説明

有機物質処理剤、有機物質処理方法、および有機物質処理装置

【課題】新規な有機物質処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】有機物質処理方法は、有機物質と有機物質処理剤の共存下に、超音波を照射する方法である。ここで、有機物質処理剤は欠陥を有する物を含有している。欠陥を有する物は、たとえば酸素欠陥を有する酸化チタンである。有機物質は、たとえば有機化合物、生物体である。有機化合物は、たとえば1,4-ジオキサンである。生物体は、たとえば菌、バクテリア、ウイルスである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な有機物質処理剤に関する。また、本発明は、前記有機物質処理剤を使用する新規な有機物質処理方法に関する。また、本発明は、前記有機物質処理方法を実施することができる新規な有機物質処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水中への超音波照射は、キャビテーション効果による高温・高圧状態の形成や、それに伴うOHラジカルや過酸化水素など高い酸化力を有する化学種の生成により、有機物を効果的に分解・除去でき、促進酸化処理技術(AOT: Advanced Oxidation Technology)の1つとして広く知られている。
【0003】
近年、超音波照射の際に水にTiO2やSiO2などの粉を添加することで有機物の分解効率が向上することが示され、その原因として辻内らは粉の表面がキャビテーション気泡の核生成サイトになるためとの考え方を提示している(非特許文献1参照)。
【0004】
一方ごく最近、久保らはフェノールの分解においてTiO2の添加が有効であることを示し(非特許文献2参照)、抗菌作用においては他の酸化物の添加に比べてTiO2が特に有効であることを報告している(非特許文献3参照)。また同様の結果は清水らも報告している(非特許文献4参照)。この関連技術では酸化チタンを添加した水中に適当な酸化剤を添加した後超音波照射を行う技術が開示されている(特許文献1参照)。
なお、発明者は、本発明に関連する技術内容を開示している(例えば、非特許文献5〜7参照。)。
【0005】
【特許文献1】特願2003-152442
【非特許文献1】Materials Integration 18[4], 7 (2005)
【非特許文献2】Ultrasonics Sonochemistry 12, 263 (2005)
【非特許文献3】M. Kubo et al., Biotechnology Progress, 21, 897 (2005)
【非特許文献4】Biochem.Eng.J., 25 (2005) 243
【非特許文献5】“Effect of TiO2 Powder Addition on Sonochemical Destruction of 1,4-dioxane in Aqueous Systems”A. Nakajima, H. Sasaki, Y. Kameshima, K. Okada and H. Harada Ultrasonics Sonochem. 14, 197-200 (2007)
【非特許文献6】中島章、佐々木洋和、亀島欣一、岡田清、原田久志:「水中での1, 4ジオキサンの超音波分解におけるTiO2粉末の添加効果」第19回日本セラミックス協会秋季シンポジウム、pp243(2006)
【非特許文献7】佐々木洋和、中島章、亀島欣一、岡田清、原田久志:「超音波照射による水中での1,4-ジオキサン分解におけるTiO2粉末の添加効果」第15回ソノケミストリー討論会、10月27日、金沢大学、pp19-20,(2006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながらその機構については未だ明確になっていなかった。このためこの現象が滅菌について特に明確な効果が認められているにもかかわらず、この技術の価値が必ずしも十分に認識されておらず、実用化が遅れているのが現状である。
【0007】
そのため、水中への超音波照射により有害物除去や抗菌を行う技術を、より効果的に実施できる新規な有機物質処理剤、有機物質処理方法、および有機物質処理装置の開発が望まれている。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新規な有機物質処理剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記有機物質処理剤を使用する新規な有機物質処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、前記有機物質処理方法を実施することができる新規な有機物質処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の有機物質処理剤は欠陥を有する物を含有する。
【0011】
本発明の有機物質処理方法は、有機物質と有機物質処理剤の共存下に超音波を照射する方法であって、前記有機物質処理剤が欠陥を有する物を含有する。
【0012】
本発明の有機物質処理装置は、有機物質と有機物質処理剤の共存下に超音波を照射する装置であって、前記有機物質処理剤が欠陥を有する物を含有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
【0014】
本発明の有機物質処理剤は、欠陥を有する物を含有するので、新規な有機物質処理剤を提供することができる。
【0015】
本発明の有機物質処理方法は、有機物質と有機物質処理剤の共存下に超音波を照射する方法であって、前記有機物質処理剤が欠陥を有する物を含有するので、新規な有機物質処理方法を提供することができる。
【0016】
本発明の有機物質処理装置は、有機物質と有機物質処理剤の共存下に超音波を照射する装置であって、前記有機物質処理剤が欠陥を有する物を含有するので、新規な有機物質処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、有機物質処理剤、有機物質処理方法、および有機物質処理装置にかかる発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0018】
本発明の有機物質処理剤は、欠陥を有する物を含有している。
【0019】
欠陥を有する物は、酸素欠陥を有する金属酸化物、陽イオン欠陥を有する金属酸化物、侵入型陽イオンを有する金属酸化物、侵入型酸素を有する金属酸化物、部分酸化した窒化物、炭化物から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである。
【0020】
酸素欠陥を有する金属酸化物は、酸素欠陥を有する酸化チタン、2価または3価陽イオンを固溶した酸化ジルコニウムから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである。
【0021】
陽イオン欠陥を有する金属酸化物は、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銅、酸化ニッケルから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである。
【0022】
侵入型陽イオンを有する金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化カドミウムから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである。
【0023】
侵入型酸素を有する金属酸化物は、酸化ウランである。
【0024】
部分酸化した窒化物、炭化物は、窒化珪素、炭化珪素から選ばれるいずれか1種、または双方の組み合わせである。
【0025】
欠陥を有する物の作製方法について説明する。
欠陥を有する物のうち、酸素欠陥を有する金属酸化物の場合は、還元性ガス気流中で、所定温度で焼成を行うことにより作製できる。
【0026】
還元性ガスとしては、水素、窒素、ヘリウム、アルゴン、一酸化炭素などを採用することができる。
【0027】
欠陥を有する物の作製方法は、上記の還元性ガス気流中で焼成する方法に限定されるものではない。このほか、常温、不活性ガス中でプラズマ処理を行う方法、価数の異なる陽イオンの固溶を行う方法などを採用することができる。
【0028】
欠陥を有する物の欠陥量について説明する。酸素欠陥の量はエックス線光電子分光(XPS)で測定することができ、Ti2pとO1sのピークから判定できる。
【0029】
欠陥が存在する位置は、粒子全体均一に存在してもよいし、粒子表面に存在してもよい。いずれの場合においても、本発明の効果を奏することができる。
【0030】
欠陥を有する物は粉体の形態である必要はなく、膜、焼結体であっても差し支えない。
【0031】
有機物質について説明する。
有機物質は、有機化合物、生物体から選ばれるいずれか1種、または双方の組み合わせである。
【0032】
生物体は、菌、バクテリア、ウイルスから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである。
【0033】
有機物質処理方法について説明する。
【0034】
本発明の有機物質処理方法は、有機物質と有機物質処理剤の共存下に、超音波を照射する方法であって、前記有機物質処理剤は、欠陥を有する物を含有している。
【0035】
超音波の照射方法としては、有機物質および有機物質処理剤を含む溶媒に超音波振動子を浸漬して超音波を照射する方法などを採用することができる。
【0036】
欠陥を有する物が粉体である場合、粉体を溶媒中に分散させてもよいし、溶媒を入れた容器の底に膜や焼結体を沈殿させてもよい。いずれの場合でも本発明の効果を奏することができる。
【0037】
有機物質処理方法において、添加するのは有機物質処理剤に限定されるものではない。このほか、酸化剤などを添加することができる。
【0038】
有機物質処理方法の用途としては、水中の有害物の除去、抗菌処理などを挙げることができる。抗菌処理は、紫外線がない夜間等での効果的な水質浄化だけでなく、紫外線照射ができない、例えば人への医療技術などへ応用範囲が広がる可能性が高い。
【0039】
有機物質処理装置について説明する。本発明の有機物質処理装置は、有機物質と有機物質処理剤の共存下に超音波を照射する装置であって、前記有機物質処理剤は欠陥を有する物を含有している。
【0040】
以上のことから、本発明を実施するための最良の形態によれば、欠陥を有する物を含む有機物質処理剤を、処理を行おうとする溶媒にあらかじめ所定量添加し、超音波を照射することにより、有害物除去や抗菌を行う技術をより効果的に実施できる方法を提供できる。
【0041】
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【実施例】
【0042】
つぎに、本発明にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0043】
実施例1
【0044】
酸化チタンの粉末(ST-41、石原産業)を用意した。酸化チタンは、平均粒径が0.2μm、純度が99.6質量%、比表面積が11m2/g、酸素欠陥量がほぼ0%であった。この酸化チタンを水素気流中、500℃で1時間焼成した。得られた粉末は白色からややグレーに変色した。得られた粉末は、平均粒径が0.2μm、比表面積が9m2/g、酸素欠陥量が1%であった。この処理による粉末の比表面積の変化はほとんど見られなかった。
【0045】
この水素還元酸化チタンを20gとり、50mg/lの1,4-ジオキサン(和光純薬(株)製, 一級)水溶液100mlに添加し、超音波照射装置(Ohtake Works製、多波長超音波発生装置5202F)を用いて出力50W、周波数20kHzで超音波を照射した。ここで、超音波照射は0.5秒照射と0.5秒休止のサイクルを繰り返して行った。また、超音波照射は、超音波振動子を水溶液の中に浸漬して行った。超音波振動子と容器の底の距離を50mmとした。
【0046】
一定時間ごとにこの液を採取し、ガスクロマトグラフィーにて1,4-ジオキサンの分析を行った。1次反応で近似した分解の反応速度定数は4.0×10-3 (min-1)であった。
【0047】
分析結果は、表1および図1に示すとおりである。図1は、水素還元酸化チタンの効果を示す図である。縦軸は、1,4-ジオキサンの初期濃度50mg/lに対する、サンプリング時の1,4-ジオキサンの濃度の比率である。
【0048】
【表1】

【0049】
比較例1
【0050】
実施例1と同様の実験を無添加、酸化ケイ素添加、水素還元を行わない酸化チタン添加の3つについて行った。酸化ケイ素(type 5013、東ソー)は、比表面積が10m2/g、酸素欠陥量が0%であった。水素還元を行わない酸化チタンは、実施例1における還元前の酸化チタンの粉末を用いた。酸化ケイ素粉末と水素還元を行わない酸化チタン粉末の比表面積はほぼ同じである。
【0051】
1,4-ジオキサンの分析結果は、表1および図1に示すとおりである。無添加、酸化ケイ素添加、水素還元を行わない酸化チタン添加における、それぞれの反応速度定数は、1.0×10-3、1.3×10-3、および2.5×10-3 (min-1)となり、実施例1の水素還元酸化チタンより低くなった。
【0052】
以上のことから、本実施例によれば、酸素欠陥を有する金属酸化物を添加し超音波処理することにより、水中の有害物を効果的に分解除去することができる。従来の金属酸化物添加超音波処理にくらべ大幅な効率アップが実現できる。
【0053】
本発明者らは、酸化チタンがなぜこのプロセスに対して有効なのか、以下のような可能性を列挙した。すなわち、(1)ソノルミネッセンスによる光触媒効果(Ogi et al., Ultrasonics 40, 649 (2002))、(2)TiO2の表面での活性種の安定性の増大(Lawless et al., J. Phys. Chem. 95, 5166 (1991))、(3)キャビテーションによる酸化チタンの熱励起(Mizuguchi et al.,J. Appl. Phys., 96, 3514 (2004))、および(4)表面欠陥濃度の違いによるキャビテーション気泡の核生成サイトとしての有効性の違い、である。そしてこれらの可能性について検討を重ねた結果、表面に構造欠陥を有する金属酸化物を、処理を行おうとする水に添加して超音波照射することで、水の浄化効率が著しく増加することを知見した。
【0054】
実施例2
【0055】
イットリア添加ジルコニア粉末(TZ-3Y、東ソー社製)、試薬の酸化亜鉛粉末(Zinc oxide powder <1micron、Aldrich社製)を用意した。イットリア添加ジルコニア粉末は、比表面積が9m2/gであった。酸化亜鉛粉末は、純度が99.9質量%、比表面積が9m2/gであった。
【0056】
上記のイットリア添加ジルコニア粉末または酸化亜鉛粉末を0.2gとり、50mg/lの1,4-ジオキサン(和光純薬(株)製, 一級)水溶液100mlに添加し、超音波照射装置(Ohtake Works製、多波長超音波発生装置5202F)を用いて出力50W、周波数20kHzで超音波を照射した。ここで、超音波照射は0.5秒照射と0.5秒休止のサイクルを繰り返して行った。また、超音波照射は、超音波振動子を水溶液の中に浸漬して行った。超音波振動子と容器の底の距離を50mmとした。
【0057】
一定時間ごとにこの液を採取し、ガスクロマトグラフィーにて1,4-ジオキサンの分析を行った。
【0058】
分析結果は、表2および図2に示すとおりである。図2は、イットリア添加ジルコニアおよび酸化亜鉛の効果を示す図である。縦軸は、1,4-ジオキサンの初期濃度50mg/lに対する、サンプリング時の1,4-ジオキサンの濃度の比率である。その結果、超音波照射4時間後で、イットリア添加ジルコニアでは添加したジオキサンの30%、酸化亜鉛では24%が分解されていることが判った。1次反応で近似した分解の反応速度定数は、イットリア添加ジルコニアが1.5×10-3 (min-1)であり、酸化亜鉛が1.1×10-3 (min-1)であった。
【0059】
【表2】

【0060】
比較例2
【0061】
実施例2と同様の条件で、α-アルミナ粉末(A-50-F、昭和電工社製)添加、純粋な酸化ジルコニウム粉末(NZP-0Y、日産化学工業社製)を大気中800℃で1時間焼成した粉末添加、酸化チタン粉末(ST-41、石原産業社製)添加、および無添加について実験を行った。α-アルミナ粉末は、比表面積が8m2/gであり、焼成した酸化ジルコニウム粉末は、比表面積が10m2/gであった。酸化チタンは、実施例1における還元前の酸化チタンの粉末を用いた。
【0062】
1,4-ジオキサンの分析結果は、表2および図2に示すとおりである。その結果、超音波照射4時間後で、α-アルミナ粉末では添加したジオキサンの21%、酸化ジルコニウム粉末では21%が分解されていることが判ったが、いずれもイットリア添加ジルコニアや酸化亜鉛と比べて反応場の大きさである表面積は同じであるにも関わらず、分解活性は低かった。一方、超音波照射4時間後で、酸化チタン粉末では36%が分解されていることが判った。
【0063】
α-アルミナ粉末添加、焼成した酸化ジルコニウム粉末添加、酸化チタン粉末添加、および無添加における、それぞれの反応速度定数は、1.0×10-3、1.0×10-3、1.9×10-3、および0.9×10-3 (min-1)であった。
【0064】
以上のことから、本実施例によれば、イットリア添加ジルコニア(酸素欠陥を有する金属酸化物)または酸化亜鉛(侵入型陽イオンを有する金属酸化物)を添加し超音波処理することにより、水中の有害物を効果的に分解除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】水素還元酸化チタンの効果を示す図である。
【図2】イットリア添加ジルコニアおよび酸化亜鉛の効果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
欠陥を有する物を含有する
有機物質処理剤。
【請求項2】
欠陥を有する物は、酸素欠陥を有する金属酸化物、陽イオン欠陥を有する金属酸化物、侵入型陽イオンを有する金属酸化物、侵入型酸素を有する金属酸化物、部分酸化した窒化物、炭化物から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである
請求項1記載の有機物質処理剤。
【請求項3】
酸素欠陥を有する金属酸化物は、酸素欠陥を有する酸化チタン、2価または3価陽イオンを固溶した酸化ジルコニウムから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである
請求項2記載の有機物質処理剤。
【請求項4】
陽イオン欠陥を有する金属酸化物は、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銅、酸化ニッケルから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである
請求項2記載の有機物質処理剤。
【請求項5】
侵入型陽イオンを有する金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化カドミウムから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである
請求項2記載の有機物質処理剤。
【請求項6】
侵入型酸素を有する金属酸化物は、酸化ウランである
請求項2記載の有機物質処理剤。
【請求項7】
部分酸化した窒化物、炭化物は、窒化珪素、炭化珪素から選ばれるいずれか1種、または双方の組み合わせである
請求項2記載の有機物質処理剤。
【請求項8】
酸素欠陥を有する金属酸化物は、酸素欠陥を有する酸化チタンである
請求項2記載の有機物質処理剤。
【請求項9】
有機物質は、有機化合物、生物体から選ばれるいずれか1種、または双方の組み合わせである
請求項1記載の有機物質処理剤。
【請求項10】
生物体は、菌、バクテリア、ウイルスから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである
請求項9記載の有機物質処理剤。
【請求項11】
有機化合物は、1,4-ジオキサンである
請求項9記載の有機物質処理剤。
【請求項12】
有機物質と有機物質処理剤の共存下に、超音波を照射する方法であって、
前記有機物質処理剤は、欠陥を有する物を含有する
有機物質処理方法。
【請求項13】
欠陥を有する物は、酸素欠陥を有する金属酸化物、陽イオン欠陥を有する金属酸化物、侵入型陽イオンを有する金属酸化物、侵入型酸素を有する金属酸化物、部分酸化した窒化物、炭化物から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである
請求項12記載の有機物質処理方法。
【請求項14】
酸素欠陥を有する金属酸化物は、酸素欠陥を有する酸化チタン、2価または3価陽イオンを固溶した酸化ジルコニウムから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである
請求項13記載の有機物質処理方法。
【請求項15】
陽イオン欠陥を有する金属酸化物は、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銅、酸化ニッケルから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである
請求項13記載の有機物質処理方法。
【請求項16】
侵入型陽イオンを有する金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化カドミウムから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである
請求項13記載の有機物質処理方法。
【請求項17】
侵入型酸素を有する金属酸化物は、酸化ウランである
請求項13記載の有機物質処理方法。
【請求項18】
部分酸化した窒化物、炭化物は、窒化珪素、炭化珪素から選ばれるいずれか1種、または双方の組み合わせである
請求項13記載の有機物質処理方法。
【請求項19】
酸素欠陥を有する金属酸化物は、酸素欠陥を有する酸化チタンである
請求項13記載の有機物質処理方法。
【請求項20】
有機物質は、有機化合物、生物体から選ばれるいずれか1種、または双方の組み合わせである
請求項12記載の有機物質処理方法。
【請求項21】
生物体は、菌、バクテリア、ウイルスから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせである
請求項20記載の有機物質処理方法。
【請求項22】
有機化合物は、1,4-ジオキサンである
請求項20記載の有機物質処理方法。
【請求項23】
有機物質と有機物質処理剤の共存下に、超音波を照射する装置であって、
前記有機物質処理剤は、欠陥を有する物を含有する
有機物質処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−30031(P2008−30031A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174829(P2007−174829)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】