説明

有機エレクトロルミネッセンス素子

本発明は、少なくとも一つの燐光エミッター及び少なくとも一つのケトン誘導体を少なくとも一つの発光層中のマトリクス材料として含む白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの燐光ドーパントを含む少なくとも一つの層を含む、白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【発明の概要】
【0002】
有機半導体において機能性材料として用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)の構造は、例えば、US 4539507、US 5151629、EP 0676461及びWO 98/27136に記載されている。有機エレクトロルミネッセンス素子の領域における展開は白色発光OLEDである。それらは、単色の白表示のために、或いは、フルカラー表示のためにカラーフィルターと共に用いられることができる。それらはさらに照明用途に適している。低分子量化合物に基づく白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子は、一般に、少なくとも二つの発光層を有する。それらは往々にして青色、緑色及び赤色の発光を示す少なくとも三つの発光層を有する。蛍光又は燐光エミッターのどちらかが発光層に用いられるが、燐光エミッターは達成効率がより高いために著しい利点を示す。少なくとも一つの燐光層を有するこの種の白色発光OLEDの一般的な構造は、例えば、WO 05/011013に記載されている。
【0003】
しかしながら、白色発光OLEDの改善がいまだ必要とされている。これは特に燐光エミッターでドープされたエレクトロルミネッセンス素子にあてはまる。例として、所望のカラーロケーション(colour location)を設定することが困難であることが見出されている。これは特に、複数の発光層を有する白色発光OLEDの場合にあてはまる。ここでカラーロケーションは、試行錯誤によってのみ設定できる。カラーロケーションは、発光層又は輸送層の層厚さの変化又はエミッター層中のエミッター濃度の変化によって、かろうじてある程度定められた範囲に設定することができる。さもなければ、他の材料、特に、他のエミッター材料を選択することによって所望のカラーロケーション範囲を達成することを試みなければならない。対照的に、色空間における黒体曲線の広範な領域、例えば、光源A(CIE 1931 0.45/0.41)から光源D65(CIE 1931 0.31/0.33)までを、同一材料及び同一の基本的な層構造を使用して層厚さ及び濃度を変化させることのみによってカバーすることは特に困難である。しかしながらこれは、例えば照明用途のために、種々の色温度を有する白色を達成するためには望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】一般的な素子構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本願発明の技術的な目的は、それ故、カラーロケーションがより簡単に設定できる白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。さらなる目的は、白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子のカラーロケーションの可調整を改善するための方法を提供することにある。
【0006】
先行技術に従うと、電子伝導性材料、特にケトン(例えば、WO 04/093207に従うか、又は未公開出願DE 102008033943.1に従う)が、燐光エミッターのためのマトリクス材料として使用されている。特にケトンを用いて低い駆動電圧と長い寿命が達成されており、この種の化合物を非常に興味深いマトリクス材料としている。しかしながら、それらのマトリクス材料と、白色発光OLED中に他のマトリクス材料を用いる場合はそれらの、使用の際のカラーロケーションの可調整に関する改善がいまだ必要とされている。
【0007】
驚くべきことに、少なくとも三つの発光層を有し、該三つの層の少なくとも中心が少なくとも一つの燐光エミッターを含む白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子のカラーロケーションは、燐光エミッターを含む該中心層が、一方が正孔伝導性特性を有し、他方が電子伝導性特性を有する、少なくとも二つの異なるマトリクス材料を含む場合に、特に良好且つ簡単に設定できることが見出された。
【0008】
電子伝導性マトリクス材料が芳香族ケトンである場合に特に良好な成功が達成される。
【0009】
それらの有機エレクトロルミネッセンス素子は、さらに、極めて良好な寿命と該寿命の間に極めて良好な色安定性を示す。
【0010】
先行技術は、二つのマトリクス材料の混合物にドープされた燐光エミッターを含む、有機エレクトロルミネッセンス素子を開示している。
【0011】
US 2007/0252516は、正孔伝導性マトリクス材料と電子伝導性マトリクス材料の混合物を含む燐光有機エレクトロルミネッセンス素子を開示している。改善された効率が、それらのOLEDについて開示されている。
【0012】
US 2007/0099026は、その中の緑色又は赤色発光層が燐光エミッター及び正孔伝導性マトリクス材料及び電子伝導性マトリクス材料の混合物を含む白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子を開示している。言及されている正孔伝導性材料は、特に、トリアリールアミン及びカルバゾール誘導体である。言及されている電子伝導性材料は、特に、アルミニウム及び亜鉛化合物、オキサジアゾール化合物及びトリアジン又はトリアゾール化合物である。良好な効率と長い寿命がそれらのOLEDについて開示されている。この素子の構造は、OLEDのカラーロケーションの可調整に影響するとは述べられていない。
【0013】
従って、本発明は、アノード、カソード及び少なくとも三つの発光層A、B及びCを互いにこの順番で含み、層AとCの間に位置する発光層Bが少なくとも一つの燐光化合物、さらに、少なくとも一つの正孔伝導性材料及び少なくとも一つの芳香族ケトンを含むことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0014】
一般的な素子構造を図1に図示する。ここで、層1はアノードを表し、層2は発光層A、層3は発光層B、層4は発光層C及び層5はカソードを表す。
【0015】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、三つより多い発光層を有することもできる。
【0016】
ここで、発光層は、互いに直接隣接してもよく、又は中間層によって互いに分離されていてもよい。
【0017】
本発明の好ましい態様において、発光層A、B及びCは、異なる発光色を有し、ここで、発光極大は、好ましくは、各場合に互いに少なくとも20 nm異なる。本発明の特に好ましい態様は、白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。これは、0.28/0.29から0.45/0.41の範囲にCIE色度座標を有する光を放射することを特徴とする。
【0018】
本願の目的のために、芳香族ケトンは、二つの芳香族又は複素環式芳香族基又は芳香族又は複素環式芳香族環構造が直接結合するカルボニル基を意味するものと解される。
【0019】
本発明の好ましい態様において、芳香族ケトンは、以下の式(1)の化合物である:
【化1】

【0020】
式中、使用される記号は以下が適用される:
Arは、出現毎に同一であるか異なり、5〜80個の芳香族環原子を有し、好ましくは60まで個の芳香族環原子を有する芳香族又は複素環式芳香族環構造であり、これは各場合に、1以上の基Rで置換されてよい;
は、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、C(=O)Ar1、P(=O)(Ar1)2、S(=O)Ar1、S(=O)2Ar1、CR2=CR2Ar1、CN、NO2、Si(R2)3、B(OR2)2、B(R2)2、B(N(R2)2)2、OSO2R2、1〜40個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシ又はチオアルコキシ基、又は3〜40個のC原子を有する分枝又は環状のアルキル、アルコキシ又はチオアルコキシ基、又は2〜40個のC原子を有するアルケニル又はアルキニル基であり、それぞれ、1以上のラジカルRで置換されてよく、式中、1以上の隣接しないCH2基は、R2C=CR2、C≡C、Si(R2)2、Ge(R2)2、Sn(R2)2、C=O、C=S、C=Se、C=NR2、P(=O)(R2)、SO、SO2、NR2、O、S又はCONR2で置換されてよく、及び、式中、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CN又はNO2、又は、各場合に、1以上のラジカルRで置換されてよい、5〜60個の芳香族環原子を有する芳香族又は複素環式芳香族環構造、又は、1以上のラジカルRで置換されてよい、5〜60個の芳香族環原子を有するアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基、又は、1以上のラジカルRで置換されてよい、5〜60個の芳香族環原子を有するアラルキル又はヘテロアラルキル基、又は、それらの構造の組み合わせで置換されてよい;ここで、2以上の隣接する置換基Rは、互いに、モノ-又は多環式、脂肪族又は芳香族環構造をも形成可能である;
Arは、出現毎に同一であるか異なり、5〜40個の芳香族環原子を有する芳香族又は複素環式芳香族環構造であり、これは、1以上のラジカルR2で置換されてよい;
は、出現毎に同一であるか異なり、H、D、CN又は1〜20個のC原子を有する脂肪族、芳香族及び/又は複素環式芳香族有機ラジカルであり、ここでさらに、H原子は、Fで、好ましくは炭化水素ラジカルで置換されてよく;ここで、2以上の隣接する置換基R2 は、互いに、モノ-又は多環式、脂肪族又は芳香族環構造をも形成可能である。
【0021】
本発明に従う有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記のように、アノード、カソード及びアノードとカソードの間に配置される少なくとも三つの発光層A、B及びCを含む。発光層Bは、少なくとも一つの燐光化合物及びさらに少なくとも一つの正孔伝導性化合物及び少なくとも一つの芳香族ケトンを含む。有機エレクトロルミネッセンス素子は、有機又は有機金属材料から作られた層のみを含む必要は必ずしもない。例えば、アノード、カソード及び/又は1以上の層が、無機材料を含むか、又は、完全に無機材料から作られることも可能である。
【0022】
本発明の目的のために、燐光化合物は、比較的高いスピン多重度、即ち>1のスピン状態を有する励起状態から、特に、励起三重項状態から、室温でルミネッセンスを呈する化合物である。本発明の目的のために、全てのルミネッセンス遷移金属錯体、特に、全てのルミネッセンスイリジウム及び白金化合物が、燐光化合物と見なされるべきである。
【0023】
本発明の目的のために、アリール基は、少なくとも6個のC原子を含み;本発明の目的のために、ヘテロアリール基は、少なくとも2個のC原子と少なくとも1個のヘテロ原子を含むが、但し、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも5個である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、O及び/又はSから選択される。ここで、アリール基又はヘテロアリール基は、単純な芳香族環、即ち、ベンゼン、又は、単純な複素環式芳香族環、例えば、ピリジン、ピリミジン、チオフェン等、又は、縮合アリール又はヘテロアリール基、例えば、ナフタレン、アントラセン、ピレン、キノリン、イソキノリン等の何れかを意味するものと解される。
【0024】
本発明の目的のために、芳香族環構造は、環構造中に少なくとも6個のC原子を含む。本発明の目的のために、複素環式芳香族環構造は、環構造中に少なくとも2個のC原子と少なくとも1個のヘテロ原子を含むが、但し、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも5個である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、O及び/又はSから選択される。本発明の目的のために、芳香族又は複素環式芳香族環構造は、必ずしもアリール又はヘテロアリール基のみを含む構造ではなく、代わりに、複数のアリール又はヘテロアリール基は、例えば、sp混成のC、N或いはO原子又はカルボニル基のような短い非芳香族単位(H以外の原子は、好ましくは、10%より少ない)により中断されていてもよい構造を意味するものと解される。従って、例えば9,9’-スピロビフルオレン、9,9-ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベン、ベンゾフェノン等のような構造も、本発明の目的のための芳香族環構造を意味するものと解されることを意図されてもいる。同様に、芳香族又は複素環式芳香族環構造は、複数のアリール又はヘテロアリール基が、互いに単結合により結合される構造、例えば、ビフェニル、テルフェニル又はビピリジンを意味するものと解される。
【0025】
本発明の目的のために、C〜C40-アルキル基は、さらに、個々のH原子又はCH基が上記した基により置換されていてよく、C〜C40-アルキル基は、特に、好ましくは、ラジカル:メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、tert-ペンチル、2-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、s-ヘキシル、tert-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、シクロヘキシル、2-メチルペンチル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、シクロヘプチル、1-メチルシクロヘキシル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、シクロオクチル、1-ビシクロ[2.2.2]オクチル、2-ビシクロ[2.2.2]オクチル、2-(2,6-ジメチル)オクチル、3-(3,7-ジメチル)オクチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及び2,2,2-トリフルオロエチルを意味するものと解される。C1-〜C40-アルケニル基は、好ましくは、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル又はシクロオクテニルを意味するものと解される。C1-〜C40-アルキニル基は、好ましくは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル又はオクチニルを意味するものと解される。C1-〜C40-アルコキシ基は、特に好ましくは、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ又は2-メチルブトキシを意味するものと解される。5〜60個の芳香族環原子を有する芳香族又は複素環式芳香族環構造は、各場合に、上記したラジカルRにより置換されていてもよく、また、芳香族又は複素環式芳香族環構造の任意の所望の位置を介して連結されてもよく、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ベンズアントラセン、ベンズフェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランセン、ベンゾフルオランセン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、テルフェニル、テルフェニレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス-又はトランス-インデノフルオレン、シス-又はトランス-モノベンゾインデノフルオレン、シス-又はトランス-ジベンゾインデノフルオレン、トルクセン、イソトルクセン、スピロトルクセン、スピロイソトルクセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリジミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5-ジアザアントラセン、2,7-ジアザピレン、2,3-ジアザピレン、1,6-ジアザピレン、1,8-ジアザピレン、4,5-ジアザピレン、4,5,9,10-テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン及びベンゾチアジアゾールから誘導される基を意味するものと解される。
【0026】
式(1)の化合物は、好ましくは70℃より高い、特に好ましくは90℃より高い、さらに特に好ましくは110℃より高いガラス転移温度Tを有する。
【0027】
本発明の好ましい態様において、三つの発光層A、B及びCは、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層である。ここで、赤色発光層は、その光ルミネッセンス最大値が560〜750 nmの範囲にある層を意味するものと解される。緑色発光層は、その光ルミネッセンス最大値が490〜560 nmの範囲にある層を意味するものと解される。青色発光層は、その光ルミネッセンス最大値が440〜490 nmの範囲にある層を意味するものと解される。光ルミネッセンス最大値は、層厚さが50 nmである層の光ルミネッセンススペクトルの測定によって決定できる。
【0028】
本発明の好ましい態様において、層Aは赤色発光層であり、層Bは緑色発光層であり、層Cは青色発光層であり、層Aはアノード側にあり、層Cはカソード側にある。
【0029】
さらなる本発明の好ましい態様において、層Aは青色発光層であり、層Bは緑色発光層であり、層Cは赤色発光層であり、層Aはアノード側にあり、層Cはカソード側にある。
【0030】
上記した本発明の好ましい態様の両方で、緑色発光層Bは、従って、燐光化合物、正孔伝導性マトリクス材料及び芳香族ケトンを含む。
【0031】
層Bにおける燐光化合物の割合は、好ましくは1〜50体積%であり、特に好ましくは3〜25体積%であり、さらに特に好ましくは5〜20体積%である。
【0032】
正孔伝導性化合物とケトンとの比は変動可能である。特に、この比の変動により、白色発光OLEDのカラーロケーションを簡単且つ再現可能に設定することが可能になる。混合比の調整は、それ故、カラーロケーションが0.01(CIE座標で測定される)の精度で設定されることを可能にする。正孔伝導性化合物とケトンの混合比の変動は、それ故、この層に隣接する他の発光層の発光強度のコントロールを可能にする。
【0033】
ここで、正孔伝導性化合物と芳香族ケトンの混合比は、通常、20:1〜1:10であり、好ましくは10:1〜1:3であり、特に好ましくは8:1〜1:1である。
【0034】
発光層B中における、燐光化合物及び正孔伝導性化合物の好ましい態様及び本発明に従って存在される式(1)の化合物は、以下に示される。
【0035】
適切な燐光化合物は、適切な励起により特に可視域で発光し、さらに、20より大きい原子番号、好ましくは38より大きく84より小さい原子番号、特に好ましくは56より大きく80より小さい原子番号を有する少なくとも一つの原子を含む化合物である。用いられる好ましい燐光エミッターは、銅、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀、金又はユウロピウムを含む化合物であり、特に、イリジウム又は白金を含む化合物である。
【0036】
特に好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、燐光化合物として、式(2)〜(5)の少なくとも一つの化合物を含む:
【化2】

【0037】
式中、Rは、式(1)について上記されたものと同じ意味を有し、使用されるその他の記号は、以下が適用される:
DCyは、出現毎に同一であるか異なり、少なくとも一つのドナー原子、好ましくは、窒素、カルベン型の炭素又は燐を含む環状基であり、環状基はドナー原子を介して金属に結合し、環状基は1以上の置換基Rを順に担持してもよく;該基DCyとCCyは、互いに共有結合を介して結合する;
CCyは、出現毎に同一であるか異なり、炭素原子を含む環状基であり、環状基は炭素原子を介して金属に結合し、環状基は1以上の置換基Rを順に担持してもよい;
Aは、出現毎に同一であるか異なり、モノアニオン性2座キレート配位子、好ましくは、ジケトン配位子又はピコリネート配位子である。
【0038】
また、複数のラジカルRの間の環構造の形成により、基DCyとCCyとの間にブリッジが存在し得る。ブリッジはさらにまた、複数のラジカルRの間の環構造の形成により、2個又は3個の配位子CCy−DCyの間、或いは、1個又は2個の配位子CCy−DCyと配位子Aとの間に存在し得、多座或いはポリポダル配位子構造を与える。
【0039】
前記のエミッターの例は、WO 00/70655、WO 01/41512、WO 02/02714、WO 02/15645、EP 1191613、EP 1191612、EP 1191614、WO 04/081017、WO 05/033244、WO 05/042550、WO 05/113563、WO 06/008069、WO 06/061182、WO 06/081973及び未公開出願DE 102008027005.9により明らかにされている。一般的には、燐光OLEDについての先行技術に従って使用され、有機エレクトロルミネッセンス素子の分野の当業者に知られているようなすべての燐光錯体が適切であり、当業者は進歩性を必要とせず、更なる燐光化合物を使用することができよう。特に、燐光錯体が発光色と共に発光することが当業者に知られている。
【0040】
ここで、層B中の燐光化合物は、好ましくは、緑色発光化合物、特に、上記の式(3)の化合物、特に、1以上のラジカルR1で置換されてよいトリス(フェニルピリジル)イリジウムである。燐光化合物は極めて特に好ましくはトリス(フェニルピリジル)イリジウムである。
【0041】
好ましい燐光化合物A及びBの例を、以下の表に示す。
【化3−1】

【化3−2】

【化3−3】

【化3−4】

【化3−5】

【化3−6】

【化3−7】

【化3−8】

【化3−9】

【化3−10】

【化3−11】

【化3−12】

【化3−13】

【化3−14】

【化3−15】

【0042】
上記したように、式(1)の化合物はマトリクス材料として用いられる。
【0043】
式(1)の適切な化合物は、特に、WO 04/093207及び未公開出願DE 102008033943.1に開示されたケトンである。これらは、参照として本願に組み込まれる。
【0044】
式(1)の化合物の定義から、これはカルボニル基を一つだけ含まなければならないわけではなく、代わりに、複数のこれらの基を含んでも良いことは明らかである。
【0045】
式(1)の化合物中の基Arは、好ましくは、6〜40個の芳香族環原子を有する芳香族環構造であり、即ち、ヘテロアリール基を全く含まない。上記に定義されたように、芳香族環構造は、必ずしも芳香族基のみを含む必要はなく、代わりに、二個のアリール基が非芳香族基により、例えば、さらなるカルボニル基により中断されてもよい。
【0046】
本発明のさらなる好ましい態様において、基Arは、2個より多い縮合環を含まない。したがって、それは、フェニル及び/又はナフチル基からのみ構築され、特に好ましくは、フェニル基からのみ構築されるが、しかし、例えばアントラセンのようなより大きい縮合芳香族構造は全く含まない。
【0047】
カルボニル基に結合する好ましい基Arは、フェニル、2-、3-又は4-トリル、3-又は4-o-キシリル、2-又は4-m-キシリル、2-p-キシリル、o-、m-又はp-tert-ブチルフェニル、o-、m-又はp-フルオロフェニル、ベンゾフェノン、1-、2-又は3-フェニルメタノン、2-、3-又は4-ビフェニル、2-、3-又は4-o-テルフェニル、2-、3-又は4-m-テルフェニル、2-、3-又は4-p-テルフェニル、2’-p-テルフェニル、2’-、4’-又は5’-m-テルフェニル、3’-又は4’-o-テルフェニル、p-、p,m-、o,p-、m,m-、o,m-又はo,o-クアテルフェニル、キンケフェニル(quinquephenyl)、セキシフェニル、1-、2-、3-又は4-フルオレニル、2-、3-又は4-スピロ-9,9'-ビフルオレニル、1-、2-、3-又は4-(9,10-ジヒドロ)フェナントレニル、1-又は2-ナフチル、2-、3-、4-、5-、6-、7-又は8-キノリニル、1-、3-、4-、5-、6-、7-又は8-イソキノリニル、1-又は2-(4-メチルナフチル)、1-又は2-(4-フェニルナフチル)、1-又は2-(4-ナフチル-ナフチル)、1-、2-又は3-(4-ナフチルフェニル)、2-、3-又は4-ピリジル、2-、4-又は5-ピリミジニル、2-又は3-ピラジニル、3-又は4-ピリダジニル、2-(1,3,5-トリアジン)イル、2-、3-又は4-(フェニルピリジル)、3-、4-、5-又は6-(2,2'-ビピリジル)、2-、4-、5-又は6-(3,3'-ビピリジル)、2-又は3-(4,4'-ビピリジル)及び1以上のこれらのラジカルの組み合わせである。
【0048】
基Arは、1以上のラジカルRにより置換されてもよい。これらのラジカルRは、好ましくは、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、C(=O)Ar1、P(=O)(Ar1)2、S(=O)Ar1、S(=O)2Ar1、1〜4個のC原子を有する直鎖アルキル基又は3〜5個のC原子を有する分枝或いは環状アルキル基(夫々は、1以上のラジカルRにより置換されてよく、ここで1以上のH原子はFで置き代えられてよい)、又は1以上のラジカルRにより置換されてよい6〜24個の芳香族環原子を有する芳香族環構造、又はこれらの構造の組み合わせからなる群から選択される;ここで、2以上の隣接する置換基Rは、互いにモノ-或いはポリ環状、脂肪族、芳香族環構造を形成してもよい。有機エレクトロルミネッセンス素子が溶液から適用されるならば、10個までのC原子を有する直鎖、分枝或いは環状アルキル基が置換基Rとしても好ましい。ラジカルRは、特に好ましくは、出現毎に同一であるか異なり、H、C(=O)Ar1、又は1以上のラジカルRにより置換されてよいが好ましくは置換されない6〜24個の芳香族環原子を有する芳香族環構造より成る群から選択される。
【0049】
本発明の別の好ましい態様では、基Arは、出現毎に同一であるか異なり、1以上のラジカルRにより置換されてよい6〜24個の芳香族環原子を有する芳香族環構造である。Arは、特に好ましくは、出現毎に同一であるか異なり、6〜12個の芳香族環原子を有する芳香族環構造である。
【0050】
特に好ましいベンゾフェノン誘導体は、それぞれ、3,5,3’,5’-位において、1以上の上記で定義されたようなラジカルRにより順に置換されてよい、5〜30個の芳香族環原子を有する芳香族又は複素環式芳香族環構造により置換されたベンゾフェノン誘導体である。特に好ましいものは、さらに、少なくとも一個のスピロビフルオレン基により置換されたケトンである。
【0051】
好ましい芳香族ケトンは、それ故、下式(6)〜(9)の化合物である:
【化4】

【0052】
式中、Ar及びRは前記と同じ意味を有し、さらに:
Zは、出現毎に同一であるか異なり、CR又はNを表わし;
nは、出現毎に同一であるか異なり、0又は1である。
【0053】
上記式(6)〜(9)においてArは、好ましくは、1以上のラジカルRにより置換されてよい、5〜30個の芳香族環原子を有する芳香族又は複素環式芳香族環構造を表わす。前に言及したArが特に好ましい。
【0054】
式(1)の化合物の適切な例を以下の(1)〜(59)に示す。
【化5−1】

【化5−2】

【化5−3】

【化5−4】

【化5−5】

【化5−6】

【化5−7】

【0055】
本発明に従って、有機エレクトロルミネッセンス素子は、さらに、発光層B中に正孔伝導性化合物を含む。特に、HOMO(最高占有分子軌道)の位置が該材料の正孔輸送特性の原因となるため、該化合物は好ましくは、>-5.8 eV、特に好ましくは>-5.6 eV、極めて特に好ましくは>-5.4 eVのHOMOを有する。HOMOは、理研計器(株)の光電子スペクトロメータ、モデルAC−2(http://www.rikenkeiki.com/pages/AC2.htm)による光電子分光法により測定することができる。
【0056】
好ましい正孔伝導性化合物は、カルバゾール誘導体であり、例えば、CBP(N.N-ビスカルバゾリルビフェニル)又は、WO 05/039246、US 2005/0069729、JP2004/288381、EP 1205527或いはWO 08/086851に開示されたカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、例えばWO 07/063754又はWO 08/056746に従うインドールカルバゾール誘導体、例えばEP 1617710、EP 1617711、EP 1731584、JP 2005/347160に従うアザカルバゾール誘導体、例えばWO 07/137725に従う双極性マトリクス材料、それらが上記のHOMOの状態を有し、且つ、それらが燐光化合物より少なくとも20 nm短い波長で放出する場合に、上記式(2)〜(5)の燐光金属錯体、及び、例えば未公開出願DE 102008056688.8に従うジアザシロール(diazasilole)又はテトラアザシロール(tetraazasilole)誘導体である。
【0057】
上記で詳細に説明し、正孔伝導性化合物及び芳香族ケトンを含む混合されたホストを含む、本発明の発光層Bの他に、有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも二つのさらなる発光層A及びCを含む。上記された層が緑色発光層である場合、それらは青色発光層及び赤色発光層であり、それぞれ、発光化合物として蛍光化合物又は燐光化合物を含んでよい。
【0058】
本発明の好ましい態様において、赤色発光層は少なくとも一つの赤色燐光エミッターを含む。これは好ましくは、上記式(2)〜(5)の赤色発光構造から選択される。
【0059】
赤色燐光エミッターのための適切なマトリクス材料は、例えばWO 04/013080、WO 04/093207、WO 06/005627又は未公開出願DE 102008033943.1に従う上記で示した式(1)の化合物、トリアリールアミン、カルバゾール誘導体、例えばWO 05/039246、US 2005/0069729、JP 2004/288381、EP 1205527又はWO 08/086851に開示されているCBP (N,N-ビスカルバゾリルビフェニル)又はカルバゾール誘導体、例えばWO 07/063754又はWO 08/056746に従うインドールカルバゾール誘導体、例えばEP 1617710、EP 1617711、EP 1731584、JP 2005/347160に従うアザカルバゾール、例えばWO 07/137725に従う双極性マトリクス材料、例えばWO 05/111172に従うシラン、例えばWO 06/117052に従うアザボロール又はホウ酸エステル、例えば未公開出願DE 102008036982.9、WO 07/063754又はWO 08/056746に従うトリアジン誘導体、及び、例えばWO 09/062578に従う亜鉛錯体から選択される。ここでも、複数の異なるマトリクス材料を混合物として用いることが可能であり、特に、少なくとも一つの電子伝導性マトリクス材料と少なくとも一つの正孔伝導性マトリクス材料を用いることが可能である。
【0060】
本発明の好ましい態様において、青色発光層は、少なくとも一つの青色燐光エミッターを含む。これは、好ましくは、上記式(2)〜(5)の青色発光構造から選択される。
【0061】
本発明のさらなる好ましい態様において、青色発光層は、少なくとも一つの青色蛍光エミッターを含む。適切な青色蛍光エミッターは、例えば、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテル及びアリールアミンの群から選択される。モノスチリルアミンは、一置換されたか又は非置換型のスチリル基と、少なくとも一つの好ましくは芳香族のアミンを含む化合物を意味するものと解される。ジスチリルアミンは、二置換されたか又は非置換型のスチリル基と少なくとも一つの好ましくは芳香族のアミンを含む化合物を意味するものと解される。トリスチリルアミンは、三置換されたか又は非置換型のスチリル基と少なくとも一つの好ましくは芳香族のアミンを含む化合物を意味するものと解される。テトラスチリルアミンは四置換されたか又は非置換型のスチリル基と少なくとも一つの好ましくは芳香族のアミンを含む化合物を意味するものと解される。スチリル基は特に好ましくはスチルベンであり、これはさらに置換されてもよい。対応するホスフィン及びエーテルは、アミンと同様に定義される。本発明の目的のために、アリールアミン又は芳香族アミンは、窒素に直接結合している三置換されたか又は非置換型の芳香族又は複素環式芳香族環構造を含む化合物を意味するものと解される。それらの芳香族又は複素環式芳香族環構造の少なくとも一つは、好ましくは縮合環構造であり、特に好ましくは少なくとも14個の芳香族環原子を有するものである。それらの好ましい例は、芳香族アントラセンアミン、芳香族ピレンアミン、芳香族ピレンジアミン、芳香族クリセンアミン又は芳香族クリセンジアミンである。芳香族アントラセンアミンは、ジアリールアミノ基が好ましくは9-位又は2-位において、アントラセン基に直接結合した化合物を意味するものと解される。芳香族ピレンアミン、ピレンジアミン、クリセンアミン及びクリセンジアミンは、それと同様に定義され、ここで、ピレン上のジアリールアミノ基は、好ましくは1-位又は1,6-位において結合される。さらなる好ましいドーパントは、例えばWO 06/108497又はWO 06/122630に従うインデノフルオレンアミン又はインデノフルオレンジアミン、例えばWO 08/006449に従うベンゾインデノフルオレンアミン又はベンゾインデノフルオレンジアミン、及び、例えばWO 07/140847に従うジベンゾインデノフルオレンアミン又はジベンゾインデノフルオレンジアミンから選択される。スチリルアミンの分類からのドーパントの例は、置換型又は非置換型のトリスチルベンアミン又はWO 06/000388、WO 06/058737、WO 06/000389、WO 07/065549及びWO 07/115610に開示されているドーパントである。さらなる好ましいドーパントは、未公開出願DE 102008035413.9に開示されている縮合炭化水素である。
【0062】
青色蛍光エミッターのために、特に上記のエミッターのために、適切な正孔材料は、例えば、オリゴアリーレン(例えば、EP 67646に従う2,2‘,7,7‘-テトラフェニルスピロビフルオレン又はジナフチルアントラセン)の分類、特に縮合芳香族基を含むオリゴアリーレン、オリゴアリーレンビニレン(例えばEP 676461に従うDPVBi又はスピロ-DPVBi)、ポリポダル金属錯体(例えばWO 04/081017に従う)、正孔伝導性化合物(例えばWO 04/058911に従う)、電子伝導性化合物、特にケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシドなど(例えば、WO 05/084081及びWO 05/084082に従う)、アトロプ異性体(例えば、WO 06/048268に従う)、ホウ素酸誘導体(例えば、WO 06/117052に従う)及びベンズアントラセン誘導体(例えば、WO 08/145239に従うベンズアントラセン誘導体)から選択される。本発明に従う化合物の他に、特に好ましい正孔材料は、ナフタレン、アントラセン、ベンズアントラセンを含むオリゴアリーレンの分類、特に、ベンズアントラセン及び/又はピレン、又はそれらの化合物アトロプ異性体から選択される。本発明の目的のために、オリゴアリーレンは、少なくとも三つのアリール又はアリーレン基が互いに結合した化合物を意味するものと解されるように意図される。カソード、アノード及び上記の少なくとも三つの発光層の他に、有機エレクトロルミネッセンス素子は、図1に示していないさらなる層を含んでもよい。それらは、例えば、各場合に1以上の正孔注入層、正孔輸送層、正孔障壁層、電子輸送層、電子注入層、電子障壁層、励起子障壁層、電荷生成層(IDMC 2003,Taiwan;Session 21 OLED (5), T. Matsumoto, T. Nakada, J.Endo, K. Mori, N. Kawamura, A. Yokoi, J.Kido, Multiphoton Organic EL Device Having Charge Generation Layer)及び/又は有機或いは無機p/n接合部から選択される。さらに、例えば素子中の電荷バランスを制御する中間層が存在してよい。特に、そのような中間層は、二つの発光層の間の中間層として適当であり得、特に
、蛍光層と燐光層の間の中間層として適当で有り得る。さらに、3つより多い発光層の使用も好ましい。さらに、層、特に、電荷輸送層は、ドープされてもよい。層のドープは、電荷輸送の改善に有利であり得る。しかしながら、これら層の夫々は、必ずしも存在する必要はないこと、及び層の選択は使用される化合物に常に依存することが指摘されねばならない。
【0063】
この種の層の使用は、当業者に既知であり、当業者は進歩性を必要とせず、先行技術に従って、この目的のためのこの種の層のために知られている全ての材料を使用することができよう。
【0064】
更に好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が、昇華プロセスにより適用され、材料は、10−5mbar未満、好ましくは10−6mbar未満の圧力で、真空昇華ユニット中で気相堆積されることを特徴とする。しかしながら、圧力は、より低くてもよく、例えば、10−7mbar未満でもよいことに留意する必要がある。
【0065】
同様に好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が、OVPD(有機気相堆積)プロセス又はキャリアガス昇華により適用され、材料は、10−5mbar〜1barの圧力で適用されることを特徴とする。このプロセスの特別な場合は、OVJP(有機蒸気ジェット印刷)プロセスであり、材料はノズルにより直接適用され、ひいては構造化される(例えば、M. S. Arnold et al., Appl. Phys. Lett. 2008, 92, 053301)。
【0066】
更に、好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が、溶液から、例えば、スピンコーティングにより、又は、例えば、スクリーン印刷、フレキソ印刷或いはオフセット印刷、特に、好ましくは、LITI(光誘起熱画像化、熱転写印刷)或いはインクジェット印刷のような任意の所望の印刷プロセスにより製造されることを特徴とする。可溶性の化合物が、この目的のためには必要である。高い溶解度は、化合物の適切な置換により達成することができる。ここで、個々の材料の溶液だけではなく、複数の化合物、例えば、マトリックス材料とドーパントを含む溶液も適用することができる。
【0067】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、また、1以上の層を溶液から適用し、そして、1以上の他の層を気相堆積により適用することにより、ハイブリッドシステムとしても製造され得る。
【0068】
それらのプロセスは、当業者には一般に知られており、当業者は進歩性を必要とせず、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子に適用することができる。
【0069】
本発明はさらに、少なくとも三つの発光層A、B及びCを互いにこの順番で含み、層Bが少なくとも一つの燐光エミッター、少なくとも一つの電子伝導性マトリクス材料及び少なくとも一つの正孔伝導性マトリクス材料を含み、エレクトロルミネッセンス素子のカラーロケーションが正孔伝導性マトリクス材料と電子伝導性マトリクス材料の混合比を変化させることによって設定されることを特徴とする、白色発光エレクトロルミネッセンス素子のカラーロケーションを設定する方法に関する。ここで、電子伝導性マトリクス材料は、好ましくは芳香族ケトンであり、特に、上記式(1)の化合物、又はトリアジン誘導体、好ましくは3個の芳香族置換基で置換されたトリアジン誘導体である。
【0070】
本発明はさらに、有機エレクトロルミネッセンス素子のカラーロケーションを設定するための、少なくとも三つの発光層A、B及びCを互いにこの順番で含む有機エレクトロルミネッセンス素子の層B中の燐光エミッターと組合せた、正孔伝導性マトリクス材料と電子伝導性マトリクス材料の混合物の使用に関する。
【0071】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、先行技術を凌駕する以下の驚くべき効果を有する。
【0072】
1.白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子のカラーロケーションが、正孔伝導性マトリクス材料と芳香族ケトンの混合比の調整によって、簡単に、且つ、0.01(CIE座標で測定される)の精度で再現可能に設定されることができる。
【0073】
2.本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は極めて高い効率を有する。
【0074】
3.本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、同時に、極めて良好な寿命を有する。
【0075】
本発明は、次の例により更に説明されるが、それにより限定することを望むものではない。当業者は、進歩性を要することなく、更なる本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造することができ、それ故、請求範囲全体にわたって発明を実行することができるだろう。
【実施例】
【0076】
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造及び特性決定
本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、例えば、WO05/003253に記載されるとおりに製造されることができる。使用された材料の構造を以下に明確に示す。
【化6】

【化7】

【0077】
これら未だ最適化されていないOLEDは、標準方法により特性決定される。この目的のために、エレクトロルミネッセンススペクトル及び色度座標(CIE 1931に従う)、電流-電圧-光密度特性線(IUL特性線)から計算した、輝度、駆動電圧の関数としての効率(cd/Aで測定)、及び寿命が測定される。得られた結果を表1に示す。
種々の白色OLEDについての結果を以下に比較する。
【0078】
例1:
本発明に従う例1a及び1bは、以下の層構造により達成される: 20 nm のHIM、20 nmのNPB、15% のTERでドープされた5 nmのNPB、75%のTMM1、10%のSK及び15%のIr(ppy)3 からなる15 nmの混合層(例1a)又は60%のTMM1、25%のSK及び15%のIr(ppy)3 からなる15 nmの混合層(例1b)、5%のBDでドープされた20 nmのBH、20 nmのAlq、1 nmのLiF、100 nmのAl。例1aと1bの直接的な比較から分かるように、二つのマトリクス材料を含む中心の混合層の使用は、所望のカラーロケーションを極めて無理なく設定することを可能にする。CIE 0.32/0.33の純白と、CIE 0.42/0.39の極温白色の何れもが、単に、本発明に従って混合層中の二つのマトリクス材料の濃度比を変動させることによって達成できる。
【0079】
それと同様に、例1a及び1bにおいて得られたものの間の全ての色度座標が、適切な他の混合比の選択によって達成できる。従って、他の材料を必要とすることなく、又は、変化されるべき混合層中の二つのマトリクス材料の混合比以外の他の構造的パラメーターなしで、所望のカラーロケーションの変化と正確な設定が可能である。
【0080】
例2:
本発明の例2a及び2bは、以下の層構造により達成される:40 nmのHIM、7%のTERでドープされた10nmのTMM2、70%のTMM2、20%のTMM3及び10%のIr(ppy)3からなる10 nmの混合層(例2a)又は50%のTMM2、40%のTMM3及び10%のIr(ppy)3からなる10 nmの混合層(例2b)、5%のBD2でドープされた20 nmのBH2、20 nmのETM、1 nmのLiF、100 nmのAl。この場合、色は、照明用途のために典型的に望まれるような、温白色領域内で変化される。CIE 0.44/0.41の白色例2bは、光源Aの色度座標に対応し、混合比におけるTMM2に有利な変化により、CIE 0.38/0.38のより少ない温白色カラーロケーションが得られる。
【0081】
例3(比較)
この比較例は、例1と同じ材料から構築されるが混合されたホスト層を用いないOLEDを示す。例3a及び3bは以下の層構造により達成される:20 nmのHIM、20 nm のNPB、5%のBD1でドープされた11 nm (3a)又は8 nm (3b)のBH1、15%のIr(ppy)3でドープされた17 nm (3a)又は18 nm (3b)のSK、15% のTERでドープされた12 nm (3a)又は14 nm (3b)のSK、20 nmのAlq、1 nm のLiF、100 nmのAl。緑色発光層中で、第二のマトリクス材料なしでは色を白色に設定できないため、ここでは、層の順序を赤色、緑色、青色から、青色、緑色、赤色に変化させる必要がある。同じ純白又は温白色の色度座標が、例1a及び1bに対応して達成される。しかしながら、混合されたホスト層の可調整が欠如しているために、ここで色は三つの全てのエミッター層における層厚さの変化を介して調整されなければならず、これは著しく高い技術的複雑性を意味する。加えて、発光データから、この種の構造は、TMM1を省略した以外は混合マトリクスの形成のために同じ材料を用いているにも関わらず、例1の本発明に従うものよりも効率と寿命が劣ることが分かる。
【0082】
例4(比較)
例4は、その混合層が電子伝導性成分として本発明によるものではない材料TPBIを含むOLEDを示す。層構造は例1aと同様であり、20 nmのHIM、20 nmのNPB、15%のTERでドープされた5 nmのNPB、75%のTMM1、10%のTPBI及び15%のIr(ppy)3からなる15 nmの混合層(例1a)又は60%のTMM1、25%のSK及び15%のIr(ppy)3からなる15 nmの混合層(例1b)、5%のBDでドープされた20 nmのBH、20 nmのAlq、1 nmのLiF、100 nmのAlである。一方、色度座標は、例1aと比較して赤色に転じた。この材料の組合せを用いて純白色を達成することは極めて困難である。もとから極めて良好な正孔伝導体である混合層であるにも関わらず、十分な正孔が青色層に移動しないようにみえる。一方、TPBIの使用は、著しく悪い寿命をもたらす。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード、カソード及び少なくとも三つの発光層A、B及びCを互いにこの順番で含み、
層AとCの間に位置する発光層Bが、少なくとも一つの燐光化合物、さらに、少なくとも一つの正孔伝導性材料及び少なくとも一つの芳香族ケトンを含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項2】
白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記芳香族ケトンが下式(1)の化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子:
【化1】

式中、使用される記号は以下が適用される:
Arは、出現毎に同一であるか異なり、5〜80個の芳香族環原子を有する芳香族又は複素環式芳香族環構造であり、これは各場合に、1以上の基Rで置換されてよい;
は、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、C(=O)Ar1、P(=O)(Ar1)2、S(=O)Ar1、S(=O)2Ar1、CR2=CR2Ar1、CN、NO2、Si(R2)3、B(OR2)2、B(R2)2、B(N(R2)2)2、OSO2R2、1〜40個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシ又はチオアルコキシ基、又は3〜40個のC原子を有する分枝又は環状のアルキル、アルコキシ又はチオアルコキシ基、又は2〜40個のC原子を有するアルケニル又はアルキニル基であり、それぞれ、1以上のラジカルR2で置換されてよく、式中、1以上の隣接しないCH2基は、R2C=CR2、C≡C、Si(R2)2、Ge(R2)2、Sn(R2)2、C=O、C=S、C=Se、C=NR2、P(=O)(R2)、SO、SO2、NR2、O、S又はCONR2で置換されてよく、及び、式中、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CN又はNO2、又は、各場合に、1以上のラジカルRで置換されてよい、5〜60個の芳香族環原子を有する芳香族又は複素環式芳香族環構造、又は、1以上のラジカルRで置換されてよい、5〜60個の芳香族環原子を有するアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基、又は、1以上のラジカルRで置換されてよい、5〜60個の芳香族環原子を有するアラルキル又はヘテロアラルキル基、又は、それらの構造の組み合わせで置換されてよい;ここで、2以上の隣接する置換基Rは、互いに、モノ-又は多環式、脂肪族又は芳香族環構造をも形成可能である;
Arは、出現毎に同一であるか異なり、5〜40個の芳香族環原子を有する芳香族又は複素環式芳香族環構造であり、これは、1以上のラジカルR2で置換されてよい;
は、出現毎に同一であるか異なり、H、D、CN又は1〜20個のC原子を有する脂肪族、芳香族及び/又は複素環式芳香族有機ラジカルであり、ここでさらに、H原子は、Fで置換されてよい;ここで、2以上の隣接する置換基Rは、互いに、モノ-又は多環式、脂肪族又は芳香族環構造をも形成可能である。
【請求項4】
請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記基Arが、フェニル、2-、3-又は4-トリル、3-又は4-o-キシリル、2-又は4-m-キシリル、2-p-キシリル、o-、m-又はp-tert-ブチルフェニル、o-、m-又はp-フルオロフェニル、ベンゾフェノン、1-、2-又は3-フェニルメタノン、2-、3-又は4-ビフェニル、2-、3-又は4-o-テルフェニル、2-、3-又は4-m-テルフェニル、2-、3-又は4-p-テルフェニル、2'-p-テルフェニル、2'-、4'-又は5'-m-テルフェニル、3'-又は4'-o-テルフェニル、p-、m,p-、o,p-、m,m-、o,m-又はo,o-クアテルフェニル、キンケフェニル、セキシフェニル、1-、2-、3-又は4-フルオレニル、2-、3-又は4-スピロ-9,9'-ビフルオレニル、1-、2-、3-又は4-(9,10-ジヒドロ)フェナントレニル、1-又は2-ナフチル、2-、3-、4-、5-、6-、7-又は8-キノリニル、1-、3-、4-、5-、6-、7-又は8-イソキノリニル、1-又は2-(4-メチルナフチル)、1-又は2-(4-フェニルナフチル)、1-又は2-(4-ナフチル-ナフチル)、1-、2-又は3-(4-ナフチル-フェニル)、2-、3-又は4-ピリジル、2-、4-又は5-ピリミジニル、2-又は3-ピラジニル、3-又は4-ピリダンジニル、2-(1,3,5-トリアジン)イル-、2-、3-又は4-(フェニルピリジル)、3-、4-、5-又は6-(2,2'-ビピリジル)、2-、4-、5-又は6-(3,3'-ビピリジル)、2-又は3-(4,4'-ビピリジル)及び1以上のそれらのラジカルの組合せを表すことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記三つの発光層A、B及びCが、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層であることを特徴とする、請求項1〜4の一以上に記載された有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記層Aが赤色発光層であり、前記層Bが緑色発光層であり、及び前記層Cが青色発光層であり、ここで、層Aがアノード側にあり、層Cがカソード側にあり、又は、
前記層Aが青色発光層であり、前記層Bが緑色発光層であり、及び前記層Cが赤色発光層であり、ここで、層Aがアノード側にあり、層Cがカソード側にあることを特徴とする、請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
層B中の前記燐光化合物の割合が、1〜50体積%であり、好ましくは3〜25体積%であり、特に好ましくは5〜20体積%であることを特徴とする、請求項1〜6の一以上に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記正孔伝導性化合物と前記芳香族ケトンの混合比が、20:1〜1:10であり、好ましくは10:1〜1:3であり、特に好ましくは8:1〜1:1であることを特徴とする、請求項1〜7の一以上に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
前記燐光放射体(phosphorescent emitter present)が、式(2)〜(5)の化合物の少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1〜8の一以上に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子:
【化2】

式中、Rは請求項3に記載されたものと同じ意味を有し、及び使用されるその他の記号は以下が適用される:
DCyは、出現毎に同一であるか異なり、少なくとも一つのドナー原子、好ましくは、窒素、カルベン型の炭素又は燐を含む環状基であり、環状基はドナー原子を介して金属に結合し、環状基は1以上の置換基Rを順に担持してもよく;DCyとCCyは、互いに共有結合を介して結合する;
CCyは、出現毎に同一であるか異なり、炭素原子を含む環状基であり、環状基は炭素原子を介して金属に結合し、環状基は1以上の置換基Rを順に担持してもよい;
Aは、出現毎に同一であるか異なり、モノアニオン性2座キレート配位子、好ましくは、ジケトン配位子又はピコリネート配位子である。
【請求項10】
層B中の前記正孔伝導性化合物が> -5.8 eV、好ましくは> -5.6 eV、特に好ましくは> -5.4 eVのHOMOを有することを特徴とする、請求項1〜9の一以上に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項11】
層Bにおいて用いられる前記正孔伝導性化合物が、カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、インドールカルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、双極性マトリクス材料、請求項9に記載の式(2)〜(5)の燐光金属錯体又はジアザシロール又はテトラアザシロール誘導体であることを特徴とする、請求項1〜10の一以上に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項12】
前記赤色発光層が、好ましくは請求項9に記載の式(2)〜(5)の赤色発光構造から選択される、少なくとも一つの赤色燐光エミッターを含み、及び、
前記赤色燐光エミッターのために用いられる前記マトリクス材料が、請求項3又は4に記載の式(1)の化合物、トリアリールアミン、カルバゾール誘導体、インドールカルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、双極性マトリクス材料、シラン、アザボロール、ホウ酸エステル、トリアジン誘導体、亜鉛錯体又はそれらの材料の混合物であることを特徴とする、請求項1〜11の一以上に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項13】
前記青色発光層が、好ましくは請求項9に記載の式(2)〜(5)の青色発光構造から選択される、少なくとも一つの青色燐光エミッター、又は、好ましくはモノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテル、アリールアミン、芳香族アントラセンアミン、芳香族ピレンアミン又はピレンジアミン、芳香族クリセンアミン又はクリセンジアミン、インデノフルオレンアミン又はインデノフルオレンジアミン、ベンゾインデノフルオレンアミン又はベンゾインデノフルオレンジアミン及びジベンゾインデノフルオレンアミン又はジベンゾインデノフルオレンジアミンの群から選択される、少なくとも一つの青色蛍光エミッターを含み、及び、
前記青色蛍光エミッターのための前記正孔材料が、オリゴアリーレンの分類から選択され、特に、オリゴアリーレン含有縮合芳香族基、特に、アントラセン誘導体、オリゴアリーレンビニレン、ポリポダル金属錯体、正孔伝導性化合物、電子伝導性化合物、特に、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホオキシド、アトロプ異性体、ホウ素酸誘導体及びベンズアントラセン誘導体から選択されることを特徴とする、請求項1〜12の一以上に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項14】
少なくとも三つの発光層A、B及びCを互いにこの順番で含む白色発光エレクトロルミネッセンス素子のカラーロケーションの設定方法であって、層Bは、少なくとも一つの燐光エミッター、少なくとも一つの電子伝導性マトリクス材料及び少なくとも一つの正孔伝導性マトリクス材料を含み、前記エレクトロルミネッセンス素子の前記 カラーロケーションが、前記正孔伝導性マトリクス材料及び前記電子伝導性マトリクス材料の混合比を変化させることによって設定されることを特徴とする方法。
【請求項15】
少なくとも三つの発光層A、B及びCを互いにこの順番で含む有機エレクトロルミネッセンス素子の層Bにおいて、カラーロケーションを設定するための、正孔伝導性マトリクス材料と電子伝導性マトリクス材料の混合物の、燐光エミッターと組合せた使用。

【図1】
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【公表番号】特表2012−512536(P2012−512536A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541135(P2011−541135)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008199
【国際公開番号】WO2010/069444
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】