説明

有機性廃水の処理方法及び該システム

【課題】 既存の設備が利用でき、簡単な構成で以って前処理過程若しくは後処理過程における汚泥脱水性の向上が可能であり、さらには廃棄物全体の資源化率を向上させることができる有機性廃水の処理方法及び該システムを提供する。
【解決手段】 し尿40及び浄化槽汚泥46に対して前処理を夫々行った後に、該し尿及び浄化槽汚泥を混合して生物学的脱窒素装置30にて生物処理し、該生物処理からの生物処理液52を固液分離及び凝集分離して得られた汚泥54を汚泥脱水装置34にて脱水処理し、脱水汚泥を圧搾により二次脱水する二次脱水装置35に流入させるようにし、好適には前記二次脱水装置35に繊維状物質供給手段を設け、繊維状物質60を外部添加する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄化槽汚泥、し尿等の有機性廃水を生物処理する技術に関し、特に、系内より発生する汚泥の脱水性向上を図った有機性廃水の処理方法及び該システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、し尿処理施設等の有機性廃水処理施設においては生物処理が主体的に用いられているが、これにより多量の汚泥が発生し、処理に係わるコストが嵩むため、この汚泥の処理が重要な課題とされている。
一般的な有機性廃水の処理は、図9(特許文献1等参照)に示すように、まず、夾雑物除去装置71にて、受け入れられた有機性廃水から夾雑物を除去した後、該夾雑物を除去した廃水を生物学的脱窒素装置73に供給する。このとき、生物学的脱窒素装置73に廃水を供給する前段に前処理脱水装置を設け、有機性廃水を前処理脱水した後、脱水分離液を前記生物学的脱窒素装置に供給する場合もある。前記夾雑物除去装置71にて捕集された夾雑物は、夾雑物脱水装置72にて脱水された後に脱水し渣として処理される。また、前記生物学的脱窒素装置73では、廃水中の主にBOD、T−N(全窒素)などを除去する。生物学的脱窒素装置73から排出される生物処理液は、固液分離装置74及び凝集分離装置75などにより固液分離し、固液分離液は高度処理設備76にて活性炭処理等により高度処理を施した後に系外排出される。一方、前記固液分離により得られた分離汚泥は、遠心分離機、ベルトプレスなどの後処理脱水装置77にて脱水された後に、必要に応じて汚泥処理設備78にて処理される。
【0003】
このような脱水装置を備えた処理システムでは、前処理脱水若しくは後処理脱水により得られた脱水汚泥は、汚泥処理設備にてメタン発酵、脱水、堆肥化、乾燥、焼却、若しくはこれらを組み合わせた設備により処理されていた。
近年、廃棄物全体の資源化率向上と効率的処理に鑑み、脱水設備において、汚泥の含水率を70%以下となるように脱水し、この脱水汚泥を燃料としてごみ焼却施設等に搬入されるケースがある。このように、脱水汚泥を燃料として利用可能な形態とすることは、資源化に際して非常に有益な方法である。
【0004】
脱水性を向上させるためには、脱水処理対象に繊維状物質を含有させた状態で脱水処理を行うことが有効であることが知られている。これは、有機性廃水に元来含まれている有機性の夾雑物でも可能であるが、夾雑物が多量に含まれた有機性廃水は、ポンプの詰まりや後段生物処理の効率低下の原因となるため、従来は前処理にて夾雑物除去を行わざるを得ず、脱水の前段で繊維状物質である夾雑物を殆ど除去するため、脱水性を高く維持することは困難であった。
そこで、特許文献2(特開2002−219500号公報)では、有機性汚泥に合成繊維と凝集剤を添加して凝集させた後、脱水処理する方法を提案しており、外部添加する合成繊維により脱水性を向上させることを可能としている。
【0005】
【特許文献1】特許第3368938号公報
【特許文献2】特開2002−219500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、近年廃棄物全体の資源化率を向上させることが要望されているが、し尿等の有機性廃水処理において、汚泥を助燃剤として利用するためには、脱水汚泥の含水率を一般的に70%以下にする必要がある。しかし、従来型の脱水装置(遠心分離機・ベルトプレス等)では通常、汚泥の含水率は80〜85%程度であり70%以下にすることが困難である。このため、脱水汚泥の焼却に当たっては、重油や灯油などの補助燃料による追い炊きが必要となっていた。
また、フィルタープレスや汚泥脱水用スクリュープレス等の特殊な脱水装置を用いることにより、汚泥の含水率を低減することが可能である。しかし、このような特殊な脱水装置を採用した場合、設備が大掛かりとなり、運転動力が嵩むといった問題がある。
さらに、特許文献2に記載されるように、PETなどの廃プラスチックを繊維状に加工して、脱水設備に供給することで汚泥含水率70%を達成する方法もあるが、この方法では脱水汚泥中に廃プラスチックが残留する。この場合、脱水汚泥を固形燃料として焼却設備に供給する場合は問題にならないが、脱水汚泥を堆肥化する場合には、堆肥化設備において廃プラスチックは分解できず、製造した堆肥に残留してしまうという問題があった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、既存の設備が利用でき、簡単な構成で以って前処理過程若しくは後処理過程における汚泥脱水性の向上が可能であり、さらには廃棄物全体の資源化率を向上させることができる有機性廃水の処理方法及び該システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、有機性廃水を生物処理して得られた生物処理汚泥を後処理脱水する有機性廃水の処理方法において、
前記後処理脱水にて発生した脱水汚泥を圧搾により二次脱水することを特徴とする。
また、別の発明として、有機性廃水を生物処理の前段にて前処理脱水した後に脱水分離液を生物処理する有機性廃水の処理方法において、
前記前処理脱水にて発生した脱水汚泥を圧搾により二次脱水することを特徴とする。
ここで、前記後処理脱水は、前記生物処理後の生物処理液を固液分離若しくは凝集分離等により濃縮して得られた汚泥を脱水するものであり、前記前処理脱水は、生物処理前の有機性廃水を脱水するものである。
【0008】
一般に、従来の後処理脱水若しくは前処理脱水では得られる脱水汚泥の含水率は80〜85%程度が限界とされていた。しかし本発明によれば、前記脱水汚泥をさらに圧搾により二次脱水することにより、脱水汚泥の含水率を例えば70%以下の低含水率まで脱水することが可能となり、汚泥を助燃材として用いるなどの汚泥利用範囲が大幅に広がることとなる。さらに、高汚泥含水率となる既存の汚泥脱水を有効に活用しつつ、低汚泥含水率の脱水汚泥を得ることができる。
また、前記二次脱水にて処理対象となる汚泥が既に一次脱水されている脱水汚泥であるため、液状汚泥を対象とする場合よりも構造が簡易となるとともに、大幅に動力を低減することが可能である。尚、前記生物処理汚泥は、前記生物処理からの処理液を固液分離、凝集分離などにより固液分離した汚泥である。
【0009】
また、前記二次脱水では、前記脱水汚泥とともに繊維状物質を混合して脱水することを特徴とする。
このとき、前記繊維状物質が、天然由来の物質で且つ生分解性を有する物質であることが好ましい。
このように、繊維状物質を外部添加することにより、二次脱水による脱水性をさらに向上させることができる。また、前記繊維状物質が生物由来で且つ生分解性を有する物質であることにより、脱水汚泥を堆肥化する場合、堆肥化設備にて分解されるとともに、堆肥化に好ましくない高分子凝集剤の使用量を低減することができ、堆肥の高品質化を図ることができる。
さらに、前記有機性廃水に対して夾雑物除去を含む前処理を施した後に前記生物処理する有機性廃水の処理方法であって、
前記夾雑物除去により得られた繊維状夾雑物を前記二次脱水に供給することを特徴とする。このように、系内に存在する汚泥脱水性向上効果のある物質を有効に活用することで、低含水率、高固形物回収率脱水を高効率にて実現することができる。
【0010】
また、溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水と、固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水を処理する有機性廃水の処理方法であって、
前記有機性廃水に対して前処理が夫々行われ、該夫々の前処理の構成として、前記溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水については少なくとも夾雑物の除去を行い、前記固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水については少なくとも前処理脱水を行う構成であり、
前記夾雑物除去にて得られた繊維状夾雑物の少なくとも一部を直接若しくは夾雑物脱水により脱水した後、前記前処理脱水にて発生する脱水汚泥とともに二次脱水に供給することを特徴とする。
尚、前記溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水とは、例えばし尿、家畜糞尿が挙げられる。また、前記固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水とは、例えば浄化槽汚泥等が挙げられる。このように、有機性廃水の性状により前処理工程を2系統に分割することにより夫々に適した前処理を行うことができ、効率的な処理が可能となる。
また本発明によれば、前記二次脱水にて、夾雑物中に含まれる繊維分を利用して脱水性向上が図れるとともに、繊維分のリサイクルが可能となるため、外部添加する繊維量を低減することが可能となる。
【0011】
また、上記した発明と同様の効果を有するシステムの発明として、必要に応じて夾雑物除去装置にて夾雑物除去した有機性廃水を生物処理する生物処理装置と、該生物処理装置にて発生した生物処理汚泥を後処理脱水する後処理脱水装置と、を備えた有機性廃水の処理システムにおいて、
前記後処理脱水装置にて発生した脱水汚泥を圧搾により二次脱水する二次脱水装置を設けたことを特徴とする。
また、必要に応じて夾雑物除去装置にて夾雑物除去した有機性廃水を前処理脱水する前処理脱水装置と、該前処理脱水にて得られた脱水分離液を生物処理する生物処理装置と、を備えた有機性廃水の処理システムにおいて、
前記前処理脱水装置にて発生した脱水汚泥を圧搾により二次脱水する二次脱水装置を設けたことを特徴とする。
【0012】
さらに、前記二次脱水装置が、外部より繊維状物質を供給する手段を備えることを特徴とする。
このとき、前記繊維状物質供給手段が、天然由来の物質で且つ生分解性を有する物質を供給する手段であることが好ましい。
【0013】
また、溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水と、固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水を処理する有機性廃水の処理システムであって、
前記溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水については、少なくとも前記夾雑物除去装置を含む前処理設備が設けられ、前記固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水については、少なくとも前処理脱水装置を含む前処理設備が設けられ、前記夾雑物除去装置により得られた繊維状夾雑物を、直接若しくは夾雑物脱水装置を設けて脱水した後に前記二次脱水装置に供給するラインを設けたことを特徴とする。
また、前記夾雑物脱水装置と前記二次脱水装置が一元化された構成であることを特徴とする。このように、前記夾雑物脱水装置と前記二次脱水装置を一元化することによって、設備の簡素化を図ることができる。また、比較的粗大な繊維を多量に含み、脱水性の良い夾雑物とともに汚泥を脱水することで、汚泥の脱水性が向上し、さらに汚泥脱水に係わる薬品や動力の低減を図ることが可能となる。
【0014】
さらに、前記溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水の前処理設備と、前記固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水の前処理設備を一元化することを特徴とする。このように、異なる種類の有機性廃水の前処理設備を一元化することによって、設備の簡素化を図ることができる。また、比較的粗大な繊維を多量に含み、脱水性の良い夾雑物とともに汚泥を脱水することで、汚泥の脱水性が向上し、さらに汚泥脱水に係わる薬品や動力の低減を図ることが可能となる。
さらにまた、前記固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水の少なくとも一部を、前記生物処理装置へ直接導入することを特徴とする。これにより、固形性の汚濁物質に多く含まれる粗繊維分が後段の汚泥脱水に流入するため、汚泥の脱水性が向上し、二次脱水に流入する汚泥含水率が低減するため、該二次脱水における動力低減が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上記載のごとく本発明によれば、前処理脱水若しくは後処理脱水にて発生した脱水汚泥を二次脱水する構成としたため、汚泥を助燃材として用いるなど、汚泥利用範囲が大幅に広がり、廃棄物全体の資源化率を向上させることができる。また、系内に存在する汚泥脱水性向上効果のある物質を有効に活用することで、低含水率、高固形物回収率脱水を外部添加物量低減、低動力で以って高効率に実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本実施例にて処理対象とされる有機性廃水は、溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水と、固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水であり、本実施例では、前者としてし尿、後者として浄化槽汚泥を例に挙げて説明する。但し、これらに限定されるものではない。
尚、し尿とは、汲み取り式便所等から回収された生し尿を言い、浄化槽汚泥とは、合併処理浄化槽、コミュニティプラント、農業集落排水施設、漁業集落排水施設、単独処理浄化槽等から収集された汚泥を言う。
【0017】
本実施例は、有機性廃水処理システムの後処理脱水装置若しくは生物処理後の前処理脱水装置の後段に、二次脱水装置を備えたシステムであり、図1〜5は有機性廃水の生物処理後の固液分離汚泥若しくは凝集分離汚泥を脱水する汚泥脱水装置(後処理脱水装置)の後段に二次脱水装置を備えた構成である実施例1〜5を示す図、図6〜図8は生物処理前の有機性廃水を脱水する前処理脱水装置の後段に二次脱水装置を備えた構成である実施例6〜8を示す図である。
【実施例1】
【0018】
図1に示した実施例1に係る有機性廃水処理システムは、し尿の前処理工程と、浄化槽汚泥の前処理工程と、これらの前処理を行った廃水に対して生物処理を含む処理を行う一の生物処理工程と、を有する。
前記し尿の前処理工程は、ライン上流から下流に向かって、し尿の受入槽10と、該し尿が投入される夾雑物除去装置12と、該夾雑物除去装置12にて捕集された夾雑物42が投入される夾雑物脱水装置13と、前記夾雑物除去装置12にて分離された夾雑物分離液41と、前記夾雑物脱水装置13にて分離された脱水分離液43とが一時的に貯留されるし尿貯留槽14と、を備える。前記浄化槽汚泥の前処理工程では、同様に浄化槽汚泥受入槽20と、夾雑物除去装置22と、夾雑物脱水装置23と、浄化槽汚泥貯留槽24と、を備える。
【0019】
前記生物処理工程は、前記し尿貯留槽14からのし尿45及び前記浄化槽汚泥貯留槽24からの浄化槽汚泥51が投入される生物学的脱窒素処理装置30と、該生物処理後の生物処理液が流入する固液分離装置31と、該固液分離した固液分離液53が流入する凝集分離装置32と、該凝集分離した凝集分離液55が流入する高度処理設備33と、前記固液分離装置31からの固液分離汚泥54と前記凝集分離装置32からの凝集分離汚泥56が投入される汚泥脱水装置34と、を備え、さらに本実施例の特徴的な構成として、前記汚泥脱水装置34からの脱水汚泥をさらに二次脱水する二次脱水装置35と、を備えている。また、前記固液分離装置31からの分離汚泥54の一部を返送汚泥54aとして前記生物学的脱窒素装置30に返送するラインと、前記汚泥脱水装置34からの脱水分離液及び前記二次脱水装置35からの脱水分離液59を前記生物学的脱窒素装置40に導入するラインとを備える。
【0020】
前記夾雑物除去装置12、22は、し尿40又は浄化槽汚泥46から夾雑物を除去する設備であり、スクリーン等が挙げられる。本実施例では、この夾雑物除去設備1を設けない構成としても良く、この場合、前記有機性廃水20の全量を前記脱水設備2に流入させる。
前記夾雑物脱水装置13、23は、し尿40又は浄化槽汚泥46を所定の含水率となるまで脱水する設備であり、例えば、遠心分離装置やベルトプレス、スクリュープレス等のろ布式脱水装置等が挙げられる。該脱水設備2では、無機凝集剤、高分子凝集剤等の脱水助剤を添加した後に脱水することが好ましい。
また、前記夾雑物脱水装置13、23の入口側に、破砕手段を設けることが好ましく、これにより有機性廃水中の大径の夾雑物を小粒径化できるため、該脱水設備13、23の目詰まり等の不具合を防止できる。
【0021】
前記生物学的脱窒素処理装置30は、微生物の分解作用により処理液中の有機物を分解する設備であり、生物学的脱窒素装置の他にも曝気処理設備、嫌気性発酵設備等の各種生物処理装置を用いることができ、またこれらを一又は適宜組み合わせて用いるようにしても良い。
前記固液分離装置31は、生物処理液52を固液分離液53と固液分離汚泥54とに分離する装置であり、重力沈降方式、遠心分離方式、、膜分離方式、凝集分離方式、浮上分離方式等を用いることができる。
前記凝集分離装置32は、固液分離液53中の汚濁物質を凝集剤の添加により結合させ、フロックを形成し、分離する装置である。
前記高度処理装置33としては活性炭吸着塔等が挙げられ、前記固液分離後の処理液が放流水準に満たない場合に必要に応じて設置すると良い。前記凝集分離装置32が高度処理に含まれる場合もある。
【0022】
前記汚泥脱水装置34は、生物処理後の固液分離汚泥54及び凝集分離汚泥56を脱水する装置である。
前記二次脱水装置35は、前記汚泥脱水装置34から発生する脱水汚泥をさらに圧搾する装置であり、これらの脱水装置34、35は、夫々遠心分離装置やベルトプレス、スクリュープレス等のろ布式脱水装置等を適宜用いる。このとき装置の選定には、要求される脱水性能に応じた装置とすると良い。特に好ましい形態としては、前記脱水装置34として遠心分離装置又はベルトプレスを用い、前記二次脱水装置35としてはスクリュープレス等の圧搾方式による装置を用いる。該脱水装置34、35では、無機凝集剤、高分子凝集剤等の脱水助剤を添加した後に脱水するようにしても良い。
また、前記二次脱水装置35からの脱水汚泥58を処理する汚泥処理設備を設けるようにしても良い。
【0023】
以上の構成を有するシステムについて、その作用を処理方法とともに説明する。
まず、し尿前処理工程では、し尿貯受入槽10に受け入れたし尿40を圧送ポンプ11により適宜量ずつ夾雑物除去装置12に送給し、し尿中の夾雑物42を分離除去する。分離した夾雑物42は、夾雑物脱水装置13に投入して脱水を行う。前記夾雑物脱水装置13にて分離された脱水分離液43は前記夾雑物除去装置12にて分離された夾雑物分離液41とともにし尿貯留槽14に一時的に貯留される。
同様に、浄化槽前処理工程では、浄化槽受入槽20に受け入れた浄化槽汚泥46を圧送ポンプ21により適宜量ずつ夾雑物除去装置22に送給し、浄化槽汚泥中の夾雑物48を分離除去する。分離した夾雑物48は、夾雑物脱水装置23に投入して脱水を行う。前記夾雑物脱水装置23にて分離された脱水分離液49は前記夾雑物除去装置22にて分離された夾雑物分離液47とともに浄化槽汚泥貯留槽24に一時的に貯留される。
【0024】
前記し尿貯留槽14及び前記浄化槽汚泥貯留槽24に貯留された前処理済みのし尿45及び浄化槽汚泥51は、夫々圧送ポンプ15、25により所定量ずつ前記生物学的脱窒素処理装置30に送られる。該生物学的脱窒素処理装置30では、し尿45及び浄化槽汚泥51の混合物からなる廃水中からBOD、T−N(全窒素)等が除去され、発生した生物処理液52は固液分離装置31に流入される。該固液分離装置31で得られた固液分離液53は凝集剤を添加されて凝集分離装置32に流入し、ここでT−P(リン)、COD、色度成分等が除去され、さらに高度処理装置33に送られて水質基準を満たすように浄化された後に処理液57は系外へ放流される。
【0025】
一方、前記固液分離装置31からの固液分離汚泥54及び前記凝集分離装置32からの凝集分離汚泥56は汚泥脱水装置34に投入され、ここで脱水処理が施される。このとき、遠心分離機やベルトプレス等の脱水装置を利用した場合、得られる脱水汚泥の含水率は一般的に80〜85%が限界とされている。従って、本実施例では、前記脱水汚泥をさらに前記二次脱水装置35にて圧搾するようにしている。これにより、含水率70%以下の脱水汚泥58を得ることができる。また、前記固液分離装置31からの固液分離汚泥54の少なくとも一部を返送汚泥54aとして前記生物学的脱窒素装置30に返送すると良い。
このようにして得られた脱水汚泥58は、汚泥処理設備にて燃料化、焼却、乾燥、堆肥化、埋立て等の処理がなされる。また、脱水汚泥58の含水率が70%以下であれば、燃料としてごみ焼却炉等へ投入することも可能である。一方、前記汚泥脱水装置34からの脱水分離液及び前記二次脱水装置35からの脱水分離液59は前記生物学的脱窒素装置30に導入する。
【0026】
本実施例によれば、二次脱水装置35を設けることにより、脱水汚泥の含水率を向上させることが可能となり、汚泥を助燃材として用いるなど、汚泥活用範囲が大幅に広がるという利点を有する。さらに、高汚泥含水率となる既存の汚泥脱水装置34を有効に活用しつつ、低汚泥含水率の脱水汚泥を得ることができる。
また、前記二次脱水装置35にて処理対象となる汚泥が既に一次脱水されている脱水汚泥であるため、液状汚泥を対象とする場合よりも構造が簡易となるとともに、動力を大幅に低減することが可能である。
【実施例2】
【0027】
図2に本実施例2に係る有機性廃水処理システムを示す。以下、本実施例2〜実施例5において、前記実施例1と略同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
本実施例2に係るシステムでは、前記実施例1の構成に加えて、前記二次脱水装置35に繊維状物質60を供給する手段を備えた構成となっている。そして、前記生物学的脱窒素処理装置30から排出される生物処理液52を固液分離装置31にて固液分離して得られた固液分離汚泥54と、固液分離液53を凝集分離装置32にて凝集分離して得られた凝集分離汚泥56とともに脱水装置34にて脱水処理した後に、二次脱水装置35にて外部添加した繊維状物質60を混合して二次脱水するようにしている。
【0028】
好適には前記繊維状物質は天然由来の物質であり、且つ生分解性を有すると良く、例えば、もみ殻、麦わら、稲わら等、又はおが粉等の木質系、紙類、堆肥化発酵促進剤添加物質等が挙げられる。
このように、繊維状物質60を外部添加することにより、二次脱水装置35による脱水性をさらに向上させることができる。
また、前記繊維状物質60が生物由来で且つ生分解性を有する物質であることにより、脱水汚泥を堆肥化する場合、堆肥化設備にて分解されるとともに、堆肥化に好ましくない高分子凝集剤の使用量を低減することができ、堆肥の高品質化を図ることができる。また、前記繊維状物質60として、発酵促進機能を有する物質を使用すれば、堆肥化設備での発酵性向上効果を併せて得ることができる。さらに、前記繊維状物質60を外部添加することで、脱水装置内の脱水面での汚泥の剥離性が良くなるため、目詰まりによるトラブルが防止できるとともに、洗浄水量の大幅低減を図ることができる。特に、ろ布式の脱水設備を採用する場合にはこの効果が顕著となる。
【実施例3】
【0029】
図3に本実施例3に係る有機性廃水処理システムを示す。
本実施例3に係るシステムは、前記実施例1の構成に加えて、前記夾雑物脱水装置13、23からの脱水し渣44、50を、前記二次脱水装置35に供給する構成となっている。前記生物学的脱窒素処理装置30から排出される生物処理液52を固液分離装置31にて固液分離して得られた固液分離汚泥54と、固液分離液53を凝集分離装置32にて凝集分離して得られた凝集分離汚泥56とともに、前記脱水し渣44、50を前記二次脱水装置35に供給する。このとき、同時に前記実施例2のごとく繊維状物質60を外部添加するようにしても良い。
本実施例によれば、前記二次脱水装置35にて、前記脱水し渣44、50に含有される繊維分を利用して脱水性向上が図れるとともに、繊維分のリサイクルが可能となるため、外部添加する繊維量を低減することが可能となる。
【実施例4】
【0030】
図4に本実施例4に係る有機性廃水処理システムを示す。
本実施例4に係るシステムは、前記実施例1の構成において、し尿前処理工程と浄化槽前処理工程を一元化した構成となっている。即ち、し尿受入槽10に貯留されたし尿40と、浄化槽汚泥受入槽20に貯留された浄化槽汚泥46とが混合して投入される一の夾雑物除去装置12を設け、該夾雑物除去装置12にて分離された夾雑物42を夾雑物脱水装置13にて脱水し、脱水分離液43は前記夾雑物除去装置12からの夾雑物分離液41とともに廃水貯留槽14に一時的に貯留される。該廃水貯留槽14に貯留されたし尿と浄化槽汚泥の混合物からなる廃水45は、圧送ポンプ15により前記生物学的脱窒素装置30に送られる。
一方、前記夾雑物脱水装置13にて得られた脱水し渣44は、前記二次脱水装置35に供給される。
このように、し尿と浄化槽汚泥の前処理設備及び前記二次脱水装置35を一元化することによって、設備の簡素化を図ることができる。
また、比較的粗大な繊維を多量に含み、脱水性の良い夾雑物とともに汚泥を脱水することで、汚泥の脱水性が向上し、さらに汚泥脱水に係わる薬品や動力の低減を図ることが可能となる。
【実施例5】
【0031】
図5に本実施例5に係る有機性廃水処理システムを示す。
本実施例5に係るシステムは、前記実施例1の構成において、し尿及び浄化槽汚泥の前処理工程において、夾雑物除去装置12、22にて捕集された夾雑物を除去する夾雑物脱水装置と、前記生物処理後の固液分離汚泥54及び凝集分離汚泥56を汚泥脱水装置34にて一次脱水した脱水汚泥を二次脱水する二次脱水装置35を一元化した構成となっている。即ち、し尿受入槽10に貯留されたし尿40は、夾雑物除去装置12に投入され、得られた夾雑物分離液41は前記し尿貯留槽14に送給され、夾雑物42はそのまま前記二次脱水装置35に供給される。同様に、浄化槽汚泥受入槽20に貯留された浄化槽汚泥46は、夾雑物除去装置22に投入され、得られた夾雑物分離液48は前記浄化槽汚泥貯留槽24に送給され、夾雑物48はそのまま前記二次脱水装置35に供給され、前記夾雑物42、48と前記脱水汚泥を混合して脱水される。
このように夾雑物脱水装置13、23を前記二次脱水装置35にて共用する構成とすることによって、設備の簡素化を図ることができる。
また、比較的粗大な繊維を多量に含み、脱水性の良い夾雑物とともに汚泥を脱水することで、汚泥の脱水性が向上し、さらに汚泥脱水に係わる薬品や動力の低減を図ることが可能となる。
【0032】
さらにまた、前記実施例1〜実施例5に記載した構成において、浄化槽汚泥貯留槽20に受け入れた浄化槽汚泥46を、夾雑物除去することなく生物学的脱窒素装置30に供給するようにしても良い。即ち、前記夾雑物除去装置22及び前記夾雑物脱水装置23を省いた構成とする。
これにより、浄化槽汚泥中の粗繊維分が後段の汚泥脱水装置34に流入するため、汚泥の脱水性が向上し、二次脱水装置35に流入する汚泥含水率が低減するため、該二次脱水装置35の動力低減を図ることが可能である。
【実施例6】
【0033】
図6に本実施例6に係る有機性廃水処理システムを示す。
本実施例6に係るシステムは、前記実施例1の構成において、浄化槽汚泥貯留槽24に貯留された前処理後の浄化槽汚泥51を前処理脱水装置36に供給し、該前処理脱水装置36にて前処理脱水した後に二次脱水装置37にて圧搾による二次脱水を行う構成としている。該二次脱水により得られた脱水汚泥58は低含水率の汚泥となる。また、前記前処理脱水装置36及び前記二次脱水装置37にて得られた脱水分離液61は、分離液槽38に一旦貯留された後、所定量ずつ生物学的脱窒素装置30に供給され、前処理後のし尿45と混合されて生物処理される。
また、前記生物学的脱窒素装置30により発生した生物処理液を固液分離装置31にて固液分離して得られた固液分離汚泥54及び凝集分離装置32にて得られた凝集分離汚泥56を、前記前処理脱水装置36に供給して前記浄化槽汚泥51と混合して脱水し、さらに二次脱水装置37にて二次脱水するようにしても良い。
【0034】
前記前処理脱水装置36及び前記二次脱水装置37は、実施例1と同様に、夫々遠心分離装置やベルトプレス、スクリュープレス等のろ布式脱水装置等を適宜用いることができ、特に好ましい形態としては、前記前処理脱水装置36として遠心分離装置又はベルトプレスを用い、前記二次脱水装置37としてはスクリュープレス等の圧搾方式による装置を用いる。
本実施例では、前処理脱水装置36の後段に、さらに圧搾により有機性廃水を二次脱水する二次脱水装置37を設けることにより、脱水効率をさらに向上させることが可能となる。また、前記二次脱水装置37にて処理対象となる汚泥が既に一次脱水されている脱水汚泥であるため、液状汚泥を対象とする場合よりも構造が簡易となるとともに、動力を大幅に低減することが可能である。
【実施例7】
【0035】
図7に本実施例7に係る有機性廃水処理システムを示す。
本実施例7に係るシステムは、前記実施例6の構成において、し尿前処理工程と浄化槽前処理工程を一元化した構成となっている。即ち、し尿受入槽10に貯留されたし尿40と、浄化槽汚泥受入槽20に貯留された浄化槽汚泥46とが混合して投入される一の夾雑物除去装置12を設け、該夾雑物除去装置12にて分離された夾雑物42を夾雑物脱水装置13にて脱水し、脱水分離液43は前記夾雑物除去装置12からの夾雑物分離液41とともに廃水貯留槽14に一時的に貯留される。該廃水貯留槽14に貯留されたし尿と浄化槽汚泥の混合物からなる廃水45は、圧送ポンプ15により前処理脱水装置36に供給され、前処理脱水した後に脱水汚泥をさらに二次脱水装置37により二次脱水する。また、前記夾雑物脱水装置13にて得られた脱水し渣44は、前記二次脱水装置37に供給され、前記前処理脱水装置36からの脱水汚泥とともに脱水される。
【0036】
前記前処理脱水装置36及び前記二次脱水装置37からの脱水分離液61は一旦分離液槽38に貯留された後、所定量ずつ生物学的脱窒素装置30に供給され、生物処理を施される。この生物処理液は固液分離装置31、凝集分離装置32、高度処理装置33を経て浄化された処理液57として放流される。一方、前記固液分離装置31からの固液分離汚泥54及び前記凝集分離装置32からの凝集分離汚泥56は、前記廃水貯留槽14に供給され、有機性廃水とともに処理される。
本実施例のように、し尿と浄化槽汚泥の前処理設備及び前記二次脱水装置37を一元化することによって、設備の簡素化を図ることができる。また、前記二次脱水装置37に脱水し渣を供給し、比較的粗大な繊維を多量に含み、脱水性の良い夾雑物とともに汚泥を脱水することで、汚泥の脱水性が向上し、さらに汚泥脱水に係わる薬品や動力の低減を図ることが可能となる。
【実施例8】
【0037】
図8に本実施例8に係る有機性廃水処理システムを示す。
本実施例8に係るシステムは、前記実施例7の構成において、夾雑物脱水装置13を設けずに、前記二次脱水装置37が夾雑物の脱水を兼ねるようにし、夾雑物除去装置12からの夾雑物と前記前処理脱水装置36からの脱水汚泥を混合して前記二次脱水装置37にて脱水するようにしている。
本実施例によれば、系内に存在する汚泥脱水性向上効果のある物質(夾雑物)を有効に活用することで、低含水率、高固形物回収率脱水を高効率にて実現するとともに、前記夾雑物脱水装置を前記二次脱水装置37にて共用する構成とすることによって、設備の簡素化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば、生物処理後の汚泥の脱水率を向上させることができるため、脱水汚泥の燃料化、堆肥化等の何れの場合においても有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施例1に係る有機性廃水処理システムの全体ブロック図である。
【図2】本発明の実施例2に係る有機性廃水処理システムの全体ブロック図である。
【図3】本発明の実施例3に係る有機性廃水処理システムの全体ブロック図である。
【図4】本発明の実施例4に係る有機性廃水処理システムの全体ブロック図である。
【図5】本発明の実施例5に係る有機性廃水処理システムの全体ブロック図である。
【図6】発明の実施例6に係る有機性廃水処理システムの全体ブロック図である。
【図7】発明の実施例7に係る有機性廃水処理システムの全体ブロック図である。
【図8】発明の実施例8に係る有機性廃水処理システムの全体ブロック図である。
【図9】従来の有機性廃水処理システムの全体ブロック図である。
【符号の説明】
【0040】
10 し尿受入槽
12、22 夾雑物除去装置
13、23 夾雑物脱水装置
20 浄化槽汚泥受入槽
30 生物学的脱窒素装置
31 固液分離装置
32 凝集分離装置
34 汚泥脱水装置
35 二次脱水装置
36 前処理脱水装置
37 二次脱水装置
38 分離液槽
54 固液分離汚泥
54a 返送汚泥
56 凝集分離汚泥
58 脱水汚泥
59 脱水分離液
60 繊維状物質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃水を生物処理して得られた生物処理汚泥を脱水(以下、後処理脱水という)する有機性廃水の処理方法において、
前記後処理脱水にて発生した脱水汚泥を圧搾により二次脱水することを特徴とする有機性廃水の処理方法。
【請求項2】
有機性廃水を生物処理の前段にて脱水(以下、前処理脱水という)した後に脱水分離液を生物処理する有機性廃水の処理方法において、
前記前処理脱水にて発生した脱水汚泥を圧搾により二次脱水することを特徴とする有機性廃水の処理方法。
【請求項3】
前記二次脱水にて、前記脱水汚泥とともに繊維状物質を混合して二次脱水を行うことを特徴とする請求項1若しくは2記載の有機性廃水の処理方法。
【請求項4】
前記繊維状物質が、天然由来の物質で且つ生分解性を有する物質であることを特徴とする請求項3記載の有機性廃水の処理方法。
【請求項5】
前記有機性廃水に対して夾雑物除去を含む前処理を施した後に前記生物処理する有機性廃水の処理方法であって、
前記夾雑物除去により得られた繊維状夾雑物を前記二次脱水に供給することを特徴とする請求項1若しくは2記載の有機性廃水の処理方法。
【請求項6】
溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水と、固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水を処理する請求項1若しくは2記載の有機性廃水の処理方法であって、
前記有機性廃水に対して前処理が夫々行われ、該夫々の前処理の構成として、前記溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水については少なくとも夾雑物の除去を行い、前記固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水については少なくとも前処理脱水を行う構成であり、
前記夾雑物除去にて得られた繊維状夾雑物の少なくとも一部を直接若しくは夾雑物脱水により脱水した後、前記前処理脱水にて発生した脱水汚泥とともに二次脱水に供給することを特徴とする有機性廃水の処理方法。
【請求項7】
必要に応じて夾雑物除去装置にて夾雑物除去した有機性廃水を生物処理する生物処理装置と、該生物処理装置にて発生した生物処理汚泥を後処理脱水する後処理脱水装置と、を備えた有機性廃水の処理システムにおいて、
前記後処理脱水装置にて発生した脱水汚泥を圧搾により二次脱水する二次脱水装置を設けたことを特徴とする有機性廃水の処理システム。
【請求項8】
必要に応じて夾雑物除去装置にて夾雑物除去した有機性廃水を前処理脱水する前処理脱水装置と、該前処理脱水装置にて得られた脱水分離液を生物処理する生物処理装置と、を備えた有機性廃水の処理システムにおいて、
前記前処理脱水装置にて発生した脱水汚泥を圧搾により二次脱水する二次脱水装置を設けたことを特徴とする有機性廃水の処理システム。
【請求項9】
前記二次脱水装置が、外部より繊維状物質を供給する手段を備えることを特徴とする請求項7若しくは8記載の有機性廃水の処理システム。
【請求項10】
前記繊維状物質供給手段が、天然由来の物質で且つ生分解性を有する物質を供給する手段であることを特徴とする請求項7若しくは8記載の有機性廃水の処理システム。
【請求項11】
溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水と、固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水を処理する請求項7若しくは8記載の有機性廃水の処理システムであって、
前記溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水については、少なくとも前記夾雑物除去装置を含む前処理設備が設けられ、前記固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水については、少なくとも前処理脱水装置を含む前処理設備が設けられ、前記夾雑物除去装置により得られた繊維状夾雑物を、直接若しくは夾雑物脱水装置を設けて脱水した後に前記二次脱水装置に供給するラインを設けたことを特徴とする有機性廃水の処理システム。
【請求項12】
前記夾雑物脱水装置と前記二次脱水装置が一元化された構成であることを特徴とする請求項11記載の有機性廃水の処理システム。
【請求項13】
前記溶解性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水の前処理設備と、前記固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水の前処理設備を一元化することを特徴とする請求項11記載の有機性廃水の処理システム。
【請求項14】
前記固形性の汚濁物質を多量に含む有機性廃水の少なくとも一部を、前記生物処理装置へ直接導入することを特徴とする請求項11記載の有機性廃水の処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−734(P2007−734A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−181880(P2005−181880)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】