説明

時間シーケンスで適用されるフィルム情報を有するフィルム内の位置を決定するための装置および方法

時間シーケンスで適用されるフィルム情報(112、114)を有するフィルム(110)内の位置を決定するための装置が提供され、この装置は、フィルム情報(112、114)の基準指紋表示を記憶するためのメモリ(320)であって、基準指紋表示は、指紋表示の時間的コースがフィルム情報の時間的コースに依存するように形成され、さらに、時間スケールが、記憶された基準指紋表示に関連付けられる、メモリ(320)を備え、さらに、この装置は、フィルム(110)から読み込まれる部分を受信するための手段(340)と、読み込まれた部分からテスト指紋表示を抽出するための手段(350)と、比較および時間スケールに基づいてフィルム(110)内の位置を決定するために、テスト指紋表示と基準指紋表示とを比較するための手段(360)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばフィルムイベントと画像再生とを同期するために、時間シーケンスで適用されるフィルム情報を有するフィルム内の位置を決定するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオビデオデータが、データキャリアすなわちフィルムもしくはテープに、または、送信チャネルすなわち無線もしくは電話に、固定フォーマットで記憶されると、新規のオーディオフォーマットによる拡張、または、他の同期付加サービスもしくは字幕等の画像同期付加サービスを行うことができなくなる。したがって、例えば新しいオーディオフォーマットの導入に伴って、新しいオーディオフォーマットを有する新しいデータキャリアまたはフィルムコピーを生成する必要がある。
【0003】
図8は、例示的なフィルム110を示す。それぞれ「フレーム」または「ビデオフレーム」と呼ばれるビデオ情報または画像112等のフィルム情報と、オーディオ情報、または、複数のアナログもしくはデジタルのサウンドトラック114とは、再生する間、空間シーケンスまたは時間シーケンスで適用され、デジタルサウンドトラックは、デジタルの場合に「オーディオフレーム」を有する。さらに、フィルム110は、例えばフィルムを再生する際に用いられる送り孔116を有する。
【0004】
基本的に、補足情報を同期するための方法として、2つの方法が知られている。
【0005】
第1の方法は、映画サウンド用のDTS(デジタル・シアター・システム)等を用いて、タイムコードをデータキャリアに記憶し、または、オーディオ信号に接続される別のチャネルに記憶することである。ここでの例としては、DABおよびmp3による補助データがある。タイムコードは、DTSを用いて外部データキャリア例えばCDからサウンドまたは付加情報を同期して再生するために用いられる。しかしながら、この方法には、フォーマットを追加するたびに、データキャリアまたは送信チャネルにさらなるスペースが必要となるという欠点があり、このスペースは利用できない場合がある。フィルムには、例えば、アナログサウンド、ドルビー(登録商標)・デジタル、DTS、SDDS(ソニー(登録商標)・ダイナミック・デジタル・サウンド)用のトラックがある。しかしながら、独自のフォーマットなので、ある拡張のタイムコードを別の拡張に利用できないようになっている。拡張の際に、互いに干渉を引き起こしてしまうことが避けられず、一例として、MP3の補助データを、付加情報および帯域幅拡張用に様々な製造業者で用いていることがあげられる。
【0006】
第2の方法は、例えば、IOSONO(登録商標)・システムを備えるプロトタイプ映画で用いられるように、タイムコードを記憶するためにアナログサウンドトラックの不適切な使用に基づいている。しかしながら、この方法の欠点は、アナログトラックが全てのシステムに存在するので、他のシステムと干渉する際のフォールバックソリューションとしてしばしば用いられることであり、このことは、アナログトラックを誤用すると、フォールバックの可能性を妨げてしまうことを意味している。大部分の映画に備えられているアナログトラックへの自動切り替えを行うことにより、ドルビー(登録商標)・デジタルまたはDTS用の「最新の」トラックに信号がまったくない場合に、タイムコードがアナログ信号として再生されてしまう。したがって、プロトタイプ映画では、以下で説明する純粋な波面合成再生の間、冗長なアナログ再生をマニュアルで切り替える必要があり、なぜなら、これを行わないと、タイムコードが、冗長なさらなるスピーカを介して聞こえてしまうからである。
【0007】
音響波面合成、略してWFSは、フォーマット・ドルビー(登録商標)、SDDSまたはDTSのサラウンドアプローチを超えている。WFSでは、サウンドを構成する実際の状況での空気の振動を、空間全体にわたって再生することを試みている。もとの音源の位置のマッピングがスピーカ間の線上に限定されている2つ以上のスピーカにわたって再生を行う従来のものとは逆に、波面合成とは、もとの音源に対して忠実な全音場を空間に伝達することである。このことは、仮想音源を正確に空間的に配置することができ、あたかも空間内にいるように感じられるので、音源で取り囲むことが可能であるということを意味する。映画システムでは200個までのスピーカを用い、シアターサウンドシステムでは900個までのスピーカを用いるシステムが、すでに実現している。
【0008】
波面合成は、ホイヘンスの原理に基づき、つまり、波面上の各点を基本球面波の開始点として考えることができると言える。全ての基本波が干渉することにより、新しい波面が発生し、これはもとの波と全く同じものである。
【0009】
このようなサウンドシステムは、IOSONO(登録商標)という名称の下にフラウンホッファー・デジタルメディア技術研究所で開発され、イルメナウ映画館で用いられている。
【0010】
したがって、イルメナウ映画館は、波面合成が2つのモードで実行されている実例といえる。
【0011】
第1のモードでは、映画が「実際の」波面合成システムとして実行されている。第2の「不適切な」方法に関して上述したように、タイムコードが35mmフィルムのアナログトラックに記憶され、WFSサウンドがハードディスクまたはDVD等の外部媒体から再生される。
【0012】
「互換性のある再生」である第2のモードでは、各35mmフィルムに記憶されたサウンドが、ドルビー(登録商標)・プロセッサによって、読み出されて復号化され、または、DTSもしくはSDDSを用いることもでき、必要な場合、ドルビー(登録商標)・プロセッサを自動的にアナログトラックに切り替えて、WFSを介して発生するマルチチャネル信号を仮想スピーカにマッピングする。
【0013】
2つのモードには異なる信号経路が必要なので、アナログ信号用の読み取りヘッドから送られてくる信号を分割することを必要とし、このことが、さらに技術的労力をもたらすことになる。
【0014】
したがって、要約すると、映画フィルムの現在のスプールに、例えば外部サウンドシステムまたは字幕システム用のさらなる同期トラックを付け加える余地はないと言える。これまで利用できるアナログおよびデジタルの全ての映画サウンドシステムでは、サウンドトラックを、フィルムのスプール上の1つもしくは複数のサウンドトラックを介して直接に得るか、またはフィルムのスプール上の製造業者固有のタイムコード信号によって得る。このことは、すでに説明した2つの周知のアプローチでは、フィルムの新しいコピーを作成する必要があり、通常膨大な費用がかかるということを意味する。ドルビー(登録商標)・デジタルおよびSDDSのようなオーディオフォーマットにより、最新のオーディオを体験できるものの、例えば、字幕またはフィルムサウンドレコーディングの外国語バージョンと同期するタイムコードはまだない。
【0015】
このため、フランク・ジョーダン(Frank Jordan)およびジェスパー・ダノウ(Jesper Dannow)の文献「アナログ音源からのタイムコード情報の生成(Generating Timecode Information from Analog Sources)」、第118回音声工学学会大会、大会論文6473、2005年5月28日〜31日、スペイン、バルセロナには、アナログサウンドトラックに基づいてタイムコードを生成することが提案されている。この文献には、プロジェクタのアナログサウンドトラックに付けられている「Soundtitles」という名称のシステムが記載されている。サウンドトラックの編集デジタルコピーと、フィルムプロジェクタのアナログ信号とに基づいて、時間情報またはタイムコードが相互相関によって決定される。システム「Soundtitles」は、3つのコンポーネントから構成されている。コアモジュール「Sync Tracker」が、タイムコード信号を生成する。第2のモジュール「Sync Player」が、例えばビーマを用いて投影された字幕を生成する。第3のモジュール「Clip Player」が、ワイヤレスヘッドフォンを介して映画観客に伝えられる同期オーディオクリップを再生する。
【0016】
前述の従来技術の欠点は、フィルム内の同期および時間決定が、その文献に記載のように、例えば1分間のサーチウインドウに限定されていることである。しかしながら、特にフィルムの初期段階では、良好な同期のための正しいウインドウを定義しまたは決定することが困難である。フィルムから読み込まれまたはサンプリングされる部分が、同期に用いられる記憶されたフィルム情報の部分内にない場合、同期がとれないままであり、または、誤った同期が起こる。この場合、映画観客は、フィルムに対してサウンドを聞かないかまたは誤ったサウンドを聞くことになる。
【0017】
【非特許文献1】フランク・ジョーダン(Frank Jordan)およびジェスパー・ダノウ(Jesper Dannow)の文献「アナログ音源からのタイムコード情報の生成(Generating Timecode Information from Analog Sources)」、第118回音声工学学会大会、大会論文6473、2005年5月28日〜31日、スペイン、バルセロナ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、フィルム内の位置を決定する効率的な概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的は、請求項1に記載のフィルム内の位置を決定するための装置、請求項20に記載のフィルム内の位置を決定するための方法、および請求項21に記載のコンピュータプログラムによって達成される。
【0020】
本発明は、フィルムの各位置が一般にこの位置に特有のフィルム情報を含むという知見に基づいており、フィルムの特徴抽出において異なる位置は、特徴の異なる特有の出現を含む。換言すれば、フィルムの異なる位置は、異なる「指紋」を含む。これらの指紋は、次々に、フィルム内の位置を決定するために用いることができる。
【0021】
本発明によれば、時間シーケンスで適用されるフィルム情報を有するフィルム内の位置を決定するための装置が提供され、この装置は、フィルム情報の基準指紋表示(FAD、FAD=Fingerabdruckdarstellung=指紋表示)を記憶するためのメモリであって、指紋表示は、指紋表示の時間的コースがフィルム情報の時間的コースに依存するように形成され、時間スケールが、記憶された基準指紋表示に関連付けられる、メモリと、フィルムから読み込まれる部分を受信するための手段と、読み込まれた部分からテスト指紋表示を抽出するための手段と、比較および時間スケールに基づいてフィルム内の位置を決定するために、テスト指紋表示と基準指紋表示とを比較するための手段とを備える。
【0022】
フィルム内の位置を決定するための装置および方法は、フィルム自体を準備しまたは変更する必要なしに、どの時点でもフィルム内のどの位置でも決定することを可能にする。関連した時間情報、時間スケールは、フィルムの記憶されたバージョンとともに記憶される。ここでは、フィルムは、特徴抽出に対応する基準指紋表示の形式で記憶される。したがって、必要なメモリ空間、また演算パワーおよび/または位置を決定する期間も、低減することができる。
【0023】
フィルム内の位置を決定するための装置および方法は、例えば、フィルムイベントと画像再生とを同期するフィルムイベントシステム用の制御信号を生成するための装置に用いられてもよい。フィルムイベントの例としては、オーディオサウンド、字幕および特殊効果があげられ、特殊効果としては、例えば、空気の流れ、映画館のいすの揺れ、におい、または、側壁および背壁に対する照明効果が含まれてもよい。ここでは、オーディオ結果に関して、もとのバージョンと他の言語への翻訳とを同時に再生する等の2つの異なる言語とともに、波面合成のようなデジタルサラウンドシステムの同期のように、異なるオーディオ技術が可能である。ここでは、位置を決定するための装置または方法は、特に、悪い条件下でも、最適な同期および/またはフィルム内の位置の決定を保証するように、フィルムの開始段階での同期に働くとともに、例えば、フィルム再生中の飛び越しに対して高い許容範囲をもたらす。
【0024】
上記および以下の例で、映画ファンまたはフィルムについて述べる場合、本発明は、映画ファンが見る映画フィルムに限定されず、磁気テープまたはハードドライブのように、フィルムまたは他のデータキャリアおよびメモリ媒体に記憶されたフィルム情報であるかどうかに関わらず、一般に、フィルムまたはオーディオビジュアル信号に関する。さらに、本発明は、ビデオのない純粋なサウンドシステムに用いることができ、または、例えば、ビデオIDを介して、サウンドのない純粋なビデオ素材と任意のイベントとの同期のために用いることができる。
【0025】
本発明の好適な実施の形態が添付図面を参照して以下に説明される。これらの図面としては:
図1は、フィルムイベントシステム用の制御信号を生成するための装置の好適な実施の形態を示す基本ブロック図であり、
図2aは、相関を実行するための装置の実施の形態を示す基本ブロック図であり、
図2bは、相関を実行するための装置の好適な実施の形態を示す基本ブロック図であり、
図2c.1は、フィルムの例示的なセクションを示す図であり、
図2c.2は、第1の可変再生速度および一定テストサンプリングレートによる図2c.1に示すフィルムのセクションのサウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、
図2c.3は、第2の可変再生速度および一定テストサンプリングレートによる図2c.1に示すフィルムのセクションのサウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、
図2c.4は、第3の可変再生速度および一定テストサンプリングレートによる図2c.1に示すフィルムのセクションのサウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、
図2d.1は、フィルムの2つの例示的なセクションを示す図であり、
図2d.2は、フィルムの基準サウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、
図2d.3は、フィルムのセクション用の第1の再生速度および一定テストサンプリングレートに基づくテストサウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、
図2d.4は、図2d.2の基準サウンド信号と図2d.3のテストサウンド信号との相関からの例示的な第1の相関結果を示す図であり、
図2d.5は、図2d.1のフィルムの2つの例示的なセクションを示す図であり、
図2d.6は、図2d.2のフィルムの基準サウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、
図2d.7は、フィルムのセクション用の第2の再生速度および一定テストサンプリングレートに基づくテストサウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、
図2d.8は、図2d.6の基準サウンド信号と図2d.7のテストサウンド信号との相関からの例示的な第2の相関結果を示す図であり、
図3aは、指紋表示に基づくフィルム内の部分を決定するための装置の好適な実施の形態を示す基本ブロック図であり、
図3b.1は、フィルムの2つのセクションを示す図であり、
図3b.2は、図3b.1の2つのセクション用の基準サウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、
図4は、位置の粗く後に細かい決定に基づくフィルム内の位置を決定するための装置の好適な実施の形態を示す基本ブロック図であり、
図5aは、フィルムイベントシステム用の制御信号を生成するための装置の好適な実施の形態を示す基本ブロック図であり、
図5b.1は、フィルムの2つのセクションを示す図であり、
図5b.2は、フィルムの第1のセクション用の基準サウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、
図5b.3は、フィルムの第2のセクション用のテストサウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、
図5b.4は、図5b.2の基準サウンド信号と図5b.3のテストサウンド信号との相関からの例示的な相関結果を示す図であり、
図6aは、フィルムイベントシステム用の制御信号を生成するための装置およびフィルムイベントシステムを有する例示的なフィルムプロジェクションシステムを示す基本ブロック図であり、
図6bは、例示的なオーディオフィルムイベントシステムを有する制御信号を生成するための装置を有する例示的なフィルムプロジェクションシステムを示す基本ブロック図であり、
図7は、1つのフィルム情報に対する時間スケールの例示的な関連を示す概略図であり、
図8は、適用されたフィルム情報を有する例示的なフィルムを示す概略図である。
【0026】
本発明または好適な実施の形態についての以下の説明では、同じ参照番号を類似のまたは同じ構成要素に用いる。
【0027】
以下に、フィルムに適用されるサウンド信号をフィルム情報として用いる実施の形態に関して、本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、これは単に説明するためのものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、フィルムイベントシステム用の制御信号を生成するための装置の基本ブロック図および図8に関して説明した例示的なフィルム110を示し、制御信号を生成するための装置は、フィルム情報を記憶するための手段120と、フィルムから読み込まれるセクションを受信するための手段140と、読み込まれたセクションと記憶されたフィルム情報112、114とを比較するための手段160と、比較と時間スケールとに基づく制御信号を決定するための手段180とを備える。
【0029】
記憶されたビデオ情報112、114は、それぞれ、例えば、サウンド信号もしくはオーディオ信号、画像信号もしくはビデオ信号、または、例えば開口部が開く場所、サウンドが再生される時刻もしくはフィルムを停止する時刻を決定するフィルム上に現在見られる表示を含む。記憶されたオーディオ信号および/またはビデオ信号は、例えばデジタル化された形式であり、好ましくは必要メモリを低減する圧縮形式である。
【0030】
デジタル化された記憶装置の長所は、シンプルなことであり、特に、フィルム情報の記憶された画像の再現性にエラーがないことである。
【0031】
従来のシステムとは逆に、上述のように、フィルムはそのままで、フィルム情報の記憶された画像は例えばフィルムを作成する際に1回だけ生成される。
【0032】
例えば、フィルムプロジェクタ等のフィルム再生装置を介してフィルムを再生する場合、サウンドトラック114に含まれるサウンド信号は、受信するための手段140で受信され、比較するための手段160で編集され、例えば、所定のサンプリングレートでサンプリングされ、所定の長さまたは所定の数のサンプリングレートのセクションとして送られる。
【0033】
手段160は、このフィルムから読み込まれるセクションと記憶されたフィルム情報とを比較するように形成され、比較するための手段160は、読み込まれたセクションと記憶された全情報とを比較するように形成できるが、好ましくは、計算労力を最小にするために、読み込まれたセクションと記憶されたフィルム情報のセクションとを比較するように形成される。比較は、例えば、相互相関を介しても、差を計算することを介しても、例えば、圧縮されたハッシュ合計を計算し、データベースでこれを検索することによって、行うことができる。比較は、サウンド信号だけに基づいて、ビデオ信号だけに基づいて、サウンド信号およびビデオ信号の比較に基づいて、そのほかに上述の特徴の評価の組み合わせに基づいて行うことができる。比較するための手段160の比較結果および時間スケールに基づいて、決定するための手段180は、制御信号190を決定する。フィルムイベントシステムは、制御信号190を介して制御され、例えば、再生フィルム110に時間的に同期して制御信号190に基づくWFSサウンド信号または字幕を生成する。これにより、制御信号を生成するための装置または特に制御信号を決定するための手段180は、制御信号がSMPTE(映画テレビ技術者協会)に準拠して標準化されたLTCタイムコードフォーマット(LTC=水平タイムコード)等の独自のまたは標準化された任意のタイムコードフォーマットであるように形成できる。
【0034】
時間的に同期とは、フィルムイベントシステムが、制御信号190に基づいて、再生されたばかりのフィルムの位置の時間スケール上の時間に対応する同時イベントを生成するということを意味し、同時イベントには、時間スケール上の時間が、記憶されたフィルム情報に関連付けられる。
【0035】
これにより、説明した実施の形態とは異なり、フィルムプロジェクタの代わりに、任意のフィルム再生装置を用いることができ、(例えばビデオ情報に基づく同期を有する)サイレントフィルム等の任意のフィルムフォーマット、アナログもしくはデジタルのサウンドトラックを有するフィルム、1本のサウンドトラックもしくは数本の並列のサウンドトラックを用いることができ、または、フィルムの代わりに、テープもしくはハードドライブ等の任意の他のメモリ媒体を用いることができ、そのフォーマットが変更できないか変更されてはいけなく、例えば将来のフィルム再生装置と互換性はあるが、他のフィルムイベントが同時に同期される必要があるもの等がある。
【0036】
好適な実施の形態では、サウンド信号が、同期のためのフィルム情報として用いられる。これにより、フィルムから読み込まれるセクションは、テストサウンド信号を生成するために、以下にテストサンプリングレートという所定のサンプリングレートでサンプリングされ、さらに、フィルム情報はデジタル形式で記憶され、記憶されたフィルム情報は以下で基準信号といい、テストサウンド信号および基準サウンド信号は、相互相関を介して比較するための手段160で比較される。
【0037】
一実施の形態では、テスト信号サンプリングレートおよび基準信号サンプリングレートは、変わらない、すなわち一定である。比較するための手段160は、例えば、最初に第1のテストサウンド信号および第1の基準サウンド信号に基づく第1の相関結果を生成し、1回目の時間スケールを決定し、次に第2のテストサウンド信号および第2の基準サウンド信号に基づく第2の相関結果を生成し、例えば時間差もしくは再生速度を決定するための、または、ターゲット再生速度もしくは基準再生速度と比較して速度差を決定するための2回目の時間スケールを決定するように、形成できる。このことに基づいて、決定するための手段180は、例えば、フィルムイベントシステムを同期するための制御信号を決定する。
【0038】
しかしながら、一定サンプリングレートの欠点は、相関結果がテスト再生速度の変化で低下するので、時間またはフィルム内の位置を決定する精度がさらに不正確になり、同期が低下することである。この欠点は、テストサンプリングレートおよび/または基準サンプリングレートを意味するサンプリングレートを変えることによって補償できる。
【0039】
図2は、可変再生速度で再生可能なテストサウンド信号とテストサウンド信号のデジタル的に記憶されたバージョンである基準サウンド信号との間の相関を実行するための装置の基本ブロック図を示し、相関を実行するための装置は、テスト再生速度の大きさを決定するための手段210と、テストサンプリングレートまたは基準サンプリングレートを変更するための手段230と、比較するための手段250とを備える。手段230は、テストサンプリングレートを変更するように形成される。手段230は、変形テスト信号272を生成するために、または、基準サウンド信号274に基づく変形基準サウンド信号を生成するように基準サンプリングレートを変更するために、テストサウンド信号270がサンプリングされることによって、テストサンプリングレートを変更するように形成される。さらに、変更するための手段230は、テストサウンド信号に関連付けられるテスト再生速度もしくは変形基準サウンド信号276に関連付けられる基準再生速度との間のずれが低減されるように、または、変形テストサウンド信号272に関連付けられるテスト再生速度と基準サウンド信号274に関連付けられる基準再生速度との間のずれが低減されるように、または、変形テストサウンド信号272に関連付けられるテスト再生速度と変形基準サウンド信号276に関連付けられる基準再生速度との間のずれが低減されるように、テストサンプリングレートまたは基準サンプリングレートを変更するように形成され、定期再生速度または可変再生速度の問題について、それぞれ以下により詳細に説明する。
【0040】
変形サウンド信号272および基準サウンド信号274を比較し、または、テストサウンド信号270および変形基準サウンド信号276を比較し、または、変形テストサウンド信号272および変形基準サウンド信号276を比較するための手段250は、相関の結果278を決定するように形成される。
【0041】
図2aに示す相関を実行するための装置の実施の形態は、例えば図1に示すように、フィルムイベントシステムの制御信号を生成するための装置における比較するための手段160として用いることができる。
【0042】
図2bは、テストサウンド信号および基準サウンド信号の間の相関を実行するための装置の好適な実施の形態の基本ブロック図を示す。
【0043】
図2bは、テストサウンド信号270のデジタルバージョンである基準サウンド信号274を記憶するための手段280を示し、基準サウンド信号274は所定のメモリ基準再生速度およびメモリ基準サンプリングレートに基づいて以前に生成されている。
【0044】
テストサウンド信号は、テストサウンド信号270を生成するために、可変テスト再生速度で再生され、テストサンプリングレートでサンプリングされる。
【0045】
テストサウンド信号270のテスト再生速度の大きさを決定するための手段210は、テスト再生速度の大きさに基づいて、変更するための手段230を制御する。変更するための手段230は、基準またはサンプリングレートコンバータ232および可変サンプラ234を制御し、サンプリングレートコンバータ232は、メモリ基準再生速度およびメモリ基準サンプリングレートに基づく基準サウンド信号を、異なるメモリ基準サンプル速度および/またはメモリ基準サンプリングレートに基づく基準サウンド信号に対応する変形基準サウンド信号276に変換するように形成され、そして、可変サンプラ234は、変形テストサウンド信号272を生成するために、標準または基本サンプリングレートと異なる変更されたサンプリングレートでテストサウンド信号をサンプリングするように形成される。
【0046】
図2bとは異なって、相関を実行するための装置は、テストサウンド信号270が可変サンプラ234を介して比較するための手段250に常に供給されるように形成でき、次に、可変サンプラ234は、可変テストサンプリングレートの1つが標準または基本サンプリングレートに対応するように形成され、さらに、可変サンプラ234は、基準サウンド信号274が基準サンプリングレートコンバータ232を介して比較するための手段250に常に供給されるように形成され、基準サンプリングレートコンバータ232は、基準サウンド信号274を変形しないように比較するための手段250に送り、変更するための手段230によってそれぞれ制御をともなうように形成される。
【0047】
図2bで選択された、変形テストサウンド信号272と比較されるテストサウンド信号270と、変形基準サウンド信号276と比較される基準サウンド信号とを、別々に、比較するための手段250に供給する表現は、実施の形態または実現可能性の別のものを説明するためのものである。
【0048】
したがって、例えば、比較するための手段250が変形テストサウンド信号272と非変形基準サウンド信号274とを比較するように形成される一実施の形態では、基準サンプリングレートコンバータ234が必要とされないか、または、図2bの相関を実施するための装置が基準サンプリングレートコンバータ232を有していない。同様に、非変形テストサウンド信号270と変形基準サウンド信号276とを比較するように形成される比較するための手段250は、可変サンプラ234を有していない。
【0049】
さらなる実施の形態では、記憶するための手段280は、フィルム情報を記憶するための手段であり、時間スケールが、記憶されたフィルム情報に関連付けられ、さらに、テストサウンド信号270が、例えば、フィルムサウンド信号である。次に、図2bの相関を実行するための装置は、例えば、図1の比較するための手段160として用いることができる。
【0050】
図2c.1は、図1において上述したようなサウンドトラック114を有する例示的なフィルム110のセクションを示す。図2c.1では、フィルム110の2つの位置を示し、第1の位置を位置L1と呼び、第2の位置を位置L2と呼ぶ。2つの位置L1およびL2は、ΔL=L1−L2の長さを有するフィルム110上のセクションを定義する。
【0051】
図2c.2は、図2c.1に示す位置L1およびL2の間のセクションに関連付けられるテストサウンド信号の例示的な曲線を示し、また、フィルムの位置L1が再生される時間を時間T1と呼び、フィルムの位置L2が再生される時間を時間T2と呼ぶ。時間間隔ΔT=T1−T2は、それぞれのセクションの長さとフィルムの再生速度vとに依存する。次の式
ΔT=ΔL/v、または、
2−T1=(L2−L1)/v
が当てはまる。
【0052】
テストサウンド信号をサンプリングレートf=1/Δtでサンプリングする場合、Δtはサンプル期間でありΔT=n・ΔTとなり、テストサウンド信号は、n=10として図2c.2に例示的に示すように、一連のn+1個のサンプルで示すことができる。
【0053】
再生速度vおよびサンプリングレートf=1/Δtでフィルムを再生する場合、L1およびL2の間またはT1およびT2の間のフィルムのセクションは、例えばn個の時間間隔で分割され、または、n+1個のサンプルで表される。次の式が
n=ΔL/(Δt・v)、または
n=ΔL・f/v
がそれぞれ当てはまる。
【0054】
このことは、フィルムの所定のセクションΔLに対するサンプル期間の数またはサンプルの数が、サンプリングレートfに比例し、または、サンプル期間Δtに反比例し、再生速度vに反比例することを意味する。換言すれば、nまたはサンプルの数n+1が一定である場合、一定の長さΔLのセクションにおいて、商「f/v」または積「Δt・v」が一定である必要がある。
【0055】
その場合、最初のサンプルが等しければ、個々のサンプルは上述の条件下で等しくなる。
【0056】
それに対応して、メモリサンプリングレートfmemoryおよびメモリ再生速度vmemoryにおいて、記憶されたフィルム情報または基準サウンド信号を生成する場合、記憶されたフィルム情報のセクションまたはテストサウンド信号が、例えば、nmemory+1個の基準サンプルで表され、記憶される。
【0057】
事実を例示するために、図2c.2〜図2c.4は、一定サンプリングレートfまたは一定サンプル期間Δtと可変サンプル速度とでの位置L1およびL2の間のフィルムセクションの例示的なサンプルまたは記憶を示し、図2.c2は、第1の再生速度v1での例示的なサンプリングまたは記憶を示し、図2c.3は、第2の再生速度v2によるフィルムの同じセクションのサンプリングまたは記憶を示し、図2c.4は、第3のサンプル速度v3でのフィルムの同じセクションのサンプリングを示す。これにより、この例では、v1は、v2の半分であり、かつ、v3の2倍であり、v1=v2/2およびv1=2v3である。
【0058】
図2c.2〜図2c.4に示す3つのサウンド信号は、全て、位置L1または対応する時間T1で同じサンプルを有している。したがって、それに対応して、図2c.2〜図2c.4に例示的に示すように、図2c.2において記憶された画像情報または基準サウンド信号はn1+1=11個のサンプルで表され、図2c.3においてフィルムの同じセクションはn2+1=6個のサンプルで表され、図2c.4においてフィルムの同じセクションはn3+1=21個のサンプルで表される。
【0059】
図2c.2〜図2c.4からわかるように、一定サンプリングレートでは、再生速度vの増加がサウンド信号の時間圧縮に対応し、すなわち、図2c.2の再生速度v1が2倍になると、図2c.3に示すように、T2−T1およびnが2分の1になり、さらに、サウンド信号の時間延長に対して再生速度vが遅くなり、すなわち、図2c.2の再生速度v1が2分の1になると、図2c.4に示すように、T2−T1およびnが2倍になる。
【0060】
図2d.1および図2d.2は、単純に図2c.1および図2c.2に対応している。図2c.1と比較して、図2d.1は、フィルムおよびそれに適用されるフィルム情報に関するサーチセクションまたはサーチウインドウを定義する2つのさらなる位置を示し、サーチウインドウの第1の位置がL0で表され、サーチウインドウの第2の位置がL3で表され、位置L0および位置L3の間のセクションが位置L1およびL2で定義されるセクションより大きい、すなわち、ΔLwindow=L3−L0およびΔL=L2−L1としてΔLwindow>ΔLである。それに対応して、図2d.2では、図2c.2のほかに、所定の再生速度に基づいて位置L0に関連付けられる時間を表す時間T0と所定のサンプル再生速度に基づいて位置L3に関連付けられる時間を表す時間t3とが加算されている。
【0061】
記憶されたフィルム情報または基準サウンド信号およびさらに記憶された時間スケールの生成に関して、それぞれ、このことは、時間T0が、例えば、位置L0に関連付けられる時間スケール上の時間を定義し、時間T1が、位置L1に関連付けられる時間スケール上の時間を定義し、時間T2が、位置L2に関連付けられる時間スケール上の時間を定義し、さらに、時間t3が、フィルム上の位置L3に関連付けられる時間スケール上の時間を定義しているということを意味する。
【0062】
図2d.3は、図2c.2に対応している。
【0063】
以下に、図2d.2〜図2d.4に関して、相関を介して2つの信号の比較の基本曲線または2つの信号を比較する場合に可変再生速度の問題を、例示的に示し説明する。
【0064】
これにより、図2d.2および図2d.3に表される最適な場合では、図2d.3は、フィルムまたはテストサウンド信号270にそれぞれ適用される現在読み込まれるフィルム情報を表し、図2d.2は、記憶されたフィルム情報または基準サウンド信号をそれぞれ表し、基準サウンド信号が生成されたメモリ再生速度およびメモリサンプリングレートは、テストサウンド信号の再生速度およびテストサウンド信号のサンプリングレートにそれぞれ対応し、または、上述のように、メモリサンプリングレートfmemoryおよびメモリ再生速度vmemoryの商は、テストサウンド信号のサンプリングレートfおよびテストサウンド信号の再生速度vの商に対応している。その場合、基準サウンド信号またはT1およびT2によって定義される基準サウンド信号のセクションは、T1およびT2の間のセクションを表すテストサウンド信号に、より正確には、それらのサンプルシーケンスに、正確に対応でき、図2d.4に例示的に示すように、明確な極大または相関ピークは、相関を介して得ることができる。
【0065】
ピーク位置は、基準サウンド信号またはサーチウインドウそれぞれに関するテストサウンド信号のタイムシフトを表している。これに基づいて、記憶された時間スケールに関して、現在の時間を決定することができる。
【0066】
図2d.1〜図2d.4とは逆に、図2d.5〜図2d.8は、図2d.7に示すテストサウンド信号の再生速度が、図2d.2に示すようなテストサウンド信号の再生速度に比べて遅くなっている例を示す。
【0067】
図2d.5は、図2d.1に対応している。図2d.6は、図2d.2に対応し、このことは、図2d.6が、メモリサンプリングレートfmemoryおよびメモリサンプル速度vmemoryに基づく基準サウンド信号の例示的な曲線を表していることを意味している。図2d.7は、図2d.3または図2d.6に関して変更されていないテストサンプリングレートfに基づくがテストサウンド信号の変更され遅くされた再生速度v´に基づく、テストサウンド信号の例示的な曲線または例示的なサンプルを示す。
【0068】
考慮中の時間間隔ΔTに関して、このことは、図2d.5に示すように、遅くされた速度v´での同じ時間間隔ΔTでは、短いセクションすなわちフィルムのΔL´=v´・ΔTによる短い長さΔL´のセクションだけが再生されるので、時間間隔Δ´後の再生されたばかりのフィルムに関しては、位置L2の前の位置L´2までになるということを意味する。これに関連付けけられる基準サウンド信号および時間スケールに関して、図2d.7に示すように、時間スケールの時間T´2は、位置L´2に関連付けられる。
【0069】
テストサウンド信号の個々のサンプルに関して、このことは、フィルムのサウンドトラックによってあらかじめ決められるテストサウンド信号の「空間」曲線が変わらないので、遅い再生速度では、v´はサンプル期間Δtまたは対応する空間サンプルセクションΔl´それぞれに対応するということを意味し、これはΔlより小さいので、図2d.6と比べて図2d.7に示すように、テストサウンド信号のサンプルは、「空間」信号曲線に関して左に「移動する」。
【0070】
変更された再生速度v´がメモリ再生速度vmemoryより大きい逆の場合、逆のことが発生し、同じ時間間隔ΔTでは、長い空間セクションΔlが再生されるので、テストサウンド信号のサンプルは、テストサウンド信号の「空間」曲線の信号曲線上で「右」に「移動する」。
【0071】
したがって、変更された再生速度では、メモリ再生速度より速いか遅いかに関わらず、比較の結果は、最適な条件でなくても、テストサウンド信号および基準サウンド信号がフィルムの2つの異なる空間セクションを再生するので、低下する。比較の結果は、メモリ再生速度がテスト再生速度から逸脱すればするほど、悪くなる。相関によって比較する場合、極大またはピークの量が低減し、さらに最大自体がより広くより平坦になるので、それがなくなるまでは、時間スケールに関しての時間決定は、ますます不正確になる。
【0072】
実際の条件下では、テストサウンド信号の再生速度が、例えば、異なるフィルムプロジェクタ間で変化するだけでなく、フィルム中で変化する。したがって、正確に再調整することは、全フィルムにわたって同期を確実にとるために不可欠である。
【0073】
したがって、同じサンプルでフィルムの同じセクションを表すために、サンプリングレートとテストサウンド信号および基準サウンド信号の再生速度との商が同じである必要があるという上述の条件による上述のように、相関を実行するための装置は、テストサウンド信号の可変再生速度の悪影響を最小限にするために、テストサウンド信号のサンプリングレートまたは基準サウンド信号のサンプリングレートを変更する。
【0074】
メモリサンプリングレートで生成されたデジタル基準サウンド信号では、再生速度がサンプリングレート変換によって変更され、記憶された基準サウンド信号274は、例えば、変更された再生速度に対応するサンプリングレートで基準サウンド信号を生成するために同様に補間される。
【0075】
図2d.1〜図2d.8は、簡略化した例を示し、わかりやすくするために、メモリ再生速度vmemoryがテストサウンド信号を生成するためのプレーヤの通常または共通の再生速度に対応しているものと仮定している。しかしながら、上述のように、フィルムの同じセクションを同じサンプルで表すことができるように、すでに説明したように、サンプリングレートfおよび再生速度vの商は、基準サウンド信号およびテストサウンド信号と同じでなければならない量である。例えば、基準サウンド信号を生成する場合には、サンプリングレートを同時に2倍にする場合に、2倍の再生速度を用いることができる。
【0076】
図2bの実施の形態では、決定するための手段210は、相関の結果278に基づいてテスト再生速度の大きさを決定することができる。
【0077】
1つのアプローチでは、例えば、テストサウンド信号および基準サウンド信号の再生速度の間のずれが所定の範囲にあるかどうかを決定するために、ピークの振幅を所定の閾値と比較することによる再生速度の大きさの決定のための1つの相関結果を用いる。
【0078】
好適な実施の形態では、異なる基準サンプリングレートに基づく少なくとも2つの異なる基準サウンド信号、または、異なる基準再生速度に対応する少なくとも2つの異なる基準サウンド信号が、それぞれ、例えば、品質評価を介して相関の結果を比較するためにテストサウンド信号と比較され、これは、周知のサンプリングレートおよび周知のメモリ再生速度に基づいて、最も似ている基準サウンド信号、したがってテストサウンド信号の再生速度の大きさを、このことからから決定するために、図5を参照してより詳細に説明する。これにより、異なる基準サウンド信号は、連続して形成することができ、テストサウンド信号と比較することができ、または、形成して同時に比較することができる。
【0079】
特に、相関を実行するための装置の好適な実施の形態は、異なる基準サンプリングレートに基づいて、3つの基準サウンド信号を生成し、3つのサンプリングレートの媒体の基準サウンド信号は、前の比較において、品質が最もよいかテストサウンド信号と最大整合している基準サウンド信号の基準サンプリングレートに基づき、他の2つの基準サウンド信号は、それぞれ、基準サンプリングレートまたは媒体基準サウンド信号の基準サンプリングレートより高いか低い基準サンプリングレートを有している。これは、テスト再生速度の大きさを決定するための手段210の出力信号に基づいて、変更するための手段230によって制御される。したがって、基準サウンド信号の基準サンプリングレートまたは基準再生速度が、それぞれ、再生速度または基準テストサウンド信号の基準サンプリングレートに確実に適合できるようになる。
【0080】
図3aは、図8に示すような例示的なフィルムおよびフィルム内の位置を決定するための装置の基本ブロック図を示す。
【0081】
図3aに示すフィルム内の位置を決定するための装置の実施の形態は、例えば、図1に示すフィルムイベントシステムの制御信号を生成するための装置に、制御信号を決定するための手段180として用いることができる。
【0082】
フィルム内の位置を決定するための装置は、フィルム情報の基準指紋表示を記憶するためのメモリ320であって、指紋表示の時間曲線がフィルム情報の時間曲線に依存するように指紋表示が形成され、さらに時間スケールが記憶された基準指紋表示に関連付けられる、メモリ320と、フィルムから読み込まれるセクションを受信するための手段340と、読み込まれたセクションからテスト指紋表示を抽出するための手段350と、比較および時間スケールに基づいてフィルム内の位置を決定するために、テスト指紋表示と基準指紋表示とを比較するための手段360とを備える。
【0083】
好適な実施の形態では、指紋表示は、スペクトル平坦性の形式の表示を含み、指紋表示の時間曲線は、スペクトル平坦性の時間曲線を含む。
【0084】
図3b.1は、図8に示すように、例示的なフィルム110を示す。したがって、所定の再生速度でフィルムを再生する場合、例えば、時間スケールの時間T100はフィルム位置L100に、時間スケールの時間T103は位置L103に、時間スケールの時間T113は位置L113に、時間スケールの時間T116は位置L116に、それぞれ対応している。
【0085】
一実施の形態では、フィルム情報の基準指紋表示を生成するステップでは、指紋がフィルムの特定の空間または時間部分に対してそれぞれ決定される。
【0086】
図3b.2は、例えば、位置L100〜位置L113のセクションまたは時間T100〜時間T113のセクションを含む第1のセクションと、位置L103〜位置L113のセクションまたは時間T103〜時間T116のセクションを含む第2のセクションとを示す。これらのセクションに基づいて、セクションに関連付けられる指紋は、例えば、スペクトル解析、フーリエ変換または特徴抽出の他の方法に基づいて生成される。特に好適な実施の形態では、指紋は、パワー密度スペクトルの曲線から計算されるスペクトル平坦性γx2を含むので、スペクトル平坦性の値は、各セクションに対して決定され、一連のスペクトル平坦性は、フィルム情報の時間曲線に、例えば、関連付けられた時間スケールでメモリ320に記憶されるサウンド信号に依存することになる。
【0087】
セクションのサンプリングレート、長さもしくは期間、または、次の2つのセクションの間の距離は、例えば、フィルム内の位置の決定の一意性または精度に関して、要求により決定される。一般に、セクションが長くなるほど特徴の仕様が明確になり、サンプリングレートが高くなるほどおよび/または2つのセクションの間の距離が短くなるほど、フィルム内の位置は、より正確に決定することができる。サンプリングレートが高くなり、セクションが長くなり、セクション間の距離が短くなるほど、基準信号の必要メモリまたは演算パワー信号処理の必要量が高くなる。
【0088】
スペクトル平坦性の形式の指紋表示の大きな長所は、例えば、等しいセクションのパワー密度スペクトルの完全な記憶に比べて、その必要メモリが少ないことである。好ましくは、曲線または一連のスペクトル平坦性は、それぞれ、セクションの指紋として用いられる。
【0089】
図4aは、図8に示すように、例示的なフィルム110とともに、時間シーケンスで適用されるフィルム情報を有するフィルム内の位置を決定するための装置を示す。
【0090】
図4aに示すフィルム内の位置を決定するための装置の実施の形態は、例えば、図1に示すようなフィルムイベントシステムの制御信号を生成するための装置に、制御信号を決定するための手段180として用いることができる。
【0091】
位置を決定するための装置は、時間シーケンスでフィルムに適用されるフィルム情報を記憶するためのメモリ420であって、時間スケールが記憶されたフィルム情報に関連付けられる、メモリ420と、粗い結果を得るために、第1のサンプリングレートに基づく読み込まれた部分の一連のサンプルと記憶されたフィルム情報の第1のサーチウインドウとを比較し、さらに、フィルム110の位置を示す細かい結果を得るために、第2のサンプリングレートに基づく読み込まれたセクションの一連のサンプルと記憶されたフィルム情報の第2のサーチウインドウとを比較するように形成される同期手段460であって、記憶されたフィルム情報内の第2のサーチウインドウの位置が粗い結果に依存し、第1のサーチウインドウは時間的に第2のサーチウインドウより長く、さらに、第1のサンプリングレートは第2のサンプリングレートより低い、同期手段460とを有する。
【0092】
図5aは、図8に示すような例示的なフィルム110とともに、フィルムイベントシステムの制御信号を生成するための装置の好適な実施の形態を示し、装置は、フィルムからそれぞれ読み込まれるオーディオ信号またはテストサウンド信号のセクションのフィルムに適用されるアナログサウンドトラックと、時間スケールを介してテストサウンド信号および基準サウンド信号を比較することによって、時間スケールが関連付けられる、以下に基準サウンド信号と呼ぶ、テストサウンド信号の記憶されたデジタルバージョンとに基づいて、制御信号を決定するように形成される。
【0093】
図5aは、第1のフィルムサウンドサンプラ542を有するフィルムイベントシステムの制御信号を生成するための装置の好適な実施の形態を示し、第1のフィルムサウンドサンプラ542は、第1のA/Dコンバータ544(A/D=アナログ/デジタル)に接続され、第1のA/Dコンバータ544は、第1の特徴抽出器552と、第1のサンプリングレートに基づく第1の基準サウンド信号との相関のための第1の手段562と、第2のサンプリングレートに基づく第2の基準サウンド信号との相関のための第2の手段564と、第3のサンプリングレートに基づく第3の基準サウンド信号との相関のための第3の手段566とに接続される。相関のための第1の手段562の入力と、相関のための第2の手段564の入力と、相関のための第3の手段566の入力とは、サンプリングレートコンバータ(SRC)232の出力に接続される。
【0094】
相関のための第1の手段562の出力と、相関のための第2の手段564の出力と、相関のための第3の手段566の出力とは、品質評価のための第1の手段568の入力に接続される。品質評価のための手段568は、さらに、サンプリングレートコンバータ232およびサンプラ選択のための手段570に接続され、サンプラ選択のための手段570の出力は、タイマ582の入力に接続される。タイマ582は、さらに、記憶されたサウンドトラックまたはサウンドトラックを記憶するための手段522に接続され、サウンドトラックを記憶するための手段522の出力は、サンプリングレートコンバータ232の入力に接続される。
【0095】
第1の特徴抽出器552の出力は、例えば、特徴分類器および特徴データベースを有する特徴を比較するための手段554の入力に接続され、特徴を比較するための手段554の出力は、タイマ582の入力に接続される。
【0096】
タイマ582の出力は、タイムコードデータベースを有するタイムコード生成のための手段584の入力に、または、タイムコードデータベースに接続され、さらに、タイムコード生成のための手段584の出力は、タイムコード平滑化のための手段586の入力に接続され、タイムコード平滑化のための手段586は、タイムコード592を出力するように形成され、さらに、タイムコード平滑化のための手段586の出力は、ワードクロック信号594を出力するように形成されるワードクロック生成器588の入力に接続される。
【0097】
オプションとして、フィルムイベントシステムの制御信号を生成するための装置は、さらに、第2のA/Dコンバータ544´に接続される第2のフィルムサウンドサンプラ542´を有し、第2のA/Dコンバータ544´は、第2の特徴抽出器552´と、第1のサンプリングレートに基づく第4の基準サウンド信号との相関のための第4の手段562´と、第2のサンプリングレートに基づく第5の基準サウンド信号との相関のための第5の手段564´と、第3のサンプリングレートに基づく第6の基準サウンド信号との相関のための第6の手段566´とに接続される。
【0098】
相関のための第4の手段562´の出力と、相関のための第5の手段564´の出力と、相関のための第6の手段566´の出力とは、品質評価のための第2の手段568´の入力に接続され、品質評価のための第2の手段568´の出力は、オフセット補償のための手段569に接続され、別の出力はサンプリングレートコンバータ232の入力に接続され、さらに、オフセット補償のための手段569は、サンプラ選択のための手段570に接続される。
【0099】
これにより、制御信号を生成するための装置が同期のために十分な時間を有するように、主サンプラとも呼ばれる第1のフィルムサウンドサンプラ542が配置される。したがって、第1のフィルムサウンドサンプラ542は、あらかじめ遅延された信号を供給する。同期時に、相関ウインドウ幅またはテストサウンド信号のセクションの幅が加算される。フィルムのスプール上の送り孔に基づいて、あらかじめの遅延のための時間差が正確に調整できる。3秒間が第1の基準として推奨される。
【0100】
以下に、フィルムイベントシステムの制御信号を生成するための装置の実施の形態の動作モードについてより詳細に説明すると、第1のフィルムサウンドサンプラ542またはその信号処理チェーンによって生成されるテストサウンド信号に基づいて原理を説明するが、第2のオプション信号処理チェーンまたは第2のフィルムサウンドサンプラ542´によって生成されるテストサウンド信号の信号処理は、それぞれ、第1のものに対応しているので、単にオフセット補償のための手段569について詳細に説明する。
【0101】
第1のフィルムサウンドサンプラ542は、フィルムのサウンドトラックからサウンド信号を読み込むか、または、フィルムのサウンドトラックからサウンド信号をサンプリングして、この信号を第1のA/Dコンバータ544に送り、第1のA/Dコンバータ544は、第1のフィルムサウンドサンプラ542のサンプリングレートとサウンドトラックまたはフィルム情報を読み込むフィルムの再生速度とに基づくデジタルオーディ信号またはテストサウンド信号を生成するように形成される。
【0102】
テストサウンド信号270に基づいて、1つもしくは複数の特徴が抽出され、または、テスト指紋表示が形成される。特徴抽出または指紋表示それぞれに対して、例えば、スペクトル平坦性が特徴または指紋として用いられる。次に、テスト指紋表示は、特徴または指紋表示を比較するための手段554によって、基準指紋表示と比較され、上述のように、指紋表示は、指紋表示の時間曲線がフィルム情報の時間曲線に依存するように形成され、時間スケールは、特徴を比較するための手段554に記憶される基準指紋表示に関連付けられ、比較するための手段554は、テスト指紋表示と基準指紋表示および時間スケールとの比較に基づいて、フィルム内の位置を決定し、または、タイムコード信号554Zを生成するように形成される。
【0103】
記憶された基準サウンド信号274に基づいて、サンプリングレートコンバータは、わずかに異なるサンプリングレートで同じ信号を生成し、すなわち並列に形成される相関のための変形基準サウンド信号を生成する。これにより、変形基準サウンド信号がもとの基準サウンド信号と同じサンプリングレートを有する場合が含まれるので、図5の説明では、以下に一般に基準サウンド信号と呼ぶ名称を用いる。
【0104】
換言すれば、サンプリングレートコンバータ232は、3つの基準サウンド信号276または変形基準サウンド信号276を生成し、第1の基準サウンド信号は、第1のサンプリングレートに基づくもので、相関のための第1の手段562に供給され、第2の基準サウンド信号276は、第2のサンプリングレートに基づくもので、相関のための第2の手段564に供給され、さらに、第3の基準サウンド信号276は、第3のサンプリングレートに基づくもので、相関のための第3の手段566に供給される。サンプリングレートコンバータ232は、わずかにステップ状の信号を、異なるサンプリングレートで、相関または相関のための手段562、564、566に供給し、サンプリングレートは、常に、前に測定された最大ピークに依存して、相関からのノイズ値に調整される。各相関は、このサンプリングレートの変形基準サウンド信号を受信し、さらなる相関は、1段階低いさらなるわずかに低い変形基準サウンド信号を受信し、さらに、さらなる相関は、さらに高いステップ状のサンプリングレートを受信する。これにより、サンプリングレートコンバータが、アナログサウンド信号の速度変化に対して確実に同調または同期できるようになる。
【0105】
好ましくは、サウンドトラックを記憶するための手段522およびサンプリングレートコンバータ232は、高速フーリエ変換(FFT)を介して少ない労力で大きな計算ウインドウを計算するために、2nのウインドウ幅を用いるように形成される。4つ以上の相関は、サウンドチェックの際の急な飛び越しを補償するために、並列で計算することができる。相関ウインドウは、大きい相関ピークを得るために大きく選択される。1つのサンプルまたはサンプル期間で相関ピークの検出精度を得るために、入力信号またはテストサウンド信号のオーバーサンプリングを用いることができる。
【0106】
サウンドトラックを記憶するための手段522は、相関ウインドウの長さがタイマ582が供給したタイムコード信号582Zに依存する基準サウンド信号を出力し、相関ウインドウは、テストサウンド信号を検索するサーチウインドウである。
【0107】
品質評価のための第1の手段568は、信号の相互相関の結果または信号量において最大値検索を実行し、さらに、他のピークと相互相関とを比較した相関ピークの高さに基づいて相互相関の結果の品質に重み付けし、または、ピーク対ノイズ距離に関して個々の相関の品質を決定するように、形成される。
【0108】
品質評価に基づいて、最良の品質係数または品質の基準サウンド信号が決定され、最良の品質または品質係数の基準サウンド信号のピークの位置に基づいて、サーチウインドウに関するピークのシフトが、決定され、さらに、例えば、測定されて実際に有効なタイムコード間のタイムコード差として、または、相対タイムコードとして出力される。
【0109】
品質評価の結果に基づいて、品質評価のための第1の手段568は、制御信号568Aを、例えば、3つの信号値「0」、「+1」、および「−1」だけを区別するサンプリングレートコンバータ232に送り、例えば、「0」については、最後のサンプリングレート変換または相関それぞれのサンプリングレートが維持され、これは、媒体サンプリングレートでの変形基準サウンド信号からの相関結果が、最も高い品質のものとして決定されているからであり、「+1」については、サンプリングレートが最後のサンプリングレート変換または相関に関して1段階増加され、これは、最も高いサンプリングレートでの変形基準サウンド信号からの相関結果が、最も高い品質のものとして決定されているからであり、さらに、「−1」については、サンプリングレートが前のサンプリングレート変換または相関に関して1段階低減され、これは、テストサウンド信号と最も低い基準サンプリングレートの変形基準サウンド信号とからの相関が最もよい相関結果または最もよいピーク対ノイズ距離を有しているからである。
【0110】
換言すれば、(第1の、第2のまたは第3の)サンプリングレートで最もよい相関ピークが得られていることに基づいて、サンプリングレートコンバータは、例えば、サンプリングレートデルタ値によって増加されもしくは低減され、または、それがサンプリングレート変換を実行しないように制御される。
【0111】
これにより、相関は、2つの主な特徴をアドレッシングするように作用する。第1に、それぞれ、相関からのタイムコード差に基づく、フィルム内の位置の決定またはフィルム内の時間の決定であり、第2に、それぞれ、最適な基準サンプリングレートまたは基準サンプリングレートの最適なサンプリングレート変換を決定するために、再生速度の大きさの決定である。ここでは、サンプリングレートの適合または適合サンプル再生速度の生成により、それぞれ、改良された相関結果を可能にするので、時間決定またはフィルム内の位置の決定を向上し、さらに、同期および予測を向上する。
【0112】
図5の好適な実施の形態は、信号解析を介して特定の特徴を有する信号部分を検出し、同期中にこれらを抑制し、そのため、誤った検出もしくは同期を回避し、または、時間軸のランダムな変動を回避するように実行される。
【0113】
このような特徴は、例えば、信号成分のラウドネスまたは信号の「問題」であり、SNR(S/N比)、PNR(ピーク対ノイズ)、スペクトルパワーもしくはパワー密度スペクトル、スペクトル平坦性または時間シーケンスの平均化に基づいて、信号解析または問題のある成分の検出を行うことができる。
【0114】
ピークノイズ値またはピークノイズ距離の閾値を下回る場合、タイムコード差は、例えば、無効であるとして検出することができる。あるいは、ピークノイズ距離が同じようないくつかのピークが決定される場合、タイムコード差は、同様に無効であるとして検出することができる。
【0115】
さらに、静かな信号成分すなわち小さい振幅の信号成分の相関の品質は、デジタルサンプリング中の高い量子化ノイズによる大きい信号の相関の1つより低いので、静かな信号成分は、時間軸のランダムな変動を回避するために、閾値に基づいてまたは適合可能に抑制される。さらに、信号エネルギーは、さらなる品質特徴となる。
【0116】
別の例は、問題を抑制するが、これは、繰り返し信号成分により曖昧性を例えば誤った同期を回避するからである。
【0117】
問題のある信号成分または部分は、それぞれ、例えば、現在の相関の品質とは無関係にこれらの信号成分を抑制するために、メタデータとしてさらに目立たせることができる。
【0118】
タイムコード生成のための手段584は、タイマ582のタイムコード信号582Zに基づいて変換するように形成され、例えば、内部または独自のタイムコードに基づいて、標準化されたタイムコードまたは標準化されたタイムコードに基づくタイムコード信号に変換することができる。
【0119】
タイマ582は、内部クロック(相関の間隔または周波数)と、粗いオーディオID指紋または指紋表示、例えば特徴決定または指紋表示からのタイムコード信号554Zと、決定された相関差、例えばサンプラ選択のための手段570の相関から決定されるタイムコード差信号570Zとによって制御される。タイマは、相関信号(優先順位が最も高い)、特徴決定からのタイムコードおよび内部クロック(優先順位が最も低い)の優先順位付けを実行する必要がある。
【0120】
タイムコード平滑化のための手段586は、タイムコード信号584Zを平滑化して、例えば高く飛び越すタイムコードを回避し、または、例えば、アナログサウンドの中断を補償する相関からのタイムコードがない場合に役に立つ中間値を検出するように形成される。タイムコード平滑化のための手段586によって生成されるタイムコード信号592は、好ましくは、フィルムイベントシステムを同期または制御する標準化されたタイムコードである。しかしながら、タイムコード信号592は、備えられているサウンド再生システムがデジタルの場合、ゆっくりと調整する位相ロックループ(PLL)を介して対応するサンプルクロックを生成するように用いることができる。このような位相ロックループは、完成品デバイスとして市販されているので、特許の主題ではない。
【0121】
オプションとして、投影レンズからの時間差オフセットを行う2つ以上のフィルムサンプラが、フィルムのダメージに対する頑強性を向上するために、または、不適当な部分の同期のために用いることができる。
【0122】
次に、例えば、第2のフィルムサウンドサンプラ542´を用いることができ、これは、第2のフィルムサウンドサンプラ542´が従来の映画システムにすでに存在しているからである。アナログサウンドの中断は、映画フィルム上の異なる位置に適用されるフィルムサウンドサンプラ542、542´によって、ここでつなぐことができ、これは、フィルムサウンドの中断が短いと、第1のフィルムサウンドサンプラ542または第2のフィルムサウンドサンプラ542´のいずれかの少なくとも1つのサンプラが相関および関連付けられた同期のために十分な信号を提供する確率が上がるからである。
【0123】
さらに、オプションとして、例えば、アナログサウンド、ドルビー(登録商標)・デジタルサウンド(デコーダを含む)、DTSデジタルサウンド(DTSデコーダを含む)または異なるサウンド用の異なるサンプラとともにこれらの組み合わせが、基準サウンドトラックおよび/またはテストサウンドトラックとして用いることができる。
【0124】
ここでは、個々のトラックは、自動的に、または、モノラルのダウンミックスと同様に生成された時間情報のメタデータを介して、平均化、多数決または優先順位付けを用いることによって比較に用いることができる。
【0125】
一般に、異なるサンプラは、異なるサウンドフォーマットおよび/または時間が異なるオフセットの異なるフィルムサンプラに用いることができる。
【0126】
モノラルのダウンミックスを用いることは、モノラルトラックが記憶されたサウンドトラックとして用いられる場合、記憶されるニーズが例えば5チャネルを記憶することに匹敵するという長所を有する。
【0127】
いくつかの記憶装置、すなわち複数のサウンドトラック、すなわちダウンミックスのないことは、全てのチャネルが互いに独立して記憶されることを意味し、次に、例えば、上述のように、対応する比較または多数決は、特定のチャネル、実際のサウンドトラックおよび記憶されたサウンドトラックの対応するチャネルを用いることによって、同期を実行するために実行される必要がある。
【0128】
初期設定段階つまり第1の同期および同期は、フィルム投影の際またはフィルムイベントシステムの同期の際に、2つの重要な段階からのサウンド中断の後である。
【0129】
したがって、好適な実施の形態は、はじめに4つ以上の並列相関を計算し、つまり、同期を実行しないので、これは、異なるサンプリングレートの4つ以上の基準サウンド信号が、テストサウンド信号の正確なサンプリングレートまたはサンプル速度をできるだけ速く決定するために、テストサウンド信号で比較されまたは相関されることを意味する。ここでは、異なるサンプリングレートは、相関のひとつが最もよい信号ノイズ距離となるまで、交互にテストされる。
【0130】
代わりにまたはさらに、第1の特徴抽出器552および特徴分類のための手段554は、例えば相関による第2のステップで、フィルムの位置の細かい決定または細かいタイムコード決定を実行するために、データベースとともに、フィルム内の粗い位置を定義する粗い絶対タイムコード値を提供する。同期が行われるとすぐに、3つの相関は、フィルム投影中のテストサウンド信号の再生速度の変化を同期するために用いることができる。
【0131】
フィルム内の位置または位置に関連付けられる時間が時間スケール(タイムコード)にそれぞれ関連付けられる精度は、基準サウンド信号のサンプリングレートおよびテストサウンド信号のサンプリングレートに依存し、サンプリングレートが高くなるほど、より正確なフィルム内の位置を決定することができる。しかしながら、サンプリングレートが低いことは、サンプル数が同じであると、基準サウンド信号またはテストサウンド信号のより長いセクションを表すことができるという長所がある。したがって、好適な実施の形態は、第1のステップにおいて、低いサンプリングレートの基準サウンド信号により、フィルムの長いセクションを表示することによって、フィルム内の位置の粗い決定を決定するように形成され、テストサウンド信号は、低いサンプリングレートでサンプリングすることによって得られる。次に、第2のステップでは、フィルム内の粗い位置に基づいて、高いサンプリングレートの基準サウンド信号および高いサンプリングレートのテストサウンド信号は、フィルム内の位置の細かい決定に用いられる。
【0132】
換言すれば、ウインドウの長さは、相関を行う際に適合される。高い時間精度を得るために信号のオーバーサンプリングを行っている場合であっても、検索のはじめは、タイミングは長いけれども信号のサンプリングレートを低くしたウインドウが用いられるが、時間がおおよそ検出され追従される場合は、短いウインドウが用いられる。
【0133】
初期設定段階では、例えば、「古い」オーディオフォーマットで「互換性のある再生」は、正確な位置が決定されるまでは実行できる。
【0134】
同様に、「古い」オーディオフォーマットで「互換性のある再生」は、同期が明らかにとれなくなった場合、もう一度正確な位置が決定されるまで実行できる。
【0135】
サンプラ選択のための手段570およびオフセット補償のための手段569は、2つ以上のフィルムサウンドサンプラを用いる実施の形態の場合にだけ必要となる。したがって、例えば、サンプラ選択のための手段570は、品質評価568Zのための第1の手段568の結果もしくはタイムコード差、または、品質評価のための第2の手段568´の結果もしくはタイムコード差568Z´が、フィルム内の位置またはタイムコード582Zを決定するためのタイマ582に送られるかどうかを決定する。第2のフィルムサウンドサンプラ542´が、フィルムの異なる位置でテストサウンド信号をサンプリングするので、第1のフィルムサウンドサンプラ542がフィルムをサンプリングする位置と第2のフィルムサウンドサンプラ542´がフィルムをサンプリングする位置との間の差(オフセット)が、オフセット補償のための手段569によって補償され、これにより、タイマ582は、タイムコード差568Zまたはタイムコード差568Z´が、タイマに記憶された、最後に記憶された時間または最後に記憶されたフィルムの位置に関して選択されるかどうかに関わらず、正確なタイムコード差570Zを得る。
【0136】
図5aに示す実施の形態と異なり、異なる基準サンプリングレートの異なる基準サウンド信号は、連続して生成でき、さらに、テストサウンド信号の再生速度の大きさまたは最適な基準サンプリングレートを決定するために、テストサウンド信号と比較できまたは相関できる。代わりに、4つ以上の変形基準サウンド信号は、初期段階で高速同期を行うだけでなく、フィルムのカットまたはフィルムが部分的に失われていることによるフィルムの大きな飛び越しの後で、フィルム投影中のフィルムイベントシステムをフィルム内の現在の位置により素早く同期するために、並列または連続してテストサウンド信号と比較できる。
【0137】
図5に示す実施の形態と異なり、フィルムイベントシステムの同期は、特徴または指紋の評価と1つまたは複数の基準画像信号についてテスト画像信号の相関とのために、フィルムの映像に基づいて実行することができる。
【0138】
これにより、上述のように、オーディオ信号および/またはビデオ信号の相関は、オーディオおよび/またはビデオストリームの時間空間を決定するために用いることができ、同期再生は、この時間決定によって制御することができる。
【0139】
代わりに、オーディオID/ビデオID(ID=識別)の形式の未加工素材からのオーディオおよび/またはビデオ署名の決定は、任意の位置で同期を可能にするために、長いAVストリームの時間を粗く決定するために用いることができる。
【0140】
本発明の基本アプローチは、相関および他の特徴決定を介してアナログサウンドトラックを有する映画フィルムに対して同期するために、既存のアナログサウンドをさらにデジタル形式で記憶することである。制御信号を生成するための装置または同期装置の出力信号または制御信号は、それぞれ、任意のタイムコードフォーマットとすることができる。好ましくは、SMPTE標準化LTCタイムコードフォーマットが用いられる。各映画フィルムに、制作の際に、データセットは、制御信号を生成するための装置または同期装置のために生成する必要がある。
【0141】
制作の際に、個別のデータキャリアが、制御信号を生成するための上述の手段または同期装置用の各映画フィルムに生成される。データキャリアは、例えばフィルムのスプール上に検出できるドルビー(登録商標)・ステレオフォーマット等のデジタル化されたアナログサウンドトラック、サウンドトラックに対する特徴データおよび整合するタイムコードを含む。
【0142】
以下に、図5b.1〜図5b.4を参照して、タイムコード差の例示的な決定について説明する。
【0143】
図5b.1は、すでに図8ですでに説明したように、サウンドトラック114を有する例示的なフィルム110を示す。
【0144】
タイマ582からのタイムコード信号582Zに基づいて、基準サウンド信号274がサウンドトラックを記憶するための手段522から読み出され、変形基準サウンド信号がサンプリングレートコンバータ232を介して図5b.2に従って生成され、これは、位置L0から位置L3までのフィルムセクション、位置L0に関連付けられる時間T0、または、位置L3に関連付けられる、対応するタイムコードおよび時間T3もしくはタイムコードを表す。
【0145】
図5b.3は、例示的なテストサウンド信号またはテストサウンド信号のセクションを示し、これは、開始時間T1および終了時間T2によって定義され、サンプリングレートf=1/Δtに基づいて生成されたものである。
【0146】
図5b.4は、図5b.2の変形基準サウンド信号と図5b.3のテストサウンド信号セクションとの相関の結果を示す。図5b.2のサーチウインドウまたは変形基準サウンド信号の開始時間T0とサーチウインドウまたは基準サウンド信号の時間T1との間の時間差ΔT´´=T1−T0は、タイムシフトであり、これに基づいて、タイムコード差または相対タイムコードが形成される。これにより、時間T1は、時間またはテストサウンド信号のタイムシフトとなり、n=11個のサンプル長の基準サウンド信号のセクションは、N=11個のサンプル長のテストサウンド信号または基準サウンド信号およびテストサウンド信号の相関と最大限に整合し、相関結果として最大を有する。
【0147】
これにより、絶対時間T0または時間T1の認識は、品質評価568に必要でなくなり、これは、例えば、タイマ582が、最後の絶対時間または絶対タイムコードをそれぞれ知り、さらに、更新した絶対時間またはタイムコードを決定するために、タイムコード差570Zだけを必要とするからである。例えば、サーチウインドウを開始する時間に関するピークの位置からの差を説明することができる。図5b.4では、ピークは、例えば、第1のサンプルであり、すなわち、図5b.3のテストサウンド信号は、図5b.2の基準サウンド信号に対して「3・Δt」だけシフトし、Δtは、変形サンプリングレートに対応するサンプリング期間である。
【0148】
したがって、タイムコード差570Zは、例えば、値n=3からなる。ここで、テストサウンド信号の可変再生速度にそれぞれ適合された基準サウンド信号のサンプリングレートまたは再生速度の長所には利点があり、これは、Δtが再生速度に適合されるからであり、サーチウインドウに関するフィルムの位置またはオフセットのより正確な決定が基準サウンド信号の固定サンプリングレートと比較して可能になり、これは、このサンプリングレートの倍数だけがフィルム内の位置の決定のために生成されるからである。
【0149】
これにより、例えば、サーチウインドウまたは基準サウンド信号の時間T0は、フィルムが前に送られているので、前の相関の時間T1と等しくなる。
【0150】
図6aは、フィルムシステムの実施の形態を示し、制御信号190を生成するための装置100は、フィルムイベントシステム600に結合され、これにより、図8に示すフィルム110に基づく制御信号を生成するための装置100は、フィルムイベントシステム600を同期する制御信号190、例えばタイムコードを生成する。
【0151】
図6bは、制御信号190を生成するための装置100と例示的なフィルムイベントシステムとして波面合成システム610とを有するフィルムシステムを示し、波面合成システム610の実施の形態は、波面合成システムを制御するための手段620と、波面合成オーディオ信号用のデジタルメモリ622と、波面合成システム用の複数のスピーカ624とを備える。フィルム110またはアナログフィルムサウンドトラック114に基づいて、それぞれ、制御信号を生成するための手段100は、リップシンクロ方法でもとのアナログサウンドトラックフィルムを用いて波面合成オーディオ体験を可能にするために制御信号を生成する。
【0152】
波面合成システム610の代わりとして、当然ながら、例えばデジタルオーディオシステムまたはデジタルサラウンドオーディオシステムなどの他のオーディオシステムは、リッピシンクロ方法で制御信号を生成するための装置100を介して同期できる。
【0153】
図7は、図8に示すような例示的なフィルムと、例示的なデジタル的に記憶された基準サウンド信号720と、時間スケールの関連とを示す。
【0154】
記憶されたフィルム情報または基準サウンド信号を生成する場合、それぞれ、アナログサウンド信号が、所定の再生速度および所定のサンプリングレート、例えば44.1kHzでサンプリングされ、例えば10ミリ秒のサウンド部分が、いわゆるオーディオフレームとして記憶され、すなわちデジタル基準サウンド信号が、メモリ上に一連のオーディオフレームとして存在する。次に、時間スケールの関連付けられた時間は、例えば、タイムコードまたは時間スケールとして昇順で0または1から番号付けされるオーディオフレームにあり、タイムコードTC1は、例えば、オーディオフレームの長さが10ミリ秒の場合に第1のオーディオフレームが0ミリ秒または10ミリ秒のいずれかであるように、タイムコードとしてオーディオフレームの開始時間または終了時間を検出するために、図1のオーディオフレームAF1に対応している。
【0155】
通常、タイムコードは、時間:分:秒のフレームのようなフォーマットを有し、フレームは、通常、例えば1秒ごとに24フレームのビデオフレーム(映画フィルム)と関係付けられている。
【0156】
したがって、時間スケールまたはタイムコードは、複数のオーディオフレームを1つのビデオフレームに関連付けることができ、または、最小の時間スケール単位としてオーディオフレームを定義することができる。
【0157】
それに対応して、タイムコードまたは時間スケールは、例えば、4つのオーディオフレームAF1〜AF4を含む図7のTC1´を参照して、4つのオーディオフレームを1つのタイムコードに関連付けることができ、または、1つのオーディオフレームAF1が関連付けられる図7のTC1を参照して、1つのオーディオフレームを1つのタイムコードに関連付けることができる。これにより、オーディオフォーマットに基づいて、オーディオフレームは、時間的に重なっているオーディオ信号の部分を表すこともできる。
【0158】
制御信号190は、例えば、タイムコードとしても一連のパルスとしても形成することができ、例えば、各パルスは、時間スケール単位に対応し、フィルムイベントシステムは、フィルムに同期するために、相対タイムコードに類似のパルスを蓄積する。
【0159】
さらなる実施の形態は、オーディオ信号および/またはビデオ信号に透かしを埋め込み、例えば、フォールバックとしてアナログサウンド信号をさらに有し、さらに、同期する別のサービス用のタイムコードを同時に実現するアプローチを提供する。このアプローチの長所は、「わかりにくい」オーディオ信号、例えば、非常に静かなシーケンスまたはよく似た「単調な」サウンドであっても、完全なクロック修復ができることである。この変形例として、基本的に、フルセットの適切な透かし部分が、特に、正確なクロックレートを検索しまたはサンプリングレートを再調整する領域において有益である。しかしながら、このアプローチの決定的な欠点は、透かしをオーディオ信号および/またはビデオ信号に埋め込むことができるようにするために、実際のフィルムを変更し、または、フィルムの新しいバージョンもしくはコピーを作成する必要があることである。
【0160】
状況によっては、本発明の方法は、ハードウェアまたはソフトウエアで実施することができる。この実施は、その方法が実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと情報をやりとりする、電子的に読み取り可能な制御信号を有する、デジタル記憶媒体、特に、ディスクまたはCD上で実行することができる。一般に、本発明は、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに、機械で読み取り可能なキャリアに記憶された本発明の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品にも存在する。したがって、言い換えると、本発明は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、この方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムとして実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】図1は、フィルムイベントシステム用の制御信号を生成するための装置の好適な実施の形態を示す基本ブロック図である。
【図2a】図2aは、相関を実行するための装置の実施の形態を示す基本ブロック図である。
【図2b】図2bは、相関を実行するための装置の好適な実施の形態を示す基本ブロック図である。
【図2c】図2c.1は、フィルムの例示的なセクションを示す図であり、図2c.2は、第1の可変再生速度および一定テストサンプリングレートによる図2c.1に示すフィルムのセクションのサウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、図2c.3は、第2の可変再生速度および一定テストサンプリングレートによる図2c.1に示すフィルムのセクションのサウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、図2c.4は、第3の可変再生速度および一定テストサンプリングレートによる図2c.1に示すフィルムのセクションのサウンド信号の例示的な曲線を示す図である。
【図2d(1)】図2d.1は、フィルムの2つの例示的なセクションを示す図であり、図2d.2は、フィルムの基準サウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、図2d.3は、フィルムのセクション用の第1の再生速度および一定テストサンプリングレートに基づくテストサウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、図2d.4は、図2d.2の基準サウンド信号と図2d.3のテストサウンド信号との相関からの例示的な第1の相関結果を示す図である。
【図2d(2)】図2d.5は、図2d.1のフィルムの2つの例示的なセクションを示す図であり、図2d.6は、図2d.2のフィルムの基準サウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、図2d.7は、フィルムのセクション用の第2の再生速度および一定テストサンプリングレートに基づくテストサウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、図2d.8は、図2d.6の基準サウンド信号と図2d.7のテストサウンド信号との相関からの例示的な第2の相関結果を示す図である。
【図3a】図3aは、指紋表示に基づくフィルム内の部分を決定するための装置の好適な実施の形態を示す基本ブロック図である。
【図3b】図3b.1は、フィルムの2つのセクションを示す図であり、図3b.2は、図3b.1の2つのセクション用の基準サウンド信号の例示的な曲線を示す図である。
【図4】図4は、位置の粗く後に細かい決定に基づくフィルム内の位置を決定するための装置の好適な実施の形態を示す基本ブロック図である。
【図5a】図5aは、フィルムイベントシステム用の制御信号を生成するための装置の好適な実施の形態を示す基本ブロック図である。
【図5b】図5b.1は、フィルムの2つのセクションを示す図であり、図5b.2は、フィルムの第1のセクション用の基準サウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、図5b.3は、フィルムの第2のセクション用のテストサウンド信号の例示的な曲線を示す図であり、図5b.4は、図5b.2の基準サウンド信号と図5b.3のテストサウンド信号との相関からの例示的な相関結果を示す図である。
【図6a】図6aは、フィルムイベントシステム用の制御信号を生成するための装置およびフィルムイベントシステムを有する例示的なフィルムプロジェクションシステムを示す基本ブロック図である。
【図6b】図6bは、例示的なオーディオフィルムイベントシステムを有する制御信号を生成するための装置を有する例示的なフィルムプロジェクションシステムを示す基本ブロック図である。
【図7】図7は、1つのフィルム情報に対する時間スケールの例示的な関連を示す概略図である。
【図8】図8は、適用されたフィルム情報を有する例示的なフィルムを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間シーケンスで適用されるフィルム情報(112、114)を有するフィルム(110)内の位置を決定するための装置であって、
前記フィルム情報(112、114)の基準指紋表示を記憶するためのメモリ(320)であって、前記基準指紋表示は、前記指紋表示の時間的コースが前記フィルム情報の時間的コースに依存するように形成され、さらに、時間スケールが、記憶された基準指紋表示に関連付けられる、メモリ(320)と、
前記フィルム(110)から読み込まれる部分を受信するための手段(340)と、
前記読み込まれた部分からテスト指紋表示を抽出するための手段(350)と、
比較および前記時間スケールに基づいて前記フィルム(110)内の前記位置を決定するために、前記テスト指紋表示と前記基準指紋表示とを比較するための手段(360)とを備える、装置。
【請求項2】
前記フィルム情報は、前記フィルム上のアナログサウンドトラックに適用され、さらに、受信するための前記手段(340)は、前記アナログサウンドトラックから前記アナログサウンド情報を受信するように形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
抽出するための前記手段(350)は、指紋表示としてスペクトル平坦性を有する表示を計算するように形成され、前記指紋表示の時間的コースは、前記スペクトル平坦性の時間的コースを含む、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記フィルムから読み込まれる部分を受信するためのさらなる手段をさらに備え、前記部分は、受信するための前記手段(140)によって受信される前記部分と異なる、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
時間シーケンスで適用されるフィルム情報(112、114)を有するフィルム(110)内の位置を決定するための方法であって、
前記フィルム(110)から読み込まれる部分を受信するステップと、
前記読み込まれた部分からテスト指紋表示を抽出するステップと、
前記テスト指紋表示と前記基準指紋表示とを比較するステップであって、前記指紋表示は、前記指紋表示の時間的コースが前記フィルム情報(112、114)の時間的コースに依存するように形成され、さらに、時間スケールが、前記比較および前記時間スケールに基づいて前記フィルム(110)内の前記位置を決定するために、前記記憶された基準指紋表示に関連付けられる、比較するステップとを備える、方法。
【請求項6】
コンピュータ上で実行されるときに、請求項5に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d(1)】
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【図2d(2)】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−547145(P2008−547145A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517365(P2008−517365)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005553
【国際公開番号】WO2006/136300
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(591037214)フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ (259)
【Fターム(参考)】