有機発光表示装置
【課題】有機発光表示装置を提供する。
【解決手段】透過領域と該透過領域を介して相互に離隔された複数の画素領域とが区画された基板と、基板の第1面上に形成され、各画素領域内に位置する複数の薄膜トランジスタと、複数の薄膜トランジスタを覆い、透過領域TA及び画素領域PAに形成され、透過領域TAのうち少なくとも一部に対応する位置に第1開口を備えたパッシベーション膜と、パッシベーション膜上に各薄膜トランジスタと電気的に連結されるように形成され、各画素領域PA内に位置し、各薄膜トランジスタを覆いつつ各薄膜トランジスタと重畳して配された複数の画素電極221と、複数の画素電極221と対向し、透光可能に形成され、透過領域TA及び画素領域PAにわたって位置する対向電極と、画素電極と対向電極との間に介在されて発光する有機発光層と、導電性物質で備えられ、第1開口と重畳して配され、対向電極に接する導電部27と、を備える有機発光表示装置である。
【解決手段】透過領域と該透過領域を介して相互に離隔された複数の画素領域とが区画された基板と、基板の第1面上に形成され、各画素領域内に位置する複数の薄膜トランジスタと、複数の薄膜トランジスタを覆い、透過領域TA及び画素領域PAに形成され、透過領域TAのうち少なくとも一部に対応する位置に第1開口を備えたパッシベーション膜と、パッシベーション膜上に各薄膜トランジスタと電気的に連結されるように形成され、各画素領域PA内に位置し、各薄膜トランジスタを覆いつつ各薄膜トランジスタと重畳して配された複数の画素電極221と、複数の画素電極221と対向し、透光可能に形成され、透過領域TA及び画素領域PAにわたって位置する対向電極と、画素電極と対向電極との間に介在されて発光する有機発光層と、導電性物質で備えられ、第1開口と重畳して配され、対向電極に接する導電部27と、を備える有機発光表示装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置に係り、さらに詳細には、透明な有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、視野角、コントラスト(contrast)、応答速度、消費電力の面で優れた特性を有しているため、MP3プレイヤや携帯電話のような個人用携帯機器からテレビ(TV)に至るまで応用範囲が拡大されている。
【0003】
このような有機発光表示装置は、自発光特性を有し、液晶表示装置とは異なり、別途の光源を必要としないので、厚さ及び重さを減少できる。
【0004】
また、有機発光表示装置は、透明な装置内部の薄膜トランジスタや有機発光素子を採用することによって、透明な表示装置に形成できる。
【0005】
しかし、このような透明表示装置では、スイッチオフ状態である時、反対側に位置した事物またはイメージは、有機発光素子だけでなく、薄膜トランジスタ及び多様な配線のパターン及びこれらの間の空間を透過してユーザに伝えられる。たとえ透明表示装置がある程度透明であるとしても、前述した有機発光素子、薄膜トランジスタ及び配線自体の透過率がそれほど高くなければ、これらの部分は密集されこれらの間の空間も非常に小さくなり、全体ディスプレイの透過率は高くない。
【0006】
また、前述したパターン、すなわち、有機発光素子、薄膜トランジスタ及び配線のパターンによって、ユーザは、歪曲されたイメージを伝達されうる。これは、前記パターンの間の間隔が数百nmほどと、可視光波長と同じサイズレベルであるため、透過された光の散乱をもたらすからである。
【0007】
加えて、外光に対する透過率を高めるために、画面全体に対して共通に蒸着される対向電極が薄く形成された場合には、この対向電極において電圧降下(すなわち、IR drop)現象が発現する恐れがあり、特に、有機発光表示装置のサイズが増大するにつれて、当該現象が顕著となる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6917160号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、透過領域での透過率を向上させて透明にすると同時に、対向電極での電圧降下を低減できる有機発光表示装置を提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとする他の課題は、透過する光の散乱を抑制して透過イメージの歪曲現象が防止された透明な有機発光表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を達成するために、本発明は、透過領域と前記透過領域を介して相互離隔された複数の画素領域とが区画された基板と、前記基板の第1面上に形成され、前記各画素領域内に位置する複数の薄膜トランジスタと、前記複数の薄膜トランジスタを覆い、前記透過領域及び画素領域にいずれも形成され、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第1開口を備えたパッシベーション膜と、前記パッシベーション膜上に前記各薄膜トランジスタと電気的に連結されるように形成され、前記各画素領域内に位置し、前記各薄膜トランジスタを覆えるように前記各薄膜トランジスタと重畳して配された複数の画素電極と、前記複数の画素電極と対向し、透光可能に形成され、前記透過領域及び画素領域にわたって位置する対向電極と、前記画素電極と対向電極との間に介在されて発光する有機発光層と、導電性物質で備えられ、前記第1開口と重畳して配され、前記対向電極に接する導電部と、を備える有機発光表示装置を提供する。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、前記画素電極の面積は、前記画素領域のうち一つの面積と同一でありうる。
【0013】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記各薄膜トランジスタと電気的に連結された複数の導電ラインをさらに含み、前記導電ラインのうち少なくとも一つは、前記各画素電極と重畳して配列されうる。
【0014】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記透過領域の面積は、前記画素領域と前記透過領域との面積の和に対して、5%ないし90%の範囲内でありうる。
【0015】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記パッシベーション膜は、透明な物質で備えられうる。
【0016】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、前記基板と前記対向電極との間に介在されたものでありうる。
【0017】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、前記対向電極上に形成されうる。
【0018】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記透過領域に対応する位置に透明な複数の絶縁膜が備えられうる。
【0019】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記絶縁膜のうち少なくとも一つは、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に前記第1開口と連結された第2開口を備えたものでありうる。
【0020】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記画素電極は、反射電極でありうる。
【0021】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、逆テーパ状でありうる。
【0022】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、複数のホールを有するものでありうる。
【0023】
また、本発明は、前述した課題を達成するために、透過領域と前記透過領域を介して相互離隔された複数の画素領域とが区画された基板と、前記基板の第1面上に形成され、それぞれ少なくとも一つの薄膜トランジスタと、を備え、前記各画素領域内に位置する複数の画素回路部と、前記画素回路部を覆い、前記透過領域及び画素領域にいずれも形成され、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第3開口を備えた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に前記各画素回路部と電気的に連結されるように形成され、前記各画素回路部を覆えるように前記各画素回路部と重畳して配された複数の画素電極と、前記複数の画素電極と対向して透光可能に形成され、前記透過領域及び画素領域にわたって位置する対向電極と、前記画素電極と対向電極との間に介在されて発光する有機発光層と、導電性物質で備えられ、前記第3開口と重畳して配され、前記対向電極に接する導電部と、を備える有機発光表示装置を提供する。
【0024】
本発明の他の特徴によれば、前記画素電極は、前記各画素領域に形成されうる。
【0025】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記各画素回路部と電気的に連結された複数の導電ラインをさらに含み、前記各導電ラインのうち少なくとも一つは、前記各画素領域を通過するように配列されうる。
【0026】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記透過領域の面積は、前記画素領域と前記透過領域との面積の和に対して、5%ないし90%の範囲内でありうる。
【0027】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記第1絶縁膜は、透明な物質で備えられうる。
【0028】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、前記基板と前記対向電極との間に介在されうる。
【0029】
前記導電部は、前記対向電極上に形成されうる。
【0030】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記透過領域及び画素領域には、透明な物質で備えられた複数の第2絶縁膜がさらに配されうる。
【0031】
前記第2絶縁膜のうち少なくとも一つは、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に前記第3開口と連結された第4開口を備えうる。
【0032】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記画素電極は、反射電極でありうる。
【0033】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、逆テーパ状でありうる。
【0034】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、複数のホールを有するものでありうる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、外光に対する透過率を高めて透明な有機発光表示装置を具現すると同時に、対向電極の面抵抗を減少させて対向電極の電圧降下を低減できる。
【0036】
また、透過する光の散乱を抑制して透過イメージの歪曲現象が防止された透明な有機発光表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置を示す断面図である。
【図2】図1の一実施形態をさらに詳細に示す断面図である。
【図3】図1の他の一実施形態をさらに詳細に示す断面図である。
【図4】図2または図3の有機発光部の一例を概略的に示す概略図である。
【図5】図4の画素回路部の一例を含む有機発光部を示す概略図である。
【図6】図5の有機発光部の一例をさらに具体的に示す平面図である。
【図7】図5の有機発光部の一例をさらに具体的に示す断面図である。
【図8】本発明の有機発光部の他の一例をさらに具体的に示す断面図である。
【図9】本発明の有機発光部のさらに他の一例をさらに具体的に示す断面図である。
【図10】本発明の導電部のパターンの他の一例を示す平面図である。
【図11】本発明の導電部のパターンのさらに他の一例を示す平面図である。
【図12】本発明の有機発光部のさらに他の一例をさらに具体的に示す断面図である。
【図13】本発明の導電部の一例を示す断面図である。
【図14】本発明の導電部の他の一例を示す断面図である。
【図15】本発明の導電部のパターンのさらに他の一例を示す平面図である。
【図16】本発明の有機発光部のさらに他の一例をさらに具体的に示す断面図である。
【図17】本発明の有機発光部のさらに他の一例をさらに具体的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0039】
図1は、本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置を示した断面図である。
【0040】
図1を参照すれば、本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置は、基板1の第1面11にディスプレイ部2が備えられる。
【0041】
このような有機発光表示装置においては、外光は、基板1及びディスプレイ部2を透過して入射される。
【0042】
そして、ディスプレイ部2は、後述するように、外光が透過可能なように備えられ、図1に示したように、画像が具現される側に位置したユーザにより基板1の下部外側のイメージを観察可能となる。
【0043】
図2は、図1の有機発光表示装置をさらに具体的に示した一実施形態である。ディスプレイ部2は、基板1の第1面11に形成された有機発光部21と、この有機発光部21を密封する密封基板23とを備える。
【0044】
密封基板23は、透明な部材から形成されて有機発光部21による画像を具現できるように透過可能であり、有機発光部21に外気及び水分が浸透することを遮断する。
【0045】
基板1と密封基板23とは、そのエッジが密封材24によって結合され、基板1と密封基板23との間の空間25が密封される。後述するように、空間25は、吸湿剤や充填材を含むことができる。
【0046】
図3に示したように、密封基板23の代わりに、薄膜密封フィルム26を有機発光部21上に形成することによって、有機発光部21を外気から保護できる。密封フィルム26は、酸化シリコンまたは窒化シリコンのような無機物からなる膜と、エポキシ、ポリイミドのような有機物からなる膜とが交互に成膜された構造でありうるが、必ずしもこれに限定されず、透明な薄膜上の密封構造ならば、いかなるものでも適用可能である。
【0047】
図4は、図2または図3の有機発光部21の概略的な構成を示す概略図であり、図5は、図4の画素回路部PCのさらに具体的な一例を示した概略図である。図2ないし図5に示したように、本発明の望ましい一実施形態によれば、有機発光部21は、外光が透過されるように備えられた透過領域TAと、当該透過領域TAを介して相互に離隔された複数の画素領域PAとに区画され、基板1上に形成された構成を有する。
【0048】
図4に示したように、各画素領域PA内には、画素回路部PCが備えられており、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVのような複数の導電ラインが、この画素回路部PCに電気的に連結される。図面に示していないが、画素回路部PCの構成によって、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインV以外にも、さらに多様な導電ラインが備えられている。
【0049】
図5に示したように、画素回路部PCは、スキャンラインS及びデータラインDに連結された第1薄膜トランジスタTR1と、第1薄膜トランジスタTR1及び駆動電源ラインVに連結された第2薄膜トランジスタTR2と、第1薄膜トランジスタTR1及び第2薄膜トランジスタTR2に連結されたキャパシタCstと、を備える。この時、第1薄膜トランジスタTR1はスイッチングトランジスタとなり、第2薄膜トランジスタTR2は駆動トランジスタとなる。第2薄膜トランジスタTR2は、画素電極221と電気的に連結されている。図5では、第1薄膜トランジスタTR1と第2薄膜トランジスタTR2とはP型に示されているが、必ずしもこれに限定されず、少なくとも一つがN型に形成されることもできる。このような薄膜トランジスタ及びキャパシタの数は、必ずしも図示された実施形態に限定されず、画素回路部PCによって、2以上の薄膜トランジスタ、1以上のキャパシタが組み合わせられうる。
【0050】
本発明の望ましい一実施形態によれば、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVのうち少なくとも一つは、画素領域PAを横切るように配されることが望ましく、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVがいずれも画素領域PAを横切るように配されることがさらに望ましい。
【0051】
各画素領域PAは、各サブピクセルにより発光する領域となる。このように、発光される領域内に画素回路部PCが位置し、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVを含む導電ラインが横切るため、ユーザは、透過領域TAを通じて表示装置の反対側を見ることができる。透過領域TAでは、後述するように、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVのそれぞれの一部のみが通過するため、透過率を阻害する最も大きい要素のうち一つである導電パターンの面積が最小化される。したがって、透過領域TAの透過率はさらに高まる。このように、本発明は、画像が具現される領域を画素領域PAと透過領域TAとに分け、ディスプレイ全体の透過率を落とす要因の一つである導電パターンのほとんどを画素領域PAに配することによって、透過領域TAの透過率を高め、画像が具現される領域全体の透過率を、従来の透明表示装置に比べて向上させうる。
【0052】
また、本発明は、前述した画素領域PAと透過領域TAとの分離によって、透過領域TAを通じて外部を観察する時に、外光が画素回路部PC内の素子のパターンと干渉して散乱することによって発生する外部イメージの歪曲現象が防止されうる。
【0053】
たとえ画素領域PAと他の画素領域PAとの間の透過領域TAにもスキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVを含む導電ラインが横切るように配されているとしても、この導電ラインは、非常に薄く形成される。したがって、当該導電ラインは、ユーザの精密な観察によってのみ感知され得、有機発光部21の全体透過度には影響を及ぼさず、特に、透明ディスプレイとしての透明度には全く問題がない。また、ユーザが画素領域PAに覆われた領域においてのみ外部イメージが見られないとしても、ディスプレイ領域全体から見た時、画素領域PAは、あたかも透明ガラスの表面に複数の点が規則的に配列されているようなものであるので、ユーザが外部イメージを観察するに際し、困難性はない。
【0054】
このような画素領域PAと透過領域TAとを合わせた面積に対する透過領域TA全体の面積の比率が5%ないし90%の範囲となるように、画素領域PAと透過領域TAとが形成される。
【0055】
画素領域PAと透過領域TAとを合わせた面積に対する透過領域TA全体の面積の比率が5%より小さい場合、ディスプレイ部2がスイッチオフ状態である時、図1に示されるようなディスプレイ部2を透過する光が少なく、ユーザが反対側に位置した事物またはイメージを観察し難い。すなわち、ディスプレイ部2は透明であると言えない。一方、透過領域TAの面積が画素領域PAとを合わせた面積に対する透過領域TA全体の面積が5%ほどである場合、画素領域PAが全体透過領域TAに対してアイランド状に存在し、画素領域PA内に可能な限りすべての導電パターンが配されて太陽光の散乱度を最低限に抑えられる。したがって、透明なディスプレイとして認識可能になる。そして、後述するように、画素回路部PCに備えられる薄膜トランジスタを酸化物半導体のように透明薄膜トランジスタから形成し、有機発光素子についても透明素子から形成する場合には、さらに透明なディスプレイとして形成することができる。
【0056】
画素領域PAと透過領域TAとを合わせた面積に対する透明領域TA全体の面積の比率が90%より大きい場合、ディスプレイ部2の画素集積度が過度に低くなって、画素領域PAからの発光を通じて安定した画像を具現し難い。すなわち、画素領域PAの面積が小さくなるほど、画像を具現するために、後述する有機発光層223から発光する光の輝度を高めなければならない。このように有機発光素子を高輝度状態に作動させれば、ディスプレイとしての寿命が急低下するという問題が発生する。また、一つの画素領域PAのサイズを適正なサイズに維持しつつ、透明領域TAの面積比率を90%より大きくすれば、画素領域PAの数が減って解像度が低下するという問題が発生する。
【0057】
したがって、画素領域PAと透過領域TAとを合わせた面積に対する透過領域TA全体の面積の比率は、20%ないし70%の範囲に属させることが望ましい。すなわち、20%未満では、透過領域TAに比べて、画素領域PAの面積が過度に大きいので、ユーザが透過領域TAを通じて外部イメージを観察するのに限界がある。70%を超える場合、画素領域PA内に配する画素回路部PCの設計に多くの制約が伴う。
【0058】
画素領域PAには、画素回路部PCと電気的に連結された画素電極221が備えられ、画素回路部PCは、画素電極221に覆われるように画素電極221と重畳される。そして、前述したスキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVを含む導電ラインも、いずれもこの画素電極221を通過するように配される。本発明の望ましい一実施形態によれば、画素電極221は、画素領域PAの面積と同一か、またはそれより若干小さくすることが望ましい。したがって、図6に示したように、ユーザが見る時、画素電極221によって前述した画素回路部PCが覆われた状態となり、導電ラインの相当部分も覆われた状態となる。これにより、ユーザは、透過領域TAを通じては導電ラインの一部のみを見ることとなるので、前述したように、ディスプレイ全体の透過率が向上し、透過領域TAを通じて外部イメージをよく見ることができる。
【0059】
本発明は、透過領域TAでの外光透過率をさらに高めるために、透過領域TAの少なくとも一部に対応する位置の絶縁膜に開口229を形成する。そして、透過領域TAには、導電部27をさらに形成する。これについての詳細な説明は、後述する。
【0060】
図7は、有機発光部21をさらに詳細に説明するための一実施形態を示した断面図であって、図5に示した画素回路部PCを示したものである。
【0061】
図7による本発明の望ましい一実施形態によれば、基板1の第1面11上にバッファ膜211が形成され、このバッファ膜211上に第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2が形成される。
【0062】
まず、バッファ膜211上には、第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bが形成される。
【0063】
バッファ膜211は、不純元素の浸透を防止し、表面を平坦化する役割を行うものであって、このような役割を担うことのできる多様な物質から形成されうる。一例として、バッファ膜211は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタンまたは窒化チタンなどの無機物や、ポリイミド、ポリエステル、アクリルなどの有機物またはこれらの積層体から形成されうる。バッファ膜211は、必須構成要素ではなく、必要に応じて備えられないこともある。
【0064】
第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bは、多結晶シリコンから形成されうるが、必ずしもこれに限定されず、酸化物半導体から形成されうる。例えば、G−I−Z−O層[(In2O3)a(Ga2O3)b(ZnO)c層](a、b、cは、それぞれa≧0、b≧0、c>0の条件を満たす実数)でありうる。このように、第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bを酸化物半導体から形成する場合には、透光度がさらに高まりうる。
【0065】
第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bを覆うように、ゲート絶縁膜213がバッファ膜211上に形成され、ゲート絶縁膜213上に第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bが形成される。
【0066】
第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bを覆うように、ゲート絶縁膜213上に層間絶縁膜215が形成される。当該層間絶縁膜215上に第1ソース電極216aと第1ドレイン電極217a及び第2ソース電極216bと第2ドレイン電極217bが形成され、それぞれ第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bとコンタクトホールを通じてコンタクトされる。
【0067】
図7に示したように、スキャンラインSは、第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bの形成と同時に形成されうる。そして、データラインDは、第1ソース電極216aと同時に、第1ソース電極216aと連結されるように形成され、駆動電源ラインVは、第2ソース電極216bと同時に、第2ソース電極216bと連結されるように形成される。
【0068】
キャパシタCstについては、第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bの形成と同時に下部電極220aが形成され、第1ドレイン電極217aと同時に上部電極220bが形成される。
【0069】
前記のような第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2の構造は、必ずしもこれに限定されず、多様な形態の薄膜トランジスタ及びキャパシタの構造が適用可能である。例えば、第1薄膜トランジスタTR1及び第2薄膜トランジスタTR2は、トップゲート構造で形成されたものであるが、第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bが、それぞれ第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bの下部に配されたボトムゲート構造で形成されることもできる。もちろん、これ以外にも適用可能なすべての薄膜トランジスタの構造が適用されうる。
【0070】
このような第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2を覆うように、パッシベーション膜218が形成される。パッシベーション膜218は、上面が平坦化された単一または複数層の絶縁膜となりうる。このパッシベーション膜218は、無機物及び/または有機物から形成されうる。
【0071】
パッシベーション膜218上には、図7に示したように、第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2を覆うように、画素電極221が形成され、当該画素電極221は、パッシベーション膜218に形成されたビアホールによって第2薄膜トランジスタTR2のドレイン電極217bに連結される。各画素電極221は、図6に示したように、各画素ごとに相互に独立したアイランド状に形成される。
【0072】
パッシベーション膜218上には、画素電極221のエッジを覆うように画素定義膜219が形成され、画素電極221上には、有機発光層223と対向電極222とが順次に積層される。対向電極222は、全体画素領域PAと透過領域TAとにわたって形成される。
【0073】
有機発光層223には、低分子または高分子有機膜が使われうる。低分子有機膜を使用する場合、ホール注入層(HIL:Hole Injection Layer)、ホール輸送層(HTL:Hole Transport Layer)、発光層(EML:Emission Layer)、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)、電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)が単一あるいは複合の構造に積層されて形成され、使用可能な有機材料も、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などを初めとして多様に適用可能である。これらの低分子有機膜は、真空蒸着法で形成されうる。この時、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層は、共通層であって、赤、緑、青色のピクセルに共通に適用されうる。したがって、図7とは異なり、これらの共通層は、対向電極222のように、全体画素領域PA及び透過領域TAを覆うように形成されうる。
【0074】
画素電極221はアノード電極の機能を有し、対向電極222はカソード電極の機能を有するが、もちろん、当該画素電極221及び対向電極222の極性は、相互逆になってもよい。
【0075】
画素電極221は、各画素ごとに画素領域PAに対応するサイズに形成される。実際、画素定義膜219によって覆われる領域を除外した領域は、画素領域PAと一致するか、またはそれより若干小さい領域となる。そして、対向電極222は、有機発光部全体のすべての画素を覆うように、共通電極として形成される。
【0076】
本発明の一実施形態によれば、画素電極221は、反射電極となってもよく、対向電極222は、透明電極となってもよい。したがって、有機発光部21は、対向電極222の方向に画像を具現する前面発光型となる。
【0077】
このために、画素電極221は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca及びこれらの化合物で形成された反射膜と、仕事関数の高いITO、IZO、ZnO、またはIn2O3により備えられうる。そして、対向電極222は、仕事関数の小さい金属、すなわち、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、またはこれらの合金から形成されうる。対向電極222は、透過率が高くなるように薄膜に形成することが望ましい。
【0078】
このように、画素電極221が反射電極で備えられる場合、その下部に配された画素回路部は、画素電極221によって覆われた状態となり、これにより、図7に示したように、ユーザは、対向電極222の上部外側からは画素電極221の下部の第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2の各パターンとスキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVの一部とを観察できなくなる。
【0079】
また、このように画素電極221が反射電極として備えられることによって、発光した光が観察者側にのみ発散されるので、観察者の反対方向に消失される光量を減らせられる。また、前述したように、画素電極221がその下部の画素回路の多様なパターンを覆う役割を担うので、さらに鮮明な透過イメージを達成することができる。
【0080】
しかし、本発明は、必ずしもこれに限定されず、画素電極221を透明電極として備えられうる。この場合、前述した反射膜ではなく、仕事関数の高いITO、IZO、ZnO、またはIn2O3から備えられうる。このように、画素電極221が透明な場合、ユーザは、対向電極222の上部外側から画素電極221の下部の第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2の各パターンとスキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVの一部とを見ることができる。しかし、画素電極221が透明であるとしても、透光率が100%とならないので、透過される光に損失が発生する。また、導電パターンは画素電極221の領域内に配されるので、外光の透過率がさらに落ちる。したがって、外部イメージの歪曲現象は低減されうる。
【0081】
パッシベーション膜218、ゲート絶縁膜213、層間絶縁膜215及び画素定義膜219は、透明な絶縁膜から形成することが望ましい。この時、基板1は、絶縁膜の有する全体的な透過率より高いか、または同じ透過率を有する。
【0082】
一方、本発明において、透過領域TAの透光率をさらに高め、透過領域TAにおいて多層の透明な絶縁膜による光干渉現象及びこれによる色純度の低下と色変化とを防止するために、透過領域TAに対応する少なくとも一部領域で絶縁膜のうち少なくとも一部の絶縁膜に開口229を形成する。
【0083】
本発明において、透過領域TAの外光透過率を高めるためには、透過領域TAの面積を増やすか、または透過領域TAに形成される材料の透過率を高めなければならない。しかし、透過領域TAの面積を増やすのは、画素回路部PCの設計に対する制限によって限界があるので、結局、透過領域TAに形成される材料の透過率を高めねばならない。しかし、材料自体の透過率を高めるのは、材料開発の困難によって限界がある。
【0084】
このために、本発明は、透過領域TAに対応する少なくとも一部領域で、絶縁膜のうち少なくとも一部の絶縁膜に開口229を形成する。
【0085】
図7に示したように、画素回路部PCを覆うパッシベーション膜218に第1開口224を形成し、パッシベーション膜218上の画素定義膜219に第2開口225を形成する。そして、層間絶縁膜215には第3開口226を、ゲート絶縁膜213には第4開口227をそれぞれ形成する。第1開口224ないし第4開口227は、相互に連結させて開口229を形成することが望ましい。
【0086】
このような開口229は、各絶縁膜の形成時にマスクを利用して形成することによって、各絶縁膜が形成されることを防ぐことにより形成することもできるし、ウェットエッチング工程やその他のパターニング法によって除去して形成することもできる。
【0087】
開口229は、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVと抵触しない範囲で、可能な限り広く形成されることが望ましい。
【0088】
図7において、基板1に浸透される不純物を遮断するために、バッファ膜211にまで開口を延長しなかった。しかし、図示していないが、場合によっては、バッファ膜211にも開口を形成して第4開口227と連結させうる。
【0089】
開口229は、必ずしも図7に示された例に限定されず、透過領域TAの絶縁膜、すなわち、画素定義膜219、パッシベーション膜218、層間絶縁膜215、ゲート絶縁膜213及びバッファ膜211のうち少なくとも一つに形成された開口により構成されうる。
【0090】
このように、透過領域TAに開口229を形成することによって、透過領域TAでの透光度をさらに高め、これにより、ユーザによる外部イメージの観察をさらに容易にできる。
【0091】
一方、前述したように、対向電極222は、その透過率を高めるために薄膜の金属から形成され、有機発光部全体のすべての画素を覆うように共通電極として形成されるため、面抵抗が大きくて電圧降下が発生し易い。
【0092】
本発明は、このような問題を解決するために、対向電極222に接する導電部27をさらに備える。
【0093】
導電部27は、電気伝導度の高い金属から形成されうるが、図7に示したように、透過領域TAに対応して配されうる。そして、開口229と重畳するように配することによって、当該開口229において対向電極222とコンタクトさせる。
【0094】
当該導電部27は、図7に示したように、バッファ膜211上に形成し、開口229を通じて露出させた後、開口229において対向電極222が導電部27を覆うことにより、対向電極222とコンタクトされうる。
【0095】
図8は、本発明の他の一実施形態を示したものであって、導電部27が第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bと同じ物質から形成され、第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bと同時に形成されうる。このために、導電部27は、ゲート絶縁膜213上に形成され、開口229は、層間絶縁膜215から形成されうる。しかし、必ずしも当該形態に限定されず、ゲート絶縁膜213に第4開口227を形成した後に、第1ゲート電極214a、第2ゲート電極214b及び導電部27を形成することもできる。
【0096】
このように、導電部27を第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bと同じ物質で同時に形成すれば、図5及び図6に示したように、導電部27をスキャンラインSと平行な直線上に形成できる。
【0097】
図9は、本発明のさらに他の一実施形態を示したものであって、導電部27が第1ソース/ドレイン電極216a,217a及び第2ソース/ドレイン電極216b,217bと同じ物質で同時に形成されうる。このために、導電部27は層間絶縁膜215上に形成され、開口229はパッシベーション膜218で形成されうる。しかし、必ずしもこれに限定されず、図7と同じ形態に開口229を形成することもできる。
【0098】
このように、導電部27を第1ソース/ドレイン電極216a,217a及び第2ソース/ドレイン電極216b,217bと同じ物質で同時に形成すれば、図10に示したように、導電部27をデータラインDまたはVddラインVと平行な直線上に形成できる。
【0099】
しかし、必ずしも当該形態に限定されず、図11に示したように、データラインD及びスキャンラインSと平行な直線の組合わせにより形成されうる。
【0100】
図12は、本発明のさらに他の一実施形態を示したものであって、導電部27が画素電極221と同じ物質から同時に形成されうる。このために、導電部27は、パッシベーション膜218上に形成され、開口229は、画素定義膜219により形成されうる。しかし、必ずしも当該形態に限定されず、図7と同じ形態に開口229を形成することもできる。
【0101】
一方、前述した実施形態において、導電部27は、図13に示したように、逆テーパの形状に形成されることが望ましい。これは、有機発光層223のうち、共通層223aによって導電部27と対向電極222とがコンタクトしないことを防止するためである。
【0102】
この時、図13に示したように、逆テーパの形状に導電部27を形成した後に、共通層223a及び対向電極222を順次に形成する場合、導電部27のエッジ領域において共通層223aは分断され、導電部27と対向電極222とが導電部27の側面を介してコンタクトされうる。
【0103】
図14は、導電部27の逆テーパ構造のさらに他の具現例を示したものであって、導電部27が複数の金属物質が積層されて形成された場合には、そのエッチング比を利用して図14のような形態に形成できる。図14に示された導電部27は、下部から第1導電部27a、第2導電部27b及び第3導電部27cが順次に積層された構造を有する。この時、第2導電部27bは、第3導電部27cより内方に縮小された構造に形成されうる。
【0104】
このような構造でも、前述した図13の形態と同様な効果が得られる。
【0105】
一方、導電部27は、図15に示したように、多数のホール27dが形成されることによって、有機物の共通層223aが導電部27の上面に蒸着される面積を減らし、導電部27と対向電極222とのコンタクトする確率をさらに高めうる。
【0106】
一方、前述した実施形態において、導電部27は、対向電極222と基板1との間に介在された形態を有するが、図16に示したように、対向電極222上に形成することもできる。この場合にも、導電部27は、スキャンラインSと平行な直線上に形成されたり、データラインDまたはVddラインVと平行な直線上に形成されたり、データラインD及びスキャンラインSと平行な直線の組合わせにより形成されたりできる。
【0107】
図17は、本発明の望ましいさらに他の一実施形態を示したものであって、第1画素電極221a、第2画素電極221b及び第3画素電極221cに対応するように、一つの開口229を形成させたものである。第1データラインD1ないし第3データラインD3は、それぞれ第1画素電極221aないし第3画素電極221cに電気的に連結される。そして、第1VddラインV1は、第1画素電極221a及び第2画素電極221bに電気的に連結され、第2VddラインV2は、第3画素電極221cに電気的に連結される。
【0108】
このような構造の場合、複数のサブピクセルに対して一つの大きい開口229を備えているので、透過率をさらに高めることができ、光散乱によるイメージ歪曲効果もさらに低減できる。それだけでなく、大きい開口229を通じて露出された導電部27が対向電極222とコンタクトされうるので、対向電極222の電圧降下を防止する効果も有効に奏することができる。
【0109】
本発明は、添付した図面に示された一実施形態を参照して説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということが分かるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、表示装置関連の技術分野に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 基板、
2 ディスプレイ部、
11 第1面、
21 有機発光部、
23 密封基板、
24 密封材、
25 間の空間、
26 密封フィルム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置に係り、さらに詳細には、透明な有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、視野角、コントラスト(contrast)、応答速度、消費電力の面で優れた特性を有しているため、MP3プレイヤや携帯電話のような個人用携帯機器からテレビ(TV)に至るまで応用範囲が拡大されている。
【0003】
このような有機発光表示装置は、自発光特性を有し、液晶表示装置とは異なり、別途の光源を必要としないので、厚さ及び重さを減少できる。
【0004】
また、有機発光表示装置は、透明な装置内部の薄膜トランジスタや有機発光素子を採用することによって、透明な表示装置に形成できる。
【0005】
しかし、このような透明表示装置では、スイッチオフ状態である時、反対側に位置した事物またはイメージは、有機発光素子だけでなく、薄膜トランジスタ及び多様な配線のパターン及びこれらの間の空間を透過してユーザに伝えられる。たとえ透明表示装置がある程度透明であるとしても、前述した有機発光素子、薄膜トランジスタ及び配線自体の透過率がそれほど高くなければ、これらの部分は密集されこれらの間の空間も非常に小さくなり、全体ディスプレイの透過率は高くない。
【0006】
また、前述したパターン、すなわち、有機発光素子、薄膜トランジスタ及び配線のパターンによって、ユーザは、歪曲されたイメージを伝達されうる。これは、前記パターンの間の間隔が数百nmほどと、可視光波長と同じサイズレベルであるため、透過された光の散乱をもたらすからである。
【0007】
加えて、外光に対する透過率を高めるために、画面全体に対して共通に蒸着される対向電極が薄く形成された場合には、この対向電極において電圧降下(すなわち、IR drop)現象が発現する恐れがあり、特に、有機発光表示装置のサイズが増大するにつれて、当該現象が顕著となる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6917160号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、透過領域での透過率を向上させて透明にすると同時に、対向電極での電圧降下を低減できる有機発光表示装置を提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとする他の課題は、透過する光の散乱を抑制して透過イメージの歪曲現象が防止された透明な有機発光表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を達成するために、本発明は、透過領域と前記透過領域を介して相互離隔された複数の画素領域とが区画された基板と、前記基板の第1面上に形成され、前記各画素領域内に位置する複数の薄膜トランジスタと、前記複数の薄膜トランジスタを覆い、前記透過領域及び画素領域にいずれも形成され、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第1開口を備えたパッシベーション膜と、前記パッシベーション膜上に前記各薄膜トランジスタと電気的に連結されるように形成され、前記各画素領域内に位置し、前記各薄膜トランジスタを覆えるように前記各薄膜トランジスタと重畳して配された複数の画素電極と、前記複数の画素電極と対向し、透光可能に形成され、前記透過領域及び画素領域にわたって位置する対向電極と、前記画素電極と対向電極との間に介在されて発光する有機発光層と、導電性物質で備えられ、前記第1開口と重畳して配され、前記対向電極に接する導電部と、を備える有機発光表示装置を提供する。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、前記画素電極の面積は、前記画素領域のうち一つの面積と同一でありうる。
【0013】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記各薄膜トランジスタと電気的に連結された複数の導電ラインをさらに含み、前記導電ラインのうち少なくとも一つは、前記各画素電極と重畳して配列されうる。
【0014】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記透過領域の面積は、前記画素領域と前記透過領域との面積の和に対して、5%ないし90%の範囲内でありうる。
【0015】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記パッシベーション膜は、透明な物質で備えられうる。
【0016】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、前記基板と前記対向電極との間に介在されたものでありうる。
【0017】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、前記対向電極上に形成されうる。
【0018】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記透過領域に対応する位置に透明な複数の絶縁膜が備えられうる。
【0019】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記絶縁膜のうち少なくとも一つは、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に前記第1開口と連結された第2開口を備えたものでありうる。
【0020】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記画素電極は、反射電極でありうる。
【0021】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、逆テーパ状でありうる。
【0022】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、複数のホールを有するものでありうる。
【0023】
また、本発明は、前述した課題を達成するために、透過領域と前記透過領域を介して相互離隔された複数の画素領域とが区画された基板と、前記基板の第1面上に形成され、それぞれ少なくとも一つの薄膜トランジスタと、を備え、前記各画素領域内に位置する複数の画素回路部と、前記画素回路部を覆い、前記透過領域及び画素領域にいずれも形成され、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第3開口を備えた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に前記各画素回路部と電気的に連結されるように形成され、前記各画素回路部を覆えるように前記各画素回路部と重畳して配された複数の画素電極と、前記複数の画素電極と対向して透光可能に形成され、前記透過領域及び画素領域にわたって位置する対向電極と、前記画素電極と対向電極との間に介在されて発光する有機発光層と、導電性物質で備えられ、前記第3開口と重畳して配され、前記対向電極に接する導電部と、を備える有機発光表示装置を提供する。
【0024】
本発明の他の特徴によれば、前記画素電極は、前記各画素領域に形成されうる。
【0025】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記各画素回路部と電気的に連結された複数の導電ラインをさらに含み、前記各導電ラインのうち少なくとも一つは、前記各画素領域を通過するように配列されうる。
【0026】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記透過領域の面積は、前記画素領域と前記透過領域との面積の和に対して、5%ないし90%の範囲内でありうる。
【0027】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記第1絶縁膜は、透明な物質で備えられうる。
【0028】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、前記基板と前記対向電極との間に介在されうる。
【0029】
前記導電部は、前記対向電極上に形成されうる。
【0030】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記透過領域及び画素領域には、透明な物質で備えられた複数の第2絶縁膜がさらに配されうる。
【0031】
前記第2絶縁膜のうち少なくとも一つは、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に前記第3開口と連結された第4開口を備えうる。
【0032】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記画素電極は、反射電極でありうる。
【0033】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、逆テーパ状でありうる。
【0034】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記導電部は、複数のホールを有するものでありうる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、外光に対する透過率を高めて透明な有機発光表示装置を具現すると同時に、対向電極の面抵抗を減少させて対向電極の電圧降下を低減できる。
【0036】
また、透過する光の散乱を抑制して透過イメージの歪曲現象が防止された透明な有機発光表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置を示す断面図である。
【図2】図1の一実施形態をさらに詳細に示す断面図である。
【図3】図1の他の一実施形態をさらに詳細に示す断面図である。
【図4】図2または図3の有機発光部の一例を概略的に示す概略図である。
【図5】図4の画素回路部の一例を含む有機発光部を示す概略図である。
【図6】図5の有機発光部の一例をさらに具体的に示す平面図である。
【図7】図5の有機発光部の一例をさらに具体的に示す断面図である。
【図8】本発明の有機発光部の他の一例をさらに具体的に示す断面図である。
【図9】本発明の有機発光部のさらに他の一例をさらに具体的に示す断面図である。
【図10】本発明の導電部のパターンの他の一例を示す平面図である。
【図11】本発明の導電部のパターンのさらに他の一例を示す平面図である。
【図12】本発明の有機発光部のさらに他の一例をさらに具体的に示す断面図である。
【図13】本発明の導電部の一例を示す断面図である。
【図14】本発明の導電部の他の一例を示す断面図である。
【図15】本発明の導電部のパターンのさらに他の一例を示す平面図である。
【図16】本発明の有機発光部のさらに他の一例をさらに具体的に示す断面図である。
【図17】本発明の有機発光部のさらに他の一例をさらに具体的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0039】
図1は、本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置を示した断面図である。
【0040】
図1を参照すれば、本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置は、基板1の第1面11にディスプレイ部2が備えられる。
【0041】
このような有機発光表示装置においては、外光は、基板1及びディスプレイ部2を透過して入射される。
【0042】
そして、ディスプレイ部2は、後述するように、外光が透過可能なように備えられ、図1に示したように、画像が具現される側に位置したユーザにより基板1の下部外側のイメージを観察可能となる。
【0043】
図2は、図1の有機発光表示装置をさらに具体的に示した一実施形態である。ディスプレイ部2は、基板1の第1面11に形成された有機発光部21と、この有機発光部21を密封する密封基板23とを備える。
【0044】
密封基板23は、透明な部材から形成されて有機発光部21による画像を具現できるように透過可能であり、有機発光部21に外気及び水分が浸透することを遮断する。
【0045】
基板1と密封基板23とは、そのエッジが密封材24によって結合され、基板1と密封基板23との間の空間25が密封される。後述するように、空間25は、吸湿剤や充填材を含むことができる。
【0046】
図3に示したように、密封基板23の代わりに、薄膜密封フィルム26を有機発光部21上に形成することによって、有機発光部21を外気から保護できる。密封フィルム26は、酸化シリコンまたは窒化シリコンのような無機物からなる膜と、エポキシ、ポリイミドのような有機物からなる膜とが交互に成膜された構造でありうるが、必ずしもこれに限定されず、透明な薄膜上の密封構造ならば、いかなるものでも適用可能である。
【0047】
図4は、図2または図3の有機発光部21の概略的な構成を示す概略図であり、図5は、図4の画素回路部PCのさらに具体的な一例を示した概略図である。図2ないし図5に示したように、本発明の望ましい一実施形態によれば、有機発光部21は、外光が透過されるように備えられた透過領域TAと、当該透過領域TAを介して相互に離隔された複数の画素領域PAとに区画され、基板1上に形成された構成を有する。
【0048】
図4に示したように、各画素領域PA内には、画素回路部PCが備えられており、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVのような複数の導電ラインが、この画素回路部PCに電気的に連結される。図面に示していないが、画素回路部PCの構成によって、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインV以外にも、さらに多様な導電ラインが備えられている。
【0049】
図5に示したように、画素回路部PCは、スキャンラインS及びデータラインDに連結された第1薄膜トランジスタTR1と、第1薄膜トランジスタTR1及び駆動電源ラインVに連結された第2薄膜トランジスタTR2と、第1薄膜トランジスタTR1及び第2薄膜トランジスタTR2に連結されたキャパシタCstと、を備える。この時、第1薄膜トランジスタTR1はスイッチングトランジスタとなり、第2薄膜トランジスタTR2は駆動トランジスタとなる。第2薄膜トランジスタTR2は、画素電極221と電気的に連結されている。図5では、第1薄膜トランジスタTR1と第2薄膜トランジスタTR2とはP型に示されているが、必ずしもこれに限定されず、少なくとも一つがN型に形成されることもできる。このような薄膜トランジスタ及びキャパシタの数は、必ずしも図示された実施形態に限定されず、画素回路部PCによって、2以上の薄膜トランジスタ、1以上のキャパシタが組み合わせられうる。
【0050】
本発明の望ましい一実施形態によれば、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVのうち少なくとも一つは、画素領域PAを横切るように配されることが望ましく、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVがいずれも画素領域PAを横切るように配されることがさらに望ましい。
【0051】
各画素領域PAは、各サブピクセルにより発光する領域となる。このように、発光される領域内に画素回路部PCが位置し、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVを含む導電ラインが横切るため、ユーザは、透過領域TAを通じて表示装置の反対側を見ることができる。透過領域TAでは、後述するように、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVのそれぞれの一部のみが通過するため、透過率を阻害する最も大きい要素のうち一つである導電パターンの面積が最小化される。したがって、透過領域TAの透過率はさらに高まる。このように、本発明は、画像が具現される領域を画素領域PAと透過領域TAとに分け、ディスプレイ全体の透過率を落とす要因の一つである導電パターンのほとんどを画素領域PAに配することによって、透過領域TAの透過率を高め、画像が具現される領域全体の透過率を、従来の透明表示装置に比べて向上させうる。
【0052】
また、本発明は、前述した画素領域PAと透過領域TAとの分離によって、透過領域TAを通じて外部を観察する時に、外光が画素回路部PC内の素子のパターンと干渉して散乱することによって発生する外部イメージの歪曲現象が防止されうる。
【0053】
たとえ画素領域PAと他の画素領域PAとの間の透過領域TAにもスキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVを含む導電ラインが横切るように配されているとしても、この導電ラインは、非常に薄く形成される。したがって、当該導電ラインは、ユーザの精密な観察によってのみ感知され得、有機発光部21の全体透過度には影響を及ぼさず、特に、透明ディスプレイとしての透明度には全く問題がない。また、ユーザが画素領域PAに覆われた領域においてのみ外部イメージが見られないとしても、ディスプレイ領域全体から見た時、画素領域PAは、あたかも透明ガラスの表面に複数の点が規則的に配列されているようなものであるので、ユーザが外部イメージを観察するに際し、困難性はない。
【0054】
このような画素領域PAと透過領域TAとを合わせた面積に対する透過領域TA全体の面積の比率が5%ないし90%の範囲となるように、画素領域PAと透過領域TAとが形成される。
【0055】
画素領域PAと透過領域TAとを合わせた面積に対する透過領域TA全体の面積の比率が5%より小さい場合、ディスプレイ部2がスイッチオフ状態である時、図1に示されるようなディスプレイ部2を透過する光が少なく、ユーザが反対側に位置した事物またはイメージを観察し難い。すなわち、ディスプレイ部2は透明であると言えない。一方、透過領域TAの面積が画素領域PAとを合わせた面積に対する透過領域TA全体の面積が5%ほどである場合、画素領域PAが全体透過領域TAに対してアイランド状に存在し、画素領域PA内に可能な限りすべての導電パターンが配されて太陽光の散乱度を最低限に抑えられる。したがって、透明なディスプレイとして認識可能になる。そして、後述するように、画素回路部PCに備えられる薄膜トランジスタを酸化物半導体のように透明薄膜トランジスタから形成し、有機発光素子についても透明素子から形成する場合には、さらに透明なディスプレイとして形成することができる。
【0056】
画素領域PAと透過領域TAとを合わせた面積に対する透明領域TA全体の面積の比率が90%より大きい場合、ディスプレイ部2の画素集積度が過度に低くなって、画素領域PAからの発光を通じて安定した画像を具現し難い。すなわち、画素領域PAの面積が小さくなるほど、画像を具現するために、後述する有機発光層223から発光する光の輝度を高めなければならない。このように有機発光素子を高輝度状態に作動させれば、ディスプレイとしての寿命が急低下するという問題が発生する。また、一つの画素領域PAのサイズを適正なサイズに維持しつつ、透明領域TAの面積比率を90%より大きくすれば、画素領域PAの数が減って解像度が低下するという問題が発生する。
【0057】
したがって、画素領域PAと透過領域TAとを合わせた面積に対する透過領域TA全体の面積の比率は、20%ないし70%の範囲に属させることが望ましい。すなわち、20%未満では、透過領域TAに比べて、画素領域PAの面積が過度に大きいので、ユーザが透過領域TAを通じて外部イメージを観察するのに限界がある。70%を超える場合、画素領域PA内に配する画素回路部PCの設計に多くの制約が伴う。
【0058】
画素領域PAには、画素回路部PCと電気的に連結された画素電極221が備えられ、画素回路部PCは、画素電極221に覆われるように画素電極221と重畳される。そして、前述したスキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVを含む導電ラインも、いずれもこの画素電極221を通過するように配される。本発明の望ましい一実施形態によれば、画素電極221は、画素領域PAの面積と同一か、またはそれより若干小さくすることが望ましい。したがって、図6に示したように、ユーザが見る時、画素電極221によって前述した画素回路部PCが覆われた状態となり、導電ラインの相当部分も覆われた状態となる。これにより、ユーザは、透過領域TAを通じては導電ラインの一部のみを見ることとなるので、前述したように、ディスプレイ全体の透過率が向上し、透過領域TAを通じて外部イメージをよく見ることができる。
【0059】
本発明は、透過領域TAでの外光透過率をさらに高めるために、透過領域TAの少なくとも一部に対応する位置の絶縁膜に開口229を形成する。そして、透過領域TAには、導電部27をさらに形成する。これについての詳細な説明は、後述する。
【0060】
図7は、有機発光部21をさらに詳細に説明するための一実施形態を示した断面図であって、図5に示した画素回路部PCを示したものである。
【0061】
図7による本発明の望ましい一実施形態によれば、基板1の第1面11上にバッファ膜211が形成され、このバッファ膜211上に第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2が形成される。
【0062】
まず、バッファ膜211上には、第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bが形成される。
【0063】
バッファ膜211は、不純元素の浸透を防止し、表面を平坦化する役割を行うものであって、このような役割を担うことのできる多様な物質から形成されうる。一例として、バッファ膜211は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタンまたは窒化チタンなどの無機物や、ポリイミド、ポリエステル、アクリルなどの有機物またはこれらの積層体から形成されうる。バッファ膜211は、必須構成要素ではなく、必要に応じて備えられないこともある。
【0064】
第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bは、多結晶シリコンから形成されうるが、必ずしもこれに限定されず、酸化物半導体から形成されうる。例えば、G−I−Z−O層[(In2O3)a(Ga2O3)b(ZnO)c層](a、b、cは、それぞれa≧0、b≧0、c>0の条件を満たす実数)でありうる。このように、第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bを酸化物半導体から形成する場合には、透光度がさらに高まりうる。
【0065】
第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bを覆うように、ゲート絶縁膜213がバッファ膜211上に形成され、ゲート絶縁膜213上に第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bが形成される。
【0066】
第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bを覆うように、ゲート絶縁膜213上に層間絶縁膜215が形成される。当該層間絶縁膜215上に第1ソース電極216aと第1ドレイン電極217a及び第2ソース電極216bと第2ドレイン電極217bが形成され、それぞれ第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bとコンタクトホールを通じてコンタクトされる。
【0067】
図7に示したように、スキャンラインSは、第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bの形成と同時に形成されうる。そして、データラインDは、第1ソース電極216aと同時に、第1ソース電極216aと連結されるように形成され、駆動電源ラインVは、第2ソース電極216bと同時に、第2ソース電極216bと連結されるように形成される。
【0068】
キャパシタCstについては、第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bの形成と同時に下部電極220aが形成され、第1ドレイン電極217aと同時に上部電極220bが形成される。
【0069】
前記のような第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2の構造は、必ずしもこれに限定されず、多様な形態の薄膜トランジスタ及びキャパシタの構造が適用可能である。例えば、第1薄膜トランジスタTR1及び第2薄膜トランジスタTR2は、トップゲート構造で形成されたものであるが、第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bが、それぞれ第1半導体活性層212a及び第2半導体活性層212bの下部に配されたボトムゲート構造で形成されることもできる。もちろん、これ以外にも適用可能なすべての薄膜トランジスタの構造が適用されうる。
【0070】
このような第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2を覆うように、パッシベーション膜218が形成される。パッシベーション膜218は、上面が平坦化された単一または複数層の絶縁膜となりうる。このパッシベーション膜218は、無機物及び/または有機物から形成されうる。
【0071】
パッシベーション膜218上には、図7に示したように、第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2を覆うように、画素電極221が形成され、当該画素電極221は、パッシベーション膜218に形成されたビアホールによって第2薄膜トランジスタTR2のドレイン電極217bに連結される。各画素電極221は、図6に示したように、各画素ごとに相互に独立したアイランド状に形成される。
【0072】
パッシベーション膜218上には、画素電極221のエッジを覆うように画素定義膜219が形成され、画素電極221上には、有機発光層223と対向電極222とが順次に積層される。対向電極222は、全体画素領域PAと透過領域TAとにわたって形成される。
【0073】
有機発光層223には、低分子または高分子有機膜が使われうる。低分子有機膜を使用する場合、ホール注入層(HIL:Hole Injection Layer)、ホール輸送層(HTL:Hole Transport Layer)、発光層(EML:Emission Layer)、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)、電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)が単一あるいは複合の構造に積層されて形成され、使用可能な有機材料も、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などを初めとして多様に適用可能である。これらの低分子有機膜は、真空蒸着法で形成されうる。この時、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層は、共通層であって、赤、緑、青色のピクセルに共通に適用されうる。したがって、図7とは異なり、これらの共通層は、対向電極222のように、全体画素領域PA及び透過領域TAを覆うように形成されうる。
【0074】
画素電極221はアノード電極の機能を有し、対向電極222はカソード電極の機能を有するが、もちろん、当該画素電極221及び対向電極222の極性は、相互逆になってもよい。
【0075】
画素電極221は、各画素ごとに画素領域PAに対応するサイズに形成される。実際、画素定義膜219によって覆われる領域を除外した領域は、画素領域PAと一致するか、またはそれより若干小さい領域となる。そして、対向電極222は、有機発光部全体のすべての画素を覆うように、共通電極として形成される。
【0076】
本発明の一実施形態によれば、画素電極221は、反射電極となってもよく、対向電極222は、透明電極となってもよい。したがって、有機発光部21は、対向電極222の方向に画像を具現する前面発光型となる。
【0077】
このために、画素電極221は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca及びこれらの化合物で形成された反射膜と、仕事関数の高いITO、IZO、ZnO、またはIn2O3により備えられうる。そして、対向電極222は、仕事関数の小さい金属、すなわち、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、またはこれらの合金から形成されうる。対向電極222は、透過率が高くなるように薄膜に形成することが望ましい。
【0078】
このように、画素電極221が反射電極で備えられる場合、その下部に配された画素回路部は、画素電極221によって覆われた状態となり、これにより、図7に示したように、ユーザは、対向電極222の上部外側からは画素電極221の下部の第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2の各パターンとスキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVの一部とを観察できなくなる。
【0079】
また、このように画素電極221が反射電極として備えられることによって、発光した光が観察者側にのみ発散されるので、観察者の反対方向に消失される光量を減らせられる。また、前述したように、画素電極221がその下部の画素回路の多様なパターンを覆う役割を担うので、さらに鮮明な透過イメージを達成することができる。
【0080】
しかし、本発明は、必ずしもこれに限定されず、画素電極221を透明電極として備えられうる。この場合、前述した反射膜ではなく、仕事関数の高いITO、IZO、ZnO、またはIn2O3から備えられうる。このように、画素電極221が透明な場合、ユーザは、対向電極222の上部外側から画素電極221の下部の第1薄膜トランジスタTR1、キャパシタCst及び第2薄膜トランジスタTR2の各パターンとスキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVの一部とを見ることができる。しかし、画素電極221が透明であるとしても、透光率が100%とならないので、透過される光に損失が発生する。また、導電パターンは画素電極221の領域内に配されるので、外光の透過率がさらに落ちる。したがって、外部イメージの歪曲現象は低減されうる。
【0081】
パッシベーション膜218、ゲート絶縁膜213、層間絶縁膜215及び画素定義膜219は、透明な絶縁膜から形成することが望ましい。この時、基板1は、絶縁膜の有する全体的な透過率より高いか、または同じ透過率を有する。
【0082】
一方、本発明において、透過領域TAの透光率をさらに高め、透過領域TAにおいて多層の透明な絶縁膜による光干渉現象及びこれによる色純度の低下と色変化とを防止するために、透過領域TAに対応する少なくとも一部領域で絶縁膜のうち少なくとも一部の絶縁膜に開口229を形成する。
【0083】
本発明において、透過領域TAの外光透過率を高めるためには、透過領域TAの面積を増やすか、または透過領域TAに形成される材料の透過率を高めなければならない。しかし、透過領域TAの面積を増やすのは、画素回路部PCの設計に対する制限によって限界があるので、結局、透過領域TAに形成される材料の透過率を高めねばならない。しかし、材料自体の透過率を高めるのは、材料開発の困難によって限界がある。
【0084】
このために、本発明は、透過領域TAに対応する少なくとも一部領域で、絶縁膜のうち少なくとも一部の絶縁膜に開口229を形成する。
【0085】
図7に示したように、画素回路部PCを覆うパッシベーション膜218に第1開口224を形成し、パッシベーション膜218上の画素定義膜219に第2開口225を形成する。そして、層間絶縁膜215には第3開口226を、ゲート絶縁膜213には第4開口227をそれぞれ形成する。第1開口224ないし第4開口227は、相互に連結させて開口229を形成することが望ましい。
【0086】
このような開口229は、各絶縁膜の形成時にマスクを利用して形成することによって、各絶縁膜が形成されることを防ぐことにより形成することもできるし、ウェットエッチング工程やその他のパターニング法によって除去して形成することもできる。
【0087】
開口229は、スキャンラインS、データラインD及び駆動電源ラインVと抵触しない範囲で、可能な限り広く形成されることが望ましい。
【0088】
図7において、基板1に浸透される不純物を遮断するために、バッファ膜211にまで開口を延長しなかった。しかし、図示していないが、場合によっては、バッファ膜211にも開口を形成して第4開口227と連結させうる。
【0089】
開口229は、必ずしも図7に示された例に限定されず、透過領域TAの絶縁膜、すなわち、画素定義膜219、パッシベーション膜218、層間絶縁膜215、ゲート絶縁膜213及びバッファ膜211のうち少なくとも一つに形成された開口により構成されうる。
【0090】
このように、透過領域TAに開口229を形成することによって、透過領域TAでの透光度をさらに高め、これにより、ユーザによる外部イメージの観察をさらに容易にできる。
【0091】
一方、前述したように、対向電極222は、その透過率を高めるために薄膜の金属から形成され、有機発光部全体のすべての画素を覆うように共通電極として形成されるため、面抵抗が大きくて電圧降下が発生し易い。
【0092】
本発明は、このような問題を解決するために、対向電極222に接する導電部27をさらに備える。
【0093】
導電部27は、電気伝導度の高い金属から形成されうるが、図7に示したように、透過領域TAに対応して配されうる。そして、開口229と重畳するように配することによって、当該開口229において対向電極222とコンタクトさせる。
【0094】
当該導電部27は、図7に示したように、バッファ膜211上に形成し、開口229を通じて露出させた後、開口229において対向電極222が導電部27を覆うことにより、対向電極222とコンタクトされうる。
【0095】
図8は、本発明の他の一実施形態を示したものであって、導電部27が第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bと同じ物質から形成され、第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bと同時に形成されうる。このために、導電部27は、ゲート絶縁膜213上に形成され、開口229は、層間絶縁膜215から形成されうる。しかし、必ずしも当該形態に限定されず、ゲート絶縁膜213に第4開口227を形成した後に、第1ゲート電極214a、第2ゲート電極214b及び導電部27を形成することもできる。
【0096】
このように、導電部27を第1ゲート電極214a及び第2ゲート電極214bと同じ物質で同時に形成すれば、図5及び図6に示したように、導電部27をスキャンラインSと平行な直線上に形成できる。
【0097】
図9は、本発明のさらに他の一実施形態を示したものであって、導電部27が第1ソース/ドレイン電極216a,217a及び第2ソース/ドレイン電極216b,217bと同じ物質で同時に形成されうる。このために、導電部27は層間絶縁膜215上に形成され、開口229はパッシベーション膜218で形成されうる。しかし、必ずしもこれに限定されず、図7と同じ形態に開口229を形成することもできる。
【0098】
このように、導電部27を第1ソース/ドレイン電極216a,217a及び第2ソース/ドレイン電極216b,217bと同じ物質で同時に形成すれば、図10に示したように、導電部27をデータラインDまたはVddラインVと平行な直線上に形成できる。
【0099】
しかし、必ずしも当該形態に限定されず、図11に示したように、データラインD及びスキャンラインSと平行な直線の組合わせにより形成されうる。
【0100】
図12は、本発明のさらに他の一実施形態を示したものであって、導電部27が画素電極221と同じ物質から同時に形成されうる。このために、導電部27は、パッシベーション膜218上に形成され、開口229は、画素定義膜219により形成されうる。しかし、必ずしも当該形態に限定されず、図7と同じ形態に開口229を形成することもできる。
【0101】
一方、前述した実施形態において、導電部27は、図13に示したように、逆テーパの形状に形成されることが望ましい。これは、有機発光層223のうち、共通層223aによって導電部27と対向電極222とがコンタクトしないことを防止するためである。
【0102】
この時、図13に示したように、逆テーパの形状に導電部27を形成した後に、共通層223a及び対向電極222を順次に形成する場合、導電部27のエッジ領域において共通層223aは分断され、導電部27と対向電極222とが導電部27の側面を介してコンタクトされうる。
【0103】
図14は、導電部27の逆テーパ構造のさらに他の具現例を示したものであって、導電部27が複数の金属物質が積層されて形成された場合には、そのエッチング比を利用して図14のような形態に形成できる。図14に示された導電部27は、下部から第1導電部27a、第2導電部27b及び第3導電部27cが順次に積層された構造を有する。この時、第2導電部27bは、第3導電部27cより内方に縮小された構造に形成されうる。
【0104】
このような構造でも、前述した図13の形態と同様な効果が得られる。
【0105】
一方、導電部27は、図15に示したように、多数のホール27dが形成されることによって、有機物の共通層223aが導電部27の上面に蒸着される面積を減らし、導電部27と対向電極222とのコンタクトする確率をさらに高めうる。
【0106】
一方、前述した実施形態において、導電部27は、対向電極222と基板1との間に介在された形態を有するが、図16に示したように、対向電極222上に形成することもできる。この場合にも、導電部27は、スキャンラインSと平行な直線上に形成されたり、データラインDまたはVddラインVと平行な直線上に形成されたり、データラインD及びスキャンラインSと平行な直線の組合わせにより形成されたりできる。
【0107】
図17は、本発明の望ましいさらに他の一実施形態を示したものであって、第1画素電極221a、第2画素電極221b及び第3画素電極221cに対応するように、一つの開口229を形成させたものである。第1データラインD1ないし第3データラインD3は、それぞれ第1画素電極221aないし第3画素電極221cに電気的に連結される。そして、第1VddラインV1は、第1画素電極221a及び第2画素電極221bに電気的に連結され、第2VddラインV2は、第3画素電極221cに電気的に連結される。
【0108】
このような構造の場合、複数のサブピクセルに対して一つの大きい開口229を備えているので、透過率をさらに高めることができ、光散乱によるイメージ歪曲効果もさらに低減できる。それだけでなく、大きい開口229を通じて露出された導電部27が対向電極222とコンタクトされうるので、対向電極222の電圧降下を防止する効果も有効に奏することができる。
【0109】
本発明は、添付した図面に示された一実施形態を参照して説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということが分かるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、表示装置関連の技術分野に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 基板、
2 ディスプレイ部、
11 第1面、
21 有機発光部、
23 密封基板、
24 密封材、
25 間の空間、
26 密封フィルム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過領域と前記透過領域を介して相互に離隔された複数の画素領域とが区画された基板と、
前記基板の第1面上に形成され、前記各画素領域内に位置する複数の薄膜トランジスタと、
前記複数の薄膜トランジスタを覆い、前記透過領域及び画素領域に形成され、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第1開口を備えたパッシベーション膜と、
前記パッシベーション膜上に前記各薄膜トランジスタと電気的に連結されるように形成され、前記各画素領域内に位置し、前記各薄膜トランジスタを覆えるように前記各薄膜トランジスタと重畳して配された複数の画素電極と、
前記複数の画素電極と対向し、透光可能に形成され、前記透過領域及び画素領域にわたって位置する対向電極と、
前記画素電極と対向電極との間に介在されて発光する有機発光層と、
導電性物質で備えられ、前記第1開口と重畳して配され、前記対向電極に接する導電部と、を備える有機発光表示装置。
【請求項2】
前記透過領域の面積は、前記画素領域と前記透過領域との面積の和に対して5%ないし90%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記各薄膜トランジスタと電気的に連結された複数の導電ラインをさらに含み、前記導電ラインのうち少なくとも一つは、前記各画素電極と重畳して配列されたことを特徴とする請求項1または2に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記導電部は、前記基板と前記対向電極との間に介在されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記導電部は、前記対向電極上に形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記画素電極の面積は、前記画素領域のうち一つの面積と同じであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記パッシベーション膜は、透明な物質で備えられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記透過領域に対応する位置に透明な複数の絶縁膜が備えられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記絶縁膜のうち少なくとも一つは、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に前記第1開口と連結された第2開口を備えたことを特徴とする請求項8に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記画素電極は、反射電極であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記導電部は、逆テーパ状に形成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記導電部は、複数のホールを有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
透過領域と前記透過領域を介して相互離隔された複数の画素領域とが区画された基板と、
前記基板の第1面上に形成され、それぞれ少なくとも一つの薄膜トランジスタを備え、前記各画素領域内に位置する複数の画素回路部と、
前記画素回路部を覆い、前記透過領域及び画素領域にいずれも形成され、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第1開口を備えた第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に前記各画素回路部と電気的に連結されるように形成され、前記各画素回路部を覆えるように、前記各画素回路部と重畳して配された複数の画素電極と、
前記複数の画素電極と対向し、透光可能に形成され、前記透過領域及び画素領域にわたって位置する対向電極と、
前記画素電極と対向電極との間に介在されて発光する有機発光層と、
導電性物質で備えられ、前記第1開口と重畳して配され、前記対向電極に接する導電部と、を備える有機発光表示装置。
【請求項14】
前記透過領域の面積は、前記画素領域と前記透過領域との面積の和に対して5%ないし90%の範囲内であることを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
前記各画素回路部と電気的に連結された複数の導電ラインをさらに含み、前記各導電ラインのうち少なくとも一つは、前記各画素領域を通過するように配列されたことを特徴とする請求項13または14に記載の有機発光表示装置。
【請求項16】
前記画素電極は、前記各画素領域に形成されたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項17】
前記第1絶縁膜は、透明な物質で備えられたことを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項18】
前記導電部は、前記基板と前記対向電極との間に介在されたことを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項19】
前記導電部は、前記対向電極上に形成されたことを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項20】
前記透過領域及び画素領域には、透明な物質で備えられた複数の第2絶縁膜がさらに配されたことを特徴とする請求項13〜19のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項21】
前記第2絶縁膜のうち少なくとも一つは、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に前記第1開口と連結された第2開口を備えたことを特徴とする請求項20に記載の有機発光表示装置。
【請求項22】
前記画素電極は、反射電極であることを特徴とする請求項13〜21のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項23】
前記導電部は、逆テーパ状に形成されることを特徴とする請求項13〜22のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項24】
前記導電部は、複数のホールを有することを特徴とする請求項13〜23のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項1】
透過領域と前記透過領域を介して相互に離隔された複数の画素領域とが区画された基板と、
前記基板の第1面上に形成され、前記各画素領域内に位置する複数の薄膜トランジスタと、
前記複数の薄膜トランジスタを覆い、前記透過領域及び画素領域に形成され、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第1開口を備えたパッシベーション膜と、
前記パッシベーション膜上に前記各薄膜トランジスタと電気的に連結されるように形成され、前記各画素領域内に位置し、前記各薄膜トランジスタを覆えるように前記各薄膜トランジスタと重畳して配された複数の画素電極と、
前記複数の画素電極と対向し、透光可能に形成され、前記透過領域及び画素領域にわたって位置する対向電極と、
前記画素電極と対向電極との間に介在されて発光する有機発光層と、
導電性物質で備えられ、前記第1開口と重畳して配され、前記対向電極に接する導電部と、を備える有機発光表示装置。
【請求項2】
前記透過領域の面積は、前記画素領域と前記透過領域との面積の和に対して5%ないし90%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記各薄膜トランジスタと電気的に連結された複数の導電ラインをさらに含み、前記導電ラインのうち少なくとも一つは、前記各画素電極と重畳して配列されたことを特徴とする請求項1または2に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記導電部は、前記基板と前記対向電極との間に介在されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記導電部は、前記対向電極上に形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記画素電極の面積は、前記画素領域のうち一つの面積と同じであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記パッシベーション膜は、透明な物質で備えられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記透過領域に対応する位置に透明な複数の絶縁膜が備えられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記絶縁膜のうち少なくとも一つは、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に前記第1開口と連結された第2開口を備えたことを特徴とする請求項8に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記画素電極は、反射電極であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記導電部は、逆テーパ状に形成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記導電部は、複数のホールを有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
透過領域と前記透過領域を介して相互離隔された複数の画素領域とが区画された基板と、
前記基板の第1面上に形成され、それぞれ少なくとも一つの薄膜トランジスタを備え、前記各画素領域内に位置する複数の画素回路部と、
前記画素回路部を覆い、前記透過領域及び画素領域にいずれも形成され、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第1開口を備えた第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に前記各画素回路部と電気的に連結されるように形成され、前記各画素回路部を覆えるように、前記各画素回路部と重畳して配された複数の画素電極と、
前記複数の画素電極と対向し、透光可能に形成され、前記透過領域及び画素領域にわたって位置する対向電極と、
前記画素電極と対向電極との間に介在されて発光する有機発光層と、
導電性物質で備えられ、前記第1開口と重畳して配され、前記対向電極に接する導電部と、を備える有機発光表示装置。
【請求項14】
前記透過領域の面積は、前記画素領域と前記透過領域との面積の和に対して5%ないし90%の範囲内であることを特徴とする請求項13に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
前記各画素回路部と電気的に連結された複数の導電ラインをさらに含み、前記各導電ラインのうち少なくとも一つは、前記各画素領域を通過するように配列されたことを特徴とする請求項13または14に記載の有機発光表示装置。
【請求項16】
前記画素電極は、前記各画素領域に形成されたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項17】
前記第1絶縁膜は、透明な物質で備えられたことを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項18】
前記導電部は、前記基板と前記対向電極との間に介在されたことを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項19】
前記導電部は、前記対向電極上に形成されたことを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項20】
前記透過領域及び画素領域には、透明な物質で備えられた複数の第2絶縁膜がさらに配されたことを特徴とする請求項13〜19のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項21】
前記第2絶縁膜のうち少なくとも一つは、前記透過領域のうち少なくとも一部に対応する位置に前記第1開口と連結された第2開口を備えたことを特徴とする請求項20に記載の有機発光表示装置。
【請求項22】
前記画素電極は、反射電極であることを特徴とする請求項13〜21のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項23】
前記導電部は、逆テーパ状に形成されることを特徴とする請求項13〜22のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【請求項24】
前記導電部は、複数のホールを有することを特徴とする請求項13〜23のいずれか一項に記載の有機発光表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−171278(P2011−171278A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228947(P2010−228947)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]