説明

有機エレクトロルミネセンス素子

【課題】表示部が小さく、高精細度化に適した、寿命のバラツキが少ない、有機エレクトロルミネセンス素子を提供する。
【解決手段】陰極101と陽極109との間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層103,105,107の上部に、輸送層104,106,108を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機エレクトロルミネセンス素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、波長の異なる発光層を複数個有しているエレクトロルミネセンス素子が研究されている。特許文献1の構造を図15に示す。透明ガラス基板10の上にITOをスパッタにより陽極1が形成され、陽極1の上にホール輸送層11が形成されている。このホール輸送層11の上に、青色発光層3aが形成されている。その上に、電子輸送層12が形成され、陰極2が形成されている。
【0003】
同様に、ホール輸送層11の上に、緑色発光層3bが形成されている。この上に、電子輸送層12が形成され、陰極2が形成されている。また、ホール輸送層11の上に、赤色発光層3cが形成されている。その上に、陰極2が形成されている。
【特許文献1】特開2002−164170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の様に、上記素子では、各ピクセルがストライプ状に形成されているため、青と、緑と、赤による、フルカラーエレクトロルミネセンス表示部が大きくなる、第1の欠点がある。また、エレクトロルミネセンス素子の発光層製造上のバラツキにより発光効率のバラツキ、寿命のバラツキがある、第2の欠点がある。そこで、本発明はこの様な従来の欠点を考慮して、表示部が小さく、寿命のバラツキが少ない、高精細度化に適したフルカラー有機エレクトロルミネセンス素子、および白色度を改善した白色有機エレクトロルミネセンス素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1の本発明では、陰極と陽極との間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に、輸送層を設けた。
【0006】
請求項2の本発明では、2層以上の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が陰極側より順に大きくなるように、発光性有機物質がドープされている。
【0007】
請求項3の本発明では、2層以上の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が陰極側より順に大きくなるように、発光性有機物質がドープされ、間にバンドギャップの一番小さい発光層を挟んだ。
【0008】
請求項4の本発明では、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が前記陰極側より順に大きくなるように、発光性有機物質がドープされている。
【0009】
請求項5の本発明では、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が前記陰極側より順に大きくなるように、発光性有機物質がドープされ、間にバンドギャップの一番小さい発光層を挟んだ。
【0010】
請求項6の本発明では、エレクトロルミネセンス発光部は、陰極と陽極の間に、電子輸送層と、第1発光層と、輸送層と、第2発光層と、ホール輸送層よりなる。
【0011】
請求項7の本発明では、エレクトロルミネセンス発光部は、陰極と陽極の間に、電子輸送層と、第1発光層と、巾が前記第1発光層より狭い輸送層と、第2発光層と、ホール輸送層よりなる。
【0012】
請求項8の本発明では、エレクトロルミネセンス発光部は、陰極と陽極の間に、電子輸送層と、第1発光層と、第1輸送層と、第2発光層と、第2輸送層と、第3発光層と、ホール輸送層よりなる。
【0013】
請求項9 の本発明では、エレクトロルミネセンス発光部は、陰極と陽極の間に、電子輸送層と、第1発光層と、巾が第1発光層より狭い第1輸送層と、第2発光層と、第2輸送層と、第3発光層と、ホール輸送層よりなる。
【0014】
請求項10 の本発明では、エレクトロルミネセンス発光部は、陰極と陽極の間に、電子輸送層と、第1発光層と、巾が第1発光層より狭い第1輸送層と、第2発光層と、巾が第2発光層より狭い第2輸送層と、第3発光層と、ホール輸送層よりなる。
【0015】
請求項11の本発明では、第1発光層を橙色とし、第2発光層を青緑色とした。
【0016】
請求項12の本発明では、第1発光層を黄色とし、第2発光層を青色とした。
【0017】
請求項13の本発明では、第1発光層を赤色とし、第2発光層を緑色とし、第3発光層を青色とした。
【0018】
請求項14の本発明では、第1発光層3を緑色とし、第2発光層4を赤色とし、第3発光層を青色とした。
【0019】
請求項15の本発明では、発光層が同一のホスト層で形成された。
【0020】
請求項16の本発明では、発光層は、Alq3を含む。
【0021】
請求項17の本発明では、各発光層は、互いに異なる発光スペクトルを有する。
【0022】
請求項18の本発明では、発光層の組み合わせにより、発光色が青色光、緑色光、赤色光である。
【0023】
請求項19の本発明では、発光層の組み合わせにより、発光色が白色光である。
【0024】
請求項20の本発明では、発光層に挟まれる輸送層の上下を揃えて配置された。
【0025】
請求項21の本発明では、発光層に挟まれる輸送層の上下を揃えて載置し、上下の輸送層の働きを異ならせた。
【0026】
請求項22の本発明では、発光層に挟まれた巾が発光層より狭い輸送層の上下を揃えて載置し、上下の輸送層の働きを異ならせた。
【0027】
請求項23の本発明では、発光層に挟まれる輸送層の巾を変えることにより、発光層の光量を調整した。
【発明の効果】
【0028】
上記手段により、本発明の有機エレクトロルミネセンス素子によれば、複数の発光層の上に輸送層を形成することにより発光層を選択でき、輸送層の形状により発光領域を指定できる。輸送層により発光部間のスペースを小さくできることにより、表示領域を小さくでき、高精細度が得られる。
【0029】
また、これらの発光層の間に発光層の巾と同じ/又は発光層の巾より狭い輸送層を挿入することにより、電子とホールの再結合率を改善し、陽極から光を取り出すことにより光取り出し効率を上げる事ができる。その結果、出力の改善と、色度特性の改善、寿命のバラツキが少なくなり、かつ長寿命が得られる。そして、消費電流削減が可能となるとともに、単一の駆動電圧で発光させる事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の詳細を説明する。図1は、本発明を実施するための最良の形態1に係る有機エレクトロルミネセンス(EL)素子100の基本的な構成を示す概略図である。
【0031】
図1において、陰極101はアルミニュウム等からなる。陰極101の上に、フッ化リチウムLiFが厚さ5オングストロームだけ蒸着され、フッ化リチウムの上にLUMO2.6eV,HOMO6.3eVエネルギーバンドギャップ3.7eVのPBDが200オングストロームだけ蒸着され、電子輸送層102が形成される。
【0032】
ついで、この電子輸送層102の上に、ホスト層Alq3にLUMO3.2eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.1eVの赤色ドーパントDCJTBが1重量%ドープされたものが、厚さ200オングストロームだけ蒸着され、赤色発光層103が形成される。
【0033】
赤色発光層103の上に、NBPがマスク1(図示せず)を用いて400オングストロームの厚さに蒸着され、LUMO2.45eV,HOMO5.46eV,エネルギーバンドギャップ3.0eVの第1輸送層(ホール輸送層)104が形成される。第1輸送層104の上に、ホスト層Alq3に、LUMO2.9eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.36eVの緑色ドーパントCoumarin6が1重量%ドープされた緑色発光層105が、500オングストローム蒸着され、形成される。
【0034】
緑色発光層105の上に、マスク2(図示せず)を用いて、NBPが400オングストロームの厚さに蒸着され、第2輸送層(ホール輸送層)106が形成される。第2輸送層106の上に、LUMO2.6eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.7eVのホスト層BAlqに、ドーパントPeryleneが1重量%ドープされたものが、厚さ500オングストロームだけ蒸着され、青色発光の有機発光材料により、青色発光層107が形成される。
【0035】
青色発光層107の上に、NBPが400オングストロームの厚さに蒸着され、LUMO2.3V,HOMO5.5eV,エネルギーバンドギャップ3.2eVのホール輸送層108を形成される。
【0036】
次いで、このホール輸送層108の上に、CuPcが厚さ20nmだけ蒸着され、CuPcの上に陽極109が形成される。陽極109は真空蒸着により、SnO2が10%のITOを電子銃で加熱蒸発させ、膜厚約0.4μmに形成される。このITO膜の上にスパッタ装置により、ITOが300nm成膜される。上記形態1において、陽極109がITO、陰極101がAlからなる様に、従来と同一の材料で形成されるため、特殊な電極材料を使う必要もない。
【0037】
また陽極109を通って発光層103,105,107からの光が外部に取り出されるため、光の外部取り出し効率が高くなる。ここで陽極109に正電圧、陰極101に負電圧を印加すると、電子輸送層102を介して発光層103、105,107に輸送された電子とホール輸送層108を介して輸送されたホールは、赤色発光層103内、緑色発光層105内、又青色発光層107内にて再結合して発光を行なう。
【0038】
ここで本発明の有機エレクトロルミネセンス素子(フルカラーエレクトロルミネセンス発光素子)100につき、3層に形成された発光部103,105,107において、発光層のホスト層と、ドーパントのLUMOバンドギャップエネルギー差は0.3eV以上となる。そのため、ドーパント層が発光する。更には3層の各発光層間に第1輸送層104と、第2輸送層106を挟んでいるところに特徴がある。各発光層103,105,107は、間に第1輸送層104を挟んで、2層のAlq3と、更には第2輸送層106を挟んで、1層のBAlqが、各有機物により連続して形成されていることを特徴とする。
【0039】
第1輸送層104と第2輸送層106は、ホールを通し電子を通さないため、第1輸送層104の下部は電子が上方へ移動せず、ホールは第1輸送層104を通って陰極101へ進む。その結果、陰極101からの電子と、第1輸送層104を通ったホールは、第1輸送層104の下部で再結合するため、赤色発光層103は第1輸送層104の下部で赤色発光する。
【0040】
第2輸送層106は陰極101から注入された電子を通さなく、第2輸送層106は陽極109から輸送されたホールを通す。そのため、緑色発光層105は第2輸送層106の下部で、第1輸送層104を除いた部分にて緑色発光する。陰極101から注入された電子は陽極109に向かって進むが、第2輸送層106は電子を通さない。陽極109から注入されたホールは、ホール輸送層108を通すため、青色発光層107は第2輸送層106を除いた部分で、電子とホールが再結合して青色発光する。青色材料は他の緑、赤色材料などに比べてエネルギーバンドギャップが大きいため、電荷注入が悪くなる傾向がある。(電荷注入のためのエネルギー障壁が高い)
本発明において、エネルギーバンドギャップが大きい青色発光層107を陽極109下部のホール輸送層108の下に配置した所に特徴がある。ホール輸送層108の下に位置するため、電荷注入が悪くなることはない。
【0041】
更に、青色発光層107の下部に形成された緑色発光層105と、赤色発光層103のホスト層は、電子輸送層102と同じ、又は同類の電子輸送層材料で構成されるため電子の輸送についても効率が良い。また各発光層103,105,107は多層化されて形成されるが、第1輸送層104と、第2輸送層106と、ホール輸送層108により、発光色の異なる層が選択される所に本発明の特徴がある。
【0042】
陽極109から一番離れている赤色発光層103においても、ホール輸送層108、第2輸送層106、第1輸送層104を通してホールが輸送され、赤色発光層103下部には、電子輸送層102があるので、電子が輸送されるため、再結合効率が良い構成となっている。このため赤色、緑色、青色をカラーフィルターと白色発光層を用いて得る場合に比べ、カラーフィルターによる吸収がないため、3倍の明るさを得ることができる。従来の白色発光層を用いる場合の約1/3の電流で同一光量を得ることができる。
【0043】
また3層103,105,107を重ねて形成することにより、単層のエレクトロルミネセンス素子の膜厚バラツキにくらべ、膜厚のバラツキが小さくなる。その結果、発光効率のバラツキが改善され、消費電流が1/3になることより、電流のバラツキと、寿命のバラツキも改善される。駆動電圧も青色、緑色、赤色を個別に発光させて得られる白色素子にくらべ、3層103,105,107が重なっているため、単一の電圧でよく、従来品を示す図15に比べ、駆動が容易で回路を省略できる。
【0044】
また、図15の青色、緑色、赤色を個別に発光させて得られる白色素子に比べ、本素子100では、ベタで発光するため、例えば発光巾0.5mm、ピッチ0.5mmを必要としないため、発光面積が従来の1/2にできる。これらにより1/2の面積で同一の発光量を得ることができるため高精細度化、高輝度化が可能となる。
【0045】
次に、図2の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態2に係る有機エレクトロルミネセンス素子119aを説明する。電子輸送層102より下の部分は図1と同一である。電子輸送層102の上に、LUMO2.85eV,HOMO5.62eVエネルギーバンドギャップ2.77eVのホスト層Alq3に、LUMO3.11,HOMO5.26eVエネルギーバンドギャップ2.65eVのドーパントDCM2を2重量%蒸着して橙色層110が形成される。橙色層110の上に、マスク3(図示せず)を用いて、NBPが400オングストロームの厚さに蒸着され、輸送層(ホール輸送層)111が形成される。輸送層111の上に、ホスト層Alq3に、ドーパントCuPc銅フタロシアニンが1重量%ドープされたものを厚さ500オングストローム蒸着して、青緑色層112が形成される。青緑色層112の上に、ホール輸送層208が図1と同様に形成される。
【0046】
ホール輸送層208より上の部分は図1と同様に陽極209が形成される。ここで、(白色)有機エレクトロルミネセンス素子119aにおいて、2層に形成された橙色層110と青緑色層112につき、発光層のホスト層と、ドーパントのLUMOバンドギャップエネルギー差は0.3eV以下である。そのため、ホスト層と、ドーパント層の両方が発光するところに本発明の特徴がある。輸送層111はホールを通し電子を通さないため陰極101から注入された電子が上方へ移動するが、輸送層111で電子は止められる。
【0047】
ホールは輸送層111を通って陰極101へ進むため、陰極101からの電子と、輸送層111を通ったホールは輸送層111の下部で再結合するため、橙色層110は輸送層111の下部で橙色に発光する。ホール輸送層208は、ホールを通し電子を通さないため、陰極101から注入された電子が上方へ移動するが、ホール輸送層208部で電子は止められる。
【0048】
ホールはホール輸送層208を通って陰極101へ進むため、陰極101からの電子とホール輸送層208を通ったホールは、ホール輸送層208の下部で再結合する。そのため、青緑色層112はホール輸送層208の下部で、輸送層111を除いた部分で青緑色に発光する。即ちスペクトル的には、Alq3による緑色と、DCM2による赤色が合わせて橙色が発光し、輸送層111を挟んで、Alq3による緑色と、CuPcによる青色が合わされて青緑色が発光し、これらが混合されるため白色度をバランスよく、得る事ができる。青色材料は他の緑、赤色材料などに比べてエネルギーバンドギャップが大きいため、電荷注入が悪くなる傾向がある。(電荷注入のためのエネルギー障壁が高い)
本発明において、エネルギーバンドギャップが大きい青緑色発光層112を陽極209下部のホール輸送層208の下に配置した所に特徴がある。ホール輸送層208の下に位置するため、電荷注入が悪くなることはない。
【0049】
更に、青緑色発光層112の下部に形成された橙色発光層110のホスト層は、電子輸送層102と同じAlq3で構成されるため、電子の輸送についても効率が良い。さらに各発光層110、112は、ホスト層がAlq3で共通となっているため、同一材料を使用できるため生産性がよい。また発光層110,112は互いに異なるスペクトルを有し、上記発光層110,112の間に輸送層111を挟むため、ホールの移動が効率化する。橙色発光部110は発光層110上に輸送層111を持ち、発光層110の下に電子輸送層102を持つ。そのため、輸送層111がない場合に比べ、ホールと電子の再結合が約2倍となり、従来に比べ約2倍の高出力の白色エレクトロルミネセンス素子119aが得られる。白色エレクトロルミネセンス素子119aは約2倍の効率となるため、従来の1/2の電流で同一光量を得ることができる。また2層を重ねて形成することにより、単層のエレクトロルミネセンス素子の膜厚バラツキに比べ、膜厚もバラツキが改善される。
【0050】
膜厚のバラツキを小さくできるため、発光効率のバラツキも改善され、消費電流が1/2になることより、電流のバラツキも改善される。この様に、消費電流が1/2になることにより、寿命のバラツキも改善される。駆動電圧に関して、青緑色と、橙色を個別に発光させて得られる白色素子に比べ、単一の電圧でよいため、駆動が容易で回路を省略できる。
【0051】
また、図15に示す青色、緑色、赤色を個別に発光させて得られる白色素子に比べ、輸送層111を挟んで2層を重ねるため、1/3の発光面積にできる。その結果、図15に示すストライプ状の発光でなく、ベタで発光するため例えば発光巾0.5mm、ピッチ0.5mmが必要ないので、発光面積を1/2にできる。これらを合わせて1/6の面積で同一の発光量を得ることができるため、高精細度化、高輝度化ができる。
【0052】
次に、図3の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態3に係る有機エレクトロルミネセンス素子119bを説明する。(白色)有機エレクトロルミネセンス素子119bにおいて、橙色層110以下は図2と同じである。橙色層110の上に、マスク4(図示せず)を用いて、NBPが400オングストロームの厚さに蒸着され、輸送層211が形成される。輸送層211の上は図2と同じである。
【0053】
次に、図4の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態4に係る有機エレクトロルミネセンス素子119cを説明する。(白色)有機エレクトロルミネセンス素子119cにおいて、電子輸送層102以下は図2と同じである。橙色層110の上にマスク5(図示せず)を用いて、NBPが400オングストロームの厚さに蒸着され、輸送層311が形成される。輸送層311の上は、図2と同じである。図3、図4においても、図2と同一の効果が得られる。
【0054】
図2と、図3と、図4に示した橙色層110の代わりに、LUMO2.85eV,HOMO5.62eVエネルギーバンドギャップ2.77eVのホスト層Alq3に、LUMO3.15,HOMO5.36eVエネルギーバンドギャップ2.21eVのドーパントルブランを5重量%蒸着して黄色層210(図示せず)を形成しても良い。黄色層210の上に、マスク3、4、5(図示せず)を用いて、NBPが400オングストロームの厚さに蒸着され、輸送層111、211、311が形成されるは、図2と図3と図4と同じである。
【0055】
ホール輸送層111、211、311の上に、ホスト層BAlqに、ドーパントPeryleneが1重量%ドープされたものを厚さ500オングストローム蒸着され、青色層212(図示せず)が形成される。青色層212の上にはホール輸送層208が図2、図3、図4と同様に形成される。ホール輸送層208より上の部分は図2と同様である。
【0056】
2層に形成された黄色層210、及び青色層212において、発光層のホスト層と、ドーパントのLUMOバンドギャップエネルギー差は0.3eV以上のため、ドーパント層が発光する。輸送層111、211、311はホールを通し電子を通さないため、陰極101から注入された電子が上方へ移動するが、輸送層111、211、311部で電子は止められる。ホールはホール輸送層111、211、311を通って陰極101へ進む。そのため陰極101からの電子と、輸送層111、211、311を通ったホールは、輸送層111、211、311の下部で再結合するため、黄色層210はホール輸送層111、211、311の下部で黄色に発光する。
【0057】
ホール輸送層208はホールを通し電子を通さないため、陰極101から注入された電子が上方へ移動するが、ホール輸送層208部で電子は止められる。ホールはホール輸送層208を通って陰極101へ進む。そのため、陰極101からの電子と、ホール輸送層208を通ったホールは、ホール輸送層208の下部で再結合する。その結果、青色層212はホール輸送層208の下部で、輸送層111、211、311を除いた部分で青色に発光する。即ちスペクトル的には、ルブランによる黄色と、輸送層111、211、3311を挟んでPeryleneによる青色とが混合される。そのため、白色度がバランスよく、得られる。この事は、図2と図3と図4の前記例と同様の効果がある。
【0058】
次に、図5の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態5に係る有機エレクトロルミネセンス素子219aを説明する。(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219aにおいて、図1の赤色発光層103と、緑色発光層105と、青色発光層107との間に、第1輸送層(ホール輸送層)113と、第2輸送層(ホール輸送層)114を挟んだものである。
【0059】
第1輸送層113と第2輸送層114は、各々、マスク6,7(図示せず)を用い、NBPが400オングストローム蒸着され、形成される。各発光層103、105はホスト層Alq3を含み、発光層107はホスト層BAlqを含むため、ホールと電子の移動が効率化する。
【0060】
図5において、第1輸送層113はホールを通し電子を通さないため、第1輸送層113の下部にて、陰極101より注入された電子と陽極209から注入されたホールは再結合し、赤色発光層103は第1輸送層113の下部で赤色に発光する。第1輸送層113以外の部分は電子が通るため、第1輸送層113の上に位置し、第2輸送層114の下部にて、第1輸送層113以外の部分で、ホールと電子は再結合する。そのため、緑色発光層105は第1輸送層113を除いた第2輸送層114の下部にて緑色に発光する。第2輸送層114により電子は止められるため、第2輸送層114より内側において、電子が通る。上記電子と、ホール輸送層208を通ったホールが再結合するため、青色層107において、第2輸送層114を除いたホール輸送層208の下部で青色発光する。青色材料は他の緑、赤色材料などに比べてエネルギーバンドギャップが大きいため、電荷注入が悪くなる傾向がある。(電荷注入のためのエネルギー障壁が高い)
本発明において、エネルギーバンドギャップが大きい青色発光層107を陽極209の下部のホール輸送層208の下に配置した所に特徴がある。ホール輸送層208の下に位置するため電荷注入が悪くなることはない。更に、青色発光層107の下部に形成された緑色発光層105と、赤色発光層103のホスト層は、電子輸送層102と同じ、又は同類の電子輸送層材料で構成されるため、電子の輸送についても効率が良い。また、第1輸送層113と、第2輸送層114の内側巾により、各発光層の光量をコントロールできる。これにより(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219aの白色度を調整できる。
【0061】
次に、図6の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態6に係る有機エレクトロルミネセンス素子219bを説明する。(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219bにおいて、電子輸送層102より下の部分は図1と同一である。電子輸送層102の上に、図1に示した赤色発光層103と、緑色発光層105と、青色発光層107との間に、発光層105の巾より狭い第1輸送層(ホール輸送層)213と、第2輸送層(ホール輸送層)114を挟んだものである。
【0062】
第1輸送層213と第2輸送層114はマスク8,7(図示せず)を用い、NBPが400オングストロームの厚さで蒸着され形成される。各発光層103、105はホスト層Alq3、発光層107はホスト層BAlqであるため、ホールと電子の移動がより効率化する。
【0063】
図6において、第1輸送層213はホールを通し電子を通さないため、第1輸送層213の下部にて陰極101より注入された電子と陽極209から注入されたホールは再結合し、赤色発光層103は第1輸送層213の下部で赤色に発光する。第1輸送層213以外の部分は電子が通るため、第1輸送層213の上に位置し、第2輸送層114の下部にて第1輸送層213以外の部分で、ホールと電子は再結合する。そのため、緑色発光層105は第1輸送層213を除いた第2輸送層114の下部にて緑色に発光する。第2輸送層114により電子は止められるため、第2輸送層114より内側において、電子が通る。上記電子と、ホール輸送層208を通ったホールが再結合するため、青色層107において第2輸送層114の内側のホール輸送層208下部で青色発光する。第1輸送層213と第2輸送層ホール114の巾により、各発光層の光量をコントロールできる。これにより(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219bの白色度を調整できる。
【0064】
次に、図7の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態7に係る有機エレクトロルミネセンス素子219cを説明する。(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219cにおいて、電子輸送層102より下の部分は図1と同一である。電子輸送層102の上は、図1の赤色発光層103、緑色発光層105、青色発光層107との間に、発光層105の巾より狭い第1輸送層(ホール輸送層)213と,発光層107の巾より狭い第2輸送層(ホール輸送層)120を挟んだものである。
【0065】
第1輸送層213と第2輸送層120はマスク8,9(図示せず)を用い、NBPが400オングストロームの厚さで蒸着され形成される。各発光層103、105はホスト層Alq3、発光層107はホスト層BAlqであるため、ホール、電子の移動がより効率化する。
【0066】
図7において、第1輸送層213はホールを通し電子を通さないため、第1輸送層213の下部にて陰極101より注入された電子と陽極209から注入されたホールは再結合し、赤色発光層103は第1輸送層213の下部で赤色に発光する。第1輸送層213以外の部分は電子が通るため、第1輸送層213の上に位置し、第2輸送層120の下部にて第1輸送層213以外の部分でホール、電子は再結合する。そのため、緑色発光層105は第1輸送層213を除いた第2輸送層120の下部にて緑色に発光する。第2輸送層120により電子は止められるため、第2輸送層120より外側において、電子が通る。上記電子と、ホール輸送層208を通ったホールが再結合するため、青色層107において第2輸送層120を除いたホール輸送層208の下部で青色発光する。第1輸送層213と第2輸送層120の巾により、各発光層の光量をコントロールできる。これにより、(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219cの白色度を調整できる。
【0067】
次に、図8の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態8に係る有機エレクトロルミネセンス素子219dを説明する。(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219dにおいて、電子輸送層102より下の部分は図1と同一である。電子輸送層102の上に、図1の赤色発光層103、緑色発光層105、青色発光層107との間に、発光層105の巾より狭い第1輸送層(ホール輸送層)313と、発光層107の巾より狭い第2輸送層(ホール輸送層)120を挟んだものである。
【0068】
第1輸送層313と第2輸送層120はマスク10,9(図示せず)を用い、NBPが400オングストロームの厚さで蒸着され形成される。各発光層103、105はホスト層Alq3、発光層107はホスト層BAlqであるため、ホール、電子の移動がより効率化する。
【0069】
図8において、第1輸送層313はホールを通し電子を通さないため、第1輸送層313の下部にて、陰極101より注入された電子と陽極209から注入されたホールは、再結合する。そして、赤色発光層103は第1輸送層313の下部で赤色に発光する。第1輸送層313以外の部分は電子が通るため、第1輸送層313の上に位置し、第2輸送層120の下部にて、第1輸送層313以外の部分でホール、電子は再結合する。そのため、緑色発光層105は第1輸送層313を除いた第2輸送層120の下部にて緑色に発光する。第2輸送層120により電子は止められるため、第2輸送層120より外側において電子が通る。上記電子と、ホール輸送層208を通ったホールが再結合するため、青色層107において、第2輸送層120を除いたホール輸送層208下部で青色発光する。第1輸送層ホール輸送層313と第2輸送層120の巾により、各発光層の光量をコントロールできる。これにより、(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219dの白色度を調整できる。
【0070】
次に、図9の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態9に係る有機エレクトロルミネセンス素子319を説明する。(白色)有機エレクトロルミネセンス素子319において、電子輸送層102より下の部分は図1と同一である。電子輸送層102の上にLUMO2.85eV,HOMO5.62eVエネルギーバンドギャップ2.77eVのホスト層Alq3に、LUMO2.9eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.36eVのドーパントCoumarin6が1重量%ドープされた緑色発光層105は、500オングストロームの厚さで蒸着され形成される。
【0071】
緑色発光層105の上に、ホスト層Alq3に、LUMO3.2eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.1eVの赤色ドーパントDCJTBが1重量%ドープされたものを厚さ200オングストロームにて蒸着され、赤色発光層103が形成される。赤色発光層103の上に、LUMO2.6eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.7eVのホスト層BAlqに、ドーパントPeryleneが1重量%ドープされたものが、厚さ500オングストロームで蒸着され、青色発光の有機発光材料により青色発光層107が形成される。
【0072】
青色発光層107の上に、TPDが400オングストロームの厚さに蒸着され、LUMO2.3eV,HOMO5.5eV,エネルギーバンドギャップ3.2eVのホール輸送層208が形成される。次いで、このホール輸送層208の上に、CuPcが厚さ20nmにて蒸着され、CuPcの上に陽極209が形成される。
【0073】
陽極209に正電圧、陰極101に負電圧を印加すると、電子輸送層102を介して発光層105、103,107に注入された電子と、ホール輸送層208を介して注入されたホールがバンドギャップエネルギーの一番小さい赤色発光層103内にて再結合して赤色発光を行なう。電圧を上げていくと緑色層105が、更に青色層107が発光する。青色材料は他の緑、赤色材料などに比べてエネルギーバンドギャップが大きいため、電荷注入が悪くなる傾向がある。(電荷注入のためのエネルギー障壁が高い)
本発明において、エネルギーバンドギャップが大きい青色発光層107を陽極209下部のホール輸送層208の下に配置した所に特徴がある。ホール輸送層208の下に位置するため、電荷注入が悪くなることはない。更に青色発光層107の下部に形成された赤色発光層103と緑色発光層105のホスト層は、電子輸送層102と同じ電子輸送層材料で構成されるため、電子の輸送についても効率が良い。緑色発光層105については、陽極209より離れているためホールの輸送効率が悪い。そこで、バンドギャップエネルギーの一番小さい赤色発光層103を緑色発光層105の上部に設けて、ホールの輸送効率を上げ、赤色、緑色、青色の発光バランスを改善して白色度を上げたことを特徴とする。
【0074】
次に、図10の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態10に係る有機エレクトロルミネセンス素子419aを説明する。電子輸送層102より下の部分は図1と同一である。電子輸送層102の上に、LUMO2.85eV,HOMO5.62eVエネルギーバンドギャップ2.77eVのホスト層Alq3に、LUMO2.9eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.36eVのドーパントCoumarin6が1重量%ドープされた緑色発光層105は、500オングストロームの厚さにて蒸着され形成される。緑色発光層105の上にはマスク7を用いて、NBPが400オングストロームの厚さで蒸着され、輸送層(ホール輸送層)114が形成される。
【0075】
輸送層114の上に、ホスト層Alq3に、LUMO3.2eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.1eVの赤色ドーパントDCJTBが1重量%ドープされたものを厚さ200オングストロームで蒸着され、赤色発光層103が形成される。赤色発光層103の上にマスク7を用いて、LUMO2.85eV,HOMO5.62eVエネルギーバンドギャップ2.77eVのAlq3による電子輸送層214が形成される。
【0076】
電子輸送層214の上に、LUMO2.6eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.7eVのホスト層BAlqに、ドーパントPeryleneが1重量%ドープされたものを、厚さ500オングストロームにて蒸着され、青色発光の有機発光材料により青色発光層107が形成される。
【0077】
青色発光層107の上に、TPDが400オングストロームの厚さに蒸着され、LUMO2.3eV,HOMO5.5eV,エネルギーバンドギャップ3.2eVのホール輸送層208が形成される。次いで、このホール輸送層208の上に、CuPcが厚さ20nmにて蒸着され、CuPcの上に陽極209が形成される。
【0078】
陽極209に正電圧、陰極101に負電圧を印加すると電子輸送層102を介して輸送された電子は、図10の輸送層114を通れないため、輸送層114の開口部より上の方に向かうが、赤色発光層103上に形成された電子輸送層214に向かって広がる。一方ホール輸送層208を介して輸送されたホールは図10の電子輸送層214を通れないため、電子輸送層214の開口部より下の方に向かうが、赤色発光層103の下に形成された輸送層114に向かって広がる。このため、電子とホールは図10の赤色発光層103の三角で表示された部分にて再結合して赤色発光を行なう。電圧を上げていくと電子輸送層214の開口部より輸送されるホールは、輸送層114に向かって拡がる。
【0079】
そのため、輸送層114の下部で、輸送層114によるホールと電子輸送層102より上方に輸送された電子は再結合して、輸送層114の下部の緑色発光層105で緑色発光を行なう。同様にして、更に電圧を上げていくと輸送層114の開口部より輸送される電子が電子輸送層214に向かって拡がる。そのため、電子輸送層214の上部で、電子輸送層214による電子と、ホール輸送層208より下方に輸送されたホールは再結合して電子輸送層214の上部の青色発光層107で青色発光を行なう。青色材料は他の緑、赤色材料などに比べてエネルギーバンドギャップが大きいため電荷注入が悪くなる傾向がある。(電荷注入のためのエネルギー障壁が高い)
本発明において、エネルギーバンドギャップが大きい青色発光層107を陽極209下部のホール輸送層208の下に配置した所に特徴がある。ホール輸送層208の下に位置するため、電荷注入が悪くなることはない。更に、青色発光層107の下部に形成された赤色発光層103と緑色発光層105のホスト層は、電子輸送層102と同じ電子輸送層材料で構成されるため、電子の輸送についても効率が良い。
【0080】
また、緑色発光層105は陽極209から一番遠いが、バンドギャップの一番小さい赤色発光層を上部に設け、輸送層114によりホール移動度を効率化した所に特徴がある。ここにおいて緑色発光と青色発光に関係する電流は輸送層114と、電子輸送層214の中央開口部を通る。そして、赤色発光部(図10の三角部分)を通らないため、赤色発光部の通電電流とならないので、赤色発光層103の経時変化に関係しない特徴がある。このため赤色発光層103の通電寿命を延ばすことができる。更に、輸送層114と電子輸送層214の巾を管理することにより、白色発光のバランスを改善して白色度を上げることができる。
【0081】
次に、図11の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態11に係る有機エレクトロルミネセンス素子419bを説明する。電子輸送層102より下の部分は図1と同一である。電子輸送層102の上に、LUMO2.85eV,HOMO5.62eVエネルギーバンドギャップ2.77eVのホスト層Alq3に、LUMO2.9eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.36eVのドーパントCoumarin6が1重量%ドープされた緑色発光層105は、500オングストロームの厚さにて蒸着され形成される。
【0082】
緑色発光層105の上に、マスク8(図示せず)を用いて、NBPが400オングストロームの厚さにて蒸着され、輸送層(ホール輸送層)213が形成される。輸送層213の上には、ホスト層Alq3に、LUMO3.2eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.1eVの赤色ドーパントDCJTBが1重量%ドープされたものを厚さ200オングストローム蒸着され、赤色発光層103が形成される。
【0083】
赤色発光層103の上には、マスク7(図示せず)を用いて、LUMO2.85eV,HOMO5.62eVエネルギーバンドギャップ2.77eVのAlq3による電子輸送層214が形成される。
【0084】
電子輸送層214の上には、LUMO2.6eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.7eVのホスト層BAlqに、ドーパントPeryleneが1重量%ドープされたものが、厚さ500オングストロームにて蒸着され、青色発光の有機発光材料により青色発光層107が形成される。
【0085】
青色発光層107の上には、TPDが400オングストロームの厚さにて蒸着され、LUMO2.3eV,HOMO5.5eV,エネルギーバンドギャップ3.2eVのホール輸送層208が形成される。
【0086】
このホール輸送層208の上には、CuPcが厚さ20nmにて蒸着され、CuPcの上に陽極209が形成される。陽極209に正電圧、陰極101に負電圧を印加すると、電子輸送層102を介して輸送された電子は、図11の輸送層213を通れない。そのため、輸送層213の開口部より上の方に向かうが、赤色発光層103に上に形成された電子輸送層214に向かう。
【0087】
一方、ホール輸送層208を介して輸送されたホールは、図11の電子輸送層214を通れないため、電子輸送層214の開口部より下の方に向かうが、赤色発光層103の下に形成された輸送層213に向かう。このため電子とホールは、図11の赤色発光層103の三角で表示された部分にて再結合して赤色発光を行なう。
【0088】
電圧を更に上げていくと、電子輸送層214の開口部より輸送されるホールは輸送層213に向かう。そのため、輸送層213の下部で、輸送層213によるホールと、電子輸送層102より上方に輸送された電子が再結合し、輸送層213の下部の緑色発光層105で緑色発光を行なう。
【0089】
同様にして、更に電圧を上げていくと、輸送層213の開口部より輸送される電子は電子輸送層214に向かう。そのため、電子輸送層214の上部で、電子輸送層214による電子と、ホール輸送層208より下方に輸送されたホールが再結合し、電子輸送層214の上部の青色発光層107で青色発光を行なう。
【0090】
ここにおいて、緑色発光と青色発光に関係する電流は輸送層213と、電子輸送層214の中央開口部を通り、赤色発光部(図11に示した三角部分のこと)を通らないため、赤色発光部の通電電流とならないので、赤色発光層103の経時変化に関係しない特徴がある。更に、輸送層213と、電子輸送層214の巾を管理することにより、白色発光のバランスを改善して白色度を上げることができる。
【0091】
次に、図12の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態12に係る有機エレクトロルミネセンス素子419cを説明する。電子輸送層102より下の部分は図1と同一である。電子輸送層102の上には、LUMO2.85eV,HOMO5.62eVエネルギーバンドギャップ2.77eVのホスト層Alq3に、LUMO2.9eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.36eVのドーパントCoumarin6が1重量%ドープされた緑色発光層105が、500オングストロームの厚さにて蒸着され、形成される。
【0092】
緑色発光層105の上には、マスク11(図示せず)を用いて、NBPが400オングストロームの厚さにて蒸着され、輸送層(ホール輸送層)313が形成される。輸送層313の上には、ホスト層Alq3に、LUMO3.2eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.1eVの赤色ドーパントDCJTBが1重量%ドープされたものが厚さ200オングストロームにて蒸着され、赤色発光層103が形成される。
【0093】
赤色発光層103の上には、マスク11(図示せず)を用いて、LUMO2.85eV,HOMO5.62eVエネルギーバンドギャップ2.77eVのAlq3による電子輸送層121が形成される。電子輸送層121の上には、LUMO2.6eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.7eVのホスト層BAlqに、ドーパントPeryleneが1重量%ドープされたものが、厚さ500オングストロームにて蒸着され、青色発光の有機発光材料により青色発光層107が形成される。
【0094】
青色発光層107の上には、TPDが400オングストロームの厚さにて蒸着され、LUMO2.3eV,HOMO5.5eV,エネルギーバンドギャップ3.2eVのホール輸送層208が形成される。
【0095】
このホール輸送層208の上には、CuPcが厚さ20nmにて蒸着され、CuPcの上に陽極209が形成される。陽極209に正電圧、陰極201に負電圧を印加すると、電子輸送層102を介して輸送された電子は、図12の輸送層313を通れない。そのため、上記電子は輸送層313の開口部より上の方に向かうが、赤色発光層103に上に形成された電子輸送層121に向かう。
【0096】
一方、ホール輸送層208を介して輸送されたホールは、図12の電子輸送層121を通れない。そのため、上記ホールは電子輸送層121の開口部より下の方に向かうが、赤色発光層103に下に形成された輸送層313に向かう。このため、電子とホールは図12の赤色発光層103の三角で表示された部分にて再結合し、赤色発光を行なう。
【0097】
更に電圧を上げていくと、電子輸送層121の開口部より輸送されるホールは輸送層313に向かう。そのため、輸送層313の下部で、輸送層313によるホールと、電子輸送層102より上方に輸送された電子は再結合し、輸送層313の下部の緑色発光層105で緑色発光を行なう。
【0098】
同様にして、電圧を上げていくと、輸送層313の開口部より輸送される電子は電子輸送層121に向かう。そのため、電子輸送層121の上部で、電子輸送層121による電子と、ホール輸送層208より下方に輸送されたホールは再結合し、電子輸送層121の上部の青色発光層107で青色発光を行なう。
【0099】
ここにおいて、緑色発光と青色発光に関係する電流は、輸送層313と電子輸送層121の対向した赤色発光層103を通り、赤色発光部(図12に示した三角部分のこと)を通らないため、赤色発光層103の通電電流とならない特徴がある。このため、赤色発光層103の経時変化に関係しないので、寿命を延ばすことができる。更に、輸送層313と電子輸送層121の巾を管理することにより、白色発光のバランスを改善して白色度を上げることができる。
【0100】
次に、図13の概略図に従い、本発明を実施するための最良の形態13に係る有機エレクトロルミネセンス素子419dを説明する。電子輸送層102より下の部分は図1と同一である。電子輸送層102の上には、LUMO2.85eV,HOMO5.62eVエネルギーバンドギャップ2.77eVのホスト層Alq3に、LUMO2.9eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.36eVのドーパントCoumarin6が1重量%ドープされた緑色発光層105が、500オングストロームの厚さにて蒸着され形成される。
【0101】
緑色発光層105の上には、マスク6(図示せず)を用いて、NBPが400オングストロームの厚さにて蒸着され、輸送層(ホール輸送層)213が形成される。輸送層213の上には、ホスト層Alq3に、LUMO3.2eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.1eVの赤色ドーパントDCJTBが1重量%ドープされたものが厚さ200オングストロームにて蒸着され、赤色発光層103が形成される。
【0102】
赤色発光層103の上には、マスク8(図示せず)を用いて、LUMO2.85eV,HOMO5.62eVエネルギーバンドギャップ2.77eVのAlq3による電子輸送層122が形成される。電子輸送層122に、LUMO2.6eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.7eVのホスト層BAlqに、ドーパントPeryleneが1重量%ドープされたものが、厚さ500オングストロームにて蒸着され、青色発光の有機発光材料により青色発光層107が形成される。
【0103】
青色発光層107の上には、TPDが400オングストロームの厚さにて蒸着され、LUMO2.3eV,HOMO5.5eV,エネルギーバンドギャップ3.2eVのホール輸送層208が形成される。
【0104】
このホール輸送層208の上には、CuPcが厚さ20nmにて蒸着され、CuPcの上に陽極209が形成される。陽極209に正電圧、陰極101に負電圧を印加すると、電子輸送層102を介して輸送された電子は、図13の輸送層213を通れない。そのため、上記電子は輸送層213の開口部より上の方に向かうが、赤色発光層103に上に形成された電子輸送層122に向かう。
【0105】
一方、ホール輸送層208を介して輸送されたホールは、図13の電子輸送層122を通れないため、電子輸送層122の開口部より下の方に向かうが、赤色発光層103の下に形成された輸送層213に向かう。このため、電子とホールは図13の赤色発光層103の三角で表示された部分にて再結合し、赤色発光を行なう。
【0106】
電圧を上げていくと、電子輸送層122の開口部より輸送されるホールは、輸送層213に向かう。そのため、輸送層213の下部で、輸送層213によるホールと、電子輸送層102より上方に輸送された電子は再結合し、輸送層213の下部の緑色発光層105で緑色発光を行なう。
【0107】
同様にして、更に電圧を上げていくと、輸送層213の開口部より輸送される電子は電子輸送層122に向かう。そのため、電子輸送層122の上部で、電子輸送層122による電子と、ホール輸送層208より下方に輸送されたホールは再結合し、電子輸送層122の上部の青色発光層107で青色発光を行なう。
【0108】
ここにおいて、緑色発光と青色発光に関係する電流は輸送層213と、電子輸送層122の対向した赤色発光層103を通り、赤色発光部(図13に示した三角部分のこと)を通らない。そのため、赤色発光部の通電電流とならず、赤色発光層103の経時変化に関係しないので、寿命を延ばすことができる。更に、輸送層213と、電子輸送層122の巾を管理することにより、白色発光のバランスを改善して白色度を上げることができる。以上にて、有機エレクトロルミネセンス素子419dの説明を終わる。尚、上記呼称にて記載材料の正式名称は以下の通りである。
【0109】
PBDは、2−(4−ビフェニイル)−5−(4−tert−ブチフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールである。
【0110】
NBPは、N,N’−Di((naphthalene−1−yl)−N,N’−diphenyl−benzidine)である。
【0111】
Alq3は、Tris(8−hydroxyquinolinato)aluminumである。
【0112】
DCJTBは、(2−(1,1−Dimethylethyl)−6−(2−(2,3,6,7−tetrahydro−1,1,7,7−tertramethyl−1H,5H−benzo[ij]quinolizin−9−yl)ethenyl)−4H−pyran−4−ylidene)propanedinitrile.である。
【0113】
Coumarin6は、3−(2−Benzothiazolyl)−7−(diethylamino)coumarin.である。
【0114】
BAlqは、(1,1’−Bisphenyl−4−Olato)bis(2−methyl−8−quinolinplate−N1,08)Aluminum.である。
【0115】
TPDは、(4、4’、4’’−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylanine)である。
【0116】
次に、上記最良の形態1〜13、及び従来例(図15)で示した各エレクトロルミネセンス素子に対し、駆動電流10mA/平方cmの電流を供給し、測定を行なった結果を、図14に示す。輝度は輝度計で測定し、視感効率とCIE色度はマルチチャネルアナライザーで測定した。また、寿命については輝度が初期からの半分になる時間を計測した。
【0117】
尚、本発明は、上記最良の形態1〜13に限定されるものではなく、本発明の趣旨にもとづいて種々の変形をすることが可能であり、それらは本発明の範囲から除外するものではない。本発明では3層のフルカラー素子、及び3層、2層の白色素子について説明を行なったが、陰極、陽極、両電極を除いた1つの発光ユニットとしてn段積層することにより、同一光量の場合、駆動電流は1/(2〜3)nとなるため消費電流及び消費電力の削減ができる。また、本発明は蛍光発光による有機エレクトロルミネセンス素子について説明を行ったが、燐光発光を行なう有機エレクトロルミネセンス素子についても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明を実施するための最良の形態1に係る(フルカラー)有機エレクトロルミネセンス素子100の基本的な構成を示す概略図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態2に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子119aの基本的な構成を示す概略図である。
【図3】本発明を実施するための最良の形態3に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子119bの基本的な構成を示す概略図である。
【図4】本発明を実施するための最良の形態4に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子119cの基本的な構成を示す概略図である。
【図5】本発明を実施するための最良の形態5に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219aの基本的な構成を示す概略図である。
【図6】本発明を実施するための最良の形態6に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219bの基本的な構成を示す概略図である。
【図7】本発明を実施するための最良の形態7に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219cの基本的な構成を示す概略図である。
【図8】本発明を実施するための最良の形態8に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子219dの基本的な構成を示す概略図である。
【図9】本発明を実施するための最良の形態9に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子319の基本的な構成を示す概略図である。
【図10】本発明を実施するための最良の形態10に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子419aの基本的な構成を示す概略図である。
【図11】本発明を実施するための最良の形態11に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子419bの基本的な構成を示す概略図である。
【図12】本発明を実施するための最良の形態12に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子419cの基本的な構成を示す概略図である。
【図13】本発明を実施するための最良の形態13に係る(白色)有機エレクトロルミネセンス素子419dの基本的な構成を示す概略図である。
【図14】上記形態1〜13及び従来例で示したエレクトロルミネセンス素子に対し駆動電流10mA/平方cmの電流を供給し測定を行なった場合の、特性表である。
【図15】従来の有機エレクトロルミネセンス素子の基本的な構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0119】
100 有機エレクトロルミネセンス素子
101 陰極
102 電子輸送層
103 赤色発光層
104 第1輸送層
105 緑色発光層
106 第2輸送層
107 青色発光層
108 ホール輸送層
109 陽極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰極と陽極との間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に、輸送層を設けたことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項2】
2層以上の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が陰極側より順に大きくなるように、発光性有機物質がドープされていることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項3】
2層以上の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が陰極側より順に大きくなるように、発光性有機物質がドープされ、間にバンドギャップの一番小さい発光層を挟んだことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項4】
各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が前記陰極側より順に大きくなるように、発光性有機物質がドープされていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項5】
各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が前記陰極側より順に大きくなるように、発光性有機物質がドープされ、間にバンドギャップの一番小さい発光層を挟んだことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項6】
前記エレクトロルミネセンス発光部は、前記陰極と前記陽極の間に、電子輸送層と、第1発光層と、輸送層と、第2発光層と、ホール輸送層よりなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項7】
前記エレクトロルミネセンス発光部は、前記陰極と前記陽極の間に、電子輸送層と、第1発光層と、巾が前記第1発光層より狭い輸送層と、第2発光層と、ホール輸送層よりなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項8】
前記エレクトロルミネセンス発光部は、前記陰極と前記陽極の間に、電子輸送層と、第1発光層と、第1輸送層と、第2発光層と、第2輸送層と、第3発光層と、ホール輸送層よりなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項9】
前記エレクトロルミネセンス発光部は、前記陰極と前記陽極の間に、電子輸送層と、第1発光層と、巾が前記第1発光層より狭い第1輸送層と、第2発光層と、第2輸送層と、第3発光層と、ホール輸送層よりなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項10】
前記エレクトロルミネセンス発光部は、前記陰極と前記陽極の間に、電子輸送層と、第1発光層と、巾が前記第1発光層より狭い第1輸送層と、第2発光層と、巾が前記第2発光層より狭い第2輸送層と、第3発光層と、ホール輸送層よりなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項11】
前記第1発光層を橙色とし、前記第2発光層を青緑色とした事を特徴とする請求項1、請求項2、請求項6、請求項7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項12】
前記第1発光層を黄色とし、前記第2発光層を青色としたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項6、請求項7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項13】
前記第1発光層を赤色とし、前記第2発光層を緑色とし、前記第3発光層を青色としたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項8、請求項9、請求項10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項14】
前記第1発光層3を緑色とし、前記第2発光層4を赤色とし、前記第3発光層を青色としたことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項8、請求項9、請求項10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項15】
前記発光層が同一のホスト層で形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項16】
前記発光層は、Alq3を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項17】
前記各発光層は、互いに異なる発光スペクトルを有することを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項18】
前記発光層の組み合わせにより、発光色が青色光、緑色光、赤色光であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項19】
前記発光層の組み合わせにより、発光色が白色光であることを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項20】
前記発光層に挟まれる前記輸送層の上下を揃えて配置されたことを特徴とする請求項1、請求項8、請求項10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項21】
前記発光層に挟まれる前記輸送層の上下を揃えて載置し、上下の前記輸送層の働きを異ならせたことを特徴とする請求項1、請求項8、請求項10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項22】
前記発光層に挟まれた巾が前記発光層より狭い輸送層の上下を揃えて載置し、上下の前記輸送層の働きを異ならせたことを特徴とする請求項1または請求項10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項23】
前記発光層に挟まれる前記輸送層の巾を変えることにより、前記発光層の光量を調整したことを特徴とする請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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