説明

曲げ変形時の白化現象が抑制された難燃性樹脂組成物

【課題】曲げ変形時の白化現象を抑制するための樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明による白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィンエラストマー、極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマー及び無機難燃剤を含む組成物よりなるが、前記ポリプロピレン系樹脂は前記組成物全体重量に対し5ないし50%の含量で含まれ、前記ポリオレフィンエラストマーは前記組成物全体重量に対し0.1ないし50%の含量で含まれ、前記極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマーは前記組成物全体重量に対し0.1ないし30%の含量で含まれ、前記無機難燃剤は前記組成物全体重量に対し30ないし75%の含量で含まれることを特徴とする。本発明による樹脂組成物は、電線被覆材料として使用でき、この際には引張強度、引張伸率などの機械的な物性が低下せずに、曲げ変形時の白化現象が最小化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電線の被覆材料だけでなく多様な用途で使用できる難燃性樹脂組成物に関し、より詳しくは、極性基が導入された変性ポリプロピレン樹脂またはポリオレフィンエラストマーを含むことで組成物内の分子間結合力を増進させることにより、曲げ変形時の白化現象を最小化できる難燃性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電線は難燃性被覆層を備えている。従来は、主に難燃性被覆層を形成する材料としてPVCのようなハロゲンを含む樹脂が使われてきたが、これらは優れた難燃性にもかかわらず燃焼時発生する有毒ガスなどによる安全性と環境上の理由で、これを代替しようと努力されてきた。
【0003】
このような多様な努力が試みられるにつれ、特に、ハロゲンを含まない樹脂としてポリプロピレン系樹脂に対する関心が増大している。ポリプロピレン系樹脂は優れた加工特性、耐薬品性、耐候性、機械的な強度のため家庭用電気製品、建築材料、内部装飾材、自動車部品などの分野で幅広く使われており、電線の被覆材料としても徐々にその応用範囲が広がっている。
【0004】
ところが、ポリプロピレン系樹脂は難燃性が非常に脆弱であるという問題点があることから、これを改善するため各種の難燃剤が添加剤として使われてきた。従来は、主に塩素または臭素のようなハロゲンを含む難燃剤が利用されてきたが、この場合、優れた難燃性が得られた。しかし、ハロゲンを含む難燃剤は、燃焼時、人体に有害であって設備の腐食をもたらす毒性ガスを発生させ、使用に関する規制を受けている実情である。
【0005】
このような問題点を解決するため、近年は燃焼過程中に毒性ガスの排出のない金属水酸化物のような無機難燃剤を使うようになった。しかし、ポリプロピレン系樹脂において産業的に満足すべき難燃性を得るためには多量の無機難燃剤が使われなければならないが、無機難燃剤の含量が高くなるほどこれを含む成形品の成形性及び引張強度などの機械的な物性が低下する短所がある。また、このように無機難燃剤の含量の高い成形品は、耐磨耗性及び機械的な物性が悪く、さらに、電線の曲げ変形時白化現象が発生するという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明がなそうとする技術的な課題は、無機難燃剤の使用含量が増大する場合に成形品の成形性及び引張強度のような機械的な物性が低下し、曲げ変形時白化現象が発生する問題点を解決しようとすることにあり、このような技術的な課題が達成できる白化現象の抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物を提供することに本発明の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的な課題を達成するために提供される本発明による白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物の一例は、ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィンエラストマー、極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマー及び無機難燃剤を含む組成物よりなるが、前記ポリプロピレン系樹脂は前記組成物全体重量に対し5ないし50%の含量で含まれ、前記ポリオレフィンエラストマーは前記組成物全体重量に対し0.1ないし50%の含量で含まれ、前記極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマーは前記組成物全体重量に対し0.1ないし30%の含量で含まれ、前記無機難燃剤は前記組成
物全体重量に対し30ないし75%の含量で含まれることを特徴とする。
【0008】
前述した、本発明による白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物の組成成分には、極性基が導入された変性ポリプロピレン系樹脂がさらに含まれ得る。したがって、追加成分を考慮する場合として、前記技術的な課題を達成するために提供される本発明による白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物の他の例は、ポリプロピレン系樹脂、極性基が導入された変性ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィンエラストマー、極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマー及び無機難燃剤を含む組成物よりなるが、前記ポリプロピレン系樹脂は前記組成物全体重量に対し5ないし50%の含量で含まれ、前記極性基が導入された変性ポリプロピレン系樹脂は前記組成物全体重量に対し0.1ないし10%の含量で含まれ、前記ポリオレフィンエラストマーは前記組成物全体重量に対し0.1ないし50%の含量で含まれ、前記極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマーは前記組成物全体重量に対し0.1ないし30%の含量で含まれ、前記無機難燃剤は前記組成物全体重量に対し30ないし75%の含量で含まれることを特徴とする。このとき、前記変性ポリプロピレン系樹脂に導入された極性基は無水マレイン酸であることが望ましい。前記極性基が導入された変性ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂とフィラー間の2次結合を形成させ耐磨耗性及び引張強度を増加させる役割をするため、このような機能的な役割を考慮して本発明による樹脂組成物に選択的に含ませることができ、この場合、樹脂組成物全体重量に対し0.1ないし10%が含まれることが望ましい。一方、前記極性基が導入された変性ポリプロピレン系樹脂含量における数値範囲に関し、前記上限値を超える場合には添加量に比例する効果が発現されず、かえって過度な量により製造コストを上昇させることがあって望ましくない。また、極性基のグラフト率が高ければ高いほど変性樹脂の使用量を減らせるが、変性ポリプロピレンの場合、グラフト率が1%程度であることが望ましい。本発明において、使用できる変性ポリプロピレン系樹脂は特に制限されない。
【0009】
一方、本発明による白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物(以下、「本発明による樹脂組成物」と略する)に関し、上述した2つの例の両方において、次のように実施されても本発明の目的することを十分に達成できる。
【0010】
前記本発明による樹脂組成物に含まれるポリプロピレン系樹脂は、ホモポリマー、ランダム共重合体及びブロック共重合体でなる群から選択されたいずれか1つであることが望ましい。本発明の組成物には、ポリプロピレン系樹脂が組成物総重量を基準にして5ないし50重量%含まれれば望ましく、これは他の添加成分との相溶性、得られた組成物の成形性及び機械的な物性などを考慮したものである。前記ポリプロピレン系樹脂含量における数値範囲に関し、前記下限値に達していない場合には他の添加成分との相溶性が改善されず、前記上限値を超える場合には組成物の成形性や機械的な物性を低下させることがあり、望ましくない。一方、ポリプロピレン系樹脂は当業界に公知の物質であって、ホモポリマーでも、エチレン単量体などとともにブロック共重合体、ランダム共重合体などの共重合体を形成した形態でもあり得るが、これに必ず限定されるものではない。
【0011】
前記本発明による樹脂組成物に含まれるポリオレフィンエラストマー樹脂は、それぞれエチレンアルファオレフィン共重合体またはSEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)であることが望ましい。前記本発明による樹脂組成物に含まれるポリオレフィンエラストマー樹脂は、組成物全体重量に対し0.1ないし50%が含まれることが望ましい。前記ポリオレフィンエラストマー樹脂は、引張強度及び伸率など機械的な物性を増加させ、曲げ変形時に発生できる白化現象を改善する。前記ポリオレフィンエラストマー樹脂含量における数値範囲に関し、前記下限値に達していない場合には添加の目的が発現せず、前記上限値を超える場合には機械的な物性をかえって悪化させることがあり、望ましくない。本発明において、ポリオレフィンエラストマー樹脂としてはエチレン
−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体のようなエチレンアルファオレフィン共重合体、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)などを使うことが望ましいが、このような物質に必ず限定されるものではない。
【0012】
前記本発明による樹脂組成物に含まれる変性ポリオレフィンエラストマー樹脂に導入された極性基は、無水マレイン酸であることが望ましいが、必ずこれに限定されるものではなく、このような極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマーは、樹脂組成物全体重量に対し0.1ないし30%が含まれることが望ましい。このような変性ポリオレフィンエラストマー樹脂は、マトリクス樹脂と無機難燃剤間の2次結合を極大化させることで、ストレスが加えられたとき、分子間結合が切れて空隙(void)が生ずることを最小化して白化現象を減らし、また耐磨耗性を向上させる役割をする。前記極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマー含量における数値範囲に関し、前記下限値に達していない場合にはマトリクス樹脂と無機難燃剤間の結合力強化が十分になされず、外部ストレス印加時、組成物内の分子と分子間に空隙が生じ白化現象がさらに増大することがあり、前記上限値を超える場合には添加される量に比例する効果が発現されないだけでなく、過度な量の使用によって製造コストの上昇をもたらせて望ましくない。本発明による樹脂組成物に含まれる極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマー樹脂は、その選択に特別な制限なく使用できる。
【0013】
一方、前述した本発明による樹脂組成物に含まれるポリプロピレン系樹脂、極性基が導入された変性ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィンエラストマー樹脂及び極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマー樹脂などは、従来公知の方法で製造でき、その製造方法において特別な制限もなく、場合によっては商業的に容易に入手することもできる。
【0014】
前記本発明による樹脂組成物に含まれる無機難燃剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及びこれらの混合物でなる群から選択されたいずれか1つであることが望ましいが、必ずこれら物質に限定されるものではない。一方、前記選択された無機難燃剤は、表面処理が施されていない状態の物がそのまま使われることもでき、ビニルシラン、アミノシラン、ステアリン酸またはシロキサン系ポリマーなどの物質を用いて表面処理された状態の物として使われることもできる。本発明による樹脂組成物の成分に含まれる無機難燃剤は、樹脂組成物全体重量に対し30ないし75%が含まれることが望ましい。これは組成物の優れた難燃性、機械的な物性及び他の成分との相溶性などを考慮し選択される成分であって、前記無機難燃剤含量における数値範囲に関し、前記下限値に達していない場合には難燃効果が発現できず、前記上限値を超える場合には機械的な物性を低下させる要因として作用して望ましくない。
【0015】
以外にも、本発明による組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲内で樹脂組成物に通常使われる各種機能性添加剤をさらに含み得る。このような添加剤には酸化防止剤、UV防止剤、熱安定剤、潤滑剤、抗ブロックキング剤、静電気防止剤、ワックス、カップリング剤、顔料、加工補助剤などがあるが、必要によって、例示はしないが、添加の目的と関連し多様な種類の物質が選択されて使用できる。このような添加剤は、前述の本発明による樹脂組成物全体重量に対し1ないし5%が含まれることが望ましい。前記添加剤含量における数値範囲に関し、前記下限値に達していない場合には添加の目的を達成できず、前記上限値を超える場合には添加の目的と異なり、全体としての樹脂組成物の物性を阻害することがあり望ましくない。
【0016】
このように、本発明による樹脂組成物は白化現象が最小化されるだけでなく、高い難燃性を保持しながらも引張強度や伸率のような機械的な物性の低下が生じないため、各種電線の被覆材料として有用に使用できる。本発明による組成物は、当業界に公知の方法によ
って製造できるが、その方法が特に制限されるものではない。このとき、ニーダー(kneader)、バンバリー(banbury)またはオープンロ−ル(openroll)などが使用できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明よる樹脂組成物を用いて製造された成形品は、引張強度、引張伸率などの機械的な物性が低下せずとも、曲げ変形時の白化現象が最小化されるだけでなく耐磨耗性にも優れる長所を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の理解を助けるために具体的な実施例を挙げ詳細に説明する。しかし、本発明による実施例は様々な他の形態に変形でき、本発明の範囲が以下に詳述する実施例に限定されるものと解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0019】
実施例1〜5及び比較例1〜6
下記表1及び表2の記載による構成成分を、混練設備として二軸押出機を使用し160ないし170℃の温度で10ないし20分間混練した後、シート状にし電気加熱方式のプレスで170℃で10分間加圧成形及び冷却して試片を作製した。下記の表1及び表2に示した各数値の単位はすべて重量%である。
【0020】
【表1】

【0021】
前記表1において、成分Aはポリプロピレンランダム共重合樹脂として、韓国のLG−カルテックス(株)社製のR724Jを、成分Bは極性基が導入された変性ポリプロピレン系樹脂として韓国の湖南石油化学社製のCM1120を、成分Cはポリオレフィンエラストマー樹脂として米デュポンダウエラストマー(Dupont Dow Elastomer)社製のエンゲージ(Engage)8150を、成分Dは無水マレイン酸グラフトポリオレフィンエラストマー樹脂として米デュポン(Dupont)社製のヒュサボンド(Fusabond)MN493Dを、成分Eは水酸化マグネシウムとしてドイツアルベマール(Albemarle)社製のマグニフィン(Magnifin)H5を使用し、成分Fはその他酸化防止剤などを含む添加剤である。
【0022】
【表2】

【0023】
前記表2において、成分Aはポリプロピレンランダム共重合樹脂として、韓国のLG−カルテックス(株)社製のR724Jを、成分B−1はポリオレフィンエラストマー樹脂として米デュポンダウエラストマー(Dupont Dow Elastomer)社製のエンゲージ(Engage)8150を使用した。成分Cは無機難燃剤である水酸化マグネシウム粒子としてドイツアルベマール(Albemarle)社製のマグニフィン(Magnifin)H5を使用した。
【0024】
前記実施例1〜5及び比較例1〜6による組成物を用いて製造された成形品である電線被覆材について引張強度、伸率、白化現象及び耐磨耗性を次のように評価した。
【0025】
引張特性測定
ASTM D 638(Standard Test Method for Tensile Properties of Plastics)に基づいて測定用試片を作製し万能
試験機を使用、引張強度(Tensile Strength)及び破断点における伸率
(Elongation at break)をそれぞれ測定した。このとき、引張強度の単位はパスカル(Pa)であって、初期試料の断面積(m2)に対する最大負荷(N)の
程度を示し、伸率の単位は%であって、初期長さに対する破断点までの伸びた長さに対する百分率で示され、その測定された結果を下記の表3にそれぞれ表した。
【0026】
曲げ変形時の白化現象の測定
実際の電線絶縁材料の場合、樹脂厚さ1mm、曲率半径5mm条件で曲げ変形を加えたとき、白化現象の発生可否を肉眼で判断できる。これと同じ条件で評価するため、製造された被覆材料組成物を厚さ1mmの試片に押出モールドして製造した後、曲率半径5mmの条件で曲げ白化現象の発生可否を肉眼で判断した。これと並行して毛細管粘度計を使い直径2mmの円筒状試片を製造し、同じ曲率半径で白化現象の発生可否を肉眼で判断した。これについての評価結果を下記の表3に示した。
【0027】
耐磨耗性
ニードルスクレイプ(Needle scrape)実験として、0.45sqの針に
重さが710gの錘を乗せて幅2mm、厚さ1mm、長さ100mmである試料に300回往復運動した後、摩耗した厚さ(μm)を測定してその結果を下記の表3に示した。
【0028】
【表3】

【0029】
前記の表3から分かるように、本発明の実施例によって製造された成形品である電線被覆材1〜5の場合には、比較例によって製造された成形品1〜6とは異なり白化現象が現われないかその程度が弱かった。また、前記の比較例と比べてみると、本発明による実施例は引張強度及び伸率のような機械的な物性も大きく低下せずとも、優れた耐磨耗性を発現していることが分かる。一方、比較例の場合には、白化現象が明らかに現われ、耐磨耗性が相対的に小さく望ましくないことが分かる。
【0030】
以上、説明された本発明の最適な実施例が開示された。ここで特定の用語が使われたが、これは単に当業者に本発明を詳しく説明するための目的で使われたものであって意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使われたものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィンエラストマー、極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマー及び無機難燃剤を含む組成物であって、
前記ポリプロピレン系樹脂は前記組成物全体重量に対し5ないし50%の含量で含まれ、
前記ポリオレフィンエラストマーは前記組成物全体重量に対し0.1ないし50%の含量で含まれ、
前記極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマーは前記組成物全体重量に対し0.1ないし30%の含量で含まれ、
前記無機難燃剤は前記組成物全体重量に対し30ないし75%の含量で含まれることを特徴とする曲げ変形時の白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項2】
ポリプロピレン系樹脂、極性基が導入された変性ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィンエラストマー、極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマー及び無機難燃剤を含む組成物であって、
前記ポリプロピレン系樹脂は前記組成物全体重量に対し5ないし50%の含量で含まれ、
前記極性基が導入された変性ポリプロピレン系樹脂は前記組成物全体重量に対し0.1ないし10%の含量で含まれ、
前記ポリオレフィンエラストマーは前記組成物全体重量に対し0.1ないし50%の含量で含まれ、
前記極性基が導入された変性ポリオレフィンエラストマーは前記組成物全体重量に対し0.1ないし30%の含量で含まれ、
前記無機難燃剤は前記組成物全体重量に対し30ないし75%の含量で含まれることを特徴とする曲げ変形時の白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリプロピレン系樹脂はホモポリマー、ランダム共重合体及びブロック共重合体でなる群から選択されたいずれか1つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の曲げ変形時の白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリオレフィンエラストマー樹脂は、それぞれエチレンアルファオレフィン共重合体またはSEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の曲げ変形時の白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項5】
前記変性ポリプロピレン系樹脂に導入された極性基は無水マレイン酸であることを特徴とする請求項2に記載の曲げ変形時の白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項6】
前記変性ポリオレフィンエラストマー樹脂に導入された極性基は、無水マレイン酸であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の曲げ変形時の白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項7】
前記無機難燃剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及びこれらの混合物でなる群から選択されたいずれか1つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の曲げ変形時の白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項8】
前記無機難燃剤は、ビニルシラン、アミノシラン、ステアリン酸またはシロキサン系ポリマーでなる群から選択されたいずれか1つの物質で表面処理されたものであることを特
徴とする請求項7に記載の曲げ変形時の白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項9】
前記白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物は、酸化防止剤、UV防止剤、熱安定剤、潤滑剤、抗ブロックキング剤、静電気防止剤、ワックス、カップリング剤、顔料及び加工補助剤のうち選択されたいずれか1つまたは2つ以上の物質が、前記樹脂組成物全体重量に対し1ないし5%の含量でさらに含まれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の曲げ変形時の白化現象が抑制された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。

【公開番号】特開2007−100069(P2007−100069A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−231200(P2006−231200)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(502297933)エルエス ケーブル リミテッド (13)
【Fターム(参考)】