説明

有機性廃棄物の処理方法及び処理システム

【課題】 異なる特性を有する複数の有機性廃棄物の処理に適し、各々の廃棄物の特性を生かした効率的な処理が可能で、特に高品質の堆肥又は液肥を製造することができる有機性廃棄物の処理方法及び処理装置を提供する。
【解決手段】 直列に接続された複数のメタン発酵槽と、水分調整手段を有する堆肥化設備とを備えた有機性廃棄物の処理システムにおいて、最上流に位置するメタン発酵槽は有機性廃棄物を導入する手段を有し、該メタン発酵槽より下流側のメタン発酵槽は、前段のメタン発酵槽からの消化汚泥を導入する手段と他の有機性廃棄物を導入する手段を有するように構成し、前記複数のメタン発酵槽のうち、上流側に位置する第1メタン発酵槽11には特定有機性廃棄物20を、下流側に位置する第2メタン発酵槽12には不特定有機性廃棄物25を導入し、前記堆肥化設備13には他の特定有機性廃棄物27を導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタン発酵を伴う有機性廃棄物の処理に関し、特に有機性廃棄物の特性により種別された処理対象に対して、夫々に適した処理を行い、メタンガスや堆肥等の有価物を効果的に回収することができる有機性廃棄物の処理方法及び処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、有機性廃棄物の処理方法として、環境負荷が小さく且つエネルギや資源を回収できるメタン発酵が広く用いられている。
メタン発酵を用いた一般的な有機性廃棄物の処理システムの概要を図6に示す(特許文献1参照)。この処理システムでは、まず、必要に応じて、前処理装置51にて有機性廃棄物の夾雑物除去、破砕、固液分離等の前処理を行った後、複数の有機性廃棄物(バイオマス)をメタン発酵槽52の前段若しくはメタン発酵槽そのものにおいて混合し、メタン発酵させて消化汚泥とバイオガスを得た後、生物学的脱窒素処理装置53にて生物学的脱窒素処理し、処理水を固液分離装置54にて固液分離して分離液と汚泥を得る。該分離液は高度処理装置55にて高度処理した後に放流される。固液分離装置54にて得られた汚泥は、汚泥処理設備56にて処理される。一方、メタン発酵槽62から引抜かれた消化汚泥は、そのまま液肥として活用されたり、別途堆肥化設備57を有する場合には、該消化汚泥を水分調整のために堆肥化設備へ噴霧する場合もある。
【0003】
さらに、メタン発酵を用いた有機性廃棄物の処理において、特許文献2(特開2004−313929号公報)では、バイオガスの回収率を向上させる方法として、2以上の多段槽又は栓流方式のメタン発酵槽を用い、メタン発酵し難い有機物を多く含む有機性廃棄物を発酵槽前段に注入し、メタン発酵しやすい有機物を多く含む有機性廃棄物を発酵槽の前段から後段に分けて注入するメタン発酵処理方法を提案している。これにより、メタン発酵処理における有機物除去率を高くでき、メタンガス発生量を多くすることが可能となっている。
【0004】
一方、有機性廃棄物を液肥又は堆肥として再利用する方法も提案、実用化されている。例えば、特許文献3(特開2000−263097号公報)には、家畜糞尿を固液分離によって固形物と液とに分けた後、該固形物を乾燥処理してから堆肥化する方法が開示されている。このように、メタン発酵のみならず、有機性廃棄物を有用な堆肥その他の肥料として堆肥化して資源回収することが提案されている。
【0005】
【特許文献1】特許第3600566号公報
【特許文献2】特開2004−313929号公報
【特許文献3】特開2000−263097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1等に記載される従来のメタン発酵処理では、バイオガスを効率的に回収できない阻害要因がある。その理由として、有機性廃棄物の特性の差が挙げられる。メタン発酵槽に搬入されるバイオマスは、食品廃棄物、一般家庭ごみなどのように微生物の有機物分解速度が速く、ガス発生率が高いものと、汚泥、家畜糞尿などのように有機物の分解速度が遅く、ガス発生率が低いものがあり、その特性の差は多種多様である。従って、分解性が異なる複数の物質を混合してメタン発酵槽に投入すると、各投入物に対して一律の滞留時間となるため、分解速度が速い廃棄物に対しては滞留時間が過剰となり、分解速度が遅い廃棄物に対しては滞留時間が短すぎることになり、処理に支障を来たしたり、非効率な運転となる。
【0007】
また、メタン発酵槽内で分解性が高い廃棄物の比率が高くなった場合、メタン発酵槽内が一時的に有機酸濃度過多となり、酸敗状態を呈し、安定運転に困難性をきたす場合がある。さらに、分解性が高い廃棄物の比率が高くなった場合、固形物の分解性が高いため、メタン発酵槽内における菌床としての固形物濃度が低くなるため、メタン菌の増殖が遅くなり、安定運転に障害を来たす惧れがある。
また、メタン発酵には、中温発酵及び高温発酵があり、その優位性は対象物によって異なるが、全ての廃棄物を混合してメタン発酵する場合は、高温もしくは中温の1種類しか採用できず、効率的な発酵は困難である。
【0008】
同様に、特許文献3のように堆肥化を行う際にも、有機性廃棄物全般を処理する場合には、有機性廃棄物の特性により製造される堆肥若しくは液肥の品質に差が生じてしまい、製品の信頼性に欠けるという問題があった。特に、近年普及しつつある有機農法においては、原料となる有機性廃棄物の排出元が重要視されており、排出元により製造された液肥又は堆肥の需要に大幅な差が生じることもある。また、有機性廃棄物を原料として堆肥若しくは液肥を製造する場合、消化汚泥に有害物質等の不純物が混入することがあり、品質が低下するという問題もあった。さらにまた、メタン発酵にて得られた消化汚泥を堆肥化装置にて散布する場合にも、消化汚泥への混入物によっては堆肥の品質を下げてしまう惧れがあり、散布量に制約を受けることがある。
【0009】
このような有機性廃棄物の特性の差に対処する方法として、特許文献2に記載されるように、有機性廃棄物の分解性に基づき多段に設けたメタン発酵槽内へ分解性の異なる廃棄物を夫々導入する方法が有効であるが、この方法では有機性廃棄物を複数のメタン発酵槽内へ分注しており、消化汚泥を堆肥化に用いる場合にはやはり不純物混入の可能性が高く、高品質の堆肥又は液肥を製造することは困難である。また、特許文献2には、多段に設けられたメタン発酵槽の最終工程からのみ消化汚泥を引抜く構成が開示されているが、この構成では後段側のメタン発酵槽内の菌体濃度を維持することが困難であるという問題もあった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、異なる特性を有する複数の有機性廃棄物の処理に適し、各々の廃棄物の特性を生かした効率的な処理が可能で、特に高品質の堆肥又は液肥を製造することができる有機性廃棄物の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、直列に接続された複数のメタン発酵槽にて有機性廃棄物をメタン発酵する有機性廃棄物の処理方法において、
最上流に位置するメタン発酵槽に有機性廃棄物を導入した後、該メタン発酵槽以降のメタン発酵槽に、前段のメタン発酵槽からの消化汚泥とともに他の有機性廃棄物を順次導入するようにし、
前記複数のメタン発酵槽のうち上流側に位置する第1メタン発酵槽には特定有機性廃棄物を、下流側に位置する第2メタン発酵槽には不特定有機性廃棄物を導入するようにしたことを特徴とする。
【0011】
尚、前記特定有機性廃棄物とは、廃棄物の排出源を特定できる有機性廃棄物で、好ましくは有害物質等の不純物を殆ど含まず、有機性廃棄物の堆肥化に適した廃棄物とし、例えば家畜糞尿等が挙げられる。不特定有機性廃棄物としては、前記特定有機性廃棄物を除く、その他の有機性廃棄物を全て含み、例えば厨芥ごみ等の食品残渣、浄化槽汚泥、生物処理汚泥等が挙げられる。
また、前記第1メタン発酵槽及び前記第2メタン発酵槽は、夫々複数設けるようにしても良い。このとき、勿論これらのメタン発酵槽は直列接続される。また、複数設けられるメタン発酵槽は、分離して設けられても良いし、隔離壁を介して分割されるようにしても良い。
【0012】
本発明によれば、直列配置したメタン発酵槽のうち上流側に位置する第1メタン発酵槽にて特定有機性廃棄物のみを発酵させる構成としたため、該第1メタン発酵槽からの消化汚泥を液肥又は堆肥化して利用する際に、有害物質等の不純物が混入せず、信頼性の高い良質の液肥又は堆肥を製造することができる。また、液肥又は堆肥の原料となる有機性廃棄物として、特定の廃棄物を用いるようにしたため、製造される液肥又は堆肥の成分が一定で高品質化が図れ、且つ原料となる廃棄物の排出元が明らかであるため、信頼性が向上する。さらに、原料が明らかとなることにより、製造した液肥又は堆肥に適した利用先が容易に判断でき、またトレーサビリティを導入する有機農法にも好適に用いることができる。
また、複数のメタン発酵槽を直列配置し、種別分けされた有機性廃棄物を分注せずに、各メタン発酵槽に対して夫々導入する構成としたため、メタン発酵槽における水理学的滞留時間(HRT)を夫々の有機性廃棄物に適した条件に設定することができ、設備能力的にも運転エネルギー的にも効率的なメタン発酵を実現することが可能である。
【0013】
また、有機性廃棄物を堆肥化設備にて水分調整しながら堆肥化す有機性廃棄物の処理方法であって、
前記堆肥化設備に他の特定有機性廃棄物を導入するとともに、
前記水分調整にて、前記第1メタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥の少なくとも一部を前記堆肥化設備に供給することを特徴とする。
このように、特定有機性廃棄物のみが処理される第1メタン発酵槽からの消化汚泥を前記堆肥化設備に供給することにより、該堆肥化設備内には排出元の明らかな廃棄物のみが持ち込まれることとなり、堆肥若しくは液肥の品質低下を防止できる。
また、前記水分調整にて、水を前記堆肥化設備に供給するようにしても良い。
【0014】
さらに、前記第2メタン発酵槽が複数設けられ、該第2メタン発酵槽の上流側から下流側に向けて、前記不特定有機性廃棄物のうち分解率の低い順に導入することを特徴とする。
本発明では、分解性の高い廃棄物を後段側のメタン発酵槽に、その前段にて発生する消化汚泥とともに投入する構成としたため、前段にて十分に馴致されたメタン発酵菌が流入し、有機酸のメタン発酵速度を高く維持でき、有機酸の蓄積によるメタン発酵阻害(酸敗)を防止することができる。また、前段の分解性の低い廃棄物をメタン発酵した消化汚泥中には、未分解の固形物が含まれるため、槽内において菌床が確保でき、菌の増殖速度を高くとることができるため、メタン発酵運転の安定化を図ることができる。さらに、メタン発酵槽に投入する負荷の調整に最も注意が必要な立ち上げ時においても、前段槽からのメタン菌が流入するため、分解率が高く、不安定となりやすいメタン発酵槽においても安定立ち上げが可能となる。さらにまた、分解性が悪い廃棄物ほど滞留時間を長く採れるため、装置全体の分解率を高めることができる。
【0015】
また、前記複数のメタン発酵槽のうち少なくとも何れかのメタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥を可溶化した後に、可溶化汚泥を次段のメタン発酵槽に導入することを特徴とする。
このように、未消化物を可溶化することで、メタン発酵槽内での分解性が向上し、ガス発生量を増加させることができる。また、消化汚泥中の未分解物量の低減を図ることができるため、消化汚泥を液肥として利用する際の良質化を図ることができるとともに、水処理する場合には余剰汚泥発生量の低減を図ることができる。
【0016】
さらに、前記複数のメタン発酵槽のうち少なくとも何れかのメタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥の少なくとも一部を、生物学的脱窒素処理若しくは固液分離することを特徴とする。
本発明では、所定のメタン発酵槽からの消化汚泥を分岐させて水処理系に移送する構成としたため、必要以上に各メタン発酵槽の滞留時間を長くすること無く、効率的なメタン発酵を行うことができる。また、後段にて消化液の生物学的脱窒素処理を行う場合、一部の未消化物を脱窒素用の栄養源として利用することができ、効率的である。
【0017】
さらにまた、前記堆肥化設備に、他の特定有機性廃棄物とともに、脱臭作用を有する特定有機性廃棄物を供給することを特徴とする。
このように、堆肥化設備において脱臭用の特定有機性廃棄物を用いて脱臭を行う構成としたため、廃棄物の有効利用が可能であるとともに、廃棄物の排出源が明らかであるため、製造される堆肥又は液肥の高品質化が可能となる。前記脱臭作用を有する特定有機性廃棄物とは、例えばコーヒー糟、茶殻、炭化物等が挙げられる。
【0018】
また、直列に接続された複数のメタン発酵槽と、水分調整手段を有する堆肥化設備とを備えた有機性廃棄物の処理システムにおいて、
最上流に位置するメタン発酵槽は有機性廃棄物を導入する手段を有し、該メタン発酵槽より下流側のメタン発酵槽は前段のメタン発酵槽からの消化汚泥を導入する手段と他の有機性廃棄物を導入する手段を有するように構成し、
前記複数のメタン発酵槽のうち、上流側に位置する第1メタン発酵槽に導入される有機性廃棄物が特定有機性廃棄物であり、下流側に位置する第2メタン発酵槽に導入される有機性廃棄物が不特定有機性廃棄物であるとともに、前記堆肥化設備に導入される有機性廃棄物が他の特定有機性廃棄物であることを特徴とする。
【0019】
また、前記水分調整手段が、前記第1メタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥の少なくとも一部を前記堆肥化設備に供給する手段であることを特徴とする。
さらに、前記水分調整手段が、水を前記堆肥化設備に供給する手段であることを特徴とする。
また、前記第2メタン発酵槽が複数設けられ、該第2メタン発酵槽の上流側から下流側に向けて、前記不特定有機性廃棄物のうち分解率の低い順に導入することを特徴とする。
【0020】
さらに、前記複数のメタン発酵槽のうち少なくとも何れかのメタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥を可溶化する可溶化装置を備え、該可溶化装置にて得られた可溶化汚泥を次段のメタン発酵槽に導入することを特徴とする。
さらにまた、前記複数のメタン発酵槽のうち少なくとも何れかのメタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥の少なくとも一部を、生物学的脱窒素処理装置若しくは固液分離装置に導入するバイパスラインを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上記載のごとく本発明によれば、複数のメタン発酵槽を直列配置し、夫々のメタン発酵槽に対して適宜有機性廃棄物を選択的に供給するようにしたため、各々の廃棄物の特性を生かした効率的なメタンガス回収、及び高品質な堆肥又は液肥の製造が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1乃至図5は、本発明の実施例1乃至実施例3に係る有機性廃棄物の処理システムを示す図である。
【実施例1】
【0023】
図1に示す実施例1では、特定有機性廃棄物20、27と不特定有機性廃棄物25を処理対象としている。特定有機性廃棄物20、27は、排出元が明らかである有機性廃棄物であり、好ましくは、堆肥化に適した廃棄物で、有害物質等の不純物を殆ど含有せず、有機農法等においてに好適に用いられる堆肥原料とし、例えば家畜糞尿等が挙げられる。不特定有機性廃棄物25は、前記特定有機性廃棄物20を除く、その他の有機性廃棄物を全て含み、例えば厨芥ごみ等の食品残渣、浄化槽汚泥、生物処理汚泥等が挙げられる。
本実施例1に係る有機性廃棄物の処理システムでは、特定有機性廃棄物20及び不特定有機性廃棄物25を前処理する前処理装置を必要に応じて設ける。前処理装置には、破砕装置、夾雑物除去装置、沈殿槽、脱水装置等の固液分離装置が適宜設けられる。
【0024】
前記特定有機性廃棄物20は、必要に応じて固液分離装置10等にて前処理された後に、第1メタン発酵槽11に導入される。本実施例では、固液分離装置10にて固液分離した分離液21を第1メタン発酵槽11に導入するようにしている。
第1メタン発酵槽11は、槽内にメタン発酵菌等の嫌気性微生物が繁殖しており、嫌気性微生物が卓越して繁殖できる環境に温度、pH等の条件が維持されており、槽内で有機性廃棄物20中の有機物を主にガス化反応によって分解処理することによりメタンガスを生成させるようになっている。特に、本実施例では30〜40℃程度の槽内温度で発酵を行う中温発酵が適している。該第1メタン発酵槽11は、廃棄物の水量調整や濃度調整、各種有機性廃棄物の混合、或いはメタン発酵プロセスのうち加水分解反応、酸発酵反応等を行う調整槽を別に設けても良いし、同一槽内で行うようにしても良い。また、該第1メタン発酵槽11は、分離して複数設けても良いし、隔壁により区画されたメタン発酵領域を複数設けることもできる。
【0025】
前記第1メタン発酵槽11からの消化汚泥22は、後段に配置される第2メタン発酵槽12に導入される。このとき、消化汚泥22の少なくとも一部を引抜き、後述する堆肥化設備13に導入するようにしても良い。また、消化汚泥を液肥24として利用することもできる。
第2メタン発酵槽12は、前記第1メタン発酵槽11と直列に接続され、且つ該第1メタン発酵槽11と略同様の構造を有するが、流入廃棄物に応じて滞留時間、槽容積等が設定されている。該第2メタン発酵槽12には、前記第1メタン発酵槽11からの消化汚泥22と、不特定有機性廃棄物25が導入される。第2メタ発酵槽12でのメタン発酵により得られた消化汚泥26は、後段の水処理系へ導かれる。該第2メタン発酵槽12は、分離して複数設けても良いし、隔壁により区画されたメタン発酵領域を複数設けることもできる。
【0026】
本実施例では、第1メタン発酵槽11と第2メタン発酵槽12の二基からなる装置につき示したが、本構成に限定されるものではなく、複数のメタン発酵槽を直列に接続し、上流側の上流側のメタン発酵槽にて特定有機性廃棄物20を処理し、下流側のメタン発酵槽にて不特定有機性廃棄物25を処理する構成であれば何れの構成を選択しても良い。また、前記第1メタン発酵槽11を複数設置した場合、夫々に導入する特定有機性廃棄物20を異ならせるようにしても良い。
また、本実施例では、複数のメタン発酵槽のうち少なくとも何れかから消化汚泥を引抜く構成とするが、好適には全ての槽内から引抜くようにすると良い。これにより、後段水槽のメタン菌濃度保持に必要な分のみについて、前段の消化汚泥を後段に移送することができるため、水槽容量を効率化できる。また、後段に水処理系を設置する場合に、栄養源補給が効率的となる。
【0027】
一方、不特定有機性廃棄物27は、堆肥化設備13に導入され、ここで堆肥が製造される。該堆肥化設備13に導入される処理対象は、該特定有機性廃棄物27の他に、前記特定有機性廃棄物20を固液分離装置10にて固液分離して得られた固形物としても良い。
堆肥化設備13は、一又は複数の発酵槽から構成され、さらに該発酵槽は散水管等の水分調整手段、廃棄物中に空気を供給する酸気管などを備える。各発酵槽では、好気性条件下で発酵、乾燥を行い堆肥が製造される。好適には、発酵槽前段側では有機性廃棄物の含水率が50〜70重量%程度とし、後段側では含水率が40重量%程度となるように、前記水分調整手段により水分調整が行われる。
本実施例では、前記水分調整に利用する液として、前記第1メタン発酵槽11から排出される消化汚泥の一部を引抜いた、引抜消化汚泥23を用いている。該引抜消化汚泥23を堆肥化設備13内の発酵中の廃棄物に噴霧するようにしている。
【0028】
また、前記堆肥化設備13に脱臭用有機性廃棄物29を供給するようにしても良い。脱臭用有機性廃棄物29としては、脱臭作用を有する廃棄物が用いられ、好適にはコーヒー糟、茶殻等の特定の食品残渣、或いは炭化物等が挙げられる。具体的な脱臭方法の一例として、前記堆肥化設備13から発生した臭気ガスをコーヒー糟中に通気させることによって、コーヒー糟の脱臭作用により臭気成分が除去され、脱臭される。その他、コーヒー糟と有機性廃棄物を混合して発酵させる方法も適用でき、脱臭方法については特に限定されない。
このようにして製造された堆肥30は、成型、袋詰して搬出される。
【0029】
本実施例によれば、複数のメタン発酵槽を直列に接続し、上流側に位置する第1メタン発酵槽10では特定有機性廃棄物20のみを発酵させる構成としたため、該第1メタン発酵槽10からの消化汚泥を液肥又は堆肥化して利用する際に、有害物質等の不純物が混入せず、信頼性の高い良質の液肥又は堆肥を製造することができる。また、液肥又は堆肥の原料となる有機性廃棄物として、特定の廃棄物を用いるようにしたため、製造される液肥又は堆肥の成分が一定で高品質化が図れ、且つ原料となる廃棄物の排出元が明らかであるため、信頼性が向上する。さらに、原料が明らかとなることにより、製造した液肥又は堆肥に適した利用先が容易に判断でき、またトレーサビリティを導入する有機農法にも好適に用いることができる。
【0030】
また、本実施例では、複数のメタン発酵槽を直列配置し、種別分けされた有機性廃棄物を分注せずに、各メタン発酵槽に対して夫々導入する構成としたため、メタン発酵槽における水理学的滞留時間を夫々の有機性廃棄物に適した条件に設定することができ、設備能力的にも運転エネルギー的にも効率的なメタン発酵を実現することが可能である。
さらに、本実施例では、堆肥化設備13において、脱臭用有機性廃棄物29を用いて脱臭を行う構成としたため、廃棄物の有効利用が可能であるとともに、脱臭用として特定の有機性廃棄物利用により不純物の混入を防ぎ、製造される堆肥又は液肥の高品質化に寄与する。
【0031】
図2に、本実施例1に係る有機性廃棄物の応用例を示す。図示されるように、上記した実施例1の構成に加えて、生物学的脱窒素処理装置14、固液分離装置15、高度処理装置16からなる水処理系を具備する構成としても良い。
前記生物学的脱窒素処理装置14は、微生物の分解作用により処理液中の有機物を分解する設備であり、生物学的脱窒素装置の他にも曝気処理設備、嫌気性発酵設備等の各種生物処理システムを用いることができ、またこれらを一又は適宜組み合わせて用いるようにしても良い。前記固液分離装置15としては、重力沈降方式、遠心分離方式、、膜分離方式、凝集分離方式、浮上分離方式等を用いることができる。前記高度処理装置16としては凝集分離装置、活性炭吸着塔等が挙げられ、前記固液分離後の処理液が放流水準に満たない場合に必要に応じて設置すると良い。
【0032】
また、前記堆肥化設備13の水分調整手段において、発酵中廃棄物に対して水31を噴霧するようにしても良い。該水31は、井水、水道水等が好適に用いられる。他にも、水分調整手段にて、堆肥化設備13の発酵槽から排出される排出液の少なくとも一部を水分貯留槽に一時的に貯留し、該排出液をポンプによって発酵中廃棄物に噴霧する構成とすることもできる。
【実施例2】
【0033】
図3に本実施例2に係る有機性廃棄物処理システムを示す。尚、以下の図3乃至図5に示した実施例2及び実施例3において、前記実施例1と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
本実施例2では、特定有機性廃棄物20、27と不特定有機性廃棄物32、33を処理対象としている。不特定有機性廃棄物は分解率によって種別分けされており、本実施例では、低分解性不特定有機性廃棄物(以下、低分解性廃棄物と称す)32と、高分解性不特定有機性廃棄物(以下、高分解性廃棄物と称す)33とに種別分けしている。前記低分解性廃棄物32とは、分解速度の低い有機性廃棄物であり、例えば浄化槽汚泥等の各種生物処理汚泥、家畜糞尿等が挙げられる。前記高分解性廃棄物33とは、分解速度の高い有機性廃棄物であり、例えば食品残渣等が挙げられる。
【0034】
本実施例2は、複数のメタン発酵槽を直列に接続し、各メタン発酵槽に対して種別分けされた有機性廃棄物を導入する構成となっている。最も上流側に位置するメタン発酵槽には、特定有機性廃棄物20を導入し、該メタン発酵槽より後段側に位置するメタン発酵槽に対しては、分解率の低い有機性廃棄物から分解率の高い有機性廃棄物を上流側のメタン発酵槽から順次導入していく。各廃棄物は一種類ずつ夫々のメタン発酵槽に導入される。
図3に示す実施例2では、まず特定有機性廃棄物20を固液分離した分離液を第1メタン発酵槽11に導入し、メタン発酵を行う。該第1メタン発酵槽11から引抜いた消化汚泥22は、低分解性廃棄物32とともに第2メタン発酵槽12に導入する。同様に、該メタン発酵槽12から引抜いた消化汚泥26を、前記低分解性廃棄物32よりも高い分解率を有する有機性廃棄物とともに次段のメタン発酵槽へ導入する。このようにして、第nメタン発酵槽17へは、その前段のメタン発酵槽からの消化汚泥と高分解性廃棄物22が導入される。
【0035】
堆肥化設備13の水分調整手段にて用いる消化汚泥は、上記した中で、特定有機性廃棄物20が直接投入された第1メタン発酵槽11からの消化汚泥のみを一部引抜き、堆肥化設備13に導入する。
従って、前記第1メタン発酵槽11に導入される廃棄物は、特定有機性廃棄物20のみとなり、該第1メタン発酵槽11からの消化汚泥は不純物が極めて少なくなり、堆肥又は液肥の原料として用いる際に、製造された堆肥又は液肥が高品質化する。
【0036】
また、本実施例では、分解性の高い廃棄物を後段側のメタン発酵槽に、その前段にて発生する消化汚泥とともに投入する構成としたため、前段にて十分に馴致されたメタン発酵菌が流入し、有機酸のメタン発酵速度を高く維持でき、有機酸の蓄積によるメタン発酵阻害を防止することができる。
また、前段の分解性の低い廃棄物をメタン発酵した消化汚泥中には、未分解の固形物が含まれるため、槽内において菌床が確保でき、菌の増殖速度を高くとることができるため、メタン発酵運転の安定化を図ることができる。
さらに、メタン発酵槽に投入する負荷の調整に最も注意が必要な立ち上げ時においても、前段槽からのメタン菌が流入するため、分解率が高く、不安定となりやすいメタン発酵槽においても安定立ち上げが可能となる。
さらにまた、分解性が悪い廃棄物ほど滞留時間を長く採れるため、装置全体の分解率を高めることができる。
【実施例3】
【0037】
図4に本実施例3に係る有機性廃棄物処理システムを示す。本実施例3は、上記した実施例1乃至実施例2において、メタン発酵槽からの消化汚泥を可溶化する可溶化装置18を備えた構成となっている。
可溶化装置18は、複数設置したうち何れかのメタン発酵槽の後段に設けられ、該メタン発酵槽からの消化汚泥を可溶化処理し、得られた可溶化汚泥35は次段のメタン発酵槽に導入される。
該可溶化設備13は、物理化学的可溶化、生物学的可溶化、機械的可溶化等の何れの方法でも良く、例えばオゾン酸化手段、超音波手段、水熱を含む加熱手段、溶菌酵素供給手段、キャビテーション発生手段、酸化剤添加手段、電気分解手段、アルカリ剤添加手段、機械的せん断・摩擦手段等が挙げられ、これらの少なくとも1若しくは2以上を組み合わた手段を有する。好適には前記可溶化装置18はオゾン酸化手段を有する。
【0038】
前記可溶化手段のうち、前記オゾン酸化手段は、オゾン発生器等により発生させたオゾンと硝化液とを気液接触させ、オゾンの強力な酸化力により可溶化する。また、前記超音波手段は、超音波発生器を設けて硝化液中に超音波を発生させ、超音波振動により微生物の細胞壁を破砕して可溶化する。前記加熱手段は、硝化液中の有機物に熱を与えることによって水熱反応により余剰汚泥の低分子化を図るものである。前記溶菌酵素供給手段は、強力な溶菌活性を有する細菌によって微生物の細胞壁を分解することにより可溶化を行なう。前記キャビテーション発生手段は、硝化液中に微細な気泡を発生させる手段であり、例えば、加圧後圧力開放することによりキャビテーションを発生させるものが挙げられる。
【0039】
前記酸化剤添加手段は、公知の過酸化水素、過酸化カルシウム、過硫酸アンモニウム等の酸化剤が使用されるが、コストや副生物等の点からみて過酸化水素が最も好ましく、該酸化剤の添加により有機物を酸化分解し、可溶化を行なう。前記電気分解手段は、処理槽内に浸漬した電極間に電流を流すことにより微生物を死滅させるとともに細胞壁や細胞膜の一部を破壊し、可溶化を行なう。前記アルカリ剤添加手段は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウム等の周知のアルカリ剤を用いることができる。前記機械的せん断・摩擦手段は、例えば、ビーズミル、ディスクミル等の機器を用いることができ、硝化液にせん断力・摩擦力を与えて機械的に破砕し低分子化するものである。
【0040】
本実施例によれば、未消化物を可溶化することで、メタン発酵槽内での分解性が向上し、ガス発生量を増加させることができる。また、消化汚泥中の未分解物量の低減を図ることができるため、消化汚泥を液肥として利用する際の良質化を図ることができるとともに、水処理する場合には余剰汚泥発生量の低減を図ることができる。
【0041】
図5に、本実施例3に係る有機性廃棄物の応用例を示す。図5では一例として、上記した実施例3を基にしているが、図1乃至図3に示した実施例1若しくは実施例2にかかる構成を付加することも可能である。
本実施例では複数設置したメタン発酵槽の少なくとも一部のメタン発酵槽において、次工程以降のメタン発酵槽をバイパスし、前記メタン発酵槽からの消化汚泥を固液分離装置38若しくは生物学的脱窒素処理装置37に導入する構成としている。例えば、図5に示されるように、第1メタン発酵槽11からの消化汚泥22は可溶化装置18にて可溶化処理された後に、可溶化汚泥35の少なくとも一部が分岐され、生物学的脱窒素処理装置37に導入される。該生物学的脱窒素処理装置37にて得られた生物処理液は固液分離装置38に導入され、得られた固液分離液は高度処理装置39にて放流基準を満たすように高度処理された後に放流される。尚、生物学的脱窒素処理装置37、固液分離装置38、高度処理装置39からなる水処理系は、実施例1に記載した水処理系(ここでは第nメタン発酵槽17後段の水処理系)と同一であっても良い。
【0042】
本実施例によれば、所定のメタン発酵槽からの消化汚泥を分岐させて水処理系に移送する構成としたため、必要以上に各メタン発酵槽の滞留時間を長くすること無く、効率的なメタン発酵を行うことができる。
また、後段にて消化液の生物学的脱窒素処理を行う場合、一部の未消化物を脱窒素用の栄養源として利用することができ、効率的である。
さらに、可溶化装置18を設けた場合、可溶化汚泥の一部を生物学的脱窒素装置37に流入させることで、可溶化により生じたBODを脱窒素に必要な栄養源として利用できるため、脱窒の際に必要なメタノール等のBOD成分の添加量を削減できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明では、廃棄物の特性に応じて種別された有機性廃棄物を、直列配置したメタン発酵槽に夫々導入する構成としたため、メタン発酵の効率化が図れるとともに、メタン発酵により生じる消化汚泥を堆肥又は液肥として有効利用する際に、高品質で信頼性の高い堆肥又は液肥が製造できるため、トレーサビリティを導入した有機農法に繋がる廃棄物リサイクルプラントを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例1に係る有機性廃棄物処理システムの全体構成図である。
【図2】図1の他の一例を示す有機性廃棄物処理システムの全体構成図である。
【図3】本発明の実施例2に係る有機性廃棄物処理システムの全体構成図である。
【図4】本発明の実施例3に係る有機性廃棄物処理システムの全体構成図である。
【図5】図4の他の一例を示す有機性廃棄物処理システムの全体構成図である。
【図6】従来の有機性廃棄物の処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0045】
11 第1メタン発酵槽
12 第2メタン発酵槽
13 堆肥化設備
17 第nメタン発酵槽
18 可溶化装置
20 特定有機性廃棄物
23 引抜消化汚泥
25 不特定有機性廃棄物
27 特定有機性廃棄物
29 脱臭用有機性廃棄物
31 水
32 低分解性不特定有機性廃棄物(低分解性廃棄物)
33 高分解性不特定有機性廃棄物(高分解性廃棄物)
35、36 可溶化汚泥
37 生物学的脱窒素装置
38 固液分離装置
39 高度処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数のメタン発酵槽にて有機性廃棄物をメタン発酵する有機性廃棄物の処理方法において、
最上流に位置するメタン発酵槽に有機性廃棄物を導入した後、該メタン発酵槽以降のメタン発酵槽に、前段のメタン発酵槽からの消化汚泥とともに他の有機性廃棄物を順次導入するようにし、
前記複数のメタン発酵槽のうち上流側に位置する第1メタン発酵槽には特定有機性廃棄物を、下流側に位置する第2メタン発酵槽には不特定有機性廃棄物を導入するようにしたことを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
【請求項2】
有機性廃棄物を堆肥化設備にて水分調整しながら堆肥化する請求項1記載の有機性廃棄物の処理方法であって、
前記堆肥化設備に他の特定有機性廃棄物を導入するとともに、
前記水分調整にて、前記第1メタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥の少なくとも一部を前記堆肥化設備に供給することを特徴とする請求項1記載の有機性廃棄物の処理方法。
【請求項3】
有機性廃棄物を堆肥化設備にて水分調整しながら堆肥化する請求項1記載の有機性廃棄物の処理方法であって、
前記堆肥化設備に他の特定有機性廃棄物を導入するとともに、
前記水分調整にて、水を前記堆肥化設備に供給することを特徴とする請求項1記載の有機性廃棄物の処理方法。
【請求項4】
前記第2メタン発酵槽が複数設けられ、該第2メタン発酵槽の上流側から下流側に向けて、前記不特定有機性廃棄物のうち分解率の低い順に導入することを特徴とする請求項1記載の有機性廃棄物の処理方法。
【請求項5】
前記複数のメタン発酵槽のうち少なくとも何れかのメタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥を可溶化した後に、可溶化汚泥を次段のメタン発酵槽に導入することを特徴とする請求項1若しくは4記載の有機性廃棄物の処理システム。
【請求項6】
前記複数のメタン発酵槽のうち少なくとも何れかのメタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥の少なくとも一部を分岐させ、該消化汚泥を生物学的脱窒素処理若しくは固液分離することを特徴とする請求項1若しくは4記載の有機性廃棄物の処理方法。
【請求項7】
前記堆肥化設備に、他の特定有機性廃棄物とともに、脱臭作用を有する特定有機性廃棄物を供給することを特徴とする請求項2若しくは3記載の有機性廃棄物の処理方法。
【請求項8】
直列に接続された複数のメタン発酵槽と、水分調整手段を有する堆肥化設備とを備えた有機性廃棄物の処理システムにおいて、
最上流に位置するメタン発酵槽は有機性廃棄物を導入する手段を有し、該メタン発酵槽より下流側のメタン発酵槽は、前段のメタン発酵槽からの消化汚泥を導入する手段と他の有機性廃棄物を導入する手段を有するように構成し、
前記複数のメタン発酵槽のうち、上流側に位置する第1メタン発酵槽に導入される有機性廃棄物が特定有機性廃棄物であり、下流側に位置する第2メタン発酵槽に導入される有機性廃棄物が不特定有機性廃棄物であるとともに、前記堆肥化設備に導入される有機性廃棄物が他の特定有機性廃棄物であることを特徴とする有機性廃棄物の処理システム。
【請求項9】
前記水分調整手段が、前記第1メタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥の少なくとも一部を前記堆肥化設備に供給する手段であることを特徴とする請求項8記載の有機性廃棄物の処理システム。
【請求項10】
前記水分調整手段が、水を前記堆肥化設備に供給する手段であることを特徴とする請求項8記載の有機性廃棄物の処理システム。
【請求項11】
前記第2メタン発酵槽が複数設けられ、該第2メタン発酵槽の上流側から下流側に向けて、前記不特定有機性廃棄物のうち分解率の低い順に導入することを特徴とする請求項8記載の有機性廃棄物の処理システム。
【請求項12】
前記複数のメタン発酵槽のうち少なくとも何れかのメタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥を可溶化する可溶化装置を備え、該可溶化装置にて得られた可溶化汚泥を次段のメタン発酵槽に導入することを特徴とする請求項8若しくは11記載の有機性廃棄物の処理システム。
【請求項13】
前記複数のメタン発酵槽のうち少なくとも何れかのメタン発酵槽から引抜かれた消化汚泥の少なくとも一部を分岐させ、該消化汚泥を生物学的脱窒素処理装置若しくは固液分離装置に導入するバイパスラインを設けたことを特徴とする請求項8若しくは11記載の有機性廃棄物の処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−44572(P2007−44572A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228591(P2005−228591)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】