説明

最適化されたサイト近接度を有する多金属触媒の調製方法

本発明は、白金族の少なくとも1種の金属Mと、スズと、リンプロモータと、ハロゲン化合物と、多孔質担体と、ガリウム、インジウム、タリウム、ヒ素、アンチモンおよびビスマスを含む群から選択される少なくとも1種のプロモータX1とを含む触媒の調製方法に関する。単数または複数のX1プロモータおよびリンは、1回以上のサブ工程a1)またはa2)の間に加えられ、サブ工程a1)は、主要酸化物の前駆体の合成に対応し、サブ工程a2)は、担体の成形に対応する。スズは、サブ工程a1)およびa2)の少なくとも1つの間に加えられる。生成物は、乾燥させられおよび焼成され、その後に、白金族の少なくとも1種の金属Mを沈着させる。次いで、集合物は、中性ガス流下または酸素含有ガス流下に乾燥させられ、さらに焼成される。本発明はまた、接触改質または芳香族化合物生成反応における、前記方法によって得られた触媒の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素の転化の分野に関し、より具体的には、ガソリン留分の製造のための、触媒の存在下での炭化水素供給原料の改質に関する。本発明はまた、前記転化に使用される白金族からの少なくとも1種の金属をベースとする、向上した触媒配合、並びに、それらの調製様式に関する。
【背景技術】
【0002】
プロモータを、白金ベース触媒に添加して、炭化水素供給原料の改質に関し触媒性能を向上させることが数多くの特許に記載されている。それ故に、特許文献1には、プロモータ、例えば、ガリウム、インジウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、タリウム、またはアクチニウムを、白金またはパラジウムをベースとする触媒に添加することが記載されている。
【0003】
特許文献2には、白金と、スズと、インジウムと、ハロゲン化化合物とを担体上に担持して含み、インジウム/白金の原子比は、1.14超である、改質触媒が記載されている。
【0004】
特許文献3には、粒子の均質な床の形態の触媒であって、無定形マトリクスと、少なくとも1種の貴金属と、少なくとも1種のハロゲンと、少なくとも1種の追加金属とを含む触媒が記載されている。前記追加金属は、好ましくは、スズ、ゲルマニウム、鉛、ガリウム、インジウム、タリウム、レニウム、マンガン、クロム、モリブデン、およびタングステンによって構成される群より選択される。
【0005】
リンも、厳密に4個超の炭素原子を含有する炭化水素化合物(C5+)、特に芳香族生成物の収率を向上させることが知られている。この特性は、特許文献4〜9において特許請求されている。近年、特許文献10には、希釈された量(1重量%未満)のリンを添加することで、触媒改質方法において触媒を使用する間、比表面積および塩素がより良好に保持されることにより、担体が安定化することが記載されている。
【0006】
特許文献11〜12には、均質に分布したビスマスおよびリンを含有し、水素化処理されたナフサの接触改質用の触媒の調製のために用いられる担体が記載されている。これらの特許によると、ビスマスのみを担体に添加することにより、コークスの形成および活性の低下を減速させることが可能であるが、同時にC5+収率が低減してしまう一方で、リンのみを添加することにより、触媒の安定性を向上させることなしに、この収率が増加する。これら2つの元素を組み合わせることにより、コークスの形成をさらに減速させることが可能であると同時に、0.10〜0.06重量%の範囲のBi含有量および0.3重量%のP含有量であれば、より良好な選択性を有する。これら2つの特許は、他の元素について特許請求していない。
【0007】
固体状態のNMR分光法、特にマジック角スピニング(magic angle spinning:MAS)31P NMRが、アルミノホスファートタイプの材料中のリン原子の環境の特徴付けのために集中的に用いられてきた。このタイプの材料は、0〜−30ppmの範囲のケミカルシフトを有しており、このことは、Sayariらの非特許文献1またはBlackwellらの非特許文献2〜3による論文に記載されている。シフトの上記範囲において、アルミナ中のリンについて完全に凝縮されたサイトは、不完全な凝縮を有するサイトから区別され得、このことは、Huangらの非特許文献4によって示されている。しかし、より正確にリンの環境の性質を決定するためには、このような単一の一連の実験だけでは不十分である。Hc31P交差分極マジック角スピニング(cross polarization magic angle spinning:CP MAS)NMRのように、この一連を結び付けることにより、例えば、リンのプロトン化された環境を区別することが可能となり、したがってマトリクス中の原子から表面の原子を差別化することが可能となる。
【0008】
さらに、赤外線分光法を用いる、担持金属触媒上への一酸化炭素の吸着のモニタリングは、吸着が周囲温度で起こるかあるいは液体窒素の温度で起こるかに依存して、金属粒子の電子密度または担体の酸度に関する情報を取得する手段である。例えば、アルミナ上に担持された白金をベースとする触媒の場合、周囲温度で、一酸化炭素は優先的に白金上に吸着する。この吸着は、2種の結合を介して起こる:
・COのp軌道と金属の空d軌道との間のσ結合;
・充填d軌道とCOの空(empty)反結合性軌道との間のπバックボンディング。
【0009】
後者の結合の強度は、電子を供与する金属の容量に依存する。したがって、電子を豊富に含む金属粒子の場合、バックボンディングがより強くC−O結合が弱められる:C−O結合の波数は減少する。
【0010】
金属粒子の場合、C−O結合の波数(νCO)が、オーバーラップの程度に伴って変動することが観察される。この現象は、吸着分子間の双極子結合によって引き起こされるパータベーションによって説明される。このパータベーションを補うために、C−O結合についての波数は、ゼロ度のオーバーラップであると推定される。この値は、粒子の電子密度に関する情報を提供する。
【0011】
実際、Primetらの非特許文献5に記載された方法を用いる、金属粒子上への一酸化炭素の吸着に相当する帯域中のC−O結合の振動バンドの変位の分析が、ゼロ度のオーバーラップでのC−O結合の波数を得るために用いられ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第2814599号明細書
【特許文献2】米国特許第4522935号明細書
【特許文献3】仏国特許発明第2840548号明細書
【特許文献4】米国特許第2890167号明細書
【特許文献5】米国特許第3706815号明細書
【特許文献6】米国特許第4367137号明細書
【特許文献7】米国特許第4416804号明細書
【特許文献8】米国特許第4426279号明細書
【特許文献9】米国特許第4463104号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2007/0215523号明細書
【特許文献11】米国特許第6864212号明細書
【特許文献12】米国特許第6667270号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】サヤリ(Sayari)ら著、「Chem. Mater.」、1996年、第8巻、p.2080−2088
【非特許文献2】ブラックウェル(Blackwell)ら著、「J. Phys. Chem.」、1988年、第92巻、p.3965−3970
【非特許文献3】ブラックウェル(Blackwell)ら著、「J. Phys. Chem.」、1984年、第88巻、p.6135−6139
【非特許文献4】ハング(Huang)ら著、「J. Am. Chem. Soc.」,2005年、第127巻、第8号、p.2731−2740
【非特許文献5】プリメット(Primet)ら著、「ジャーナル・オフ・キャタリシス(Journal of Catalysis)、1984年、第88巻、p.273−282
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要約)
本発明は、白金族からの少なくとも1種の金属Mと、スズと、リンプロモータと、ハロゲン化化合物と、多孔質担体と、ガリウム、インジウム、タリウム、ヒ素、アンチモン、およびビスマスによって構成される群より選択される少なくとも1種のプロモータX1とを含む触媒に関する。触媒は、HPOのシグナルに対して−30〜−50ppmの範囲に、31Pマジック角スピニングNMRシグナルを有する。それはまた、オーバーラップのゼロ度における一酸化炭素結合についての波数:2077cm−1超を有する。本発明は、また、前記触媒の調製、および接触改質または芳香族生成反応におけるその使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明は、白金族からの少なくとも1種の金属Mと、スズと、リンプロモータと、ハロゲン化化合物と、多孔質担体と、少なくとも1種のプロモータX1とを含む触媒であって、該プロモータX1は、ガリウム、インジウム、タリウム、ヒ素、およびアンチモンによって構成される群より選択され、好ましくはガリウム、タリウム、およびインジウムによって構成される群より選択され、一層好ましくはガリウムおよびインジウムによって構成される群より選択され、かつ、前記触媒は、31Pマジック角スピニングNMRシグナルをHPOのシグナルに対して−30〜−50ppmの範囲に有する、触媒に関する。
【0016】
本発明の触媒により、向上した触媒性能が得られる。特に、前記触媒の選択性がC5+化合物(すなわち、少なくとも5個の炭素原子を含む化合物)の形成に向けて増加し、同時にコークスの形成が相当低減する。
【0017】
触媒調製方法は、担体調製工程の間に、リンおよび数または複数のプロモータX1を導入する工程を含む。本発明の触媒の特徴である31P MAS NMRにおいて観察されるシグナルは、リンおよび単数または複数の元素X1が、合成の間または担体の成形の間に一緒に導入される場合に得られる。
【0018】
原子比Sn/Mは、一般的に0.5〜4.0の範囲、より好ましくは1.0〜3.5の範囲、一層好ましくは1.3〜3.2の範囲である。比X1/Mは、一般的に0.1〜5.0の範囲、より好ましくは0.2〜3.0の範囲、一層好ましくは0.4〜2.2の範囲である。比P/Mは、一般的に0.2〜30.0の範囲、より好ましくは0.5〜20.0の範囲、一層好ましくは1.0〜15.0の範囲である。金属Mの量は、一般的に0.01〜5重量%の範囲、より好ましくは0.01〜2重量%の範囲、より一層好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。
【0019】
金属Mは、一般的に白金またはパラジウム、一層好ましくは白金である。ハロゲン化化合物は、一般的にフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素によって構成される群より選択される。ハロゲン化化合物の量は、一般的に0.1〜15.0重量%の範囲、より好ましくは0.1〜8.0重量%の範囲、より一層好ましくは0.2〜5重量%の範囲である。ハロゲン化化合物が塩素である場合、塩素の量は、一般的に0.0〜5.0重量%の範囲、好ましくは0.5〜2.0重量%の範囲である。
【0020】
31P MAS NMRおよびH→31P CP MAS技術が、本発明者らの種々のサンプルに適用された。それらは、第一に、最適化された触媒性能を有する触媒について、ケミカルシフトを、基準としてのHPOに対して、31P MAS NMRスペクトルにおいて−30〜−50ppmの範囲に有するシグナルの存在を明らかにするために用いられた。第二に、MASとCP MASを組み合わせた分析もまた、これらの触媒について、ケミカルシフトを0〜−7ppmの範囲に有する31P NMRシグナルにおける大幅な増加(gain)を示すために用いられた。このシグナルは、プロトン化され、かつ、担体が調製される方法の特徴である、表面のリンの部分に相当する。
【0021】
4mmのMASプローブを用いるBruker DSX400MHz分光計を用いて、スペクトルが得られた。サンプルは、酸化された形態で分析された。スピニング周波数は、2つのタイプの実験(31P MASおよびH→31P CP MAS)で、10〜12kHzに固定された。H→31P CP MASスペクトルは、2〜5μ秒の範囲の時間にわたりプロトン上の磁化をπ/2だけスウィングさせることにより得られた。用いられたCP接触時間は、ハルトマン−ハーン(Hartmann Hahn)条件を満たすように最適化された。ケミカルシフトは、基準として用いられたHPOのケミカルシフトに対して表された。
【0022】
赤外線分光法分析が、Nexus 1分光計上で行われた。COの吸着の前に、サンプルは、1時間の150℃での一定温度段階を伴う4時間にわたる25℃から450℃への昇温によって予備処理され、次いで、10時間にわたり高真空下に450℃で放置された。サンプルは、その後、450℃で30分間にわたり過剰のH中で還元された。次いで、高真空が15分間にわたり施された。還元手順は4回行われた。
【0023】
COパルス吸着が周囲温度で行われ、ついで一酸化炭素が25℃、50℃、75℃、100℃、および150℃で脱着させられた。各温度で、赤外線スペクトルが記録された。次に、ゼロ度のオーバーラップに対するC−O結合の波数(νCO)を推定するために、PrimetらによりJournal of Catalysis 88, (1984), pp 273-282において記載された方法が用いられた。
【0024】
これらの測定により、ナフサの接触改質のための反応における、最適化された芳香族収率は、低減した電子密度を金属M上に有する触媒に起因し、これが厳密に2077cm−1超の、オーバーラップのゼロ度におけるνCOを生じさせることが示された。
【0025】
担体は、一般的に、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、およびケイ素の酸化物によって構成される群より選択される少なくとも1種の酸化物を含む。好ましくは、それは、シリカ、アルミナ、またはシリカ−アルミナであり、一層好ましくはアルミナである。本発明によると、前記多孔質担体は、有利には、ビーズ、押出物、ペレット、または粉体の形態である。一層有利には、前記担体はビーズまたは押出物の形態である。担体の細孔容積は、好ましくは0.1〜1.5cm/gの範囲、より好ましくは0.4〜0.8cm/gの範囲である。さらに、前記多孔質担体の比表面積は、有利には50〜600m/gの範囲、好ましくは100〜400m/gの範囲、さらに好ましくは150〜300m/gの範囲である。
【0026】
本発明は、また、本発明の触媒の調製方法に関し、以下の工程を含む:
a) サブ工程a1)またはa2)の一方の間に、単数または複数のプロモータX1およびリンを導入する工程、ここで、前記サブ工程a1)は、主要酸化物の前駆体の合成に相当し、前記サブ工程a2)は担体の成形に相当する;
b) サブ工程a1)およびa2)のうち少なくとも一方の間にスズを導入する工程、ここで、工程a)およびb)は場合により連続的にあるいは同時に行われる;
c) 工程b)の終わりに得られた生成物を乾燥させる工程;
d) 工程c)で得られた生成物を、350〜650℃の範囲の温度で焼成する工程;
e) 白金族からの少なくとも1種の金属Mを沈着させる工程;
f) 中性ガス流または酸素含有ガス流中、150℃を越えない中程度の温度で乾燥させる工程;
g) 工程f)で得られた生成物を、350〜650℃の範囲の温度で焼成する工程。
【0027】
スズは、担体を成形する時に一部のみ導入され得、その時には、この方法は、スズの補完部分を担体上に沈着させる補足工程を、工程d)と工程e)の間、または工程e)と工程f)の間または工程g)の後のいずれかに含み、工程d)と工程e)の間に補足工程を行う場合には、それに続いて乾燥および焼成を行ってもよいしまたは行わなくてもよく、または工程e)と工程f)の間または工程g)の後に補足工程を行う場合には、それに続いて乾燥および焼成を行う。
【0028】
工程g)の焼成は、一般的に空気の存在下で行われ、この空気は、場合により酸素または窒素を豊富に富む。
【0029】
プロモータX1、P、およびSnは、当業者に公知のあらゆる技術を用いて導入され得る。担体へのこれらの導入の間、プロモータX1、P、およびSnは、混合、共沈、または溶解によって加えられ得るが、これらの方法に制限されるわけではない。
【0030】
したがって、スズの導入は、前駆体X1およびPの導入と同時に行われてもよく、または、前駆体X1およびPの導入の前または後に別個に行われてもよい。
【0031】
単数または複数のプロモータX1およびリンを、すなわち、酸化物前駆体の合成の間に導入する場合、本発明による調製のための好ましい方法によると、スズ、リン、および単数または複数の前駆体X1は、主要酸化物の前駆体の合成の間に、ゾル−ゲルタイプの技術を用いて導入される。
【0032】
別の好ましい方法によると、前駆体は、主要酸化物の前駆体の調製されたゾルに添加される。
【0033】
担体は、従来の担体の成形技術、例えば、押出または油滴凝固(oil drop coagulation)を含む成形手順を用いて成形される。
【0034】
X1の前駆体は、X1の性質に応じた複数のタイプのものであり、単体または混合物として用いられてよい。インジウムの場合、インジウムのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、シアニド、または水酸化物が適している。ガリウムのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、シアニド、水酸化物、およびオキシハロゲン化物タイプの前駆体が用いられてよい。タリウムは、タリウムの硝酸塩、硫酸塩、および水酸化物の形態で導入されてもよい。アンチモンの場合、アンチモンの硝酸塩、硫酸塩、および水酸化物が適している。ヒ素のハロゲン化物およびオキシハロゲン化物の前駆体が用いられてよい。ビスマスは、ビスマスのハロゲン化物、硝酸塩、水酸化物、オキシハロゲン化物、または炭酸塩の形態で、あるいはビスマス酸として導入されてよい。
【0035】
スズ前駆体は、無機タイプのものであってよく、あるいは有機金属タイプのものであってよく、場合により水溶性の有機金属タイプのものである。種々の前駆体が、単独でまたは混合物として用いられてよい。特に、スズが選択されてよい。限定されない方法で、スズは、ハロゲン化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、および硝酸塩の化合物によって形成される群から選択されてよい。これらの形態のスズは、触媒調製媒体に導入されてよい。それらは、(例えば、スズおよびカルボン酸を導入することにより)現場で(in situ)発生させられるか或いは発生させられ得るからである。有機金属スズベースのタイプの前駆体の例は、SnR(式中Rは、アルキル基(例えば、ブチル)である)、MeSnCl、MeSnCl、EtSnCl、EtSnCl、EtSnCl、iPrSnClの群、および水酸化物MeSnOH、MeSn(OH)、EtSnOH、EtSn(OH)、酸化物(BuSn)O、アセタートBuSnOC(O)Meを表す。好ましくは、ハロゲン化された種、特にスズの塩素化された種が用いられる。特に、SnClまたはSnClが有利に用いられる。
【0036】
スズの場合にすでに成形された担体中または担体上に、プロモータSn、X1、およびPを導入すれば、本発明の触媒の調製手順は、白金族からの金属Mの沈着前に焼成(工程d))を必要とする。好ましくは、前記焼成は、350〜650℃の範囲、好ましくは400〜600℃の範囲、より好ましくは400〜550℃の範囲の温度で行われる。昇温は、規則正しくてよく、あるいは、中間の一定の温度段階を含んでよく、固定または可変の温度プロファイルで前記段階に到達する。したがって、これらの昇温は、それらの速度(分当たりまたは時間当たりの度)が同一であっても異なってもよい。焼成の間に用いられるガスの雰囲気は、酸素を含有し、好ましくは2〜50体積%の範囲、より好ましくは5〜25体積%の範囲である。したがって、空気もまた、この焼成工程の間に用いられてよい。
【0037】
担体を得た後、白金族からの少なくとも1種の金属Mが沈着させられる(工程e))。この工程において、金属Mは、白金族からの金属Mを含有する1つの前駆体または前駆体混合物を用いて、乾式含浸または過剰溶液含浸(excess solution impregnation)によって導入されてよい。含浸は、金属Mの前駆体と担体との間の相互作用で作用する種の存在下で行われてよい。限定しない方法で、前記種は、無機酸(HCl、HNO)または有機酸(カルボン酸またはポリカルボン酸のタイプ)、および有機錯体タイプの化合物であってよい。好ましくは、含浸は、触媒内に金属Mの均質な分布を得るための、当業者に公知のあらゆる技術を用いて行われる。
【0038】
金属Mの前駆体は、以下の群の一部を形成するが、このリストは限定されるものではない:ヘキサクロロ白金酸、ブロモ白金酸、クロロ白金酸アンモニウム、塩化白金、白金ジクロロカルボニルジクロリド、および白金テトラミンクロリド。
【0039】
この段階で、X1、Sn、P、および白金を含有する触媒は、中性雰囲気中または酸素を含有する雰囲気(空気が用いられてもよい)中で好ましくは250℃を越えない中程度の温度で乾燥させられる(工程f))。好ましくは、乾燥は、200℃以下の温度で数分から数時間の期間にわたり行われる。
【0040】
この工程の後、工程f)で得られた生成物の焼成が行われる。前記焼成は、好ましくは、空気の存在下で行われる。この空気は、酸素または窒素を豊富に含んでよい。好ましくは、前記ガス中の酸素含有量は、0.5〜30.0体積%、より好ましくは2〜25体積%の範囲に達する。
【0041】
前記焼成は、350〜650℃の範囲、好ましくは400〜650℃の範囲、より好ましくは450〜550℃の範囲の温度で行われる。温度プロファイルは、場合により、一定の温度段階を含んでよい。
【0042】
本発明の触媒の調製において用いられる種々の前駆体がハロゲンを含有しないかあるいは充分な量のハロゲンを含有しない場合、調製の間にハロゲン化化合物を添加する必要があり得る。当業者に公知のあらゆる化合物が用いられ、本発明の触媒の調製のための工程のうちのいずれかに組み入れられてよい。特に、フリーデル・クラフトタイプの化合物、例えば、塩化アルミニウムまたは臭化アルミニウムを用いることが可能である。有機化合物、例えば、メチルまたはエチルのハロゲン化物、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、メチルクロロホルムまたは四塩化炭素を用いることも可能である。
【0043】
塩素は、オキシ塩素化処理を用いて本発明の触媒に加えられ得る。前記処理は、例えば、500℃で4時間にわたって、所望量の塩素を沈着させるのに必要な量のガス状塩素および例えばHO/Clモル比が20に近い量の水を含有する空気の流れ中で行われ得る。
【0044】
塩素は、塩酸水溶液の含浸によって添加されてよい。典型的な手順は、所望の量の塩素を導入するように固体物に含浸させることからなる。触媒は、この量の塩素を沈着させるのに充分な長さの期間にわたり、水溶液と接触させたまま保持される。次いで触媒は水分を排出され、80〜150℃の範囲の温度で乾燥させられ、最終的に、空気中、450〜650℃の範囲の温度で焼成される。
【0045】
本発明は、また、前記触媒を炭化水素供給原料と接触させることによる接触改質反応または芳香族生成反応における触媒の使用に関する。改質方法は、例えば、原油の蒸留および/または他の精製方法、例えば、接触分解または熱分解由来のガソリンフラクションのオクタン価を増加させるために用いられ得る。
【0046】
芳香族の生成のための方法により、石油化学において用いられ得るベース製品(ベンゼン、トルエン、キシレン)が製造される。
【0047】
これら2つの方法は、さらに興味深いものである。なぜなら、それらは、精製所で行われる水素化および水素化処理の方法に必須である大量の水素の製造に寄与するからである。これら2つのタイプの方法は、操作条件および供給原料の組成の選択によって区別され得、これらの方法は当業者に周知である。
【0048】
改質方法のための供給原料は、一般的に、分子当たり5〜12個の炭素原子を含有する、パラフィン、ナフテン、および芳香族炭化水素を含有している。前記供給原料は、とりわけ、密度および重量組成によって規定される。これらの供給原料は、40〜70℃の範囲の初留点および160〜220℃の範囲の終点を有してよい。それらは、また、初留点および終点が40〜220℃の範囲であるフラクションまたはガソリンフラクションの混合物によって構成されてもよい。供給原料は、160〜200℃の範囲の沸点を有する重質ナフサによって構成されてもよい。
【0049】
典型的には、改質触媒は、装置内に充填され、従来の還元処理を施される。この還元工程は、一般的に、希釈されたまたは高純度の水素の雰囲気中、有利には400〜600℃の範囲、好ましくは450〜550℃の範囲の温度で行われる。
【0050】
供給原料は、次いで、水素の存在下に導入され、水素/供給原料炭化水素のモル比は一般的に0.1〜10の範囲、好ましくは1〜8の範囲である。改質のための操作条件は、一般的に以下の通りである:温度:好ましくは400〜600℃の範囲、より好ましくは450〜540℃の範囲;圧力:好ましくは0.1〜4MPa、より好ましくは0.25〜3.0MPaの範囲。生成した水素の全てまたは一部が、改質反応器への入口に再循環させられてよい。
【0051】
(実施例)
以下の実施例は本発明を例証するものである。
【0052】
(実施例1(比較例):触媒A:Pt/(Al−Sn)−Clの調製)
0.3重量%のスズを含有しかつ平均径が1.2mmであるアルミナビーズの形態の担体の調製を、二塩化スズと、塩化アルミニウムの加水分解により得られたアルミナヒドロゾルとを接触させることにより行った。これにより得られたアルミナヒドロゾルを、次いで、添加油(additive oil)で満たされた垂直カラム中に通過させた。このようにして得られた球体を600℃までの温度で熱処理し、良好な機械的強度を有するビーズを得た。これにより得られた担体のBET比表面積は205m/gであった。
【0053】
この担体上への触媒Aの調製は、0.3重量%の白金と1重量%の塩素を最終触媒上に沈着させることにより行った。ヘキサクロロ白金酸および塩酸の水溶液400cmを、スズを含有するアルミナ担体100gに添加した。この水溶液を、4時間にわたり接触させたまま放置し、その後排水した。それを、120℃で乾燥させ、次いで2時間にわたり500℃で毎時100リットルの空気流中、分当たり7℃の昇温で焼成した。所定量の四塩化スズを選択して、焼成された生成物上に計0.3重量%のスズを得た。焼成後に得られた触媒Aは、0.29重量%の白金、0.30重量%のスズ、および1.02重量%の塩素を含有していた。
【0054】
(実施例2(比較例):触媒B:Pt/(Al−Sn−In)−Clの調製)
0.3重量%のスズおよび0.3重量%のインジウムを含有しかつ平均径が1.2mmであるアルミナビーズの形態の担体の調製を、二塩化スズおよび硝酸インジウムと、塩化アルミニウムの加水分解により得られたアルミナヒドロゾルとを接触させることにより行った。これにより得られたアルミナヒドロゾルを、次いで、添加油で満たされた垂直カラム中に通過させた。このようにして得られた球体を600℃までの温度で熱処理し、良好な機械的強度を有するビーズを得た。これにより得られた担体は、201m/gのBET比表面積を有していた。
【0055】
この担体上に触媒Bを調製し、実施例1と同量の白金および塩素の含有量を目標とした。焼成後に得られた触媒Bは、0.29重量%の白金、0.29重量%のスズ、0.30重量%のインジウム、および1.05重量%の塩素を含有していた。
【0056】
(実施例3(比較例):触媒C:Pt/(Al−Sn−P)−Clの調製)
0.3重量%のスズおよび0.4重量%のリンを含有しかつ平均径が1.2mmであるアルミナビーズの形態の担体を、実施例1に記載された方法と同様の方法で、二塩化スズおよびリン酸と、アルミナヒドロゾルとを接触させることにより得た。これにより得られた担体のBET比表面積は198m/gであった。
【0057】
この担体上に触媒Cを調製し、実施例1と同量の白金および塩素の含有量を目標とした。焼成後に得られた触媒Cは、0.30重量%の白金、0.31重量%のスズ、0.39重量%のリン、および1.00重量%の塩素を含有していた。
【0058】
(実施例4(本発明に合致する):触媒D:Pt/(Al−Sn−In−P)−Clの調製)
0.3重量%のスズ、0.3重量%のインジウムおよび0.4重量%のリンを含有しかつ平均径が1.2mmであるアルミナビーズの形態の担体を、実施例1に記載された方法と同様の方法で、二塩化スズ、硝酸インジウムおよびリン酸と、アルミナヒドロゾルとを接触させることにより得た。これにより得られた担体のBET比表面積は196m/gであった。
【0059】
この担体上に触媒Dを調製し、実施例1と同量の白金および塩素の含有量を目標とした。焼成後に得られた触媒Dは、0.30重量%の白金、0.31重量%のスズ、0.32重量%のインジウム、0.38重量%のリン、および1.00重量%の塩素を含有していた。
【0060】
(実施例5(本発明に合致する):触媒E:Pt/(Al−Sn−In−P)−Clの調製)
実施例4と同様の方法で、アルミナビーズの形態の担体を調製した。但し、本実施例においては、スズとリンは実施例4と同量であるが、インジウムは0.2重量%しか導入しなかった。これにより得られた担体のBET比表面積は210m/gであった。
【0061】
この担体上に触媒Eを調製し、実施例1と同量の白金および塩素の含有量を目標とした。焼成後に得られた触媒Eは、0.31重量%の白金、0.31重量%のスズ、0.22重量%のインジウム、0.40重量%のリン、および1.02重量%の塩素を含有していた。
【0062】
(実施例6(比較例):触媒F:Pt−In/(Al−Sn−P)−Clの調製)
担体を調製し、実施例3と同量のスズとリンを目標とした。これにより得られた担体のBET比表面積は180m/gであった。
【0063】
この担体上に触媒Fを調製し、最終触媒上に0.3重量%の白金、0.3重量%のインジウム、および1重量%の塩素を目標とした。
【0064】
ヘキサクロロ白金酸および塩酸の水溶液400cmを、スズとリンを含有するアルミナ担体100gに添加した。それを、接触させたまま4時間にわたり放置し、次いで排水した。それを、90℃で乾燥させ、次いで塩酸の存在下に硝酸インジウムの水溶液200cmと接触させた。それを、接触させたまま4時間にわたり放置し、排水し、120℃で乾燥させ、次いで2時間にわたり500℃で毎時100リットルの空気流中、分当たり7℃の昇温で焼成した。焼成後に得られた触媒Fは、0.30重量%の白金、0.32重量%のスズ、0.29重量%のインジウム、0.41重量%のリン、および1.04重量%の塩素を含有していた。
【0065】
(実施例7(比較例):触媒G:Pt−In−P/(Al−Sn)−Clの調製)
担体を調製し、実施例1と同量のスズを目標とした。
【0066】
この担体上に触媒Gを調製し、最終触媒上に0.3重量%の白金、0.3重量%のインジウム、0.4重量%のリン、および1重量%の塩素を目標とした。このようにして得られた担体のBET比表面積は209m/gであった。
【0067】
ヘキサクロロ白金酸および塩酸の水溶液400cmを、スズとリンを含有するアルミナ担体100gに加えた。それを、接触させたまま4時間にわたり放置した後、排水した。それを、90℃で乾燥させ、次いで塩酸の存在下に硝酸インジウムとリン酸の水溶液200cmと接触させた。それを、接触させたまま4時間にわたり放置し、排水し、120℃で乾燥させた後、2時間にわたり500℃で毎時100リットルの空気流中、分当たり7℃の昇温で焼成した。焼成後に得られた触媒Gは、0.30重量%の白金、0.31重量%のスズ、0.33重量%のインジウム、0.38重量%のリン、および1.05重量%の塩素を含有していた。
【0068】
(実施例8(本発明に合致する):触媒H:Pt−Sn/(Al−Sn−In−P)−Clの調製)
担体を調製し、実施例4と同量のインジウムおよびリン、ならびに0.2重量%のスズを目標とした。このようにして得られた担体のBET比表面積は182m/gであった。
【0069】
この担体上への触媒Hの調製を、0.35重量%の白金および補足的な0.2重量%のスズを沈着させることによって行い、最終触媒上に0.4重量%のスズと1重量%の塩素を得た。
【0070】
ヘキサクロロ白金酸および塩酸の水溶液400cmを、スズおよびインジウムを含有するアルミナ担体100gに添加した。それを、接触させたまま4時間にわたり放置した後、排水した。それを、90℃で乾燥させた後、塩酸の存在下に四塩化スズの水溶液200cmと接触させた。それを、接触させたまま4時間にわたり放置し、排水し、120℃で乾燥させた後、2時間にわたり500℃で毎時100リットルの空気流中、分当たり7℃の昇温で焼成した。焼成後に得られた触媒Hは、0.36重量%の白金、0.41重量%のスズ、0.29重量%のインジウム、0.41重量%のリン、および0.99重量%の塩素を含有していた。
【0071】
(実施例9(本発明に合致する):触媒I:Pt−Sn/(Al−Sn−Sb−P)−Clの調製)
0.1重量%のスズ、0.4重量%のアンチモン、および0.4重量%のリンを含有し、かつ平均径が1.2mmであるアルミナビーズ担体を、二塩化スズ、硝酸ガリウム、およびリン酸を用いる実施例4に記載の方法と類似の方法で調製した。このようにして得られた担体のBET比表面積は191m/gであった。
【0072】
前記担体から、実施例7と同量の白金、スズ、および塩素を有する触媒Iを調製した。焼成後に得られた触媒Gは、0.29重量%の白金、0.30重量%のスズ、0.32重量%のインジウム、0.42重量%のリン、および1.10重量%の塩素を含有していた。
【0073】
(実施例10:触媒A〜Iの赤外線およびNMR特徴付け)
本明細書に提示される方法を用いて測定される、触媒C〜Iの31P NMRシグナルの値、並びに、{H−31P}CP MASシリーズにおける種々のシグナルの面積の増加が、表1に詳細に記載されている。増加は、交差分極(CP MAS)において得られるシグナルの面積と、直接分極(MAS)において同様のケミカルシフトを有するシグナルの面積との比として計算した。
【0074】
9種の触媒についてのνCO値も、この表中に報告される。
【0075】
【表1】

【0076】
(実施例11:接触改質における触媒A〜Iの性能評価)
実施例1〜9に記載したように調製された触媒のサンプルを、石油の蒸留に由来するナフサタイプの炭化水素供給原料の転化に適応した反応床中に置いた。
【0077】
このナフサは、
・パラフィン化合物:52.6%;
・ナフテン:31.6%;
・芳香族分子:15.8%;
の組成(重量による)を有し、全体密度は0.759g/cmであった。
【0078】
供給原料のリサーチオクタン価は、55前後であった。
【0079】
反応器内に装填した後、触媒を、高純度の水素の雰囲気中2時間の期間にわたる490℃での熱処理により活性化した。
【0080】
改質反応条件下、水素および上記のナフサの存在下、触媒性能を評価した。特に、使用条件および触媒の比較条件は以下の通りであった:
・反応器の圧力は、8bar g(0.8Mpa g)に維持された;
・供給原料の流量:触媒の重量(kg)当たり2.0kg/時間;
・供給原料の水素/炭化水素モル比:4
供給原料の接触転化に由来する液体流出物(リフォメートとも称される)のリサーチオクタン価の等質(iso-quality)比較を行った。104のリサーチオクタン価に対して比較を行った。
【0081】
【表2】

【0082】
図1は、C−O結合の振動周波数の変位に応じた、芳香族化合物の収率の変化を示し、白金粒子の電子密度が、IRスペクトルを記録するための条件下で低減した場合に得られた芳香族生成物の収率における増加を例証している。
【0083】
厳密に2077cm−1超の、オーバーラップのゼロ度におけるνCOにより、向上した芳香族収率を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、C−O結合の振動周波数の変位に応じた、芳香族化合物の収率の変化を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白金族からの少なくとも1種の金属Mと、スズと、リンプロモータと、ハロゲン化化合物と、多孔質担体と、ガリウム、インジウム、タリウム、ヒ素、アンチモン、およびビスマスによって構成される群より選択される少なくとも1種のプロモータX1とを含む触媒の調製方法であって、以下の工程を含む方法:
a) サブ工程a1)またはa2)の一方の間に、単数または複数のプロモータX1およびリンを導入する工程、ここで、前記サブ工程a1)は、主要酸化物の前駆体の合成に相当し、前記サブ工程a2)は担体の成形に相当する;
b) サブ工程a1)およびa2)のうち少なくとも一方の間にスズを導入する工程、ここで、工程a)およびb)は場合により連続的にあるいは同時に行われる;
c) 工程b)の終わりに得られた生成物を乾燥させる工程;
d) 工程c)で得られた生成物を、350〜650℃の範囲の温度で焼成する工程;
e) 白金族からの少なくとも1種の金属Mを沈着させる工程;
f) 中性ガスの流れまたは酸素を含有するガスの流れ中、150℃を越えない中程度の温度で乾燥させる工程;
g) 工程f)で得られた生成物を、350〜650℃の範囲の温度で焼成する工程。
【請求項2】
原子比Sn/Mは0.5〜4.0の範囲である、請求項1に記載の触媒の調製方法。
【請求項3】
比X1/Mは0.1〜5.0の範囲である、請求項1または2に記載の触媒の調製方法。
【請求項4】
比P/Mは0.2〜30.0の範囲である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の触媒の調製方法。
【請求項5】
金属Mの量は0.01〜5重量%の範囲である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の触媒の調製方法。
【請求項6】
金属Mは白金またはパラジウムである、請求項1〜5のいずれか1つに記載の触媒の調製方法。
【請求項7】
ハロゲン化化合物はフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素によって構成される群より選択される、請求項1〜6のいずれか1つに記載の触媒の調製方法。
【請求項8】
ハロゲン化化合物の量は0.1〜15.0重量%の範囲である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の触媒の調製方法。
【請求項9】
ハロゲン化化合物は塩素であり、塩素含有量は0.1〜5.0重量%の範囲である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の触媒の調製方法。
【請求項10】
担体は、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、およびケイ素の酸化物によって構成される群より選択される少なくとも1種の酸化物を含む、請求項1〜9のいずれか1つに記載の触媒の調製方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の触媒の調製方法であって、スズは、担体の合成又は成形の間に一部のみ導入され、該方法は、スズの補完部分を担体上に沈着させる補足工程を、工程d)と工程e)の間か、工程e)と工程f)の間か、または、工程g)の後のいずれかに含み、該補足工程を工程d)と工程e)の間に含む場合、該補足工程の後に乾燥および焼成を行う場合と行わない場合があり、該補足工程を工程e)と工程f)の間または工程g)の後に含む場合、該補足工程の後に乾燥および焼成を行う、方法。
【請求項12】
前記触媒を炭化水素供給原料と接触させるにことよる接触改質または芳香族生成のための反応において、請求項1〜11のいずれか1つに従って調製された触媒を用いる方法。

【公表番号】特表2012−531306(P2012−531306A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518103(P2012−518103)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000443
【国際公開番号】WO2011/012776
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(591007826)イエフペ エネルジ ヌヴェル (261)
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
【Fターム(参考)】