説明

曇り防止フィルムアセンブリ、製造方法、およびそれらで作製される物品

フィルム(130)と、−23℃と65℃との間を交互に繰り返す温度での曇り防止特性を層に与えるのに有効な、イソシアネート反応性部分と疎水性領域および親水性領域とを有する界面活性剤を含むポリウレタンフィルム形成組成物から形成される曇り防止層(120)とを含む、再配置可能でほぼ透明な多層曇り防止フィルムアセンブリ(110)。具体的には、表面エネルギーを変化させるためにヒドロキシル基と別個の親水性領域および疎水性領域とを有する界面活性剤をポリウレタン骨格に組み入れ、さらに、その耐引掻き性および耐化学性を大きく損うことなくポリウレタンの親水性を増大させるために親水基を組み入れた、組成物。任意で、曇り防止フィルムアセンブリ(110)は、接着剤層(140)を含む。曇り防止フィルムアセンブリ(110)は、冷蔵庫扉(400)およびパネル(490)を含めた耐凝結物品(300)を提供するために、様々なほぼ透明の基材(390)のいずれかとともに適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本願は、曇りを防ぐのに有用な多層フィルムアセンブリと、それらの製造方法と、該フィルムアセンブリから形成される物品とに関する。
【背景技術】
【0002】
より冷たい表面が、より温かい湿った空気と接触するときには、より冷たい表面上で凝結が起こることがある。温度差によって、凝結は、表面上で曇り(fog)もしくは霜(frost)の形態をとることがあり、特に、ほぼ透明な表面では、光透過に影響を与え、視界を損うことがある。
【0003】
曇り防止フィルムは、いくつもの異なる用途で有用性を見出している。例えば、冷蔵製品のマーケティングおよび販売は、しばしば、冷蔵ユニットからの直接的な消費者の選択を含む。効果的なマーケティングを保証するために、ケース内の品物は、光を透過する、通常はほぼ透明な、パネルまたは扉を通してケース内を見ている顧客にとって、視認可能かつ認識可能であるべきである。顧客が品物を選び、ケースへの扉を開けるときには、扉は、その扉の冷たい内側表面がケース外側の湿った周囲雰囲気と接触するときの凝結によって曇ることがある。通常、この曇りは、扉を閉めた後でも残り、次の顧客がケース内を見るのを妨げる。ケース内を見られないことは、店舗にとって販売の損失となるおそれがある。さらに、顧客がケース内側の品物を見るために扉をより長く開けておくときには、エネルギーコストが増大するおそれがある。
【0004】
この問題を軽減するために使用される一方法には、ある程度の長さの時間後に扉の曇りを取り除く加熱扉が含まれる。これらの加熱扉は、購入費用が高いことがあり、また、冷蔵庫がケース内側の食品を冷却/冷凍している状態で加熱扉を維持するためのエネルギー消費により、運転コストがかかることがある。ケース内の温度が低いほど、耐曇り/耐霜扉を維持するコストが大きくなる。
【0005】
他の改善策は、扉加熱器の有無にかかわらず、曇り防止コーティングを設けることである。しかし、通常の永久的曇り防止コーティングは、広い温度勾配にわたって有効な耐曇り性をもたらさない。最も顕著には、より低い温度の貯蔵および陳列ケース(0℃以下)は、曇りおよび霜を発達させることが多く、したがって現在の曇り防止コーティングでは最適な視界を達成しない。
【0006】
したがって、扉が冷たい空気にさらされ、次いで開放時に湿った温かい空気にさらされるときの扉の曇りを防止または抑制することによって、冷蔵庫および冷凍庫ケース内への視界を向上させるために、新しい低温曇り防止システムが必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の簡単な説明
一実施形態では、曇り防止フィルムアセンブリは、第1の表面と該第1の表面とは反対側の第2の表面とを有するほぼ透明なフィルムと、ほぼ透明な曇り防止層とを含んでおり、該曇り防止層は、約−23℃と65℃との間を交互に繰り返す温度での曇り防止特性を層に与えるのに有効なポリウレタンフィルム形成組成物から形成されており、該曇り防止層は、フィルムの第1の表面のある領域上に配置される。
【0008】
他の実施形態では、耐凝結物品は、第1の表面を有するほぼ透明な基材と、前述の曇り防止フィルムアセンブリとを含んでおり、フィルムの第2の表面は、基材の第1の表面のある領域上に配置される。
【0009】
冷蔵パネルは、第1の表面を有するほぼ透明な冷蔵庫パネルと、前述の曇り防止フィルムアセンブリとを含んでおり、フィルムの第2の表面は、扉パネルの第1の表面のある領域上に配置される。
【0010】
ここで、例示的な諸実施形態であり、類似の要素には同様に番号が付けられた諸図を参照する。
【0011】
前述および他の特徴は、以下の詳細な説明、諸図面、および添付の特許請求の範囲から、当業者には正当に評価かつ理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
詳細な説明
本明細書に開示の曇り防止フィルムアセンブリ(anti−fog film assemblies)は、冷蔵庫ならびに冷凍庫の扉およびパネルや浴室の鏡など、耐凝結物品の製造に有用な、ほぼ透明の多層フィルムであるが、それらは、これら特定の製品または用途だけに限定されない。該フィルムアセンブリの曇り防止特性は、外部加熱器を使用せずに、約−17℃、場合によってはさらに−23℃もの低い温度で有効である。これらの温度は、従来技術の曇り防止フィルムによって可能となる温度よりもかなり低い。加熱器が必要とされないので、そのようなフィルムの使用は、大きなエネルギー節約をもたらすことができる。有利な任意の特徴では、アセンブリは、再配置可能(repositionable)となるように、かつ/またはグラフィックを含めることができるように製造される。
【0013】
曇り防止フィルムアセンブリは、ほぼ透明な曇り防止層とほぼ透明なフィルムとを含む。本明細書で使用する「ほぼ透明」とは、光学的透明度を指し、観察者がフィルムアセンブリを通して見えるようにするために十分な光が(1つもしくは複数の)層を通じて透過されることを意味する。ゆえに、いくらかのヘイズ(haze)または色合いが個々の層に存在することがあるが、そのようなヘイズまたは色合いは、可視化をさほど妨げない。
【0014】
この曇り防止フィルムアセンブリが基材に適用されるときには、アセンブリが約65℃と約−23℃との間を交互に繰り返す温度にさらされるときの基材表面上の凝結(水滴)の形成が低減または防止されることが、本明細書の発明者によって示されている。本明細書では「曇り防止フィルムアセンブリ」に言及するが、この用語は、単に議論の際の便宜上のものにすぎず、その用語が水滴および/または水の結晶の形成による視覚低下を防ぐために使用されるフィルムアセンブリを包含することを理解すべきである。
【0015】
約−17℃未満の温度で有効なほぼ透明の曇り防止層は、ポリウレタンフィルム形成組成物から形成される。一実施形態では、形成フィルム組成物は、疎水性領域と親水性領域とを有する界面活性剤をさらに含む。数、長さ、およびタイプ、ならびに親水性基と疎水性基との相対比の適切な選択が、層の曇り防止特性の調節を可能にする。理論に拘泥するものではないが、そのような構造が層の表面と凝結している水分との間の界面張力の低減を可能にし、それが曇り防止を高めると考えられている。好ましくは、界面活性剤は、また、ポリウレタンフィルムの望ましい物理特性、例えば、耐化学性、耐引掻き性、耐紫外線(UV)性などに著しい悪影響を与えないように選択される。
【0016】
さらに、界面活性剤は、また、イソシアネート反応性官能基を含むことができる。そのような界面活性剤は、共反応(co−react)して、ポリウレタンポリマーにペンダント基(pendant group)として共有結合かつ付着した界面活性剤を有するポリウレタンを提供する。好ましくは、界面活性剤は、ポリウレタンポリマーの末端部に付着する。適当なイソシアネート反応性官能基には、活性水素原子を有する基、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、第一級もしくは第二級アミノ基、またはスルフヒドリル基(sulfhydryl group)が含まれる。また、前述のタイプの基の少なくとも1つを含む組合せを有する化合物も使用することができる。
【0017】
イソシアネート反応性官能基を含み、親水性領域と疎水性領域とを有する適当な界面活性剤は、例えば、LaCasseの米国特許第5877254号に開示されており、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両親媒性、または以上のタイプの界面活性剤の混合物であってよい。適当な非イオン性界面活性剤には、エトキシ化またはプロポキシ化アルコール、フェノール、アミド、およびアミンが含まれる。
【0018】
適当なイオン性界面活性剤には、第四級カチオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤、例えば、16個を超える炭素原子をもつ非エトキシ化炭化水素鎖を有するカチオン性またはアニオン性界面活性剤が含まれる。
【0019】
適当なアニオン性界面活性剤の例の非限定的なリストには、スルホン酸のモノエタノールアミン塩、スルホン酸のジエタノールアミン塩、スルホン酸のトリエタノールアミン塩、およびそれらの混合物が含まれる。
【0020】
ヒドロキシル基を含むカチオン性界面活性剤の例には、これだけに限るものではないが、リシノールアミドプロピルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート(ricinoleamidopropyl dimethylethyl ammonium ethylsulfate)、(12−ヒドロキシ−1−オキソ−9−オクタデセニル)アミノ)−N,N−ジメチル、硫酸エチル(塩))(12−hydroxy−1−oxo−9−octadecenyl)amino)−N,N−dimethyl, ethyl sulfate (salt));ステアラミドプロピルジメチルエタノールアンモニウムメチルサルフェート、およびオクタデシルメトルジエタノールアンモニウムクロリド(octadecylmethol diethanolammonium chloride)が含まれる。
【0021】
通常のアニオン性界面活性剤は、それらの構造内に遊離反応性ヒドロキシル基をめったに含まず、したがって、それらのカウンターカチオン(countercation)内に遊離ヒドロキシル基または他のイソシアネート反応性基を組み込むことによって「ヒドロキシル基含有(hydroxyl bearing)」とすることができる。そのような修飾は、LaCasseに記載のように、水酸化コリンなどのヒドロキシル基含有第四級アンモニウム塩基をドデシルベンゼンスルホン酸などの酸で中和することによって達成することができる。他のヒドロキシル基含有アンモニウム化合物には、これだけに限るものではないが、トリエチルエタノール−、ジエチルジエタノール−、およびエチルトリエタノールアンモニウム塩が含まれる。塩がそれらから調製される適当なスルホン酸の非限定的なリストには、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、リグニンスルホン酸、石油スルホン酸、およびパラフィンスルホン酸が含まれる。この実施形態では、カウンターカチオンは、ポリウレタンと共有結合し、界面活性剤のアニオン性部分は、アニオンとカウンターカチオンとの間の静電引力によってポリウレタンと結び付く。
【0022】
反応性ヒドロキシル基を含有するアニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との組合せ、例えば、コリンドデシルベンゼンスルホネートとリシノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート(ricinoleamidopropyl ethyldimonium ethosulfate)との組合せが、特に有用である。
【0023】
界面活性剤は、ポリウレタン形成組成物の全固形分の約10重量%〜約40重量%の濃度で使用することができる。
【0024】
ポリウレタンフィルム形成のための調合物は、一般に、イソシアネートを含む構成成分と、該イソシアネートを含む構成成分と反応する活性水素を含む構成成分とを含む。適当な、イソシアネートを含む構成成分には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス(メチルシクロヘキシル)ジイソシアネート、およびトルエンジイソシアネートが含まれる。イソシアネートを含む構成成分は、プレポリマー、例えば、ビウレット、またはジイソシアネートのイソシアヌレート(isocyanurate)、例えば、ジイソホロンジイソシアネートのプレポリマーとすることができる。前述のイソシアネートを含む化合物の少なくとも1つを含む組合せを使用することができる。また、例えばオキシムまたはフェノールによる、イソシアネート基のブロッキングと、その後の、反応前の保護基の除去とが企図される。ブロックされたイソシアネートが使用されるときには、イソシアネート中に保護基がなければイソシアネート基と反応して該イソシアネート基を消費することになる、溶媒または他の化合物を使用することが可能である。
【0025】
イソシアネートを含む構成成分は、活性水素、特に、ポリオールで見られるようなヒドロキシル水素を有する親水性構成成分と反応する。所望の曇り防止特徴を提供するために、ポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、およびそれらの混合物などの親水性ポリオールが使用される。他の適当な親水性ポリオールには、ポリブチレングリコール、ポリエチレンイミン、アミン末端ポリエーテル、および特定のポリエステルポリオールが含まれる。親水性ポリオールの組合せ、例えば、約4500の分子量を有し、約70%のエチレンオキシドを含む、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドランダムトリオールと、分子量2100で、約20%のエチレンオキシドを含む、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーとの組合せを使用することができる。そのような組合せは、耐引掻き性を大きく損うことなく、または界面活性剤の組込みに干渉することなく、ポリウレタン骨格に対する親水性の向上をもたらす。
【0026】
親水性ポリオールは、全固形分の約10重量%〜約35重量%、具体的には約15重量%〜約65重量%の量で組成物中に存在することができる。
【0027】
実際には、イソシアネートを含む構成成分と、活性水素を含む構成成分と、反応性界面活性剤とを適当な有機溶媒中で組み合わせることができる。有機溶媒は、ケトン、エステル、グリコールエステル、および第三級アルコールを含め、イソシアネートと急速には反応しない、いくつもの材料から選択することができる。また、脂肪族炭化水素やエステルなど、微量の不活性希釈剤も使用することができる。市販のブロックされたイソシアネートが使用される場合、水とアルコールとを使用することができる。他の構成成分、例えば、UV阻害剤、安定剤、および触媒が存在してよい。
【0028】
例えば、手順の一方式では、遊離イソシアネート基を有するポリイソシアネートプレポリマーが、親水性ポリオールと、親水性領域および疎水性領域を有するヒドロキシル基含有界面活性剤との有機溶媒溶液と混合される。混合物は、次いで、適切な温度、例えば、約20℃〜約200℃で、十分な時間量、例えば、約5分〜約24時間にわたって、加熱硬化させられる。硬化時間および温度は、構成成分および用途によって異なる。
【0029】
曇り防止層は、ほぼ透明なフィルム上に配置される。フィルムは、層に支持をもたらすように選択される。フィルムは、また、所望の可撓性レベル、曇り防止層とフィルムとの間の接着力(接着剤の有無にかかわらない)、フィルムと基材との間の接着力(接着剤の有無にかかわらない)、および/または接着剤との所望の適合性をもたらすように選択することができる。したがって、フィルム組成物の選択は、可撓性および後述する移動可能性(transferability)を含めた所望の特性によって異なる。ほぼ透明にすることのできる適当なフィルム材料には、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ビニル、スチレンベースのフィルム、ポリ塩化ビニル、ポリビスアリルカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、およびほぼ透明なポリエチレンナフテネート、ならびに以上のタイプのポリマーの少なくとも1つを含むポリマーブレンドが含まれる。また、様々なポリオレフィンまたはフッ素化ポリマーを適切な前処理とともに使用することができる。具体的な基材には、ポリカーボネート(例えば、GE Advanced MaterialsのLEXAN(登録商標))、ポリエステル(例えば、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)−co−ポリ(エチレンテレフタレート)、該ポリマーが50モル%以上のポリ(エチレンテレフタレート)を含むときにはPETGと略される、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリビスアリルカーボネート、ポリエチレンナフテネート(polyethylene naphthenate)、ポリカーボネート/ポリ(1,4−シクロへキシレンジメチレン1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)(例えば、GE Advance MaterialsのXYLEX)が含まれる。
【0030】
フィルムの表面は、任意で、例えば、接着剤、機械的粗面処理、プラズマ処理、化学的エッチング、または他の公知の処理によって、該フィルムへの曇り防止層の接着を改善するように処理することができる。
【0031】
曇り防止層は、様々な方法、例えば、キャスティング、コーティング(例えば、巻線ロッドコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、パン供給式リバースロールコーティング(pan fed reverse roll coating)、ニップ供給式コーティング(nip fed coating))などによって、ほぼ透明なフィルム上に配置することができる。その技術は、均一な厚いコーティング、例えば、約0.0001〜約0.1インチ(約2.5〜約2540マイクロメートル)、より具体的には約0.001〜約0.01インチ(約25.4マイクロメートル〜約254マイクロメートル)、さらに具体的には約0.003〜約0.008インチ(約76.2マイクロメートル〜約203マイクロメートル)の厚さを有するコーティングを提供するように選択される。有機溶媒が使用される場合、その溶媒を、硬化中または硬化後に、1段階または2段階プロセスで、例えばオーブン内で、蒸発によって除去することができる。硬化および溶媒除去の間の特定の時点、温度、気流における硬化および溶媒除去は、均一なコーティングに低温曇り防止特性を与えるように最適化される。
【0032】
曇り防止フィルムアセンブリおよびそれらから形成される物品のいくつかの実施形態について、以下で個々の図に即して説明する。図1では、曇り防止フィルムアセンブリ110の略図が示されている。曇り防止フィルムアセンブリ110は、曇り防止層120と、第1の表面132と該第1の表面132とは反対側の第2の表面134とを有するほぼ透明なフィルム130とを含む。曇り防止層120は、第1の表面132のある領域上に、すなわち、所望の用途によって決定される、第1の表面132の全体または一部分と物理的に連絡して配置される。
【0033】
任意で、曇り防止フィルムアセンブリ110は、該アセンブリを一時的または永久的に基材(図示せず)に接着させる接着剤層140をさらに含む。一実施形態では、接着剤層140は、曇り防止フィルムアセンブリ110の再配置を可能にする。接着剤層140は、フィルム130の第2の表面134のある領域上に配置される。曇り防止フィルムアセンブリと共に使用するための適当な接着剤は、当業者には公知であり、これだけに限るものではないが、感圧接着剤、シリコーン接着剤、アクリル接着剤(紫外線硬化および熱硬化接着剤、湿式適用(wet applied)および乾式適用(dry applied)接着剤を含める)、ゴム接着剤、ヒートシール接着剤、積層接着剤、高温接着剤、および意図される結果を達成する他の接着剤がそれらに含まれる。時に「窓接着剤(window adhesives)」としても知られる湿式適用アクリル接着剤が、特に有用である。
【0034】
任意の接着剤層140の有無にかかわらず、曇り防止フィルムアセンブリ110は、ほぼ光学的にクリアで、領域150から任意の接着剤層140、フィルム130、および曇り防止層120を通じた、領域160への視界を提供する。
【0035】
図2に示される他の実施形態では、曇り防止フィルムアセンブリ210は、フィルム230の第2の表面234上のグラフィックコンポーネント280、および/またはフィルム230の第1の表面232上のグラフィックコンポーネント282をさらに含む。この実施形態では、ここに示されるように、曇り防止層220が、第1の表面232と該第1の表面232とは反対側の第2の表面234とを有するフィルム230のある領域上に配置される。グラフィックコンポーネント280、282は、文字、単語、数字、審美的イメージ、縁飾り(borders)、記号などを含めた様々な設計のいずれかとすることができる。グラフィックコンポーネントは、スクリーン印刷、パッド印刷、昇華(sublimation)、レーザ印刷、デジタルオフセット印刷、リソグラフィ、オフセット印刷、インクジェット印刷、デジタルインクジェット印刷、デジタルオフセット印刷、熱転写印刷などを含めた様々な技術のいずれかによって適用することができる。他の技術が当業者には公知である。有利には、グラフィックコンポーネント280、282は、視界を著しく損うことなく、外観を向上させ、広告を含めた追加情報を提供することができる。ここに示されるように、基材へのフィルムアセンブリ210の再配置および接着を可能にするために、グラフィックコンポーネント280のある領域および/または第2の表面234のある領域を接着剤240でコーティングすることができる。単一のグラフィックコンポーネントをフィルム230の表面上に配置してもよく、または第2の表面234上および/もしくは第1の表面232上に配置された1つを超えるグラフィックコンポーネントが存在してもよい。
【0036】
図3に示されるように、物品300は、曇り防止フィルムアセンブリ310と基材390とを含む。第2の表面334は、領域360に隣接した露出表面322を曇り防止層320に与えるように、基材390の表面392のある領域に隣接して設置される。使用に際しては、露出表面322が該露出表面322の表面温度以上の湿った空気にさらされたときにさほど曇らないように、露出表面322が、約−23℃ほどの低い温度に交互にさらされる。一実施形態では、ここに示されるように、接着剤層340は、曇り防止アセンブリ310を永久的または一時的に基材390に接着するために使用される。フィルム330と基材390に使用される材料との適切な選択によって、接着剤の使用なしに基材390への曇り防止フィルムアセンブリ310の十分な接着が可能となる。
【0037】
適当な基材には、これだけに限るものではないが、ほぼ透明なガラス、プラスチック、および所望の用途に適していることが当業者に知られている基材が含まれる。用途が多様であるように、基材の選択も多様である。例えば、冷蔵扉に適していると見なされる基材は、加熱デバイスの存在の有無、冷却ユニットのタイプおよび設計、ならびに提案される使用および寿命によって決定することができる。フィルムアセンブリは、基材に対して動作時の関係で位置決めされるように、かつ/または、移動可能な非永久的結合を基材の表面に形成し、基材表面の少なくともほぼ曇りが発生しない領域を提供するように設計される。したがって、フィルムアセンブリは、冷蔵庫および冷凍庫を含めた冷蔵ユニットで使用するのに特に適している。また、本開示全体を通じて、冷蔵扉などの冷蔵ユニットおよびコンポーネントに言及するが、過度の実験をせずに当業者が本明細書に開示の曇り防止フィルムを他の用途で容易に使用できることを理解すべきである。他の用途には、例えば、家の窓などの建物の窓、車、トラック、オートバイ、ボート、飛行機などの輸送手段のウインドシールド(windshields)、浴室の鏡や自動車の鏡などの反射表面(reflective surfaces)、科学機器、例えば、ディスプレイや計器などの面、フェイスシールド(face shields)、例えば、医療用フェイスシールドが含まれる。
【0038】
曇り防止フィルムは、非永久的な方式で基材上に適用されてもよく、または、基材に永久的に貼着されることなしに基材に曇り防止特性を提供するように動作時の関係で基材に設置されてもよい。ゆえに、一実施形態では、フィルムおよび/または該フィルムの第2の表面に適用される接着剤は、曇り防止フィルムアセンブリの再配置、移動可能性、および/または容易な除去を可能にするように選択される。例えば、曇り防止フィルムアセンブリは、満足のいくように位置決めされるまで該フィルムを再配置できるように湿式適用することができ、乾燥させると結合を形成する。例えば、通常の適用には、約99%以上の水と約1%以下の石鹸との溶液を室温の基材に適用することが含まれる。基材表面上への溶液の適用は、噴霧器を使用して溶液をスプレーすることを含め、当該技術分野で公知の方法によるものとすることができる。曇り防止フィルムの接着剤部分は、溶液で濡れた基材に当てて置かれる。フィルムは、満足のいく位置へと再配置することができ、気泡がスキージによって捻り出され、乾燥される。この方法では、曇り防止コーティングは、基材の表面に付着するが、コーティングは、その境界面のところで基材と分子的には結合しない。別法として、フィルムの接着剤側にスプレーし、溶液で濡れたこの側部を基材に適用することによって、曇り防止フィルムアセンブリを基材に適用することもできる。
【0039】
別法として、曇り防止フィルムアセンブリを、フレーム内のトラック(tracks)を含めた機械的デバイスによって、または当業者に公知の他の方法によって、適所に保持することもできる。ゆえに、曇り防止フィルムは、望むなら、基材から除去可能、再配置可能、かつ移動可能である。
【0040】
図4を見ると、リーチインタイプ(reach−in type)のマーチャンダイザにおける耐凝結冷蔵庫扉400の例示的な一実施形態が示されている。図4は、冷蔵庫扉400のほぼ透明なパネル490の第1の表面のある領域に適用された曇り防止フィルムアセンブリ410の部分断片図を描いたものである。前述のように、任意のグラフィックコンポーネント(図示せず)がフィルムアセンブリ内に存在してもよい。この実施形態では、フィルム430の第2の表面は、接着剤の使用なしに表面492のある領域上に直接配置される。曇り防止層420は、扉400が閉じているときにはより冷たい温度にさらされ、扉400が開いているときにはより温かい温度にさらされる。有利には、曇り防止フィルムアセンブリ410は、既存のまたは新規の冷蔵庫扉パネル490とともに使用することができる。一実施形態では、フィルム430の材料は、例えば店舗所有者もしくは現場の商人の期待に応えるために、使用場所でのアセンブリ410の適用および再配置を可能にするように選択される。あるいは、フィルムアセンブリ410は、冷蔵ユニットで使用するために製造場所で適用される。
【0041】
曇り防止フィルムアセンブリ410は、加熱器があるものもないものも含めて、新規の、または既存の冷蔵パネル上で使用することができる。本明細書で使用する用語「冷蔵庫パネル」は、約−10℃以下、具体的には−17℃〜約−23℃の内部温度を有する冷蔵ユニットのための扉または窓として使用されるいずれかの基材を指す。内部温度および温度範囲は、冷却されたユニットの用途、ならびに該ユニットがそれらを貯蔵/陳列/保存するように設計された品物によって決定される。例えば、食品、医療用品、および移植臓器は、これらの品物の特定の貯蔵ニーズを満たすように設計された冷蔵ユニットおよび温度要件を有する。
【0042】
冷蔵ユニットでは、曇り防止フィルムアセンブリを低放射率(low−E:low−emissivity)のガラスまたはコーティングと併せて使用することができる。low−Eガラスは、2つの主要基準、すなわち、赤外スペクトルに関する高い反射能力(それによって不可視の放射熱を退ける)と、高い視界透過率(そのガラスを通した視界を遮らないまたは曇らせないように)を満たすように選択することができる。様々な低放射率特性を有する多数のガラス材料が存在する。本明細書で論じるlow−Eガラスおよびlow−Eコーティングされたガラスまたはプラスチックは、0.7ミクロンを超える、特に0.7〜2.7ミクロンの放射線を放出(ゆえに反射)しないように設計されたガラスまたはプラスチックを指すことが意図される。通常、0.7〜2.7ミクロン範囲でより多くのパーセンテージを反射するために、いくつかの層が使用される。low−E表面またはコーティングは、約70%〜約90%の可視透過率を有することができる。
【0043】
本明細書に記載の曇り防止フィルムアセンブリは、相対湿度1%〜90%の空気の存在下で、交互に、−23℃まで下げられた温度にさらされ、次いで約1秒〜約5分にわたってより高い温度にさらされる基材上の凝結を防ぐのに有用である。具体的には、曇り防止フィルムアセンブリは、相対湿度3%〜80%、5%〜70%、または10%〜50%の空気の存在下で、交互に、−23℃、具体的には−17℃〜−23℃もの低い温度で保持され、次いで、−17℃〜−23℃を超える、0℃を超える、10℃を超える、または20℃を超える、最高約65℃までの温度に最長約3分間にわたってさらされる基材上の凝結を防ぐ。
【0044】
一実施形態では、曇り防止フィルムアセンブリは、交互に、0℃〜−23℃の温度で保持され、次いで最長約2分間にわたって約18℃〜約30℃の温度で湿った周囲空気にさらされる基材上の凝結を防ぐのに有用である。周囲空気の相対湿度は、一般に約40%〜約70%である。本明細書で使用する「湿った周囲空気」は、食料雑貨品店、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの中の、または飲料冷却器に隣接した領域の、湿度の高い周囲条件に最も典型的に関係した、前述の範囲内の温度および相対湿度を指す。ゆえに、他の実施形態では、曇り防止フィルムアセンブリは、相対湿度約40〜約50%の空気の存在下で、交互に、約−17℃〜約−23℃の温度で保持され、次いで、約20℃〜約25℃、具体的には約21℃〜約24℃の温度に最長1分間にわたってさらされる基材上の著しい凝結を防ぐ。
【0045】
外部加熱器の使用なしにこれらの低い温度で凝結が最小限に抑えられるまたは妨げられるという事実は、従来技術に優る大きな進歩を表す。例えば、冷蔵陳列扉を加熱するには約1.4アンペアが必要である。前述のアセンブリを使用すると、所有者がそのような加熱を省くことができるようになる。施設、例えば、店舗当たり100〜140個の扉と120ボルトの電力とを有する店舗では、これは、店舗所有者にとって約60アンペアの節約ということになる。それでも扉枠には熱が加えられるが、熱の大部分は、フィルムアセンブリの使用によって完全に止めることができる。ゆえに、店舗所有者および冷蔵ユニットの他のユーザは、大きなエネルギー節約を実現することができる。
【実施例】
【0046】
本発明について、以下の非限定的な諸実施例によってさらに説明する。
【0047】
実施例1
以下の調合(体積%)を含む組成物から形成されるポリウレタン曇り防止層を使用して、ポリカーボネートフィルム上に配置された曇り防止層を含む曇り防止アセンブリを製造した。
【0048】
FSI 106−94*A部:47.6%親水性ポリオール(10重量部)
FSI 106−94*B部:19.1%イソシアネートプレポリマー)(4重量部)
第三ブチルアルコール:25.0%溶媒(5.25重量部)
ジアセトンアルコール**:8.3%溶媒(1.75重量部)
*Film Specialties,Inc.より
**4−ヒドロキシ−4メチル−2−ペンタノン
巻線ロッドコーティング技術を使用して調合物をフィルムに適用し、フィルムを硬化させ、チャンバオーブン内で活発な気流によって溶媒を除去する。コーティング厚さは、0.005〜0.0065インチ(127〜165マイクロメートル)であり、硬化温度は、3〜5分間にわたって約235°F(113℃)(230〜250°F(110〜121℃)の間)である。ファンスピードは、硬化の最初の1〜2分間には非常に低流量の気流(ファンスピード約500rpm)が存在し、かつ硬化の最後の2〜3分間には高流量の気流(ファンスピード約1500rpm)が存在するように調節する。ハイポリッシュポリエステルマスク(high polish polyester mask)(例えば、Dupont KL1、1ミルマスク)をポリカーボネートのコーティングされた側部に使用する。非研磨マスクは、製品上にヘイズを残し、曇るまでの時間を短縮する。以上の条件は、コーティングの優れた硬化をもたらし、2分を超える可能性のある、曇るまでの時間の値を提供する。より短い硬化時間(例えば、3分未満)と、高速のファンスピードおよび非研磨マスクとを組み合わせると、曇るまでの時間の値を30秒未満とすることができる。
【0049】
ポリカーボネートフィルムの他の側部は、窓フィルムを湿式適用された再配置可能なアクリル接着剤でコーティングした。ガラスに99%水/1%洗剤の溶液をスプレーし、次いでアセンブリの接着剤をガラスに押し当て、スキージで気泡を押し出し、完全に乾燥させることによって、アセンブリをガラス基材に適用した。
【0050】
アセンブリおよび窓基材を試験前に2時間にわたって平衡状態とすることによって、アセンブリの曇り防止有効性を試験した。次いで、曇り防止コーティングあり/なしの基材を、60秒間にわたって周囲条件(21℃、50%RH)にさらし、次いで指示した温度に戻した。次いで、窓を観察し、窓が曇りのない状態になるまでの時間を記録した。
【0051】
結果を以下の表に示す。どの場合にも、曇り防止コーティングなしの基材は、凝結を示した。凝結がなくなるまでの時間を測定した。それを以下に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
以上のデータからわかるように、曇り防止アセンブリを備えた温度約0℃〜約−23℃の基材の表面領域は、クリアなままで、ほぼ曇りがない。したがって、本明細書に開示の曇り防止フィルムアセンブリによって、基材の表面温度以上の湿った空気にさらされたときにほぼ曇ることなく、ゆえに冷蔵ユニット内の品物を見えにくくすることなく、1日を通して冷蔵庫扉を開閉できるようになる。
【0054】
実施例2
前述の曇り防止フィルムアセンブリを、実際の食料雑貨品店内の冷蔵ユニットに適用した。冷蔵ユニットは、−29℃に設定され、ユニット内側の気温は、−23℃で、店内の空気は、40〜50%RHで21℃〜24℃であった。これらの条件下では、1分間開けた後でも、曇り防止材料が適用された扉では曇りが観察されなかった。曇り防止材料なしの扉は、10〜15秒以内に曇った。曇り防止フィルムアセンブリを備えた加熱された扉と、曇り防止フィルムアセンブリを備えた加熱されていない扉との間に、相違は認められなかった。これによって、100〜140個の扉をもつ平均的な店舗は、加熱された扉なしに経営でき、その店舗について約60アンペアを節約できるようになる。
【0055】
本明細書で使用する用語「第1の」、「第2の」、「外側の」、「内部の」、「外部の」などは、いずれかの順序、量、または重要性を意味するものではなく、ある要素と別の要素とを区別するために使用されており、本明細書で使用される用語「1つの(aおよびan)」は、量の制限を意味するものではなく、言及される品物の少なくとも1つの存在を意味する。さらに、同一の特性または量を対象とするすべての範囲は、包括的なものであり、独立して組合せ可能である。
【0056】
本発明について、そのいくつかの実施形態に即して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、かつそれらの要素を同等物で代用できることが当業者には理解されよう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正を加えることができる。したがって、本発明は、本発明を実施するのに企図される最良の方式として開示した特定の諸実施形態だけに制限されるものではなく、また、本発明は、特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本明細書に開示の例示的な曇り防止フィルムアセンブリの略図である。
【図2】図2は、本明細書に開示の任意のグラフィックコンポーネントを有する曇り防止フィルムアセンブリの例示的な一実施形態の略図である。
【図3】図3は、本明細書に開示の曇り防止フィルムアセンブリと基材とを含む例示的な物品の略図である。
【図4】図4は、本明細書に開示の曇り防止フィルムアセンブリを備えた例示的な耐凝結冷蔵扉の部分断片斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
曇り防止フィルムアセンブリ(anti−fog film assembly)であって、
第1の表面と前記第1の表面とは反対側の第2の表面とを有するほぼ透明なフィルムと、
ほぼ透明な曇り防止層とを含んでおり、前記曇り防止層が、−23℃と65℃との間を交互に繰り返す温度での曇り防止特性を層に与えるのに有効なポリウレタンフィルム形成組成物から形成されており、前記曇り防止層が、前記フィルムの前記第1の表面のある領域上に配置される曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項2】
前記フィルムが、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)−co−ポリ(エチレンテレフタレート)、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリビスアリルカーボネート、ポリエチレンナフテネート(polyethylene naphthenate)、ポリカーボネート/PCCDブレンド、および以上のポリマーの少なくとも1つを含むブレンドから成る群から選択される、請求項1に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項3】
前記ポリウレタン形成フィルム組成物が、イソシアネート反応性部分と、疎水性領域および親水性領域とを有する界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項4】
前記界面活性剤が、カチオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との組合せを含む、請求項3に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項5】
前記界面活性剤のイソシアネート反応性部分がヒドロキシル基である、請求項3に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項6】
前記ポリウレタン形成フィルム組成物が、反応性イソシアネート基を有するポリイソシアネートプレポリマーと、親水性ポリオールと、親水性領域および疎水性領域を有するヒドロキシル基含有界面活性剤(hydroxyl−bearing surfactant)とを含む、請求項1に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項7】
前記界面活性剤が、前記界面活性剤に共有結合したヒドロキシル基を有するカチオン性界面活性剤である、請求項6に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項8】
前記界面活性剤が、カウンターカチオン(countercation)と結び付いたアニオン性界面活性剤であり、前記ヒドロキシル基が前記カウンターカチオンと共有結合している、請求項6に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項9】
グラフィックコンポーネント(graphic component)をさらに含む、請求項1に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項10】
前記グラフィックコンポーネントが、前記曇り防止層のある領域上、前記曇り防止層と前記フィルムの前記第1の表面との間、前記フィルムの前記第1の表面のある領域上、または前記フィルムの前記第2の表面のある領域上に配置される、請求項9に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項11】
基材上で再配置可能である、請求項1に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項12】
前記フィルムの前記第2の表面のある領域上に配置された接着剤をさらに含む、請求項1に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項13】
前記接着剤が前記アセンブリを基材上で再配置できるようにする、請求項12に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項14】
前記フィルムの前記第2の表面と前記接着剤との間に配置されたグラフィック(graphic)をさらに含む、請求項12に記載の曇り防止フィルムアセンブリ。
【請求項15】
耐凝結物品(condensation−resistant article)であって、
第1の表面を有するほぼ透明な基材と、
請求項1に記載の曇り防止フィルムアセンブリとを含んでおり、前記フィルムの前記第2の表面が前記基材のある領域上に配置される耐凝結物品。
【請求項16】
前記曇り防止フィルムアセンブリがグラフィックコンポーネントをさらに含む、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
冷蔵庫パネル、建物の窓、ウインドシールド(windshield)、反射表面(reflective surface)、器具表面、またはフェイスシールド(face shield)である、請求項15に記載の物品。
【請求項18】
前記基材が冷蔵庫扉または冷蔵庫窓である、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記基材が鏡または輸送手段のウインドシールド(windshield)である、請求項17に記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−509809(P2009−509809A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533407(P2008−533407)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/035725
【国際公開番号】WO2007/040941
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】