説明

時刻監視装置、電子機器、プログラム、および時刻監視方法

【課題】低コストで不正な時刻補正を防止することができる時刻監視装置、電子機器、プログラム、および時刻監視方法を提供する。
【解決手段】時刻監視装置10は、設定時刻と現時刻との差分を累積した差分累積値15と、差分累積値15の許容範囲を示す差分許容値16とを格納する記憶部11と、時刻補正に伴い発行される監視要求により設定時刻を受けると、時計から現時刻を取得し、設定時刻と現時刻との差分を計算し、計算された差分を差分累積値15に加算し、加算された差分累積値15と差分許容値16とを比較して時刻補正の可否を決定する監視制御部14を実行するプロセッサ12を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は時刻監視装置、電子機器、プログラム、および時刻監視方法に関し、特に、時刻を不正に設定することを監視する時刻監視装置、電子機器、プログラム、および時刻監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェアプログラムや映像等のコンテンツには使用期間を定めて使用や閲覧を許可されるものがある。コンテンツを提供する業者は使用期間に応じて課金し、利用者は必要な使用期間を決めて契約し、コンテンツを利用できる。コンテンツを利用するための電子機器は時計を持っており、コンテンツの使用期間と時計とを比較することにより使用の可否を判断する。
【0003】
ところが、電子機器の時計を不正に操作することにより、利用者は使用期間を過ぎてもコンテンツを不正に利用することができる。特許文献1の発明は、使用期限管理装置が外部の標準時刻提供サイトから標準時刻を取得して内部時計を再設定し、内部時計とコンテンツの使用期限とを比較することにより、上記不正利用を防止している。
【0004】
また、特許文献2の発明は、設定する時刻とローカルクロック回路の時刻との差分の許容値を設定しておき、差分が許容値以下の場合のみローカルクロックを再設定することにより、不正な時刻操作を防止している。
【0005】
【特許文献1】特開平11−85500号公報
【特許文献2】WO2004/107064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の発明は、外部の標準時刻を取得するために、対象となる装置を外部と接続し通信するための構成を必要とし、実現のためにコストがかかるという問題がある。また、特許文献2の発明は、1回あたりの時刻補正(時刻の再設定)において、設定時刻と現時刻とが一定の範囲内にある場合のみ許可し、大幅に日時を巻き戻すような不正な時刻補正を防止できる。しかしながら、一定の範囲内の補正を繰り返して、大幅に日時を巻き戻すという不正操作を防止することができないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、上述した課題を解決する時刻監視装置、電子機器、プログラム、および時刻監視方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の時刻監視装置は、補正前の時刻と補正により設定される時刻との差分を累積し、累積値と予め決められた許容値とを比較し、比較結果に基づいて時刻補正の可否を決定するプロセッサを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の第1の電子機器は、本発明の時刻監視装置と、時計と、第2のプロセッサとを有し、前記第2のプロセッサは、時刻補正要求を検出すると、時刻補正要求に付された設定時刻を監視要求とともに前記時刻監視装置に出力し、前記時刻監視装置から設定正常応答を受けると前記設定時刻で前記時計の現時刻を更新することを特徴とする
本発明の第2の電子機器は、プロセッサと時計と記憶部とを有し、前記プロセッサは、前記時計の現時刻を補正する際に、補正前の現時刻と補正により設定される現時刻との差分を累積し、差分の累積値と前記記憶部に格納される許容値とを比較した結果により、時刻補正の可否を決定することを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の電子機器は、プロセッサと時計と記憶部とを有し、前記プロセッサは、前記時計の現時刻を補正する際に、補正前の現時刻と補正により設定される現時刻との差分を累積し、差分の累積値と前記記憶部に格納される許容値とを比較した結果により、コンテンツ実行の可否を決定することを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、時刻補正要求を検出すると、時計から現時刻を取得する手順と、時刻補正要求で指示された設定時刻と現時刻との差分を計算する手順と、計算した差分を記憶部に格納される差分累積値に加算する手順と、加算された差分累積値と記憶部に格納される差分許容値とを比較して時刻補正の可否を決定する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の時刻監視方法は、プロセッサが、時刻を補正する際に、補正前の時刻と補正により設定される時刻との差分を累積し、累積値と予め決められた許容値とを比較した結果により、時刻補正の可否を決定することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の時刻監視方法は、プロセッサが、現時刻を補正する際に、補正前の現時刻と補正により設定される現時刻との差分を累積し、差分の累積値と予め決められた許容値とを比較した結果により、コンテンツ実行の可否を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、低コストで不正な時刻補正を防止することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。まず本発明の概要について説明する。本発明は2つの概要構成を持つ。1つは、図1に示した時刻補正装置であり、もう1つは図2に示した電子機器である。本発明の第1の概要構成を詳細に説明したものが、後述の本発明の第1と第2の実施例であり、本発明の第2の概要構成を詳細に説明したものが、後述の本発明の第3の実施例である。
【0016】
図1を参照すると、本発明の時刻監視装置の概要構成は、プロセッサ1Aを有する。プロセッサ1Aは、現時刻と設定時刻との差分を累積する差分累積部2Aと、累積値と予め決められた許容値とを比較する比較部3Aと、比較結果に基づいて時刻補正の可否を決定する決定部4Aの機能を実行する。
【0017】
第1の概要構成は、時刻補正の際に現時刻と設定時刻との差分を累積し、累積値と許容値を比較することができる。従って、第1の概要構成は、累積値が許容値を超えていた場合に時刻補正を拒否する決定をすることにより不正な時刻補正を防止できるという効果を得られる。特に、本発明は、少しずつ繰り返して時刻を巻き戻すという不正な時刻補正についても確実に検出して防止できる。
【0018】
また、図1の差分累積部の手順と、比較部の手順と、決定部の手順はプログラムで実現できる。時刻監視装置はコンピュータの一例である。図1の概要構成における時刻監視方法は、プロセッサを用いて、差分累積部と、比較部と、決定部を動作させる。本概要構成におけるプログラムと時刻監視方法も時刻監視装置と同様な効果を得られることは明白である。
【0019】
次に、本発明の第2の概要構成について、図2を参照して説明する。本発明の概要構成の電子機器は、第1の概要構成には含まれない時計5Aを含んでいる点で相違するがその他は同じである。本発明の第2の概要構成は、第1の概要構成と同じ効果を得られることは自明である。
【0020】
次に、本発明の第1の実施例について詳細に説明する。図3は本発明の第1の実施例の時刻監視装置10の構成を示したブロック図である。時刻監視装置10は、時刻補正の監視機能を含んだコンピュータの1つの装置であり、独立して設置されてもよいし、別の装置に組み込まれ手設置されてもよい。
【0021】
時刻監視装置10は、記憶部11と、プロセッサ12と、インターフェース部13を有する。記憶部11は、プロセッサ12で実行されるプログラムやデータを記憶する手段であり、半導体記憶装置で構成される主記憶装置で実現されるが、大容量の記憶容量を必要とする場合は磁気ディスク装置のような補助記憶装置と組み合わせて構成することもできる。記憶部11は、監視制御部14と差分累積値15と差分許容値16と起動条件17と記録時刻18とフラグ19を格納できる。
【0022】
プロセッサ12は、データを処理する装置であり、記憶部11に格納されるプログラムを実行する機能を有する。インターフェース部13はプロセッサ12の制御に従って時刻監視装置10の外部と接続して情報を交換する機能を有する。図示していないが、インターフェース部13は外部に設けられた時計と接続し現時刻を取得したり、外部の制御手段と接続して様々な情報を交換したりする。
【0023】
監視制御部14は、時刻監視装置10を制御するためのプログラムであり記憶部11に格納され、プロセッサ12で実行される。監視制御部14は時刻補正の不正を防止するための動作を実行する。監視制御部14の動作は、後述の動作の説明(図4、図5のフローチャート参照)で詳細に説明する。
【0024】
差分累積値15は、時刻補正により設定される時刻と、現時刻との差分を累積した値であり記憶部11に格納される。すなわち、差分累積値15は、時刻補正により補正された時間を累積した値であり、時刻補正を繰り返し実行したときの総補正時間を表している。差分許容値16は、外部の監視者により設定され、差分累積値15の許容範囲を定めた値であり記憶部11に格納される。
【0025】
起動条件17は、外部の監視者により設定され、時刻が巻き戻されていないかという観点で時刻の経過を監視する動作を起動する条件であり、記憶部11に格納される。例えば、起動条件17は、1分周期、10分周期、1時間周期のように決められた時間間隔として、または、毎日午前10時、毎時0分0秒というように実行する時刻として設定することができる。起動条件17が短い間隔であるほど、時刻監視装置10は早期に不正を発見することができる。ただし、起動条件17を短い間隔にするほど、時刻監視装置10の監視動作のための負荷が増大する。利用者は、これらを考慮して起動条件17を設定することができる。
【0026】
記録時刻18は、定期的にまたは決められた時刻毎に記録されるその時点の現時刻であり、記憶部11に格納される。フラグ19は、オンとオフのいずれかの状態を表すフラグであり、記録時刻18と現時刻とを比較し、現時刻が不正と判断された場合にオンとされる。本実施例では、フラグ19は記憶部11に格納されるが、プロセッサ12内のレジスタ(図示しない)に格納されてもよいし、専用のフリップフロップに格納されるようにしてもよい。同様に、差分累積値15、差分許容値16、起動条件17、および記録時刻18も、記憶部11以外の場所に格納されてもよい。
【0027】
次に、本発明の第1の実施例の動作について説明する。本発明では、時刻の経過を監視する動作と、差分累積値15を監視する動作を行う。まず、時刻の経過を監視する動作について図4のフローチャートを参照して説明し、続いて差分累積値15を監視する動作について図5のフローチャートを参照して説明する。また、以降の動作説明では、便宜上、動作主体をプログラムである監視制御部14として記載するが、実際には監視制御部14をプロセッサ12が実行するものである。なお、第2の実施例、第3の実施例も同様に、動作の主体をプログラムとして記載している。
【0028】
図4は時刻経過の監視動作を示したフローチャートである。ただし、差分累積値15の監視動作を指示する監視要求があった場合、監視制御部14は差分累積値15を監視する動作を優先して実行する。図4の動作は監視要求に対する動作を実行していないときに実行される。
【0029】
図4を参照すると、監視制御部14はインターフェース部13を介して外部の時計から現時刻(Tp)を取得する(S51)。次に監視制御部14は現時刻(Tp)を参照して起動条件17が成立したか判断する(S52)。起動条件17が成立しなければ(S52/No)、監視制御部14は一定時間(例えば1分/10分/1時間など)を空けてステップS51に戻り、起動条件17の成立を監視する。
【0030】
起動条件17が成立すると(S52/Yes)、監視制御部14は現時刻(Tp)と記録時刻18(Tr)を比較する(S53)。正常であれば、現時刻(Tp)は記録時刻18(Tr)より未来の時刻(Tp>Tr)となっているはずである。
【0031】
現時刻(Tp)が記録時刻18(Tr)より未来でなければ(Tp≦Tr)(S54/No)、監視制御部14はフラグ19をオンとし(S55)、時計の時刻が不正となっていることを記録する。続いて、現時刻(Tp)を記録時刻18に格納する(S56)。一方、現時刻(Tp)が記録時刻18(Tr)より未来であれば(Tp>Tr)(S54/Yes)、現時刻(Tp)を記録時刻18に格納する(S56)。時刻の経過を監視する動作は以上の手順を繰り返し実行する。
【0032】
次に、時刻補正における差分累積値15を監視する動作について説明する。図5は差分累積値15を監視する動作を示したフローチャートである。図5を参照すると、監視制御部14はインターフェース部13を介して外部から監視要求を受信したか監視する(S61)。監視要求は、外部で時計に対する時刻補正の実行に伴って生成される。監視要求は、時刻補正の対象となる時計の現時刻(Tp)と、補正により新たに現時刻として設定される設定時刻(Ts)を付属情報として含んでいる。
【0033】
監視要求を受けると(S61/Yes)、監視制御部14はフラグ19がオンであるか否かを判定する(S62)。フラグ19がオンであれば(S62/Yes)、監視制御部14は設定異常応答を外部に返送する(S68)。
【0034】
フラグ19がオフであれば(S62/No)、監視制御部14は設定時刻(Ts)と現時刻(Tp)との差分(Ts−Tp=Δとする)を計算する(S63)。差分Δは設定時刻(Ts)が現時刻(Tp)より過去であれば負の値となり未来であれば正の値となり一致していれば“0”となる。監視制御部14は、この差分Δを差分累積値15(ΣΔとする)に加算して差分累積値15を更新する(ΣΔ←ΣΔ+Δ)(S64)。
【0035】
このとき、差分Δも差分累積値15も符号付で計算される。すなわち、差分累積値15は単調に増大するものではなく増減することもある。例えば、外部の時計が進んだり遅れたりする特性を持っている場合、Δは正の値になったり負の値になったりすると推定される。外部の時計が常に進む特性を持っていれば、Δは負の値となると推定される。
【0036】
次に、監視制御部14は更新された差分累積値15と差分許容値16(L)とを比較し、差分累積値15が差分許容値16以内(−L≦ΣΔ≦L)か否かを判定する(S66)。差分累積値15が差分許容値16以内であれば(S66/Yes)、監視制御部14は設定正常応答を外部に返送する。一方、差分累積値15が差分許容値16以内でなければ(S66/No)、監視制御部14は設定異常応答を外部に返送する。
【0037】
ここで、外部の時計が常に進む特性を持つか、または常に遅れる特性を持つ場合の動作について説明する。このような特性を持つ時計の場合、差分累積値15は増大を続け、そのままに動作を続けると、差分許容値16を超えてしまう可能性がある。従って、監視制御部14は、時計の精度により差分累積値15が差分許容値16を超える前に、差分累積値15に対して精度分を補正する必要がある。
【0038】
例えば外部の時計の精度が月差5分であるとき、正しく時刻補正をした場合でも、差分累積値15の値は月当たり最大5分となりうる。仮に差分許容値16が30分に設定されているとすれば、6ヶ月で差分累積値15は差分許容値16に到達し誤って不正と判定されてしまう可能性がある。
【0039】
時計の精度に起因する補正動作の一例について説明する。監視制御部14は、差分許容値16と精度値(E)に基づいて補正間隔(T)を決定する。補正間隔は、予め候補を決めておき、条件を満足する候補の中から最大の候補を選択するようにすればよい。例えば、候補は、1年間隔、1ヶ月間隔、1日間隔のように決めればよい。
【0040】
精度値(E)は対象となる時計の精度を示す値であり、時計または外部の記憶手段から取得できるものとする。補正間隔が経過すると、監視制御部14は差分累積値15(ΣΔ)から精度値(E)を減算して差分累積値15を補正する。減算において、監視制御部14はΣΔの絶対値からEの絶対値を減算し符号はそのままとする。このとき(ΣΔの絶対値)<(Eの絶対値)であれば、監視制御部14は差分累積値15(ΣΔ)=0とする。
【0041】
例えば、精度が月差5分の時計で、差分許容値16(L)が30分の場合を例に説明する。監視制御部14は精度値(=5分)<L(=30分)なので、補正周期を1ヶ月と決めることができる。L<5分であれば監視制御部14は補正間隔を1日と決めることができるし、L>60分であれば監視制御部14は補正間隔を1年と決めることができる。
【0042】
監視制御部14は補正間隔が経過すると差分累積値15から精度値を減算する。この例では、監視制御部14は毎月差分累積値15から5分を減算する。監視制御部14は、差分累積値15が−5分〜+5分の範囲内であれば差分累積値15を“0”とする。例えば差分累積値15が“−7分”であれば、監視制御部14は差分累積値15を“−2分”に補正する。
【0043】
このように、本発明は、時刻補正で補正された時刻の差分Δを累積して、差分累積値15に対して差分許容値16を設定して差分累積値15が差分許容値16を超えないかを監視している。このため、本発明は、1回あたりの許容範囲内で時間を繰り返し巻き戻すことにより時計を不正に巻き戻すことを防止することができる。また、本発明は、時刻が巻き戻されていないかということも検出しているので、正規の時刻補正の手順以外で不正に時刻を巻き戻したとしても、不正を検出することができる。
【0044】
また、本発明の時刻監視装置10は、標準時刻を提供する施設から標準時刻を取得することなく時計の時刻の不正を検出できるので、施設の利用費用が不要であり、また施設との間の通信費用が不要である。従って、時刻監視装置10は時刻補正時の通信費が不要であり、また、外部施設と接続するための公衆回線に接続するためのハードウェアも不要であるため、不正な時刻補正を低コストで防止することができる。
【0045】
また、第1の実施例は、時計の精度により発生する差分Δに対して、差分累積値15を補正するので、時計の精度により発生する誤動作を未然に解決できる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図6は本発明の第2の実施例の電子機器20の構成を示したブロック図である。電子機器20は、第1の実施例の時刻監視装置10を含み、使用期限付きのコンテンツ27を実行する際に、時刻監視装置10と時計23により使用期限の監視を実行する。
【0047】
時刻監視装置10の構成や動作については、第1の実施例で説明した通りであるので、説明は省略する。時刻監視装置10はインターフェース部13を介して記憶部21、プロセッサ22に接続し、情報を交換することができる。
【0048】
電子機器20は、使用期限付きのソフトウェアや映像等を動作させる機能を有した電子機器であり、例えば大型のコンピュータからパーソナルコンピュータに及ぶ情報処理装置や、情報処理機能を含んだ携帯電話機や、情報処理機能を含んだビデオ再生装置などである。電子機器20は、記憶部21とプロセッサ22と時計23と入力装置24と表示装置25と時刻監視装置10を含む。
【0049】
プロセッサ22は、データを処理する装置であり、記憶部21に格納されるプログラムを実行する機能を有する。時計23は現時刻を刻む機能を有し、時刻補正のために時刻を設定したり現時刻を出力したりする機能を有する。入力装置24はキーボードやマウス等のように、利用者がデータを入力するための装置である。表示装置25は、例えば液晶ディスプレイ装置やCRT装置であり、制御プログラム26が必要な情報を表示したり、映像コンテンツ27を再生したりするときに使用される。
【0050】
記憶部21は、半導体記憶素子で構成される主記憶と、磁気記憶装置や光記記憶装置で構成される補助記憶で構成することができる記憶手段であり、制御プログラム26、コンテンツ27、使用期間情報28を格納する。コンテンツ27は使用期限が制限されたソフトウェアや映像等である。コンテンツ27は2つ以上格納することができる。
【0051】
使用期間情報28は、コンテンツ27の付属情報であり、コンテンツ27の使用期限を定義する情報を含む。例えば1年間契約して使用するソフトウェアであれば、使用期間情報28は“2007年10月1日〜2008年9月30日”のように定義される。また、短期間契約して鑑賞するビデオ映像であれば、使用期間情報28は“2007年10月1日23時〜2007年10月2日23時”のように定義される。使用期間情報28も、コンテンツ27に対応して、2つ以上格納することができる。
【0052】
制御プログラム26は、OS(operating system)やアプリケーションプログラム等を含むプログラムの集合であり、プロセッサ22で実行される。ただしコンテンツ27に相当する使用期限付きのアプリケーションプログラムはコンテンツ27として分けて示している。コンテンツ27が映像の場合、制御プログラム26は映像を再生するためのアプリケーションプログラムを含む。
【0053】
また、制御プログラム26は、機器制御部29を含んでいる。機器制御部29は、コンテンツ27を実行するか否かを制御したり、時刻補正を実行したりするプログラムである。機器制御部29の動作内容については図7と図8のフローチャートに示しており、動作の説明で詳細に説明する。
【0054】
次に、第2の実施例の動作について説明する。電子機器20は、基本的な動作の他に、時計23に対する時刻補正の動作と、コンテンツ27の起動を制御する動作を行う。電子機器20の基本的な動作とは、例えば、コンピュータであれば様々な情報処理を実行する動作であり、携帯電話であれば通話機能を実行する動作であり、ビデオ再生装置であればコンテンツ27を再生する動作である。
【0055】
図7は時刻補正要求の動作を示したフローチャートである。制御プログラム26は時刻補正要求を検出すると、機器制御部29に時刻補正要求を通知する。ここで、時刻補正要求は設定時刻(Ts)を含んでいるものとする。図7を参照すると、機器制御部29は、時刻補正要求を受けると、時計23から現時刻(Tp)を読み出す。機器制御部29は、時刻補正要求に含まれる設定時刻(Ts)と読み出した現時刻(Tp)を監視要求に付加して、時刻監視装置10に対して監視要求を送る(S71)。
【0056】
なお、時刻補正要求は、例えば、制御プログラム26に含まれるプログラムを動作させて、利用者が指示することによって発生する。利用者は入力装置24から設定時刻を入力することができる。この他に、図示しないが、時刻補正要求は通信手段により外部からすることもできる。
【0057】
時刻監視装置10は、監視要求を受けると、第1の実施例で説明した通りに動作して、設定正常応答か設定異常応答のいずれかを返送する。機器制御部29は、設定異常応答を受けた場合(S72/Yes)、時刻補正は実行しない。利用者が入力装置24から時刻補正を操作した場合、機器制御部29は時刻補正に失敗したことを表示装置25に表示することができる。
【0058】
機器制御部29は、設定正常応答を受けると(S73/Yes)、設定時刻(Ts)を現時刻(Tp)として時計23に設定する(Tp←Ts)(S74)。利用者が入力装置24から時刻補正を操作した場合、制御プログラム26は時刻補正に成功したことを表示装置25に表示することができる。
【0059】
このように、電子機器20は、時刻監視装置10を利用して不正な時刻補正を防止することができる。時刻補正の現時刻(Tp)と設定時刻(Ts)との差分累積値15が差分許容値16を超えていれば、時刻監視装置10から設定異常応答が返送される。従って、電子機器20は時刻監視装置10を装備するだけで不正な時刻補正を中止し、時計23が不正な時刻とされることを防止することができる。
【0060】
図8はコンテンツの使用要求の動作を示したフローチャートである。制御プログラム26はコンテンツ27の使用要求を検出すると、機器制御部29に使用要求を通知する。使用要求は、対象とするコンテンツ27を指定する情報を含んでいる。図8を参照すると、機器制御部29は使用要求で指定されたコンテンツ27の使用期間情報28を読み出し、時計23から現時刻(Tp)を読み出す(S76)。続いて機器制御部29は読み出した現時刻(Tp)と使用期間情報28とを比較し(S76)、現時刻(Tp)が使用期間内か否かを判断する(S77)。
【0061】
現時刻(Tp)が使用期間内であれば(S77/Yes)、機器制御部29は指定されたコンテンツ27の使用を許可し、制御プログラム26に通知する(S78)。制御プログラム26は機器制御部29から使用許可の通知を受けると、指定されたコンテンツ27がソフトウェアであればソフトウェアを起動することができ、指定されたコンテンツ27が映像であれば映像を再生するためのアプリケーションプログラムを起動することができる。
【0062】
このとき、時計23の現時刻(Tp)は時刻監視装置10の動作により不正な時刻補正を防止して、正常な時刻となっている。このため、本発明は不正な時刻巻き戻しによるコンテンツ27の不正使用を防止することができる。
【0063】
また、電子機器20は外部の標準時刻を提供する施設から標準時刻を取得するために、外部と接続し通信するための構成を必要としないので、低コストで上記の不正なコンテンツ使用を防止することができる。また、第2の実施例は第1の実施例の時刻監視装置10を含んでいるので、第1の実施例で説明した効果と同じ効果も得ることができることは明らかである。
【0064】
次に本発明の第3の実施例について説明する。図9は第3の実施例の構成を示したブロック図である。第3の実施例は、第2の実施例の構成において、時刻監視装置10のプロセッサ12の機能をプロセッサ22で代行し、記憶部11の格納内容を記憶部21に格納している。これにより、第3の実施例は、不正な時刻補正を防止するためのコストをさらに小さくできる。
【0065】
このために、プロセッサ12で実行されるプログラムの形式を、プロセッサ22で実行できる形式に変換する必要があり、監視制御部14はプロセッサ22で実行できるように変換した監視制御部34に置き換えられている。
【0066】
図9を参照すると、第3の実施例の電子機器30は、記憶部31とプロセッサ22と時計23と入力装置24と表示装置25を含む。プロセッサ22と時計23と入力装置24と表示装置25の機能は、実施例2の電子機器20に示した同名の構成と同じであるため説明は省略する。
【0067】
記憶部31は、記憶部21で格納される制御プログラム26とコンテンツ27と使用期間情報28と機器制御部29に加えて、記憶部11に格納される差分累積値15と差分許容値16と起動条件17と記録時刻18とフラグ19を格納することができる。第1の実施例(図3)と同名のものと、第2の実施例(図6)と同名のものはそれぞれ同じ機能を持ち同じように動作するので説明は省略する。
【0068】
監視制御部34は、プロセッサ12で動作する監視制御部14を、プロセッサ22で動作できるように変換したプログラムである。すなわち、監視制御部34の動作内容は監視制御部14の動作内容と同じであり、プロセッサ22で動作できるようにしたプログラムである。
【0069】
次に、第3の実施例の動作を説明する。まず時刻経過の監視動作について説明する。時刻経過の監視動作は監視制御部34により実行される。その動作内容は図4に示した通りであるので詳細な説明は省略する。ただし、ステップS51で、監視制御部34はインターフェース部13を使用せず、時計23に直接アクセスして現時刻(Tp)を取得する。
【0070】
次に、時刻補正要求の動作とコンテンツ27の使用要求の動作について説明する。図10は第3の実施例における時刻補正要求の動作とコンテンツ27の使用要求の動作を示したフローチャートである。
【0071】
図10のステップS81〜S86は制御プログラム26により実行され、ステップS87〜S89は機器制御部29により実行され、ステップS91〜S97は監視制御部34により実行される。ステップS87〜S89の詳細な動作内容は、図8のステップS76〜S78に相当し、ステップS91〜S97の詳細な動作内容は図5のステップS62〜S68に相当する。従って、ステップS87〜S89とステップS91〜S97については概要を説明する。
【0072】
まず、制御プログラム26は、時刻補正要求を検出すると(S81/Yes)、監視制御部34を起動して監視要求する(S82)。制御プログラム26は、コンテンツ27の使用要求を検出すると(S83/Yes)、機器制御部29を起動し使用要求する(S84)。
【0073】
監視要求を受けると、監視制御部34はフラグ19がオンであるか否かを判定する(S91)。フラグ19がオンであれば(S91/Yes)、監視制御部34は設定異常応答を制御プログラム26に通知する(S97)。
【0074】
フラグ19がオフであれば(S91/No)、監視制御部34は設定時刻(Ts)と現時刻(Tp)との差分(Ts−Tp=Δ)を計算する(S92)。監視制御部34は、この差分Δを差分累積値15(ΣΔ)に加算して差分累積値15を更新する(ΣΔ←ΣΔ+Δ)(S93)。
【0075】
次に、監視制御部34は更新された差分累積値15(ΣΔ)と差分許容値16(Lとする)とを比較し(S94)、差分累積値15(ΣΔ)が差分許容値16(L)以内(−L≦ΣΔ≦L)か否かを判定する(S95)。差分累積値15が差分許容値16以内であれば(S95/Yes)、監視制御部34は設定正常応答を制御プログラム26に通知する(S96)。一方、差分累積値15が差分許容値16以内でなければ(S95/No)、監視制御部34は設定異常応答を制御プログラム26に通知する(S97)。
【0076】
設定正常応答を受けると、制御プログラム26は設定時刻(Ts)で時計23の現時刻(Tp)を設定する(Tp←Ts)(S85)。設定異常応答を受けると、制御プログラム26は時計23の設定を抑止する。制御プログラム26は時刻補正が成功したか否かを表示装置25に表示することができる。監視制御部34が設定異常応答をすることにより、制御プログラム26は不正な時刻補正を防止することができる。
【0077】
一方、使用要求を受けると、機器制御部29は使用要求で指定されたコンテンツ27に対応する使用期間情報28を取得し、時計23から現時刻(Tp)を取得する(S87)。続いて機器制御部29は取得した現時刻(Tp)と使用期間情報28とを比較し(S87)、現時刻(Tp)が使用期間内か否かを判断する(S88)。
【0078】
現時刻(Tp)が使用期間内であれば(S88/Yes)、機器制御部29は指定されたコンテンツ27の使用許可の通知を制御プログラム26へする(S89)。制御プログラム26は機器制御部29から使用許可の通知を受けると、コンテンツ27を起動して実行する(S86)。制御プログラム26は、指定されたコンテンツ27がソフトウェアであればソフトウェアを起動することができ、指定されたコンテンツ27が映像であれば映像を再生するためのアプリケーションプログラム(制御プログラム26内にある)を起動することができる。
【0079】
このとき、時計23の現時刻(Tp)は監視制御部34のステップS91〜S97の動作により不正な時刻補正が防止され、正常な時刻となっている。このため、本発明は不正な時刻巻き戻しによるコンテンツ27の不正使用を防止することができる。
【0080】
このように、第3の実施例の電子機器30は、第1、第2の実施例と同様に、時刻補正で補正された時刻の差分Δを累積して、差分累積値15に対して差分許容値16を設定して差分累積値15が差分許容値16を超えないかを監視している。このため、第3の実施例の電子機器30も、1回あたりの許容範囲内で時間を繰り返し巻き戻すことにより時計23を不正に巻き戻すことを防止することができる。また、第3の実施例の電子機器30も、時刻が巻き戻されていないかということも検出しているので、正規の時刻補正の手順以外で不正に時刻を巻き戻したとしても、不正を検出することができる。
【0081】
また、第3の実施例の電子機器30は、標準時刻を提供する施設から標準時刻を取得することなく時計23の時刻の不正を検出できるので、施設の利用料が不要であり、また施設との間の通信費用が不要である。従って、電子機器30は時刻補正時の通信費が不要であり、また、外部施設と接続するための公衆回線に接続するためのハードウェアも不要であるため、不正な時刻補正を低コストで防止することができる。
【0082】
また、第3の実施例の電子機器30も、第1の実施例の最後の部分で記載した時計の精度に起因する補正動作を実行することができる。第1の実施例では監視制御部14の手順をプロセッサ12で実行するが、第3の実施例では監視制御部14の手順を監視制御部34に組み込み、プロセッサ22で実行することができる。従って、第3の実施例の電子機器30も、第1の実施例と同様に、時計の精度に起因した誤動作を防止することができる。
【0083】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。第4の実施例の電子機器の構成は第3の実施例と同じであるので説明は省略する。第4の実施例では、第3の実施例と比べて、機器制御部29と監視制御部34の動作内容が異なる。第4の実施例では、時刻補正要求に対して差分累積値15と差分許容値16との比較をせずに、使用要求の際に差分累積値15と差分許容値16を比較し、コンテンツ27の起動を制御することを特徴とする。
【0084】
次に、本発明の第4の実施例の動作について説明する。まず監視制御部34の動作について説明する。第4の実施例では、監視制御部34は図4に示す時刻経過の監視動作のみを実行する。時刻経過の監視動作についてはすでに説明済みなので説明は省略する。
【0085】
次に、時刻補正要求の動作とコンテンツ27の使用要求の動作について説明する。図11は第4の実施例における時刻補正要求の動作とコンテンツ27の使用要求の動作を示したフローチャートである。
【0086】
図11のステップS81〜S86は制御プログラム26により実行され、残りのステップは機器制御部29により実行される。図11のステップS81〜S89の詳細な動作内容は、それぞれ図10のステップS81〜S89に相当するので、詳細な説明は省略する。
【0087】
また、図11のステップS101〜S103の詳細な動作内容は、図10のステップS91、S94〜S95に相当する。ただし図10ではステップS91、S94〜S95は監視制御部34により実行されたが、図11のステップS101〜S103は機器制御部29によって実行される点が異なる。
【0088】
まず、制御プログラム26は、時刻補正要求を検出すると(S81/Yes)、機器制御部29を起動して監視要求する(S82)。制御プログラム26は、コンテンツ27の使用要求を検出すると(S83/Yes)、機器制御部29を起動し使用要求する(S84)。
【0089】
監視要求を受けると、機器制御部29は、設定時刻(Ts)と現時刻(Tp)との差分(Ts−Tp=Δ)を計算する(S92)。機器制御部29は、この差分Δを差分累積値15(ΣΔ)に加算して差分累積値15を更新し(ΣΔ←ΣΔ+Δ)(S93)、終了を制御プログラム26に通知する。終了通知を受けると、制御プログラム26は設定時刻(Ts)で時計23の現時刻(Tp)を再設定し(S85)、処理を終了する。
【0090】
このように、第4の実施例では、監視要求に対して時刻設定の可否を判定せずに、時計を再設定する。ただし、差分累積値15は更新されるので、差分累積値15が差分許容値16を超えたか否かは判断できる状態に保持できる。
【0091】
使用要求を受けると、機器制御部29はフラグ19がオンであるか否かを判定する(S101)。フラグ19がオンであれば(S101/Yes)、機器制御部29は、図示しないが、制御プログラム26に使用不許可の通知をする。制御プログラム26は、使用不許可の通知を受けても、コンテンツ27を起動しない。
【0092】
フラグ19がオフであれば(S101/No)、機器制御部29は差分累積値15(ΣΔ)と差分許容値16(Lとする)とを比較し(S102)、差分累積値15(ΣΔ)が差分許容値16(L)以内(−L≦ΣΔ≦L)か否かを判定する(S103)。差分累積値15が差分許容値16以内でなければ(S103/No)、機器制御部29は、図示しないが、制御プログラム26に使用不許可の通知をする。制御プログラム26は、使用不許可の通知を受けても、コンテンツ27を起動しない。
【0093】
差分累積値15が差分許容値16以内であれば(S103/Yes)、機器制御部29は、使用要求で指定されたコンテンツ27に対応する使用期間情報28を取得し、時計23から現時刻(Tp)を取得する(S87)。続いて機器制御部29は取得した現時刻(Tp)と使用期間情報28とを比較し(S87)、現時刻(Tp)が使用期間内か否かを判断する(S88)。
【0094】
現時刻(Tp)が使用期間内でなければ(S88/No)、機器制御部29は、図示しないが、制御プログラム26に使用不許可の通知をする。制御プログラム26は、使用不許可の通知を受けても、コンテンツ27を起動しない。
【0095】
現時刻(Tp)が使用期間内であれば(S88/Yes)、機器制御部29は指定されたコンテンツ27の使用許可の通知を制御プログラム26へする(S89)。制御プログラム26は、機器制御部29から使用許可の通知を受けると、コンテンツ27を起動して実行する(S86)。
【0096】
このように、第4の実施例の電子機器30は、時刻補正で補正された時刻の差分Δを累積し、コンテンツ27に対する使用要求があると、差分累積値15が差分許容値16を超えない場合にのみ、コンテンツ27を起動する。
【0097】
従って、第4の実施例の電子機器も、1回あたりの許容範囲内で時間を繰り返し巻き戻すことにより時計23を不正に巻き戻すことを防止することができる。また、第4の実施例の電子機器も、時刻が巻き戻されていないかということも検出しているので、正規の時刻補正の手順以外で不正に時刻を巻き戻したとしても、不正を検出することができる。
【0098】
また、第4の実施例の電子機器は、標準時刻を提供する施設から標準時刻を取得することなく時計23の時刻の不正を検出できるので、施設の利用料が不要であり、また施設との間の通信費用が不要である。従って第4の実施例は時刻補正時の通信費が不要であり、また、外部施設と接続するための公衆回線に接続するためのハードウェアも不要であるため、不正な時刻補正を低コストで防止することができる。
【0099】
また、第4の実施例の電子機器も、第1の実施例の最後の部分で記載した時計の精度に起因する補正動作を実行することができる。第1の実施例では監視制御部14の手順をプロセッサ12で実行するが、第4の実施例では監視制御部14の手順を監視制御部34と機器制御部29に組み込み、プロセッサ22で実行することができる。従って、第4の実施例の電子機器も、第1の実施例と同様に、時計の精度に起因した誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の時刻監視装置の概要構成を示した図である。
【図2】本発明の電子機器の概要構成を示した図である。
【図3】本発明の第1の実施例の時刻監視装置10の構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例における時刻経過の監視動作を示したフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施例における差分累積値15を監視する動作を示したフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施例の電子機器20構成を示したブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施例における時刻補正要求の動作を示したフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施例におけるコンテンツの使用要求の動作を示したフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施例の電子機器30の構成を示したブロック図である。
【図10】第3の実施例における時刻補正要求の動作とコンテンツ27の使用要求の動作を示したフローチャートである。
【図11】第4の実施例における時刻補正要求の動作とコンテンツ27の使用要求の動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
1A プロセッサ
2A 差分累積部
3A 比較部
4A 決定部
5A 時計
10 時刻監視装置
11 記憶部
12 プロセッサ
13 インターフェース部
14 監視制御部
15 差分累積値
16 差分許容値
17 起動条件
18 記録時刻
19 フラグ
20 電子機器
21 記憶部
22 プロセッサ
23 時計
24 入力装置
25 表示装置
26 制御プログラム
27 コンテンツ
28 使用期間情報
29 機器制御部
30 電子機器
31 記憶部
34 監視制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻を補正する際に、補正前の時刻と補正により設定される時刻との差分を累積し、累積値と予め決められた許容値とを比較し、比較結果に基づいて時刻補正の可否を決定するプロセッサを有することを特徴とする時刻監視装置。
【請求項2】
設定時刻と現時刻との差分を累積する累積差分値と、差分累積値の許容範囲を示す差分許容値を格納する記憶部と、
時刻補正の過程で発行される監視要求を受けると、時計から現時刻を取得し、監視要求で指示された設定時刻と現時刻との差分を計算し、計算した差分を前記記憶部から取得した差分累積値に加算し、加算された差分累積値と差分許容値とを比較して時刻補正の可否を決定する前記プロセッサを有することを特徴とする請求項1の時刻監視装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記加算された差分累積値が前記差分許容値以内であれば、時刻補正を許可する設定正常応答を出力し、前記加算された差分累積値が前記差分許容値を超えていれば時刻補正を不許可とする設定異常応答を出力することを特徴とする請求項2の時刻監視装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、記録時刻と、時刻が不正であることを示すフラグを格納し、
予め決められた起動時刻になると、前記時計から現時刻を取得し、取得した現時刻が記録時刻より過去ならばフラグをオンとし、取得した現時刻が記録時刻より未来の時刻であれば取得した現時刻を記録時刻として更新することを特徴とする請求項3の時刻監視装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記監視要求を受けた際に、前記フラグがオンであれば、前記加算された差分累積値と前記差分許容値との比較結果にかかわらず、時刻補正を不許可とする応答を出力することを特徴とする請求項4の時刻監視装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、時計の精度を取得し、時計の精度に基づいて差分累積値を補正することを特徴とする請求項4の時刻監視装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記精度と前記差分許容値に基づいて補正間隔を決定し、補正間隔毎に前記精度に相当する時刻分を差分累積値から減じることを特徴とする請求項6の時刻監視装置。
【請求項8】
請求項3ないし7のいずれかの時刻監視装置と、時計と、第2のプロセッサとを有し、
前記第2のプロセッサは、時刻補正要求を検出すると、時刻補正要求に付された設定時刻を監視要求とともに前記時刻監視装置に出力し、
前記時刻監視装置から設定正常応答を受けると前記設定時刻で前記時計の現時刻を更新することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項3ないし7のいずれかの時刻監視装置と、時計と、コンテンツと使用期間情報を格納する記憶部と第2のプロセッサとを有し、
前記第2のプロセッサは、コンテンツの使用要求を検出すると、前記時計から現時刻を取得し、現時刻と要求されたコンテンツに該当する前記使用期間情報とを比較し、現時刻が使用期間内であれば使用要求されたコンテンツの使用を許可することを特徴とする電子機器。
【請求項10】
プロセッサと時計と記憶部とを有し、
前記プロセッサは、前記時計の現時刻を補正する際に、補正前の現時刻と補正により設定される現時刻との差分を累積し、差分の累積値と前記記憶部に格納される許容値とを比較した結果により、時刻補正の可否を決定することを特徴とする電子機器。
【請求項11】
前記記憶部は、設定時刻と現時刻との差分を累積した累積差分値と、差分累積値の許容範囲を示す差分許容値を格納し、
前記プロセッサは、時刻補正要求を検出すると、前記時計から現時刻を取得し、時刻補正要求で指示された設定時刻と現時刻との差分を計算し、計算した差分を差分累積値に加算し、加算された差分累積値と差分許容値とを比較して時刻補正の可否を決定することを特徴とする請求項10の電子機器。
【請求項12】
前記記憶部は、記録時刻と、時刻が不正であることを示すフラグを格納し、
前記プロセッサは、予め決められた起動時刻になると、前記時計から現時刻を取得し、取得した現時刻が記録時刻より過去ならばフラグをオンとし、取得した現時刻が記録時刻より未来の時刻であれば取得した現時刻を記録時刻として更新することを特徴とする請求項11の電子機器。
【請求項13】
前記プロセッサは、時刻補正要求を検出すると、前記フラグを参照し、前記フラグがオフで、かつ、前記加算された差分累積値が前記差分許容値以内であれば、時刻補正要求された設定時刻で前記時計の現時刻を更新することを特徴とする請求項12の電子機器。
【請求項14】
プロセッサと時計と記憶部とを有し、
前記プロセッサは、前記時計の現時刻を補正する際に、補正前の現時刻と補正により設定される現時刻との差分を累積し、差分の累積値と前記記憶部に格納される許容値とを比較した結果により、コンテンツ実行の可否を決定することを特徴とする電子機器。
【請求項15】
前記記憶部は、設定時刻と現時刻との差分を累積した累積差分値と、差分累積値の許容範囲を示す差分許容値と、コンテンツとを格納し、
前記プロセッサは、時刻補正要求を検出すると、前記時計から現時刻を取得し、時刻補正要求で指示された設定時刻と現時刻との差分を計算し、計算した差分を差分累積値に加算し、
コンテンツの使用要求を検出すると、差分累積値と差分許容値とを比較してコンテンツ実行の可否を決定することを特徴とする請求項14の電子機器。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記時計の精度を取得し、前記時計の精度に基づいて前記差分累積値を補正することを特徴とする請求項11または15の電子機器。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記精度と前記差分許容値に基づいて補正間隔を決定し、補正間隔毎に前記精度に相当する時刻分を差分累積値から減じることを特徴とする請求項16の電子機器。
【請求項18】
時刻補正要求を検出すると、時計から現時刻を取得する手順と、時刻補正要求で指示された設定時刻と現時刻との差分を計算する手順と、計算した差分を記憶部に格納される差分累積値に加算する手順と、加算された差分累積値と記憶部に格納される差分許容値とを比較して時刻補正の可否を決定する手順とをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項19】
時刻補正要求を検出すると、時計から現時刻を取得する手順と、時刻補正要求で指示された設定時刻と現時刻との差分を計算する手順と、計算した差分を記憶部に格納される差分累積値に加算する手順と、
コンテンツの使用要求を検出すると、差分累積値と差分許容値とを比較してコンテンツ実行の可否を決定する手順とをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項20】
プロセッサが、現時刻を補正する際に、補正前の現時刻と補正により設定される現時刻との差分を累積し、差分の累積値と予め決められた許容値とを比較した結果により、時刻補正の可否を決定することを特徴とする時刻監視方法。
【請求項21】
前記プロセッサが、時刻補正要求を検出すると、時計から現時刻を取得し、監視要求で指示された設定時刻と現時刻との差分を計算し、計算した差分を記憶部に格納される差分累積値に加算し、加算された差分累積値と記憶部に格納される差分許容値とを比較して時刻補正の可否を決定することを特徴とする請求項20の時刻監視方法。
【請求項22】
前記プロセッサが、予め決められた起動時刻になると、前記時計から現時刻を取得し、取得した現時刻が記録時刻より過去ならばフラグをオンとし、取得した現時刻が記録時刻より未来の時刻であれば取得した現時刻を記録時刻として更新することを特徴とする請求項21の時刻監視方法。
【請求項23】
前記プロセッサが、時刻補正要求を検出すると、前記フラグを参照し、前記フラグがオフで、かつ、前記加算された差分累積値が前記差分許容値以内であれば、時刻補正要求された設定時刻で前記時計の現時刻を更新することを特徴とする請求項22の時刻監視方法。
【請求項24】
プロセッサが、現時刻を補正する際に、補正前の現時刻と補正により設定される現時刻との差分を累積し、差分の累積値と予め決められた許容値とを比較した結果により、コンテンツ実行の可否を決定することを特徴とする時刻監視方法。
【請求項25】
前記プロセッサが、時刻補正要求を検出すると、時計から現時刻を取得し、時刻補正要求で指示された設定時刻と現時刻との差分を計算し、計算した差分を記憶部に格納される差分累積値に加算し、
コンテンツの使用要求を検出すると、差分累積値と差分許容値とを比較してコンテンツ実行の可否を決定することを特徴とする請求項24の時刻監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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