説明

曲げ最適化マルチモードファイバのDMD特性の改善

アルファコアプロファイルを備え、曲げ損失を制御するために屈折率が負の溝を備える光ファイバ屈折率プロファイル設計がアルファコアプロファイルの先端を切り取り、先端が切り取られたコアに棚を加えることにより修正される。その結果、低い曲げ損失、および低い微分モード遅延、および広い帯域幅が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は2010年2月9日に出願された米国仮出願第61/302,696号、および2010年2月22日に出願された米国仮出願第61/306,607号による優先権を主張し、それらの出願はそのすべてがここに参照として組み込まれる。またこの出願は2009年8月17日に出願された米国特許出願第12/583,212号および2010年2月16日に出願された米国特許出願第12/658,804号に関連し、それらの特許出願はそのすべてがここに参照として組み込まれる。
【0002】
この出願に記述され、請求される発明は非常に優れた曲げ損失特性を有するように設計されたマルチモード光ファイバに関連する。
【背景技術】
【0003】
曲げられたときに光エネルギーが漏れるという光ファイバの傾向は技術の揺籃期から知られている。光は真っ直ぐな経路に沿うが、屈折率が低い材料に取り囲まれた高い屈折率の材料の経路を備えることによって、曲がった経路であっても、ある程度まで導かれることができるということが知られている。しかし、実際にはその本質は限定的であり、しばしば光ファイバは光導波路が光を保持する能力を超える曲率で曲げられる。
【0004】
曲げられたときの伝送特性を制御することはほとんどすべての光ファイバ設計における課題である。最初のアプローチであり、いまだに一般的なアプローチは光ファイバの物理的な曲げを防止、あるいは最小にすることである。これは長距離の場合は、頑丈なケーブルを設計することにより、あるいは短距離の場合は、光ファイバを細い管に入れることにより大きく達成できるが、すべての場合において光ファイバはそれぞれの端部において終端されねばならない。こうして最も好ましい条件の下でも、曲げ、しばしば厳しい曲げ、が光ファイバの終端部にもたらされる。
【0005】
曲げ損失の制御は光ファイバそのものの物理的な設計によっても対処できる。したがって、曲げ損失を制御するための環状特性、あるいは溝特性、あるいはそれらの組み合わせが光ファイバの屈折率プロファイルの縁部に一般的に見られる。例えば、米国特許第4,691,990号明細書および同第4,852,968号明細書、並びに2009年8月17日に出願された米国特許出願第12/583,212号明細書を参照のこと。そのすべてがここに参照として組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,691,990号明細書
【特許文献2】米国特許第4,852,968号明細書
【特許文献3】米国特許出願第12/583,212号明細書(米国特許出願公開第2009/0154888号明細書)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来型の勾配型屈折率マルチモードファイバでは、ファイバが曲げられるとき、高次モードは低次モードよりもより大きな損失を被る。曲げ最適化マルチモードファイバ(BOMMF)設計においては、高次モードの曲げ損失を最小にするために勾配型屈折率のコアの外側縁部に溝が配される。この技術においてよく知られているように、溝はクラッド領域、およびその一部、に配される屈折率が落ち込んだ環状領域を意味する。
【0008】
BOMMFの設計に関わる問題は、溝は高次モードの曲げ損失を低減するが、その一方で、溝はまた高次モードの伝播特性を著しく変化させる。BOMMFの設計におけるコアと溝の間の空間に依存して、高次モードは他のモードよりも早く、あるいは遅く伝播する。したがって、より高次モードのモード分散は伝播モードの速度への溝の影響が同じでないことが原因でひどく歪められるかもしれない。このモード分散はしばしば微分モード遅延(Differential Mode Delay:DMD)の測定によって特徴付けられる。溝付きのBOMMFの設計における課題は、高次モードのDMDを制御しながら、良好な曲げ損失性能を維持することである。理想としては、光ファイバは良好な曲げ損失性能と、良好なDMD性能とを同時に有する。さらに、そのようなファイバを作るプロセスは強固で、かつ制御が容易であるべきである。
【0009】
曲げ損失を制御することを助けるために溝が使われる代表的な光ファイバ設計においては、溝はコアのアルファプロファイルの縁部から肩部によって間隔をあけられる。一般に肩部は屈折率が1.456のシリカであるが、ドープされたシリカであって、シリカよりも高い屈折率(正のデルタn)、あるいは低い屈折率(負のデルタn)を備えることもあるかもしれない。ファイバ特性を修正するために、肩部の幅は他の設計パラメータと組み合わせて使われる設計変数であることが出来る。DMD、および曲げ損失性能を制御するために使われる更なる手段はコアの縁部を切り詰めることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
われわれは、肩部によって溝から間隔をあけられているわずかに先端が切り取られたコア(truncated core)を有するBOMMFのDMDの良好な制御が得られ、さらに、肩部に棚が加えられることによって、DMDのより良好な制御が得られることも発見している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】標準的なマルチモード光ファイバの屈折率プロファイルを示すプロットである。
【図2】一般的な曲げ不感性マルチモード光ファイバの屈折率プロファイルを示すプロットである。
【図3】半径0〜25ミクロンの位置からのモード遅延を示す図1の光ファイバの微分モード遅延(DMD)の軌跡である。
【図4】本発明の一態様により、先端が切り取られたコアを備える光ファイバの屈折率プロファイルを示す。
【図5】半径0〜25ミクロンの位置からのモード遅延を示す図3の光ファイバの微分モード遅延(DMD)の軌跡である。
【図6】棚を加えることにより修正された先端が切り取られたコアを備える光ファイバの屈折率プロファイルを示す。
【図7】図6の光ファイバの半径0〜25ミクロンの位置からのDMDの軌跡である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
曲げ損失はシングルモード、およびマルチモードファイバの両方に生じる。マルチモードファイバは一般にデータセンター、企業内LAN、SAN、その他のような短距離での通信に使われる。マルチモードファイバの有利な点は、このファイバを単純でコスト効率のよい信号源に結合できることに一部ある。過去のこれらの信号源では、主に波長が約850nmまたは約1300nmのLEDであった。過去10年間に最近では垂直共振器を備える、低価格の垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)が商業的に広く行き渡るようになっている。これらのレーザはレーザダイオードと光ファイバの間の効率のよい結合を可能にし、例えば10.3125Gbpsまでの非常に高い変調率も可能である。
【0013】
曲げ条件の下での光ファイバの性能問題は、通常の曲げ部分での光ファイバからの光の漏れによる光パワーの損失を含むと考えられている。通常、ファイバを曲げるときのモード構造の変化による影響は見落とされている。
【0014】
シングルモード光ファイバにおいては、一般的なパワー損失は、すべての漏れは光ファイバの基底モードの光を含むので、第一に考慮されることである。しかし、マルチモード光ファイバにおいては、高次モードは低次モードよりもより多くの損失を被ることで、モード構造が曲げ損失に影響する。マルチモード光ファイバにおいては高次、および低次モードの組み合わせが帯域幅、したがって光ファイバの信号搬送容量を決定する。
【0015】
高帯域幅のためには、マルチモードファイバのいろいろなモードの群速度は可能な限り等速に近くあるべきである。異なる群速度はコアを構成する物質の屈折率に勾配をつけることによって制御可能であり、そのことは屈折率の機能形態をファイバの半径の関数として規定することを意味する。従来型のマルチモードファイバにおいては、設計の目標は(1)式で規定される形状を達成することであり、

n(r)=[n−(n−nclad)(r/R2)α1/2 (1)

ここでrはファイバの半径、n1はコア中心部の屈折率、R2はコアの半径、ncladはクラッドの屈折率、αは自由パラメータである。これはいわゆる理想的なα型(アルファコア)プロファイルであり、ここでαは通常1.7から2.2の値を有する。従来型の光ファイバプロファイルにおいては、アルファコアは指数曲線が、一般的なMMF設計においてデルタがゼロ(純シリカの屈折率)であるncladと交差する点まで半径方向外側に伸びるが、必ずしも必須ではない。
【0016】
アルファコアプロファイル設計の固有の制限は、高次モードは、コア−クラッドの境界における屈折率の急激な変化、およびコアの縁部でのクラッドモードへの結合のために適切に補償されないということである。したがって、高次モードのモード遅延は低次、および中次モードからずれる。従来型のMMFにおいては、プロファイルの整調がモード間のモード遅延の差の大半、あるいはすべてを緩和することが出来る。
【0017】
しかし、曲げ不感性MMFの場合、溝と高次モードとの相互作用がすべてのモード遅延の均一化をより難しくする。したがって、高次モードのモード遅延を等しくする改良された方法が高速度デジタル伝送に使われる曲げ不感性MMF(BIMMF)のために必要である。技術の現在の状況においては、光データシステムのための高速度伝送は一般に10G/s、あるいはそれ以上と考えられる。
【0018】
曲げ損失特性の改善は屈折率プロファイルに溝を加えることにより達成される。溝はダウン・ドーピングされた領域、通常フッ素がドープされた領域であって、純シリカよりも低い屈折率(負のデルタn)を備える。図2は、曲げ損失を低減するために外側のクラッド14に加えられた溝13を備えてR2まで延びるアルファコア11を備えるMMFの屈折率プロファイルを示す。溝とアルファコアとの間に肩部12がある。参照のために、図1は標準的な溝のない従来型MMFの一般的な屈折率プロファイルを示す。
【0019】
高次モードと肩部、および溝との相互作用は、ファイバのプロファイルを整調し、すべてのモード遅延を等しくすることをなおのこと難しくする。微分モード遅延の低減と曲げ損失特性の改善の組み合わせを達成するためには、溝を適切に配することが重要であると認識されている。図2の設計において肩部12の幅が光ファイバの曲げ損失だけでなく、モード伝播特性に影響するということが知られている。
【0020】
しかし、他の考慮する点、例えば狭い肩部を作り出すための代わりの製造技術、完璧なDMDを達成するために肩部の幅を正確に制御するためのプロセスの可能性、肩部を狭く設計された光ファイバと異なる製造技術によって作られた光ファイバとの適合性、および狭い肩部の設計の光ファイバに接合される他の光ファイバとの適合性のために、一般的に使われている以上に肩部の幅を広げることが望ましい。われわれは、例えば、4ミクロンを越えて極端に延ばされると、高次モードは低次モードよりも早く伝播し、したがって光ファイバの帯域幅性能を損なうことを見出している。
【0021】
この効果が図3に示され、それは以前の一般的な設計において使われる幅よりもより大きい、肩部の幅が8.5ミクロンである光ファイバのDMDプロットである。プロットは走査半径0−25μmにおける一時的なモード位置を有し、図2の半径19−25μmにおいて示されるように、如何にして高次モードが他のモードより早く伝播し、モード分散、および帯域幅の低減に至るかを示す。本発明により、ここに述べられるDMD障害に対する解決方法は図2に示されるアルファコアに切り取られた縁部を加えることを含む。この修正された設計に対する屈折率プロファイルが図4に示され、特性32、33、および34、つまり肩部、溝、および外側のクラッドは図2に示される部分に類似している。コアは、R1より大きな半径位置のコア領域を切り取ることにより修正され、コアと内側クラッドの縁部との間に屈折率の肩部差35をもたらす。
【0022】
先端が切り取られたコアを規定するために使われるパラメータが図4に与えられる。R1は物理的なコア半径、つまり、コアが切り取られる(truncated)点である。屈折率デルタnは純シリカの屈折率からの屈折率の差である。この参照点は慣習的なものであり、便利なものであるが、別物の参照屈折率値である可能性があるということが理解されるであろう。屈折率デルタnは半径ゼロにおけるコアの屈折率デルタであって、一般にコアの最大屈折率デルタである。図示される例におけるクラッドの屈折率デルタncladは一般にゼロである、つまりクラッドは純シリカである。しかし、それはなにか適当な正、あるいは負の値であり得る。屈折率デルタnは、コア領域が終わり、デルタn=n−ncladであるようにクラッド領域が始まる屈折率であり、この例ではデルタnは屈折率の観点で肩部差の高さを規定する。
【0023】
本発明を説明する目的で、コアは基本的にアルファコア領域31、および肩部差35で構成されている、あるいは成り立っていると考えられる。このことは光ファイバのコアを、正にドープされる、例えば、ゲルマニウムがドープされる光ファイバの中心部分として定義する標準的な慣習にしたがう。アルファコア領域は、屈折率がnである光ファイバの中心から、屈折率がnsであり、デルタ屈折率がデルタnからゼロに段になって落ちるR1においてコアの外側縁部に延びる。肩部差は高さn、かつ名目上幅がゼロであると定義されてよい。本発明の実施例により、デルタnの絶対値は約0.001から約0.006の範囲にあると期待されてよい。屈折率の絶対値はひとつの屈折率プロファイルから他のものに大幅に変わるかもしれないので、肩部差を比(n−nclad)/(n−nclad)の観点で定義することが好都合であるかもしれない。(n−nclad)/(n−nclad)の推奨される比の値は約0.02から約0.3の範囲内になるであろう。
【0024】
図4のプロファイルに類似する光ファイバ屈折率が2010年2月16日に出願された米国特許出願第12/658,804号明細書および2010年2月22日に出願された米国特許仮出願第61/306,607号に記載され、再びそのすべてが参照のためそれぞれここに引用される。
【0025】
図4の設計に対して、屈折率プロファイルは一般に以下のように表される。
【数1】

この表現において、nはr=0における屈折率、ncladはクラッドの屈折率、かつαは指数法則プロファイルパラメータである。R2はn(R2)=ncladである半径位置である。それはコアが切り取られる前の理論的なファイバコアのサイズである。
【0026】
上記の式におけるR1は以下によって決定される。

R1=R2*[(n−n)/(n−nclad)]1/α
【0027】
ここでnはコアとクラッドとの間の肩部差(図4の35)におけるコアの最大屈折率である。
【0028】
これらの設計において、必須ではないが、屈折率差n−ncladの値が0.02より小さいことが望ましい。n−ncladの好ましい範囲は0.014から0.02である。
【0029】
これらの設計において、必須ではないが、R1の値が約22から約34ミクロンの範囲であることが望ましい。
【0030】
光ファイバのDMDに対するコア縁部の肩部差の効果が図5に示される。図5のDMDは本質的に図3のそれ以上に改善されている。しかし、半径方向の位置21μmと25μmとの間の歪んだ複数のパルスによって証明されるように、高次モードは依然としてモード分散を示す。図4に示されるように、小さなDMDの歪は勾配型屈折率領域の屈折率プロファイルを調節することによって均一にすることが出来る。
【0031】
われわれは、先端が切り取られたコア設計の光ファイバの場合、図4に示されるように、高次モードが低次モードよりもゆっくり伝播するとき、DMDはコア縁部の肩部差に棚を加えることによりさらに改善されるということを見出している。このことが図6に示される。屈折率プロファイルのアルファ部分がやはり31と指定され、半径R1は図4と同じである。しかし、先端が切り取られたコア縁部を形成する肩部差、図4の35、は距離R3−R1だけコア中心から移され、棚51を形成する。さらに、棚領域の屈折率は常に勾配型屈折率領域の端部の屈折率よりも小さい、あるいは等しい。図6において、棚、および勾配型屈折率領域の端部の屈折率が等しいということが注目されるべきである。距離R3−R1は好ましくは約0.1から約3ミクロンの範囲である。内側のクラッドの幅32は好ましくは0.5ミクロンよりも大きく、好ましくは0.5から12ミクロンの範囲である。
【0032】
図6の光ファイバのDMDに対する棚の効果が図7に示され、勾配型コアの端部における屈折率デルタ(n−nclad)は0.0017である。この例において、棚の幅は0.3ミクロンであるように選択され、かつ棚の屈折率は勾配型屈折率領域の端部における屈折率に等しい。図7のDMDは図5のDMD以上に十分に改善され、半径位置0−25μmのすべてのモード(−1μmに位置する曲線は参照用パルス)が均一になったDMDを備える。
【0033】
溝のパラメータは従来と同様である。一般に、溝は少なくとも2ミクロンの幅と、少なくとも0.002の深さ(負の屈折率デルタ)を備える。通常、外側のクラッドは図示されるように屈折率がゼロ(純シリカ)であるが、他の値であってもよく、また、他の特性、例えば環状特性を備えてもよい。
【0034】
上に述べられた光ファイバ設計は、光源として垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)を備えるシステムで有利に使われる。VCSEL光源に結合される本発明の光ファイバは非常に優れたシステム性能を表す。
【0035】
まとめとして、本発明の光ファイバは図6に示されるように、光ファイバの中心から延びる一連の同心の領域を有すると定義されてよい。示される屈折率プロファイルの観点で、これらは、
アルファコア領域 − 上に規定されるように、屈折率デルタnを備える光ファイバの中心から半径方向に距離R1まで延びる本質的にアルファプロファイルを備える領域である。
棚 − 屈折率デルタがnであって、R1から半径R3まで半径方向外側に延びる領域である。R3−R1は好ましくは0.1から3ミクロンの範囲であり、かつ好ましくはデルタnは約0.001から0.006の範囲内である。
内側クラッド − 0.5ミクロンよりも大きい、好ましくは0.5から12ミクロンの距離で屈折率デルタがncladであるR3から半径方向に延びる領域である。
溝 − 通常、−0.002よりも小さい屈折率デルタ(ntrench−nclad)、、および2ミクロンよりも大きい溝幅を備え、内側クラッドと外側クラッドとの間に延びる領域である。
外側クラッド − 溝領域から半径方向外側に延びる領域である。
【0036】
詳細な記述を終了するにあたり、本発明の理論から本質的に乖離することなく、好ましい実施例に多くの変形、および修正がなされてもよいことが当業者には明らかであろうということが留意されるべきである。すべてのそのような変形、修正、および同等のものは、以下の請求の範囲に記載の本発明の適用範囲内であるとしてここに含まれると意図されている。
【符号の説明】
【0037】
11 アルファコア
12、32 肩部
13、33 溝
14、34 外側クラッド
35 肩部差
51 棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部と、前記中心部から半径方向外側に延びる一連の同心領域を含むマルチモード光ファイバであって、前記一連の同心領域が、
前記光ファイバの前記中心部から半径方向に距離R1まで延びる本質的にアルファプロファイルを有するアルファコア領域であって、前記中心部の前記コア領域がコア中心部において屈折率nを有する、前記アルファコア領域と、
R1からR3まで延び、屈折率nを有する棚領域であって、R3−R1が棚の幅を規定する、前記棚領域と、
前記R3から0.5ミクロンより大きな距離まで半径方向外側に延びる、屈折率がncladの内側クラッド領域であって、デルタnが棚領域の屈折率差を規定し、デルタn=n−ncladである、前記内側クラッド領域と、
前記内側クラッド領域から半径方向外側に延びる溝領域と、
前記溝領域から半径方向外側に延びる外側クラッド領域である、マルチモード光ファイバ。
【請求項2】
前記デルタnの絶対値が約0.001から約0.006の範囲である、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項3】
前記R3−R1の値が約0.1から約3ミクロンの範囲である、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項4】
(n−nclad)の値が約0.005から約0.03の範囲である、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項5】
(n−nclad)が約0.014から約0.02の範囲である、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項6】
比(n−nclad)/(n−nclad)が約0.02から約0.3の範囲である、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項7】
前記R1が約12から約34ミクロンの範囲である、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項8】
(nclad−nquartz)がおおよそ0である、請求項2に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項9】
前記内側クラッド領域が前記R3から約0.5ミクロンから約12ミクロンの範囲の距離まで半径方向外側に延びる、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項10】
前記溝が−0.002より小さい屈折率デルタ(ntrench−nclad)と、2ミクロンより大きい幅とを備える、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項11】
高次モードのモード遅延が低次主モードのモード遅延に等しくなるように前記同心の領域が構成される、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項12】
前記アルファコア領域が、

n(r)=[n−(n−nclad)(r/R2)α1/2

で規定される形状を備え、rはファイバの半径であり、nはコア中心部の屈折率であり、rcoreはコアの半径であり、ncladはクラッドの屈折率であり、αは自由パラメータであって、αの値が1.7から2.2の範囲である、請求項1に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項13】
垂直共振器面発光レーザに結合される請求項1に記載の光ファイバを備える光ファイバサブシステム。
【請求項14】
a)レーザトランスミッタと、
b)光レシーバと、
c)前記トランスミッタと前記レシーバとの間に結合される請求項1に記載のマルチモード光ファイバとを備える、光システム。
【請求項15】
中心部と、前記中心部から半径方向外側に延びる以下の一連の同心領域を含むマルチモード光ファイバであって、前記一連の同心領域が、
前記光ファイバの前記中心部から半径方向に距離R1まで延びる本質的にアルファプロファイルを有するアルファコア領域であって、コア中心部の屈折率がnである、前記アルファコア領域と、
屈折率差n−ncladにより規定される、前記R1における屈折率の肩部差であって、nが前記R1における屈折率であり、ncladが前記R1から0.5ミクロンより大きな距離まで半径方向外側に延びる内側クラッド領域の屈折率である、前記屈折率の肩部差と、
前記内側クラッドから半径方向に延びる溝領域と、
前記溝領域から半径方向外側に延びる外側クラッド領域とである、マルチモード光ファイバ。
【請求項16】
前記デルタnの絶対値が約0.001から約0.003の範囲である、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項17】
(n−nclad)の値が約0.005から約0.03の範囲である、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項18】
(n−nclad)が約0.014から約0.02の範囲である、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項19】
比(n−nclad)/(n−nclad)が約0.02から約0.2の範囲である、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項20】
前記R1が約12から約34ミクロンの範囲である、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項21】
(nclad−nquartz)がおおよそ0である、請求項16に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項22】
前記内側クラッド領域が前記R1から約0.5ミクロンから約12ミクロンの範囲の距離まで半径方向外側に延びる、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項23】
前記溝が−0.002より小さい屈折率デルタ(ntrench−nclad)と2ミクロンより大きい幅を備える、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項24】
高次モードのモード遅延が低次主モードのモード遅延に等しくなるように前記同心の領域が構成される、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項25】
前記アルファコア領域が、

n(r)=[n−(n−nclad)(r/R2)α1/2

で規定される形状を備え、rはファイバの半径であり、nはコア中心部の屈折率であり、R2はコアの半径であり、ncladはクラッドの屈折率であり、αは自由パラメータであり、αの値が1.7から2.2の範囲である、請求項15に記載のマルチモード光ファイバ。
【請求項26】
垂直共振器面発光レーザに結合される請求項15に記載の光ファイバを備える光ファイバサブシステム。
【請求項27】
a)レーザトランスミッタと、
b)光レシーバと、
c)前記トランスミッタと前記レシーバとの間に結合される請求項15に記載のマルチモード光ファイバとを備える、光システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−519123(P2013−519123A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552955(P2012−552955)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2011/024202
【国際公開番号】WO2011/100333
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(509094034)オーエフエス ファイテル,エルエルシー (44)
【Fターム(参考)】