説明

有機材料を光の損傷作用から保護するための4−シアノ−ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド誘導体および関連化合物の使用

本発明は、光の損傷作用から有機材料を保護するための式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用、光の損傷作用から保護を提供する量で式(I)の少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドと少なくとも1つの有機材料を有する組成物、および新規ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド(I)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の損傷作用から有機材料を保護するためのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用、少なくとも1つの有機材料と少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドを光の損傷作用から保護を提供する量で有する組成物ならびに新規ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドに関する。
【0002】
ヒトまたは動物の皮、ヒトまたは動物の髪、紙、食料、香料、化粧品、プラスチック、ポリマー分散液、塗料、写真乳液、写真層などのように生きている有機材料および生きていない有機材料は、大抵は光の損傷作用に対して敏感であり、特に昼光に存在する紫外線(UV)部分に対して敏感である。この損傷は、紫外線のUVA部分(すなわち、320nm〜400mnを上回る領域)、紫外線のUVB部分(すなわち、280nm〜320nmの領域)および紫外線のより短い波長部分によるものである。従って、このような損傷作用に対して効果的な保護を提供する新規物質には相当かつ継続的な要求がある。本明細書で使用される物質は、保護すべき有機材料の特定の性質、保護が必要である状況および所望の保護効果に合わせて、複雑な要求のプロフィールに益々応えなくてはならない。
【0003】
有機材料、特にプラスチックの機械的、化学的および/または審美特性は、光の作用下に損なわれ得ることが知られている。この損傷は、通常は材料の黄変、退色、ひび割れまたは脆化として表れる。したがって光安定剤の1つの重要な利用分野は、プラスチックの保護である。プラスチックコンテナおよびプラスチックフィルムは、例えばパッキング材料として広く使用されている。審美の理由から、400〜750nmの可視波長領域内での高い光透過率を特徴とするプラスチックは、パッキング材料として益々重要性を得ている。しかし、僅かな配色が有るもしくは無いシースループラスチックは、一般に昼光のUV部分には透明であるので、その結果光のもとではパッキング材料もパック製品もエイジングを被る。パックされた特定の内容物に応じて、黄変および退色のような外観の変化、味および/または匂いの変化、および/または成分の分解として内容物への不利な変化も生じ得る。食品、香水および化粧品の場合には、貯蔵安定性および保存性が大幅に減少する。したがって、パッケージするプラスチックに添加される安定剤は、光に誘発されるエージングプロセスに関して、プラスチック自体とパック製品の両方にとって十分な保護を提供しなくてはならない。プラスチックは、ガラスと組み合わせて可視波長領域内で透明であるコンポジット材料において広く使用されている。このような種類のコンポジット系は、例えば自動車および建築の艶出しにおいて使用される。このような自動車のウインドーは、自動車の内部と、その乗員を例えば紫外線から保護するために、400nm以下の波長領域内の電磁波を吸収する必要が益々ある。
【0004】
GB1003083には、4−アルコキシナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドおよびテキスタイル用の蛍光増白剤としての使用が記載されている。このテキスタイルは、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリルまたはポリビニルアルコールを含む天然または合成繊維から成っている。
【0005】
EP0682145には、テキスタイル中の日焼け防止指数を改善する方法が記載されている。その際、テキスタイル繊維は、280nm〜400nmの波長領域を吸収する少なくとも1つの蛍光増白剤を有する組成物で処理されている。多くの化合物に並んで、指定された適切な蛍光増白剤には、4位および/または5位に、C−Cアルコキシ、SOM(Mの定義にはH、Na、K、Ca、Mg、アンモニウムまたはモノ−、ジ−、トリ−またはテトラ−C−C−アルキルアンモニウムが含まれる)またはNHCO−C−Cアルキル基を有するナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドが含まれる(式により表示)。開示された特定の4−置換化合物は、4−メトキシ化合物であった。このクラスの化合物についての作用例は何もなかった。
【0006】
EP0263705には、ナフタレンテトラカルボン酸またはその誘導体の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物における光安定剤としての使用が記載されており、その際、使用できる付加的な成分にはナフタレンモノイミドが含まれている。モノイミドのイミド基は、ナフタレン環の1,8、2,3または3,4位であることができる。更に、このナフタレン環は非置換であるか、またはハロ、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、シアノ、スルホン酸またはそれらの金属塩、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアラルキルならびに場合により置換されたアルキルアラルキル から選択される6個までの更なる置換基を有していてもよい。有利には、ナフタレンモノイミドのナフタレン環は、更なる置換基を有さない。
【0007】
EP0335595には、UV吸収剤としてジイミド化合物と、所望の場合にナフタレンモノイミドを有する熱可塑性ポリエステル組成物が記載されている。モノイミドのイミド基は、ナフタレン環の1,2、1,8または2,3位に位置することができる。ナフタレン環は、更にハロ、カルボキシルまたはそれらのエステル、ヒドロキシル、−O−C(=O)CH、アミノ、ニトロ、シアノ、スルホン酸またはそれらの金属塩、場合により置換されたアルコキシ、場合により置換された脂肪族基ならびに場合により置換された芳香族基から選択される6個までの置換基を有していてもよい。
【0008】
JP1024852には、ポリアミド樹脂用の光安定剤としての置換もしくは非置換のナフタレンジカルボン酸およびナフタレンテトラカルボン酸またはそれらのエステル、イミド、無水物の使用が記載されている。ポリアミド樹脂は、食品用のパッキング材料として使用できる。
【0009】
JP-7247978には、4置換ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドと、所望の場合にアルキルナフタレンスルホネートの混合物を有する合成繊維用の光沢剤組成物が記載されている。この混合物は、4位の置換基が低級アルコキシまたは非置換のフェノキシまたはベンジルオキシ基であるナフタレンカルボン酸モノイミドおよび4位の置換基がアルキルチオ、フェニルチオまたはベンジルチオ基である化合物を有する。イミド窒素原子は、それぞれの場合に水素原子により、またはアルキルもしくはヒドロキシル基により置換されていることができる。記載されている低級アルコキシ置換および/または非置換フェノキシ置換ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの著しい欠点は、プラスチックとの低い相溶性である。
【0010】
従来技術の光安定剤は一連の欠点を有する。1つの相当な欠点は、往々にして短かすぎる保護作用の期間である。それというのも、公知の光安定剤は多くの場合に不十分なUV安定性を有するからである。その他の欠点は、多くの公知の光安定剤が可視波長領域内で明らかに認められる内色素を有することであり、その結果、これらの光安定剤で安定化したプラスチックは淡黄色の色合いを有しているように見える。更に、多くの光安定剤はUVA放射の長波部分を遮ることができない。多くの光安定剤は、この用途媒体中では低い相溶性を示す。その結果生じる光安定剤の結晶化は、ポリマーの不透明さを生じ得る。さらなる欠点は、往々にして光安定剤の乏しい合成力、それらの不適切な形成特性、それらの低い昇華耐性および/またはそれらの低い移染堅ろう度である。従って、改善された性能を有し、かつ/または作りやすい安定剤ならびに安定剤組成物の必要性がある。
【0011】
よって、本発明の課題は、プラスチック、ポリマー分散剤、塗料、写真乳液、写真層、紙、ヒトまたは動物の皮、ヒトまたは動物の髪、食品などのような有機材料を比較的に長期の間保護するためのUV吸収剤として適切な安定剤を提供することである。
【0012】
意外にも、光の損傷作用から有機材料を保護する式I
【0013】
【化1】

[式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、かつ
は、1つの炭素原子を含む少なくとも1つのπ電子系と、炭素、酸素および窒素から選択される少なくとも1つの更なる原子を有するラジカルであるが、但しラジカルは炭素以外の少なくとも1つの原子を含有する]
のナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用が見いだされた。
【0014】
従って、本発明は光の損傷作用から有機材料を保護するための式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用を提供する。
【0015】
本発明は、更に少なくとも1つの有機材料と、光の損傷作用から保護を提供する量で少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モイミドを有する組成物を提供する。
【0016】
本発明は、さらに光の損傷作用から有機材料を保護する方法を提供し、この方法は前記材料に少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドを加えることを含む。
【0017】
また、本発明は式I
【0018】
【化2】

[式中、
は、水素、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、有利にはC〜Cシクロアルキルまたはフェニルであり、最後に挙げた2個のラジカルは、それぞれ非置換であるか、または1個、2個、3個、4個または5個のC−Cアルキル基を有し、
は、シアノ、−C(O)NR5aまたは1個、2個、3個、4個または5個のC−C12アルキル基を有するフェニルオキシであり、かつ
とR5aは、それぞれ相互に独立に水素、C−C18アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールとヘテロアリールはそれぞれ非置換であるか、または有利にはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシルおよびシアノから選択される1個以上の置換基を有する]
の化合物を提供する。
【0019】
“保護”という用語は本明細書の意味する範囲内では広く解釈される。これは、一方では有機材料中での光に誘発される分解プロセスを防止および/または遅延するための、光の損傷作用に関する有機材料の安定化を含む。このために、光から保護する薬剤が有機材料に加えられる。他方で、前記の用語は、本発明の意味する範囲内では、材料の間接的な保護を更に含む。その際、光保護剤を含有する材料は、光から保護されていない背後にある有機材料の光の損傷作用を下げるように、光の作用から保護されていない他の有機材料を少なくとも部分的に取り巻いている。
【0020】
本発明を解明する目的で、“アルキル”という表現には、直鎖と分枝アルキルが含まれる。アルキルは、有利には直鎖または分枝C−C30アルキル、特にC−C20アルキル、特にC−C12アルキルである。アルキル基の例は、特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル、デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、イソ−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシルおよびn−エイコシルである。
【0021】
またアルキルには、その炭素鎖が、−O−、−S−、−NR−、−CO−および/または−SO−から選択される1個以上の隣り合わない基で中断されているアルキルも含まれる;すなわち、アルキル基の末端は炭素原子により形成される。
【0022】
上記の特徴は、アルコキシとアルキルアミノにも当てはまる。
【0023】
本発明の意味においてアルケニルは、直鎖および分枝アルケニル基を意味する。これは、鎖長に応じて、1個以上の二重結合を有することができる。これらは、有利には、C−C20アルケニル基、より有利にはC−C10アルケニル基、例えば、ビニル、アリルまたはメタリルである。“アルケニル”とは、置換アルケニル基が含まれ、これは、例えば、1,2,3,4または5個の置換基を有することができる。適切な置換基の例には、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ニトロ、シアノ、ハロ、アミノ、モノおよびジ(C−C20アルキル)アミノが含まれる。
【0024】
本発明の目的のためのシクロアルキルには、置換および非置換のシクロアルキル基、有利にはC−Cシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルおよび特にC−Cシクロアルキルが含まれる。置換されている場合には、シクロアルキル基は1個以上の、例えば、1個、2個、3個、4個または5個のC−C−アルキル基を有していてもよい。
【0025】
非置換であるか、または1個以上のC−C−アルキル基を有するC−Cシクロアルキルは、例えば、シクロペンチル、2−および3−メチルシクロペンチル、2−および3−エチルシクロペンチル、シクロヘキシル、2−、3−および4−メチルシクロヘキシル、2−、3−および4−エチルシクロヘキシル、3−および4−プロピルシクロヘキシル、3−および4−イソプロピルシクロヘキシル、3−および4−ブチルシクロヘキシル、3−および4−sec−ブチルシクロヘキシル、3−および4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、2−、3−および4−メチルシクロヘプチル、2−、3−および4−エチルシクロヘプチル、3−および4−プロピルシクロヘプチル、3−および4−イソプロピルシクロヘプチル、3−および4−ブチルシクロヘプチル、3−および4−sec−ブチルシクロヘプチル、3−および4−tert−ブチルシクロヘプチル、シクロオクチル、2−、3−、4−および5−メチルシクロオクチル、2−、3−、4−および5−エチルシクロオクチルならびに3−、4−および5−プロピルシクロオクチルである。
【0026】
本発明の目的のためのアリールには、非置換または置換の単環または多環式芳香族炭化水素ラジカルが含まれる。アリールは、有利にはフェニル、トリル、キシリル、メシチル、デュリル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニルまたはナフチル、より有利にはフェニルまたはナフチルである。これらのアリール基は、置換されている場合には一般にC−C18アルキル、C−Cアルコキシ、シアノ、CONR4a、CO、アリールアゾ、およびヘテロアリールアゾから選択される1、2、3、4または5、有利には1、2または3個の置換基を有することができる。アリールアゾとヘテロアリールアゾ自体は非置換であるか、または相互に独立にC−C18アルキル、C−Cアルコキシ、シアノから選択される1個以上のラジカルを有する。
【0027】
非置換の、または相互に独立にC−C18アルキル、C−Cアルコキシ、シアノから選択される1個以上のラジカルを有するアリールは、例えば、2−、3−および4−メチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−、3−、および4−エチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−および2,6−ジエチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、2−、3−および4−プロピルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジプロピルフェニル、2,4,6−トリプロピルフェニル、2−、3−、および4−イソプロピルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、2−、3−および4−ブチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジブチルフェニル、2,4,6−トリブチルフェニル、2−、3−、および4−イソブチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジイソブチルフェニル、2,4,6−トリイソブチルフェニル、2−、3−および4−sec−ブチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジ−sec−ブチルフェニル、2,4,6−トリ−sec−ブチルフェニル、2−、3−、および4−tert−ブチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジ−tert−ブチルフェニルおよび2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル;
2−、3−および4−メトキシフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−、3−、および4−エトキシフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジエトキシフェニル、2,4,6−トリエトキシフェニル、2−、3−および4−プロポキシフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジプロポキシフェニル、2−、3−、および4−イソプロポキシフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジ−ジイソプロポキシフェニル、2−、3−および4−イソプロポキシフェニル、2,4−、2,5−、3,5−、および2,6−ジイソプロポキシフェニル、2−、3−、および4−ブトキシフェニル;および2−、3−、および4−シアノフェニルである。
【0028】
本発明の目的のためのヘテロシクロアルキルには、一般に5〜8員環原子、有利には5員環原子または6員環原子を有する非芳香族の非置換または完全に飽和の脂環式基が含まれる。その際、1、2または3個の環炭素原子は、酸素、窒素、硫黄および基−NR−から選択されるヘテロ原子により置換され、かつ不飽和であるか、または1個以上の、例えば1個、2個、3個、4個、5個または6個のC−Cアルキル基により置換される。このようなヘテロ脂環式基の例には、ピロリジニル、ピペリジニル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、モルホリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロピラニル、1,2−オキサゾリン−5−イル、1,3−オキサゾリン−2−イルおよびジオキサニルが含まれる。
【0029】
本発明の目的のためのヘテロアリールには、置換または非置換の、ヘテロ芳香族、単環もしくは多環基、有利にはピリジル、キノリニル、アクリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、インドリル、プリニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルおよびカルバゾリルが含まれ、置換されている場合には、一般に1個、2個または3個の置換基を有することができる。置換基は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシルおよびシアノから選択される。
【0030】
窒素原子により結合しているか、かつ場合により更なるヘテロ原子を含有している5員環〜7員環のヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール基は、例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルまたはキナルジニルである。
【0031】
本発明により、基Rは、1つの炭素原子を有する少なくとも1つのπ電子系と、炭素、酸素および窒素から選択される少なくとも1つの原子を含む。本発明の範囲内では、π電子系は、局在化および非局在化π結合を有する両方を含むと解釈される。非局在化π結合を有するπ電子系には、芳香族化合物、ヘテロ芳香族化合物およびポリエンが含まれる。π電子系は、一般に多原子基の場合にだけ可能である。
【0032】
炭素原子から成るπ電子系の例は、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリール中のような1個以上のC=C二重結合を有する基ならびに、アルキニルまたはシクロアルキニル中のような少なくとも1つの炭素−炭素の三重結合を有する基である。少なくとも1つの炭素原子を有するπ電子系と、酸素および窒素から選択される少なくとも1つの更なる原子を有する基の例は、アリールオキシであり、ヘテロアリールに相応し、かつカルボニル基、例えば、ケト基またはアルデヒド基、カルボキシル基、ならびにカルボキシレート基、エステル基、アミド基、および無水物基、イミン中のようなC=N二重結合を有する基、ニトリル中のような炭素−窒素の三重結合を有する基である。Rは、相互に独立に前記の基から選択される2個以上のπ電子系を有していてもよいと解釈される。
【0033】
有利には、Rは1つだけのπ電子系を有する。π電子系は、有利にはナフタレン骨格と共役する。
【0034】
“Rは、1つの炭素原子を有する少なくとも1つのπ電子系と、炭素、酸素および窒素から選択される少なくとも1つの更なる原子を有するラジカルであるが、但しラジカルは炭素以外に少なくとも1つの原子を含有する”とは、本発明の範囲内ではRが少なくとも1つの非炭素原子、すなわち、少なくとも1つのヘテロ原子、例えば、1個または2個のヘテロ原子を有することを意味すると解釈される。ヘテロ原子は、例えば、酸素、窒素または硫黄原子であることができる。ヘテロ原子は、原則としてR内で任意の位置であってもよい。例えば、ヘテロ原子は、π電子系の部分であってもよい。π電子系は、単に炭素原子から成っていてもよいので、ヘテロ原子はR中で種々の位置になくてはならない。Rは、炭素原子により、またはヘテロ原子、例えば酸素原子によりナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド骨格に結合していてもよい。
【0035】
本発明の第一の有利な実施態様では、少なくとも1つの化合物I(Rは、その炭素鎖が、−O−、−S−、−NR−、−CO−および/または−SO−から選択される1個以上の隣り合わない基に中断されているC−C30アルキルであり、かつ/またはこれが非置換であるか、またはシアノ、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、アリール、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールから選択される同じもしくは異なるラジカルにより1回以上置換され、前記アリール、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリール基は、非置換であるか、または相互に独立にC−C18アルキルおよびC−Cアルコキシから選択される1個以上の置換基を有する;またはRは、非置換であるか、または1個以上のC−Cアルキル基を有するC−Cシクロアルキルであり;または
は、非置換であるか、または1個以上のC−Cアルキル基を有する5員環〜8員環のヘテロシクロアルキルである;または
は、アリールまたはヘテロアリールであり、このアリールまたはヘテロアリールは非置換であるか、またはC−C18アルキル、C−Cアルコキシ、シアノ、CONR4a、CO、アリールアゾ、およびヘテロアリールアゾから相互に独立に選択される1個以上のラジカルを有し、アリールアゾとヘテロアリールアゾは、非置換であるか、または相互に独立にC−C18アルキル、C−Cアルコキシ、シアノから選択される1個以上のラジカルを有し、かつ
は、水素またはC−Cアルキルであり;かつ
とR4aは、それぞれ独立に水素、C−C18アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、アリールとヘテロアリールは、それぞれの場合に非置換であるか、またはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシルおよびシアノから選択される1個以上の置換基を有する)の使用に関する。
【0036】
化合物Iについて挙げられる有利なものは、RがC−C12アルキル、C−Cシクロアルキルまたはフェニルであり、最後に挙げた二個のラジカルが、それぞれ非置換であるか、または1個、2個、3個、4個または5個のC−Cアルキル基を有するものである。特に有利な化合物Iは、RがC−C12アルキルまたはC−Cシクロアルキル、特に非置換であるか、またはC−Cアルキル基を有するシクロヘキシルであるか、またはRが非置換であるか、または1個、2個または3個のC−Cアルキル基を有するフェニルであるものである。フェニルが2個または3個のC−Cアルキル基を有する場合には、これらのうち2個は有利に2位と6位に結合する。
【0037】
が少なくとも1つのヘテロシクロアルキル置換基または1つのヘテロアリール置換基を有するアルキル基である場合には、問題のラジカルは、有利には窒素原子を介してアルキル基に結合する5〜7員のヘテロシクロアルキルであるか、または窒素原子を介してアルキルラジカルに結合する5〜7員のヘテロアリールである。
【0038】
は、例えば、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、フェニル、2,6−ジイソプロピルフェニルまたは2,4,6−トリメチルフェニルである。
【0039】
化合物Iの特徴的な機構は、少なくとも1つのπ電子系と少なくとも1つのヘテロ原子を有するラジカルRである。π電子系は、1個以上の、例えば、1個または2個のヘテロ原子を含有していてもよい。本発明の有利な実施態様では、π原子系は、少なくとも1つの窒素および/または酸素ヘテロ原子を有する。この場合には、ラジカルRは、有利にπ電子系の炭素原子を介してナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド骨格に結合する。化合物Iを特徴付けるRは、特にシアノまたは−C(O)NR5aである(RとR5aは、上記に定義してある)。有利なRとR5aは、それぞれ相互に独立に水素またはC−C18アルキルであり、特にそれぞれ水素である。
【0040】
がシアノである化合物Iを時には以後、化合物I−Aと称する。Rが−C(O)NR5a(RとR5aは、上記に定義してある)である化合物Iを時には以後、化合物I−Bと称する。
【0041】
本発明の有利な実施態様では、π電子系はヘテロ原子を介してナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド骨格に結合する。特に適切なヘテロ原子は酸素である。この場合に、ラジカルRは1個、2個、3個、4個または5個の置換基を有するフェノキシである。フェノキシラジカルの置換基は、有利にはC−C12アルキル、C−C12アルコキシ、−COOR、−SO、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、−CONR5aおよび−NHCOR(式中、R、R5aおよびR、は、上記に定義してある)から選択される。特に有利なアルキル置換基は、C−C10アルキルラジカル、特にC−C10アルキルラジカルである。特にフェニル環上の置換基は、炭素原子だけを含有する置換基から選択されるので、ラジカルRは、1個だけのヘテロ原子を含有する。更に、本発明の特に有利な実施態様では、フェノキシ基は4位にC−C10アルキル基、特にC−C10アルキル基、例えば、イソプロピル、1,1−ジメチルプロピル(tert−ペンチル)または1,1,3,3−テトラメチルブチル(tert−オクチル)を有する。
が置換フェノキシである化合物Iは、時には以後、化合物I−Cと称する。
【0042】
ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIの中で特に有利なものは、RとRの組合せが以下のものである:
は、C−C12アルキル、特にC−C10アルキル、非置換であるかまたはC−Cアルキル基を有するC−Cシクロアルキル、特に非置換であるかまたはC−Cアルキル基を有するシクロヘキシル、または非置換であるかまたは1個、2個または3個のC−Cアルキル基を有するフェニル、および
は、シアノ、−C(O)NHまたはC−C10アルキル基、有利にはC−C10アルキル基を有するフェニルオキシである。
【0043】
適切なナフタレン−1,8―ジカルボン酸モノイミドIの例には、4−シアノ−N−(シクロヘキシル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、4−シアノ−N−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)−ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、4−シアノ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、4−シアノ−N−(フェニル)−ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、4−シアノ−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、4−アミノカルボニル−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−(4−tert−オクチルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−(4−イソプロピルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−(4−tert−ペンチルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、N−(フェニル)−4−(4−tert−オクチルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、N−(フェニル)−4−(4−イソプロピルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、N−(フェニル)−4−(4−tert−ペンチルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、N−(2−エチルヘキシル)−4−(4−tert−オクチルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、N−(2−エチルヘキシル)−4−(4−イソプロピルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド、N−(2−エチルヘキシル)−4−(4−tert−ペンチルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミドおよびN−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4−(4−tert−オクチルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミドである。
【0044】
式I−A
【0045】
【化3】

[式中、Rは、上記の適切かつ有利な定義を有する]
の化合物は、スキーム1に従って、例えば、4−ハロナフタレン−1,8−ジカルボキシミドIIとシアン化銅(I)を反応させることにより製造できる。
【0046】
【化4】

【0047】
スキーム1中、Halはハロゲン、例えば、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素、特に臭素またはヨウ素である。Rは、上記に定義した通りである。Rは、有利にはC−C12アルキル、C−Cシクロアルキルまたはフェニルであり、最後に挙げた2個のラジカルは、それぞれ非置換であるか、または1個、2個、3個、4個または5個のC−Cアルキル基を有する。
【0048】
反応は、窒素を含有し、かつ反応条件下で不活性である有機溶剤中で通常行われる。窒素を含有する適切な有機溶剤の例には、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジンまたは4−メチルピリジン、キノリンまたはイソキノリンのような芳香族窒素ヘテロ環、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセタミドのようなN,N−ジアルキルカルボキサミドならびにN−メチルピロリドンのようなN−アルキルラクタムが含まれる。
【0049】
反応は、一般に室温と溶剤の沸点との間の温度で、有利には40℃と溶剤の沸点の間の温度で、特に溶剤の沸点で行われる。
【0050】
化合物IIとシアン化銅(I)は、通常ほぼ当量で用いられる。しかし、2個の反応体のうち1つを過剰に使用するのも有利である。有利な実施態様では、シアン化銅(I)が化合物(II)に対して過剰に使用される。
【0051】
反応を金属ヨウ化物、有利には遷移金属ヨウ化物、特にヨウ化銅(I)の存在で行うのも有利である。
【0052】
反応混合物は、一般に水で希釈することにより後処理され、かつ生成物は濾過により単離される。適切な場合には、生成物を通常の方法、例えば結晶化またはクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0053】
生成物から銅塩、特に銅塩(I)を除去するために、水溶液中にて過酸化水素もしくは鉄塩(III)で酸化することにより塩を銅塩(II)に変換し、次に水と混合可能な有機溶剤で抽出することにより生成物を単離することが有利である。更に、銅塩をアンモニア、有機モノアミンまたはジアミンおよび溶解性シアン化物塩のような錯化剤の水溶液で処理することにより除去できる。二者択一的な選択では、有機溶剤、例えばジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンのような塩化炭化水素またはアセトンのようなケトンで抽出し、例えばソックスレー抽出器を用いて粗生成物から生成物を抽出する。
【0054】
4−ハロナフタレン−1,8−ジカルボキシミドIIは、スキーム2に記載されている反応シーケンスに従って、4−ハロナフタレン−1,8−ジカルボン酸無水物IIIを第一アミンIVと反応させることにより製造できる。
【0055】
【化5】

【0056】
スキーム2では、Halはフッ素、臭素、塩素またはヨウ素、特に臭素またはヨウ素のようなハロゲンであり、かつRは、上記に定義してある。
【0057】
スキーム2による反応は、所望する場合は触媒の存在で行われる。適切な触媒の例は、塩の形の金属イオンのようなルイス酸であり、一例ではあるが亜鉛アセテート(II)、有機カルボン酸またはスルホン酸のようなブレンステッド酸、例としては、酢酸、アジピン酸およびp−トルエンスルホン酸、または硫酸のような鉱酸、第三アミン、一例ではあるがトリエチルアミンのようなブレンステッド塩基、またはブレンステッド塩基とブレンステッド酸の混合物である。
【0058】
反応は反応条件下で不活性である通常有機溶剤中で実施される。適切な不活性有機溶剤の例には、窒素を含有する溶剤、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、キノリンまたはイソキノリンのような芳香族窒素ヘテロ環、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドのようなN,N−ジアルキルカルボキサミド、N−メチルピロリドンのようなN−アルキルラクタム、またはトルエンもしくはキシレンのような芳香族溶剤である。
【0059】
反応は、一般に室温と溶剤の沸点の間の温度で、有利には高温で、特に溶剤の沸点で行われる。
【0060】
化合物IIIとアミンIVをほぼ当量で用いる。しかし、2個の反応体のうち1つを過剰に使用するのも有利である。
【0061】
反応の間に形成された水を、例えば水分離器を用いて反応混合物から除去するのが有利である。
【0062】
反応混合物は、それを冷却し、適切な場合にはそれを水で希釈し、かつ濾過により生成物を単離することにより後処理される。所望の場合には、生成物を慣用の方法で、例えば結晶化またはクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0063】
4−ハロナフタレン−1,8−ジカルボン酸無水物IIIは文献から公知であるか、または公知の方法により製造できる。ブロモ誘導体については、例えば、Graebe, Guinsbourg, Justus Liebigs Ann, Chem. 1903, 327, 86またはRule, Thompson, J. Chem. Soc, 1937, 1764を参照のこと。クロロ誘導体については、例えば、Xuhong, Shengwu, J. Chem. Eng. Data 1988, 33, 528-529を参照のこと。
【0064】
化合物I−B
【0065】
【化6】

[式中、
は、上記のように定義した通りであり、
とR5aは、それぞれ相互に独立に水素、C−C18アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、アリールとヘテロアリールはそれぞれの場合に非置換であるか、またはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシルおよびシアノから選択される1個以上の置換基を有する]
は、例えば、4−シアノナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI-Aを加水分解することにより製造できる。RとR5aが水素以外のラジカルである場合には、加水分解は4−アミノカルボニル化合物I−Bのアルキル化の後に行う。
【0066】
加水分解は、大気圧または過圧下に行うことができる。加水分解は、過圧下、高温および/または触媒の添加により加速させることができる。有利な実施態様では、加水分解は触媒の存在で行われる。適切な触媒は、酸化鉄のような遷移金属酸化物、硫酸またはリン酸のような濃硝酸、または塩基溶液中の過酸化水素である。濃酸が触媒として使用される場合には、これは同時に溶剤として作用してもよい。触媒として硫酸を使用するのも好ましい。
【0067】
加水分解は、通常室温と混合物の沸点の間の温度、例えば、50〜90℃の温度で行われる。
【0068】
式I-B(式中、Rおよび/またはR5aは水素以外である)の化合物は、例えば、初めに化合物I-B(式中、Rおよび/またはR5aは水素である)を
(a)アルキル化剤R−L (V)
(式中、Rは上記に定義した通りであり、Lは求核性により置換可能な脱離基である)
と反応させ、引き続き所望の場合に工程a)で得られたモノアルキル化反応生成物を
(b)アルキル化剤R5a−L (VI)
(式中、R5aは上記に定義した通りであり、Lは求核性により置換可能な脱離基である)と反応させることにより得られる。
【0069】
適切な求核性により置換可能な脱離基Lの例は、ハロゲン化物、有利には、塩化物、臭化物またはヨウ化物、スルフェート、C−C18アルキルスルホニルオキシ、C−C18ハロアルキルスルホニルオキシ、C−C18アルコキシスルホニルオキシ、またはフェニルスルホニルオキシであり、その際、フェニルラジカルは、非置換であるか、またはハロ、ニトロまたはC−Cアルキル、例えばフェニルスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、p−クロロフェニルスルホニルオキシ、p−ブロモフェニルスルホニルオキシまたはp−ニトロフェニルスルホニルオキシにより1回以上置換される。
【0070】
アルキル化は、通常塩基の存在で行われる。適切な塩基には、原則としてアミド窒素原子を脱プロトン化できる化合物が含まれる。適切な塩基の例には、リチウムカーボネート、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネートおよびセシウムカーボネートのようなアルカリ金属とアルカリ土類金属カーボネート、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムのようなアルカリ金属とアルカリ土類金属水酸化物が含まれる。
【0071】
塩基は化合物I-Bに対して、亜当量、過当量または当量で使用できる。化合物I-Bに対して、少なくとも当量の塩基を使用するのが有利である。
【0072】
化合物I-B(RとR5a=アルカリ剤(V)との水素)の反応は、有利には溶剤の存在で行われる。これらの反応に使用される溶剤は、温度領域によるが、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレンのような脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素、ジクロロメタンおよびクロロベンゼンのような塩素化脂肪族および芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテルおよびメチルtert−ブチルエーテルのような開鎖ジアルキルエーテル、テトラヒドロフランおよび1,4−ジオキサンのような環式エーテルおよびジメチルグリコールエーテルのようなグリコールエーテルならびにこれらの溶剤の混合物である。
【0073】
反応媒体中での溶解度が乏しい無機塩基を特に使用する場合には、相間移動触媒の存在で反応を行うのが有利である。これに関連する適切な相間移動触媒の例には、第四アンモニウム塩またはホスホニウム塩が含まれる。適切な第四アンモニウム塩には、テトラ(C−C18アルキル)アンモニウムクロリド、ブロミド、フルオリドおよびテトラフルオロボレート、例えば、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージドおよびテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ベンジルトリ(C−C18アルキル)アンモニウムクロリド、ブロミド、フルオリド、例としては、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドが含まれる。適切なホスホニウム塩は、テトラ(C−C18アルキル)ホスホニウムクロリドまたはブロミド、例えば、テトラブチルホスホニウムブロミドまたはテトラフェニルホスホニウムクロリドまたはブロミドである。更に適切な相間移動触媒は、クラウンエーテルであり、例として18−クラウン−6である。
【0074】
適切な温度は、一般に室温と溶剤の沸点の間に位置する。
【0075】
とR5aが水素ではない化合物を製造するための、化合物I-B(Rはアルキル化剤VIとの水素ではない)の反応は、Rが水素ではない化合物I-Bを製造するための上記プロセスと同様に行われる。適切な塩基、溶剤および反応温度に関しては、上記の補足説明を参照のこと。
【0076】
式I-Cの化合物
【0077】
【化7】

[式中、
は、上記の定義の通りであり、
Rは、同じまたは異なるC−C12アルキル基を表し、かつ
nは、1、2、3、4または5である]
は、スキーム3に示されている反応シーケンスに従って、例えば化合物IIとフェノールVIIを反応させることにより得られる。
【0078】
【化8】

【0079】
スキーム3で、Halはハロゲン、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、有利にはフッ素または塩素である。R、nおよびRは、上記に挙げた定義、好ましくは有利な定義を有する。
【0080】
化合物IIと化合物VIIとの反応は、有利には塩基の存在で行われる。適切な無機塩基の例は、リチウムカーボネート、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネートおよびセシウムカーボネートのようなアルカリ金属とアルカリ土類金属カーボネート、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムまたは炭酸水素セシウムのようなアルカリ金属とアルカリ土類金属炭酸水素塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムのようなアルカリ金属とアルカリ土類金属水酸化物、ならびに水素化ナトリウムおよび水素化カリウムのようなアルカリ金属とアルカリ土類金属水素化物である。適切な有機塩基の例には、トリアルキルアミン、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、N−エチルジイソプロピルアミンのような第三アミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンのような脂環式アミン、N−メチルピロリジン、N−エチルピペリジン、ジアザビシクロウンデセンおよびジアザビシクロオクテンのような環式アミンならびにピリジン、α−、β−またはγ−ピコリン、2,4−および2,6−ルチジン、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、p−ジメチルアミノピリジン、ピリミジンおよびそのような芳香族窒素ヘテロ環が含まれる。
【0081】
反応媒体中でのその溶解度が乏しい塩の場合には、反応の相間移動触媒の存在で行うのが有利である。この場合に適切な相間移動触媒の例には、第四アンモニウム塩またはホスホニウム塩が含まれる。適切な第四アンモニウム塩には、テトラ(C−C18アルキル)アンモニウムクロリド、ブロミド、フルオリドおよびテトラフルオロボレート、例えば、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージドおよびテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ベンジルトリ(C−C18アルキル)アンモニウムクロリド、ブロミド、フルオリド、例としては、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドが含まれる。適切なホスホニウム塩は、テトラ(C−C18アルキル)ホスホニウムクロリドまたはブロミド、例えば、テトラブチルホスホニウムブロミドまたはテトラフェニルホスホニウムクロリドまたはブロミドである。更に適切な相間移動触媒は、クラウンエーテルであり、例として18−クラウン−6である。
【0082】
反応は、通常有機溶剤の存在で行われる。適切な有機溶剤の例は含窒素溶剤であり、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジンまたは4−メチルピリジン、イソキノリンまたはキノリンのような芳香族窒素ヘテロ環、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセタミドのようなN,N−ジアルキルカルボキサミド、N−メチルピロリドンのようなN−アルキルラクタムならびにキシレンまたはトルエンのような芳香族溶剤である。
【0083】
反応は、一般に室温と溶剤の沸点との間の温度で、有利には高温、特に溶剤の沸点で行われる。
【0084】
化合物IIとフェノールVIIは、通常ほぼ当量で用いられる。しかし、2個の反応体のうち1つを過剰に使用するのも有利である。
【0085】
反応混合物は、これを冷却し、適切な場合には水または低級アルコールで希釈し、かつ、生成物を濾過により単離することにより一般に後処理される。適切な場合には、生成物を通常の方法、例えば結晶化またはクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0086】
式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、400nmを下回る、特に390nmを下回る波長領域内を吸収することができる。340nmと380nmの間の波長を有する電磁放射線に関しての安定化材料の透過率は、10%を上回らないのが有利である。
【0087】
本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIは、有機材料を保護するために適切である。本発明の目的用の有機材料には、生きた有機材料と生きていない有機材料の両方が含まれる。保護とは、保護すべき材料を少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8―ジカルボン酸モノイミドと混合することにより得られる安定化と、少なくとも部分的に保護材料で直接に包まれている材料(たとえば、パッケージングの形)の保護の両方の意味がある。生きている有機材料の一例は、皮であり、生きていない有機材料の一例は髪である。生きていない有機材料の例には、例えば、食料、洗浄製品、香料、テキスタイル、紙、家具、カーペット、電気ハウジングのようなプラスチック成形品、軟膏、クリーム、ジェル、エマルション、ローションのような化粧品調製物、ドロップ剤、乳化剤、液剤、丸剤、錠剤および座薬のような薬剤調製物、塗料、写真乳剤、写真層ならびに特にプラスチックおよびポリマー分散液が含まれる。
【0088】
本発明の有利な実施態様は、生きていない有機材料を保護するための、少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用に関する。
【0089】
ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIは、特にプラスチックを保護するために使用される。本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIは、それ自体がプラスチックと極めて相溶性であるので、ポリマーの光学特性は影響されない。更に、本発明により使用される多くのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIは、弱い蛍光を示すので、プラスチックに少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIを添加することは、プラスチックの固有の黄変をマスキングまたは減少することができる。有利なプラスチックは、可視波長領域内において未着色状態で透明なであるものである。これらには、ホモポリマーおよびコポリマーだけではなく、ポリマーの物理的ブレンド(ポリマー混合物)も含まれる。本発明の目的のコポリマーは、2つ以上の種々のモノマーの(ジョイント)重合により形成されるコポリマーである。ポリエステルのようなポリマーは、それらの製造および/または加工に応じてエステル交換生成物を含めてもよい。製造および/または加工に関しては、コポリマーの場合には、グラフティングまたはグラフト移行操作を行うこともできる。
【0090】
本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIは、プラスチックを露光から保護し、かつ透明なプラスチックの場合には、光の損傷作用から直接に保護されたプラスチックにより少なくとも部分的に包まれた、生きているおよび/または生きていない有機材料を保護する。
【0091】
本発明の1実施態様は、パッキング材料として使用されるプラスチックにおけるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIの使用に関する。
【0092】
プラスチックは、有利にはポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマー、ポリウレタン、ポリビニルアセタール、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートならびに前記ポリマーの物理的ブレンドから選択される少なくとも1つのポリマーを有する。
【0093】
加工して高度に透明な無色明澄のパックまたはパッケージング材料にすることができるポリマーおよびポリマー混合物(ポリマーブレンド)が有利に挙げられる。
【0094】
本発明の有利な実施態様では、ポリビニルアセタールはポリビニルブチラールである。本発明の他の有利な実施態様では、熱可塑性成形コンパウンドは、ポリカーボネート、ポリカーボネートコポリマー、およびポリカーボネートとアクリロニトロリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−スチレン−アクリレートコポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ(ブチレンテレフタレート)ならびにポリエチレンテレフタレートをベースとする物理的ブレンドから選択される少なくとも1つのポリカーボネートポリマーを有する。本発明の更に有利な実施態様では、ポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。本発明の他の有利な実施態様では、ポリオレフィンは高密度ポリエチレンまたはポリプロピレンである。本発明の他の有利な実施態様では、スチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマーは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーまたはスチレン−アクリロニトリルコポリマーである。
【0095】
本発明の有利な実施態様では、プラスチックはポリマーとして少なくとも1つのポリエステル、有利には少なくとも1つの線状ポリエステルを有する。適切なポリエステルとコポリエステルは、EP-A-0678376、EP-A-0595413およびUS6096854に記載されており、ここに参照して引用する。公知のように、ポリエステルは1個以上のポリオールと1個以上のポリカルボン酸の縮合生成物である。線状ポリエステルでは、ポリオールはジオールであり、かつポリカルボン酸はジカルボン酸である。ジオール成分は、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノールおよび1,3−シクロヘキサンジメタノールから選択されていてもよい。アルキレン鎖が隣り合わない酸素原子により1回以上中断されているジオールも適切である。このようなジオールには、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールならびにそのようなものが含まれる。一般に、ジオールは2〜18個の炭素原子、有利には2〜8個の炭素原子を含有する。脂環式ジオールは、そのシスまたはトランス異性体の形で、または異性体混合物として使用できる。酸成分は、脂肪族、脂環式または芳香族ジカルボン酸であることができる。線状ポリエステルの酸成分は、一般にテレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、スクシン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸ならびにこれらの混合物から選択される。エステル、例えばメチルエステル、無水物またはハロゲン化物、有利には塩化物のような酸成分の官能性誘導体を使用することもできる。有利なポリエステルは、それぞれテレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸と脂肪族ジオールとの縮合により得られるポリアルキレンテレフタレートおよびポリアルキレンナフタレートである。
【0096】
特に有利なポリアルキレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、これはテレフタル酸とジエチレングリコールとの縮合により得られる。PETは、ジメチルテレフタレートをエチレングリコールでエステル交換反応し、メタノールを除いて、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを形成し、かつ生成物を重縮合してエチレングリコールを外すことによっても得られる。更に有利なポリエステルは、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールの縮合により得られるポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ならびにポリエチレンテレフタレートとシクロヘキサンジメタノール(PDCT)のコポリエステル、およびポリブチレンテレフタレートとシクロヘキサンジメタノール(PDCT)のコポリエステルである。同様に、前記ポリアルキレンテレフタレートのコポリマー、エステル交換生成物ならびに物理的混合物(ブレンド)が挙げられる。特に適切な熱可塑性成形コンパウンドは、テレフタル酸の重縮合物および共重縮合物、例えば、ポリ−またはコポリエチレンテレフタレート(PETまたはCoPETまたはPETG)、ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)(PEN)またはPEN/PETコポリマーおよびPEN/PETブレンドから選択される。該コポリマーおよびブレンドは、その製造プロセスに応じて、エステル交換生成物の部分を含んでいてもよい。
【0097】
本発明の更に有利な実施態様では、プラスチックはポリマーとしてポリカーボネートを有する。ポリカーボネートは、例えば、ジフェニルカーボネートまたはジメチルカーボネートとジヒドロキシ化合物のように、ホスゲンまたはカーボン酸エステルの縮合により形成される。適切なジヒドロキシ化合物は、脂肪族または芳香族ジヒドロキシ化合物である。芳香族ジヒドロキシ化合物の例には、ビスフェノール、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、テトラアルキルビスフェノールA、4,4−(メタフェニレンジイソプロピル)ジフェノール(ビスフェノールM)、4,4−(パラ−フェニレンジイソプロピル)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BP-TMC)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)ならびに適切場合には、これらの混合物が含まれる。ポリカーボネートは、少量の分枝剤を使用することにより分枝してもよい。適切な分枝剤には、フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタ−2−エン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン;1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン;1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−エタン;トリ(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル]プロパン;2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノール;2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5'−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン;ヘキサ(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェニル)オルトテレフタレート;テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン;テトラ(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノキシ)メタン;α,α',α''−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;2,4−ジヒドロキシ安息香酸;トリメシン酸;塩化シアヌール:3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール、1,4−ビス(4',4''−ジヒドロキシトリフェニル)メチル)ベンゼン、特に、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンおよびビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールが含まれる。
【0098】
連鎖停止反応に関しては、例えばフェノールのようなフェノール類、クレゾール、4−tert−ブチルフェノールのようなアルキルフェノールならびにクロロフェノール、ブロモフェノール、クミルフェノールまたはこれらの混合物が適切である。連鎖停止剤の割合は、一般にジヒドロキシ化合物1mol当たり1〜20mol%である。
【0099】
本発明の他の適切な実施態様では、プラスチックはα,β−不飽和酸から由来するポリマーおよびこれらの誘導体、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびポリエチルメタクリレートのようなポリ(メタ)アクリレートを有する。
【0100】
本発明の更に適切な実施態様では、プラスチックは、ポリマーとしてポリスチレン(PS)のようなビニル芳香族ホモポリマーまたはコポリマー、またはスチレン−ブタジエン、スチレン−アクリロニトリル(SAN)、スチレン−エチルメタクリレート、スチレン−ブタジエン−エチルアクリレート、スチレン−アクリロニトリル−メタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)またはメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)のようなスチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体のコポリマーを有する。
【0101】
本発明の更に適切な実施態様では、プラスチックは、ポリビニルアセテート(PVAC)およびポリビニルアルコール(PVAL)のように不飽和アルコールとアミンから誘導されるか、またはそれらのアクリル誘導体またはアセテートから誘導されるポリマーを有する。ポリビニルアルコールとアルデヒドの反応は、ポリビニルアセタールを形成する:例えば、ホルムアルデヒドとの反応におけるポリビニルホルマール(PVFM)、またはブチルアルデヒドとの反応におけるポリビニルブチラール(PVB)。
【0102】
合わせガラスでは、2枚以上のガラスのシートをポリビニルブチラールフィルムにより接着させて一緒に結合する。ポリビニルブチラール成形コンパウンドは、一般に7000以上、有利には約100000〜250000の平均分子質量を有する。ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールとして計算して一般に19.5質量%未満、有利には約17〜19質量%の残差ヒドロキシル基含量を有し、ポリビニルエステルとして計算して0〜10質量%、有利には0〜3質量%の残差エステル基含量を有する。例示的なPVBは、ミズーリー州セントルイス、Solutia, Inc社のButvar(R)の商品名で市販されている。可視波長領域内の光で透明である限りは、どのガラスも適切である。このようなガラスには、通常のソーダ石灰ガラス、IR反射被覆ガラスまたはIR吸収ガラスが含まれる(例えば、US 3944352とUS3652303参照のこと)。合わせガラスの構成に関しては、WO02/077081の全体、特に28〜32頁をここに参照して取り入れることとする。
【0103】
本発明の目的に関しては、“ポリオレフィン”という用語には、更なる官能性を有さないオレフィンから合成される全てのポリマーが含まれる。その例は、低比重または高比重ポリエチレン、ポリプロピレン、線状ポリブテ−1−エンまたはポリイソブチレンまたはポリブタジエン、ならびにモノオレフィンまたはジオレフィンのコポリマーである。有利なポリオレフィンは、エチレンのホモポリマーおよびコポリマーならびにプロピレンのホモポリマーおよびコポリマーである。
【0104】
エチレンポリマー:
適切なポリエチレン(PE)ホモポリマーは、例えば次のものである:
− PE-LD(LD=低比重)、例えば、高圧法(ICI)により1000〜3000バールおよび150〜300℃で、酸素または過酸化水素触媒を用いて、オートクレーブまたは管状反応器中で得られる。種々の長さの分枝を有する高分枝、結晶度40〜50%、密度0.915〜0.935g/cm、600000g/molまでの平均分子質量を有する。
− PE-LLD(LLD=線状低比重)、低圧法において金属錯体触媒を用いてガラス相から溶液(例えば、ミネラルスピリット)から懸濁液中で得られるか、または変性高圧法を用いて得られる。それ自体が非分枝である側鎖を有する僅かな分枝があり、PE-LDよりもモル質量が高い。
− PE-HD(HD=高比重)、中圧(Phillips)および低圧(Ziegler)法により得られる。Phillipsによれば、30〜40バール、85〜180℃で、約50000g/molのモル質量の酸化クロム触媒を用いる。Zieglerによれば、1〜50バール、20〜150℃で、約200000〜400000g/molのチタンハロゲン化物、チタンエステルまたはアルミニウムアルキル触媒を用いる。懸濁液、溶液、ガス相またはバルク中で行う。極めて僅かな分枝があり、結晶度60〜80%、密度0.942〜0.965g/cmである。
【0105】
− PE-HD-HMW(HMW=高分子量)、Ziegler、 Phillipsまたはガス相法により得られる。高比重かつ高モル質量。
【0106】
− PE-HD-UHMW(UHMW=超高分子量)、変法Ziegler触媒を用いて得られるモル分子量3000000〜6000000g/mol。
【0107】
触媒(通常担持されている)、例えば、Lupolen(R)(Basell)を用いてガラス相流動床法で製造されるポリエチレンが特に適切である。
【0108】
メタロセン触媒を用いて製造されるポリエチレンが特に有利である。この種類のポリエチレンは、例えばLuflexen(R)(Basell)として市販されている。
【0109】
適切なエチレンコポリマーには全ての市販のエチレンコポリマーが含まれ、その例は、Luflexen(R) grades(Basell)、Nordel(R)およびEngage(R)(Dow, DuPont)である。
【0110】
適切なコモノマーの例には、3〜10個の炭素原子を有するα−オレフィン、特にプロピレン、ブテ−1−エン、ヘキセ−1−エンおよびオクテ−1−エンならびにアルキル基中に1〜20個の炭素原子を有するアルキルアクリレートおよびメタクリレート、特にブチルアクリレートが含まれる。更に適切なコモノマーは、例えばブタジエン、イソプレンおよびオクタジエンのようなジエンである。その他の適切なコモノマーは、シクロペンテン、ノルボルネンおよびジシクロペンタジエンのようなシクロオレフィンである。
【0111】
エチレンコポリマーは、通常ランダムコポリマーまたはブロックまたはインパクトコポリマーである。エチレンの適切なブロックコポリマーまたはインパクトコポリマーおよびコモノマーは、例えば、第一段階で例えば、15質量%までのエチレンを含有するコモノマーのホモポリマーまたはコモノマーのランダムコポリマーが製造され、次に第二段階で15〜80質量%のエチレン含有量を有するコモノマーのエチレンコポリマーが重合されるポリマーである。通常は、第二段階で製造されるコポリマーにとって十分なコモノマーのエチレンコポリマーが重合されて、最終生成物中で3〜60質量%の割合を有するようになる。
【0112】
エチレン−コモノマーコポリマーを製造するための重合は、チーグラーナッタ触媒系により行うことができる。しかし、メタロセン化合物をベースとするか、または重合活性金属錯体をベースとする触媒系を使用することもできる。
【0113】
プロピレンポリマー:
ポリプロピレンは、以後プロピレンのホモポリマーとコポリマーの両方を意味すると解釈するのがよい。プロピレンのコポリマーは、プロピレンと共重合可能な少量のモノマーを含有する。例としては、エチレン、ブテ−1−エン、ペンテ−1−エンのようなC−Cアルケ−1−エンである。2種以上の種々のコモノマーを使用することもできる。
【0114】
適切なポリプロピレンには、プロピレンのホモポリマーまたは8個までの炭素原子を有する共重合した他のアルケ−1−エンを50質量%まで有するプロピレンのコポリマーが含まれる。プロピレンのコポリマーは、この場合にランダムコポリマーまたはブロックもしくはインパクトコポリマーである。プロピレンのコポリマーがランダム構造である場合には、これらは8個までの炭素原子を有する他のアルケ−1−エン、特にエチレン、ブテ−1−エンまたはエチレンとブテ−1−エンの混合物を15質量%まで、有利には6質量%まで含有する。
【0115】
プロピレンの適切なブロックコポリマーまたはインパクトコポリマーは、例えば、第一段階で8個までの炭素原子を有する他のアルケ−1−エンを15質量%まで、有利には6質量%まで有するプロピレンホモポリマーまたはプロピレンのランダムコポリマーを製造し、次に第二段階で15〜80質量%のエチレン含有量を有するプロピレン−エチレン−コポリマーを重合する。プロピレン−エチレンコポリマーは、更に他のC〜Cアルケ−1−エンを含有することができる。通常は、十分なプロピレン−エチレンコポリマーを重合し、第二段階で製造されるコポリマーが最終生成物中に3〜60質量%の割合を有するようにする。
【0116】
ポリプロピレンを製造するための重合は、チーグラーナッタ触媒系により行うことができる。チタンを含有している固体成分a)の他に、有機アルミニウム化合物b)と電子供与体化合物c)の形の共触媒を含有する。
【0117】
しかし、メタロセン化合物または重合活性金属錯体をベースとする触媒系を使用することもできる。
【0118】
ポリプロピレンの製造は、通常ガス相、懸濁液または液相(バルク相)中の少なくとも1つの反応区域、または大抵は連続して結合している2個以上の反応区域(反応器カスケード)で重合することにより実施される。使用される反応器は、C〜C−アルケ−1−エンを重合するために使用される通常の反応器であることができる。適切な反応器には、連続撹拌タンク、ループ反応器、粉体層反応器または流動床反応器が含まれる。
【0119】
使用されるポリプロピレンを製造するための重合は、40〜120℃、特に50〜100℃の温度で、かつ10〜100バール、特に20〜50バールの圧力で通常の反応条件で行われる。
【0120】
適切なポリプロピレンはISO1133に倣って、230℃および2.16kgの重りの下で0.1〜200g/10分、特に0.2〜100g/10分のメルトフローインデックス(MFR)を有する。
【0121】
本発明の他の実施態様では、プラスチックは少なくとも1つのポリオレフィンを有する。有利なポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、ブテ−1−エン、イソブチレン、4−メチル−1−ペンテン、ブタジエン、イソプレンならびにこれらの混合物から選択される少なくとも1つの共重合モノマーを含有する。記載したオレフィンモノマーのホモポリマー、コポリマーおよび該オレフィンの少なくとも1つのコポリマーを主モノマーとし、他のモノマー(例えばビニル芳香族)をコモノマーとして有するのが適切である。
【0122】
有利なポリオレフィンは、低比重ポリエチレンホモポリマー(PE-LD)とポリプロピレンホモポリマーならびにポリプロピレンコポリマーである。有利なポリプロピレンは、例えば、二軸延伸のポリプロピレン(BOPP)および結晶化ポリプロピレンである。
【0123】
本発明の他の実施態様では、プラスチックはポリマーとして少なくとも1つのポリウレタンを有する。一般に、ポリウレタンは少なくとも1つのジイソシアネートと少なくとも1つのジオール成分の付加生成物であり、これは例えば多官能価のイソシアネート、トリイソシアネート、および多官能価のポリオールを含有していてもよい。適切なイソシアネートは、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)およびこれらの異性体混合物、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)およびジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート(MDI)のような芳香族ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート(H12MDI)、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD)、トリメチレンヘキサメチレンジイソシアネートならびにこれらの混合物のような脂肪族ジイソシアネートである。有利なジイソシアネートには、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)およびイソホロンジイソシアネートが含まれる。ポリウレタンを製造するために適切なのは、トリイソシアネート、例えば、トリフェニルメタン4,4',4''−トリイソシアネートおよびシアヌレートおよび前記ジイソシアネートのビウレットである。
【0124】
適切なジオールは、2〜25個の炭素原子を有するグリコールである。これらには、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,5−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、1,6−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)または1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールC)が含まれる。
【0125】
ポリオールは、ポリウレタンを製造するための出発材料としても有効である。ポリオールとは、3価アルコール(トリオールとして周知である)およびより多官能価のアルコールを意味する。これらは、一般に3〜25個、有利には3〜18個の炭素原子を有する。これらには、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エリトリトール、ペンタエリトリトール、ソルビトールおよびこれらのアルコキシレートが含まれる。
【0126】
本発明の有利な実施態様では、プラスチックは熱可塑性成形コンパウンドである。420nm〜800nmの間の波長を有する電磁線について未着色の熱可塑性成形コンパウンドの透過率は、90%よりも大きいのが有利である。
【0127】
更に本発明は、紫外線を吸収する層を製造するための少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIの使用を提供する。吸収層は、420と800nmの間の波長領域内で透明であるのが有利である。
【0128】
紫外線吸収層、有利には透明層は、熱可塑性成形コンパウンドをベースとする。適切な熱可塑性成形コンパウンドには、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマー、ならびに前記ポリマーのハイブリッド形から選択される少なくとも1つのポリマーを有する熱可塑性樹脂が含まれる。
【0129】
本発明の有利な実施態様では、透明層は建築または自動車の艶出し系の部分であるか、または絶縁化やフィルタリングを目的としてガラスもしくはプラスチックへの接着結合を意図したシートである。特に有利な実施態様では、プラスチックシートはポリビニルアセタール、特にポリビニルブチラールを有する。
【0130】
合わせガラスにおけるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIは、UV吸収剤として作用して、生きた有機材料と生きていない有機材料を保護するので、例えば、運転者および自動車内にある生きていない有機材料は、紫外線の損傷作用から保護される。可能性として有り得る損傷の例には、生きている有機材料の場合には、紅斑または日焼けがあり、生きていない有機材料の場合には、黄変、退色、クラッキングまたは脆化がある。
【0131】
場合により、プラスチックはUV-Aおよび/またはUV-B領域の光線を吸収する少なくとも1つの他の光安定剤、および/または(補助)安定剤を更に有する。使用される光安定剤ならびに適切な場合には(補助)安定剤は、当然ながらナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIと相溶性でなくてはならない。可視領域では、これらは無色であるか、または僅かにだけ固有の色合いがあるのが有利である。光安定剤および/または使用する場合には(補助)安定剤は、高い移染堅ろう度と温度安定性を有するのが有利である。適切な光安定剤および更なる(補助)安定剤は、例えば次のグループ(a)〜(s)から選択される:
a)4,4−ジアリールブタジエン、
b)桂皮エステル、
c)ベンゾトリアゾール、
d)ヒドロキシベンゾフェノン、
e)ジフェニルシアンアクリレート、
f)オキサミド、
g)2−フェニル−1,3,5−トリアジン;
h)抗酸化剤、
i)ニッケル化合物、
j)ヒンダードアミン、
k)金属不活性化剤、
l)ホスフィットおよびホスホニット、
m)ヒドロキシルアミン、
n)ニトロン、
o)アミンオキシド、
p)ベンゾフラノンおよびインドリノン、
q)チオシナジスト、
r)過酸化物分解化合物および
s)塩基性補助安定剤。
【0132】
グループa)の4,4−ジアリールブタジエンには、例えば式A
【0133】
【化9】

の化合物が含まれる。
【0134】
この化合物は、EP-A-916335から公知である。置換基R10および/またはR11は有利にはC〜C−アルキルとC〜C−シクロアルキルである。
【0135】
グループb)の桂皮エステルには、例えば、2−イソアミル4−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル4−メトキシシンナメート、メチルα−メトキシカルボニルシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメートおよびメチルα−メトキシカルボニル−p−メトキシシンナメートが含まれる。
【0136】
グループc)のベンゾトリアゾールには、2−(2'−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−sec−ブチル−5'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクチルオキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−tert−アミル−2'−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2'−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−5'−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2'−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−5'−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−ドデシル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2'−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];ポリエチレングリコール300との2−[3'−tert−ブチル−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)−2'−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールのエステル化生成物;[R−CHCH−COO(CH)](式中、R=3'−tert−ブチル−4'−ヒドロキシ−5'−2H−ベンゾチルアゾール−2−イルフェニル)ならびにこれらの混合物である。
【0137】
グループd)のヒドロキシベンゾフェノンは、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラ−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(n−オクチルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそれらの塩、および2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン−5,5'−ビススルホン酸およびそれらの塩が含まれる。
【0138】
グループe)のジフェニルシアノアクリレートには、例えば、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3035の商品名で市販されている)、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3039として市販されている)、1,3−ビス[(2'−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリロリル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3,3'−ジフェニル−アクリロイル)オキシ]メチル}プロパン(これは例えば、BASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3030の商品名で市販されている)が含まれる。
【0139】
グループf)のオキサミドには、例えば、4,4'−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2'−ジエトキシオキサイリド、2,2'−ジオクチルオキシ−5,5'−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2'−ジドデシルオキシ−5,5'−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2'−エチルオキサニリド、N,N'−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2'−エトキサニリドおよび2−エトキシ−2'−エチル−5,4'−ジ−tert−ブトキサニリドとのその混合物、およびオルト−、パラ−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物およびオルト−およびパラ−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物が含まれる。
【0140】
グループg)の2−フェニル−1,3,5−トリアジンには、例えば、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル] −4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル] −1,3,5−トリアジン、および2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジンが含まれる。
【0141】
グループh)の抗酸化剤には、例えば、
h.1)アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、非分枝または側鎖が分枝したノニルフェノール、例えば、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルウンデシ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルヘプタデシ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルトリデシ−1−イル)フェノールおよびこれらの混合物。
h.2)アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノールおよび2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
h.3)ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
h.4)トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびこれらの混合物(ビタミンE)。
h.5)ヒドロキシ化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2'−チオビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4'−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4'−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4'−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)および4,4'−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
h.6)アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2'−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2'−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2'−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2'−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2'−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4'−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3'−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
h.7)ベンジル化合物、例えば、3,5,3',5'−テトラ−tert−ブチル−4,4'−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、1,3,5−トリ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、ジ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオールテレフタレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジオクタデシルエステルおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチルエステル、カルシウム塩。
h.8)ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネートおよびビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
h.9)ヒドロキシベンジル芳香族、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼンおよび2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
h.10)トリアジン化合物、例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンおよび1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
h.11)ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、(ジエチル(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネートおよびモノエチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートのカルシウム塩。
h.12)アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、2,4−ビスオクチルメルカプト−6−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジンおよびオクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
h.13)一価アルコールまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタオール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパンおよび4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、
h.14)一価アルコールまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタオール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパンおよび4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのβ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステル、
h.15)一価アルコールまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパンおよび4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのβ−(3.5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、
h.16)一価アルコールまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパンおよび4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとの3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル、
h.17)β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N'−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N'−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N'−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N'−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(例えば、Uniroyal社製のNaugard(R)XL-1)、
h.18)アスコルビン酸(ビタミンC)
h.19)アミン抗酸化剤、例えば、N,N'−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p'−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N',N'−テトラメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、o−トリルビグアニド、ビス[4−(1',3'−ジメチルブチル)−フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−およびジアルキル化tert−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N',N'−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのジメチルスクシネートポリマー[CASNo. 65447-77-0](例えば、Ciba Specialty Chemicals, Inc.社のTinuvin(R) 622)、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.11.2]ヘンエイコサン−21−オンのポリマーおよびエピクロロヒドリン[CAS No.:202483-55-4](例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.社のHostavin(R))。
【0142】
グループi)のニッケル化合物には、例えば、次のものが含まれる:
2,2'−チオビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような付加的なリガンド有りまたは無しの1:1もしくは1:2錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、メチルまたはエチルエステルのような4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸モノアルキルエステルのニッケル塩、例えば、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、および付加的なリガンド有りまたは無しの1−フェニル−4−ラウリル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0143】
グループj)のヒンダードアミンには、例えば次のものが含まれる:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート(n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)エステル)、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとスクシン酸の縮合生成物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状または環状縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1'−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状または環状縮合生成物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンとギ酸エステルの縮合生成物(CAS No. 124172-53-8、例えば、BASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンのUvinul(R)4050H)、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピペリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシと4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合生成物(CAS Reg. No.[136504-96-6]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N'−ビスホルミル−N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキソ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペタメチル−4−アミノピペリジンの反応生成物、(部分)N−ピペリジン−4−イル−置換マレイミドとUvinul(R)5050H(BASF AG)のようなα−オレフィンの混合物とのコポリマー、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシ−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとt−アミルアルコールのカーボンラジカルの反応生成物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタレート、2,4−ビス{N[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン、N,N'−ビスホルミル−N,N'−ビス(1,2,2,6,6−ペンチルメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、ヘキサヒドロ−2,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1H,4H,5H,8H−2,3a,4a,6,7a,8a−ヘキサアザシクロペンタ[def]フルオレン−4,8−ジオン(例えば、BASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンのUvinul(R)4049)、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]])[CAS No.71878-19-8]、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン、N,N'''−[1,2−エタンジイルビス[[4,6−ビス[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−3,1−プロパンジイル]]ビス[N',N''−ジブチル−N',N''−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)(CAS No. 106990-43-6)(例えば、Ciba Specialty Chemicals, Inc.社のChimassorb 119)。
【0144】
グループk)の金属不活性化剤には、例えば次のものが含まれる:
N,N'−ジフェニルオキサルアミド、N−サリシラル−N'−サリシロイルヒドラジン、N,N'−ビス(サリシロイル)ヒドラジン、N,N'−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリシロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジン、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジン、N,N'−ジアセチルアジピン酸ジヒドラジド、N,N'−ビス(サリシロイル)シュウ酸ジヒドラジドおよびN,N'−ビス(サリシロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0145】
グループl)のホスフィットとホスホニットには、例えば次のものが含まれる:
トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4'−ビフェニレンジホスホニット、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−ジベンゾ[d,f] [1.3.2]ジオキサフォスフェピン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、2,2',2''−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3',5,5'−テトラ−tert−ブチル−1,1'−ビフェニル−2,2'−ジイル)ホスフィット]、および2−エチルヘキシル3,3',5,5'−テトラ−tert−ブチル−1,1'−ビフェニル−2,2'−ジイルホスフィット。
【0146】
グループm)のヒドロキシルアミンには、例えば次のものが含まれる:
N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシル−ヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルヒドロキシルアミンおよび水素化牛脂アミンからのN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0147】
グループn)のニトロンには、例えば次のものが含まれる:
N−ベンジルα−フェニルニトロン、N−エチルα−メチルニトロン、N−オクチルα−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシルα−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシルα−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシルα−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシルα−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシルα−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシルα−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシルα−ヘキサデシルニトロン、N−メチルα−ヘプタデシルニトロンおよび水素化タルク脂肪アミンから製造されるN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されるニトロン。
【0148】
グループo)のアミンオキシドの例には、例えば、U.S.特許番号5844029と5880191に記載されているようなアミンオキシド誘導体、ジデシルメチルアミンオキシド、トリデシルアミンオキシド、トリドデシルアミンオキシドおよびトリヘキサデシルアミンオキシドが含まれる。
【0149】
グループp)のベンゾフラノンとインドリノンには、例えば次のものが含まれる:
US特許4325863;4338244;5175312;5216052;5252643;DE-A-4316611;DE-A-4316622;DE-A-4316876;EP-A-0589839またはEP-A-0591102に記載されているもの;または3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3'−ビス[5.7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン−3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、Ciba Specialty Chemicals社のIrganox(R)HP-136および3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7―ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン。
【0150】
グループg)のチオスナジストには、例えばジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネートが含まれる。
【0151】
グループr)の過酸化物分解化合物には、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾールまたは2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィドおよびペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネートが含まれる。
【0152】
グループs)の塩基性補助安定剤には、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、ウレア誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高脂肪酸のアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート、およびカリウムパルミート、アンチモニーピロカテコレートまたは亜鉛ピロカテコレートが含まれる。
【0153】
本発明の有利な1実施態様では、少なくとも1つの化合物Iを、280〜400nmの波長領域内で少なくとも1つの吸収最大を有する少なくとも1つの他の光安定剤と一緒に使用する。更なる光安定剤は、有利にはグループb)、c)、d)、e)およびg)の化合物から選択される。
【0154】
問題の光安定剤は、特に280〜320nmの波長領域内に少なくとも1つの吸収最大を有する。従って、用いられる光安定剤は付加的にUVB領域内で少なくとも1つの吸収最大を有する。本発明の目的のための吸収最大は、室温にてジクロロメタン、アセトニトリルまたはメタノールのような一般の有機溶剤中で測定し、各々の化合物のUVスペクトルで局所最大もしくは絶対最大に関連付いたバンドである。最大でのUVB吸収剤の吸光度は、溶液中、通常はジクロロメタン中で測定されるが、1質量%の濃度および1cmの通路長さで測定して少なくとも100、特に少なくとも200である。
【0155】
付加的に使用される光安定剤の例は、特に前記のグループe)のジフェニルシアノアクリレートである。
【0156】
本発明の別の有利な実施態様では、320〜400nmの波長領域内に少なくとも1つの吸収最大を有する、先に定義したようなナフタレン誘導体のグループからの少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIを単独の光安定剤として使用して、有機材料を光の損傷作用から保護する。ナフタレン誘導体のグループからの一般的な代表は、本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI、およびナフタレンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸エステル、ナフタレンジカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸無水物およびナフタレンテトラカルボン酸エステルである。
【0157】
更に有利な本発明の実施態様では、先に定義したような少なくとも1つのナフタレン1,8−ジカルボン酸モノイミドIを単独の光安定剤として使用し、光の損傷作用から有機材料を保護する。
【0158】
プラスチックは、さらに他の添加剤と助剤を有していてもよい。グループt)からの適切な添加剤は、顔料、染料、核剤、充填剤、補強剤、曇り止め剤、殺虫剤および静電防止剤のような慣用の添加剤である。
【0159】
適切な顔料は、無機顔料であり、例としては、二酸化チタン(その3つの変形型、ルチル構造)、アナステートまたは板チタン石;ウルトラマリンブルー、酸化鉄、ビスマスバナデートまたはカーボンブラックならびに有機顔料のクラス、例としては、フタロシアニンのクラスからの化合物、ペリレン、アゾ化合物、イソインドリン、キノフタロン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジンおよびインダントロンである。
【0160】
染料とは、使用されるプラスチック中に完全に溶解するか、または分子的に分散分布した状態で存在し、よってポリマーを高い透明性で散乱させずに発色するために使用できる全ての着色剤を意味する。同様に、染料としてみなすものは、蛍光染料のように、電磁スペクトルの可視部分で蛍光を示す有機化合物である。
【0161】
適切な核剤には、例えば、無機物質が含まれ、例としてはタルク、二酸化チタンまたは酸化マグネシウムのような酸化金属、ホスフェート、カーボネートまたはスルフェート、有利にはアルカリ土類金属のもの;モノカルボン酸またはポリカルボン酸のような有機化合物ならびにそれらの塩、例えば、4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウム;およびポリマー化合物、例えば、イオンコポリマー(“イオノマー”)である。
【0162】
適切な充填剤および補強剤には、例えば、炭酸カルシウム、シリケート、タルク、マイカ、カオリン、硫酸バリウム、酸化金属および水酸化金属、カーボンブラック、グラファイト、木粉および穀粉またはその他の天然生成物の繊維および合成繊維が含まれる。繊維性または粉末性充填剤の更に適切な例には、ガラスクロス、ガラスマットまたはフィラメトガラスロービング、チョップトガラス、ガラスビーズの形のカーボンまたはガラス繊維およびウォラストナイトが含まれる。ガラス繊維は、ショートガラス繊維の形か連続繊維(ロービング)の形で混入することができる。
【0163】
適切な静電防止剤の例には、N,N−ビス(ヒドロキシ−アルキル)アルキルアミンまたは−アルキレンアミンのようなアミン誘導体、ポリエチレングリコールエステルおよびエーテル、エトキシ化カルボン酸エステルおよびカルボキサミド、グリセロールモノ−およびジステアレートならびにこれらの混合物が含まれる。
【0164】
通常は、プラスチックを、プラスチックの全体量に対して、0.01〜10質量%、有利には0.01〜5質量%、より有利には0.01〜1.0質量%の量で少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIと混合する。プラスチックの全重量とは、プラスチックとナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIを足した重さを意味し、適切な場合には、更なる(補助)安定剤を足した重さを意味する(プラスチック+全ての(補助)安定剤+他の全ての添加剤の合計)。達成される光保護は、プラスチック中の経路の長さに依存する。これは、ランベルト・ベールの法則E=ε・c・d(ε:モル吸光率(吸光度)、c:濃度、d:経路の長さ)により説明される。従って、薄いプラスチックの層では、厚いプラスチックの層よりも高いUV吸収剤の配合を用いるのが通常である。
【0165】
グループp)のベンゾフラノンを除いて、グループa)〜s)の化合物は慣用の量で使用される:例えば、プラスチックの全重量に対して、0.0001〜10質量%、有利には0.01〜1質量%の量で使用される。
【0166】
グループt)の添加剤は慣用の量で使用される。これらは、プラスチックの全重量に対して0〜60質量%の量で通常使用される。
【0167】
本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIを、少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIを含有しているプレミックス(マスターバッチまたはコンパウンド)の形で、安定させるべき材料、通常はプラスチックに1〜20質量%の濃度で添加することもできる。プレミックスは、更に前記のグループa)〜s)の化合物とグループt)のその他の添加剤を有する。
【0168】
本発明は、光の損傷作用から保護を提供する量で先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドと少なくとも1つの有機材料を有する組成物を更に提供する。有機材料は、有利にはポリエステル、ポリカーボネートポリマー、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体のコポリマーから選択されるポリマー、および前記ポリマーの物理的ブレンドである。
【0169】
適切かつ有利な実施態様に関する本発明の組成物についての以下の説明は、このような種類の熱可塑性成形コンパウンドにおけるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用にも同様に当てはまるものとする。
【0170】
本発明の有利な実施態様は、次のものを有する組成物に関する:
− 先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド;
− 少なくとも1つのポリビニルブチラール(PVB);
− 可塑剤としての少なくとも1つのオリゴアルキレングリコールアルキルカルボン酸ジエステル;
− 接着をコントロールするための少なくとも1つの脂肪族カルボン酸塩;
− 所望の場合には、ベンゾトリアゾール、2−フェニル−1,3,5−トリアジン、ヒドロキシベンゾフェノン、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤;
− 所望の場合には、充填剤、染料、顔料および付加的な添加剤から選択される少なくとも1つの更なる成分。
【0171】
特に有利には、例えば、自動車の艶出し系用に、合わせガラスのPVBシートにおける少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用が挙げられる。極めて有利には、式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI-Cから選択される。
【0172】
ポリビニルブチラールの製造に関しては、上記の説明を参照してその全体を取り入れることとする。ポリマー組成物中で使用されるポリビニルブチラールは、一般に70000を上回る、有利には約100000〜250000の平均分子質量を有する。ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールとして計算して、通常19.5質量%未満、有利には約17〜19質量%の残差のヒドロキシル基含量およびポリビニルエステルとして計算して0〜10%、有利には0〜3%の残差のエステル基を有する。有利なポリビニルブチラールは、ミズーリー州セントルイス、Solutia, Inc.社からButvar(R)の商品名で市販されている。ポリビニルブチラール成形コンパウンドは、通常0.13〜1.5mmの厚さを有するシートの形で使用される。ポリビニルブチラールは、例えばシート押出ラインにおいて所望の厚さに形作ることができる。
【0173】
適切なオリゴアルキレングリコールカルボン酸ジエステルは、脂肪酸、非分枝または分枝C〜C10モノカルボン酸、有利にはC〜Cモノカルボン酸と、トリ−C〜CアルキレングリコールまたはテトラC〜Cアルキレングリコールとのエステルを有する。適切な可塑剤は、例えば、トリエチレングリコールジ(2−エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、トリエチレングリコールジヘプタノエートまたはテトラエチレングリコールジヘプタノエートである。可塑剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に20〜80質量%、有利には25〜45質量%である。
【0174】
接着をコントロールするための適切な脂肪族カルボン酸塩は、例えば、分枝または非分枝のC〜C22モノカルボン酸の多価金属塩である。適切な金属には、例えば、亜鉛、アルミニウム、鉛またはマグネシウムまたはカルシウムのようなアルカリ土類金属が含まれる。接着をコントロールするための脂肪族カルボン酸塩の適切な例には、例えば、2−エチル酪酸のマグネシウム塩が含まれる。塩はポリビニルブチラールの接着力と粘性率を下げる。脂肪族カルボン酸塩の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に0.0001〜0.5質量%、有利には0.0001〜1質量%である。
【0175】
ポリビニルブチラールポリマー組成物は、更に少なくとも1つの付加的なUV吸収剤を有し、これは、ベンゾトリアゾール、2−フェニル−1,3,5−トリアジン、ヒドロキシベンゾフェノン、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択されるのが有利である。
【0176】
適切なベンゾトリアゾールの例は、2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、有利には上記のものである。特に有利には、以下のものが挙げられる:
− 2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール[CAS No.3896-11-5]、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)326として市販されている;
− 2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール[CAS No. 3864-99-1]、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)327として市販されている;
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール[CAS No. 25973-55-1]、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)328として市販されている;
− 2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−メチルフェノール[CAS No. 2440-22-4]、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)Pとして市販されている;
適切な2−フェニル−1,3,5−トリアジンの例は、2−(2'−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、有利には上記したものである。特に有利には以下のものが挙げられる:
− 2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール [CAS 147315-50-2]、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)1577として市販されている;
− 2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン [CAS No.2725-22-6]、例えばCytec.からCyasorb(R) UV1164として市販されている。
【0177】
適切なヒドロキシベンゾフェノンの例は、2−ヒドロキシベンゾフェノン、有利には上記のものである。特に有利には次のものが挙げられる:
− 2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン [CAS No.1843-05-6]、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からChimassorb(R)81として市販されている;
適切なジフェニルシアノアクリレートの例は、上記のものである。特に有利には、以下のものが挙げられる:
− 1,3−ビス[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニル−アクリロイル)オキシ]メチル}プロパン[CAS No.178671-58-4]、例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3030の商品名で市販されている;
− エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート[CAS No.5232-99-5] 、例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3035の商品名で市販されている;
− 2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルシアノアクリレート[CAS No.6197-30-4] 、例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3039の商品名で市販されている。
【0178】
一般に、さらなるUV吸収剤の割合は、使用されるシートの厚さに依存し、ポリマー組成物の全重量に対して、0.005〜2質量%、有利には0.1〜1質量%である。薄いポリマー層の場合には、使用されるUV吸収剤の割合は厚いポリマー層よりも通常は高い。
【0179】
ポリビニルブチラールポリマー組成物は、更に充填剤、染料、顔料ならびに更なる添加剤から選択される少なくとも1つの付加的な成分を有していてもよい。適切な充填剤、染料および顔料に関しては、上記の説明を参照して全体を取り入れることとする。
【0180】
本発明の他の有利な実施態様は、次のものを有する組成物に関する:
− 先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド;
− ポリカーボネート、ポリカーボネートコポリマー、およびポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−スチレン−アクリレートコポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ(ブチレンテレフタレート)およびポリエチレンテレフタレートの物理的ブレンドから選択される少なくとも1つポリカーボネートポリマー;
− ホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの安定剤;
− 所望の場合には、ベンゾトリアゾール、2−フェニル−1,3,5−トリアジン、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤;
− 所望の場合には、少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤および
− 所望の場合には、充填剤、染料、顔料ならびにその他の添加剤から選択される少なくとも1つの成分。
【0181】
同様に、先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸ものイミドの、ポリカーボネートポリマー組成物における使用が有利である。
【0182】
本発明の目的に関して“ポリカーボネートコポリマー”という用語には、例えば、ホスゲンまたはカルボン酸エステルと少なくとも2個の種々のジヒドロキシ化合物の縮合により得られるポリカーボネート:例えば種々のビスフェノールが含まれる。ハロゲン化ビスフェノール、テトラブロモビスフェノールの部分は、難燃性を上げる;ビスフェノールS(ジヒドロキシジフェニルスルフィド)の部分は、ノッチ付き衝撃強さを上げる。ポリカーボネートコポリマーには、例えばビスフェノールAとビスフェノールCベースとするポリカーボネートコポリマー、またはビスフェノールAとビスフェノールTMC(トリメチルシクロヘキサン)をベースとするポリカーボネートコポリマーが含まれる。本発明の目的に関して“ポリカーボネートコポリマー”には、ポリエステルカーボネート(これは、例えばビスフェノールとホスゲンおよび芳香族ジカルボニルジクロリドを反応させることにより得られる)およびポリカーボネートブロックとポリアルキレンオキシドブロックを有するブロックコポリマーも含まれる。
【0183】
ポリカーボネートポリマー組成物は、ホスフィットとホスホニットから選択される少なくとも1つの安定剤を有する。適切なホスフィットとホスホニットに関しては、上記の説明を参照してその全体を取り入れることとする。有利なホスフィットとホスホニットは、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット[CAS No.31570-04-4]であり、これは、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrgafos(R)168として市販されている;テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4'−ジイルビスホスホニット[CAS No.119345-01-6]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrgafos(R)P-EPQとして市販されている;およびこれらの混合物である。ホスフィットおよび/またはホスホニットの割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に2000ppmまで、有利には500〜1500ppmである。
【0184】
ポリカーボネートポリマー組成物は、更に少なくとも1つのその他のUV吸収剤を有していてもよい。適切なその他のUV吸収剤は、上記のものである。その他のUV吸収剤は、有利にはベンゾトリアゾール、2−フェニル−1,3,5−トリアジン、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される。
【0185】
適切なベンゾトリアゾールの例は、2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、有利には上記のものである。特に有利には、次のものが挙げられる:
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール[CAS No.70321-86-7]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)234として市販されている;
− 2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール[CAS No.3864-99-1]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)327として市販されている;
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール [CAS No.3147-75-9]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)329として市販されている;
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(tert−ブチル)−6−(sec−ブチル)フェノール[CAS No.36437-37-3]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)350として市販されている;
− 2,2'−メチレンビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール[CAS No.103597-45-1]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)360として市販されている;および
− ポリエチレングリコールとの3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートのエステル交換反応生成物、これはCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)213として市販されており、化合物R−COO−[(CH−O]−H(モル質量:637g/mol)[CAS No.104810-48-2]52%、式R−COO−[(CH−O]−CO−R(モル質量:975g/mol)[CAS No.104810-47-1]35%および化合物HO−[(CH−O]−H[CAS No.25322-68-3]13%を含有している。前記式中、Rは次のものを表す:
【0186】
【化10】

【0187】
2−フェニルー1,3,5−トリアジンの例は、2−(2'−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、有利には上記のものである。特に有利には次のものが挙げられる:
− 2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェノール[CAS No.147315-50-2]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)1577として市販されている。
【0188】
適切なジフェニルシアノアクリレートの例は上記のものである。有利には次のものが挙げられる:
− 1,3−ビス[(2'−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニル−アクリロイル)オキシ]メチル}プロパン [CAS No.178671-58-4]、これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3030の商品名で市販されている;および
− エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート[CAS No.5232-99-5]、これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3035の商品名で市販されている。
【0189】
その他のUV吸収剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に10質量%まで、有利には0.001〜10質量%、特に0.05〜10質量%、きわめて有利には0.1〜10質量%である。薄いポリマー層の場合には、厚いポリマー層の場合よりも使用されるUV吸収剤の割合は通常高い。
【0190】
ポリカーボネートポリマー組成物は、更に少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤を有していてもよい。適切な2,6−ジアルキル化フェノールは、上記のものであり、特にβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステルである。β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとの有利なエステルは、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] [CAS No.6683-19-8](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)1010として市販されている)、オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート[CAS No.2082-79-3](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)1076として市販されている);およびこれらの混合物である。抗酸化剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に2000ppmまで、有利には500〜2000ppmである。
【0191】
更に有利な実施態様では、ポリマー組成物は少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤だけではなく、少なくとも1つのホスフィットおよび/またはホスホニット安定剤を有する。この場合の抗酸化剤:補助安定剤の割合は、1:10〜10:1の範囲内である。
【0192】
本発明の特に有利な実施態様は、少なくとも1つのポリカーボネート、先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレンー1,8−ジカルボン酸モノイミド、および更なる成分として表Aに示されている物質(組成物1.1〜1.60)を有するポリマー組成物に関する。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、有利には式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドから選択される。組成物1.1〜1.60中の各成分の重量割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、上記の範囲内である。
【0193】
【表1】

【0194】
【表2】

【0195】
さらに本発明の特に有利な実施態様は、ポリマー組成物2.1〜2.60に関し、これはポリカーボネートがポリカーボネートコポリマーと置き換わっている点においてのみ、相応する組成物1.1〜1.60とは異なる。
【0196】
さらに本発明の特に有利な実施態様は、ポリマー組成物3.1〜3.60に関し、これはポリカーボネートがポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−コポリマーの物理的ブレンドに置き換わっている点においてのみ、相応する組成物1.1〜1.60とは異なる。
【0197】
さらに本発明の特に有利な実施態様は、ポリマー組成物4.1〜4.60に関し、これはポリカーボネートがポリカーボネートとアクリロニトリル−スチレンーアクリレートコポリマーの物理的ブレンドに置き換わっている点においてのみ、相応する組成物1.1〜1.60とは異なる。
【0198】
さらに本発明の特に有利な実施態様は、ポリマー組成物5.1〜5.60に関し、これはポリカーボネートがポリカーボネートとポリメチルメタクリレートの物理的ブレンドに置き換わっている点においてのみ、相応する組成物1.1〜1.60とは異なる。
【0199】
さらに本発明の特に有利な実施態様は、ポリマー組成物6.1〜6.60に関し、これはポリカーボネートがポリカーボネートとポリブチルアクリレートの物理的ブレンドに置き換わっている点においてのみ、相応する組成物1.1〜1.60とは異なる。
【0200】
さらに本発明の特に有利な実施態様は、ポリマー組成物7.1〜7.60に関し、これはポリカーボネートがポリカーボネートとポリブチルメタクリレートの物理的ブレンドに置き換わっている点においてのみ、相応する組成物1.1〜1.60とは異なる。
【0201】
さらに本発明の特に有利な実施態様は、ポリマー組成物8.1〜8.60に関し、これはポリカーボネートがポリカーボネートとポリ(ブチレンテレフタレート)の物理的ブレンドに置き換わっている点においてのみ、相応する組成物1.1〜1.60とは異なる。
【0202】
さらに本発明の特に有利な実施態様は、先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの、ポリマー組成物9.1〜9.60(これはポリカーボネートがポリカーボネートとポリエチレンテレフタレートの物理的ブレンドに置き換わっている点においてのみ、相応する組成物1.1〜1.60とは異なる)における使用に関する。
【0203】
ポリカーボネートポリマー組成物は、染料、顔料およびその他の添加剤から選択される少なくとも1つの付加的な成分を更に有することができる。
【0204】
適切な染料と顔料に関しては、上記の説明を参照してその全体を取り入れることとする。有利な実施態様では、染料および/または顔料は青味剤である。適切な青味剤は、例えば、ウルトラマリンブルー、フタロシアニン、アントラキノンおよびインダンントロンである。青味剤を使用する場合には、同様に青味剤の割合はポリマー組成物の全重量に対して500ppm(0.05質量%)まで、有利には0.5〜100ppmである。
【0205】
本発明のポリカーボネートポリマー組成物の有利な用途は、ヘッドランプカバー用のレンズとして、自動車のウィンドシールドとして、および自動車および建築におけるその他のレンズ/艶出し系としてである。
【0206】
本発明の更に有利な実施態様は、次のもの:
− 先に定義したような少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド:
− 少なくとも1つのポリエチレンテレフタレート(PET);
− 少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤:
− 所望の場合には、ホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの補助安定剤:および
− 所望の場合には、ジフェニルシアノアクリレート、フェニル−1,3,5−トリアジン、ベンゾトリアゾールおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤
を有する組成物に関する。
【0207】
同様に、先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドのPET組成物における使用が有利である。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI-Cから選択されるが有利である。
【0208】
適切な2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤は、上記のものである。有利には、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、特にペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] [CAS No.6683-19-8](例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)1010として市販されている)、ヘキサメチレン−ビス−(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート[CAS No.35074-77-2](例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)259として市販されている)および3,5−ジアルキル化ヒドロキシフェニルメチルホスホン酸エステル、有利にはジエチル((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスホネート[CAS No.976-56-7](例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)1222として市販されている)である。
【0209】
抗酸化剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に2000ppmまで、有利には500〜2000ppmである。
【0210】
所望の場合には、ポリエチレンテレフタレートポリマー組成物は、ホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択さる少なくとも1つの補助安定剤を有する。適切なホスフィットとホスホニットは上記のものである。有利なホスフィットは、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット [CAS No.31570-04-4](例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrgafos(R)168として市販されている)。ホスフィットおよび/またはホスホニットの割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に2000ppmまで、有利には500〜2000ppm、特に750〜2000ppmである。
【0211】
更に有利な実施態様では、ポリエチレンテレフタレートポリマー組成物は、少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール、有利には少なくとも1つの3,5−ジアルキル化ヒドロキシフェニルメチルホスホン酸エステルおよび/またはβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価もしくは多価アルコールとの少なくとも1つのエステルを抗酸化剤として有するだけではなく、少なくとも1つのホスフィットおよび/またはホスホニットを補助安定剤として有する。この場合の抗酸化剤:補助安定剤の割合は、1:10〜10:1の範囲内である。
【0212】
ポリエチレンテレフタレートポリマー組成物は、少なくとも1つのその他のUV吸収剤を更に有していてもよい。その他の適切なUV吸収剤は上記のものである。その他のUV吸収剤は、有利にはベンゾトリアゾール、フェニル−1,3,5−トリアジン、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される。
【0213】
適切なベンゾトリアゾールの例は、2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、有利には上記のものである。特に有利には次のものが挙げられる:
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール[CAS No.70321-86-7]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)234として市販されている;
− 2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール[CAS No.3864-99-1]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)327として市販されている;
− 2,2'−メチレンビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール[CAS No.103597-45-1]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)360として市販されている;
− ポリエチレングリコールとのメチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートのエステル交換生成物、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)213として市販されている。
【0214】
適切な2−フェニル−1,3,5−トリアジンの例は、2−(2'−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、有利には上記のものである。特に有利には次のものが挙げられる:
− 2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェノール[CAS No.147315-50-2]、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)1577として市販されている。
【0215】
適切なジフェニルシアノアクリレートの例は、上記のものである。有利には次のものが挙げられる:
− 1,3−ビス[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニル−アクリロイル)オキシ]メチル}プロパン[CAS No.178671-58-4]、これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3030の商品名で市販されている;
− エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート[CAS No.5232-99-5] 、これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3035の商品名で市販されている;
− 2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート[CAS No.6197-30-4] 、これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3039の商品名で市販されている。
【0216】
一般に、その他のUV吸収剤の割合は、ポリエチレンテレフタレートポリマー組成物の全重量に対して、2質量%まで、有利には0.01〜5質量%、特に0.1〜0.15質量%である。薄いポリマー層の場合には、使用されるUV吸収剤の割合は厚いポリマー層の場合よりも通常は高い。
【0217】
本発明の特に有利な実施態様は、先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドおよび更なる成分として、表Bに示されている物質(組成物10.1〜10.54)を有するポリエチレンテレフタレートポリマー組成物に関する。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、有利には式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドから選択される。組成物10.1〜10.54中の各成分の重量割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、上記の範囲内である。
【0218】
【表3】

【0219】
【表4】

【0220】
さらに本発明の特に有利な実施態様では、ポリエチレンテレフタレートは非晶質ポリエチレンテレフタレートであり、かつこのポリエチレンテレフタレートポリマー組成物は、少なくとも1つのアセトアルデヒドスカベンジャーを有する。適切なアセトアルデヒドスカベンジャーの例は、アントラニルアミド[CASNo.88-68-6]である。
【0221】
本発明の特に有利な実施態様は、ポリエチレンテレフタレートポリマー組成物11.1〜11.54に関し、これはポリエチレンテレフタレートが非晶質ポリエチレンテレフタレートであり、かつ組成物が付加的にアセトアルデヒドスカベンジャーを含有している点においてのみ、相応の組成物10.1〜10.54とは異なる。特に、式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドである。
【0222】
非晶質ポリエチレンテレフタレートを有するポリマー組成物は、再加熱剤、染料、顔料およびその他の添加剤から選択される少なくとも1つの更なる成分を付加的に含んでいてもよい。
【0223】
本発明の目的に関して、再加熱剤はエネルギーを吸収することによりポリマーの可塑化を促進する物質であるので、ポリマー塊を下流のアッセンブリー(ボトル吹込成形)により成形できる。カーボンブラックは、例えば適切な再加熱剤である。カーボンブラックは、粉末または顆粒の形で使用できる。再加熱剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に0.1〜2質量%である。適切な染料、顔料およびその他の添加剤は上記のものである。
【0224】
特に有利には、非晶質ポリエチレンテレフタレート、少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤ならびにボトルまたはコンテナのようなパッキング材料用の少なくとも1つのアセトアルデヒドスカベンジャーを有する組成物における少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用が挙げられる。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは有利には、式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドから選択される。
【0225】
本発明のその他の有利な実施態様では、ポリエチレンテレフタレートは部分的に結晶性のポリエチレンテレフタレートであり、かつポリマー組成物は付加的に少なくとも1つの核剤を含む。適切な核剤は上記のものである。核剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に0.05〜1質量%である。
【0226】
本発明の特に有利な実施態様は、さらにポリエチレンテレフタレートポリマー組成物12.1〜12.54に関し、これはポリエチレンテレフタレートが部分的に結晶性のポリエチレンテレフタレートであり、かつ組成物が付加的に少なくとも1つの核剤を含んでいる点においてのみ相応の組成物10.1〜10.54とは異なる。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、有利には式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドから選択される。
【0227】
部分的に結晶性のポリエチレンテレフタレートを有するポリマー組成物の適用分野は、例えばディスプレー用の光学フィルムである。特に、式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドである。
【0228】
本発明の特に有利な実施態様は、次のもの:
− 先に定義したような少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド;
− 少なくとも1つの高密度ポリエチレンまたはポリプロピレン;
− 少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤;
− 所望の場合には、ホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの補助安定剤:
− 所望の場合には、ジフェニルシアノアクリレート、ヒドロキシベンゾフェノン、フェニル−1,3,5−トリアジン、ベンゾトリアゾールおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤;
− 所望の場合には、少なくとも1つのヒンダードアミン;および
− 所望の場合には、染料、顔料およびその他の添加剤から選択される更なる成分
を有する組成物に関する。
【0229】
同様に、高密度ポリエチレンまたはポリプロピレンを有する組成物における、先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用が有利である。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、有利には式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドから選択される。
【0230】
適切な2,6−ジアルキル化フェノールの例は、上記のものであり、有利にはβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、特にペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] [CAS No.6683-19-8](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)1010として市販されている)、およびオクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート[CAS No.2082-79-3](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)1076として市販されている);およびこれらの混合物である。抗酸化剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に4000ppmまで、有利には1000〜4000ppmである。
【0231】
所望の場合には、該組成物はホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択される補助安定剤を含む。適切なホスフィットとホスホニットに関しては、上記の説明を参照してその全体を取り入れることとする。有利なホスフィットとホスホニットは、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット[CAS No.31570-04-4](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrgafos(R)168として市販されている);およびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4'−ジイルビスホスホニット[CAS No.119345-01-6](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrgafos(R)P-EPQとして市販されている);ならびにこれらの混合物である。ホスフィットおよび/またはホスホニットの割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に2000ppmまで、有利には500〜2000ppm、特に750〜2000ppmである。
【0232】
更に有利な実施態様では、ポリマー組成物は少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤だけではなく、少なくとも1つのホスフィットおよび/またはホスホニット補助安定剤を有する。この場合の抗酸化剤:補助安定剤の割合は、一般に1:10〜10:1の範囲内である。
【0233】
ポリマー組成物は、更に少なくとも1つのその他のUV吸収剤を有していてもよい。適切なその他のUV吸収剤は、上記のものである。その他のUV吸収剤は、有利にはジフェニルシアノアクリレート、ヒドロキシベンゾフェノン、フェニル−1,3,5−トリアジン、ベンゾトリアゾールおよびこれらの混合物から選択される。
【0234】
適切なベンゾトリアゾールの例は、2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、有利には上記のものである。特に有利には、次のものが挙げられる:
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール[CAS No.70321-86-7]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)234として市販されている;
− 2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール[CAS No.3864-99-1]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)327として市販されている;
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール [CAS No.3147-75-9]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)329として市販されている;
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(tert−ブチル)−6−(sec−ブチル)フェノール[CAS No.36437-37-3]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)350として市販されている;
− 2,2'−メチレンビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール[CAS No.103597-45-1]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)360として市販されている;および
− ポリエチレングリコールとの3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートのエステル交換反応生成物、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)213として市販されている。
【0235】
適切な2−フェニル−1,3,5−トリアジンの例は、2−(2'−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、有利には上記のものである。特に有利には以下のものが挙げられる:
− 2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール [CAS 147315-50-2]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)1577として市販されている;
− 2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン [CAS No.2725-22-6]、これは例えばCytec.からCyasorb(R) UV1164として市販されている。
【0236】
適切なヒドロキシベンゾフェノンの例は、2−ヒドロキシベンゾフェノン、有利には上記のものである。特に有利には次のものが挙げられる:
− 2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン [CAS No.1843-05-6]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からChimassorb(R)81として市販されている;
適切なジフェニルシアノアクリレートの例は、上記のものである。有利には次のものが挙げられる:
− 1,3−ビス[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニル−アクリロイル)オキシ]メチル}プロパン[CAS No.178671-58-4]、これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3030の商品名で市販されている;
− エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート[CAS No.5232-99-5] 、これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3035の商品名で市販されている。
【0237】
一般に、その他のUV吸収剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して2質量%まで、有利には0.01〜1.5質量%、特に0.05〜1質量%である。薄いポリマー層の場合には、使用されるUV吸収剤の割合は厚いポリマー層よりも通常は高い。
【0238】
高密度ポリエチレンまたはポリプロピレンを有するポリマー組成物は、さらに少なくとも1つのヒンダードアミンを有していてもよい。
【0239】
適切なヒンダードアミン(HALS)は、オリゴマーおよびモノマーのヒンダードアミンであり、例としては上記のものである。有利なヒンダードアミンは次のものである:
− (部分的な)N−ピペリジン−4−イル−置換マレイミドとα−オレフィンの混合物のコポリマーであり、これは例えば式
【0240】
【化11】

のUvinul(R)5050H[CAS 152261-33-1](モル質量は約3500g/mol)としてBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンから得られる。
− 式
【0241】
【化12】

のヒンダードアミン[CAS No. 124172-53-8]、これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)4050の商品名で市販されている;
− ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][ (2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ] [CAS No. 71878-19-8]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からChimassorb(R)944(モル質量:2000〜3100 g/mol)として市販されている;
− 4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジノエタノールとのジメチルスクシネートポリマー[CAS No. 65447-77-0]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)622(モル質量:3100〜4100 g/mol)として市販されている;
− ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート[CAS No. 52829-07-9]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)770として市販されている;および
− 2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.11.2]ヘンエイコサン−21−オンと式
【0242】
【化13】

のエピクロロヒドリンのポリマー[CAS No. 202483-55-4]、これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からHostavin(R) N30として市販されている。
【0243】
一般に、ヒンダードアミンの割合はポリマー組成物の全重量に対して、2質量%まで、有利には0.1〜2質量%、特に0.1〜0.15質量%、極めて有利には0.1〜1質量%である。厚いポリマー層の場合には、使用されるヒンダードアミンの割合は、薄いポリマー層の場合よりも一般に高い。
【0244】
ポリマー組成物は、更に染料、顔料ならびその他の添加剤から選択される少なくとも1つの付加的な成分を有していてもよい。適切な染料と顔料は、上記のものである。
【0245】
本発明の特に有利な実施態様は、少なくとも1つの高密度ポリエチレンまたはポリプロピレン、先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドおよび更なる成分(a)として、表Cに示されている物質(組成物13.1〜13.108)を有する組成物に関する。有利には、式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドから選択される。組成物13.1〜13.108中の各成分の重量割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、上記の範囲内にある。
【0246】
【表5】

【0247】
【表6】

【0248】
【表7】

【0249】
特に有利には、ボトルまたはコンテナのようなパッキング材料用の、少なくとも1つの高密度ポリエチレンまたは少なくとも1つのポリプロピレンを有するポリマー組成物における少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用が挙げられる。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドから選択される。
【0250】
さらに本発明の特に有利な実施態様は、次のもの:
− 先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド:
− 少なくとも1つのポリスチレン;
− 少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤:
− 所望の場合には、ホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの補助安定剤:および
− 所望の場合には、ベンゾトリアゾール、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤;
− 所望の場合には、少なくとも1つのヒンダードアミン;および
− 所望の場合には、染料、顔料およびその他の添加剤から選択される少なくとも1つの更なる成分
を有する組成物に関する。
【0251】
同様に、先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドのポリスチレンポリマー組成物における使用が有利である。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI-Cから選択されるが有利である。
【0252】
適切な2,6−ジアルキル化フェノールのは、上記のものである。有利な2,6−ジアルキル化フェノールは、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、特にペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] [CAS No.6683-19-8](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)1010として市販されている)、オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート[CAS No.2082-79-3](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)1076として市販されている)およびこれらの混合物である。抗酸化剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に2000ppmまで、有利には500〜2000ppmである。
【0253】
適切なホスフィットとホスホニットに関しては、上記の説明を参照して取り入れることとする。有利なホスフィットは、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット [CAS No.31570-04-4](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrgafos(R)168として市販されている)である。ホスフィットおよび/またはホスホニットの割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に2000ppmまで、有利には500〜2000ppmである。
【0254】
同様に、少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール、有利にはβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価もしくは多価アルコールとのエステルを抗酸化剤として、かつホスフィットおよび/またはホスホニットを補助安定剤として有する混合物も挙げられる。この場合の補助安定剤:抗酸化剤の割合は、10:1〜1:10の範囲内である。このような混合物のうちで特に有利なものは、補助安定剤としてトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール)ホスフィット[CAS No.31570-04-4](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrgafos(R)168として市販されている)と、抗酸化剤としてペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] [CAS No.6683-19-8](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)1010として市販されている)またはオクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート [CAS No.2082-79-3](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)1076として市販されている)を有するものが挙げられる。有利な混合物は、例えば、1部のオクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと4部のトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィットの混合物である(前記混合物は、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox B900として市販されている)。
【0255】
ポリスチレンポリマー組成物は、少なくとも1つのその他のUV吸収剤を更に有していてもよい。適切なその他のUV吸収剤は上記のものである。その他のUV吸収剤は、有利にはベンゾトリアゾール、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される。
【0256】
適切なベンゾトリアゾールの例は、2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、有利には上記のものである。特に有利には次のものが挙げられる:
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール[CAS No.25973-55-1](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)328として市販されている);
− 2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−メチルフェノール[CAS No.2440-22-4](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)Pとして市販されている)およびこれらの混合物。
【0257】
適切なジフェニルシアノアクリレートの例は、上記のものである。有利には次のものが挙げられる:
− 1,3−ビス[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニル−アクリロイル)オキシ]メチル}プロパン[CAS No.178671-58-4](これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3030の商品名で市販されている);
− エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート[CAS No.5232-99-5] (これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3035の商品名で市販されている)。
【0258】
一般に、その他のUV吸収剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、2質量%まで、有利には0.01〜5質量%、特に0.05〜1質量%である。薄いポリマー層の場合には、UV吸収剤の割合は厚いポリマー層の場合よりも通常は高い。
【0259】
ポリスチレンポリマー組成物は、更に少なくとも1つのヒンダードアミンを有していてもよい。
【0260】
適切なヒンダードアミンは、上記のものである。ヒンダードアミンは有利には式:
RNH−(CH−NR−(CH−NR−(CH−NHR
[CAS No.106990-43-6]
の化合物である。前記式中、Rは次のものを表す:
【0261】
【化14】

【0262】
これは、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からChimassorb(R)119として市販されており、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート[CAS No.52829-07-9](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)770として市販されている)またはこれらの混合物である。
【0263】
一般にヒンダードアミンの割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、2質量%まで、有利には0.1〜1.5質量%、特に0.1〜0.5質量%である。
【0264】
ポリスチレンポリマー組成物は更に染料、顔料およびその他の添加剤から選択される少なくとも1つの更なる成分を有することができる。適切な染料と顔料は上記のものである。
【0265】
本発明の特に有利な実施態様は、先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドおよび、更なる成分として表Dに示されている物質(組成物14.1〜14.45)を有するポリスチレンポリマー組成物に関する。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、有利には式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドから選択される。組成物14.1〜14.45中の各成分の重量割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、上記の範囲内である。
【0266】
【表8】

【0267】
【表9】

【0268】
特に有利には、ヨーグルトポットおよび電気計測器のケーシングのようなパッキング用のポリスチレンポリマー組成物における、少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用が挙げられる。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは有利には、式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドから選択される。
【0269】
本発明の有利な実施態様は、次のもの:
− 先に定義したような少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド;
− 少なくとも1つのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーまたはスチレン−アクリロニトリルコポリマー;
− 少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤;
− 所望の場合には、ホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択さえる少なくとも1つの補助安定剤;
− 所望の場合には、ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾフェノン、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤;
− 所望の場合には、少なくとも1つのヒンダードアミン;および
− 所望の場合には、染料、顔料ならびにその他の添加剤から選択される少なくとも1つの成分
を有する組成物に関する。
【0270】
同様に、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーまたはスチレン−アクリロニトリルコポリマー組成物における、先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用が有利である。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、有利にはナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI-Cから選択されるのが有利である。
【0271】
適切な2,6−ジアルキル化フェノールの例は、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、および特にオクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート[CAS No.2082-79-3](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrganox(R)1076として市販されている)である。抗酸化剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に2000ppmまで、有利には500〜2000ppmである。
【0272】
適切なホスフィットとホスホニットに関しては、上記の説明を参照してその全体を取り入れることとする。有利なホスフィットとホスホニットは、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット[CAS No.31570-04-4](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrgafos(R)168として市販されている)、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4'−ジイルビスホスホニット[CAS No.119345-01-6](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からIrgafos(R)P-EPQとして市販されている);およびこれらの混合物である。ホスフィットおよび/またはホスホニットの割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、一般に2000ppmまで、有利には500〜2000ppmである。
【0273】
他の有利な実施態様では、ポリマー組成物は少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール、有利にはβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステルを抗酸化剤として有するだけではなく、少なくとも1つのホスフィットおよび/またはホスホニットを補助安定剤として有する。この場合の抗酸化剤:補助安定剤の割合は、1:10〜10:1の範囲内である。
【0274】
少なくとも1つのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーまたはスチレン−アクリロニトリルコポリマーを有するポリマー組成物は、少なくとも1つの更なるUV吸収剤を更に有していてもよい。適切なUV吸収剤は上記のものである。その他のUV吸収剤は、有利にはベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾフェノン、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される。
【0275】
適切なベンゾトリアゾールの例は、2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールであり、有利には上記のものである。特に有利には次のものが挙げられる:
− 2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール[CAS No.3864-99-1](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)327として市販されている);
− 2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−メチルフェノール[CAS No.2440-22-4](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)Pとして市販されている)。
【0276】
適切なヒドロキシベンゾフェノンの例は、2−ヒドロキシベンゾフェノンである。特に有利には次のものが挙げられる:
− 2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン [CAS No.1843-05-6](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からChimassorb(R)81として市販されている)。
【0277】
適切なジフェニルシアノアクリレートの例は、次のものである:
− 1,3−ビス[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニル−アクリロイル)オキシ]メチル}プロパン[CAS No.178671-58-4](これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3030の商品名で市販されている);
− エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート[CAS No.5232-99-5] (これは例えばBASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3035の商品名で市販されている)。
【0278】
一般に、その他のUV吸収剤の割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、2質量%まで、有利には0.01〜5質量%、特に0.05〜1質量%である。薄いポリマー層の場合には、使用されるUV吸収剤の割合は厚いポリマー層の場合よりも通常は高い。
【0279】
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーまたはスチレン−アクリロニトリルコポリマー組成物は、さらに少なくとも1つのヒンダードアミンを有していてもよい。適切なヒンダードアミンは上記のものである。適切なヒンダードアミンは有利には式:
RNH−(CH−NR−(CH−NR−(CH−NHR
[CAS No.106990-43-6]
の化合物である。前記式中、Rは次のものを表す:
【0280】
【化15】

【0281】
これは、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からChimassorb(R)119として市販されており、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート[CAS No.52829-07-9](これは例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.からTinuvin(R)770として市販されている)またはこれらの混合物である。
【0282】
一般にヒンダードアミンの割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、2質量%まで、有利には0.1〜1.5質量%、0.1〜1質量%、極めて有利には0.1〜0.5質量%である。
【0283】
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーまたはスチレン−アクリロニトリルコポリマー組成物は、更に染料、顔料およびその他の添加剤から選択される少なくとも1つの更なる成分を有することができる。適切な染料と顔料は上記のものである。
【0284】
本発明の特に有利な実施態様は、先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドおよび、更なる成分として表Eに示されている物質(組成物15.1〜15.54)を有するアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーまたはスチレン−アクリロニトリルコポリマー組成物に関する。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、有利には式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドから選択される。組成物15.1〜15.54中の各成分の重量割合は、ポリマー組成物の全重量に対して、上記の範囲内である。
【0285】
【表10】

【0286】
【表11】

【0287】
特に有利には、自動車用の成分および電気測定器のケーシング内のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーまたはスチレン−アクリロニトリルコポリマー組成物における少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用が挙げられる。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドは、有利には式I-Cのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドから選択される。
【0288】
本発明は、光の損傷作用に対して有機材料を保護する方法を更に提供する。これは前記材料に先に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドを添加することを含む。
【0289】
本発明は、紫外線から生きていない有機材料を保護するための方法を更に提供する。これは少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIを有するプラスチックを用いてパッケージングを生産することを含む。
【0290】
本発明は更に紫外線から有機材料を保護するための紫外線吸収層の使用を提供する。
【0291】
本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI、および存在する場合にグループa)〜s)の化合物および/またはグループt)のその他の添加剤をプラスチックに添加する。添加は慣用の方法で、例えばプラスチックと混合することにより行われる。従って、本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI、および適切な場合には更なる安定剤を出発モノマーに添加することができ、このモノマーの混合物と安定剤を重合させることができる。本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIおよび適切な場合には、グループa)〜s)の化合物および/またはグループt)のその他の添加剤を重合の間にモノマーに添加することもできる。重合の前または間の添加に関する前提条件は、本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIおよび適切な場合には、グループa)〜s)の化合物および/またはグループt)のその他の添加剤が、重合条件下で安定であることである。すなわち、これらが殆ど分解しないか、または分解しないことである。
【0292】
本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIは、存在する場合には、グループa)〜s)の化合物および/またはグループt)のその他の添加剤を完成したプラスチックに添加する。このことは、通常の方法で自体公知の混合法により例えば150〜300℃の温度で溶融することにより行われる。しかし、溶融せずに成分を“冷やして”混合することもでき、粉末混合物または顆粒混合物は加工まで溶融や均質化されない。
【0293】
本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIは、存在する場合には、グループa)〜s)の化合物および/またはグループt)のその他の添加剤を一緒にまたは互いに別々に、一度にもしくは少しずつ、または連続的に一定の速度で、または勾配に沿って添加することができる。例えば、発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの部分を実際の重合の間にモノマーに添加し、残りを完成したポリマーに添加するか、またはナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの全てを完成したポリマーに添加することができる。
【0294】
混合は、有利には慣用の押出機中で行われ、成分を混合物としてまたは個別に例えばホッパーを用いて押出機に完全に導入するか、または押出機中の後半の部分で、押出機中の溶融生成物または固形生成物に比例して導入することができる。溶融押出に関しては、例えば特に一軸スクリューまたは二軸スクリュー押出機により適切に行うことができる。二軸スクリュー押出機が有利である。
【0295】
得られた混合物を例えば造粒化または粒状化するか、または周知である方法;例えば、押出、射出成形、発泡剤で発泡成形、熱成形、中空体発泡または圧延することにより加工できる。
【0296】
プラスチックを使用して、あらゆる種類の成形品(半製品、フィルム、シートおよびフォームを含む)を製造することができる。例としては、テキスタイル用のパッケージングおよびフィルム、特に化粧品、香水および医薬品用のパッケージングおよびフィルム、食品、飲料ボトル用のパッケージングおよびフィルム、またはクリーニング製品用のパッケージングである。熱可塑性成形コンパウンドからストレッチフィルムを製造することもできる。
【0297】
原則的にどの製品も、本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドを有するパッケージングにより保護されていてもよい。
【0298】
保護されるべき製品は、有利には化粧品、薬品、香水、食品およびクリーニング製品から選択される。適切な化粧品には、石けん、ボディーローション、スキンクリーム、シャワージェル、バブルバス、ボディースプレー、メークアップ用品、アイライナー、マスカラ、口紅、リップスティック、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアジェル、ヘアワックス、ヘアローション、マニキュア、除光液などが含まれる。適切な医薬品には、錠剤、丸剤、フィルムコーティング錠剤、座薬、液剤、濃縮物、懸濁液およびそのような形の製剤学的組成物または薬品が含まれる。適切な食品には、炭酸飲料および非炭酸飲料が含まれ、例としてはレモネード、ビール、炭酸フルーツジュースドリンク、炭酸水のような炭酸飲料、ワイン、フルーツジュース、紅茶またはコーヒーのような非炭酸飲料、フルーツ、肉、ソーセージ、牛乳、ヨーグルト、バターまたはチーズのような日常品、動物油脂および植物油脂、ベーカリー製品、パスタ、調味料、ソース、練り製品、ペスト、ストック、ピューレ、ケチャップ、ドレッシングなどが挙げられる。適切なクリーニング製品には家庭用クリーナーおよび工業用クリーナーが含まれる。
【0299】
本発明により使用されるべきナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIは、農業用フィルムおよびパッケージングフィルム用のポリオレフィンを有する熱可塑性成形コンパウンドにおいて、ストレッチラップフィルム用の二軸延伸ポリプロピレンにおいて、ボトルおよびその他のコンテナパック用のポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートにおいて、合わせガラス用のポリビニルブチラールにおいて、ブリスターパックおよびその他のパッケージングコンテナ用のポリスチレンにおいて、ボトル、フラスコおよびその他のパッケージングコンテナおよび成形品用のポリカーボネートにおいて、パッケージングコンテナおよびフィルム用のポリ塩化ビニルにおいて、またはフィルムを製造するためのポリビニルアルコールにおいて特に有利に使用される。
【0300】
適切な場合には、種々のポリマーのフィルムを積層により、または押出貼り合わせの形で互いに組み合わせて合わせフィルムを作ることができる。一軸または二軸ストレッチングにより、適切な場合には特性を改善することができる。これは、収縮フィルムを作るために利用される。収縮フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルデン、ポリ塩化ビニルから作ることができる。
【0301】
少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIで安定化した材料は、安定化していない材料ならびに従来技術の安定剤を用いて安定させた材料と比べて特別な品質の特性を示す。本発明により安定化した材料は、長期の露光時間を示す。それというのも、光に誘発される損傷が遅くまで開始しないからである。さらに、少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドで安定化した材料は、安定化すべき材料を保護するだけではなく、パックされた内容物も保護する。
【0302】
以下の実施例は本発明を説明するものであるが、これに限定されるものではない。
1.製造例
例1:4−シアノ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド(化合物I-A.1)の製造
1.1 4−ブロモ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−ナフタレン−1,8−ジカルボキシミドの製造
N−メチルピロリドン65ml中の4−ブロモナフタレン−1,8−ジカルボン酸無水物27.7g、2,6−ジイソプロピルアニリン19.0gおよび無水酢酸亜鉛9.2gを200℃で3時間加熱した。冷却後、形成された析出物を濾別し、洗浄し、かつ乾燥させて融点277℃を有する4−ブロモ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド26.2gが得られた。
1.2 4−シアノ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミドの製造
N−メチルピロリドン150ml中の4−ブロモ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド24.8gとシアン化銅(I)7.5gを210℃で4時間加熱した。冷却後、反応混合物に水を加え、析出物を形成した。析出物を濾別し、洗浄し、かつ乾燥させた。シリカゲル上での析出物のカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン)により、融点291℃を有する4−シアノ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド15.6gが得られた。
元素分析:C2522(382.5g/mol):
計算値:C78.5;H5.8;N7.3;O8.4。
実測値:C78.5;H5.9;N7.0;O8.4;
UV(ジクロロメタン):λmax(Igε)352nm(4.16)。
【0303】
例1に記載されている方法にならって、例2〜5で4−シアノ置換ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI-A.2〜I-A.5を製造した。4−シアノ置換ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI-A.2〜I-A.5の融点と分光特性は表1にまとめてある。ジクロロメタンをUV分光用の溶剤として用いた。
【0304】
【表12】

【0305】
例6:4−アミノカルボニル−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド(化合物I-B.1)の製造
濃硫酸130ml中の例1からの4−シアノ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド8gを80℃で3時間加熱した。引き続き、反応混合物を氷水に注ぎ、かつ形成された析出物を濾別し、洗浄し、かつ乾燥させた。これにより、融点233℃を有する4−アミノカルボニル−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド5.1gが得られた。
UV(ジクロロメタン):λmax(Igε):336nm(4.18)。
【0306】
例7:N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−(4−tert−オクチルフェノキシ)−ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド(化合物I-C.1)の製造
7.1 4−クロロ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミドの製造
N−メチルピロリドン65ml中の4−クロロナフタレン−1,8−ジカルボン酸無水物23.3g、2,6−ジイソプロピルアニリン19.0gおよび無水酢酸亜鉛9.2gの混合物を200℃で3時間加熱した。冷却後、形成された析出物を濾別し、洗浄し、かつ乾燥させた。これにより融点289℃を有する4−クロロ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド22.4gが得られた。
7.2 N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)4−(4−tert−オクチルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミドの製造
N−メチルピロリドン60ml中の4−クロロ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド(7.1より)5.0g、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(tert−オクチルフェノール)3.5gおよび炭酸カリウム1.2gの混合物を80℃で24時間加熱した。これを冷却し、反応混合物に水とエタノールを加え、析出物を作った。このように得られた析出物を濾別し、洗浄し、かつ乾燥させて融点217℃を有するN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−(4−tert−オクチルフェノキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド6.2gが得られた。
【0307】
【数1】

【0308】
例7に記載されている方法にならって、例8〜16では4−フェノキシ置換ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI-C.2〜I-C.10を製造した。4−フェノキシ置換ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI-C.1〜I-C.10の融点と分光特性は表2にまとめてある。ジクロロメタンをUV分光用の溶剤として用いた。
【0309】
【表13】

II.使用例
例17〜20:ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムへのUV吸収剤の組込み
ポリエチレンテレフタレート(Ter Hell & Co GmbH社、ハンブルクのPolyclear T94)と表3に記載されている化合物Iの濃縮物の混合物をBerstorff二軸スクリュー押出機中で均質化(溶融温度:275℃)し、次に顆粒化した。引き続き、得られた顆粒をスロットダイ(溶融温度:225℃)を通してWeber一軸スクリュー押出機中で押出し、かつロール取出し口を介して300μmの厚さにプレスした。
【0310】
結果は表3にまとめてある。記録したパラメーターは波長であり、これ以下では電磁線の10%未満または20%未満がフィルムを通っている。400nm未満、有利にはこれに近い値は、フィルムの下の材料が紫外線から効果的に保護されていることを示している。
【0311】
【表14】

【0312】
実施例は、本発明により使用されたナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIがPETフィルムに効果的に組込まれたことを示している。本発明により使用されるナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIは、スペクトルから損傷を与える大部分の紫外線を遮断するので、効果的なUVフィルターとして適切である。
例22.添加したPETフィルムの露光
例17からのPETフィルム(化合物I-A.1を0.4%含有)をDIN 54004に従って1000時間露光した。フィルムの透過率プロフィールを規則的な間隔で測定し、表4に示した。
【0313】
【表15】

【0314】
例23:添加したPETフィルムの露光
例20からのPETフィルム(化合物I-C.1を0.2%含有)をDIN 54004に従って1000時間露光した。フィルムの透過率プロフィールを規則的な間隔で測定し、表5に示した。
【0315】
【表16】

【0316】
例22と23は、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIが光安定性であることを示している。すなわち、分解されていないことを示している。従って、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIは適切な長期UVフィルター物質である。
例24〜30:PET成形品の製造(厚さ:1mm)
例17〜20に記載されているように、表6に示されている例24〜28ではPETの顆粒と化合物Iの濃縮物を製造し、例29と30(比較)では、表6に示されている慣用のUV吸収剤である(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(CAS No.70321-86-7)(これは例えば、Ciba Specialty Chemicals社からTinuvin(R) 234の商品名で市販されている)のPETの顆粒と濃縮物を製造した。この後に、Arbung 220M射出成形機中で厚さ1mmの射出成形品を製造した。例24(コントロール)では、PET成形品はUV吸収剤を含有していない。例28では、PET成形品は付加的にUV吸収剤、すなわち、1,3−ビス[(2'−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリロリル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3,3'−ジフェニル−アクリロイル)オキシ]メチル}プロパン[CAS No.178671-58-4](例えば、BASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3030の商品名で市販されている)を0.1質量%含有している。
【0317】
例24〜30の射出成形品の黄色度指数(YI、DIN 6167による)は、表6に示してある。ゼロの黄色度指数は、試験体が純粋な白であることを意味する。マイナスのYI値は、試験体が青みを帯びていること(YIがマイナスであるほど、青くなる)を示す。プラスのYI値は、試験体が黄色みを帯びていることを意味する。YIがプラスであるほど、観察者には試験体が黄色く見える。プラスチックへのUV吸収剤の添加は一般にYIを増大させる。
【0318】
【表17】

例31:ビタミンAの保護
ビタミンAのエタノール性溶液(c=10−5mol/l)をキュベット中でキセノンランプに曝した。例24〜26からのPETプラークをキセノンランプのビーム経路に置いた。照射の間に、323nmでの吸光度からビタミンAの残留濃度を測定した。図1には、本発明により使用された化合物Iのフィルター効果がグラフとして示されている。キセノンランプの発光スペクトルは太陽のものと類似しているので、図1は本発明により使用されたナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIのフィルター効果を強く証明している。ナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIを保護しない場合は、ビタミンA溶液は光により急速に分解される。これとは反対に、ビタミンA溶液を本発明により使用されたナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIにより保護した場合には、光の作用下でのビタミンA溶液の分解は僅かである。
【0319】
例32〜37:ポリカーボネート成形品の製造
例17〜20に記載されているように、表7に示されている例32〜35ではポリカーボネートの顆粒(Bayer AG社、レーヴァークーゼンのMakrolon 2800)と化合物I-C.1の濃縮物を製造し、表7に示されている例36と37(比較)では、ポリカーボネートの顆粒(Bayer AG社、レーヴァークーゼンのMakrolon 2800)と慣用のUV吸収剤である(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(CAS No.70321-86-7)(例えば、Ciba Specialty Chemicals社からTinuvin(R) 234の商品名で市販されている)の濃縮物を製造した。この後に、Arbung 220M射出成形機中で厚さ1mmの射出成形品を製造した。例32(コントロール)では、ポリカーボネート成形品はUV吸収剤を含有していない。例35では、ポリカーボネート成形品は付加的にUV吸収剤、すなわち、1,3−ビス(2'−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリロリル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3,3'−ジフェニル−アクリロイル)オキシ]メチル}プロパン[CAS No.178671-58-4](例えば、BASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3030の商品名で市販されている)を0.1質量%含有している。
【0320】
例32〜37の成形品の黄色度指数(YI、DIN 6167による)と透過率特性は、下記の表7に示してある。
【0321】
【表18】

【0322】
例38〜43:ポリスチレン成形品の製造
例17〜20に記載されているように、表8に示されている例38〜41ではポリスチレンの顆粒(BASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンのPolystyrol 144C)と化合物I-C.1の濃縮物を製造し、例42と43(比較)では、表8に示されているポリスチレンの顆粒(BASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンのPolystyrol 144C)と慣用のUV吸収剤である(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(CAS No.70321-86-7)(例えば、Ciba Specialty Chemicals社からTinuvin(R) 234の商品名で市販されている)の濃縮物を製造した。この後に、Arbung 220M射出成形機中で厚さ1mmの射出成形品を製造した。例38(コントロール)では、ポリスチレン成形品はUV吸収剤を含有していない。例41では、ポリスチレン成形品は付加的にUV吸収剤、すなわち、1,3−ビス[(2'−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリロリル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3,3'−ジフェニル−アクリロイル)オキシ]メチル}プロパン[CAS No.178671-58-4](例えば、BASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3030の商品名で市販されている)を0.1質量%含有している。
【0323】
例38〜43の成形品の黄色度指数(YI、DIN 6167による)と透過率特性は、下記の表8に示してある。
【0324】
【表19】

【0325】
例44〜49:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー成形品の製造
例17〜20に記載されているように、表9に示されている例44〜47ではアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーの顆粒(BASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンのTerluran GP22)と化合物I-C.1の濃縮物を製造し、表9に示されている例48と49(比較)では、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーの顆粒(BASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンのTerluran GP22)と慣用のUV吸収剤である(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(CAS No.70321-86-7)(例えば、Ciba Specialty Chemicals社からTinuvin(R) 234の商品名で市販されている)の濃縮物を製造した。この後に、Arbung 220M射出成形機中で厚さ1mmの射出成形品を製造した。例44(コントロール)では、ABS成形品はUV吸収剤を含有していない。例47では、ABS成形品は付加的にUV吸収剤、すなわち、1,3−ビス[2'−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリロリル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3,3'−ジフェニル−アクリロイル)オキシ]メチル}プロパン[CAS No.178671-58-4](例えば、BASF AG社、ルートヴィヒスハーフェンからUvinul(R)3030の商品名で市販されている)を1:1の割合で0.1質量%含有している。
【0326】
例44〜49の成形品の黄色度指数(YI、DIN 6167による)と透過率特性は、下記の表9に示してある。
【0327】
【表20】

【0328】
例25〜49は、本発明により使用された式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドを様々なポリマーに効果的に組込むことができたことを示している。UVB吸収剤との混合物も同様にポリマーと極めて相溶性である。本発明の吸収剤を有する射出成形品は、損傷を与える大部分の紫外線を遮断し、かつ殆どの部分で、吸収剤なしの射出成形品よりも相当に低い黄色度指数を有する。式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドで安定化した試料は、市販されている安定剤で安定化した試料よりも、特に低い黄色い着色を示した。
【0329】
例50〜54:添加したポリビニルブチラールフィルムを有する合わせガラスの透過率プロフィール
厚さ0.76mmのポリビニルブチラールフィルムをWO 02/077081の例6に記載されているように製造し、次に合わせガラスを製造するために使用した。但し、WO 02/077081の例6とは以下の点で違いがあった:IR吸収剤を使用せず、Tinuvinベンゾトリアゾール誘導体(15.8g(0.5質量%))を次のもの:
(a)1,3−ビス[(2'−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリロリル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン0.1質量%とI-C .1 0.1質量%の混合物(例50)、
(b)2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール0.1質量%とI-C .1 0.1質量%の混合物(例51)、
(c)2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン0.1質量%とI-C .1 0.1質量%の混合物(例52)または
(d)I-C .1 0.2質量%の混合物(例53)
と置き換えた点。
【0330】
比較するために、例54では0.76mmポリビニルブチラールフィルムを同じように製造し、IR吸収剤もUV吸収剤も用いずに合わせガラスをこれから製造した。
【0331】
例50〜54で製造した合わせガラスの透過率プロフィールは、例10に示してある:
【0332】
【表21】

【0333】
例50〜54は、本発明により使用されたナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドI有するか、または本発明により使用されたナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIと短波を吸収するUV吸収剤との混合物を有する合わせガラスが、殆ど完全に紫外線を吸収できることを示している。ゆえに、その後ろにある領域を紫外線の作用から効果的に保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0334】
【図1】本発明により使用された化合物Iのフィルター効果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の損傷作用から有機材料を保護するための、式I
【化1】

[式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、かつ
は、1つの炭素原子を含む少なくとも1つのπ電子系と、炭素、酸素および窒素から選択される少なくとも1つの更なる原子を有するラジカルであるが、但しラジカルは炭素以外の少なくとも1つの原子を含有する]
のナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用。
【請求項2】
は、その炭素鎖が、−O−、−S−、−NR−、−CO−および/または−SO−から選択される1個以上の隣り合わない基に中断されているC−C30アルキルであり、かつ/またはこれが非置換であるか、またはシアノ、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、アリール、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールから選択される同じもしくは異なるラジカルにより1回以上置換され、前記アリール、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリール基は、非置換であるか、または相互に独立にC−C18アルキルおよびC−Cアルコキシから選択される1個以上の置換基を有する;または
は、非置換であるか、または1個以上のC−Cアルキル基を有するC−Cシクロアルキルである;または
は、非置換であるか、または1個以上のC−Cアルキル基を有する5員環〜8員環のヘテロシクロアルキルである;または
は、アリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールまたはヘテロアリールは非置換であるか、またはC−C18アルキル、C−Cアルコキシ、シアノ、CONR4a、CO、アリールアゾおよびヘテロアリールアゾから相互に独立に選択される1個以上のラジカルを有し、前記アリールアゾとヘテロアリールアゾは、非置換であるか、または相互に独立にC−C18アルキル、C−Cアルコキシおよびシアノから選択される1個以上のラジカルを有し、かつ
は、水素またはC−Cアルキルであり;かつ
とR4aは、それぞれ独立に水素、C−C18アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールとヘテロアリールは、それぞれの場合に非置換であるか、またはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシルおよびシアノから選択される1個以上の置換基を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
は、C−C12アルキル、C−Cシクロアルキルまたはフェニルであり、最後に挙げた2個のラジカルは、それぞれ非置換であるか、または1個、2個、3個、4個または5個のC−Cアルキル基を有する、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
は、非置換であるか、または1個、2個または3個のC−Cアルキル基を有するフェニルである、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
は、シアノ、−C(O)NR5aであるか、またはC−C12アルキル、C−C12アルコキシ、−COOR、−SO、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、−CONR5aおよび−NHCORから選択される1個以上の置換基を有するフェニルオキシであり、RとR5aは、それぞれ相互に独立に水素、C−C18アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールとヘテロアリールはそれぞれ非置換であるか、またはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシルおよびシアノから選択される1個以上の置換基を有し;Rは、水素またはC−Cアルキルである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
は、シアノである、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
は、−C(O)NHである、請求項5に記載の使用。
【請求項8】
は、C−C10アルキル基を有するフェニルオキシである、請求項5に記載の使用。
【請求項9】
保護するための有機材料は、プラスチック、ポリマー分散剤、塗料、写真乳液、写真層、紙、ヒトまたは動物の皮、ヒトまたは動物の髪、化粧品、医薬品、クリーニング製品および食品から選択される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
プラスチックを保護するための請求項9に記載の使用。
【請求項11】
プラスチックは、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマー、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートならびに前記ポリマーの物理的ブレンドから選択される少なくとも1つのポリマーを有する、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
紫外線を吸収する層を製造するための、請求項1から8までのいずれか1項に記載の少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドの使用。
【請求項13】
層は熱可塑性成形コンパウンドから成る、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
熱可塑性成形コンパウンドは、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマー、ならびに前記ポリマーの物理的ブレンドから選択される少なくとも1つのポリマーを有する、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
有機材料は、少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIを、材料の全重量に対して0.01〜10質量%の量で含有している、請求項1から14までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
280〜320nmの波長領域内に少なくとも1つの吸収最大を有する、少なくとも1つの更なる光安定剤と一緒の、請求項1から15までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項17】
光の損傷作用から有機材料を保護するためのナフタレン誘導体グループからの単独の光安定剤としての、請求項1から8までのいずれか1項に記載の少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIの使用。
【請求項18】
光の損傷作用から有機材料を保護するための単独の光安定剤としての、請求項1から8までのいずれか1項に記載の少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIの使用。
【請求項19】
光の損傷作用から保護を提供する量で請求項1から8までのいずれか1項に記載の少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドIと、少なくとも1つの有機材料を有する組成物。
【請求項20】
有機材料は、ポリエステル、ポリカーボネートポリマー、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマー、ならびに前記ポリマーの物理的ブレンドから選択されるポリマーを有する、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラールである、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
ポリカーボネートポリマーは、ポリカーボネート、ポリカーボネートコポリマー、およびポリカーボネートとアクリロニトロリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−スチレン−アクリレートコポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ(ブチレンテレフタレート)ならびにポリエチレンテレフタレートの物理的ブレンドから選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
ポリエステルはポリエチレンテレフタレートである、請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
ポリオレフィンは、高密度ポリエチレンまたはポリプロピレンである、請求項20に記載の組成物。
【請求項25】
スチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体のコポリマーは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーまたはスチレン−アクリロニトリルコポリマーである、請求項20に記載の組成物。
【請求項26】
− 請求項1から8までのいずれか1項に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド;
− 少なくとも1つのポリビニルブチラール;
− 少なくとも1つのオリゴアルキレングリコールアルキルカルボン酸ジエステル可塑剤;
− 接着をコントロールするための少なくとも1つの脂肪族カルボン酸塩;
− 所望の場合には、ベンゾトリアゾール、2−フェニル−1,3,5−トリアジン、ヒドロキシベンゾフェノン、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤;
− 所望の場合には、充填剤、染料、顔料および付加的な添加剤から選択される少なくとも1つの更なる成分
を有する、請求項21に記載の組成物。
【請求項27】
更なるUV吸収剤は、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、1,3−ビス[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
− 請求項1から8までのいずれか1項に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド;
− ポリカーボネート、ポリカーボネートコポリマー、およびポリカーボネートとアクリロニトロリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−スチレン−アクリレートコポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ(ブチレンテレフタレート)ならびにポリエチレンテレフタレートの物理的ブレンドから選択される少なくとも1つのポリカーボネートポリマー;
− ホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの安定剤;
− 所望の場合には、ベンゾトリアゾール、2−フェニル−1,3,5−トリアジン、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤;
− 所望の場合には、少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤;および
− 所望の場合には、充填剤、染料、顔料およびその他の添加剤から選択される少なくとも1つの更なる成分
を有する、請求項22に記載の組成物。
【請求項29】
更なるUV吸収剤は、1,3−ビス[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(tert−ブチル)−6−(sec−ブチル)フェノール、2,2'−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、ポリエチレングリコールとのメチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートのエステル交換生成物およびこれらのUV吸収剤の混合物から選択される、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
− 請求項1から8までのいずれか1項に定義したような少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド:
− 少なくとも1つのポリエチレンテレフタレート;
− 少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤:
− ホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの補助安定剤:および
− 所望の場合には、ジフェニルシアノアクリレート、フェニル−1,3,5−トリアジンおよびベンゾトリアゾールならびにこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤
を有する、請求項23に記載の組成物。
【請求項31】
更なるUV吸収剤は、1,3−ビス[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2,2'−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、ポリエチレングリコールとのメチル3−(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートのエステル交換生成物、これらのUV吸収剤の混合物から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
ポリエチレンテレフタレートは、非晶質ポリエチレンテレフタレートであり、かつこの組成物は、付加的に少なくとも1つのアセトアルデヒドスカベンジャーを含んでいる、請求項30および31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
組成物は、再加熱剤、染料、顔料および更なる添加剤から選択される少なくとも1つの更なる成分を付加的に含んでいる、請求項30から32までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
ポリエチレンテレフタレートは、部分的に結晶性のポリエチレンテレフタレートであり、かつこの組成物は、付加的に少なくとも1つの核剤を含んでいる、請求項30および31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
− 請求項1から8までのいずれか1項に定義したような少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド;
− 少なくとも1つの高密度ポリエチレンまたはポリプロピレン;
− 少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤;
− ホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの補助安定剤:
− 所望の場合には、ジフェニルシアノアクリレート、ヒドロキシベンゾフェノン、フェニル−1,3,5−トリアジンおよびベンゾトリアゾールならびにこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤;
− 所望の場合には、少なくとも1つのヒンダードアミン;および
− 所望の場合には、染料、顔料およびその他の添加剤から選択される更なる成分
を有する、請求項24に記載の組成物。
【請求項36】
更なるUV吸収剤は、1,3−ビス[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェノール、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(tert−ブチル)−6−(sec−ブチル)フェノール、2,2'−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)、ポリエチレングリコールとのメチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートのエステル交換生成物およびこれらのUV吸収剤の混合物から選択される、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
− 請求項1から8までのいずれか1項に定義したような少なくとも1つ式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド;
− 少なくとも1つのポリスチレン;
− 少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤;
− ホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの補助安定剤:
− 所望の場合には、ベンゾトリアゾール、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤;
− 所望の場合には、少なくとも1つのヒンダードアミン;および
− 所望の場合には、染料、顔料およびその他の添加剤から選択される少なくとも1つの更なる成分
を有する、請求項20に記載の組成物。
【請求項38】
更なるUV吸収剤は、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−メチルフェノール、1,3−ビス[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートおよびこれらの混合物から選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
− 請求項1から8までのいずれか1項に定義したような少なくとも1つのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミド;
− 少なくとも1つのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーまたはスチレン−アクリロニトリルコポリマー;
− 少なくとも1つの2,6−ジアルキル化フェノール抗酸化剤;
− ホスフィット、ホスホニットおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの補助安定剤:
− 所望の場合には、ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾフェノン、ジフェニルシアノアクリレートおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なるUV吸収剤;
− 所望の場合には、少なくとも1つのヒンダードアミン;および
− 所望の場合には、染料、顔料およびその他の添加剤から選択される更なる成分
を有する、請求項25に記載の組成物。
【請求項40】
更なるUV吸収剤は、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−メチルフェノール、1,3−ビス[(2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2'−シアノ−3',3'−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートおよびこれらの混合物から選択される、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
材料に、請求項1から8までのいずれか1項に定義したような少なくとも1つの式Iのナフタレン−1,8−ジカルボン酸モノイミドを加えることを特徴とする、光の損傷作用から有機材料を保護する方法。
【請求項42】
式I
【化2】

[式中、
は、水素、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、かつ
は、シアノ、−C(O)NR5aまたは1個、2個、3個、4個または5個のC−C12アルキル基を有するフェニルオキシであり、かつ
とR5aは、それぞれ相互に独立に水素、C−C18アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールとヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、またはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシルおよびシアノから選択される1個以上の置換基を有する]
の化合物。
【請求項43】
は、C−Cシクロアルキルまたはフェニルであり、前記C−Cシクロアルキルまたはフェニルはそれぞれ非置換であるか、または1個、2個、3個、4個または5個のC−Cアルキル基を有する、請求項42に記載の式Iの化合物。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2007−534781(P2007−534781A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538810(P2006−538810)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012873
【国際公開番号】WO2005/047265
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】