説明

有機発光層用有機金属錯体及び有機発光ダイオード

【課題】有機発光層のための有機金属錯体及び有機発光ダイオードを提供する。
【解決手段】配位子としてナフタレン誘導体が、有機金属錯体に導入される。有機発光ダイオードは、リン光用ホスト材料として、前記有機金属錯体を用いる。有機発光ダイオードは、従来のBAlqを使用した素子に比べて、高電流効率、高電力効率及び、長寿命を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光層用有機金属錯体に関し、さらに詳しくは、効率及び寿命に優れた有機発光ダイオードを製造するための有機発光層用有機金属錯体に関する。また、本発明は、前記有機発光層用有機金属錯体を用いる有機発光ダイオードに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、表示装置の大型化に従って、できるだけ占有スペースの小さい平面表示素子の要求が増大している。代表的な平面表示素子の液晶ディスプレイは、従来のCRTに比べて軽量化が可能であるという長所はあるが、視野角に制限があり、バックライトが必要であるといった短所がある。これに対して、新しい平面表示素子の有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)は、自己発光現像を用いたディスプレイであって、視野角が広く、液晶ディスプレイに比べて軽量化、薄型化、小型化することができ、応答速度が速いといった長所がある。
【0003】
代表的な有機発光ダイオードは、1969年、ガーニー(Gurnee)によって報告された(特許文献1、2参照)。しかし、この有機発光ダイオードは、その性能上の限界により多様な用途への使用に制限があった。1987年、イーストマン・コダック社の多層構造の有機発光ダイオードの発表以来、有機発光ダイオードは、従来の装置の問題点を克服し、急速に発展してきた(非特許文献1、2参照)。有機発光ダイオードは、プラズマディスプレイパネル(PDP)や無機エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置に比べ、低い駆動電圧(例えば、10V以下)、広い視野角、高速応答性、高コントラストなどの優れた特徴を有する。これらの利点に基づき、有機発光ダイオードは、グラフィックディスプレイ、テレビ受像器や表面光源のピクセルとして使用することができる。さらに、有機発光ダイオードは、可撓性の(flexible)透明基板の上にも素子を形成することができ、厚さ及び重量を低減することができ、鮮やかな色感を得ることができる。そこで、有機発光ダイオードは、次世代平面ディスプレイ(flat panel display:FPD)に適した素子として、認識されている。
【0004】
このような有機発光ダイオードとは、正孔注入電極(陽極)である第1電極(アノード)と、電子注入電極(陰極)である第2電極(カソード)と、アノード及びカソードの間に配置された有機発光層とを備え、カソードから注入された電子と、アノードから注入された正孔とが有機発光層内で結合して、電子−正孔対(励起子)を形成し、励起子が励起状態から基底状態へ遷移して発光を衰えさせる。この時、励起子が、一重項励起状態(singlet excited state)を経て励起状態から基底状態に遷移して発光(すなわち、蛍光)するかもしれず、三重項励起状態(triplet excited state)を経て励起状態から基底状態に遷移して発光(すなわち、燐光)するかもしれない。蛍光の場合、一重項励起状態の確率が25%であるため、光発効率に限界があるのに対し、リン光の場合、75%の三重項励起状態の確率と、25%の一重項励起状態の確率とを利用することができるため、理論的には、内部量子効率は100%に達する可能性がある。三重項を用いた種々の発光材料が、公知になっている。例えば、イリジウムまたは白金金属化合物を用いたいくつかのリン光材料が、プリンストン大学及び南カリフォルニア大学(UCLA)で報告されている(非特許文献3、4参照)。最近では、大画面のディスプレイを実現するために求められる高効率、長寿命材料を備える素子の必要性が増大している。このような環境下、リン光材料の開発及びこれを用いた素子の研究が進んでいる。
【0005】
通常使用されるリン光用ホストとしては、4,4,’−N,N’−ジカルボゾリビフェニル(CBP)、((1,1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2−メチル−8−キノリノラト N1、O8)アルミニウム(BAlq)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)などが挙げられる。これらの中でBAlqは、適したエネルギーレベル特性と電荷移送の能力を有するので、BAlqは、正孔輸送材料として、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(NPB)を使用し、電子輸送材料としてAlqを使用する素子において、CBPとともに、リン光用ホスト材料として、最も一般的に使用される。
【0006】
リン光用ホスト物質としてアルミニウム錯体が列挙され、前記ホスト物質と正孔輸送層との間のイオン化ポテンシャルエネルギーの差が0.4〜0.8eVの場合に寿命を向上させることができることが記載されている(特許文献3参照)。しかしながら、有機エレクトロルミネッセンス素子は、未だに効率が悪く、長寿命化することができないという問題点を有する。
【特許文献1】米国特許第3172862号明細書
【特許文献2】米国特許第3173050号明細書
【特許文献3】米国公開特許公報第US2003/0129452号
【非特許文献1】C.W.Tang et al., Appl. Phys. Lett., 51, 913(1987)
【非特許文献2】J.Applied Phys,. 65, 3610(1989)
【非特許文献3】Sergey Lamansky etc.Inorg.Chem., 40, 1704−1711, 2001
【非特許文献4】J. Am. Chem. Soc., 123, 4304-4312, 2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の第1の目的は、効率よく、長寿命の有機発光ダイオードを製造するための有機発光層用有機金属錯体を提供することである。
【0008】
また、本発明の第2の目的は、前記有機発光層用有機金属錯体を含む有機発光ダイオードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の目的を達成するために、本発明の特徴に従って、式(1)で表される有機発光層用有機金属錯体を提供される。

【0010】
(式(1)で、R〜R12はそれぞれ、水素原子、アミノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキニル基または炭素数1〜10のアルコキシ基であり、
Lは、

【0011】
または、

【0012】
であり、
21〜R27はそれぞれ、水素原子、アミノ基、炭素数6〜20の置換または非置換アリール基または炭素数4〜19のN、S、Oを含むヘテロアリール基であり、R21〜R27の1つ以上は炭素数6〜20の置換または非置換アリール基または炭素数4〜19のN、S、Oを含むヘテロアリール基であり、前記置換体は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数1〜10のアルキルシリル基、ハロゲン原子、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数6〜10のアリールアミノ基、炭素数6〜10のアリールシリルからなる群から選ばれる何れか1つの原子または基である。)
本発明の一実施形態において、前記有機発光層用有機金属錯体は、式(2)で表される群の化合物から選ばれてもよい。
【0013】


【0014】

【0015】

【0016】

【0017】

【0018】

【0019】

【0020】

【0021】

【0022】

【0023】

【0024】

【0025】

【0026】

【0027】



【0028】

【0029】
本発明の好ましい実施形態において、前記有機発光層用有機金属錯体は、式(3)で表される群の化合物から選ばれてもよい。
【0030】


【0031】

【0032】
第2の目的を達成するために、本発明の他の特徴に従って、アノードと、カソードと、アノード及びカソードに挟持される有機発光層とを備え、前記有機発光層は、式(1)で表される有機金属錯体を含む有機発光ダイオードが提供される。
【0033】
本発明の一実施形態において、有機発光ダイオードは、前記有機発光層のドーパントとして、イリジウム錯体を含んでもよい。
【0034】
前記イリジウム錯体は、

【0035】
または、

【0036】
であってもよい。
【0037】
本発明のさらなる実施形態において、前記ドーパントは、前記有機金属錯体の0.1〜30重量%の量で用いることが好ましい。
【0038】
本発明の有機発光ダイオードは、さらに、前記アノードと前記有機発光層との間に積層された正孔輸送層と、前記カソードと前記有機発光層との間に積層された電子輸送層とを備えてもよい。
【0039】
本発明の有機発光ダイオードは、さらに、前記アノードと前記正孔輸送層との間に積層された正孔注入層を備えてもよい。
【0040】
本発明の有機発光ダイオードは、さらに、前記カソードと前記電子輸送層との間に積層された電子注入層を備えてもよい。
【0041】
本発明の他の実施形態において、前記正孔輸送層は、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)または、N,N’−ジ−(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)により形成されてもよい。
【0042】
本発明の好ましい実施形態において、前記正孔注入層は、銅フタロシアニン(CuPc)、4,4’,4”−トリ(N−カルボゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)または4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)により形成されてもよい。
【0043】
本発明の上記及び他の目的、特徴、他の利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な記述からより一層明らかにされるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0045】
本発明による有機発光層用有機金属錯体は、従来のBAlq誘導体を変形することによって、バルクパッキング(bulk packing)特性を改善し、これを用いた有機発光ダイオードの効率及び寿命を大幅に改善することができるという特徴がある。
【0046】
本発明に使用される有機発光層は、ホスト(host)にドーパントをドーピングするエネルギーの移動原理に基づくホスト−ドーパントシステムを採用する。前記ホスト−ドーパントシステムにおいて、発光のためのドーパントと電荷輸送のためのホストを効果的に使用するためには、高い光発光(photoluminescence)効率、蒸着時に化学的に劣化しないこと、バランスのよい電荷注入及び輸送に適したエネルギーレベルを有すること、分子単位の安定性、構造的に安定したフィルムが形成できることなどの特性が、全体的に調和が取れていなければならない。このような特性は、分子の光学的ないし電気的特性だけではなく、蒸気蒸着(vapor deposition)により形成される分子のバルクパッキング(bulk packing)によって決められる。従って、有機発光層のホストとドーパントとの光学的及び電気的特性と、蒸気蒸着によって形成される分子のバルクパッキング特性とが、有機発光層を備える素子の寿命及び効率を決定する重要な要因となりうる。
【0047】
BAlqの最高被占軌道(HOMO)の電子密度は、イソキノリン配位子のフェノール環に集中されているが、BAlqの最低空軌道(LUMO)の電子密度は、イソキノリン配位子のピリジル環に集中されている。イソキノリン配位子に対する置換基の導入は、電子構造の変化を導くか、フェノール環とピリジル環との間のオーバーラップ(overlap)に影響を与え、電荷移動度の減少などの悪影響が発生する恐れがある。また、アルミニウムが酸素及びその他の物質と反応する可能性も排除することができない。前記のような問題点を排除するために、立体効果により、外部からアルミニウムを保護することができる配位子を使用することが望ましい。このような配位子としては、アントラセン、ピレン、ペリレンなどの様々な構造の配位子を使用することが可能である。ここで、配位子のサイズが大きいほど保護効果が容易であると判断されるが、大き過ぎると、立体効果により結合形成が不可能であるか、イソキノリンの結合に影響を与える恐れがある。従って、本発明では、前記のような問題点を排除するために、イソキノリン配位子の置換基を変形せず、ビフェニル基の代りに適切なサイズと判断されるナフタレン基を導入することによって、アルミニウムの保護効果による寿命改善を期待することができる。また、単なるナフタレン環に置換する場合、立体効果のため、分子間π−πスタッキング(stacking)が容易でない恐れがあることから、π−πスタッキングが容易であるようナフタレン環に他の芳香族環を導入することによって、π−πスタッキングの増加によるバルクパッキング特性を改善し、これによって有機発光素子の効率改善を達成することができる。
【0048】
本発明の有機発光ダイオードは、式1で表される有機金属錯体を含む有機発光層とアノード及びカソードを含む。本発明の有機発光ダイオードは、高効率及び長寿命により特徴付けられ、これは前記有機金属錯体の構造的な特徴に起因すると考えられる。
【0049】
上述したように、本発明に使用される有機発光層は、ホスト−ドーパントシステムを使用する。一般に、ホスト材料及びドーパント材料のみが、発光に使用されることができる。しかし、この場合、これらの材料を用いて形成される発光層の効率及び輝度は、非常に低い。さらに、それぞれの分子は互いに近接し、エキシマの形成を引き起こすので、その結果として、各分子の固有の特性が十分に観察されない。従って、ホスト材料にドーパント材料をドーピングして発光層を形成することが望ましい。
【0050】
前記ドーパントは、当業界で通常使用されるものであれば、特に限定されない。前記ドーパントは、例えば、イリジウム錯体であってもよく、特に、

【0051】
または、

【0052】
であってもよい。
【0053】
前記ドーパントの使用量は、前記有機金属錯体の0.1〜30重量%であることが望ましい。0.1重量%未満であれば、ドーパント添加の効果が殆どなく、30重量%を超えると、三重項−三重項の消滅現像により効率が減少する恐れがある。
【0054】
本発明の有機発光ダイオードは、前記アノードと前記有機発光層との間に積層される正孔輸送層(HTL)と、前記カソードと前記有機発光層との間に積層される電子輸送層(ETL)とをさらに含んでもよい。前記正孔輸送層は、アノードから正孔を注入し易くするために積層されるものであって、前記正孔輸送層の材料としては、イオン化ポテンシャルの小さい電子供与性化合物が使用される。広く用いられている電子供与性化合物の例は、トリフェニルアミンを基本骨格とするジアミン、トリアミンまたはテトラアミン誘導体を含む。当業界で通常使用される材料は、本発明において、前記正孔輸送層を形成するために用いられてよく、その例は、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1、1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)またはN,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を含むが、これに限定されるものではない。
【0055】
本発明の有機発光ダイオードは、さらに、前記アノードと前記正孔輸送層との間に、正孔注入層(HIL)を備えてもよい。当業界で通常使用される材料は、本発明の正孔注入層を形成するために、特に限定されることなく用いられてよい。前記正孔注入層に適した材料は、CuPcまたはスターバースト(Starburst)型アミン類であるTCTA、m−MTDATA、IDE406(出光興産株式会社製)を含む。そのいくつかを、以下に示す。

【0056】
また、本発明による有機発光ダイオードの前記電子輸送層は、カソードから有機発光層に電子を円滑に輸送し、前記有機発光層で結合できなかった正孔の移動を抑制することによって、結合できなかった正孔が発光層内で電子と再結合できる機会を増加させる役目を果たす。当業界で通常使用されるものであれば、いかなる材料でも、前記電子輸送層を形成するために、特に限定されることなく使用できることが理解される。例えば、PBD、BMD、BNDまたはAlqなどのオキサジアゾール誘導体が、前記電子輸送層を形成するために用いられてよい。本発明の有機発光ダイオードは、さらに、前記カソードと前記電子輸送層との間に、カソードからの電子注入を容易にする電子注入層(EIL)を備えてもよい。前記電子注入層の形成は、素子のパワー効率の改善に寄与する。当業界で通常使用される材料は、本発明において、前記電子注入層を形成するために用いられてよく、その例は、LiF、NaCl、CsF、Li2O、BaOを含むが、これに限定されるものではない。
【0057】
図1は、本発明の一実施形態による有機電界発光素子の構造を示す断面図である。本発明による有機発光ダイオードは、アノード20、正孔輸送層40、有機発光層50、電子輸送層60及びカソード80を備える。もし、必要なら、有機発光ダイオードは、さらに正孔注入層30と電子注入層70とを備えてもよい。正孔注入層30と電子注入層70とに加えて、有機発光ダイオードは、任意に正孔阻止層または電子阻止層と共に、さらに1層または2層の中間層を備えてもよい。
【0058】
図1を参照して、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法を以下に説明する。まず、基板10の上部に、アノード電極用物質をコーティングし、アノード20を形成する。ここで、基板10としては、通常の有機EL素子において使用される基板であってよい。有機基板または透明プラスチック基板は、透明性、表面平滑性、取り扱い易さ及び防水性の点で好ましい。アノード材料としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などの透明かつ電子伝導性の材料が用いられる。正孔注入材料が、前記アノード20上に、真空熱蒸着、またはスピンコートにより堆積され、正孔注入層30を形成する。その次に、正孔輸送材料が、前記正孔注入層30上に、真空熱蒸着またはスピンコートにより堆積され、正孔輸送層40を形成する。次いで、有機発光層50が、前記正孔輸送層40上に形成される。所望により、正孔阻止層(図示せず)が、真空蒸着法またはスピンコート法により、前記有機発光層50の上部に、形成されてもよい。前記正孔阻止層は、非常に低いHOMOレベルを有する材料で形成され、正孔が有機発光層を通してカソードに流入するときに遭遇する、素子の寿命が短くなり、効率が減少するという問題を除去する。正孔阻止物質は、特に制限されないが、電子輸送能力を有し、且つ発光化合物より高いイオン化ポテンシャルを有する必要がある。代表的な正孔阻止物質は、BAlq、BCP、TPBIである。電子輸送層60は、前記正孔阻止層上に、真空蒸着法またはスピンコート法により形成され、電子注入層70がその上に形成される。カソード金属が、真空熱蒸着により前記電子注入層70上に堆積されて、カソード80が形成され、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の製造が完了する。
【0059】
カソード金属としては、例えば、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを用いてよい。ITOまたはIZOからなる光透過型カソードは、前面発光素子を製造するために用いられてよい。
【0060】
以下、望ましい実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0061】
〔1−(1):2−ブロモ−6−エトキシナフタレンの合成〕
6−ブロモ−2−ナフトール(25g)、水(250ml)、1,4−ジオキサン(250ml)を、3口丸底フラスコ(1000ml)中、室温で攪拌した。混合物に、水(100ml)に溶解した水酸化ナトリウム溶液を添加した。結晶が完全に溶解した後、1,4−ジオキサン(100ml)で希釈したジエチルサルフェート(17.3g)を、室温で徐々に添加した。添加後、得られた混合物を12時間還流して、白色結晶を得た。反応終了後、相分離のために、前記反応混合物に酢酸エチル(EA)を添加した。得られた有機層を回収して、水で1回洗浄し、減圧下に濃縮して溶媒を除去し、結晶を得た。前記結晶に少量のメタノールを混合した後、10分間攪拌して濾過し、9gの2−ブロモ−6−エトキシナフタレンを得た。
〔1−(2):2−フェニル−6−エトキシナフタレンの合成〕
2−ブロモ−6−エトキシナフタレン(6g)、フェニルボロン酸(3.2g)、炭酸カリウム(10.9g)、水(60ml)、トルエン(180ml)を、500mlの丸底フラスコ中で攪拌した。窒素雰囲気下で、前記混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.6gを添加した。得られた混合物の温度を90℃に上げて、6時間撹拌した。反応終了後、相分離のために、前記反応混合物にトルエンを添加した。トルエン層を回収して、減圧下に濃縮して溶媒を除去し、メチレンクロライド(MC)を用いカラムクロマトグラフィーにより精製した。MC抽出物(extract)を濃縮し、少量のメタノールを混合し、濾過して、4.5gの2−フェニル−6−エトキシナフタレンを得た。
〔1−(3):6−フェニル−2−ナフトールの合成〕
500mlの丸底フラスコに、2−フェニル−6−エトキシナフタレン(4.5g)、48%臭化水素酸(90ml)、酢酸(200ml)を入れた。混合物の温度を110℃に上げて、24時間還流した。反応終了後、前記反応混合物を室温に冷却し、1000mlの水に注いで白色結晶を得た。前記結晶を濾過し、MCに溶かし、水で3回洗浄し、減圧下に濃縮し、MCを用いカラムクロマトグラフィーにより精製した。MC抽出物をヘキサンで再結晶し、3.3gの6−フェニル−2−ナフトールを得た。
〔1−(4):RPH1の合成〕
250mlの丸底フラスコに、8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン(2.4g)、アルミニウムプロポキシド(3.1g)、無水エタノール(110ml)を入れ、混合物を室温で4時間攪拌して反応させた。反応終了後、前記反応混合物の不溶物を珪藻土で濾過した。濾液を250mlの丸底フラスコに移し、8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン(2.4g)、6−フェニル−2−ナフトール(3.3g)を添加した。得られた混合物の温度を80℃に上げて、24時間還流した。反応終了後、反応混合物を室温に冷却し、濾過して結晶を得た。結晶を無水エタノールで洗浄し、2.8gのRPH1を得た。RPH1の元素分析を、元素分析装置(EA−1100)を用いて実施した。元素分析の結果と、RPH1の理論値とを表1に示す。結果は、実測値が理論値とよく一致しており、有機発光層のための有機金属錯体が成功裡に合成されたことを示している。
〔表1〕

【0062】
〔1−(5):有機発光ダイオードの製造〕
ITO堆積ガラス基板を、発光面積が3mm×3mmの大きさになるようパターニングした後、洗浄した。前記基板を真空チャンバに装着した後、チャンバの圧力を1×10−6トールに調整した。前記ITO上に、CuPC(200Å)、NPD(400Å)、実施例1−(4)で合成されたRPH−1+RD−1(7%)(200Å)、Alq(300Å)、LiF(5Å)、Al(1000Å)をこの順に堆積させてそれぞれの膜を形成し、有機発光ダイオードを製造した。
【実施例2】
【0063】
〔2−(1):1−メトキシ−4−ブロモナフタレンの合成〕
1−メトキシナフタレン(3.5g)及び、アセトニトリル(350ml)を500mlの丸底フラスコ中で攪拌した。混合物に、N−ブロモコハク酸(3.5g)を3回に分けて添加した。得られた混合物を、室温で10時間反応させた。反応終了後、反応混合物を減圧下に濃縮して溶媒を除去し、ヘキサンを用いカラムクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサンを濃縮して、ゲル状の液相として表題の化合物4.4gを得た。
〔2−(2):1−メトキシ−4−フェニルナフタレンの合成〕
1−メトキシ−4−ブロモナフタレン(4.4g)、フェニルボロン酸(3.4)、炭酸カリウム(7.7g)、水(50ml)、トルエン(200ml)、テトラヒドロフラン(100ml)を500mlの丸底フラスコ中で攪拌した。窒素雰囲気下で、前記混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.2gを添加した。得られた混合物の温度を90℃に上げて、24時間撹拌した。反応終了後、相分離のために、前記反応混合物にトルエンを添加した。トルエン層を回収して、減圧下に濃縮して溶媒を除去し、MCを用いカラムクロマトグラフィーにより精製した。MC抽出物を濃縮し、少量のメタノールを混合し、濾過して、5.1gの1−メトキシ−4−フェニルナフタレンを得た。
〔2−(3):4−フェニルナフトールの合成〕
500mlの丸底フラスコに、1−メトキシ−4−フェニルナフタレン(5.1g)、48%臭化水素酸(100ml)、酢酸(250ml)を入れた。混合物の温度を110℃に上げて、24時間還流した。反応終了後、前記反応混合物を室温に冷却し、1000mlの水に注いで白色結晶を得た。前記結晶を濾過し、MCに溶かし、水で3回洗浄し、減圧下に濃縮し、MCを用いカラムクロマトグラフィーにより精製した。MC抽出物をヘキサンで再結晶し、4.8gの4−フェニルナフトールを得た。
〔2−(4):RPH14の合成〕
500mlの丸底フラスコに、8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン(3.2g)、アルミニウムイソプロポキシド(3.7g)、無水エタノール(150ml)を入れ、混合物を室温で4時間攪拌して反応させた。反応終了後、前記反応混合物の不溶物を珪藻土で濾過した。濾液を500mlの丸底フラスコに移し、8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン(2.4g)、4−フェニルナフトール(3.7g)を添加した。得られた混合物の温度を80℃に上げて、24時間還流した。反応終了後、反応混合物を室温に冷却し、濾過して結晶を得た。結晶を無水エタノールで洗浄し、10.2gのRPH14を得た。RPH14の元素分析を、元素分析装置(EA−1100)を用いて実施した。元素分析の結果と、RPH14の理論値とを表2に示す。結果は、実測値が理論値とよく一致しており、有機発光層のための有機金属錯体が成功裡に合成されたことを示している。
〔表2〕

【0064】
〔2−(5):有機発光ダイオードの製造〕
ITO堆積ガラス基板を、発光面積が3mm×3mmの大きさになるようパターニングした後、洗浄した。前記基板を真空チャンバに装着した後、チャンバの圧力を1×10−6トールに調整した。前記ITO上に、CuPC(200Å)、NPD(400Å)、実施例2−(4)で合成されたRPH14+RD−1(7%)(200Å)、Alq(300Å)、LiF(5Å)、Al(1000Å)をこの順に堆積させてそれぞれの膜を形成し、有機発光ダイオードを製造した。
【実施例3】
【0065】
〔3−(1):1−メトキシ−4−(2−ナフチル)−ナフタレンの合成〕
1−メトキシ−4−ブロモ−ナフタレン(10g)、2−ナフタレンボロン酸(8.7g)、炭酸カリウム(17.5g)、水(100ml)、トルエン(300ml)を、500mlの丸底フラスコ中で攪拌した。窒素雰囲気下で、前記混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)1gを添加した。得られた混合物の温度を90℃に上げて、24時間撹拌した。反応終了後、相分離のために、前記反応混合物にトルエンを添加した。トルエン層を回収して、減圧下に濃縮して溶媒を除去し、MCを用いカラムクロマトグラフィーにより精製した。MC抽出物を濃縮し、少量のメタノールを混合し、濾過して、10.1gの1−メトキシ−4−(2−ナフチル)−ナフタレンを得た。
〔3−(2):4−(2−ナフチル)−ナフトールの合成〕
500mlの丸底フラスコに、1−メトキシ−4−(2−ナフチル)−ナフタレン(10.1g)、48%臭化水素酸(200ml)、酢酸(500ml)を入れた。混合物の温度を90℃に上げて、24時間還流した。反応終了後、前記反応混合物を室温に冷却し、1000mlの水に注いで白色結晶を得た。前記結晶を濾過し、MCに溶かし、水で3回洗浄し、減圧下に濃縮し、MCを用いカラムクロマトグラフィーにより精製した。MC抽出物をヘキサンで再結晶し、8.2gの4−(2−ナフチル)−ナフトールを得た。
〔3−(3):RPH23の合成〕
500mlの丸底フラスコに、8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン(4.8g)、アルミニウムイソプロポキシド(6.2g)、無水エタノール(250ml)を入れ、混合物を室温で4時間攪拌して反応させた。反応終了後、前記反応混合物の不溶物を珪藻土で濾過した。濾液を500mlの丸底フラスコに移し、8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン(4.8g)、4−(2−ナフチル)−ナフトール(8.2g)を添加した。得られた混合物の温度を80℃に上げて、24時間還流した。反応終了後、反応混合物を室温に冷却し、濾過して結晶を得た。結晶を無水エタノールで洗浄し、15gのRPH23を得た。RPH23の元素分析を、元素分析装置(EA−1100)を用いて実施した。元素分析の結果と、RPH23の理論値とを表3に示す。結果は、実測値が理論値とよく一致しており、有機発光層のための有機金属錯体が成功裡に合成されたことを示している。
〔表3〕

【0066】
〔3−(4):有機発光ダイオードの製造〕
ITO堆積ガラス基板を、発光面積が3mm×3mmの大きさになるようパターニングした後、洗浄した。前記基板を真空チャンバに装着した後、チャンバの圧力を1×10−6トールに調整した。前記ITO上に、CuPC(200Å)、NPD(400Å)、実施例3−(4)で合成されたRPH23+RD−1(7%)(200Å)、Alq(300Å)、LiF(5Å)、Al(1000Å)をこの順に堆積させてそれぞれの膜を形成し、有機発光ダイオードを製造した。
【実施例4】
【0067】
〔4−(1):1,6−ジブロモ−2−エトキシナフタレンの合成〕
1,6−ジブロモ−2−ナフトール(25g)及び水(250ml)を、500mlの丸底フラスコ中で撹拌した。混合物に、水(100ml)に溶解した水酸化ナトリウム溶液を、徐々に添加した。結晶が完全に溶解するまで撹拌を続けた後、ジエチルサルフェート(17.3g)を徐々に添加した。得られた混合物を12時間還流した。反応終了後、相分離のために、反応混合物に酢酸エチル(EA)を添加した。得られた有機層を回収して、水で1回洗浄し、減圧下に濃縮して溶媒を除去し、結晶を得た。前記結晶に少量のメタノールを混合した後、10分間攪拌して濾過し、20gの1,6−ジブロモ−2−エトキシナフタレンを得た。
〔4−(2):1,6−ジフェニル−2−エトキシナフタレンの合成〕
1,6−ジブロモ−2−エトキシナフタレン(9g)、フェニルボロン酸(7.3g)、炭酸カリウム(25g)、水(90ml)、トルエン(250ml)を、500mlの丸底フラスコ中で攪拌した。窒素雰囲気下で、前記混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.6gを添加した。得られた混合物の温度を90℃に上げて、6時間撹拌した。反応終了後、相分離のために、前記反応混合物にトルエンを添加した。トルエン層を回収して、減圧下に濃縮して溶媒を除去し、メチレンクロライド(MC)を用いカラムクロマトグラフィーにより精製した。MC抽出物を濃縮し、少量のメタノールを混合し、濾過して、8.1gの1,6−ジフェニル−2−エトキシナフタレンを得た。
〔4−(3):1,6−ジフェニル−2−ナフトールの合成〕
500mlの丸底フラスコに、1,6−ジフェニル−2−エトキシナフタレン(8.1g)、48%臭化水素酸(80ml)、酢酸(400ml)を入れた。混合物の温度を110℃に上げて、24時間還流した。反応終了後、前記反応混合物を室温に冷却し、1000mlの水に注いで白色結晶を得た。前記結晶を濾過し、MCに溶かし、水で3回洗浄し、減圧下に濃縮し、MCを用いカラムクロマトグラフィーにより精製した。MC抽出物をヘキサンで再結晶し、7gの1,6−ジフェニル−2−ナフトールを得た。
〔4−(4):RPH41の合成〕
250mlの丸底フラスコに、8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン(2.1g)、アルミニウムイソプロポキシド(2.8g)、無水エタノール(100ml)を入れ、混合物を室温で4時間攪拌して反応させた。反応終了後、前記反応混合物の不溶物を珪藻土で濾過した。濾液を250mlの丸底フラスコに移し、8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン(2.1g)、1,6−ジフェニル−2−ナフトール(4g)を添加した。得られた混合物の温度を80℃に上げて、24時間還流した。反応終了後、反応混合物を室温に冷却し、濾過して結晶を得た。結晶を無水エタノールで洗浄し、5gのRPH41を得た。RPH41の元素分析を、元素分析装置(EA−1100)を用いて実施した。元素分析の結果と、RPH41の理論値とを表4に示す。結果は、実測値が理論値とよく一致しており、有機発光層のための有機金属錯体が成功裡に合成されたことを示している。
〔表4〕

【0068】
〔4−(5):有機発光ダイオードの製造〕
ITO堆積ガラス基板を、発光面積が3mm×3mmの大きさになるようパターニングした後、洗浄した。前記基板を真空チャンバに装着した後、チャンバの圧力を1×10−6トールに調整した。前記ITO上に、CuPC(200Å)、NPD(400Å)、実施例4−(4)で合成されたRPH41+RD−1(7%)(200Å)、Alq(300Å)、LiF(5Å)、Al(1000Å)をこの順に堆積させてそれぞれの膜を形成し、有機発光ダイオードを製造した。
〔比較例1〕
ITO堆積ガラス基板を、発光面積が3mm×3mmの大きさになるようパターニングした後、洗浄した。前記基板を真空チャンバに装着した後、チャンバの圧力を1×10−6トールに調整した。前記ITO上に、CuPC(200Å)、NPD(400Å)、BAlq+RD−1(7%)(200Å)、Alq(300Å)、LiF(5Å)、Al(1000Å)をこの順に堆積させてそれぞれの膜を形成し、有機発光ダイオードを製造した。
〔比較例2〕
ITO堆積ガラス基板を、発光面積が3mm×3mmの大きさになるようパターニングした後、洗浄した。前記基板を真空チャンバに装着した後、チャンバの圧力を1×10−6トールに調整した。前記ITO上に、CuPC(200Å)、NPD(400Å)、式(5)の化合物+RD−1(7%)(200Å)、Alq(300Å)、LiF(5Å)、Al(1000Å)をこの順に堆積させてそれぞれの膜を形成し、有機発光ダイオードを製造した。

【0069】
〔実験例1〕
実施例1〜4及び比較例1〜2で製造された有機発光ダイオードの効率を、電流密度0.9mA/cmで測定した。素子の色純度(chromaticity coordinates)を測定した。素子を定DC電流で駆動したときの、素子の初期輝度に対する発光の半減寿命を測定した。結果を表5に示す。
〔表5〕

【0070】
表5から明らかなように、実施例1〜4で製造された有機発光ダイオードの寿命は、比較例1〜2で製造された有機発光ダイオードよりも1.3倍から2.4倍長かった。さらに、実施例1〜4で製造された有機発光ダイオードの電流効率及び電力効率は、比較例1〜2で製造された有機発光ダイオードよりも高かった。
【0071】
上記説明から明らかなように、配位子としてのナフタレン誘導体が、本発明の有機金属錯体に導入される。本発明の有機発光ダイオードは、リン光用ホスト材料として、前記有機金属錯体を用いる。本発明の有機発光ダイオードは、従来のBAlqを使用した素子に比べて、高電流効率、高電力効率及び、長寿命を示す。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に係る有機発光ダイオードの説明的断面図。
【符号の説明】
【0073】
10…基板、 20…アノード、 30…正孔注入層、 40…正孔輸送層、 50…有機発光層、 60…電子輸送層、 70…電子注入層、 80…カソード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表されることを特徴とする有機発光層用有機金属錯体。


(式(1)で、R〜R12はそれぞれ、水素原子、アミノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキニル基または炭素数1〜10のアルコキシ基であり、
Lは、


または


であり、
21〜R27はそれぞれ、水素原子、アミノ基、炭素数6〜20の置換または非置換アリール基または炭素数4〜19のN、S、Oを含むヘテロアリール基であり、R21〜R27の1つ以上は炭素数6〜20の置換または非置換アリール基または炭素数4〜19のN、S、Oを含むヘテロアリール基であり、前記置換体は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数1〜10のアルキルシリル基、ハロゲン原子、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数6〜10のアリールアミノ基、炭素数6〜10のアリールシリルからなる群から選ばれる何れか1つの原子または基である。)
【請求項2】
前記有機発光層用有機金属錯体は、式(2)で表される群から選ばれる何れか1つの化合物であることを特徴とする請求項1記載の有機発光層用有機金属錯体。

































【請求項3】
前記有機発光層用有機金属錯体は、式(3)で表される群から選ばれる何れか1つの化合物であることを特徴とする請求項1記載の有機発光層用有機金属錯体。

【請求項4】
アノードと、有機発光層と、カソードとを備え、前記有機発光層は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の有機金属錯体を含むことを特徴とする有機発光ダイオード。
【請求項5】
前記有機発光層のドーパントとして、イリジウム錯体を含むことを特徴とする請求項4記載の有機発光ダイオード。
【請求項6】
前記イリジウム錯体は、


または


であることを特徴とする請求項5記載の有機発光ダイオード。
【請求項7】
前記ドーパントの使用量は、前記有機金属錯体の0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項5記載の有機発光ダイオード。
【請求項8】
前記有機発光ダイオードは、さらに、前記アノードと前記有機発光層との間に積層された正孔輸送層と、前記カソードと前記有機発光層との間に積層された電子輸送層とを備えることを特徴とする請求項4記載の有機発光ダイオード。
【請求項9】
前記有機発光ダイオードは、さらに、前記正孔輸送層の下に積層された正孔注入層を備えることを特徴とする請求項8記載の有機発光ダイオード。
【請求項10】
前記有機発光ダイオードは、さらに、前記電子輸送層の上に積層された電子注入層を備えることを特徴とする請求項8記載の有機発光ダイオード。
【請求項11】
前記正孔輸送層は、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)または、N,N’−ジ−(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を含むことを特徴とする請求項8記載の有機発光ダイオード。
【請求項12】
前記正孔注入層は、CuPc、TCTAまたはm−MTDATAを含むことを特徴とする請求項9に記載の有機発光ダイオード。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−254737(P2007−254737A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−57049(P2007−57049)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(507074834)エスエフシー カンパニー リミテッド (3)
【Fターム(参考)】