説明

暖房給湯装置

【課題】例えば北欧等の暖房負荷の高い地域でも十分な暖房を行うことができる暖房給湯装置を提供する。
【解決手段】第1温度センサ46は、ラジエタ8に入る往き温水の温度を検出して制御部7に出力する。第2温度センサ47は、ラジエタ8から出る戻り温水の温度を検出して制御部7に出力する。制御部7は、第1,第2温度センサ46,47の出力に基づいて、ラジエタ8に供給する温水の温度を暖房用混合弁45で調節するか、ラジエタ8に供給する温水の流量を暖房用循環ポンプ48で調節する。これにより、ラジエタ8から出る戻り温水、または、ラジエタ8に入る往き温水の温度を所定の温度に調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房および給湯に使用される暖房給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、暖房給湯装置としては、特開2004−232914号公報(特許文献1)に開示されたものがある。この暖房給湯装置は、ヒートポンプと、このヒートポンプで加熱された温水を貯える貯湯タンクと、この貯湯タンク内の上部領域のみに配置された熱交換器と、この熱交換器に接続された暖房機とを備えている。
【0003】
上記貯湯タンクは出湯管を介して蛇口に接続されている。この蛇口を開くことにより、貯湯タンクに貯えた温水を蛇口から取り出すことができる。
【0004】
上記暖房機は貯湯タンクに貯えた温水を利用して暖房運転を行う。より詳しくは、上記暖房運転が開始されると、熱交換器内の熱媒は貯湯タンク内の温水によって加熱される。この加熱された熱媒は、暖房機に送られて暖房機から室内に熱を放出する。
【0005】
ところが、上記従来の暖房給湯装置は、深夜電力を用いた給湯器の付加的機能として暖房運転を行うため、暖房運転時、室内に放出すべき熱を貯湯タンク内の温水から熱交換器を介して取り出しているので、その熱を取り出す効率は悪くなっている。すなわち、上記貯湯タンク内の温水の熱を効率良く暖房機に供給することができない。
【0006】
したがって、上記従来の暖房給湯装置は、冬場24時間暖房運転して、例えば暖房負荷:給湯負荷が10:1となるような例えば北欧等の暖房負荷の高い地域では十分な暖房を行うことができないという問題がある。
【特許文献1】特開2004−232914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、例えば北欧等の暖房負荷の高い地域でも十分な暖房を行うことができる暖房給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の暖房給湯装置は、
ヒートポンプユニットと、
上記ヒートポンプユニットで加熱された温水を貯える貯湯タンクと、
上記貯湯タンク内に配置され、給湯水が内部を流れる熱交換器と、
上記貯湯タンク内に貯められた温水を上記貯湯タンク外の暖房端末を経由させた後、再び、上記貯湯タンク内に戻して循環させるための循環回路と、
上記循環回路を流れる温水の温度を検出する温度センサと、
上記暖房端末に供給する温水の温度および流量の少なくとも一方を調節することにより、上記暖房端末から出る戻り温水の温度と、上記暖房端末に入る往き温水の温度との少なくとも一方を所定の温度に調節する温度調節部と、
上記温度センサの出力に基づいて、上記温度調節部を制御する制御部と
を備えたことを特徴としている。
【0009】
上記構成の暖房給湯装置によれば、暖房運転を開始すると、貯湯タンクに貯えた温水が循環経路を介して暖房端末へ流れ、再び、貯湯タンクに戻る。これにより、上記温水の熱は暖房端末を介して室内に放出される。すなわち、上記暖房端末は、貯湯タンク内の温水の熱を直接取り出し、室内に放出する。
【0010】
したがって、上記貯湯タンク内の温水の熱を暖房端末に効率良く供給できるので、例えば北欧等の暖房負荷の高い地域でも十分な暖房を行うことができる。
【0011】
従来においては、貯湯タンク内の熱交換器を介して熱を取り出して、暖房端末に供給していたから、効率が悪くて、十分な暖房を行うことができなかった。
【0012】
また、上記温度調節部は、暖房端末に供給する温水の温度および流量の少なくとも一方を調節することにより、暖房端末から出る戻り温水、または、暖房端末に入る往き温水の温度を所定の温度に調節する。このとき、上記制御部が、循環回路を流れる温水の温度を検出する温度センサの出力に基づいて、温度調節部を制御する。
【0013】
したがって、上記暖房端末に入る往き温水の温度の調節精度が高く、暖房端末に所望の暖房性能を発揮させることができる。
【0014】
また、上記温度調節部が、暖房端末に供給する温水の温度および流量の少なくとも一方を調節することによって、暖房端末から出る温水の温度を過度に高くならないようにして低く調節すると、低温の温水が貯湯タンクに戻り、貯湯タンク内の温水の温度が下がる。
【0015】
したがって、上記ヒートポンプユニットに貯湯タンク内の低温の温水を送ることができるので、ヒートポンプユニットのCOP(成績係数)を高くすることができる。
【0016】
また、上記温度調節部が、暖房端末に供給する温水の温度および流量の少なくとも一方を調節することによって、暖房端末から出る温水の温度を、暖房に要求される所望の高い温度に調節すると、高温の温水が貯湯タンクに戻るので、貯湯タンク内の温水は高温となる。
【0017】
したがって、上記貯湯タンク内の高温の温水は循環回路を流れて暖房端末に入るので、暖房能力を高くすることができる。
【0018】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記温度調節部は、上記暖房端末に供給する温水の温度および流量の少なくとも一方を調節することにより、上記暖房端末から出る戻り温水の温度、および、上記暖房端末に入る往き温水の温度を調節する。
【0019】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記温度調節部が暖房端末から出る戻り温水の温度、および、上記暖房端末に入る往き温水の温度を調節するので、暖房負荷に応じた運転を確実に行うことができる。
【0020】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記温度センサは、上記暖房端末から出る戻り温水の温度を検出する戻り温水センサを含む。
【0021】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記温度センサは、暖房端末から出る戻り温水の温度を検出する戻り温水センサを含むので、温度調節部による戻り温水の温度の制御性を高くすることができる。
【0022】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記温度センサは、上記暖房端末に入る往き温水の温度を検出する往き温水センサを含む。
【0023】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記温度センサは、暖房端末に入る往き温水の温度を検出する往き温水センサを含むので、温度調節部による往き温水の温度の制御性を高くすることができる。
【0024】
一実施形態の暖房給湯装置では、
外気温度を検出すると共に、上記外気温度を示す信号を上記制御部に出力する外気温度センサを備え、
上記温度センサは、上記暖房端末から出る戻り温水の温度を検出する戻り温水センサと、上記暖房端末に入る往き温水の温度を検出する往き温水センサとを含み、
上記制御部は、
上記外気温度センサが検出した外気温度が予め定めた基準値よりも高いときは、上記往き温水センサの出力に基づいて、上記暖房端末に入る往き温水の温度が外気温度に基づいた予め定められた往き温水温度になるように上記温度調節部を制御する一方、
上記外気温度センサが検出した外気温度が予め定めた基準値以下のときは、上記戻り温水センサの出力に基づいて、上記暖房端末から出る戻り温水の温度が外気温度に基づいた予め定められた戻り温水温度になるように上記温度調節部を制御する。
【0025】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記制御部は、外気温度センサが検出した外気温度が予め定めた基準値よりも高いときは、往き温水センサの出力に基づいて、暖房端末に入る往き温水の温度が外気温度に基づいた予め定められた往き温水温度になるように温度調節部を制御する。これにより、上記暖房端末に入る往き温水の温度を低くして、暖房端末から出る戻り温水の温度をできる限り低くすることができる。
【0026】
したがって、上記外気温度が過度に低い温度でなければ、暖房端末の暖房性能を低く抑えて、エネルギの無駄な消費を防ぐことができると共に、ヒートポンプユニットに、温度をできる限り低くした温水を供給して、ヒートポンプユニットのCOPを向上させることができる。
【0027】
一方、上記制御部は、外気温度センサが検出した外気温度が予め定めた基準値以下のときは、戻り温水センサの出力に基づいて、暖房端末から出る戻り温水の温度が外気温度に基づいた予め定められた戻り温水温度になるように温度調節部を制御する。これにより、上記暖房端末から出る戻り温水の温度を高くして、暖房端末に入る温水の温度を上げることができる。
【0028】
したがって、上記外気温度が過度に低い温度であれば、暖房端末の暖房性能を高くして、室内が冷えるのを防ぐことができる。
【0029】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記貯湯タンクの上部に、上記貯湯タンク内に貯められた温水を取り出すための第1取水口が設けられる一方、上記貯湯タンクの下部に、上記暖房端末から出た温水を上記貯湯タンクに戻すための戻し口が設けられ、
上記循環回路は、上記第1取水口と上記戻し口とに接続されている。
【0030】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記第1取水口は、貯湯タンクの上部に設けられているので、貯湯タンク内の上部領域にある比較的高温の温水を取り出して暖房端末に送ることができる。したがって、上記比較的高温の温水で暖房を行うことができる。
【0031】
また、上記戻し口は、貯湯タンクの下部に設けられているので、暖房端末で比較的低温になった温水を貯湯タンク内の下部領域に戻すことができる。したがって、上記貯湯タンク内の上部領域の比較的高温の温水が、暖房端末で比較的低温になった温水と混ざって低温になるのを防ぐことできる。
【0032】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記貯湯タンクの下部に、上記貯湯タンク内に貯められた温水を上記ヒートポンプユニットに供給するための供給口が設けられている。
【0033】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記暖房端末から出た温水を貯湯タンクに戻すための戻し口が貯湯タンクの貯湯タンクの下部にあることと、貯湯タンク内に貯められた温水をヒートポンプユニットに供給するための供給口が貯湯タンクの下部にあることとが相俟って、ヒートポンプユニットには常に比較的低温の温水が供給されるため、ヒートポンプユニットのCOP(成績係数)が向上する。特に、上記ヒートポンプユニットの冷媒がCO冷媒であると、COPが向上する。
【0034】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記貯湯タンク内の上下方向の略中央部にはヒータが配置されている。
【0035】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記貯湯タンク内にヒータを配置しているので、ヒートポンプユニットの故障時に、貯湯タンク内の温水の温度を、ヒータで保ったり、上げたりすることができる。
【0036】
また、上記ヒートポンプユニットが温水に与える熱量が不足している時、貯湯タンク内にヒータがあるので、ヒータがその不足分の熱量を温水に供給することができる。
【0037】
また、上記ヒータは貯湯タンク内の上下方向の略中央部に配置されているので、主として、ヒータよりも上方にある、貯湯タンク内の上部領域の温水を加熱することになる。このとき、上記貯湯タンク内の上部領域の温水は、元々、貯湯タンク内の下部領域の温水に比べて高温だから、ヒータの加熱によって短時間でさらに高温となる。
【0038】
したがって、暖房負荷が瞬間的に増大しても、上記貯湯タンク内の上部領域でさらに高温となった温水を暖房端末に即座に送ることができる。
【0039】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記貯湯タンクの上下方向の略中央部に、上記貯湯タンク内に貯められた温水を取り出すための第2取水口が、上記ヒータ近傍かつ上方に位置するように設けられ、
上記循環回路は上記第2取水口に接続されている。
【0040】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、暖房運転時、暖房負荷が瞬間的に増大すると、貯湯タンク内の温水をヒータで高温にし、この高温の温水を循環回路の第2取水口から取り出して暖房端末に送る。このとき、上記第2取水口は、貯湯タンクの上下方向の略中央部に設けられて、ヒータ近傍かつ上方に位置しているので、ヒータで加熱した直後の温水を取り出して暖房端末に送ることができる。
【0041】
したがって、暖房負荷が瞬間的に増大しても、暖房負荷の瞬間的な増大に迅速かつ確実に対応することができる。
【0042】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記熱交換器は上記貯湯タンク内の下部領域から上部領域に渡って配置されていて、給湯水が上記貯湯タンクの下部に入って上記貯湯タンクの上部から出る。
【0043】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記熱交換器は貯湯タンク内の下部領域から上部領域に渡って配置されていて、給湯水が貯湯タンクの下部に入って貯湯タンクの上部から出るので、給湯水は熱交換器内を流れる間に貯湯タンク内の温水で十分に加熱される。したがって、上記熱交換器から高温の給湯水を出湯できる。
【0044】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記温度調節部は、上記貯湯タンクと上記暖房端末との間の上記循環回路に設けられて回転速度が調整可能な循環ポンプを含む。
【0045】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記循環ポンプは、貯湯タンクと暖房端末の間の循環回路に設けられて回転速度が調整可能であるから、暖房端末へ供給する温水の流量を容易かつ確実に調節することができる。
【0046】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記温度調節部は、上記貯湯タンクを出て上記暖房端末に向かう温水と、上記暖房端末から出た温水とを混合して、上記暖房端末に供給する混合弁を含む。
【0047】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記混合弁は、貯湯タンクを出て暖房端末に向かう温水と、暖房端末から出た温水とを混合して、暖房端末に供給するので、貯湯タンク内の温水とは異なる温度の温水を暖房端末に確実に供給することができる。
【0048】
一実施形態の暖房給湯装置は、
上記ヒートポンプユニットからの温水を、上記貯湯タンクの上部、あるいは、上記貯湯タンクの下部に供給可能な沸き上げ用三方弁を備えている。
【0049】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記沸き上げ用三方弁が、ヒートポンプユニットからの温水を貯湯タンクの下部に供給することにより、給湯運転および暖房運転の停止中に貯湯タンク内の温水の凍結を効果的に防ぐことができる。
【0050】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記外気温度の予め定められた基準値は、上記暖房端末を設置する住宅の断熱性能、床面積によって定められている。
【0051】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記外気温度の予め定められた基準値は、上記暖房端末を設置する住宅の断熱性能、床面積によって定められているので、その基準値を用いて適切な暖房を室内に行うことができる。
【0052】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記循環回路は、上記往き温水が流れる往き配管と、上記戻り温水が流れる戻り配管とを有し、
一端が上記往き配管に接続される一方、他端が上記戻り配管に接続されたバイパス流路を備えている。
【0053】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記バイパス流路を備えているので、暖房端末を出た戻り温水の一部がバイパス流路を介して往き配管へ流れる。
【0054】
したがって、上記貯湯タンク内に流入する戻り温水の量が少なくなるので、貯湯タンク内の温水の攪拌を防ぐことができる。
【0055】
また、上記貯湯タンク内の温水の攪拌を防ぐことによって、貯湯タンクの下部内の温水を比較的低温に保つことができるので、貯湯タンクの下部内の温水をヒートポンプユニットに送って、ヒートポンプユニットのCOPを高く保つことができる。
【0056】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記バイパス流路の他端が上記戻り配管に接続する点と、上記貯湯タンクとの間に、上記戻り温水の流通を停止させる流通停止部が設けられている。
【0057】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記流通停止部が、バイパス流路の他端が戻り配管に接続する点と、貯湯タンクとの間に設けられているので、その間の戻り温水の流通を停止させると、戻り温水は、貯湯タンク内に流入せず、貯湯タンク内の温水の攪拌を引き起こさない。
【0058】
したがって、上記貯湯タンクの下部内の温水を確実に比較的低温に保つことができるので、貯湯タンクの下部内の温水をヒートポンプユニットに送って、ヒートポンプユニットのCOPを確実に高く保つことができる。
【0059】
一実施形態の暖房給湯装置では、
上記ヒートポンプユニットはCO冷媒を使用する。
【0060】
上記実施形態の暖房給湯装置によれば、上記ヒートポンプユニットはCO冷媒を使用するので、ヒートポンプユニットは高温出湯できる。
【発明の効果】
【0061】
本発明の暖房給湯装置によれば、貯湯タンクに貯えた温水を循環経路を介して暖房端末に送ることによって、その温水の熱を熱交換器を経由しないで暖房端末に効率良く供給できるので、例えば北欧等の冬場24時間暖房運転するような暖房負荷の高い地域で十分な暖房を行うことができる。
【0062】
また、上記温度調節部が、暖房端末から出る温水の温度を低く調節することによって、貯湯タンク内の温水の温度を低温にしてヒートポンプユニットに供給できるので、ヒートポンプユニットのCOPを高くすることができる。
【0063】
また、上記温度調節部が、暖房端末から出る温水の温度を高く調節することによって、貯湯タンク内の温水の温度を高温にして暖房端末に供給できるので、暖房能力を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
以下、本発明の暖房給湯装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0065】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の暖房給湯装置の構成を示す模式図である。
【0066】
上記暖房給湯装置は、ヒートポンプユニット1、貯湯タンク2、給湯用熱交換器3および暖房用循環回路4を備えている。なお、上記給湯用熱交換器3は熱交換器の一例であり、暖房用循環回路4は循環回路の一例である。
【0067】
上記ヒートポンプユニット1は冷媒回路16および電動送風機17を備え、貯湯タンク2内の水を沸き上げて温水にする。
【0068】
上記冷媒回路16は、蒸発器11、圧縮機12、凝縮器13、過冷却熱交換器14および膨張弁15を有している。この冷媒回路16ではCO冷媒が循環する。
【0069】
上記CO冷媒は、蒸発器11において、電動送風機17から送られた空気中の熱を吸収して高温となる。そして、上記CO冷媒は、圧縮機12で圧縮されてさらに高温となった後、凝縮器13に到達して熱を放出する。これにより、上記CO冷媒は、凝縮器13に入る前に比べて低温となって、過冷却熱交換器14へ向かって流れる。そして、上記CO冷媒は、その過冷却熱交換器14でさらに冷却された後、膨張弁15を経て、蒸発器11に戻る。
【0070】
また、上記ヒートポンプユニット1は、沸き上げ用循環回路5を介して貯湯タンク2と接続されている。
【0071】
上記沸き上げ用循環回路5には、沸き上げ用循環ポンプ51および沸き上げ用三方弁52が設けられている。そして、上記沸き上げ用循環回路5は、第2暖房往き接続口42と、沸き上げ用の供給口53と、凍結防止水戻し接続口54とに接続されている。なお、上記第2暖房往き接続口42は第1取水口の一例である。
【0072】
上記供給口53は貯湯タンク2の下部に設けられている。これにより、上記貯湯タンク2内の下部領域にある比較的低温の温水を、供給口53を介して沸き上げ用循環ポンプ51に供給することができる。
【0073】
上記沸き上げ用循環ポンプ51は、貯湯タンク2内の下部領域にある比較的低温の温水を吸い込み、この吸い込んだ比較的低温の温水を凝縮器13へ向けて吐出する。
【0074】
上記凝縮器13ではCO冷媒と温水とが熱交換されて、その温水が高温になる。この凝縮器13を出た高温の温水は沸き上げ用三方弁52へ向かう。
【0075】
上記沸き上げ用三方弁52は、給湯運転中および暖房運転中、凝縮器13からの高温の温水を、第2暖房往き接続口42を介して貯湯タンク2内の上部領域に流す。また、ヒートポンプユニット1の起動時などの際に、まだヒートポンプユニットの凝縮器から出る温水が十分に高温となっていない場合、該温水は貯湯タンク2の上部ではなく、貯湯タンク2の下部に戻されるように沸き上げ用三方弁52が制御される。このように温水の温度により戻り口を切り替えることで、十分に高温になっていない温水が貯湯タンク2の上部に戻って貯湯タンク2内の温度分布が乱れるのを防止できる。
【0076】
上記貯湯タンク2はヒートポンプユニット1で加熱された温水を貯える。また、上記貯湯タンク2内の上下方向の略中央部にはヒータ6を配置していて、このヒータ6は貯湯タンク2内の温水を直接加熱する。また、図示しないが、上記貯湯タンク2内の各部の温水の温度を検出するため、複数の温度センサを貯湯タンク2に設けている。この複数の温度センサは、貯湯タンク2内の各部の温水の温度を検出し、その温度を示す信号を制御部7に送る。なお、上記制御部7は制御部の一例である。
【0077】
上記貯湯タンク2内の下部領域の温水の温度を示す信号は、圧縮機12および沸き上げ用循環ポンプ51のON/OFF制御に使用される。つまり、上記制御部7は、貯湯タンク2内の下部領域の温水の温度に基づいて、圧縮機12および沸き上げ用循環ポンプ51のON/OFF制御する。
【0078】
上記給湯用熱交換器3は、コイル状のパイプから成って、貯湯タンク2内の下部領域から上部領域に渡って配置されている。給湯水は給湯用熱交換器3内を流れることによって加熱される。より詳しくは、上記給湯水は、貯湯タンク2の下部から貯湯タンク2内に入って、貯湯タンク2内の下部領域に配置された給湯用熱交換器3を上方に向かって流れる。そして、上記給湯水は、貯湯タンク2内の上部領域に配置された給湯用熱交換器3を上方に向かって流れた後、貯湯タンク2の上部から貯湯タンク2外に出る。
【0079】
また、上記貯湯タンク2から出た給湯水の温度が高すぎた場合、給湯用混合弁31を開いて、貯湯タンク2から出た給湯水と、貯湯タンク2に流入する前の給湯水とを混ぜ合わせる。これにより、上記貯湯タンク2から出た給湯水の温度を下げることができる。
【0080】
上記暖房用循環回路4は、貯湯タンク2内に貯められた温水を貯湯タンク2外の複数のラジエタ8を経由させた後、再び、貯湯タンク2内に戻して循環させるためのものである。そして、上記暖房用循環回路4は、第1,第2暖房往き接続口41,42と暖房戻り接続口43とに接続されている。なお、上記第1暖房往き接続口41は第2取水口の一例である。なお、上記ラジエタ8は暖房端末の一例である。暖房端末として、これに代えて、あるいは、これと併せて、床暖房パネルやファンコイルなどを用いてもよい。
【0081】
上記第1暖房往き接続口41は、貯湯タンク2内の温水を取り出すためのものである。この第1暖房往き接続口41は、貯湯タンク2の上下方向の略中央部に設けられて、ヒータ6近傍かつ上方に位置している。これにより、上記ヒータ6で加熱された直後の温水を、第1暖房往き接続口41から取り出し、複数のラジエタ8に送ることができる。
【0082】
上記第2暖房往き接続口42も、上記第1暖房往き接続口41と同様に、貯湯タンク2内の温水を取り出すためのものである。この第2暖房往き接続口42は貯湯タンク2の上部に設けられている。これにより、上記貯湯タンク2内の上部領域の温水を、第2暖房往き接続口42から取り出し、複数のラジエタ8へ送ることができる。また、上記第2暖房往き接続口42は沸き上げ戻り接続口を兼用している。
【0083】
上記各ラジエタ8は、貯湯タンク2から流れてきた温水の熱を直接取り出し、室内に放出する。そして、上記温水は、低温となり、各ラジエタ8を出て、暖房戻り接続口43へ向かって流れる。
【0084】
上記暖房戻り接続口43は貯湯タンク2の下部に設けられている。これにより、上記暖房戻り接続口43から出た温水を、貯湯タンク2内の下部領域の温水と混ぜることができる。
【0085】
また、上記暖房用循環回路4には、バイパス配管44、暖房用混合弁45、第1,第2温度センサ46,47、暖房用循環ポンプ48および暖房用三方弁49が設けられている。なお、上記バイパス配管44はバイパス流路の一例、暖房用混合弁45は混合弁の一例、暖房用循環ポンプ48は循環ポンプの一例、第1温度センサ46は往き温水センサの一例、第2温度センサ47は戻り温水センサの一例である。
【0086】
上記バイパス配管44は、ラジエタ8から暖房戻り接続口43へ流れる温水の一部を暖房用混合弁45へ案内する。
【0087】
上記暖房用混合弁45は、貯湯タンク2からの温水が流入する入口と、バイパス配管44からの温水が流入する入口とを有している。詳しくは後述するが、上記暖房用混合弁45の各入口の開度は制御部7によって調節される。
【0088】
上記第1温度センサ46は、貯湯タンク2からラジエタ8へ向かう温水の温度を検出し、この温度を示す信号を制御部7に送る。
【0089】
上記第2温度センサ47は、ラジエタ8から貯湯タンク2へ向かう温水の温度を検出し、この温度を示す信号を制御部7に送る。
【0090】
上記制御部7は、外気温度センサ18から、外気温度を示す信号を受けると共に、室内温度センサ(図示せず)から、室内温度を示す信号を受ける。
【0091】
上記暖房用循環ポンプ48は、第2暖房往き接続口42または第1暖房往き接続口41を介して貯湯タンク2内の温水を吸い込み、複数のラジエタ8に向けて吐出する。
【0092】
上記暖房用三方弁49は、貯湯タンク2内の温水の高温領域が第1暖房往き接続口41近傍に存在している場合、第1暖房往き接続口41から温水を取り出す。また、上記暖房用三方弁49は、貯湯タンク2内の温水の高温領域が第1暖房往き接続口41近傍に存在していない場合、第2暖房往き接続口42から温水を取り出す。この暖房用三方弁49の切り替えは制御部7によって行われる。つまり、上記制御部7は、貯湯タンク2内の各部の温水の温度を検出するための複数の温度センサからの信号に基づいて、暖房用三方弁49の切り替えを行う。
【0093】
上記構成の暖房給湯装置が暖房運転を開始すると、暖房用循環ポンプ48が稼働する。これにより、上記貯湯タンク2に貯えた温水が複数のラジエタ8に送られ、再び、貯湯タンク2に戻る。このとき、上記温水の熱はラジエタ8を介して室内に放出される。すなわち、上記各ラジエタ8は、貯湯タンク2内の温水の熱を直接取り出し、室内に放出する。
【0094】
したがって、上記貯湯タンク2内の温水の熱をラジエタ8に効率良く供給できるので、例えば北欧等の暖房負荷の高い地域でも十分な暖房を行うことができる。
【0095】
また、上記給湯用熱交換器3は貯湯タンク2内の下部領域から上部領域に渡って配置されていて、給湯水が貯湯タンク2の下部に入って貯湯タンク2の上部から出るので、給湯水は給湯用熱交換器3内を流れる間に貯湯タンク2内の温水で十分に加熱される。したがって、上記給湯用熱交換器3から高温の給湯水を出湯できる。
【0096】
また、上記ラジエタ8で比較的低温になった温水は暖房戻り接続口43から貯湯タンク2内に戻るので、その比較的低温になった温水を貯湯タンク2内の下部領域に戻すことができる。したがって、上記貯湯タンク2内の上部領域の比較的高温の温水が、ラジエタ8で比較的低温になった温水と混ざって低温になるのを防ぐことできる。
【0097】
また、上記貯湯タンク2の下部に供給口53が設けられているので、その貯湯タンク2内の下部領域にある比較的低温の温水がヒートポンプユニット1の凝縮器13に供給される。したがって、上記ヒートポンプユニット1のCOPが向上する。
【0098】
また、上記ヒートポンプユニット1の故障時には、ヒータ6で貯湯タンク2内の温水を直接加熱することによって、貯湯タンク2内の温水の温度を保ったり、上げたりすることができる。
【0099】
また、上記ヒートポンプユニット1が温水に与える熱量が不足している時にも、その不足分の熱量をヒータ6で補うことができる。
【0100】
また、上記ヒータ6は貯湯タンク2内の上下方向の略中央部に配置されているので、
主として、ヒータ6よりも上方にある温水を加熱することになる。このとき、上記貯湯タンク2内の上部領域の温水は、元々、貯湯タンク2内の下部領域の温水に比べて高温だから、ヒータ6の加熱によって短時間でさらに高温となる。
【0101】
したがって、暖房負荷が瞬間的に増大しても、上記貯湯タンク2内の上部領域でさらに高温となった温水をラジエタ8に即座に送ることができる。
【0102】
また、暖房運転時、暖房負荷が瞬間的に増大すると、貯湯タンク2内の温水をヒータ6で高温にし、この高温の温水を暖房用循環回路4の第1暖房往き接続口41から取り出してラジエタ8に送る。このとき、上記第1暖房往き接続口41は、貯湯タンク2の上下方向の略中央部に設けられて、ヒータ6近傍かつ上方に位置しているので、ヒータ6で加熱した直後の温水を取り出してラジエタ8に送ることができる。
【0103】
したがって、暖房負荷が瞬間的に増大しても、暖房負荷の瞬間的な増大に迅速かつ確実に対応することができる。
【0104】
また、上記ヒートポンプユニット1は、冷媒としてCO冷媒を使用するので、高温出湯できる。
【0105】
また、上記制御部7は、外気温度センサ18および第1,第2温度センサ46,47からの信号に基づき、暖房用混合弁45の2つの入口の夫々の開度を調節したり、暖房用循環ポンプ48の回転速度を調節したりする。
【0106】
その結果、上記各ラジエタ8へ入る温水の温度(以下、「暖房往き温度」と言う。)、または、各ラジエタ8から出る温水の温度(以下、「暖房戻り温度」と言う。)を調整することができる。
【0107】
例えば、上記制御部7が、暖房用混合弁45の貯湯タンク2側の入口の開度に対して、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度を小さくすると、貯湯タンク2側からの高温の温水量に比べて、バイパス配管44側からの低温の温水量が少なくなる。その結果、上記暖房往き温度を高くすることができる。
【0108】
逆に、上記制御部7が、暖房用混合弁45の貯湯タンク2側の入口の開度に対して、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度を大きくすると、貯湯タンク2側からの高温の温水量に比べて、バイパス配管44側からの低温の温水量が多くなる。その結果、上記暖房往き温度を低くすることができる。
【0109】
また、上記制御部7が暖房用循環ポンプ48の回転速度を上げると、各ラジエタ8へ入る温水の量が多くなる。その結果、上記各ラジエタ8で温水が下がり難くなり、暖房戻り温度を高くすることができる。
【0110】
逆に、上記制御部7が暖房用循環ポンプ48の回転速度を下げると、各ラジエタ8へ入る温水の量が少なくなる。その結果、上記各ラジエタ8で温水が下がり易くなり、暖房戻り温度を低くすることができる。
【0111】
また、上記制御部7は、外気温度センサ18からの信号に基づき、外気温度センサ18が検出した外気温度が予め定めた基準値以下であって暖房負荷が比較的大きいと判断すると、暖房能力を高くする制御を優先的に行う。
【0112】
また、上記制御部7は、外気温度センサ18からの信号に基づき、外気温度センサ18が検出した外気温度が予め定めた基準値よりも高くて暖房負荷が比較的小さいと判断すると、ヒートポンプユニット1のCOPを向上させる制御を優先的に行う。
【0113】
上記基準値は、ラジエタ8を設置する住宅の断熱性能、床面積によって定められている。これにより、上記暖房能力を高くする制御を優先的に行うか否か、あるいは、ヒートポンプユニット1のCOPを向上させる制御を優先的に行うか否かが、的確に判断される。すなわち、上記室内に対して適切な暖房を行うことができる。
【0114】
以下、図2を用いて、上記暖房能力を高くする制御(暖房戻り温度制御)と、ヒートポンプユニット1のCOPを向上させる制御(暖房往き温度制御)とについてより詳しく説明する。
【0115】
上記暖房負荷が比較的大きい場合(図2において暖房負荷が点線より左側となる場合)、制御部7は、暖房負荷に応じて、暖房戻り温度を変更して、暖房往き温度を例えば80℃に保つ。このとき、上記暖房戻り温度は、暖房負荷の増加に伴って上げていくが、例えば50℃を最大値とする。
【0116】
したがって、上記各ラジエタ8には80℃の温水が入るので、暖房能力を高くすることができる。
【0117】
なお、上記暖房往き温度を80℃に保つ際、制御部7は、外気温度センサ18および第1,第2温度センサ46,47からの信号に基づき、暖房用混合弁45の2つの入口の夫々の開度を調節するか、あるいは、暖房用循環ポンプ48の回転速度を調節する。また、その際、上記制御部7は、外気温度センサ18および第1,第2温度センサ46,47からの信号に基づき、暖房用混合弁45の2つの入口の夫々の開度と、暖房用循環ポンプ48の回転速度とを調節してもよいのは勿論である。
【0118】
要するに、上記制御部7は、暖房用混合弁45と暖房用循環ポンプ48との少なくとも一方を制御して、暖房往き温度を80℃に保てばよい。
【0119】
逆に、上記暖房負荷が比較的小さい場合(図2において暖房負荷が点線より右側となる場合)、制御部7は、暖房負荷に応じて、暖房往き温度を変更して、暖房戻り温度を例えば30℃に保つ。このとき、上記暖房往き温度は暖房負荷の減少に伴って下がるようにする。
【0120】
その結果、上記貯湯タンク2内の下部領域には30℃の温水が戻るので、貯湯タンク2内の下部領域の温水の温度が比較的低温に保たれる。
【0121】
したがって、上記貯湯タンク2内の下部領域にある比較的低温の温水がヒートポンプユニット1の凝縮器13に供給されるので、ヒートポンプユニット1のCOP(成績係数)を高くすることができる。
【0122】
なお、上記暖房戻り温度を30℃に保つ際、制御部7は、外気温度センサ18および第1,第2温度センサ46,47からの信号に基づき、暖房用混合弁45の2つの入口の夫々の開度を調節するか、あるいは、暖房用循環ポンプ48の回転速度を調節する。また、その際、上記制御部7は、外気温度センサ18および第1,第2温度センサ46,47からの信号に基づき、暖房用混合弁45の2つの入口の夫々の開度と、暖房用循環ポンプ48の回転速度とを調節してもよいのは勿論である。
【0123】
要するに、上記制御部7は、暖房用混合弁45と暖房用循環ポンプ48との少なくとも一方を制御して、暖房戻り温度を30℃に保てばよい。
【0124】
上記第1実施形態では、暖房用混合弁45と暖房用循環ポンプ48とが温度調節部の一例を構成していたが、暖房用混合弁45と暖房用循環ポンプ48との一方のみが温度調節部の一例を構成してもよいし、暖房用混合弁45と暖房用循環ポンプ48との一方と他の機器とが温度調節部の一例を構成してもよい。
【0125】
上記第1実施形態では、第1温度センサ46と第2温度センサ47とが温度センサの一例を構成していたが、第1温度センサ46と第2温度センサ47との一方のみが温度センサの一例を構成してもよいし、第1温度センサ46と第2温度センサ47と他の温度センサ(例えば外気温度センサ18)等とが温度センサの一例を構成してもよい。
【0126】
上記第1実施形態では、暖房用三方弁49と暖房用循環ポンプ48との間の暖房用循環回路4に暖房用混合弁45を設けていたが、暖房用循環ポンプ48とラジエタ8との間の暖房用循環回路4に暖房用混合弁45を設けてもよい。つまり、上記暖房用混合弁45は、暖房用循環ポンプ48の吸い込み側に設けてもよいし、暖房用循環ポンプ48の吐出側に設けてもよい。
【0127】
上記第1実施形態では、沸き上げ用三方弁52は、凍結防止運転中、凝縮器13からの高温の温水を貯湯タンク2内の下部領域に流していたが、貯湯タンク2内の上部領域に流してもよいし、貯湯タンク2内の上部領域および下部領域に流してもよい。
【0128】
上記第1実施形態では、ヒートポンプユニット1はCO冷媒を使用したが、NH冷媒やR22冷媒などを使用してもよい。
【0129】
上記第1実施形態では、過冷却熱交換器14を有するヒートポンプユニット1を用いていたが、過冷却熱交換器14を有さないヒートポンプユニットを用いてもよい。
【0130】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態の暖房給湯装置の構成を示す模式図である。また、図3において、図1に示した第1実施形態の構成部と同一の構成部は、図1における構成部の参照番号と同一の参照番号を付して説明を省略するか、簡単に説明する。
【0131】
上記暖房給湯装置は暖房用循環回路4を備える。この暖房用循環回路4は、往き温水が流れる往き温水が流れる往き配管101と、上記戻り温水が流れる戻り配管102とを有している。ここで、上記往き温水とはラジエタ8へ入る温水ことであり、戻り温水とはラジエタ5から出る温水のことである。
【0132】
上記往き配管101と戻り配管102とはバイパス配管44を介して互いに連通可能となっている。つまり、上記バイパス配管44は、一端が往き配管101に接続されている一方、他端が戻り配管102に接続されている。
【0133】
上記戻り配管102には、戻り温水の温度を検出する第2温度センサ147を設けている。この第2温度センサ147は、上記第1実施形態の第2温度センサ47とは設置場所だけが異なるものである。
【0134】
より詳しくは、上記第2温度センサ147は、バイパス配管44の他端が戻り配管102に接続する点と、ラジエタ8との間に設けられている。そして、上記第2温度センサ147は、バイパス配管44の他端と戻り配管102との接続点よりも上流側の戻り温水の温度を検出し、この温度を示す信号を制御部7に送る。
【0135】
上記制御部7は、外気温度センサ18および第1,第2温度センサ46,147からの信号に基づき、暖房用混合弁45の2つの入口の夫々の開度を調節したり、暖房用循環ポンプ48の回転速度を調節したりする。
【0136】
以下、図4のフローチャートにしたがって、上記暖房給湯装置による暖房運転の制御について説明する。
【0137】
上記暖房運転が開始すると、まず、ステップS1で、暖房回路戻り温度が所定の暖房回路戻り目標温度以下であるか否かを判定する。つまり、上記第2温度センサ147の出力に基づき、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下であるか否かを判定する。このステップ1で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下であると判定した場合は、暖房負荷が比較的大きい場合に相当するので、ステップS2を行った後、ステップS4に進む。一方、上記ステップS1で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下でないと判定した場合は、暖房負荷が比較的小さい場合に相当するので、ステップS3を行った後、ステップS4に進む。
【0138】
上記ステップS2では、暖房回路流量を増やす制御を行う。具体的には、上記暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分上げる。これにより、上記各ラジエタ8に入る往き温水の量が増えるので、各ラジエタ8で十分な暖房を行うことができる。
【0139】
また、上記ステップS2では、戻り温水の温度が設定値となるように、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度と、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度とを調整して、往き温水の温度を制御する。なお、上記設定値はユーザインターフェイスにより任意に設定できる。
【0140】
上記ステップS3では、暖房回路流量を減らす制御を行う。具体的には、上記暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分下げる。これにより、上記各ラジエタ8に入る往き温水の量が減るので、各ラジエタ8に無駄に往き温水が供給されるのを防ぐことができる。
【0141】
また、上記ステップS2と同様にステップS3でも、戻り温水の温度が設定値となるように、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度と、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度とを調整して、往き温水の温度を制御する。なお、上記設定値はユーザインターフェイスにより任意に設定できる。
【0142】
上記ステップS4では、暖房運転の停止操作が行われた否かを判定する。このステップS4で、暖房運転の停止操作が行われた判定すると、暖房運転を終了する。一方、上記ステップS4で、暖房運転の停止操作が行われていないと判定すると、ステップS1に戻る。
【0143】
したがって、上記ステップS2,S3の設定値を低く設定することによって、暖房負荷に関係なく、低温の戻り温水を貯湯タンク2の下部内に戻すことができる。
【0144】
その結果、上記貯湯タンク2の下部内の温水の温度を低く保たれるので、この低い温度の温水を供給口53から凝縮器13に送り続け、ヒートポンプユニット1のCOPを高く保つことができる。
【0145】
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態の暖房給湯装置の構成を示す模式図である。また、図5において、図3に示した第2実施形態の構成部と同一の構成部は、図3における構成部の参照番号と同一の参照番号を付して説明を省略するか、簡単に説明する。
【0146】
上記暖房給湯装置は遮断弁103を備えている。この遮断弁103は、バイパス配管44と戻り配管102との接続点から貯湯タンク2までの間に設けられている。なお、上記遮断弁103は流通停止部の一例である。
【0147】
また、上記第1,第2実施形態では、流量可変ポンプである暖房用循環ポンプ48を循環回路4に設けていたが、本第3実施形態では、流量固定循環ポンプである暖房用循環ポンプ148を循環回路4に設けている。
【0148】
以下、図6のフローチャートにしたがって、上記暖房給湯装置による暖房運転の制御について説明する。
【0149】
上記暖房運転が開始すると、まず、ステップS11で、暖房回路戻り温度が所定の暖房回路戻り目標温度以下であるか否かを判定する。つまり、上記第2温度センサ147の出力に基づき、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下であるか否かを判定する。このステップS11で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下であると判定した場合は、暖房負荷が比較的大きい場合に相当するので、ステップS12を行った後、ステップS14に進む。一方、上記ステップS11で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下でないと判定した場合は、暖房負荷が比較的小さい場合に相当するので、ステップS13を行った後、ステップS14に進む。
【0150】
上記ステップS12では、遮断弁103を開放する。これにより、上記貯湯タンク2内の上部内の高温の温水を往き配管101に積極的に供給したり、貯湯タンク2内の略中央部内の中温の温水を往き配管101に積極的に供給したりして、各ラジエタ8で十分な暖房を行うことができる。
【0151】
また、上記ステップS12では、戻り温水の温度が設定値となるように、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度と、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度とを調整して、往き温水の温度を制御する。なお、上記設定値はユーザインターフェイスにより任意に設定できる。
【0152】
上記ステップS13では、遮断弁103を閉鎖する。これにより、上記戻り温水は、貯湯タンク2内に流入せず、貯湯タンク2内の温水の攪拌を引き起こさない。したがって、上記貯湯タンク2の下部内の温水を確実に比較的低温に保つことができるので、貯湯タンク2の下部内の温水をヒートポンプユニットに送って、ヒートポンプユニットのCOPを確実に高く保つことができる。
【0153】
また、上記ステップS13では、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口を全開状態に固定すると共に、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口を閉鎖状態に固定する。これにより、上記貯湯タンク2内に流入する戻り温水の量が少なくなるので、貯湯タンク2内の温水の攪拌が小さくなる。したがって、上記貯湯タンク2内の温水の攪拌を防ぐことによって、貯湯タンク2の下部内の温水を比較的低温に保つことができるので、貯湯タンク2の下部内の温水をヒートポンプユニットに送って、ヒートポンプユニットのCOPを高く保つことができる。
【0154】
上記ステップS14では、暖房運転の停止操作が行われた否かを判定する。このステップS14で、暖房運転の停止操作が行われた判定すると、暖房運転を終了する。一方、上記ステップS14で、暖房運転の停止操作が行われていないと判定すると、ステップS11に戻る。
【0155】
以上のような制御は、上記暖房負荷が比較的大きい場合は、ステップS12の設定値を低く設定することによって、低温の戻り温水を貯湯タンク2の下部内に戻すことができる。
【0156】
その結果、上記貯湯タンク2の下部内の温水の温度を低く保たれるので、この低い温度の温水を供給口53から凝縮器13に送り続け、ヒートポンプユニット1のCOPを高く保つことができる。
【0157】
また、上記暖房負荷が比較的小さい場合は、遮断弁103を閉鎖することによって、ヒートポンプユニットのCOPを確実に高く保つことができる。
【0158】
すなわち、上記暖房給湯装置は、暖房負荷に関係なく、ヒートポンプユニットのCOPを高く保つことができる。
【0159】
(第4実施形態)
図7は、本発明の第4実施形態の暖房給湯装置の構成を示す模式図である。また、図7において、図3,図5に示した第2実施形態,第3実施形態の構成部と同一の構成部は、図3,図5における構成部の参照番号と同一の参照番号を付して説明を省略するか、簡単に説明する。
【0160】
上記暖房給湯装置は、上記暖房用循環ポンプ148の代わりに暖房用循環ポンプ48を備えている。
【0161】
以下、図8のフローチャートにしたがって、上記暖房給湯装置による暖房運転の制御について説明する。
【0162】
上記暖房運転が開始すると、まず、ステップS21で、暖房回路戻り温度が所定の暖房回路戻り目標温度以下であるか否かを判定する。つまり、上記第2温度センサ147の出力に基づき、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下であるか否かを判定する。このステップS21で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下であると判定した場合は暖房負荷が比較的大きい場合に相当するので、ステップS22に進む。一方、上記ステップS21で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下でないと判定した場合は、暖房負荷が比較的小さい場合に相当するので、ステップS23に進む。
【0163】
上記ステップS22に進んだ場合、暖房回路流量を増やす制御を行う。具体的には、上記暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分上げる。これにより、上記各ラジエタ8に入る往き温水の量が増えるので、各ラジエタ8で十分な暖房を行うことができる。
【0164】
また、上記ステップS22では、戻り温水の温度が設定値となるように、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度と、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度とを調整して、往き温水の温度を制御する。なお、上記設定値はユーザインターフェイスにより任意に設定できる。
【0165】
上記ステップS22を行った後は、ステップS25で、暖房運転の停止操作が行われた否かを判定する。このステップS25で、暖房運転の停止操作が行われた判定すると、暖房運転を終了する。一方、上記ステップS25で、暖房運転の停止操作が行われていないと判定すると、ステップS21に戻る。
【0166】
一方、上記ステップS23に進んだ場合、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下でないと判定が所定回数以上継続しているか否かを判定する。このステップS23で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下でないと判定が所定回数以上継続していないと判定すると、ステップS24に進む。一方、上記ステップS23で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下でないと判定が所定回数以上継続していると判定すると、図9のステップS30に進む。
【0167】
上記ステップS24に進んだ場合、暖房回路流量を減らす制御を行う。具体的には、上記暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分下げる。これにより、上記各ラジエタ8に入る往き温水の量が減るので、各ラジエタ8に無駄に往き温水が供給されるのを防ぐことができる。
【0168】
また、上記ステップS22と同様にステップS24でも、戻り温水の温度が設定値となるように、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度と、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度とを調整して、往き温水の温度を制御する。なお、上記設定値はユーザインターフェイスにより任意に設定できる。
【0169】
上記ステップS24を行った後は、ステップS25で、暖房運転の停止操作が行われた否かを判定する。このステップS25で、暖房運転の停止操作が行われた判定すると、暖房運転を終了する。一方、上記ステップS25で、暖房運転の停止操作が行われていないと判定すると、ステップS21に戻る。
【0170】
一方、図8のステップS30に進んだ場合、長時間、暖房負荷が比較的小さくなっている場合に相当するので、遮断弁103を閉鎖する。これにより、上記戻り温水は、貯湯タンク2内に流入せず、貯湯タンク2内の温水の攪拌を引き起こさない。したがって、上記貯湯タンク2の下部内の温水を確実に比較的低温に保つことができるので、貯湯タンク2の下部内の温水をヒートポンプユニットに送って、ヒートポンプユニットのCOPを確実に高く保つことができる。
【0171】
次に、ステップS31で、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口を全開状態に固定すると共に、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口を閉鎖状態に固定する。これにより、上記貯湯タンク2内に流入する戻り温水の量が少なくなるので、貯湯タンク2内の温水の攪拌が小さくなる。したがって、上記貯湯タンク2内の温水の攪拌を防ぐことによって、貯湯タンク2の下部内の温水を比較的低温に保つことができるので、貯湯タンク2の下部内の温水をヒートポンプユニットに送って、ヒートポンプユニットのCOPを高く保つことができる。
【0172】
上記ステップS31を行った後は、ステップS32で、暖房回路戻り温度が所定の暖房回路戻り目標温度以下であるか否かを判定する。つまり、上記第2温度センサ147の出力に基づき、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下であるか否かを判定する。このステップS32で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下であると判定した場合は暖房負荷が比較的大きい場合に相当するので、ステップS33に進む。一方、上記ステップS32で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下でないと判定した場合は、暖房負荷が比較的小さい状態がまだ続いている場合に相当するので、ステップS31に戻る。
【0173】
上記ステップS33に進んだ場合、暖房負荷が比較的大きくなっているので、遮断弁103を開いた後、図8のステップS22に進み、上述した処理を行う。
【0174】
以上のような制御は、上記ステップS22,S24の設定値を低く設定することによって、暖房負荷に関係なく、低温の戻り温水を貯湯タンク2の下部内に戻すことができる。
【0175】
その結果、上記貯湯タンク2の下部内の温水の温度を低く保たれるので、この低い温度の温水を供給口53から凝縮器13に送り続け、ヒートポンプユニット1のCOPを高く保つことができる。
【0176】
また、上記暖房負荷が比較的小さい状態が続いている場合は、遮断弁103を閉鎖することによって、ヒートポンプユニットのCOPを確実に高く保つことができる。
【0177】
上記第1実施形態、第2実施形態および第4実施形態の暖房給湯装置は、図10のフローチャートに示すように、暖房運転の制御を行うこともできる。
【0178】
上記暖房運転の制御では、暖房運転が開始すると、まず、ステップS41で、暖房回路戻り温度が所定の暖房回路戻り目標温度以下であるか否かを判定する。つまり、上記第2温度センサ47,147の出力に基づき、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下であるか否かを判定する。このステップ41で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下であると判定した場合は、暖房負荷が比較的大きい場合に相当するので、ステップS42を行った後、ステップS44に進む。一方、上記ステップS41で、戻り温水の温度が暖房回路戻り目標温度以下でないと判定した場合は、暖房負荷が比較的小さい場合に相当するので、ステップS43を行った後、ステップS44に進む。
【0179】
上記ステップS42では、暖房回路流量を増やす制御を行う。具体的には、上記暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分上げる。これにより、上記各ラジエタ8に入る往き温水の量を増やして、各ラジエタ8の暖房能力を上げることができる。
【0180】
上記ステップS43では、暖房回路流量を減らす制御を行う。具体的には、上記暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分下げる。これにより、上記各ラジエタ8に入る往き温水の量を減らして、各ラジエタ8の暖房能力を下げることができる。
【0181】
次に、ステップS44で、暖房回路往き温度が所定の暖房回路往き目標温度以下であるか否かを判定する。つまり、上記第1温度センサ46の出力に基づき、往き温水の温度が暖房回路往き目標温度以下であるか否かを判定する。このステップ44で、往き温水の温度が暖房回路往き目標温度以下であると判定した場合は、暖房負荷が比較的大きい場合に相当するので、ステップS45を行った後、ステップS47に進む。一方、上記ステップS44で、往き温水の温度が暖房回路往き目標温度以下でないと判定した場合は、暖房負荷が比較的小さい場合に相当するので、ステップS46を行った後、ステップS47に進む。
【0182】
上記ステップS45では、暖房回路往き温度を上げるべく、暖房用混合弁開度調整を行う。すなわち、上記暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度を、予め設定された分下げると共に、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度を、予め設定された分上げる。
【0183】
上記ステップS46では、暖房回路往き温度を下げるべく、暖房用混合弁開度調整を行う。すなわち、上記暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度を、予め設定された分上げると共に、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度を、予め設定された分下げる。
【0184】
次に、上記ステップS47で、暖房運転の停止操作が行われた否かを判定する。このステップS47で、暖房運転の停止操作が行われた判定すると、暖房運転を終了する。一方、上記ステップS47で、暖房運転の停止操作が行われていないと判定すると、ステップS41に戻る。
【0185】
このように、上記ステップS42,S45を行うことによって、暖房負荷が比較的大きい時には、各ラジエタ8の暖房能力を確実に上げることができる。
【0186】
また、上記ステップS43,S44を行うことによって、暖房負荷が比較的小さい時には、各ラジエタ8の暖房能力を確実に下げることができる。
【0187】
なお、上記ステップS42に換えて、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度を、予め設定された分下げると共に、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度を、予め設定された分上げるようにしてもよい。あるいは、上記暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分上げ、かつ、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度を、予め設定された分下げ、かつ、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度を、予め設定された分上げるステップを行うようにしてもよい。
【0188】
また、上記ステップS43に換えて、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度を、予め設定された分上げると共に、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度を、予め設定された分下げるようにしてもよい。あるいは、上記暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分下げ、かつ、暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度を、予め設定された分上げ、かつ、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度を、予め設定された分下げるステップを行うようにしてもよい。
【0189】
また、上記ステップS45に換えて、暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分上げるようにしてもよい。あるいは、上記暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度を、予め設定された分下げ、かつ、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度を、予め設定された分上げ、かつ、暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分上げるステップを行ってもよい。
【0190】
また、上記ステップS46に換えて、暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分下げるようにしてもよい。あるいは、上記暖房用混合弁45のバイパス配管44側の入口の開度を、予め設定された分上げ、かつ、暖房用混合弁45の暖房用三方弁49側の入口の開度を、予め設定された分下げ、かつ、暖房用循環ポンプ48の回転速度を、予め設定された回転速度分下げるステップを行ってもよい。
【0191】
また、図10のフローチャートにおいて、ステップS42をステップS45と同様のステップとし、かつ、ステップS43をステップS45と同様のステップとした暖房運転制御は、上記第3実施形態の暖房給湯装置でも行うことができる。
【0192】
上記第1〜第4実施形態およびこれらの変形例の暖房給湯装置は、CO冷媒を使用するヒートポンプユニット1を備えていたが、CO冷媒以外の超臨界冷媒を使用するヒートポンプユニットを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の暖房給湯装置の模式図である。
【図2】図2は上記第1実施形態の暖房給湯装置の制御を説明するためのグラフである。
【図3】図3は本発明の第2実施形態の暖房給湯装置の模式図である。
【図4】図4は上記第2実施形態の暖房給湯装置の暖房運転制御のフローチャートである。
【図5】図5は本発明の第3実施形態の暖房給湯装置の模式図である。
【図6】図6は上記第3実施形態の暖房給湯装置の暖房運転制御のフローチャートである。
【図7】図7は本発明の第4実施形態の暖房給湯装置の模式図である。
【図8】図8は上記第4実施形態の暖房給湯装置の暖房運転制御のフローチャートである。
【図9】図9は上記第4実施形態の暖房給湯装置の暖房運転制御のフローチャートである。
【図10】図10は上記第1実施形態、第2実施形態および第4実施形態の暖房給湯装置の他の暖房運転制御のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートポンプユニット(1)と、
上記ヒートポンプユニット(1)で加熱された温水を貯える貯湯タンク(2)と、
上記貯湯タンク(2)内に配置され、給湯水が内部を流れる熱交換器(3)と、
上記貯湯タンク(2)内に貯められた温水を上記貯湯タンク(2)外の暖房端末(8)を経由させた後、再び、上記貯湯タンク(2)内に戻して循環させるための循環回路(4)と、
上記循環回路(4)を流れる温水の温度を検出する温度センサ(46,47,147)と、
上記暖房端末(8)に供給する温水の温度および流量の少なくとも一方を調節することにより、上記暖房端末(8)から出る戻り温水の温度と、上記暖房端末(8)に入る往き温水の温度との少なくとも一方を所定の温度に調節する温度調節部(45,48)と、
上記温度センサ(46,47,147)の出力に基づいて、上記温度調節部(45,48)を制御する制御部(7)と
を備えたことを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項2】
請求項1に記載の暖房給湯装置において、
上記温度調節部(45,48)は、上記暖房端末(8)に供給する温水の温度および流量の少なくとも一方を調節することにより、上記暖房端末(8)から出る戻り温水の温度、および、上記暖房端末(8)に入る往き温水の温度を調節することを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の暖房給湯装置において、
上記温度センサ(46,47,147)は、上記暖房端末(8)から出る戻り温水の温度を検出する戻り温水センサ(47,147)を含むことを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の暖房給湯装置において、
上記温度センサ(46,47)は、上記暖房端末(8)に入る往き温水の温度を検出する往き温水センサ(46)を含むことを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項5】
請求項1に記載の暖房給湯装置において、
外気温度を検出すると共に、上記外気温度を示す信号を上記制御部に出力する外気温度センサ(18)を備え、
上記温度センサ(46,47)は、上記暖房端末(8)から出る戻り温水の温度を検出する戻り温水センサ(47)と、上記暖房端末(8)に入る往き温水の温度を検出する往き温水センサ(46)とを含み、
上記制御部(7)は、
上記外気温度センサ(18)が検出した外気温度が予め定めた基準値よりも高いときは、上記往き温水センサ(46)の出力に基づいて、上記暖房端末(8)に入る往き温水の温度が外気温度に基づいた予め定められた往き温水温度になるように上記温度調節部(45)を制御する一方、
上記外気温度センサ(18)が検出した外気温度が予め定めた基準値以下のときは、上記戻り温水センサ(47)の出力に基づいて、上記暖房端末(8)から出る戻り温水の温度が外気温度に基づいた予め定められた戻り温水温度になるように上記温度調節部(48)を制御することを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の暖房給湯装置において、
上記貯湯タンク(2)の上部に、上記貯湯タンク(2)内に貯められた温水を取り出すための第1取水口(42)が設けられる一方、上記貯湯タンク(2)の下部に、上記暖房端末(8)から出た温水を上記貯湯タンク(2)に戻すための戻し口(43)が設けられ、
上記循環回路(4)は、上記第1取水口(42)と上記戻し口(43)とに接続されていることを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項7】
請求項6に記載の暖房給湯装置において、
上記貯湯タンク(2)の下部に、上記貯湯タンク(2)内に貯められた温水を上記ヒートポンプユニット(1)に供給するための供給口(53)が設けられていることを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の暖房給湯装置において、
上記貯湯タンク(2)内の上下方向の略中央部にはヒータ(6)が配置されていることを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項9】
請求項8に記載の暖房給湯装置において、
上記貯湯タンク(2)の上下方向の略中央部に、上記貯湯タンク(2)内に貯められた温水を取り出すための第2取水口(41)が、上記ヒータ(6)近傍かつ上方に位置するように設けられ、
上記循環回路(4)は上記第2取水口(41)に接続されていることを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の暖房給湯装置において、
上記熱交換器(3)は上記貯湯タンク(2)内の下部領域から上部領域に渡って配置されていて、給湯水が上記貯湯タンク(2)の下部に入って上記貯湯タンク(2)の上部から出ることを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項に記載の暖房給湯装置において、
上記温度調節部(45,48)は、上記貯湯タンク(2)と上記暖房端末(8)との間の上記循環回路(4)に設けられて回転速度が調整可能な循環ポンプ(48)を含むことを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一項に記載の暖房給湯装置において、
上記温度調節部(45,48)は、上記貯湯タンク(2)を出て上記暖房端末(8)に向かう温水と、上記暖房端末(8)から出た温水とを混合して、上記暖房端末(8)に供給する混合弁(45)を含むことを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか一項に記載の暖房給湯装置において、
上記ヒートポンプユニット(1)からの温水を、上記貯湯タンク(2)の上部、あるいは、上記貯湯タンク(2)の下部に供給可能な沸き上げ用三方弁(52)を備えたことを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項14】
請求項5に記載の暖房給湯装置において、
上記外気温度の予め定められた基準値は、上記暖房端末(8)を設置する住宅の断熱性能、床面積によって定められていることを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか一項に記載の暖房給湯装置において、
上記循環回路(4)は、上記往き温水が流れる往き配管(101)と、上記戻り温水が流れる戻り配管(102)とを有し、
一端が上記往き配管(101)に接続される一方、他端が上記戻り配管(102)に接続されたバイパス流路(44)を備えたことを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項16】
請求項15に記載の暖房給湯装置において、
上記バイパス流路(44)の他端が上記戻り配管(102)に接続する点と、上記貯湯タンク(2)との間に、上記戻り温水の流通を停止させる流通停止部(103)が設けられていることを特徴とする暖房給湯装置。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか一項に記載の暖房給湯装置において、
上記ヒートポンプユニット(1)はCO冷媒を使用することを特徴とする暖房給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−281719(P2009−281719A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14345(P2009−14345)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】