説明

有機発光表示装置及びその製造方法

【課題】有機発光表示装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】有機発光表示装置は、基板101と、基板101上に配され、相互に断線された第1パターン部161aと第2パターン部161bとを有する画素電極161と、基板101上に配され、画素電極161を露出させる画素定義部160と、画素電極161上に配され、光を発生させる中間層162と、中間層162及び画素定義膜161上に配される対向電極163と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置及びその製造方法に関し、特に、画素定義膜と画素電極との間のエッジ不良を防止できる有機発光表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、平板表示装置は、発光型と受光型とに大別されうる。発光型としては、平板負極線管と、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)と、電界発光素子と、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)と、がある。受光型としては、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)が挙げられる。この中で、電界発光素子は、視野角が広く、コントラストが良好であるだけでなく、応答速度が速いという長所を有し、次世代表示素子として注目されている。かかる電子発光素子は、発光層を形成する物質によって、無機電界発光素子と有機電界発光素子とに区分される。
【0003】
この中で、有機電界発光素子を用いたディスプレイは、蛍光性有機化合物を電気的に励起させて発光させる自発光型ディスプレイであって、低い電圧で駆動可能であり、薄型化が容易であり、広視野角、速い応答速度など、液晶ディスプレイにおいて問題点として指摘されることを解決できる次世代ディスプレイとして注目されている。
【0004】
有機電界発光素子は、アノード電極とカソード電極との間に有機物からなる発光層を備えている。有機電界発光素子は、これらの電極に正極及び負極電圧がそれぞれ印加されることによって、アノード電極から注入された正孔(hole)が正孔輸送層を経由して発光層に移動し、電子は、カソード電極から電子輸送層を経由して発光層に移動し、発光層で電子と正孔とが再結合して励起子を生成する。
【0005】
この励起子が励起状態から基底状態に変化するにつれて、発光層の蛍光性分子が発光することによって、画像が形成される。フルカラー型有機電界発光素子の場合には、赤(R)、緑(G)、青(B)の三色を発光する画素を備えることによって、フルカラー表示が実現される。
【0006】
このような有機電界発光素子において、アノード電極の両端部には、画素定義膜が形成される。そして、この画素定義膜に所定の開口を形成した後、開口が形成されることによって外部に露出されたアノード電極の上部に発光層及びカソード電極が順次形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−146885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、画素定義膜と画素電極との間のエッジ不良を防止できる有機発光表示装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、基板と、基板上に配され、相互に断線された第1パターン部及び第2パターン部を有する画素電極と、上記基板上に配され、上記画素電極を露出させる画素定義部と、上記画素電極上に配され、光を発生させる中間層と、上記中間層及び上記画素定義膜上に配される対向電極と、を備える。
【0010】
上記実施形態において、上記第1パターン部と上記第2パターン部とは、相互に離隔されて断線されうる。
【0011】
上記実施形態において、上記第2パターン部は、上記第1パターン部の外郭に配されうる。
【0012】
上記実施形態において、上記第2パターン部は、上記第1パターン部と離隔され、上記第1パターン部を取り囲むように配されうる。
【0013】
上記実施形態において、上記第2パターン部は、上記第1パターン部のコーナーに配され、上記第1パターン部と離隔されうる。
【0014】
上記実施形態において、上記第2パターン部は、上記第1パターン部の互いに対向する辺に配され、上記第1パターン部と離隔されうる。
【0015】
上記実施形態において、上記第1パターン部上に位置する上記中間層は発光し、上記第2パターン部上に位置する上記中間層は発光しなくてもよい。
【0016】
上記実施形態において、上記中間層は、インクジェット方式で形成されうる。
【0017】
上記実施形態において、上記基板と上記画素電極との間に配され、上記画素電極と電気的に連結される画素回路部と、上記画素回路部と上記画素電極との間に配される絶縁層と、をさらに備えうる。
【0018】
上記実施形態において、上記画素回路部は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)でありうる。
【0019】
上記実施形態において、上記画素回路部は、上記画素定義膜に対応するように上記基板上に配されうる。
【0020】
上記実施形態において、上記画素回路部は、上記画素電極に対応するように上記基板上に配されうる。
【0021】
また、本発明の別の実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法は、基板上に画素電極を形成する工程と、上記画素電極を相互に断線された第1パターン部と第2パターン部とに分離する工程と、上記画素電極の一部を露出させるように、画素定義膜を形成する工程と、上記画素電極上に中間層を形成する工程と、上記画素定義膜及び上記画素電極上に対向電極を形成する工程と、を含みうる。
【0022】
上記実施形態において、上記第1パターン部と上記第2パターン部とは、フォト工程によって形成されうる。
【0023】
上記実施形態において、上記第1パターン部と上記第2パターン部とは、相互に離隔されて断線されうる。
【0024】
上記実施形態において、上記第2パターン部は、上記第1パターン部の外郭に配されうる。
【0025】
上記実施形態において、上記第2パターン部は、上記第1パターン部と離隔され、上記第1パターン部を取り囲むように配されうる。
【0026】
上記実施形態において、上記第2パターン部は、上記第1パターン部のコーナーに配され、上記第1パターン部と離隔されうる。
【0027】
上記実施形態において、上記第2パターン部は、上記第1パターン部の互いに対向する辺に配され、上記第1パターン部と離隔されうる。
【0028】
上記実施形態において、上記第1パターン部上に位置する上記中間層は発光し、上記第2パターン部上に位置する上記中間層は発光しなくてもよい。
【0029】
上記実施形態において、上記中間層は、インクジェット方式で形成されうる。
【0030】
上記実施形態において、上記画素電極の形成前に、上記基板上に画素回路部を形成する工程と、上記画素回路部を覆うように絶縁層を形成する工程と、上記画素回路部の一部が露出されるように、上記絶縁層にコンタクトホールを形成する工程と、をさらに含み、上記画素電極は、上記コンタクトホールを通じて上記画素回路部と電気的に連結されうる。
【0031】
上記実施形態において、上記画素回路部は、TFTでありうる。
【0032】
上記実施形態において、上記画素回路部は、上記画素定義膜に対応するように上記基板上に配されうる。
【0033】
上記実施形態において、上記画素回路部は、上記画素電極に対応するように上記基板上に配されうる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように本発明によれば、画素電極と画素定義膜との境界部で発生するエッジ不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係る画素回路部を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の平面図である。
【図3】図2の有機発光表示装置のうち、一の副画素を示す平面図である。
【図4】図3の副画素のI−I線断面図である。
【図5】図3の副画素のII−II線断面図である。
【図6】本発明の他の変形例を示す平面図である。
【図7】本発明の他の変形例を示す平面図である。
【図8】本発明の他の変形例を示す平面図である。
【図9】本発明の他の変形例を示す平面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に関する有機発光表示装置を示す平面図である。
【図11】図10の副画素のIII−III線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態に係る画素回路部10を示した断面図である。図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る画素回路部10は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)でありうる。TFTは、基板20上に備えられうる。基板20には、ガラス材の基板またはプラスチック材の基板が用いられうる。
【0038】
基板20上にはバッファ層21が形成され、バッファ層21上には半導体素材で形成された活性層22が設けられ、この活性層22を覆うようにゲート絶縁膜23が形成される。ゲート絶縁膜23の上部にはゲート電極24が形成され、ゲート電極24を覆うように層間絶縁膜25が形成され、層間絶縁膜25の上部にソース/ドレイン電極26,27が形成される。ソース/ドレイン電極26,27は、ゲート絶縁膜23及び層間絶縁膜25に形成されたコンタクトホール28によって活性層22のソース/ドレイン領域22b,22cにそれぞれ接触する。
【0039】
基板20上に設けられる活性層22は、無機半導体または有機半導体から選択されて形成されうるものであって、ソース/ドレイン領域22b,22cにn型またはp型の不純物がドーピングされており、これらのソース領域及びドレイン領域を連結するチャネル領域22aを備える。
【0040】
活性層22を形成する無機半導体は、CdS、GaS、ZnS、CdSe、CaSe、ZnSe、CdTe、SiC、及びSiを含みうる。
【0041】
そして、活性層22を形成する有機半導体には、高分子系材料として、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリパラフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリパラフェニレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリチオフェンビニレン及びその誘導体、ポリチオフェン−ヘテロ環芳香族共重合体及びその誘導体が含まれうる。また、低分子系材料として、ペンタセン、テトラセン、ナフタレンのオリゴアセン及びこれらの誘導体、アルファ(α)−6−チオフェン、アルファ(α)−5−チオフェンのオリゴチオフェン及びこれらの誘導体、金属を含有するかまたは含有していないフタロシアニン及びこれらの誘導体、ピロメリット酸二無水物(PMDA:Pyromellitic Dianhydride)またはピロメリット酸ジイミド及びこれらの誘導体、ぺリレンテトラカルボン酸二無水物(PTCDA:Perylene Tetracarboxylic Dianhydride)またはぺリレンテトラカルボン酸ジイミド及びこれらの誘導体が含まれうる。
【0042】
活性層22は、ゲート絶縁膜23に覆われ、ゲート絶縁膜23の上部にゲート電極24が形成される。ゲート電極24は、MoW、Al、Cr、Al/Cuなどの導電性金属膜で形成されうるが、必ずしもこれらに限定されず、導電性ポリマーなど多様な導電性物質がゲート電極24に用いられうる。ゲート電極24は、活性層22のチャネル領域に対応する領域をカバーするように形成される。
【0043】
図2は、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置100の平面図である。図2を参照すると、有機発光表示装置100は、画素領域30と、画素領域30のエッジにある回路領域40とで構成される。
【0044】
画素領域30は、複数の画素を備え、各画素は、所定の画像を具現するように発光する発光部を備える。本発明の一実施形態によれば、発光部は、有機電界発光素子をそれぞれ備えた複数の副画素で形成されている。有機発光表示装置100がフルカラー有機発光表示装置である場合には、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の副画素が、ライン状、モザイク状、または格子状など多様なパターンで配列されて画素を構成する。なお、有機発光表示装置100は、フルカラー平板表示装置ではなくモノカラー平板表示装置であってもよい。
【0045】
また、回路領域40は、画素領域30に入力される画像信号を制御する。
【0046】
このような有機発光表示装置において、画素領域30と回路領域40とには、それぞれ少なくとも一つ以上のTFTが設置されうる。
【0047】
画素領域30に設置されるTFTとしては、ゲートラインの信号によって発光素子にデータ信号を伝達し、その動作を制御するスイッチング用TFTや、データ信号によって有機電界発光素子に所定の電流が流れるように駆動させる駆動用TFTなど、画素部TFTがある。そして、回路領域40に設置されるTFTには、所定の回路を具現するように備えられた回路部TFTがある。
【0048】
もちろん、このようなTFTの数及び配置は、ディスプレイの特性及び駆動方法によって多様な数が存在し、その配置方法も、多様に存在しうる。
【0049】
図3は、図2の有機発光表示装置のうち、一の副画素を示した平面図であり、図4は、図3の副画素のI−I線断面図であり、図5は、図3の副画素のII−II線断面図である。
【0050】
図3〜図5を参照すると、ガラス材またはプラスチック材の基板101上にバッファ層51が形成されており、この上に画素回路部50と、有機電界発光素子(OLED:Organic Light Emitting Diode)とが形成されうる。画素回路部50は、トップゲート、ボトムゲートなど多様な形態のTFTでありうる。
【0051】
基板101のバッファ層51上に所定のパターンの活性層52が設けられる。活性層52の上部にはゲート絶縁膜53が備えられ、ゲート絶縁膜53の上部の所定の領域にはゲート電極54が形成される。ゲート電極54は、TFTのオン/オフ信号を印加するゲートライン(図示せず)と連結されている。ゲート電極54の上部には層間絶縁膜55が形成され、ソース/ドレイン電極56,57がそれぞれコンタクトホール56a,57aを通じて活性層52のソース/ドレイン領域52b,52cに接するように形成される。ソース/ドレイン電極56,57の上部には絶縁層が形成されうる。絶縁層は、SiO、SiNxからなるパッシベーション膜58と、パッシベーション膜58の上部のアクリル、ポリイミド、BCB(Benzocyclobutene)などの有機物質からなる平坦化膜59とでありうる。
【0052】
そして、平坦化膜59の上部にOLEDのアノード電極となる画素電極161が形成され、これを覆うように画素定義膜160が形成される。画素定義膜160は、有機物で形成されうる。画素回路部50は、画素定義膜160に対応する基板101上に形成されうる。
【0053】
画素定義膜160に所定の開口を形成した後、画素定義膜160の端部、及び開口が形成されることによって外部に露出された画素電極161の上部に、中間層162を形成する。ここで、中間層162は、発光層を備える。なお、本発明は、必ずしもこのような構造に限定されず、多様な有機発光表示装置の構造がそのまま適用されうる。
【0054】
OLEDは、電流の流れによって赤、緑、青色の光を発光して所定の画像情報を表示するものであって、TFTのドレイン電極57に連結され、これからプラス(+)電源を供給される画素電極161と、全体画素を覆うように備えられ、マイナス(−)電源を供給する対向電極163と、これらの画素電極161と対向電極163との間に配されて発光する中間層162と、で構成される。
【0055】
画素電極161と対向電極163とは、中間層162によって相互に絶縁されており、中間層162に異なる極性の電圧を加えて中間層162から発光させる。
【0056】
ここで、中間層162には、低分子または高分子の有機層が用いられうるが、低分子有機層を用いる場合、ホール注入層(HIL:Hole Injection Layer)、ホール輸送層(HTL:Hole Transport Layer)、発光層(EML:Emission Layer)、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)、電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)が単一あるいは複合の構造で積層されて形成され、使用可能な有機材料も、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)を始めとして、多様に適用可能である。これらの低分子有機膜は、真空蒸着の方法で形成されうる。
【0057】
一方、高分子有機層を用いる場合、中間層162は、ホール輸送層(HTL)及び発光層(EML)が備えられた構造を有し、この時、ホール輸送層にPEDOT(Poly(3,4−Ethylene Dioxythiophene))を使用し、発光層にPPV(Poly−Phenylene Vinylene)系及びポリフルオレン系など、高分子有機物質を使用し、これをスクリーン印刷やインクジェット印刷方法で形成しうる。
【0058】
なお、中間層162は、必ずしも上記の構成には限定されず、多様な実施形態が適用されうる。
【0059】
中間層162は、インクジェット方式で形成されうる。また、中間層162は、スピンコーティング法で形成されてもよい。
【0060】
画素電極161は、アノード電極として機能し、対向電極163は、カソード電極として機能するが、もちろん、これらの画素電極161及び対向電極163の極性は、逆であってもよい。
【0061】
画素電極161は、透明電極または反射型電極で実現されうるが、透明電極として実現される場合には、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO、またはInが用いられ、反射型電極として実現される場合には、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、及びこれらの化合物で反射膜を形成した後、その上にITO、IZO、ZnO、またはInが形成されうる。
【0062】
また、画素電極161は、相互に断線された第1パターン部161aと第2パターン部161bとで形成されうる。第1パターン部161aと第2パターン部161bとの間には、間隔gが存在し、間隔gによって、第1パターン部161aと第2パターン部161bとは、相互に電気的に断線される。図3に示したように、第2パターン部161bは、第1パターン部161aの外郭に配され、第1パターン部161aを取り囲むように配されうる。図3には、間隔gの形状が“□”状であるが、本発明は、これに限定されず、間隔gが“○”状である場合のように、第2パターン部161bが第1パターン部161aを取り囲む多様な形態が可能である。
【0063】
第1パターン部161aと第2パターン部161bとは、フォト工程によって形成されうる。例えば、平坦化膜59上に画素電極161が形成される金属層を蒸着し、フォト工程によって第1パターン部161aと第2パターン部161bとがパターニングされうる。
【0064】
第1パターン部161aは、コンタクトホール59aを通じて画素回路部50と連結される。すなわち、第1パターン部161aは、画素回路部50であるTFTのドレイン電極57に連結され、これからプラス(+)電源を供給される。しかし、第2パターン部161bは、第1パターン部161aと断線されているので、電源を供給されない。したがって、第1パターン部161a上に配された中間層162では発光するが、第2パターン部161b上に配された中間層162では発光しない。より詳細には、中間層162は、画素電極161、すなわち第1パターン部161a及び第2パターン部161b上に配されうる。しかし、第1パターン部161aと第2パターン部161bとは、相互に断線されており、第1パターン部161aのみに電源が供給されるので、第1パターン部161a上に配された中間層162からは発光し、第2パターン部161b上に配された中間層162からは発光しない。
【0065】
発光層を備える中間層162は、画素定義膜160によって露出された画素電極161上に形成される。画素定義膜160と画素電極161との表面エネルギー差によって、画素定義膜160と画素電極161との境界部Aでは、中間層162が画素電極161の中央部に配される中間層162よりも薄く形成されるか、または形成されない。このように、中間層162が上記境界部Aで薄く形成されるかまたは形成されないことによって、境界部Aでの発光が弱いか、または発光しないエッジ不良が発生する。本発明の一実施形態は、画素電極161の外郭部、すなわち、画素定義膜160に隣接した第2パターン部161bを、画素電極161の中央部に配された第1パターン部161aと断線させて、上記のようなエッジ不良を防止しうる。第1パターン部161aは、上記境界部Aのように、画素定義膜160との表面エネルギー差が発生しないので、第1パターン部161a上に配される中間層162の厚さは一定に形成され、したがって、副画素で均一な輝度の発光がなされうる。
【0066】
一方、対向電極163も、透明電極または反射型電極として実現されうるが、透明電極として実現される場合は、対向電極163がカソード電極として用いられるので、仕事関数の小さい金属、例えばLi、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mg、及びこれらの化合物が中間層162の方向に向くように蒸着した後、その上にITO、IZO、ZnO、またはInなどの透明電極形成用物質で補助電極層やバス電極ラインが形成されうる。一方、反射型電極として実現される時には、上記Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mg、及びこれらの化合物を全面蒸着して形成されうる。
【0067】
図6〜図9は、本発明の他の変形例を示す平面図である。
【0068】
図6〜図9には、第2パターン部161bが第1パターン部161aの外郭部に形成される変形例が示されている。
【0069】
図6を参照すると、第2パターン部161bと第1パターン部161aとの間には、“コ”の字状の間隔が形成される。
【0070】
図7を参照すると、第2パターン部161bは、画素電極161のコーナーに配され、第2パターン部161bと第1パターン部161aとの間に間隔gが存在する。
【0071】
図8及び図9を参照すると、第2パターン部161bは、画素電極161の相互に対向する辺に配されうる。例えば、図8のように、第2パターン部161bが第1パターン部161aの左右の辺で間隔gに離隔されて配されてもよく、図9のように、第2パターン部161bが第1パターン部161aの上下の辺で間隔gに離隔されて配されうる。
【0072】
図10は、本発明のさらに他の実施形態による有機発光表示装置を示す平面図であり、図11は、図10の副画素のIII−III線断面図である。
【0073】
図10及び図11に示された本発明のさらに他の実施形態による有機発光表示装置は、図3に示された有機発光表示装置と画素回路部50との位置が異なる。すなわち、図10及び図11を参照すれば、画素回路部50は、画素電極161に対応するように、基板101上に配される。
【0074】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、表示装置関連の技術分野に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0076】
20,101 基板
21,51 バッファ層
22,52 活性層
23,53 ゲート絶縁膜
24,54 ゲート電極
25,55 層間絶縁膜
26,56 ソース電極
27,57 ドレイン電極
58 パッシベーション膜
59 平坦化膜
60,160 画素定義膜
61,161 画素電極
62,162 中間層
63,163 対向電極
100 有機発光表示装置
161a,161b 第1及び第2パターン部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配され、相互に断線された第1パターン部と第2パターン部とを有する画素電極と、
前記基板上に配され、前記画素電極を露出させる画素定義部と、
前記画素電極上に配され、光を発生させる中間層と、
前記中間層及び前記画素定義膜上に配される対向電極と、を備えることを特徴とする有機発光表示装置。
【請求項2】
前記第1パターン部と前記第2パターン部とは、相互に離隔されて断線されたことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記第2パターン部は、前記第1パターン部の外郭に配されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記第2パターン部は、前記第1パターン部と離隔され、前記第1パターン部を取り囲むように配されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記第2パターン部は、前記第1パターン部のコーナーに配され、前記第1パターン部と離隔されていることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記第2パターン部は、前記第1パターン部の互いに対向する辺に配され、前記第1パターン部と離隔されていることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記第1パターン部上に位置する前記中間層は発光し、前記第2パターン部上に位置する前記中間層は発光しないことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記中間層は、インクジェット方式で形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記基板と前記画素電極との間に配され、前記画素電極と電気的に連結される画素回路部と、
前記画素回路部と前記画素電極との間に配される絶縁層と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記画素回路部は、薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記画素回路部は、前記画素定義膜に対応するように前記基板上に配されることを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記画素回路部は、前記画素電極に対応するように前記基板上に配されることを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
基板上に画素電極を形成する工程と、
前記画素電極を相互に断線された第1パターン部と第2パターン部とに分離する工程と、
前記画素電極の一部を露出させるように、画素定義膜を形成する工程と、
前記画素電極上に中間層を形成する工程と、
前記画素定義膜及び前記画素電極上に対向電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする有機発光表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1パターン部と前記第2パターン部とは、フォト工程によって形成されることを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1パターン部と前記第2パターン部とは、相互に離隔されて断線されたことを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記第2パターン部は、前記第1パターン部の外郭に配されることを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2パターン部は、前記第1パターン部と離隔され、前記第1パターン部を取り囲むように配されることを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記第2パターン部は、前記第1パターン部のコーナーに配され、前記第1パターン部と離隔されていることを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記第2パターン部は、前記第1パターン部の互いに対向する辺に配され、前記第1パターン部と離隔されていることを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1パターン部上に位置する前記中間層は発光し、前記第2パターン部上に位置する前記中間層は発光しないことを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項21】
前記中間層は、インクジェット方式で形成されることを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項22】
前記画素電極の形成前に、
前記基板上に画素回路部を形成する工程と、
前記画素回路部を覆うように、絶縁層を形成する工程と、
前記画素回路部の一部が露出されるように、前記絶縁層にコンタクトホールを形成する工程と、をさらに含み、
前記画素電極は、前記コンタクトホールを通じて前記画素回路部と電気的に連結されることを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項23】
前記画素回路部は、薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記画素回路部は、前記画素定義膜に対応するように前記基板上に配されることを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項25】
前記画素回路部は、前記画素電極に対応するように前記基板上に配されることを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−238588(P2011−238588A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22519(P2011−22519)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】