有機発光装置
【課題】色特性が優れていて、効率の高い白色発光が可能な有機発光装置を提供する。
【解決手段】有機発光装置は、第1電極と、前記第1電極上に位置し、同一または互いに異なる色を表示する少なくとも二つの発光ユニットを含む発光部材と、前記発光部材上に位置する第2電極と、前記第2電極上に位置し、少なくとも一つの色を表示する発光体を含む封止用充填層と、を含む。また、前記少なくとも二つの発光ユニットで表示する色および前記発光体で表示する色を組み合わせて白色を表示する。
【解決手段】有機発光装置は、第1電極と、前記第1電極上に位置し、同一または互いに異なる色を表示する少なくとも二つの発光ユニットを含む発光部材と、前記発光部材上に位置する第2電極と、前記第2電極上に位置し、少なくとも一つの色を表示する発光体を含む封止用充填層と、を含む。また、前記少なくとも二つの発光ユニットで表示する色および前記発光体で表示する色を組み合わせて白色を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、表示装置および照明装置として有機発光装置(organic light emitting diode device、OLED device)が注目されている。
【0003】
有機発光装置は、二つの電極およびその間に位置する発光層を含み、一つの電極から注入された電子(electron)および他の電極から注入された正孔(hole)が発光層で結合して励起子(exciton)を形成し、励起子がエネルギーを放出して発光する。
【0004】
有機発光装置は、自己発光型で別途の光源が不要であるため、消費電力の側面で有利であるだけでなく、応答速度、視野角、およびコントラスト比(contrast ratio)も優れている。
【0005】
一方、有機発光装置は、画素ごとに赤色サブ画素、青色サブ画素、および緑色サブ画素などの複数のサブ画素を含み、これらのサブ画素を組み合わせてフルカラー(full color)を表現することができる。
【0006】
この時、赤色サブ画素、青色サブ画素、および緑色サブ画素は、各々赤色発光層、青色発光層、および緑色発光層を含むことによって色を表現することができる。このような発光層は、微細シャドーマスク(fine shadow mask)を使用してサブ画素別に蒸着することができる。しかし、表示装置が大面積化されることにより、微細シャドーマスクを使用してサブ画素ごとに発光層を蒸着するには限界がある。
【0007】
そのため、表示装置全体に赤色発光層、青色発光層、および緑色発光層を順次に積層して白色発光し、発光した光が通過する位置に色フィルターを配置して、サブ画素別に赤色、緑色、および青色を表現する技術が提案された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、このような白色発光の場合、各発光層の特性によって色特性および効率が異なることがあり、安定性が低下することがある。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、色特性が優れていて、効率の高い白色発光が可能な、新規かつ改良された有機発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1電極と、前記第1電極上に位置し、同一または互いに異なる色を表示する少なくとも二つの発光ユニットを含む発光部材と、前記発光部材上に位置する第2電極と、前記第2電極上に位置し、少なくとも一つの色を表示する発光体を含む封止用充填層と、を含む、有機発光装置が提供される。
【0011】
前記少なくとも二つの発光ユニットで表示する色および前記発光体で表示する色を組み合わせて白色を表示することができる。
【0012】
前記発光ユニットは前記発光体で表示する色より短波長領域の色を表示することができる。
【0013】
前記発光ユニットは青色を表示し、前記発光体は緑色、赤色、またはこれらの組み合わせを表示することができる。
【0014】
前記発光ユニットは、同一の色を表示する第1発光ユニットおよび第2発光ユニットを含み、前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットは各々青色を表示し、前記発光体は緑色を表示する発光体および赤色を表示する発光体を含むことができる。
【0015】
前記発光ユニットは、互いに異なる色を表示する第1発光ユニットおよび第2発光ユニットを含み、前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットのうちの少なくとも一つは、前記発光体で表示する色より短波長領域の色を表示することができる。
【0016】
前記第1発光ユニットは、青色および赤色のうちのいずれか一方の色を表示し、前記第2発光ユニットは、他方の色を表示し、前記発光体は緑色を表示することができる。
【0017】
前記第1発光ユニットは、青色および緑色のうちのいずれか一方の色を表示し、前記第2発光ユニットは、他方の色を表示し、前記発光体は赤色を表示することができる。
【0018】
前記発光部材は、隣接する前記発光ユニットの間に位置する電荷生成層を含むことができる。
【0019】
前記第2電極は透明電極であることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、色特性および効率を改善して、安定した白色を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態による有機発光装置を概略的に示した断面図である。
【図2】具現例による有機発光装置を示した断面図である。
【図3】具現例による有機発光装置を示した断面図である。
【図4】具現例による有機発光装置を示した断面図である。
【図5】具現例による有機発光装置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
図面では、各種層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。層、膜、領域、板などの部分がある部分の「上に」あるとする時、これはある部分の「すぐ上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「すぐ上に」あるとする時、これはその中間に他の部分がないことを意味する。
【0024】
以下、本発明の一実施形態による有機発光装置について、図1を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態による有機発光装置を概略的に示した断面図である。
【0025】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による有機発光装置は、基板10、下部電極20、下部電極20上に位置する発光部材35、発光部材35上に位置する上部電極60、上部電極60上に位置する封止用充填層70、および封止用充填層70上に位置する封止基板80を含む。
【0026】
基板10は、例えばガラスまたは高分子から形成される。
【0027】
下部電極20は、アノード(anode)またはカソード(cathode)であり、透明導電体または不透明導電体から形成される。透明導電体は、例えばITO、IZO、またはこれらの組み合わせであり、不透明導電体は、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、またはこれらの組み合わせである。
【0028】
発光部材35は、第1発光ユニット30、第2発光ユニット50、および第1発光ユニット30と第2発光ユニット50との間に位置する電荷生成層40を含む。しかし、必ずしもこれに限定されるのではなく、三つ以上の発光ユニットを含むこともでき、この場合には、隣接する発光ユニットの間には電荷生成層が形成される。
【0029】
第1発光ユニット30および第2発光ユニット50は、同一または互いに異なる色を表示することができる。第1発光ユニット30および第2発光ユニット50で表示する色は、後述する発光体で表示する色と組み合わせて白色を表示することができる。
【0030】
第1発光ユニット30は、色を表示する発光層32、および発光層32の下部および上部に位置する補助層31、33を含む。下部電極20が例えばアノードである場合には、補助層31は正孔注入層および正孔伝達層から選択された少なくとも一つであり、補助層33は電子注入層および電子伝達層から選択された少なくとも一つである。しかし、補助層31、33のうちの少なくとも一つは省略することができる。
【0031】
第2発光ユニット50も、また、色を表示する発光層52、及び発光層52の下部および上部に位置する補助層51、53を含む。上部電極60が例えばカソードである場合には、補助層51は正孔注入層および正孔伝達層から選択された少なくとも一つであり、補助層53は電子注入層および電子伝達層から選択された少なくとも一つである。しかし、補助層51、53のうちの少なくとも一つは省略することができる。
【0032】
電荷生成層40は、電子-正孔の対を生成することができる層であって、ここで生成された正孔は一側の発光ユニットに伝達され、電子は他側の発光ユニットに伝達される。例えば、下部電極20がアノードであり、上部電極60がカソードである場合、電荷生成層40で生成された電子は第1発光ユニット30に移動し、正孔は第2発光ユニット50に移動することができる。
【0033】
このように、第1発光ユニット30と第2発光ユニット50との間に電荷生成層40が形成されることによって、電流効率を向上させて、素子の寿命を改善することができる。
【0034】
発光部材35上には上部電極60が形成されている。上部電極60は透過電極であり、これにより発光部材35から放出される光を上部電極60を通じて上部に排出することができる。上部電極60は、例えばITOまたはIZOなどの導電性酸化物から形成されたり、アルミニウム(Al)または銀(Ag)などを薄い厚さに形成することができる。
【0035】
上部電極60上には封止用充填層70が形成されている。封止用充填層70は、充填材71および発光体72を含む。
【0036】
充填材71は、無機充填材、有機充填材、またはこれらの組み合わせである。
【0037】
発光体72は、光によって刺激されて自らの固有の波長範囲の光を発光する光発光物質を含み、例えば蛍光体、半導体ナノ結晶などの量子点、またはこれらの組み合わせである。
【0038】
蛍光体は、例えば青色蛍光体、緑色蛍光体、または赤色蛍光体であり、二種類以上が混合されて構成されてもよい。
【0039】
半導体ナノ結晶は特に制限されず、例えばII-VI族半導体化合物、II-V族半導体化合物、III-VI族半導体化合物、III-V族半導体化合物、IV-VI族半導体化合物、II-III-VI族化合物、II-IV-VI族化合物、II-IV-V族化合物、およびこれらの合金、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものである。
【0040】
この時、発光体72で表示する色は、第1発光ユニット30および第2発光ユニット50で表示する色と組み合わせて白色を表示することができる。また、第1発光ユニット30および第2発光ユニット50のうちの少なくとも一つは、発光体72で表示する色より短波長領域の色を表示することができる。
【0041】
封止用充填層70上には封止基板80が形成されている。封止基板80は、ガラス、金属、または高分子膜などから形成され、発光部材35を密封して、外部から流入する水分および酸素を遮断することができる。
【0042】
これについて、図2〜図5を図1と共に参照して説明する。
図2〜図5は具現例による有機発光装置を示した断面図である。
【0043】
図2〜図5において、図1と同一な符号は同一な構成要素を示す。以下では、発光部材35および封止用充填層70を中心に説明するが、図1と重複する説明は省略する。
【0044】
図2を参照すれば、一具現例による有機発光装置において、第1発光ユニット30および第2発光ユニット50は各々青色発光ユニットであり、封止用充填層70は赤色発光体72Rを含む。しかし、必ずしも赤色発光体に限定されるのではなく、青色より長い波長領域の色を表示する発光体であれば同一に適用することができる。
【0045】
具体的に、第1発光ユニット30は、青色発光層32B、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層31B、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層33Bを含む。
【0046】
第2発光ユニット50は、青色発光層52B、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層51B、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層53Bを含む。
【0047】
赤色発光体72Rは、青色発光層32B、52Bから放出された光によって刺激されて固有の色を表示することができ、赤色発光体72Rおよび青色発光層32B、52Bで表示する色を組み合わせて白色を表示することができる。
【0048】
図3を参照すれば、他の具現例による有機発光装置において、第1発光ユニット30および第2発光ユニット50は各々青色発光ユニットであり、封止用充填層70は赤色発光体72R及び緑色発光体72Gを含む。しかし、必ずしも赤色発光体および緑色発光体に限定されるのではなく、青色より長い波長領域の色を表示する発光体が二種類以上含まれていれば同一に適用することができる。
【0049】
赤色発光体72R及び緑色発光体72Gは、青色発光層32B、52Bから放出された光によって刺激されて固有の色を表示することができ、赤色発光体72R、緑色発光層72G、および青色発光層32B、52Bで表示する色を組み合わせて白色を表示することができる。
【0050】
図4を参照すれば、また他の具現例による有機発光装置において、第1発光ユニット30は青色発光ユニットであり、第2発光ユニット50は赤色発光ユニットであり、封止用充填層70は緑色発光体72Gを含む。
【0051】
具体的に、第1発光ユニット30は、青色発光層32B、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層31B、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層33Bを含む。
【0052】
第2発光ユニット50は、赤色発光層52R、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層51R、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層53Rを含む。
【0053】
緑色発光体72Gは、青色発光層32Bから放出された光によって刺激されて固有の色を表示することができ、青色発光層32B、赤色発光層52R、および緑色発光体72Gで表示する色を組み合わせて白色を表示することができる。
【0054】
図5を参照すれば、また他の具現例による有機発光装置において、第1発光ユニット30は青色発光ユニットであり、第2発光ユニット50は緑色発光ユニットであり、封止用充填層70は赤色発光体72Rを含む。
【0055】
具体的に、第1発光ユニット30は、青色発光層32B、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層31B、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層33Bを含む。
【0056】
第2発光ユニット50は、緑色発光層52G、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層51G、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層53Gを含む。
【0057】
赤色発光体72Rは、青色発光層32Bおよび緑色発光層52Gから放出された光によって刺激されて固有の色を表示することができ、青色発光層32B、緑色発光層52G、および赤色発光体72Rで表示する色を組み合わせて白色を表示することができる。
【0058】
前記では、説明の便宜上、赤色、緑色、および青色を中心に例示したが、必ずしもこれに限定されるのではなく、発光ユニットの発光層で表示する色および充填層の発光体で表示する色を組み合わせて白色光を発光することができれば、多様に色を組み合わせることが可能である。
【0059】
前記のように、二つ以上の発光ユニットを積層してこれらの発光ユニットで表示する色および発光体で表示する色を組み合せることによって、発光層を順次に積層して白色を表示するのに比べて安定した白色を実現することができる。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0061】
10 基板
20 下部電極
30 第1発光ユニット
35 発光部材
40 電荷生成層
50 第2発光ユニット
60 上部電極
70 封止用充填層
71 充填材
72 発光体
72R 赤色発光体
72G 緑色発光体
80 封止基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、表示装置および照明装置として有機発光装置(organic light emitting diode device、OLED device)が注目されている。
【0003】
有機発光装置は、二つの電極およびその間に位置する発光層を含み、一つの電極から注入された電子(electron)および他の電極から注入された正孔(hole)が発光層で結合して励起子(exciton)を形成し、励起子がエネルギーを放出して発光する。
【0004】
有機発光装置は、自己発光型で別途の光源が不要であるため、消費電力の側面で有利であるだけでなく、応答速度、視野角、およびコントラスト比(contrast ratio)も優れている。
【0005】
一方、有機発光装置は、画素ごとに赤色サブ画素、青色サブ画素、および緑色サブ画素などの複数のサブ画素を含み、これらのサブ画素を組み合わせてフルカラー(full color)を表現することができる。
【0006】
この時、赤色サブ画素、青色サブ画素、および緑色サブ画素は、各々赤色発光層、青色発光層、および緑色発光層を含むことによって色を表現することができる。このような発光層は、微細シャドーマスク(fine shadow mask)を使用してサブ画素別に蒸着することができる。しかし、表示装置が大面積化されることにより、微細シャドーマスクを使用してサブ画素ごとに発光層を蒸着するには限界がある。
【0007】
そのため、表示装置全体に赤色発光層、青色発光層、および緑色発光層を順次に積層して白色発光し、発光した光が通過する位置に色フィルターを配置して、サブ画素別に赤色、緑色、および青色を表現する技術が提案された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、このような白色発光の場合、各発光層の特性によって色特性および効率が異なることがあり、安定性が低下することがある。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、色特性が優れていて、効率の高い白色発光が可能な、新規かつ改良された有機発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1電極と、前記第1電極上に位置し、同一または互いに異なる色を表示する少なくとも二つの発光ユニットを含む発光部材と、前記発光部材上に位置する第2電極と、前記第2電極上に位置し、少なくとも一つの色を表示する発光体を含む封止用充填層と、を含む、有機発光装置が提供される。
【0011】
前記少なくとも二つの発光ユニットで表示する色および前記発光体で表示する色を組み合わせて白色を表示することができる。
【0012】
前記発光ユニットは前記発光体で表示する色より短波長領域の色を表示することができる。
【0013】
前記発光ユニットは青色を表示し、前記発光体は緑色、赤色、またはこれらの組み合わせを表示することができる。
【0014】
前記発光ユニットは、同一の色を表示する第1発光ユニットおよび第2発光ユニットを含み、前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットは各々青色を表示し、前記発光体は緑色を表示する発光体および赤色を表示する発光体を含むことができる。
【0015】
前記発光ユニットは、互いに異なる色を表示する第1発光ユニットおよび第2発光ユニットを含み、前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットのうちの少なくとも一つは、前記発光体で表示する色より短波長領域の色を表示することができる。
【0016】
前記第1発光ユニットは、青色および赤色のうちのいずれか一方の色を表示し、前記第2発光ユニットは、他方の色を表示し、前記発光体は緑色を表示することができる。
【0017】
前記第1発光ユニットは、青色および緑色のうちのいずれか一方の色を表示し、前記第2発光ユニットは、他方の色を表示し、前記発光体は赤色を表示することができる。
【0018】
前記発光部材は、隣接する前記発光ユニットの間に位置する電荷生成層を含むことができる。
【0019】
前記第2電極は透明電極であることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、色特性および効率を改善して、安定した白色を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態による有機発光装置を概略的に示した断面図である。
【図2】具現例による有機発光装置を示した断面図である。
【図3】具現例による有機発光装置を示した断面図である。
【図4】具現例による有機発光装置を示した断面図である。
【図5】具現例による有機発光装置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
図面では、各種層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。層、膜、領域、板などの部分がある部分の「上に」あるとする時、これはある部分の「すぐ上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「すぐ上に」あるとする時、これはその中間に他の部分がないことを意味する。
【0024】
以下、本発明の一実施形態による有機発光装置について、図1を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態による有機発光装置を概略的に示した断面図である。
【0025】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による有機発光装置は、基板10、下部電極20、下部電極20上に位置する発光部材35、発光部材35上に位置する上部電極60、上部電極60上に位置する封止用充填層70、および封止用充填層70上に位置する封止基板80を含む。
【0026】
基板10は、例えばガラスまたは高分子から形成される。
【0027】
下部電極20は、アノード(anode)またはカソード(cathode)であり、透明導電体または不透明導電体から形成される。透明導電体は、例えばITO、IZO、またはこれらの組み合わせであり、不透明導電体は、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、またはこれらの組み合わせである。
【0028】
発光部材35は、第1発光ユニット30、第2発光ユニット50、および第1発光ユニット30と第2発光ユニット50との間に位置する電荷生成層40を含む。しかし、必ずしもこれに限定されるのではなく、三つ以上の発光ユニットを含むこともでき、この場合には、隣接する発光ユニットの間には電荷生成層が形成される。
【0029】
第1発光ユニット30および第2発光ユニット50は、同一または互いに異なる色を表示することができる。第1発光ユニット30および第2発光ユニット50で表示する色は、後述する発光体で表示する色と組み合わせて白色を表示することができる。
【0030】
第1発光ユニット30は、色を表示する発光層32、および発光層32の下部および上部に位置する補助層31、33を含む。下部電極20が例えばアノードである場合には、補助層31は正孔注入層および正孔伝達層から選択された少なくとも一つであり、補助層33は電子注入層および電子伝達層から選択された少なくとも一つである。しかし、補助層31、33のうちの少なくとも一つは省略することができる。
【0031】
第2発光ユニット50も、また、色を表示する発光層52、及び発光層52の下部および上部に位置する補助層51、53を含む。上部電極60が例えばカソードである場合には、補助層51は正孔注入層および正孔伝達層から選択された少なくとも一つであり、補助層53は電子注入層および電子伝達層から選択された少なくとも一つである。しかし、補助層51、53のうちの少なくとも一つは省略することができる。
【0032】
電荷生成層40は、電子-正孔の対を生成することができる層であって、ここで生成された正孔は一側の発光ユニットに伝達され、電子は他側の発光ユニットに伝達される。例えば、下部電極20がアノードであり、上部電極60がカソードである場合、電荷生成層40で生成された電子は第1発光ユニット30に移動し、正孔は第2発光ユニット50に移動することができる。
【0033】
このように、第1発光ユニット30と第2発光ユニット50との間に電荷生成層40が形成されることによって、電流効率を向上させて、素子の寿命を改善することができる。
【0034】
発光部材35上には上部電極60が形成されている。上部電極60は透過電極であり、これにより発光部材35から放出される光を上部電極60を通じて上部に排出することができる。上部電極60は、例えばITOまたはIZOなどの導電性酸化物から形成されたり、アルミニウム(Al)または銀(Ag)などを薄い厚さに形成することができる。
【0035】
上部電極60上には封止用充填層70が形成されている。封止用充填層70は、充填材71および発光体72を含む。
【0036】
充填材71は、無機充填材、有機充填材、またはこれらの組み合わせである。
【0037】
発光体72は、光によって刺激されて自らの固有の波長範囲の光を発光する光発光物質を含み、例えば蛍光体、半導体ナノ結晶などの量子点、またはこれらの組み合わせである。
【0038】
蛍光体は、例えば青色蛍光体、緑色蛍光体、または赤色蛍光体であり、二種類以上が混合されて構成されてもよい。
【0039】
半導体ナノ結晶は特に制限されず、例えばII-VI族半導体化合物、II-V族半導体化合物、III-VI族半導体化合物、III-V族半導体化合物、IV-VI族半導体化合物、II-III-VI族化合物、II-IV-VI族化合物、II-IV-V族化合物、およびこれらの合金、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものである。
【0040】
この時、発光体72で表示する色は、第1発光ユニット30および第2発光ユニット50で表示する色と組み合わせて白色を表示することができる。また、第1発光ユニット30および第2発光ユニット50のうちの少なくとも一つは、発光体72で表示する色より短波長領域の色を表示することができる。
【0041】
封止用充填層70上には封止基板80が形成されている。封止基板80は、ガラス、金属、または高分子膜などから形成され、発光部材35を密封して、外部から流入する水分および酸素を遮断することができる。
【0042】
これについて、図2〜図5を図1と共に参照して説明する。
図2〜図5は具現例による有機発光装置を示した断面図である。
【0043】
図2〜図5において、図1と同一な符号は同一な構成要素を示す。以下では、発光部材35および封止用充填層70を中心に説明するが、図1と重複する説明は省略する。
【0044】
図2を参照すれば、一具現例による有機発光装置において、第1発光ユニット30および第2発光ユニット50は各々青色発光ユニットであり、封止用充填層70は赤色発光体72Rを含む。しかし、必ずしも赤色発光体に限定されるのではなく、青色より長い波長領域の色を表示する発光体であれば同一に適用することができる。
【0045】
具体的に、第1発光ユニット30は、青色発光層32B、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層31B、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層33Bを含む。
【0046】
第2発光ユニット50は、青色発光層52B、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層51B、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層53Bを含む。
【0047】
赤色発光体72Rは、青色発光層32B、52Bから放出された光によって刺激されて固有の色を表示することができ、赤色発光体72Rおよび青色発光層32B、52Bで表示する色を組み合わせて白色を表示することができる。
【0048】
図3を参照すれば、他の具現例による有機発光装置において、第1発光ユニット30および第2発光ユニット50は各々青色発光ユニットであり、封止用充填層70は赤色発光体72R及び緑色発光体72Gを含む。しかし、必ずしも赤色発光体および緑色発光体に限定されるのではなく、青色より長い波長領域の色を表示する発光体が二種類以上含まれていれば同一に適用することができる。
【0049】
赤色発光体72R及び緑色発光体72Gは、青色発光層32B、52Bから放出された光によって刺激されて固有の色を表示することができ、赤色発光体72R、緑色発光層72G、および青色発光層32B、52Bで表示する色を組み合わせて白色を表示することができる。
【0050】
図4を参照すれば、また他の具現例による有機発光装置において、第1発光ユニット30は青色発光ユニットであり、第2発光ユニット50は赤色発光ユニットであり、封止用充填層70は緑色発光体72Gを含む。
【0051】
具体的に、第1発光ユニット30は、青色発光層32B、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層31B、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層33Bを含む。
【0052】
第2発光ユニット50は、赤色発光層52R、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層51R、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層53Rを含む。
【0053】
緑色発光体72Gは、青色発光層32Bから放出された光によって刺激されて固有の色を表示することができ、青色発光層32B、赤色発光層52R、および緑色発光体72Gで表示する色を組み合わせて白色を表示することができる。
【0054】
図5を参照すれば、また他の具現例による有機発光装置において、第1発光ユニット30は青色発光ユニットであり、第2発光ユニット50は緑色発光ユニットであり、封止用充填層70は赤色発光体72Rを含む。
【0055】
具体的に、第1発光ユニット30は、青色発光層32B、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層31B、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層33Bを含む。
【0056】
第2発光ユニット50は、緑色発光層52G、正孔輸送層および正孔注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層51G、そして電子輸送層および電子注入層の中から選択された少なくとも一つを含む補助層53Gを含む。
【0057】
赤色発光体72Rは、青色発光層32Bおよび緑色発光層52Gから放出された光によって刺激されて固有の色を表示することができ、青色発光層32B、緑色発光層52G、および赤色発光体72Rで表示する色を組み合わせて白色を表示することができる。
【0058】
前記では、説明の便宜上、赤色、緑色、および青色を中心に例示したが、必ずしもこれに限定されるのではなく、発光ユニットの発光層で表示する色および充填層の発光体で表示する色を組み合わせて白色光を発光することができれば、多様に色を組み合わせることが可能である。
【0059】
前記のように、二つ以上の発光ユニットを積層してこれらの発光ユニットで表示する色および発光体で表示する色を組み合せることによって、発光層を順次に積層して白色を表示するのに比べて安定した白色を実現することができる。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0061】
10 基板
20 下部電極
30 第1発光ユニット
35 発光部材
40 電荷生成層
50 第2発光ユニット
60 上部電極
70 封止用充填層
71 充填材
72 発光体
72R 赤色発光体
72G 緑色発光体
80 封止基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極上に位置し、同一または互いに異なる色を表示する少なくとも二つの発光ユニットを含む発光部材と、
前記発光部材上に位置する第2電極と、
前記第2電極上に位置し、少なくとも一つの色を表示する発光体を含む封止用充填層と、を含む、有機発光装置。
【請求項2】
前記少なくとも二つの発光ユニットで表示する色および前記発光体で表示する色を組み合わせて白色を表示する、請求項1に記載の有機発光装置。
【請求項3】
前記発光ユニットは前記発光体で表示する色より短波長領域の色を表示する、請求項2に記載の有機発光装置。
【請求項4】
前記発光ユニットは青色を表示し、
前記発光体は緑色、赤色、またはこれらの組み合わせを表示する、請求項3に記載の有機発光装置。
【請求項5】
前記発光ユニットは、同一の色を表示する第1発光ユニットおよび第2発光ユニットを含み、
前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットは各々青色を表示し、
前記発光体は緑色を表示する発光体および赤色を表示する発光体を含む、請求項3に記載の有機発光装置。
【請求項6】
前記発光ユニットは、互いに異なる色を表示する第1発光ユニットおよび第2発光ユニットを含み、
前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットのうちの少なくとも一つは、前記発光体で表示する色より短波長領域の色を表示する、請求項2に記載の有機発光装置。
【請求項7】
前記第1発光ユニットは、青色および赤色のうちのいずれか一方の色を表示し、前記第2発光ユニットは、他方の色を表示し、前記発光体は緑色を表示する、請求項6に記載の有機発光装置。
【請求項8】
前記第1発光ユニットは、青色および緑色のうちのいずれか一方の色を表示し、前記第2発光ユニットは、他方の色を表示し、前記発光体は赤色を表示する、請求項6に記載の有機発光装置。
【請求項9】
前記発光部材は、隣接する前記発光ユニットの間に位置する電荷生成層を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機発光装置。
【請求項10】
前記第2電極は透明電極である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機発光装置。
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極上に位置し、同一または互いに異なる色を表示する少なくとも二つの発光ユニットを含む発光部材と、
前記発光部材上に位置する第2電極と、
前記第2電極上に位置し、少なくとも一つの色を表示する発光体を含む封止用充填層と、を含む、有機発光装置。
【請求項2】
前記少なくとも二つの発光ユニットで表示する色および前記発光体で表示する色を組み合わせて白色を表示する、請求項1に記載の有機発光装置。
【請求項3】
前記発光ユニットは前記発光体で表示する色より短波長領域の色を表示する、請求項2に記載の有機発光装置。
【請求項4】
前記発光ユニットは青色を表示し、
前記発光体は緑色、赤色、またはこれらの組み合わせを表示する、請求項3に記載の有機発光装置。
【請求項5】
前記発光ユニットは、同一の色を表示する第1発光ユニットおよび第2発光ユニットを含み、
前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットは各々青色を表示し、
前記発光体は緑色を表示する発光体および赤色を表示する発光体を含む、請求項3に記載の有機発光装置。
【請求項6】
前記発光ユニットは、互いに異なる色を表示する第1発光ユニットおよび第2発光ユニットを含み、
前記第1発光ユニットおよび前記第2発光ユニットのうちの少なくとも一つは、前記発光体で表示する色より短波長領域の色を表示する、請求項2に記載の有機発光装置。
【請求項7】
前記第1発光ユニットは、青色および赤色のうちのいずれか一方の色を表示し、前記第2発光ユニットは、他方の色を表示し、前記発光体は緑色を表示する、請求項6に記載の有機発光装置。
【請求項8】
前記第1発光ユニットは、青色および緑色のうちのいずれか一方の色を表示し、前記第2発光ユニットは、他方の色を表示し、前記発光体は赤色を表示する、請求項6に記載の有機発光装置。
【請求項9】
前記発光部材は、隣接する前記発光ユニットの間に位置する電荷生成層を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機発光装置。
【請求項10】
前記第2電極は透明電極である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2011−165646(P2011−165646A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180326(P2010−180326)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
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