
さらに信号処理部108内部で生成された、記録装置または記録媒体に記録するための信号は、制御部150による制御の下に、データ転送制御部114でそのデータの転送を制御されながら、DVDレコーダ10に備えられた記録装置であるHDD115や、光ディスクドライブ116に装着された記録媒体である記録用光ディスクODなどに記録される。
【0034】
すなわち前述した、テレビ放送番組などの映像コンテンツのデータを、適切な信号処理を行って記録装置や記録媒体へ記録(保存)する機能がレコーダ機能である。
なお記録装置や記録媒体として利用されるのは、HDD115や光ディスクODだけでなく、前述した外部IF部140に接続された図示していないHDDや、メモリカードなどを利用することも可能である。
【0035】
さらに前述した信号処理部108から出力された音声信号は、制御部150の制御によって、アナログ信号やヘッドフォン出力信号、またはデジタル信号や光デジタル信号などに音声処理部112で変換されて、音声出力部113へ出力される。
【0036】
そして音声出力部113は、図示していない外部接続された、アナログやデジタルの音声入力部を備えたテレビジョン受像機やAVアンプなどへ接続するための外部装置接続部であり、また音声信号出力部である。
【0037】
また前述した信号処理部108から出力された映像信号は、制御部150の制御によって、アナログ信号やデジタル信号などに映像処理部110で変換されて、映像出力部111へ出力される。
【0038】
そして映像出力部111は、図示していない外部接続された、アナログやデジタルの映像入力部を備えたテレビジョン受像機やAVアンプなどへ接続するための外部装置接続部であり、また映像信号出力部である。
【0039】
次に、本実施形態における、録画するコンテンツのジャンル名に対応するチャプタ名を登録するジャンル対応チャプタ名登録処理の一実施形態の詳細を、図2、図8を用いて説明する。
【0040】
図2は、ジャンル対応チャプタ名登録処理における、チャプタ名をユーザに入力させて登録する画面の一実施形態を示す図である。
チャプタ名登録画面200には、画面左側に、設定1から設定5までの設定パターンが画面上部から昇順で表示されている。そして、その右隣には、それら個々の設定パターンに対応するように、番組情報抽出部150dによって抽出された録画する番組のジャンル名や、対応するチャプタ名が既に登録されているジャンル名を表示するエリア210が設けられる。さらに、その右隣には、ジャンル名に対応するチャプタ名を表示するエリア220が設けられていて、すなわち、設定1から設定5までの設定パターンそれぞれに対応するジャンル名とチャプタ名が一対表示されている。なお、表示形態は本実施形態に限ったものではない。
【0041】
図8は、チャプタ名登録処理の一実施形態の手順を示すフローチャートである。
本実施形態によるDVDレコーダ10のユーザが、操作部130やリモコンRCへの操作入力によって、録画処理予約メニューで、所望の信号源や放送チャンネル、録画の開始時刻や終了時刻などの録画条件を設定した場合に、動作予約部150cは、図示していない時刻を管理するブロックによる時刻情報を参照しながら、設定された録画条件で録画処理部150bに録画処理を行わせる、いわゆる予約録画動作を行わせることができる。
【0042】
なお、本実施形態における録画処理部150bによる録画処理は、通常の録画処理を行いながら、録画している映像コンテンツの映像信号や音声信号の分析などを行うことで、番組本編部分とコマーシャル部分との境界を複数検出して、複数検出した境界でチャプタ分割処理も行う録画処理である。
【0043】
さらに、録画処理に伴うチャプタ分割処理によって区分けされた番組本編部分であるチャプタに対して付与するチャプタ名を、録画対象の番組放送のジャンル名に対応させてあらかじめ登録しておくことが可能である。
【0044】
そして、前述の予約録画動作を行わせる手順において、録画条件設定の一部として、ジャンル名に対応するチャプタ名登録処理の実行が選択された場合、番組情報抽出部150dによって、録画される番組のジャンル名が抽出され(S801)、さらにチャプタ名管理部150eによって、チャプタ名登録画面200がOSD信号生成部109で生成されて映像出力部111から出力され、外部装置の表示器の最前面に表示される(S802)。
【0045】
また、本実施形態では、設定1から設定5までの5つの設定パターンを表示しているが、表示する設定パターン数は限定されるものではなく、いくつ表示されていてもよい。さらには、設定1から設定5までが一覧表示される本実施形態の場合においても、設定6以降が次項で表示される表示階層としてもよく、その場合は、次項画面を表示させるボタンを操作部130やリモコンRCに設けるか、画面上で選択可能に頁送りボタンを設ける実施形態であってもよい。
【0046】
さらに、ユーザは、操作部130やリモコンRCへの操作入力によって、チャプタ名登録画面200上の、設定1から設定5それぞれに対応する、ジャンル名とチャプタ名の中から、任意に1つの項目を選択することができる。
【0047】
そして、選択された項目がジャンル名を表示するエリア210内の項目であった場合(S803のY)は、番組情報抽出部150dで抽出された録画される番組のジャンル名が強調された、ARIB規格に準拠した複数のジャンル名(ジャンル名を意味するキャラクタであってもよい)が変更可能に一覧表示され(S804)、ユーザは、操作部130やリモコンRCへの操作入力によって、任意に一つのジャンル名(もしくはキャラクタ)を選択することができる(S805)。選択操作入力がなされると、複数のジャンル名を選択的に表示する画面は出力されなくなり(S806)、再びチャプタ名登録画面200が最前面に表示されて、選択されていた項目に選択されたジャンル名が設定される。
【0048】
なお、番組情報抽出部150dによって、録画される番組のジャンル名が抽出できなかった場合でも、任意のジャンル名が強調された、ARIB規格に準拠した複数のジャンル名を変更可能に一覧表示する実施形態でもよい。
【0049】
具体的には、ジャンル名が「音楽」である番組が録画されるときに、チャプタ名登録画面200上の設定2に対応するジャンル名エリアの項目を選択した場合、一覧表示された複数のジャンル名の中から、録画される番組のジャンル名である「音楽全般」が強調表示されているが、ユーザの操作入力により「海外ロック・ポップス」が選択されて、その結果、チャプタ名登録画面200上のジャンル名エリアの設定3に対応する項目には、「海外ロック・ポップス」というジャンル名が設定される。
【0050】
なお、これまでは、初めにジャンル名を設定する処理を説明したが、その処理を省略すること(S803のN)も可能であり、その場合は、チャプタ名を設定する処理に移行する。
【0051】
そして、ジャンル名が設定されると、そのジャンル名に対応したチャプタ名を表示するエリア220内の項目が強調され、強調された項目のチャプタ名を設定することが決定される(S807のY)と、その項目にチャプタ名を入力するために利用される新たな画面が出力される(S808)。この画面を利用して、ユーザは、さらに操作部130やリモコンRCへの操作入力によって、ひらがなやカタカナ、英字、数字、記号などの入力文字候補の一覧から任意の文字や記号を選択してチャプタ名を入力することができる(S809)。
【0052】
なお、入力文字候補としては上記以外にも、半角/全角の選択や、番組情報抽出部150dで抽出した、録画する番組のタイトルや出演者名、ジャンル名などが利用できる形態であってもよい。
【0053】
チャプタ名の入力が完了すると、チャプタ名を入力するための画面は出力されなくなり(S810)、再びチャプタ名登録画面200が最前面に表示されて、選択されていた項目に入力されたチャプタ名が設定される。
【0054】
具体的には、チャプタ名登録画面200上のチャプタ名エリアの設定2に対応する項目に、「60年代★英国」という文字と記号からなるチャプタ名が入力されて設定される。
【0055】
このときさらに、チャプタ名管理部150eによって、選択されたジャンル名とそのジャンル名に対応して入力されたチャプタ名の組み合わせは、設定パターン番号が付与されてHDD115などに登録(保存)され(S811)、チャプタ名登録画面200は出力されなくなり(S812)、ジャンル対応チャプタ名登録処理は終了する。
【0056】
なお、チャプタ名を設定する処理が省略すること(S807のN)も可能であり、その場合も、ジャンル対応チャプタ名登録処理は終了する。
ところで、本実施形態で説明した構成のDVDレコーダ10のユーザはさらに、操作部130やリモコンRCへの操作入力によって、所望の信号源や放送チャンネルなどの選択を行ってから、録画を開始する操作入力によって、録画処理部150bによる録画処理を行わせる、いわゆる通常録画動作を行わせることができる。
【0057】
また、通常録画動作の一連の処理とは別に、録画処理部150bによる録画処理に付随する機能をあらかじめ設定することで、録画する番組のジャンル名に対応するチャプタ名登録処理を行うことができる。
【0058】
上記録画処理に付随する機能をあらかじめ設定する際に、チャプタ名登録処理の実行が選択された場合、チャプタ名登録画面200がOSD信号生成部109で生成されて映像出力部111から出力され、外部装置の表示器の最前面に表示される。
【0059】
チャプタ名登録画面200の表示内容や、その画面を利用したジャンル名やチャプタ名の登録処理の内容は、前述したものと同様であるが、通常録画動作におけるあらかじめ設定する機能としてのチャプタ名登録処理では、複数のジャンル名を選択的に表示する画面が初めて出力されたときには、任意のジャンル名が強調される。
【0060】
次に、本実施形態における、録画処理に伴うチャプタ分割処理によって区分けされた番組本編部分であるチャプタに対してチャプタ名を付与するチャプタ名付与処理の一実施形態の詳細を、図3、図4、図9を用いて説明する。
【0061】
図9は、チャプタ名付与処理の一実施形態の手順を示すフローチャートである。
前述したとおり、本実施形態における録画処理部150bによって録画された番組は、番組本編部分とコマーシャル部分とに区分けされる。そして、区分けされたコマーシャル部分には「CM」というチャプタ名が付与され、番組本編部分には、チャプタ名登録処理によって登録されたチャプタ名または、登録されたチャプタ名に識別記号を付け足した新たなチャプタ名が付与される。
【0062】
すなわち、録画処理部150bによる録画によって区分けされたチャプタに対して付与予定のチャプタ名がチャプタ名管理部150eで記憶されていて(S901)、付与予定のチャプタ名が、既に録画された番組のチャプタに対して付与されていることが検出されなかった場合(S902のN)は、記憶しているチャプタ名を番組本編部分に付与する(S905)。一方、既に録画された番組のチャプタに対して付与されていることが検出された場合(S902のY)は、さらにチャプタ名管理部150eは、その番組のタイトルがチャプタ名付与予定の番組のタイトルと同じであるかを判断し、同じである場合(S903のY)は、記憶しているチャプタ名を番組本編部分に付与する(S905)。ところが、タイトルが異なる場合(S903のN)は、付与予定のチャプタ名に識別記号を付け足した新たなチャプタ名を記憶し(S904)、そして新たに記憶されたチャプタ名を付与する(S905)。
【0063】
図3は、チャプタ名付与処理によってチャプタ名が付与された番組内のチャプタ一覧画面の一実施形態を示す図である。
チャプタ一覧表示画面300には、一覧表示されているチャプタが含まれる番組のタイトルとともにその番組を識別する識別番号が表示される番組タイトル表示エリア310、当該番組のジャンル名が表示されるジャンル名表示エリア320が設けられている。なお、ここで表示されるジャンル名は、当該番組が録画されるときにチャプタ名登録処理によって登録されたジャンル名である。また、各チャプタのサムネイル、チャプタ名、チャプタ番号が表示される方形のチャプタ表示枠が一覧表示されるチャプタ一覧表示エリア330では、選択されているチャプタ表示枠の外枠が強調表示される。さらに、チャプタ一覧表示エリア330内で選択されているチャプタのチャプタ名、チャプタ番号が表示されるチャプタ名表示エリア340が設けられている。なお、表示形態は本実施形態に限ったものではない。
【0064】
すなわち、本実施形態によるDVDレコーダ10のユーザが、操作部130やリモコンRCへの操作入力によって、録画処理によって録画された番組内のチャプタを一覧表示する画面を出力させる操作入力がなされると、図3に示すチャプタ一覧表示画面300が、コンテンツ一覧表示部150fによって制御されて、OSD信号生成部109で生成されて映像出力部111から出力される。
【0065】
図4は、チャプタ名付与処理によって付与されたチャプタ名を示す表である。
具体的には、チャプタ名登録処理によって、設定3に対応するジャンル名が「スポーツ全般」に、チャプタ名「●野球○」が登録された場合に、前述した条件に基づいてチャプタ名付与処理によって付与されるチャプタ名は、初めに録画された番組タイトル「野球 ABCリーグ」のチャプタには、チャプタ名「●野球○」が付与される。しかし、2つ目に録画された番組タイトル「野球 LMNリーグ」は、チャプタ名「●野球○」が既に付与された番組があって、「野球 ABCリーグ」とはタイトルが異なるので、チャプタ名「●野球○」+識別子「2」である「●野球○2」が付与される。同様に、3つ目に録画された番組タイトル「野球 ABCリーグ」には、チャプタ名「●野球○」、4回目に録画された番組タイトル「高校野球 決勝戦」には、チャプタ名「●野球○3」がそれぞれ付与される。
【0066】
ところで、これまでの説明では、ジャンル対応チャプタ名登録処理を行ってから、録画処理を行い、その後にチャプタ名付与処理、同名チャプタ再生処理などを行う手順であったが、チャプタ名付与処理が行われてから、再びチャプタ名付与処理が行われてもよい。
【0067】
すなわち、番組のジャンルに対応したチャプタ名が付与されているコンテンツが録画されてHDD115などに保存されている状態で、その番組のジャンル名と同一ジャンル名に対して、それまで付与されていたチャプタ名と異なる新たなチャプタ名が、ジャンル対応チャプタ名登録処理によって登録されていた場合に、DVDレコーダ10のユーザは、操作部130やリモコンRCへの操作入力によって、チャプタ名付与処理を行わせ、新たなチャプタ名を付与することができる。
【0068】
次に、本実施形態における、同じチャプタ名が付与された複数のチャプタを順次再生する同名チャプタ再生処理の一実施形態の詳細を、図5、6、7、10を用いて説明する。
【0069】
図5は、フォルダ構造で管理された録画された番組一覧表示画面の一実施形態を示す図である。
番組一覧表示画面500には、一覧表示対象の録画された番組が管理されているフォルダ名を表示するフォルダ名表示エリア510、そのエリアに表示されているフォルダ内に管理されている録画された複数の番組を一覧表示する番組一覧表示エリア520、表示された複数の番組のうち選択された番組の番組番号、番組名を表示する番組名表示エリア530、などが設けられる。なお、表示形態は本実施形態に限ったものではない。
【0070】
図6は、録画された番組が管理されているフォルダ一覧表示画面の一実施形態を示す図である。
フォルダ一覧表示画面600には、一覧表示対象のフォルダが保存されている保存部表示エリア610、そのエリアに表示されている保存部に保存された番組が管理されているフォルダを一覧表示するフォルダ一覧表示エリア620、表示された複数のフォルダのうち選択されたフォルダ名を表示するフォルダ名表示エリア630、などが設けられる。なお、表示形態は本実施形態に限ったものではない。
【0071】
図10は、同名チャプタ再生処理の一実施形態の手順を示すフローチャートである。
DVDレコーダ10のユーザは、操作部130やリモコンRCへの操作入力によって、同名チャプタ再生の対象番組や対象番組が管理されているフォルダなどを、番組一覧表示画面500で一覧表示された、録画された番組の中から選択するか、あるいは、フォルダ一覧表示画面600で一覧表示された、特定の番組が管理されているフォルダの中から選択する(S1001)。
【0072】
そして、チャプタ名管理部150eは、選択された番組または、選択されたフォルダの中にある複数の番組のチャプタに付与されているチャプタ名を抽出し、さらに登録されたジャンル対応チャプタ名リストの中から、抽出されたチャプタ名に対応されたジャンル名を抽出する。そして、それら抽出されたチャプタ名とジャンル名の組み合わせを表示したジャンル名チャプタ名表示画面が、OSD信号生成部109で生成されて映像出力部111から出力され、外部装置の表示器の最前面に表示される(S1002)。なお、ジャンル名チャプタ名表示画面は、チャプタ名登録画面200を利用してもよい。
【0073】
また、チャプタ名管理部150eによって、複数のチャプタ名とジャンル名の組み合わせが抽出された場合でも、それらは全てジャンル名チャプタ名表示画面に表示されるので、ユーザは、それら複数の組み合わせの中から、対象となるチャプタ名が含まれる組み合わせを1つ特定することができる。すなわち、抽出された全ての組み合わせの中から、同名チャプタ再生の対象となるチャプタ名が含まれる組み合わせが特定される(S1003)。
【0074】
さらに、プレイリスト作成部150gが、対象となるチャプタ名が付与されたチャプタを所定の順序で再生することを示すプレイリストを作成し(S1004)、再生処理部150aが、作成されたプレイリストに基づいて再生対象となるチャプタ名が付与されたチャプタを順次再生する(S1005)。
【0075】
図7は、同名チャプタ再生処理によって生成されたプレイリストによって順次再生されるチャプタ一覧画面の一実施形態を示す図である。
すなわち、(S1004)にて作成されたプレイリストによって順次再生されるチャプタ一覧表示画面700には、そのプレイリストを識別する識別番号とともに、一覧表示されているチャプタの再生順序が示されるプレイリスト名が表示されるプレイリスト名表示エリア710、一覧表示されているチャプタのチャプタ名が対応されているジャンル名を表示するジャンル名表示エリア720、各チャプタのサムネイル、チャプタ名、チャプタ番号が表示される方形のチャプタ表示枠が一覧表示されるチャプタ一覧表示エリア730、チャプタ一覧表示エリア730内で選択されているチャプタ名、チャプタ番号が表示されるチャプタ名表示エリア740、などが設けられる。
【0076】
また、プレイリストによって順次再生されるチャプタ一覧表示画面700で一覧表示されるチャプタ名は、当然であるが同じである。具体的には、本実施形態では、「スポーツ全般」というジャンル名に対応された「●野球○」というチャプタ名が付与されたチャプタが一覧表示される。なお、表示形態は本実施形態に限ったものではない。
【0077】
以上説明したように本実施形態によれば、録画処理に伴うチャプタ分割処理によって区分けされた番組本編部分であるチャプタに対して、その番組のジャンル名に対応させた、あらかじめ登録されたチャプタ名が付与されるので、コンテンツのジャンルに対応した任意のチャプタ名を少ない操作で付与することができる。さらには、同じチャプタ名が付与された複数のチャプタを所定条件に基づいた順序で順次再生することができる。
【0078】
また本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態を示す、映像記録再生装置であるDVDレコーダの主要な構成要素を示す構成図。
【図2】ジャンル対応チャプタ名登録処理における、チャプタ名をユーザに入力させて登録する画面の一実施形態を示す図。
【図3】チャプタ名付与処理によってチャプタ名が付与された番組内のチャプタ一覧画面の一実施形態を示す図。
【図4】チャプタ名付与処理によって付与されたチャプタ名を示す表。
【図5】フォルダ構造で管理された録画された番組一覧表示画面の一実施形態を示す図。
【図6】録画された番組が管理されているフォルダ一覧表示画面の一実施形態を示す図。
【図7】同名チャプタ再生処理によって生成されたプレイリストによって順次再生されるチャプタ一覧画面の一実施形態を示す図。
【図8】チャプタ名登録処理の一実施形態の手順を示すフローチャート。
【図9】チャプタ名付与処理の一実施形態の手順を示すフローチャート。
【図10】同名チャプタ再生処理の一実施形態の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0080】
10…DVDレコーダ、109…OSD信号生成部、150a…再生処理部、150b…録画処理部、150d…番組情報抽出部、150e…チャプタ名管理部、150f…コンテンツ一覧表示部、150g…プレイリスト作成部、200…チャプタ名登録画面、300…チャプタ一覧表示画面、500…番組一覧表示画面、600…フォルダ一覧表示画面、700…チャプタ一覧表示画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
属性情報を伴う映像コンテンツを所定条件に基づいて連続する複数の分割領域に区分けして録画する録画手段と、
前記属性情報に対応させた前記複数の分割領域のチャプタ名を任意に登録することをユーザに許可するチャプタ名登録手段と、
前記複数の分割領域それぞれに関連付けられたサムネイルと前記チャプタ名とを一覧表示する表示手段と、
を具備することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項2】
録画された前記映像コンテンツの複数の分割領域に対して、登録されたチャプタ名を付与するチャプタ名付与手段を具備することを特徴とする請求項1記載の映像記録再生装置。
【請求項3】
前記チャプタ名が登録されている状態で、前記映像コンテンツを録画するとき、
前記チャプタ名付与手段は、当該チャプタ名を当該映像コンテンツの複数の分割領域に付与することを特徴とする請求項2記載の映像記録再生装置。
【請求項4】
前記チャプタ名が付与された映像コンテンツが録画されている状態で、前記映像コンテンツと同じ属性情報を伴う新たな映像コンテンツを録画するとき、
前記チャプタ名付与手段は、当該チャプタ名に識別番号を付け足した新たなチャプタ名を付与することを特徴とする請求項3記載の映像記録再生装置。
【請求項5】
前記属性情報は、映像コンテンツのジャンル名であることを特徴とする請求項1記載の映像記録再生装置。
【請求項6】
前記チャプタ名登録手段は、前記属性情報から引用したチャプタ名を選択的に提示することを特徴とする請求項1記載の映像記録再生装置。
【請求項7】
前記複数の分割領域の中からチャプタ名が同一のものを所定の順序で順次再生する再生手段を具備することを特徴とする請求項1記載の映像記録再生装置。
【請求項8】
前記複数の分割領域の再生順序を示すプレイリストを作成するプレイリスト作成手段を具備し、
前記再生手段は、前記プレイリストに基づいて順次再生することを特徴とする請求項7記載の映像記録再生装置。
【請求項9】
属性情報を伴う映像コンテンツを所定条件に基づいて連続する複数の分割領域に区分けして録画し、
前記属性情報に対応させた前記複数の分割領域のチャプタ名を任意に登録することをユーザに許可し、
前記複数の分割領域それぞれに関連付けられたサムネイルと前記チャプタ名とを一覧表示する、
ことを特徴とする映像記録再生方法。
【請求項10】
録画された前記映像コンテンツの複数の分割領域に対して、登録されたチャプタ名を付与することを特徴とする請求項9記載の映像記録再生方法。
【請求項11】
前記チャプタ名が登録されている状態で、前記映像コンテンツを録画するとき、
当該チャプタ名を当該映像コンテンツの複数の分割領域に付与することを特徴とする請求項10記載の映像記録再生方法。
【請求項12】
前記チャプタ名が付与された映像コンテンツが録画されている状態で、前記映像コンテンツと同じ属性情報を伴う新たな映像コンテンツを録画するとき、
当該チャプタ名に識別番号を付け足した新たなチャプタ名を付与することを特徴とする請求項11記載の映像記録再生方法。
【請求項13】
前記複数の分割領域の中からチャプタ名が同一のものを所定の順序で順次再生することを特徴とする請求項9記載の映像記録再生装置。
【請求項14】
前記複数の分割領域の再生順序を示すプレイリストを作成し、
前記プレイリストに基づいて順次再生することを特徴とする請求項13記載の映像記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−123204(P2010−123204A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296594(P2008−296594)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】