説明

昼夜兼用の飛翔性害虫・電撃殺虫器

【課題】従来の電撃殺虫器は誘導灯により夜行性の害虫を駆除するものである。昼行性の害虫には効果が少ない。誘引剤を使う方法もあるが長期間の効力維持は困難である。
【解決手段】飛翔性害虫の食餌のある場所を見極める能力を利用した。電撃殺虫器の電撃格子に誘引剤の気流を吹き付けて、そこに食餌があるように見せかけて感電死するようにした。又、誘引剤の効果は時間の経過とともに効果が薄くなるので感電死した害虫を誘引剤として利用する装置を発明した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電撃殺虫器の電撃格子の部分に誘引剤を含む気流を直接吹き付け飛翔性害虫が餌のある場所を誤認することにより捕殺するものである。又、捕殺した飛翔性害虫から発する臭いを誘引剤として利用する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電撃殺虫器は誘引灯により蛾などの夜行性の飛翔性害虫を誘い、感電死させるものである。しかし、昼間、行動する害虫には捕殺能力は限定的であった。あえて捕殺するためには虫受け皿に誘引剤を置き捕殺する方法もあるが、多くの飛翔性害虫は食物のある場所を探知する能力が高く、例えばハエ類は電撃格子には接触しないで、誘引剤に直接飛来するので捕殺効果は極めて低くい。又、誘引剤は時間が経つ程に効力が低下するので長期的に効果をあげることは更に困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上述した状況に鑑み、飛翔性害虫が食餌のある場所を見極める能力を利用して、誘引剤を含む気流を電撃殺虫器の電撃格子の部分に吹き付け、あたかも食餌がそこにあるよう見せかけて捕殺するようにした。又、捕殺した飛翔性昆虫を誘引剤として再利用することにより殺虫効果を長期間保つことを目的とする。
【問題を解決するための手段】
【0004】
上述した目的を達成するため、本発明の飛翔性害虫殺虫器は誘引剤を含む気流を生成して、それを直接、電撃殺虫器の電撃格子に吹き付けるにようにした。又、誘引剤の効果を高め、持続するため、に捕殺された飛翔性害虫を誘引剤として再利用した。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば夜行性害虫の殺虫機能を損なわずに、昼間活動する飛翔性害虫を捕殺できる。ゴミの埋め立て場などで大量発生したハエなどの駆除をおこなうことができる他、農場、畜産場に於いて発生する飛翔性害虫の防除も可能である。又、捕殺した飛翔性害虫を誘引剤として再利用するので誘引効力が持続し誘引剤にかかるコストも少ない
【実地例】
【0006】
以下、本発明の実地例について、図に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の捕殺した害虫を誘引剤として使用する昼夜兼用の飛翔性害虫の電撃殺虫器である。Iの電撃殺虫器とIIの誘引剤気流生成装置から構成されている。図1のIは電撃格子に接近した飛翔性害虫を高圧電気により感電死させる公知の電撃殺虫器である。図1の4は吹出口金網で飛翔性害虫が誘引剤気流生成の中に落下しないように防護している。5は誘引剤気流の吹き出し口である。
誘引剤気流の吹き出し口と電撃格子との距離が離れているように図示されているが、使用時には電撃格子の内側に入り込むよう設置する。電撃殺虫器の形状によっては上から下へ、横からふきつけることもあり得る。6誘引剤気流を流す菅である。7は捕獲した虫を収納するためのものであり、必ずしも円形であることを限定しない。例えばフレキシブル菅を使用すれば電撃殺虫器と誘引剤気流生成装置の距離を変形傾斜しても使用できる。8は収納箱の底面である。虫が通らない程度の金網もしくはネットを使用する。9は誘引剤の吸入口である捕獲した害虫の臭いを吸収する入り口である。通常においては8虫受底金網とは離れているよう図示されているが使用時には密着している。飛翔性害虫の臭いを吸収する他、誘引剤気流生成器に付着した有機物の臭いを吸い込み誘引効率を高くする働きもある。10は吸入口金網である。図においては金網で示されているが穴を必要量あけることも可能である。11は誘引剤気流生成器の筐体である。12は送風機である。風力は捕獲する虫の大きさにより加減する。誘引剤気流を電撃格子に吹き付けるとともに、捕獲した飛翔性害虫を誘引剤の気流として吸引する。
食堂などで使用する場合は図1の7捕獲中受け筒と11誘引剤気流生成器との距離を離すことにより誘引剤のみで誘引剤気流を生成することができる。
図1において13は誘引剤である。捕殺された飛翔性害虫が蓄積されるまではスターターとして機能する他、誘引剤のみで使用することもできる。誘引剤の素材は自然の有機物のほか、フェロモンなど飛翔性昆虫の性質に応じて使い分けができる。
【0007】
動作について説明する。
送風機により飛翔性害虫の誘引剤となる気流を生成し、電撃殺虫器の高圧電撃格子の部分に吹きつける、これが誘引剤のスターターの役割をする。飛翔性害虫は食物のある場所と誤認して突入する。高圧電撃格子に触れ感電死し受け皿に落下する。感電死した飛翔性害虫は適度に焼け焦げ優良な誘引剤となる。そこで再び、誘引剤の気流を生成して電撃格子にふきつけるにより、昼夜兼用で殺虫することをくみあわせた電撃殺虫装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本体の斜視図である。
【図2】本体の側面図である。
【符号の説明】
【0011】
1 電撃殺虫器電源部
2 誘引灯
3 電撃格子
4 吹出口金網
5 誘引剤気流吹出口
6 誘引剤導入菅
7 虫受け容器
8 虫受底金網
9 誘引剤吸入口
10 吸入口金網
11 誘引剤気流生成器本体
12 送風機
13 誘引剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電撃殺虫器の電撃格子に誘引剤を含む気流を吹きつけ、飛翔性害虫に食物のある場所と誤認させ、電撃死させる装置。
【請求項2】
電撃死した飛翔性害虫を誘引剤として使用する装置。
【請求項3】
誘引剤気流生成装置の6誘引剤導入菅と7虫受け容器の長さを変えることにより電撃殺虫器を離れた場所に設置することができる。
【請求項4】
飛翔性害虫の8虫受底金網と9誘引剤吸入口の間隔を大きく取ることにより、誘引剤専用の気流発生装置として使用することができる。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−28025(P2009−28025A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217614(P2007−217614)
【出願日】平成19年7月29日(2007.7.29)
【出願人】(506226898)
【Fターム(参考)】