説明

時間感応性および/または温度感応性の標識を検証する方法

本発明は、腐敗しやすい製品のマーキング用の時間感応性および/または温度感応性の標識を検証する方法に関する。この方法によれば、標識が活性化される時間が検出されるともに格納され、格納された活性化時刻と検査時刻との時間差が測定され、測定された時間に生じる標識の変化が、測定された時間に対応する所望の値を超えているか不足しているかについての検証が行われる。本発明は、さらに、そのような方法を行うための標識に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腐敗しやすい製品のマーキング用の時間感応性および/または温度感応性の標識をチェックする方法に関し、さらには、そのような方法を行うための標識に関する。
【背景技術】
【0002】
時間感応性および/または温度感応性の標識は、従来技術からも知られているように、例えば、ラベル、製品の包装または製品自体に貼り付けることができ、該標識が付された製品が設定時間を超過しているか否か、および/または、該標識が与えられていた時間にその製品が十分な低温条件で保存されていたか否かを示すことに適している。時間感応性のみで温度には依存しない標識を利用することによって、製品の経過時間のみを特定することができる。さらには、それぞれの経過時間と、それぞれが晒される温度と、の両方に依存して変化する時間感応性および温度感応性の標識が知られている。
【0003】
後者の種類の標識は、例えば、製品に結合させることができて所望の時間に光の照射によって活性化させることができる時間/温度標識に関する独国特許第19803208(C2)号明細書から知ることができる。そのような標識は、設定照射強度かつ設定波長範囲の光を照射することによって、固有の変色を生じ、実質的に「チャージ」される。活性化が繰り返し行われないのであれば、この活性化に続いて標識の退色が始まり、その退色の程度は経過時間および温度の影響の両方に依存する。
【0004】
検査時刻において、退色の程度が設定値を超えていることが見出された場合、製品が古すぎる、および/または製品が十分な低温条件で保存されていなかったという結論が導かれ、この結論は、それらの製品がさらなる使用に適さないことを意味する。
【0005】
上記の種類の標識は、腐食しやすい製品の種類に関連して有意に使用することができ、特には、食料品、薬、保存された血液などに適する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、変色や退色に基づいた機能を有する標識に制限されない。本発明は、種々の時間感応性および/または温度感応性の標識に適用することができ、例えば、時間依存性および/または温度依存性の電気信号または電磁気信号を出力するような標識に適用することができる。従って、本発明における「標識の変化」は、常に種々の変化を意味するが、特には、変色や退色を意味する。さらに言えば、本出願で説明する標識は、光線によって活性化できることを必ずしも必要としない。それぞれに使用される標識に応じて、他の種類の有意な活性化の形態を同様に考えることができる。
【0007】
上記の種類の標識を使用する際に、一方で、使用される標識が実際に機能することを保証しなければならない。他方で、標識によってマーキングされた製品が設定時間を超過しているか否か、または十分な冷却がなされているか否か、を所望の時間にチェックできることが望ましい。そのようなチェックは、特には、その製品がさらなる使用に適さないことを標識が示す前に、既に行われているとよい。
【0008】
本発明の目的は、標識の機能性および/または変化を効率良く高い信頼性でチェックすることができる方法およびその標識を提示することである。この目的は、腐敗しやすい製品のマーキング用の時間感応性および/または温度感応性の標識をチェックするための本発明の以下の第1の実施例によって満足される。
・標識の活性化時刻を検出して格納する。
・格納した活性化時刻と検査時刻との時間差を測定する。
・測定した時間差の間に発生した標識の変化量が、測定した時間差に対応する所望の値よりも大きいか小さいかをチェックする。
【0009】
本発明によると、それぞれの標識に関連する活性化時刻は、所望の検査時刻に利用することができるので、頻繁に標識をチェックすることが可能となり、本発明が使用されるときに、そのようなチェックは、製品がさらなる使用に適当であるか否かを判定することのみに制限されない。
【0010】
例えば、活性化直後の状態の標識が付された製品があった場合、従来であれば、その活性化は始まった直後であろうと推定する必要があった。しかし、本発明によって可能となるように、標識の活性化時刻をさらに利用することができれば、例えば、標識の機能性が失われている場合を判定することができる。そのような機能性の欠如は、例えば、標識が、長時間経過後であっても、通常は活性化直後にしか存在しない状態のままである場合に存在する。本発明により、機能性のない標識が付された製品は、その後、製造プロセスから取り除かれるか、あるいは、販売用に認可されないようにすることができる。
【0011】
標識の状態が、活性化後から、活性化時刻と検査時刻との時間差に相当しないほど小さい程度にしか変化していないことが見出された場合、対応する手順を行うことができる。従って、本発明により、標識が通常に機能しているか否かを判定するだけではなく、不十分な機能性を検出することができる。
【0012】
さらに、本発明によると、所望の検査時刻において、活性化された標識が付された製品が、その検査時刻まで十分な低温条件で保存されていたか否かを判定することができる。十分な低温条件で保存されていなかった場合、標識は、活性化時刻と検査時刻との時間差の間に変化し、温度が高過ぎたときの結果としてのチェックは、上記時間差において許容される程度を超えている。本発明によって、製造プロセス全体に亘って、製品に十分な冷却がなされているか否かをチェックして、必要に応じて製品を取り除くことができる。
【0013】
標識が活性化開始から経過時間に依存して変化する様子をチェックする時に、例えば色の参照表の形態で、情報が与えられていることが好ましい。時間感応性の標識のみを使う場合、経過時間と生じる標識変化との関数的な関係さえ分かっていれば十分である。これに対し、温度感応性かつ時間感応性の標識を使用する場合、通常の様々な温度について、時間に依存する標識の変化が分かっていれば有利である。
【0014】
上記の種類の情報が与えられている場合、本発明のチェックにより、活性化時刻と検査時刻との間の測定された時間差に生じた標識の変化が、特にはそれぞれの設定温度における、それぞれの標識の固有の変化に対応しているか否かが判定される。例えば、製品の製造プロセスにおいて、4℃の温度にすることが必要である場合、活性化時刻と検査時刻との間の測定された時間差の経過後の変化が、4℃の温度において通常生じる変化に対応しているか否かをチェックすることができる。
【0015】
このようなチェックの際に、測定された変化量が、少なくとも設定量だけ予測の変化量を超えていることが見出された場合、標識が付された製品の不十分な冷却および/または時間超過を示す第1のエラー通知が出される。この第1のエラー通知に基づいて、例えば、それぞれの製品の除去などの適当なステップを始めることができる。
【0016】
また、チェックの枠組み内で、測定された変化量が予測の変化量よりも小さい場合、標識の機能性が失われているか又は不十分であることを示す第2のエラー通知を、第1のエラー通知とは別に出力することができる。第2のエラー通知に基づいて、同様に適切な手段を始めることができる。そのような手段としては、それぞれの製品を不適格にすることに加えて、その標識が付された製品を供給した製造設備に対応する通知を送ることができる。なぜなら、その製造設備において非機能性ないし機能性の不十分な標識がその製品に貼付されたと考えられるからである。このようにして、それぞれの場合にシステムエラーをできるだけ早い時刻に認識することができる。
【0017】
測定された変化が予測の変化よりも大きいか小さいかに依存して、異なるエラー通知を出力することができる。このようなチェックにおける予測値に、エラー通知が出されない適当な許容区域を与えることができる。
【0018】
活性化時刻を特定するコードを標識に関連づけることができれば有利であり、そのようなコードを有する場合、従ってそれぞれの活性化時刻を有する場合、検査時刻に読み取ることができるので、続いて、活性化時刻と検査時刻との時間差を測定することができる。そのような方法のすべては、本発明の枠組みにおいて、コードと標識との間の機械的な結合(例えば、一様なラベル、製品自体または製品の包装上への重ねプリント)を実現することができる手段による標識とコードとの関連性の存在のもとに理解することができる。
【0019】
活性化時刻を特定するコードと標識との関連性つまり機械的な結合の代替法として、本発明によると、マーキングされる製品を明確に識別するコードを標識に関連づけるだけとして、このコードを、それぞれの製品に関連する活性化時刻とともにデータベース内に格納することができる。検査時刻に、その標識に明確に関連づけられたコードを読み取ることができるので、このコードに基づいて、コードにそれぞれ関連づけられた活性化時刻をデータベース内でサーチすることができる。この活性化時刻をデータベースから読み出した後、活性化時刻と検査時刻との時間差を簡単に測定することができる。
【0020】
しかし、この代替法を行うためには、標識の活性化について書き込む目的および標識の検査において読み取る目的で、データベースを利用できることを確保しなければならない。これは、例えば、データベースが内部ネットワークの構成要素としてつくられているか、あるいは、インターネット上で検索することができるデータベースとして作られている場合に実現することができる。
【0021】
コードが貼付されるときには、マーキングされる製品に、標識とほぼ同時に、特には重ねプリントで貼付されることが好ましい。この点に関して、コードおよび標識は、共通のプリント手順によって、または2つの独立したプリント手順によって、貼付することができる。コードと標識が共通のキャリア上(例えば、ラベル上または包装上)に位置づけられた場合、その後にコードと標識とを互いに分離させることができないので、誤用の可能性が少なくなる。
【0022】
コードは、マーキングされる製品のそれぞれの製造業者の識別キーを追加的に含んでいれば、特に利点がある。苦情が出された場合に、活性化時刻に対応する製造日とともに、その責任を負うべき製造業者を簡単に特定することができる。これに加え、または代替的に、標識の種類、適用装置における標識固有の操作データおよび/またはセンサデータ、および製品の種類のうちの少なくとも1つに関する情報をコード内に統合させることができる。
【0023】
それぞれの製造業者の識別キーまたは上記の情報に加えて、または代替的に、コードは、それぞれの製品をマーキングするクリア識別コードをさらに含むことができる。この場合、すべての製品、特には互いに同じ種類の製品が、互いに異なる識別コードを有し、このコードに基づいて、全体の製造プロセスに亘って各個別の製品を明確に追跡することができるとともに、所望の時間に識別することができ、これによって、追加のチェックを行うことができる。
【0024】
本発明によって提供されるコードは、所望の形態につくることができ、好ましくは小型バーコードまたはデータマトリクスコードとして設計される。
【0025】
本発明による特に効率の良いチェックの実施は、コードおよび標識の両方を検出することができるセンサを使うことによって可能となる。なぜなら、その場合には、センサを使って、それぞれの読み取りプロセスを1回行うだけでよいからである。しかし、代替的に、コードの読み取りと標識変化の読み取りに別々のセンサを使用してもよい。
【0026】
読み取りプロセスにおいては、センサによって活発的に照射するか、あるいは周囲光によって、コードおよび標識に照射することができる。
【0027】
以下の第2の実施例によると、本発明は、腐食しやすい製品のマーキング用の時間感応性および/または温度感応性の標識をチェックする方法に関する。
・格納されている標識の活性化時刻を呼び出す、すなわち読み取る。
・格納されている活性化時刻と、検査時刻と、の時間差を測定する。
・測定した時間差において生じた標識の変化量が、測定した時間差に対応する所望の値よりも大きいか小さいかをチェックする。
【0028】
こうして、また、例えばキャッシュレジスタシステムの領域で一通り実行することができる方法が確保される。この方法は、既に格納されている活性化時刻または例えばラベル上に重ねプリントされている活性化時刻が、上記の方法のうちの1つで測定されることのみを要求する。標識の活性化についての時刻の検出および格納は既に行われており、本発明の第2の実施例の一部を形成しない。
【0029】
第2の実施例は、第1の実施例の上記の好ましい実施形態のすべてに従って設計することができる。
【0030】
最後に、さらに本発明は、上記のような方法を実行するための標識に関する。光によって活性化される時間感応性および/または温度感応性の標識と、活性化時刻を記録しているコードと、が標識に与えられる。上述したように、コードは、製造業者の識別コードおよび/または各製品を識別するための識別コードをさらに含むことができる。本発明の標識に関するラベルおよびコードは、共通のキャリア層に貼付されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の標識の可能な実施例を示す平面図。
【図2】本発明の標識を読み取るセンサの概略図。
【図3】特定の温度において予測される本発明の標識の変色を示すマトリクス図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、製品に貼付することができる、特にはプリントすることができる実質的に矩形のラベル10を示し、ラベル10の下部には時間感応性および温度感応性の標識12を有し、上部には標識12の活性化時刻を含むバーコード14を有する。図示した実施例においては、標識12とバーコード14とは、互いに離間して配置されている。これと代替的に、標識とコードとが互いに重なるようにラベルに貼付することができる。特に、コードの要素またはコード全体を、時間感応性および/または温度感応性の標識として作ることができる。
【0033】
標識12は、例えば独国特許第19803208(C2)号明細書に記載の時間感応性および温度感応性の基材を有する中央の円形領域16を含む。
【0034】
円形領域16は、この円形領域に隣接して3つの同じ寸法の3つのセグメント20,22,24に分割されたリング状の領域18によって取り囲まれている。それぞれのセグメント20,22,24は、互いに異なる色を有する。セグメント20の暗色は、円形領域の活性化直後の色に対応するので、このセグメント20の色は、製品の状態が「新鮮である」ことを象徴的に識別する。セグメント22は、いくらか淡い色を有し、円形領域16がこの色となるのは、特定の温度で、特定の時間が経過した後であるので、この色は、製品の鮮度の状態が「中程度である」ことを識別する。最後に、セグメント24は、比較的明るい色を有し、円形領域16がこの色となるのは、設定温度で、その製品が利用できなくなるほど長時間が経過したときである。従って、セグメント24の色は、製品の状態が
「鮮度が失われている」ことを識別する。
【0035】
3つのセグメント20,22,24は、円形領域16の周囲に隣接しているので、これらのセグメントは、観測者に対して、参照色として象徴的に提供することができ、観測者は、これらの参照色を参照して、円形領域の色とセグメント20,22,24の色とを比較することにより、ラベル10が付された製品の鮮度がいずれの状態であるかを評価することができる。
【0036】
図2は、図1のラベル10の読み取りに適するセンサ26の概略図である。センサ26は、その前面に、ラベル10の照射用に与えられた発光ダイオード28を有する。この照射によって、円形領域16の色およびバーコード14の両方を高い信頼性で検出することができる。代替的に、照射28を省略してもよいが、その場合には、センサ26を使用する際に十分な周囲光を確保することが必要である。
【0037】
発光ダイオード28の間に受光システム30を配置し、ラベル10が反射した光をビームスプリッタ32上に向けて屈折させる。ビームスプリッタ32は、受光した光の一部を第1の評価ユニット34に向けて屈折させ、受光した光の他の一部をさらなる評価ユニット36に向けて屈折させる。評価ユニット34は、色変化センサとして作られているので、図1の円形領域16の色の検出に適している。これに対し、評価ユニット36は、従来のバーコードリーダとして作られているので、この評価ユニット36は、図1のバーコード14に含まれている活性化時刻を読み取ることができる。
【0038】
続いて、センサ26の内部で、またはセンサ26の外部の外部処理ユニット内において、上記の方法の1つで、読み取った情報を評価することができる。
【0039】
本発明のチェックが最終消費者に販売される際にも実行される(すなわち、例えば、適当な評価ユニットおよび表示ユニットを備える図2のセンサが、例えば、キャッシュレジスタに設けられている)ことは特に利点がある。
【0040】
図3は、図1の標識12のマトリクスを示し、これらの標識12の円形領域26の色は、円形領域16が晒される摂氏温度と、標識12の経過日数と、に依存して示される。
【0041】
図3は、例えば、5日目まで2℃の温度に晒された標識12が、まだ暗色を呈し、製品の状態が「新鮮である」ことを識別する。しかし、2℃の温度で7日目から13日目までが経過した場合、円形領域16は、いくらか明るい色を呈し、製品の鮮度が「中程度である」ことを識別する。
【0042】
同じ標識12が、5℃の温度に晒された場合、製品の鮮度が「新鮮である」ことを示すのは、わずか3日間であり、4日目から9日目までは「中程度の」状態であることを示し、13日目には、領域16は、明色を呈し、製品の状態が「鮮度が失われている」ことを識別する。
【0043】
以下に、7℃,10℃,20℃の温度に晒したときの状態を対比的に示す。
【0044】
7℃のとき、2日目までは新鮮、3日目から5日目までは中程度、7日目から13日目までは鮮度が失われている。
【0045】
10℃のとき、1日までは新鮮、2日目から3日目までは中程度、4日目以降は鮮度が失われている。
【0046】
20℃のとき、活性化直後だけは新鮮、1日目から鮮度が失われている。
【0047】
本発明のチェックの枠組みにおいて、図3によるマトリクスを、特には図2のセンサ26を使って利用することができ、例えば、定量的な色の強度を有するデータ型式で利用することができる。この場合、例えば、活性化後4日目に標識12をチェックしたとし、またチェックされる製品が継続的に7℃の保存温度を必要とするものであれば、図3の評価ユニット26に格納されているマトリクスから見ることができるように、標識12の円形領域16が、チェック時に「中程度の」状態でなければならない。チェックの枠組みにおいて、対応する結果が達成されている場合、チェックした製品の処置を継続することができる。
【0048】
しかし、円形領域16が暗色を呈する場合、(製品が7℃または実質的に7℃より高い温度で保存されていたとすれば、)標識の機能が失われているか、または十分ではない。しかし、円形領域16が明色を呈する場合、チェックされた製品は、過去の4日間に少なくともかなりの時間に亘って7℃よりも高い温度で保存されたものであると推測することができるので、4日目までに行った処置に対して責任のある会社に苦情を訴えることができる。
【0049】
定量的な色の強度を含むデータの型式で図3のマトリクスを使用する代わりに、評価ユニットが、評価ユニット自体を実際に「較正する」以下の手順を実施することもできる。
【0050】
予測される定量的な色の強度が評価ユニット内に予め格納されている代わりに、センサを使って標識の色を検出する際に、すなわち、標識の状態を実際にチェックする時に、標識を取り囲む参照色20,22,24を追加的に検出することができる。このことは、紫外光フィルタまたは昼光フィルタが標識の脇の参照色も覆うとすれば、これらの色のシフトが標識および参照色に同様に取り入れられるので、紫外光フィルタまたは昼光フィルタによって発生し得る色のシフトが除去されるという利点がある。さらに、評価の枠組みにおいては、標識の色と参照色との相対的な色の違いのみが重要であるので、標識の色の検出において能動的に標識を照射することはほとんど不要となる。例えば、能動的な照射を行わない場合、標識の色および参照色がいくらか暗色として発現するが、これらの相対的な色の違いは、それまでと変わらない方法で判定することができる。
【0051】
評価ユニットで標識の色と参照色とを直接的に比較することによって、評価ユニットに格納されている種々の絶対値と比較対照することなく、標識が付された製品の状態が、「新鮮である」、「中程度である」または「鮮度が失われている」のいずれであるかを評価する。さらに、特定の温度において、標識が、参照色a(明色),参照色b(中程度),参照色c(暗色)を何日間に亘って呈色する必要があるかについて、評価ユニット内にマトリクスの形態で格納することができ、このとき、色a,b,cのスペクトルは特定されていない。スペクトルに関しての特定は、その後、標識の検査時に、特異的に存在する参照色のスペクトル(紫外光フィルタまたは昼光フィルタによって変わる可能性がある)を確定することによって直接的に行われる。そして、もっとも明るい確定した参照色スペクトルを格納した参照色aに関連付け、中程度の明るさの確定した参照色のスペクトルを格納した参照色bに関連付け、もっとも暗い確定した参照色のスペクトルを格納した参照色cに関連付ける。続いて、上記のように、図3のマトリクスを参照して評価を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐敗しやすい製品のマーキング用の時間感応性および/または温度感応性の標識(12)をチェックする方法であって、
標識(12)の活性化時刻を検出して格納するステップと、
格納した活性化時刻と検査時刻との時間差を測定するステップと、
測定した時間差の間に生じた標識(12)の変化量が、測定した時間差に対応する所望の値よりも大きいか小さいかをチェックするステップと、
を含む方法。
【請求項2】
測定した時間差の間に生じた標識(12)の変化が、特には設定温度において、それぞれの標識(12)の特性の変化に対応しているか否かをチェックすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも設定量だけ標識(12)の予測の変化量(所望の値)を超過している場合に、標識(12)が付された製品の不十分な冷却および/または時間超過を示す第1のエラー通知を発生させることを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
少なくとも設定量だけ標識(12)の予測の変化量(所望の値)に届いていない場合に、標識(12)の機能性を示す第2のエラー通知を発生させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
活性化時刻を記しているコードを標識(12)に関連づけるステップと、
検査時刻に、コード(14)ひいてはそれぞれの活性化時刻を読み取るステップと、
続いて、活性化時刻と検査時刻との時間差を測定するステップと、
を含み、
コードが、特には、標識の種類、製造業者ID、適用装置における標識固有の操作データおよび/またはセンサデータ、および製品の種類のうちの少なくとも1つに関する情報をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
マーキングされた製品を明確に特定するコード(14)を標識(12)に関連づけ、それぞれの製品に関連する活性化時刻とともにデータベースに格納するステップと、
標識(12)に関連づけられたクリアコード(14)を検査時刻に読み取り、このコード(14)を介して、それぞれの活性化時刻をデータベースから読み出すステップと、
続いて、活性化時刻と検査時刻との時間差を測定するステップと、
を含む請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
コード(14)が、標識(12)とほぼ同時に、特には重ねプリントで、マーキングされる製品に貼付されることを特徴とする請求項5および6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
コード(14)および標識(12)が共通のキャリア層に貼付されることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
コード(14)が、マーキングされる製品の製造業者の識別キーを含むことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
コード(14)が、それぞれの製品を識別するクリア識別コードを含むことを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
コード(14)が、小型バーコードまたはデータマトリクスコードとして作られていることを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
コード(14)および標識変化が単一のセンサ(26)によって読み取られることを特徴とする請求項5〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
読み取りプロセスにおいて、コード(14)および標識(12)が、センサ(26)によって活発的に、あるいは周囲光によって、照射されることを特徴とする請求項5〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
腐敗しやすい製品のマーキング用の時間感応性および/または温度感応性の標識(12)をチェックする方法であって、
格納されている標識(12)の活性化時刻を呼び出す、すなわち読み取るステップと、
格納されている時間と検査時刻と間の時間差を測定するステップと、
測定した時間差の間に発生した標識(12)の変化が、測定した時間差に対応する所望の値よりも大きいか小さいかをチェックするステップと、
を含む方法。
【請求項15】
請求項2〜13のうちの少なくとも1つによって特徴づけられる請求項14に記載の方法。
【請求項16】
特には光を介して活性化することができる時間感応性および/または温度感応性の表示領域(16)と、活性化時刻を記しているコード(14)と、を有し、請求項1〜15のいずれか1つに記載の方法を実行するための標識(12)。
【請求項17】
コード(14)が、マーキングされる製品の製造業者の識別キーおよび/またはそれぞれの製品を識別するクリア識別コードを追加的に含むことを特徴とする請求項16に記載の標識。
【請求項18】
表示領域(16)およびコード(14)が、共通のキャリア層または製品自体または製品の包装に貼付されることを特徴とする請求項16および17のいずれかに記載の標識。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−544948(P2009−544948A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521117(P2009−521117)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004595
【国際公開番号】WO2008/011932
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(504181546)ビゼルバ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー (6)
【氏名又は名称原語表記】BIZERBA GMBH & CO. KG
【住所又は居所原語表記】Wilhelm−Kraut−Strasse 65, 72336 Balingen (DE)
【Fターム(参考)】