説明

書類ファイル管理システム

【課題】ファイル棚から書類ファイルを取り出したり、書類ファイルをファイル棚へ戻すときなどにおいて、書類ファイルに正しい書類が綴じられているか否かを容易に、かつ迅速、確実に確認することができる書類ファイル管理システムを提供する。
【解決手段】管理パソコン5は、ICタグリーダ3で読み取った書類ファイル1内のシート部材7に貼付されたICタグ2の識別コードと、QRコードリーダ4で読み取った書類ファイル1表面に貼付された第2ラベル12上のQRコードの各コード情報に基づいて、読み取った識別コードと関連付けて記憶している書類情報を表示部5bに表示すると共に、表示部5bに表示された該書類情報が読み取ったQRコードに格納されている書類情報と一致するか否かを判定し、判定結果を表示部5bに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類を保持した複数の書類ファイルを管理する書類ファイル管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
会社や役所等では、紙媒体の書類を書類ファイルに保持し、複数の書類ファイルを管理番号順にファイル棚に収納して管理している。また、最近では、書類ファイルに書類情報を記録したICタグを貼付して、ICタグに記憶されたファイル識別コードをICタグリーダで読み取ることによって、書類ファイルをパソコン(PC)で管理する書類ファイル管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−238143号公報(図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1のような、ICタグを書類ファイルに貼付して管理する書類ファイル管理システムでは、ICタグリーダでICタグに記憶されたファイル識別コードを読み取ることで、ファイル棚に格納される書類ファイルのファイル格納位置を識別することができる。しかしながら、書類ファイル内に綴じられている書類の書類情報は、ICタグ等で管理されていないので、ファイル棚から書類ファイルを取り出したり、書類ファイルをファイル棚へ戻すときに、書類ファイルに正しい書類が綴じられているか否かは管理者が書類ファイルを開いて目視で確認する必要があり、書類確認作業に時間要する。また、複数の書類ファイルに対して管理者が目視で書類確認作業を行なう場合には、書類ファイルに誤った別の書類が綴じられていても見落とすおそれもある。
【0005】
そこで、本発明は、ファイル棚から書類ファイルを取り出したり、書類ファイルをファイル棚へ戻すときなどにおいて、書類ファイルに正しい書類が綴じられているか否かを容易に、かつ迅速、確実に確認することができる書類ファイル管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明は、書類ファイルに保持される単数枚又は複数枚の書類に、綴じ具により該書類と一体的に綴じるようにして添えられるシート部材と、前記シート部材に貼付され、固有の識別コードが記憶されたICタグと、前記ICタグと非接触で通信し、該ICタグに記憶された前記識別コードを読み取るICタグリーダと、前記書類ファイルの外表面に貼付され、保持している前記書類の書類情報を格納した二次元コードと前記書類の書類情報を表記した表記部が印字されたラベルと、前記ラベルに印字された前記二次元コードを光学的に読み取る二次元コード読取手段と、前記ICタグリーダで読み取った前記識別コードと前記二次元コード読取手段で読み取った前記二次元コードの各コード情報を取り込み可能であり、前記ICタグに記憶された前記識別コードと前記書類ファイルに保持された書類の書類情報とを関連付けて記憶している書類ファイル管理装置と、を備えた書類ファイル管理システムであって、少なくとも、ファイル棚から所定の前記書類ファイルを取り出したとき、及び取り出していた前記所定の書類ファイルを前記ファイル棚に戻すときに、前記所定の書類ファイルに対して、前記ICタグリーダで該所定の書類ファイル内の前記シート部材に貼付された前記ICタグの識別コードを読み取ると共に、前記二次元コード読取手段で前記所定の書類ファイル表面に貼付された前記ラベル上の前記二次元コードを読み取り、書類ファイル管理装置は、取り込んだ前記ICタグリーダで読み取った前記識別コードと前記二次元コード読取手段で読み取った前記二次元コードの各コード情報に基づいて、読み取った前記識別コードと関連付けて記憶している書類情報を表示手段に表示すると共に、前記表示手段に表示された該書類情報が読み取った前記二次元コードに格納されている書類情報と一致するか否かを判定し、判定結果を前記表示手段に表示することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の書類ファイル管理システムによれば、ファイル棚から書類ファイルを取り出したり、書類ファイルをファイル棚へ戻すときなどにおいて、書類ファイル管理装置は、取り込んだICタグリーダで読み取った識別コードと二次元コード読取手段で読み取った二次元コードの各コード情報に基づいて、読み取った識別コードと関連付けて記憶している書類情報を表示手段に表示すると共に、表示手段に表示された該書類情報が読み取った二次元コードに格納されている書類情報と一致するか否かを判定し、判定結果を表示手段に表示することにより、書類ファイルに正しい書類が綴じられているか否かを、管理者が書類ファイルを開いて目視で書類確認作業を行なうことなく、容易にかつ迅速、確実に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る書類ファイル管理システムの構成を示す図。
【図2】(a)は、書類と一体的に綴じられたシート部材を示す斜視図、(b)は、シート部材と一体的に綴じられた書類を保持した書類ファイルを示す斜視図。
【図3】開いた状態の書類ファイルを示す図。
【図4】シート部材と書類ファイルに貼付されるラベルの一例を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係る書類ファイル管理システムによる書類ファイルの管理手順を示す図。
【図6】複数の書類ファイルを収納したファイル棚を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る書類ファイル管理システムの構成を示す図である。なお、本実施形態では、金融機関に対して信用保証を行なう信用保証協会において、顧客から受領した紙媒体の書類を書類ファイルにファイリングして保管し、新規入庫、出庫、再入庫、棚卸、廃棄時等において対象となる書類ファイルを管理するための書類ファイル管理システムに適用した例である。
【0010】
本実施形態に係る書類ファイル管理システムは、図1に示すように、書類ファイル1を一冊ずつ載置して書類ファイル1内の後述するフィルム状のファイル用ICタグ(以下、「ICタグ」という)2に記憶されている固有の識別コード(ICタグコード)を読み取る棚状のICタグリーダ3と、二次元コードとしてのQRコード(登録商標)を読み取るQRコードリーダ4と、ICタグリーダ3及びQRコードリーダ4で読み取った各コード情報に基づいて、入庫、出庫、再入庫、棚卸、廃棄等を行なう際の対象となる書類ファイル1の管理を行なう書類ファイル管理装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、「管理パソコン」という)5を備えている。
【0011】
一冊の書類ファイル1には、図2(a),(b)に示すように、一顧客から受領した複数の各種書類(例えば、信用保証依頼書、所定の提出書類等)を束ねた複数の書類(以下、「顧客管理書類」という)6とこの顧客管理書類6の表面に配置した略透明又は半透明の表紙シート7とを、綴じ具8によって一体的に綴じたものが保持(ファイリング)されている。綴じ具8としては、例えば、ガチャ玉(登録商標)を用いることができる。
【0012】
表紙シート7には、綴じている顧客管理書類6の顧客管理情報(例えば、顧客名、顧客番号、保障番号、ラベル番号)を表記した表記部9とQRコード10とが印字された第1のラベル11と、各顧客の顧客管理書類6毎に割り当てられた識別コードが記憶されている前記ICタグ2が貼付されている。よって、書類ファイル1内に綴じ具8により顧客管理書類6上に表紙シート7を一体的に綴じた状態でも、管理者は表紙シート7に貼付した第1のラベル11の表記部9を目視するだけで、綴じている顧客管理書類6の顧客管理情報を把握することができる。
【0013】
また、書類ファイル1の表面ファイル1aにも、第1のラベル11と同様の顧客管理書類6の顧客管理情報(例えば、顧客名、顧客番号、保障番号、ラベル番号)を表記した表記部9とQRコード10とが印字された第2のラベル12が貼着されている。よって、管理者は書類ファイル1の表面ファイル1aに貼付した第2のラベル12の表記部9を目視するだけで、書類ファイル1を開くことなく綴じている顧客管理書類6の顧客管理情報を把握することができる。
【0014】
書類ファイル1は、図3に示すように、表面ファイル1aと裏面ファイル1bが見開き自在であり、内側に略透明な合成樹脂材からなる封筒状の書類ケース13と、書類ケース13の一側面側を着脱自在に保持する一対の止め金具14を有している。書類ケース13内に、綴じ具8によって一体的に綴じられた顧客管理書類6と表紙シート7が入れられる。そして、この書類ケース13の一側面側に形成した2つの綴じ穴に一対の止め金具14を挿通させることで、綴じ具8により一体的に綴じられた顧客管理書類6と表紙シート7が、書類ファイル2に保持される。
【0015】
図4に示すように、第1、第2のラベル11、12には、一顧客から受領した顧客管理書類6の顧客管理情報(例えば、顧客名、顧客番号、保障番号、ラベル番号)を表記した表記部9と、この顧客管理情報を含む書類情報を格納したQRコード10が印字されている。なお、第1、第2のラベル11、12の表記部9に表記される顧客管理情報のうちのラベル番号は、管理し易いように前記ICタグ2の識別コードと同じ番号に設定している。
【0016】
第1のラベル11は表紙シート7上の中央部より少し上側に、ICタグ2は表紙シート7上の下側にそれぞれ貼着されている(図2(a)参照)。第2のラベル12は、書類ファイル1の表面ファイル1a上の左上側に貼付されている(図2(b)参照)。
【0017】
管理パソコン5には、ICタグリーダ3及びQRコードリーダ4が接続されており、管理パソコン5の記憶部(不図示)には、書類ファイル1内の前記表紙シート7上のICタグ2に記憶された識別コードと顧客管理書類6の書類情報とを関連付けて、ファイル棚15(図6参照)に収納する複数の書類ファイル1に対して記憶されている。
【0018】
なお、表記部9とQRコード10が印字された第1、第2のラベル11、12は、管理パソコン5の入力操作部(キーボード)5aを管理者が操作することで接続されているラベルプリンタ(不図示)から出力することができる。
【0019】
ICタグリーダ3は、前記ICタグ2との間で電波を介して送受信するための不図示のアンテナ、送受信部、制御ユニット、電源部等を有しており、ICタグリーダ3に書類ファイル1を入れて載置することで、書類ファイル1内の表紙シート7上のICタグ2に記憶されている識別コード(ラベル番号)を、アンテナを介して読み取るように構成されている。
【0020】
次に、信用保証協会において、前記した書類ファイル管理システムによる新規入庫、出庫、再入庫、棚卸、廃棄時における書類ファイルの管理手順について説明する。
【0021】
〈新規入庫〉
本実施形態における新規入庫とは、顧客から顧客情報書類6を新規に受領した時に行う登録処理である。
【0022】
一顧客から顧客情報書類6を受領すると、顧客情報書類6の顧客管理情報(例えば、顧客名、顧客番号、保障番号、ラベル番号)とこの顧客管理情報を含む書類情報を、この顧客情報書類1と一体的に綴じる表紙シート7上のICタグ2の識別コード(ラベル番号)と関連付けて、管理パソコン5の記憶部(不図示)に記憶する。この際、管理者は、図4に示したように、顧客管理書類6の顧客管理情報(例えば、顧客名、顧客番号、保障番号、ラベル番号)を表記した表記部9とこの顧客管理情報を含む書類情報を格納したQRコード10を印字した第1、第2のラベル11、12を作成して、表紙シート7と書類ファイル1の表面ファイル1aにそれぞれ貼付する。
【0023】
なお、管理者が表紙シート7に貼付したICタグ2の識別コード(ラベル番号)を視認できるように、このICタグ2近傍に該ICタグ2の識別コードを表記したラベルを貼付するようにしてもよい。
【0024】
そして、図2(a)、図3に示したように、この顧客情報書類6と表紙シート7を綴じ具8によって一体的に綴じた後、書類ケース13内に入れて止め金具14により固定して、書類ファイル1にファイリングする。
【0025】
そして、図1に示したように、管理者が、この書類ファイル1をICタグリーダ3に入れて載置することで、ファイリングされている表紙シート7上のICタグ2に記憶されている識別コードがアンテナ(不図示)を介して読み取られる。なお、書類ファイル1をリーダライタ3に入れる際に、ICタグリーダ3の奥側に配置されているアンテナ近傍にICタグ2側が位置するようにして入れる。そして、ICタグリーダ3で読み取った識別コード情報が管理パソコン5に入力されると、予め記憶部(不図示)に記憶されているこの識別コードに対応した顧客情報書類6の顧客管理情報(例えば、顧客名、顧客番号、保障番号、ラベル番号)を含む書類情報が管理パソコン5の表示部(液晶モニタ)5bに表示される。
【0026】
そして、図5に示すように、確認のために管理者が、書類ファイル1の表面ファイル1a上の第2のラベル12に印字されているQRコード10にQRコードリーダ4を近接させることで、QRコード10の情報が読み取られて、読み取った情報が管理パソコン5に入力される。そして、管理パソコン5は、表示部5bに表示された書類情報が読み取ったQRコード10に格納されている書類情報と一致するか否かを判定する。この際、この書類ファイル1に正しい顧客情報書類6がファイリングされている場合は、表示部5bに表示された書類情報(管理パソコン5の記憶部(不図示)から読み出した書類情報)と、第2のラベル12上のQRコード10から読み取った書類情報とが一致する。
【0027】
よって、管理パソコン5は、両者の書類情報が一致した場合には、この書類ファイル1に正しい顧客情報書類6と表紙シート7が一体的に綴じられてファイリングされていると判定し、表示部5bに例えば、○を表示して管理者に報知する。なお、前記両者の情報が一致しない場合には、管理パソコン5はこの書類ファイル1に誤って別の顧客の顧客情報書類6と表紙シート7が一体的に綴じられてファイリングされていると判定し、表示部5bに例えば、×を表示して管理者に警告する。
【0028】
そして、多数の顧客から受領した顧客情報書類6に対しても、それぞれ顧客情報書類6と表紙シート7を一体的に綴じて書類ファイル1にファイリングして前記した新規入庫時における登録処理を行い、図6に示すように、複数の書類ファイル2を例えば顧客番号順に並べてファイル棚15に収納する。
【0029】
〈出庫〉
本実施形態における出庫とは、ある顧客の書類ファイル1(ファイリングしている顧客情報書類6)を、所定の部署等で参照したい場合などにファイル棚15から貸し出すときの処理である。
【0030】
管理者がファイル棚15から出庫対象の書類ファイル1を、その表面ファイル1a上の第2のラベル12に印字された表記部9の顧客番号などから特定して取り出す。
【0031】
そして、図1に示したように、取り出した書類ファイル1をICタグリーダ3に入れて載置することで、ファイリングされている表紙シート7上のICタグ2に記憶されている識別コードがアンテナを介して読み取られる。そして、ICタグリーダ3で読み取った識別コード情報が管理パソコン5に入力されると、予め記憶部(不図示)に記憶されているこの識別コードに対応した顧客情報書類6の顧客管理情報(例えば、顧客名、顧客番号、保障番号、ラベル番号)を含む書類情報が管理パソコン5の表示部5bに表示される。
【0032】
そして、図5に示したように、確認のために管理者が、書類ファイル1の表面ファイル1a上の第2のラベル12に印字されているQRコード10にQRコードリーダ4を近接させることで、QRコード10の情報が読み取られて、読み取った情報が管理パソコン5に入力される。そして、管理パソコン5は、表示部5bに表示された書類情報が読み取ったQRコード10に格納されている書類情報と一致するか否かを判定する。この際、この書類ファイル1に正しい顧客情報書類6がファイリングされている場合は、表示部5bに表示された書類情報(管理パソコン5の記憶部(不図示)から読み出した書類情報)と、第2のラベル12上のQRコード10から読み取った書類情報とが一致する。
【0033】
よって、管理パソコン5は、両者の書類情報が一致した場合には、この書類ファイル1に正しい顧客情報書類6と表紙シート7が一体的に綴じられてファイリングされていると判定し、表示部5bに例えば、○を表示して管理者に報知する。なお、前記両者の情報が一致しない場合には、管理パソコン5はこの書類ファイル1に誤って別の顧客の顧客情報書類6と表紙シート7が一体的に綴じられてファイリングされていると判定し、表示部5bに例えば、×を表示して管理者に警告する。
【0034】
このように、書類ファイル1に正しい顧客情報書類6がファイリングされていることを確認すると、管理パソコン11にこの書類ファイル2が貸し出し中であることを登録して、この書類ファイル1を貸し出す。
【0035】
〈再入庫〉
本実施形態における再入庫とは、前記出庫で貸し出されていた書類ファイル1をファイル棚15に戻すときの処理である。
【0036】
出庫で貸し出されていた書類ファイル1が戻されると、図1に示したように、貸し出されていた書類ファイル1をICタグリーダ3に入れて載置することで、ファイリングされている表紙シート7上のICタグ2に記憶されている識別コードがアンテナを介して読み取られる。そして、ICタグリーダ3で読み取った識別コード情報が管理パソコン5に入力されると、予め記憶部(不図示)に記憶されているこの識別コードに対応した顧客情報書類6の顧客管理情報(例えば、顧客名、顧客番号、保障番号、ラベル番号)を含む書類情報が管理パソコン5の表示部5bに表示される。
【0037】
そして、図5に示したように、確認のために管理者が、書類ファイル1の表面ファイル1a上の第2のラベル12に印字されているQRコード10にQRコードリーダ4を近接させることで、QRコード10の情報が読み取られて、読み取った情報が管理パソコン5に入力される。そして、管理パソコン5は、表示部5bに表示された書類情報が読み取ったQRコード10に格納されている書類情報と一致するか否かを判定する。この際、この書類ファイル1に正しい顧客情報書類6がファイリングされている場合は、表示部5bに表示された書類情報(管理パソコン5の記憶部(不図示)から読み出した書類情報)と、第2のラベル12上のQRコード10から読み取った書類情報とが一致する。
【0038】
よって、管理パソコン5は、両者の書類情報が一致した場合には、この書類ファイル1に正しい顧客情報書類6と表紙シート7が一体的に綴じられてファイリングされていると判定し、表示部5bに例えば、○を表示して管理者に報知する。なお、前記両者の情報が一致しない場合には、管理パソコン5はこの書類ファイル1に誤って別の顧客の顧客情報書類6と表紙シート7が一体的に綴じられてファイリングされていると判定し、表示部5bに例えば、×を表示して管理者に警告する。
【0039】
このように、書類ファイル1に正しい顧客情報書類6がファイリングされていることを確認すると、管理パソコン11にこの書類ファイル2が再入庫されたことを登録して、この書類ファイル1を例えば顧客番号に基づいてファイル棚15の所定場所に収納する。
【0040】
〈棚卸〉
本実施形態における棚卸とは、ファイル棚15に収納されている多数の書類ファイル1の全部或いは所定範囲分に対して、各書類ファイル1に正しい顧客情報書類6ファイリングされているかを確認するための処理である。この棚卸は、定期的(例えば、年に数回程度)に行なわれる。
【0041】
ファイル棚15に収納されている多数の書類ファイル1から棚卸対象となる各書類ファイル1を取り出した後、図1に示したように、一冊毎に棚卸対象の書類ファイル1をICタグリーダ3に入れて載置することで、ファイリングされている表紙シート7上のICタグ2に記憶されている識別コードがアンテナを介して読み取られる。そして、ICタグリーダ3で読み取った識別コード情報が管理パソコン5に入力されると、予め記憶部(不図示)に記憶されているこの識別コードに対応した顧客情報書類6の顧客管理情報(例えば、顧客名、顧客番号、保障番号、ラベル番号)を含む書類情報が管理パソコン5の表示部5bに表示される。
【0042】
そして、図5に示したように、確認のために管理者が、書類ファイル1の表面ファイル1a上の第2のラベル12に印字されているQRコード10にQRコードリーダ4を近接させることで、QRコード10の情報が読み取られて、読み取った情報が管理パソコン5に入力される。そして、管理パソコン5は、表示部5bに表示された書類情報が読み取ったQRコード10に格納されている書類情報と一致するか否かを判定する。この際、この書類ファイル1に正しい顧客情報書類6がファイリングされている場合は、表示部5bに表示された書類情報(管理パソコン5の記憶部(不図示)から読み出した書類情報)と、第2のラベル12上のQRコード10から読み取った書類情報とが一致する。
【0043】
よって、管理パソコン5は、両者の書類情報が一致した場合には、この書類ファイル1に正しい顧客情報書類6と表紙シート7が一体的に綴じられてファイリングされていると判定し、表示部5bに例えば、○を表示して管理者に報知する。なお、前記両者の情報が一致しない場合には、管理パソコン5はこの書類ファイル1に誤って別の顧客の顧客情報書類6と表紙シート7が一体的に綴じられてファイリングされていると判定し、表示部5bに例えば、×を表示して管理者に警告する。
【0044】
このように、書類ファイル1に正しい顧客情報書類6がファイリングされていることを確認すると、棚卸対象となっている他の書類ファイル1に対しても同様の処理を行う。そして、全ての棚卸対象となっている各書類ファイル1に正しい顧客情報書類6がファイリングされていることを確認後に、ファイル棚15に戻す。
【0045】
〈廃棄〉
本実施形態における廃棄とは、ファイル棚15に収納されている多数の書類ファイル1のうちから完済した顧客の書類ファイルを取り出して、ファイリングしている顧客情報書類を廃棄保管するための処理である。
【0046】
金融機関から融資を受けている顧客が完済すると、この顧客に対する信用保証が終了し、この顧客の顧客情報書類を廃棄する必要がある。詳しくは、管理者がファイル棚15から廃棄対象の書類ファイル1を、その表面ファイル1a上の第2のラベル12に印字されている表記部5の例えば顧客番号から特定して取り出す。
【0047】
そして、図1に示したように、取り出した書類ファイル1をICタグリーダ3に入れて載置することで、ファイリングされている表紙シート7上のICタグ2に記憶されている識別コードがアンテナを介して読み取られる。そして、ICタグリーダ3で読み取った識別コード情報が管理パソコン5に入力されると、予め記憶部(不図示)に記憶されているこの識別コードに対応した顧客情報書類6の顧客管理情報(例えば、顧客名、顧客番号、保障番号、ラベル番号)を含む書類情報が管理パソコン5の表示部5bに表示される。
【0048】
そして、図5に示したように、確認のために管理者が、書類ファイル1の表面ファイル1a上の第2のラベル12に印字されているQRコード10にQRコードリーダ4を近接させることで、QRコード10の情報が読み取られて、読み取った情報が管理パソコン5に入力される。そして、管理パソコン5は、表示部5bに表示された書類情報が読み取ったQRコード10に格納されている書類情報と一致するか否かを判定する。この際、この書類ファイル1に正しい顧客情報書類6がファイリングされている場合は、表示部5bに表示された書類情報(管理パソコン5の記憶部(不図示)から読み出した書類情報)と、第2のラベル12上のQRコード10から読み取った書類情報とが一致する。
【0049】
よって、管理パソコン5は、両者の書類情報が一致した場合には、この書類ファイル1に正しい顧客情報書類6と表紙シート7が一体的に綴じられてファイリングされていると判定し、表示部5bに例えば、○を表示して管理者に報知する。なお、前記両者の情報が一致しない場合には、管理パソコン5はこの書類ファイル1に誤って別の顧客の顧客情報書類6と表紙シート7が一体的に綴じられてファイリングされていると判定し、表示部5bに例えば、×を表示して管理者に警告する。
【0050】
このように、書類ファイル1に正しい顧客情報書類6がファイリングされていることを確認すると、管理パソコン5にこの書類ファイル1を廃棄したことを登録する。更に、管理パソコン5の記憶部(不図示)から、この書類ファイル1内の表紙シート7上のICタグ2に記憶されている識別コードに対応している顧客情報書類6の顧客管理情報(例えば、顧客名、顧客番号、保障番号、ラベル番号)を含む書類情報を削除する。
【0051】
そして、この廃棄対象の書類ファイル1内に一体的に綴じられている顧客情報書類6と表紙シート7を取り出し、更に、綴じ具8を外して顧客情報書類6上から表紙シート7を取り外す。
【0052】
そして、この書類ファイル1と取り外した表紙シート7は、次の新規の顧客に対して再利用(リサイクル)するために廃棄することなく保管しておく。なお、この書類ファイル1の表面ファイル1a上の第2のラベル12と、表紙シート7上の第1のラベル11は剥がしておく。一方、取り外した廃棄対象の顧客情報書類6は、廃棄保管庫等に搬入して廃棄保管しておく。
【0053】
このように、ファイル棚15から取り出した廃棄対象の書類ファイル1に対して、この書類ファイル1から取り出した顧客情報書類6上の表紙シート7を取り外すだけで、廃棄対象の顧客情報書類6を容易に、かつ間違えることなく確実に廃棄処理することができる。
【0054】
更に、廃棄対象として取り出した書類ファイル1とICタグ2を有する表紙シート7は、廃棄することなくそのまま再利用(リサイクル)することができるので、コストの低減を図ることが可能となる。
【0055】
このように、本実施形態に係る書類ファイル管理システムによれば、新規入庫、出庫、再入庫、棚卸、廃棄時において、対象となる書類ファイル1をICタグリーダ3に入れて書類ファイル1内の表紙シート7上に貼付したICタグ2の識別コードを読み取って、それに対応した顧客情報書類6の書類情報を管理パソコン5の表示部5bに表示させる。そして、書類ファイル1の表面ファイル1a上に貼付した第2のラベル12のQRコード10をQRコードリーダ4で読み取って、格納されている書類情報を管理パソコン5に出力することにより、管理パソコン5の表示部5bに表示される判定情報(例えば、○か×)に基づいて、書類ファイル1に正しい顧客情報書類6がファイリングされているか否かを、書類ファイル1を開いて中の顧客情報書類6を管理者が目視で書類確認作業を行なうことなく、容易にかつ迅速、確実に確認することができる。
【0056】
なお、前記実施形態では、金融機関に対して信用保証を行なう信用保証協会にて、新規入庫、出庫、再入庫、棚卸、廃棄時等において対象となる書類ファイル(顧客情報書類)の管理処理を行うための書類ファイル管理システムに適用した例であったが、これに限らず、例えば、銀行等の金融機関で債権書類をファイリングした書類ファイルの管理処理を行うための書類ファイル管理システムなどにおいても、同様に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 書類ファイル
2 ICタグ
3 ICタグリーダ
4 QRコードリーダ
5 管理パソコン
6 顧客情報書類
7 表紙シート
8 綴じ具
9 表記部
10 QRコード
11 第1のラベル
12 第2のラベル
15 ファイル棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書類ファイルに保持される単数枚又は複数枚の書類に、綴じ具により該書類と一体的に綴じるようにして添えられるシート部材と、
前記シート部材に貼付され、固有の識別コードが記憶されたICタグと、
前記ICタグと非接触で通信し、該ICタグに記憶された前記識別コードを読み取るICタグリーダと、
前記書類ファイルの外表面に貼付され、保持している前記書類の書類情報を格納した二次元コードと前記書類の書類情報を表記した表記部が印字されたラベルと、
前記ラベルに印字された前記二次元コードを光学的に読み取る二次元コード読取手段と、
前記ICタグリーダで読み取った前記識別コードと前記二次元コード読取手段で読み取った前記二次元コードの各コード情報を取り込み可能であり、前記ICタグに記憶された前記識別コードと前記書類ファイルに保持された書類の書類情報とを関連付けて記憶している書類ファイル管理装置と、を備えた書類ファイル管理システムであって、
少なくとも、ファイル棚から所定の書類ファイルを取り出したとき、及び取り出していた前記所定の書類ファイルを前記ファイル棚に戻すときに、前記所定の書類ファイルに対して、前記ICタグリーダで該所定の書類ファイル内の前記シート部材に貼付された前記ICタグの識別コードを読み取ると共に、前記二次元コード読取手段で前記所定の書類ファイル表面に貼付された前記ラベル上の前記二次元コードを読み取り、
書類ファイル管理装置は、取り込んだ前記ICタグリーダで読み取った前記識別コードと前記二次元コード読取手段で読み取った前記二次元コードの各コード情報に基づいて、読み取った前記識別コードと関連付けて記憶している書類情報を表示手段に表示すると共に、前記表示手段に表示された該書類情報が読み取った前記二次元コードに格納されている書類情報と一致するか否かを判定し、判定結果を前記表示手段に表示することを特徴とする書類ファイル管理システム。
【請求項2】
前記シート部材にも、一体的に綴じられている前記書類の書類情報を格納した二次元コードと前記書類の書類情報を表記した表記部が印字されたラベルが貼付されていることを特徴とする請求項1に記載の書類ファイル管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−105504(P2011−105504A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265070(P2009−265070)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(595062034)都築電気株式会社 (1)
【Fターム(参考)】