説明

有価証券処理装置、有価証券処理システムおよび有価証券処理方法

【課題】有価証券の受入管理性能を高めて自動機としての入金作業の手間を極力低減させることができる有価証券処理装置、有価証券処理システムおよび有価証券処理方法を提供する。
【解決手段】利用者を特定する利用者情報を入力させるカード読取部23と、取引される小切手Cを受入処理する投入口10と、前記小切手Cの識別情報を識別する識別部11と、前記小切手Cの決済情報を判別する主制御部20と、前記小切手Cの少なくとも片面の小切手画像データを取得するカメラ15と、前記小切手Cを収納する入金庫3A,3B、4A〜4Cと、前記小切手画像データに、利用者情報と小切手Cの収納場所情報とを合成して記憶するRAM22とを備えた小切手入金機1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、小切手や商品券等の有価証券を受入処理する有価証券処理装置に関し、さらに詳しくは有価証券の決済に伴う有価証券処理装置、有価証券処理システムおよび有価証券処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デパートや小売店等の流通業界では売上金管理効率の向上と現金管理に対する防犯の観点から店舗内に売上金を入金させて管理する売上金入金機が設置されつつある。
【0003】
この売上金入金機は、レジの係員が顧客から代金として受け取った紙幣を入金するための端末であるが、店舗によっては紙幣だけでなく、小切手や商品券といった有価証券も代金として受け取ることがあり、紙幣と同様に小切手や商品券も同一端末で扱えるようにしたいとの市場要求がある。
【0004】
例えば、小切手処理装置については小切手を専用の読取装置に入金させた際に、小切手の画像と磁気インク文字を読み取り、この読み取り結果に応じて、装置内部で小切手の仕分け作業などを実行している。小切手の決済処理が終わると、無効化(VOID)処理として小切手の決済処理が終了したことを示す認証データを小切手の裏面に印刷すると共に、銀行と顧客または店舗との取引に疑義が生じた場合に備え、小切手の表面画像および小切手の裏面画像である認証データの印刷部分を読み取り、この読み取った画像データを証拠として保存している。
【0005】
このため、小切手処理装置では、小切手の磁気インク文字を読み取るセンサと小切手の画像を読み取るスキャナのほかに、認証データの印刷を行う印刷ヘッドとを備えて構成している。
【0006】
このような小切手に施されている磁気インク文字や画像の読取結果に基づいて受入れた小切手をフラッパで所望の搬送先に振り分けている。また、振り分けた搬送先に配置した印刷機構で磁気インク文字および画像の読取結果が正常である場合に、印刷機構により小切手に裏書きを行っている。このとき、磁気インク文字や画像を読み取った小切手の読取結果に読取不能や読取不良が発生した場合には、印刷機構による小切手の裏書きを行わないように制御する小切手類読取装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−102661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1によれば、小切手の決済処理に伴う無効化処理は印刷機構で裏書きを行うことにより実行しているが、この印刷機構を搭載するために小切手類読取装置が複雑化してしまう。さらに、紙幣入金用の装置と共通化する場合には紙幣入金時には必要のない印刷機構を搭載することになるため制御が複雑になり、部品点数の増加も懸念されることになる。
【0009】
また、磁気インク文字や画像の読取結果に基づいて正常な小切手のみ処理しているものの、小切手が流通過程で傷んだり、汚れていたりすると真小切手であるにもかかわらず読取不良のために返却されてしまうことがある。流通業界向けの小切手入金機用途においては汚れた小切手であっても店員の立場としては一旦顧客から受け取った小切手であり、入金処理を行う必要があるが、返却された小切手については別の手段、例えば封筒入金等で対応せざるを得ず、手間が掛かる上、運用が煩雑となってしまう。
【0010】
このようなことから小切手の裏書きに関して、裏書きが印刷された小切手の画像を証拠として読み取るのではなく、読み取った決済処理前の小切手の裏面画像と認証データとを保存してデータ管理することが考えられる。
【0011】
この際は、小切手の裏書きをデータ上で行うことにより印刷機構を省略することが可能となる。ところが、処理済みであるにも関わらず、印刷がされていない小切手は一見すると処理済みであるか否かの判断ができない。特に、小切手処理装置は係員による処理を前提とした有人機向けの装置であり、これらの装置にて処理された小切手の取り扱いは係員の処理に頼ることになる。
【0012】
しかしながら、無人機を前提とした小切手入金機の用途では処理済みの小切手が装置内部の定められた複数の場所のうち、どこに収納して管理されているかを明らかにしておく必要がある。また、認証データの生成は決済が正式に完了した場合に実行されるものであり、未完了の場合は受付拒否されてしまうことになる。例えば、磁気インク文字の読取不良が発生した場合やネットワークが一時的に遮断された場合では認証データが生成されず、小切手の処理は未完了となり、返却されてしまう問題を有していた。
【0013】
そこでこの発明は、有価証券の受入管理性能を高めて自動機としての入金作業の手間を極力低減させることができる有価証券処理装置、有価証券処理システムおよび有価証券処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、利用者を特定する利用者情報を入力させる入力部と、取引される有価証券を受入処理する受入口と、前記有価証券の識別情報を識別する識別部と、前記有価証券の決済情報を判別する判別部と、前記有価証券の少なくとも片面の有価証券画像データを取得する画像データ取得手段と、前記有価証券を収納する収納部と、前記画像データ取得手段で取得した有価証券画像データに、前記利用者情報と前記有価証券が前記収納部に収納された場所情報とを合成して記憶する記憶部とを備えた有価証券処理装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、有価証券の受入管理性能を高めて自動機としての入金作業の手間を極力低減させることができる有価証券処理装置、有価証券処理システムおよび有価証券処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1の小切手入金機の外観斜視図。
【図2】実施例1の小切手入金機の内部構造を示す概略構成図。
【図3】実施例1の小切手入金機の制御部を示す制御ブロック図。
【図4】実施例1の表示操作部に表示される入金受付画面を示す表示図。
【図5】実施例1の表示操作部に表示される選択画面を示す表示図。
【図6】実施例1の表示操作部に表示される入金開始画面を示す表示図。
【図7】実施例1の小切手入金機と上位装置とを通信接続した状態を示す小切手処理システムの概略説明図。
【図8】実施例1の表示操作部に表示される返却された小切手の詳細な画面の一例を示す表示図。
【図9】実施例1の入金受付開始時の処理動作を示すフローチャート。
【図10】実施例1の通常入金される識別受付モードの入金処理動作を示すフローチャート。
【図11】実施例1の強制入金モードの入金処理動作を示すフローチャート。
【図12】実施例1の合成画像データの生成手順を示したフローチャート。
【図13】実施例1の決済完了した小切手の合成画像データを示した表示図。
【図14】実施例1の合成画像データの生成手順を示したフローチャート。
【図15】実施例1の保留された小切手の合成画像データを示した表示図。
【図16】実施例1の上位装置に表示される小切手の表示画面を示す表示図。
【図17】実施例1の小切手処理装置と上位装置とを通信接続した状態を示す小切手仕分け処理システムの概略説明図。
【図18】実施例2の共用入金モードの入金処理動作を示すフローチャート。
【図19】実施例2におけるPOSシステムを利用した概略構成図。
【図20】実施例3における換金機能を備えた小切手入金機の制御部を示す制御ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は小切手入金機1の外観を示す図であって、デパートや小売店等の店舗のバックヤードに設置される。この小切手入金機1を利用する店員(以下利用者と称す)は表示操作部24に表示される入金に関する情報を確認するとともに、小切手入金機1の入金取引に必要な操作を該表示操作部24の表示画面にタッチ入力させて行う。小切手入金機1には小切手処理部2が内蔵されており、上部前面には小切手の投入口10と、小切手の返却口12と、カード挿入口18が備えられている。
【0019】
図2は小切手入金機1の内部構成を示している。この小切手入金機1は内部に搭載されている小切手処理部2によって小切手Cの繰出し、搬送、収納等のハンドリングを行う。この小切手処理部2には、投入口10、識別部11、返却口12、振分ゲート13、強制入金庫3A,3B、確定入金庫4A〜4Cが内蔵されている。
【0020】
投入口10は取引される小切手を受入処理する受入口として備えられている。通常はシャッタで閉じられており、入金取引時に開閉操作される。
【0021】
識別部11は投入口10の内方に連通する小切手搬送路上に備えられている。この識別部11には、小切手Cの枚数を検出する枚数検知センサ14や小切手Cの磁気インク文字を読み取る文字読取センサ16、小切手Cの画像を取り込むカメラ15などが内蔵されており、投入された小切手Cが正常であるか異常であるかを識別するとともに、小切手Cが搬送される際にこれらのセンサ14,16およびカメラ15によって小切手の現在の使用状態が識別情報として取り込まれる。ここで取り込まれた識別情報は、後述する主制御部20へ伝達される。主制御部20では、正常な識別結果であれば、続いて小切手の認証をとって予め定められた手法で小切手入金機1の運用に活用される。
【0022】
なお、識別部11に際しては画像データから磁気および光学的に記録された文字情報を識別するとよい。文字情報としては磁気インク文字読取装置(MICR)や光学式文字読取装置(OCR)だけでなく、バーコード等の記号を固有情報として使用することも可能である。これにより、画像イメージだけでなく小切手の持つ固有情報を認識することで、データ管理上において一層有効となる。
【0023】
返却口12は前記投入口10の近傍に備えられており、識別部11で識別不能な小切手と識別された小切手を返却処理する。
【0024】
この小切手処理部2は上部に投入口10、識別部11、返却口12を備え、利用者が小切手を入金する取扱い処理部として扱われる。また、下部に強制入金庫3A,3Bと確定入金庫4A〜4Cを備え、受入れた小切手を収納処理する収納処理部として備えられている。さらに、搬送路の切換部分には小切手振分用の振分ゲート13が配設されている。
【0025】
強制入金庫3A,3Bは受け入れた小切手Cを識別部11で識別した際に異常券として受付拒否された場合、さらには識別部11の識別結果に関わらず、該小切手を確定しないまま強制的に収納させる場合に用いられる。
【0026】
ここでは両方の強制入金庫3A,3Bをともに異常券収納部とし、このうち一側の強制入金庫3Aを、識別部11で異常券と識別された小切手を異常券として該一側の強制入金庫3Aに収納する識別異常券専用の入金庫としている。
【0027】
また、他側の強制入金庫3Bを、後述する決済処理サーバ79(図7参照)に小切手の認証を問い合わせた際に利用不可と判別された認証不可小切手を異常券として該他側の強制入金庫3Bに収納する認証異常券専用の入金庫としている。
【0028】
確定入金庫4A〜4Cは正常券収納部として用いられ、識別部11の識別結果および後述する主制御部20の認証結果に基づいて正常な小切手であると確定された小切手を収納処理させる場合に用いられる。
【0029】
なお、小切手処理部2は入金専用に処理する運用上、一時保留部を省略した構成が可能となり、該小切手入金機1の簡素化を図ることが可能となる。このような構成では一時保留部が構成されていないが、必要な場合には確定入金庫4A〜4Cのうち、一つを一時保留部として利用することも可能であり、もしくは別途一時保留部を搭載してもよい。
【0030】
図3は小切手入金機1の制御構成を示したブロック図である。このブロック図において、20は小切手入金機1の各部を制御する主制御部である。21は主制御部20の動作プログラムを記録したROM、22は主制御部20が各部を制御する制御データを読み書き可能に記録するRAMである。
【0031】
小切手処理部2の内部には上述したように識別部11、振分ゲート13、強制入金庫3A,3B、確定入金庫4A〜4Cのほかに投入口10の小切手Cの有無を検知する投入口検知センサ17が搭載されている。これにより、利用開始時に投入口10へ小切手が投入されたことを検知し、小切手が投入口10に複数ある場合は1枚ずつ取り込まれる小切手の残存状態を検知することができる。
【0032】
さらに、小切手入金機1のカード挿入口18と連通する内方にはカード読取部23が備えられている。このカード読取部23で利用者が入金する際に挿入されたIDカードに記録されている自身のID番号や口座番号等を記録したカード情報を読み取る。
【0033】
また、小切手入金機1の上部には表示操作部24が備えられている。この表示操作部24は利用者に必要な情報を表示する表示機能とタッチ入力機能を備えており、利用者が入金操作するのに必要な情報を表示させ、また入金操作に必要な操作をタッチ入力させる場合に使用する表示機能と入力機能とを兼ねて備えている。このほか、後述する上位装置71(図7参照)との間で情報の送受信を行う通信部25が備えられている。
【0034】
26はRAMから構成される情報格納部であって、所定の領域に、小切手画像情報27と、識別結果および後述する決済処理サーバ79での認証結果に基づき小切手毎のステータス情報を管理する認証管理情報28とを格納している。
【0035】
前記主制御部20は小切手の受入処理時に、利用者を特定する利用者情報と投入口10より受け入れた小切手Cを収納管理する場所情報としての小切手の収納場所情報とを関連付けた関連情報を記憶させるとともに、小切手Cを該装置内部のいずれかの入金庫3A,3B、4A〜4Cに振り分けて収納させる制御機能を有している。
【0036】
ここで、利用者情報としては、利用者本人を特定するIDカードをカード挿入口18に挿入してカード読取部23が読み取ることで、そのIDカードから利用者本人を特定することができる。この際、日付情報と、利用者本人を特定した情報を利用者情報として加えた場合は、より正確となり誤りなく利用者を特定できる。また、日付情報やID情報以外にも時間や口座番号等の情報を用いてもよい。この際は、同一の利用者であっても複数の取引に分けて管理することが可能になる。このほかにも、表示操作部24により利用者本人を特定する必要情報を入力させてもよい。
【0037】
さらに、投入された小切手に関しては、投入口検知センサ17の検知信号により小切手が受け入れられたことを確認する。また、識別部11で小切手の券種、枚数との識別結果情報により受け入れられた小切手の状態を1枚ずつ識別する。さらに、このとき識別した小切手の券種、例えば定額小切手であれば価値情報を合わせて判別することができる。また、後述する上位装置71と通信することにより認証情報を得ることができる。
【0038】
特に、小切手の表面および裏面の少なくとも片面の小切手画像データをカメラ15により取得し、この取得した小切手画像データに、利用者情報と小切手が収納される収納場所情報とを合成して記憶する構成を有している。
【0039】
この合成情報はROM21に格納されたプログラムに沿って、利用者情報と収納場所情報とを合成して電子データとしてRAM22に記憶管理させることにより取引時の履歴が得られ、入金運用時の証拠として管理することが可能となる。
【0040】
ここで、小切手の収納場所情報は小切手を強制入金庫3A,3Bか確定入金庫4A〜4Cかに収納させた際の入金庫の場所を特定するとともに、その入金庫内においても収納された整列枚数の順位まで正確に特定して収納管理する。
【0041】
このような入金機能を有することで、小切手受入時の取引履歴を確保して小切手Cを装置内部の強制入金庫3A,3Bまたは確定入金庫4A〜4Cに振り分けて収納させることができる。このため、各小切手を装置内に履歴の残る形で収納させることができる。
【0042】
上述のような構成としたことで、処理済みであることを示すために小切手一枚毎に印刷機構を用いて裏書きする必要もなく、処理装置としては印刷機構が不要となり、構成を簡易化できる。さらに、処理された小切手は強制入金庫3A,3Bか確定入金庫4A〜4Cかに収められるため未処理小切手との混在も生じない。処理済みの小切手を確認する必要が発生した場合は、収納場所情報から所在が明らかとなるため容易に確認することが可能になる。また、識別情報からは装置が誤りなく小切手を認識したかどうかを確認することが可能となる。
【0043】
さらに、主制御部20は小切手の受入処理時に、識別部11の識別結果に基づいて正常券として受付許可された小切手を前記確定入金庫4A〜4Cに収納させ、異常券として受付拒否された小切手を返却口12に返却する識別受付モードを備える一方、受け入れた小切手を識別部11の識別結果や認証可否を表わす判別結果に関わらず前記強制入金庫3A,3Bに収納させ、RAM22に前記関連付けされた関連情報を記憶させる強制収納モードとのいずれか一方に制御する制御機能を備えている。
【0044】
前記識別受付モードは識別部11で小切手を受け付けて識別した際に、適正に読み取られた正常な小切手であることを確定すると取込処理し、異常な小切手があれば返却するという通常の入金処理を実行するものである(以下、通常入金モードと称す)。
【0045】
前記強制収納モードは受け入れた小切手を識別部11の識別結果に関わらず装置内部に収納処理させる強制的な収納処理動作を実行するものを言う。
【0046】
主制御部20は上述のような2通りのモード選択機能を有することで、正常な小切手の場合は受付許可して確定入金庫4A〜4Cに収納させる。この際、仮に流通過程で傷んだ小切手が混入している場合を想定すると、通常入金モードの場合であれば識別部11が異常小切手と誤識別し、返却することになる。ところが、この返却された小切手に対しては強制収納モードにして再度強制収納させることができる。これにより、返却された小切手を確実に装置内部に収納し、装置内部で全ての小切手を安全に管理することが可能となる。
【0047】
従って、例えば、封筒入金方式など、別の運用手順に頼る必要がなくなり、取引運用手順が簡易化する。また、返却された未確定の小切手を強制入金庫3A,3Bへ収納することで、正常券と区別して収納することができ、小切手の精査の際に正常小切手と異常小切手が混在するのを防止することができる。
【0048】
さらに、強制収納させた小切手の券種と枚数を利用者入力手段としての表示操作部24を用いて入力指示させることも可能である。つまり、返却された小切手の再受付時に、その返却された小切手をどの券種が何枚と指定入力させて利用者が指示した情報を利用者情報の一部として記憶させることもできる。なお、この表示操作部24に対しては通常入金モードにおいて、入金時の入金枚数や券種を入力させて照合できるようにするのが好ましい。
【0049】
さらに、主制御部20には前記通常入金モードにより返却された小切手があったとき、該返却された小切手の再受付時に、前記通常入金モードを実行するか前記強制収納モードを実行するかを利用者により選択可能にする選択手段としての機能を有している。
【0050】
この選択手段を備えることにより、正常でないと判定されて返却された異常券に対し、利用者が該異常券を装置内部に強制的に収納させるか否かを選択させることができる。
【0051】
図4は表示操作部24で小切手を入金案内する入金受付画面41を示している。この入金受付画面41は入金受付ボタン42を表示しており、この入金受付ボタン42が押下されることで前記通常入金モードによる小切手の入金取引が実行される。
【0052】
図5は表示操作部24で取引モードを選択入力させる選択入力画面51を示している。この選択入力画面51は前記入金受付画面41で取引開始される通常入金モードを実行した際に、異常券であるために返却された小切手があったとき、該返却された小切手の再受付時に、通常入金モードを実行するか強制収納モードを実行するかを利用者により選択可能にする画面を表わしている。
【0053】
52は通常入金ボタンであり、通常入金モードを選択する場合に押下される。この通常入金モードでは入金された小切手Cが正常であるか否かを識別した後、ネットワーク経由で決済処理サーバ79(図7参照)へ有効性を確認し、有効である場合にのみ入金処理が行われる。53は強制入金ボタンであり、通常入金の結果、返却された小切手に対し、強制入金モードが選択される場合に押下される。
【0054】
図6は表示操作部24での通常入金モード選択後の入金開始画面61である。
【0055】
62は開始/終了ボタンであり、投入口10に小切手Cを装填後、入金処理を開始あるいは終了する場合に押下される。63は表示入力領域であり、通常入金モード時には入金される小切手の券種、枚数、合計金額を表示する表示領域となり、強制入金モード時には強制入金される小切手の券種、枚数、合計金額を利用者が入力する入力領域となる表示入力機能を有している。なお、通常入金モードであっても、利用者により券種や枚数等の入金情報を入力させて利用者との関連情報を増やして照合情報をより一層高めるようにしてもよい。
【0056】
また、利用者は詳細ボタン64により、入金された小切手Cが識別部11を通過する際に取得した小切手の識別情報を詳細に表示させることができる。
【0057】
図7は既述した小切手入金機1と上位装置71とを接続して構成される小切手処理システムの一例を示している。この小切手入金機1に接続される上位装置71は、識別情報と、判別情報と、収納場所情報と、利用者情報とを関連付けた情報を取得する制御部72が備えられている。この制御部72は通信部73を介して既述した小切手入金機1の通信部25と接続されており、ROM74に格納されたプログラムに沿って取引データを制御し、その制御データをRAM75で読出し可能に記憶している。
【0058】
さらに、制御部72が管理している小切手の小切手画像データを表示して管理者に視認させる表示部76と、管理者による指示情報を入力許容させる管理者入力部77とを備えている。
【0059】
この上位装置71は、例えば小切手の画像を液晶表示する表示部76とキーボード等の管理者入力部77を備えたパーソナルコンピュータで構成することができる。
【0060】
そして、この上位装置71は小切手入金機1とは有線または無線にて接続されて認証データの作成を行う。上位装置71は、インターネット等のネットワーク78経由で小切手Cの有効性を認証するための決済処理サーバ79と接続されている。この上位装置71は小切手入金機1の文字読取センサ16で読み取った小切手データを小切手入金機1より受信し、決済処理サーバ79に送信する。この決済処理サーバ79の応答に基づいて上位装置71は小切手Cの認識を行い小切手Cが有効であるか否かを判別する。
【0061】
この認証したときの判別結果を判別情報とし、受け入れた小切手の有効性を調べるために識別結果と共に求められる。
【0062】
さらに、この上位装置71には多数台の小切手入金機1を遠隔監視できるように通信接続されており、この上位装置71側から管理者が任意に遠隔位置の小切手入金機1の精査を実行できるようになっている。
【0063】
そして、小切手入金機1から上位装置71に対し、小切手の決済要求情報を送信し、上位装置71からさらに決済処理サーバ79に送信し、該決済処理サーバ79から上位装置71が決済回答を受信し、これに基づいて小切手入金機1では小切手の有効性や決済処理が完了したか否かの判別結果がえられる。さらに、主制御部20は小切手の決済処理が完了したと判別したとき、該小切手の金額情報に応じた出金額を出金許可させる取引機能を備えている。これにより、例えば小切手より換金された金額が出金されたり、該当する口座に出金額が加算されたりする。
【0064】
このように上位装置71には小切手入金機1のRAM22から取得した情報に基づいて決済処理サーバ79から小切手の有効性の適否情報を取得するとともに、小切手の情報を表示部76により管理者に視認させ、かつ管理者により指示される指示情報を管理者入力部77により入力操作させることができる。
【0065】
上述のような構成としたことで、管理者にとって小切手画像データは直感的で分かり易く、また取引時の履歴情報となる。さらに、管理者は精査の際に、収納部の小切手を確認するのではなく、小切手画像データ上で小切手の券種や枚数の識別結果に基づき、識別できなかった項目にのみ注意して目視確認すれば、小切手入金機1に直に携わらなくても正確で容易に精査することができる。
【0066】
このため、確認作業の効率がよく、画像データ主体の運用を実現できることから、例えば集中管理センタのような遠隔施設から複数の装置を対象とした精査作業の実現が可能となる。
【0067】
さらに、全て画像データ上で管理できるので上位装置71から管理者が識別したり、必要情報を指示したりすることができる。また、識別不明な小切手に対しては手作業に頼ることなく、画像上で明瞭に分析できるため能率よく処理できる。
【0068】
ことに、小切手入金機1に異常券として収納した小切手について、管理者が目視可能に精査することで、損券小切手など従来の装置では識別不能小切手として扱えなかった小切手を正常小切手として扱えることが可能になり、小切手運用上での利便性を格段に向上させることができる。
【0069】
図8は通常入金モード時に詳細ボタン64が押下されることにより表示される小切手詳細画面81の一例を表わしている。
この小切手詳細画面81は識別部11で取得された小切手の表裏画像82、小切手の画像から磁気インク文字部分のみを切り出した磁気インク文字拡大画像83、磁気インク文字拡大画像83から識別部11の文字読取センサ16が認識した磁気インク文字認識結果84、小切手が正常であるか否かを判別した識別結果85、決済処理サーバ79により正常に決済が終了したか否かを表す決済処理情報86を表示する。
【0070】
磁気インク文字拡大画像83と磁気インク文字認識結果84は容易に見比べられるように並べて表示している。これにより、利用者は自身が入金した小切手について誤りなく磁気インク文字が認識されていることを目視にて確認することができる。また、磁気インク文字の一部分に汚れが付着しているため認識できなかった場合にも識別結果85、決済処理情報86を表示させることにより認識できなかった場合の原因が明確となり、特に強制入金時にはどの小切手がどの処理まで完了しているかを一目で理解可能となる。87は項目切替ボタン、88は小切手切替ボタンである。
【0071】
このように表示すれば、取引された全ての画像を利用者がその場で確認することができる。また、強制入金時においても利用者は一目で把握することができるため該利用者の納得性を得ることができる。つまり、強制入金モードを選択したときの強制収納される返却小切手のデータを利用者に明瞭に確認させることができる機能を有している。
【0072】
図9〜図12は小切手入金時の受入処理手順を示したフローチャートであって各ステップは主制御部20が実行する処理である。
図9は入金受付開始時のフローチャートである。通常、小切手入金機1は図4に示すように、表示操作部24に入金受付画面41が表示されている。そして、入金受付画面41(ステップS1)の入金受付ボタン42が押されるのを待機している。この入金受付ボタン42が利用者により押されると(ステップS2)、小切手の入金受付が開始され、投入口10に投入された小切手は該投入口10より内部に取り込まれ、識別部11で識別される(ステップS3)。
【0073】
このとき、識別不能な小切手があれば(ステップS4)、その未識別の小切手を返却口12に返却する(ステップS5)。この返却された小切手があった際には、再受付する画面を表示操作部24に表示する(図5参照)。そして、通常入金モードか強制入金モードかを選択させる(ステップS6)。通常入金モードが選択された場合は、前記ステップS3以降の処理が実行される(ステップS3〜ステップS6)。
【0074】
一方、強制入金モードが選択された場合は、その返却された小切手を強制入金させて全て小切手を取り込ませる。これにより、一入金取引が終了する。なお、ステップS4で識別部11が識別した際に識別不能な小切手がなければ(ステップS4:NO)、全て正常な小切手と判定して取引終了する。また、ステップS7およびステップS8:NOで一定時間経過しても、通常入金モードあるいは強制入金モードのいずれも選択されなければ、返却小切手の入金処理を中止したと判定して取引終了する(ステップS7:NO、ステップS8:NO)。
【0075】
図10は通常入金モードでの入金処理手順を示したフローチャートである。
利用者が通常入金ボタン52を選択した後、投入口10に小切手Cを投入して開始/終了ボタン62を押すと、主制御部20は投入口検知センサ17の検知出力により投入口10に小切手Cが有り、かつ小切手Cの入金指示があったと判断し(ステップS11:YES)、小切手Cを識別部11へ搬送する(ステップS12)。識別部11では小切手Cの枚数、券種、磁気インク文字等の小切手データを識別する(ステップS13)。
【0076】
合わせて、識別部11はカメラ15により小切手Cの表裏全体の両面画像を取得する(ステップS14)。主制御部20は識別部11によって小切手Cが正常と識別されたか否かを確認し(ステップS15)、正常と識別されていると(ステップS15:YES)、識別部11で取得した小切手データは上位装置71からインターネットを経由して決済処理サーバ79へ送信され、小切手Cの有効性が判別される(ステップS16)。
【0077】
小切手Cが有効と判別されると(ステップS16:YES)、小切手Cを識別部11から指定された確定入金庫4A〜4Cへ搬送する(ステップS17)。搬送後は、投入口10に小切手Cがあるか否かを判定し(ステップS18)、投入口10に未だ小切手Cがあれば(ステップS18:NO)、上述したステップS12以降の処理を実行する。
【0078】
一方、ステップS15において、識別部11によって小切手Cが異常であると識別されていると(ステップS15:NO)、小切手Cを識別部11から返却口12へ搬送して返却する(ステップS19)。
【0079】
識別部11で異常と識別された小切手Cは、複数の判定項目のうち少なくとも1つの項目を満足しなかった小切手である。例えば、小切手入金機1で取り扱い不可能となった券種の小切手や真小切手であるが、しわが寄っていたり汚れが付いていたりというように傷んだ状態であるために、磁気インク文字が認識できなかった小切手も含まれている。
【0080】
また、ステップS16において、小切手Cが有効と判別されない場合(ステップS16:NO)、同様に小切手Cを識別部11から返却口12へ搬送して返却する(ステップS19)。なお、小切手Cが有効と判別されない場合とは、例えば決済処理サーバと通信できない場合など通信上の不具合が発生した場合が含まれる。
【0081】
小切手Cを返却口12へ返却すると(ステップS19)、主制御部20は、投入口10の小切手Cが全てなくなったか否かを判定し(ステップS20)、投入口10に未だ小切手Cがあれば(ステップS20:NO)、ステップS12以降の処理が実行される。
【0082】
これに対し、投入口10の小切手Cが全てなくなると(ステップS18:YES,ステップS20:YES)、繰出しを終了し、表示入力領域63に小切手Cの券種、枚数、合計金額を表示する。
【0083】
なお、利用者は返却口12に搬送された小切手Cを投入口10に再度投入し、開始/終了ボタン62を再度押してもよい。何度、通常入金モードにて入金処理を行っても返却口12へ返却される小切手Cについては、図11に示す強制入金モードにて入金処理を行う。
【0084】
図11は強制入金モードの入金処理手順を示すフローチャートである。
利用者は強制入金ボタン53を選択した後、表示入力領域63に強制入金にて入金する券種情報および枚数情報を入力し(ステップS21)、投入口10に小切手Cを投入して開始/終了ボタン62を押すと、主制御部20は投入口検知センサ17の検知出力により投入口10に小切手Cが有り、かつ小切手Cの入金指示があったと判断して(ステップS21:YES)、小切手Cを投入口10から識別部11へ搬送する(ステップS22)。
【0085】
識別部11では枚数検知センサ14と文字読取センサ16により小切手の枚数、券種、磁気インク文字等の小切手データを識別する(ステップS23)。合わせて、識別部11はカメラ15により小切手Cの表裏画像を取得する(ステップS24)。
【0086】
その後、ステップS25において、主制御部20は投入口10から小切手が正常に繰り出されているか否かを判定する。2枚出しや識別性能に影響のある大きなスキュー状態の場合など正常な繰出状態でないと判断すると(ステップS25:NO)、小切手Cを返却口12へ搬送する(ステップS27)。一方、正常な繰出状態であると判断すると(ステップS25:YES)、主制御部20は識別部11によって小切手Cが正常であると識別されたか否かを確認し(ステップS26)、正常であると識別されると(ステップS26:YES)、小切手Cを強制入金庫3Bに強制収納する(ステップS29)。
【0087】
また、識別部11によって小切手Cが異常であると識別されると(ステップS26:NO)、小切手Cを強制入金庫3Aへ強制収納する(ステップS28)。
【0088】
小切手Cが返却口12、あるいは確定入金庫4A〜4C、もしくは強制入金庫3A、3Bへ搬送された後は投入口10の小切手Cが全てなくなったか否かを判定し(ステップS30)、投入口10に未だ小切手Cが残っていれば(ステップS30:NO)、上述したステップS22以降の処理を実行する。
【0089】
これに対し、投入口10の小切手Cが全てなくなると(ステップS30:YES)、強制入金を終了する。なお、利用者は返却口12に搬送された小切手Cを投入口10に再度投入し、開始/終了ボタン62を再度押して再処理するようにしてもよい。
【0090】
以上の手順によると、利用者にとっては磁気インク文字の読取不良や通信状態の不都合等による決済処理の未完に関わらず、全ての小切手を一旦小切手入金機1内に留保させることができるので防犯上も有効であり、また、通常の入金処理と同じ装置で強制入金できることから、運用手順も煩雑とならない。
【0091】
また、装置の管理者にとっては強制入金庫内の紙幣は少なくとも枚数が確定しており、装置の管理者は画像データ上から券種と磁気インク文字の読み取り、および決済処理サーバでの処理状況に注力して精査すればよく、管理手間を軽減させることができる。また、識別時に正常でない小切手と、決済処理時に正常でない小切手とを区別して入金庫別に分けることで、さらに効率良く小切手を精査することが可能となる。
【0092】
さらに、小切手入金機1と決済を行う決済処理サーバ79間での通信状態が不通となった場合にも、正常券と分けて強制入金庫3A,3Bに収納することで、通信異常のため返却された小切手を利用者が持ち帰ることなく、装置内部に取り込むことが可能となる。
【0093】
図12に通常入金モードを終了した後に実行されるデータ上での無効化処理手順のフローチャートを示す。
この無効化処理手順は入金が終了した後、識別部11に内蔵されたカメラ15により小切手の表裏全体画像を取得する。この取得した小切手の表裏画像に、利用者のID番号、利用した小切手入金機1の端末番号、日付等の利用者情報と、識別部11による識別データとして磁気インク文字の認識結果と、決済処理サーバ79にて決済が終了したことを示す認証データと、読み取った小切手が収納された入金庫の場所情報とを合成し、小切手1枚毎に合成画像データを作成する(ステップS31)。
【0094】
次に、合成画像データに改ざん防止の処理を付与する。例えば、電子透かしを付与する(ステップS32)。電子透かし以外にも合成画像データ毎にパスワードを設定する方法でもよい。
【0095】
ここで、合成画像データ131を生成する場合について図13を参照して説明する。
識別部11で取得した小切手の表裏画像82(図8参照)の裏面に裏書画像情報として、利用者情報132、識別データ133、収納場所情報134、認証データ135を上書きする。図13では上部に各テキストデータとして利用者情報132と識別データ133と収納場所情報134と認証データ135とを小切手の形状に見合った長方形状の枠内に整列させて表示した状態を示している。
【0096】
そして、下部に小切手の表裏画像を左右に並べて表示し、表面側は既存の金額表示部136や磁気インク文字領域137等の表示が施されている。また、裏面側は白紙であるが、この白紙に上述のテキストデータを画像データに変換して上書きすることにより小切手裏面の形状に見合った合成画像データ131が施されていることを示している。
【0097】
つまり、小切手の裏面は白紙ではあるが、その小切手の決済完了情報等を画像データにより確保して小切手の利用情報を画像管理できることを表わしている。
【0098】
利用者情報132は小切手入金機1による当該取引を特定するための情報であり、例えば日付や時間、小切手入金機1の端末番号、あるいは利用者のID番号や口座番号であってもよい。
【0099】
識別データ133は磁気インク文字の認識結果である。小切手の表裏画像82と合成することで、識別部11が誤りなく磁気インク文字を認識したことがデータ上、目視で確認可能となる。
【0100】
また、収納場所情報134は小切手がどこに収納されたかを示す情報であり、入金処理後に万一疑義が生じた場合にも小切手の現物とデータとを紐付けすることができ、媒体管理上有効である。
【0101】
認証データ135は当該小切手の決済処理が完了しているか否かを示すステータス情報であり、認証データ内には例えば銀行名や銀行番号、処理日付、処理番号が含まれる。さらに、この認証データ135は決済処理サーバ79からの応答に基づき、上位装置71から該認証データが受信される。そして、この認証データ135により当該小切手は決済処理が完了していることが明らかとなる。
【0102】
以上の手順によると、小切手処理部2に印刷ヘッドが搭載されていなにも関わらず、合成画像データ131は裏書きが印刷された小切手について改めてスキャナ等で画像化した場合と等価な画像データとなるだけでなく、元の小切手は入金庫内で確実に管理され、未処理の小切手と混ざる可能性はない。
【0103】
また、利用者情報132、識別データ133を合わせて合成することで、利用者情報、合成画像データ、現物の小切手の3つを誤りなく関連づけることが可能となる。また、改ざん防止の処理を施すことで、合成画像データ131の信頼性を保証することができ、小切手の決済後の処理をデータのみで行う運用においても証拠性を高めることが可能となる。
【0104】
一方、図14に強制入金取引終了後のデータ処理手順のフローチャートを示す。
強制入金が終了した後、識別部11に内蔵されているカメラ15により撮影した小切手の表裏画像に、利用者のID番号、利用した小切手入金機1の端末番号、日付等の利用者情報と、識別データとして読み取った磁気インク文字の認識結果と、小切手が収納された入金庫の情報とを合成し、小切手1枚毎に合成画像データを作成する(ステップS41)。
【0105】
これらの合成される情報を関連付ける方法としては、視認性を保つため小切手画像上の番号や主要表示部を避けた部分に利用者情報を上書きすることで利用者情報付きの画像データとすることができる。具体的には、強制的に収納された小切手の少なくとも片面の小切手画像データを画像データ取得手段としてCCDカメラ等の鮮明に撮影可能なカメラ15が取得し、そのカメラ15で取得した前記小切手画像データを小切手の情報として記憶するものである。
【0106】
この小切手の画像データは、小切手の表面全体と裏面全体との両面を画像イメージとしてとらえるのが好ましい。これにより、画像データが取引処理上の補助的な役割であるのではなく、現物の小切手に代用して運用を行うことが可能となり、小切手がその後の運用で必要なくなる。紙媒体がどうしても必要となった場合には、その画像イメージを印刷すればよい。
【0107】
これにより、どんな小切手であっても、入金された小切手の画像データを取得することで、証拠としての履歴を残すことができるだけでなく、強制入金庫3A,3Bや確定入金庫4A〜4C内の小切手が、精査時に誰によって入金されたものであるかを明確にすることが可能となる。
【0108】
あるいは利用者情報をテキストデータとして保存し、テキストデータと小切手画像データとを一括りのデータとして管理してもよい。すなわち、テキストデータと小切手画像データとを合成させてもよい。この際、改ざん防止を図って利用者情報を画像データに変換し、該変換した画像データを前記小切手画像データに合成させるとよい。この合成に際しては合成手段としての主制御部20により合成させることができる(図13)。これにより、関連付けられた複数のファイルを開くのではなく、一つの画像データにて全ての情報が含まれており、管理上も都合がよいだけでなく、視認性が高められる。
【0109】
さらに、取引データに電子透かしを付与することで改ざん防止の処理を行うようにしてもよい(ステップS42)。この際は、小切手画像データに電子情報を埋め込むことで改ざん防止が可能となり、画像データの信頼性および証拠性を一層高めることが可能となる。電子透かし以外にも取引データ毎にパスワードを設定する方法でもよい。
【0110】
一方、強制入金モード時の合成画像データ151の生成について図15を参照して説明する。
識別部11で取得された小切手の表裏画像82に上書きする際、図15では上部に各テキストデータとして利用者情報152と識別データ153と収納場所情報154と認証データ155とを小切手の形状に見合った長方形状の枠内に整列させて表示した状態を示している。
【0111】
そして、下部に小切手の表裏画像を左右に並べて表示している。このうち、裏面の白紙面上に、上述のテキストデータを画像データに変換して上書きした合成画像データ151を表示している。
【0112】
この場合、識別データ153として磁気インク文字の読取不良が発生した際には、認識不良が発生したことが分かるように、認識できなかった桁部分のみを「*」で表してもよい。また、認証データ155としては小切手が認識できないために決済処理ができず、決済処理が未完了(保留)である旨が上書きされることを表わしている。
【0113】
以上の手順によると、小切手の表裏の画像を電子データとして確保できることから利用者が行った入金取引の履歴を確実に残すことができるとともに、利用者が入金処理を行った後、管理者が入金取引の精査を行うまでの間に取引データの改ざんが行われていない保証となり、信頼性のある確かなデータとして利用者および管理者が利用できる。
【0114】
さらに、受け付けた小切手について、利用者や決済処理のステータス情報が一見して理解可能である。決済処理が保留となった小切手について個別の入金庫で確実に管理されるため、決済処理済みの小切手と混ざる可能性もない。
【0115】
次に、小切手入金機1の管理者による強制入金小切手の精査に関する実施形態について説明する。
管理者は小切手入金機1の表示操作部24を操作して強制入金取引のステータス情報を確認、精査してもよいし、図7に示したように管理者は小切手入金機1と接続された上位装置71を操作して、強制入金取引のステータス情報を確認、精査してもよい。
【0116】
図16は上位装置71の表示操作部24に表示された詳細な小切手の表示図である。
161は上位装置71の表示画面を示し、強制入金により受け付けた小切手に関して、識別部11により取得された小切手の表裏画像82、小切手の画像から磁気インク文字部分のみを切り出した磁気インク文字拡大画像83、識別部11の文字読取センサ16が認識した磁気インク文字の認識結果84、識別部11により小切手が正常(OK)であるか否(NG)かを判別した識別結果85、決済処理サーバ79により正常に決済が終了したか否(未)かを表す決済処理情報86、認識結果84を修正する場合に使用する修正ボタン162、再決済を行うための再決済ボタン163とを備えて表示される。
【0117】
管理者は拡大画像83と認識結果84を比較し、認識結果に誤りや認識できなかった番号桁がある場合に、修正ボタン162を押下し、拡大画像83の目視結果に従い、修正を行う。
【0118】
また、決済処理が未完了となっている取引については再決済ボタン163を押下することで、決済処理サーバ79と通信を行い、決済を完了させる。完了した取引については通常入金モードで入金した取引とデータ上、同じ扱いとし、図13で示した合成画像データ131を作成する。再決済処理によっても処理が完了しない場合、管理者は必要に応じて強制入金庫内の現物紙幣を確認すればよい。また、この際、管理者が確認したい強制入金取引の小切手を強制入金庫から効率よく抽出するためには、小切手を処理する装置を使用してもよい。
【0119】
図17は印字許容する小切手処理装置171の構成を示す図であって強制入金庫3A、3Bが回収される場所に設置される。小切手処理装置171は内部に小切手Cを投入する投入口172、識別部11、スタッカ173,174、振分ゲート175を内蔵し、小切手処理装置171は上位装置71と接続されている。管理者は強制入金庫3A,3Bから小切手Cを取り出し、投入口172へ投入すると、投入口172から繰り出された小切手は識別部11へ搬送され、表裏画像が取得される。
【0120】
取得した表裏画像と、強制入金時に取得した小切手の表裏画像82とを上位装置71経由で比較することにより、小切手処理装置171は管理者が確認必要とする強制入金取引時の小切手のみを特定のスタッカ(例えば174)に振り分けることが可能となる。さらに、決済処理が正常に完了した小切手については、小切手処理装置171によりまとめて裏書き印刷処理を行ってもよい。その際には振分ゲート175により振り分けられた小切手が印刷ヘッド176を通過する際に、裏書き印刷を行う。
【0121】
裏書きの内容は認証データ135,155までを含めた合成画像データ151と同じ内容でもよいし、データ上で詳細は管理されているので、単に決済が終了していることを示す固定の文言でもよい。
【0122】
以上の手順によると複数の強制入金取引小切手が混在した強制入金庫内から特定の取引分の小切手のみを容易に取り出すことができ、管理者の強制入金取引の精査手間を軽減させることが可能となる。また、裏書きの認証データが必要になった場合には、印刷ヘッド176で印刷することにより印刷機構に特化した簡易装置が構成でき、小切手入金機の構成に影響を及ぼさず、小切手入金機は簡素な構成で実現可能となる。
【0123】
また、上記実施例では、この発明に関わる有価証券の処理装置について、小切手を入金する小切手入金機とした場合を例に挙げているが、この発明はこれに限定するものではなく、これ以外に、商品券やクーポン券等、裏書き処理が必要となる全ての有価証券に適用可能である。
【0124】
上述した小切手入金機1は、最初入金モードで小切手を受け付け、取引開始した時に読取不能な返却小切手が生じた際に、再度通常入金モードにするか、強制入金モードに移行するかを選択させる入金モードを利用者により選択させるという方法で対処している。これに対し、最初から強制入金モードで小切手を受け付けて入金処理を実行させるという運用プログラムを採用して構成することもできる。以下、その方法を後述する実施例2で説明する。
【実施例2】
【0125】
この実施例2は実施例1の小切手入金機1と比較して構造は同じであり、制御プログラムが一部異なる構成例である。このため、異なる制御プログラムの部分についてのみ説明する。
この実施例2の制御プログラムは、小切手の受入処理時に、通常入金モードと強制入金モードとの双方の入金モード機能を有する共用モードで構成したことを特徴としている。
【0126】
このように構成したことで、小切手が入金された場合、正常券は確定入金庫4A〜4Cに収納し、連れ出し等で入金枚数を確定不能な場合、異常券は証拠を確保できないため返却するようにし、枚数が確定できた異常券の場合は一方の強制入金庫3Aに収納するようにし、認証が取れない異常券の場合は他方の強制入金庫3Bに収納するように小切手のステータス状態に応じて装置内部にきめ細かに振り分けて収納することができる。したがって、その後の小切手の取り扱いが簡単化する。
【0127】
図18は通常入金モードと強制入金モードとを備えた共用モードでの入金処理手順の一例を示すフローチャートである。
利用者は強制入金ボタン53を選択した後、表示入力領域63に強制入金にて入金する券種情報および枚数情報を入力し(ステップS51)、投入口10に小切手Cを投入して開始/終了ボタン62を押すと、主制御部20は投入口検知センサ17の検知出力により投入口10に小切手Cが有り、かつ小切手Cの入金指示があったと判断して(ステップS51:YES)、小切手Cを投入口10から繰出して識別部11へ搬送する(ステップS52)。
【0128】
識別部11では枚数検知センサ14と文字読取センサ16により小切手の枚数、券種、磁気インク文字等の小切手データを識別する(ステップS53)。合わせて、識別部11はカメラ15により小切手Cの表裏画像を取得する(ステップS54)。
【0129】
その後、ステップS55において、主制御部20は投入口10から小切手が正常に繰り出されているか否かを判定する。2枚出しや識別性能に影響のある大きなスキュー状態の場合などが発生して正常な繰出状態でないと判断すると(ステップS55:NO)、小切手Cを返却口12へ搬送する(ステップS59)。
【0130】
一方、繰り出しが正常であると判断すると(ステップS55:YES)、主制御部20は識別部11によって小切手Cが正常であると識別されたか否かを確認し(ステップS56)、正常であると識別されると(ステップS56:YES)、識別部11で取得した小切手データは上位装置71からインターネットを経由し決済処理サーバ79へ送信され、小切手Cの有効性を判別する(ステップS57)。
【0131】
小切手Cが有効と判別されると(ステップS57:YES)、小切手Cを識別部11から指定された例えば確定入金庫4Aへ搬送する(ステップS58)。
【0132】
また、上述のステップS56で、識別部11によって小切手Cが異常であると識別されると(ステップS56:NO)、小切手Cを強制入金庫3Aへ収納する(ステップS60)。識別部11で取得した小切手データが有効と判別されない場合は(ステップS57:NO)、小切手Cを強制入金庫3Bへ収納する(ステップS61)。
【0133】
小切手Cが返却口12、あるいは確定入金庫4A〜4C、もしくは強制入金庫3A、3Bへ搬送された後は、投入口10の小切手Cが全てなくなったか否かを判定し(ステップS62)、投入口10に未だ小切手Cがあれば(ステップS62:NO)、上述したステップS52以降の処理を実行する。
【0134】
これに対し、投入口10の小切手Cが全てなくなると(ステップS62:YES)、共用モードの入金処理を終了する。なお、利用者は返却口12に搬送された小切手Cがある場合は、その返却された小切手Cを投入口10に再度投入し、開始/終了ボタン62を再度押して再処理するようにしてもよい。
【0135】
この場合も、装置の管理者にとっては入金庫内の紙幣は少なくとも枚数が確定しており、装置の管理者は画像データ上から券種と磁気インク文字の読み取り、および決済処理サーバでの処理状況に注力して精査すればよく、管理手間を軽減させることができる。また、識別時に正常でない小切手と決済処理時に正常でない小切手とを入金庫によって分けることで、さらに効率良く小切手を精査することが可能となる。ことに、小切手のステータス状態に応じて装置内部にきめ細かに振り分けて収納することを可能としているため、その後の小切手の取り扱いが簡単化する利点がある。
【0136】
図19は既述した小切手入金機1とPOS(販売時点情報管理)システム191とを接続して構成した利用者の入金利用能率の向上を図った一例を示している。
この小切手入金機1をPOSシステム191に接続して構成した場合、利用者のPOS端末192より事前に入力してデータ収集させた入金データはPOS通信網193を介してPOSサーバ194で管理される。このPOSサーバ194と小切手入金機1とを通信回線で接続することにより、利用者のPOS端末192と小切手入金機1とを連動させることができ、小切手入金機1での売上金の入金操作前に利用者のIDカードに基づいて枚数情報と券種情報とをオンラインで能率よく取得させることが可能になる。
【0137】
これにより、小切手入金機1での入金操作時に利用者が入金する小切手束の券種と枚数を利用者が把握しておき、かつ入金時点で入力操作するような入力操作の手間を省略することができ、能率のよい入金利用を図ることができる。
【実施例3】
【0138】
この実施例3の小切手入金機は実施例1の小切手入金機1の入金構成に貨幣の出金機能を備えたことを特徴とするものである。よって、実施例1の小切手入金機1と比較して現金による出金機能を備えたことが異なり、他は同じ構成である。したがって、異なる構成部分についてのみ説明する。
図20は実施例1で既述した小切手入金機1の図3に示す制御部の制御ブロック図を参照すると、この構成に加えて小切手に対する換金機能を持たせた貨幣処理部201を新たに備えて構成したものである。
【0139】
この貨幣処理部201は換金用の貨幣を収納する貨幣収納部202と、該貨幣収納部202より貨幣を出金する貨幣出金口203とを備えて構成される。そして、主制御部20が小切手を受け付けた際に、その受け付けた小切手を正常券と識別するとともに、その小切手の決済が完了した時点で、利用者により現金による出金額の要請があったことを確認すると、主制御部20は該小切手の金額情報に応じた出金額を貨幣収納部202より貨幣出金口203に出金させる
このような換金機能を備えた小切手入金機を用いれば利便性が向上し、運用能率の良い小切手入金機としてさらに運用性能が高まる。
【0140】
この発明は上述の実施例の構成に限らず、様々な構成の実施態様を得ることができる。例えば、上述の実施例では小切手入金機1と決済処理サーバ79とを上位装置71を介して接続した構成例を示したが、これに限らず小切手入金機自体に管理者による精査可能な管理機能を備えて構成してもよく、直接決済処理サーバ79に接続して運用するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0141】
1…小切手入金機
2…小切手処理部
3A,3B…強制入金庫
4A〜4C…確定入金庫
10…投入口
11…識別部
15…カメラ
20…主制御部
22…RAM
23…カード読取部
24…表示操作部
71…上位装置
82…小切手表裏画像
131,151…合成画像データ
132,152…利用者情報
133,153…識別データ
134,154…収納場所情報
135,155…認証データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を特定する利用者情報を入力させる入力部と、
取引される有価証券を受入処理する受入口と、
前記有価証券の識別情報を識別する識別部と、
前記有価証券の少なくとも片面の有価証券画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記有価証券を収納する収納部と、
前記有価証券画像データに、前記利用者情報と前記識別情報と前記有価証券が前記収納部に収納された場所情報とを合成して記憶する記憶部とを備えた
有価証券処理装置。
【請求項2】
前記識別部の識別結果に基づいて受付許可された前記有価証券を正常券とし、
前記識別部の識別結果に基づいて受付拒否された前記有価証券を異常券とし、
前記有価証券が前記正常券の場合は前記収納部に収納させ、前記異常券の場合は返却させる制御手段と、
前記返却された異常券があったとき、該異常券の再受付を選択可能にする再受付手段を備えた
請求項1に記載の有価証券処理装置。
【請求項3】
前記識別部の識別結果に基づいて受付許可された前記有価証券を正常券とし、
前記識別部の識別結果に基づいて受付拒否された前記有価証券を異常券とし、
前記収納部は、
前記正常券を収納する正常券収納部と、
前記異常券を収納する異常券収納部を備え、
前記有価証券の受入処理時に、
前記正常券を前記正常券収納部に収納させ、
前記異常券を前記異常券収納部に収納させる振分手段を備えた
請求項1に記載の有価証券処理装置。
【請求項4】
貨幣を収納する貨幣収納部と、
前記貨幣収納部より貨幣を出金する貨幣出金口とを備え、
前記有価証券を正常券と識別した場合、該有価証券の金額情報に応じた出金額を前記貨幣収納部より前記貨幣出金口に出金許可させる
請求項2または3に記載の有価証券処理装置。
【請求項5】
前記有価証券画像データは、
前記有価証券の表面全体および裏面全体を撮影して取得した画像である
請求項1〜4のいずれか1項に記載の有価証券処理装置。
【請求項6】
前記有価証券画像データに、
電子透かし処理する電子透かし手段を備えた
請求項1〜5のいずれか1項に記載の有価証券処理装置。
【請求項7】
前記識別部は、
前記有価証券画像データに記録された磁気情報または光学情報のうち、少なくとも一方の情報によって記録された文字情報を識別する
請求項1〜6のいずれか1項に記載の有価証券処理装置。
【請求項8】
前記記憶部に記憶されている合成された前記有価証券画像データを表示させて管理者に視認させる表示部を備え、
前記入力部は前記有価証券画像データに対し、管理者により指示情報を入力許容させる構成をさらに備えた
請求項1〜7のいずれか1項に記載の有価証券処理装置。
【請求項9】
有価証券を処理する有価証券処理装置と、該有価証券処理装置と通信接続した有価証券管理装置とを備えた有価証券処理システムであって、
前記有価証券処理装置には、
利用者を特定する利用者情報を入力させる入力部と、
取引される有価証券を受入処理する受入口と、
前記有価証券の識別情報を識別する識別部と、
前記有価証券の少なくとも片面の有価証券画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記有価証券を収納する収納部と、
前記有価証券画像データに、前記利用者情報と前記識別情報と前記有価証券が前記収納部に収納された場所情報とを合成して記憶する記憶部とを備え、
前記有価証券管理装置には、
前記有価証券処理装置の記憶部に記憶されている合成された前記有価証券画像データを取得して管理する制御部と、
前記制御部が管理している合成された前記有価証券画像データを表示して管理者に視認させる表示部と、
前記合成された有価証券画像データに対し、管理者により指示情報を入力許容させる管理者入力部とを備えた
有価証券処理システム。
【請求項10】
利用者を特定する利用者情報を取得する利用者情報取得ステップと、
取引される有価証券を受入処理する受入ステップと、
前記有価証券の識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記有価証券の少なくとも片面の有価証券画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記有価証券を収納部に収納する収納ステップと、
前記有価証券画像データに、前記利用者情報と前記識別情報と前記有価証券が前記収納部に収納された場所情報とを合成して記憶する記憶ステップとを備えた
有価証券処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−53589(P2012−53589A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194648(P2010−194648)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】