説明

暖房便座装置

【課題】安全性をより高めることができる暖房便座装置を提供することを目的とする。
【解決手段】誘導加熱コイルと共振コンデンサとを有する共振回路と、前記誘導加熱コイルが発生した磁界により誘導加熱される導電体と、前記導電体が設けられた便座と、第1のスイッチング素子を有し前記共振回路に供給する電力を制御するインバータと、商用電源から供給される電流を整流する整流部と、第2のスイッチング素子を有し前記整流部の整流出力を降圧して前記インバータに供給する降圧部と、使用者による前記便座の使用によって機械的に動作するスイッチと、前記第2のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより前記整流出力を降圧して前記インバータに供給し前記便座の誘導加熱を実行する制御部と、を備え、前記降圧部は、前記スイッチが動作すると、前記制御部からの指示にかかわらず前記整流出力を所定値以下に降圧して前記インバータに供給することを特徴とする暖房便座装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、便器に設置される便座を暖めることができる暖房便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、多くの暖房便座装置では、例えば電気的な発熱体としてヒータなどが便座の内部に設けられている。ヒータに電流が流れると、ヒータにおいて発生したジュール熱の熱伝導により便座の表面の温度が上昇する。例えば便座が樹脂により形成されている場合、樹脂は熱抵抗が大きいため便座の表面の温度が目標温度まで上昇するためには数十秒から数分の時間がかかることがある。そのため、使用者が便座に着座したときに冷たさを感じないようにするためには、使用者が便座に着座していないときでもヒータに通電し便座の表面を予熱しておく必要がある。そのため、待機時の消費電力を抑え、省エネルギー化を図るという点においては改善の余地がある。
【0003】
これに対して、ヒータと、電磁誘導加熱コイルと、を具備する便座暖房装置がある(特許文献1)。特許文献1に記載された便座暖房装置では、トイレへの入室を検知すると、電磁誘導加熱コイルを作動させ、便座を瞬間加熱する。さらに、便座に着座された後はヒータにより暖房を継続する。しかしながら、瞬間加熱あるいは急速加熱のための加熱手段と、保温加熱のための加熱手段と、を別系統として設けると、構造が複雑となるという問題やコストアップにつながるという問題がある。
【0004】
これに対して、本発明者は、便座の急速加熱と保温加熱とをいずれも誘導加熱により行うことを検討している。例えば、本発明者は、共振回路に供給する電圧を降圧させることで保温加熱を誘導加熱により行うことを検討している。これによれば、より簡易的な構造で急速加熱と保温加熱とを実現できる。
【0005】
しかしながら、例えば急速加熱の実行条件を判断する条件回路部や制御部などに故障が生じた場合には、誘導加熱の通電を遮断できない場合がありうる。この点においては、改善の余地がある。また、特許文献1に記載された便座暖房装置において、例えば人体検知手段や便座ふた開閉検知手段に故障が生じた場合には、たとえ使用者が便ふたや便座の近傍に存在していても誘導加熱の通電を遮断できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−18114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、安全性をより高めることができる誘導加熱型の暖房便座装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、誘導加熱コイルと共振コンデンサとを有する共振回路と、前記誘導加熱コイルが発生した磁界により誘導加熱される導電体と、前記導電体が設けられた便座と、第1のスイッチング素子を有し前記共振回路に供給する電力を制御するインバータと、商用電源から供給される電流を整流する整流部と、第2のスイッチング素子を有し前記整流部の整流出力を降圧して前記インバータに供給する降圧部と、使用者による前記便座の使用によって機械的に動作するスイッチと、前記第2のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより前記整流出力を降圧して前記インバータに供給し前記便座の誘導加熱を実行する制御部と、を備え、前記降圧部は、前記スイッチが動作すると、前記制御部からの指示にかかわらず前記整流出力を所定値以下に降圧して前記インバータに供給することを特徴とする暖房便座装置である。
【0009】
この暖房便座装置によれば、降圧部は、スイッチが動作すると、制御部からの指示にかかわらず整流出力を所定値以下に降圧してインバータに供給する。そのため、便座が使用状態となると、インバータに供給される電圧が所定値以下となる。そのため、制御部などに故障が生じても、便座が使用状態となると、インバータの動作により発生する磁束を少なくすることができる。これにより、安全性をより高めることができる。また、インバータは、降圧部により所定値以下に降圧された電圧で動作可能である。そのため、便座が使用状態となっても、便座を誘導加熱により保温することができる。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、前記第2のスイッチング素子を連続的にオン状態に制御する指示を前記降圧部に向けて出す高出力条件回路と、前記第2のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより前記整流出力を降圧する指示を前記降圧部に向けて出す低出力条件回路と、を有し、前記スイッチは、前記高出力条件回路と、前記降圧部と、のあいだの信号線に設けられ、前記降圧部は、前記スイッチが動作して前記高出力条件回路からの指示を遮断することで前記低出力条件回路からの指示により動作し、前記整流出力を所定値以下に降圧して前記インバータに供給することを特徴とする暖房便座装置である。
【0011】
この暖房便座装置によれば、スイッチは、高出力条件回路と、前記降圧部と、のあいだの信号線に設けられ、高出力条件回路からの指示を遮断することができる。高出力条件回路からの指示が降圧部に伝わることをより確実に防止することができる。そして、降圧部の動作は、低出力条件回路からの指示に制限される。そのため、より確実に整流部の整流出力を所定値以下に降圧することができる。
【0012】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記スイッチは、前記便座への使用者の着座動作に基づいた荷重で動作することを特徴とする暖房便座装置である。
【0013】
この暖房便座装置によれば、スイッチは、便座への使用者の着座動作に基づいた荷重で動作する。そのため、スイッチは、使用者が便座に着座することでかかる荷重によって機械的により確実に動作することができる。
【0014】
また、第4の発明は、第1または第2の発明において、前記便座を覆うことができる便蓋をさらに備え、前記スイッチは、前記便蓋の開閉動作により動作することを特徴とする暖房便座装置である。
【0015】
この暖房便座装置によれば、スイッチは、便蓋の開閉動作により動作する。そのため、スイッチは、便蓋が開閉することによって機械的により確実に動作することができる。
【0016】
また、第5の発明は、第1〜第4の発明において、前記便座の回動を支持するケーシングをさらに備え、前記制御部は、前記ケーシングの内部に設けられ、前記降圧部および前記スイッチは、前記便座の内部に設けられたことを特徴とする暖房便座装置である。
【0017】
この暖房便座装置によれば、降圧部およびスイッチは、便座の内部に設けられている。そのため、通信の異常が生ずるおそれは少なく、より確実に整流部の整流出力を所定値以下に降圧することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の態様によれば、安全性をより高めることができる誘導加熱型の暖房便座装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。
【図2】本実施形態の便座を表す模式図である。
【図3】本実施形態にかかる暖房便座装置の回路図である。
【図4】本実施形態のスイッチの設置形態を説明するための平面模式図である。
【図5】本実施形態にかかる暖房便座装置の他の回路図である。
【図6】便座の開閉動作により動作するスイッチの具体例を表す断面模式図である。
【図7】便座の開閉動作により動作するスイッチの他の具体例を表す斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。
また、図2は、本実施形態の便座を表す模式図である。
なお、図2(a)は、本実施形態の便座を上方から眺めた平面模式図であり、図2(b)は、図2(a)に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。
【0021】
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器800と、その上に設けられた暖房便座装置100と、を備える。暖房便座装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。つまり、ケーシング400は、便座200および便蓋300の回動を支持する。便蓋300は、閉じた状態において便座200の上方を覆うことができる。
【0022】
ケーシング400には、トイレ室への使用者の入室を検知する入室検知センサ(入室検知手段)402と、便座200の前方にいる使用者を検知する人体検知センサ(人体検知手段)403と、使用者が便座200に座ったことを検知する着座検知センサ(着座検知手段)404と、便蓋300の開閉状態を検知する便蓋開閉検知センサ(便蓋開閉検知手段)406と、が設けられている。なお、入室検知センサ402と、人体検知センサ403と、着座検知センサ404と、便蓋開閉検知センサ406と、の設置形態は、一例であり、これだけに限定されるわけではない。
【0023】
入室検知センサ402は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知することができる。つまり、入室検知センサ402は、トイレ室に入室した使用者だけではなく、トイレ室に入室する前の使用者、すなわちトイレ室の外側のドアの前に存在する使用者を検知することができる。このような入室検知センサ402としては、焦電センサや、ドップラーセンサなどのマイクロ波センサなどを用いることができる。マイクロ波のドップラー効果を利用したセンサや、マイクロ波を送信し反射したマイクロ波の振幅(強度)に基づいて被検知体を検出するセンサなどを用いた場合、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。つまり、トイレ室に入室する前の使用者を検知することができる。
【0024】
人体検知センサ403は、洋式腰掛便器800の前方にいる使用者、すなわち便座200から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ403は、トイレ室に入室して便座200に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサ403としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
【0025】
着座検知センサ404は、使用者が便座200に着座する直前において便座200の上方に存在する人体や、便座200に着座した使用者を検知することができる。すなわち、着座検知センサ404は、便座200に着座した使用者だけではなく、便座200の上方に存在する使用者を検知することができる。このような着座検知センサ404としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
【0026】
便蓋開閉検知センサ406としては、例えば、ホールICと磁石との組み合わせ、またはマイクロスイッチなどを用いることができる。
【0027】
なお、便蓋開閉検知センサ406は、ケーシング400に内蔵されていることに限定されず、便蓋300のヒンジ部やケーシング400の外部に設けられていてもよい。つまり、便蓋開閉検知センサ406は、便蓋300の開閉状態を検知できればよい。これは、入室検知センサ402、人体検知センサ403、および着座検知センサ404についても同様であり、入室検知センサ402、人体検知センサ403、および着座検知センサ404は、ケーシング400に内蔵されていることに限定されない。つまり、入室検知センサ402は、トイレ室への使用者の入室を検知できればよい。人体検知センサ403は、便座200の前方にいる使用者を検知できればよい。着座検知センサ404は、便座200への使用者の着座を検知できればよい。例えば、入室検知センサ402を別体としてトイレ室の入り口に取り付け、トイレ室への使用者の入室を赤外線通信によってケーシング400内の制御部410(図3参照)に伝達する方法でもよい。
【0028】
便座200は、図2(b)に表したように、便座200の外形を形成する筐体210を有する。筐体210は、例えば樹脂などの絶縁性を有する材料により形成されている。なお、筐体210は、複数の部材により形成されていてもよいし、1つの部材により形成されていてもよい。
【0029】
便座200の筐体210の内部には、高周波電流が通電されることにより磁界を発生する誘導加熱コイル222が設けられている。図2に表した便座200では、誘導加熱コイル222は、便座200の内部の上面(着座面に対向する内面)210aに付設されていている。但し、誘導加熱コイル222の設置形態は、これだけに限定されず、誘導加熱コイル222は、便座200の内部に設けられた図示しない支持体により支持されていてもよい。
【0030】
便座200には、誘導加熱コイル222から発生した磁界により誘導加熱される導電体(発熱部)231が設けられている。より具体的には、導電体231は、誘導加熱コイル222から発生する磁界で誘起される渦電流により発熱する。導電体231は、便座200の上面(着座面)に付設されている。あるいは、導電体231は、便座200の筐体210の内部に設けられていてもよい。あるいは、導電体231は、便座200の内部の上面210aに付設されていてもよい。
【0031】
導電体231としては、例えば鉄やステンレスなどの強磁性体、またはアルミニウムなどの常磁性体といった金属を用いることができる。便座200の外部に磁界を放出させにくくするためには、電気抵抗が大きい鉄やステンレスなどの強磁性体を導電体231に用いることがより好ましい。なお、導電体231が便座200の上面に設けられる場合には、人体と導電体231とが直接的に接触しないように、塗装やコーティングなどが導電体231の表面に施されることがより好ましい。
【0032】
本実施形態によれば、暖房便座装置100は、誘導加熱の原理を利用し、便座200の着座面を急速に加熱することができ、より速く着座面を適温にすることができる。また、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、便座200の着座面を急速に加熱することができるため、使用者が便座200を使用していないときには便座200を保温しておく必要はない。そのため、待機時の消費電力を抑え、省エネルギー化を図ることができる。
【0033】
また、使用者が便座200に着座した後すなわち便座200に着座しているときには、便座200の着座面を適温に保温する必要がある。本実施形態によれば、暖房便座装置100は、急速加熱および保温加熱を誘導加熱により実行する。つまり、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、便座200の着座面の温度を連続的に上昇させるように誘導加熱を行う急速加熱モードと、便座200の着座面の温度を所定温度内に保つように誘導加熱を行う保温加熱モードと、を実行することができる。これにより、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、より簡易的な構造で急速加熱と保温加熱とを実現することができる。
【0034】
ここで、例えば急速加熱の実行条件を判断する条件回路部や制御部などに故障が生ずると、誘導加熱の通電を遮断できない場合がある。この場合には、使用者が便座200に着座しているときに、急速加熱モードが実行されるおそれがある。これに対して、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、使用者による便座200の使用によって機械的に動作するスイッチを備える。このスイッチは、例えば「機械式スイッチ」や「接点式スイッチ」などと呼ばれ、物理的にオン/オフを切り替えることができる。そして、本実施形態にかかる暖房便座装置100では、制御部からの指示にかかわらずスイッチにより急速加熱の指示を遮断することができる。これにより、制御部などに故障が生じた場合でも、急速加熱の実行を停止させることができ、安全性をより高めることができる。
【0035】
次に、スイッチにより急速加熱の指示を遮断する動作について、図面を参照しつつ説明する。
図3は、本実施形態にかかる暖房便座装置の回路図である。
また、図4は、本実施形態のスイッチの設置形態を説明するための平面模式図である。
【0036】
例えば、ケーシング400の内部には、制御部410が設けられている。制御部410は、高出力条件回路440と、低出力条件回路450と、を有する。高出力条件回路440は、急速加熱モードを実行する条件を判断し、便座200の内部に設けられた高周波電源回路500の降圧部520に高出力指示を出す。低出力条件回路450は、保温加熱モードを実行する条件を判断し、便座200の内部に設けられた高周波電源回路500の降圧部520に低出力指示を出す。なお、高出力条件回路440と低出力条件回路450とは、回路として明確に区別されなくともよく、例えばマイコンが急速加熱モードあるいは保温加熱モードを実行する条件を判断し、高出力指示と低出力指示と切り替えて出力してもよい。
【0037】
高出力条件回路440は、人体検知センサ403と、着座検知センサ404と、時限タイマ407と、温度監視センサ408と、を有する。人体検知センサ403および着座検知センサ404は、図1および図2に関して前述した如くである。時限タイマ407は、急速加熱モードの実行時間を測定したり、急速加熱モードの実行時間を制限することができる。温度監視センサ408は、便座200の温度を検知することができる。
【0038】
また、高出力条件回路440は、アンド回路441を有する。人体検知センサ403と、着座検知センサ404と、時限タイマ407と、温度監視センサ408と、の検知信号は、アンド回路441に入力される。そして、高出力による誘導加熱(急速加熱モード)を実行できる条件が揃うと、高出力条件回路440は、急速加熱モードの実行を許可する指示(高出力指示)を降圧部520に向けて出す。
【0039】
低出力条件回路450は、人体検知センサ403と、着座検知センサ404と、便蓋開閉検知センサ406は、温度監視センサ408と、を有する。人体検知センサ403、着座検知センサ404、および便蓋開閉検知センサ406は、図1および図2に関して前述した如くである。温度監視センサ408は、前述したように、便座200の温度を検知することができる。
【0040】
また、低出力条件回路450は、アンド回路451を有する。人体検知センサ403と、着座検知センサ404と、便蓋開閉検知センサ406は、温度監視センサ408と、の検知信号は、アンド回路451に入力される。そして、低出力による誘導加熱(保温加熱モード)を実行できる条件が揃うと、低出力条件回路450は、保温加熱モードの実行を許可する指示(低出力指示)を降圧部520に向けて出す。
【0041】
便座200の内部には、高周波電流を生成し誘導加熱コイル222にその高周波電流を供給する高周波電源回路500が設けられている。高周波電源回路500は、整流部510と、降圧部520と、平滑部530と、共振回路540と、インバータ550と、を有する。
【0042】
整流部510は、商用電源10から供給される電流を整流する。
降圧部520は、チョッパ式の降圧回路であり、第2のスイッチング素子521と、ダイオード522と、ゲートドライバ523と、平滑部530と、を有し、整流部510の整流出力を降圧してインバータ550に供給する。
【0043】
平滑部530における平滑コイル531と平滑コンデンサ533とは、チョッパ式降圧回路の一部として機能するだけではない。平滑コンデンサ533は、インバータ550に流れる高周波大電流を平滑して供給する役割も果たす。平滑コイル531は、高周波に対して高インピーダンスとなって、商用電源10側へノイズが伝達することを防止する役割も果たす。なお、降圧機能と平滑機能とでコイルとコンデンサとを兼用せず、それぞれにコイルとコンデンサとの組み合わせを持ち直列に接続してもよい。
【0044】
共振回路540は、誘導加熱コイル222と、共振コンデンサ541と、を有する。インバータ550は、第1のスイッチング素子551を有し、共振回路540に供給する電力を制御する。第1のスイッチング素子551には、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)が用いられる。
【0045】
また、便座200の内部には、発振制御部257と、スイッチ260と、オア回路271と、が設けられている。スイッチ260は、図1および図2に関して前述したように、例えば「機械式スイッチ」や「接点式スイッチ」などと呼ばれ、物理的にオン/オフを切り替えることができる。スイッチ260は、高出力条件回路440とオア回路271との間の信号線に設けられている。そして、スイッチ260は、動作することにより、高出力条件回路440から出力された指示(信号)を遮断することができる。スイッチ260の動作は、例えば、便座200への使用者の着座動作や、便蓋300の開閉動作などにより行われる。
【0046】
図4に表したように、スイッチ260は、例えば便座200の脚211に設けられている。あるいは、スイッチ260は、例えばケーシング400に対する便座200の軸支部213に設けられている。スイッチ260は、便座200の脚211や軸支部213に設けられた場合には、使用者が便座200に着座することでかかる荷重によって動作する。つまり、使用者が便座200に着座すると、便座200は、使用者の体重による荷重を受け下方へ移動する。そうすることで、便座200の脚211や軸支部213に設けられたスイッチ260が下方へ押される。便蓋300の開閉動作により動作するスイッチ260については、後に詳述する。
【0047】
オア回路271は、スイッチ260とゲートドライバ523との間、および低出力条件回路450とゲートドライバ523との間の信号線に設けられている。
【0048】
発振制御部257は、制御部410から送信された制御信号に基づいて第1のスイッチング素子551のオン/オフを制御する。つまり、制御部410は、加熱指示を出し、発振制御部257を介して第1のスイッチング素子551のオン/オフを制御する。制御部410は、誘導加熱のオン/オフの動作指示を行うだけであり、第1のスイッチング素子521の直接のオン/オフ制御を行うのは、発振制御部257である。発振制御部257の動作は、次のようになる。
【0049】
まず、発振制御部257が第1のスイッチング素子551をオン状態に制御すると、商用電源10から供給された電流は、整流部510により整流され、平滑部530により平滑化され、誘導加熱コイル222に流れる。保温加熱モードが実行される場合には、整流部510の整流出力は、降圧部520の第2のスイッチング素子521のスイッチング制御により適宜降圧される。
【0050】
降圧動作は、降圧部520においてフィードフォワード制御により行われる。但し、これだけに限定されず、降圧動作は、フィードバック制御により行われてもよい。降圧動作が降圧部520においてフィードフォワード制御により行われる場合には、例えば想定以上の大電流が流れるように高周波電源回路500が動作し、平滑コンデンサ533の電圧が異常に低下したときでも、降圧部520の入力側の電圧で降圧制御する。そのため、降圧部520の出力を上げてさらに大電流を流そうとする動作に入ることがない。そのため、安全性をより高めることができる。一方、降圧動作がフィードバック制御により行われる場合には、例えば商用電源10の電圧が変動したときでも、出力の変動を抑えより安定化させることができる。
【0051】
電流が誘導加熱コイル222に流れると、誘導加熱コイル222に磁気エネルギーが溜まる。続いて、発振制御部257が第1のスイッチング素子551をオフ状態に制御すると、商用電源10からは電流が供給されない一方で、誘導加熱コイル222に溜められた磁気エネルギーが共振コンデンサ541へ静電エネルギーとして移動する。その後、再び共振コンデンサ541から誘導加熱コイル222へエネルギーが戻り、共振する。
【0052】
この共振動作の途中で、発振制御部257によって第1のスイッチング素子551が再びオン状態に制御されると、誘導加熱コイル222に磁気エネルギーが補充され、前述の動作を繰り返して共振が継続する。
【0053】
このように、発振制御部257が第1のスイッチング素子551のオン状態とオフ状態とを切り替え制御することにより、誘導加熱コイル222および共振コンデンサ541において共振が発生し、高周波電流が生成される。高周波電流は、誘導加熱コイル222へ供給される。誘導加熱コイル222は、供給された高周波電流によって高周波磁界を発生する。この高周波磁界によって導電体231に渦電流が発生し、導電体231が発熱する。以上の動作により、便座200の着座面を加熱することができる。
【0054】
例えば、入室検知センサ402が使用者の入室を検知し、高出力条件回路440において急速加熱モードを実行できる条件が揃うと、制御部410は、誘導加熱コイル222への通電を制御し便座200を急速に加熱することができる。そのため、使用者が便座200に座った際に冷たさを感じさせないような適温にすることができる。
【0055】
制御部410は、急速加熱モードを実行する場合には、第2のスイッチング素子521を連続的にオン状態に制御する。これにより、急速加熱モードでは、整流部510の整流出力は、降圧部520において降圧されずにインバータ550に供給される。つまり、整流後の商用電源10と、誘導加熱コイル222と、が直結した状態となる。制御部410は、便座200の着座面の温度を連続的に上昇させ急速に加熱することができる。
【0056】
続いて、使用者が便座200を使用すると、あるいは便座200を使用しようとすると、例えば人体検知センサ403や着座検知センサ404などの検知信号により急速加熱モードを実行できる条件が揃わない。そのため、高出力条件回路440は、急速加熱モードの実行を許可する指示を出さない。
【0057】
一方、使用者が便座200を使用し、あるいは便座200を使用しようとし、低出力条件回路450において保温加熱モードを実行できる条件が揃うと、制御部410は、保温加熱の指示を出して第1のスイッチング素子551のオン/オフを制御し、便座200の着座面の温度を所定温度内に保温する。
【0058】
制御部410は、保温加熱モードを実行する場合には、第2のスイッチング素子521のスイッチング制御の指示を行う。そして、制御部410は、整流部510の整流出力を降圧部520により急速加熱モードにおける整流出力よりも充分に降圧させる。つまり、整流部510の整流出力は、降圧部520において急速加熱モードにおける整流出力よりも充分に降圧されインバータ550に供給される。
【0059】
整流部510の整流出力が降圧部520により充分に降圧されるため、誘導加熱コイル222に流れるコイル電流は、急速加熱モードにおけるコイル電流よりも小さい。つまり、保温加熱モードにおけるコイル電流の振動振幅は、急速加熱モードにおけるコイル電流の振動振幅よりも小さい。そのため、保温加熱モードにおける共振電圧の共振振幅は、急速加熱モードにおける共振電圧の共振振幅よりも小さくなる。また、保温加熱モードにおける共振エネルギーは、急速加熱モードにおける共振エネルギーよりも小さくなる。なお、共振電圧は、第1のスイッチング素子551の両端にかかる電圧である。
【0060】
これにより、制御部410は、共振動作を変更することなく、整流部510の整流出力を降圧部520により充分に降圧させることで保温加熱モードにおける誘導加熱出力を急速加熱モードにおける誘導加熱出力よりも抑えることができる。そのため、制御部410は、電力消費量を急速加熱モードにおける電力消費量よりも低くし、便座200の着座面の温度を所定温度内に保温することができる。
【0061】
しかしながら、制御部410や高出力条件回路440などに故障が生ずると、急速加熱モードを実行できる条件が揃っていなくとも、高出力条件回路440が高出力指示を出す場合がある。この場合には、使用者が便座200に着座しているときに、急速加熱モードが実行される。また、制御部410や高出力条件回路440などに故障が生ずると、高出力条件回路440による高出力指示と、低出力条件回路450による低出力指示と、の両方がオア回路271に入力される場合がある。この場合には、スイッチング制御の指示がオア回路271に入力されても、オア回路271から出力される指示は、第2のスイッチング素子521を連続的にオン状態に制御する指示となる。そのため、使用者が便座200に着座しているときに、急速加熱モードが実行される。
【0062】
これに対して、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、高出力条件回路440とオア回路271との間の信号線に設けられたスイッチ260を備える。使用者が便座200に着座すると、スイッチ260は、便座200にかかる荷重により動作し、高出力条件回路440とオア回路271との間の信号線を遮断する。すなわち、便座200が使用状態となると、スイッチ260は、制御部410からの指示にかかわらず、高出力条件回路440から出力された高出力指示を遮断する。
【0063】
これにより、便座200が使用状態となると、インバータ550に供給される電圧が所定値以下となる。そのため、制御部410や高出力条件回路440などに故障が生じても、便座200が使用状態となると、インバータ550の動作により発生する磁束を少なくすることができる。そのため、制御部410や高出力条件回路440などに故障が生じても、急速加熱モードの実行を停止させることができ、安全性をより高めることができる。
【0064】
また、スイッチ260は、高出力条件回路440とオア回路271との間の信号線に設けられ、低出力条件回路450とオア回路271との間の信号線に設けられているわけではない。そのため、インバータ550は、供給される電圧が所定値以下となっても、すなわち高出力条件回路440から出力された高出力指示が遮断されても、動作可能である。これにより、便座200が使用状態となっても、制御部410は、保温加熱モードを実行することができる。
【0065】
また、スイッチ260は、高出力条件回路440とオア回路271との間の信号線を遮断することで、高出力指示が降圧部520に伝わることをより確実に防止することができる。そして、降圧部520の動作は、低出力条件回路450から出力された低出力指示に制限されるため、より確実に整流部510の整流出力を所定値以下に降圧することができる。
【0066】
さらに、スイッチ260は、使用者が便座200に着座することでかかる荷重によって動作する「機械式スイッチ」あるいは「接点式スイッチ」であるため、より確実に動作することができる。また、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、スイッチ260が例えば溶着などの故障を生じているか否かの自己診断を行うことができる。より具体的に説明すると、スイッチ260と着座検知センサ404とは、互いに独立して動作している。そのため、着座検知センサ404が使用者を検知しているときに、スイッチ260がオン/オフの動作をしない場合には、制御部410は、着座検知センサ404およびスイッチ260の少なくともいずれかの故障が生じていると判断することができる。これにより、安全性をより高めることができる。スイッチ260のオン/オフ状態を検知する手段としては、例えばスイッチ260の端子間の電圧信号を制御部410にフィードバックさせる手段などがある。
【0067】
また、前述したように、降圧部520およびスイッチ260は、便座200の内部に設けられている。そのため、通信の異常が生ずるおそれは少なく、より確実に整流部510の整流出力をスイッチ260により所定値以下に降圧することができる。
【0068】
図5は、本実施形態にかかる暖房便座装置の他の回路図である。
図5に表した回路図では、高出力条件回路440とオア回路271との間の信号線にプルダウン抵抗273が設けられている。また、プルダウン抵抗273とオア回路271との間の信号線にスイッチ260が接続されている。そして、スイッチ260は、グランドに接続されている。その他の回路構成は、図3に関して前述した回路構成と同様である。
【0069】
図5に表した回路図では、使用者が便座200に着座すると、スイッチ260は、便座200にかかる荷重により動作しオン状態(クローズ状態)となる。そうすると、高出力条件回路440から出力された高出力指示の信号は、グランドに落とされ遮断される。すなわち、便座200が使用状態となると、スイッチ260は、制御部410からの指示にかかわらず、高出力条件回路440から出力された高出力指示を遮断する。
【0070】
このように、本願明細書において「遮断」という範囲には、スイッチ260がオフ状態(オープン状態)となり信号線を遮断することで高出力指示を遮断するだけでなく、スイッチ260がオン状態(クローズ状態)となりグランドと接続されることで高出力指示を遮断することが含まれるものとする。
【0071】
図5に表した回路図においても、図3および図4に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
【0072】
次に、スイッチ260の動作が便蓋300の開閉動作により行われる場合について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、便座の開閉動作により動作するスイッチの具体例を表す断面模式図である。
なお、図6は、図1に表した範囲Bを矢視Cの方向にみたときの断面模式図である。また、図6(a)は、便蓋300が閉じている状態を表す断面模式図であり、図6(b)は、便蓋300が開いた状態を表す断面模式図である。
【0073】
本具体例のスイッチ260は、移動体261と、弾性体263と、第3のスイッチング素子265と、を有する。移動体261は、下端部において鍔部261aを有する。弾性体263は、例えば「ばね」などであり、移動体261とケーシング400とに接続されている。弾性体263は、移動体261を上方へ付勢している。第3のスイッチング素子265は、ケーシング400に設けられ、物理的にオン/オフを切り替えることができる。
【0074】
図6(a)に表したように、便蓋300が閉じている状態では、移動体261は、便蓋300の凹部301により下方に押されている。そのため、移動体261は、弾性体263から受ける付勢力に逆らって第3のスイッチング素子265の側へ移動しており、第3のスイッチング素子265をオン状態としている。このときには、高出力条件回路440から出力された高出力指示は、遮断されない。そのため、高出力条件回路440において急速加熱モードを実行できる条件が揃うと、制御部410は、第2のスイッチング素子521を連続的にオン状態に制御し、便座200の着座面を急速に加熱することができる。
【0075】
一方、図6(b)に表したように、便蓋300が開くと、移動体261は、便蓋300の凹部301から受ける力が解除され、弾性体263の付勢力により上方へ移動する。そして、移動体261の鍔部261aがケーシング400と接触すると、移動体261の上方への移動は、停止する。そうすると、第3のスイッチング素子265は、オフ状態となる。これにより、制御部410からの指示にかかわらず、高出力条件回路440から出力された高出力指示を遮断することができる。また、スイッチ260は、便蓋300の開閉動作により、機械的により確実に動作することができる。
【0076】
図7は、便座の開閉動作により動作するスイッチの他の具体例を表す斜視模式図である。
本具体例のスイッチ260aは、接点(端子)262と、操作軸264と、を有する。図7に表したように、接点262は、略輪状に配置されている。操作軸264は、便蓋300の回動に伴って回動する。スイッチ260aは、操作軸264の回動角度に応じて接点262が切り替わることでオン/オフを切り替えることができる。
【0077】
本具体例のスイッチ260aは、例えばケーシング400に対する便蓋300の軸支部に設けられている。便蓋300が開くと、操作軸264が回動する。そうすると、スイッチ260aは、操作軸264の回動角度に応じて接点262が切り替わることでオフ状態となる。これにより、制御部410からの指示にかかわらず、高出力条件回路440から出力された高出力指示を遮断することができる。また、スイッチ260aは、便蓋300の開閉動作により、機械的により確実に動作することができる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態によれば、暖房便座装置100は、使用者による便座200の使用によって機械的に動作するスイッチ260を備える。スイッチ260は、高出力条件回路440とオア回路271との間の信号線に設けられ、便座200が使用状態となると、制御部410からの指示にかかわらず高出力条件回路440から出力された指示を遮断することができる。これにより、便座200が使用状態となると、インバータ550に供給される電圧が所定値以下となる。そのため、制御部410や高出力条件回路440などに故障が生じても、便座200が使用状態となると、インバータ550の動作により発生する磁束を少なくすることができる。そのため、制御部410や高出力条件回路440などに故障が生じても、急速加熱モードの実行を停止させることができ、安全性をより高めることができる。
【0079】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座200および便蓋300などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや、高周波電源回路500の回路構成や、スイッチ260の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、スイッチ260は、本実施形態において例示したものに限定されるわけではない。例えば、スイッチ260は、リードスイッチなどの磁気センサであってもよい。この場合には、例えば便蓋300に磁石が設けられる。そして、便蓋300の開閉動作により磁力が変化することで、スイッチ260がオン/オフを切り替える。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0080】
100 暖房便座装置、 200 便座、 210 筐体、 210a 上面、 211 脚、 213 軸支部、 222 誘導加熱コイル、 231 導電体、 257 発振制御部、 260、260a スイッチ、 261 移動体、 261a 鍔部、 262 接点、 263 弾性体、 264 操作軸、 265 第3のスイッチング素子、 271 オア回路、 273 プルダウン抵抗、 300 便蓋、 301 凹部、 400 ケーシング、 402 入室検知センサ、 403 人体検知センサ、 404 着座検知センサ、 406 便蓋開閉検知センサ、 407 時限タイマ、 408 温度監視センサ、 410 制御部、 440 高出力条件回路、 441 アンド回路、 450 低出力条件回路、 451 アンド回路、 500 高周波電源回路、 510 整流部、 520 降圧部、 521 第2のスイッチング素子、 522 ダイオード、 523 ゲートドライバ、 530 平滑部、 531 平滑コイル、 533 平滑コンデンサ、 540 共振回路、 541 共振コンデンサ、 550 インバータ、 551 第1のスイッチング素子、 800 洋式腰掛便器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導加熱コイルと共振コンデンサとを有する共振回路と、
前記誘導加熱コイルが発生した磁界により誘導加熱される導電体と、
前記導電体が設けられた便座と、
第1のスイッチング素子を有し前記共振回路に供給する電力を制御するインバータと、
商用電源から供給される電流を整流する整流部と、
第2のスイッチング素子を有し前記整流部の整流出力を降圧して前記インバータに供給する降圧部と、
使用者による前記便座の使用によって機械的に動作するスイッチと、
前記第2のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより前記整流出力を降圧して前記インバータに供給し前記便座の誘導加熱を実行する制御部と、
を備え、
前記降圧部は、前記スイッチが動作すると、前記制御部からの指示にかかわらず前記整流出力を所定値以下に降圧して前記インバータに供給することを特徴とする暖房便座装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第2のスイッチング素子を連続的にオン状態に制御する指示を前記降圧部に向けて出す高出力条件回路と、
前記第2のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより前記整流出力を降圧する指示を前記降圧部に向けて出す低出力条件回路と、
を有し、
前記スイッチは、前記高出力条件回路と、前記降圧部と、のあいだの信号線に設けられ、
前記降圧部は、前記スイッチが動作して前記高出力条件回路からの指示を遮断することで前記低出力条件回路からの指示により動作し、前記整流出力を所定値以下に降圧して前記インバータに供給することを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
【請求項3】
前記スイッチは、前記便座への使用者の着座動作に基づいた荷重で動作することを特徴とする請求項1または2記載の暖房便座装置。
【請求項4】
前記便座を覆うことができる便蓋をさらに備え、
前記スイッチは、前記便蓋の開閉動作により動作することを特徴とする請求項1または2に記載の暖房便座装置。
【請求項5】
前記便座の回動を支持するケーシングをさらに備え、
前記制御部は、前記ケーシングの内部に設けられ、
前記降圧部および前記スイッチは、前記便座の内部に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の暖房便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−205686(P2012−205686A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72561(P2011−72561)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】