説明

映像音声処理装置およびそのプログラム

【課題】 第2ルームディスプレイに出力する映像信号の出力経路および入出力端子を、第1ルームディスプレイに出力する映像信号の出力経路および入出力端子と兼用する。
【解決手段】 AVアンプは、セレクタが割り当てられる複数の第1規格映像入力端子と、第1規格映像出力端子と、第1規格映像切換部と、第1規格映像信号を前記第2ルーム用セレクタに関連付けるか否かをユーザ操作に応じて設定する設定手段と、第1規格映像信号を第2ルーム用セレクタに関連付けるよう設定されている場合、選択された第2ルーム用セレクタに割り当てられている第1規格映像入力端子からの第1規格映像信号を第1規格映像出力端子から出力するように第1規格映像切換部を制御する切換制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ルームおよび第2ルームに音声信号および映像信号を出力する映像音声処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプは、メインルームに配置されるメインスピーカーに対して音声信号を供給し、メインルームに配置されるメインディスプレイに映像信号を供給する。メインスピーカーに供給する音声信号を選択するため、および、メインディスプレイに供給する映像信号を選択するために、メインルーム用セレクタがユーザ操作によって選択される。また、AVアンプは、ZONE2ルームに配置されるZONE2スピーカーに音声信号を供給する。ZONE2スピーカーに供給する音声信号を選択するために、ZONE2ルーム用のセレクタがユーザ操作によって選択される。
【0003】
しかし、従来のAVアンプには、ZONE2ルームに配置されるZONE2ディスプレイに映像信号を供給する機能を備えていないものが大半である。従来のAVアンプにおいてZONE2ディスプレイに映像信号を供給する機能を搭載する場合、メインディスプレイに出力する映像信号の出力経路および入出力端子の他に、別途、ZONE2ディスプレイに出力する映像信号の出力経路および入出力端子を設ける必要があるので、ハードウェア構成が複雑になり、コストが増大するという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004―56418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、第2ルームディスプレイに出力する映像信号の出力経路および入出力端子を、第1ルームディスプレイに出力する映像信号の出力経路および入出力端子と兼用する映像音声処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態による映像音声処理装置は、セレクタが割り当てられる複数の音声入力端子と、第1ルームに配置される第1ルームスピーカーに音声信号を出力する第1ルーム音声出力端子と、ユーザ操作に応じて、第1ルーム用セレクタを選択する第1ルームセレクタ選択手段と、ユーザ操作に応じて選択された第1ルーム用セレクタに応じて、複数の前記音声入力端子からの音声信号の中から前記第1ルームスピーカーに出力する音声信号を選択する第1ルーム音声切換部と、第2ルームに配置される第2ルームスピーカーに音声信号を出力する第2ルーム音声出力端子と、ユーザ操作に応じて、第2ルーム用セレクタを選択する第2ルームセレクタ選択手段と、ユーザ操作に応じて選択された第2ルーム用セレクタに応じて、複数の前記音声入力端子からの音声信号の中から前記第2ルームスピーカーに出力する音声信号を選択する第2ルーム音声切換部と、前記セレクタが割り当てられる複数の第1規格映像入力端子と、第1ルームに配置される第1ルームディスプレイに第1規格の映像信号を出力する、又は、第2ルームに配置される第2ルームディスプレイに第1規格の映像信号を出力する、第1規格映像出力端子と、ユーザ操作に応じて選択された第1ルーム用セレクタに応じて、複数の前記第1規格映像入力端子からの映像信号の中から前記第1規格映像出力端子から出力する映像信号を選択する第1規格映像切換部と、前記第1規格映像信号を前記第2ルーム用セレクタに関連付けるか否かをユーザ操作に応じて設定する設定手段と、前記第1規格映像信号を前記第2ルーム用セレクタに関連付けるよう設定されている場合、選択された前記第2ルーム用セレクタに割り当てられている前記第1規格映像入力端子からの第1規格映像信号を前記第1規格映像出力端子から出力するように前記第1規格映像切換部を制御する切換制御手段とを備える。
【0007】
本実施形態によると、第1規格映像信号(特に限定されないが、例えばコンポーネント信号又はSビデオ信号)を第2ルーム用セレクタに関連付けるか否かをユーザ操作に応じて設定する。第1規格映像信号を第2ルーム用セレクタに関連付けるよう設定されている場合、選択された第2ルーム用セレクタに割り当てられている第1規格映像入力端子からの第1規格映像信号を第1規格映像出力端子から出力するように第1規格映像切換部が制御される。例えば、一実施形態においては、第2ルーム用セレクタとしてゲームセレクタが選択された場合、ゲームセレクタに割り当てられているコンポーネント入力端子からのコンポーネント信号がコンポーネント出力端子から出力される。コンポーネント出力端子に、第2ルームディスプレイを接続することによって、第2ルームディスプレイに映像信号を出力することができる。以上のように、本実施形態によると、第1ルーム用の映像出力経路を第2ルーム用の映像出力経路に兼用することができ、かつ、ユーザ操作によって第2ルーム用セレクタを選択するだけで、第2ルーム用ディスプレイが接続されている映像出力端子に映像信号を供給することが可能となる。
【0008】
好ましい実施形態においては、前記セレクタが割り当てられる複数の第2規格映像入力端子と、第1ルームに配置される第1ルームディスプレイに第1規格の映像信号を出力する、又は、第2ルームに配置される第2ルームディスプレイに第2規格の映像信号を出力する、第2規格映像出力端子と、前記第1ルームディスプレイに出力する映像信号、または、前記第2ルームディスプレイに出力する映像信号に対して映像処理を実行する映像処理部と、前記第1ルームディスプレイに出力する映像信号が前記映像処理部を経由している場合に、前記第2ルームディプレイに出力する映像信号が前記映像処理部において映像処理されることを許可するか否かをユーザ操作に応じて設定する第2設定手段と、ユーザ操作によって、前記第2ルームディプレイに出力する映像信号に映像処理を実行する指示が入力された場合、前記第2設定手段によって許可するよう設定されているか否かを判断する判断手段と、前記第2設定手段によって許可するよう設定されていると判断された場合、前記第1ルームディスプレイに出力する映像信号が前記映像処理部を経由せず、前記第2ルームディスプレイに出力する映像信号が前記映像処理部において映像処理されるように映像信号の出力経路を切換え、前記第2設定手段によって許可しないよう設定されていると判断された場合、前記第2ルームディスプレイに出力する映像信号が前記映像処理部において映像処理されるように映像信号の出力経路を切換えない第2切換制御部とをさらに備える。
【0009】
本実施形態によると、第1ルームに出力する映像信号に映像処理を実行する映像処理部を、第2ルームに出力する映像信号に映像処理を実行する映像処理部として兼用することができる。
【発明の効果】
【0010】
第2ルームディスプレイに出力する映像信号の出力経路および入出力端子を、第1ルームディスプレイに出力する映像信号の出力経路および入出力端子と兼用する映像音声処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ1の構成を示すブロック図である。
【図2】音声入力端子とセレクタとの関係を示す図である。
【図3】Sビデオ入力端子とセレクタとの関係を示す図である。
【図4】HDMI入力端子とセレクタとの関係を示す図である。
【図5】コンポーネント入力端子とセレクタとの関係を示す図である。
【図6】Sビデオ連動の設定内容を示す図である。
【図7】コンポーネント連動の設定内容を示す図である。
【図8】AVアンプ1の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図9】AVアンプ1の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図10】AVアンプ1の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図11】AVアンプ1の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図12】AVアンプ1の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図13】AVアンプ1の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図14】AVアンプ1の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図15】AVアンプ1の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図16】AVアンプ1の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図17】AVアンプ1の制御部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ(音声処理装置)について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、AVアンプ1を示す概略ブロック図である。
【0013】
AVアンプ1、BDプレーヤ100A、DVDプレーヤ100B、ゲーム機100C、ポータブルプレーヤ100D、メインスピーカー200A、メインディスプレイ300Aは、メインルーム(第1ルーム)に配置されている。ZONE2スピーカー200B、ZONE2ディスプレイ300Bは、ZONE2ルーム(第2ルーム)に配置されている。なお、AVアンプ1では、ZONE3ルームやZONE4ルームといったさらなるサブルームに音声や映像を出力することができるが、説明を簡単化するためにZONE2ルームに対する構成のみを説明する。
【0014】
AVアンプ1は、音声入力端子(特に限定されないが例えばアナログ音声入力端子)INa1、INa2、INa3、USB端子INusbを備える。AVアンプ1は、映像入力端子として、Sビデオ(またはコンポジット)入力端子INvs1、INvs2、INvs3、HDMI入力端子INvh1、INvh2、INvh3、コンポーネント入力端子INvc1、INvc2、INvc3を備える。
【0015】
AVアンプ1には、コンテンツ再生装置であるBDプレーヤ100A、DVDプレーヤ100B、ゲーム機100C、ポータブルプレーヤ100Dが接続されている。BDプレーヤ100Aの音声出力端子は、例えば、音声入力端子INa1に接続され、その映像出力端子は、例えば、HDMI入力端子INvh1に接続されている。DVDプレーヤ100Bの音声出力端子は、音声入力端子INa2に接続され、その映像出力端子はSビデオ入力端子INvs2に接続されている。ゲーム機100Cの音声出力端子は、例えば、音声入力端子INa3に接続され、その映像出力端子は、例えば、コンポーネント入力端子INvc3に接続されている。
【0016】
AVアンプ1は、(メイン用)スピーカー出力端子OUTa1、(ZONE2用)スピーカー出力端子OUTa2を備える。AVアンプ1は、映像出力端子として、Sビデオ(又はコンポジット)出力端子OUTvs、HDMI出力端子OUTvh、コンポーネント出力端子OUTvcを備える。これら映像出力端子は、元々、メインディスプレイ用の映像出力端子であるが、本実施形態においては、ZONE2用の映像出力端子として兼用する。
【0017】
メインスピーカー200Aは、スピーカー出力端子OUTa1に接続されている。特に限定されないが、メインスピーカーは、5.1チャンネル(例えば、前方左音声信号FL、前方右音声信号FR、中央音声信号C、サラウンド左音声信号SL、サラウンド右音声信号SR、サブウーファ音声信号SW)分または7.1チャンネル分のスピーカーを含む。メインディスプレイ300Aは、例えば、HDMI出力端子OUTvhに接続されている。ZONE2スピーカー200Bは、スピーカー出力端子OUTa2に接続されている。特に限定されないが、ZONE2スピーカーは、2チャンネル(例えば、前方左音声信号FL、前方右音声信号FR)分のスピーカーを含む。ZONE2ディスプレイ300Bは、例えば、コンポーネント出力端子OUTvcに接続されている。
【0018】
AVアンプ1は、(メイン用)音声切換部2と、増幅部3と、(ZONE2用)音声切換部4と、増幅部5と、USBホストコントローラ6と、DAコンバータ7と、Sビデオ切換部8と、ADコンバータ9と、スイッチ10a、10bと、DAコンバータ11と、HDMI切換部(HDMI受信部)12と、スイッチ13と、VSP(映像信号処理装置)14と、スイッチ15と、HDMI送信部(以下、TXという。)16と、コンポーネント切換部17と、ADコンバータ18と、スイッチ19、20と、DAコンバータ21と、制御部22と、メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリなど)23と、表示部24と、操作部25とを概略備えている。符号8〜21の構成は、元々メインディスプレイ300A用の映像出力経路であるが、本実施形態においては、ZONE2ディスプレイ300B用の映像出力経路として兼用する。
【0019】
図2に示すように、各音声入力端子INa1〜INa3は、各セレクタに割り当てられている。音声入力端子INa1はBDセレクタに割り当てられ、音声入力端子INa2はDVDセレクタに割り当てられ、音声入力端子INa3はゲームセレクタに割り当てられている。メインルームのセレクタとしてBDセレクタが選択されると、メインスピーカー200Aへの音声出力経路として、BDセレクタに割り当てられている音声入力端子INa1が選択される。ZONE2ルームのセレクタとしてゲームセレクタが選択されると、ZONE2スピーカー200Bへの音声出力経路として、ゲームセレクタに割り当てられている音声入力端子INa3が選択される。なお、セレクタの割当ては、ユーザ操作によって任意に変更および設定可能である。その他にも、例えば、USBセレクタが存在し、USB端子INusbがUSBセレクタに割り当てられている。
【0020】
図3に示すように、各Sビデオ入力端子INvs1〜INvs3は、各セレクタに割り当てられている。Sビデオ入力端子INvs1はBDセレクタに割り当てられ、Sビデオ入力端子INvs2はDVDセレクタに割り当てられ、Sビデオ入力端子INvs3はゲームセレクタに割り当てられている。メインルームのセレクタとしてBDセレクタが選択されると、メインディスプレイ300Aへの映像出力経路として、BDセレクタに割り当てられているSビデオ入力端子INvs1が選択される。ZONE2ルームのセレクタとしてゲームセレクタが選択されると、ZONE2ディスプレイ300Bへの映像出力経路として、ゲームセレクタに割り当てられているSビデオ入力端子INvs3が選択される。なお、セレクタの割当ては、ユーザ操作によって任意に変更および設定可能である。
【0021】
図4に示すように、各HDMI入力端子INvh1〜INvh3は、各セレクタに割り当てられている。HDMI入力端子INvh1はBDセレクタに割り当てられ、HDMI入力端子INvh2はDVDセレクタに割り当てられ、HDMI入力端子INvh3はゲームセレクタに割り当てられている。メインルームのセレクタとしてBDセレクタが選択されると、メインディスプレイ300Aへの映像出力経路として、BDセレクタに割り当てられているHDMI入力端子INvh1が選択される。なお、セレクタの割当ては、ユーザ操作によって任意に変更および設定可能である。
【0022】
図5に示すように、各コンポーネント入力端子INvc1〜INvc3は、各セレクタに割り当てられている。コンポーネント入力端子INvc1はBDセレクタに割り当てられ、コンポーネント入力端子INvc2はDVDセレクタに割り当てられ、コンポーネント入力端子INvc3はゲームセレクタに割り当てられている。メインルームのセレクタとしてBDセレクタが選択されると、メインディスプレイ300Aへの映像出力経路として、BDセレクタに割り当てられているコンポーネント入力端子INvc1が選択される。ZONE2ルームのセレクタとしてゲームセレクタが選択されると、ZONE2ディスプレイ300Bへの映像出力経路として、ゲームセレクタに割り当てられているコンポーネント入力端子INvc3が選択される。なお、セレクタの割当ては、ユーザ操作によって任意に変更および設定可能である。
【0023】
図1に戻って、USBホストコントローラ6は、USB経由でポータブルプレーヤ100Dから音声データを取得し、DAコンバータ7に供給する。DAコンバータ7は、USBホストコントローラ6からの音声データをアナログ信号に変換し、音声切換部2、4に供給する。
【0024】
音声切換部2は、メインスピーカー200A用の音声切換部である。音声切換部2は、音声入力端子INa1〜INa3に入力された音声信号、および、DAコンバータ7から供給される音声信号の中から、ユーザ操作に応じて選択されたメインセレクタに割り当てられている音声入力端子からの音声信号を選択し、増幅部3に供給する。増幅部3は、音声切換部2から供給された音声信号を増幅し、スピーカー出力端子OUTa1からメインスピーカー200Aに音声信号を出力する。
【0025】
音声切換部4は、ZONE2スピーカー200B用の音声切換部である。音声切換部4は、音声入力端子INa1〜INa3に入力された音声信号、および、DAコンバータ7から供給される音声信号の中から、ユーザ操作に応じて選択されたZONE2セレクタに割り当てられている音声入力端子からの音声信号を選択し、増幅部5に供給する。増幅部5は、音声切換部4から供給された音声信号を増幅し、スピーカー出力端子OUTa2からZONE2スピーカー200Bに音声信号を出力する。
【0026】
Sビデオ切換部8は、メインディスプレイ300Aに映像信号を出力する場合、Sビデオ入力端子INvs1〜INvs3に入力された映像信号の中から、ユーザ操作に応じて選択されたメインセレクタに割り当てられているSビデオ入力端子からの映像信号を選択し、スイッチ10aに供給する。Sビデオ切換部8は、ZONE2ディスプレイ300Bに映像信号を出力する場合(すなわち、後述するように、ZONE2がSビデオ連動に設定されている場合)、Sビデオ入力端子INvs1〜INvs3に入力された映像信号の中から、ユーザ操作に応じて選択されたZONE2セレクタに割り当てられているSビデオ入力端子からの映像信号を選択し、スイッチ10aに供給する。
【0027】
スイッチ10aは、Sビデオ切換部8から出力される映像信号を、スイッチ10bに直接供給するか、又は、ADコンバータ9を介してVSP14に供給するかを切り換える。スイッチ10bは、スイッチ10aからの映像信号をSビデオ出力端子OUTvsに供給するか、又は、VSP14からの映像信号を、DAコンバータ11を介して受信して、Sビデオ出力端子OUTvsに供給するかを切り換える。スイッチ10a、10bは、制御部22の指示によって切換えられる。
【0028】
HDMI切換部12は、メインディスプレイ300Aに映像信号を出力する場合、HDMI入力端子INvh1〜INvh3に入力された映像信号の中から、ユーザ操作に応じて選択されたメインセレクタに割り当てられているHDMI入力端子からの映像信号を選択し、スイッチ13に供給する。
【0029】
スイッチ13は、HDMI切換部12から出力される映像信号を、スイッチ15に供給するか、又は、VSP14に供給するかを切り換える。スイッチ15は、スイッチ13からの映像信号をTX16に供給するか、又は、VSP14からの映像信号をTX16に供給するかを切り換える。
【0030】
TX16は、スイッチ15からの映像信号をHDMIデータに変換し、HDMI出力端子OUTvhから出力する。
【0031】
コンポーネント切換部17は、メインディスプレイ300Aに映像信号を出力する場合、コンポーネント入力端子INvc1〜INvc3に入力された映像信号の中から、ユーザ操作に応じて選択されたメインセレクタに割り当てられているコンポーネント入力端子からの映像信号を選択し、スイッチ19に供給する。コンポーネント切換部17は、ZONE2ディスプレイ300Bに映像信号を出力する場合(すなわち、後述するように、ZONE2がコンポーネント連動に設定されている場合)、コンポーネント入力端子INvc1〜INvc3に入力された映像信号の中から、ユーザ操作に応じて選択されたZONE2セレクタに割り当てられているコンポーネント入力端子からの映像信号を選択し、スイッチ19に供給する。
【0032】
スイッチ19は、コンポーネント切換部7から出力される映像信号を、スイッチ20に供給するか、又は、ADコンバータ18を介してVSP14に供給するかを切り換える。スイッチ20は、スイッチ19からの映像信号をコンポーネント出力端子OUTvcに供給するか、又は、VSP14からの映像信号を、DAコンバータ21を介して受信して、コンポーネント出力端子OUTvcに供給するかを切り換える。
【0033】
VSP14は、スイッチ10a、13、19から供給される映像信号の中から1つの映像信号を選択し、選択した映像信号に対して映像処理を実行する。映像処理は、例えば、映像信号のアップコンバート、解像度やアスペクト比、映像設定値(明るさ、色合い)等の調整等の処理を意味する。また、VSP14は、設定画面であるOSD画面や、コンテンツリスト等を生成する。VSP14は、映像信号をスイッチ10b、15、20のいずれかに出力する。
【0034】
制御部22は、メモリ(ROM)23に格納されているAVアンプ1の動作プログラムに基づいて、AVアンプ1の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。表示部24は、AVアンプ1の設定画面、選択されているセレクタ、音量などを表示するものであり、LCD(液晶ディスプレイ)やFL管等である。操作部25は、ユーザ操作を受け付けるものであり、AVアンプ1の筐体に設けられた操作ボタンやリモコン送受信機等である。
【0035】
メインディスプレイ300A用の映像出力経路である符号8〜21の構成を、ZONE2ディスプレイ300B用の映像出力経路として兼用するために、メモリ(フラッシュメモリ)23内において、図6に示すSビデオ連動設定、及び、図7に示すコンポーネント連動設定が設けられている。
【0036】
Sビデオ連動設定は、Sビデオ信号をZONE2セレクタまたはZONE3セレクタに関連付けるか否かをユーザ操作に応じて設定するものである。Sビデオ連動設定は、例えば、「OFF」、「ZONE2」、「ZONE3」のいずれかに設定可能である。Sビデオ連動設定が「ZONE2」に設定されている場合、ZONE2用のセレクタとして選択されたセレクタに割り当てられているSビデオ入力端子INvsからの映像信号が、Sビデオ出力端子OUTvsから出力されるように、各スイッチが切り換えられる。従って、Sビデオ出力端子OUTvsにZONE2ディスプレイ300Bを接続することにより、ユーザ操作によってZONE2セレクタが選択されると、Sビデオ入力端子からの映像信号をZONE2ディスプレイ300Bに供給することができる。
【0037】
例えば、Sビデオ連動設定が「ZONE2」に設定されており、かつ、ZONEセレクタとしてゲームセレクタが選択された場合、ゲームセレクタに割り当てられているSビデオ入力端子INvs3からの映像信号がSビデオ出力端子OUTvsから出力される。Sビデオ出力端子OUTvsにZONE2ディスプレイ300Bが接続されていると、ユーザがZONE2セレクタとしてゲームセレクタを選択するだけで、ゲーム機100Cからの映像信号がAVアンプ1を介してZONE2ディスプレイ300Bに供給される。
【0038】
コンポーネント連動設定は、コンポーネント信号をZONE2セレクタまたはZONE3セレクタに関連付けるか否かをユーザ操作に応じて設定するものである。コンポーネント連動設定は、例えば、「OFF」、「ZONE2」、「ZONE3」のいずれかに設定可能である。コンポーネント連動設定が「ZONE2」に設定されている場合、ZONE2用のセレクタとして選択されたセレクタに割り当てられているコンポーネント入力端子INvcからの映像信号が、コンポーネント出力端子OUTvcから出力されるように、各スイッチが切り換えられる。従って、コンポーネント出力端子OUTvcにZONE2ディスプレイ300Bを接続することにより、ユーザ操作によってZONE2セレクタが選択されると、コンポーネント入力端子からの映像信号をZONE2ディスプレイ300Bに供給することができる。
【0039】
例えば、コンポーネント連動設定が「ZONE2」に設定されており、かつ、ZONE2セレクタとしてゲームセレクタが選択された場合、ゲームセレクタに割り当てられているコンポーネント入力端子INvc3からの映像信号がコンポーネント出力端子OUTvcから出力される。コンポーネント出力端子OUTvcにZONE2ディスプレイ300Bが接続されていると、ユーザがZONE2セレクタとしてゲームセレクタを選択するだけで、ゲーム機100Cからの映像信号がAVアンプ1を介してZONE2ディスプレイ300Bに供給される。
【0040】
なお、Sビデオ連動設定が「ZONE3」に設定されている場合、及び、コンポーネント連動設定が「ZONE3」に設定されている場合も、上記と同様である。
【0041】
以上の構成を有するAVアンプ1についてその動作を説明する。図8は、制御部22の処理を示すフローチャートである。ここでは、ZONE2セレクタとしてゲームセレクタが選択される場合を例に説明するが、他のセレクタが選択される場合についても同様である。制御部22は、ZONE2セレクタとして、ゲームセレクタが選択されたか否かを判断する(S1)。
【0042】
ZONE2セレクタとしてゲームセレクタが選択された場合(S1でYES)、制御部22は、音声切換部4に、ゲームセレクタに割り当てられている音声入力端子を選択させる(S2)。本実施形態では、音声入力端子INa3がゲームセレクタに割り当てられている。従って、音声入力端子INa3が音声切換部4によって選択される。従って、ゲーム機100Cから音声信号が、音声切換部4、増幅部5、スピーカー出力端子OUTa2を介して、ZONE2スピーカー200Bに供給される。
【0043】
続いて、制御部22は、Sビデオ連動設定がZONE2に設定されているか否かを判断する(S3)。Sビデオ連動設定がZONE2に設定されていない場合(S3でNO)、処理はS5に進む。一方、Sビデオ連動設定がZONE2に設定されている場合(S3でYES)、制御部22は、Sビデオ切換部8に、ゲームセレクタに割り当てられているSビデオ入力端子を選択させる(S4)。本実施形態では、Sビデオ入力端子INvs3がゲームセレクタに割り当てられている。従って、Sビデオ入力端子INvs3がSビデオ切換部8によって選択される。さらに、制御部22は、スイッチ10aにSビデオ切換部8の出力とスイッチ10bとを接続させ、スイッチ10bにスイッチ10aとSビデオ出力端子OUTvsとを接続させる。従って、ゲーム機100Cから映像信号が、Sビデオ切換部8、スイッチ10a、10bを介して、Sビデオ出力端子OUTvsから出力される。Sビデオ出力端子OUTvsにZONE2ディスプレイ300Bを接続させることで、ゲーム機100Cからの映像信号をZONE2ディスプレイ300で表示することができる。
【0044】
続いて、制御部22は、コンポーネント連動設定がZONE2に設定されているか否かを判断する(S5)。コンポーネント連動設定がZONE2に設定されていない場合(S5でNO)、処理を終了する。一方、コンポーネント連動設定がZONE2に設定されている場合(S5でYES)、制御部22は、コンポーネント切換部17に、ゲームセレクタに割り当てられているコンポーネント入力端子を選択させる(S6)。本実施形態では、コンポーネント入力端子INvc3がゲームセレクタに割り当てられている。従って、コンポーネント入力端子INvc3がコンポーネント切換部17によって選択される。さらに、制御部22は、スイッチ19にコンポーネント切換部17の出力とスイッチ20とを接続させ、スイッチ20にスイッチ19とコンポーネント出力端子OUTvcとを接続させる。従って、ゲーム機100Cから映像信号が、コンポーネント切換部17、スイッチ19、20を介して、コンポーネント出力端子OUTvcから出力される。コンポーネント出力端子OUTvcにZONE2ディスプレイ300Bを接続させることで、ゲーム機100Cからの映像信号をZONE2ディスプレイ300で表示することができる。
【0045】
以上の処理によって、本実施形態によるとメイン用の映像出力経路をZONE2用の映像出力経路に兼用することができ、かつ、ユーザ操作によってZONE2セレクタを選択するだけで、ZONE2ディスプレイ300Bが接続されている映像出力端子に映像信号を供給することが可能となる。
【0046】
[実施形態2]
次に本発明の別の好ましい実施形態を説明する。本実施形態では、ZONE2ディスプレイ300BにZONE2用のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画面を表示する場合の処理に関する。なお、上記の実施形態の内容は本実施形態に適宜援用され得る。OSD画面は、ZONE2出力に関する各種設定を実行するためのメニュー画面である。OSD画面は、VSP14によって生成される。本実施形態では、ZONE2のOSD画面を生成するVSPを、メイン用のOSD画面を生成するVSP14と兼用することによってハードウェア構成を簡単化及びコストを削減することができる。
【0047】
図9は、本実施形態における制御部22の処理を示すフローチャートである。まず、コンポーネント連動設定がZONE2に設定され、かつ、ZONE2セレクタがゲームセレクタを選択している状態である場合を想定する(S11)。なお、これ以外の設定の場合の処理は、本フローチャートの説明を援用する。制御部22は、ZONE2のOSD画面を表示する指示がユーザ操作によって入力されたか否かを判断する(S12)。
【0048】
入力された場合(S12でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由しているか否かを判断する(S13)。つまり、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14において映像処理されているか、又は、メイン用のOSD画面が生成されているかが判断される。メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由している場合(S13でYES)、処理を終了する。一方、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していない場合(S13でNO)、制御部22は、ZONE2が連動設定されている映像入力端子のセレクタの出力をVSP経由で、映像出力端子から出力するように各スイッチを切り換える。つまり、本実施形態ではコンポーネント連動設定がZONE2に設定されているので、コンポーネント切換部17から出力される映像信号を、VSP14経由でコンポーネント出力端子OUTvcから出力するように、スイッチ19、20を切り換える(S14)。詳細には、制御部22は、スイッチ19にコンポーネント切換部17の出力とADコンバータ18とを接続させ、スイッチ20にDAコンバータ21とコンポーネント出力端子OUTvcとを接続させる。
【0049】
制御部22は、VSP14にZONE2用のOSD画面を生成させる(S15)。そして、制御部22は、コンポーネント切換部17から供給される映像信号に、生成したOSD画面を重畳させ、映像信号をDAコンバータ21でアナログ信号に変換し、スイッチ20を介して、コンポーネント出力端子OUTvcから出力する。従って、ZONE2用ディスプレイ300Bに、ZONE2用のOSD画面を表示することができる。なお、OSD画面をコンポーネント切換部17から供給される映像信号に重畳させるのではなく、コンポーネント切換部17から供給される映像信号を出力せずに、OSD画面のみを出力するようにしてもよい。
【0050】
続いて、制御部22は、ユーザ操作によって、ZONE2のOSD画面を消去する指示が入力されたか否かを判断する(S16)。入力された場合(S16でYES)、制御部22は、本実施形態ではコンポーネント連動設定がZONE2に設定されているので、コンポーネント切換部17から出力される映像信号を、VSP14経由でコンポーネント出力端子OUTvcから出力しないように、スイッチ19、20を切り換える(S17)。詳細には、制御部22は、スイッチ19にコンポーネント切換部17の出力とスイッチ20とを接続させ、スイッチ20にスイッチ19とコンポーネント出力端子OUTvcとを接続させる。
【0051】
以上の処理によって、メイン用のVSP14を使用して、ZONE2ディスプレイ30BにZONE2用のOSD画面を表示させることができる。
【0052】
[実施形態3]
次に本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。本実施形態では、ZONE2ディスプレイ300Bに表示する映像信号にVSP14において映像処理を実行する処理に関する。なお、上記の各実施形態の内容は本実施形態に適宜援用され得る。本実施形態では、ZONE2ディスプレイ300Bに出力する映像信号に映像処理を実行するVSPを、メイン用のVSP14と兼用することによってハードウェア構成を簡単化及びコストを削減することができる。
【0053】
図10は、本実施形態における制御部22の処理を示すフローチャートである。まず、コンポーネント連動設定がZONE2に設定され、かつ、ZONE2セレクタがゲームセレクタを選択している状態である場合を想定する(S21)。なお、これ以外の設定の場合の処理は、本フローチャートの説明を援用する。制御部22は、ZONE2の映像信号に映像処理を実行して、ZONE2ディスプレイ300Bに出力する指示がユーザ操作によって入力されたか否かを判断する(S22)。
【0054】
入力された場合(S22でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由しているか否かを判断する(S23)。つまり、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14において映像処理されているか、又は、メイン用のOSD画面が生成されているかが判断される。メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由している場合(S23でYES)、処理を終了する。一方、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していない場合(S23でNO)、制御部22は、ZONE2が連動設定されている映像入力端子のセレクタの出力をVSP経由で、映像出力端子から出力するように各スイッチを切り換える。つまり、本実施形態ではコンポーネント連動設定がZONE2に設定されているので、コンポーネント切換部17から出力される映像信号を、VSP14経由でコンポーネント出力端子OUTvcから出力するように、スイッチ19、20を切り換える(S24)。詳細には、制御部22は、スイッチ19にコンポーネント切換部17の出力とADコンバータ18とを接続させ、スイッチ20にDAコンバータ21とコンポーネント出力端子OUTvcとを接続させる。
【0055】
制御部22は、VSP14に、コンポーネント切換部17から供給される映像信号に映像処理を実行して出力するように指示する(S25)。その結果、VSP14は、コンポーネント切換部17から供給される映像信号に、映像処理を実行し、DAコンバータ21に出力する。DAコンバータ21は映像信号をアナログ信号に変換し、スイッチ20を介して、コンポーネント出力端子OUTvcから出力する。従って、ZONE2用ディスプレイ300Bに表示する映像信号にVSP14において映像処理を実行することができる。
【0056】
[実施形態4]
本実施形態は実施形態2の変形例である。ZONE2のOSD画面を生成するVSPをメイン用のVSP14と兼用しているので、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対して、VSP14で映像処理を実行している場合やメイン用のOSD画面を生成しているときには、VSP14でZONE2用のOSD画面を生成することができない。そこで、本実施形態では、ユーザ操作によって、「メインディスプレイ300A(および/または、他のZONE(例えばZONE3)ディスプレイ)に出力する映像信号に対してVSP14を使用している(つまり、メイン用の映像信号がVSP14を経由している)場合に、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14を使用しないようにし(つまり、メイン用の映像信号がVSP14を経由しないようにし)、ZONE2用のOSD画面をVSP14に生成させるか否か」を予め設定しておくことができる。この設定をVSP使用許可設定という。
【0057】
図11は、本実施形態における制御部22の処理を示すフローチャートである。まず、コンポーネント連動設定がZONE2に設定され、かつ、ZONE2セレクタがゲームセレクタを選択している状態である場合を想定する(S31)。なお、これ以外の設定の場合の処理は、本フローチャートの説明を援用する。制御部22は、ZONE2のOSD画面を表示する指示がユーザ操作によって入力されたか否かを判断する(S32)。
【0058】
入力された場合(S32でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由しているか否かを判断する(S33)。つまり、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14で映像処理を実行している、又は、メイン用のOSD画面を生成しているか否かが判断される。メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していない場合(S33でNO)、処理はS36へと進む。
【0059】
一方、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由している場合(S33でYES)、制御部22は、VSP使用許可設定が使用許可に設定されているか否かを判断する(S34)。使用不許可に設定されている場合(S34でNO)、ZONE2用のOSD画面を生成および表示することなく、処理を終了する。
【0060】
使用許可に設定されている場合(S34でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号を、VSP14を経由しないように各スイッチを切り換える(S35)。詳細には、例えば、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がHDMI入力端子INvh1から入力され、HDMI出力端子OUTvhから出力されている場合、最初はスイッチ13がHDMI切換部12とVSP14とを接続し、スイッチ15がVSP14とTX16とを接続させているが、スイッチ13にHDMI切換部12とスイッチ15とを接続させ、スイッチ15にスイッチ13とTX16とを接続させる。
【0061】
制御部22は、ZONE2が連動設定されている映像入力端子のセレクタの出力をVSP経由で、映像出力端子から出力するように各スイッチを切り換える。つまり、本実施形態ではコンポーネント連動設定がZONE2に設定されているので、コンポーネント切換部17から出力される映像信号を、VSP14経由でコンポーネント出力端子OUTvcから出力するように、スイッチ19、20を切り換える(S36)。詳細には、制御部22は、スイッチ19にコンポーネント切換部17の出力とADコンバータ18とを接続させ、スイッチ20にDAコンバータ21とコンポーネント出力端子OUTvcとを接続させる。
【0062】
制御部22は、VSP14にZONE2用のOSD画面を生成させる(S37)。そして、制御部22は、コンポーネント切換部17から供給される映像信号に、生成したOSD画面を重畳させ、映像信号をDAコンバータ21でアナログ信号に変換し、スイッチ20を介して、コンポーネント出力端子OUTvcから出力する。従って、ZONE2用ディスプレイ300Bに、ZONE2用のOSD画面を表示することができる。
【0063】
続いて、制御部22は、ユーザ操作によって、ZONE2のOSD画面を消去する指示が入力されたか否かを判断する(S38)。入力された場合(S38でYES)、制御部22は、本実施形態ではコンポーネント連動設定がZONE2に設定されているので、コンポーネント切換部17から出力される映像信号を、VSP14経由でコンポーネント出力端子OUTvcから出力しないように、スイッチ19、20を切り換える(S39)。詳細には、制御部22は、スイッチ19にコンポーネント切換部17の出力とスイッチ20とを接続させ、スイッチ20にスイッチ19とコンポーネント出力端子OUTvcとを接続させる。
【0064】
制御部22は、ZONE2用のOSD画面表示する前に、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していたか否かを判断する(S40)。この情報は、S33での判断結果をメモリに記憶しておくことで判断することができる。つまり、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14で映像処理を実行している、又は、メイン用のOSD画面を生成していたか否かが判断される。メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していなかった場合(S40でNO)、処理を終了する。
【0065】
一方、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していた場合(S40でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由するように各スイッチの接続状態を元に戻す(S41)。詳細には、制御部22は、スイッチ13にHDMI切換部12とVSP14とを接続させ、スイッチ15にVSP14とTX16とを接続させる。そして、制御部22は、VSP14に、実行していた映像処理またOSD画面生成を再度実行させる。
【0066】
以上の処理によって、使用許可設定に基づいて、使用許可に設定されている場合のみ、メイン用のVSP14を使用して、ZONE2ディスプレイ30BにZONE2用のOSD画面を表示させることができる。
【0067】
[実施形態5]
本実施形態は実施形態4の変形例である。本実施形態では、VSP使用許可設定の代わりに、「メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14を使用しないようにし、ZONE2用のOSD画面をVSP14に生成させてもよいか否か」の問合画面をVSP14で生成し、メインディスプレイ300Aに表示させる。メインディスプレイ300AのユーザによってVSP使用許可の指示が入力された場合には、ZONE2用のOSD画面をVSP14に生成させるように動作する。
【0068】
図12は、本実施形態における制御部22の処理を示すフローチャートであり、図11と同じ処理には同一符号を付し、説明を援用する。S33でYESと判断された場合、制御部22は、ZONE2用のOSDを生成するためにVSP14を使用してもよいかの問合せ画面をVSP14に生成させ、メインディスプレイ300Aに表示させる(S43)。なお、これに限定されず、音声にてメインディスプレイ300Aのユーザに対する問合せが実行されてもよい。制御部22は、メインディスプレイ300Aのユーザ操作によって、VSP14の使用許可の指示が入力されたか否かを判断する(S44)。使用不許可の指示が入力された場合や、所定時間以内に使用許可の指示が入力されない場合には(S44でNO)、処理を終了する。一方、使用許可の指示が入力された場合(S44でYES)、処理はS35に進む。その他の処理は図11と同様である。
【0069】
[実施形態6]
本実施形態は実施形態3の変形例である。ZONE2ディスプレイ300Bに出力する映像信号に映像処理を実行するVSPをメイン用のVSP14と兼用しているので、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対して、VSP14で映像処理を実行している場合やメイン用のOSD画面を生成しているときには、ZONE2ディスプレイ300Bに出力する映像信号に映像処理を実行することができない。そこで、本実施形態では、ユーザ操作によって、「メインディスプレイ300A(および/または、他のZONE(例えばZONE3)ディスプレイ)に出力する映像信号に対してVSP14を使用している場合に、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14を使用しないようにし、ZONE2ディスプレイ300Bに出力する映像信号をVSP14において映像処理を実行するか否か」を予め設定しておくことができる。この設定をVSP使用許可設定という。
【0070】
図13は、本実施形態における制御部22の処理を示すフローチャートである。まず、コンポーネント連動設定がZONE2に設定され、かつ、ZONE2セレクタがゲームセレクタを選択している状態である場合を想定する(S51)。なお、これ以外の設定の場合の処理は、本フローチャートの説明を援用する。制御部22は、ZONE2ディスプレイ300Bに出力する映像信号に映像処理を実行する指示がユーザ操作によって入力されたか否かを判断する(S52)。
【0071】
入力された場合(S52でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由しているか否かを判断する(S53)。つまり、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14で映像処理を実行している、又は、メイン用のOSD画面を生成しているか否かが判断される。メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していない場合(S53でNO)、処理はS56へと進む。
【0072】
一方、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由している場合(S53でYES)、制御部22は、VSP使用許可設定が使用許可に設定されているか否かを判断する(S54)。使用不許可に設定されている場合(S54でNO)、ZONE2ディスプレイ300Bに出力する映像信号にVSP14において映像処理を実行することなく、処理を終了する。
【0073】
使用許可に設定されている場合(S54でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号を、VSP14を経由しないように各スイッチを切り換える(S55)。詳細には、例えば、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がHDMI入力端子INvh1から入力され、HDMI出力端子OUTvhから出力されている場合、最初はスイッチ13がHDMI切換部12とVSP14とを接続し、スイッチ15がVSP14とTX16とを接続させているが、スイッチ13にHDMI切換部12とスイッチ15とを接続させ、スイッチ15にスイッチ13とTX16とを接続させる。
【0074】
制御部22は、ZONE2が連動設定されている映像入力端子のセレクタの出力をVSP経由で、映像出力端子から出力するように各スイッチを切り換える。つまり、本実施形態ではコンポーネント連動設定がZONE2に設定されているので、コンポーネント切換部17から出力される映像信号を、VSP14経由でコンポーネント出力端子OUTvcから出力するように、スイッチ19、20を切り換える(S56)。詳細には、制御部22は、スイッチ19にコンポーネント切換部17の出力とADコンバータ18とを接続させ、スイッチ20にDAコンバータ21とコンポーネント出力端子OUTvcとを接続させる。
【0075】
制御部22は、VSP14に、コンポーネント切換部17から供給される映像信号に映像処理を実行して出力するように指示する(S57)。その結果、VSP14は、コンポーネント切換部17から供給される映像信号に、映像処理を実行し、DAコンバータ21に出力する。DAコンバータ21は映像信号をアナログ信号に変換し、スイッチ20を介して、コンポーネント出力端子OUTvcから出力する。従って、ZONE2用ディスプレイ300Bに表示する映像信号にVSP14において映像処理を実行することができる。
【0076】
続いて、制御部22は、ユーザ操作によって、ZONE2ディスプレイ300Bに出力する映像信号に映像処理を実行しない指示が入力されたか否かを判断する(S58)。入力された場合(S58でYES)、制御部22は、本実施形態ではコンポーネント連動設定がZONE2に設定されているので、コンポーネント切換部17から出力される映像信号を、VSP14経由でコンポーネント出力端子OUTvcから出力しないように、スイッチ19、20を切り換える(S59)。詳細には、制御部22は、スイッチ19にコンポーネント切換部17の出力とスイッチ20とを接続させ、スイッチ20にスイッチ19とコンポーネント出力端子OUTvcとを接続させる。
【0077】
制御部22は、ZONE2用のOSD画面表示する前に、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していたか否かを判断する(S60)。この情報は、S53での判断結果をメモリに記憶しておくことで判断することができる。つまり、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14で映像処理を実行している、又は、メイン用のOSD画面を生成していたか否かが判断される。メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していなかった場合(S60でNO)、処理を終了する。
【0078】
一方、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していた場合(S60でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由するように各スイッチの接続状態を元に戻す(S61)。詳細には、制御部22は、スイッチ13にHDMI切換部12とVSP14とを接続させ、スイッチ15にVSP14とTX16とを接続させる。そして、制御部22は、VSP14に、実行していた映像処理またOSD画面生成を再度実行させる。
【0079】
以上の処理によって、使用許可設定に基づいて、使用許可に設定されている場合のみ、メイン用のVSP14を使用して、ZONE2用ディスプレイ300Bに表示する映像信号にVSP14において映像処理を実行することができる。
【0080】
[実施形態7]
本実施形態は実施形態6の変形例である。本実施形態では、VSP使用許可設定の代わりに、「メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14を使用しないようにし、ZONE2ディスプレイ300Bに出力する映像信号にVSP14で映像処理を実行してもよいか否か」の問合画面をVSP14で生成し、メインディスプレイ300Aに表示させる。メインディスプレイ300AのユーザによってVSP使用許可の指示が入力された場合には、ZONE2ディスプレイ300Bに出力する映像信号にVSP14で映像処理を実行させるように動作する。
【0081】
図14は、本実施形態における制御部22の処理を示すフローチャートであり、図13と同じ処理には同一符号を付し、説明を援用する。S53でYESと判断された場合、制御部22は、ZONE2ディスプレイ300Bに出力する映像信号に映像処理を実行するためにVSP14を使用してもよいかの問合せ画面をVSP14に生成させ、メインディスプレイ300Aに表示させる(S62)。なお、これに限定されず、音声にてメインディスプレイ300Aのユーザに対する問合せが実行されてもよい。制御部22は、メインディスプレイ300Aのユーザ操作によって、VSP14の使用許可の指示が入力されたか否かを判断する(S63)。使用不許可の指示が入力された場合や、所定時間以内に使用許可の指示が入力されない場合には(S63でNO)、処理を終了する。一方、使用許可の指示が入力された場合(S63でYES)、処理はS55に進む。その他の処理は図13と同様である。
【0082】
[実施形態8]
ポータブルプレーヤ100DはUSB経由で音声信号をUSBホストコントローラ6に出力する。また、ポータブルプレーヤ100DはUSB経由で設定画面やコンテンツリスト等をUSBホストコントローラ6に出力する。USBホストコントローラ6は、ポータブルプレーヤ100Dから取得した音声信号をDAコンバータを介して音声切換部2、4に供給する。従って、BDプレーヤ100A、DVDプレーヤ100B等と同様に、USBセレクタが選択された場合に、音声切換部2、4がポータブルプレーヤ100Dからの音声信号を選択することができる。一方、設定画面やコンテンツリストは、制御部22を介してVSP14に供給され、VSP14は、供給されたデータに基づいて、メインディスプレイ300AやZONE2ディスプレイ300Bで表示される設定画面やコンテンツリスト画面を生成する。ここで、ZONE2の画面を生成するVSPをメイン用のVSP14と兼用しているので、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対して、VSP14で映像処理を実行している場合やメイン用のOSD画面を生成しているときには、VSP14でZONE2ディスプレイ300Bに表示するポータブルプレーヤ100Dの設定画面やコンテンツリストを生成することができない。コンテンツリストを表示することができないと、ポータブルプレーヤ100Dに再生させるコンテンツをAVアンプ1側から選択することができない。そこで、本実施形態では、ユーザ操作によって、「メインディスプレイ300A(および/または、他のZONE(例えばZONE3)ディスプレイ)に出力する映像信号に対してVSP14を使用している場合に、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14を使用しないようにし、VSP14でZONE2ディスプレイ300Bに表示するポータブルプレーヤ100Dの設定画面やコンテンツリストを生成させるか否か」を予め設定しておくことができる。この設定をVSP使用許可設定という。
【0083】
図15は、本実施形態における制御部22の処理を示すフローチャートである。まず、コンポーネント連動設定がZONE2に設定され、かつ、ZONE2セレクタがUSBセレクタを選択している状態である場合を想定する(S71)。なお、これ以外の設定の場合の処理は、本フローチャートの説明を援用する。制御部22は、ZONE2ディスプレイ300Bにおいて、ポータブルプレーヤ100Dの設定画面やコンテンツリストを表示する指示がユーザ操作によって入力されたか否かを判断する(S72)。
【0084】
入力された場合(S72でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由しているか否かを判断する(S73)。つまり、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14で映像処理を実行している、又は、メイン用のOSD画面を生成しているか否かが判断される。メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していない場合(S73でNO)、処理はS76へと進む。
【0085】
一方、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由している場合(S73でYES)、制御部22は、VSP使用許可設定が使用許可に設定されているか否かを判断する(S74)。使用不許可に設定されている場合(S74でNO)、処理を終了する。
【0086】
使用許可に設定されている場合(S74でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号を、VSP14を経由しないように各スイッチを切り換える(S75)。詳細には、例えば、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がHDMI入力端子INvh1から入力され、HDMI出力端子OUTvhから出力されている場合、最初はスイッチ13がHDMI切換部12とVSP14とを接続し、スイッチ15がVSP14とTX16とを接続させているが、スイッチ13にHDMI切換部12とスイッチ15とを接続させ、スイッチ15にスイッチ13とTX16とを接続させる。
【0087】
制御部22は、ZONE2が連動設定されている映像入力端子のセレクタの出力をVSP経由で、映像出力端子から出力するように各スイッチを切り換える。つまり、本実施形態ではコンポーネント連動設定がZONE2に設定されているので、コンポーネント切換部17から出力される映像信号を、VSP14経由でコンポーネント出力端子OUTvcから出力するように、スイッチ19、20を切り換える(S76)。詳細には、制御部22は、スイッチ19にコンポーネント切換部17の出力とADコンバータ18とを接続させ、スイッチ20にDAコンバータ21とコンポーネント出力端子OUTvcとを接続させる。
【0088】
制御部22は、VSP14にZONE2用ディスプレイ300Bに表示させるポータブルプレーヤ100Dの設定画面やコンテンツリスト画面を生成させる(S77)。そして、制御部22は、コンポーネント切換部17から供給される映像信号に、生成した画面を重畳させ、映像信号をDAコンバータ21でアナログ信号に変換し、スイッチ20を介して、コンポーネント出力端子OUTvcから出力する。従って、ZONE2用ディスプレイ300Bに、ポータブルプレーヤ100Dの設定画面やコンテンツリスト画面を表示することができる。
【0089】
続いて、制御部22は、ユーザ操作によって、ZONE2ディスプレイ300Bにおいてポータブルプレーヤ100Dの設定画面やコンテンツリスト画面を消去する指示が入力されたか否かを判断する(S78)。入力された場合(S78でYES)、制御部22は、本実施形態ではコンポーネント連動設定がZONE2に設定されているので、コンポーネント切換部17から出力される映像信号を、VSP14経由でコンポーネント出力端子OUTvcから出力しないように、スイッチ19、20を切り換える(S79)。詳細には、制御部22は、スイッチ19にコンポーネント切換部17の出力とスイッチ20とを接続させ、スイッチ20にスイッチ19とコンポーネント出力端子OUTvcとを接続させる。
【0090】
制御部22は、ZONE2用ディスプレイにポータブルプレーヤ100Dの設定画面やコンテンツリスト画面を表示する前に、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していたか否かを判断する(S80)。この情報は、S73での判断結果をメモリに記憶しておくことで判断することができる。つまり、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14で映像処理を実行している、又は、メイン用のOSD画面を生成していたか否かが判断される。メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していなかった場合(S80でNO)、処理を終了する。
【0091】
一方、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由していた場合(S80でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由するように各スイッチの接続状態を元に戻す(S81)。詳細には、制御部22は、スイッチ13にHDMI切換部12とVSP14とを接続させ、スイッチ15にVSP14とTX16とを接続させる。そして、制御部22は、VSP14に、実行していた映像処理またOSD画面生成を再度実行させる。
【0092】
以上の処理によって、使用許可設定に基づいて、使用許可に設定されている場合のみ、メイン用のVSP14を使用して、ZONE2ディスプレイ30Bにポータブルプレーヤ100Dの設定画面やコンテンツリスト画面を表示させることができる。
【0093】
[実施形態9]
本実施形態は実施形態8の変形例である。本実施形態では、VSP使用許可設定の代わりに、「メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対してVSP14を使用しないようにし、ZONE2ディスプレイ30Bにポータブルプレーヤ100Dの設定画面やコンテンツリスト画面を表示させてもよいか否か」の問合画面をVSP14で生成し、メインディスプレイ300Aに表示させる。メインディスプレイ300AのユーザによってVSP使用許可の指示が入力された場合には、ZONE2用ディスプレイ300BにZONE2ディスプレイ30Bにポータブルプレーヤ100Dの設定画面やコンテンツリスト画面を表示させるように動作する。
【0094】
図16は、本実施形態における制御部22の処理を示すフローチャートであり、図15と同じ処理には同一符号を付し、説明を援用する。S73でYESと判断された場合、制御部22は、ZONE2用ディスプレイ300Bにポータブルプレーヤ100Dの設定画面やコンテンツリスト画面を表示するためにVSP14を使用してもよいかの問合せ画面をVSP14に生成させ、メインディスプレイ300Aに表示させる(S82)。制御部22は、メインディスプレイ300Aのユーザ操作によって、VSP14の使用許可の指示が入力されたか否かを判断する(S83)。使用不可かの指示が入力された場合や、所定時間以内に使用許可の指示が入力されない場合には(S83でNO)、処理を終了する。一方、使用許可の指示が入力された場合(S83でYES)、処理はS75に進む。その他の処理は図15と同様である。
【0095】
[実施形態10]
ZONE2のOSD画面を生成するVSPをメイン用のVSP14と兼用しているので、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に対して、VSP14で映像処理を実行している場合、VSP14でZONE2用のOSD画面を生成することができない。そこで、本実施形態では、ユーザ操作によって、「ZONE2用のOSD画面をVSP14に生成させるか否か」を予め設定しておくことができる。この設定をVSP使用許可設定という。VSP使用許可設定が使用許可に設定されている場合、メインディスプレイ30Aに出力する映像信号、および、ZONE2ディスプレイ30Bに出力する映像信号共に、VSP14で映像処理を実行することを禁止する。そして、メイン用およびZONE2用のOSD画面を表示することのみが可能となる。
【0096】
図17は、本実施形態における制御部22の処理を示すフローチャートである。まず、コンポーネント連動設定がZONE2に設定され、かつ、ZONE2セレクタがゲームセレクタを選択している状態である場合を想定する(S91)。なお、これ以外の設定の場合の処理は、本フローチャートの説明を援用する。
【0097】
制御部22は、VSP使用許可設定が使用許可に設定されているか否かを判断する(S92)。使用不許可に設定されている場合(S92でNO)、ZONE2用のOSD画面を生成および表示することなく、処理を終了する。
【0098】
一方、使用許可に設定されている場合(S92でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号を、VSP14を経由しないように各スイッチを切り換える(S93)。詳細には、例えば、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がHDMI入力端子INvh1から入力され、HDMI出力端子OUTvhから出力されている場合、最初はスイッチ13がHDMI切換部12とVSP14とを接続し、スイッチ15がVSP14とTX16とを接続させているが、スイッチ13にHDMI切換部12とスイッチ15とを接続させ、スイッチ15にスイッチ13とTX16とを接続させる。
【0099】
制御部22は、メインディスプレイ30Aに出力する映像信号、および、ZONE2ディスプレイ30Bに出力する映像信号共に、VSP14で映像処理を実行することを禁止する(S94)。
【0100】
制御部22は、ZONE2のOSD画面を表示する指示がユーザ操作によって入力されたか否かを判断する(S95)。入力されなければ(S95でNO)、処理はS98へと進む。入力された場合(S95でYES)、制御部22は、ZONE2が連動設定されている映像入力端子のセレクタの出力をVSP経由で、映像出力端子から出力するように各スイッチを切り換える。つまり、本実施形態ではコンポーネント連動設定がZONE2に設定されているので、コンポーネント切換部17から出力される映像信号を、VSP14経由でコンポーネント出力端子OUTvcから出力するように、スイッチ19、20を切り換える(S96)。詳細には、制御部22は、スイッチ19にコンポーネント切換部17の出力とADコンバータ18とを接続させ、スイッチ20にDAコンバータ21とコンポーネント出力端子OUTvcとを接続させる。
【0101】
制御部22は、VSP14にZONE2用のOSD画面を生成させる(S97)。そして、制御部22は、コンポーネント切換部17から供給される映像信号に、生成したOSD画面を重畳させ、映像信号をDAコンバータ21でアナログ信号に変換し、スイッチ20を介して、コンポーネント出力端子OUTvcから出力する。従って、ZONE2用ディスプレイ300Bに、ZONE2用のOSD画面を表示することができる。
【0102】
続いて、制御部22は、メインのOSD画面を表示する指示がユーザ操作によって入力されたか否かを判断する(S98)。入力されなければ(S98でNO)、処理はS95へと戻る。入力された場合(S98でYES)、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号がVSP14を経由するように各スイッチの接続状態を切替える(S99)。詳細には、制御部22は、スイッチ13にHDMI切換部12とVSP14とを接続させ、スイッチ15にVSP14とTX16とを接続させる。
【0103】
制御部22は、VSP14にメイン用のOSD画面を生成させる(S100)。そして、制御部22は、メインディスプレイ300Aに出力する映像信号に、生成したOSD画面を重畳させてメインディスプレイ300Aに出力する。従って、メインディスプレイ300Aに、メイン用のOSD画面を表示することができる。
【0104】
なお、ZONE2のOSD画面、メインのOSD画面を消去する指示が入力された場合には、ZONE2の映像信号、メインの映像信号がVSP14を経由しないようにスイッチが切替えられるとよい。
【0105】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、USB端子の代わりにLAN端子を備え、外部に接続されるサーバからコンテンツを取得する場合にも適用され得る。また、上記のAVアンプ1の制御部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、AVアンプに好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0107】
1 AVアンプ
2 音声切換部
3 増幅部
4 音声切換部
5 増幅部
6 USBホストコントローラ
7 DAコンバータ
8 Sビデオ切換部
9 ADコンバータ
10a スイッチ
10b スイッチ
11 DAコンバータ
12 HDMI切換部
13 スイッチ
14 VSP(映像処理部)
15 スイッチ
16 TX(HDMI送信部)
17 コンポーネントセレクタ
18 ADコンバータ
19 スイッチ
20 スイッチ
21 DAコンバータ
22 制御部
23 メモリ
24 表示部
25 操作部
100A BDプレーヤ
100B DVDプレーヤ
100C ゲーム機
100D ポータブルプレーヤ
200A メインスピーカー
200B ZONE2スピーカー
300A メインディスプレイ
300B ZONE2ディスプレイ
INa1 音声入力端子
INa2 音声入力端子
INa3 音声入力端子
INusb USB端子
INvs1 Sビデオ入力端子
INvs2 Sビデオ入力端子
INvs3 Sビデオ入力端子
INvh1 HDMI入力端子
INvh2 HDMI入力端子
INvh2 HDMI入力端子
INvc1 コンポーネント入力端子
INvc2 コンポーネント入力端子
INvc3 コンポーネント入力端子
OUTa1 メインルーム用スピーカー出力端子
OUTa2 ZONE2ルーム用スピーカー出力端子
OUTvs Sビデオ出力端子
OUTvh HDMI出力端子
OUTvc コンポーネント出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セレクタが割り当てられる複数の音声入力端子と、
第1ルームに配置される第1ルームスピーカーに音声信号を出力する第1ルーム音声出力端子と、
ユーザ操作に応じて、第1ルーム用セレクタを選択する第1ルームセレクタ選択手段と、
ユーザ操作に応じて選択された第1ルーム用セレクタに応じて、複数の前記音声入力端子からの音声信号の中から前記第1ルームスピーカーに出力する音声信号を選択する第1ルーム音声切換部と、
第2ルームに配置される第2ルームスピーカーに音声信号を出力する第2ルーム音声出力端子と、
ユーザ操作に応じて、第2ルーム用セレクタを選択する第2ルームセレクタ選択手段と、
ユーザ操作に応じて選択された第2ルーム用セレクタに応じて、複数の前記音声入力端子からの音声信号の中から前記第2ルームスピーカーに出力する音声信号を選択する第2ルーム音声切換部と、
前記セレクタが割り当てられる複数の第1規格映像入力端子と、
第1ルームに配置される第1ルームディスプレイに第1規格の映像信号を出力する、又は、第2ルームに配置される第2ルームディスプレイに第1規格の映像信号を出力する、第1規格映像出力端子と、
ユーザ操作に応じて選択された第1ルーム用セレクタに応じて、複数の前記第1規格映像入力端子からの映像信号の中から前記第1規格映像出力端子から出力する映像信号を選択する第1規格映像切換部と、
前記第1規格映像信号を前記第2ルーム用セレクタに関連付けるか否かをユーザ操作に応じて設定する設定手段と、
前記第1規格映像信号を前記第2ルーム用セレクタに関連付けるよう設定されている場合、選択された前記第2ルーム用セレクタに割り当てられている前記第1規格映像入力端子からの第1規格映像信号を前記第1規格映像出力端子から出力するように前記第1規格映像切換部を制御する切換制御手段とを備える、映像音声処理装置。
【請求項2】
前記セレクタが割り当てられる複数の第2規格映像入力端子と、
第1ルームに配置される第1ルームディスプレイに第1規格の映像信号を出力する、又は、第2ルームに配置される第2ルームディスプレイに第2規格の映像信号を出力する、第2規格映像出力端子と、
前記第1ルームディスプレイに出力する映像信号、または、前記第2ルームディスプレイに出力する映像信号に対して映像処理を実行する映像処理部と、
前記第1ルームディスプレイに出力する映像信号が前記映像処理部を経由している場合に、前記第2ルームディプレイに出力する映像信号が前記映像処理部において映像処理されることを許可するか否かをユーザ操作に応じて設定する第2設定手段と、
ユーザ操作によって、前記第2ルームディプレイに出力する映像信号に映像処理を実行する指示が入力された場合、前記第2設定手段によって許可するよう設定されているか否かを判断する判断手段と、
前記第2設定手段によって許可するよう設定されていると判断された場合、前記第1ルームディスプレイに出力する映像信号が前記映像処理部を経由せず、前記第2ルームディスプレイに出力する映像信号が前記映像処理部において映像処理されるように映像信号の出力経路を切換え、前記第2設定手段によって許可しないよう設定されていると判断された場合、前記第2ルームディスプレイに出力する映像信号が前記映像処理部において映像処理されるように映像信号の出力経路を切換えない第2切換制御部とをさらに備える、請求項1に記載の映像音声処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の映像音声処理装置の各手段をコンピュータに実行させる、映像音声処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2013−17132(P2013−17132A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150231(P2011−150231)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】