説明

書類作成システム

【課題】 一般的な装置の組み合わせからなる安価なシステム構成によって、申請書自身による簡単な操作で、免許証Cに関する情報が印刷された申請書を容易に作成することができる。
【解決手段】 免許証CとしてのICカードの内部メモリCaに記憶されている情報を読取装置12により読み取り、この読取装置12により読み取った情報に基づいて当該免許証Cの申請書としての印刷データをコンピュータ11により生成し、このコンピュータ11により生成された印刷データを当該免許証に関する情報を申請書として用いられる所定の用紙に印刷装置13により印刷するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ICカードに記録されている情報を印刷した書類を作成する書類作成システムであり、たとえば、ICカードにより構成される運転免許証の更新申請書を申請者自身の操作により作成する書類作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、運転免許証の更新を行う場合、写真入りの申請書を各個人が作成する必要がある。現状では、申請者自身が予め準備した写真を所定の寸法に切り、その写真を貼った申請用紙に氏名や住所等を手書きで記入する必要がある。また、申請者自身による氏名や住所等の手書きによる記入を省略するため、係員が申請の受付け業務として、申請者から免許証を受け取り、所定の申請書に免許証の券面(表面と裏面)の画像を印刷するというような運用を行っている場合もある。
【0003】
このような現状に対して、写真入りの申請書を作成する申請書の自動作成機が提案されている(たとえば、特許文献1)。しかしながら、このような従来の申請書の自動作成機の導入には、それ相応のコストが発生することが予想される。このため、申請書を安価な装置構成で、かつ、簡単に作成することができるものが要望されている
【特許文献1】特開平8−244386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、上記のような問題点が解決するものであり、安価な装置構成で、携帯可能電子媒体に記録されている情報を用いて容易に書類を作成することができる書類作成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の書類作成システムは、携帯可能電子媒体に記録されている情報を印刷した書類を作成するシステムにおいて、申請者から提示された携帯可能電子媒体の内部メモリに記憶されている情報を読み取る読取装置と、前記読取装置により読み取った情報に基づいて作成すべき書類の印刷データを生成する電子計算機と、前記電子計算機により生成された印刷データを書類として用いられる所定の用紙に印刷する印刷装置とを有する。
【0006】
この発明の書類作成システムは、携帯可能電子媒体に記録されている情報を印刷した書類を作成するシステムにおいて、申請者から提示された携帯可能電子媒体の内部メモリに記憶されている情報を読み取る第1の読取手段と、当該携帯可能電子媒体の券面の画像を読み取る第2の読取手段とを有する読取装置と、前記第1の読取手段により読み取った情報と前記第2の読取手段により読み取った画像とに基づいて作成すべき書類の印刷データを生成する電子計算機と、前記電子計算機により生成された印刷データを書類として用いられる所定の用紙に印刷する印刷装置とを有する。
【0007】
この発明の書類作成システムは、携帯可能電子媒体に記録されている情報を印刷した書類を作成するシステムにおいて、申請者から提示された携帯可能電子媒体の内部メモリに記憶されている情報を読み取る第1の読取手段と、当該携帯可能電子媒体の券面の画像を読み取る第2の読取手段とを有する読取装置と、前記第2の読取手段により読み取った携帯可能電子媒体の券面の画像に含まれている文字を認識する文字認識手段と、この文字認識手段により認識した文字情報と前記第1の読取手段により読み取った情報とが同一人物のものであるか否かを判定する判定手段と、この判定手段により内部メモリから読み取った情報と券面の画像から認識された文字情報とが同一人物のものであると判定した場合、前記第1の読取手段により読み取った情報と前記第2の読取手段により読み取った画像とに基づいて作成すべき書類の印刷データを生成する生成手段とを有する電子計算機と、前記電子計算機により生成された印刷データを書類として用いられる所定の用紙に印刷する印刷装置とを有する。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、安価な装置構成で、携帯可能電子媒体に記録されている情報を用いて容易に書類を作成することができる書類作成システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る申請書(書類)作成システム1の構成例を概略的に示す図である。
図1に示すように、申請書作成システム1は、コンピュータ(電子計算機)11、読取装置12、印刷装置13およびサーバ装置14により構成される。なお、申請書作成システム1では、免許証Cの更新用の申請書を作成するシステムを想定するものとする。
【0010】
また、この実施の形態において、更新の対象となる免許証Cは、携帯可能電子媒体としてのICカードにより構成されるものとする。また、免許証Cには、当該免許証Cの所有者に関する情報として、申請者の氏名、呼び名(ふりがな)、本籍、住所、免許条件、顔画像などの情報がICカード内の内部メモリCaに記憶され、さらに、その券面(表面および裏面)にもこれらの情報が印刷されているものとする。
【0011】
上記コンピュータ11は、申請書を作成する申請者自身が操作するコンピュータであり、たとえば、一般的なパーソナルコンピュータなどにより構成される。
上記読取装置12は、申請者が所持している免許証Cの内部メモリCaに電子データとして記憶されている情報を読み取る機能と、当該免許証Cの券面(両面)を光学的に読み取る機能とを有している。上記読取装置12における免許証CとしてのICカードの内部メモリCaに記憶されている情報を読み取る機能は、一般的なICカードリーダにより構成される。また、上記読取装置12における免許証CとしてのICカードの券面を光学的に読み取る機能は、一般的な(画像読取装置)スキャナにより構成される。つまり、上記読取装置12は、一般的なICカードリーダに一般的なスキャナを組み合わせた装置である。
【0012】
上記印刷装置13は、上記コンピュータ11からの印刷指示に基づいて印刷処理を行うものであり、一般的なプリンタなどの印刷装置により構成される。上記サーバ装置14は、当該申請書作成システムを監視する係員が操作するコンピュータであり、上記コンピュータ11とのデータ通信を行う機能を有している。
【0013】
図2は、この発明の実施の形態に係る申請書作成システム1の構成例を示すブロック図である。
上記コンピュータ11は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、表示部23、操作部24、および、文字認識(OCR)部25などを有している。上記制御部21は、当該コンピュータ11全体の制御を司るものである。
【0014】
上記制御部21は、図示しないCPUや内部メモリなどにより構成される。上記制御部21は、上記記憶部22や図示しない内部メモリに記憶されている制御プログラムに基づいて種々の処理を実行するものである。すなわち、上記制御部21は、上記記憶部22などのメモリに記憶されているアプリケーションプログラムを実行することにより種々の機能を実現している。
【0015】
上記記憶部22は、種々の処理を実現するための制御プログラムなどの制御データ、あるいは、処理データなどを記憶するものである。上記表示部23は、申請者に対する種々の案内などを表示するものである。上記操作部24は、申請者から種々の操作指示が入力されるものである。なお、上記表示部23及び上記操作部24は、たとえば、タッチパネル内蔵の表示装置により構成するようにしても良い。上記文字認識部25は、画像データから文字等を認識するものである。なお、上記文字認識部25は、例えば、上記記憶部22などのメモリに記憶されているアプリケーションプログラムを制御部21などが実行することにより実現される機能である。
【0016】
また、上記コンピュータ11は、上記読取装置12とのデータの送受信を行うインターフェース(図示しない)である。上記印刷装置13とのデータの送受信を行うインターフェース(図示しない)、および、上記サーバ装置14とのデータの送受信を行うインターフェース(図示しない)などを有している。
【0017】
上記読取装置12は、図1に示すように、カードリーダ31およびスキャナ32を有している。
上記カードリーダ31は、申請者が所持している免許証Cの内部メモリCaに電子データとして記憶されている情報を読み取るものである。上記カードリーダ31は、図示しないインターフェースを介して免許証Cから読み取った情報を上記コンピュータ11へ供給するようになっている。なお、免許証Cが接触式のICカードで構成される場合、上記カードリーダ31は、接触式のICカードに対応したインターフェースにより構成され、免許証Cが非接触式のICカードで構成される場合、上記カードリーダ31は、非接触式のICカードにより構成される。
【0018】
上記スキャナ32は、申請者が所持している免許証Cの券面(表面と裏面)に画像を光学的に読み取って電子データとしての画像データに変換するものである。上記スキャナ32は、図示しないインターフェースを介して免許証Cの券面の画像データを上記コンピュータ11へ供給するようになっている。なお、上記読取装置12は、申請者から提示された免許証Cを図示しない挿入口から取り込むものとし、上記スキャナ32は、上記挿入口から取り込んだ免許証Cの券面(表面および裏面)を走査することにより券面の画像を読み取るものとする。
【0019】
このような構成により、上記読取装置12では、申請者から免許証Cが提示された場合、上記カードリーダ31により当該免許証Cの内部メモリCaに電子データとして記憶されている情報を読み取るとともに、上記スキャナ32により当該免許証Cの券面の画像情報を読み取り、それらの情報をコンピュータ11へ出力するようになっている。
【0020】
上記印刷装置13は、上記コンピュータ11から与えられる印刷データに基づいて申請書(書類)として用いられる所定の用紙に免許証Cから読み取った情報を含む申請内容を印刷するものである。
上記サーバ装置14は、上記コンピュータ11にて処理した申請書の作成内容を蓄積するデータベース41などを有している。また、上記サーバ装置14は、報知手段としての表示部42を有し、上記コンピュータ11から申請書の作成状況に関する情報(たとえば、エラーとなった旨の通知)を受けた場合、その旨を表示部42に表示することにより係員に申請書の作成状況を報知するようになっている。
【0021】
次に、申請書を作成する際に使用されるICカードとしての免許証Cの構成例について説明する。
上述したように、本実施の形態では、免許証CがICカードにより構成されているものとする。すなわち、免許証Cには、内部メモリCaを具備しており、免許証C内の内部メモリCaに記憶されているデータは、上記読取装置12のカードリーダ31により読み取られるようになっている。
【0022】
図3は、ICカードとしての免許証Cの内部メモリCaに記憶されているデータの構成例を示す図である。
【0023】
上記免許証Cには、個人情報としての当該免許証の所持者の情報と、当該免許証の種類あるいは条件などの情報とが記憶されている。例えば、免許証Cの内部メモリCaには、図3に示すように、顔画像、氏名、呼び名、生年月日、本籍、住所、条件、その他の情報などが記憶されている。さらに、これらの情報は、当該免許証Cの券面(表面あるいは裏面)にも印刷される。言い換えると、免許証Cの券面に印刷されている情報は、免許証Cの内部メモリCaにも電子データとして記憶されている。
【0024】
次に、上記のように構成される申請書作成システムにより作成される申請書Pについて説明する。
図4は、上記申請書作成システムにより作成される申請書Pの例を示す図である。
図4に示すように、申請書Pには、申請者の顔画像を印刷する印刷領域51と、免許証Cの表面と裏面の画像を印刷する印刷領域52と、免許証Cに関する情報を印刷する印刷領域53とを有している。また、申請書Pには、申請者が提示した免許証Cにおいて券面の情報と内部メモリCaに記憶されている情報が異なる(あるいは異なる可能性が高い)場合に、券面の情報と内部メモリCa内の情報とが不一致であることを示す情報(マーク)Mが印刷されるようになっている。
【0025】
上記印刷領域51には、申請者が所持している免許証Cの内部メモリCaに記憶されている顔画像データが申請者の顔画像として印刷される。また、当該免許証Cの券面(表面あるいは裏面)から光学的に読み取った顔画像データを申請者の顔画像として印刷するようにしても良い。上記印刷領域52には、スキャナにより免許証Cの表面から読み取った画像データ(表面の画像)と裏面から読み取った画像データ(裏面の画像)とがそれぞれ印刷される。上記印刷領域53には、免許証Cに関する情報が印刷される領域である。上記印刷領域53には、例えば、免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報(内部メモリから読み取った情報)として、氏名、呼び名、生年月日、本籍、住所、条件などが印刷される。
【0026】
次に、上記申請書作成システムによる申請書の作成動作について説明する。
図5は、上記申請書作成システムによる申請書の作成動作を説明するためのフローチャートである。また、図6、図7および図8は、上記申請書作成システムの申請書作成段階における操作画面の表示例を示す図である。なお、ここでは、上記コンピュータ11の表示部23および操作部24は、タッチパネル内蔵の表示装置により構成されているものとし、申請者(利用者)からの操作指示は、当該表示装置に表示されたタッチキーを触れることにより入力されるものとする。
【0027】
まず、コンピュータ11の電源が投入されると、コンピュータ11の制御部21は、起動処理を実行するとともに、上記読取装置12、印刷装置13、およびサーバ装置14との接続状態を確認する処理を行う。上記読取装置12、印刷装置13およびサーバ装置14との接続が確立して当該コンピュータ11が起動すると、上記制御部21は、図6に示すようなメインメニュー画面を上記表示部23に表示する(ステップS1)。
【0028】
図6に示すメインメニュー画面では、更新申請書の作成開始を指示する作成キー61と、その他のの操作を指示するその他キー62と、終了を指示する終了キー63とがタッチパネルにより選択可能な状態で表示されている。この状態において、申請者が上記作成キー61に触れると、上記制御部21は、上記記憶部22に記憶されている申請書の作成処理用にプログラムをロードすることにより、申請書の作成処理を開始する。
【0029】
上記申請書の作成処理を開始すると、上記制御部21は、まず、申請者が所持している免許証Cを読取装置12に提示する旨の案内(メッセージ)を上記表示部23により表示する(ステップS2)。図7は、免許証Cを読取装置12の図示しない挿入口に挿入する旨の案内画面の例である。図7に示す案内画面では、免許証Cの挿入を案内する案内が表示される領域71と、免許証Cの情報を読み込む旨を指示する読込キー72と、処理をキャンセルする旨を指示するキャンセルキー73とが表示されている。
【0030】
この状態において、申請者が免許証Cを読取装置12の挿入口に挿入して上記読込キー72に触れると、上記制御部21は、読取装置12に対して、上記カードリーダ31により挿入された免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報を読み込むことと、上記スキャナ32により挿入された免許証Cの券面(表面および裏面)の画像を読み取ることとを指示する。
【0031】
上記制御部21からの指示に応じて、上記読取装置12では、カードリーダ31により免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報を読み込むとともに(ステップS3)、上記スキャナ32により免許証Cの券面(表面および裏面)の画像を電子データとしての画像データに変換することにより読み込む(ステップS4)。この際、上記読取装置12は、上記カードリーダ31により読み込んだ情報と上記スキャナ32により読み込んだ画像データとを図示しないインターフェースを介して上記コンピュータ11へ供給する。これにより、上記コンピュータ11では、上記読取装置12から供給された情報を上記記憶部22に記憶する。
【0032】
上記読取装置12からの免許証Cの券面の画像データの読み込みが完了すると、上記コンピュータ11の制御部21は、上記OCR処理部25により当該免許証Cの券面の画像データに対して文字認識処理を行う(ステップS5)。これにより、上記コンピュータ11では、当該免許証Cの券面に印字されている情報を認識する。
【0033】
免許証Cの券面の画像データが文字情報を認識すると、上記制御部21は、免許証Cの内部メモリCaから読み取った情報と券面の画像データから認識した情報とを比較することにより両者が同一人物の情報であるかを判定する。すなわち、この判定処理では、当該免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報と券面に印字されている情報として同一人物のものであるか否かを判定する処理を行う。
【0034】
なお、上記判定処理では、当該免許証Cの内部メモリCaから読み取った情報と券面の画像データから認識した情報とが同一人物のものであるか否かを判定できれば良い。例えば、画像データからの文字認識処理では、誤読する可能性がありうる。このため、当該免許証Cの内部メモリCaから読み取った情報と券面の画像データから認識した情報とが完全に一致しなくとも、上記OCR処理部25における誤認識率を考慮して、同一人物であるか否かが判定するようにすれば良い。
【0035】
また、本実施の形態では、免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報と券面の画像データから認識された文字情報とを比較することにより内部メモリCaに記憶されている情報と券面の情報とが一致するか否かを判定するものとしたが、免許証Cの内部メモリCaに記憶されている顔画像データと券面に印刷されている顔画像(あるいはカメラ等により撮影される申請者自身の顔画像)とを顔照合処理により照合することにより内部メモリCaに記憶されている情報と券面の情報とが一致するか否かを判定するようにしても良い。
【0036】
上記判定処理により免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報と券面に印字されている情報とが一致すると判定した場合(同一人物のものであると判定した場合)、上記制御部21は、上記読取装置12により読み込んだ情報(免許証Cの内部メモリCaから読み取った情報と免許証Cの券面の画像データ)に基づいて図4に示すような申請書Pを作成するための印刷データを生成する。
【0037】
このような印刷データを生成すると、上記制御部21は、上記表示部23に印刷データが正しいか否かを申請者自身に確認させるための確認画面を表示する。図8は、申請書の印刷データが正しいか否かを申請者に確認させるための確認画面の例である。図8に示す確認画面では、申請書に印刷される印刷データの表示領域81と、申請書の印刷を指示する印刷キー82と、申請書の作成の中止を指示するキャンセルキー83とが表示されている。
【0038】
このような確認画面において印刷データを確認した申請者が印刷キー82に触れると、上記制御部21は、申請書の作成指示とともに、当該申請書の印刷データを上記印刷装置13へ供給する。上記印刷データを受信した印刷装置13は、申請書Pとして使用される所定の用紙に上記コンピュータ11から供給された印刷データを印刷することにより申請書Pを作成する(ステップS7)。
【0039】
また、上記判定処理により免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報と券面に印字されている情報とが不一致であると判定した場合(同一人物のものでないと判定した場合)、上記制御部21は、上記読取装置12により読み込んだ情報(免許証Cの内部メモリCaから読み取った情報と免許証Cの券面の画像データ)に加えて不一致であることを示す情報(マーク)Mが印刷される図4に示すような申請書Pを作成するための印刷データを生成する。
【0040】
このような印刷データを生成すると、上記制御部21は、上記表示部23に印刷データが正しいか否かを申請者自身に確認させるための図8に示すような確認画面を表示する。このような確認画面において申請者が印刷キー82に触れると、上記制御部21は、申請書の作成指示とともに、当該申請書の印刷データを上記印刷装置13へ供給する。これにより、上記印刷データを受信した印刷装置13は、申請書Pとして使用される所定の用紙に上記コンピュータ11から供給された印刷データを印刷することにより申請書Pを作成する(ステップS8)。
【0041】
なお、本実施の形態では、免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報と券面の情報とが不一致であると判定した場合、申請書Pに不一致であることを示すマークを印刷するようにしたが、免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報と券面の情報とが不一致であると判定した場合の処理としては種々の形態が可能である。
【0042】
たとえば、免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報と券面の情報とが不一致であると判定した場合、上記コンピュータ11は、当該免許証Cによる申請書Pを作成を不可とし、内部メモリCaに記憶されている情報と券面の情報とが不一致であるため、申請書の作成が不可である旨を上記表示部により表示するようにしても良い。
【0043】
この場合、内部メモリCaの情報と券面の情報とが不一致となっている免許証は、例えば、券面の情報が不正に書き換えられた不正なものである可能性がある。このため、内部メモリCaの情報と券面の情報とが不一致となった免許証については、申請書Pを作成しないようにすることができ、申請書の作成段階で免許証の正当性を確認することができ、不正な免許証を用いた申請書の作成を防止することができる。
【0044】
また、免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報と券面の情報とが不一致であると判定した場合、申請書の作成を不可とするとともに、上記読取装置12に挿入された免許証Cを排出しないようにしても良い。これにより、不正な免許証を用いた申請書の作成を防止することができるとともに、不正な免許証を申請者に返却せず、係員が対応することが可能となる。
【0045】
また、免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報と券面の情報とが不一致であると判定した場合、さらに、上記コンピュータ11からサーバ装置14に対して不一致である旨を通知するようにしても良い。この場合、上記サーバ装置14では、上記表示部23に免許証の内部メモリの情報と券面の情報とが不一致となった旨を表示する。これにより、サーバ装置14側、つまり、当該システムを監視(管理)する者が、不正である可能性が高い免許証を用いた申請書の作成処理を容易かつ迅速に認識することができる。
【0046】
また、免許証Cの内部メモリCaに記憶されている情報と券面の情報とが不一致であると判定した場合、上記コンピュータ11からサーバ装置14への不一致である旨の通知に基づいて、上記サーバ装置14は、上記データベース41に更新申請書の作成のために提示された免許証の券面の情報が当該免許証の内部メモリに記憶されている情報と異なっている旨を記憶するようにしても良い。これにより、サーバ装置14では、不正である可能性が高い免許証を用いて申請書の作成処理が行われたことを記憶しておくことが可能となる。
【0047】
上記のように、本実施の形態は、免許証としてのICカードの内部メモリに記憶されている情報を読取装置により読み取り、この読取装置により読み取った情報に基づいて当該免許証の申請書としての印刷データをコンピュータにより生成し、このコンピュータにより生成された印刷データを当該免許証に関する情報を申請書として用いられる所定の用紙に印刷装置により印刷するようにしたものである。
【0048】
これにより、一般的な装置の組み合わせからなる安価なシステム構成によって、申請書自身による簡単な操作で、免許証に関する情報が印刷された申請書を容易に作成することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、免許証としてのICカードの内部メモリに記憶されている情報を読み取とともに、当該免許証の券面の画像を読取装置により読み取り、免許証の内部メモリから読み取った情報と免許証の券面の画像とを含む当該免許証の申請書としての印刷データをコンピュータにより生成し、このコンピュータにより生成された印刷データを当該免許証に関する情報を申請書として用いられる所定の用紙に印刷装置により印刷するようにしたものである。
【0050】
これにより、一般的な装置の組み合わせからなる安価なシステム構成によって、申請書自身による簡単な操作で、免許証に関する情報と免許証の券面の画像とが印刷された申請書を容易に作成することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、免許証としてのICカードの内部メモリに記憶されている情報を読み取とともに、当該免許証の券面の画像を読取装置により読み取り、免許証の内部メモリから読み取った情報と免許証の券面の画像とを含む当該免許証の申請書としての印刷データをコンピュータにより生成し、このコンピュータにより生成された印刷データを当該免許証に関する情報を申請書として用いられる所定の用紙に印刷装置により印刷するとともに、当該免許証の券面の画像データに対して文字認識処理を施し、その文字認識により認識された情報と内部メモリから読み取った情報とが一致するか否かを判定し、両者が不一致と判定された場合には不一致であることを申請者や係員に報知するようにしたものである。
【0052】
これにより、一般的な装置の組み合わせからなる安価なシステム構成によって、申請書自身による簡単な操作で、免許証に関する情報を印刷した申請書を容易に作成することができとともに、当該免許証の正当性を確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施の形態に係る申請書(書類)作成システムの構成例を概略的に示す図。
【図2】この発明の実施の形態に係る申請書作成システムの構成例を示すブロック図。
【図3】ICカードとしての免許証の内部メモリに記憶されているデータの構成例を示す図。
【図4】申請書作成システムにより作成される申請書の例を示す図。
【図5】申請書作成システムによる申請書の作成動作を説明するためのフローチャート。
【図6】メインメニュー画面の表示例を示す図。
【図7】免許証を読取装置の挿入口に挿入する旨の案内画面の表示例を示す図。
【図8】申請書の印刷データが正しいか否かを申請者に確認させるための確認画面の表示例を示す図。
【符号の説明】
【0054】
C…免許証、Ca…内部メモリ、P…申請書、M…マーク、1…申請書作成システム、11…コンピュータ(電子計算機)、12…読取装置、13…印刷装置、14…サーバ装置、21…制御部、22…記憶部、23…表示部、24…操作部、25…文字認識部(OCR処理部)、31…カードリーダ、32…スキャナ、41…データベース、42…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯可能電子媒体に記録されている情報を印刷した書類を作成する書類作成システムにおいて、
申請者から提示された携帯可能電子媒体の内部メモリに記憶されている情報を読み取る読取装置と、
前記読取装置により読み取った情報に基づいて作成すべき書類の印刷データを生成する電子計算機と、
前記電子計算機により生成された印刷データを書類として用いられる所定の用紙に印刷する印刷装置と、
を有することを特徴とする書類作成システム。
【請求項2】
携帯可能電子媒体に記録されている情報を印刷した書類を作成する書類作成システムにおいて、
申請者から提示された携帯可能電子媒体の内部メモリに記憶されている情報を読み取る第1の読取手段と、当該携帯可能電子媒体の券面の画像を読み取る第2の読取手段とを有する読取装置と、
前記第1の読取手段により読み取った情報と前記第2の読取手段により読み取った画像とに基づいて作成すべき書類の印刷データを生成する電子計算機と、
前記電子計算機により生成された印刷データを書類として用いられる所定の用紙に印刷する印刷装置と、
を有することを特徴とする書類作成システム。
【請求項3】
携帯可能電子媒体に記録されている情報を印刷した書類を作成する書類作成システムにおいて、
申請者から提示された携帯可能電子媒体の内部メモリに記憶されている情報を読み取る第1の読取手段と、当該携帯可能電子媒体の券面の画像を読み取る第2の読取手段と、を有する読取装置と、
前記第2の読取手段により読み取った携帯可能電子媒体の券面の画像に含まれている文字を認識する文字認識手段と、この文字認識手段により認識した文字情報と前記第1の読取手段により読み取った情報とが同一人物のものであるか否かを判定する判定手段と、この判定手段により内部メモリから読み取った情報と券面の画像から認識された文字情報とが同一人物のものであると判定した場合、前記第1の読取手段により読み取った情報と前記第2の読取手段により読み取った画像とに基づいて作成すべき書類の印刷データを生成する生成手段と、を有する電子計算機と、
前記電子計算機により生成された印刷データを書類として用いられる所定の用紙に印刷する印刷装置と、
を有することを特徴とする書類作成システム。
【請求項4】
前記生成手段は、前記判定手段により内部メモリから読み取った情報と券面の画像から認識された文字情報とが同一人物のものでないと判定した場合、前記第1の読取手段により読み取った情報と前記第2の読取手段により読み取った画像とに加えて、当該携帯可能電子媒体の券面に印字されている情報と当該携帯可能電子媒体の内部メモリに記憶されている情報とが不一致であることを示す情報を含む書類の印刷データを作成する、ことを特徴とする前記請求項3に記載の書類作成システム。
【請求項5】
前記電子計算機は、さらに、前記判定手段により内部メモリから読み取った情報と券面の画像から認識された文字情報とが同一人物のものでないと判定した場合、当該携帯可能電子媒体の券面に印字されている情報と当該携帯可能電子媒体の内部メモリに記憶されている情報とが不一致であることを報知する報知手段を有する、ことを特徴とする前記請求項3に記載の書類作成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−175670(P2006−175670A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369751(P2004−369751)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】