景品払出機および景品払出システム
【課題】景品入庫作業が行われた場合に、係員による操作がなくても、景品の計数を自動的に行うことができるようになる景品払出機を提供する。
【解決手段】景品払出機１は、複数のカセットを有する景品払出ユニットを備えている。景品払出ユニットは、景品払出ユニット内の景品を計数するための計数機構（搬送機構）を備えている。景品払出ユニットには、下ユニットがキャビネット内の景品払出位置に挿入されているか否かを検知するためのユニット挿入検知スイッチ２０６が設けられている。ユニット側制御部２００は、ユニット挿入検知スイッチ２０６によって景品払出ユニットの下ユニットが景品払出可能位置まで挿入されたことが検知されると、当該景品払出ユニット内の計数機構を利用して計数処理を行なう。
【解決手段】景品払出機１は、複数のカセットを有する景品払出ユニットを備えている。景品払出ユニットは、景品払出ユニット内の景品を計数するための計数機構（搬送機構）を備えている。景品払出ユニットには、下ユニットがキャビネット内の景品払出位置に挿入されているか否かを検知するためのユニット挿入検知スイッチ２０６が設けられている。ユニット側制御部２００は、ユニット挿入検知スイッチ２０６によって景品払出ユニットの下ユニットが景品払出可能位置まで挿入されたことが検知されると、当該景品払出ユニット内の計数機構を利用して計数処理を行なう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、例えばパチンコ玉等の遊技媒体と交換される景品を払い出すための景品払出機および景品払出システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
パチンコ店等の遊技施設において、景品払出機（下記特許文献１参照）と景品払出機に電気的に接続された景品管理機（下記特許文献２参照）とを備えた景品払出システムが知られている。景品払出機で取り扱われる景品は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。この景品は一般的に、１〜数ｍｍ程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、１００円、５００円、１０００円、５０００円といった金銭価値に応じた４つの種類が存在する。
【０００３】
このような景品払出システムでは、次のようにして、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体が景品に交換されて遊技客に手渡され、遊技客が受け取った景品が景品交換所で買い取られる。
【０００４】
遊技客は、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体を、遊技施設内に設置された計数機に投入する。計数機は、投入された遊技媒体の計数を行い、計数結果を表すバーコードが印字されたレシートを発行する。遊技客は、計数機によって発行されたレシートを景品カウンタに持参して係員に手渡す。係員は遊技客から受け取ったレシートにバーコード記録されている計数結果を景品管理機に読み取らせる。景品管理機は、読み取った計数結果に基づいて払出すべき景品の種類および枚数を決定し、決定した内容に応じて、景品払出機に対して景品を払い出すように命令する。これにより、景品払出機から景品が払い出される。係員は、景品払出機から払い出された景品を遊技客に手渡す。遊技客は、受け取った景品を遊技施設外に設置された景品交換所に持参し、景品交換所にて景品に相当する価値で買い取ってもらう。
【０００５】
ところで、景品は、現金と同じ価値があるため、不正防止の観点から、在庫管理を厳重に行う必要がある。従来において、在庫管理は、次のように行われている。
（ａ）入庫（補充）：開店準備時に、係員は、景品が空の状態の景品払出機に景品を補充（入庫）する。そして、景品種類毎の補充数（入庫数）を景品管理機および景品払出機に数値入力する。景品管理機および景品払出機は、入力された景品種類毎の補充数を在庫管理データとしてそれぞれ記憶する。
（ｂ）出庫（払出）：景品払出し時において、景品管理機および景品払出機は、遊技客に払い出した景品数（出庫数）を在庫管理データから減算することにより、在庫管理データをそれぞれ更新する。
（ｃ）追加入庫（追加補充）：営業時間中に、係員は、景品の補充（追加補充）を行った際に、景品種類毎の補充数（入庫数）を景品管理機および景品払出機に数値入力する。景品管理機および景品払出機は、入力された景品種類毎の補充数を在庫管理データに加算することにより、在庫管理データをそれぞれ更新する。
（ｄ）締上処理（本締め処理）：閉店後、係員は、景品管理機によって景品在庫データを印字出力させるとともに、景品払出機から景品（現物）を回収して手作業で計数し、在庫管理データと現物の計数結果を比較・照合する。比較・照合が終了した後においては、回収した景品（現物）は、金庫等に保管するため、景品払出機は空の状態となる。
【０００６】
営業時間内においても、当該景品払出システムを担当する係員が交代する際には、締上処理と同様な処理（中締め処理）を行って、在庫管理データと現物の計数結果を比較・照合する。ただし、この場合には、係員は、比較・照合が終了した後に、回収した景品（現物）を景品払出機に戻す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特許第３７２２８７８号公報
【特許文献２】特開２００２−２００３１０号公報
【特許文献３】特開２００８−７３１６９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
従来の景品払出システムでは、入庫時（追加入庫時を含む）において、景品払出機に対して景品入庫数を手入力している。景品入庫数を手入力する場合、入力操作ミスが発生しやすいので、景品払出機内の景品個数が正しく管理できているか不明確であるという問題がある。また、従来では、景品払出機と景品管理機との両方で在庫管理を行なえるようにするために、入庫時には、景品払出機側だけでなく、景品管理機側にも景品入庫数を手入力するようにしている。このため、手間がかるとともに、入力操作ミスにより、両者が管理する景品在庫数が一致しなくなるという問題がある。
【０００９】
この発明は、景品入庫数を自動的に算出することができ、景品入庫数を手入力する必要がなくなる景品払出装置および景品払出システムを提供することを目的とする。
【００１０】
また、この発明は、景品入庫作業が行われた場合に、係員による操作がなくても、景品の計数を自動的に行うことができるようになる景品払出装置および景品払出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
請求項１に記載の発明は、景品が収容される景品収容体を備えた景品払出機であって、前記景品収容体に収容されている景品数を計数するための計数手段と、前記景品収容体に景品が入庫された後の所定のタイミングにおいて、前記計数手段を利用して、前記景品収容体に収容されている景品数を計数する計数処理手段と、前記計数処理手段による計数結果に基づいて、入庫数を算出する入庫数算出手段と、前記入庫数算出手段によって算出された入庫数を出力する入庫数出力手段と、を含む景品払出機である。
【００１２】
「景品払出機」には、遊技客が獲得した遊技媒体数に基づいて払い出すべき景品数を決定する機能を備えているものと備えていないものとの両方が含まれる。遊技客が獲得した遊技媒体数に基づいて払い出すべき景品数を決定する機能を景品払出機が備えていない場合には、他の機器（たとえば、本実施形態における景品管理機）から、払い出すべき景品数の情報が景品払出機に与えられる。「景品収容体」は、例えば、本実施形態における景品払出ユニットのように、１または複数のカセットが着脱自在に装着されているものであってもよいし、本実施形態における１つのカセットであってもよい。他の請求項においても同様である。
【００１３】
この構成では、景品収容体に景品が入庫された後の所定のタイミングにおいて、計数手段を利用して、景品収容体に収容されている景品数が計数される。この計数結果に基づいて、入庫数が算出される。そして、算出された入庫数が出力される。例えば、算出された入庫数が表示される。あるいは、算出された入庫数が景品管理機等の外部機器に送信され
る。この構成によれば、景品入庫数を自動的に算出することができる。このため、景品入庫数を手入力する必要がなくなる。
【００１４】
請求項２に記載の発明は、前記景品収容体に収容されている景品数を景品在庫数として記憶するための記憶手段と、前記計数処理手段によって計数処理が行なわれる毎に、計数結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている景品在庫数を更新する手段と、景品払出時に、払い出される景品数に基づいて、前記記憶手段に記憶されている景品在庫数を更新する手段とをさらに含んでおり、前記入庫数算出手段は、今回の計数結果から、今回の計数結果によって更新される前の景品在庫数を減算することにより、入庫数を算出するものである、請求項１に記載の景品払出機である。
【００１５】
この構成では、計数処理手段によって計数処理が行なわれる毎に、計数結果に基づいて、記憶手段に記憶されている景品在庫数が更新される。また、景品払出時には、払い出される景品数に基づいて、記憶手段に記憶されている景品在庫数が更新される。入庫数算出手段では、今回の計数結果から、今回の計数結果によって更新される前の景品在庫数を減算することにより、入庫数が算出される。
【００１６】
請求項３に記載の発明は、景品が収容される景品収容体を備え、前記景品収容体は、景品払出機本体内の景品払出可能位置に配置されている状態と、景品払出可能位置から外れている状態とを取りうるようになっている景品払出機であって、前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されている状態において、前記景品収容体に収容されている景品数を計数するための計数手段と、前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されているか否かを検知するための検知手段と、前記検知手段に基づいて、前記景品収容体が前記景品払出可能位置から外れた状態から前記景品払出可能位置に配置されたことを検出したときに、前記計数手段を利用して、前記景品収容体に収容されている景品数を計数する計数処理手段と、を含む景品払出機である。
【００１７】
請求項３に記載の発明では、景品収容体が景品払出可能位置から外れた状態から景品払出可能位置に配置されたことが検出されたときに、景品収容体に収容されている景品数が計数される。景品入庫作業が終了したときには、景品払出可能位置から外れている状態の景品収容体が景品払出可能位置に戻されるので、景品収容体に収容されている景品数が計数されるようになる。したがって、上記構成によれば、景品入庫作業が行なわれた場合には、景品収容体に収容されている景品の計数を自動的に行うことができるようになる。
【００１８】
請求項４に記載の発明は、前記景品収容体が複数備えられており、各景品収容体の状態には、前記計数処理手段によって計数が行なわれている「計数中状態」と、前記景品払出可能位置に配置されているが前記計数処理手段によって計数が行なわれていない「非計数中状態」と、前記景品払出可能位置から外れている「抜け状態」とを含む複数の状態があり、入庫確定タイミングを決定するための処理を行なうタイミング決定手段と、前記複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が前記「計数中状態」となったときに、前記タイミング決定手段による処理を開始させる手段とをさらに含み、前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が所定時間継続したときを、入庫確定タイミングとして決定する手段を含む、請求項３に記載の景品払出機である。
【００１９】
請求項４における「計数中状態」は、本実施形態における「入庫計数中状態」に対応する。請求項４における「非計数中状態」は、本実施形態における「ユニット挿入状態」に対応する。請求項４における「抜け状態」は、本実施形態における「ユニット抜け状態」に対応する。前記「入庫確定タイミング」とは、入庫イベントに関する情報を記録するタイミングをいう。
【００２０】
この構成では、複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が「計数中状態」となったときに、タイミング決定処理が開始される。タイミング決定処理においては、全ての景品収容体が「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が所定時間継続したときが、入庫確定タイミングとして決定される。したがって、全ての景品収容体が「計数中状態」以外の状態となってから、計数処理が開始されることなく所定時間が経過したときを、入庫確定タイミングとして決定することができる。このため、入庫イベントに関する情報を好適なタイミングで記録することができる。より具体的には、入庫イベントに関する情報を含む入庫ログを好適なタイミングで作成することが可能となる。
【００２１】
請求項５に記載の発明は、前記景品収容体が複数備えられており、各景品収容体の状態には、前記計数処理手段によって計数が行なわれている「計数中状態」と、前記景品払出可能位置に配置されているが前記計数処理手段によって計数が行なわれていない「非計数中状態」と、前記景品払出可能位置から外れている「抜け状態」とを含む複数の状態があり、入庫確定タイミングを決定するための処理を行なうタイミング決定手段と、前記複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が前記「計数中状態」となったときに、前記タイミング決定手段による処理を開始させる手段とをさらに含み、前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数中状態」以外でかつ前記「抜け状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間継続したとき、または景品収容体の一部が前記「抜け状態」でかつその他の景品収容体の全てが前記「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間とは異なる第２の所定時間継続したときを、入庫確定タイミングとして決定する手段を含む、請求項３に記載の景品払出機である。
【００２２】
この構成では、複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が「計数中状態」となったときに、タイミング決定手段による処理（タイミング決定処理）が開始される。タイミング決定処理においては、全ての景品収容体が「計数中状態」以外でかつ「抜け状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間継続したとき、または景品収容体の一部が「抜け状態」でかつその他の景品収容体の全てが「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間とは異なる第２の所定時間継続したときが、入庫確定タイミングとして決定される。
【００２３】
したがって、全ての景品収容体が「計数中状態」以外でかつ「抜け状態」以外の状態となってから、計数処理が開始されることなく第１の所定時間が経過したとき、または景品収容体の一部が「抜け状態」でかつその他の景品収容体の全てが「計数中状態」以外の状態となってから、計数処理が開始されることなく第２の所定時間が経過したときを、入庫確定タイミングとして決定することができる。このため、入庫イベントに関する情報を好適なタイミングで記録することが可能となる。
【００２４】
請求項６に記載の発明のように、第２の所定時間を、第１の所定時間よりも、長い時間に設定することが好ましい。第２の所定時間を第１の所定時間よりも長く設定する理由は、次の通りである。「抜け状態」の景品収容体が存在しない場合には、係員による入庫作業が完了している可能性が高いので、第１の所定時間は短くてよい。一方、「抜け状態」の景品収容体が存在する場合には、係員による入庫作業は完了していないので、「抜け状態」の景品収容体が景品払出可能位置に配置されるのを待つ方が好ましい。そこで、第２の所定時間を第１の所定時間よりも長く設定している。ただし、長時間にわたって、「抜け状態」の景品収容体が景品払出可能位置に配置されない状態が続く場合も予想されるので、その場合には、第２の所定時間が経過したときを、入庫確定タイミングとして決定するようにしている。
【００２５】
請求項７に記載の発明は、前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数
中状態」以外の状態である場合に、入庫確定ボタンを表示させる手段と、前記入庫確定ボタンの押下に対応した操作が行なわれたときを、入庫確定タイミングとして決定する手段とをさらに含む、請求項４〜６のいずれか一項に記載の景品払出機である。
【００２６】
入庫確定ボタンの押下に対応した操作には、例えば、入庫確定ボタンがタッチパネル付き表示器に表示される場合において、表示画面上の入庫確定ボタンを押下する操作や、入庫確定ボタンがタッチパネルのない表示器に表示される場合において、キー操作により、表示画面上の入庫確定ボタンを選択・決定する操作が含まれる。この構成によれば、係員操作に基づいて、入庫確定タイミングを決定することが可能となる。
【００２７】
請求項８に記載の発明は、前記景品収容体は、景品を収納する複数のカセットと、前記カセットが着脱自在に装着されるカセット保持体とを含んでおり、前記計数手段は、前記景品収納体が前記景品払出可能位置に配置されている状態において、前記カセット保持体に装着されている前記各カセット単位に、前記カセット内の景品数を計数するものであり、前記「計数中状態」とは、前記景品収容体に備えられている複数のカセットのうち、少なくとも１つのカセットに対して、前記計数処理手段による計数処理が行なわれている状態をいい、前記「非計数中状態」とは、前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されているが、当該景品収容体に備えられている複数の景品カセットのいずれに対しても前記計数処理手段による計数が行なわれていない状態をいうことを特徴とする請求項４〜７のいずれか一項に記載の景品払出機である。
【００２８】
この構成によれば、景品収容体が、景品を収納する複数のカセットと、カセットが着脱自在に装着されるカセット保持体とを含むような構成である場合に、前記請求項２〜５と同様に、入庫確定タイミングを決定することができる。このため、入庫イベントに関する情報を好適なタイミングで記録することが可能となる。
【００２９】
請求項９に記載の発明は、前記タイミング決定手段によって、入庫確定タイミングが決定されたときに、今回の入庫イベントに関する情報を含む入庫ログを作成する手段をさらに含む請求項４〜８のいずれか一項に記載の景品払出機である。この構成では、入庫確定タイミングが決定されたときに、今回の入庫イベントに関する情報を含む入庫ログが作成される。
【００３０】
請求項１０に記載の発明は、請求項１〜９のいずれか一項に記載の景品払出機と、その景品払出機と通信可能な景品管理機とを備え、前記景品管理機は、前記景品払出機に景品を払い出させるための必要な情報を含む景品払出コマンドを、前記景品払出機に送信する手段を備えている、景品払出システムである。
【００３１】
この構成によれば、景品入庫作業が行われた場合に、景品の計数を自動的に行うことができるようになる景品払出システムが得られる。また、入庫イベントに関する情報を好適なタイミングで記録することが可能となる景品払出システムが得られる。
【発明の効果】
【００３２】
この発明によれば、景品入庫数を自動的に算出することができ、景品入庫数を手入力する必要がなくなる。
【００３３】
また、この発明によれば、景品入庫作業が行われた場合に、係員による操作がなくても、景品の計数を自動的に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】遊技施設内に設けられた景品払出システムの全体構成を示すブロック図である。
【図２】景品払出機１を前側（係員が操作する側）から見た斜視図である。
【図３】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の斜視図である。
【図４】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の分解斜視図である。
【図５】カセット４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、景品２が１枚も収納されていない状態を示し、（ｂ）は、複数枚の景品２が収納された状態を示している。
【図６】搬送機構２４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、搬送ユニット３２が下限位置にある状態を示し、（ｂ）は、搬送ユニット３２が上昇途中にある状態を示している。
【図７Ａ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｂ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｃ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｄ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｅ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｆ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図８】景品払出ユニット５の模式的な正断面図である。
【図９】内部が露出された状態にある上ユニット２１を斜め上側から見た斜視図であって、搬送機構２４も一緒に示している。
【図１０】内部が露出された状態にある上ユニット２１の斜視図であって、エレベータ８２を示している。
【図１１】図１０において、エレベータ８２の伸縮機構８７が伸長状態に姿勢を変えた様子を示している。
【図１２】景品払出機１の模式的な側断面図である。
【図１３】下ユニット２０の模式的な平面図である。
【図１４】景品払出機１の電気的構成を示すブロック図である。
【図１５】ユニット側制御部２００と、その入出力機器とを示すブロック図である。
【図１６】カセット別景品種類テーブルＴＡ１、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２および景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３の内容をそれぞれ示す模式図である。
【図１７】各カセットに割り当てられたカセット番号（カセットＮｏ．）と、各カセットに収納される景品の種類の具体例とを示す模式図である。
【図１８】景品管理機１００の電気的構成を示すブロック図である。
【図１９】ユニット側制御部２００によって実行される処理のうち、ユニット挿入検知に基づいて計数処理を行なう場合の処理の手順を示すフローチャートである。
【図２０】統括側制御部３００によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図２１】図２０のステップＳ１８の景品払出処理の手順を示すフローチャートである。
【図２２】図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理の手順を示すフローチャートである。
【図２３】景品払出機１の係員用表示部７Ｂに、待機中に表示される画面５０１ａ，５０１ｂの例を示す模式図である。
【図２４】入庫管理処理において、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在する場合に表示される画面の例を示す模式図である。
【図２５】入庫管理処理において、全ての景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」でないと判別された場合に表示される画面の例を示す模式図である。
【図２６】入庫管理処理において、計数結果ボタンが押下された場合に表示される画面の例を示す模式図である。
【図２７】景品管理機１００によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００３５】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
【００３６】
以下、この発明の実施形態について説明する。
［１］景品払出システムの構成
図１は、遊技施設内に設けられた景品払出システムの構成を示している。
【００３７】
景品払出システムは、１または複数の景品管理機（ＰＯＳ端末）１００と、各景品管理機１００に接続された１または複数の景品払出機１から構成されている。この例では、景品管理機１００は複数設けられている。各景品管理機１００には、景品管理機１００毎に異なる識別番号（管理機番号）が付けられている。各景品払出機１には、景品払出機１毎に異なる識別番号（払出機番号）が付けられている。
【００３８】
複数の景品管理機１００は、１台の親機（１号機）１００＿Ｍと、他の子機（２号機等）１００＿Ｓとから構成されている。各子機１００＿Ｓは、親機１００＿Ｍに接続されている。親機１００＿Ｍの上位に、遊戯施設内の機器全体を管理する管理コンピュータ１５
０が配置されている。景品管理機１００および景品払出機１は景品カウンタに設置される。管理コンピュータ１５０は事務所に設置される。
【００３９】
各景品管理機１００には、この例では、最大２台まで、景品払出機１を接続できるようになっている。景品払出機１は、景品を払出す景品払出機能、カセット単位で景品数を計数する計数機能、景品払出機１内の景品在庫を管理する在庫管理機能および景品管理機１００と通信する通信機能を備えている。
【００４０】
景品管理機１００は、景品払出機１を制御する。各景品管理機１００は、自己の配下にある景品払出機１と通信を行う機能を備えている。また、子機１００＿Ｓは、親機１００＿Ｍと通信する機能を備えている。また、親機１００＿Ｍは、各子機１００＿Ｓや管理コンピュータ１５０と通信する機能を備えている。
【００４１】
景品払出機１で取り扱われる景品は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。図５（ｂ）に示すように、この景品２は、一般的に、１〜数ｍｍ程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品２には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、１００円（小景品）、５００円（中景品）、１０００円（大景品）、５０００円（特大景品）といった金銭価値に応じた４つの種類が存在する。
【００４２】
遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体を、遊技施設内に設置された図示しない計数機に投入すると、投入された遊技媒体の計数が行われ、計数結果を表すバーコードが印字されたレシート（記録媒体）が計数機から発行される。なお、このようなレシートの代わりに、計数結果が磁気記録された磁気カード、計数結果が記録されたＩＣチップを備えたＩＣカード等の記録媒体を発行するようにしてもよい。また、遊技客所有の携帯型電話機に計数結果を保存したり、遊技客所有の携帯型電話機から当該電話機を特定するためのＩＤを読み取り、読み取ったＩＤに関連して計数結果を景品管理機等に保存するようにしてもよい。
【００４３】
計数機によって発行されたレシートを遊技客が景品カウンタに持参すると、係員はそのレシートにバーコード記録されている計数結果（遊技媒体数）を景品管理機１００に読み取らせる。景品管理機１００は、読み取った計数結果に基づいて、払い出すべき景品の種類および枚数を決定する。そして、決定した景品種類毎の払出枚数を含む景品払出コマンドを、その配下にある１つの景品払出機１に送信する。景品払出機１は、景品管理機１００から送られてきた景品払出コマンドにしたがって、景品を払い出す。係員は、景品払出機１から払い出された景品を遊技客に手渡す。遊技客は、受け取った景品を景品交換所に持参し、景品交換所にて景品に相当する価値で買い取ってもらう。
［２］景品払出機１の機構
［２−１］全体構成
図２は、景品払出機１を前側（係員が操作する側）から見た斜視図である。
【００４４】
図２を参照して、景品払出機１から景品の払い出しを受ける客は、景品払出機１の後側（図２における奥側）に位置し、係員は、景品払出機１の前側に位置して接客を行う。
【００４５】
景品払出機１は、その外郭をなす略直方体形状のキャビネット３と、キャビネット３に収容される複数（この例では、４つ）の景品払出ユニット５（後述する図３参照）とを備えている。これらの４つの景品払出ユニット５を区別する場合には、景品払出機１の前側（図２における手前側）から見て、最も左側のユニットから順に、第１ユニット、第２ユニット、第３ユニット、第４ユニットということにする。各景品払出ユニット５には、複数のカセット４（後述する図５参照）が収納される。各カセット４には、複数の景品２が
上下方向に積み重ねられた状態で収納される。
【００４６】
複数の景品払出ユニット５は、幅方向に並んだ状態でキャビネット３内に収容される。各景品払出ユニット５内には、横方向２列に４個ずつ、合計で８個のカセット４が配置されている。従って、キャビネット３内には、横方向８列に４個ずつカセット４が配置される。このような景品払出機１では、全体で、多種類の景品２を多量に収納することができるとともに、多種類の景品２を一度に払い出すことができる。
【００４７】
キャビネット３の前面側には、扉６が設けられている。扉６を開くことで、景品払出ユニット５をキャビネット３から引き出すことができる。
【００４８】
キャビネット３の上面には、表示部７が設けられている。表示部７は、客用表示部７Ａと、係員用表示部７Ｂとを含んでおり、それぞれの表示部には、必要な情報が表示される。また、係員用表示部７Ｂには、景品払出機１の動作を制御するために操作される操作部３０２（図１４参照）が設けられている。操作部３０２は、例えば、タッチパネルから構成される。
【００４９】
キャビネット３の上面における表示部７より後側において、各景品払出ユニット５の上方位置には、前述したカセットの各列に対応して、８個の払出口８が形成されている。８つの払出口８は、幅方向に並んでいる。各払出口８は、キャビネット３の内部に上から連通している。また、各払出口８には、シャッタ９が設けられている。シャッタ９は、前後にスライドすることによって、払出口８を開閉する。図２では、シャッタ９が払出口８を閉じた状態が示されている。
【００５０】
また、図２には一部しか示されていないが、景品払出機１には、カセット４（図５参照）に収納された景品２を払い出すために、第１搬送部１０と、第２搬送部１１と、保留部１２と、リフト部１３と、送出部１４とが備えられている。
【００５１】
景品払出機１における景品２の大まかな払い出し手順として、まず、第１搬送部１０が、カセット４（図５参照）に収納された景品２から、所定の払出枚数に相当する景品群を分離して、上方へ搬送する。次いで、第２搬送部１１が、上方に搬送された景品２（景品群）を払出口８側へ向けて略水平に搬送する。そして、保留部１２が、搬送された景品２を払出口８の下方で保留する。その後、リフト部１３が、保留された景品２を払出口８へ向けて持ち上げる。最後に、送出部１４が、払出口８まで持ち上げられた景品２をキャビネット３の上面に押し出す。ここで、シャッタ９と、シャッタ９をスライドさせる構成とが、上述した送出部１４に含まれる。このようにして、景品払出機１内に収納された景品２が払出口８から払い出される。
【００５２】
これらの構成（第１搬送部１０、第２搬送部１１、保留部１２、リフト部１３および送出部１４）は、以下で景品払出ユニット５を説明する際に、個別に説明される。
［２−２］景品払出ユニット
図３は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の斜視図である。
【００５３】
図３に示すように、各景品払出ユニット５は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。景品払出ユニット５は、その上下方向における略６分の５の部分をなす下ユニット（景品収容体）２０と、下ユニット２０の上側に配置される上ユニット２１とを含んでいる。
【００５４】
また、景品払出ユニット５（詳しくは、下ユニット２０）の前面（図３における手前側
の面）には、ハンドル２６が設けられている。ハンドル２６は、上述したように景品払出ユニット５をキャビネット３（図２参照）から引き出す際に、把持される。
【００５５】
図４は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の分解斜視図である。
【００５６】
図４に示すように、下ユニット２０と上ユニット２１とは、分離可能である。具体的には、上ユニット２１は、キャビネット３（図２参照）側に固定されており、景品払出ユニット５では、ハンドル２６を把持することで、下ユニット２０だけをキャビネット３から引き出すことができる。
【００５７】
以下では、下ユニット２０と上ユニット２１とを個別に説明する。
［２−２−１］下ユニット
下ユニット２０は、その外郭をなす下ケーシング２２と、８つのカセットホルダ２３（図４では右側４つのカセットホルダ２３が現れている。）と、８つのカセット４（図４では８つのカセット４のうちの１つが下ユニット２０の上方に配置された状態で示されている。）と、４つの搬送機構２４（図４では図示されず、図３を参照）とを含んでいる。カセットホルダ２３、カセット４および搬送機構２４は、常態では、下ケーシング２２内に配置されている。ここで、搬送機構２４が、上述した第１搬送部１０を構成している。
【００５８】
上述したように下ユニット２０がキャビネット３（図２参照）から引き出されることで下ユニット２０と上ユニット２１とが分離された状態（図４に示す状態）では、下ケーシング２２の上面が開放されている。
（１）カセットホルダ
８つのカセットホルダ２３は、前後（図４における手前側と奥側とを結ぶ方向）に４つ、左右に２つ並ぶように配置されている。各カセットホルダ２３は、垂直方向に延びる４本の保持レール２５を含んでいる。４本の保持レール２５は、上方から見て四角形の４つの角をなすように、配置されている（右側手前のカセットホルダ２３を参照）。
（２）カセット
図５は、カセット４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、景品２が１枚も収納されていない状態を示し、（ｂ）は、複数枚の景品２が収納された状態を示している。図５に示すように、各カセット４は、上下方向に長手であり、その平断面は、図５では、右側が切り欠かれた略コ字形状をなしている。カセット４において、上面は、景品２をカセット４内に収容するために開放されている一方で、底面は、カセット４に収容された景品２がカセット４から落下しないように、塞がれている。
【００５９】
図５におけるカセット４の右面は、上述した略コ字形状の平断面をなすべく、上下方向における全ての範囲に亘って連続して開放されており、このように開放された部分を開放部２８という。開放部２８は、カセット４において開放された上面に対して連続している。
【００６０】
カセット４の前面および後面には、カセット４の内側へ凹みつつ、上下に延びる溝２９が１つずつ形成されている。また、図５におけるカセット４の左面には、溝２９が、前後に間隔を隔てて２つ形成されている（図５では図示されておらず、図４において単独で示されたカセット４の右面を参照）。これらの溝２９は、後述するようにカセット４が下ケーシング２２に装填される際に、カセット４の装填をガイドするためのものである。
【００６１】
カセット４の上端には、ハンドル３０が取付けられている。ハンドル３０は、前後に間隔を隔てる２つの遊端部を有する略Ｕ字形状である。ハンドル３０において、前側の遊端部３０Ａは、カセット４の前面において溝２９より上側の部分によって支持されており、
後側の遊端部（図示されていない）は、カセット４の後面において溝２９より上側の部分によって支持されている。これにより、ハンドル３０全体は、カセット４の上端によって回動自在に支持されている。そのため、ハンドル３０を適宜回動させることでハンドル３０を良好に掴み、カセット４をぶら下げた状態で移動させることができる。
【００６２】
カセット４は、図５（ｂ）に示すように、所定の種類の複数枚の景品２を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で、（厚さ３ｍｍの景品の場合は）最大でたとえば１００枚程度収納することができる。この状態で、積層状態にある景品２は、カセット４の底壁４Ａに載置されている。
【００６３】
景品２が収納されたカセット４は、図４に示すように、開放された下ケーシング２２の上面を介して、下ケーシング２２に対して上から装填され、対応するカセットホルダ２３によって保持される。詳しくは、カセット４の装填に伴い、各カセット４の４つの溝２９（図５も参照）に、対応するカセットホルダ２３の４本の保持レール２５が外側から嵌り込み、カセット４は、４本の保持レール２５によって外側から囲まれることで位置決めされる。このように、カセット４は、対応するカセットホルダ２３によって保持される。
【００６４】
ここで、下ケーシング２２において、カセットホルダ２３は、左右に２つ並ぶように配置されているので、左右に並ぶカセットホルダ２３のそれぞれに保持されたカセット４は、左右に並んで配置される。このとき、左右に並んで配置された２つのカセット４のうち、左側のカセット４の開放部２８と、右側のカセット４の開放部２８とが水平方向において対向している。つまり、各カセット４は、その開放部２８が下ケーシング２２の幅方向中央を向くように、下ケーシング２２に装填されている。
（３）搬送機構
図３を参照して、上述した４つの搬送機構２４は、下ケーシング２２内において、前後に並んで配置されている（図３では１つの搬送機構２４が図示されている。）。各搬送機構２４は、下ケーシング２２内において左右に並ぶカセットホルダ２３（換言すれば左右に並ぶカセット４）の間に配置されている（後述する図８、図１３参照）。
【００６５】
図６は、搬送機構２４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、搬送ユニット３２が下限位置にある状態を示し、（ｂ）は、搬送ユニット３２が上昇途中にある状態を示している。
【００６６】
図６（ａ）に示すように、各搬送機構２４は、垂直方向に延びる支持レール３１と、搬送ユニット３２と、モータ（搬送ユニット移動用モータ）３３とを含んでいる。
【００６７】
搬送ユニット３２は、支持レール３１によって上下方向へスライド自在に支持されている。この状態で、搬送ユニット３２は、搬送機構２４の左右両側にあるカセットホルダ２３のいずれか一方に装填されたカセット４の開放部２８（図５参照）に対して水平方向から対向している（図８参照）。
【００６８】
モータ３３は、支持レール３１の下端に固定されている。モータ３３が駆動されると、モータ３３の駆動力が、ベルトやチェーンなどの伝達部材を介して搬送ユニット３２に伝達され、搬送ユニット３２が、支持レール３１に支持された状態で、上下方向へスライドする。これにより、図６（ｂ）に示すように、搬送ユニット３２は、カセット４に収納された景品２を、カセット４の開放部２８（図５参照）から取り出し、上方へ搬送することができる。ここで、上限近傍にあるときの搬送ユニット３２の位置を待機位置という。
【００６９】
また、搬送機構２４は、垂直方向に延びる支持レール３１を中心として、回動することができる。これにより、図６の姿勢を基準として、右前に向いていた搬送ユニット３２が
、搬送機構２４が１８０°回動することによって、左後へ向く（図示されていない）。搬送機構２４の回動については、以降で再度説明する。
【００７０】
図７Ａ〜図７Ｆは、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【００７１】
ここで、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する手順を説明する前に、図７Ａ〜図７Ｆを参照して、搬送ユニット３２の計数機能および搬送機能について説明する。
【００７２】
なお、図７Ａ〜図７Ｆを参照するにあたって、搬送ユニット３２は、搬送機構２４に対して左側に位置するカセット４の開放部２８に対して、右から対向しているものとし（後述する図８（ｄ）参照）、このときの搬送ユニット３２の姿勢を基準として、搬送ユニット３２における左右の向きを特定する。そのため、図７Ａ〜図７Ｆに示す状態とは異なり、搬送ユニット３２が、搬送機構２４に対して右側に位置するカセット４の開放部２８に対して左から対向している場合には（後述する図８（ａ）〜（ｃ）参照）、搬送ユニット３２における左右の向きは、図７Ａ〜図７Ｆを参照したときとは逆になる。
【００７３】
搬送ユニット３２の機能には、上述した景品２を搬送する機能（搬送機能）だけでなく、各カセット４内の景品２の枚数を計数する機能（計数機能）も含まれている。さらに、この搬送機能によれば、単にカセット４内の景品２を１枚ずつ搬送するのではなく、景品２を必要枚数分まとめて搬送することができる。
（３−１）計数機能
搬送ユニット３２は、図７Ａに示すように、略ボックス形状のフレーム３５（図６（ａ）も参照）を備え、さらに、計数機能に関連して、揃え部３６とセンサ３７とを備えている。揃え部３６およびセンサ３７は、カセット４に積層状態で収納された景品２を１枚ずつ計数する機能を有する計数部６０を構成する。
【００７４】
また、上述したように搬送ユニット３２が上下方向（カセット４における景品２の積層方向）へスライド自在であることから、搬送ユニット３２に備えられた揃え部３６およびセンサ３７（計数部６０）は、上下方向に相対変位可能である。
【００７５】
揃え部３６は、フレーム３５に一体的に設けられた略台形状のリブであり、フレーム３５の幅方向外側（図７Ａでは左側）へ向けて上下に狭くなるように突出している。揃え部３６の左端部は、図７Ａにおけるフレーム３５の左面（搬送機構２４に対して左側に位置するカセット４の開放部２８（図５参照）に対向する面であり、対向面３５Ａという。）よりも左側（カセット４側）へはみ出ている。
【００７６】
センサ３７は、揃え部３６と上下方向において一致する位置において、フレーム３５の対向面３５Ａに取り付けられている。センサ３７は、いわゆる反射型の光学センサであり、赤外線ＬＥＤ等から構成される発光素子（図示せず）と、発光素子（図示せず）から発光された光のうち、検知物に当たって反射した光を受ける受光素子（図示せず）とを備えている。
【００７７】
搬送ユニット３２は、揃え部３６およびセンサ３７（計数部６０）を備えることで、カセット４内に収納された景品２の枚数を数えることができる。景品２の計数は、景品払出機１に備えられた制御部２００，３００（図１４，１５参照）によって、搬送機構２４の駆動装置２０１（図１５参照）および光学センサ３７が制御されることにより、実行される。
【００７８】
計数が実行されるのにあたって、まず、搬送ユニット３２の対向面３５Ａが、カセット
４に積層状態で収納された景品２の側面（図７Ａでは右面）２Ａに対してカセット４の開放部２８を介して右側から対向した状態で、搬送ユニット３２が、上述した待機位置から下方へスライドする。ここで、カセット４に積層状態で収納された全ての景品２の（右）側面２Ａをまとめて積層側面２Ｂという。搬送ユニット３２が下方へスライドする際、揃え部３６が、カセット４に積み重ねられた景品２に対して、上側の景品２から順に、カセット４の開放部２８を介して右側から接触する。これにより、景品２は、上側の景品２から順に、カセット４の左壁の内面へ押し付けられていく。このとき、センサ３７は、積層側面２Ｂに対して、所定の間隔を隔てて右側から対向している。
【００７９】
そして、揃え部３６が全ての景品２に接触し終え、さらに、センサ３７が最下位にある景品２より低い位置に到達するまで搬送ユニット３２が下方へスライドすると、カセット４において上下に隣り合う景品２の右縁は、揃え部３６によって、上下方向に沿って直線状に並ぶように揃えられる。
【００８０】
なお、揃え部３６と似た形状を有する揃え部３８が、図７Ａにおけるフレーム３５の右面（搬送機構２４に対して右側に位置するカセット４の開放部２８に対向する面）に設けられている。そのため、搬送ユニット３２が上下にスライドする際には、搬送機構２４に対して左右の両側に位置する２つのカセット４のそれぞれにおける景品２の幅方向における縁が、対応する揃え部３６または３８によって一度に揃えられる。ここで、揃え部３６および３８が景品の縁を揃える動作は、対応するカセット４が下ケーシング２２に装填されたときに行なわれてもよい。
【００８１】
景品２の縁が揃えられた後、搬送ユニット３２は、待機位置へ向けて上方ヘスライドする。搬送ユニット３２の上方へのスライドに伴い、計数部６０のセンサ３７が、上述した景品２の積層側面２Ｂに対して所定の間隔を隔てて右側から対向した状態で上昇する。
【００８２】
センサ３７が上昇している最中において、センサ３７では、発光素子（図示せず）が、下側の景品２から順に、景品２の（右）側面２Ａに向けて投光し、この景品２の側面２Ａで反射される反射光が受光素子（図示せず）に受光される。ここで、上下に隣り合う景品２の側面２Ａの境界Ｘに発光素子（図示せず）からの光が当てられた場合、景品２の側面２Ａに光が当てられる場合と比べて、受光素子（図示せず）が受光する反射光の量（受光量）が変化する。
【００８３】
そのため、センサ３７において、受光素子（図示せず）での受光量が変化する毎に、搬送ユニット３２は、景品２が１枚あるとカウントする。そして、同様の手順により、搬送ユニット３２は、下側の景品２から順に１枚ずつ景品２をカウントして景品２の枚数を数え、待機位置に戻ったときには、全ての景品２の計数を完了する。
【００８４】
このように、この景品払出ユニット５には、カセット４に収納された景品２を１枚ずつ計数する機能を有する計数部６０が含まれている。そのため、この景品払出ユニット５を収容する景品払出機１（図２参照）では、カセット４に何枚の景品２が収納されているのかを把握することができる。
【００８５】
なお、各カセット４において上下に積層された景品２の計数結果は、各カセット４に収納された各景品２の上下方向における位置情報（つまり、上からＮ番目の景品２は上下方向においてどの位置にあるかという情報）を含んでいると言える。
（３−２）搬送機能
搬送ユニット３２は、搬送機能に関連して、フレーム３５に、爪４０（図６（ａ）も参照）と、支持レバー４１と、めくりローラ４２と、押えレバー４３と、カム４４と、リンクレバー４５と、モータ（景品分離用モータ）４６とをさらに備えている。爪４０、支持
レバー４１、めくりローラ４２、押えレバー４３、カム４４、リンクレバー４５およびモータ４６は、分離搬送部７０（分離搬送手段）を構成している。
【００８６】
爪４０は、前後方向（図７Ａの紙面に垂直な方向）において間隔を隔てて一対設けられている（図６（ａ）も参照）。各爪４０は、カセット４の景品２側（左側）へ略水平に突出する突出部４０Ａと、突出部４０Ａの突出方向上流側（右側）の端部から下向きに延びて下端部が右側に折り曲げられた延設部４０Ｂとを一体的に備えている。
【００８７】
支持レバー４１は、２本で１組をなしており、一対の爪４０と同様に、前後方向において間隔を隔てて一対（２組）設けられている。各組における２本の支持レバー４１は、左右に並ぶように配置されており、図７Ａの状態では、ともに、右上側へ向けて傾斜して延びている。各支持レバー４１の下端部は、フレーム３５によって支持されている。これにより、各支持レバー４１は、それぞれの下端部を中心として回動自在である。支持レバー４１の回動軸は、前後方向に沿って延びている。そして、各支持レバー４１の上端部は、前後方向で同じ側にある爪４０の延設部４０Ｂの下端部に接続されている。この状態で、各支持レバー４１の上端部は、対応する爪４０の延設部４０Ｂに対して回動可能である。
【００８８】
支持レバー４１が下端部を中心に回動することで、一対の爪４０は、カセット４の景品２の積層側面２Ｂから右側へ離れてフレーム３５の対向面３５Ａより右側にある退避位置（図７Ａおよび図７Ｂ参照）と、突出部４０Ａのほとんどが対向面３５Ａより左側にあり、景品２の積層側面２Ｂよりも左側へ進出した進出位置（図７Ｆ参照）との間で、略水平方向に沿って進退することができる。
【００８９】
詳しくは、支持レバー４１が、下端部を中心として図７Ａにおける時計回りの方向における限界まで回動したときに、爪４０は、退避位置にあり、支持レバー４１が、下端部を中心として反時計回りの方向における限界まで回動したときに、爪４０は、進出位置にある。爪４０は、図示しない付勢部材によって、進出位置へ向かう方向へ付勢されており、これに応じて、支持レバー４１は、下端部を中心とする反時計回りの方向へ付勢されている。
【００９０】
めくりローラ４２は、フレーム３５の対向面３５Ａの上端に配置されており、フレーム３５によって支持されている。めくりローラ４２は、前後方向に延びる軸を中心として回転自在である。めくりローラ４２の外周面の一部（左端部）は、フレーム３５の対向面３５Ａよりも左側（カセット４側）へはみ出ている。めくりローラ４２の回転軸は、爪４０の突出部４０Ａに対して僅かに高い位置にある。
【００９１】
押えレバー４３は、上向きに延びており、上側へ向かうのに従って細くなっている。押えレバー４３は、上側へ向かうのに従って、フレーム３５の対向面３５Ａから左側へ露出され、カセット４の景品２の積層側面２Ｂ側（左側）へ若干傾いている。押えレバー４３の上下方向途中には、前後方向に延びる支持軸４３Ａが挿通されている。支持軸４３Ａは、フレーム３５によって支持されている。これにより、押えレバー４３は、支持軸４３Ａを中心として、支持軸４３Ａに対して揺動自在である。押えレバー４３は、その上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近するように（左側へ向かうように）、図示しない付勢部材によって付勢されている。
【００９２】
押えレバー４３で景品２の積層側面２Ｂに対向しない右縁において、支持軸４３Ａより下側の部分には、左側へ略Ｖ字状に窪む切欠き４３Ｂが形成されている。
【００９３】
カム４４は、押えレバー４３の切欠き４３Ｂの近傍（詳しくは切欠き４３Ｂの右側）に配置されている。カム４４は、前後方向に延びてフレーム３５によって回転自在に支持さ
れた筒部４４Ａと、筒部４４Ａの外周面の周上１箇所において、筒部４４Ａの径方向外側へ突出する凸部４４Ｂとを一体的に備えている。
【００９４】
図７Ａでは、カム４４の凸部４４Ｂが、左側を向いており、押えレバー４３の右縁における切欠き４３Ｂより下側の部分に対して右側から接触している。これにより、押えレバー４３の上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近する方向へ押えレバー４３が揺動しようとすることが規制されている。そして、この状態では、押えレバー４３は、景品２の積層側面２Ｂに対して所定距離だけ右側に位置している。
【００９５】
リンクレバー４５は、前後方向において間隔を隔てて一対設けられている。リンクレバー４５は、カム４４の下方かつ、前後方向で同じ側にある支持レバー４１よりも景品２に近い側（左側）に配置されている。リンクレバー４５の長手方向一端部には、前後方向に延びる支持軸４５Ａが挿通されている。支持軸４５Ａは、フレーム３５によって回転自在に支持されている。これにより、リンクレバー４５は、支持軸４５Ａを中心として、支持軸４５Ａとともに回転自在である。そして、リンクレバー４５の長手方向他端には、前後方向に突出するボス４５Ｂが一体的に設けられている。
【００９６】
図７Ａでは、ボス４５Ｂが、支持軸４５Ａより右側にあり、前後方向で同じ側にある１組の支持レバー４１（詳しくは左側の支持レバー４１）に対して、左側（カセット４の景品２側）から当接して支持レバー４１を位置決めしており、これにより、爪４０が退避位置に位置決めされている。
【００９７】
モータ４６は、たとえば、リンクレバー４５より高い位置に配置されている。モータ４６の出力軸４６Ａは、前後方向に延びている。
【００９８】
そして、モータ４６の出力軸４６Ａと、リンクレバー４５の回転軸（支持軸４５Ａ）との間には、無端状の第１ベルト４７が巻回されている。リンクレバー４５の回転軸と、カム４４の回転軸（筒部４４Ａ）との間には、無端状の第２ベルト４８が巻回されている。カム４４の回転軸と、押えレバー４３の揺動軸（支持軸４３Ａ）との間には、無端状の第３ベルト４９が巻回されている。押えレバー４３の揺動軸と、めくりローラ４２の回転軸との間には、無端状の第４ベルト５０が巻回されている。
【００９９】
モータ４６が駆動されると、モータ４６が発生した駆動力が、第１ベルト４７、第２ベルト４８、第３ベルト４９、第４ベルト５０を介して、リンクレバー４５、カム４４、めくりローラ４２に対して、この順で伝達される。これにより、リンクレバー４５、カム４４、めくりローラ４２は、図７Ａにおける時計回りの方向へ回転する。一方、押えレバー４３には、モータ４６が発生した駆動力は伝達されない。
【０１００】
なお、フレーム３５には、第１センサ５１と第２センサ５２とが設けられている。第１センサ５１は、支持レバー４１の位置を検知する。第２センサ５２は、リンクレバー４５の位置を検知する。
【０１０１】
次に、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する手順を説明する。
【０１０２】
まず、搬送ユニット３２が待機位置（上限近傍）にあり、爪４０が退避位置にある状態において、景品２を所定の払出枚数分（ここでは１枚とする。）だけ払い出すとの命令が、上述した制御部２００から搬送ユニット３２に下る。これにより、搬送ユニット３２は、フレーム３５の対向面３５Ａがカセット４に収納された景品２に対して右から対向した状態で、下降する（太線矢印参照）。下降に伴い、搬送ユニット３２は、計数部６０のセンサ３７によって上述したように、積層された景品２を、上の景品２から順に計数する。
【０１０３】
そして、搬送ユニット３２は、払出枚数分（ここでは１枚）まで景品２を計数すると、図７Ｂに示すように、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに爪４０の突出部４０Ａが上下方向で一致するまで、さらに下降する（太線矢印参照）。
【０１０４】
図７Ｃに示すように、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに爪４０の突出部４０Ａが上下方向で一致すると、搬送ユニット３２は下降をやめて停止する。この際、モータ４６が駆動され、これにより、分離搬送部７０におけるめくりローラ４２、カム４４およびリンクレバー４５が時計回りに回転（回動）し始める。
【０１０５】
ここで、めくりローラ４２では、その外周面の一部（左端部）が、払い出す景品２のうち最も下側にある景品２の側面（右面）２Ａに接触している。そのため、めくりローラ４２が時計回りに回転することによって、この景品２がめくりローラ４２によってめくり上げられる。これにより、払い出す景品２と払い出さない景品２との間に、隙間Ｙが形成される。なお、ここでは、払い出す景品２の枚数が１枚なので、１枚の景品２がめくり上げられているが、複数枚の景品２を払い出すときには、払い出す景品２のうち最も下側にある景品２がめくりローラ４２によってめくり上げられることで、複数枚の景品２全てが一塊（景品群）となってめくり上げられる。
【０１０６】
また、このときには、カム４４の回転に伴って、カム４４の凸部４４Ｂが、押えレバー４３の切欠き４３Ｂに一致する。その結果、上述したカム４４の凸部４４Ｂによる押えレバー４３の揺動の規制（図７Ａおよび図７Ｂ参照）が解除され、押えレバー４３は、切欠き４３Ｂがカム４４の凸部４４Ｂに近付く方向（換言すれば押えレバー４３の上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近する方向）へ、揺動する。これに伴い、押えレバー４３の上端部が、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側（右上側）から押える。これにより、めくりローラ４２が、払い出す景品２をめくり上げても、その景品２の真下にある払い出さない景品２までもがめくり上げられることはない。
【０１０７】
そして、図７Ｄに示すように、引き続きモータ４６が駆動されることで、めくりローラ４２がさらに時計回りに回動すると、払い出す景品２がさらにめくり上げられ、払い出す景品２と払い出さない景品２との隙間Ｙが上下に大きくなる。なお、このときも、押えレバー４３は、その上端部において、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側から押えている。
【０１０８】
また、上述したようにリンクレバー４５が時計回りの方向へ回転（回動）することによって、支持レバー４１に対して左側（カセット４の景品２側）から当接していたボス４５Ｂは、支持レバー４１に当接した状態を保ちつつ、時計回りの方向へ回動しながら、カセット４の景品２側（左側）へ移動する。なお、支持レバー４１においてボス４５Ｂに当接される部分（左縁）は、ボス４５Ｂが円滑に回動できるように、ボス４５Ｂの回動軌跡に沿って湾曲している。
【０１０９】
そして、支持レバー４１は、上述したように下端部を中心とする反時計回りの方向へ付勢されているので、リンクレバー４５のボス４５Ｂが左側へ移動するのに伴い、反時計回りの方向（左側）へ移動する。これに伴い、リンクレバー４５に連結された爪４０も左側へ移動する。ここで、爪４０の突出部４０Ａは、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに上下方向で一致しているので（図７Ｃも参照）、爪４０が左側へ移動するのに伴い、境界Ｘから、上述した隙間Ｙに進入し、払い出す景品２と払い出さない景品２とを分離し始める。
【０１１０】
その後、引き続きモータ４６が駆動されることで、リンクレバー４５がさらに時計回り
に回動すると、リンクレバー４５のボス４５Ｂが、一瞬、支持レバー４１に対して左側へ外れる。これにより、支持レバー４１は、反時計回りの方向（左側）へ一気に回動し、これに伴い、爪４０の突出部４０Ａが、上述した隙間Ｙ内を左側へ一気に移動する。
【０１１１】
その後、一瞬支持レバー４１から外れたリンクレバー４５のボス４５Ｂが、図７Ｅに示すように、支持レバー４１に対して、再び左側から当接し、これにより、支持レバー４１の回動および爪４０の移動が停止する。このとき、爪４０は、上述した進出位置にある。
【０１１２】
つまり、リンクレバー４５のボス４５Ｂが、一瞬、支持レバー４１に対して左側へ外れたときに、爪４０は、一瞬で進出位置に到達する。なお、爪４０が進出位置にないときには支持レバー４１が第１センサ５１に一致している一方で（図７Ａ〜図７Ｄ参照）、爪４０が進出位置にあるときには支持レバー４１が第１センサ５１から離れるので（図７Ｅおよび図７Ｆ参照）、第１センサ５１は、支持レバー４１が離れるのに応じて、爪４０が進出位置に到達したことを検知する。
【０１１３】
進出位置に到達した爪４０は、払い出す景品２をすくい上げることで、払い出す景品２と払い出さない景品２とを完全に分離し、払い出す全て（ここでは1 枚だけ）の景品２は、爪４０の突出部４０Ａに載置される。なお、このときも、押えレバー４３は、その上端部において、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側から押えている。また、払い出す全ての景品２が爪４０の突出部４０Ａに載置されるときには、モータ４６の駆動が停止している。
【０１１４】
このように払い出す景品２と払い出さない景品２とが完全に分離された後、図７Ｆに示すように、搬送ユニット３２は、待機位置に向かって上昇する（太い実線矢印参照）。これにより、搬送ユニット３２の爪４０の突出部４０Ａに載置された全ての景品２は、搬送ユニット３２とともに上昇する（図６（ｂ）も参照）。つまり、搬送ユニット３２（詳しくは分離搬送部７０）は、払い出す枚数の景品２を上方へ搬送する。
【０１１５】
なお、爪４０の突出部４０Ａに載置された景品２が、客に払出されると（詳しくは、後述する図９に示すように上ユニット２１側に受け渡されると）、モータ４６が再び駆動される。
【０１１６】
これにより、カム４４が時計回りに回動し（このとき、カム４４は１回転を終えたことになる。）、カム４４の凸部４４Ｂが、図７Ａに示すように、再び左側を向き、押えレバー４３の右縁における切欠き４３Ｂより下側の部分に対して右側から接触する。これにより、押えレバー４３は、景品２の積層側面２Ｂに対して所定距離だけ右側に位置した状態（景品２に接触しない状態）で位置決めされる。
【０１１７】
また、リンクレバー４５が、図７Ｆに示す状態から時計回りの方向へ回動することにより、ボス４５Ｂが、支持レバー４１に左側から当接した状態で、景品２の積層側面２Ｂから離れる方向（右側）へ移動する。この際、支持レバー４１は、ボス４５Ｂに押されることで時計回りの方向（右側）へ回動し、これに伴い、爪４０は、右側へ移動して、リンクレバー４５の回動が停止したとき（このとき、リンクレバー４５は１回転を終えたことになる。）には、図７Ａに示す退避位置に戻る。
【０１１８】
以上で説明した場合（第１の場合という。）では、搬送ユニット３２は、計数部６０によって、払い出す分（払出枚数分）だけ景品２を計数してから、払い出す景品２を、分離搬送部７０によって、カセット４における残りの景品２から分離して搬送している。
【０１１９】
しかし、搬送ユニット３２が、上述したようにカセット４の全ての景品２の枚数を予め
計数することで計数結果から各景品２の位置を予め把握し、その後、搬送ユニット３２が、計数動作を伴わずに、単に景品２を搬送してもよい。この場合（第２の場合という。）、搬送ユニット３２は、景品２を搬送するのに先立って、上述したように把握した景品２の位置情報に基づいて、払い出す景品２のところまで移動し（図７Ｃ参照）、分離搬送部７０によって、景品２を分離搬送する。
【０１２０】
ここで、いずれの場合（上述した第１の場合および第２の場合）にも、搬送ユニット３２の分離搬送部７０は、カセット４に収納された景品２において、計数部６０（詳しくは、計数部６０の計数により得られる各景品２の位置情報）を利用して、所定の払出枚数に相当する景品群を特定し（図７Ｃ参照）、特定した景品群を他の景品２から分離して上方（所定方向）に搬送している（図６（ｂ）および図７Ｆ参照）。これにより、所定の払出枚数の景品２を払い出す場合には、当該払出枚数分の景品２を、１枚ずつ分離搬送することなく、まとめて迅速に搬送できるので（図６（ｂ）参照）、景品２の払い出しに掛かる時間の短縮化を図ることができる。
【０１２１】
また、上述した計数部６０が搬送ユニット３２に備えられているのに対し、分離搬送部７０も搬送ユニット３２に備えられているので、計数部６０と分離搬送部７０とは一体化されている。これにより、計数部６０と分離搬送部７０とそれぞれが単独で存在する場合に比べて、景品払出ユニット５において、景品２を分離搬送する機構に起因する装置の大型化を抑制し、景品払出ユニット５の構成を簡略化することができる。
【０１２２】
図８は、景品払出ユニット５の模式的な正断面図である。
【０１２３】
各搬送機構２４は、下ケーシング２２内において、左右に並ぶカセットホルダ２３（左右に並ぶカセット４）の間に配置されている。
【０１２４】
そして、搬送機構２４の搬送ユニット３２のフレーム３５の対向面３５Ａは、たとえば、図８（ａ）に示すように、まず、右側のカセットホルダ２３に装填された右側のカセット４に左から対向する。そして、上述した手順によって、右側のカセット４に収納された景品２を、払出枚数分だけ、上側の景品２から順に、上方の上ユニット２１に搬送する（図８（ｂ）参照）。
【０１２５】
この結果、図８（ｃ）に示すように、右側のカセット４の全ての景品２が搬送されて右側のカセット４が空になると、図８（ｄ）に示すように、搬送機構２４は、上述したように、垂直方向に延びる支持レール３１を中心として１８０°回動する（図８（ｄ）の太線矢印参照）。
【０１２６】
これにより、搬送ユニット３２のフレーム３５の対向面３５Ａは、左側のカセットホルダ２３に装填された左側のカセット４に右から対向し、今度は、左側のカセット４に収納された景品２を、上側の景品２から順に、上述した手順によって、分離し、上方へ搬送することができる。
【０１２７】
このように、１つの搬送機構２４は、左右のカセット４の間に配置されて、これら２つのカセット４におけるそれぞれの景品２を計数および分離搬送している。つまり、搬送機構２４（一体化された１組の計数部６０および分離搬送部７０）とカセット４とが、１対２の関係になっており、１つの搬送機構２４は、左右に並んで配置された２つのカセット４のそれぞれに収納された景品２に対して対応可能である。
［２−２−２］上ユニット
図９は、内部が露出された状態にある上ユニット２１を斜め上側から見た斜視図であって、搬送機構２４も一緒に示している。
【０１２８】
次に、上ユニット２１について説明する。
【０１２９】
図９に示すように、上ユニット２１は、その外郭をなす上ケーシング８０と、上ケーシング８０内に配置される保留ボックス８１およびエレベータ８２（図９には図示されず、後述する図１０を参照）とを含んでいる。保留ボックス８１は、受入部および搬送手段として機能する。
【０１３０】
上ケーシング８０は、前後方向に長手で上下に扁平なボックス形状である。なお、図９において、上ケーシング８０の前壁および右壁は省略されている。上ケーシング８０では、上面が開放されている。
【０１３１】
また、上ケーシング８０の底面には、上ケーシング８０内に連通する６つの開口８３が形成されている。６つの開口８３は、前後に３つ、左右に２つ並ぶように形成されている。各開口８３は、前後に長手の矩形状であり、特に、前後に３つ並ぶ開口８３において、真ん中にある開口８３は、残りの開口８３よりも前後方向に２倍程度大きい。
【０１３２】
下ユニット２０がキャビネット３（図２参照）内にある状態（下ユニット２０と上ユニット２１とが一体化された状態であり、図３参照）では、各開口８３は、対応するカセット４（図４参照）の開放された上面に対して真上から臨んでいる。
【０１３３】
つまり、左側で前後に並ぶ３つの開口８３において、最も前側の開口８３は、下ユニット２０において左側で前後に並ぶ４つのカセット４のうち、最も前側のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。また、左側で前後に並ぶ３つの開口８３において、最も後側の開口８３は、下ユニット２０において左側で前後に並ぶ４つのカセット４のうち、最も後側のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。一方、前後方向で真ん中にある開口８３は、前後に並ぶ４つのカセット４のうち、前から２番目および３番目のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。右側で前後に並ぶ３つの開口８３についても同様である。
【０１３４】
保留ボックス８１は、左右に２つ設けられている（図９では、保留ボックス８１が１つだけ図示されている。）。保留ボックス８１は、左右にやや薄いボックス形状であり、その上面および底面は、開放されている。
【０１３５】
保留ボックス８１の平断面は、カセット４と同様に、略コ字形状をなしている（図５参照）。図９に示す左側の保留ボックス８１では、右面が上下方向における全域において開放されており、図示されていない右側の保留ボックス８１では、左面が上下方向における全域において開放されている。各保留ボックス８１において、このように開放された部分を、開放部８４という。開放部８４は、保留ボックス８１の開放された上面および底面の両方に対して連続している。
【０１３６】
左側の保留ボックス８１は、上ケーシング８０の左壁によって前後方向へスライド自在に支持されており、右側の保留ボックス８１（図示せず）は、上ケーシング８０の右壁によって前後方向へスライド自在に支持されている。左右の保留ボックス８１は、図示しないモータにより、互いに連動することなく、単独でスライドすることができる。
【０１３７】
そして、各保留ボックス８１は、前後にスライドする際に、左右方向において同じ側で前後に並ぶ３つの開口８３の上方を通過する。
【０１３８】
ここで、左側における最も前側の開口８３を参照して、上述したように搬送ユニット３
２（分離搬送部７０）が、この開口８３の下方にあるカセット４（図４参照）の景品２を上方へ搬送する際、左右方向で同じ側にある保留ボックス８１（ここでは左側の保留ボックス８１）は、搬送される景品２の真上に位置するように移動してから、この位置で待機する。
【０１３９】
そして、搬送ユニット３２の分離搬送部７０によって上方へ搬送されてきた景品２は、この景品２を収納していたカセット４の上方にある開口８３（ここでは、左側における最も前側の開口８３）と、待機している保留ボックス８１の開放された底面とを順に通過し、保留ボックス８１内に収容される。つまり、保留ボックス８１は、カセット４に対して上方（上下方向における隣）に配置され、分離搬送部７０が搬送してきた景品２を受け入れる。この後、搬送ユニット３２は、元の位置（上述した待機位置）へ戻る。
【０１４０】
なお、保留ボックス８１内に景品２が収容されると、保留ボックス８１に設けられた爪（図示せず）が、保留ボックス８１内に突出し、保留ボックス８１内で最も下側にある景品２に対して下から係合する。これにより、保留ボックス８１内に収容された景品２が保留ボックス８１の底面から落下することはない。
【０１４１】
図１０は、内部が露出された状態にある上ユニット２１の斜視図であって、エレベータ８２を示している。図１１は、図１０において、エレベータ８２の伸縮機構８７が伸長状態に姿勢を変えた様子を示している。
【０１４２】
図１０に示すように、エレベータ８２は、上ケーシング８０の底壁の前後方向略中央位置にあり、上ケーシング８０の底壁において左右に隣り合う開口８３の間で前後に延びる部分（リブ８５という。）に上から取り付けられている。この状態で、エレベータ８２は、リブ８５上で前後に移動することができる。エレベータ８２は、左右に間隔を隔てて配置される２枚の水平な板状のステージ８６と、伸縮機構８７とを含んでいる。
【０１４３】
２枚のステージ８６のうち、左側のステージ８６は、左側で前後に３つ並ぶ開口８３における真ん中の開口８３に対して上から臨んでおり、右側のステージ８６は、右側で前後に３つ並ぶ開口８３における真ん中の開口８３に対して上から臨んでいる。この状態で、２枚のステージ８６は、連結部材８８によって連結され、一体化されている。
【０１４４】
伸縮機構８７は、いわゆるパンタグラフ構造であり、図１０に示すように上下に扁平な収縮状態と、上側へ伸び出た伸長状態（図１１参照）とに姿勢を変えることができる。伸縮機構８７では、その前後方向略中央部分（上昇部分８９という。）が、伸縮機構８７が収縮状態から伸長状態へ姿勢を変えるときに最も上昇する。伸縮機構８７が収縮状態と伸長状態との間で姿勢を変える際、上昇部分８９は、垂直方向に沿って直線的に上下する。２枚のステージ８６を連結する連結部材８８は、伸縮機構８７の上昇部分８９に上から取り付けられている。
【０１４５】
図１０に示すように伸縮機構８７が収縮状態にあるときには、各ステージ８６は、左右方向で同じ側にある保留ボックス８１の底面よりも低い位置にある。図１１に示すように伸縮機構８７が伸長状態にあるときには、各ステージ８６は、左右で同じ側にある保留ボックス８１（図１０では、左側の保留ボックス８１だけが図示されている。）よりも高い位置にあり、キャビネット３の上面において左右方向で同じ位置にある払出口８（図２参照）に一致する。
【０１４６】
ここで、上述したように保留ボックス８１内に景品２が収容されると、保留ボックス８１は、前後方向にスライドし、図１０に示すように、左右方向で同じ側にあるステージ８６の真上（換言すれば払出口８の真下）で停止する。つまり、保留ボックス８１は、受け
入れた景品２を所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送する。このとき、伸縮機構８７は、収縮状態にある。
【０１４７】
このように、保留ボックス８１は、搬送ユニット３２（図９参照）によって搬送された景品２を払出口８側へ搬送した後、搬送された景品２を払出口８の下方で保留することから、上述した第２搬送部１１および保留部１２として機能している。保留ボックス８１により、カセット４から搬送された景品２を、払出口８へ向けて確実に搬送することができる。
【０１４８】
なお、ステージ８６の真下に位置するカセット４の景品２を払い出す場合には、ステージ８６を含むエレベータ８２全体が、このカセット４に対して前後のどちらかへずれる。そして、このカセット４から搬送された景品２が保留ボックス８１内に収容されると、払出口８の真下にステージ８６が配置されるように、エレベータ８２が元の位置に戻る。
【０１４９】
そして、このように保留ボックス８１が景品２を所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送すると、収縮状態にあった伸縮機構８７が、図１１に示すように、伸長状態へと姿勢を変える。これにより、保留ボックス８１の真下にあったステージ８６が、垂直方向に沿って上昇する。この際、このステージ８６は、保留ボックス８１の開放された底面を通過し、その後、保留ボックス８１に収容された景品２のうち最も下側に位置する景品２の底面を下から押し上げる。これにより、保留ボックス８１に収容された全ての景品２は、ステージ８６に載置された状態で上昇する。
【０１５０】
そして、伸縮機構８７が伸長状態になったときには、保留ボックス８１に収容されていた全ての景品２は、ステージ８６によって持ち上げられ、保留ボックス８１の開放された上面よりも上方へ移動する。このとき、キャビネット３の上面において左右方向で同じ位置にある払出口８（図２参照）が開放されており、保留ボックス８１の開放された上面よりも上方へ移動した景品２は、開放された払出口８からキャビネット３の上面に露出される。つまり、エレベータ８２は、保留ボックス８１によって所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送された景品２を払出口８へ持ち上げていることから、上述したリフト部１３として機能している。エレベータ８２により、搬送ユニット３２の分離搬送部７０（図９参照）がカセット４から搬送した景品２を、景品払出機１の払出口８へ向けて確実に搬送することができる。
【０１５１】
ここで、図２を参照して、払出口８を開閉するシャッタ９は、払出口８を開放したときには、払出口８に対して前側（係員側）にずれている（この状態は図示せず）。上述したように景品２が払出口８から露出されると、シャッタ９は、後側（客側）へスライドし、景品２を後側の客へ向けて押し出しつつ、払出口８を閉じる。この後、伸縮機構８７は、収縮状態に戻る（図１０参照）。
【０１５２】
図１２は、景品払出機１の模式的な側断面図である。
【０１５３】
図１２を参照して、以上で説明した本発明の景品払出機１の各景品払出ユニット５における景品２の払い出し動作をまとめる。なお、図１２の太線矢印は、払い出される景品２（図５（ｂ）参照）の流れを示している。
【０１５４】
各景品払出ユニット５において、下ユニット２０の各カセット４に収納された景品２は、必要な枚数（払出枚数）だけ分離された後、上向きへ搬送されて上ユニット２１内に受け渡される。その後、上ユニット２１内に受け渡された景品２は、中央位置（払出口８の真下）へ搬送される。次に、払出口８のシャッタ９が開放されるとともに、景品２が、エレベータ８２によって払出口８まで持ち上げられ、最後に、払出口８を閉じようとするシ
ャッタ９によって後側（図１２における右側）に押し出され、客に払い出される。
【０１５５】
図１２に示すように、各景品払出ユニット５の下ユニット２０には、各カセットホルダ２３にカセット４が装填されているか否かを検出するためのカセット脱着検知スイッチ２０５が設けられている。また、各景品払出ユニット５の下ユニット２０の後端部には、下ユニット２０がキャビネット３内の景品払出可能位置に挿入（セット）されているか否かを検知するためのユニット挿入検知スイッチ２０６が設けられている。なお、下ユニット２０が景品払出可能位置に挿入されている状態とは、キャビネット３内の上ユニット２１に対して、下ユニット２０が図３に示す位置にある状態をいう。
【０１５６】
また、この景品払出機１では、景品払出ユニット５毎に独立して景品の計数を行うことが可能である。ただし、下ユニット２０が引き出されている（景品払出可能位置に挿入されていない）景品払出ユニット５においては、景品の計数を行うことができない。下ユニット２０が景品払出可能位置に挿入されている景品払出ユニット５においては、下ユニット２０が引き出されている状態の他の景品払出ユニット５が存在していても、景品の計数を行なうことが可能である。
【０１５７】
図１３は、下ユニット２０の概略平面図である。
【０１５８】
各景品払出ユニット５において、左右に隣り合う２つのカセットとそれらのカセットの間にある搬送機構２４とによって１つの払出ブロックが構成されているとすると、各景品払出ニット５には４つの払出ブロックが前後方向に並んで設けられている。
【０１５９】
図１３は、第１ユニット５の下ユニット２０を示しており、左列の４個のカセット４には、前から後に向かってＮｏ.１〜Ｎｏ．４の番号が付けられ、右列の４個のカセット４には、前から後に向かってＮｏ.５〜Ｎｏ．８の番号が付けられている。また、４つの払出ブロックには、前から順に、Ｂ１〜Ｂ４の符号が付けられている。
【０１６０】
１つの景品払出ユニット５において、各払出ブロック毎に払出動作または計数動作を独立して行なうことが可能である。ただし、各払出ブロックにおいては、両方のカセットに対して同時に払出動作または計数動作を行なうことはできない。つまり、各払出ブロックにおいては、指定された片方のカセットに対してのみ払出動作または計数動作を行なうことができる。したがって、払出ブロック内の一方のカセットに対して払出動作または計数動作が行なわれている場合には、他方のカセットは払出不可能状態となる。
［３］景品払出機１の電気的構成
図１４は、景品払出機１の電気的構成を示している。
【０１６１】
景品払出機１は、各景品払出ユニット５を制御するユニット制御部２００Ａ〜２００Ｄと、これらのユニット制御部２００Ａ〜２００Ｄを制御する統括側制御部（本体側制御部）３００とを備えている。各ユニット制御部２００Ａ〜２００Ｄは、統括側制御部３００に接続されている。ユニット制御部２００Ａは第１ユニット５を制御し、ユニット制御部２００Ｂは第２ユニット５を制御し、ユニット制御部２００Ｃは第３ユニット５を制御し、ユニット制御部２００Ｄは第４ユニット５を制御する。各ユニット制御部２００Ａ〜２００Ｄを総称する場合には、ユニット制御部２００と呼ぶ。
【０１６２】
統括側制御部３００および各ユニット制御部２００は、それぞれＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭなどを備えている。統括側制御部３００は、景品払出制御、景品入庫数管理、景品在庫管理、景品管理機１００との通信等を行う。各ユニット側制御部２００は、景品の払出し、景品の計数等を行なう。
【０１６３】
統括側制御部３００には、各ユニット側制御部２００の他、通信部３０１、操作部３０２、客用表示部７Ａ、係員用表示部７Ｂ、記憶部３０３等が接続されている。記憶部３０３は、たとえば不揮発性メモリである。通信部３０１は、景品管理機１００と通信を行うためのものである。
【０１６４】
図１５は、ユニット側制御部２００およびその入出力機器を示している。
【０１６５】
ユニット側制御部２００には、制御対象の景品払出ユニット５内に設けられた電気機器が接続されている。具体的には、ユニット側制御部２００には、搬送機構２４の駆動装置２０１、光学センサ３７、保留ボックス８１の駆動装置２０２、エレベータ８２の駆動装置２０３、シャッタ９の駆動装置２０４、各カセット脱着検知スイッチ２０５、ユニット挿入検知スイッチ２０６、記憶部２０７等が接続されている。記憶部２０７は、たとえば不揮発性メモリである。
【０１６６】
搬送機構２４の駆動装置２０１には、搬送ユニット３２を移動させるためのモータ３３や、搬送ユニット３２に搭載されかつ景品を分離させるためのモータ４６が含まれる。保留ボックス８１の駆動装置２０２には、保留ボックス８１を移動させるためのモータ、位置決め等に利用されるセンサ類が含まれる。エレベータ８２の駆動装置２０３には、エレベータ８２を移動させるためのモータや伸縮機構８７を伸縮させるためのソレノイド（またはモータ）が含まれる。シャッタ９の駆動装置２０４には、シャッタ９を開閉（スライド）させるためのモータが含まれる。
【０１６７】
図１６は、統括側制御部３００に接続された記憶部３０４に設けられているテーブルを示している。記憶部３０４には、景品払出機１内の景品の在庫管理を行うためのテーブルが設けられている。在庫管理を行なうためのテーブルには、”カセット別景品種類テーブルＴＡ１”（図１６（ａ））と、”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２” （図１６（ｂ））と、”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３” （図１６（ｃ））とがある。
【０１６８】
”カセット別景品種類テーブルＴＡ１”は、カセット毎にそれに収納される景品の種類が記憶されたテーブルである。”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”は、カセット毎の”景品在庫数”等の情報を記憶するテーブルである。具体的には、”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”には、カセット番号（カセットＮｏ．）毎に、現在庫数、前回在庫数、入庫総数、表示用入庫データおよび払出総数が記憶される。入庫総数とは、１営業日分の機内への景品入庫数（景品補充数）の総数をいう。表示用入庫データは、入庫数を表示する際に使用される入庫データをいう。払出総数とは、１営業日分の機内からの景品払出数の総数をいう。”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３”は、景品種類毎の”景品在庫数”を記憶するテーブルである。
【０１６９】
図１７は、各カセットに割り当てられたカセット番号（カセットＮｏ．）と、各カセットに収納される景品の種類の具体例とを示している。８列あるカセットの各列を、景品払出機１の前側（図２の手前側）から見て最も左側の列から順に、第１列、第２列、第３列、…、第８列ということにする。カセット番号は、景品払出機１の前側（図２の手前側）から見て、左側にある列ほど数字が小さくなり、かつ同じ列にあるカセット間においては前側のものほど数字が小さくなるように、各カセットに割り当てられている。この実施形態では、各カセットに、１〜３２のカセット番号がそれぞれ割り当てられている。
【０１７０】
また、この実施形態では、第１列および第２列のカセット（第１のユニット）に特大景品（５０００円相当）が収納され、第３列および第４列のカセット（第２のユニット）に大景品（１０００円相当）が収納され、第５列および第６列のカセット（第３のユニット）に中景品（５００円相当）が収納され、第７列および第８列のカセット（第４のユニッ
ト）に小景品（１００円相当）が収納される。
［４］景品管理機１００の電気的構成
図１８は、景品管理機１００の電気的構成を示している。
【０１７１】
景品管理機１００は、制御部４００を備えている。制御部４００は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭなどを備えている。制御部４００は、配下の景品払出機１に対する景品払出制御、配下の景品払出機１に対する在庫確認制御、配下の景品払出機１との通信を行なう。景品管理機１００が親機１００＿Ｍである場合には、制御部３００は、子機１００＿Ｓとの通信や、管理コンピュータ１５０との通信を行う。景品管理機１００が子機１００＿Ｓである場合には、制御部３００は、親機１００＿Ｍとの通信を行なう。
【０１７２】
制御部４００には、通信部４０１、バーコード・リーダ４０２、印字部４０３、操作部４０４、客用表示部４０５、係員用表示部４０６、記憶部４０７等が接続されている。記憶部４０７は、たとえば、不揮発性メモリである。景品管理機１００は、この実施形態では、配下の景品払出機１毎に、景品種類毎の景品在庫数を管理している。このため、記憶部４０７には、配下の景品払出機１毎に、景品種類別の景品在庫数を記憶するためのテーブル（景品種類別在庫管理テーブル）が設けられている。
［５］景品払出機１および景品管理機１００による処理
各景品払出機１の係員用表示部７Ｂ（この例ではタッチパネル付き表示部）には、待機中においては、例えば、図２３（ａ）または図２３（ｂ）に示すような画面が表示される。
【０１７３】
図２３（ａ）の画面５０１ａは、カセット毎の景品在庫数を表示する画面である。この画面５０１ａには、「カセット別在庫数」というタイトルと、「払出しできます。」というメッセージと、カセット毎の景品在庫数を模式的に示す図と、各種ボタンとが表示されている。カセット毎の景品在庫数を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される、景品種類（特大，大，中，小）を表す文字と、ボックス内に表示される、そのボックスに対応するカセット内の景品在庫数を表す数字と、ボックス内に表示される、景品種類を表す色とを含む。なお、景品種類を表す色は、各景品の外面の色と同一もしくは類似する色が予め設定されている。
【０１７４】
各種ボタンには、表示切替ボタン、メニューボタン、前回取引ボタン、在庫計数ボタンが含まれる。表示切替ボタンは、現在の画面５０１ａを、図２３（ｂ）に示す画面５０１ｂに切替えるためのボタンである。メニューボタンは、メニュー画面を表示させるためのボタンである。前回取引ボタンは、前回（直前に）行なわれた景品払出処理において払い出された景品の種類および景品数を表示するためのボタンである。在庫計数ボタンは、在庫確認指令（図２０のステップＳ１４参照）を入力するためのボタンである。
【０１７５】
図２３（ｂ）の画面５０１ｂは、景品種類毎の景品在庫数を表示する画面である。この画面５０１ｂには、「景品在庫数」というタイトルと、「払出しできます。」というメッセージと、景品種類毎の景品在庫数と、各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図と、各種ボタンとが表示されている。各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される、景品種類（特大，大，中，小）を表す文字と、ボックス内に表示される、景品種類を表す色とを含む。各種ボタンには、表示切替ボタン、メニューボタン、前回取引ボタン、在庫計数ボタンが含まれる。表示切替ボタンは、現在の画面５０１ｂを、図２３（ａ）に示す画面５０１ａに切替えるためのボタンである。
【０１７６】
景品管理機１００の操作部３０４には、図示しないが、在庫計数ボタン、テンキー等が設けられている。景品管理機１００の操作部３０４の在庫計数ボタンが操作されると、景
品管理機１００は、配下の景品払出機１に在庫確認コマンドを送信する。
［６］景品払出機１０３による処理
［６−１］ユニット側制御部２００による処理
ユニット側制御部２００は、主として制御対象の景品払出ユニット５を制御して、景品の払出しのための処理および景品を計数するための景品計数処理を行なう。景品計数処理には、２種類ある。１つは、制御対象の景品払出ユニット５の下ユニットが景品払出可能位置に挿入（セット）されたことが検知されたことに基づいて行なわれる入庫計数処理である。もう一つは、統括側制御部３００からの計数指令に基いて行なわれる通常計数処理である。
【０１７７】
また、ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５に設けられている各カセット脱着検知スイッチ２０５（図１３，図１５参照）の出力信号およびユニット挿入検知スイッチ２０６（図１３，図１５参照）の出力信号を監視している。この実施形態では、カセット脱着検知スイッチ２０５は、カセット４が装着されているときにオン、カセット４が装着されていないときにオフになるものとする。また、ユニット挿入検知スイッチ２０６は、制御対象の景品払出ユニット５の下ユニット２０が景品払出可能位置に挿入（セット）されている場合にオンとなり、景品払出ユニット５の下ユニット２０が景品払出可能位置から引き出されている場合にオフになるものとする。
【０１７８】
ユニット側制御部２００は、カセット脱着検知スイッチ２０５の出力信号がオフ（非装着状態）になったときに、対応するカセット番号に対してカセットが脱着されたことを記憶する。具体的には、対応するカセット番号に対する脱着有フラグＦＫをセット（ＦＫ=１）する。脱着有フラグＦＫは、対応するカセットを備えた景品払出ユニット５に対する計数処理（通常計数処理または入庫計数処理）が終了したときにリセットされる。
【０１７９】
また、各ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５の状態（ユニット状態）を、統括側制御部３００に通知できるようになっている。景品払出ユニット５の状態には、「入庫計数中状態」と、「通常計数中状態」と、「ユニット挿入状態」と、「ユニット抜け状態」とがある。「入庫計数中状態」とは、ユニット側制御部２００が、ユニット挿入検知に基づいて、景品払出ユニット５内の少なくとも１つのカセットに対して計数処理（入庫計数処理）を行なっている状態をいう。「通常計数中状態」とは、統括側制御部３００からの計数指令に基づいて、ユニット側制御部２００が景品払出ユニット５内の少なくとも１つのカセットに対して計数処理（通常計数処理）を行なっている状態をいう。
【０１８０】
「ユニット挿入状態」とは、制御対象の景品払出ユニット５が景品払出可能位置に挿入（セット）されているが、計数処理（入庫計数処理または通常計数処理）が行なわれていない状態をいう。「ユニット抜け状態」とは、制御対象の景品払出ユニット５の下ユニット２０が景品払出可能位置から引き出されている状態をいう。
【０１８１】
また、各ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５内の各カセット４について、景品払出可能状態であるか否かを示す情報（カセット状態）を、統括側制御部３００に通知できるようになっている。
【０１８２】
統括側制御部３００は、各ユニット側制御部２００と周期的に通信を行って、各景品払出ユニット５の状態および各カセットの状態（景品払出可能状態または不可能状態）を取得する。そして、統括側制御部３００は、取得した情報に基づいて、各景品払出ユニット５の状態および各カセット４の状態（景品払出可能状態または不可能状態）を管理している。
【０１８３】
図１９は、ユニット側制御部２００によって実行される処理のうち、ユニット挿入検知に基づいて計数処理（入庫計数処理）を行なう場合の処理の手順を示している。
【０１８４】
ユニット側制御部２００は、ユニット挿入検知スイッチ２０６により、制御対象の景品払出ユニット５の下ユニット２０が、景品払出可能位置から外れた状態から景品払出可能位置に挿入されたことが検知されると（ステップＳ１でＹＥＳ）、制御対象の景品払出ユニット５内のカセットに対応するカセット脱着有フラグＦＫの中に、セット（ＦＫ=１）されているものがあるか否かを判別する（ステップＳ２）。カセット脱着有フラグＦＫの中にセットされているものがある場合には（ステップＳ２でＹＥＳ）、ユニット側制御部２００は、入庫計数処理を実行する（ステップＳ３）。入庫計数処理が開始されると、景品払出ユニット５の状態は、「入庫計数中状態」となる。入庫計数処理においては、ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５内のカセットのうち、カセット脱着有フラグＦＫがセット（ＦＫ=１）されているカセットに対して、計数処理を行なう。
【０１８５】
カセット４に景品を入庫（補充）するためには、景品払出ユニット５の下ユニット２０を景品払出可能位置から引出した後、一旦、カセット４をカセットホルダ２３から外す必要がある。カセットホルダ２３から外されたカセット４については、対応するカセット脱着有フラグＦＫがセット（ＦＫ=１）される。そこで、前記ステップＳ３の入庫計数処理では、景品が入庫された可能性のあるカセット４に対してのみ計数処理を行なうことにより、計数処理時間の短縮化を図っている。
【０１８６】
入庫計数処理が行なわれている場合には、ユニット側制御部２００は、１つのカセットに対する計数処理が終了する毎に、計数値情報（計数値とカセット番号とを含む情報）を総括側制御部３００に通知する。統括側制御部３００は、計数値情報を受信すると、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２（図１６（ｂ）参照）内の該当するカセット番号に対応する現在庫数を、受信した計数値に更新する。
【０１８７】
入庫計数処理が完了すると、ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５内の各カセットに対応するカセット脱着有フラグＦＫをリセット（ＦＫ=０）する。これにより、当該景品払出ユニット５の状態は、「ユニット挿入状態」となる。そして、ユニット側制御部２００は、今回の処理を終了する。
【０１８８】
前記ステップＳ２において、制御対象の景品払出ユニット５内のカセットに対応する全てのカセット脱着有フラグＦＫがリセット（ＦＫ=０）されている場合には（ステップＳ２でＮＯ）、ユニット側制御部２００は、入庫計数処理を行なうことなく、今回の処理を終了する。
【０１８９】
統括側制御部３００からの計数指令に基いて、ユニット側制御部２００が行う通常計数処理の詳細については、後述する。
［６−２］統括側制御部３００による処理
図２０は、統括側制御部３００によって実行される処理の手順を示している。
【０１９０】
統括側制御部３００は、電源がオンされると（ステップＳ１１でＹＥＳ）、在庫確認処理を行う（ステップＳ１２）。この在庫確認処理においては、統括側制御部３００は、各ユニット側制御部２００に計数指令を与えることにより、各景品払出ユニット５内の実際の景品在庫数を計数させる。そして、統括側制御部３００は、その計数結果に基づいて在庫管理データを更新するとともに、更新後の景品種類別の在庫数を景品管理機１００に通知する。この在庫確認処理の詳細については、後述する。
【０１９１】
ステップＳ１２の在庫確認処理が終了すると、統括側制御部３００は、景品管理機１０
０からの景品払出コマンドを受信したか否か（ステップＳ１３）、在庫確認指令が入力されたか否か（ステップＳ１４）、景品管理機１００からの在庫確認コマンドを受信したか否か（ステップＳ１５）、いずれかのユニット側制御部２００によって入庫計数処理（図１９のステップＳ３参照）が開始されたか否か（ステップＳ１４）を監視する。このような監視は、電源が遮断されるまで（ステップＳ１７でＹＥＳとなるまで）、繰り返し行なわれる。
【０１９２】
前記ステップＳ１３の景品払出コマンドは、景品管理機１００によって、レシートにバーコード記録されている遊技媒体数が読み取られたことに起因して、景品管理機１００から送信されるコマンドである。この景品払出コマンドには、払い出すべき景品の種類と払出枚数に関する情報が含まれる。前記ステップＳ１４における在庫確認指令は、景品払出機１の待機中に、係員用表示部７Ｂに表示される画面（例えば図２３（ａ）または（ｂ）に示す画面）内の在庫計数ボタンが操作されることにより入力される。前記ステップＳ１５における在庫確認コマンドは、景品管理機１００の操作部４０４上の在庫計数ボタンが操作されることに起因して、景品管理機１００から送信されるコマンドである。
【０１９３】
前記ステップＳ１６の入庫計数処理が開始されたか否かは、統括側制御部３００が管理している各景品払出ユニット５の状態に基づいて判別する。つまり、統括側制御部３００は、全ての景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」以外の状態となっている状態から、１つの景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」に変化したときに、入庫計数処理が開始されたと判別する。
【０１９４】
景品管理機１００からの景品払出コマンドを受信したときには（ステップＳ１３でＹＥＳ）、統括側制御部３００は、景品払出処理を行う（ステップＳ１８）。この景品払出処理は、景品管理機１００からの景品払出コマンドに基づいてユニット側制御部２００を介して景品払出ユニット５から景品を払い出させるとともに、在庫管理データを更新する処理である。景品払出処理の詳細については、後述する。景品払出処理が終了すると、統括側制御部３００は、ステップＳ１４に移行する。
【０１９５】
在庫確認指令が入力されたとき（ステップＳ１４でＹＥＳ）、または景品管理機１００からの在庫確認コマンドを受信したとき（ステップＳ１５でＹＥＳ）には、統括側制御部３００は、在庫確認処理を行う（ステップＳ１９）。この在庫確認処理は、ステップＳ１２の在庫確認処理と同じ処理である。
【０１９６】
ステップＳ１９の在庫確認処理が終了すると、統括側制御部３００は、ステップＳ１６に移行する。入庫計数処理が開始されたと判別したときには（ステップＳ１６でＹＥＳ）、統括側制御部３００は、入庫数管理処理（ステップＳ２０）を行なう。入庫数管理処理は、１つの景品払出ユニット５に対して入庫計数処理が開始された場合に、入庫確定タイミングを決定して、入庫ログの作成等を行う処理である。入庫数管理処理の詳細については、後述する。ステップＳ２０の入庫数管理処理が終了すると、統括側制御部３００は、ステップＳ１７に移行する。ステップＳ１７において、景品払出機１の電源がオフでなければ、ステップＳ１３に戻る。
【０１９７】
開店準備時において、入庫作業が行われた場合には、入庫作業が終了した景品払出ユニット５は、引き出された状態から景品払出可能位置に戻されるので、その景品払出ユニット５に対して、図１９のステップＳ３の入庫計数処理が行なわれる。このため、図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理が実行されるので、在庫数（入庫数）が確認される。つまり、開店準備時において空の状態から各カセットに補充された景品数は、開店時までに自動的に計数されて取得される。
【０１９８】
また、営業時間中に、追加入庫（追加補充）が行われた場合にも、同様に、図１９のステップＳ３の入庫計数処理が行なわれるとともに、図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理が実行されるので、追加補充後の在庫数（入庫数）が確認される。
【０１９９】
従来、閉店後に行われていた締上処理または営業時間中に係員の交代時に行われていた締上処理においては、係員が計数作業を手作業で行っていたが、本実施の形態では、労力削減および時間短縮のために、搬送機構２４の計数機能によって自動的に計数を行うようにする。このため、本実施形態では、従来の締上処理を行うべきタイミングにおいては、係員は、景品払出機１または景品管理機１００の操作部３０２，４０４に設けられた在庫計数ボタンを操作して、在庫確認指令を入力するようにする。この結果、従来の締上処理を行うべきタイミングにおいては、前記ステップＳ１４または前記ステップＳ１５でＹＥＳとなり、前記ステップＳ１９に移行するため、計数作業が自動的に行われる。
【０２００】
なお、従来の締上処理を行うべきタイミング以外の任意のタイミングにおいて、景品払出機１または景品管理機１００に設けられた在庫計数ボタンを係員が操作することにより、在庫確認指令を入力したときや、電源がオンされたときにも、景品払出機１による在庫確認処理が行なわれる。さらに、前回の在庫確認処理から、景品払出処理を行なった件数が所定数（たとえば、２０）に達したタイミングで、在庫確認処理を行なうようにしてもよい。なお、在庫確認処理を行なうタイミングについては、本実施形態に限らず、自由に設定することが可能である。
【０２０１】
図２０のステップＳ１２またはステップＳ１９の在庫確認処理について説明する。
【０２０２】
在庫確認処理においては、統括側制御部３００は、まず、各ユニット側制御部２００に計数指令を与える。各ユニット側制御部２００は、統括側制御部３００からの計数指令を受信すると、通常計数処理を行なう。
【０２０３】
この実施形態においては、通常計数処理において、ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５内の全てのカセット４に対して計数処理を行なう。ユニット側制御部２００による通常計数処理が開始されると、対応する景品払出ユニット５の状態が「通常計数中状態」となる。ユニット側制御部２００は、１つのカセットに対する計数処理が終了する毎に、計数値情報（計数値とカセット番号とを含む情報）を総括側制御部３００に通知する。統括側制御部３００は、計数値情報を受信すると、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２（図１６（ｂ）参照）内の該当するカセット番号に対応する現在庫数を、受信した計数値に更新する。各ユニット側制御部２００は、通常計数処理が終了すると、自己が管理しているカセット脱着フラグＦＫをリセット（ＦＫ=０）する。
【０２０４】
全てのユニット制御部２００による通常計数処理が終了し、全ての景品払出ユニット５の状態が「通常計数中状態」以外の状態となると、総括側制御部３００は、在庫管理テーブル更新処理を行なう。つまり、総括側制御部３００は、まず、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２のカセット番号毎に次のような処理を行なう。現在庫数から前回在庫数を減算する。この減算結果が零である場合には、前回在庫数を現在庫数に置き換える。
【０２０５】
前記減算結果が零でない場合（零より大きい場合または零より小さい場合）には、総括側制御部３００は、入庫総数の現在値に前記減算結果を加算した値に入庫総数の値を更新する。また、総括側制御部３００は、表示用入庫数データの値を、表示用入庫数データの現在値に前記減算結果を加算した値に更新する。そして、前回在庫数を現在庫数に置き換える。
【０２０６】
このようにして、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２の全てのカセット番号に対する更
新処理が終了すると、総括側制御部３００は、カセット別景品種類テーブルＴＡ１と、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２の各カセット番号の現在庫数のデータに基づいて、景品種類毎の在庫数を算出し、その算出結果を用いて景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３の内容を更新する。そして、在庫確認処理が行なわれたことを表すログ（在庫確認ログ）を作成する。在庫確認ログには、日時、担当者コード、更新後の在庫管理データ（カセット毎の在庫数および景品種類毎の在庫数）等が記録される。
【０２０７】
また、総括側制御部３００は、更新後の景品種類毎の在庫数を、景品管理機１００に通知する。後述するように、景品管理機１００は、総括側制御部３００からの景品種類毎の在庫数を受信すると、受信内容に基づいて、景品管理機１００が管理している、対応する景品払出機１に対応する景品種類別在庫管理テーブルの内容を更新する。
【０２０８】
なお、現在庫数と前回在庫数との差が０以外のカセットが存在する場合には、総括側制御部３００は、その旨を示す警告メッセージを表示するようにしてもよい。このようにすると、係員は、再度、在庫確認処理を実行させるための操作（在庫計数ボタンの押下操作）を行なったり、今回計数した景品在庫数がそれまでの景品在庫数と一致しない原因を調べたりすることができる。
【０２０９】
図２１は、図２０のステップＳ１８の景品払出処理の手順を示している。
【０２１０】
前述したように、各ユニット側制御部２００との通信によって、総括側制御部３００は、各カセットが景品払出可能状態であるか景品払出不可能状態であるかを管理している。そこで、総括側制御部３００は、景品払出不可能状態であるカセットを払出対象カセットから除外した上で、景品管理機１００から送られてきた景品種類毎の払出し枚数に基づいて、景品を払出すべき１または複数のカセット（払出カセット）と、それらの各払出カセットからの払出し枚数を決定する（ステップＳ３１）。
【０２１１】
そして、総括側制御部３００は、決定した払出カセットに関係するユニット側制御部２００に対して、決定内容に応じた払出指示を与える（ステップＳ３２）。この指示を受けたユニット側制御部２００は、対応する景品払出ユニット５を制御することにより、景品を払出させる。
【０２１２】
また、総括側制御部３００は、在庫管理データを更新する（ステップＳ３３）。具体的には、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２（図１６（ｂ））内のカセット毎のデータのうち、景品の払出しがあったカセットに対応する現在庫数の値を、そのカセットから払出された枚数を減算することにより更新する。また、景品の払出しがあったカセットに対応する払出総数の値をその現在値に今回の払出枚数を加算した値に更新する。そして、景品の払出しがあったカセットに対応する前回在庫数の値を現在庫数の値に置き換える。さらに、景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３（図１６（ｃ））の景品種類毎の在庫数の値を、その現在値から対応する景品種類の今回の払出し枚数を減算することによりそれぞれ更新する。
【０２１３】
この実施形態では、総括側制御部３００は、景品払出不可能状態であるカセットを払出対象カセットから除外した上で、景品を払出すべき１または複数のカセット（払出カセット）と、それらの各払出カセットからの払出し枚数を決定している。このため、一部の景品払出ユニット５が引き出されている場合や、一部のカセットに対して計数処理が行なわれている場合であっても、景品払出可能状態であるカセットのみによって、払い出すべき景品を払い出せる場合には、景品の払出を行なえるようになる。したがって、入庫作業中においても、状況によっては、景品の払出が可能となる。
【０２１４】
図２２は、図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理の手順を示している。図２３〜図２６は、入庫数管理処理中において係員用表示部７Ｂに表示される画面の例を示している。
【０２１５】
図２３（ａ），（ｂ）は、前述したように、待機中に表示される画面５０１ａ，５０１ｂであり、待機中においてはいずれか一方が表示される。なお、画面５０１ａ，５０１ｂの切替は、画面上の表示切替ボタンを押下することにより、行なわれる。表示切替ボタンの押下に応じて実行される画面切替処理については、図２２では省略されている。
【０２１６】
入庫数管理処理においては、総括側制御部３００は、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在するか否かを判別する（ステップＳ４１）。入庫数管理処理が開始された直後においては、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が必ず存在するため、ステップ４１でＹＥＳとなる。
【０２１７】
「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在する場合には、総括側制御部３００は、景品払出機１が計数中であることを表示する（ステップＳ４２）。具体的には、図２４（ａ）または図２４（ｂ）の画面５０２ａまたは５０２ｂを表示する。つまり、待機中に表示されていた画面５０１ａまたは５０１ｂの右上に、計数中であることを示すマーク５１１を表示させる。マーク５１１としては、たとえば、歯車状の図柄が回転または点滅しているような表示形態が用いられる。なお、画面５０２ａ，５０２ｂの切替は、画面上の表示切替ボタンを押下することにより、行なわれる。
【０２１８】
総括側制御部３００は、この後、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニット５が存在するか否かを判別する（ステップＳ４３）。つまり、総括側制御部３００は、下ユニット２０が景品払出可能位置から引き出されている景品払出ユニット５が存在するか否かを判別する。「ユニット抜け状態」の景品払出ユニット５が存在しない場合には（ステップＳ４３でＮＯ）、総括側制御部３００は、入庫確定タイマに所定時間Ｔ１をセットした後（ステップＳ４４）、ステップＳ４６に移行する。Ｔ１としては、たとえば１分が設定される。
【０２１９】
前記ステップＳ４３において、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニット５が存在すると判断された場合には（ステップＳ４３でＹＥＳ）、総括側制御部３００は、入庫確定タイマに所定時間Ｔ２をセットした後（ステップＳ４５）、ステップＳ４６に移行する。Ｔ２としては、たとえば５分が設定される。入庫確定タイマは、所定時間がセットされると、セットされた所定時間の計時を開始する。そして、セットされた時間が経過したときに、入庫確定タイマはタイムアップする。ただし、前記ステップＳ４４またはＳ４５によってセットされた所定時間が経過する前に、前記ステップＳ４４またはＳ４５によって入庫確定タイマに所定時間が新たにセットされた場合には、今回セットされた所定時間を最初から計時する。
【０２２０】
前記ステップＳ４１において、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在しないと判別された場合には、総括側制御部３００は、ステップＳ４６に移行する。
【０２２１】
ステップＳ４６においては、総括側制御部３００は、全ての景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」でないか否かを判別する。言い換えれば、総括側制御部３００は、入庫計数処理（図１９のステップＳ３の処理）を行なっている景品払出ユニット５が存在しないか否かを判別する。「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在する場合には（ステップＳ４６でＮＯ）、ステップＳ４１に戻る。
【０２２２】
前記ステップＳ４６において、全ての景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」でない
と判別された場合には（ステップＳ４６でＹＥＳ）、総括側制御部３００は、計数結果ボタン（入庫確定ボタン）を表示する（ステップＳ４７）。具体的には、総括側制御部３００は、図２５（ａ）または図２５（ｂ）の画面５０３ａまたは５０３ｂを表示する。つまり、計数中に表示されていた画面５０２ａまたは５０２ｂの右上の表示中マーク５１１に代って計数結果ボタン５１２を表示させるとともに、カセット毎の景品在庫数および景品種類別の景品在庫数を、計数処理が完了したカセットの現在庫数（計数値）を反映させた数に変更する。なお、画面５０３ａ，５０３ｂの切替は、画面上の表示切替ボタンを押下することにより、行なわれる。
【０２２３】
総括側制御部３００は、計数結果ボタン５１２が押下されたか否かを判別する（ステップＳ４８）。計数結果ボタン５１２が押下されていない場合には（ステップＳ４８でＮＯ）、総括側制御部３００は、入庫確定タイマがタイムアップしたか否かを判別する（ステップＳ４９）。入庫確定タイマがタイムアップしていない場合には（ステップＳ４９でＮＯ）、ステップＳ４１に戻る。
【０２２４】
前記ステップＳ４８において、計数結果ボタン５１２が押下されたと判別した場合には（ステップＳ４８でＹＥＳ）、総括側制御部３００は、入計数結果ボタンが押下されたことを記憶するフラグＦＢをセット（ＦＢ=１）した後、ステップＳ５１に移行する。この場合には、計数結果ボタン５１２の押下により、入庫イベントが確定される。つまり、この場合には、総括側制御部３００は、計数結果ボタン５１２が押下されたときを、入庫確定タイミングとして決定し、フラグＦＢをセットした後、ステップＳ５１以降の処理を実行する。
【０２２５】
一方、前記ステップＳ４９において、入庫確定タイマがタイムアップしたと判別した場合には（ステップＳ４９でＹＥＳ）、総括側制御部３００は、フラグＦＢをセットすることなく、ステップＳ５１に移行する。この場合には、入庫確定タイマのタイムアップにより、入庫イベントが確定される。つまり、この場合には、総括側制御部３００は、入庫確定タイマがタイムアップしたときを、入庫確定タイミングとして決定し、ステップＳ５１以降の処理を実行する。
【０２２６】
ステップＳ５１においては、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２の内容に基づいて、入庫数算出、入庫総数更新、表示用入庫数データの更新等の処理を行なうとともに、入庫確定タイマをクリアする。前述したように、総括側制御部３００は、ユニット側制御部２００からカセット単位の計数値データが通知されたときには、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２の該当するカセット番号に対応する現在庫数の値を通知された計数値に置き換える。したがって、今回の入庫計数処理によって計数が行なわれたカセットに対応する現在庫数は、今回得られた計数値に置き換えられている。
【０２２７】
そこで、総括側制御部３００は、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の各カセット番号毎に、現在庫数から前回在庫数を減算することにより、入庫数を算出し、バッファに一時的に保存する。そして、総括側制御部３００は、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の入庫総数の値を、入庫総数の現在値に算出された入庫数を加算した値に更新する。また、総括側制御部３００は、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の表示用入庫数データの値を、表示用入庫数データの現在値に算出された入庫数を加算した値に更新する。また、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の前回在庫数の値を現在庫数の値に置き換える。また、景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３の内容を、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２の内容に基づいて更新する。さらに、総括側制御部３００は、計数結果ボタン５１２が押下されることにより、入庫イベントが確定した場合には、入庫確定タイマが作動している可能性があるので、入庫確定タイマをクリアする。
【０２２８】
この後、総括側制御部３００は、前記ステップＳ５１で算出されたカセット毎の入庫数に基づいて、入庫ログを作成する（ステップＳ５２）。入庫ログは、日時、担当者コード、入庫データ（カセット毎の前回の在庫数・今回の在庫数・入庫数、景品種類毎の前回の在庫数・今回の在庫数・入庫数）等からなる。総括側制御部３００は、入庫データのうちの景品種類毎の入庫数を、景品管理機（ＰＯＳ）１００に通知する。後述するように、景品管理機１００は、通知された景品種類毎の入庫数に基づいて、景品管理機１００が管理している、該当する景品払出機１に対応する景品種類別在庫管理テーブルの内容を更新する。
【０２２９】
次に、総括側制御部３００は、フラグＦＢがセットされているか否かを判別する（ステップＳ５３）。フラグＦＢがセットされている場合には（ステップＳ５３でＹＥＳ）、つまり、計数結果ボタンの押下により入庫イベントが確定された場合には、表示用入庫データの表示処理を行なう（ステップＳ５５）。具体的には、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の表示用入庫データに基づいて、図２６（ａ）または（ｂ）の入庫数表示画面５０４ａ，５０４ｂを作成して表示する。
【０２３０】
図２６（ａ）の入庫数表示画面５０４ａには、「景品入庫数」というタイトルと、「カセット別の入庫数です。「確認」を押してください。」というメッセージと、カセット毎の景品入庫数を模式的に示す図と、表示切替ボタンと、確認ボタンとが表示されている。カセット毎の景品入庫数を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される、景品種類（特大，大，中，小）を表す文字と、ボックス内に表示される、そのボックスに対応するカセットへの景品入庫数を表す数字と、ボックス内に表示される、景品種類を表す色とを含む。
【０２３１】
景品入庫数を表す数字は、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の該当するカセット番号に対応する表示用入庫データの値が用いられている。表示切替ボタンは、画面５０４ａを図２６（ｂ）の入庫数表示画面５０４ｂに切替えるためのボタンである。確認ボタンが押されると、図２３を用いて説明したような待機中画面が表示される。
【０２３２】
図２６（ｂ）の入庫数表示画面５０４ｂには、「景品入庫数」というタイトルと、「景品別の入庫数です。「確認」を押してください。」というメッセージと、景品種類毎の景品入庫数と、表示切替ボタンと、確認ボタンとが表示されている。景品種類毎の景品入庫数は、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の各カセット番号に対応する表示用入庫データに基づいて、算出される。より具体的には、景品種類が同じカセットの組毎に、表示用入庫データを加算することにより、景品種類毎の景品入庫数を算出する。
【０２３３】
表示切替ボタンは、画面５０４ｂを図２６（ａ）の入庫数表示画面５０４ａに切替えるためのボタンである。確認ボタンが押されると、図２３を用いて説明したような待機中画面が表示される。
【０２３４】
総括側制御部３００は、前記ステップＳ５５の表示用入庫数データの表示処理を行なった後、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の各表示用入庫数データをクリア（零）にする（ステップＳ５６）。また、フラグＦＢをリセット（ＦＢ=０）する。これにより、今回の入庫数管理処理は終了する。
【０２３５】
前述したように、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の各表示用入庫数データは、計数結果ボタンが押下され、表示用入庫数データの表示処理が実行された後にクリアされる。このため、前記ステップＳ５５の表示用入庫数データの表示処理においては、計数結果ボタンが前回押下されてから、今回押下されるまでの間に入庫された景品数が表示される。たとえば、入庫数管理処理が２回実行され、１回目の入庫数管理処理においては計数結
果ボタンが押下されずに、２回目の入庫数管理処理において計数結果ボタンが押下された場合には、１回目と２回目の入庫数管理処理中に入庫された景品数の合計が表示される。
【０２３６】
入庫作業（追加入庫作業）が開始された場合において、入庫が確定されるまでの処理の流れについて具体的に説明する。景品払出機１には、図示しないＩＣカード読取部が設けられている。景品払出機１を担当する係員は、自己の識別コードが記録されたＩＣカードをＩＣカード読取部にかざして、識別コードを読み取らせることにより、ログオンを行なう。ログオン時に景品払出機１によって読み取られた識別コードが、前述したログで使用される担当者コードとなる。各景品払出ユニット５には、予め定められた特定の係員以外の人によって下ユニット２０が引き出されるのを禁止するために、ロック機構が設けられている。このロック機構は、前記特定の係員がログオンした場合にのみ解除される。
【０２３７】
そこで、入庫作業を行なう際には、前記特定の係員が自己のＩＣカードを使用してログオンする。これにより、景品払出ユニット１のロック機構が解除される。前記特定の係員は、景品払出ユニット１の下ユニット２０を引き出した後、下ユニット２０からカセット４を取り出して景品を補充し、カセット４を装着する。景品補充後のカセット４が装着された下ユニット２０は、前記特定の係員によって、景品払出可能位置まで挿入される。ここでは、全ての景品払出ユニット５に対して景品補充が行われたとする。
【０２３８】
１つの景品払出ユニット５の下ユニット２０が挿入されると、図１９のステップＳ１でＹＥＳとなり、ステップＳ３の入庫計数処理（ユニット側制御部２００による処理）が開始される。これにより、図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理（統括側制御部３００による処理）が開始される。入庫数管理処理が開始された後において、他の景品払出ユニット５が挿入された場合も、前記ステップＳ３の入庫計数処理が実行される。
【０２３９】
入庫計数処理が開始された後においては、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在するか否か（図２２のステップＳ４１）、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在しなくなったか否か（ステップＳ４６）が監視される。
【０２４０】
「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在すると判別された場合（ステップＳ４１でＹＥＳ）において、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニットが存在しない場合には、入庫確定タイマにＴ１（たとえば１分）がセットされる（ステップＳ４４）。一方、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニットが存在する場合には、入庫確定タイマにＴ２（たとえば５分）がセットされる（ステップＳ４５）。
【０２４１】
「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在しなくなったと判別された場合には（ステップＳ４６でＹＥＳ）、計数結果ボタンが表示された後（ステップＳ４７）、計数結果ボタンが押し下げられた否か、入庫確定タイマがタイムアップしたか否かが監視される（ステップＳ４８，Ｓ４９，Ｓ４１，Ｓ４６、Ｓ４７，Ｓ４８のループ（以下、監視ループという））。この監視ループ中に、「ユニット抜け状態」であった景品払出ユニット５の下ユニット２０が挿入された場合には、前記ステップＳ４１でＹＥＳとなり、入庫確定タイマにＴ１またはＴ２がセットされる。
【０２４２】
前記監視ループ中において、計数結果ボタンが押下されると、入庫イベントが確定される。また、前記監視ループ中において、入庫確定タイマがタイムアップしたときにも入庫イベントが確定される。
【０２４３】
入庫確定タイマがタイムアップする状況には、２つの状況がある。つまり、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニット５が存在しない状態で入庫確定タイマがタイムアップする場合と、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニット５が存在する状態で入庫確定タイマが
タイムアップする場合である。
【０２４４】
前者は、入庫数管理処理が開始された後において、全ての景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」以外の状態となり、かつその状態がＴ１（１分）の間継続した場合である。後者は、入庫数管理処理が開始された後において、一部の景品払出ユニット５が「ユニット抜け状態」でかつ他の景品払出ユニット５の全てが「入庫計数中状態」以外の状態となり、かつその状態がＴ２（５分）の間継続した場合である。
［７］景品管理機１００による処理
図２７は、景品管理機１００によって実行される処理の手順を示している。
【０２４５】
景品管理機１００は、レシートの読取りが行なわれたか否か（ステップＳ６１）、操作部４０４上の在庫計数ボタンが押下されたか否か（ステップＳ６２）、在庫管理データを受信したか否か（ステップＳ６３）、入庫データを受信したか否か（ステップＳ６４）等を監視している。
【０２４６】
レシートの読取りが行なわれたときには（ステップＳ６１でＹＥＳ）、配下の景品払出機１に景品を払い出させるための景品払出制御処理を行なう（ステップＳ６５）。つまり、景品管理機１００の制御部４００は、バーコード・リーダ４０２の読み取りデータに基づいて、遊技客が獲得した遊技媒体数を取得する。次に、制御部４００は、取得した遊技媒体数に基づいて、景品種類毎の払出し枚数を決定する。そして、制御部４００は、決定した景品種類毎の払出し枚数を含む景品払出コマンドを配下のうちの１つの景品払出機１に送信する。また、制御部４００は、制御部４００が管理している、当該景品払出機１に対応する景品種類別在庫管理テーブルの内容を、決定した景品種類毎の払出し枚数に基づいて更新する。この後、制御部４００は、ステップＳ６２に移行する。
【０２４７】
在庫計数ボタンが押下げられた場合には（ステップＳ６２でＹＥＳ）、制御部４００は、在庫確認コマンドを、配下の景品払出機１に送信する（ステップＳ６６）。景品払出機１からの在庫管理データ（景品種類毎の在庫数）を受信したときには（ステップＳ６３でＹＥＳ）、制御部４００は、制御部４００が管理している、当該景品払出機１に対応する景品種類別在庫管理テーブルの内容を更新する（ステップＳ６６）。具体的には、景品種類別在庫管理テーブルの内容を、受信した在庫管理データに置き換える。
【０２４８】
景品払出機１からの入庫データ（景品種類毎の入庫数）を受信したときには（ステップＳ６４でＹＥＳ）、制御部４００は、制御部４００が管理している、当該景品払出機１に対応する景品種類別在庫管理テーブルの内容を更新する（ステップＳ６８）。具体的には、景品種類別在庫管理テーブルの内容を、その現在値から受信した入庫データを減算した値に更新する。
［８］変形例
前述の実施形態では、景品払出機１は、図２０のステップＳ１２またはＳ１９の在庫確認処理を行なった際に、在庫管理データ（景品種類別の在庫数データ）を景品管理機１００に送信しているが、景品管理機１００から在庫管理データの要求があったときのみに、在庫管理データを景品管理機１００に送信するようにしてもよい。
【０２４９】
また、景品払出機１は、図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理を行なった際に、入庫データ（景品種類別の入庫数データ）を景品管理機１００に送信しているが、入庫数管理処理を行なった際に入庫データの送信ファイルを作成しておき、景品管理機１００から入庫データの要求があったときのみに、保存している未送信の入庫データの送信ファイルを景品管理機１００に送信するようにしてもよい。
【０２５０】
また、景品の形状はカード状に限定されない。また、景品を計数するための機構、計数
方法についても限定されない。景品に内蔵されるＩＣを読み取る方式でもよい。
【０２５１】
本願発明は、さらに、特許文献３（特開２００８−７３１６９号公報）に開示されているような卓上タイプの景品払出機を備えた景品払出システムにも適用することができる。
【符号の説明】
【０２５２】
１ 景品払出機
２ 景品
４ カセット
５ 景品払出ユニット
７ 表示部
８ 払出口
２４ 搬送機構
３７ 光学センサ
６０ 計数部
７０ 分離搬送部
８１ 保留ボックス
８２ エレベータ
１００ 景品管理機
２００Ａ〜２００Ｄ ユニット側制御部
２０１ 搬送機構２４の駆動装置
２０５ カセット脱着検知スイッチ
２０６ ユニット挿入検知スイッチ
２０７ 記憶部
３００ 統括側制御部
３０１ 通信部
３０２ 操作部
３０３ 記憶部
４００ 制御部
４０１ 通信部
４０４ 操作部
４０６ 表示部
４０７ 記憶部
【技術分野】
【０００１】
この発明は、例えばパチンコ玉等の遊技媒体と交換される景品を払い出すための景品払出機および景品払出システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
パチンコ店等の遊技施設において、景品払出機（下記特許文献１参照）と景品払出機に電気的に接続された景品管理機（下記特許文献２参照）とを備えた景品払出システムが知られている。景品払出機で取り扱われる景品は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。この景品は一般的に、１〜数ｍｍ程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、１００円、５００円、１０００円、５０００円といった金銭価値に応じた４つの種類が存在する。
【０００３】
このような景品払出システムでは、次のようにして、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体が景品に交換されて遊技客に手渡され、遊技客が受け取った景品が景品交換所で買い取られる。
【０００４】
遊技客は、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体を、遊技施設内に設置された計数機に投入する。計数機は、投入された遊技媒体の計数を行い、計数結果を表すバーコードが印字されたレシートを発行する。遊技客は、計数機によって発行されたレシートを景品カウンタに持参して係員に手渡す。係員は遊技客から受け取ったレシートにバーコード記録されている計数結果を景品管理機に読み取らせる。景品管理機は、読み取った計数結果に基づいて払出すべき景品の種類および枚数を決定し、決定した内容に応じて、景品払出機に対して景品を払い出すように命令する。これにより、景品払出機から景品が払い出される。係員は、景品払出機から払い出された景品を遊技客に手渡す。遊技客は、受け取った景品を遊技施設外に設置された景品交換所に持参し、景品交換所にて景品に相当する価値で買い取ってもらう。
【０００５】
ところで、景品は、現金と同じ価値があるため、不正防止の観点から、在庫管理を厳重に行う必要がある。従来において、在庫管理は、次のように行われている。
（ａ）入庫（補充）：開店準備時に、係員は、景品が空の状態の景品払出機に景品を補充（入庫）する。そして、景品種類毎の補充数（入庫数）を景品管理機および景品払出機に数値入力する。景品管理機および景品払出機は、入力された景品種類毎の補充数を在庫管理データとしてそれぞれ記憶する。
（ｂ）出庫（払出）：景品払出し時において、景品管理機および景品払出機は、遊技客に払い出した景品数（出庫数）を在庫管理データから減算することにより、在庫管理データをそれぞれ更新する。
（ｃ）追加入庫（追加補充）：営業時間中に、係員は、景品の補充（追加補充）を行った際に、景品種類毎の補充数（入庫数）を景品管理機および景品払出機に数値入力する。景品管理機および景品払出機は、入力された景品種類毎の補充数を在庫管理データに加算することにより、在庫管理データをそれぞれ更新する。
（ｄ）締上処理（本締め処理）：閉店後、係員は、景品管理機によって景品在庫データを印字出力させるとともに、景品払出機から景品（現物）を回収して手作業で計数し、在庫管理データと現物の計数結果を比較・照合する。比較・照合が終了した後においては、回収した景品（現物）は、金庫等に保管するため、景品払出機は空の状態となる。
【０００６】
営業時間内においても、当該景品払出システムを担当する係員が交代する際には、締上処理と同様な処理（中締め処理）を行って、在庫管理データと現物の計数結果を比較・照合する。ただし、この場合には、係員は、比較・照合が終了した後に、回収した景品（現物）を景品払出機に戻す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特許第３７２２８７８号公報
【特許文献２】特開２００２−２００３１０号公報
【特許文献３】特開２００８−７３１６９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
従来の景品払出システムでは、入庫時（追加入庫時を含む）において、景品払出機に対して景品入庫数を手入力している。景品入庫数を手入力する場合、入力操作ミスが発生しやすいので、景品払出機内の景品個数が正しく管理できているか不明確であるという問題がある。また、従来では、景品払出機と景品管理機との両方で在庫管理を行なえるようにするために、入庫時には、景品払出機側だけでなく、景品管理機側にも景品入庫数を手入力するようにしている。このため、手間がかるとともに、入力操作ミスにより、両者が管理する景品在庫数が一致しなくなるという問題がある。
【０００９】
この発明は、景品入庫数を自動的に算出することができ、景品入庫数を手入力する必要がなくなる景品払出装置および景品払出システムを提供することを目的とする。
【００１０】
また、この発明は、景品入庫作業が行われた場合に、係員による操作がなくても、景品の計数を自動的に行うことができるようになる景品払出装置および景品払出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
請求項１に記載の発明は、景品が収容される景品収容体を備えた景品払出機であって、前記景品収容体に収容されている景品数を計数するための計数手段と、前記景品収容体に景品が入庫された後の所定のタイミングにおいて、前記計数手段を利用して、前記景品収容体に収容されている景品数を計数する計数処理手段と、前記計数処理手段による計数結果に基づいて、入庫数を算出する入庫数算出手段と、前記入庫数算出手段によって算出された入庫数を出力する入庫数出力手段と、を含む景品払出機である。
【００１２】
「景品払出機」には、遊技客が獲得した遊技媒体数に基づいて払い出すべき景品数を決定する機能を備えているものと備えていないものとの両方が含まれる。遊技客が獲得した遊技媒体数に基づいて払い出すべき景品数を決定する機能を景品払出機が備えていない場合には、他の機器（たとえば、本実施形態における景品管理機）から、払い出すべき景品数の情報が景品払出機に与えられる。「景品収容体」は、例えば、本実施形態における景品払出ユニットのように、１または複数のカセットが着脱自在に装着されているものであってもよいし、本実施形態における１つのカセットであってもよい。他の請求項においても同様である。
【００１３】
この構成では、景品収容体に景品が入庫された後の所定のタイミングにおいて、計数手段を利用して、景品収容体に収容されている景品数が計数される。この計数結果に基づいて、入庫数が算出される。そして、算出された入庫数が出力される。例えば、算出された入庫数が表示される。あるいは、算出された入庫数が景品管理機等の外部機器に送信され
る。この構成によれば、景品入庫数を自動的に算出することができる。このため、景品入庫数を手入力する必要がなくなる。
【００１４】
請求項２に記載の発明は、前記景品収容体に収容されている景品数を景品在庫数として記憶するための記憶手段と、前記計数処理手段によって計数処理が行なわれる毎に、計数結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている景品在庫数を更新する手段と、景品払出時に、払い出される景品数に基づいて、前記記憶手段に記憶されている景品在庫数を更新する手段とをさらに含んでおり、前記入庫数算出手段は、今回の計数結果から、今回の計数結果によって更新される前の景品在庫数を減算することにより、入庫数を算出するものである、請求項１に記載の景品払出機である。
【００１５】
この構成では、計数処理手段によって計数処理が行なわれる毎に、計数結果に基づいて、記憶手段に記憶されている景品在庫数が更新される。また、景品払出時には、払い出される景品数に基づいて、記憶手段に記憶されている景品在庫数が更新される。入庫数算出手段では、今回の計数結果から、今回の計数結果によって更新される前の景品在庫数を減算することにより、入庫数が算出される。
【００１６】
請求項３に記載の発明は、景品が収容される景品収容体を備え、前記景品収容体は、景品払出機本体内の景品払出可能位置に配置されている状態と、景品払出可能位置から外れている状態とを取りうるようになっている景品払出機であって、前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されている状態において、前記景品収容体に収容されている景品数を計数するための計数手段と、前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されているか否かを検知するための検知手段と、前記検知手段に基づいて、前記景品収容体が前記景品払出可能位置から外れた状態から前記景品払出可能位置に配置されたことを検出したときに、前記計数手段を利用して、前記景品収容体に収容されている景品数を計数する計数処理手段と、を含む景品払出機である。
【００１７】
請求項３に記載の発明では、景品収容体が景品払出可能位置から外れた状態から景品払出可能位置に配置されたことが検出されたときに、景品収容体に収容されている景品数が計数される。景品入庫作業が終了したときには、景品払出可能位置から外れている状態の景品収容体が景品払出可能位置に戻されるので、景品収容体に収容されている景品数が計数されるようになる。したがって、上記構成によれば、景品入庫作業が行なわれた場合には、景品収容体に収容されている景品の計数を自動的に行うことができるようになる。
【００１８】
請求項４に記載の発明は、前記景品収容体が複数備えられており、各景品収容体の状態には、前記計数処理手段によって計数が行なわれている「計数中状態」と、前記景品払出可能位置に配置されているが前記計数処理手段によって計数が行なわれていない「非計数中状態」と、前記景品払出可能位置から外れている「抜け状態」とを含む複数の状態があり、入庫確定タイミングを決定するための処理を行なうタイミング決定手段と、前記複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が前記「計数中状態」となったときに、前記タイミング決定手段による処理を開始させる手段とをさらに含み、前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が所定時間継続したときを、入庫確定タイミングとして決定する手段を含む、請求項３に記載の景品払出機である。
【００１９】
請求項４における「計数中状態」は、本実施形態における「入庫計数中状態」に対応する。請求項４における「非計数中状態」は、本実施形態における「ユニット挿入状態」に対応する。請求項４における「抜け状態」は、本実施形態における「ユニット抜け状態」に対応する。前記「入庫確定タイミング」とは、入庫イベントに関する情報を記録するタイミングをいう。
【００２０】
この構成では、複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が「計数中状態」となったときに、タイミング決定処理が開始される。タイミング決定処理においては、全ての景品収容体が「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が所定時間継続したときが、入庫確定タイミングとして決定される。したがって、全ての景品収容体が「計数中状態」以外の状態となってから、計数処理が開始されることなく所定時間が経過したときを、入庫確定タイミングとして決定することができる。このため、入庫イベントに関する情報を好適なタイミングで記録することができる。より具体的には、入庫イベントに関する情報を含む入庫ログを好適なタイミングで作成することが可能となる。
【００２１】
請求項５に記載の発明は、前記景品収容体が複数備えられており、各景品収容体の状態には、前記計数処理手段によって計数が行なわれている「計数中状態」と、前記景品払出可能位置に配置されているが前記計数処理手段によって計数が行なわれていない「非計数中状態」と、前記景品払出可能位置から外れている「抜け状態」とを含む複数の状態があり、入庫確定タイミングを決定するための処理を行なうタイミング決定手段と、前記複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が前記「計数中状態」となったときに、前記タイミング決定手段による処理を開始させる手段とをさらに含み、前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数中状態」以外でかつ前記「抜け状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間継続したとき、または景品収容体の一部が前記「抜け状態」でかつその他の景品収容体の全てが前記「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間とは異なる第２の所定時間継続したときを、入庫確定タイミングとして決定する手段を含む、請求項３に記載の景品払出機である。
【００２２】
この構成では、複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が「計数中状態」となったときに、タイミング決定手段による処理（タイミング決定処理）が開始される。タイミング決定処理においては、全ての景品収容体が「計数中状態」以外でかつ「抜け状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間継続したとき、または景品収容体の一部が「抜け状態」でかつその他の景品収容体の全てが「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間とは異なる第２の所定時間継続したときが、入庫確定タイミングとして決定される。
【００２３】
したがって、全ての景品収容体が「計数中状態」以外でかつ「抜け状態」以外の状態となってから、計数処理が開始されることなく第１の所定時間が経過したとき、または景品収容体の一部が「抜け状態」でかつその他の景品収容体の全てが「計数中状態」以外の状態となってから、計数処理が開始されることなく第２の所定時間が経過したときを、入庫確定タイミングとして決定することができる。このため、入庫イベントに関する情報を好適なタイミングで記録することが可能となる。
【００２４】
請求項６に記載の発明のように、第２の所定時間を、第１の所定時間よりも、長い時間に設定することが好ましい。第２の所定時間を第１の所定時間よりも長く設定する理由は、次の通りである。「抜け状態」の景品収容体が存在しない場合には、係員による入庫作業が完了している可能性が高いので、第１の所定時間は短くてよい。一方、「抜け状態」の景品収容体が存在する場合には、係員による入庫作業は完了していないので、「抜け状態」の景品収容体が景品払出可能位置に配置されるのを待つ方が好ましい。そこで、第２の所定時間を第１の所定時間よりも長く設定している。ただし、長時間にわたって、「抜け状態」の景品収容体が景品払出可能位置に配置されない状態が続く場合も予想されるので、その場合には、第２の所定時間が経過したときを、入庫確定タイミングとして決定するようにしている。
【００２５】
請求項７に記載の発明は、前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数
中状態」以外の状態である場合に、入庫確定ボタンを表示させる手段と、前記入庫確定ボタンの押下に対応した操作が行なわれたときを、入庫確定タイミングとして決定する手段とをさらに含む、請求項４〜６のいずれか一項に記載の景品払出機である。
【００２６】
入庫確定ボタンの押下に対応した操作には、例えば、入庫確定ボタンがタッチパネル付き表示器に表示される場合において、表示画面上の入庫確定ボタンを押下する操作や、入庫確定ボタンがタッチパネルのない表示器に表示される場合において、キー操作により、表示画面上の入庫確定ボタンを選択・決定する操作が含まれる。この構成によれば、係員操作に基づいて、入庫確定タイミングを決定することが可能となる。
【００２７】
請求項８に記載の発明は、前記景品収容体は、景品を収納する複数のカセットと、前記カセットが着脱自在に装着されるカセット保持体とを含んでおり、前記計数手段は、前記景品収納体が前記景品払出可能位置に配置されている状態において、前記カセット保持体に装着されている前記各カセット単位に、前記カセット内の景品数を計数するものであり、前記「計数中状態」とは、前記景品収容体に備えられている複数のカセットのうち、少なくとも１つのカセットに対して、前記計数処理手段による計数処理が行なわれている状態をいい、前記「非計数中状態」とは、前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されているが、当該景品収容体に備えられている複数の景品カセットのいずれに対しても前記計数処理手段による計数が行なわれていない状態をいうことを特徴とする請求項４〜７のいずれか一項に記載の景品払出機である。
【００２８】
この構成によれば、景品収容体が、景品を収納する複数のカセットと、カセットが着脱自在に装着されるカセット保持体とを含むような構成である場合に、前記請求項２〜５と同様に、入庫確定タイミングを決定することができる。このため、入庫イベントに関する情報を好適なタイミングで記録することが可能となる。
【００２９】
請求項９に記載の発明は、前記タイミング決定手段によって、入庫確定タイミングが決定されたときに、今回の入庫イベントに関する情報を含む入庫ログを作成する手段をさらに含む請求項４〜８のいずれか一項に記載の景品払出機である。この構成では、入庫確定タイミングが決定されたときに、今回の入庫イベントに関する情報を含む入庫ログが作成される。
【００３０】
請求項１０に記載の発明は、請求項１〜９のいずれか一項に記載の景品払出機と、その景品払出機と通信可能な景品管理機とを備え、前記景品管理機は、前記景品払出機に景品を払い出させるための必要な情報を含む景品払出コマンドを、前記景品払出機に送信する手段を備えている、景品払出システムである。
【００３１】
この構成によれば、景品入庫作業が行われた場合に、景品の計数を自動的に行うことができるようになる景品払出システムが得られる。また、入庫イベントに関する情報を好適なタイミングで記録することが可能となる景品払出システムが得られる。
【発明の効果】
【００３２】
この発明によれば、景品入庫数を自動的に算出することができ、景品入庫数を手入力する必要がなくなる。
【００３３】
また、この発明によれば、景品入庫作業が行われた場合に、係員による操作がなくても、景品の計数を自動的に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】遊技施設内に設けられた景品払出システムの全体構成を示すブロック図である。
【図２】景品払出機１を前側（係員が操作する側）から見た斜視図である。
【図３】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の斜視図である。
【図４】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の分解斜視図である。
【図５】カセット４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、景品２が１枚も収納されていない状態を示し、（ｂ）は、複数枚の景品２が収納された状態を示している。
【図６】搬送機構２４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、搬送ユニット３２が下限位置にある状態を示し、（ｂ）は、搬送ユニット３２が上昇途中にある状態を示している。
【図７Ａ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｂ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｃ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｄ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｅ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｆ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図８】景品払出ユニット５の模式的な正断面図である。
【図９】内部が露出された状態にある上ユニット２１を斜め上側から見た斜視図であって、搬送機構２４も一緒に示している。
【図１０】内部が露出された状態にある上ユニット２１の斜視図であって、エレベータ８２を示している。
【図１１】図１０において、エレベータ８２の伸縮機構８７が伸長状態に姿勢を変えた様子を示している。
【図１２】景品払出機１の模式的な側断面図である。
【図１３】下ユニット２０の模式的な平面図である。
【図１４】景品払出機１の電気的構成を示すブロック図である。
【図１５】ユニット側制御部２００と、その入出力機器とを示すブロック図である。
【図１６】カセット別景品種類テーブルＴＡ１、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２および景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３の内容をそれぞれ示す模式図である。
【図１７】各カセットに割り当てられたカセット番号（カセットＮｏ．）と、各カセットに収納される景品の種類の具体例とを示す模式図である。
【図１８】景品管理機１００の電気的構成を示すブロック図である。
【図１９】ユニット側制御部２００によって実行される処理のうち、ユニット挿入検知に基づいて計数処理を行なう場合の処理の手順を示すフローチャートである。
【図２０】統括側制御部３００によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図２１】図２０のステップＳ１８の景品払出処理の手順を示すフローチャートである。
【図２２】図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理の手順を示すフローチャートである。
【図２３】景品払出機１の係員用表示部７Ｂに、待機中に表示される画面５０１ａ，５０１ｂの例を示す模式図である。
【図２４】入庫管理処理において、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在する場合に表示される画面の例を示す模式図である。
【図２５】入庫管理処理において、全ての景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」でないと判別された場合に表示される画面の例を示す模式図である。
【図２６】入庫管理処理において、計数結果ボタンが押下された場合に表示される画面の例を示す模式図である。
【図２７】景品管理機１００によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００３５】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
【００３６】
以下、この発明の実施形態について説明する。
［１］景品払出システムの構成
図１は、遊技施設内に設けられた景品払出システムの構成を示している。
【００３７】
景品払出システムは、１または複数の景品管理機（ＰＯＳ端末）１００と、各景品管理機１００に接続された１または複数の景品払出機１から構成されている。この例では、景品管理機１００は複数設けられている。各景品管理機１００には、景品管理機１００毎に異なる識別番号（管理機番号）が付けられている。各景品払出機１には、景品払出機１毎に異なる識別番号（払出機番号）が付けられている。
【００３８】
複数の景品管理機１００は、１台の親機（１号機）１００＿Ｍと、他の子機（２号機等）１００＿Ｓとから構成されている。各子機１００＿Ｓは、親機１００＿Ｍに接続されている。親機１００＿Ｍの上位に、遊戯施設内の機器全体を管理する管理コンピュータ１５
０が配置されている。景品管理機１００および景品払出機１は景品カウンタに設置される。管理コンピュータ１５０は事務所に設置される。
【００３９】
各景品管理機１００には、この例では、最大２台まで、景品払出機１を接続できるようになっている。景品払出機１は、景品を払出す景品払出機能、カセット単位で景品数を計数する計数機能、景品払出機１内の景品在庫を管理する在庫管理機能および景品管理機１００と通信する通信機能を備えている。
【００４０】
景品管理機１００は、景品払出機１を制御する。各景品管理機１００は、自己の配下にある景品払出機１と通信を行う機能を備えている。また、子機１００＿Ｓは、親機１００＿Ｍと通信する機能を備えている。また、親機１００＿Ｍは、各子機１００＿Ｓや管理コンピュータ１５０と通信する機能を備えている。
【００４１】
景品払出機１で取り扱われる景品は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。図５（ｂ）に示すように、この景品２は、一般的に、１〜数ｍｍ程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品２には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、１００円（小景品）、５００円（中景品）、１０００円（大景品）、５０００円（特大景品）といった金銭価値に応じた４つの種類が存在する。
【００４２】
遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体を、遊技施設内に設置された図示しない計数機に投入すると、投入された遊技媒体の計数が行われ、計数結果を表すバーコードが印字されたレシート（記録媒体）が計数機から発行される。なお、このようなレシートの代わりに、計数結果が磁気記録された磁気カード、計数結果が記録されたＩＣチップを備えたＩＣカード等の記録媒体を発行するようにしてもよい。また、遊技客所有の携帯型電話機に計数結果を保存したり、遊技客所有の携帯型電話機から当該電話機を特定するためのＩＤを読み取り、読み取ったＩＤに関連して計数結果を景品管理機等に保存するようにしてもよい。
【００４３】
計数機によって発行されたレシートを遊技客が景品カウンタに持参すると、係員はそのレシートにバーコード記録されている計数結果（遊技媒体数）を景品管理機１００に読み取らせる。景品管理機１００は、読み取った計数結果に基づいて、払い出すべき景品の種類および枚数を決定する。そして、決定した景品種類毎の払出枚数を含む景品払出コマンドを、その配下にある１つの景品払出機１に送信する。景品払出機１は、景品管理機１００から送られてきた景品払出コマンドにしたがって、景品を払い出す。係員は、景品払出機１から払い出された景品を遊技客に手渡す。遊技客は、受け取った景品を景品交換所に持参し、景品交換所にて景品に相当する価値で買い取ってもらう。
［２］景品払出機１の機構
［２−１］全体構成
図２は、景品払出機１を前側（係員が操作する側）から見た斜視図である。
【００４４】
図２を参照して、景品払出機１から景品の払い出しを受ける客は、景品払出機１の後側（図２における奥側）に位置し、係員は、景品払出機１の前側に位置して接客を行う。
【００４５】
景品払出機１は、その外郭をなす略直方体形状のキャビネット３と、キャビネット３に収容される複数（この例では、４つ）の景品払出ユニット５（後述する図３参照）とを備えている。これらの４つの景品払出ユニット５を区別する場合には、景品払出機１の前側（図２における手前側）から見て、最も左側のユニットから順に、第１ユニット、第２ユニット、第３ユニット、第４ユニットということにする。各景品払出ユニット５には、複数のカセット４（後述する図５参照）が収納される。各カセット４には、複数の景品２が
上下方向に積み重ねられた状態で収納される。
【００４６】
複数の景品払出ユニット５は、幅方向に並んだ状態でキャビネット３内に収容される。各景品払出ユニット５内には、横方向２列に４個ずつ、合計で８個のカセット４が配置されている。従って、キャビネット３内には、横方向８列に４個ずつカセット４が配置される。このような景品払出機１では、全体で、多種類の景品２を多量に収納することができるとともに、多種類の景品２を一度に払い出すことができる。
【００４７】
キャビネット３の前面側には、扉６が設けられている。扉６を開くことで、景品払出ユニット５をキャビネット３から引き出すことができる。
【００４８】
キャビネット３の上面には、表示部７が設けられている。表示部７は、客用表示部７Ａと、係員用表示部７Ｂとを含んでおり、それぞれの表示部には、必要な情報が表示される。また、係員用表示部７Ｂには、景品払出機１の動作を制御するために操作される操作部３０２（図１４参照）が設けられている。操作部３０２は、例えば、タッチパネルから構成される。
【００４９】
キャビネット３の上面における表示部７より後側において、各景品払出ユニット５の上方位置には、前述したカセットの各列に対応して、８個の払出口８が形成されている。８つの払出口８は、幅方向に並んでいる。各払出口８は、キャビネット３の内部に上から連通している。また、各払出口８には、シャッタ９が設けられている。シャッタ９は、前後にスライドすることによって、払出口８を開閉する。図２では、シャッタ９が払出口８を閉じた状態が示されている。
【００５０】
また、図２には一部しか示されていないが、景品払出機１には、カセット４（図５参照）に収納された景品２を払い出すために、第１搬送部１０と、第２搬送部１１と、保留部１２と、リフト部１３と、送出部１４とが備えられている。
【００５１】
景品払出機１における景品２の大まかな払い出し手順として、まず、第１搬送部１０が、カセット４（図５参照）に収納された景品２から、所定の払出枚数に相当する景品群を分離して、上方へ搬送する。次いで、第２搬送部１１が、上方に搬送された景品２（景品群）を払出口８側へ向けて略水平に搬送する。そして、保留部１２が、搬送された景品２を払出口８の下方で保留する。その後、リフト部１３が、保留された景品２を払出口８へ向けて持ち上げる。最後に、送出部１４が、払出口８まで持ち上げられた景品２をキャビネット３の上面に押し出す。ここで、シャッタ９と、シャッタ９をスライドさせる構成とが、上述した送出部１４に含まれる。このようにして、景品払出機１内に収納された景品２が払出口８から払い出される。
【００５２】
これらの構成（第１搬送部１０、第２搬送部１１、保留部１２、リフト部１３および送出部１４）は、以下で景品払出ユニット５を説明する際に、個別に説明される。
［２−２］景品払出ユニット
図３は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の斜視図である。
【００５３】
図３に示すように、各景品払出ユニット５は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。景品払出ユニット５は、その上下方向における略６分の５の部分をなす下ユニット（景品収容体）２０と、下ユニット２０の上側に配置される上ユニット２１とを含んでいる。
【００５４】
また、景品払出ユニット５（詳しくは、下ユニット２０）の前面（図３における手前側
の面）には、ハンドル２６が設けられている。ハンドル２６は、上述したように景品払出ユニット５をキャビネット３（図２参照）から引き出す際に、把持される。
【００５５】
図４は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の分解斜視図である。
【００５６】
図４に示すように、下ユニット２０と上ユニット２１とは、分離可能である。具体的には、上ユニット２１は、キャビネット３（図２参照）側に固定されており、景品払出ユニット５では、ハンドル２６を把持することで、下ユニット２０だけをキャビネット３から引き出すことができる。
【００５７】
以下では、下ユニット２０と上ユニット２１とを個別に説明する。
［２−２−１］下ユニット
下ユニット２０は、その外郭をなす下ケーシング２２と、８つのカセットホルダ２３（図４では右側４つのカセットホルダ２３が現れている。）と、８つのカセット４（図４では８つのカセット４のうちの１つが下ユニット２０の上方に配置された状態で示されている。）と、４つの搬送機構２４（図４では図示されず、図３を参照）とを含んでいる。カセットホルダ２３、カセット４および搬送機構２４は、常態では、下ケーシング２２内に配置されている。ここで、搬送機構２４が、上述した第１搬送部１０を構成している。
【００５８】
上述したように下ユニット２０がキャビネット３（図２参照）から引き出されることで下ユニット２０と上ユニット２１とが分離された状態（図４に示す状態）では、下ケーシング２２の上面が開放されている。
（１）カセットホルダ
８つのカセットホルダ２３は、前後（図４における手前側と奥側とを結ぶ方向）に４つ、左右に２つ並ぶように配置されている。各カセットホルダ２３は、垂直方向に延びる４本の保持レール２５を含んでいる。４本の保持レール２５は、上方から見て四角形の４つの角をなすように、配置されている（右側手前のカセットホルダ２３を参照）。
（２）カセット
図５は、カセット４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、景品２が１枚も収納されていない状態を示し、（ｂ）は、複数枚の景品２が収納された状態を示している。図５に示すように、各カセット４は、上下方向に長手であり、その平断面は、図５では、右側が切り欠かれた略コ字形状をなしている。カセット４において、上面は、景品２をカセット４内に収容するために開放されている一方で、底面は、カセット４に収容された景品２がカセット４から落下しないように、塞がれている。
【００５９】
図５におけるカセット４の右面は、上述した略コ字形状の平断面をなすべく、上下方向における全ての範囲に亘って連続して開放されており、このように開放された部分を開放部２８という。開放部２８は、カセット４において開放された上面に対して連続している。
【００６０】
カセット４の前面および後面には、カセット４の内側へ凹みつつ、上下に延びる溝２９が１つずつ形成されている。また、図５におけるカセット４の左面には、溝２９が、前後に間隔を隔てて２つ形成されている（図５では図示されておらず、図４において単独で示されたカセット４の右面を参照）。これらの溝２９は、後述するようにカセット４が下ケーシング２２に装填される際に、カセット４の装填をガイドするためのものである。
【００６１】
カセット４の上端には、ハンドル３０が取付けられている。ハンドル３０は、前後に間隔を隔てる２つの遊端部を有する略Ｕ字形状である。ハンドル３０において、前側の遊端部３０Ａは、カセット４の前面において溝２９より上側の部分によって支持されており、
後側の遊端部（図示されていない）は、カセット４の後面において溝２９より上側の部分によって支持されている。これにより、ハンドル３０全体は、カセット４の上端によって回動自在に支持されている。そのため、ハンドル３０を適宜回動させることでハンドル３０を良好に掴み、カセット４をぶら下げた状態で移動させることができる。
【００６２】
カセット４は、図５（ｂ）に示すように、所定の種類の複数枚の景品２を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で、（厚さ３ｍｍの景品の場合は）最大でたとえば１００枚程度収納することができる。この状態で、積層状態にある景品２は、カセット４の底壁４Ａに載置されている。
【００６３】
景品２が収納されたカセット４は、図４に示すように、開放された下ケーシング２２の上面を介して、下ケーシング２２に対して上から装填され、対応するカセットホルダ２３によって保持される。詳しくは、カセット４の装填に伴い、各カセット４の４つの溝２９（図５も参照）に、対応するカセットホルダ２３の４本の保持レール２５が外側から嵌り込み、カセット４は、４本の保持レール２５によって外側から囲まれることで位置決めされる。このように、カセット４は、対応するカセットホルダ２３によって保持される。
【００６４】
ここで、下ケーシング２２において、カセットホルダ２３は、左右に２つ並ぶように配置されているので、左右に並ぶカセットホルダ２３のそれぞれに保持されたカセット４は、左右に並んで配置される。このとき、左右に並んで配置された２つのカセット４のうち、左側のカセット４の開放部２８と、右側のカセット４の開放部２８とが水平方向において対向している。つまり、各カセット４は、その開放部２８が下ケーシング２２の幅方向中央を向くように、下ケーシング２２に装填されている。
（３）搬送機構
図３を参照して、上述した４つの搬送機構２４は、下ケーシング２２内において、前後に並んで配置されている（図３では１つの搬送機構２４が図示されている。）。各搬送機構２４は、下ケーシング２２内において左右に並ぶカセットホルダ２３（換言すれば左右に並ぶカセット４）の間に配置されている（後述する図８、図１３参照）。
【００６５】
図６は、搬送機構２４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、搬送ユニット３２が下限位置にある状態を示し、（ｂ）は、搬送ユニット３２が上昇途中にある状態を示している。
【００６６】
図６（ａ）に示すように、各搬送機構２４は、垂直方向に延びる支持レール３１と、搬送ユニット３２と、モータ（搬送ユニット移動用モータ）３３とを含んでいる。
【００６７】
搬送ユニット３２は、支持レール３１によって上下方向へスライド自在に支持されている。この状態で、搬送ユニット３２は、搬送機構２４の左右両側にあるカセットホルダ２３のいずれか一方に装填されたカセット４の開放部２８（図５参照）に対して水平方向から対向している（図８参照）。
【００６８】
モータ３３は、支持レール３１の下端に固定されている。モータ３３が駆動されると、モータ３３の駆動力が、ベルトやチェーンなどの伝達部材を介して搬送ユニット３２に伝達され、搬送ユニット３２が、支持レール３１に支持された状態で、上下方向へスライドする。これにより、図６（ｂ）に示すように、搬送ユニット３２は、カセット４に収納された景品２を、カセット４の開放部２８（図５参照）から取り出し、上方へ搬送することができる。ここで、上限近傍にあるときの搬送ユニット３２の位置を待機位置という。
【００６９】
また、搬送機構２４は、垂直方向に延びる支持レール３１を中心として、回動することができる。これにより、図６の姿勢を基準として、右前に向いていた搬送ユニット３２が
、搬送機構２４が１８０°回動することによって、左後へ向く（図示されていない）。搬送機構２４の回動については、以降で再度説明する。
【００７０】
図７Ａ〜図７Ｆは、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【００７１】
ここで、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する手順を説明する前に、図７Ａ〜図７Ｆを参照して、搬送ユニット３２の計数機能および搬送機能について説明する。
【００７２】
なお、図７Ａ〜図７Ｆを参照するにあたって、搬送ユニット３２は、搬送機構２４に対して左側に位置するカセット４の開放部２８に対して、右から対向しているものとし（後述する図８（ｄ）参照）、このときの搬送ユニット３２の姿勢を基準として、搬送ユニット３２における左右の向きを特定する。そのため、図７Ａ〜図７Ｆに示す状態とは異なり、搬送ユニット３２が、搬送機構２４に対して右側に位置するカセット４の開放部２８に対して左から対向している場合には（後述する図８（ａ）〜（ｃ）参照）、搬送ユニット３２における左右の向きは、図７Ａ〜図７Ｆを参照したときとは逆になる。
【００７３】
搬送ユニット３２の機能には、上述した景品２を搬送する機能（搬送機能）だけでなく、各カセット４内の景品２の枚数を計数する機能（計数機能）も含まれている。さらに、この搬送機能によれば、単にカセット４内の景品２を１枚ずつ搬送するのではなく、景品２を必要枚数分まとめて搬送することができる。
（３−１）計数機能
搬送ユニット３２は、図７Ａに示すように、略ボックス形状のフレーム３５（図６（ａ）も参照）を備え、さらに、計数機能に関連して、揃え部３６とセンサ３７とを備えている。揃え部３６およびセンサ３７は、カセット４に積層状態で収納された景品２を１枚ずつ計数する機能を有する計数部６０を構成する。
【００７４】
また、上述したように搬送ユニット３２が上下方向（カセット４における景品２の積層方向）へスライド自在であることから、搬送ユニット３２に備えられた揃え部３６およびセンサ３７（計数部６０）は、上下方向に相対変位可能である。
【００７５】
揃え部３６は、フレーム３５に一体的に設けられた略台形状のリブであり、フレーム３５の幅方向外側（図７Ａでは左側）へ向けて上下に狭くなるように突出している。揃え部３６の左端部は、図７Ａにおけるフレーム３５の左面（搬送機構２４に対して左側に位置するカセット４の開放部２８（図５参照）に対向する面であり、対向面３５Ａという。）よりも左側（カセット４側）へはみ出ている。
【００７６】
センサ３７は、揃え部３６と上下方向において一致する位置において、フレーム３５の対向面３５Ａに取り付けられている。センサ３７は、いわゆる反射型の光学センサであり、赤外線ＬＥＤ等から構成される発光素子（図示せず）と、発光素子（図示せず）から発光された光のうち、検知物に当たって反射した光を受ける受光素子（図示せず）とを備えている。
【００７７】
搬送ユニット３２は、揃え部３６およびセンサ３７（計数部６０）を備えることで、カセット４内に収納された景品２の枚数を数えることができる。景品２の計数は、景品払出機１に備えられた制御部２００，３００（図１４，１５参照）によって、搬送機構２４の駆動装置２０１（図１５参照）および光学センサ３７が制御されることにより、実行される。
【００７８】
計数が実行されるのにあたって、まず、搬送ユニット３２の対向面３５Ａが、カセット
４に積層状態で収納された景品２の側面（図７Ａでは右面）２Ａに対してカセット４の開放部２８を介して右側から対向した状態で、搬送ユニット３２が、上述した待機位置から下方へスライドする。ここで、カセット４に積層状態で収納された全ての景品２の（右）側面２Ａをまとめて積層側面２Ｂという。搬送ユニット３２が下方へスライドする際、揃え部３６が、カセット４に積み重ねられた景品２に対して、上側の景品２から順に、カセット４の開放部２８を介して右側から接触する。これにより、景品２は、上側の景品２から順に、カセット４の左壁の内面へ押し付けられていく。このとき、センサ３７は、積層側面２Ｂに対して、所定の間隔を隔てて右側から対向している。
【００７９】
そして、揃え部３６が全ての景品２に接触し終え、さらに、センサ３７が最下位にある景品２より低い位置に到達するまで搬送ユニット３２が下方へスライドすると、カセット４において上下に隣り合う景品２の右縁は、揃え部３６によって、上下方向に沿って直線状に並ぶように揃えられる。
【００８０】
なお、揃え部３６と似た形状を有する揃え部３８が、図７Ａにおけるフレーム３５の右面（搬送機構２４に対して右側に位置するカセット４の開放部２８に対向する面）に設けられている。そのため、搬送ユニット３２が上下にスライドする際には、搬送機構２４に対して左右の両側に位置する２つのカセット４のそれぞれにおける景品２の幅方向における縁が、対応する揃え部３６または３８によって一度に揃えられる。ここで、揃え部３６および３８が景品の縁を揃える動作は、対応するカセット４が下ケーシング２２に装填されたときに行なわれてもよい。
【００８１】
景品２の縁が揃えられた後、搬送ユニット３２は、待機位置へ向けて上方ヘスライドする。搬送ユニット３２の上方へのスライドに伴い、計数部６０のセンサ３７が、上述した景品２の積層側面２Ｂに対して所定の間隔を隔てて右側から対向した状態で上昇する。
【００８２】
センサ３７が上昇している最中において、センサ３７では、発光素子（図示せず）が、下側の景品２から順に、景品２の（右）側面２Ａに向けて投光し、この景品２の側面２Ａで反射される反射光が受光素子（図示せず）に受光される。ここで、上下に隣り合う景品２の側面２Ａの境界Ｘに発光素子（図示せず）からの光が当てられた場合、景品２の側面２Ａに光が当てられる場合と比べて、受光素子（図示せず）が受光する反射光の量（受光量）が変化する。
【００８３】
そのため、センサ３７において、受光素子（図示せず）での受光量が変化する毎に、搬送ユニット３２は、景品２が１枚あるとカウントする。そして、同様の手順により、搬送ユニット３２は、下側の景品２から順に１枚ずつ景品２をカウントして景品２の枚数を数え、待機位置に戻ったときには、全ての景品２の計数を完了する。
【００８４】
このように、この景品払出ユニット５には、カセット４に収納された景品２を１枚ずつ計数する機能を有する計数部６０が含まれている。そのため、この景品払出ユニット５を収容する景品払出機１（図２参照）では、カセット４に何枚の景品２が収納されているのかを把握することができる。
【００８５】
なお、各カセット４において上下に積層された景品２の計数結果は、各カセット４に収納された各景品２の上下方向における位置情報（つまり、上からＮ番目の景品２は上下方向においてどの位置にあるかという情報）を含んでいると言える。
（３−２）搬送機能
搬送ユニット３２は、搬送機能に関連して、フレーム３５に、爪４０（図６（ａ）も参照）と、支持レバー４１と、めくりローラ４２と、押えレバー４３と、カム４４と、リンクレバー４５と、モータ（景品分離用モータ）４６とをさらに備えている。爪４０、支持
レバー４１、めくりローラ４２、押えレバー４３、カム４４、リンクレバー４５およびモータ４６は、分離搬送部７０（分離搬送手段）を構成している。
【００８６】
爪４０は、前後方向（図７Ａの紙面に垂直な方向）において間隔を隔てて一対設けられている（図６（ａ）も参照）。各爪４０は、カセット４の景品２側（左側）へ略水平に突出する突出部４０Ａと、突出部４０Ａの突出方向上流側（右側）の端部から下向きに延びて下端部が右側に折り曲げられた延設部４０Ｂとを一体的に備えている。
【００８７】
支持レバー４１は、２本で１組をなしており、一対の爪４０と同様に、前後方向において間隔を隔てて一対（２組）設けられている。各組における２本の支持レバー４１は、左右に並ぶように配置されており、図７Ａの状態では、ともに、右上側へ向けて傾斜して延びている。各支持レバー４１の下端部は、フレーム３５によって支持されている。これにより、各支持レバー４１は、それぞれの下端部を中心として回動自在である。支持レバー４１の回動軸は、前後方向に沿って延びている。そして、各支持レバー４１の上端部は、前後方向で同じ側にある爪４０の延設部４０Ｂの下端部に接続されている。この状態で、各支持レバー４１の上端部は、対応する爪４０の延設部４０Ｂに対して回動可能である。
【００８８】
支持レバー４１が下端部を中心に回動することで、一対の爪４０は、カセット４の景品２の積層側面２Ｂから右側へ離れてフレーム３５の対向面３５Ａより右側にある退避位置（図７Ａおよび図７Ｂ参照）と、突出部４０Ａのほとんどが対向面３５Ａより左側にあり、景品２の積層側面２Ｂよりも左側へ進出した進出位置（図７Ｆ参照）との間で、略水平方向に沿って進退することができる。
【００８９】
詳しくは、支持レバー４１が、下端部を中心として図７Ａにおける時計回りの方向における限界まで回動したときに、爪４０は、退避位置にあり、支持レバー４１が、下端部を中心として反時計回りの方向における限界まで回動したときに、爪４０は、進出位置にある。爪４０は、図示しない付勢部材によって、進出位置へ向かう方向へ付勢されており、これに応じて、支持レバー４１は、下端部を中心とする反時計回りの方向へ付勢されている。
【００９０】
めくりローラ４２は、フレーム３５の対向面３５Ａの上端に配置されており、フレーム３５によって支持されている。めくりローラ４２は、前後方向に延びる軸を中心として回転自在である。めくりローラ４２の外周面の一部（左端部）は、フレーム３５の対向面３５Ａよりも左側（カセット４側）へはみ出ている。めくりローラ４２の回転軸は、爪４０の突出部４０Ａに対して僅かに高い位置にある。
【００９１】
押えレバー４３は、上向きに延びており、上側へ向かうのに従って細くなっている。押えレバー４３は、上側へ向かうのに従って、フレーム３５の対向面３５Ａから左側へ露出され、カセット４の景品２の積層側面２Ｂ側（左側）へ若干傾いている。押えレバー４３の上下方向途中には、前後方向に延びる支持軸４３Ａが挿通されている。支持軸４３Ａは、フレーム３５によって支持されている。これにより、押えレバー４３は、支持軸４３Ａを中心として、支持軸４３Ａに対して揺動自在である。押えレバー４３は、その上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近するように（左側へ向かうように）、図示しない付勢部材によって付勢されている。
【００９２】
押えレバー４３で景品２の積層側面２Ｂに対向しない右縁において、支持軸４３Ａより下側の部分には、左側へ略Ｖ字状に窪む切欠き４３Ｂが形成されている。
【００９３】
カム４４は、押えレバー４３の切欠き４３Ｂの近傍（詳しくは切欠き４３Ｂの右側）に配置されている。カム４４は、前後方向に延びてフレーム３５によって回転自在に支持さ
れた筒部４４Ａと、筒部４４Ａの外周面の周上１箇所において、筒部４４Ａの径方向外側へ突出する凸部４４Ｂとを一体的に備えている。
【００９４】
図７Ａでは、カム４４の凸部４４Ｂが、左側を向いており、押えレバー４３の右縁における切欠き４３Ｂより下側の部分に対して右側から接触している。これにより、押えレバー４３の上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近する方向へ押えレバー４３が揺動しようとすることが規制されている。そして、この状態では、押えレバー４３は、景品２の積層側面２Ｂに対して所定距離だけ右側に位置している。
【００９５】
リンクレバー４５は、前後方向において間隔を隔てて一対設けられている。リンクレバー４５は、カム４４の下方かつ、前後方向で同じ側にある支持レバー４１よりも景品２に近い側（左側）に配置されている。リンクレバー４５の長手方向一端部には、前後方向に延びる支持軸４５Ａが挿通されている。支持軸４５Ａは、フレーム３５によって回転自在に支持されている。これにより、リンクレバー４５は、支持軸４５Ａを中心として、支持軸４５Ａとともに回転自在である。そして、リンクレバー４５の長手方向他端には、前後方向に突出するボス４５Ｂが一体的に設けられている。
【００９６】
図７Ａでは、ボス４５Ｂが、支持軸４５Ａより右側にあり、前後方向で同じ側にある１組の支持レバー４１（詳しくは左側の支持レバー４１）に対して、左側（カセット４の景品２側）から当接して支持レバー４１を位置決めしており、これにより、爪４０が退避位置に位置決めされている。
【００９７】
モータ４６は、たとえば、リンクレバー４５より高い位置に配置されている。モータ４６の出力軸４６Ａは、前後方向に延びている。
【００９８】
そして、モータ４６の出力軸４６Ａと、リンクレバー４５の回転軸（支持軸４５Ａ）との間には、無端状の第１ベルト４７が巻回されている。リンクレバー４５の回転軸と、カム４４の回転軸（筒部４４Ａ）との間には、無端状の第２ベルト４８が巻回されている。カム４４の回転軸と、押えレバー４３の揺動軸（支持軸４３Ａ）との間には、無端状の第３ベルト４９が巻回されている。押えレバー４３の揺動軸と、めくりローラ４２の回転軸との間には、無端状の第４ベルト５０が巻回されている。
【００９９】
モータ４６が駆動されると、モータ４６が発生した駆動力が、第１ベルト４７、第２ベルト４８、第３ベルト４９、第４ベルト５０を介して、リンクレバー４５、カム４４、めくりローラ４２に対して、この順で伝達される。これにより、リンクレバー４５、カム４４、めくりローラ４２は、図７Ａにおける時計回りの方向へ回転する。一方、押えレバー４３には、モータ４６が発生した駆動力は伝達されない。
【０１００】
なお、フレーム３５には、第１センサ５１と第２センサ５２とが設けられている。第１センサ５１は、支持レバー４１の位置を検知する。第２センサ５２は、リンクレバー４５の位置を検知する。
【０１０１】
次に、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する手順を説明する。
【０１０２】
まず、搬送ユニット３２が待機位置（上限近傍）にあり、爪４０が退避位置にある状態において、景品２を所定の払出枚数分（ここでは１枚とする。）だけ払い出すとの命令が、上述した制御部２００から搬送ユニット３２に下る。これにより、搬送ユニット３２は、フレーム３５の対向面３５Ａがカセット４に収納された景品２に対して右から対向した状態で、下降する（太線矢印参照）。下降に伴い、搬送ユニット３２は、計数部６０のセンサ３７によって上述したように、積層された景品２を、上の景品２から順に計数する。
【０１０３】
そして、搬送ユニット３２は、払出枚数分（ここでは１枚）まで景品２を計数すると、図７Ｂに示すように、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに爪４０の突出部４０Ａが上下方向で一致するまで、さらに下降する（太線矢印参照）。
【０１０４】
図７Ｃに示すように、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに爪４０の突出部４０Ａが上下方向で一致すると、搬送ユニット３２は下降をやめて停止する。この際、モータ４６が駆動され、これにより、分離搬送部７０におけるめくりローラ４２、カム４４およびリンクレバー４５が時計回りに回転（回動）し始める。
【０１０５】
ここで、めくりローラ４２では、その外周面の一部（左端部）が、払い出す景品２のうち最も下側にある景品２の側面（右面）２Ａに接触している。そのため、めくりローラ４２が時計回りに回転することによって、この景品２がめくりローラ４２によってめくり上げられる。これにより、払い出す景品２と払い出さない景品２との間に、隙間Ｙが形成される。なお、ここでは、払い出す景品２の枚数が１枚なので、１枚の景品２がめくり上げられているが、複数枚の景品２を払い出すときには、払い出す景品２のうち最も下側にある景品２がめくりローラ４２によってめくり上げられることで、複数枚の景品２全てが一塊（景品群）となってめくり上げられる。
【０１０６】
また、このときには、カム４４の回転に伴って、カム４４の凸部４４Ｂが、押えレバー４３の切欠き４３Ｂに一致する。その結果、上述したカム４４の凸部４４Ｂによる押えレバー４３の揺動の規制（図７Ａおよび図７Ｂ参照）が解除され、押えレバー４３は、切欠き４３Ｂがカム４４の凸部４４Ｂに近付く方向（換言すれば押えレバー４３の上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近する方向）へ、揺動する。これに伴い、押えレバー４３の上端部が、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側（右上側）から押える。これにより、めくりローラ４２が、払い出す景品２をめくり上げても、その景品２の真下にある払い出さない景品２までもがめくり上げられることはない。
【０１０７】
そして、図７Ｄに示すように、引き続きモータ４６が駆動されることで、めくりローラ４２がさらに時計回りに回動すると、払い出す景品２がさらにめくり上げられ、払い出す景品２と払い出さない景品２との隙間Ｙが上下に大きくなる。なお、このときも、押えレバー４３は、その上端部において、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側から押えている。
【０１０８】
また、上述したようにリンクレバー４５が時計回りの方向へ回転（回動）することによって、支持レバー４１に対して左側（カセット４の景品２側）から当接していたボス４５Ｂは、支持レバー４１に当接した状態を保ちつつ、時計回りの方向へ回動しながら、カセット４の景品２側（左側）へ移動する。なお、支持レバー４１においてボス４５Ｂに当接される部分（左縁）は、ボス４５Ｂが円滑に回動できるように、ボス４５Ｂの回動軌跡に沿って湾曲している。
【０１０９】
そして、支持レバー４１は、上述したように下端部を中心とする反時計回りの方向へ付勢されているので、リンクレバー４５のボス４５Ｂが左側へ移動するのに伴い、反時計回りの方向（左側）へ移動する。これに伴い、リンクレバー４５に連結された爪４０も左側へ移動する。ここで、爪４０の突出部４０Ａは、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに上下方向で一致しているので（図７Ｃも参照）、爪４０が左側へ移動するのに伴い、境界Ｘから、上述した隙間Ｙに進入し、払い出す景品２と払い出さない景品２とを分離し始める。
【０１１０】
その後、引き続きモータ４６が駆動されることで、リンクレバー４５がさらに時計回り
に回動すると、リンクレバー４５のボス４５Ｂが、一瞬、支持レバー４１に対して左側へ外れる。これにより、支持レバー４１は、反時計回りの方向（左側）へ一気に回動し、これに伴い、爪４０の突出部４０Ａが、上述した隙間Ｙ内を左側へ一気に移動する。
【０１１１】
その後、一瞬支持レバー４１から外れたリンクレバー４５のボス４５Ｂが、図７Ｅに示すように、支持レバー４１に対して、再び左側から当接し、これにより、支持レバー４１の回動および爪４０の移動が停止する。このとき、爪４０は、上述した進出位置にある。
【０１１２】
つまり、リンクレバー４５のボス４５Ｂが、一瞬、支持レバー４１に対して左側へ外れたときに、爪４０は、一瞬で進出位置に到達する。なお、爪４０が進出位置にないときには支持レバー４１が第１センサ５１に一致している一方で（図７Ａ〜図７Ｄ参照）、爪４０が進出位置にあるときには支持レバー４１が第１センサ５１から離れるので（図７Ｅおよび図７Ｆ参照）、第１センサ５１は、支持レバー４１が離れるのに応じて、爪４０が進出位置に到達したことを検知する。
【０１１３】
進出位置に到達した爪４０は、払い出す景品２をすくい上げることで、払い出す景品２と払い出さない景品２とを完全に分離し、払い出す全て（ここでは1 枚だけ）の景品２は、爪４０の突出部４０Ａに載置される。なお、このときも、押えレバー４３は、その上端部において、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側から押えている。また、払い出す全ての景品２が爪４０の突出部４０Ａに載置されるときには、モータ４６の駆動が停止している。
【０１１４】
このように払い出す景品２と払い出さない景品２とが完全に分離された後、図７Ｆに示すように、搬送ユニット３２は、待機位置に向かって上昇する（太い実線矢印参照）。これにより、搬送ユニット３２の爪４０の突出部４０Ａに載置された全ての景品２は、搬送ユニット３２とともに上昇する（図６（ｂ）も参照）。つまり、搬送ユニット３２（詳しくは分離搬送部７０）は、払い出す枚数の景品２を上方へ搬送する。
【０１１５】
なお、爪４０の突出部４０Ａに載置された景品２が、客に払出されると（詳しくは、後述する図９に示すように上ユニット２１側に受け渡されると）、モータ４６が再び駆動される。
【０１１６】
これにより、カム４４が時計回りに回動し（このとき、カム４４は１回転を終えたことになる。）、カム４４の凸部４４Ｂが、図７Ａに示すように、再び左側を向き、押えレバー４３の右縁における切欠き４３Ｂより下側の部分に対して右側から接触する。これにより、押えレバー４３は、景品２の積層側面２Ｂに対して所定距離だけ右側に位置した状態（景品２に接触しない状態）で位置決めされる。
【０１１７】
また、リンクレバー４５が、図７Ｆに示す状態から時計回りの方向へ回動することにより、ボス４５Ｂが、支持レバー４１に左側から当接した状態で、景品２の積層側面２Ｂから離れる方向（右側）へ移動する。この際、支持レバー４１は、ボス４５Ｂに押されることで時計回りの方向（右側）へ回動し、これに伴い、爪４０は、右側へ移動して、リンクレバー４５の回動が停止したとき（このとき、リンクレバー４５は１回転を終えたことになる。）には、図７Ａに示す退避位置に戻る。
【０１１８】
以上で説明した場合（第１の場合という。）では、搬送ユニット３２は、計数部６０によって、払い出す分（払出枚数分）だけ景品２を計数してから、払い出す景品２を、分離搬送部７０によって、カセット４における残りの景品２から分離して搬送している。
【０１１９】
しかし、搬送ユニット３２が、上述したようにカセット４の全ての景品２の枚数を予め
計数することで計数結果から各景品２の位置を予め把握し、その後、搬送ユニット３２が、計数動作を伴わずに、単に景品２を搬送してもよい。この場合（第２の場合という。）、搬送ユニット３２は、景品２を搬送するのに先立って、上述したように把握した景品２の位置情報に基づいて、払い出す景品２のところまで移動し（図７Ｃ参照）、分離搬送部７０によって、景品２を分離搬送する。
【０１２０】
ここで、いずれの場合（上述した第１の場合および第２の場合）にも、搬送ユニット３２の分離搬送部７０は、カセット４に収納された景品２において、計数部６０（詳しくは、計数部６０の計数により得られる各景品２の位置情報）を利用して、所定の払出枚数に相当する景品群を特定し（図７Ｃ参照）、特定した景品群を他の景品２から分離して上方（所定方向）に搬送している（図６（ｂ）および図７Ｆ参照）。これにより、所定の払出枚数の景品２を払い出す場合には、当該払出枚数分の景品２を、１枚ずつ分離搬送することなく、まとめて迅速に搬送できるので（図６（ｂ）参照）、景品２の払い出しに掛かる時間の短縮化を図ることができる。
【０１２１】
また、上述した計数部６０が搬送ユニット３２に備えられているのに対し、分離搬送部７０も搬送ユニット３２に備えられているので、計数部６０と分離搬送部７０とは一体化されている。これにより、計数部６０と分離搬送部７０とそれぞれが単独で存在する場合に比べて、景品払出ユニット５において、景品２を分離搬送する機構に起因する装置の大型化を抑制し、景品払出ユニット５の構成を簡略化することができる。
【０１２２】
図８は、景品払出ユニット５の模式的な正断面図である。
【０１２３】
各搬送機構２４は、下ケーシング２２内において、左右に並ぶカセットホルダ２３（左右に並ぶカセット４）の間に配置されている。
【０１２４】
そして、搬送機構２４の搬送ユニット３２のフレーム３５の対向面３５Ａは、たとえば、図８（ａ）に示すように、まず、右側のカセットホルダ２３に装填された右側のカセット４に左から対向する。そして、上述した手順によって、右側のカセット４に収納された景品２を、払出枚数分だけ、上側の景品２から順に、上方の上ユニット２１に搬送する（図８（ｂ）参照）。
【０１２５】
この結果、図８（ｃ）に示すように、右側のカセット４の全ての景品２が搬送されて右側のカセット４が空になると、図８（ｄ）に示すように、搬送機構２４は、上述したように、垂直方向に延びる支持レール３１を中心として１８０°回動する（図８（ｄ）の太線矢印参照）。
【０１２６】
これにより、搬送ユニット３２のフレーム３５の対向面３５Ａは、左側のカセットホルダ２３に装填された左側のカセット４に右から対向し、今度は、左側のカセット４に収納された景品２を、上側の景品２から順に、上述した手順によって、分離し、上方へ搬送することができる。
【０１２７】
このように、１つの搬送機構２４は、左右のカセット４の間に配置されて、これら２つのカセット４におけるそれぞれの景品２を計数および分離搬送している。つまり、搬送機構２４（一体化された１組の計数部６０および分離搬送部７０）とカセット４とが、１対２の関係になっており、１つの搬送機構２４は、左右に並んで配置された２つのカセット４のそれぞれに収納された景品２に対して対応可能である。
［２−２−２］上ユニット
図９は、内部が露出された状態にある上ユニット２１を斜め上側から見た斜視図であって、搬送機構２４も一緒に示している。
【０１２８】
次に、上ユニット２１について説明する。
【０１２９】
図９に示すように、上ユニット２１は、その外郭をなす上ケーシング８０と、上ケーシング８０内に配置される保留ボックス８１およびエレベータ８２（図９には図示されず、後述する図１０を参照）とを含んでいる。保留ボックス８１は、受入部および搬送手段として機能する。
【０１３０】
上ケーシング８０は、前後方向に長手で上下に扁平なボックス形状である。なお、図９において、上ケーシング８０の前壁および右壁は省略されている。上ケーシング８０では、上面が開放されている。
【０１３１】
また、上ケーシング８０の底面には、上ケーシング８０内に連通する６つの開口８３が形成されている。６つの開口８３は、前後に３つ、左右に２つ並ぶように形成されている。各開口８３は、前後に長手の矩形状であり、特に、前後に３つ並ぶ開口８３において、真ん中にある開口８３は、残りの開口８３よりも前後方向に２倍程度大きい。
【０１３２】
下ユニット２０がキャビネット３（図２参照）内にある状態（下ユニット２０と上ユニット２１とが一体化された状態であり、図３参照）では、各開口８３は、対応するカセット４（図４参照）の開放された上面に対して真上から臨んでいる。
【０１３３】
つまり、左側で前後に並ぶ３つの開口８３において、最も前側の開口８３は、下ユニット２０において左側で前後に並ぶ４つのカセット４のうち、最も前側のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。また、左側で前後に並ぶ３つの開口８３において、最も後側の開口８３は、下ユニット２０において左側で前後に並ぶ４つのカセット４のうち、最も後側のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。一方、前後方向で真ん中にある開口８３は、前後に並ぶ４つのカセット４のうち、前から２番目および３番目のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。右側で前後に並ぶ３つの開口８３についても同様である。
【０１３４】
保留ボックス８１は、左右に２つ設けられている（図９では、保留ボックス８１が１つだけ図示されている。）。保留ボックス８１は、左右にやや薄いボックス形状であり、その上面および底面は、開放されている。
【０１３５】
保留ボックス８１の平断面は、カセット４と同様に、略コ字形状をなしている（図５参照）。図９に示す左側の保留ボックス８１では、右面が上下方向における全域において開放されており、図示されていない右側の保留ボックス８１では、左面が上下方向における全域において開放されている。各保留ボックス８１において、このように開放された部分を、開放部８４という。開放部８４は、保留ボックス８１の開放された上面および底面の両方に対して連続している。
【０１３６】
左側の保留ボックス８１は、上ケーシング８０の左壁によって前後方向へスライド自在に支持されており、右側の保留ボックス８１（図示せず）は、上ケーシング８０の右壁によって前後方向へスライド自在に支持されている。左右の保留ボックス８１は、図示しないモータにより、互いに連動することなく、単独でスライドすることができる。
【０１３７】
そして、各保留ボックス８１は、前後にスライドする際に、左右方向において同じ側で前後に並ぶ３つの開口８３の上方を通過する。
【０１３８】
ここで、左側における最も前側の開口８３を参照して、上述したように搬送ユニット３
２（分離搬送部７０）が、この開口８３の下方にあるカセット４（図４参照）の景品２を上方へ搬送する際、左右方向で同じ側にある保留ボックス８１（ここでは左側の保留ボックス８１）は、搬送される景品２の真上に位置するように移動してから、この位置で待機する。
【０１３９】
そして、搬送ユニット３２の分離搬送部７０によって上方へ搬送されてきた景品２は、この景品２を収納していたカセット４の上方にある開口８３（ここでは、左側における最も前側の開口８３）と、待機している保留ボックス８１の開放された底面とを順に通過し、保留ボックス８１内に収容される。つまり、保留ボックス８１は、カセット４に対して上方（上下方向における隣）に配置され、分離搬送部７０が搬送してきた景品２を受け入れる。この後、搬送ユニット３２は、元の位置（上述した待機位置）へ戻る。
【０１４０】
なお、保留ボックス８１内に景品２が収容されると、保留ボックス８１に設けられた爪（図示せず）が、保留ボックス８１内に突出し、保留ボックス８１内で最も下側にある景品２に対して下から係合する。これにより、保留ボックス８１内に収容された景品２が保留ボックス８１の底面から落下することはない。
【０１４１】
図１０は、内部が露出された状態にある上ユニット２１の斜視図であって、エレベータ８２を示している。図１１は、図１０において、エレベータ８２の伸縮機構８７が伸長状態に姿勢を変えた様子を示している。
【０１４２】
図１０に示すように、エレベータ８２は、上ケーシング８０の底壁の前後方向略中央位置にあり、上ケーシング８０の底壁において左右に隣り合う開口８３の間で前後に延びる部分（リブ８５という。）に上から取り付けられている。この状態で、エレベータ８２は、リブ８５上で前後に移動することができる。エレベータ８２は、左右に間隔を隔てて配置される２枚の水平な板状のステージ８６と、伸縮機構８７とを含んでいる。
【０１４３】
２枚のステージ８６のうち、左側のステージ８６は、左側で前後に３つ並ぶ開口８３における真ん中の開口８３に対して上から臨んでおり、右側のステージ８６は、右側で前後に３つ並ぶ開口８３における真ん中の開口８３に対して上から臨んでいる。この状態で、２枚のステージ８６は、連結部材８８によって連結され、一体化されている。
【０１４４】
伸縮機構８７は、いわゆるパンタグラフ構造であり、図１０に示すように上下に扁平な収縮状態と、上側へ伸び出た伸長状態（図１１参照）とに姿勢を変えることができる。伸縮機構８７では、その前後方向略中央部分（上昇部分８９という。）が、伸縮機構８７が収縮状態から伸長状態へ姿勢を変えるときに最も上昇する。伸縮機構８７が収縮状態と伸長状態との間で姿勢を変える際、上昇部分８９は、垂直方向に沿って直線的に上下する。２枚のステージ８６を連結する連結部材８８は、伸縮機構８７の上昇部分８９に上から取り付けられている。
【０１４５】
図１０に示すように伸縮機構８７が収縮状態にあるときには、各ステージ８６は、左右方向で同じ側にある保留ボックス８１の底面よりも低い位置にある。図１１に示すように伸縮機構８７が伸長状態にあるときには、各ステージ８６は、左右で同じ側にある保留ボックス８１（図１０では、左側の保留ボックス８１だけが図示されている。）よりも高い位置にあり、キャビネット３の上面において左右方向で同じ位置にある払出口８（図２参照）に一致する。
【０１４６】
ここで、上述したように保留ボックス８１内に景品２が収容されると、保留ボックス８１は、前後方向にスライドし、図１０に示すように、左右方向で同じ側にあるステージ８６の真上（換言すれば払出口８の真下）で停止する。つまり、保留ボックス８１は、受け
入れた景品２を所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送する。このとき、伸縮機構８７は、収縮状態にある。
【０１４７】
このように、保留ボックス８１は、搬送ユニット３２（図９参照）によって搬送された景品２を払出口８側へ搬送した後、搬送された景品２を払出口８の下方で保留することから、上述した第２搬送部１１および保留部１２として機能している。保留ボックス８１により、カセット４から搬送された景品２を、払出口８へ向けて確実に搬送することができる。
【０１４８】
なお、ステージ８６の真下に位置するカセット４の景品２を払い出す場合には、ステージ８６を含むエレベータ８２全体が、このカセット４に対して前後のどちらかへずれる。そして、このカセット４から搬送された景品２が保留ボックス８１内に収容されると、払出口８の真下にステージ８６が配置されるように、エレベータ８２が元の位置に戻る。
【０１４９】
そして、このように保留ボックス８１が景品２を所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送すると、収縮状態にあった伸縮機構８７が、図１１に示すように、伸長状態へと姿勢を変える。これにより、保留ボックス８１の真下にあったステージ８６が、垂直方向に沿って上昇する。この際、このステージ８６は、保留ボックス８１の開放された底面を通過し、その後、保留ボックス８１に収容された景品２のうち最も下側に位置する景品２の底面を下から押し上げる。これにより、保留ボックス８１に収容された全ての景品２は、ステージ８６に載置された状態で上昇する。
【０１５０】
そして、伸縮機構８７が伸長状態になったときには、保留ボックス８１に収容されていた全ての景品２は、ステージ８６によって持ち上げられ、保留ボックス８１の開放された上面よりも上方へ移動する。このとき、キャビネット３の上面において左右方向で同じ位置にある払出口８（図２参照）が開放されており、保留ボックス８１の開放された上面よりも上方へ移動した景品２は、開放された払出口８からキャビネット３の上面に露出される。つまり、エレベータ８２は、保留ボックス８１によって所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送された景品２を払出口８へ持ち上げていることから、上述したリフト部１３として機能している。エレベータ８２により、搬送ユニット３２の分離搬送部７０（図９参照）がカセット４から搬送した景品２を、景品払出機１の払出口８へ向けて確実に搬送することができる。
【０１５１】
ここで、図２を参照して、払出口８を開閉するシャッタ９は、払出口８を開放したときには、払出口８に対して前側（係員側）にずれている（この状態は図示せず）。上述したように景品２が払出口８から露出されると、シャッタ９は、後側（客側）へスライドし、景品２を後側の客へ向けて押し出しつつ、払出口８を閉じる。この後、伸縮機構８７は、収縮状態に戻る（図１０参照）。
【０１５２】
図１２は、景品払出機１の模式的な側断面図である。
【０１５３】
図１２を参照して、以上で説明した本発明の景品払出機１の各景品払出ユニット５における景品２の払い出し動作をまとめる。なお、図１２の太線矢印は、払い出される景品２（図５（ｂ）参照）の流れを示している。
【０１５４】
各景品払出ユニット５において、下ユニット２０の各カセット４に収納された景品２は、必要な枚数（払出枚数）だけ分離された後、上向きへ搬送されて上ユニット２１内に受け渡される。その後、上ユニット２１内に受け渡された景品２は、中央位置（払出口８の真下）へ搬送される。次に、払出口８のシャッタ９が開放されるとともに、景品２が、エレベータ８２によって払出口８まで持ち上げられ、最後に、払出口８を閉じようとするシ
ャッタ９によって後側（図１２における右側）に押し出され、客に払い出される。
【０１５５】
図１２に示すように、各景品払出ユニット５の下ユニット２０には、各カセットホルダ２３にカセット４が装填されているか否かを検出するためのカセット脱着検知スイッチ２０５が設けられている。また、各景品払出ユニット５の下ユニット２０の後端部には、下ユニット２０がキャビネット３内の景品払出可能位置に挿入（セット）されているか否かを検知するためのユニット挿入検知スイッチ２０６が設けられている。なお、下ユニット２０が景品払出可能位置に挿入されている状態とは、キャビネット３内の上ユニット２１に対して、下ユニット２０が図３に示す位置にある状態をいう。
【０１５６】
また、この景品払出機１では、景品払出ユニット５毎に独立して景品の計数を行うことが可能である。ただし、下ユニット２０が引き出されている（景品払出可能位置に挿入されていない）景品払出ユニット５においては、景品の計数を行うことができない。下ユニット２０が景品払出可能位置に挿入されている景品払出ユニット５においては、下ユニット２０が引き出されている状態の他の景品払出ユニット５が存在していても、景品の計数を行なうことが可能である。
【０１５７】
図１３は、下ユニット２０の概略平面図である。
【０１５８】
各景品払出ユニット５において、左右に隣り合う２つのカセットとそれらのカセットの間にある搬送機構２４とによって１つの払出ブロックが構成されているとすると、各景品払出ニット５には４つの払出ブロックが前後方向に並んで設けられている。
【０１５９】
図１３は、第１ユニット５の下ユニット２０を示しており、左列の４個のカセット４には、前から後に向かってＮｏ.１〜Ｎｏ．４の番号が付けられ、右列の４個のカセット４には、前から後に向かってＮｏ.５〜Ｎｏ．８の番号が付けられている。また、４つの払出ブロックには、前から順に、Ｂ１〜Ｂ４の符号が付けられている。
【０１６０】
１つの景品払出ユニット５において、各払出ブロック毎に払出動作または計数動作を独立して行なうことが可能である。ただし、各払出ブロックにおいては、両方のカセットに対して同時に払出動作または計数動作を行なうことはできない。つまり、各払出ブロックにおいては、指定された片方のカセットに対してのみ払出動作または計数動作を行なうことができる。したがって、払出ブロック内の一方のカセットに対して払出動作または計数動作が行なわれている場合には、他方のカセットは払出不可能状態となる。
［３］景品払出機１の電気的構成
図１４は、景品払出機１の電気的構成を示している。
【０１６１】
景品払出機１は、各景品払出ユニット５を制御するユニット制御部２００Ａ〜２００Ｄと、これらのユニット制御部２００Ａ〜２００Ｄを制御する統括側制御部（本体側制御部）３００とを備えている。各ユニット制御部２００Ａ〜２００Ｄは、統括側制御部３００に接続されている。ユニット制御部２００Ａは第１ユニット５を制御し、ユニット制御部２００Ｂは第２ユニット５を制御し、ユニット制御部２００Ｃは第３ユニット５を制御し、ユニット制御部２００Ｄは第４ユニット５を制御する。各ユニット制御部２００Ａ〜２００Ｄを総称する場合には、ユニット制御部２００と呼ぶ。
【０１６２】
統括側制御部３００および各ユニット制御部２００は、それぞれＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭなどを備えている。統括側制御部３００は、景品払出制御、景品入庫数管理、景品在庫管理、景品管理機１００との通信等を行う。各ユニット側制御部２００は、景品の払出し、景品の計数等を行なう。
【０１６３】
統括側制御部３００には、各ユニット側制御部２００の他、通信部３０１、操作部３０２、客用表示部７Ａ、係員用表示部７Ｂ、記憶部３０３等が接続されている。記憶部３０３は、たとえば不揮発性メモリである。通信部３０１は、景品管理機１００と通信を行うためのものである。
【０１６４】
図１５は、ユニット側制御部２００およびその入出力機器を示している。
【０１６５】
ユニット側制御部２００には、制御対象の景品払出ユニット５内に設けられた電気機器が接続されている。具体的には、ユニット側制御部２００には、搬送機構２４の駆動装置２０１、光学センサ３７、保留ボックス８１の駆動装置２０２、エレベータ８２の駆動装置２０３、シャッタ９の駆動装置２０４、各カセット脱着検知スイッチ２０５、ユニット挿入検知スイッチ２０６、記憶部２０７等が接続されている。記憶部２０７は、たとえば不揮発性メモリである。
【０１６６】
搬送機構２４の駆動装置２０１には、搬送ユニット３２を移動させるためのモータ３３や、搬送ユニット３２に搭載されかつ景品を分離させるためのモータ４６が含まれる。保留ボックス８１の駆動装置２０２には、保留ボックス８１を移動させるためのモータ、位置決め等に利用されるセンサ類が含まれる。エレベータ８２の駆動装置２０３には、エレベータ８２を移動させるためのモータや伸縮機構８７を伸縮させるためのソレノイド（またはモータ）が含まれる。シャッタ９の駆動装置２０４には、シャッタ９を開閉（スライド）させるためのモータが含まれる。
【０１６７】
図１６は、統括側制御部３００に接続された記憶部３０４に設けられているテーブルを示している。記憶部３０４には、景品払出機１内の景品の在庫管理を行うためのテーブルが設けられている。在庫管理を行なうためのテーブルには、”カセット別景品種類テーブルＴＡ１”（図１６（ａ））と、”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２” （図１６（ｂ））と、”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３” （図１６（ｃ））とがある。
【０１６８】
”カセット別景品種類テーブルＴＡ１”は、カセット毎にそれに収納される景品の種類が記憶されたテーブルである。”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”は、カセット毎の”景品在庫数”等の情報を記憶するテーブルである。具体的には、”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”には、カセット番号（カセットＮｏ．）毎に、現在庫数、前回在庫数、入庫総数、表示用入庫データおよび払出総数が記憶される。入庫総数とは、１営業日分の機内への景品入庫数（景品補充数）の総数をいう。表示用入庫データは、入庫数を表示する際に使用される入庫データをいう。払出総数とは、１営業日分の機内からの景品払出数の総数をいう。”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３”は、景品種類毎の”景品在庫数”を記憶するテーブルである。
【０１６９】
図１７は、各カセットに割り当てられたカセット番号（カセットＮｏ．）と、各カセットに収納される景品の種類の具体例とを示している。８列あるカセットの各列を、景品払出機１の前側（図２の手前側）から見て最も左側の列から順に、第１列、第２列、第３列、…、第８列ということにする。カセット番号は、景品払出機１の前側（図２の手前側）から見て、左側にある列ほど数字が小さくなり、かつ同じ列にあるカセット間においては前側のものほど数字が小さくなるように、各カセットに割り当てられている。この実施形態では、各カセットに、１〜３２のカセット番号がそれぞれ割り当てられている。
【０１７０】
また、この実施形態では、第１列および第２列のカセット（第１のユニット）に特大景品（５０００円相当）が収納され、第３列および第４列のカセット（第２のユニット）に大景品（１０００円相当）が収納され、第５列および第６列のカセット（第３のユニット）に中景品（５００円相当）が収納され、第７列および第８列のカセット（第４のユニッ
ト）に小景品（１００円相当）が収納される。
［４］景品管理機１００の電気的構成
図１８は、景品管理機１００の電気的構成を示している。
【０１７１】
景品管理機１００は、制御部４００を備えている。制御部４００は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭなどを備えている。制御部４００は、配下の景品払出機１に対する景品払出制御、配下の景品払出機１に対する在庫確認制御、配下の景品払出機１との通信を行なう。景品管理機１００が親機１００＿Ｍである場合には、制御部３００は、子機１００＿Ｓとの通信や、管理コンピュータ１５０との通信を行う。景品管理機１００が子機１００＿Ｓである場合には、制御部３００は、親機１００＿Ｍとの通信を行なう。
【０１７２】
制御部４００には、通信部４０１、バーコード・リーダ４０２、印字部４０３、操作部４０４、客用表示部４０５、係員用表示部４０６、記憶部４０７等が接続されている。記憶部４０７は、たとえば、不揮発性メモリである。景品管理機１００は、この実施形態では、配下の景品払出機１毎に、景品種類毎の景品在庫数を管理している。このため、記憶部４０７には、配下の景品払出機１毎に、景品種類別の景品在庫数を記憶するためのテーブル（景品種類別在庫管理テーブル）が設けられている。
［５］景品払出機１および景品管理機１００による処理
各景品払出機１の係員用表示部７Ｂ（この例ではタッチパネル付き表示部）には、待機中においては、例えば、図２３（ａ）または図２３（ｂ）に示すような画面が表示される。
【０１７３】
図２３（ａ）の画面５０１ａは、カセット毎の景品在庫数を表示する画面である。この画面５０１ａには、「カセット別在庫数」というタイトルと、「払出しできます。」というメッセージと、カセット毎の景品在庫数を模式的に示す図と、各種ボタンとが表示されている。カセット毎の景品在庫数を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される、景品種類（特大，大，中，小）を表す文字と、ボックス内に表示される、そのボックスに対応するカセット内の景品在庫数を表す数字と、ボックス内に表示される、景品種類を表す色とを含む。なお、景品種類を表す色は、各景品の外面の色と同一もしくは類似する色が予め設定されている。
【０１７４】
各種ボタンには、表示切替ボタン、メニューボタン、前回取引ボタン、在庫計数ボタンが含まれる。表示切替ボタンは、現在の画面５０１ａを、図２３（ｂ）に示す画面５０１ｂに切替えるためのボタンである。メニューボタンは、メニュー画面を表示させるためのボタンである。前回取引ボタンは、前回（直前に）行なわれた景品払出処理において払い出された景品の種類および景品数を表示するためのボタンである。在庫計数ボタンは、在庫確認指令（図２０のステップＳ１４参照）を入力するためのボタンである。
【０１７５】
図２３（ｂ）の画面５０１ｂは、景品種類毎の景品在庫数を表示する画面である。この画面５０１ｂには、「景品在庫数」というタイトルと、「払出しできます。」というメッセージと、景品種類毎の景品在庫数と、各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図と、各種ボタンとが表示されている。各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される、景品種類（特大，大，中，小）を表す文字と、ボックス内に表示される、景品種類を表す色とを含む。各種ボタンには、表示切替ボタン、メニューボタン、前回取引ボタン、在庫計数ボタンが含まれる。表示切替ボタンは、現在の画面５０１ｂを、図２３（ａ）に示す画面５０１ａに切替えるためのボタンである。
【０１７６】
景品管理機１００の操作部３０４には、図示しないが、在庫計数ボタン、テンキー等が設けられている。景品管理機１００の操作部３０４の在庫計数ボタンが操作されると、景
品管理機１００は、配下の景品払出機１に在庫確認コマンドを送信する。
［６］景品払出機１０３による処理
［６−１］ユニット側制御部２００による処理
ユニット側制御部２００は、主として制御対象の景品払出ユニット５を制御して、景品の払出しのための処理および景品を計数するための景品計数処理を行なう。景品計数処理には、２種類ある。１つは、制御対象の景品払出ユニット５の下ユニットが景品払出可能位置に挿入（セット）されたことが検知されたことに基づいて行なわれる入庫計数処理である。もう一つは、統括側制御部３００からの計数指令に基いて行なわれる通常計数処理である。
【０１７７】
また、ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５に設けられている各カセット脱着検知スイッチ２０５（図１３，図１５参照）の出力信号およびユニット挿入検知スイッチ２０６（図１３，図１５参照）の出力信号を監視している。この実施形態では、カセット脱着検知スイッチ２０５は、カセット４が装着されているときにオン、カセット４が装着されていないときにオフになるものとする。また、ユニット挿入検知スイッチ２０６は、制御対象の景品払出ユニット５の下ユニット２０が景品払出可能位置に挿入（セット）されている場合にオンとなり、景品払出ユニット５の下ユニット２０が景品払出可能位置から引き出されている場合にオフになるものとする。
【０１７８】
ユニット側制御部２００は、カセット脱着検知スイッチ２０５の出力信号がオフ（非装着状態）になったときに、対応するカセット番号に対してカセットが脱着されたことを記憶する。具体的には、対応するカセット番号に対する脱着有フラグＦＫをセット（ＦＫ=１）する。脱着有フラグＦＫは、対応するカセットを備えた景品払出ユニット５に対する計数処理（通常計数処理または入庫計数処理）が終了したときにリセットされる。
【０１７９】
また、各ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５の状態（ユニット状態）を、統括側制御部３００に通知できるようになっている。景品払出ユニット５の状態には、「入庫計数中状態」と、「通常計数中状態」と、「ユニット挿入状態」と、「ユニット抜け状態」とがある。「入庫計数中状態」とは、ユニット側制御部２００が、ユニット挿入検知に基づいて、景品払出ユニット５内の少なくとも１つのカセットに対して計数処理（入庫計数処理）を行なっている状態をいう。「通常計数中状態」とは、統括側制御部３００からの計数指令に基づいて、ユニット側制御部２００が景品払出ユニット５内の少なくとも１つのカセットに対して計数処理（通常計数処理）を行なっている状態をいう。
【０１８０】
「ユニット挿入状態」とは、制御対象の景品払出ユニット５が景品払出可能位置に挿入（セット）されているが、計数処理（入庫計数処理または通常計数処理）が行なわれていない状態をいう。「ユニット抜け状態」とは、制御対象の景品払出ユニット５の下ユニット２０が景品払出可能位置から引き出されている状態をいう。
【０１８１】
また、各ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５内の各カセット４について、景品払出可能状態であるか否かを示す情報（カセット状態）を、統括側制御部３００に通知できるようになっている。
【０１８２】
統括側制御部３００は、各ユニット側制御部２００と周期的に通信を行って、各景品払出ユニット５の状態および各カセットの状態（景品払出可能状態または不可能状態）を取得する。そして、統括側制御部３００は、取得した情報に基づいて、各景品払出ユニット５の状態および各カセット４の状態（景品払出可能状態または不可能状態）を管理している。
【０１８３】
図１９は、ユニット側制御部２００によって実行される処理のうち、ユニット挿入検知に基づいて計数処理（入庫計数処理）を行なう場合の処理の手順を示している。
【０１８４】
ユニット側制御部２００は、ユニット挿入検知スイッチ２０６により、制御対象の景品払出ユニット５の下ユニット２０が、景品払出可能位置から外れた状態から景品払出可能位置に挿入されたことが検知されると（ステップＳ１でＹＥＳ）、制御対象の景品払出ユニット５内のカセットに対応するカセット脱着有フラグＦＫの中に、セット（ＦＫ=１）されているものがあるか否かを判別する（ステップＳ２）。カセット脱着有フラグＦＫの中にセットされているものがある場合には（ステップＳ２でＹＥＳ）、ユニット側制御部２００は、入庫計数処理を実行する（ステップＳ３）。入庫計数処理が開始されると、景品払出ユニット５の状態は、「入庫計数中状態」となる。入庫計数処理においては、ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５内のカセットのうち、カセット脱着有フラグＦＫがセット（ＦＫ=１）されているカセットに対して、計数処理を行なう。
【０１８５】
カセット４に景品を入庫（補充）するためには、景品払出ユニット５の下ユニット２０を景品払出可能位置から引出した後、一旦、カセット４をカセットホルダ２３から外す必要がある。カセットホルダ２３から外されたカセット４については、対応するカセット脱着有フラグＦＫがセット（ＦＫ=１）される。そこで、前記ステップＳ３の入庫計数処理では、景品が入庫された可能性のあるカセット４に対してのみ計数処理を行なうことにより、計数処理時間の短縮化を図っている。
【０１８６】
入庫計数処理が行なわれている場合には、ユニット側制御部２００は、１つのカセットに対する計数処理が終了する毎に、計数値情報（計数値とカセット番号とを含む情報）を総括側制御部３００に通知する。統括側制御部３００は、計数値情報を受信すると、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２（図１６（ｂ）参照）内の該当するカセット番号に対応する現在庫数を、受信した計数値に更新する。
【０１８７】
入庫計数処理が完了すると、ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５内の各カセットに対応するカセット脱着有フラグＦＫをリセット（ＦＫ=０）する。これにより、当該景品払出ユニット５の状態は、「ユニット挿入状態」となる。そして、ユニット側制御部２００は、今回の処理を終了する。
【０１８８】
前記ステップＳ２において、制御対象の景品払出ユニット５内のカセットに対応する全てのカセット脱着有フラグＦＫがリセット（ＦＫ=０）されている場合には（ステップＳ２でＮＯ）、ユニット側制御部２００は、入庫計数処理を行なうことなく、今回の処理を終了する。
【０１８９】
統括側制御部３００からの計数指令に基いて、ユニット側制御部２００が行う通常計数処理の詳細については、後述する。
［６−２］統括側制御部３００による処理
図２０は、統括側制御部３００によって実行される処理の手順を示している。
【０１９０】
統括側制御部３００は、電源がオンされると（ステップＳ１１でＹＥＳ）、在庫確認処理を行う（ステップＳ１２）。この在庫確認処理においては、統括側制御部３００は、各ユニット側制御部２００に計数指令を与えることにより、各景品払出ユニット５内の実際の景品在庫数を計数させる。そして、統括側制御部３００は、その計数結果に基づいて在庫管理データを更新するとともに、更新後の景品種類別の在庫数を景品管理機１００に通知する。この在庫確認処理の詳細については、後述する。
【０１９１】
ステップＳ１２の在庫確認処理が終了すると、統括側制御部３００は、景品管理機１０
０からの景品払出コマンドを受信したか否か（ステップＳ１３）、在庫確認指令が入力されたか否か（ステップＳ１４）、景品管理機１００からの在庫確認コマンドを受信したか否か（ステップＳ１５）、いずれかのユニット側制御部２００によって入庫計数処理（図１９のステップＳ３参照）が開始されたか否か（ステップＳ１４）を監視する。このような監視は、電源が遮断されるまで（ステップＳ１７でＹＥＳとなるまで）、繰り返し行なわれる。
【０１９２】
前記ステップＳ１３の景品払出コマンドは、景品管理機１００によって、レシートにバーコード記録されている遊技媒体数が読み取られたことに起因して、景品管理機１００から送信されるコマンドである。この景品払出コマンドには、払い出すべき景品の種類と払出枚数に関する情報が含まれる。前記ステップＳ１４における在庫確認指令は、景品払出機１の待機中に、係員用表示部７Ｂに表示される画面（例えば図２３（ａ）または（ｂ）に示す画面）内の在庫計数ボタンが操作されることにより入力される。前記ステップＳ１５における在庫確認コマンドは、景品管理機１００の操作部４０４上の在庫計数ボタンが操作されることに起因して、景品管理機１００から送信されるコマンドである。
【０１９３】
前記ステップＳ１６の入庫計数処理が開始されたか否かは、統括側制御部３００が管理している各景品払出ユニット５の状態に基づいて判別する。つまり、統括側制御部３００は、全ての景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」以外の状態となっている状態から、１つの景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」に変化したときに、入庫計数処理が開始されたと判別する。
【０１９４】
景品管理機１００からの景品払出コマンドを受信したときには（ステップＳ１３でＹＥＳ）、統括側制御部３００は、景品払出処理を行う（ステップＳ１８）。この景品払出処理は、景品管理機１００からの景品払出コマンドに基づいてユニット側制御部２００を介して景品払出ユニット５から景品を払い出させるとともに、在庫管理データを更新する処理である。景品払出処理の詳細については、後述する。景品払出処理が終了すると、統括側制御部３００は、ステップＳ１４に移行する。
【０１９５】
在庫確認指令が入力されたとき（ステップＳ１４でＹＥＳ）、または景品管理機１００からの在庫確認コマンドを受信したとき（ステップＳ１５でＹＥＳ）には、統括側制御部３００は、在庫確認処理を行う（ステップＳ１９）。この在庫確認処理は、ステップＳ１２の在庫確認処理と同じ処理である。
【０１９６】
ステップＳ１９の在庫確認処理が終了すると、統括側制御部３００は、ステップＳ１６に移行する。入庫計数処理が開始されたと判別したときには（ステップＳ１６でＹＥＳ）、統括側制御部３００は、入庫数管理処理（ステップＳ２０）を行なう。入庫数管理処理は、１つの景品払出ユニット５に対して入庫計数処理が開始された場合に、入庫確定タイミングを決定して、入庫ログの作成等を行う処理である。入庫数管理処理の詳細については、後述する。ステップＳ２０の入庫数管理処理が終了すると、統括側制御部３００は、ステップＳ１７に移行する。ステップＳ１７において、景品払出機１の電源がオフでなければ、ステップＳ１３に戻る。
【０１９７】
開店準備時において、入庫作業が行われた場合には、入庫作業が終了した景品払出ユニット５は、引き出された状態から景品払出可能位置に戻されるので、その景品払出ユニット５に対して、図１９のステップＳ３の入庫計数処理が行なわれる。このため、図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理が実行されるので、在庫数（入庫数）が確認される。つまり、開店準備時において空の状態から各カセットに補充された景品数は、開店時までに自動的に計数されて取得される。
【０１９８】
また、営業時間中に、追加入庫（追加補充）が行われた場合にも、同様に、図１９のステップＳ３の入庫計数処理が行なわれるとともに、図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理が実行されるので、追加補充後の在庫数（入庫数）が確認される。
【０１９９】
従来、閉店後に行われていた締上処理または営業時間中に係員の交代時に行われていた締上処理においては、係員が計数作業を手作業で行っていたが、本実施の形態では、労力削減および時間短縮のために、搬送機構２４の計数機能によって自動的に計数を行うようにする。このため、本実施形態では、従来の締上処理を行うべきタイミングにおいては、係員は、景品払出機１または景品管理機１００の操作部３０２，４０４に設けられた在庫計数ボタンを操作して、在庫確認指令を入力するようにする。この結果、従来の締上処理を行うべきタイミングにおいては、前記ステップＳ１４または前記ステップＳ１５でＹＥＳとなり、前記ステップＳ１９に移行するため、計数作業が自動的に行われる。
【０２００】
なお、従来の締上処理を行うべきタイミング以外の任意のタイミングにおいて、景品払出機１または景品管理機１００に設けられた在庫計数ボタンを係員が操作することにより、在庫確認指令を入力したときや、電源がオンされたときにも、景品払出機１による在庫確認処理が行なわれる。さらに、前回の在庫確認処理から、景品払出処理を行なった件数が所定数（たとえば、２０）に達したタイミングで、在庫確認処理を行なうようにしてもよい。なお、在庫確認処理を行なうタイミングについては、本実施形態に限らず、自由に設定することが可能である。
【０２０１】
図２０のステップＳ１２またはステップＳ１９の在庫確認処理について説明する。
【０２０２】
在庫確認処理においては、統括側制御部３００は、まず、各ユニット側制御部２００に計数指令を与える。各ユニット側制御部２００は、統括側制御部３００からの計数指令を受信すると、通常計数処理を行なう。
【０２０３】
この実施形態においては、通常計数処理において、ユニット側制御部２００は、制御対象の景品払出ユニット５内の全てのカセット４に対して計数処理を行なう。ユニット側制御部２００による通常計数処理が開始されると、対応する景品払出ユニット５の状態が「通常計数中状態」となる。ユニット側制御部２００は、１つのカセットに対する計数処理が終了する毎に、計数値情報（計数値とカセット番号とを含む情報）を総括側制御部３００に通知する。統括側制御部３００は、計数値情報を受信すると、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２（図１６（ｂ）参照）内の該当するカセット番号に対応する現在庫数を、受信した計数値に更新する。各ユニット側制御部２００は、通常計数処理が終了すると、自己が管理しているカセット脱着フラグＦＫをリセット（ＦＫ=０）する。
【０２０４】
全てのユニット制御部２００による通常計数処理が終了し、全ての景品払出ユニット５の状態が「通常計数中状態」以外の状態となると、総括側制御部３００は、在庫管理テーブル更新処理を行なう。つまり、総括側制御部３００は、まず、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２のカセット番号毎に次のような処理を行なう。現在庫数から前回在庫数を減算する。この減算結果が零である場合には、前回在庫数を現在庫数に置き換える。
【０２０５】
前記減算結果が零でない場合（零より大きい場合または零より小さい場合）には、総括側制御部３００は、入庫総数の現在値に前記減算結果を加算した値に入庫総数の値を更新する。また、総括側制御部３００は、表示用入庫数データの値を、表示用入庫数データの現在値に前記減算結果を加算した値に更新する。そして、前回在庫数を現在庫数に置き換える。
【０２０６】
このようにして、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２の全てのカセット番号に対する更
新処理が終了すると、総括側制御部３００は、カセット別景品種類テーブルＴＡ１と、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２の各カセット番号の現在庫数のデータに基づいて、景品種類毎の在庫数を算出し、その算出結果を用いて景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３の内容を更新する。そして、在庫確認処理が行なわれたことを表すログ（在庫確認ログ）を作成する。在庫確認ログには、日時、担当者コード、更新後の在庫管理データ（カセット毎の在庫数および景品種類毎の在庫数）等が記録される。
【０２０７】
また、総括側制御部３００は、更新後の景品種類毎の在庫数を、景品管理機１００に通知する。後述するように、景品管理機１００は、総括側制御部３００からの景品種類毎の在庫数を受信すると、受信内容に基づいて、景品管理機１００が管理している、対応する景品払出機１に対応する景品種類別在庫管理テーブルの内容を更新する。
【０２０８】
なお、現在庫数と前回在庫数との差が０以外のカセットが存在する場合には、総括側制御部３００は、その旨を示す警告メッセージを表示するようにしてもよい。このようにすると、係員は、再度、在庫確認処理を実行させるための操作（在庫計数ボタンの押下操作）を行なったり、今回計数した景品在庫数がそれまでの景品在庫数と一致しない原因を調べたりすることができる。
【０２０９】
図２１は、図２０のステップＳ１８の景品払出処理の手順を示している。
【０２１０】
前述したように、各ユニット側制御部２００との通信によって、総括側制御部３００は、各カセットが景品払出可能状態であるか景品払出不可能状態であるかを管理している。そこで、総括側制御部３００は、景品払出不可能状態であるカセットを払出対象カセットから除外した上で、景品管理機１００から送られてきた景品種類毎の払出し枚数に基づいて、景品を払出すべき１または複数のカセット（払出カセット）と、それらの各払出カセットからの払出し枚数を決定する（ステップＳ３１）。
【０２１１】
そして、総括側制御部３００は、決定した払出カセットに関係するユニット側制御部２００に対して、決定内容に応じた払出指示を与える（ステップＳ３２）。この指示を受けたユニット側制御部２００は、対応する景品払出ユニット５を制御することにより、景品を払出させる。
【０２１２】
また、総括側制御部３００は、在庫管理データを更新する（ステップＳ３３）。具体的には、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２（図１６（ｂ））内のカセット毎のデータのうち、景品の払出しがあったカセットに対応する現在庫数の値を、そのカセットから払出された枚数を減算することにより更新する。また、景品の払出しがあったカセットに対応する払出総数の値をその現在値に今回の払出枚数を加算した値に更新する。そして、景品の払出しがあったカセットに対応する前回在庫数の値を現在庫数の値に置き換える。さらに、景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３（図１６（ｃ））の景品種類毎の在庫数の値を、その現在値から対応する景品種類の今回の払出し枚数を減算することによりそれぞれ更新する。
【０２１３】
この実施形態では、総括側制御部３００は、景品払出不可能状態であるカセットを払出対象カセットから除外した上で、景品を払出すべき１または複数のカセット（払出カセット）と、それらの各払出カセットからの払出し枚数を決定している。このため、一部の景品払出ユニット５が引き出されている場合や、一部のカセットに対して計数処理が行なわれている場合であっても、景品払出可能状態であるカセットのみによって、払い出すべき景品を払い出せる場合には、景品の払出を行なえるようになる。したがって、入庫作業中においても、状況によっては、景品の払出が可能となる。
【０２１４】
図２２は、図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理の手順を示している。図２３〜図２６は、入庫数管理処理中において係員用表示部７Ｂに表示される画面の例を示している。
【０２１５】
図２３（ａ），（ｂ）は、前述したように、待機中に表示される画面５０１ａ，５０１ｂであり、待機中においてはいずれか一方が表示される。なお、画面５０１ａ，５０１ｂの切替は、画面上の表示切替ボタンを押下することにより、行なわれる。表示切替ボタンの押下に応じて実行される画面切替処理については、図２２では省略されている。
【０２１６】
入庫数管理処理においては、総括側制御部３００は、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在するか否かを判別する（ステップＳ４１）。入庫数管理処理が開始された直後においては、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が必ず存在するため、ステップ４１でＹＥＳとなる。
【０２１７】
「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在する場合には、総括側制御部３００は、景品払出機１が計数中であることを表示する（ステップＳ４２）。具体的には、図２４（ａ）または図２４（ｂ）の画面５０２ａまたは５０２ｂを表示する。つまり、待機中に表示されていた画面５０１ａまたは５０１ｂの右上に、計数中であることを示すマーク５１１を表示させる。マーク５１１としては、たとえば、歯車状の図柄が回転または点滅しているような表示形態が用いられる。なお、画面５０２ａ，５０２ｂの切替は、画面上の表示切替ボタンを押下することにより、行なわれる。
【０２１８】
総括側制御部３００は、この後、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニット５が存在するか否かを判別する（ステップＳ４３）。つまり、総括側制御部３００は、下ユニット２０が景品払出可能位置から引き出されている景品払出ユニット５が存在するか否かを判別する。「ユニット抜け状態」の景品払出ユニット５が存在しない場合には（ステップＳ４３でＮＯ）、総括側制御部３００は、入庫確定タイマに所定時間Ｔ１をセットした後（ステップＳ４４）、ステップＳ４６に移行する。Ｔ１としては、たとえば１分が設定される。
【０２１９】
前記ステップＳ４３において、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニット５が存在すると判断された場合には（ステップＳ４３でＹＥＳ）、総括側制御部３００は、入庫確定タイマに所定時間Ｔ２をセットした後（ステップＳ４５）、ステップＳ４６に移行する。Ｔ２としては、たとえば５分が設定される。入庫確定タイマは、所定時間がセットされると、セットされた所定時間の計時を開始する。そして、セットされた時間が経過したときに、入庫確定タイマはタイムアップする。ただし、前記ステップＳ４４またはＳ４５によってセットされた所定時間が経過する前に、前記ステップＳ４４またはＳ４５によって入庫確定タイマに所定時間が新たにセットされた場合には、今回セットされた所定時間を最初から計時する。
【０２２０】
前記ステップＳ４１において、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在しないと判別された場合には、総括側制御部３００は、ステップＳ４６に移行する。
【０２２１】
ステップＳ４６においては、総括側制御部３００は、全ての景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」でないか否かを判別する。言い換えれば、総括側制御部３００は、入庫計数処理（図１９のステップＳ３の処理）を行なっている景品払出ユニット５が存在しないか否かを判別する。「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在する場合には（ステップＳ４６でＮＯ）、ステップＳ４１に戻る。
【０２２２】
前記ステップＳ４６において、全ての景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」でない
と判別された場合には（ステップＳ４６でＹＥＳ）、総括側制御部３００は、計数結果ボタン（入庫確定ボタン）を表示する（ステップＳ４７）。具体的には、総括側制御部３００は、図２５（ａ）または図２５（ｂ）の画面５０３ａまたは５０３ｂを表示する。つまり、計数中に表示されていた画面５０２ａまたは５０２ｂの右上の表示中マーク５１１に代って計数結果ボタン５１２を表示させるとともに、カセット毎の景品在庫数および景品種類別の景品在庫数を、計数処理が完了したカセットの現在庫数（計数値）を反映させた数に変更する。なお、画面５０３ａ，５０３ｂの切替は、画面上の表示切替ボタンを押下することにより、行なわれる。
【０２２３】
総括側制御部３００は、計数結果ボタン５１２が押下されたか否かを判別する（ステップＳ４８）。計数結果ボタン５１２が押下されていない場合には（ステップＳ４８でＮＯ）、総括側制御部３００は、入庫確定タイマがタイムアップしたか否かを判別する（ステップＳ４９）。入庫確定タイマがタイムアップしていない場合には（ステップＳ４９でＮＯ）、ステップＳ４１に戻る。
【０２２４】
前記ステップＳ４８において、計数結果ボタン５１２が押下されたと判別した場合には（ステップＳ４８でＹＥＳ）、総括側制御部３００は、入計数結果ボタンが押下されたことを記憶するフラグＦＢをセット（ＦＢ=１）した後、ステップＳ５１に移行する。この場合には、計数結果ボタン５１２の押下により、入庫イベントが確定される。つまり、この場合には、総括側制御部３００は、計数結果ボタン５１２が押下されたときを、入庫確定タイミングとして決定し、フラグＦＢをセットした後、ステップＳ５１以降の処理を実行する。
【０２２５】
一方、前記ステップＳ４９において、入庫確定タイマがタイムアップしたと判別した場合には（ステップＳ４９でＹＥＳ）、総括側制御部３００は、フラグＦＢをセットすることなく、ステップＳ５１に移行する。この場合には、入庫確定タイマのタイムアップにより、入庫イベントが確定される。つまり、この場合には、総括側制御部３００は、入庫確定タイマがタイムアップしたときを、入庫確定タイミングとして決定し、ステップＳ５１以降の処理を実行する。
【０２２６】
ステップＳ５１においては、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２の内容に基づいて、入庫数算出、入庫総数更新、表示用入庫数データの更新等の処理を行なうとともに、入庫確定タイマをクリアする。前述したように、総括側制御部３００は、ユニット側制御部２００からカセット単位の計数値データが通知されたときには、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２の該当するカセット番号に対応する現在庫数の値を通知された計数値に置き換える。したがって、今回の入庫計数処理によって計数が行なわれたカセットに対応する現在庫数は、今回得られた計数値に置き換えられている。
【０２２７】
そこで、総括側制御部３００は、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の各カセット番号毎に、現在庫数から前回在庫数を減算することにより、入庫数を算出し、バッファに一時的に保存する。そして、総括側制御部３００は、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の入庫総数の値を、入庫総数の現在値に算出された入庫数を加算した値に更新する。また、総括側制御部３００は、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の表示用入庫数データの値を、表示用入庫数データの現在値に算出された入庫数を加算した値に更新する。また、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の前回在庫数の値を現在庫数の値に置き換える。また、景品種類別在庫管理テーブルＴＡ３の内容を、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２の内容に基づいて更新する。さらに、総括側制御部３００は、計数結果ボタン５１２が押下されることにより、入庫イベントが確定した場合には、入庫確定タイマが作動している可能性があるので、入庫確定タイマをクリアする。
【０２２８】
この後、総括側制御部３００は、前記ステップＳ５１で算出されたカセット毎の入庫数に基づいて、入庫ログを作成する（ステップＳ５２）。入庫ログは、日時、担当者コード、入庫データ（カセット毎の前回の在庫数・今回の在庫数・入庫数、景品種類毎の前回の在庫数・今回の在庫数・入庫数）等からなる。総括側制御部３００は、入庫データのうちの景品種類毎の入庫数を、景品管理機（ＰＯＳ）１００に通知する。後述するように、景品管理機１００は、通知された景品種類毎の入庫数に基づいて、景品管理機１００が管理している、該当する景品払出機１に対応する景品種類別在庫管理テーブルの内容を更新する。
【０２２９】
次に、総括側制御部３００は、フラグＦＢがセットされているか否かを判別する（ステップＳ５３）。フラグＦＢがセットされている場合には（ステップＳ５３でＹＥＳ）、つまり、計数結果ボタンの押下により入庫イベントが確定された場合には、表示用入庫データの表示処理を行なう（ステップＳ５５）。具体的には、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の表示用入庫データに基づいて、図２６（ａ）または（ｂ）の入庫数表示画面５０４ａ，５０４ｂを作成して表示する。
【０２３０】
図２６（ａ）の入庫数表示画面５０４ａには、「景品入庫数」というタイトルと、「カセット別の入庫数です。「確認」を押してください。」というメッセージと、カセット毎の景品入庫数を模式的に示す図と、表示切替ボタンと、確認ボタンとが表示されている。カセット毎の景品入庫数を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される、景品種類（特大，大，中，小）を表す文字と、ボックス内に表示される、そのボックスに対応するカセットへの景品入庫数を表す数字と、ボックス内に表示される、景品種類を表す色とを含む。
【０２３１】
景品入庫数を表す数字は、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の該当するカセット番号に対応する表示用入庫データの値が用いられている。表示切替ボタンは、画面５０４ａを図２６（ｂ）の入庫数表示画面５０４ｂに切替えるためのボタンである。確認ボタンが押されると、図２３を用いて説明したような待機中画面が表示される。
【０２３２】
図２６（ｂ）の入庫数表示画面５０４ｂには、「景品入庫数」というタイトルと、「景品別の入庫数です。「確認」を押してください。」というメッセージと、景品種類毎の景品入庫数と、表示切替ボタンと、確認ボタンとが表示されている。景品種類毎の景品入庫数は、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の各カセット番号に対応する表示用入庫データに基づいて、算出される。より具体的には、景品種類が同じカセットの組毎に、表示用入庫データを加算することにより、景品種類毎の景品入庫数を算出する。
【０２３３】
表示切替ボタンは、画面５０４ｂを図２６（ａ）の入庫数表示画面５０４ａに切替えるためのボタンである。確認ボタンが押されると、図２３を用いて説明したような待機中画面が表示される。
【０２３４】
総括側制御部３００は、前記ステップＳ５５の表示用入庫数データの表示処理を行なった後、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の各表示用入庫数データをクリア（零）にする（ステップＳ５６）。また、フラグＦＢをリセット（ＦＢ=０）する。これにより、今回の入庫数管理処理は終了する。
【０２３５】
前述したように、カセット別在庫管理テーブルＴＡ２内の各表示用入庫数データは、計数結果ボタンが押下され、表示用入庫数データの表示処理が実行された後にクリアされる。このため、前記ステップＳ５５の表示用入庫数データの表示処理においては、計数結果ボタンが前回押下されてから、今回押下されるまでの間に入庫された景品数が表示される。たとえば、入庫数管理処理が２回実行され、１回目の入庫数管理処理においては計数結
果ボタンが押下されずに、２回目の入庫数管理処理において計数結果ボタンが押下された場合には、１回目と２回目の入庫数管理処理中に入庫された景品数の合計が表示される。
【０２３６】
入庫作業（追加入庫作業）が開始された場合において、入庫が確定されるまでの処理の流れについて具体的に説明する。景品払出機１には、図示しないＩＣカード読取部が設けられている。景品払出機１を担当する係員は、自己の識別コードが記録されたＩＣカードをＩＣカード読取部にかざして、識別コードを読み取らせることにより、ログオンを行なう。ログオン時に景品払出機１によって読み取られた識別コードが、前述したログで使用される担当者コードとなる。各景品払出ユニット５には、予め定められた特定の係員以外の人によって下ユニット２０が引き出されるのを禁止するために、ロック機構が設けられている。このロック機構は、前記特定の係員がログオンした場合にのみ解除される。
【０２３７】
そこで、入庫作業を行なう際には、前記特定の係員が自己のＩＣカードを使用してログオンする。これにより、景品払出ユニット１のロック機構が解除される。前記特定の係員は、景品払出ユニット１の下ユニット２０を引き出した後、下ユニット２０からカセット４を取り出して景品を補充し、カセット４を装着する。景品補充後のカセット４が装着された下ユニット２０は、前記特定の係員によって、景品払出可能位置まで挿入される。ここでは、全ての景品払出ユニット５に対して景品補充が行われたとする。
【０２３８】
１つの景品払出ユニット５の下ユニット２０が挿入されると、図１９のステップＳ１でＹＥＳとなり、ステップＳ３の入庫計数処理（ユニット側制御部２００による処理）が開始される。これにより、図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理（統括側制御部３００による処理）が開始される。入庫数管理処理が開始された後において、他の景品払出ユニット５が挿入された場合も、前記ステップＳ３の入庫計数処理が実行される。
【０２３９】
入庫計数処理が開始された後においては、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在するか否か（図２２のステップＳ４１）、「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在しなくなったか否か（ステップＳ４６）が監視される。
【０２４０】
「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在すると判別された場合（ステップＳ４１でＹＥＳ）において、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニットが存在しない場合には、入庫確定タイマにＴ１（たとえば１分）がセットされる（ステップＳ４４）。一方、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニットが存在する場合には、入庫確定タイマにＴ２（たとえば５分）がセットされる（ステップＳ４５）。
【０２４１】
「入庫計数中状態」の景品払出ユニット５が存在しなくなったと判別された場合には（ステップＳ４６でＹＥＳ）、計数結果ボタンが表示された後（ステップＳ４７）、計数結果ボタンが押し下げられた否か、入庫確定タイマがタイムアップしたか否かが監視される（ステップＳ４８，Ｓ４９，Ｓ４１，Ｓ４６、Ｓ４７，Ｓ４８のループ（以下、監視ループという））。この監視ループ中に、「ユニット抜け状態」であった景品払出ユニット５の下ユニット２０が挿入された場合には、前記ステップＳ４１でＹＥＳとなり、入庫確定タイマにＴ１またはＴ２がセットされる。
【０２４２】
前記監視ループ中において、計数結果ボタンが押下されると、入庫イベントが確定される。また、前記監視ループ中において、入庫確定タイマがタイムアップしたときにも入庫イベントが確定される。
【０２４３】
入庫確定タイマがタイムアップする状況には、２つの状況がある。つまり、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニット５が存在しない状態で入庫確定タイマがタイムアップする場合と、「ユニット抜け状態」の景品払出ユニット５が存在する状態で入庫確定タイマが
タイムアップする場合である。
【０２４４】
前者は、入庫数管理処理が開始された後において、全ての景品払出ユニット５が「入庫計数中状態」以外の状態となり、かつその状態がＴ１（１分）の間継続した場合である。後者は、入庫数管理処理が開始された後において、一部の景品払出ユニット５が「ユニット抜け状態」でかつ他の景品払出ユニット５の全てが「入庫計数中状態」以外の状態となり、かつその状態がＴ２（５分）の間継続した場合である。
［７］景品管理機１００による処理
図２７は、景品管理機１００によって実行される処理の手順を示している。
【０２４５】
景品管理機１００は、レシートの読取りが行なわれたか否か（ステップＳ６１）、操作部４０４上の在庫計数ボタンが押下されたか否か（ステップＳ６２）、在庫管理データを受信したか否か（ステップＳ６３）、入庫データを受信したか否か（ステップＳ６４）等を監視している。
【０２４６】
レシートの読取りが行なわれたときには（ステップＳ６１でＹＥＳ）、配下の景品払出機１に景品を払い出させるための景品払出制御処理を行なう（ステップＳ６５）。つまり、景品管理機１００の制御部４００は、バーコード・リーダ４０２の読み取りデータに基づいて、遊技客が獲得した遊技媒体数を取得する。次に、制御部４００は、取得した遊技媒体数に基づいて、景品種類毎の払出し枚数を決定する。そして、制御部４００は、決定した景品種類毎の払出し枚数を含む景品払出コマンドを配下のうちの１つの景品払出機１に送信する。また、制御部４００は、制御部４００が管理している、当該景品払出機１に対応する景品種類別在庫管理テーブルの内容を、決定した景品種類毎の払出し枚数に基づいて更新する。この後、制御部４００は、ステップＳ６２に移行する。
【０２４７】
在庫計数ボタンが押下げられた場合には（ステップＳ６２でＹＥＳ）、制御部４００は、在庫確認コマンドを、配下の景品払出機１に送信する（ステップＳ６６）。景品払出機１からの在庫管理データ（景品種類毎の在庫数）を受信したときには（ステップＳ６３でＹＥＳ）、制御部４００は、制御部４００が管理している、当該景品払出機１に対応する景品種類別在庫管理テーブルの内容を更新する（ステップＳ６６）。具体的には、景品種類別在庫管理テーブルの内容を、受信した在庫管理データに置き換える。
【０２４８】
景品払出機１からの入庫データ（景品種類毎の入庫数）を受信したときには（ステップＳ６４でＹＥＳ）、制御部４００は、制御部４００が管理している、当該景品払出機１に対応する景品種類別在庫管理テーブルの内容を更新する（ステップＳ６８）。具体的には、景品種類別在庫管理テーブルの内容を、その現在値から受信した入庫データを減算した値に更新する。
［８］変形例
前述の実施形態では、景品払出機１は、図２０のステップＳ１２またはＳ１９の在庫確認処理を行なった際に、在庫管理データ（景品種類別の在庫数データ）を景品管理機１００に送信しているが、景品管理機１００から在庫管理データの要求があったときのみに、在庫管理データを景品管理機１００に送信するようにしてもよい。
【０２４９】
また、景品払出機１は、図２０のステップＳ２０の入庫数管理処理を行なった際に、入庫データ（景品種類別の入庫数データ）を景品管理機１００に送信しているが、入庫数管理処理を行なった際に入庫データの送信ファイルを作成しておき、景品管理機１００から入庫データの要求があったときのみに、保存している未送信の入庫データの送信ファイルを景品管理機１００に送信するようにしてもよい。
【０２５０】
また、景品の形状はカード状に限定されない。また、景品を計数するための機構、計数
方法についても限定されない。景品に内蔵されるＩＣを読み取る方式でもよい。
【０２５１】
本願発明は、さらに、特許文献３（特開２００８−７３１６９号公報）に開示されているような卓上タイプの景品払出機を備えた景品払出システムにも適用することができる。
【符号の説明】
【０２５２】
１ 景品払出機
２ 景品
４ カセット
５ 景品払出ユニット
７ 表示部
８ 払出口
２４ 搬送機構
３７ 光学センサ
６０ 計数部
７０ 分離搬送部
８１ 保留ボックス
８２ エレベータ
１００ 景品管理機
２００Ａ〜２００Ｄ ユニット側制御部
２０１ 搬送機構２４の駆動装置
２０５ カセット脱着検知スイッチ
２０６ ユニット挿入検知スイッチ
２０７ 記憶部
３００ 統括側制御部
３０１ 通信部
３０２ 操作部
３０３ 記憶部
４００ 制御部
４０１ 通信部
４０４ 操作部
４０６ 表示部
４０７ 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
景品が収容される景品収容体を備えた景品払出機であって、
前記景品収容体に収容されている景品数を計数するための計数手段と、
前記景品収容体に景品が入庫された後の所定のタイミングにおいて、前記計数手段を利用して、前記景品収容体に収容されている景品数を計数する計数処理手段と、
前記計数処理手段による計数結果に基づいて、入庫数を算出する入庫数算出手段と、
前記入庫数算出手段によって算出された入庫数を出力する入庫数出力手段と、を含む景品払出機。
【請求項２】
前記景品収容体に収容されている景品数を景品在庫数として記憶するための記憶手段と、
前記計数処理手段によって計数処理が行なわれる毎に、計数結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている景品在庫数を更新する手段と、
景品払出時に、払い出される景品数に基づいて、前記記憶手段に記憶されている景品在庫数を更新する手段とをさらに含んでおり、
前記入庫数算出手段は、今回の計数結果から、今回の計数結果によって更新される前の景品在庫数を減算することにより、入庫数を算出するものである、請求項１に記載の景品払出機。
【請求項３】
景品が収容される景品収容体を備え、前記景品収容体は、景品払出機本体内の景品払出可能位置に配置されている状態と、景品払出可能位置から外れている状態とを取りうるようになっている景品払出機であって、
前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されている状態において、前記景品収容体に収容されている景品数を計数するための計数手段と、
前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されているか否かを検知するための検知手段と、
前記検知手段に基づいて、前記景品収容体が前記景品払出可能位置から外れた状態から前記景品払出可能位置に配置されたことを検出したときに、前記計数手段を利用して、前記景品収容体に収容されている景品数を計数する計数処理手段と、を含む景品払出機。
【請求項４】
前記景品収容体が複数備えられており、各景品収容体の状態には、前記計数処理手段によって計数が行なわれている「計数中状態」と、前記景品払出可能位置に配置されているが前記計数処理手段によって計数が行なわれていない「非計数中状態」と、前記景品払出可能位置から外れている「抜け状態」とを含む複数の状態があり、
入庫確定タイミングを決定するための処理を行なうタイミング決定手段と、前記複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が前記「計数中状態」となったときに、前記タイミング決定手段による処理を開始させる手段とをさらに含み、
前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が所定時間継続したときを、入庫確定タイミングとして決定する手段を含む、請求項３に記載の景品払出機。
【請求項５】
前記景品収容体が複数備えられており、各景品収容体の状態には、前記計数処理手段によって計数が行なわれている「計数中状態」と、前記景品払出可能位置に配置されているが前記計数処理手段によって計数が行なわれていない「非計数中状態」と、前記景品払出可能位置から外れている「抜け状態」とを含む複数の状態があり、
入庫確定タイミングを決定するための処理を行なうタイミング決定手段と、前記複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が前記「計数中状態」となったときに、前記タイミング決定手段による処理を開始させる手段とをさらに含み、
前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数中状態」以外でかつ前記「
抜け状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間継続したとき、または景品収容体の一部が前記「抜け状態」でかつその他の景品収容体の全てが前記「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間とは異なる第２の所定時間継続したときを、入庫確定タイミングとして決定する手段を含む、請求項３に記載の景品払出機。
【請求項６】
前記第２の所定時間は、前記第１の所定時間よりも、長い時間に設定されている請求項５に記載の景品払出機。
【請求項７】
前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数中状態」以外の状態である場合に、入庫確定ボタンを表示させる手段と、前記入庫確定ボタンの押下に対応した操作が行なわれたときを、入庫確定タイミングとして決定する手段とをさらに含む、請求項４〜６のいずれか一項に記載の景品払出機。
【請求項８】
前記景品収容体は、景品を収納する複数のカセットと、前記カセットが着脱自在に装着されるカセット保持体とを含んでおり、
前記計数手段は、前記景品収納体が前記景品払出可能位置に配置されている状態において、前記カセット保持体に装着されている前記各カセット単位に、前記カセット内の景品数を計数するものであり、
前記「計数中状態」とは、前記景品収容体に備えられている複数のカセットのうち、少なくとも１つのカセットに対して、前記計数処理手段による計数処理が行なわれている状態をいい、前記「非計数中状態」とは、前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されているが、当該景品収容体に備えられている複数の景品カセットのいずれに対しても前記計数処理手段による計数が行なわれていない状態をいうことを特徴とする請求項４〜７のいずれか一項に記載の景品払出機。
【請求項９】
前記タイミング決定手段によって、入庫確定タイミングが決定されたときに、今回の入庫イベントに関する情報を含む入庫ログを作成する手段をさらに含む請求項４〜８のいずれか一項に記載の景品払出機。
【請求項１０】
請求項１〜９のいずれか一項に記載の景品払出機と、その景品払出機と通信可能な景品管理機とを備え、前記景品管理機は、前記景品払出機に景品を払い出させるための必要な情報を含む景品払出コマンドを、前記景品払出機に送信する手段を備えている、景品払出システム。
【請求項１】
景品が収容される景品収容体を備えた景品払出機であって、
前記景品収容体に収容されている景品数を計数するための計数手段と、
前記景品収容体に景品が入庫された後の所定のタイミングにおいて、前記計数手段を利用して、前記景品収容体に収容されている景品数を計数する計数処理手段と、
前記計数処理手段による計数結果に基づいて、入庫数を算出する入庫数算出手段と、
前記入庫数算出手段によって算出された入庫数を出力する入庫数出力手段と、を含む景品払出機。
【請求項２】
前記景品収容体に収容されている景品数を景品在庫数として記憶するための記憶手段と、
前記計数処理手段によって計数処理が行なわれる毎に、計数結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている景品在庫数を更新する手段と、
景品払出時に、払い出される景品数に基づいて、前記記憶手段に記憶されている景品在庫数を更新する手段とをさらに含んでおり、
前記入庫数算出手段は、今回の計数結果から、今回の計数結果によって更新される前の景品在庫数を減算することにより、入庫数を算出するものである、請求項１に記載の景品払出機。
【請求項３】
景品が収容される景品収容体を備え、前記景品収容体は、景品払出機本体内の景品払出可能位置に配置されている状態と、景品払出可能位置から外れている状態とを取りうるようになっている景品払出機であって、
前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されている状態において、前記景品収容体に収容されている景品数を計数するための計数手段と、
前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されているか否かを検知するための検知手段と、
前記検知手段に基づいて、前記景品収容体が前記景品払出可能位置から外れた状態から前記景品払出可能位置に配置されたことを検出したときに、前記計数手段を利用して、前記景品収容体に収容されている景品数を計数する計数処理手段と、を含む景品払出機。
【請求項４】
前記景品収容体が複数備えられており、各景品収容体の状態には、前記計数処理手段によって計数が行なわれている「計数中状態」と、前記景品払出可能位置に配置されているが前記計数処理手段によって計数が行なわれていない「非計数中状態」と、前記景品払出可能位置から外れている「抜け状態」とを含む複数の状態があり、
入庫確定タイミングを決定するための処理を行なうタイミング決定手段と、前記複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が前記「計数中状態」となったときに、前記タイミング決定手段による処理を開始させる手段とをさらに含み、
前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が所定時間継続したときを、入庫確定タイミングとして決定する手段を含む、請求項３に記載の景品払出機。
【請求項５】
前記景品収容体が複数備えられており、各景品収容体の状態には、前記計数処理手段によって計数が行なわれている「計数中状態」と、前記景品払出可能位置に配置されているが前記計数処理手段によって計数が行なわれていない「非計数中状態」と、前記景品払出可能位置から外れている「抜け状態」とを含む複数の状態があり、
入庫確定タイミングを決定するための処理を行なうタイミング決定手段と、前記複数の景品収容体のうち、一つの景品収容体が前記「計数中状態」となったときに、前記タイミング決定手段による処理を開始させる手段とをさらに含み、
前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数中状態」以外でかつ前記「
抜け状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間継続したとき、または景品収容体の一部が前記「抜け状態」でかつその他の景品収容体の全てが前記「計数中状態」以外の状態となり、かつその状態が第１の所定時間とは異なる第２の所定時間継続したときを、入庫確定タイミングとして決定する手段を含む、請求項３に記載の景品払出機。
【請求項６】
前記第２の所定時間は、前記第１の所定時間よりも、長い時間に設定されている請求項５に記載の景品払出機。
【請求項７】
前記タイミング決定手段は、全ての景品収容体が前記「計数中状態」以外の状態である場合に、入庫確定ボタンを表示させる手段と、前記入庫確定ボタンの押下に対応した操作が行なわれたときを、入庫確定タイミングとして決定する手段とをさらに含む、請求項４〜６のいずれか一項に記載の景品払出機。
【請求項８】
前記景品収容体は、景品を収納する複数のカセットと、前記カセットが着脱自在に装着されるカセット保持体とを含んでおり、
前記計数手段は、前記景品収納体が前記景品払出可能位置に配置されている状態において、前記カセット保持体に装着されている前記各カセット単位に、前記カセット内の景品数を計数するものであり、
前記「計数中状態」とは、前記景品収容体に備えられている複数のカセットのうち、少なくとも１つのカセットに対して、前記計数処理手段による計数処理が行なわれている状態をいい、前記「非計数中状態」とは、前記景品収容体が前記景品払出可能位置に配置されているが、当該景品収容体に備えられている複数の景品カセットのいずれに対しても前記計数処理手段による計数が行なわれていない状態をいうことを特徴とする請求項４〜７のいずれか一項に記載の景品払出機。
【請求項９】
前記タイミング決定手段によって、入庫確定タイミングが決定されたときに、今回の入庫イベントに関する情報を含む入庫ログを作成する手段をさらに含む請求項４〜８のいずれか一項に記載の景品払出機。
【請求項１０】
請求項１〜９のいずれか一項に記載の景品払出機と、その景品払出機と通信可能な景品管理機とを備え、前記景品管理機は、前記景品払出機に景品を払い出させるための必要な情報を含む景品払出コマンドを、前記景品払出機に送信する手段を備えている、景品払出システム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７Ａ】
【図７Ｂ】
【図７Ｃ】
【図７Ｄ】
【図７Ｅ】
【図７Ｆ】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７Ａ】
【図７Ｂ】
【図７Ｃ】
【図７Ｄ】
【図７Ｅ】
【図７Ｆ】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【公開番号】特開２０１０−２６９０７５（Ｐ２０１０−２６９０７５Ａ）
【公開日】平成２２年１２月２日（２０１０．１２．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１２５３６８（Ｐ２００９−１２５３６８）
【出願日】平成２１年５月２５日（２００９．５．２５）
【出願人】（０００００１４３２）グローリー株式会社 (1,344)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１２月２日（２０１０．１２．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年５月２５日（２００９．５．２５）
【出願人】（０００００１４３２）グローリー株式会社 (1,344)
【Ｆターム（参考）】
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