説明

有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置及び製造方法

【課題】蒸着源である金属の酸化に起因する発光不良を防止した、有機EL装置の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】陽極と陰極との間に、少なくとも有機発光層を含む機能層を有してなる有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置である。真空チャンバー51と、真空チャンバー51内に配置されて蒸着材料を収容する坩堝53と、坩堝53内の蒸着材料を加熱する蒸着用加熱装置54と、真空チャンバー51内に還元ガスを供給し、還元ガスを坩堝53内の蒸着材料に接触させる還元ガス供給手段55と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置と記す)は、有機EL素子を多数備えて構成されている。有機EL素子は、無機陽極、有機発光機能層、無機陰極が積層されて構成されている(例えば、特許文献1参照)。このような有機EL素子において、無機陰極や有機発光機能層における電子注入層は、低電圧で電子注入効果を得るためアルカリ金属やアルカリ土類金属を主成分としており、したがって非常に活性であり、大気中に存在する水分と容易に反応して変質し、電子注入性が劣化してダークスポットと呼ばれる非発光領域を形成してしまう。
【0003】
そこで、近年では高密度プラズマ気相成長法(例、プラズマガン方式イオンプレーティング、ECRプラズマスパッタ、ECRプラズマスCVD、表面波プラズマCVD、ICP−CVDなど)を用いて低温下でも水分を遮断する窒化珪素(SiNx)や酸窒化珪素(SiOxNy)などの高密度ガスバリア層を形成し、さらにこれらガスバリア層のクラックを防ぐため、画素隔壁及び配線等の表面凹凸形状の平坦化を目的とした有機緩衝層などで覆うことにより、透明でかつ水分遮蔽性に極めて優れた多層からなる薄膜封止層によって無機陰極を封止する封止技術が提案されている。
このような封止技術により、白色発光素子(白色発光有機EL素子)とカラーフィルターとを組み合わせることによる、フルカラー表示パネルの実用化が進められている。
【0004】
ところで、無機陰極や電子注入層の成膜法としては、真空蒸着法が用いられる。真空蒸着法は、材料を加熱して蒸発もしくは昇華させることにより、基板に成膜する方法であり、真空中で行うことで、基板表面を清浄に保ち、かつ高純度の膜質を生成することができる。したがって、有機EL装置の製造に際しては、前記したように電子注入層や無機陰極の形成に好適に用いられている。
このような金属蒸着において、蒸着源を収容する坩堝は、材料が充填された状態でヒーター加熱やマグネトロン加熱等によって加熱され、材料を気化又は昇華するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−235669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記の金属蒸着にあっては以下に述べる不都合がある。
無機陰極や電子注入層の材料としては、例えばマグネシウム(Mg)やカルシウム(Ca)などの金属(アルカリ土類金属)が用いられるが、これら金属は反応性が高く、空気中で容易に酸化する。したがって、蒸着による成膜時、これらの酸化物がパーティクルとなって例えば有機発光機能層上に付着することがある。すると、このような酸化物がその後のガスバリア層等の成膜によって押圧されることなどにより、無機陰極と無機陽極との間の短絡が引き起こされてしまい、発光不良を生じてしまう。
【0007】
なお、無機陰極や電子注入層の材料(蒸着源)である金属は、蒸着時には真空チャンバー内において真空雰囲気に置かれているため酸化が起こらないものの、真空雰囲気内に配置する前の、坩堝への充填作業時には大気雰囲気下に晒されるため、その際に酸化が起こってしまう。この酸化を防止するのは極めて困難であるため、蒸着を行う際には、蒸着源である金属は僅かながら酸化された状態となってしまっているのが現状である。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、蒸着源である金属の酸化に起因する発光不良を防止した、有機EL装置の製造装置及び製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置は、
陽極と陰極との間に、少なくとも有機発光層を含む機能層を有してなる有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置であって、
真空チャンバーと、
前記真空チャンバー内に配置されて蒸着材料を収容する坩堝と、
前記坩堝内の蒸着材料を加熱する蒸着用加熱装置と、
前記真空チャンバー内に還元ガスを供給し、該還元ガスを前記坩堝内の蒸着材料に接触させる還元ガス供給手段と、
を備えることを特徴としている。
【0010】
この有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置によれば、還元ガスを坩堝内の蒸着材料に接触させる還元ガス供給手段を備えているので、前記坩堝内の蒸着材料を用いて蒸着を行う前に、還元ガス供給手段によって蒸着材料を還元処理することにより、酸化した蒸着材料を還元することができる。したがって、蒸着材料が酸化していることにより、蒸着時に蒸着材料の酸化物がパーティクルとなって被成膜側に付着し、これによって発光不良が生じるといった不都合が防止される。
【0011】
また、前記製造装置において、前記供給手段は、前記坩堝内に通じる供給配管を介して前記還元ガスを前記坩堝内に直接供給するよう構成されているのが好ましい。
このようにすれば、坩堝内の蒸着材料をより効率良く還元することができる。
【0012】
また、前記製造装置において、前記蒸着材料は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記陰極の材料又は前記機能層における電子注入層の材料であってもよい。また、その場合に、前記蒸着材料は、Mg又はCaであってもよい。
陰極材料又は電子注入材料としてよく用いられるMg又はCaは、非常に活性であり、大気中の酸素と反応して容易に酸化する。したがって、蒸着工程の前にこれを還元処理することで、酸化物が被成膜側に付着するのを防止することができる。
【0013】
また、前記製造装置において、前記還元ガスは、水素ガスであるのが好ましい。
水素ガスを用いて酸化物を還元することにより、反応生成物は主に水となり、したがってパーティクルの発生がない。
【0014】
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、
陽極と陰極との間に、少なくとも有機発光層を含む機能層を有してなる有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
真空蒸着法によって金属膜を形成する蒸着工程を有するともに、前記蒸着工程の前に前処理工程を有し、
前記前処理工程では、前記蒸着工程で用いる蒸着材料に還元ガスを接触させ、該蒸着材料を還元する還元処理を行うことを特徴としている。
【0015】
この有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法によれば、蒸着材料に還元ガスを接触させ、該蒸着材料を還元する還元処理を行う前処理工程を有しているので、蒸着工程で用いる蒸着材料を前もって還元処理し、酸化した蒸着材料を還元することができる。したがって、蒸着材料が酸化していることにより、蒸着時に蒸着材料の酸化物がパーティクルとなって被成膜側に付着し、これによって発光不良が生じるといった不都合が防止される。
【0016】
また、前記製造方法において、前記蒸着材料は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記陰極の材料又は前記機能層における電子注入層の材料であってもよい。また、その場合に、前記蒸着材料は、Mg又はCaであってもよい。
陰極材料又は電子注入材料としてよく用いられるMg又はCaは、非常に活性であり、大気中の酸素と反応して容易に酸化する。したがって、蒸着工程の前にこれを還元処理することで、酸化物が被成膜側に付着するのを防止することができる。
【0017】
また、前記製造方法において、前記還元ガスは、水素ガスであるのが好ましい。
水素ガスを用いて酸化物を還元することにより、反応生成物は主に水となり、したがってパーティクルの発生がない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る有機EL装置の概略構成を示す側断面図である。
【図2】本発明の有機EL装置の製造装置の一実施形態を示す側断面図である。
【図3】坩堝の側断面図である。
【図4】有機EL装置の製造装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。
(有機EL装置)
まず、本発明に係る有機EL装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)について説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る有機EL装置の概略構成を示す側断面図であり、図1中符号1は有機EL装置である。この有機EL装置1は、いわゆる「トップエミッション方式」の有機EL装置である。有機EL装置1は、複数の有機EL素子21が配置された素子基板20と、複数の有機EL素子21を覆って積層して形成された電極保護層17、有機緩衝層18、ガスバリア層19の各層と、この素子基板20の複数の有機EL素子21が配置された面に対向配置された保護基板30と、を備えている。これら素子基板20と保護基板30とは、シール材33および接着層34とを介して貼り合わされている。
【0021】
有機EL素子21は、単色の発光色の光を発生するもので、本例では白色の光を発生する機能層12を有している。素子基板20上では、これら複数の有機EL素子21がマトリクス状に規則的に配列され、表示領域Lを形成している。なお、表示領域L外に相当する領域を非表示領域Mとする。
【0022】
素子基板20は、素子基板本体20aと、素子基板本体20aの保護基板30側の面を覆う無機絶縁層14と、を備えている。素子基板本体20aは、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、また熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらにはそのフィルム(プラスチックフィルム)などが挙げられる。透明基板としては、例えばガラス、石英ガラス、窒化ケイ素等の無機物や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機高分子(樹脂)を用いることができる。また、光透過性を備えるならば、上記の材料を積層または混合して形成された複合材料を用いることもできる。本例では、素子基板本体20aの材料としてガラスを用いる。
【0023】
素子基板本体20a上には、複数の有機EL素子21に1対1で対応する複数の薄膜トランジスタ(TFT)123及び各種の配線(図示略)が形成されており、これらを覆うように前記無機絶縁層14が形成されている。無機絶縁層14は、例えば酸化珪素(SiO)や窒化珪素(SiN)等の珪素化合物から形成されている。
【0024】
素子基板20上には、素子基板20が備える配線やTFT素子等に由来する表面の凹凸を緩和するための平坦化層16と、平坦化層16に内装され有機EL素子21から照射される光を保護基板30側に反射する金属反射層15と、が形成されている。平坦化層16は、絶縁性の樹脂材料、例えば感光性のアクリル樹脂や環状オレフィン樹脂等により形成されている。
【0025】
金属反射層15は、配線と製造工程を兼ねるため、配線材料と同じ例えばAl(アルミニウム)やTi(チタン)、Mo(モリブデン)、Ag(銀)、Cu(銅)などの金属またはそれらを組み合わせた合金材料で形成されており、光を反射する性質を備えている。
【0026】
平坦化層16上の金属反射層15に平面的に重なる領域には、有機EL素子21の陽極10が形成されている。陽極10は、平坦化層16及び無機絶縁層14を貫通するコンタクトホールを介して、素子基板本体20a上のTFT123に接続されている。陽極10は、仕事関数が5eV以上の正孔注入効果の高い材料が好適に用いられる。このような正孔注入効果の高い材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)等の金属酸化物を挙げることができる。本例ではITOが用いられている。
【0027】
また、平坦化層16上には、有機EL素子21を区画する絶縁性の隔壁層13が形成されている。隔壁層13は、陽極10の上部を露出させる複数の開口部を備えている。隔壁層13は平坦化層16と同様に絶縁性の樹脂材料で形成されており、材料には例えば感光性のアクリル樹脂や環状オレフィン樹脂などが用いられている。
【0028】
この開口部と隔壁層13による凹凸形状に沿って、隔壁層13及び陽極10の上面を覆って機能層12が形成されている。機能層12は、電界により注入された正孔と電子との再結合により励起して発光する有機発光層を含み、さらに有機発光層以外の層も含んだ多層膜からなっている。有機発光層以外の層としては、正孔を注入し易くするための正孔注入層や、注入された正孔を発光層へ輸送し易くするための正孔輸送層、電子を注入し易くするための電子注入層、注入された電子を発光層へ輸送し易くするための電子輸送層などの、上記の再結合に寄与する層がある。なお、電子注入層は、例えばCa等の電子注入効果の大きい(仕事関数が4eV以下)材料によって形成される。
【0029】
機能層12の有機発光層は、低分子系有機EL材料あるいは高分子系有機EL材料から形成されている。低分子系有機EL材料は、正孔と電子との再結合により励起して発光する有機化合物のうち、分子量が比較的に低いものである。また、高分子系有機EL材料は、正孔と電子との再結合により励起して発光する有機化合物のうち、分子量が比較的に高いものである。有機EL素子21を形成している低分子系有機EL材料あるいは高分子系有機EL材料は、有機EL素子21の発する単色の発光色の光(白色光)に応じた物質となっている。発光層における再結合に寄与する層の材料は、この層に接する層の材料に応じた物質となっている。
【0030】
機能層12上には、これの凹凸形状に沿うように機能層12を覆って、最外周(素子基板20の外周部に近い側)に配置された平坦化層16の側壁部に至るまで延在して、陰極11が形成されている。陰極11としては、電子注入効果の大きい(仕事関数が4eV以下)材料により形成された薄膜が好適に用いられる。陰極11は、例えば機能層12へ電子を注入し易くするための電子注入バッファ層と、電子注入バッファ層上にITOやAl等の金属から形成された電気抵抗の小さい層とを有して構成される。電子注入バッファ層は、例えば、LiF(フッ化リチウム)やCa(カルシウム)、MgAg(マグネシウム‐銀合金)から形成されている。
【0031】
素子基板20上であって、非表示領域Mにおける素子基板20の外周部近傍の平坦化層16が形成されていない領域には、陰極配線22が形成されている。陰極配線22と陰極11とは、電気的に接続している。
【0032】
陰極配線22は、陰極11を不図示の電源まで通電させることを目的として形成されており、主に素子基板20の外周部付近に設けられる。陰極配線22の形成材料には、電気伝導性の高いアルミニウムやチタン、モリブデン、タンタル、銀、銅などの金属またはそれらを組み合わせた合金が用いられ、これらの材料を単層もしくは多層に積層して形成したものが用いられる。本例では、チタン、アルミニウム、チタンを三層積層して形成したもの用いる。また、陰極配線22の最表層には、陽極10と同じ材料であるITOが形成されている。
【0033】
また、素子基板20上には、無機絶縁層14、平坦化層16、及び有機EL素子21の陰極11を覆って、電極保護層17が形成されている。電極保護層17は、例えば、珪素酸窒化物(SiON)等の珪素化合物により形成されている。
【0034】
電極保護層17上には、電極保護層17を覆うように有機緩衝層18が形成されている。有機緩衝層18は、隔壁層13とその開口部による凹凸形状を埋めるように形成され、素子基板20上を平坦化している。有機緩衝層18の形成材料としては、例えばエポキシ化合物等を用いることができる。
【0035】
有機緩衝層18上には、有機緩衝層18を覆い、さらに電極保護層17の終端部までを覆うガスバリア層19が形成されている。ガスバリア層19は、透光性、ガスバリア性、耐水性を考慮して、例えばSiON等によって形成されている。
【0036】
また、電極保護層17およびガスバリア層19は、陰極配線22の一部を覆って形成されている。陰極配線22の表面には、上述のように陽極10に用いられるITO(酸化物導電膜)が形成されている。また、ガスバリア層19は、有機緩衝層18を完全に被覆するように有機緩衝層18よりも広く形成されており、このガスバリア層19上にシール材33が配置されている。
【0037】
素子基板20のガスバリア層19が形成された面には、保護基板30が対向して配置されている。保護基板30は、接着層34とシール材33とを介して素子基板20上のガスバリア層19に接着されている。保護基板30は、例えばガラス又は透明プラスチック等の光透過性を有する材料で構成された保護基板本体31を備えている。
【0038】
保護基板本体31の素子基板20と対向する面には、カラーフィルター層37として、赤色着色層37R、緑色着色層37G、青色着色層37Bがマトリクス状に規則的に配列され表示領域Lを成している。また、各着色層37R,37G,37Bの周囲を囲む位置に、より具体的には隔壁層13に対応する領域にブラックマトリクス層(遮光層)32が形成されている。ブラックマトリクス層32の形成材料は、例えばCr(クロム)等を用いることができる。
【0039】
各着色層37R,37G,37Bは、陽極10上に形成された白色発光の機能層12に対向して平面的に重なるように配置されている。これにより、機能層12で発光した白色光が、着色層37R,37G,37Bの各々を透過し、赤色光、緑色光、青色光の各色光として観察者側に射出されるようになっている。
【0040】
また、保護基板本体31上には、表示領域Lに形成されたカラーフィルター層37及びブラックマトリクス層32上を覆うオーバーコート層(平坦化層)38が形成されている。オーバーコート層38は、表示領域Lの内側から非表示領域Mのシール材33の形成領域まで延設されている。オーバーコート層38は、例えばアクリルやポリイミド等の樹脂材料により形成されている。
【0041】
オーバーコート層38上には、オーバーコート層38を覆うガスバリア層39が形成されている。ガスバリア層39は、透光性、ガスバリア性、耐水性を考慮して、例えばSiON等によって形成されている。
【0042】
また、素子基板20と保護基板30との間の外周部には、シール材33が形成されている。シール材33の形成材料は、例えばエポキシ系樹脂にフィラーとしてシリカ、アルミナ等を添加した低透湿性樹脂構成としたものを用いることができる。なお、シール材33の内部には、例えば樹脂やガラス等から形成されたギャップ剤(図示略)が配置されている。なお、シール材33としては、ギャップ剤を含まない構成としてもよい。
【0043】
(蒸着装置[有機EL装置の製造装置])
次に、前記有機EL装置1の製造装置の一実施形態を説明する。図2は、有機EL装置1の製造装置50の一実施形態を示す図である。この製造装置50は、主に有機EL装置1における金属膜、例えば陰極11や機能層12における電子注入層などを成膜する際に用いられる、蒸着装置である。
【0044】
この製造装置50は、真空チャンバー51と、この真空チャンバー51内に配置されて蒸着材料52を収容する坩堝53と、坩堝53内の蒸着材料52(図3参照)を加熱する蒸着用加熱装置54と、還元ガスを供給して坩堝53内の蒸着材料52に接触させる還元ガス供給手段55と、を備えて構成されたものである。
【0045】
真空チャンバー51には、その底部側に、排気口(図示せず)に設けられたバルブ56aを介して、トラップタイプのCRYO(クライオ)ポンプ57が接続され、さらに別の排気口(図示せず)に設けられたバルブ56b、配管58aを介して、常時排気タイプのMBP(メカニカルブースターポンプ)56が接続されている。なお、CRYO(クライオ)ポンプ57とMBP59とは、バルブ56c及び配管58bを介して接続されている。これらCRYOポンプ57やMBP59により、真空チャンバー51内は成膜処理(蒸着処理)中やその前処理中、待機中などの間、真空引きされることによって所定の真空度に保持されるようになっている。
【0046】
また、この真空チャンバー51内には、その上方に基板保持部60が設けられている。基板保持部60は、モーター61と、このモーター61によって回転させられる回転軸62と、この回転軸62の下端に設けられて基板Wを保持する基板ホルダ(図示せず)と、を備えて構成されたものである。基板Wは、前記有機EL装置1における素子基板20側からなる。すなわち、この真空チャンバー51では、前記したように主に陰極11や電子注入層などが成膜されることから、これら陰極11や電子注入層が形成される前の状態の素子基板20側が、被成膜基板としての基板Wとなる。なお、この基板Wには、選択マスク63が被着され、これによって蒸着材料が所望の位置に選択的に付着し、成膜されるようになっている。
【0047】
また、真空チャンバー51には、その上部の側方にバルブ64を介して基板搬送室65が接続されている。この基板搬送室65は、蒸着処理前の基板Wを待機させ、その後真空チャンバー51内に搬入するとともに、蒸着処理後の基板Wを搬出するためのもので、入口側にもバルブ66を有したものである。すなわち、基板搬送室65に基板Wを搬入し、ここで図示しない搬送機構にセットすることにより、バルブ64を通って真空チャンバー51内に基板Wを移動させ、前記基板ホルダに保持させることができるようになっている。また、逆に、蒸着処理後の基板Wを搬送機構によって基板搬送室65に戻し、バルブ66を開いて外に搬出できるようになっている。
【0048】
真空チャンバー51の底面上には、坩堝53が配置されている。坩堝53は、図3に示すように蒸着材料52を収容した坩堝本体70と、坩堝本体70の開口部に被着されたノズルキャップ71と、坩堝本体70の開口部を覆って該開口部内又はノズルキャップ71内に設けられたフィルター72と、からなるものである。ノズルキャップ71には、その中央部に開口71aが形成されており、この開口71aから蒸着材料の分子が噴出(飛散)するようになっている。
【0049】
坩堝53に収容された蒸着材料52としては、前記したように陰極11の材料、具体的には電子注入バッファ層となるMgAg(マグネシウム‐銀合金)のうちのMg(マグネシムム)や、電子注入層となるCa(カルシウム)などが用いられる。なお、電子注入バッファ層となるMgAgの成膜にあたっては、Mgを蒸着するための坩堝とAgを蒸着するための坩堝とがそれぞれ別に配置され、それぞれ独立して蒸着操作されるようになっている。
【0050】
また、図2に示すように坩堝53は、該坩堝53を加熱することでこれに収容された蒸着材料52を加熱するための、蒸着用加熱装置54上に配置されている。蒸着用加熱装置54は、例えば誘導加熱装置からなるもので、この蒸着用加熱装置54上に坩堝53を載置し、坩堝53を加熱することにより、坩堝53内の蒸着材料52を加熱するものである。なお、蒸着用加熱装置54としては、誘導加熱装置に代えて抵抗加熱式のものを用いることもできる。
【0051】
また、本実施形態では、坩堝53に直接、還元ガス供給手段55が接続されている。還元ガス供給手段55は、還元ガス源80と流量計(MFC)81とフィルター82とを配管(供給配管)83で接続して構成されたもので、バルブ84、85を有し、これによって還元ガス源80から供給される還元ガスの通気量を制御できるようになっている。
【0052】
還元ガス源80は、真空チャンバー51の外側に配置されたもので、還元ガスを充填したガスボンベからなっている。この還元ガス源80に接続した配管83は、その経路中にバルブ84、流量計81、フィルター82、バルブ85を有し、その後真空チャンバー51内に入って前記坩堝53に接続されている。すなわち、坩堝53に形成された接続口(図示せず)に挿入されている。ここで、配管83は、図3中実線で示すように、坩堝本体70の上部、すなわち坩堝本体70内に充填された蒸着材料52の上側に接続される。これにより、配管83から流入した還元ガスは、蒸着材料52の表層部と直接接触するようになっている。
【0053】
なお、蒸着材料52として粒状のものを用いる場合には、配管83を、図3中二点鎖線で示すように坩堝本体70の底部、すなわち坩堝本体70内に充填された蒸着材料52の下側に接続することもできる。このようにすれば、配管83から流入した還元ガスを蒸着材料52の下側から上側に流すことができ、還元ガスを蒸着材料52全体に接触させることが可能になるため、還元反応の効率をより高めることができる。
また、配管83は、その先端側がCRYOポンプ57、MBP59に向かうように配置されている。これにより、配管83から供給される還元ガスは、蒸着材料52に接触した後CRYOポンプ57、MBP59方向に流れ、これらポンプに吸引されて排出されるようになっている。
【0054】
還元ガスとしては、H、NH、CF、SF等が使用可能であるが、特に水素ガス(H)が好適に用いられる。水素ガスを用いて酸化物を還元すると、反応生成物は主に水になるため、パーティクルの発生がなく、また、水素による製品への汚染もないため、好ましい。
また、このような還元ガス(水素ガス)は、希釈ガスで希釈されて用いられる。特に、水素ガスは爆発限界濃度が約4%であるため、これより低い濃度に希釈して用いるのが好ましい。
【0055】
希釈ガスとしては、窒素(N)や、He、Ne、Ar、Kr、Xe等の不活性ガスが用いられるが、特にHe、Ne、Ar、Kr、Xeの非活性ガス(周期律表第0族の元素)が、反応性が十分に低い(実質的に反応しない)ため好ましく、中でも、Ar(アルゴン)が、排気性がよく安価であるため、好ましい。
【0056】
なお、還元ガスと希釈ガスとは、予め還元ガス濃度が所定濃度(例えば4%以下)となるように混合されてなる混合ガスとして、用いるのが好ましい。すなわち、還元ガス源80として、このような混合ガスを充填したガスボンベを用い、混合ガスを直接坩堝53内に供給するのが好ましい。ただし、その場合には、真空チャンバー51内や坩堝53内に残留する還元ガスをパージするため、不活性ガスを真空チャンバー51内や坩堝53内に通気するためのパージガス供給手段を設けておくのが好ましい。
【0057】
また、還元ガス、希釈ガスについてそれぞれ別のガス源(ガスボンベ)を用意し、これらから各ガスを配管83中に流し、配管83中、あるいは適宜な混合部(図示せず)でこれらを混合し、坩堝53内に流入させるようにしてもよい。さらには、これら還元ガス、希釈ガスを、坩堝53内で混合するようにしてもよい。このように、還元ガス、希釈ガスについてそれぞれ別のガス源(ガスボンベ)を用意した場合には、希釈ガスのみを単独で通気することができることから、前記したようなパージガス供給手段が不要になる。
【0058】
なお、坩堝53には、そのノズルキャップ71の開口71aを覆うようにして、シャッター(図示せず)が開閉可能に設けられている。このようにシャッターを設けておくことで、非蒸着時、例えば坩堝53を所定温度にまで加熱する待機時や、基板Wを搬送する搬送時に、蒸着材料が坩堝53の外に飛散するのを防止することができる。
【0059】
(有機EL装置の製造方法)
次に、このような製造装置(蒸着装置)50による、有機EL装置1の製造方法の一実施形態を説明する。本実施形態では、図1に示した有機EL装置1における金属膜として、陰極11の電子注入バッファ層となるMgAg(マグネシウム‐銀合金)膜を形成する例について説明する。なお、MgAg膜、すなわちMgとAgとの共蒸着膜の製造にあたっては、Mg蒸着用の坩堝53と、Ag蒸着用の坩堝(図示せず)とをそれぞれ用意し、これらから同時に各蒸着材料(Mg、Ag)を飛散させ、選択マスク63を介して基板Wの所定位置に蒸着させるようにしている。
【0060】
本実施形態では、このようなMg、Agを同時に蒸着させる蒸着工程を備えるが、この蒸着工程の前に前処理工程を有している。
前処理工程は、前記蒸着工程で用いる蒸着材料に還元ガスを接触させ、該蒸着材料を還元する還元処理を行う工程である。ただし、蒸着材料のAgについては、大気中では短時間で酸化がほとんど起こらないため、前処理工程としての還元処理は行わない。したがって、以下では、還元処理による前処理工程を行う、Mgについて主に説明する。
【0061】
まず、蒸着材料52としての粒状のMgを坩堝本体70に充填し、その後、フィルター72を取り付け、さらにノズルキャップ71を被着する。その際、このような作業は大気雰囲気下で行うため、反応性の高いMgはその表層部が容易に酸化してしまう。
このようにして蒸着材料52を収容した坩堝53を用意したら、これを真空チャンバー51内に入れ、蒸着用加熱装置54上に載置するとともに、還元ガス供給手段55の配管83に接続する。すなわち、配管83の先端部を、坩堝53に形成された接続孔(図示せず)に挿入する。
【0062】
続いて、MBP59、CRYOポンプ57を作動させ、真空チャンバー51内を例えば10−5Pa程度の高真空にし、その後前記のパージガス供給手段等によって真空チャンバー51内に不活性ガス(パージガス)を流入し、大気圧にまで戻す。
次に、不活性ガス(パージガス)の流入を停止し、MBP59を作動させることにより、真空チャンバー51内を粘性流領域である10−2Pa程度にまで減圧する。続いて、還元ガス供給手段55の還元ガス源80を開き、還元ガス(水素ガス)と希釈ガスとの混合ガスを真空チャンバー51内に流入させ、さらにそのまま坩堝53内に導入する。このとき、バルブ84、85を調整することにより、混合ガス(あるいは還元ガス、希釈ガスをそれぞれ)の流量が安定するように制御する。
【0063】
すると、混合ガス中の還元ガスは蒸着材料52としてのMgと接触し、その表層部に形成された酸化物層を還元して元の金属Mgの状態にする。また、反応生成物である水は、混合ガス(希釈ガス)に同伴され、坩堝53のノズルキャップ71の開口71aから排出される。すなわち、坩堝53内に導入された混合ガスは、蒸着材料52と接触してこれを還元した後、ノズルキャップ71の開口71aから排出され、MBP59側に流れる。そして、MBP59に吸引されることにより、真空チャンバー51から排出される。
【0064】
なお、この還元処理のときには、トラップタイプのポンプであるCRYOポンプ57は作動させず、したがってこのCRYOポンプ57には水素ガス(還元ガス)をトラップさせない。これは、水素ガス(還元ガス)がCRYOポンプ57に高濃度でトラップされた後、トラップ部の再生時に水素ガス(還元ガス)が高濃度で放出されると、急激な反応を起こすおそれがあるからである。また、このように還元ガスとして水素ガスを用いる場合には、水素ガスが真空チャンバー51内に配置される各部材と接触する可能性が高いため、これら各部材、例えば配線、防着板、ガスケット等については、銅等の酸素含有物質を用いないか、あるいはこれらが露出しないように被覆材で被覆しておくのが好ましい。
【0065】
また、前記の還元処理に先立ち、蒸着用加熱装置54を作動させて坩堝53を例えば40℃〜120℃程度に加熱し、安定させておき、その後1時間程度保持しておくのが好ましい。このようにして坩堝53を加熱した状態で、前記したように還元ガスを坩堝53内に導入することにより、還元反応を促進するとともに、坩堝53内の反応ガスの排出効率を高めることができる。
【0066】
なお、基板Wについては、このような前処理工程には真空チャンバー51内に搬入することなく、基板搬送室65内に待機させておく。
このようにして所定時間還元処理を行ったら、還元ガス供給手段55の還元ガス源80を閉じ、混合ガスの供給を停止する。そして、その状態でMBP59により一定時間吸引(減圧)動作を行わせたら、従来と同様にして蒸着工程を行う。なお、この蒸着工程に先立ち、基板搬送室65内に待機させていた基板Wを真空チャンバー51内に搬入し、基板保持部60によって保持させておく。
【0067】
また、蒸着工程では、まず、還元処理後のMgを収容した坩堝53と、Agを収容した図示しない坩堝とを、蒸着用加熱装置54によってそれぞれ所定温度となるように予備加熱する。なお、この予備加熱中では、蒸着材料52の飛散を防止するため、坩堝53の上方をシャッター(図示せず)で覆っておく。
そして、各坩堝が所定温度に達し、その温度で安定したら、シャッターを開き、各坩堝からMg、Agの蒸気をそれぞれ飛散させ、基板Wの所定位置に付着させる。その際、基板Wについては、モーター61を駆動することによって回転させておく。
これにより、基板WにはMg・Agの共蒸着膜、すなわち陰極11の電子注入バッファ層が形成される。
【0068】
このような本実施形態の製造装置50、及びこれを用いた製造方法によれば、還元ガス供給手段55によって坩堝53内の蒸着材料52に還元ガスを接触させ、該蒸着材料52を還元するようにしているので、蒸着工程で用いる蒸着材料52を前もって還元処理し、酸化した蒸着材料52を還元して元の状態に戻すことができる。したがって、蒸着材料52が酸化していることにより、蒸着時に蒸着材料52の酸化物がパーティクルとなって基板Wに付着し、これによって得られる有機EL装置1に発光不良が生じるのを防止することができる。
【0069】
なお、前記実施形態では、還元ガス供給手段55の配管83を坩堝53の坩堝本体70に直接接続し、これによって還元ガスを坩堝53内の蒸着材料52と直接接触させることにより、還元反応の効率を高めるようにしたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば配管83を坩堝53に直接接続することなく、その先端開口を、坩堝53のノズルキャップ71の開口71a近傍に配置するようにしてもよい。
【0070】
このようにしても、配管83から供給された還元ガス(混合ガス)は、その分子運動によって開口71aを通って坩堝53内に流入し、蒸着材料52を反応してこれを還元するようになる。なお、このように配管83を開口71a近傍に配置する場合には、図4の平面図に示すように、配管83の先端開口がMBP59に接続する排気口(図示せず)側に向くようにするのが好ましい。このように構成することにより、配管83から供給された還元ガス(混合ガス)やこれに同伴される反応生成ガス(例えば水蒸気)は、真空チャンバー51内に滞留することなく、図4中矢印で示すように速やかにMBP59側に排出されるようになる。
【0071】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では蒸着する金属としてMgを用いた例を示したが、例えばCaを用い、電子注入層を形成するようにしてもよい。さらには、同じアルカリ土類金属である、SrやBaを成膜する場合にも、本発明を適用することができる。
また、蒸着材料としては、粒状でなく、インゴット状のものを用いることができる。ただし、その場合に配管83については、図3中実線で示したように坩堝本体70の上部に接続するか、あるいは坩堝53に直接接続することなく、その近傍に配置するのが好ましい。
【符号の説明】
【0072】
1…有機EL装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)、10…陽極、11…陰極、12…機能層、50…有機EL装置の製造装置、51…真空チャンバー、52…蒸着材料、53…坩堝、54…蒸着用加熱装置、55…還元ガス供給手段、83…配管(供給配管)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極と陰極との間に、少なくとも有機発光層を含む機能層を有してなる有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置であって、
真空チャンバーと、
前記真空チャンバー内に配置されて蒸着材料を収容する坩堝と、
前記坩堝内の蒸着材料を加熱する蒸着用加熱装置と、
前記真空チャンバー内に還元ガスを供給し、該還元ガスを前記坩堝内の蒸着材料に接触させる還元ガス供給手段と、
を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置。
【請求項2】
前記供給手段は、前記坩堝内に通じる供給配管を介して前記還元ガスを前記坩堝内に直接供給するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置。
【請求項3】
前記蒸着材料は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記陰極の材料又は前記機能層における電子注入層の材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置。
【請求項4】
前記蒸着材料は、Mg又はCaであることを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置。
【請求項5】
前記還元ガスは、水素ガスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置。
【請求項6】
陽極と陰極との間に、少なくとも有機発光層を含む機能層を有してなる有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
真空蒸着法によって金属膜を形成する蒸着工程を有するともに、前記蒸着工程の前に前処理工程を有し、
前記前処理工程では、前記蒸着工程で用いる蒸着材料に還元ガスを接触させ、該蒸着材料を還元する還元処理を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項7】
前記蒸着材料は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記陰極の材料又は前記機能層における電子注入層の材料であることを特徴とする請求項6記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項8】
前記蒸着材料は、Mg又はCaであることを特徴とする請求項7記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項9】
前記還元ガスとして、水素ガスを用いることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−228228(P2011−228228A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99522(P2010−99522)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】