説明

暖房便座装置

【課題】着座した状態において便座の低温部分と使用者の皮膚とが接触することを防止することができ、快適な座り心地を得ることができる暖房便座装置を提供することを目的とする。
【解決手段】便座基材と、人が着座する表面層と、前記便座基材と前記表面層との間に設けられ、前記表面層から前記便座基材側への熱の移動を抑制する断熱層と、前記表面層を加熱する加熱部と、を備え、前記断熱層は、前記表面層と前記便器基材との間の間隔を確保するとともに前記便座基材の上方において前記表面層を支持する弾力性のある支持体を有し、人が前記表面層に着座すると、前記支持体が変化して、人の体重がかかる着座領域と、前記着座領域の周辺領域と、における前記表面層が下方へ沈み、前記着座領域および前記周辺領域における前記表面層と、前記便座基材と、の間の間隔が狭くなることを特徴とする暖房便座装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、暖房便座装置に関し、具体的には便器に設けられる便座を暖めることができる暖房便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、便座の座面は、例えばPP(polypropylene:ポリプロピレン)等の樹脂で製造されている。そのため、使用者が便座に座ったときに、硬い座り心地を与えている。また一方、冬場などの気温の低いときに冷えた便座に座ると、冷感を感じる。
【0003】
そこで、弾性を有する基材と、基材の内部に配設された発熱体と、広範囲の熱を使用者に伝える熱伝導シートと、を備えた着座採暖具がある(特許文献1)。特許文献1に記載された着座採暖具によれば、使用者が着座すると、基材が圧縮変形することにより、発熱体と熱伝導シートとが近接し、広範囲の本体の熱が使用者に向かって熱移動する。そのため、特許文献1に記載された着座採暖具は、座り心地がよく、効率的な採暖を実現することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された着座採暖具では、使用者が着座することにより荷重がかかる部位(着座領域)における基材は圧縮変形するが、その着座領域の周囲の部位(周辺領域)における基材は、着座領域における基材よりも圧縮変形しにくい。そうすると、その周辺領域と発熱体との間の距離は、着座領域と発熱体との間の距離よりも大きくなるため、発熱体からの熱は、着座領域よりも周辺領域には伝わりにくい。そのため、周辺領域は、着座領域よりも低温となる。これにより、使用者が着座しているときに、その低温の部分と使用者の皮膚とが接触すると、使用者は座り心地の悪化を感ずるおそれがある。
【0005】
また、基材への荷重のかかり方は均一ではないため、着座領域内であっても、基材の圧縮変形する度合に差が生ずる。一般的には、着座領域内の周縁部は、着座領域内の中央部よりも圧縮変形しにくい。そうすると、周縁部と発熱体との間の距離は、中央部と発熱体との間の距離よりも大きくなるため、発熱体からの熱は、中央部よりも周縁部には伝わりにくい。そのため、着座領域内において温度差あるいは温度むらが生ずる。これにより、使用者は座り心地の悪化を感ずるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4218108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、着座した状態において便座の低温部分と使用者の皮膚とが接触することを防止することができ、快適な座り心地を得ることができる暖房便座装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、便座基材と、人が着座する表面層と、前記便座基材と前記表面層との間に設けられ、前記表面層から前記便座基材側への熱の移動を抑制する断熱層と、前記表面層を加熱する加熱部と、を備え、前記断熱層は、前記表面層と前記便器基材との間の間隔を確保するとともに前記便座基材の上方において前記表面層を支持する弾力性のある支持体を有し、人が前記表面層に着座すると、前記支持体が変化して、人の体重がかかる着座領域と、前記着座領域の周辺領域と、における前記表面層が下方へ沈み、前記着座領域および前記周辺領域における前記表面層と、前記便座基材と、の間の間隔が狭くなることを特徴とする暖房便座装置である。
【0009】
この暖房便座装置によれば、使用者が表面層に着座すると、着座領域および周辺領域における表面層が下方へ沈む。そのため、使用者の臀部と周辺領域における表面層とが接触すること、すなわち着座領域よりも低温となった周辺領域における表面層と、使用者の臀部と、が接触することが防止される。これにより、使用者は、座り心地の悪化を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。
【0010】
また、使用者が表面層に着座すると、着座領域における表面層が加熱部へ略均一に近づくため、着座領域内における表面層では温度差あるいは温度むらは生じにくい。これによれば、使用者は、表面層に接触した臀部において温度差を感ずるおそれは少なく、違和感を感ずるおそれは少ない。そのため、使用者は、座り心地の悪化を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。
【0011】
また、第2の発明は、第1の発明において、人が着座不可能な外周面領域における前記表面層の硬度は、人が着座可能な着座可能領域における前記表面層の硬度よりも低いことを特徴とする暖房便座装置である。
【0012】
この暖房便座装置によれば、外周面領域における表面層の硬度は、着座可能領域における表面層の硬度よりも低いため、言い換えれば、着座可能領域における表面層の硬度は、外周面領域における表面層の硬度よりも高いため、人が表面層に着座すると、着座可能領域における表面層は、全体に亘って連なって下方へ沈む。あるいは、着座可能領域における表面層の一部が下方へ沈むと、その一部に隣接する部分も釣られて下方へ沈む結果、着座可能領域における表面層の全体が下方へ沈む。
【0013】
そのため、使用者の臀部と周辺領域における表面層とが接触すること、すなわち着座領域よりも低温となった周辺領域における表面層と、使用者の臀部と、が接触することが防止される。また、人が表面層に着座すると、着座可能領域における表面層は、全体に亘って連なって下方へ沈むため、着座可能領域における断熱層の気体は、外周面領域における断熱層へ移動する。したがって、着座領域および周辺領域における表面層と、加熱部と、の間の距離はより小さくなるため、加熱部からの熱は、着座領域および周辺領域における表面層へより伝わりやすい。つまり、着座領域および周辺領域における表面層の加熱性能をより向上させることができる。
【0014】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、人が着座不可能な外周面領域における前記表面層の伸び率は、人が着座可能な着座可能領域における前記表面層の伸び率よりも大きく、人が前記表面層に着座すると、前記外周面領域における前記表面層と、前記便座基材と、の間の間隔は広くなることを特徴とする暖房便座装置である。
【0015】
この暖房便座装置によれば、外周面領域における表面層は、着座可能領域における表面層よりも大きい伸び率を有するため、使用者が表面層に着座することにより、着座可能領域における断熱層の気体が外周面領域における断熱層へ移動すると、外周面領域における表面層はより伸びる。その結果、外周面領域における表面層と、便座基材と、の間の間隔は広くなる。つまり、外周面領域における断熱層の空間は膨らみ、外周面領域における断熱層は、着座可能領域における断熱層から移動してきた気体を蓄えることができる。
【0016】
これによれば、伝達された熱によって断熱層の空間内の気体は効率良く温度上昇し、気体内の熱伝導がさらに鈍化する。そして、このようにして断熱層の空間の中で加熱された気体は、逃げることなく外周面領域における断熱層の中に滞留するので、熱の拡散も抑制される。したがって、便座の保温効果をより向上させることができる。
【0017】
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、前記支持体は、負荷に応じて生ずる変化の方向に異方性を有し、人が前記表面層に着座すると、前記外周面領域側へ向かって変化することを特徴とする暖房便座装置である。
【0018】
この暖房便座装置によれば、支持体は、負荷に応じて生ずる変化の方向に異方性を有し、人が表面層に着座すると、外周面領域側へ向かって変化するため、着座可能領域における断熱層の気体は、外周面領域における断熱層へ移動しやすい。そのため、着座可能領域における表面層は、スムーズに下方へ沈む。そのため、使用者は、着座したときに違和感を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。また、着座可能領域における表面層は、下方へ沈みやすいため、加熱部からの熱は、着座領域および周辺領域における表面層へより伝わりやすい。つまり、着座領域および周辺領域における表面層の加熱性能をより向上させることができる。
【0019】
また、第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記表面層の表面は、防汚性を有することを特徴とする暖房便座装置である。
【0020】
この暖房便座装置によれば、表面層には、汚れや埃が付着しにくい。また、表面層が汚損しても、表面層の清掃はより容易である。すなわち、表面層の表面が防汚性を有することにより、便座の手入れがより簡単となり、その便座は清潔な状態に維持される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の態様によれば、着座した状態において便座の低温部分と使用者の皮膚とが接触することを防止することができ、快適な座り心地を得ることができる暖房便座装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係る暖房便座装置が設けられたトイレ装置を表す斜視模式図である。
【図2】本実施形態の便座の内部を表す断面模式図である。
【図3】本実施形態の便座と、使用者の臀部と、が接触した直後の状態を表す断面模式図である。
【図4】使用者が便座に着座した状態を表す断面模式図である。
【図5】本実施形態の比較例にかかる便座の内部を表す断面模式図である。
【図6】使用者が本比較例の便座に着座した状態を表す断面模式図である。
【図7】断熱層の支持体の異方性を説明するための平面模式図である。
【図8】本実施形態の変形例にかかる便座の内部を表す断面模式図である。
【図9】硬化層および断熱層の設置形態を説明するための平面模式図である。
【図10】本変形例の便座に使用者が着座した状態を表す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施形態に係る暖房便座装置が設けられたトイレ装置を表す斜視模式図である。
【0024】
本実施形態にかかる暖房便座装置100は、図1に表したように、腰掛便器800の後部に載置された本体部200を有する。本実施形態のトイレ装置10は「水道直圧式」であり、腰掛便器800に流す水を制御するためのバルブ機構が本体部200内に収納されている。ただし、本発明は「水道直圧式」には限定されず、いわゆる「ロータンク式」のトイレ装置にも同様に適用できる。
【0025】
本体部200の左右側方には、便蓋300及び便座400がそれぞれ回動自在に軸支されている。便蓋300は本体部200の相対的に後方に設けられた駆動軸により軸支され、一方、便座400は本体部200の相対的に前方に設けられた駆動軸により軸支されている。便座400は、後に詳述するように、ヒータを内蔵する。ヒータは、通電されて発熱することにより、便座400の着座面を暖めることができる。
【0026】
なお、本体部200は、衛生洗浄装置としての機能部を併設してもよい。すなわち、本体部200は、便座400に座った使用者の「おしり」などに向けて水を噴出する図示しない吐水ノズルを有する衛生洗浄機能部などを適宜備えてもよい。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0027】
またさらに、本体部200には、便座400に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。ただし、本発明においては、衛生洗浄機能部やその他の付加機能部は必ずしも設けなくてもよい。
【0028】
図2は、本実施形態の便座の内部を表す断面模式図である。
また、図3は、本実施形態の便座と、使用者の臀部と、が接触した直後の状態を表す断面模式図である。
また、図4は、使用者が便座に着座した状態を表す断面模式図である。
なお、図2〜図4は、図1に表したA−A切断面における断面模式図である。
【0029】
便座400は、図2に表したように、例えばPP(ポリプロピレン)などにより形成された底板411と上板(便座基材)412とを溶着することにより組み立てられている。底板411は、表面が平坦に近い形状を有し、一方、上板412は、上方に向けて凸となる湾曲形状を有する。この底板411と上板412とが、それぞれの両端で溶着されて一体とされることで、便座400の内部は中空となっている。
【0030】
上板412の内側には、加熱源である加熱部420が設けられている。加熱部420は、通電により発熱して便座400の着座面を加熱することが可能であり、着座面の温度を使用者が設定する所望の値まで上昇させることができる。ここで、便座400の着座面は、表面層440により形成されている。つまり、使用者は、表面層440に着座することができる。そのため、使用者が便座400に着座したときには、使用者の臀部および大腿部は、表面層440の少なくとも一部に接触する。したがって、加熱部420は、表面層440を加熱することが可能である。
【0031】
上板412と表面層440との間には、表面層440から上板412側への熱の移動を抑制する断熱層430が設けられている。断熱層430は、表面層440と上板412との間に設けられた支持体431と、その支持体431により確保された断熱空間433と、を有する。つまり、支持体431は、表面層440と上板412との間の間隔を確保している。支持体431は、弾力性を有し、上板412の上方において表面層440を支持している。また、断熱層430には、空気が封入されている。なお、断熱層430に封入される気体は、空気だけに限定されるわけではなく、空気より熱伝導率が低いアルゴンなどであってもよい。
【0032】
ここで、使用者が表面層440に着座すると、使用者の臀部500から表面層440へ熱が伝達され、さらに表面層440内で熱伝導が生じる。また、表面層440の下方には、断熱空間433を有する断熱層430が設けられている。したがって、使用者の臀部500から熱を伝達されて温度が上昇した表面層440から、断熱空間433内の空気へと熱が伝達され、その空気を媒体として熱伝導が生じる。また、これとともに、輻射による熱の伝達が生ずる。
【0033】
空気の熱伝導率は、表面層440を形成する材料や、上板412の基材となるPPなどの材料に比べて極端に低い。したがって、断熱層430を表面層440の下方に設けることによって、表面層440から下方への熱移動が抑制される。これにより、結果的に使用者の臀部500からの熱移動が抑制され、使用者が便座400に着座したときに感じる冷感を低減することができる。すなわち、図3に表したように、便座400の表面層440と、使用者の臀部500と、が接触した直後に感じる冷感を低減することができる。
【0034】
また、図3に表したように、便座400の表面層440と使用者の臀部500とが接触した直後において、臀部500から表面層440への熱の移動が急速なものであると、使用者は強い冷感を感じてしまうこととなる。そこで、表面層440の厚みが例えば数十μm程度と非常に薄く形成されている場合には、その表面層440の熱容量は比較的小さい。そのため、表面層440の温度は、当接する使用者の臀部500から伝達される熱によって比較的速やかに上昇する。したがって、表面層440の厚みが例えば数十μm程度と非常に薄く形成されている場合には、その後の熱の移動はしだいに緩やかなものとなり、使用者が便座400に着座したときに感じる冷感をさらに低減することができる。
【0035】
表面層440は、図2に表したように、使用者(人体)が着座可能な領域である着座可能領域441と、使用者(人体)が着座不可能な領域である外周面領域442と、を有する。着座可能領域441は、便座400の内周側すなわち腰掛便器800のボウル801(図1参照)側から上面に亘って延在する領域である。一方、外周面領域442は、便座400の外周側に存在する領域である。そして、本実施形態の便座400では、着座可能領域441における表面層440の硬度は、外周面領域442における表面層440の硬度よりも高い。言い換えれば、外周面領域442における表面層440の硬度は、着座可能領域441における表面層440の硬度よりも低い。
【0036】
ここで、本願明細書において「硬度」とは、例えば「ブリネル硬さ」や、「ビッカース硬さ」や、「ロックウェル硬さ」や、「ショア硬さ」などの試験方法により測定される硬さ(硬度)をいう。
【0037】
着座可能領域441における表面層440は、例えばウレタン系やエポキシ系などの接着剤、あるいは、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムや塩化ビニルフィルムなどの樹脂フィルムを有する。一方、外周面領域442における表面層440は、例えば伸縮性を有する布や織物などにより形成される。つまり、表面層440は、例えば、伸縮性を有する布や織物などに対して、着座可能領域441に相当する部分に接着剤を塗布したり、樹脂フィルムを貼り付けることにより形成される。
【0038】
ここで、使用者が表面層440に着座すると、図4に表したように、支持体431が変化することにより、上板412と、着座領域における表面層440と、の間の距離が略均一に小さくなる。すなわち、上板412と、着座領域における表面層440と、の間の間隔は狭くなる。また、着座領域の周囲の部位、すなわち図4に表した周辺領域における表面層440と、上板412と、の間の距離も略均一に小さくなる。すなわち、周辺領域における表面層440と、上板412と、の間の間隔も狭くなる。つまり、着座可能領域441における表面層440は、外周面領域442における表面層440よりも高い硬度を有するため、使用者が表面層440に着座すると、全体に亘って連なって下方へ沈む。あるいは、着座可能領域441における表面層440の一部が下方へ沈むと、その一部に隣接する部分も釣られて下方へ沈む結果、着座可能領域441における表面層440の全体が下方へ沈む。
【0039】
ここで、「支持体431が変化する」とは、支持体431において座屈や傾倒などによる変形及び変位の少なくともいずれかが生ずることをいう。また、「着座領域」とは、使用者が表面層440に着座することにより荷重(体重)がかかる表面層440の部位、あるいは使用者の臀部500が接触する表面層440の部位をいう。また、「周辺領域」とは、「着座領域」の周囲の領域、すなわち着座した使用者の臀部500が接触していない着座可能領域441における表面層440の部位をいう。
【0040】
これによれば、上板412と、着座領域および周辺領域における表面層440と、の間の距離が略均一に小さくなるため、すなわち着座領域および周辺領域における表面層440が下方へ沈むため、図4に表したように、使用者の臀部500と周辺領域における表面層440とが接触することが防止される。
【0041】
ここで、使用者が表面層440に着座したときに、周辺領域における表面層440が下方へ沈まない場合には、周辺領域における表面層440の温度が、着座領域における表面層440の温度よりも低温になるおそれがある。これは、周辺領域における表面層440と加熱部420との間の距離が、着座領域における表面層440と加熱部420との間の距離よりも大きくなるためである。
【0042】
そして、使用者が表面層440に着座しているときに、着座領域よりも低温となった周辺領域における表面層440と、使用者の臀部500と、が接触すると、使用者は冷感を感じ、座り心地の悪化を感ずるおそれがある。これに対して、本実施形態では、前述したように、着座領域および周辺領域における表面層440が下方へ沈むため、使用者の臀部500と周辺領域における表面層440とが接触することが防止される。これにより、使用者は、座り心地の悪化を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。
【0043】
また、着座領域および周辺領域における表面層440は、上板412へ略均一に近づくため、その上板412の内側に設置された加熱部420へ略均一に近づく。そのため、加熱部420からの熱は、着座領域および周辺領域における表面層440へ略均一に伝わる。したがって、着座領域および周辺領域における表面層440が加熱部420へ略均一に近づかない場合と比較すると、周辺領域における表面層440の温度は、着座領域における表面層440の温度とより近い温度になる。そのため、使用者が表面層440に一旦着座した後に座り直した結果、座り直す前の周辺領域における表面層440と臀部500とが接触しても、使用者が冷感を感ずるおそれは少ない。したがって、使用者は、座り心地の悪化を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。
【0044】
また、着座領域における表面層440は、図4に表したように、上板412へ略均一に近づくため、その上板412の内側に設置された加熱部420へ略均一に近づく。そのため、加熱部420からの熱は、着座領域における表面層440へ略均一に伝わる。したがって、着座領域における表面層440が加熱部420へ略均一に近づかない場合と比較すると、着座領域内における表面層440では温度差あるいは温度むらは生じにくい。これによれば、使用者は、表面層440に接触した臀部500において温度差を感ずるおそれは少なく、違和感を感ずるおそれは少ない。そのため、使用者は、座り心地の悪化を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。
【0045】
さらに、使用者が表面層440に着座すると、上板412と、着座領域および周辺領域における表面層440と、の間の距離が略均一に小さくなるため、着座可能領域441における断熱層430の空気は、便座400の外周側、すなわち外周面領域442における断熱層430へ移動する。より具体的には、断熱層430に封入されている空気は、断熱空間433内を自由に移動することはできるが、断熱空間433の内部から外部へ漏出することはできない。そして、着座可能領域441における表面層440は、使用者が表面層440に着座すると全体に亘って連なって下方へ沈むため、着座可能領域441における断熱層430の空気は、外周面領域442における断熱層430へ移動する。
【0046】
これによれば、着座領域および周辺領域における表面層440と、加熱部420と、の間の距離はより小さくなるため、加熱部420からの熱は、着座領域および周辺領域における表面層440へより伝わりやすい。つまり、着座領域および周辺領域における表面層440の加熱性能をより向上させることができる。
【0047】
またさらに、外周面領域442における表面層440は、前述したように、例えば伸縮性を有する布や織物などにより形成される。つまり、外周面領域442における表面層440は、着座可能領域441における表面層440よりも大きい伸び率を有する。ここで、本願明細書において「伸び率」とは、所定の応力をかけたときの歪みの大きさをいい、材料が伸びやすいか、あるいは伸びにくいかの度合を示すものである。なお、「大きい伸び率」を有する材料は、「小さい伸び率」を有する材料よりも伸びやすい。
【0048】
外周面領域442における表面層440は、着座可能領域441における表面層440よりも大きい伸び率を有するため、使用者が表面層440に着座することにより、着座可能領域441における断熱層430の空気が外周面領域442における断熱層430へ移動すると、外周面領域442における表面層440はより伸びる。その結果、外周面領域442における表面層440と、上板412と、の間の距離は大きくなる。すなわち、外周面領域442における表面層440と、上板412と、の間の間隔は広くなる。つまり、図4に表したように、外周面領域442における断熱空間433は膨らみ、外周面領域442における断熱層430は、着座可能領域441における断熱層430から移動してきた空気を蓄えることができる。
【0049】
これによれば、伝達された熱によって断熱空間433内の空気は効率良く温度上昇し、空気内の熱伝導がさらに鈍化する。そして、このようにして断熱空間433の中で加熱された空気は、逃げることなく外周面領域442における断熱層430の中に滞留するので、熱の拡散も抑制される。したがって、便座400の保温効果をより向上させることができる。また、待機時(便座の不使用時)に保たれる便座400の目標温度を下げ、便座400の加熱及び保温のために加熱部420が消費する電力も低減することができる。
【0050】
図5は、本実施形態の比較例にかかる便座の内部を表す断面模式図である。
また、図6は、使用者が本比較例の便座に着座した状態を表す断面模式図である。
本比較例の便座400aは、図5に表したように、底板411および上板412を有する。また、上板412の内側には、加熱部420が設けられている。これらについては、図2〜図4に関して前述した便座400と同様である。
【0051】
一方、本比較例の表面層440aは、硬度が相異する部位を有するわけではなく、全体に亘って略同じの硬度を有する。また、本比較例の表面層440aの硬度は、図2〜図4に関して前述した着座可能領域441における表面層440の硬度よりも低い。
上板412と表面層440aとの間には、例えば発泡材などにより形成された断熱層430aが設けられている。つまり、本比較例の断熱層430aは、支持体や断熱空間を有するわけではなく、例えば微細な気泡を有する発泡材などにより形成されている。
その他の構造については、図2〜図4に関して前述した便座400と同様である。
【0052】
ここで、使用者が表面層440aに着座すると、図6に表したように、断熱層430aが圧縮変形することにより、上板412および加熱部420と、着座領域における表面層440aと、の間の距離が小さくなる。このとき、上板412および加熱部420と、着座領域における表面層440aと、の間の距離は、略均一には小さくならない。より具体的には、着座領域の周囲の部位である外周部A4、A5における断熱層430aは、着座領域における断熱層430aよりも圧縮変形しにくい。
【0053】
これは、表面層440aの硬度は、全体に亘って略同じであり、図2〜図4に関して前述した着座可能領域441における表面層440の硬度よりも低いためである。つまり、表面層440aは、図2〜図4に関して前述した着座可能領域441における表面層440ほどには、全体に亘って連なって下方へ沈むことはない。あるいは、表面層440aの一部が下方へ沈んだ場合でも、図2〜図4に関して前述した着座可能領域441における表面層440ほどには、その一部に隣接する部分も釣られて下方へ沈むことはない。そして、外周部A4、A5における断熱層430aにかかる荷重は、着座領域における断熱層430aにかかる荷重よりも小さいため、外周部A4、A5における断熱層430aは、着座領域における断熱層430aよりも圧縮変形しにくい。
【0054】
そうすると、外周部A4、A5における表面層440aと、加熱部420と、の間の距離は、着座領域における表面層440aと、加熱部420と、の間の距離よりも大きくなる。そのため、加熱部420からの熱は、着座領域における表面層440aよりも外周部A4、A5における表面層440aには伝わりにくい。そのため、外周部A4、A5における表面層440aは、着座領域における表面層440aよりも低温となる。これにより、使用者が着座しているときに、その低温の部分と使用者の臀部500とが接触すると、使用者は座り心地の悪化を感ずるおそれがある。
【0055】
これに対して、本実施形態にかかる便座400では、使用者が表面層440に着座すると、図4に表したように、着座領域および周辺領域における表面層440が下方へ沈むため、使用者の臀部500と周辺領域における表面層440とが接触することが防止される。これにより、使用者は、座り心地の悪化を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。
【0056】
また、本比較例の便座400aでは、使用者が表面層440aに着座すると、着座領域内であっても、断熱層430aの圧縮変形する度合に差が生ずる。より具体的には、図6に表したように、着座領域内の周縁部A2、A3における断熱層430aは、着座領域内の中央部A1における断熱層430aよりも圧縮変形しにくい。これは、表面層440aの硬度は、全体に亘って略同じであり、図2〜図4に関して前述した着座可能領域441における表面層440の硬度よりも低いため、着座領域内における断熱層430aへの荷重のかかり方が均一ではないためである。
【0057】
そうすると、周縁部A2、A3における表面層440aと、加熱部420と、の間の距離は、中央部A1における表面層440aと、加熱部420と、の間の距離よりも大きくなる。そのため、加熱部420からの熱は、中央部A1における表面層440aよりも周縁部A2、A3における表面層440aには伝わりにくい。そのため、着座領域内における表面層440aにおいて温度差あるいは温度むらが生ずる。これにより、使用者は座り心地の悪化を感ずるおそれがある。
【0058】
これに対して、本実施形態にかかる便座400では、使用者が表面層440に着座すると、図4に表したように、着座領域における表面層440が加熱部420へ略均一に近づくため、着座領域内における表面層440では温度差あるいは温度むらは生じにくい。これによれば、使用者は、表面層440に接触した臀部500において温度差を感ずるおそれは少なく、違和感を感ずるおそれは少ない。そのため、使用者は、座り心地の悪化を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。
【0059】
図7は、断熱層の支持体の有する異方性を説明するための平面模式図である。
なお、図7は、本実施形態の便座を上方から眺めた平面模式図である。
図2〜図4に関して前述したように、使用者が表面層440に着座すると、着座可能領域441における断熱層430の空気は、外周面領域442における断熱層430へ移動する。このとき、断熱層430の支持体431が、図7に表した矢印のように、外周面領域442側へ向かって変化すると、着座可能領域441における断熱層430の空気は、外周面領域442における断熱層430へ移動しやすい。そこで、本実施形態の断熱層430の支持体431は、使用者が表面層440に着座すると、外周面領域442側へ向かって変化する異方性を有する。つまり、支持体431の変形や変位の方向は等方的ではなく、断熱層430における設置位置に応じて、特定の方向へ、例えば、便座400の外周面領域442側へ向かって変形したり、変位したりする。
【0060】
支持体431は、例えば図2に表したように、上板412および表面層440の少なくともいずれかに対して予め傾斜していてもよい。そして、支持体431は、例えば図2に表したように、上板412からみて外周面領域442側へ予め傾斜している場合には、使用者が表面層440に着座したときに外周面領域442側へ変化しやすい。これにより、支持体431の変化の方向に異方性を与えることができる。
【0061】
一方、支持体431は、上板412および表面層440の少なくともいずれかに対して予め傾斜していなくともよい。つまり、支持体431は、上板412および表面層440に対して略垂直に設けられていてもよい。この場合でも、支持体431は、使用者が表面層440に着座したときに外周面領域442側へ変化しやすい構造あるいは形状などを有していればよい。例えば、使用者が表面層440に着座すると、支持体431は、外周面領域442の側に向けて湾曲するようにしてもよい。これによれば、支持体431は、使用者が表面層440に着座したときに外周面領域442側へ変化しやすく、異方性を与えることができる。
【0062】
このように、支持体431が外周面領域442側へ向かって変化する異方性を有すると、着座可能領域441における断熱層430の空気は、外周面領域442における断熱層430へ移動しやすいため、着座可能領域441における表面層440は、スムーズに下方へ沈む。そのため、使用者は、着座したときに違和感を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。また、着座可能領域441における表面層440は、下方へ沈みやすいため、加熱部420からの熱は、着座領域および周辺領域における表面層440へより伝わりやすい。つまり、着座領域および周辺領域における表面層440の加熱性能をより向上させることができる。
【0063】
次に、本実施形態の変形例について、図面を参照しつつ説明する。
図8は、本実施形態の変形例にかかる便座の内部を表す断面模式図である。
また、図9は、硬化層および断熱層の設置形態を説明するための平面模式図である。
また、図10は、本変形例の便座に使用者が着座した状態を表す断面模式図である。
【0064】
本変形例の便座400では、表面層460の内側に硬化層450が設けられている。硬化層450は、例えば、断熱層430の支持体431と、表面層460と、を接着するウレタン系やエポキシ系などの接着剤が硬化した層(接着層)である。あるいは、硬化層450は、例えば、表面層460の内側に貼り付けられたPETフィルムや塩化ビニルフィルムなどの樹脂フィルムである。
【0065】
本変形例の表面層460は、硬度が相異する部位を有するわけではなく、全体に亘って略同じの硬度を有する。また、表面層460は、図2〜図4に関して前述した表面層440と同様に、例えば伸縮性を有する布や織物などにより形成され、硬化層450よりも大きい伸び率を有する。
【0066】
断熱層430の支持体431および硬化層450は、図9に表した領域A6のように、便座400の内周側すなわち腰掛便器800のボウル801側から上面に亘って設けられている。つまり、断熱層430の支持体431および硬化層450は、着座可能領域461における表面層460の内側に設けられている。
【0067】
但し、断熱層430の支持体431は、外周面領域462における表面層460の内側に設けられていてもよい。この場合には、支持体431と表面層460とは、互いに接着されない。これにより、使用者が表面層460に着座したときに、外周面領域462における断熱空間433は膨らみ、外周面領域462における断熱層430は、着座可能領域461における断熱層430から移動してきた空気を蓄えることができる。その他の構造については、図2〜図4に関して前述した便座400の構造と同様である。
【0068】
ここで、使用者が表面層460に着座すると、図10に表したように、支持体431が変化することにより、上板412と、着座領域および周辺領域における表面層460と、の間の距離が略均一に小さくなる。つまり、着座可能領域461における表面層460の内側には硬化層450が設けられ、その硬化層450は、外周面領域462における表面層460よりも高い硬度を有するため、使用者が表面層460に着座すると、全体に亘って連なって下方へ沈む。あるいは、着座可能領域461における表面層460の一部が下方へ沈むと、その一部に隣接する部分も釣られて下方へ沈む結果、着座可能領域461における表面層460の全体が下方へ沈む。
【0069】
これによれば、図2〜図4に関して前述した便座400と同様に、使用者の臀部500と周辺領域における表面層460とが接触することが防止される。これにより、使用者の臀部500と便座400の低温部分とが接触することが防止されるため、使用者は、座り心地の悪化を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。また、図2〜図4に関して前述した便座400と同様に、着座領域における表面層460が加熱部420へ略均一に近づくため、着座領域内における表面層460では温度差あるいは温度むらは生じにくい。これによれば、使用者は、表面層460に接触した臀部500において温度差を感ずるおそれは少なく、違和感を感ずるおそれは少ない。そのため、使用者は、座り心地の悪化を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。
【0070】
なお、支持体431と硬化層450とは、互いに接着されていてもよいし、接着されていくともよいが、互いに接着されていることがより好ましい。支持体431と硬化層450とが互いに接着されている場合には、周辺領域における表面層460は、着座領域における表面層460に釣られて下方へ沈みやすい。そのため、使用者の臀部500と周辺領域における表面層460とが接触することをより防止することができる。
【0071】
また、本変形例の表面層460の表面は、防汚性を有することができる。より具体的には、表面層460は、硬化層450や、上板412や、断熱層430よりも平滑化かつ緻密化された表面を有することができる。これによれば、表面層460には、汚れや埃が付着しにくい。また、表面層460が汚損しても、表面層460の清掃はより容易である。すなわち、表面層460が平滑化かつ緻密化された表面を有することにより、便座400の手入れがより簡単となり、その便座400は清潔な状態に維持される。
【0072】
またさらに、表面層460は、表面にナノメータサイズの間隔で凹凸パターンが形成されたナノインプリント層などにより形成されてもよい。これにより、表面層460の撥水効果が得られ、汚れの付着をさらに効果的に防止することができる。なお、表面層460の防汚性については、図2〜図4に関して前述した表面層440についても同様である。すなわち、図2〜図4に関して前述した表面層440が防汚性を有する場合には、その表面層440を有する便座400の手入れはより簡単となり、その便座400は清潔な状態に維持される。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、使用者が表面層440に着座すると、着座領域および周辺領域における表面層440が下方へ沈む。そのため、使用者の臀部500と周辺領域における表面層440とが接触すること、すなわち着座領域よりも低温となった周辺領域における表面層440と、使用者の臀部500と、が接触することが防止される。これにより、使用者は、座り心地の悪化を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。また、本実施形態によれば、使用者が表面層440に着座すると、着座領域における表面層440が加熱部420へ略均一に近づくため、着座領域内における表面層440では温度差あるいは温度むらは生じにくい。これによれば、使用者は、表面層440に接触した臀部500において温度差を感ずるおそれは少なく、違和感を感ずるおそれは少ない。そのため、使用者は、座り心地の悪化を感ずるおそれは少なく、快適な座り心地を得ることができる。
【0074】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座400などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや支持体431や加熱部420の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0075】
10 トイレ装置、 100 暖房便座装置、 200 本体部、 300 便蓋、 400、400a 便座、 411 底板、 412 上板、 420 加熱部、 430、430a 断熱層、 431 支持体、 433 断熱空間、 440、440a 表面層、 441 着座可能領域、 442 外周面領域、 450 硬化層、 460 表面層、 461 着座可能領域、 462 外周面領域、 500 臀部、 800 腰掛便器、 801 ボウル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座基材と、
人が着座する表面層と、
前記便座基材と前記表面層との間に設けられ、前記表面層から前記便座基材側への熱の移動を抑制する断熱層と、
前記表面層を加熱する加熱部と、
を備え、
前記断熱層は、前記表面層と前記便器基材との間の間隔を確保するとともに前記便座基材の上方において前記表面層を支持する弾力性のある支持体を有し、
人が前記表面層に着座すると、前記支持体が変化して、人の体重がかかる着座領域と、前記着座領域の周辺領域と、における前記表面層が下方へ沈み、前記着座領域および前記周辺領域における前記表面層と、前記便座基材と、の間の間隔が狭くなることを特徴とする暖房便座装置。
【請求項2】
人が着座不可能な外周面領域における前記表面層の硬度は、人が着座可能な着座可能領域における前記表面層の硬度よりも低いことを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
【請求項3】
人が着座不可能な外周面領域における前記表面層の伸び率は、人が着座可能な着座可能領域における前記表面層の伸び率よりも大きく、
人が前記表面層に着座すると、前記外周面領域における前記表面層と、前記便座基材と、の間の間隔は広くなることを特徴とする請求項1または2に記載の暖房便座装置。
【請求項4】
前記支持体は、負荷に応じて生ずる変化の方向に異方性を有し、人が前記表面層に着座すると、前記外周面領域側へ向かって変化することを特徴とする請求項2または3に記載の暖房便座装置。
【請求項5】
前記表面層の表面は、防汚性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の暖房便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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