説明

有害ガスの監視に使用される方法およびシステム

【課題】有害ガスの監視に使用される方法およびシステムを提供する。
【解決手段】監視システムで使用されるディスプレイアセンブリ118が提供される。ディスプレイアセンブリは、少なくとも1つのガス成分の濃度レベルを示す有害ガスデータを受信するように構成された通信インターフェース202を含む。さらに、ディスプレイアセンブリは、通信インターフェースに結合されたプロセッサ210をも含み、プロセッサが、有害ガスデータに基づいて少なくとも1つの画像を生成するように構成される。ディスプレイアセンブリは、プロセッサに結合された表示媒体218をも含み、表示媒体が、ユーザに画像をリアルタイムに提示するように構成される。ディスプレイアセンブリは、ユーザと共に移動できるようにユーザに対して置かれ、ユーザは、位置付近を動き回る間、その位置内の有害ガスを監視できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、一般には、監視システムに関し、より詳細には、有害ガスの監視に使用される監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コージェネレーション設備および発電所など、多くの産業施設では、環境および周辺地域に有害ガスが放出される可能性がある。たとえば、少なくともいくつかの既知の石炭発電所は、様々なレベルの一酸化炭素(CO:carbon monoxide)を生成し、放出することがある。さらに、少なくともいくつかの既知のコージェネレーション設備および発電所は、有害ガスを放出する1つまたは複数のエンジンを含むことがある。さらに、化学処理工場などの処理工場は、芳香族炭化水素などの可燃性かつ/または爆発性のガス、および硫化水素(H2S:hydrogen sulfide)などの毒ガスを生成することがある。したがって、こうしたシステム内で有害ガスを監視することは不可欠である。
【0003】
こうした産業施設内に有害ガスが存在することを検出するために、少なくともいくつかの既知のセンサまたは監視システムを使用することができる。少なくともいくつかの既知の監視システムは、少なくとも1つのガス成分の存在を検出するために、少なくとも1つのセンサを使用する。次いで、センサは、受信されたデータを、ユーザが施設内のガス成分を監視できるようにする表示デバイスに送信する。しかし、一般に知られているシステムは、表示デバイスを見るために異なる場所に行くようユーザに求め得るので、リアルタイムデータを提供することができない。さらに、少なくともいくつかの既知の監視システムは、ユーザが有害ガスの存在について直接知ることができるように身体に装着可能であるが、こうした監視システムは、事前定義された閾値に達するときに音声信号を提供することだけに限定される。より具体的には、こうした監視システムは、施設内に存在する有害ガスの濃度レベルおよび/または異なるタイプなど、有害ガスの他の状況をユーザが監視することを可能にする表示を提供しない。したがって、こうした監視システムでは、ユーザは、有害ガスに関して発生している危険に対してより迅速に対応することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7852355号明細書
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、監視システムで使用されるディスプレイアセンブリが提供される。ディスプレイアセンブリは、少なくとも1つのガス成分の濃度レベルを示す有害ガスデータを受信するように構成された通信インターフェースを含む。さらに、ディスプレイアセンブリは、通信インターフェースに結合されたプロセッサをも含み、プロセッサが、有害ガスデータに基づいて少なくとも1つの画像を生成するように構成される。ディスプレイアセンブリは、プロセッサに結合された表示媒体をも含み、表示媒体が、ユーザに画像をリアルタイムに提示するように構成される。ディスプレイアセンブリは、ユーザと共に移動できるようにユーザに対して置かれ、ユーザは、ある位置付近を動き回る間、その位置内の有害ガスを監視できるようになる。
【0006】
別の実施形態では、監視システムが提供される。監視システムは、少なくとも1つのガス成分を検出し、ガス成分の検出に基づいて、有害ガスデータを表す少なくとも1つの信号を生成するように構成された少なくとも1つのセンサを含むセンサアセンブリを含む。有害ガスデータは、ガス成分の濃度レベルを示す。さらに、監視システムは、センサアセンブリに通信可能に結合されたディスプレイアセンブリを含む。ディスプレイアセンブリは、有害ガスデータを受信するように構成された通信インターフェースを含む。さらに、ディスプレイアセンブリは、通信インターフェースに結合されたプロセッサをも含み、プロセッサが、有害ガスデータに基づいて少なくとも1つの画像を生成するように構成される。ディスプレイアセンブリは、プロセッサに結合された表示媒体をも含み、表示媒体が、ユーザに画像をリアルタイムに提示するように構成される。さらに、ディスプレイアセンブリは、ユーザと共に移動できるようにユーザに対して置かれ、ユーザは、ある位置付近を動き回る間、その位置内の有害ガスを監視できるようになる。
【0007】
別の実施形態では、有害ガスを監視する方法が提供される。この方法は、ディスプレイアセンブリがユーザと共に移動できるようにディスプレイアセンブリをユーザに対して置くことを含み、ユーザは、ある位置付近を動き回る間、その位置内の有害ガスを連続的に監視できるようになる。さらに、有害ガスデータが受信され、有害ガスデータが、少なくとも1つのガス成分の濃度レベルを示す。さらに、少なくとも1つの画像が、有害ガスデータに基づいて生成される。画像は、表示媒体を介してリアルタイムにユーザに提示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】例示的な監視システムのブロック図である。
【図2】図1に示された監視システムと共に使用できる例示的なディスプレイアセンブリの概略透視図である。
【図3】図1に示された監視システムと共に使用できる代替ディスプレイアセンブリのブロック図である。
【図4】図2に示されたディスプレイアセンブリを使用して有害ガスを監視する際に使用される例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に述べられた例示的な方法およびシステムは、産業施設内の有害ガスを監視する際に使用される既知のシステムに関連する少なくともいくつかの欠点を克服する。具体的には、本明細書に述べられた諸実施形態は、少なくとも1つのガス成分の濃度レベルを示す有害ガスデータを受信し、有害ガスデータに基づいて少なくとも1つの画像を生成するディスプレイアセンブリを含む監視システムを提供する。ディスプレイアセンブリは、ユーザに画像を提示する表示媒体をも含む。さらに、ディスプレイアセンブリは、ユーザと共に移動できるようにユーザに対して置くことができ、ユーザは、現在の位置内の有害ガスを、その位置付近を動き回る間でも連続的に監視可能であってよい。したがって、本明細書に開示された監視システムは、事前定義された閾値に達するときに音声信号を提供することだけに限定されるのではなく、濃度レベルなど、追加の情報をも提供し、かつ/または施設内のそれぞれ異なるタイプの有害ガスを識別することができる。したがって、こうした監視システムによって、ユーザは、有害ガスに関して発生している危険に対してより迅速に対応することができる。
【0010】
図1は、コージェネレーション設備および/または発電所など、産業施設(図示せず)のある位置(図示せず)内で有害ガスをユーザ(図示せず)が監視できるようにするために使用できる例示的な監視システム100を示している。より具体的には、例示的な実施形態では、監視システム100は、それだけに限らないが、蒸気タービンエンジンおよび/またはガスタービンエンジンなど有害ガスソース102から様々なタイプの有害ガスが放出されていることを監視することを可能にする。例示的な実施形態は、産業施設内で使用されている監視システムについて述べているが、本発明は、産業施設に限定されず、本発明は、有害ガスを含み得るどんな施設に関連しても使用できることが当業者には理解されよう。
【0011】
例示的な実施形態では、監視システム100は、有害ガス源102から距離108を置いて配置されたセンサアセンブリ106を含む。センサアセンブリ106は、少なくとも1つのトランスデューサまたはセンサ112を含む。より具体的には、例示的な実施形態では、センサアセンブリ106は、複数のセンサ112を含んでおり、それぞれのセンサが、ソース102からの距離108内の少なくとも1つのガス成分(図示せず)の存在を検出する。より具体的には、例示的な実施形態では、それぞれのセンサ112は、特定のタイプのガス成分を検出し、各ガス成分の濃度レベルを検出する。あるいは、センサ112は、センサアセンブリ106および/または監視システム100が、本明細書に述べられたように機能することを可能にする有害ガスの他の様々なパラメータを検出するように構成されてよい。
【0012】
例示的な実施形態では、センサアセンブリ106は、センサアセンブリ106が監視システム100の少なくとも1つの他のコンポーネントと通信することを可能にするセンサ通信インターフェース116をも含む。より具体的には、監視システム100は、ディスプレイアセンブリ118を含み、通信インターフェース116は、ネットワーク122を介してディスプレイアセンブリ118に結合される。本明細書では、用語「結合する」は、コンポーネント間の直接の機械、通信、および/または電気接続に限定されるのではなく、複数のコンポーネント間の間接的な機械、通信および/または電気接続をも含み得ることに留意されたい。
【0013】
例示的な実施形態では、センサアセンブリ106は、無線周波数(RF:radio frequency)、たとえばFMラジオおよび/またはデジタル音声放送、電気電子技術者協会(IEEE(登録商標):Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11規格(たとえば802.11(g)や802.11(n))、マイクロ波アクセス世界的相互運用(WIMAX(登録商標):Worldwide Interoperability for Microwave Access)規格、セルラ電話技術(たとえば移動通信世界標準(GSM(登録商標):Global Standard for Mobile communication))、衛星通信リンク、および/または他の適切な通信手段などの、ワイヤレス通信手段を使用して、ディスプレイアセンブリ118と通信する。WIMAXは、オレゴン州ビーヴァートンのWiMaxフォーラムの登録商標である。IEEEは、ニューヨーク州ニューヨークの電気電子技術者協会の登録商標である。あるいは、センサアセンブリ106は、有線ネットワーク接続(たとえばイーサネット(登録商標)または光ファイバ)を使用してディスプレイアセンブリ118と通信することができる。
【0014】
例示的な実施形態では、通信インターフェース116は、センサアセンブリ106がディスプレイアセンブリ118と通信することを可能にする。より具体的には、例示的な実施形態では、通信インターフェース116は、検出された特定のタイプのガス成分に関連する有害ガスデータ、および検出された各ガス成分の濃度レベルなど、各センサ112から情報を受信する。さらに、通信インターフェース116は、各センサ112から受信された情報に基づいて、有害ガスデータを表す信号をディスプレイアセンブリ118に送信する。
【0015】
例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ118は、有害ガスデータを受信し、少なくとも1つの画像の形でユーザに有害ガスデータを提示する。例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ118は、ユーザと共に移動できるようにユーザに対して、たとえばユーザの身体(図示せず)に対して置くことができ、ユーザは、距離108など、現在の位置内の有害ガスを、ユーザがその位置付近を動き回る間でも連続的に監視できるようになる。たとえば、ディスプレイアセンブリ118は、ユーザが装着してもよいし、持ってもよい。
【0016】
例示的な実施形態では、センサアセンブリ106は、たとえばユーザの身体に対してなど、ユーザに対して置くこともできる。たとえば、センサアセンブリ106は、ユーザが装着してもよいし、持ってもよい。あるいは、センサアセンブリ106は、ユーザに対して置かれないことがあり、産業施設内のどこかに置くことができる。
【0017】
動作中、例示的な実施形態では、ユーザが有害ガス源102に近づいている間、有害ガス源102からいずれかの有害ガスが放出される場合、ユーザが距離108内にいるときにこうしたガスが検出される。それぞれのセンサ112は、特定のタイプのガス成分を検出し、各ガス成分の濃度レベルを検出することによって、少なくとも1つのガス成分の存在を検出する。有害ガスデータは、ディスプレイアセンブリ118によって有害ガスデータが受信され得るように通信インターフェース116に送信され、データが、ユーザにリアルタイムに提示される。例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ118およびセンサアセンブリ106がユーザに対して置かれるので、ディスプレイアセンブリ118によって受信された有害ガスデータは、ユーザの位置に基づいて変化することがある。
【0018】
図2は、監視システム100(図1に示される)と共に使用できる例示的なディスプレイアセンブリ118の概略図である。例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ118は、ユーザ(図示せず)によって装着されており、ユーザの身体に対してなど、ユーザに対して置くことができる。より具体的には、例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ118は、ユーザによって着用された眼鏡である。あるいは、ディスプレイアセンブリ118は、ディスプレイアセンブリをユーザに対するものとすることができ、またディスプレイアセンブリ118および/または監視システム100が、本明細書に述べられたように機能することを可能にするような任意の形であってよい。
【0019】
例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ118は、ディスプレイアセンブリ118に電力を供給するバッテリ201を含む。例示的な実施形態では、バッテリ201は充電可能なリチウムイオン電池201である。あるいは、バッテリ201は、他のいずれかのリチウムベースのバッテリでもよいし、ディスプレイアセンブリ118が本明細書に述べられたように機能することを可能にする他の任意のタイプのバッテリであってもよい。
【0020】
ディスプレイアセンブリ118は、センサアセンブリ106(図1に示される)から有害ガスデータを受信する通信インターフェース202を含む。より具体的には、例示的な実施形態では、センサ通信インターフェース116(図1に示される)は、ネットワーク122(図1に示される)を介して通信インターフェース202に結合される。通信インターフェース116は、各センサ112(図1に示される)から受信された有害ガスデータを表す信号を通信インターフェース202に送信する。例示的な実施形態では、通信インターフェース202は、たとえばワイヤレス無線通信に使用できるアンテナなどのアンテナである。あるいは、通信インターフェース202は、ディスプレイアセンブリ118および/または監視システム100が本明細書に述べられたように機能することを可能にする他の任意のタイプの通信モジュールであってもよい。
【0021】
例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ118は、通信インターフェース202に通信可能に結合された受信機206をも含む。例示的な実施形態では、受信機206は、ワイヤレスデータ接続を介して通信インターフェース202から有害ガスデータを受信するワイヤレス受信機である。受信機206は、システムバス(図示せず)を介して通信インターフェース202および受信機206に結合されたプロセッサ210に有害ガスデータを送信する。プロセッサ210は、システムバスを介してメモリデバイス214にも結合される。
【0022】
実施形態によっては、実行可能命令は、メモリデバイス214に格納される。ディスプレイアセンブリ118は、本明細書に述べられた1つまたは複数の操作をプログラミングプロセッサ210によって実施するようにプログラム可能である。たとえば、プロセッサ210は、操作を1つまたは複数の実行可能命令として符号化し、メモリデバイス214内に実行可能命令を提供することによってプログラムされてよい。プロセッサ210は、(たとえばマルチコア構成の)1つまたは複数の処理装置を含んでよい。例示的な実施形態では、プロセッサ210は、プロセッサがセンサアセンブリ106から受信し続ける有害ガスデータに基づいて、少なくとも1つの画像を連続的に生成するようにプログラムされる。より具体的には、例示的な実施形態では、プロセッサ210は、検出された少なくとも1つのガス成分の名前を含む画像を生成するようにプログラムされる。
【0023】
プロセッサ210は、検出された少なくとも1つのガス成分の濃度レベルの図形表現を含む画像を生成するようにプログラムされる。プロセッサ210は、濃度レベルが事前定義された閾値を超える場合はテキスト形式の警告を生成するようにもプログラムされる。たとえば、テキスト形式の警告は、ユーザに提示されたとき、時間間隔のシーケンスに従って点滅することができる。例示的な実施形態では、テキスト形式の警告は、ガス成分の濃度レベルが事前定義された閾値を超える前に提供される。あるいは、プロセッサ210は、ディスプレイアセンブリ118および/または監視システム100が本明細書に述べられたように機能することを可能にする他のいずれかの画像を生成するようにプログラムされてよい。さらに、例示的な実施形態では、プロセッサ210は、ガス成分の濃度レベルが事前定義された閾値を超えることに基づいて音声出力を生成するようにプログラムされる。
【0024】
本明細書では、用語「プロセッサ」は一般に、システムとマイクロコントローラとを含む任意のプログラマブルシステム、縮小命令セット回路(RISC:reduced instruction set circuit)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、プログラマブル論理回路(PLC:programmable logic circuit)、および本明細書に述べられた機能を実行できる他の任意の回路またはプロセッサを指す。上記の例は、例示的なものにすぎず、したがって、用語「プロセッサ」の定義および/または意味を限定するためのものでは決してない。
【0025】
プロセッサ210は、それだけに限らないが、汎用中央処理装置(CPU:central processing unit)、グラフィックス処理装置(GPU:graphics processing unit)、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC:reduced instruction set computer)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路(PLC)、および/または本明細書に述べられた機能を実行できる他の任意の回路またはプロセッサを含んでよい。本明細書に述べられた方法は、それだけに限らないが、記憶デバイスおよび/またはメモリデバイスを含めて、コンピュータ読取り可能媒体で実施された実行可能命令として符号化することができる。こうした命令は、プロセッサ210によって実行されたとき、プロセッサ210に、本明細書に述べられた方法の少なくとも一部を実施させる。上記の例は例示的なものにすぎず、したがって、用語プロセッサの定義および/または意味を限定するためのものでは決してない。
【0026】
メモリデバイス214は、実行可能命令および/または他のデータなどの情報を格納し取り出すことを可能にする。メモリデバイス214は、それだけに限らないが、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic random access memory)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)、ソリッドステートディスクおよび/またはハードディスクなど、1つまたは複数のコンピュータ読取り可能媒体を含んでよい。メモリデバイス214は、それだけに限らないが、実行可能命令、構成データ、地理データ(たとえば地形データおよび/または障害物)、ユーティリティネットワーク機器データ、および/または他の任意のタイプのデータを格納するように構成されてよい。
【0027】
例示的な実施形態では、メモリデバイス214は、センサアセンブリ106から受信された有害ガスデータを格納し、プロセッサ210によって生成される画像を格納する。さらに、例示的な実施形態では、メモリデバイス214は、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)を含んでよく、このランダムアクセスメモリは、不揮発性RAM(NVRAM:non−volatile RAM)、磁気RAM(MRAM:magnetic RAM)、強誘電性RAM(FeRAM:ferroelectric RAM)および他の形のメモリを含んでよい。メモリデバイス214は、読取り専用メモリ(ROM:read only memory)、フラッシュメモリおよび/または電気消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)を含むこともできる。他の任意の適切な磁気メモリ、光メモリおよび/または半導体メモリが、それ自体で、または他の形のメモリと組み合わせてメモリデバイス214に含まれてもよい。またメモリデバイス214は、それだけに限らないが、適切なカートリッジ、ディスク、CD ROM、DVDまたはUSBメモリを含めて、分離可能メモリまたは取外し可能メモリであってもよいし、それを含んでもよい。あるいは、メモリデバイス214は、データベースであってもよい。用語「データベース」は一般に、階層データベース、リレーショナルデータベース、フラットファイルデータベース、オブジェクトリレーショナルデータベース、オブジェクト指向データベース、およびコンピュータシステムに格納される他の任意の構造化されたレコード群またはデータ群を含めて、任意のデータ群を指す。上記の例は例示的なものにすぎず、したがって、用語データベースの定義および/または意味を限定するためものものでは決してない。データベースの例には、それだけに限らないが、Oracle(登録商標)データベース、MySQL、IBM(登録商標)DB2、Microsoft(登録商標)SQLサーバ、Sybase(登録商標)およびPostgreSQLが含まれる。しかし、本明細書に述べられたシステムおよび方法を可能にする任意のデータベースを使用することができる。(Oracleは、カリフォルニア州レッドウッドショアズのOracle Corporationの登録商標であり、IBMは、ニューヨーク州アーモンクのInternational Business Machines Corporationの登録商標であり、Microsoftは、 ワシントン州レドモンドのMicrosoft Corporationの登録商標であり、Sybaseは、カリフォルニア州ダブリンのSybaseの登録商標である。)
表示媒体218およびディスプレイアダプタ220もまた、システムバスを介してプロセッサ210に結合される。例示的な実施形態では、表示媒体218は、少なくとも1つのレンズ224内に少なくとも1つの画面223を含む。より具体的には、例示的な実施形態では、表示媒体218は、2つのレンズ224を含み、それぞれのレンズ224が、その中に1つの画面223を有する。例示的な実施形態では、レンズ224は偏光レンズである。あるいは、レンズ224は、表示媒体218が本明細書に述べられたように機能することを可能にする任意のタイプのレンズであってよい。さらに、例示的な実施形態では、表示媒体218は、プロセッサ210によって生成された画像をユーザに提示する。より具体的には、例示的な実施形態では、表示媒体218は、陰極線管(CRT:cathode ray tube)、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、有機LED(OLED:organic LED)ディスプレイ、および/または「電子インク」ディスプレイなど、視覚ディスプレイを含む。したがって、例示的な実施形態では、ユーザは、レンズ224のうちの少なくとも1つのレンズ上で画像を見ることが可能となる。
【0028】
例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ118は、システムバスを介してプロセッサ210に結合されたユーザインターフェース230をも含む。ユーザインターフェース230は、本明細書に述べられた方法で使用するのに適した任意の情報を受信する。より具体的には、例示的な実施形態では、ユーザは、表示媒体218上に表示したい様々な画像を入力することができ、ユーザは、音声信号を介して情報を受信したいかどうか入力することができる。さらに、例示的な実施形態では、ユーザインターフェース230は、タッチセンサパネル234を含む。あるいは、ユーザは、たとえば、キーボード、ポインティングデバイス、マウス、スタイラス、タッチパッド、タッチスクリーン、ジャイロスコープ、加速度計、位置検出器を含んでよい。ディスプレイアセンブリ118は、システムバスによってプロセッサに結合された音声入力インターフェース240をも含む。例示的な実施形態では、音声入力インターフェース240は、ユーザが第三者と通信することを可能にするマイクロホン244を含む。
【0029】
さらに、例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ118は、システムバスを介してプロセッサ210に結合された音声出力デバイス248を含む。例示的な実施形態では、音声出力デバイス248は、音声アダプタおよび/またはスピーカである。あるいは、音声出力デバイス248は、ディスプレイアセンブリ118および/または監視システム100が本明細書に述べられたように機能することを可能にする任意のタイプのデバイスであってよい。例示的な実施形態では、音声出力デバイス248は、ガス成分が事前定義された閾値を超える場合はプロセッサ210から出力を受信し、受信された出力に基づいて音声信号を生成するように構成される。より具体的には、音声出力デバイス248は、少なくとも1つのガス成分の濃度レベルが事前定義された閾値を超えることに基づいて音声信号を生成するように構成される。音声出力デバイス248は、ユーザに音声信号を送信するように構成される。例示的な実施形態では、音声信号は、実際の濃度レベルおよび/または警告を伝えることができる音声アラームである。あるいは、音声信号は、ディスプレイアセンブリ118および/または監視システム100が本明細書に述べられたように機能することを可能にする任意のタイプの音声信号であってよい。
【0030】
動作中、例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ118を装着したユーザが有害ガス源102(図1に示される)に近づいている間、有害ガス源102からいずれかの有害ガスが放出される場合、ユーザが距離108(図1に示される)内にいるときにこうしたガスが検出される。それぞれのセンサ112(図1に示される)は、特定のタイプのガス成分を検出し、各ガス成分の濃度レベルを検出することによって、少なくとも1つのガス成分の存在を検出する。有害ガスデータは、通信インターフェース116に送信される。
【0031】
有害ガスデータは、ディスプレイアセンブリ118に送信され、通信インターフェース202によって受信される。通信インターフェース202は、受信機206に有害ガスデータを送信し、この受信機206は、プロセッサ210、および有害ガスデータの格納を可能にするメモリデバイス214にデータを送信する。プロセッサ210は、通信インターフェース202が受信し続ける有害ガスデータに基づいて、複数の画像を連続的に生成する。より具体的には、プロセッサ210は、検出された各ガス成分の名前、および検出された各ガス成分の濃度レベルの図形表現を含む画像を生成する。濃度レベルが、プロセッサ210にプログラムされた事前定義された閾値を超える場合は、プロセッサ210は、テキスト形式の警告を含む画像を生成する。
【0032】
表示媒体218は、ユーザがユーザインターフェース230に提供する入力に基づいて、ユーザに情報を連続的に提示する。より具体的には、ユーザは、情報を視覚的な出力および/または音声出力によって提示するかどうか入力することができる。ユーザが視覚的な出力によって情報を受信することを選ぶ場合、プロセッサ210は、表示媒体218に複数の画像を連続的に送信する。次いで、ユーザは、産業施設内の有害ガスの様々なパラメータを視覚的に識別することができる。より具体的には、検出された各ガス成分の名前、および検出された各ガス成分の濃度レベルの図形表現を含む画像がユーザに提示される。さらに、濃度レベルが事前定義された閾値を超える場合は、ユーザは、テキスト形式の警告を含む画像を見る。これらの画像は、ユーザが産業施設内のある位置付近を動き回る間、それぞれのパラメータが変化するにつれて変化し続ける。
【0033】
ユーザが音声出力を介して追加の情報を受信することを選ぶ場合、プロセッサ210は、ガス成分が事前定義された閾値を超えるとき、音声出力デバイス248に音声出力を送信する。音声出力デバイス248は、受信された出力に基づいて音声信号を生成する。より具体的には、音声出力デバイス248は、ガス成分の濃度レベルが事前定義された閾値を超えることに基づいて音声信号を生成する。次いで、音声出力デバイス248は、ユーザに音声信号を送信する。
【0034】
図3は、ディスプレイアセンブリ118(図1および図2に示される)ではなく、監視システム100(図1に示される)と共に使用できるディスプレイアセンブリ300の一代替実施形態を示している。例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ300は、ユーザに対して、たとえばユーザ(図示せず)の身体(図示せず)に対して置かれるように、ユーザが持ち、または保持する。より具体的には、ディスプレイアセンブリ300は、スマートフォンなど、ハンドヘルドコンピューティングデバイスである。あるいは、ディスプレイアセンブリ300は、ディスプレイアセンブリ300をユーザに対して置くことができるような、またディスプレイアセンブリ300および/または監視システム100が本明細書に述べられたように機能することを可能にする任意の形であってよい。
【0035】
さらに、例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ300は、ディスプレイアセンブリ300に電力を供給するバッテリ301を含む。例示的な実施形態では、バッテリ301は、充電可能なリチウムイオン電池301である。あるいは、バッテリ301は、他のいずれかのリチウムベースのバッテリであってもよいし、ディスプレイアセンブリ300および/または監視システムが本明細書に述べられたように機能することを可能にする他の任意のタイプのバッテリであってもよい。
【0036】
ディスプレイアセンブリ300は、センサアセンブリ106(図1に示される)から有害ガスデータを受信する通信インターフェース302を含む。より具体的には、例示的な実施形態では、センサ通信インターフェース116(図1に示される)は、ネットワーク122(図1に示される)を介して通信インターフェース302に結合される。通信インターフェース116は、各センサ112(図1に示される)から受信された有害ガスデータを表す信号を通信インターフェース302に送信する。さらに、例示的な実施形態では、通信インターフェース302は、BLUETOOTH(登録商標)など、短距離無線通信チャネルである。BLUETOOTH(登録商標)は、ワシントン州カークランドのBluetooth(登録商標) SIG,Incの登録商標である。あるいは、通信インターフェース302は、ディスプレイアセンブリ300および/または監視システム100が本明細書に述べられたように機能することを可能にする他のタイプの通信モジュールであってもよい。
【0037】
例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ300は、通信インターフェース302に通信可能に結合された受信機306をも含む。より具体的には、例示的な実施形態では、受信機306は、ワイヤレスデータ接続(図示せず)を介して通信インターフェース302から有害ガスデータを受信するワイヤレス受信機である。受信機306は、システムバス(図示せず)を介して通信インターフェース302および受信機306に結合されたプロセッサ310に有害ガスデータを送信する。プロセッサ310は、システムバスを介してメモリデバイス314にも結合される。
【0038】
実施形態によっては、実行可能命令は、メモリデバイス314に格納される。ディスプレイアセンブリ300は、本明細書に述べられた1つまたは複数の操作をプログラミングプロセッサ310によって実施するようにプログラム可能である。たとえば、プロセッサ310は、操作を1つまたは複数の実行可能命令として符号化し、メモリデバイス314内に実行可能命令を提供することによってプログラムされてよい。プロセッサ310は、(たとえばマルチコア構成で)1つまたは複数の処理装置を含んでよい。例示的な実施形態では、プロセッサ310は、プロセッサがセンサアセンブリ106から受信し続ける有害ガスデータに基づいて、少なくとも1つの画像を連続的に生成するようにプログラムされる。
【0039】
より具体的には、例示的な実施形態では、プロセッサ310は、検出された少なくとも1つのガス成分の名前を含む画像を生成するようにプログラムされる。プロセッサ310は、検出された少なくとも1つのガス成分の濃度レベルの図形表現を含む画像を生成するようにプログラムされる。プロセッサ310は、濃度レベルが事前定義された閾値を超える場合にテキスト形式の警告を生成するようにもプログラムされる。より具体的には、例示的な実施形態では、テキスト形式の警告は、ガス成分の濃度レベルが事前定義された閾値を超える前に提供される。あるいは、プロセッサ310は、ディスプレイアセンブリ300および/または監視システム100が本明細書に述べられたように機能することを可能にする他のいずれかの画像を生成するようにプログラムされてよい。例示的な実施形態では、プロセッサ310は、ガス成分の濃度レベルが事前定義された閾値を超えることに基づいて音声出力を生成するようにプログラムされる。
【0040】
さらに、プロセッサ310は、それだけに限らないが、汎用中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路(PLC)、および/または本明細書に述べられた機能を実行できる他の任意の回路またはプロセッサを含んでよい。本明細書に述べられた方法は、それだけに限らないが、記憶デバイスおよび/またはメモリデバイスを含めて、コンピュータ読取り可能媒体で実施された実行可能命令として符号化することができる。こうした命令は、プロセッサ310によって実行されるとき、プロセッサ310に、本明細書に述べられた方法の少なくとも一部を実施させる。上記の例は例示的なものにすぎず、したがって、用語プロセッサの定義および/または意味を限定するためのものでは決してない。
【0041】
メモリデバイス314は、実行可能命令および/または他のデータなどの情報を格納し取り出すことを可能にする。メモリデバイス314は、それだけに限らないが、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ソリッドステートディスクおよび/またはハードディスクなど、1つまたは複数のコンピュータ読取り可能媒体を含んでよい。メモリデバイス314は、それだけに限らないが、実行可能命令、構成データ、地理データ(たとえば地形データおよび/または障害物)、ユーティリティネットワーク機器データ、および/または他のタイプのデータを格納するように構成されてよい。
【0042】
例示的な実施形態では、メモリデバイス314は、センサアセンブリ106から受信された有害ガスデータを格納し、プロセッサ310によって生成される画像を格納する。さらに、例示的な実施形態では、メモリデバイス314は、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでよく、このランダムアクセスメモリは、不揮発性RAM(NVRAM)、磁気RAM(MRAM)、強誘電性RAM(FeRAM)および他の形のメモリを含んでよい。メモリデバイス314は、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、および/または電気消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)を含むこともできる。他の任意の適切な磁気メモリ、光メモリおよび/または半導体メモリが、それ自体で、または他の形のメモリと組み合わせてメモリデバイス314に含まれてもよい。またメモリデバイス314は、それだけに限らないが、適切なカートリッジ、ディスク、CD ROM、DVDまたはUSBメモリを含めて、分離可能メモリまたは取外し可能メモリであってもよいし、それを含んでもよい。あるいは、メモリデバイス314は、データベースであってよい。用語「データベース」は一般に、階層データベース、リレーショナルデータベース、フラットファイルデータベース、オブジェクトリレーショナルデータベース、オブジェクト指向データベース、およびコンピュータシステムに格納される他の任意の構造化されたレコード群またはデータ群を含めて、任意のデータ群を指す。上記の例は例示的なものにすぎず、したがって、用語データベースの定義および/または意味を限定するためのものでは決してない。データベースの例には、それだけに限らないが、Oracle(登録商標)データベース、MySQL、IBM(登録商標)DB2、Microsoft(登録商標)SQLサーバ、Sybase(登録商標)およびPostgreSQLが含まれる。しかし、本明細書に述べられたシステムおよび方法を可能にする任意のデータベースを使用することができる。(Oracleは、カリフォルニア州レッドウッドショアズのOracle Corporationの登録商標であり、IBMは、ニューヨーク州アーモンクのInternational Business Machines Corporationの登録商標であり、Microsoftは、 ワシントン州レドモンドのMicrosoft Corporationの登録商標であり、Sybaseは、カリフォルニア州ダブリンのSybaseの登録商標である。)
表示媒体318およびディスプレイアダプタ320もまた、システムバスを介してプロセッサ310に結合される。例示的な実施形態では、表示媒体318は、ディスプレイ画面324を含む。さらに、例示的な実施形態では、表示媒体318は、プロセッサ310によって生成された画像をユーザに提示する。より具体的には、例示的な実施形態では、表示媒体318は、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイ、および/または「電子インク」ディスプレイなど、視覚ディスプレイを含む。したがって、例示的な実施形態では、ユーザは、画面324上で画像を見ることが可能となる。
【0043】
例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ300は、システムバスを介してプロセッサ310に結合されたユーザインターフェース330をも含む。ユーザインターフェース330は、本明細書に述べられた方法で使用するのに適したいずれかの情報を受信する。より具体的には、例示的な実施形態では、ユーザは、表示媒体318上に表示したい様々な画像を入力することができ、ユーザは、音声信号が必要かどうかも入力することができる。さらに、例示的な実施形態では、ユーザインターフェース330は、キーボード334を含む。あるいは、ユーザは、たとえば、ポインティングデバイス、マウス、スタイラス、タッチパッド、タッチスクリーン、ジャイロスコープ、加速度計、位置検出器を含んでよい。ディスプレイアセンブリ300は、システムバスを介してプロセッサに結合された音声入力インターフェース340をも含む。例示的な実施形態では、音声入力インターフェース340は、ユーザが第三者と通信することを可能にするマイクロホン344を含む。
【0044】
例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ300は、システムバスを介してプロセッサ310に結合された音声出力デバイス348を含む。例示的な実施形態では、音声出力デバイス348は、音声アダプタおよび/またはスピーカである。あるいは、音声出力デバイス348は、ディスプレイアセンブリ300および/または監視システム100が本明細書に述べられたように機能することを可能にする任意のタイプのデバイスであってよい。例示的な実施形態では、音声出力デバイス348は、ガス成分が所定の閾値を超える場合にプロセッサ310から出力を受信するように構成される。音声出力デバイス348は、受信された出力に基づいて音声信号を生成するように構成される。より具体的には、音声出力デバイス348は、少なくとも1つのガス成分の濃度レベルが事前定義された閾値を超えることに基づいて音声信号を生成するように構成される。音声出力デバイス348は、実際の濃度レベルおよび/または警告を伝えることができる音声信号をユーザに送信するように構成される。例示的な実施形態では、音声信号は、音声アラームである。あるいは、音声信号は、ディスプレイアセンブリ300および/または監視システム100が本明細書に述べられたように機能することを可能にする任意のタイプの音声信号であってよい。
【0045】
動作中、例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ300を持つユーザが有害ガス源102(図1に示される)に近づいている間、有害ガス源102からいずれかの有害ガスが放出される場合、ユーザが距離108(図1に示される)内にいるときにこうしたガスが検出される。それぞれのセンサ112(図1に示される)は、ガス成分のタイプを検出し、各ガス成分の濃度レベルを検出することによって、少なくとも1つのガス成分の存在を検出する。この有害ガスデータは、通信インターフェース116(図1に示される)に送信され、次いで、表示アセンブリ300に送信される。より具体的には、有害ガスデータは、通信インターフェース302によって受信される。通信インターフェース302は、受信機306に有害ガスデータを送信し、この受信機306は、プロセッサ310、および有害ガスデータの格納を可能にするメモリデバイス314にデータを送信する。プロセッサ310は、通信インターフェース302が受信し続ける有害ガスデータに基づいて、複数の画像を連続的に生成する。より具体的には、プロセッサ310は、検出された各ガス成分の名前、および検出された各ガス成分の濃度レベルの図形表現を含む画像を生成する。濃度レベルが、プロセッサ310にプログラムされた事前定義された閾値を超える場合は、プロセッサ310は、テキスト形式の警告を含む画像を生成する。
【0046】
表示媒体318は、ユーザがユーザインターフェース330に提供する入力に基づいて、ユーザに情報を連続的に提示する。より具体的には、ユーザは、情報を視覚的な出力および/または音声出力によって提示するかどうか入力することができる。ユーザが視覚的な出力によって情報を受信することを選ぶ場合、プロセッサ310は、表示媒体318に複数の画像を連続的に送信する。次いで、ユーザは、産業施設内の有害ガスの様々なパラメータを視覚的に識別することができる。より具体的には、検出された各ガス成分の名前、および検出された各ガス成分の濃度レベルの図形表現を含む画像がユーザに提示される。さらに、濃度レベルが事前定義された閾値を超える場合は、ユーザは、テキスト形式の警告を含む画像を見る。これらの画像は、ユーザが産業施設内のある位置付近を動き回る間、各パラメータのそれぞれが変化するにつれて変化し続ける。
【0047】
ユーザが音声出力を介して追加の情報を受信することを選ぶ場合、プロセッサ310は、ガス成分が事前定義された閾値を超えるとき、音声出力デバイス348に音声出力を送信する。音声出力デバイス348は、受信された出力に基づいて音声信号を生成する。より具体的には、音声出力デバイス348は、ガス成分の濃度レベルが事前定義された閾値を超えることに基づいて音声信号を生成する。次いで、音声出力デバイス348は、ユーザに音声信号を送信する。
【0048】
図4は、ディスプレイアセンブリ118(図1および図2に示される)など、ディスプレイアセンブリを使用して有害ガスを監視する際に使用される例示的な方法400を示すフローチャートである。あるいは、方法400は、ディスプレイアセンブリ300(図3に示される)を使用してもよい。例示的な実施形態では、ディスプレイアセンブリ118は、ユーザに対して置かれる402。より具体的には、ディスプレイアセンブリ118は、ユーザと共に移動できるようにユーザの身体に対して置かれ、ユーザは、ある位置付近を動き回る間でも、その位置内の有害ガスを連続的に監視できるようになる。有害ガスデータは、通信インターフェース202(図2に示される)によって受信される404。こうした有害ガスデータは、少なくとも1つのガス成分の少なくとも濃度レベルを示す。プロセッサ210(図2に示される)は、有害ガスデータに基づいて、少なくとも1つの画像を連続的に生成する406。より具体的には、例示的な実施形態では、生成された画像は、検出された各ガス成分の名前、および検出された各ガス成分の濃度レベルの図形表現を含む。さらに、濃度レベルが、プロセッサ210にプログラムされた事前定義された閾値を超える場合は、テキスト形式の警告を含む画像が生成される。これらの画像は、ユーザが産業施設内のある位置付近を動き回る間、それぞれのパラメータの変化に基づいて変化し続ける。
【0049】
表示媒体218(図2に示される)が、ユーザに画像を提示する408。さらに、例示的な実施形態では、音声出力デバイス248(図2に示される)は、ガス成分の濃度レベルが事前定義された閾値を超えることに基づいて音声信号を生成する410。次いで、音声信号が、ユーザに送信される412。
【0050】
有害ガスを監視するために使用される既知のシステムおよび方法と比べて、上記に述べられた方法および装置の諸実施形態は、有害ガスに関して発生している危険に対してユーザがより迅速に対応することを可能にする。具体的には、本明細書に述べられた諸実施形態は、少なくとも1つのガス成分の濃度レベルを示す有害ガスデータを受信し、有害ガスデータに基づいて少なくとも1つの画像を連続的に生成するディスプレイアセンブリを含む監視システムを提供する。ディスプレイアセンブリは、ユーザに画像を提示する表示媒体をも含む。ディスプレイアセンブリは、ユーザと共に移動できるようにユーザに対して置くことができ、ユーザは、現在の位置内の有害ガスを、その位置付近を動き回る間でも連続的に監視可能であってよい。したがって、本明細書に開示された監視システムは、事前定義された閾値に達するときに音声信号を提供することだけに限定されるのではなく、濃度レベルなど、追加の情報をも提供し、かつ/または施設内のそれぞれ異なるタイプの有害ガスを識別することができる。
【0051】
本明細書に述べられたシステムおよび方法の技術的効果は、下記のうちの少なくとも1つを含む。(a)ディスプレイアセンブリがユーザと共に移動できるように、ディスプレイアセンブリをユーザに対して置き、ユーザは、ある位置付近を動き回る間、その位置内の有害ガスを連続的に監視できるようになること、(b)少なくとも1つのガス成分の濃度レベルを示す有害ガスデータを受信すること、(c)有害ガスデータに基づいて少なくとも1つの画像を生成すること、および(d)表示媒体を介して、少なくとも1つの画像をユーザにリアルタイムに提示すること。
【0052】
有害ガスの監視で使用されるシステムおよび方法の例示的な実施形態について、上記で詳細に述べられている。システムおよび方法は、本明細書に述べられた特定の実施形態に限定されないが、システムのコンポーネントおよび方法のステップは、本明細書に述べられた他のコンポーネントおよび/またはステップとは独立かつ別々に使用することができる。たとえば、システムは、他のシステムおよび方法と組み合わせて使用することもでき、本明細書に述べられたシステムだけを用いて実施することに限定されない。むしろ、例示的な実施形態は、他の多くの用途に関連して実施し使用することができる。
【0053】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴が、一部の図面には示されているが、他の図面には示されていないことがあり、これは、便宜上のことにすぎない。本発明の原理によれば、図面のいずれかの特徴は、他のいずれかの図面のいずれかの特徴と組み合わせて参照し、かつ/または特許請求することができる。
【0054】
記載されたこの説明は、実施例を用いて、ベストモードを含めて本発明を開示し、また任意のデバイスまたはシステムを作成し使用し、組み込まれたいずれかの方法を実施することを含めて、当業者が本発明を実施することを可能にする。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に想起される他の実施例を含むことができる。他のこうした実施例は、特許請求の範囲の文言(literal language)とは異ならない構造的要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と僅かにしか異ならない均等な構造的要素を含む場合は、特許請求の範囲内のものとする。
【符号の説明】
【0055】
100 監視システム
102 有害ガス源
106 センサアセンブリ
108 距離
112 センサ
116 通信インターフェース
118 ディスプレイアセンブリ
122 ネットワーク
201 バッテリ
202 通信インターフェース
206 受信機
210 プロセッサ
214 メモリデバイス
218 表示媒体
220 ディスプレイアダプタ
223 画面
224 レンズ
230 ユーザインターフェース
234 タッチセンサパネル
240 音声入力インターフェース
244 マイクロホン
248 音声出力デバイス
300 ディスプレイアセンブリ
301 バッテリ
302 通信インターフェース
306 受信機
310 プロセッサ
314 メモリデバイス
318 表示媒体
320 ディスプレイアダプタ
324 画面
330 ユーザインターフェース
334 キーボード
340 音声入力インターフェース
344 マイクロホン
348 音声出力デバイス
400 有害ガス監視で使用される方法
402 ディスプレイアセンブリがユーザに対して置かれる
404 有害ガスデータが受信される
406 プロセッサが少なくとも1つの画像を連続的に生成する
408 表示媒体が画像を提示する
410 音声出力デバイスが音声信号を生成する
412 次いで、音声信号がユーザに送信される

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視システム(100)で使用されるディスプレイアセンブリ(118)であって、
少なくとも1つのガス成分の濃度レベルを示す有害ガスデータを受信するように構成された通信インターフェース(202)と、
前記通信インターフェースに結合されており、前記有害ガスデータに基づいて少なくとも1つの画像を生成するように構成されたプロセッサ(210)と、
前記プロセッサに結合されており、前記少なくとも1つの画像をユーザにリアルタイムに提示するように構成された表示媒体(218)と
を備え、
前記ディスプレイアセンブリが、前記ユーザと共に移動できるように前記ユーザに対して置かれ、前記ユーザが、位置(108)付近を動き回る間、前記位置内の有害ガスを監視できるようになる、ディスプレイアセンブリ(118)。
【請求項2】
前記表示媒体(218)が少なくとも1つのレンズ(224)を備える、請求項1記載のディスプレイアセンブリ(118)。
【請求項3】
前記表示媒体(218)が少なくとも1つの表示画面(324)を備える、請求項1記載のディスプレイアセンブリ(118)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの画像が、前記少なくとも1つのガス成分の前記濃度レベルの図形表現、および前記少なくとも1つのガス成分の名前のうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載のディスプレイアセンブリ(118)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの画像が、前記少なくとも1つのガス成分の前記濃度レベルが事前定義された閾値を超える場合にテキスト形式の警告を提供する、請求項1記載のディスプレイアセンブリ(118)。
【請求項6】
前記テキスト形式の警告が、前記少なくとも1つのガス成分の前記濃度レベルが前記事前定義された閾値を超える前に提供される、請求項5記載のディスプレイアセンブリ(118)。
【請求項7】
前記プロセッサ(210)に結合された音声出力デバイス(248)をさらに備え、前記音声出力デバイスが、前記少なくとも1つのガス成分の前記濃度レベルが事前定義された閾値を超えることに基づいて音声信号を生成するように構成され、前記音声出力デバイスが、前記ユーザに前記音声信号を送信するように構成される、請求項1記載のディスプレイアセンブリ(118)。
【請求項8】
少なくとも1つのガス成分を検出し、少なくとも1つのガス成分の前記検出に基づいて、有害ガスデータを表す少なくとも1つの信号を生成するように構成された少なくとも1つのセンサ(112)を備えるセンサアセンブリ(106)であって、前記有害ガスデータが前記少なくとも1つのガス成分の濃度レベルを表す、センサアセンブリ(106)と、
前記センサアセンブリに通信可能に結合されたディスプレイアセンブリ(118)と
を備える監視システム(100)であって、前記ディスプレイアセンブリが、
前記有害ガスデータを受信するように構成された通信インターフェース(202)と、
前記通信インターフェースに結合されており、前記有害ガスデータに基づいて少なくとも1つの画像を生成するように構成されるプロセッサ(210)と、
前記プロセッサに結合されており、前記少なくとも1つの画像をユーザにリアルタイムに提示するように構成された表示媒体(218)とを備え、前記ディスプレイアセンブリが、前記ユーザと共に移動できるように前記ユーザに対して置かれ、前記ユーザが、位置(108)付近を動き回る間、前記位置内の有害ガスを監視できるようになる、監視システム(100)。
【請求項9】
前記センサアセンブリ(106)が、前記ユーザと共に移動できるように前記ユーザに対して置かれる、請求項8記載の監視システム(100)。
【請求項10】
前記表示媒体(218)が、レンズ(224)および表示画面(223)のうちの少なくとも1つを備える、請求項8記載の監視システム(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−226755(P2012−226755A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−95253(P2012−95253)
【出願日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】