有機発光ダイオード駆動回路、有機発光ダイオード表示装置及び有機発光ダイオード表示装置の駆動方法
【課題】本発明は、有機発光ダイオード駆動素子の特性変化を防止できる有機発光ダイオード駆動回路、それを利用した有機発光ダイオード表示装置及び有機発光ダイオード表示装置の駆動方法を提供することにある。
【解決手段】本発明による有機発光ダイオード駆動回路は、電流により発光する有機発光ダイオード、スキャンパルスに応答してデータ電圧を第1ノードに供給する第1スイッチ、第1ノード上のデータ電圧により有機発光ダイオードに流れる電流を制御する第2スイッチ、及び第1ノードのデータ電圧を制御するストレス補償回路を備える。
【解決手段】本発明による有機発光ダイオード駆動回路は、電流により発光する有機発光ダイオード、スキャンパルスに応答してデータ電圧を第1ノードに供給する第1スイッチ、第1ノード上のデータ電圧により有機発光ダイオードに流れる電流を制御する第2スイッチ、及び第1ノードのデータ電圧を制御するストレス補償回路を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ダイオード表示装置に係り、特に有機発光ダイオード駆動素子の特性変化を防止できる有機発光ダイオード駆動回路、それを利用した有機発光ダイオード表示装置及び有機発光ダイオード表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、陰極線管の短所である重量及び体積を減少できる各種の平板表示装置が注目されている。このような平板表示装置としては、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、電界放出表示装置(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)及び発光ダイオード(以下、“LED”という。(LED:Light-Emitting Diode))表示装置などがある。
【0003】
そのうち、LED表示装置は、電子と正孔との再結合により蛍光体を発光させるLEDを利用し、前記LEDは、蛍光体として無機化合物を使用する無機LED表示装置と、有機化合物を使用する有機LED(以下、“OLED”という(OLED:Organic Light-Emitting Diode))表示装置とに区分される。前記OLED表示装置は、低電圧駆動、自己発光、薄膜型、広い視野角、速い応答速度及び高いコントラストなどの多くの長所を有しているので、次世代の表示装置として期待されている。
【0004】
OLEDは、通常、負極と正極との間に積層された電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層及び正孔注入層から構成される。前記OLEDでは、正極と負極との間に所定の電圧を印加する場合、負極から発生した電子が電子注入層及び電子輸送層を通じて発光層側に移動し、正極から発生した正孔が正孔注入層及び正孔輸送層を通じて発光層側に移動する。これにより、発光層では、電子輸送層及び正孔輸送層から供給された電子と正孔との再結合により光を放出する。
【0005】
図1に示したように、前記OLEDを利用するアクティブマトリックスタイプのOLED表示装置10は、n個のゲートラインG1〜Gn(ただし、nは正の整数)とm個のデータラインD1〜Dm(ただし、mは正の整数)との交差により定義された領域にn×mマトリックス形態に配列されたn×m個の画素P[i,j](ただし、P[i,j]はi行、j列に位置した画素、iはnより小さいか、または同じ正の整数、jはmより小さいか、または同じ正の整数)を含むOLEDパネル13、OLEDパネル13のゲートラインG1〜Gnを駆動するゲート駆動回路12、OLEDパネル13のデータラインD1〜Dmを駆動するデータ駆動回路11、及びデータラインD1〜Dmと並べて配列されて、高電位の電源電圧Vddを各画素P[i,j]に供給するm個の電源電圧供給ラインS1〜Smを備える。
【0006】
ゲート駆動回路12は、ゲートラインG1〜Gnにスキャンパルスを供給して、ゲートラインG1〜Gnを順次に駆動する。
【0007】
データ駆動回路11は、外部から入力されたデジタルデータ電圧をアナログデータ電圧に変換する。そして、データ駆動回路11は、アナログデータ電圧をスキャンパルスが供給される度にデータラインD1〜Dmに供給する。
【0008】
画素P[i,j]は、それぞれ第iゲートラインGiにスキャンパルスが供給されるとき、第jデータラインDjからのデータ電圧を供給されてそのデータ電圧に相応する光を発生させる。
【0009】
このために、各画素P[i,j]は、第j電源電圧供給ラインSjに正極が接続されたOLEDと、OLEDを駆動するために、OLEDの負極に接続されると共に、第iゲートラインGi及び第jデータラインDjと接続され、低電位の電源電圧Vssが供給されるOLED駆動回路15とを備える。
【0010】
前記OLED駆動回路15は、第iゲートラインGiからのスキャンパルスに応答して、第jデータラインDjからのデータ電圧を第1ノードN1に供給する第1トランジスタT1、第1ノードN1の電圧に応答してOLEDに流れる電流量を制御する第2トランジスタT2、及び第1ノードN1上の電圧が充電されるストレージキャパシタCsを備える。
【0011】
このOLED駆動回路15の駆動波形は、図2に示すようである。図2において、“1F”は1フレーム期間、“1H”は1水平期間、“Vg_i”は第iゲートラインGiから供給されるゲート電圧、“Psc”はスキャンパルス、“Vd_j”は第jデータラインDjから供給されるデータ電圧、“Prs”はリセットパルス、“VN1”は第1ノードN1上の電圧(以下、第1ノード電圧VN1という。)、“IOLED”はOLEDを通じて流れる電流を表す。
【0012】
図1及び図2に示すように、第1トランジスタT1は、ゲートラインGiを通じてスキャンパルスが供給されれば、ターンオンされてデータラインDjから供給されたデータ電圧Vdを第1ノードN1に供給する。第1ノードN1に供給されたデータ電圧Vdは、ストレージキャパシタCsに充電されると共に第2トランジスタT2のゲート端子に供給される。このように供給されるデータ電圧Vdにより第2トランジスタT2がターンオンされれば、OLEDを通じて電流が流れる。このとき、OLEDを通じて流れる電流は、高電位の電源電圧VDDにより発生し、電流量は、第2トランジスタT2に印加されるデータ電圧Vdの大きさに比例する。そして、第1トランジスタT1がターンオフされても、第2トランジスタT2は、ストレージキャパシタCsによる第1ノード電圧VN1によりターンオン状態を維持して、次のフレームのデータ電圧Vdが供給されるまでOLEDを経由して流れる電流量を制御する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記OLED駆動回路15には、次のような問題点がある。
【0014】
図2に示すように、OLEDを駆動する第2トランジスタT2のゲート電極には、ポジティブ(正)のデータ電圧Vdが長時間印加される。このように長時間印加されるポジティブのデータ電圧Vdにより、第2トランジスタT2には、図3に示すように累積ゲートバイアスストレスが発生し、このような累積ゲートバイアスストレスにより、第2トランジスタT2には、図4Aに示すように劣化による特性変化が発生する。図4Aは、ポジティブのゲートバイアスストレスによるトランジスタの特性変化を示し、図4Bは、ネガティブ(負)のゲートバイアスストレスによるトランジスタの特性変化を示し、図4A及び図4Bで矢印は、トランジスタのしきい電圧の移動を表す。このようにゲートバイアスストレスにより発生する第2トランジスタT2のようなOLED駆動素子の特性変化は、OLEDに流れる電流量を変化させてOLED駆動回路15の動作の信頼性を低下させ、さらに、OLED表示装置の動作についての信頼性を低下させる。
【0015】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、OLED駆動素子の特性変化を防止してOLED駆動回路の動作の信頼性を確保し、さらに、OLED表示装置の動作の信頼性を確保できるOLED駆動回路、OLED表示装置、及びOLED表示装置の駆動方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の目的を達成するために、本発明によるOLED駆動回路は、電流により発光するOLED、スキャンパルスに応答してデータ電圧を第1ノードに供給する第1スイッチ、第1ノード上のデータ電圧によりOLEDに流れる電流を制御する第2スイッチ、及び第1ノードのデータ電圧を制御するストレス補償回路を備える。
【0017】
本発明によるOLED表示装置は、互いに交差するデータライン及びゲートライン、ゲートラインにスキャンパルスを供給するゲート駆動回路、データラインにビデオデータ電圧を供給するデータ駆動回路、電流により発光するOLED、スキャンパルスに応答してデータ電圧を第1ノードに供給する第1スイッチ、第1ノード上のデータ電圧によりOLEDに流れる電流を制御する第2スイッチ、及び第1ノードのデータ電圧を制御するストレス補償回路を備える。
【0018】
本発明によるOLED表示装置の駆動方法は、複数のゲートラインにスキャンパルスを供給するステップ、ゲートラインと交差するデータラインにデータ電圧を供給するステップ、及びOLED駆動回路に含まれたトランジスタの電圧をリセット電圧に制御するステップを含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるOLED駆動回路、OLED表示装置及びOLED表示装置の駆動方法は、リセットパルスに応答してOLED駆動素子の制御ノードを放電させる第3トランジスタを備えて、OLED駆動素子の劣化による特性変化を防止できるので動作の信頼性が向上する。さらに、データ電圧の低電位の基準電圧よりスキャンパルス及びリセットパルスの低電位の基準電圧を低くする駆動波形を供給して、さらに向上したOLED駆動回路の動作の信頼性を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図5〜図9Bを参照して、本発明の望ましい実施の形態について説明する。
【0021】
図5に示すように、本発明の実施形態によるOLED表示装置は、n個のゲートラインG1〜Gn(ただし、nは正の整数)とm個のデータラインD1〜Dm(ただし、mは正の整数)との交差により定義された領域にn×mマトリックス形態に配列されたn×m個の画素P[i,j](ただし、P[i,j]はi行、j列に位置した画素、iはnより小さいか、または同じ正の整数、jはmより小さいか、または同じ正の整数)を含むOLEDパネル103、OLEDパネル103のゲートラインG1〜Gnを駆動するゲート駆動回路102、OLEDパネル103のデータラインD1〜Dmを駆動するデータ駆動回路101、データラインD1〜Dmと並べて配列されて、高電位の電源電圧VDDを各画素P[i,j]に供給するm個の電源電圧供給ラインS1〜Sm、及びゲートラインG1〜Gnと並行に配列されて、リセット信号を各画素P[i,j]に供給するリセットラインR1〜Rnを備える。
【0022】
ゲート駆動回路102は、ゲートラインG1〜Gnにスキャンパルスを供給して、ゲートラインG1〜Gnを順次駆動する。
【0023】
データ駆動回路101は、外部から入力されたデジタルデータ電圧をアナログデータ電圧に変換する。そして、データ駆動回路101は、スキャンパルスが供給される度に、アナログデータ電圧をデータラインD1〜Dmに供給する。
【0024】
画素P[i,j]は、それぞれ第iゲートラインGiにスキャンパルスPscが供給されるとき、第jデータラインDjからのデータ電圧Vd_jが供給されて、そのデータ電圧に相応する光を発生させる。
【0025】
このために、各画素P[i,j]は、第j電源電圧供給ラインSjに正極が接続されたOLEDと、OLEDを駆動するために、OLEDの負極に接続されると共に、第iゲートラインGi、第jデータラインDj及び第iリセットラインRiと接続され、低電位の電源電圧Vssが供給されるOLED駆動回路105とを備える。
【0026】
前記OLED駆動回路105は、第iゲートラインGiからのスキャンパルスに応答して、第jデータラインDjからのデータ電圧を第1ノードN1に供給する第1トランジスタT1、第1ノードN1上の電圧に応答してOLEDに流れる電流量を制御する第2トランジスタT2、及び第iリセットラインRiからのリセットパルスに応答して第1ノードN1を放電させる第3トランジスタT3を備える。トランジスタT1,T2,T3は、非晶質のシリコンタイプまたはポリシリコンタイプのトランジスタで具現される。
【0027】
このOLED駆動回路105の駆動波形は、図6に示すようである。図6において、“1F”は1フレーム期間、“1H”は1水平期間、“Vg_i”は第iゲートラインGiから供給されるゲート電圧、“Psc”はスキャンパルス、“Vd_j”は第jデータラインDjから供給されるデータ電圧、“Vr_i”は第iリセットラインRiから供給されるリセット電圧、“Prs”はリセットパルス、“VN1”は第1ノードN1上の電圧、“IOLED”はOLEDを通じて流れる電流を表す。
【0028】
図5及び図6に示すように、第1トランジスタT1は、第iゲートラインGiを通じてスキャンパルスPscが供給されれば、ターンオンされて第jデータラインDjから供給されたデータ電圧Vdを第1ノードN1に供給する。第1ノードN1に供給されたデータ電圧Vdは、第2トランジスタT2のゲート端子に供給される。このように供給されるデータ電圧Vdにより第2トランジスタT2がターンオンされれば、OLEDを通じて電流が流れる。このとき、OLEDを通じて流れる電流は、高電位の電源電圧VDDにより発生し、その電流量は、第2トランジスタT2のゲート電極に印加されるデータ電圧Vdの大きさに比例する。そして、第1トランジスタT1がターンオフされても、データ電圧Vdによる第1ノードN1上の電圧VN1は、リセットパルスPrsにより第3トランジスタT3がターンオンされて第1ノードN1が放電されるまで維持する。したがって、第2トランジスタT2も、リセットパルスPrsが供給されるまでターンオン状態を維持する。このとき、第iリセットラインRiから供給されるリセットパルスPrsは、フレーム期間ごとにスキャンパルスPscと1/2フレーム期間の時間差をおいて発生する。
【0029】
リセットパルスPrsは、リセット駆動回路(図示せず)から発生する。リセット駆動回路は、ゲート駆動回路102と同様に、シフトレジスタを備えてゲート駆動回路102からのスキャンパルスに続いてリセットパルスPrsを発生させ、そのリセットパルスPrsを順次シフトさせる。
【0030】
このようにスキャンパルスPscと1/2フレーム期間の時間差をおいて発生するリセットパルスPrsにより、第3トランジスタT3を利用して第1ノードN1を放電させることによって、第2トランジスタT2は、1/2フレーム期間のストレス回復期間を有する。すなわち、図7Aに示すように、1/2フレーム期間のターンオン期間に第2トランジスタT2に累積されて増加するゲートバイアスストレスは、ターンオフされる1/2フレーム期間だけ減少する。
【0031】
つまり、第2トランジスタT2、すなわちOLED駆動素子は、1/2フレーム期間にターンオン状態を維持した後、1/2フレーム期間にはターンオフ状態を維持する。したがって、図7Bに示すように、ターンオン状態であるときに発生したOLED駆動素子の特性変化は、ターンオフ状態であるときに回復期間に回復されるので、OLED駆動素子の劣化による特性変化を防止して、OLED駆動回路の動作についての信頼性を向上させる。
【0032】
図7Bに示すように、ポジティブのバイアスストレスは、斜線で示した領域170のように1/2フレーム期間に次第に第2トランジスタT2のゲート電極に累積される。本発明は、残りの1/2フレーム期間の回復期間に第2トランジスタT2のゲート電圧を放電させて、ストレスによる第2トランジスタT2の劣化を防止できる。
【0033】
回復区間にOLED駆動素子のゲート電極にソース及びデータ電極より相対的に低い電源を印加する場合には、ネガティブのバイアスストレス効果をさらに向上させる。すなわち、ネガティブのバイアスストレス効果をさらに向上させて、OLED駆動素子の特性回復を向上させる。一般的にゲートバイアスストレスは、印加された電圧の大きさに比例であり、これによりOLED駆動素子の低電位の基準電圧より低い第2低電位の基準電圧を利用して、ネガティブのバイアスストレス効果を強化して、全体的に駆動による特性変化による信頼性を非常に向上させる。
【0034】
図8は、本発明の他の実施の形態によるOLED表示装置のブロック図である。
【0035】
図8に示すように、OLED表示装置200は、データ駆動回路101、ゲート駆動回路202、OLEDパネル103及びOLED駆動回路205を備える。複数のリセットラインR1〜Rnは、複数のゲートラインG1〜Gnと並行に設ける。リセットラインR1〜Rnは、第3トランジスタT3のソース端子に接続される。ネガティブのストレス電圧−Vstrは、リセットラインR1〜Rnを通じて第3トランジスタT3のソース端子に供給される。ネガティブのストレス電圧−Vstrは、低電位の基準電圧より低くてもよいものとする。ゲート駆動回路202は、ゲートハイ電圧Vghとネガティブのストレス電圧−Vstrとの間でスイングするスキャンパルスを発生させる。リセット電圧は、ネガティブのストレス電圧−Vstrから上昇するが、データ電圧は、ネガティブのストレス電圧−Vstrより高い低電位の電源電圧VSSから上昇する。
【0036】
図9A及び図9Bは、図6のOLED駆動回路の駆動波形、及びそれに比べて回復効果を向上させて信頼性を強化した場合の駆動波形を示す図面である。この駆動波形は、ゲート電圧Vg_iの波形及びリセット電圧Vr_iの波形の低電位の基準電圧が、データ電圧Vd_gの低電位の基準電圧より低いことを特徴とする。OLED駆動素子の制御ノード(第1ノード)に印加される累積バイアスストレスは、斜線で示した領域210,220のようである。図9Bの駆動波形によりOLED駆動素子が駆動する場合、累積バイアスストレスを最小化して特性変化を最小化できる。また、データ電圧Vd_gの低電位の基準電圧に比べて相対的に低い第2低電位の基準電圧(すなわち、ゲート電圧とリセット電圧との低電位の基準電圧)の調節を通じて、ネガティブのバイアスストレスの大きさを調節でき、それを通じて累積バイアスストレスを最小化できる。
【0037】
前述したように、本発明の実施形態によるOLED駆動回路は、リセットパルスに応答してOLED駆動素子の制御ノードを放電させる第3トランジスタを備えて、OLED駆動素子の劣化による特性変化を防止できるので動作の信頼性が向上する。さらに、データ電圧の低電位の基準電圧よりスキャンパルス及びリセットパルスの低電位の基準電圧を低くする駆動波形を供給して、さらに向上したOLED駆動回路の動作の信頼性を確保できる。
【0038】
以上説明した内容を通じて、当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で多様な変更及び修正が可能であるということが分かる。したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲により決まらねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、OLED表示装置関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来のOLED表示装置を示す図面である。
【図2】図1のOLED駆動回路の駆動波形を示す図面である。
【図3】電圧印加時間による累積ゲートバイアスストレスを示す図面である。
【図4A】ポジティブのゲートバイアスストレスによる素子の特性変化を示す図面である。
【図4B】ネガティブのゲートバイアスストレスによる素子の特性変化を示す図面である。
【図5】本発明の実施形態によるOLED表示装置を示す図面である。
【図6】図5のOLED駆動回路の駆動波形を示す図面である。
【図7A】図5のOLED駆動回路によるゲートバイアスストレスの減少を示す図面である。
【図7B】図7Aのポジティブのバイアスストレスをもたらす駆動波形を示す図面である。
【図8】本発明の他の実施形態によるOLED表示装置を示す図面である。
【図9A】図8のOLED駆動回路によるゲートバイアスストレスの減少を示す図面である。
【図9B】図9Aのポジティブのバイアスストレスをもたらす駆動波形を示す図面である。
【符号の説明】
【0041】
100,200 OLED表示装置、101,201 データ駆動回路、102,202 ゲート駆動回路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ダイオード表示装置に係り、特に有機発光ダイオード駆動素子の特性変化を防止できる有機発光ダイオード駆動回路、それを利用した有機発光ダイオード表示装置及び有機発光ダイオード表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、陰極線管の短所である重量及び体積を減少できる各種の平板表示装置が注目されている。このような平板表示装置としては、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、電界放出表示装置(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)及び発光ダイオード(以下、“LED”という。(LED:Light-Emitting Diode))表示装置などがある。
【0003】
そのうち、LED表示装置は、電子と正孔との再結合により蛍光体を発光させるLEDを利用し、前記LEDは、蛍光体として無機化合物を使用する無機LED表示装置と、有機化合物を使用する有機LED(以下、“OLED”という(OLED:Organic Light-Emitting Diode))表示装置とに区分される。前記OLED表示装置は、低電圧駆動、自己発光、薄膜型、広い視野角、速い応答速度及び高いコントラストなどの多くの長所を有しているので、次世代の表示装置として期待されている。
【0004】
OLEDは、通常、負極と正極との間に積層された電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層及び正孔注入層から構成される。前記OLEDでは、正極と負極との間に所定の電圧を印加する場合、負極から発生した電子が電子注入層及び電子輸送層を通じて発光層側に移動し、正極から発生した正孔が正孔注入層及び正孔輸送層を通じて発光層側に移動する。これにより、発光層では、電子輸送層及び正孔輸送層から供給された電子と正孔との再結合により光を放出する。
【0005】
図1に示したように、前記OLEDを利用するアクティブマトリックスタイプのOLED表示装置10は、n個のゲートラインG1〜Gn(ただし、nは正の整数)とm個のデータラインD1〜Dm(ただし、mは正の整数)との交差により定義された領域にn×mマトリックス形態に配列されたn×m個の画素P[i,j](ただし、P[i,j]はi行、j列に位置した画素、iはnより小さいか、または同じ正の整数、jはmより小さいか、または同じ正の整数)を含むOLEDパネル13、OLEDパネル13のゲートラインG1〜Gnを駆動するゲート駆動回路12、OLEDパネル13のデータラインD1〜Dmを駆動するデータ駆動回路11、及びデータラインD1〜Dmと並べて配列されて、高電位の電源電圧Vddを各画素P[i,j]に供給するm個の電源電圧供給ラインS1〜Smを備える。
【0006】
ゲート駆動回路12は、ゲートラインG1〜Gnにスキャンパルスを供給して、ゲートラインG1〜Gnを順次に駆動する。
【0007】
データ駆動回路11は、外部から入力されたデジタルデータ電圧をアナログデータ電圧に変換する。そして、データ駆動回路11は、アナログデータ電圧をスキャンパルスが供給される度にデータラインD1〜Dmに供給する。
【0008】
画素P[i,j]は、それぞれ第iゲートラインGiにスキャンパルスが供給されるとき、第jデータラインDjからのデータ電圧を供給されてそのデータ電圧に相応する光を発生させる。
【0009】
このために、各画素P[i,j]は、第j電源電圧供給ラインSjに正極が接続されたOLEDと、OLEDを駆動するために、OLEDの負極に接続されると共に、第iゲートラインGi及び第jデータラインDjと接続され、低電位の電源電圧Vssが供給されるOLED駆動回路15とを備える。
【0010】
前記OLED駆動回路15は、第iゲートラインGiからのスキャンパルスに応答して、第jデータラインDjからのデータ電圧を第1ノードN1に供給する第1トランジスタT1、第1ノードN1の電圧に応答してOLEDに流れる電流量を制御する第2トランジスタT2、及び第1ノードN1上の電圧が充電されるストレージキャパシタCsを備える。
【0011】
このOLED駆動回路15の駆動波形は、図2に示すようである。図2において、“1F”は1フレーム期間、“1H”は1水平期間、“Vg_i”は第iゲートラインGiから供給されるゲート電圧、“Psc”はスキャンパルス、“Vd_j”は第jデータラインDjから供給されるデータ電圧、“Prs”はリセットパルス、“VN1”は第1ノードN1上の電圧(以下、第1ノード電圧VN1という。)、“IOLED”はOLEDを通じて流れる電流を表す。
【0012】
図1及び図2に示すように、第1トランジスタT1は、ゲートラインGiを通じてスキャンパルスが供給されれば、ターンオンされてデータラインDjから供給されたデータ電圧Vdを第1ノードN1に供給する。第1ノードN1に供給されたデータ電圧Vdは、ストレージキャパシタCsに充電されると共に第2トランジスタT2のゲート端子に供給される。このように供給されるデータ電圧Vdにより第2トランジスタT2がターンオンされれば、OLEDを通じて電流が流れる。このとき、OLEDを通じて流れる電流は、高電位の電源電圧VDDにより発生し、電流量は、第2トランジスタT2に印加されるデータ電圧Vdの大きさに比例する。そして、第1トランジスタT1がターンオフされても、第2トランジスタT2は、ストレージキャパシタCsによる第1ノード電圧VN1によりターンオン状態を維持して、次のフレームのデータ電圧Vdが供給されるまでOLEDを経由して流れる電流量を制御する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記OLED駆動回路15には、次のような問題点がある。
【0014】
図2に示すように、OLEDを駆動する第2トランジスタT2のゲート電極には、ポジティブ(正)のデータ電圧Vdが長時間印加される。このように長時間印加されるポジティブのデータ電圧Vdにより、第2トランジスタT2には、図3に示すように累積ゲートバイアスストレスが発生し、このような累積ゲートバイアスストレスにより、第2トランジスタT2には、図4Aに示すように劣化による特性変化が発生する。図4Aは、ポジティブのゲートバイアスストレスによるトランジスタの特性変化を示し、図4Bは、ネガティブ(負)のゲートバイアスストレスによるトランジスタの特性変化を示し、図4A及び図4Bで矢印は、トランジスタのしきい電圧の移動を表す。このようにゲートバイアスストレスにより発生する第2トランジスタT2のようなOLED駆動素子の特性変化は、OLEDに流れる電流量を変化させてOLED駆動回路15の動作の信頼性を低下させ、さらに、OLED表示装置の動作についての信頼性を低下させる。
【0015】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、OLED駆動素子の特性変化を防止してOLED駆動回路の動作の信頼性を確保し、さらに、OLED表示装置の動作の信頼性を確保できるOLED駆動回路、OLED表示装置、及びOLED表示装置の駆動方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の目的を達成するために、本発明によるOLED駆動回路は、電流により発光するOLED、スキャンパルスに応答してデータ電圧を第1ノードに供給する第1スイッチ、第1ノード上のデータ電圧によりOLEDに流れる電流を制御する第2スイッチ、及び第1ノードのデータ電圧を制御するストレス補償回路を備える。
【0017】
本発明によるOLED表示装置は、互いに交差するデータライン及びゲートライン、ゲートラインにスキャンパルスを供給するゲート駆動回路、データラインにビデオデータ電圧を供給するデータ駆動回路、電流により発光するOLED、スキャンパルスに応答してデータ電圧を第1ノードに供給する第1スイッチ、第1ノード上のデータ電圧によりOLEDに流れる電流を制御する第2スイッチ、及び第1ノードのデータ電圧を制御するストレス補償回路を備える。
【0018】
本発明によるOLED表示装置の駆動方法は、複数のゲートラインにスキャンパルスを供給するステップ、ゲートラインと交差するデータラインにデータ電圧を供給するステップ、及びOLED駆動回路に含まれたトランジスタの電圧をリセット電圧に制御するステップを含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるOLED駆動回路、OLED表示装置及びOLED表示装置の駆動方法は、リセットパルスに応答してOLED駆動素子の制御ノードを放電させる第3トランジスタを備えて、OLED駆動素子の劣化による特性変化を防止できるので動作の信頼性が向上する。さらに、データ電圧の低電位の基準電圧よりスキャンパルス及びリセットパルスの低電位の基準電圧を低くする駆動波形を供給して、さらに向上したOLED駆動回路の動作の信頼性を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図5〜図9Bを参照して、本発明の望ましい実施の形態について説明する。
【0021】
図5に示すように、本発明の実施形態によるOLED表示装置は、n個のゲートラインG1〜Gn(ただし、nは正の整数)とm個のデータラインD1〜Dm(ただし、mは正の整数)との交差により定義された領域にn×mマトリックス形態に配列されたn×m個の画素P[i,j](ただし、P[i,j]はi行、j列に位置した画素、iはnより小さいか、または同じ正の整数、jはmより小さいか、または同じ正の整数)を含むOLEDパネル103、OLEDパネル103のゲートラインG1〜Gnを駆動するゲート駆動回路102、OLEDパネル103のデータラインD1〜Dmを駆動するデータ駆動回路101、データラインD1〜Dmと並べて配列されて、高電位の電源電圧VDDを各画素P[i,j]に供給するm個の電源電圧供給ラインS1〜Sm、及びゲートラインG1〜Gnと並行に配列されて、リセット信号を各画素P[i,j]に供給するリセットラインR1〜Rnを備える。
【0022】
ゲート駆動回路102は、ゲートラインG1〜Gnにスキャンパルスを供給して、ゲートラインG1〜Gnを順次駆動する。
【0023】
データ駆動回路101は、外部から入力されたデジタルデータ電圧をアナログデータ電圧に変換する。そして、データ駆動回路101は、スキャンパルスが供給される度に、アナログデータ電圧をデータラインD1〜Dmに供給する。
【0024】
画素P[i,j]は、それぞれ第iゲートラインGiにスキャンパルスPscが供給されるとき、第jデータラインDjからのデータ電圧Vd_jが供給されて、そのデータ電圧に相応する光を発生させる。
【0025】
このために、各画素P[i,j]は、第j電源電圧供給ラインSjに正極が接続されたOLEDと、OLEDを駆動するために、OLEDの負極に接続されると共に、第iゲートラインGi、第jデータラインDj及び第iリセットラインRiと接続され、低電位の電源電圧Vssが供給されるOLED駆動回路105とを備える。
【0026】
前記OLED駆動回路105は、第iゲートラインGiからのスキャンパルスに応答して、第jデータラインDjからのデータ電圧を第1ノードN1に供給する第1トランジスタT1、第1ノードN1上の電圧に応答してOLEDに流れる電流量を制御する第2トランジスタT2、及び第iリセットラインRiからのリセットパルスに応答して第1ノードN1を放電させる第3トランジスタT3を備える。トランジスタT1,T2,T3は、非晶質のシリコンタイプまたはポリシリコンタイプのトランジスタで具現される。
【0027】
このOLED駆動回路105の駆動波形は、図6に示すようである。図6において、“1F”は1フレーム期間、“1H”は1水平期間、“Vg_i”は第iゲートラインGiから供給されるゲート電圧、“Psc”はスキャンパルス、“Vd_j”は第jデータラインDjから供給されるデータ電圧、“Vr_i”は第iリセットラインRiから供給されるリセット電圧、“Prs”はリセットパルス、“VN1”は第1ノードN1上の電圧、“IOLED”はOLEDを通じて流れる電流を表す。
【0028】
図5及び図6に示すように、第1トランジスタT1は、第iゲートラインGiを通じてスキャンパルスPscが供給されれば、ターンオンされて第jデータラインDjから供給されたデータ電圧Vdを第1ノードN1に供給する。第1ノードN1に供給されたデータ電圧Vdは、第2トランジスタT2のゲート端子に供給される。このように供給されるデータ電圧Vdにより第2トランジスタT2がターンオンされれば、OLEDを通じて電流が流れる。このとき、OLEDを通じて流れる電流は、高電位の電源電圧VDDにより発生し、その電流量は、第2トランジスタT2のゲート電極に印加されるデータ電圧Vdの大きさに比例する。そして、第1トランジスタT1がターンオフされても、データ電圧Vdによる第1ノードN1上の電圧VN1は、リセットパルスPrsにより第3トランジスタT3がターンオンされて第1ノードN1が放電されるまで維持する。したがって、第2トランジスタT2も、リセットパルスPrsが供給されるまでターンオン状態を維持する。このとき、第iリセットラインRiから供給されるリセットパルスPrsは、フレーム期間ごとにスキャンパルスPscと1/2フレーム期間の時間差をおいて発生する。
【0029】
リセットパルスPrsは、リセット駆動回路(図示せず)から発生する。リセット駆動回路は、ゲート駆動回路102と同様に、シフトレジスタを備えてゲート駆動回路102からのスキャンパルスに続いてリセットパルスPrsを発生させ、そのリセットパルスPrsを順次シフトさせる。
【0030】
このようにスキャンパルスPscと1/2フレーム期間の時間差をおいて発生するリセットパルスPrsにより、第3トランジスタT3を利用して第1ノードN1を放電させることによって、第2トランジスタT2は、1/2フレーム期間のストレス回復期間を有する。すなわち、図7Aに示すように、1/2フレーム期間のターンオン期間に第2トランジスタT2に累積されて増加するゲートバイアスストレスは、ターンオフされる1/2フレーム期間だけ減少する。
【0031】
つまり、第2トランジスタT2、すなわちOLED駆動素子は、1/2フレーム期間にターンオン状態を維持した後、1/2フレーム期間にはターンオフ状態を維持する。したがって、図7Bに示すように、ターンオン状態であるときに発生したOLED駆動素子の特性変化は、ターンオフ状態であるときに回復期間に回復されるので、OLED駆動素子の劣化による特性変化を防止して、OLED駆動回路の動作についての信頼性を向上させる。
【0032】
図7Bに示すように、ポジティブのバイアスストレスは、斜線で示した領域170のように1/2フレーム期間に次第に第2トランジスタT2のゲート電極に累積される。本発明は、残りの1/2フレーム期間の回復期間に第2トランジスタT2のゲート電圧を放電させて、ストレスによる第2トランジスタT2の劣化を防止できる。
【0033】
回復区間にOLED駆動素子のゲート電極にソース及びデータ電極より相対的に低い電源を印加する場合には、ネガティブのバイアスストレス効果をさらに向上させる。すなわち、ネガティブのバイアスストレス効果をさらに向上させて、OLED駆動素子の特性回復を向上させる。一般的にゲートバイアスストレスは、印加された電圧の大きさに比例であり、これによりOLED駆動素子の低電位の基準電圧より低い第2低電位の基準電圧を利用して、ネガティブのバイアスストレス効果を強化して、全体的に駆動による特性変化による信頼性を非常に向上させる。
【0034】
図8は、本発明の他の実施の形態によるOLED表示装置のブロック図である。
【0035】
図8に示すように、OLED表示装置200は、データ駆動回路101、ゲート駆動回路202、OLEDパネル103及びOLED駆動回路205を備える。複数のリセットラインR1〜Rnは、複数のゲートラインG1〜Gnと並行に設ける。リセットラインR1〜Rnは、第3トランジスタT3のソース端子に接続される。ネガティブのストレス電圧−Vstrは、リセットラインR1〜Rnを通じて第3トランジスタT3のソース端子に供給される。ネガティブのストレス電圧−Vstrは、低電位の基準電圧より低くてもよいものとする。ゲート駆動回路202は、ゲートハイ電圧Vghとネガティブのストレス電圧−Vstrとの間でスイングするスキャンパルスを発生させる。リセット電圧は、ネガティブのストレス電圧−Vstrから上昇するが、データ電圧は、ネガティブのストレス電圧−Vstrより高い低電位の電源電圧VSSから上昇する。
【0036】
図9A及び図9Bは、図6のOLED駆動回路の駆動波形、及びそれに比べて回復効果を向上させて信頼性を強化した場合の駆動波形を示す図面である。この駆動波形は、ゲート電圧Vg_iの波形及びリセット電圧Vr_iの波形の低電位の基準電圧が、データ電圧Vd_gの低電位の基準電圧より低いことを特徴とする。OLED駆動素子の制御ノード(第1ノード)に印加される累積バイアスストレスは、斜線で示した領域210,220のようである。図9Bの駆動波形によりOLED駆動素子が駆動する場合、累積バイアスストレスを最小化して特性変化を最小化できる。また、データ電圧Vd_gの低電位の基準電圧に比べて相対的に低い第2低電位の基準電圧(すなわち、ゲート電圧とリセット電圧との低電位の基準電圧)の調節を通じて、ネガティブのバイアスストレスの大きさを調節でき、それを通じて累積バイアスストレスを最小化できる。
【0037】
前述したように、本発明の実施形態によるOLED駆動回路は、リセットパルスに応答してOLED駆動素子の制御ノードを放電させる第3トランジスタを備えて、OLED駆動素子の劣化による特性変化を防止できるので動作の信頼性が向上する。さらに、データ電圧の低電位の基準電圧よりスキャンパルス及びリセットパルスの低電位の基準電圧を低くする駆動波形を供給して、さらに向上したOLED駆動回路の動作の信頼性を確保できる。
【0038】
以上説明した内容を通じて、当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で多様な変更及び修正が可能であるということが分かる。したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲により決まらねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、OLED表示装置関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来のOLED表示装置を示す図面である。
【図2】図1のOLED駆動回路の駆動波形を示す図面である。
【図3】電圧印加時間による累積ゲートバイアスストレスを示す図面である。
【図4A】ポジティブのゲートバイアスストレスによる素子の特性変化を示す図面である。
【図4B】ネガティブのゲートバイアスストレスによる素子の特性変化を示す図面である。
【図5】本発明の実施形態によるOLED表示装置を示す図面である。
【図6】図5のOLED駆動回路の駆動波形を示す図面である。
【図7A】図5のOLED駆動回路によるゲートバイアスストレスの減少を示す図面である。
【図7B】図7Aのポジティブのバイアスストレスをもたらす駆動波形を示す図面である。
【図8】本発明の他の実施形態によるOLED表示装置を示す図面である。
【図9A】図8のOLED駆動回路によるゲートバイアスストレスの減少を示す図面である。
【図9B】図9Aのポジティブのバイアスストレスをもたらす駆動波形を示す図面である。
【符号の説明】
【0041】
100,200 OLED表示装置、101,201 データ駆動回路、102,202 ゲート駆動回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流により発光する有機発光ダイオードと、
スキャンパルスに応答して、データ電圧を前記有機発光ダイオードに接続された第1ノードに供給する第1スイッチと、
前記第1のノードと前記有機発光ダイオードとの間に接続され、前記第1ノード上のデータ電圧により、前記有機発光ダイオードに流れる電流を制御する第2スイッチと、
前記第1ノードのデータ電圧を制御するストレス補償回路と、
を備えることを特徴とする有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項2】
前記ストレス補償回路は、リセットパルスに応答して、前記第1ノードのデータ電圧を放電させる第3スイッチを備えることを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項3】
前記リセットパルスは、前記スキャンパルスの発生時点より1/2フレーム期間だけ遅延された時点に発生することを特徴とする請求項2に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項4】
前記データ電圧は、第1低電位の基準電圧から上昇し、
前記スキャンパルス及び前記リセットパルスは、前記第1低電位の基準電圧より低い第2低電位の基準電圧から上昇することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項5】
前記データ電圧は、第1低電位の基準電圧から上昇し、
前記リセットパルスは、前記第1低電位の基準電圧より低い第2低電位の基準電圧から上昇することを特徴とする請求項2に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項6】
前記第1、第2及び第3スイッチは、それぞれトランジスタを備えることを特徴とする請求項2に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項7】
前記トランジスタは、それぞれ非晶質のトランジスタであることを特徴とする請求項6に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項8】
前記トランジスタは、それぞれポリシリコントランジスタであることを特徴とする請求項6に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項9】
前記ストレス補償回路は、前記第1ノードに補償電圧を供給し、
前記補償電圧の極性は、前記第1ノードに供給されるデータ電圧の極性と異なることを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項10】
前記ストレス補償回路は、前記データ電圧の低電位の基準電圧より低い電圧を前記第1ノードに供給する第3スイッチを備えることを特徴とする請求項9に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項11】
前記第3スイッチは、前記第1スイッチに続いてターンオンされることを特徴とする請求項10に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項12】
前記第1、第2及び第3スイッチは、それぞれ非晶質のトランジスタを備えることを特徴とする請求項10に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項13】
前記第1、第2及び第3スイッチは、それぞれポリシリコントランジスタを備えることを特徴とする請求項10に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項14】
互いに交差するデータライン及びゲートラインと、
前記ゲートラインにスキャンパルスを供給するゲート駆動回路と、
前記データラインにビデオデータ電圧を供給するデータ駆動回路と、
電流により発光する有機発光ダイオードと、
前記スキャンパルスに応答して、データ電圧を第1ノードに供給する第1スイッチと、
前記第1ノード上のデータ電圧により、前記有機発光ダイオードに流れる電流を制御する第2スイッチと、
前記第1ノードのデータ電圧を制御するストレス補償回路と、
を備えることを特徴とする有機発光ダイオード表示装置。
【請求項15】
前記ストレス補償回路は、リセットパルスに応答して、前記第1ノードのデータ電圧を放電させる第3スイッチを備えることを特徴とする請求項14に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項16】
前記リセットパルスは、前記スキャンパルスの発生時点から所定の時間だけ遅延されることを特徴とする請求項15に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項17】
前記リセットパルスは、前記スキャンパルスの発生時点より1/2フレーム期間だけ遅延された時点に発生することを特徴とする請求項16に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項18】
前記第1、第2及び第3スイッチは、それぞれ非晶質のトランジスタを備えることを特徴とする請求項15に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項19】
前記トランジスタは、それぞれポリシリコントランジスタを備えることを特徴とする請求項18に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項20】
前記ストレス補償回路は、リセットパルスに応答して第1ノードを放電させる第3スイッチを備え、前記データ電圧は、第1低電位の基準電圧から上昇することを特徴とする請求項14に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項21】
前記スキャンパルス及び前記リセットパルス、または前記リセットパルスのみが、前記第1低電位の基準電圧より低い第2低電位の基準電圧から上昇することを特徴とする請求項20に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項22】
前記リセットパルスは、前記スキャンパルスの発生時点より1/2フレーム期間だけ遅延された時点に発生することを特徴とする請求項21に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項23】
前記ストレス補償回路は、前記第1ノードに補償電圧を供給し、前記補償電圧の極性は、前記第1ノードに供給されるデータ電圧の極性と異なることを特徴とする請求項21に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項24】
前記ストレス補償回路は、リセットパルスに応答して第1スイッチに続いてターンオンされて、前記データ電圧の低電位の基準電圧より低い電圧を前記第1ノードに供給する第3スイッチを備えることを特徴とする請求項23に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項25】
前記リセットパルスは、前記スキャンパルスの発生時点より1/2フレーム期間だけ遅延された時点に発生することを特徴とする請求項24に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項26】
複数のゲートラインにスキャンパルスを供給するステップと、
前記ゲートラインと交差する前記データラインにデータ電圧を供給するステップと、
有機発光ダイオード駆動回路に含まれたトランジスタの電圧をリセット電圧に制御するステップと、
を含むことを特徴とする有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【請求項27】
前記電圧を制御するステップは、
前記トランジスタの制御ノードに接続された複数のリセットラインに前記リセット電圧を供給するステップを含むことを特徴とする請求項26に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【請求項28】
前記電圧を制御するステップは、
第1の1/2フレーム期間に前記トランジスタの制御ノードを充電するステップと、
前記第1の1/2フレーム期間に続く第2の1/2フレーム期間に前記トランジスタの制御ノードを放電させるステップと、
を含むことを特徴とする請求項27に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【請求項29】
前記電圧を制御するステップは、
第1の1/2フレーム期間に前記トランジスタの制御ノードにデータ電圧を供給するステップと、
前記第1の1/2フレーム期間に続く第2の1/2フレーム期間に、前記トランジスタの制御ノードに前記リセット電圧を供給するステップと、
を含むことを特徴とする請求項27に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【請求項30】
前記データ電圧を第1低電位の基準電圧から上昇させるステップと、
前記リセット電圧を前記第1低電位の基準電圧より低い第2低電位の基準電圧から上昇させるステップと、
を含むことを特徴とする請求項29に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【請求項1】
電流により発光する有機発光ダイオードと、
スキャンパルスに応答して、データ電圧を前記有機発光ダイオードに接続された第1ノードに供給する第1スイッチと、
前記第1のノードと前記有機発光ダイオードとの間に接続され、前記第1ノード上のデータ電圧により、前記有機発光ダイオードに流れる電流を制御する第2スイッチと、
前記第1ノードのデータ電圧を制御するストレス補償回路と、
を備えることを特徴とする有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項2】
前記ストレス補償回路は、リセットパルスに応答して、前記第1ノードのデータ電圧を放電させる第3スイッチを備えることを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項3】
前記リセットパルスは、前記スキャンパルスの発生時点より1/2フレーム期間だけ遅延された時点に発生することを特徴とする請求項2に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項4】
前記データ電圧は、第1低電位の基準電圧から上昇し、
前記スキャンパルス及び前記リセットパルスは、前記第1低電位の基準電圧より低い第2低電位の基準電圧から上昇することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項5】
前記データ電圧は、第1低電位の基準電圧から上昇し、
前記リセットパルスは、前記第1低電位の基準電圧より低い第2低電位の基準電圧から上昇することを特徴とする請求項2に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項6】
前記第1、第2及び第3スイッチは、それぞれトランジスタを備えることを特徴とする請求項2に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項7】
前記トランジスタは、それぞれ非晶質のトランジスタであることを特徴とする請求項6に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項8】
前記トランジスタは、それぞれポリシリコントランジスタであることを特徴とする請求項6に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項9】
前記ストレス補償回路は、前記第1ノードに補償電圧を供給し、
前記補償電圧の極性は、前記第1ノードに供給されるデータ電圧の極性と異なることを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項10】
前記ストレス補償回路は、前記データ電圧の低電位の基準電圧より低い電圧を前記第1ノードに供給する第3スイッチを備えることを特徴とする請求項9に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項11】
前記第3スイッチは、前記第1スイッチに続いてターンオンされることを特徴とする請求項10に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項12】
前記第1、第2及び第3スイッチは、それぞれ非晶質のトランジスタを備えることを特徴とする請求項10に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項13】
前記第1、第2及び第3スイッチは、それぞれポリシリコントランジスタを備えることを特徴とする請求項10に記載の有機発光ダイオード駆動回路。
【請求項14】
互いに交差するデータライン及びゲートラインと、
前記ゲートラインにスキャンパルスを供給するゲート駆動回路と、
前記データラインにビデオデータ電圧を供給するデータ駆動回路と、
電流により発光する有機発光ダイオードと、
前記スキャンパルスに応答して、データ電圧を第1ノードに供給する第1スイッチと、
前記第1ノード上のデータ電圧により、前記有機発光ダイオードに流れる電流を制御する第2スイッチと、
前記第1ノードのデータ電圧を制御するストレス補償回路と、
を備えることを特徴とする有機発光ダイオード表示装置。
【請求項15】
前記ストレス補償回路は、リセットパルスに応答して、前記第1ノードのデータ電圧を放電させる第3スイッチを備えることを特徴とする請求項14に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項16】
前記リセットパルスは、前記スキャンパルスの発生時点から所定の時間だけ遅延されることを特徴とする請求項15に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項17】
前記リセットパルスは、前記スキャンパルスの発生時点より1/2フレーム期間だけ遅延された時点に発生することを特徴とする請求項16に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項18】
前記第1、第2及び第3スイッチは、それぞれ非晶質のトランジスタを備えることを特徴とする請求項15に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項19】
前記トランジスタは、それぞれポリシリコントランジスタを備えることを特徴とする請求項18に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項20】
前記ストレス補償回路は、リセットパルスに応答して第1ノードを放電させる第3スイッチを備え、前記データ電圧は、第1低電位の基準電圧から上昇することを特徴とする請求項14に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項21】
前記スキャンパルス及び前記リセットパルス、または前記リセットパルスのみが、前記第1低電位の基準電圧より低い第2低電位の基準電圧から上昇することを特徴とする請求項20に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項22】
前記リセットパルスは、前記スキャンパルスの発生時点より1/2フレーム期間だけ遅延された時点に発生することを特徴とする請求項21に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項23】
前記ストレス補償回路は、前記第1ノードに補償電圧を供給し、前記補償電圧の極性は、前記第1ノードに供給されるデータ電圧の極性と異なることを特徴とする請求項21に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項24】
前記ストレス補償回路は、リセットパルスに応答して第1スイッチに続いてターンオンされて、前記データ電圧の低電位の基準電圧より低い電圧を前記第1ノードに供給する第3スイッチを備えることを特徴とする請求項23に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項25】
前記リセットパルスは、前記スキャンパルスの発生時点より1/2フレーム期間だけ遅延された時点に発生することを特徴とする請求項24に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項26】
複数のゲートラインにスキャンパルスを供給するステップと、
前記ゲートラインと交差する前記データラインにデータ電圧を供給するステップと、
有機発光ダイオード駆動回路に含まれたトランジスタの電圧をリセット電圧に制御するステップと、
を含むことを特徴とする有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【請求項27】
前記電圧を制御するステップは、
前記トランジスタの制御ノードに接続された複数のリセットラインに前記リセット電圧を供給するステップを含むことを特徴とする請求項26に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【請求項28】
前記電圧を制御するステップは、
第1の1/2フレーム期間に前記トランジスタの制御ノードを充電するステップと、
前記第1の1/2フレーム期間に続く第2の1/2フレーム期間に前記トランジスタの制御ノードを放電させるステップと、
を含むことを特徴とする請求項27に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【請求項29】
前記電圧を制御するステップは、
第1の1/2フレーム期間に前記トランジスタの制御ノードにデータ電圧を供給するステップと、
前記第1の1/2フレーム期間に続く第2の1/2フレーム期間に、前記トランジスタの制御ノードに前記リセット電圧を供給するステップと、
を含むことを特徴とする請求項27に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【請求項30】
前記データ電圧を第1低電位の基準電圧から上昇させるステップと、
前記リセット電圧を前記第1低電位の基準電圧より低い第2低電位の基準電圧から上昇させるステップと、
を含むことを特徴とする請求項29に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2007−4114(P2007−4114A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364023(P2005−364023)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(599127667)エルジー フィリップス エルシーディー カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(599127667)エルジー フィリップス エルシーディー カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】
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