説明

有機発光素子

【課題】有機発光素子を提供する。
【解決手段】シアノ基含有化合物を含む第1層、発光層及びアントラセン系化合物とキノレート系化合物とを含む電子輸送層を具備する有機発光素子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子に係り、さらに詳細には、シアノ基含有化合物を適用した有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(organic light emitting diode;OLED)は、自発光型素子であって、視野角が広くてコントラストにすぐれるだけではなく、応答時間が速く、輝度、駆動電圧及び応答速度特性にすぐれ、多色化が可能であるという長所を有している。
【0003】
一般的な有機発光素子は、基板上部にアノードが形成されており、このアノード上部に、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及びカソードが順次に形成されている構造を有する。ここで、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層は、有機化合物からなる有機薄膜である。
【0004】
前述のような構造を有する有機発光素子の駆動原理は、次の通りである。前記アノード及びカソード間に電圧を印加すれば、アノードから注入された正孔は、正孔輸送層を経由して発光層に移動し、カソードから注入された電子は、電子輸送層を経由して発光層に移動する。前記正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合し、励起子を生成する。該励起子が励起状態から基底状態に変わることにより発光する。
【0005】
このような有機発光素子としては、例えば下記特許文献1に記載のものが挙げられる。しかし、これまで、有機発光素子に要求される輝度、効率、駆動安定性及び寿命などの特性を十分に満足させたものは得られていない。このような状況であるから、これを解決するための多様な技術開発が至急に求められているのが実情である。かような問題点を解決するために、高輝度と低電圧駆動とを示し、優秀な発光素子効率と性能とを示す有機発光素子を提供することが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2007−318101
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、駆動電圧特性、発光効率特性及び電力効率特性が向上した有機発光素子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決するために、基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極の間に介在する、発光層及び電子輸送層を含んだ有機膜と、を含み、前記第1電極と前記発光層との間にシアノ基含有化合物を含んだ第1層を1層以上含み、前記電子輸送層がアントラセン系化合物及びキノレート系化合物を含む有機発光素子が提供される。
【0009】
前記シアノ基含有化合物についての説明は、後述するところを参照する。
【0010】
前記シアノ基含有化合物を含んだ第1層は、正孔輸送性化合物をさらに含むことができる。ここで、前記正孔輸送性化合物についての詳細な説明は、後述するところを参照する。
【0011】
前記第1層において、シアノ基含有化合物の含有量は、前記第1層100重量部当たり0.1〜20重量部でありうる。
【0012】
前記第1層の厚みは、10Å〜2,100Åでありうる。
【0013】
前記第1層と前記発光層との距離は、50Å以上でありうる。
【0014】
前記第1層と前記発光層との間には、正孔注入層及び正孔輸送層からなる群から選択された1層以上の層がさらに含まれうる。
【0015】
前記アントラセン系化合物及びキノレート系化合物についての説明は、後述するところを参照する。
【0016】
前記アントラセン系化合物の含有量は、前記キノレート系化合物100重量部当たり50〜150重量部でありうる。
【0017】
前記発光層は、後述する青色ドーパント及び青色ホストを含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、有機発光素子の駆動電圧特性、発光効率特性及び電力効率特性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による有機発光素子の構造を図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による有機発光素子10の一例の断面を概略的に示した図面である。有機発光素子10は、基板1、第1電極5、シアノ基含有化合物を含んだ第1層6、有機層7及び第2電極9が順に積層された構造を有する。前記有機層7は、発光層(EML)及び電子輸送層(ETL)を含む。
【0022】
前記基板1としては、一般的な有機発光素子で使われる基板を使用できる。特に、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性にすぐれるガラス基板または透明プラスチック基板を使用できる。
【0023】
前記第1電極5は、アノードまたはカソードでありうる。第1電極用物質としては、導電性にすぐれる酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、Al、Ag、Mgなどを利用でき、透明電極または反射電極として形成されうる。例えばITOガラスなど、十分な機械的強度や透明性と導電性とを兼ね備える材料の場合には、基板1と第1電極5とが一層であってもよい、すなわち基板1が第1電極5を兼ねていてもよい。
【0024】
前記第1電極上には、シアノ基含有化合物を含んだ第1層6が備わっている。前記第1層6は、1層以上でありうる。前記第1層6に含まれたシアノ基含有化合物は、二種の1電子還元形態を有するので、安定したラジカル生成が可能な拡張されたπ電子系を有する(例えば、サイクリックボルタンメトリーで確認可能である)。従って、かような第1層6によって、前記第1電極5から前記有機膜7への正孔注入の障壁が低下し、第1電極5から前記有機膜7への正孔注入が容易になりえる。これにより、駆動電圧特性及び電力効率特性が向上した有機発光素子を実現できる。
【0025】
前記第1層6に含まれたシアノ基含有化合物は、下記化学式1〜20のうちいずれか一つの化学式で表示されうる。
【0026】
【化1】

【0027】
【化2】

【0028】
【化3】

【0029】
【化4】

【0030】
【化5】

【0031】
【化6】

【0032】
【化7】

【0033】
【化8】

【0034】
【化9】

【0035】
【化10】

【0036】
【化11】

【0037】
【化12】

【0038】
【化13】

【0039】
【化14】

【0040】
【化15】

【0041】
【化16】

【0042】
【化17】

【0043】
【化18】

【0044】
【化19】

【0045】
【化20】

【0046】
前記化学式1〜20において、
〜Xは互いに独立して、下記化学式30A〜30Dからなる群から選択され、
〜Yは互いに独立して、N及びC(R103)からなる群から選択され、
〜Zは互いに独立して、CまたはNであり、
及びAは互いに独立して、−O−、−S−、−N(R104)及び−C(R105)(R106)−からなる群から選択され、
101及びQ102は互いに独立して、C−C10アルキレン基;C−C10アルケニレン基;並びに、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキレン基及びC−C10アルケニレン基;からなる群から選択され、
及びTは互いに独立して、C−C30芳香族環系;C−C30ヘテロ芳香族環系;並びに、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C30芳香族環系及びC−C30ヘテロ芳香族環系;からなる群から選択され、
pは、1〜10の整数であり、qは、0〜10の整数であり、
101〜R106は互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;ヒドロキシル基;C−C10アルキル基;C−C10アルコキシ基;並びに、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C14アリール基、C−C14ヘテロアリール基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基;
【0047】
【化21】

【0048】
及び−N(R107)(R108)からなる群から選択され、
前記R107及びR108は互いに独立して、水素原子、C−C10アルキル基、フェニル基及びビフェニル基からなる群から選択され、L101は、C−C14アリーレン基;C−C14ヘテロアリーレン基;並びに、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルケニレン基、C−C14アリーレン基及びC−C14ヘテロアリーレン基;からなる群から選択されうる。
【0049】
【化22】

【0050】
【化23】

【0051】
【化24】

【0052】
【化25】

【0053】
例えば、前記化学式1〜20において、前記X〜Xは、前記化学式30Aまたは30Dでありうる。
【0054】
例えば、前記化学式1〜20において、前記Y〜YであるC(R103)で、R103は、水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;C−C10アルキル基;C−C10アルコキシ基;ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基;及び−N(R107)(R108)からなる群から選択されるが、前記R107及びR108は互いに独立して、水素原子、C−C10アルキル基、フェニル基及びビフェニル基からなる群から選択されうる。
【0055】
具体的には、前記R103は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、エテニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェニル置換のメチル基、フェニル置換のプロピル基及び−N(ビフェニル基)(ビフェニル基)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
前記化学式1及び2において、前記R101及びR102は互いに独立して、シアノ基、
【0057】
【化26】

【0058】
からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
前記化学式1〜20において、前記A及びAは−S−であるが、これに限定されるものではない。
【0060】
前記化学式20において、前記Q101及びQ102は互いに独立して、エチレン基;プロピレン基;エテニレン基;プロペニレン基;並びに、ハロゲン原子、シアノ基及びヒドロキシル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたエチレン基、プロピレン基、エテニレン基及びプロペニレン基;からなる群から選択されうる。具体的には、前記Q101及びQ102は互いに独立して、エチレン基;エテニレン基;及びフッ素原子及びシアノ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたエチレン基及びエテニレン基;からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
前記化学式1〜20において、T及びTは、Z及びZ、またはZ及びZを構成元素として有するC−C30芳香族環系;C−C30ヘテロ芳香族環系;ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C30芳香族環系;またはハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C30ヘテロ芳香族環系;であり、前記化学式から確認することができるように、前記化学式の中心骨格(backbone)と一部以上の位置で縮合して(fused)いる。
【0062】
前記C−C30芳香族環系は、一つ以上の芳香族環を含む炭素数C−C30の環状芳香族系を指すものであり、ここで、前記「系」という用語は、前記C−C30芳香族環系が多環構造も含むことを示すために使用したものである。前記C−C30芳香族環系が2以上の芳香族環を含む場合、前記2以上の芳香族環は互いに縮合していてもよい。一方、前記C−C30ヘテロ芳香族環系は、N、O、P及びSのうち選択された1個以上のヘテロ原子を含み、残りの環状の原子がCである一つ以上のヘテロ芳香族環を含む炭素数C−C30の環状芳香族系を指すものであり、前記C−C30ヘテロ芳香族環系がヘテロ芳香族環以外に、一つ以上の芳香族環及び/またはヘテロ芳香族環をさらに含む場合、それらは互いに融合されうる。
【0063】
前記C−C30芳香族環系の具体例としては、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン及びヘキサセンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
前記C−C30ヘテロ芳香族環系の具体例としては、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、イミダゾリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インドール、プリン、キノリン、フタラジン、インドリジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、インダゾール、カルバゾール、フェナジン、フェナントリジン、ピラン、クロメン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソチアゾール、イソキサゾール、チアジアゾール及びオキサジアゾールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
例えば、前記化学式1〜20において、前記T及びTは互いに独立して、ベンゼン;ナフタレン;アントラセン;チオフェン;チアジアゾール;オキサジアゾール;及びハロゲン原子、シアノ基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシからなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたベンゼン、ナフタレン、アントラセン、チオフェン、チアジアゾール及びオキサジアゾール;からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
前記化学式1〜20において、pは1であるが、これに限定されるものではない。また、前記qは、0、1または2であるが、これらに限定されるものではない。例えば、化学式3において、qが0である場合、前記化学式3で表示される化合物は、後述する化学式3Aで表示されうる。
【0067】
前記化学式2において、L101は、C−C14アリーレン基;C−C14ヘテロアリーレン基;ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C14アリーレン基;またはC−C10アルケニレン基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C14ヘテロアリーレン基;でありうる。例えば、前記L101は、チオフェニレン基;ベンゾチオフェニレン基;並びに、ハロゲン原子、シアノ基及びC−C10アルキル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたチオフェニレン基及びベンゾチオフェニレン基;からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0068】
本発明の一実施形態による有機発光素子の第1層において、前記シアノ基含有化合物は、下記化学式1A〜20Bのうち一つで表示されうるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
【化27】

【0070】
【化28】

【0071】
【化29】

【0072】
【化30】

【0073】
【化31】

【0074】
【化32】

【0075】
【化33】

【0076】
【化34】

【0077】
【化35】

【0078】
【化36】

【0079】
【化37】

【0080】
【化38】

【0081】
【化39】

【0082】
【化40】

【0083】
【化41】

【0084】
【化42】

【0085】
【化43】

【0086】
【化44】

【0087】
【化45】

【0088】
【化46】

【0089】
【化47】

【0090】
【化48】

【0091】
【化49】

【0092】
【化50】

【0093】
【化51】

【0094】
【化52】

【0095】
【化53】

【0096】
【化54】

【0097】
【化55】

【0098】
【化56】

【0099】
【化57】

【0100】
【化58】

【0101】
前記化学式1A〜20Bにおいて、R103及びR109は互いに独立して、水素原子、フッ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基からなる群から選択されうる。
【0102】
本発明の他のより好ましい実施形態による有機発光素子において、第1層6のシアノ基含有化合物は、前記化学式20Aまたは20Bで表示されうる。ここで、前記化学式20Aまたは20Bにおいて、R103及びR109は、いずれもフッ素原子でありうる。上記のうち特に好ましいものは、R103及びR109としてハロゲン原子、特にフッ素原子を有する化学式20Aである。
【0103】
上記のシアノ基含有化合物は、合成してもよいし、市販品を使用してもよい。ここで、シアノ基含有化合物を含んだ第1層6において、シアノ基含有化合物は、第1電極5の正孔注入特性をさらに向上させる役割を行う。従って、駆動電圧が低減し、発光効率及び電力効率は向上した有機発光素子を実現できる。
【0104】
前記第1層6は、前述のようなシアノ基含有化合物以外に、正孔輸送性化合物をさらに含むことができる。前記シアノ基含有化合物は、前記正孔輸送層化合物と電荷移動錯体を形成することによって、自由キャリア(free carrier)濃度が高まるので、第1電極5と有機膜7との界面抵抗低減に寄与できる。
【0105】
前記正孔輸送性の化合物としては、公知の材料を使用できる。
【0106】
または、前記正孔輸送層の化合物としては、下記化学式41及び42で表示される化合物を使用できる。
【0107】
【化59】

【0108】
【化60】

【0109】
前記化学式41及び42において、R10は、−(Ar−Arで表示され、R16は、−(Ar11−Ar12で表示され、Ar、Ar11、L及びL11は互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基及び−N(Q)−で表示される基からなる群から選択され、n、m、a及びbは互いに独立して、0〜10の整数であり、前記R〜R、R11〜R15、R17、R18、R21〜R29、Ar、Ar12及びQは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アルキルチオール基、置換または非置換のC−C30アリール基、C−C30ヘテロアリール基及び−N(Q)(Q)で表示される基からなる群から選択され、前記Q及びQは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アルキルチオール基、置換または非置換のC−C30アリール基及びC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、前記−(Ar−において、n個のArは互いに同一でも異なってもよく、前記−(Ar11−において、m個のAr11は互いに同一でも異なってもよく、前記−(L−において、a個のLは互いに同一でも異なってもよく、−(L11−において、b個のL11は互いに同一でも異なってもよい。
【0110】
上記「置換または非置換の」における置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C−C10アルキル基、C−C10アルケニル基、C−C10アルキニル基、C−C10アルコキシ基、C−C10アリール基、C−C10ヘテロアリール基等が挙げられる。以下の説明においても同様である。
【0111】
前記R10である−(Ar−Ar−及びR16である−(Ar11−Ar12−において、Ar及びAr11の具体例としては、置換または非置換のC−C10アルキレン基、置換または非置換のC−C10アルケニレン基、置換または非置換のフェニレン基、置換または非置換のペンタレニレン基、置換または非置換のインデニレン基、置換または非置換のナフチレン基、置換または非置換のアズレニレン基、置換または非置換のヘプタレニレン基、置換または非置換のインダセニレン基、置換または非置換のアセナフチレン基、置換または非置換のフルオレニレン基、置換または非置換のフェナレニレン基、置換または非置換のフェナントレニレン基、置換または非置換のアントラセニレン基、置換または非置換のフルオランテニレン基、置換または非置換のトリフェニレニレン基、置換または非置換のピレニレン基、置換または非置換のクリセニレン基、置換または非置換のナフタセニレン基、置換または非置換のピセニレン基、置換または非置換のペリレニレン基、置換または非置換のペンタセニレン基、置換または非置換のヘキサセニレン基、置換または非置換のピロピレン基、置換または非置換のピラゾリレン基、置換または非置換のイミダゾリレン基、置換または非置換のイミダゾリニレン基、置換または非置換のイミダゾピリジニレン基、置換または非置換のイミダゾピリミジニレン基、置換または非置換のピリジニレン基、置換またはピラジニレン基、置換または非置換のピリミジニレン基、置換または非置換のインドリレン基、置換または非置換のプリニレン基、置換または非置換のキノリニレン基、置換または非置換のフタラジニレン基(、置換または非置換のインドリジニレン基、置換または非置換のナフチリジニレン基、置換または非置換のキナゾリニレン基、置換または非置換のシノリニレン基、置換または非置換のインダゾリレン基、置換または非置換のカルバゾリレン基、置換または非置換のフェナジニレン基、置換または非置換のフェナントリジニレン基、置換または非置換のピラニレン基、置換または非置換のクロメニレン基、置換または非置換のベンゾフラニレン基、置換または非置換のチオフェニレン基、置換または非置換のベンゾチオフェニレン基、置換または非置換のイソチアゾリレン基、置換または非置換のベンゾイミダゾリレン基、置換または非置換のイソキサゾリレン基、置換または非置換のトリアジニレン基及び−N(Q)−で表示される基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ここで、前記Qは、例えば、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C10アルキルチオール基、置換または非置換のC−C14アリール基、C−C14ヘテロアリール基及び−N(Q)(Q)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0112】
例えば、前記Ar及びAr11は互いに独立して、C−C10アルキレン基;フェニレン基;ナフチレン基;アントリレン基;フルオレニレン基;カルバゾリレン基;ピラゾリレン基;ピリジニレン基;トリアジニレン基;−N(Q)−;ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フルオレニレン基、カルバゾリレン基、ピラゾリレン基、ピリジニレン基及びトリアジニレン基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。ここで、前記Qは、水素原子;C−C10アルキル基;フェニル基;ナフチル基;カルバゾリル基;フルオレニル基;ピレニル基;ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基、フルオレニル基及びピレニル基;及び−N(Q)(Q)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。ここで、前記Q及びQは、メチル基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択されうる。
【0113】
前記−(Ar−Ar−及び−(Ar11−Ar12−において、Ar及びAr12についての詳細な説明は、前述のQについての説明と同一であるので、Qについての説明を参照する。
【0114】
前記−(Ar−Ar−及び−(Ar11−Ar12−において、n及びmは互いに独立して、0〜10の整数である。例えば、前記n及びmは互いに独立して、0,1、2、3、4または5であるが、これらに限定されるものではない。
【0115】
前記−(Ar−Ar−の−(Ar−において、n個のArは互いに同一でも異なってもよい。例えば、nが2である場合、−(Ar−において、2個のArはいずれもフェニレン基であるか、または1つのArは−N(Q)−であり、残りの他のAr1はフェニレン基でありうるなど、多様な変形例が可能である。前記−(Ar11−Ar12−も、これと同一に解説されうる。
【0116】
前記化学式41及び42において、R〜R、R11〜R15、R17、R18及びR21〜R29についての詳細な説明は、前記Qについての詳細な説明と同一であるので、これを参照する。
【0117】
例えば、前記R13は、フェニル基、ナフチル基またはアントリル基でありうるが、これらに限定されるものではない。
【0118】
例えば、前記R28及びR29は互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ、エトキシ、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0119】
前記化学式41及び42において、L及びLについての詳細な説明は、前記Ar及びAr11についての詳細な説明と同一であるので、これを参照する。
【0120】
例えば、前記L及びLは互いに独立して、フェニレン基、カルバゾリレン基またはフェニルカルバゾリレン基でありうるが、これらに限定されるものではない。
【0121】
前記化学式41及び42において、a及びbは互いに独立して、1〜10の整数でありうる。例えば、前記a及びbは互いに独立して、0、1、2または3であるが、これらに限定されるものではない。
【0122】
前記化学式42の一実施形態で、R10である−(Ar−Ar−におけるAr、及びR16である−(Ar11−Ar12−におけるAr11は互いに独立して、フェニレン基、カルバゾリレン基、フルオレニレン基、メチルフルオレニレン基、ピラゾリレン基、フェニルピラゾリレン基、−N(Q)−(ここで、Qは、水素原子、フェニル基、フルオレニル基、ジメチルフルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基、カルバゾリル基、フェニルカルバゾリル基である)、ジフェニルフルオレニレン基、トリアジニレン基、メチルトリアジニレン基、フェニルトリアジニレン基、テトラフルオロフェニレン基、エチレン基及びメチルフェニレン基からなる群から選択され、n及びmは互いに独立して、0、1、2、3、4、5または6であり、前記Ar及びAr12は、水素原子、シアノ基、フルオロ基、フェニル基、シアノフェニル基、ナフチル基、アントリル基、メチル基、ピリジニル基、カルバゾリル基、フェニルカルバゾリル基、フルオレニル基、ジメチルフルオレニル基及びジフェニルフルオレニル基からなる群から選択され、R11、R12、R14、R15、R17、R18及びR21〜R27は水素原子であり、R13は、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択され、R28及びR29は互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択され、L11はフェニレン基であり、bは、0または1でありうる。
【0123】
本発明の他の実施形態によれば、前記正孔輸送性化合物は、下記化合物1〜37のうちいずれか一つであるが、これらに限定されるものではない。
【0124】
【化61】

【0125】
【化62】

【0126】
【化63】

【0127】
【化64】

【0128】
【化65】

【0129】
【化66】

【0130】
【化67】

【0131】
【化68】

【0132】
【化69】

【0133】
【化70】

【0134】
【化71】

【0135】
【化72】

【0136】
【化73】

【0137】
【化74】

【0138】
【化75】

【0139】
【化76】

【0140】
前記第1層6は、前記シアノ基含有化合物のみで構成されてもよいが、前記正孔輸送化合物をさらに含んでもよく、その他従来の正孔輸送性化合物を含んでもよい。第1層6に正孔輸送物質が含まれる場合には、化合物5が一般的に正孔注入層に多用される材料であることから好ましい。前記シアノ基含有化合物以外に、前述のような正孔輸送性化合物をさらに含む場合、前記第1層6において前記シアノ基含有化合物の含有量は、前記第1層100重量部当たり0.1〜20重量部、好ましくは、0.5〜15重量部、より好ましくは、0.5〜10重量部でありうる。前記シアノ基含有化合物の範囲が、前述のような範囲を満足する場合、満足すべきほどの駆動電圧低下、発光効率上昇及び電力効率向上の効果を得ることができる。第1層6は、シアノ基含有化合物および正孔輸送性化合物以外に、バインダー、安定剤、粘度調整剤、界面活性剤、酸化防止剤等を含んでもよい。
【0141】
第1層6を成膜するには、真空蒸着や共蒸着などの蒸着法および、転写法、スピンコート法、キャスティング法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法等の湿式成膜法(溶液工程)のいずれを用いてもよい。
【0142】
湿式成膜法の場合の溶媒は、固形成分を溶解又は均一に分散できるものであればいずれを用いてもよい。例えば、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール、メタノール、エタノール、プロパノール、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。 前記第1層6の厚みは、10Å〜2,100Å、好ましくは、10Å〜500Å、より好ましくは、20Å〜200Åでありうる。前記第1層6の厚み範囲が、前述のような範囲を満足する場合、満足すべきほどの駆動電圧低下、発光効率上昇及び電力効率向上の効果を得ることができる。
【0143】
前記第1層6の上部には、有機膜7が備わっている。本明細書において、「有機膜」とは、第1電極5と第2電極9との間に介在するあらゆる層を包括して指すものであり(ここで、前述のような第1層6は除外する)、前記有機膜7は、金属錯体なども含むことができ、必ずしも有機物からのみなる膜を意味するものではない。
【0144】
前記有機膜7は、発光層及び電子輸送層を含む。
【0145】
前記第1層6と前記発光層との距離は、50Å以上、例えば、100Å以上、具体的には、100Å〜2,500Åでありうる。前記第1層6に含まれたシアノ基含有化合物は、発光層で励起子をクエンチングさせて深刻な効率低下を招くことがありうるが、前記第1層6と前記発光層との距離が、前述のような範囲を満足する場合には、前記現象が実質的に防止され、優秀な品質の有機発光素子を具現できる。
【0146】
前記発光層及び電子輸送層以外にも、前記有機膜7は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、正孔阻止層(HBL)及び電子注入層のうち1層以上の層をさらに含むことができる。
【0147】
例えば、前記第1層6と前記発光層との間には、正孔注入層及び正孔輸送層からなる群から選択された1層以上の層がさらに介在しうる。具体的には、前記第1層6と前記発光層との間には、正孔輸送層がさらに含まれうるが、これに限定されるものではない。
【0148】
正孔注入層は、前記第1層6の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir−Blodgett)法のような多様な方法を利用して形成できる。
【0149】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性などによって異なるが、一般的には、蒸着温度100〜500℃、真空度10−8〜10−3torr、蒸着速度0.01〜100Å/secの範囲で適切に選択できる。
【0150】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的するする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2,000rpm〜5,000rpmのコーティング速度、そしてコーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、約80℃〜200℃の温度範囲で適切に選択できる。
【0151】
正孔注入層物質としては、公知の正孔注入材料を使用できるが、例えば、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA)、4,4’,4”−トリス(N−(2−ナフチル)−n−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)またはポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0152】
【化77】

【0153】
前記正孔注入層の厚みは、約50Å〜2,500Å、例えば100Å〜1,000Åでありうる。前記正孔注入層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべきほどの正孔注入特性を得ることができる。
【0154】
次に、前記第1層6の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して正孔輸送層を形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0155】
前記正孔輸送層の材料としては、前述のような化学式41または42で表示される化合物を使用できる。好ましくは、一般的にOLEDに多用されることから、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)が使用される。 前記正孔輸送層の厚みは、約50Å〜2,500Å、好ましくは100Å〜1,000Åでありうる。前記正孔輸送層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべきほどの正孔輸送特性を得ることができる。
【0156】
前記正孔輸送層の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用し、発光層を形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって発光層を形成する場合、その蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0157】
前記発光層は、青色ドーパント及び青色ホストを含むことができる。
【0158】
前記青色ホストとしては、下記化学式202で表示される化合物を使用できるが、これに限定されるものではなく、例えば、9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン(ADN)、2−メチル−9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン(MADN)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(β−ナフチル)−アントラセン(TBADN)、または9,10,10−テトラフェニル−2,2−ビアントラセン(TPBA)を使用できる。このうち、特に好ましくは9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン(ADN)である。ADNのようにアントラセン骨格を有する化合物は、青色ホストとして好適であり、多用されているためである。
【0159】
【化78】

【0160】
前記化学式202において、Ar51、A52、Ar53及びAr54は互いに独立して、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基及びフェニル置換のアントリレン基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0161】
前記R51〜R56は互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、カルバゾリル基及び−N(Q)(Q)からなる群から選択されるが、前記Q及びQは互いに独立して、メチル基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択されうる。
【0162】
前記化学式202において、d、e、f及びgは互いに独立して、0〜10の整数である。例えば前記d、e及びfは互いに独立して、0、1または2であるが、これらに限定されるものではない。
【0163】
一方、前記青色ドーパントとしては、下記化学式201で表示される化合物からなる群から選択される一つ以上を利用できるが、これに限定されるものではなく、例えば、下記化学式203または化学式204をも使用できる。
【0164】
【化79】

【0165】
【化80】

【0166】
【化81】

【0167】
前記R35〜R42は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アルキルチオール基、置換または非置換のC−C30アリール基及びC−C30ヘテロアリール基で表示される基からなる群から選択されうる。
【0168】
前記化学式201においてL21は、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、cは、1〜20の整数であり、−(L21−において、c個のL21は互いに同一であるか、または異なり、R31〜R34は互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。
【0169】
前記化学式201の一実施形態で、前記L21はエテニレン基、プロペニレン基またはフェニレン基でありうる。
【0170】
前記化学式201の他の実施形態で、前記cは、1、2、3、4、5または6でありうる。
【0171】
前記化学式201のさらに他の実施形態で、前記R31〜R34は互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択されうる。
【0172】
前記化学式201の−(L21−において、c個のL21は互いに同一でも異なってもよいが、例えば、cが2である場合、2個のL21はいずれもフェニレン基であるか、または2個のL21のうち一つはフェニレン基であり、残りの他の一つはエテニレン基でありうるなど、多様な変形例が可能である。
【0173】
前記化学式201で表示される化合物は、好ましくは、下記化合物40でありうる。
【0174】
【化82】

【0175】
前記発光層の材料として、ドーパントとホストとを共に使用する場合、ドーパントのドーピング濃度が特別に制限されるものではないが、ホスト100重量部を基準として、前記ドーパントの含有量は、0.01〜15重量部、好ましくは1〜8重量部、より好ましくは1〜5重量部である。 前記発光層の厚みは、約100Å〜1,000Å、好ましくは例えば200Å〜600Åでありうる。前記発光層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧上昇なしに、優秀な発光特性を示すことができる。 発光層にリン光ドーパントを共に使用する場合には、三重項励起子または正孔が、電子輸送層に拡散する現象を防止するために、前記正孔輸送層と発光層との間に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用し、正孔阻止層を形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって、正孔阻止層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。公知の正孔阻止材料も使用できるが、その例としては、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などを挙げることができる。
【0176】
前記正孔阻止層の厚みは、約50Å〜1,000Å、例えば100Å〜400Åでありうる。前記正孔阻止層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な正孔阻止特性を得ることができる。
【0177】
次に、電子輸送層を真空蒸着法、またはスピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって、電子輸送層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0178】
前記電子輸送層の材料は、電子注入電極(カソード)から注入された電子を安定して輸送する機能を行うものであり、アントラセン系化合物及びキノレート系化合物またはLiFを含むことができる。
【0179】
アントラセン系化合物は、下記化学式101及び化学式102で表示される化合物からなる群から選択された一つ以上でありうるが、これらに限定されるものではない。
【0180】
【化83】

【0181】
【化84】

【0182】
前記化学式において、R〜Rは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アシル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、このうち、隣接した2以上は互いに結合し、飽和環または不飽和環を形成でき、L*1は、単一結合、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、Q〜Qは互いに独立して、水素原子、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、aは、1〜10の整数である。
【0183】
例えば、前記アントラセン系化合物は、下記化学式103または化学式104で表示される化合物および9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン(ADN)からなる群から選択された一つ以上でありうる。アントラセン系化合物として特に好ましいものは、電子輸送材料として好適な9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン(ADN)である。
【0184】
【化85】

【0185】
【化86】

【0186】
前記キノレート系化合物は、リチウムキノレート(LiQ)、ナトリウムキノレート、カリウムキノレート、亜鉛キノレート、マグネシウムキノレート、アルミニウムキノレート、ベリリウムキノレート(Bebq)、ビキノイルアルミニウム4‐フェニルフェノレート(BAlql)、亜鉛2‐(ベンゾ[d]オキサゾール‐2‐イル)フェノレート(ZnPBO)、亜鉛2‐(ベンゾ[d]チアゾール‐2‐イル)フェノール(ZnPBT)等が挙げられる。このうち、特にリチウムキノレート(LiQ)が好ましく、同様にLiFも好ましく使用できるが、これらに限定されるものではない。特に好ましくは、LiQである。LiQは、電子をよく引っ張るため電子輸送能力を向上させることができ、有機層内のチャージバランスがとれるように働き、それにより発光領域における再結合率を高められる材料であるため好ましい。
【0187】
前記アントラセン系化合物の含有量と前記キノレート系化合物またはLiFとの含有量は、アノードから注入される正孔の量によって、最適のキャリア均衡のために変更可能であり、蒸着工程を勘案して、10:5〜10:15であり、好ましくは10:8〜10:12である。例えば、10:10でありうる。前記キノレート系化合物の比率が増大するにつれて、正孔ブロッキング能は上昇するが、電子輸送層の電子移動度は低下し、駆動電圧の上昇及び効率低下を招きうる。前記キノレート系化合物の比率が低下するほど、電子輸送層の電子移動度に及ぼすアントラセン系化合物の効果が支配的である物性を示すようになり、やはり駆動電圧の上昇、効率低下及び寿命低下を招きうる。
【0188】
前記電子輸送層の厚みは、約100Å〜1,000Å、例えば150Å〜500Åでありうる。前記電子輸送層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべきほどの電子輸送特性を得ることができる。
【0189】
一方、電子輸送層の上部に、カソードから電子の注入を容易にする機能を有する物質である電子注入層が積層され、これは特別に材料を制限するものではない。
【0190】
前記電子注入層形成の材料としては、LiQ、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaOのような電子注入層形成の材料として公知である任意の物質を利用できる。前記電子注入層の蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。このうち、LiQが好ましく使用される。 前記電子注入層の厚みは、約1Å〜100Å、例えば、5Å〜90Åでありうる。前記電子注入層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の低下なしに、満足すべきほどの電子注入特性を得ることができる。
【0191】
かような有機層7の上部には、第2電極9が備わっている。前記第2電極9は、電子注入電極であるカソードであるが、このとき、前記第2電極形成用の金属としては、小さい仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物及びそれらの混合物を使用できる。具体的な例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを薄膜に形成し、透過型電極を得ることができる。また、前面発光素子を得るためにITO、IZOを利用した透過型電極を形成できるなど、多様な変形が可能である。このうち、好ましくはマグネシウム−銀(Mg−Ag)である。負極は仕事関数の低い電極を使用して電子の注入を容易にする必要があるが、Mgは仕事関数が低く一般的にOLEDの電極として使用されている。さらに、Mg自体は酸化されやすいため、酸化されにくい銀を混合し、薄膜の安定性を確保している。このような理由からマグネシウム−銀が好ましい。 上記第2電極上に、さらに保護層が形成されていてもよい。保護層は、素子を外部の影響や環境から物理的化学的に保護するものであれば、どのようなものを用いてもよいが、好ましくはAla3である。膜厚は、特に制限はないが、100〜1000Åが適当である。
【0192】
例えば、前記有機発光素子は、前記第1電極;前記化学式1A〜20Bのうち1つの化学式で表示されるシアノ基含有化合物を含んだ第1層(ここで、前記第1層には、選択的に、前記化学式42で表示される正孔輸送性化合物がさらに含まれる);前記化学式42で表示される化合物を含んだ正孔輸送層;青色ホスト(前記化学式202で表示される化合物)及び青色ドーパント(前記化学式202で表示される化合物)を含んだ発光層;化学式101で表示されるアントラセン系化合物及びLiQを含んだ電子輸送層;電子注入層;2電極;が順に積層され構造を有し、優秀な青色光を放出できる。
【0193】
以上、前記有機発光素子について、図1を参照しつつ説明したが、前記有機発光素子が以上に限定されるものではない。
【0194】
例えば、前記有機発光素子は、前記第1電極と前記第1層との間に、前述のような正孔注入層及び正孔輸送層からなる群から選択された1層以上の層をさらに含むことができる。すなわち、例えば、前記有機発光素子は、基板、第1電極、第1正孔輸送層、第1層、第2正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び第2電極が順に積層された構造を有することができる。
【0195】
一方、前記有機発光素子は、前記第1層を複数層含むことが可能である。例えば、前記有機発光素子は、基板、第1電極、第一次第1層、第1正孔輸送層、第二次第1層、第2正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び第2電極が順に積層された構造を有することができる。
【実施例】
【0196】
<比較例1>
コーニング社(Corning)の15Ω/cm(1,200Å)ITOガラス基板を、50mm×50mm×0.7mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とで、それぞれ5分間超音波洗浄した後、30分間UV(ultraviolet)オゾン洗浄して使用した。
【0197】
前記ITOガラス基板上部に、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)を真空蒸着し、750Å厚の正孔輸送層を形成した。
【0198】
前記正孔輸送層の上部に、下記化合物56を97重量%、下記化合物58を3重量%使用し、200Å厚の発光層を形成した。発光層形成の方法は、通常の蒸着法を用いた。
【0199】
【化87】

【0200】
前記発光層の上部に、トリス(8−キノラト)アルミニウム(Alq3)を真空蒸着し、300Å厚の電子輸送層を形成した。
【0201】
前記電子輸送層の上部に、LiQを真空蒸着して5Å厚の電子注入層を形成し、前記電子注入層の上部に、Mg:Agを真空蒸着し、160Å厚のカソードを形成した後、保護膜として、Alq3を600Å厚に蒸着することによって、有機発光素子を完成した。
【0202】
<比較例2>
コーニング社(Corning)の15Ω/cm(1,200Å)ITOガラス基板を、50mm×50mm×0.7mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とでそれぞれ5分間超音波洗浄した後、30分間UVオゾン洗浄して使用した。
【0203】
前記ITOガラス基板の上部に、前記化学式20Aで表示される化合物(ここで、R109は−Fである)及び前記化合物5を含んだ第1層(前記化学式20Aで表示される化合物の含有量は、前記第1層100重量部当たり1重量部である)を100Å厚に形成した。
【0204】
【化88】

【0205】
前記第1層の上部にNPBを真空蒸着し、750Å厚の正孔輸送層を形成した。
【0206】
前記正孔輸送層の上部に、前記化合物56を97重量%、前記化合物58を3重量%使用して200Å厚の発光層を形成した。
【0207】
前記発光層の上部にAlq3を真空蒸着し、300Å厚の電子輸送層を形成した。
【0208】
前記電子輸送層の上部にLiQを真空蒸着し、5Å厚の電子注入層を形成し、前記電子注入層の上部にMg:Agを真空蒸着し、160Å厚のカソードを形成した後、保護膜としてAlq3を600Å厚に蒸着することによって、有機発光素子を完成した。
【0209】
<比較例3>
コーニング社(Corning)の15Ω/cm(1,200Å)ITOガラス基板を、50mm×50mm×0.7mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とでそれぞれ5分間超音波洗浄した後、30分間UVオゾン洗浄して使用した。
【0210】
前記ITOガラス基板の上部に、前記化学式20Aで表示される化合物(ここで、R109は−Fである)及び前記化合物5を含んだ第1層(前記化学式20Aで表示される化合物の含有量は、前記第1層100重量部当たり1重量部である)を100Å厚に形成した。
【0211】
前記第1層の上部にNPBを真空蒸着し、750Å厚の正孔輸送層を形成した。
【0212】
前記正孔輸送層の上部に、前記9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)を97重量%及び前記化合物40を3重量%使用し、200Å厚の発光層を形成した。
【0213】
前記発光層の上部にAlq3を真空蒸着し、300Å厚の電子輸送層を形成した。
【0214】
前記電子輸送層の上部にLiQを真空蒸着し、5Å厚の電子注入層を形成し、前記電子注入層の上部にMg:Agを真空蒸着し、160Å厚のカソードを形成した後、保護膜としてAlq3を600Å厚に蒸着することによって、有機発光素子を完成した。
【0215】
<実施例1>
コーニング社(Corning)の15Ω/cm(1,200Å)ITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とでそれぞれ5分間超音波洗浄した後、30分間UVオゾン洗浄して使用した。
【0216】
前記ITOガラス基板上部に、前記化学式20Aで表示される化合物(ここで、R109は−Fである)及び前記化合物5を含んだ第1層(前記化学式20Aで表示される化合物の含有量は、前記第1層100重量部当たり1重量部である)を100Å厚に形成した。
【0217】
前記第1層の上部にNPBを真空蒸着し、750Å厚の正孔輸送層を形成した。
【0218】
前記正孔輸送層の上部に、前記9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)を97重量%及び前記化合物40を3重量%使用し、200Å厚の発光層を形成した。発光層の形成方法は、通常の蒸着法を用いた。
【0219】
前記発光層の上部にADN及びLiQを真空蒸着し、300Å厚の電子輸送層を形成した。
【0220】
前記電子輸送層の上部にLiQを真空蒸着し、5Å厚の電子注入層を形成し、前記電子注入層の上部にMg:Agを真空蒸着し、160Å厚のカソードを形成した後、保護膜としてAlq3を600Å厚に蒸着することによって、有機発光素子を完成した。
【0221】
<実施例2>
前記化学式20Aで表示される化合物の含有量を、前記第1層100重量部当たり3重量部に変更したという点を除いては、前記実施例1と同じ方法で有機発光素子を製作した。
【0222】
<評価>
前記比較例1〜3、実施例1及び2の有機発光素子に対する駆動電圧は、238 High−Current Source−Measure unit(Keithley Instruments Inc.)を利用して測定し、発光効率及び電力効率は、PR650 Spectroscan Source Measurement Unit(PhotoResearch, Inc.)を利用して評価し、下記表1に示した。
【0223】
【表1】

【0224】
前記表1から、実施例1及び2の有機発光素子は、比較例1〜3の有機発光素子に比べ、駆動電圧が低く、発光効率及び電力効率が高いという確認することができる。
【0225】
本明細書では、本発明について限定された実施例を中心に説明したが、本発明の範囲内で多様な実施例が可能である。また説明していないにしても、均等な手段もまた、本発明にそのまま結合されるものである。よって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決まるものである。
【符号の説明】
【0226】
1 有機発光素子
5 第1電極
6 第1層
7 有機層
9 第2電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極の間に介在する、発光層及び電子輸送層を含んだ有機膜と、を含み、
前記第1電極と前記発光層との間にシアノ基含有化合物を含んだ第1層を1層以上含み、
前記電子輸送層が、アントラセン系化合物及びキノレート系化合物またはLiFを含む有機発光素子。
【請求項2】
前記シアノ基含有化合物が、下記化学式1〜20のうちいずれか1つの化学式で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子:
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

前記化学式1〜20において、
〜Xは互いに独立して、下記化学式30A〜30Dからなる群から選択され、
〜Yは互いに独立して、N及びC(R103)からなる群から選択され、
〜Zは互いに独立して、CまたはNであり、
及びAは互いに独立して、−O−、−S−、−N(R104)及び−C(R105)(R106)−からなる群から選択され、
101及びQ102は互いに独立して、C−C10アルキレン基;C−C10アルケニレン基;及びハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキレン基及びC−C10アルケニレン基;からなる群から選択され、
及びTは互いに独立して、C−C30芳香族環系;C−C30ヘテロ芳香族環系;及びハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C30芳香族環系及びC−C30ヘテロ芳香族環系;からなる群から選択され、
pは、1〜10の整数であり、
qは、0〜10の整数であり、
101〜R106は互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;ヒドロキシル基;C−C10アルキル基;C−C10アルコキシ基;及び水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C14アリール基、C−C14ヘテロアリール基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基;
【化21】

及び−N(R107)(R108)からなる群から選択され、前記R107及びR108は互いに独立して、水素原子、C−C10アルキル基、フェニル基及びビフェニル基からなる群から選択され、
101は、C−C14アリーレン基;C−C14ヘテロアリーレン基;及びハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルケニレン基、C−C14アリーレン基及びC−C14ヘテロアリーレン基;からなる群から選択される:
【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【請求項3】
前記X〜Xが、前記化学式30Aまたは30Dであることを特徴とする請求項2に記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記R103は、水素;ハロゲン原子;シアノ基;C−C10アルキル基;C−C10アルコキシ基;ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基;及び−N(R107)(R108)からなる群から選択されるが、前記R107及びR108は互いに独立して、水素原子、C−C10アルキル基、フェニル基及びビフェニル基からなる群から選択されることを特徴とする請求項2または3に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記T及びTが互いに独立して、ベンゼン;ナフタレン;アントラセン;チオフェン;チアジアゾール;オキサジアゾール;及びハロゲン原子、シアノ基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたベンゼン、ナフタレン、アントラセン、チオフェン、チアジアゾール及びオキサジアゾール;からなる群から選択されたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項6】
101は、チオフェニレン基;ベンゾチオフェニレン基;及びハロゲン原子、シアノ基及びC−C10アルキル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたチオフェニレン基及びベンゾチオフェニレン基;からなる群から選択されたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記シアノ基含有化合物が、下記化学式1A〜20Bのうち一つで表示されることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の有機発光素子:
【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

前記化学式において、
103及びR109は互いに独立して、水素原子、フッ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、エテニル基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基からなる群から選択される。
【請求項8】
前記第1層が、正孔輸送性化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記正孔輸送性化合物が、下記化学式41または42で表されることを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子:
【化58】

【化59】

前記化学式41及び42において、
10は、−(Ar−Arで表示され、
16は(Ar11−Ar12で表示され、
Ar、Ar11、L及びL11は互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基及び−N(Q)−で表示される基からなる群から選択され、
n、m、a及びbは互いに独立して、0〜10の整数であり、
前記R〜R、R11〜R15、R17、R18、R21〜R29、Ar、Ar12及びQは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アルキルチオール基、置換または非置換のC−C30アリール基、C−C30ヘテロアリール基及び−N(Q)(Q)で表示される基からなる群から選択され、
前記Q及びQは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アルキルチオール基、置換または非置換のC−C30アリール基及びC4−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、
前記−(Ar−において、n個のArは互いに同一でも異なってもよく、前記−(Ar11−において、m個のAr11は互いに同一でも異なってもよく、前記−(L−において、a個のLは互いに同一でも異なってもよく、−(L11−において、b個のL11は互いに同一でも異なってもよい。
【請求項10】
前記Ar及びAr11は互いに独立して、C−C10アルキレン基;フェニレン基;ナフチレン基;アントリレン基;フルオレニレン基;カルバゾリレン基;ピラゾリレン基;ピリジニレン基;トリアジニレン基;−N(Q)−;ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、及びアントリル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フルオレニレン基、カルバゾリレン基、ピラゾリレン基、ピリジニレン基及びトリアジニレン基からなる群から選択され、
前記Qは、水素原子;C−C10アルキル基;フェニル基;ナフチル基;カルバゾリル基;フルオレニル基;及びハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基及びフルオレニル基からなる群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の有機発光素子。
【請求項11】
前記Ar及びAr12は互いに独立して、水素原子;C−C10アルキル基;フェニル基;ナフチル基;カルバゾリル基;フルオレニル基;ピレニル基;ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基、フルオレニル基及びピレニル基;及び−N(Q)(Q);からなる群から選択されるが、前記Q及びQは互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、メチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基及びメチルナフチル基からなる群から選択されたことを特徴とする請求項9または10に記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記第1層において、シアノ基含有化合物の含有量が、前記第1層100重量部当たり0.1〜20重量部であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項13】
前記第1層の厚みが、10Å〜2,100Åであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項14】
前記第1層と前記発光層との距離は、50Å以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項15】
前記第1層と前記発光層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層からなる群から選択された1層以上の層がさらに含まれることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項16】
前記アントラセン系化合物が、下記化学式101及び化学式102で表示される化合物からなる群から選択された一つ以上であり、
前記キノレート系化合物が、LiQ(リチウムキノレート)であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の有機発光素子:
【化60】

【化61】

前記式において、
〜Rは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アシル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、このうち隣接した2以上は互いに結合され、飽和環または不飽和環を形成でき、
は、単一結合、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、
〜Qは互いに独立して、水素原子、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、
は、1〜10の整数である。
【請求項17】
前記アントラセン系化合物が、下記化学式103または化学式104で表示される化合物からなる群から選択された一つ以上であり、
前記キノレート系化合物が、LiQ(リチウムキノレート)であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の有機発光素子:
【化62】

【化63】

【請求項18】
前記アントラセン系化合物の含有量が、前記キノレート系化合物100重量部当たり50〜150重量部であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項19】
前記発光層が、青色ドーパント及び青色ホストを含むことを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項20】
前記発光層が、下記化学式201で表示される青色ドーパントを含み、下記化学式202で表示される青色ホストを含むことを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の有機発光素子:
【化64】

【化65】

前記化学式において、
21は、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、
cは、1〜20の整数であり、
31〜R34は互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、
−(L21−において、c個のL21は互いに同一であるか、または異なり、
Ar51、A52、Ar53及びAr54は互いに独立して、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基及びフェニル置換のアントリレン基からなる群から選択され、
51〜R56は互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、カルバゾリル基及び−N(Q)(Q)からなる群から選択されるが、前記Q及びQは互いに独立して、メチル基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択され、
d、e、f及びgは互いに独立して、0〜10の整数である。

【図1】
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【公開番号】特開2011−222997(P2011−222997A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82867(P2011−82867)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】