説明

有機発光表示装置

【課題】発光効率を高めることができる有機発光表示装置を提供する。
【解決手段】複数の画素を有し、各画素は、第1の色に対応する第1有機発光素子EL1と、第2の色に対応する第2有機発光素子EL2と、第3の色に対応する第3有機発光素子EL3とを含んで構成され、前記各有機発光素子は、陽極12および陰極14の間に機能層13を備え、前記第1有機発光素子EL1は、前記第1の色の光を発生する第1発光ユニット101と、前記第2の色の光を発生する第2発光ユニット102とを有し、前記第2有機発光素子EL2は、前記第1発光ユニット101と、前記第2発光ユニット102とを有し、前記第3有機発光素子EL3は、前記第3の色の光を発生する第3発光ユニット103の各機能層13を有し、前記第3発光ユニット103は、赤色発光ユニットであり、前記各有機発光素子は、前記各色の光に対するカラーフィルタを有する有機発光表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置をフルカラー化する構成としては、例えば、(1)青,緑,赤の光を発生する発光素子を配列する、(2)白色発光素子にカラーフィルタを組み合わせる、(3)白色または青色発光素子に色変換フィルタを組み合わせるという構成が提案されている。
【0003】
上記(1)の構成では、青,緑,赤の発光層等をシャドウマスク等を用いてパターン形成する必要があるので、精度に限界があり、発光素子あるいは発光素子間距離の微細化、または大型化が困難である。
【0004】
これに対して、上記(2)および(3)の構成では、すべての発光素子で同一の波長領域の光を発光させればよく、発光層等を各色ごとに作り分ける必要はない。そのため、各発光素子の設計を含む製造工程は、上記(1)の構成に比較して簡便である。。
【0005】
しかしながら、上記(2)の構成では、カラーフィルタで不要な発光成分を吸収するので、発光効率が低下してしまい、消費電力や素子寿命の点で負荷が大きい。
【0006】
また、一般的に量産可能なカラーフィルタの透過特性では、発光素子での白色発光を色純度よく青,緑,赤に分離することが難しく、取り出された光の波長分布が広くなるので、色再現性に乏しい表示装置しかできない。特に、青と緑とはその色分離が難しく、高い色純度を得るためにカラーフィルタを高濃度化すると、更に発光効率の低下を招いてしまう。
【0007】
更に、上記(3)の構成では、色変換フィルタの変換効率が低いこと、および色変換フィルタの製造が困難であることに加えて、色変換フィルタの寿命、色変換された発光色の色純度などに課題があり、実用化が困難である。
【0008】
一方、従来の表示装置では、通常、赤,緑,青の画素面積は同一とされているが発光効率は各色ごとに異なっているので、発光効率の悪い色の画素から必要な輝度を得るために、他の発光効率の良い色の画素よりも大きな電流を流す必要があった。そのため、発光効率の悪い色の画素の寿命が短くなってしまい、各色の画素の劣化速度が異なることにより、ホワイトバランスのズレが生じていた。
【0009】
この問題を解決するため、各色画素のうちいずれかの発光面積を、他の色の画素の発光面積と異ならせることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
また、色の異なる画素を積層し、赤,緑,青の発光面積を調節することも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−290441号公報
【特許文献2】特開2004−79538号公報
【特許文献3】特開2006−302506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、これらの従来構成のいずれも、上記(1)〜(3)の従来構成の問題点を完全に解消することはできず、色純度、発光効率または発光寿命は十分ではなかった。
【0013】
ちなみに、赤,緑,青の発光ユニットを積層したタンデム型の白色発光素子において、発光効率が最も低い青の発光ユニットを、赤または緑の発光ユニットよりも多く積層することが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。すなわち、上部電極と下部電極との間に、緑,青,赤,青の四つの発光ユニットを積層する。しかしながら、この構成では、各素子において緑,青,赤,青の四つの発光ユニットを駆動する必要があり、また、カラーフィルタでカットされる発光成分も少なくなく、発光効率の点で更に改善の余地があった。
【0014】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、発光効率を高めることができる有機発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による有機発光表示装置は、複数の画素を有し、各画素は、第1の色に対応する第1有機発光素子と、第2の色に対応する第2有機発光素子と、第3の色に対応する第3有機発光素子とを含んで構成されているものであって、第1有機発光素子,第2有機発光素子および第3有機発光素子は、陽極および陰極の間に機能層を備え、第1有機発光素子の機能層は、第1の色の光を発生する第1発光ユニットと、第2の色の光を発生する第2発光ユニットとを有し、第2有機発光素子の機能層は、第1発光ユニットと、第2発光ユニットとを有し、第3有機発光素子の機能層は、第3の色の光を発生する第3発光ユニットを有するものである。
【0016】
ここに「発光ユニット」とは、従来の有機発光素子のうち陰極と陽極を除いた構成要素であり、一色または多色に対応した光を発生させるものをいう。すなわち、「発光ユニット」は、例えば、発光層単層により構成されていてもよいし、必要に応じて、発光層に加えて電子注入層,電子輸送層,正孔注入層または正孔輸送層などを含む複数層で構成されていてもよい。また、「機能層」は、単一の発光ユニットにより構成されていてもよいし(従来型)、複数の発光ユニットにより構成されていてもよい(タンデム型)。
【0017】
本発明による有機発光表示装置では、第1有機発光素子および第2有機発光素子の機能層は、第1発光ユニットおよび第2発光ユニットにより、第1の色および第2の色(例えば三原色のうち二種の色)の光を発生させる。一方、第3有機発光素子の機能層は、第3発光ユニットにより、第3の色(例えば、三原色のうち残りの一種の色)の光を発生させる。よって、従来の白色発光素子のように全素子で三原色すべてを発光させていたのに比べて、同じ駆動電圧でも高輝度の発光が得られると共に、カラーフィルタでカットされる発光成分も少なくなる。従って、発光効率が向上する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有機発光表示装置によれば、第1有機発光素子および第2有機発光素子の機能層として第1発光ユニットおよび第2発光ユニットを設ける一方、第3有機発光素子の機能層として第3発光ユニットのみを設けるようにしたので、発光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態に係る表示装置の構成を表す図である。
【図2】図1に示した画素駆動回路の一例を表す図である。
【図3】図1に示した表示領域の構成を表す平面図である。
【図4】図3に示した有機発光素子の構成を表す断面図である。
【図5】表1の構成2による有機発光素子の構成を表す断面図である。
【図6】発光ユニットの一例を表す断面図である。
【図7】比較例の有機発光素子の構成を表す断面図である。
【図8】実施例の結果を表す図である。
【図9】実施例の結果を表す図である。
【図10】上記実施の形態の表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。
【図11】上記実施の形態の表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図12】(A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図13】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図14】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図15】(A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態に係る有機発光表示装置(以下、単に表示装置という。)の構成を表すものである。この表示装置は、例えば、ガラス,シリコン(Si)ウェハあるいは樹脂などよりなる基板11の上に、後述する複数の有機発光素子EL1,EL2,EL3がマトリクス状に配置されてなる表示領域110が形成されると共に、この表示領域110の周辺に、映像表示用のドライバである信号線駆動回路120および走査線駆動回路130が形成されたものである。
【0022】
表示領域110内には画素駆動回路140が形成されている。図2は、画素駆動回路140の一例を表したものである。この画素駆動回路140は、後述する第1電極15の下層に形成され、駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2と、その間のキャパシタ(保持容量)Csと、第1の電源ライン(Vcc)および第2の電源ライン(GND)の間において駆動トランジスタTr1に直列に接続された有機発光素子10R(または10G,10B)とを有するアクティブ型の駆動回路である。駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、一般的な薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により構成され、その構成は例えば逆スタガー構造(いわゆるボトムゲート型)でもよいしスタガー構造(トップゲート型)でもよく特に限定されない。
【0023】
画素駆動回路140において、列方向には信号線120Aが複数配置され、行方向には走査線130Aが複数配置されている。各信号線120Aと各走査線130Aとの交差点が、有機発光素子EL1,EL2,EL3のいずれか一つ(サブピクセル)に対応している。各信号線120Aは、信号線駆動回路120に接続され、この信号線駆動回路120から信号線120Aを介して書き込みトランジスタTr2のソース電極に画像信号が供給されるようになっている。各走査線130Aは走査線駆動回路130に接続され、この走査線駆動回路130から走査線130Aを介して書き込みトランジスタTr2のゲート電極に走査信号が順次供給されるようになっている。
【0024】
図3は、表示領域110の平面構成の一例を表したものである。表示領域110には、第1の色に対応する第1有機発光素子EL1と、第2の色に対応する第2有機発光素子EL2と、第3の色に対応する第3有機発光素子EL3とが、順に全体としてマトリクス状に形成されており、第1ないし第3の色として三原色(赤,青,緑)を用いることにより、フルカラー表示が可能となっている。また、隣り合う第1有機発光素子EL1,第2有機発光素子EL2および第3有機発光素子EL3(以下、「有機発光素子EL1,EL2,EL3」と総称する。)の組み合わせが一つの画素(ピクセル)Pxを構成している。
【0025】
図4は図3に示した有機発光素子EL1,EL2,EL3の断面構成を概略的に表したものである。有機発光素子EL1,EL2,EL3は、それぞれ、基板11の側から、陽極12、機能層13および陰極14がこの順に積層された構成を有している。なお、基板11には、図示しないが、上述した画素駆動回路140が設けられている。画素駆動回路140は、ポリイミド等の有機材料、あるいは酸化シリコン(SiO2 )などの無機材料よりなる平坦化絶縁膜で覆われ、この平坦化絶縁膜の上に陽極12が形成されている。
【0026】
また、この有機発光素子EL1,EL2,EL3では、陽極12は反射層としての機能を有する一方、陰極14が半透過性反射層としての機能を有しており、これら陽極12と陰極14とにより、機能層13中の発光層において発生した光を共振させる共振器構造が構成されている。
【0027】
すなわち、有機発光素子EL1,EL2,EL3は、陽極12と機能層13との界面を第1端部P1、陰極14と機能層13との界面を第2端部P2とし、機能層13を共振部として、機能層13中の後述する発光層で発生した光を共振させて第2端部P2の側から取り出す共振器構造を有している。このように共振器構造を有するようにすれば、発光層で発生した光が多重干渉を起こし、一種の狭帯域フィルタとして作用することにより、取り出される光のスペクトルの半値幅が減少し、ピーク強度を高めることができる。すなわち、色純度を向上させ、発光効率を高めることができ、色再現性に優れたフルカラー表示を実現することができる。また、陰極14側から入射した外光についても多重干渉により減衰させることができ、後述するカラーフィルタ21,22,23との組合せにより有機発光素子EL1,EL2,EL3における外光の反射率を極めて小さくすることができる。
【0028】
そのためには、第1端部P1と第2端部P2との間の光学的距離Lは数1を満たすようにすることが好ましい。
【0029】
(数1)
(2L)/λ+Φ/(2π)=m
(式中、Lは第1端部P1と第2端部P2との間の光学的距離、Φは第1端部P1で生じる反射光の位相シフトΦ1 と第2端部P2で生じる反射光の位相シフトΦ2 との和(Φ=Φ1 +Φ2 )(rad)、λは第2端部P2の側から取り出したい光のスペクトルのピーク波長、mはLが正となる整数をそれぞれ表す。なお、数1においてLおよびλは単位が共通すればよいが、例えば(nm)を単位とする。)
【0030】
光学的距離Lは、具体的には、共振器の共振波長(取り出される光のスペクトルのピーク波長)と、第2端部P2の側から取り出したい光のスペクトルのピーク波長(例えば、青:460nm、赤:630nm、緑:530nm)とを一致させ、光取り出し効率を高めるように決定される。また、各色の発光強度の極大値は、視野角特性等を考慮して決定される。なお、ここにいう「共振」とは、相対強度が強まるもののほか、相対強度がそれほど高くならない干渉状態も含まれる。
【0031】
陽極12は、反射層としての機能も兼ねており、できるだけ高い反射率を有するようにすることが発光効率を高める上で望ましい。陽極12は、例えば積層方向の厚み(以下、単に厚みと言う)が100nm以上1000nm以下であり、ニッケル,銀,金,白金,パラジウム,セレン,ロジウム,ルテニウム,イリジウム,レニウム,タングステン,モリブデン,クロム,タンタルあるいはニオブなどの金属元素の単体または合金が挙げられる。なお、陽極12は、発光領域以外は絶縁膜(図示せず)で被覆され、発光領域のみが露出部となっている。
【0032】
第1有機発光素子EL1の機能層13は、第1の色の光γ1を発生する第1発光ユニット101と、第2の色の光γ2を発生する第2発光ユニット102とを有している。第2有機発光素子EL2の機能層13は、第1発光ユニット101と、第2発光ユニット102とを有している。第3有機発光素子EL3の機能層13は、第3の色の光γ3を発生する第3発光ユニット103を有している。これにより、この有機発光表示装置では、発光効率を高めることができるようになっている。
【0033】
第1有機発光素子EL1および第2有機発光素子EL2の機能層13は、第1発光ユニット101および第2発光ユニット102が陽極12の側から同じ配列で積層されたものであることが好ましい。機能層13を同一構成にすることにより、特定の色の有機発光素子の駆動電圧が他の色と比べて特異的に高くなるといった現象を生じるおそれを小さくすることができ、各色の有機発光素子EL1,EL2,EL3の駆動条件が異なることを考慮した駆動回路設計を行う必要をなくすことができるからである。また、製造工程上、第1有機発光素子EL1の機能層13と第2有機発光素子EL2の機能層13とを作り分ける必要がなくなり、第1有機発光素子EL1と第2有機発光素子EL2との間に位置合わせ余裕のためのスペースを不要とすることができ、素子間ピッチを狭くすることができる。よって、素子間ピッチの微細化により、高精細なフルカラー表示が可能となる。
【0034】
表1は、第1発光ユニット101,第2発光ユニット102および第3発光ユニット103で発生する光の色の組み合わせを表したものである。なお、表1においてRは赤、Bは青、Gは緑を表している。
【0035】
【表1】

【0036】
表1に示した構造1〜6のうち、構造2,5のように、第3発光ユニット103が緑色の光を発生する緑色発光ユニット(G)であることが好ましい。第3有機発光素子EL3は緑の単色発光となるので色純度が高く、また、後述するカラーフィルタでの損失をほとんどなくすことができ、光取り出し効率を著しく高めることができるからである。また、第1および第2の有機発光素子EL1,EL2では、赤と青の中間の波長域である緑の光は発生しないので、赤と青との分離を容易に行うことができ、色純度を高めることができると共に、カラーフィルタの高濃度化による損失も避けることができるからである。
【0037】
ちなみに、赤および青は、数1における光学的距離Lを同じにすることができ(特許文献3参照。)、一般的な3種類の光学的距離Lを設定する場合に比べて、構造および製造工程を更に簡素化することができる。そのためには、例えば、第1有機発光素子EL1および第2有機発光素子EL2の機能層13の厚みが等しいことが好ましい。なお、光学的距離Lを調整するためには、機能層13の厚みを調整してもよいし、あるいは、陽極12と機能層13との間に、共振部の一部を構成する透明導電層(図示せず)を設け、この透明導電層の厚みを調整するようにしてもよい。
【0038】
更に、構造2のように、第1発光ユニット101が赤色の光を発生する赤色発光ユニット(R)であり、第2発光ユニット102が青色の光を発生する青色発光ユニット(B)であれば、より好ましい。赤色発光材料は正孔輸送性が高く、青色発光材料は電子輸送性が高いので、赤色発光ユニットを陽極12側に、青色発光ユニットを陰極14側に配置することにより、低電圧化を図ることができるからである。また、発光効率が低い色の発光ユニットを陰極14側に配置することで、光取り出しを容易にすることができるからである。なお、図5に、構造2による有機発光素子EL1,EL2,EL3の断面構成を概略的に示す。図5の各構成要素には、必要に応じて、図4の符号に発光色を表すR,G,Bを追加または置換した符号を付している。
【0039】
図4に示した陰極14は、半透過性反射層としての機能も兼ねており、その材料および厚みにより光透過率が適切な値に調整されている。陰極14は、例えば、厚みが5nm以上50nm以下であり、リチウム,マグネシウム,カルシウム,ナトリウム,銀,アルミニウムおよびインジウムなどの金属元素の単体または合金により構成されている。中でも、マグネシウムと銀との合金(MgAg合金)、またはアルミニウム(Al)とリチウム(Li)との合金(AlLi合金)が好ましい。
【0040】
なお、陰極14上には、図示しない透明電極が設けられていてもよい。この透明電極は、半透過性反射層の電気抵抗を下げるためのものであり、発光層で発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により構成されている。透明電極を構成する材料としては、例えば、ITOまたはインジウムと亜鉛(Zn)と酸素とを含む化合物が好ましい。室温で成膜しても良好な導電性を得ることができるからである。透明電極の厚みは、例えば30nm以上1000nm以下とすることができる。
【0041】
また、有機発光素子EL1,EL2,EL3は、陰極14側に、カラーフィルタ21,22,23を有している。カラーフィルタ21〜23は、有機発光素子EL1,EL2,EL3で発生した光を取り出すと共に、有機発光素子EL1,EL2,EL3並びにその間の配線において反射された外光を吸収し、コントラストを改善するためのものである。
【0042】
カラーフィルタ21〜23の配設位置は特に限定されないが、機能層13中の発光層との間の距離ができるだけ狭くなるようにすることが好ましい。発光層から出射した光が隣接する他の色のカラーフィルタ21〜23に入射して混色を生じることを避けることができるからである。カラーフィルタ21〜23は、有機発光素子EL1,EL2,EL3の発光色に合わせて赤色フィルタ,緑色フィルタおよび青色フィルタのいずれかにより構成されており、有機発光素子EL1,EL2,EL3に対応して順に配置されている。
【0043】
赤色フィルタ,緑色フィルタおよび青色フィルタは、それぞれ例えば矩形形状で隙間なく形成されている。これら赤色フィルタ,緑色フィルタおよび青色フィルタは、顔料を混入した樹脂によりそれぞれ構成されており、顔料を選択することにより、目的とする赤,緑あるいは青の波長域における光透過率が高く、他の波長域における光透過率が低くなるように調整されている。
【0044】
更に、このカラーフィルタ21〜23における透過率の高い波長範囲と、共振器構造から取り出したい光のスペクトルのピーク波長とは一致している。これにより、第1有機発光素子EL1では、機能層13で発生して共振器構造から取り出される第1の色の光γ1および第2の色の光γ2のうち、第1の色の光γ1のみがカラーフィルタ21を透過する一方、第2有機発光素子EL2では、第1の色の光γ1および第2の色の光γ2のうち、第2の色の光γ2のみがカラーフィルタ22を透過する。また、陰極14側から入射する外光のうち、取り出したい光のスペクトルのピーク波長λに等しい波長を有するもののみがカラーフィルタ21〜23を透過し、その他の波長の外光が有機発光素子EL1,EL2,EL3に侵入することが防止される。
【0045】
なお、第3有機発光素子EL3において、機能層13で発生して共振器構造から取り出される第3の光γ3の色純度が十分に高い場合には、第3有機発光素子EL3のカラーフィルタ23は必ずしも設ける必要はなく、少なくとも第1有機発光素子EL1および第2有機発光素子EL2のカラーフィルタ21,22が設けられていればよい。
【0046】
図6は、一つの発光ユニットの断面構成を表したものである。なお、図6では、陽極12上に形成された第1発光ユニット101を例として表しているが、第2発光ユニット102および第3発光ユニット103についても同様である。
【0047】
第1発光ユニット101は、例えば、陽極12の側から順に、正孔注入層31,正孔輸送層32,発光層33,電荷輸送層34および電荷注入層35を積層した構成を有する。これらのうち発光層33以外の層は必要に応じて設ければよい。また、第1発光ユニット101,第2発光ユニット102または第3発光ユニット103は、それぞれ構成が異なっていてもよい。正孔注入層31は、正孔注入効率を高めるためのものであると共に、リークを防止するためのバッファ層である。正孔輸送層32は、発光層33への正孔輸送効率を高めるためのものである。発光層33は、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、光を発生するものである。電荷輸送層34は、発光層33への電子輸送効率を高めるためのものである。電荷注入層35は、電荷注入効率を高めるためのものである。
【0048】
第1発光ユニット101が赤色の光を発生する赤色発光ユニットである場合、正孔注入層31の構成材料としては、例えば、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)あるいは4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)が挙げられ、正孔輸送層32の構成材料としては、例えば、ビス[(N−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン(α−NPD)が挙げられ、発光層33の構成材料としては、例えば、8−キノリノールアルミニウム錯体(Alq3 )に2,6−ビス[4−[N−(4−メトキシフェニル)−N−フェニル]アミノスチリル]ナフタレン−1,5−ジカルボニトリル(BSN−BCN)を40体積%混合したものが挙げられ、電荷輸送層34の構成材料としては、例えば、Alq3 が挙げられ、電荷注入層35の構成材料としては、例えば、LiF,Li2 Oが挙げられる。
【0049】
第1発光ユニット101が緑色の光を発生する緑色発光ユニットである場合、正孔注入層31の構成材料としては、例えば、m−MTDATAあるいは2−TNATAが挙げられ、正孔輸送層32の構成材料としては、例えば、α−NPDが挙げられ、発光層33の構成材料としては、例えば、Alq3 にクマリン6(Coumarin6)を3体積%混合したものが挙げられ、電荷輸送層34の構成材料としては、例えば、Alq3 が挙げられ、電荷注入層35の構成材料としては、例えば、LiF,Li2 Oが挙げられる。
【0050】
第1発光ユニット101が青色の光を発生する青色発光ユニットである場合、正孔注入層31の構成材料としては、例えば、m−MTDATAあるいは2−TNATAが挙げられ、正孔輸送層32の構成材料としては、例えば、α−NPDが挙げられ、発光層33の構成材料としては、例えば、スピロ6Φ(spiro6Φ)が挙げられ、電荷輸送層34の構成材料としては、例えば、Alq3 が挙げられ、電荷注入層35の構成材料としては、例えば、LiF,Li2 Oが挙げられる。
【0051】
この表示装置は、例えば次のようにして製造することができる。
【0052】
まず、上述した材料よりなる基板11の上に駆動トランジスタTr1を含む画素駆動回路140を形成したのち、全面に感光性樹脂を塗布することにより平坦化絶縁膜(図示せず)を形成し、露光および現像により平坦化絶縁膜(図示せず)を所定の形状にパターニングすると共に接続孔などを形成し、焼成する。
【0053】
次いで、例えばスパッタ法により、上述した厚みおよび材料よりなる陽極12を形成し、エッチングにより陽極12を選択的に除去して各有機発光素子EL1,EL2,EL3ごとに分離する。
【0054】
続いて、第1有機発光素子EL1および第2有機発光素子EL2の陽極12上には、例えば蒸着法,転写法あるいはインクジェット法により、上述した材料よりなる第1発光ユニット101および第2発光ユニット102を順に積層する。また、第3有機発光素子EL3の陽極12上には、例えば蒸着法,転写法あるいはインクジェット法により、上述した材料よりなる第3発光ユニット103を積層する。これにより、機能層13が形成される。
【0055】
そののち、例えば蒸着法により、上述した厚みおよび材料よりなる陰極14を成膜し、図4に示したような有機発光素子10R,10G,10Bを形成する。続いて、有機発光素子10R,10G,10Bの陰極14側に、上述した材料よりなるカラーフィルタ21〜23を配置する。以上により、本実施の形態の表示装置が完成する。
【0056】
この表示装置では、各画素に対して走査線駆動回路130から書き込みトランジスタTr2のゲート電極を介して走査信号が供給されると共に、信号線駆動回路120から画像信号が書き込みトランジスタTr2を介して保持容量Csに保持される。すなわち、この保持容量Csに保持された信号に応じて駆動トランジスタTr1がオンオフ制御され、これにより、各有機発光素子10R,10G,10Bに駆動電流Idが注入されることにより、正孔と電子とが再結合して発光が起こる。この光は、陽極12と陰極14との間で多重反射し、陰極14およびカラーフィルタ21〜23を透過して取り出される。
【0057】
このとき、第1有機発光素子EL1および第2有機発光素子EL2の機能層13は、第1発光ユニット101および第2発光ユニット102により、三原色のうち二種の色の光γ1,γ2を発生させる。一方、第3有機発光素子EL3の機能層13は、第3発光ユニット103により、三原色のうち残りの一種の色の光γ3を発生させる。よって、従来の白色発光素子のように全素子で三原色すべてを発光させていたのに比べて、同じ駆動電圧でも高輝度の発光が得られると共に、カラーフィルタでカットされる発光成分も少なくなる。従って、発光効率が向上する。また、所望の発光色の光が十分な強度で取り出され、色再現性に優れた表示が可能となる。
【0058】
このように本実施の形態では、第1有機発光素子EL1および第2有機発光素子EL2の機能層13として第1発光ユニット101および第2発光ユニット102を設ける一方、第3有機発光素子EL3の機能層13として第3発光ユニット103のみを設けるようにしたので、発光効率を向上させることができる。
【実施例】
【0059】
更に、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、以下の実施例では、図5に示したような構成2による有機発光素子ELR,ELB,ELGを作製し、特性を評価した。よって、以下の実施例においても、図5を参照し、同一の符号を用いて説明する。
【0060】
図5と同様の構成を有する有機発光素子ELR,ELB,ELGを作製した。まず、ガラスよりなる基板11上に、厚みが約100nmであり、銀,パラジウムおよび銅を含む合金よりなる陽極12を形成し、この陽極12の表面中央部における2mm×2mmの発光領域以外を絶縁膜(図示せず)で被覆した。
【0061】
次いで、陽極12の発光領域となる露出部上に開口を有する金属マスクを、基板11上に近接して配置し、10-4Pa以下の真空下での真空蒸着法により、第1発光ユニット101として赤色発光ユニットR、第2発光ユニット102として青色発光ユニットBを、順に積層し、第1有機発光素子EL1および第2有機発光素子EL2の機能層13を形成した。また、別の金属マスクを用いて、第3発光ユニット103として緑色発光ユニットGを形成し、第3有機発光素子の機能層13を形成した。各発光ユニットR,G,Bの厚みは、発光に十分な厚みを確保できるよう、100nm〜220nmとした。
【0062】
続いて、マグネシウムと銀とを共蒸着比10:1として共蒸着させ、厚み9nmの陰極14を形成した。更に、陰極14の上に、厚み150nmのITOよりなる透明電極(図示せず)を形成した。
【0063】
有機発光素子ELR,ELB,ELGにおいて、共振器構造から取り出したいピーク波長λを、赤:波長λ=630nm、青:波長λ=460nm、緑:波長λ=530nmとし、数1を満たす最小値を光学的距離L(すなわち、機能層13の厚み)とした。機能層13の厚みは、第1有機発光素子EL1(赤)および第2有機発光素子EL2(青)では310nm、第3有機発光素子EL3(緑)では220nmとした。なお、本実施例および後述する比較例では、スペクトル形状の差を分かりやすくするため、カラーフィルタは使用しなかった。
【0064】
本実施例に対する比較例として、図7に示したように、基板811上に陽極812を形成し、陽極812上に、赤色発光ユニットR,緑色発光ユニットGおよび青色発光ユニットB、並びに陰極814を積層したことを除いては、上記実施例と同様にして有機発光素子を作製した。なお、図7の各構成要素には、図5と同一の800番台の符号を付している。
【0065】
(評価)
得られた実施例および比較例の有機発光素子について、青色領域および緑色領域の発光スペクトルを調べた。図8および図9に、スペクトルを規格化したものを示す。
【0066】
図8および図9から分かるように、実施例では、青および緑のいずれについても、比較例に比べて発光スペクトルの肥大化が抑えられていた。これは、実施例の緑では、有機発光素子ELGが緑の単色発光素子であり、余計な発光成分が含まれないからであると考えられる。また、実施例の青では、有機発光素子ELBの発光が、赤と青の中間の波長域である緑の光を含まないので、赤と青との分離が容易に行われたからであると考えられ、従って、赤についても同様の結果が得られることが予想される。
【0067】
すなわち、構成2のように、第3有機発光素子EL3においては、第3発光ユニット103を緑色発光ユニットGとすると共に、第1有機発光素子EL1および第2有機発光素子EL2においては、第1発光ユニット101として赤色発光ユニットR、第2発光ユニット102として青色発光ユニットBを、陽極12側から同じ配列で積層するようにすれば、発光スペクトルの肥大化を抑え、色純度を高めることができることが分かった。
【0068】
(モジュールおよび適用例)
以下、上記実施の形態で説明した表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態の表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0069】
(モジュール)
上記実施の形態の表示装置は、例えば、図10に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基板11の一辺に、封止用基板50および接着層40から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、信号線駆動回路120および走査線駆動回路130の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
【0070】
(適用例1)
図11は、上記実施の形態の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0071】
(適用例2)
図12は、上記実施の形態の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0072】
(適用例3)
図13は、上記実施の形態の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0073】
(適用例4)
図14は、上記実施の形態の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0074】
(適用例5)
図15は、上記実施の形態の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0075】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、有機発光素子EL1,EL2,EL3が共振器構造を有する場合について説明したが、本発明は、共振器構造を有しない有機発光素子EL1,EL2,EL3を用いた表示装置にも適用可能である。その場合、第1有機発光素子EL1は、第1の光γ1に対する透過率の高いカラーフィルタ21を有し、第2有機発光素子EL2は、第2の光γ2に対する透過率の高いカラーフィルタ22を有することが好ましい。更に、第3有機発光素子EL3にも、第3の光γ3に対する透過率の高いカラーフィルタ23を設けるようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態および実施例では、表示領域110に、有機発光素子EL1,EL2,EL3が順に全体としてマトリクス状に形成されている場合について説明したが、これらは必ずしも順に配列されていなければならないわけではなく、他の配列としてもよい。
【0077】
更に、上記実施の形態および実施例において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。例えば、上記実施の形態および実施例においては、基板11の上に、陽極12,機能層13および陰極14を基板11の側から順に積層し、陰極14の側から光を取り出すようにした場合について説明したが、積層順序を逆にして、基板11の上に、陰極14,機能層13および陽極12を基板11の側から順に積層し、基板11の側から光を取り出すようにすることもできる。この場合も、正孔輸送性の高い赤色発光ユニットを陽極12側、電子輸送性の高い青色発光ユニットを陰極14側に配置することが望ましい。
【0078】
加えて、上記実施の形態および実施例では、有機発光素子EL1,EL2,EL3の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。例えば、陽極12と機能層13との間に、酸化クロム(III)(Cr2 O3 ),ITO(Indium-Tin Oxide:インジウム(In)およびスズ(Sn)の酸化物混合膜)などからなる正孔注入用薄膜層を備えていてもよい。また、例えば陽極12は、酸化スズ(SnO2),酸化インジウムスズ(ITO),酸化亜鉛,酸化チタン等の導電性材料により構成されていてもよいし、または、誘電体多層膜とすることもできる。
【0079】
加えてまた、上記実施の形態では、アクティブマトリクス型の表示装置の場合について説明したが、本発明はパッシブマトリクス型の表示装置への適用も可能である。更にまた、アクティブマトリクス駆動のための画素駆動回路の構成は、上記実施の形態で説明したものに限られず、必要に応じて容量素子やトランジスタを追加してもよい。その場合、画素駆動回路の変更に応じて、上述した信号線駆動回路120や走査線駆動回路130のほかに、必要な駆動回路を追加してもよい。
【符号の説明】
【0080】
11…基板、12…陽極、13…機能層、14…陰極、21〜23…カラーフィルタ、31…正孔注入層、32…正孔輸送層、33…発光層、34…電荷輸送層、35…電荷注入層、101…第1発光ユニット、102…第2発光ユニット、103…第3発光ユニット、EL1…第1有機発光素子、EL2…第2有機発光素子、EL3…第3有機発光素子、P1…第1端部、P2…第2端部、Px…画素、γ1…第1の色の光、γ2…第2の色
の光、γ3…第3の色の光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有し、各画素は、第1の色に対応する第1有機発光素子と、第2の色に対応する第2有機発光素子と、第3の色に対応する第3有機発光素子とを含んで構成され、
前記第1有機発光素子,前記第2有機発光素子および前記第3有機発光素子は、陽極および陰極の間に機能層を備え、
前記第1有機発光素子の機能層は、前記第1の色の光を発生する第1発光ユニットと、前記第2の色の光を発生する第2発光ユニットとを有し、
前記第2有機発光素子の機能層は、前記第1発光ユニットと、前記第2発光ユニットとを有し、
前記第3有機発光素子の機能層は、前記第3の色の光を発生する第3発光ユニットを有し、
前記第3発光ユニットは、赤色の光を発生する赤色発光ユニットであり、
前記第1有機発光素子は、前記第1の色の光に対する透過率の高いカラーフィルタを有し、
前記第2有機発光素子は、前記第2の色の光に対する透過率の高いカラーフィルタを有する
有機発光表示装置。
【請求項2】
前記第1有機発光素子および前記第2有機発光素子の機能層は、前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットが前記陽極の側から同じ配列で積層されたものである
請求項1記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記第1発光ユニットは、緑色の光を発生する緑色発光ユニットおよび青色の光を発生する青色発光ユニットの一方であり、
前記第2発光ユニットは、緑色の光を発生する緑色発光ユニットおよび青色の光を発生する青色発光ユニットの他方である
請求項1または2記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記第1有機発光素子,前記第2有機発光素子および前記第3有機発光素子は、前記機能層で発生した光を、前記陽極と前記機能層との界面および前記陰極と前記機能層との界面の間で共振させて取り出す共振器構造を有する
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記カラーフィルタにおける透過率の高い波長範囲と、共振器構造から取り出したい光のスペクトルのピーク波長とは一致している
請求項4記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記第3有機発光素子は、前記第3の色の光に対する透過率の高いカラーフィルタを有する
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記第1発光ユニット,前記第2発光ユニットおよび前記第3発光ユニットはそれぞれ、前記陽極の側から順に、正孔注入層,正孔輸送層,発光層,電荷輸送層および電荷注入層のうち少なくとも発光層を有する
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記赤色発光ユニットの発光層は、2,6−ビス[4−[N−(4−メトキシフェニル)−N−フェニル]アミノスチリル]ナフタレン−1,5−ジカルボニトリル(BSN−BCN)を含む
請求項7記載の有機発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−156136(P2012−156136A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−53134(P2012−53134)
【出願日】平成24年3月9日(2012.3.9)
【分割の表示】特願2007−232551(P2007−232551)の分割
【原出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】