説明

有機蒸着材料製造方法及び有機蒸着材料製造システム

【課題】複数の有機蒸着材料を一定の比率で含む蒸着材料粒子を得る技術を提供する。
【解決手段】本発明では、第1及び第2の有機蒸着原料をそれぞれ真空中で加熱して不純物を分離除去して純化し(プロセスP1a、プロセスP1b)、この純化された第1及び第2の有機蒸着原料を溶剤に分散させて原料分散液を調製し(プロセスP2)、さらに、この原料分散液を真空中で凍結乾燥させて粒子状に形成する(プロセスP3)。本発明は、有機EL素子の有機膜を形成するためのホスト材料とドーパント材料の造粒に好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機膜用の蒸着材料を形成する技術に関し、特に、有機EL素子の有機膜用の蒸着材料を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機EL素子等の有機膜を形成する際には、真空槽に基板を配置し、真空蒸着によって有機蒸着材料を基板上に堆積させるようにしている。
ところで、有機EL素子等の有機膜を形成するためには、ホスト材料とドーパント材料とを同時に蒸発させて基板上に一定の比率で混合させて堆積させる必要がある。
しかし、一般に、この種のホスト材料とドーパント材料は蒸発温度が異なるため、ホスト材料とドーパント材料の蒸発速度をそれぞれ一定に制御することは困難である。
このため、従来は、所定の比率のホスト材料とドーパント材料を機械的に粉砕し粉体にして混合し、この混合された蒸着材料を加熱して蒸着させる試み等も行われているが、かかる混合粉体状の蒸着材料は成分の偏り等が生ずることがあり、その改善が望まれている。
なお、本発明に関連する技術としては、特許文献1〜3に記載されたようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−4001号公報
【特許文献2】特開平6−184609号公報
【特許文献3】特開平9−309725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、複数の有機蒸着材料を一定の比率で含む蒸着材料粒子を得る技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明は、複数の有機蒸着原料をそれぞれ真空中で加熱し、不純物を分離除去して純化する原料純化工程と、当該純化された複数の有機蒸着原料を溶剤に分散させて原料分散液を得る原料分散工程と、前記原料分散液を真空中で凍結乾燥させて粒子状に形成する造粒工程とを有する有機蒸着材料製造方法である。
本発明では、前記造粒工程が、前記原料分散液を真空中で噴霧させて凍結乾燥させる工程を含む場合にも効果的である。
本発明では、前記造粒工程が、前記原料分散液を真空中で所定形状の造粒空間内に充填して凍結乾燥させる工程を含む場合にも効果的である。
本発明では、前記複数の有機蒸着原料が、有機EL素子の有機膜を形成するためのホスト材料とドーパント材料を含む場合にも効果的である。
一方、本発明は、複数の有機蒸着原料をそれぞれ真空中で加熱し、不純物を分離除去して純化する複数の原料純化装置と、当該純化された複数の有機蒸着原料を溶剤に分散させる原料分散装置と、前記原料分散装置にて得られた原料分散液を真空中で凍結乾燥させて粒子状に形成する造粒装置とを有する有機蒸着材料製造システムである。
本発明では、前記造粒装置が、真空処理槽と、前記原料分散液を前記真空処理槽内の収集部に向って噴霧させる噴霧手段と、前記真空処理槽内に設けられた冷却手段と、前記収集部を加熱するためのヒータとを有する場合にも効果的である。
本発明では、前記造粒装置が、真空処理槽と、前記真空処理槽内に設けられ所定形状の造粒空間を有する造粒手段と、前記造粒手段を冷却する冷却手段と、前記造粒手段を加熱するためのヒータとを有する場合にも効果的である。
【0006】
本発明の場合、複数の有機蒸着原料をそれぞれ真空中で加熱して不純物を分離除去して純化し、この純化された複数の有機蒸着原料を溶剤に分散させて原料分散液を調製し、さらに、この原料分散液を真空中で凍結乾燥させて粒子状に形成するようにしたことから、複数の例えば異なる有機蒸着材料を一定比率で含む蒸着材料粒子を得ることができる。その結果、本発明によれば、均質な有機蒸着膜を容易に形成することができる。
本発明において、造粒工程が、原料分散液を真空中で噴霧させて凍結乾燥させる工程を含む場合には、噴霧時に原料分散液の液滴の径を一定にすることができるので、粒子径が均一な有機蒸着材料粒子を得ることができる。また、本発明によれば、噴霧時の原料分散液の液滴の径を変化させることにより、種々の大きさの蒸着材料粒子を得ることができる。
本発明において、造粒工程が、原料分散液を真空中で所定形状の造粒空間内に充填して凍結乾燥させる工程を含む場合には、所望の形状の均一径の有機蒸着材料粒子を得ることができる。また、本発明によれば、より大きな有機蒸着材料粒子を得ることができる。
本発明において、複数の有機蒸着原料が、有機EL素子の有機膜を形成するためのホスト材料とドーパント材料を含む場合には、ホスト材料とドーパント材料の比率が一定の有機蒸着材料粒子が得られ、これにより均質な有機EL素子の有機膜を容易に形成することができる。
一方、本発明の有機蒸着材料製造システムによれば、異なる有機蒸着材料を一定比率で含む蒸着材料粒子を量産することが可能になる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば有機蒸着材料を一定比率で含む蒸着材料粒子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態の方法及びシステムの概略を示す流れ図
【図2】本発明の原料純化工程を行うための原料純化装置を示す概略構成図
【図3】本実施の形態における原料分散装置の構成及び原料分散工程を模式的に示す説明図
【図4】本実施の形態における造粒装置及び造粒工程を模式的に示す説明図
【図5】本発明の他の実施の形態の方法及びシステムの概略を示す流れ図
【図6】同実施の形態における造粒装置の構成及び造粒工程を模式的に示す説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の方法及びシステムの概略を示す流れ図である。
図1に示すように、本実施の形態では、第1及び第2の有機蒸着原料をそれぞれ真空中で加熱し、不純物を分離除去して純化する原料純化工程P1a、P1bを有している。この原料純化工程は、後述する原料純化装置10によって行う。
【0010】
本実施の形態においては、第1の有機蒸着原料として、有機EL素子の有機膜を形成するためのホスト材料であり、第2の有機蒸着原料が同ドーパント材料である場合を例にとって説明する。
図2は、本発明の原料純化工程を行うための原料純化装置を示す概略構成図である。本実施の形態のシステムでは、以下に説明する原料純化装置が2つ用いられる。
図2に示すように、原料純化装置10は、有機蒸着原料を加熱して加熱させるための加熱槽11と、連結部12と、分離排気槽13とを有し、これら加熱槽11、連結部12及び分離排気槽13は、図示しないゲートバルブを介してこの順で接続されている。
加熱槽11内の下部には、加熱用のヒータ14を有するサセプタ15が配置され、このサセプタ15上には、第1又は第2の有機蒸着原料(ホスト材料又はドーパント材料)61(62)を収容するための容器16が配置されている。
一方、連結部12内には、加熱槽11内において加熱された有機蒸着原料から蒸発した不純物のうち、分子量の小さい不純物を通過させるための通路12aが設けられている。
また、分離排気槽13は真空ポンプ17が接続され、分離排気槽13内には、液体窒素トラップ18が設けられている。
【0011】
このような構成を有する本実施の形態において例えば第1の有機蒸着原料61の原料純化工程(図1のプロセスP1a)を行う場合には、真空ポンプ17を動作させて真空排気を行い、加熱槽11の内部の雰囲気を、例えば、0.1〜500Pa程度の圧力に設定する。
そして、この状態でヒータ14を駆動して、例えば第1の有機蒸着原料(ホスト材料)61を、蒸発温度に対応する所定の温度で加熱する。
これにより、第1の有機蒸着原料61から、不純物成分が蒸発(放出)され、連結部12の通路12aを介して分離排気槽13に導入される。
このプロセスP1aの際、不純物成分のうち分子量が比較的大きい分子が連結部12の通路12a内部に滞留し、これより分子量の小さい不純物成分が分離排気槽13に導入される。
分離排気槽13内においては、上述の分子量の小さい不純物成分が液体窒素トラップ18にトラップされ、不純物成分の一部は真空排気によって分離排気槽13の外部に排出される。
他方、第2の有機蒸着原料62についても、上記プロセスP1bと並行して同様の原料純化工程(プロセスP1b)を行う。
この場合、例えばドーパント材料のように、ホスト材料より蒸発温度が低い材料を用いる場合には、蒸発温度に対応する所定の温度で加熱するとよい。
【0012】
次に、原料分散工程である図1のプロセスP2を説明する。
図3は、本実施の形態における原料分散装置の構成及び原料分散工程を模式的示す説明図である。
図3に示すように、この原料分散装置20は、攪拌機21を備えた攪拌槽22を有している。ここで、攪拌機21は攪拌槽22の上部にモータ23が取り付けられ、このモータ23の回転軸24の先(下)端部に攪拌翼25が取り付けられている。また、攪拌槽22の下部には、バルブ26を有する排出管27が設けられている。
【0013】
本実施の形態では、攪拌槽22内に、溶剤60と、上述した純化済の第1及び第2の有機蒸着原料61、62を入れ、攪拌機21によって第1及び第2の有機蒸着原料61、62を溶剤60中に分散させる。そして、排出管27を介して原料分散液63を後述する造粒装置30に送り出す。
本発明の場合、溶剤60の種類は特に限定されることはないが、有機EL素子の有機膜形成用のホスト材料とドーパント材料を分散させる場合には、各材料の劣化を回避する観点から、水分を含有しない溶剤(例えば、トルエン、キシレン)を用いることが好ましい。
【0014】
また、第1及び第2の有機蒸着原料61、62の配合比は材料の種類にもよるが、有機EL素子の有機膜形成用のホスト材料とドーパント材料を分散させる場合には、蒸着時の配合比と同等の配合比(例えば、ホスト材料:ドーパント材料=10重量%:1重量%程度)とするとよい。
なお、上述した原料分散工程(プロセスP2)は、常温で行う。
【0015】
次に、造粒工程である図1のプロセスP3を説明する。
図4は、本実施の形態における造粒装置及び造粒工程を模式的に示す説明図である。
図4に示すように、本実施の形態の造粒装置30は、上述した原料分散装置20の排出管27に接続された導入管31を有する真空処理槽32を備えている。なお、本実施の形態では、真空ポンプ34によって真空処理槽32の上部から真空排気を行うように構成されている。
本実施の形態の導入管31は、真空処理槽32の上部から原料分散液63を真空処理槽32内に導入するように構成され、この導入管31の先(下)端部には、シャワーノズル33が設けられている。ここで、シャワーノズル33は、真空処理槽32内の下方に向って原料分散液63を噴霧するように構成されている。
【0016】
一方、真空処理槽32内の下部には、加熱用のヒータ35を有するサセプタ36が配置されている。このサセプタ36上には、シャワーノズル33から噴霧された原料分散液63の粒子63aを収集するための収集容器37が配置されている。
また、真空処理槽32内の上部で、シャワーノズル33の近傍には、コールドトラップ38が配置されている。
【0017】
このような構成において、本実施の形態では、真空処理槽32内の圧力を例えば10Pa程度となるように真空排気し、コールドトラップ38を駆動させて真空処理槽32内の雰囲気温度を−40℃程度に保持した状態で、シャワーノズル33から所定量の原料分散液63を噴霧する。
この噴霧された原料分散液63の液滴は、瞬時に表層部分が凍結し、第1及び第2の有機蒸着原料61、62を所定の配合比含有し、粒子形状を保持した状態で落下する。そして、この原料分散液63の粒子63aは、表層部分が凍結した状態で収集容器37内に収容される。
その後、例えば所定量の原料分散液63の粒子63aが収集容器37内に収容された時点で、原料分散液63の噴霧及びコールドトラップ38の駆動を停止し、ヒータ35によって原料分散液63の粒子63aの加熱を行う(例えば温度100℃程度)。
これにより、原料分散液63の粒子63aの内部の液状部分(溶剤60)が蒸発され、目的とする乾燥した有機蒸着材料の粒子を得る。
このような工程を経て得られた有機蒸着材料の粒子は、例えば、窒素(N2)ガス雰囲気を満たしたグローブボックス(図示せず)内で収集等の作業を行い、その後、大気に曝すことなく、有機EL素子の有機膜形成用の蒸発材料として用いることができる。
【0018】
以上述べた本実施の形態の場合、第1及び第2の有機蒸着原料61、62をそれぞれ真空中で加熱して不純物を分離除去して純化し(プロセスP1a、プロセスP1b)、この純化された第1及び第2の有機蒸着原料61、62を溶剤60に分散させて原料分散液63を調製し(プロセスP2)、さらに、この原料分散液63を真空中で凍結乾燥させて粒子状に形成する(プロセスP3)ようにしたことから、第1及び第2の有機蒸着材料61、62を一定比率で含む蒸着材料粒子を得ることができる。
【0019】
特に、本実施の形態では、造粒工程において、原料分散液63を真空中で噴霧させて凍結乾燥させることから、噴霧時に原料分散液63の液滴の径を一定にすることができ、これにより、粒子径が均一な有機蒸着材料粒子を得ることができる。また、噴霧時の原料分散液63の液滴の径を変化させることにより、種々の大きさの蒸着材料粒子を得ることができる。
【0020】
本実施の形態において、第1及び第2の有機蒸着原料61、62が、有機EL素子の有機膜を形成するためのホスト材料とドーパント材料である場合には、ホスト材料とドーパント材料の比率が一定の有機蒸着材料粒子が得られ、これにより均質な有機EL素子の有機膜を容易に形成することができる。
図5及び図6は、本発明の他の実施の形態を示すもので、以下、上述した実施の形態と対応する部分には共通の符号を付しその詳細な説明を省略する。
図5は、本発明の他の実施の形態の方法及びシステムの概略を示す流れ図、図6(a)(b)は、同実施の形態における造粒装置の構成及び造粒工程を模式的示す説明図である。
図5に示すように、本実施の形態では、上記実施の形態による原料分散液63の噴霧による凍結乾燥に代えて、所定形状の造粒空間に原料分散液を充填させて凍結乾燥を行い粒子を形成するものである。
図6(a)(b)に示すように、本実施の形態の造粒装置40は、上述した原料分散装置20の排出管27に接続された導入管41を有する真空処理槽42を備えている。なお、本実施の形態においても、真空ポンプ44によって真空処理槽42の上部から真空排気を行うように構成されている。
本実施の形態の導入管41は、真空処理槽42の上部から原料分散液63を真空処理槽42内に導入するように構成され、この導入管41の先(下)端部には、シャワープレート43が設けられている。ここで、シャワープレート43は、真空処理槽42内の下方に向って原料分散液63を液状で滴下するように構成されている。
一方、真空処理槽42内の下部には、加熱用のヒータ45を有するサセプタ46が配置されている。このサセプタ46上には、造粒器保持機構47が設けられ、この造粒器保持機構47内に造粒器50が配置され保持されるように構成されている。
この造粒器保持機構47は、例えばステンレス等の金属からなり、例えば冷却手段49から送られる冷媒(図示せず)を循環させることによって例えば本体底部分を冷却するように構成されている。
また、造粒器50は、それぞれステンレス等の金属からなる基部51と蓋部52から構成され、基部51と蓋部52を密着させた状態で例えば球状の造粒空間53が複数形成されるようになっている。
さらに、造粒器50の蓋部52の表面には、各造粒空間53に連通する分散液導入口54が設けられている。
【0021】
このような構成において、本実施の形態では、真空処理槽42内の圧力を例えば10Pa程度となるように真空排気し、シャワープレート43から所定量の原料分散液63を滴下する。
これにより、図6(b)に示すように、原料分散液63は、分散液導入口54を介して造粒器50の各造粒空間53内に注入され充填される。
そして、冷却手段49を駆動させて造粒器50の温度を−40℃程度に冷却することにより、造粒器50の各造粒空間53内の原料分散液63を真空凍結させる。
【0022】
その後、例えば各造粒空間53内の原料分散液63の凍結が終了した時点で、冷却手段49の駆動を停止し、ヒータ45によって各造粒空間53内の氷状の原料分散液63を加熱する(例えば温度100℃程度)。
これにより、造粒器50の各造粒空間53内の液状部分(特に溶剤60)が蒸発され、目的とする乾燥した有機蒸着材料の粒子を得る。
このような工程を経て得られた有機蒸着材料の粒子は、上記実施の形態の場合と同様に、例えば、窒素(N2)ガス雰囲気を満たしたグローブボックス(図示せず)内で収集等の作業を行い、その後、大気に曝すことなく、有機EL素子の有機膜形成用の蒸発材料として用いることができる。
【0023】
以上述べた本実施の形態によれば、第1及び第2の有機蒸着原料61、62を一定比率で含む蒸着材料粒子が得られることに加え、原料分散液63を真空中で所定形状の造粒空間53内に充填して凍結乾燥させて造粒することから、所望の形状の均一径の有機蒸着材料粒子を得ることができ、また、上記実施の形態より大きな有機蒸着材料粒子を得ることができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、上述の実施の形態においては、二つの有機蒸着材料を用いる場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られず、三つ以上の有機蒸着材料を用いる場合にも適用することができる。
また、複数の有機蒸着材料としては、化学構造的に異なる材料はもちろん、化学構造的には同一の材料であっても、物性の異なる材料を用いる場合にも適用することができる。
【0024】
さらに、本発明は有機EL素子の有機膜を形成するための蒸着材料以外にも、種々の有機膜を形成する場合に適用することができる。
ただし、本発明は、有機EL素子の有機膜、特にホスト材料とドーパント材料を用いる場合に、均質な膜質が可能になる点で最も効果があるものである。
【符号の説明】
【0025】
10…原料純化装置、20…原料分散装置、30…造粒装置、60…溶剤、61…第1の有機蒸着原料、62…第2の有機蒸着原料、63…原料分散液、63a…原料分散液の粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の有機蒸着原料をそれぞれ真空中で加熱し、不純物を分離除去して純化する原料純化工程と、
当該純化された複数の有機蒸着原料を溶剤に分散させて原料分散液を得る原料分散工程と、
前記原料分散液を真空中で凍結乾燥させて粒子状に形成する造粒工程とを有する有機蒸着材料製造方法。
【請求項2】
前記造粒工程が、前記原料分散液を真空中で噴霧させて凍結乾燥させる工程を含む請求項1記載の有機蒸着材料製造方法。
【請求項3】
前記造粒工程が、前記原料分散液を真空中で所定形状の造粒空間内に充填して凍結乾燥させる工程を含む有機蒸着材料製造方法。
【請求項4】
前記複数の有機蒸着原料が、有機EL素子の有機膜を形成するためのホスト材料とドーパント材料を含む請求項1乃至3のいずれか1項記載の有機蒸着材料製造方法。
【請求項5】
複数の有機蒸着原料をそれぞれ真空中で加熱し、不純物を分離除去して純化する複数の原料純化装置と、
当該純化された複数の有機蒸着原料を溶剤に分散させる原料分散装置と、
前記原料分散装置にて得られた原料分散液を真空中で凍結乾燥させて粒子状に形成する造粒装置とを有する有機蒸着材料製造システム。
【請求項6】
前記造粒装置が、真空処理槽と、前記原料分散液を前記真空処理槽内の収集部に向って噴霧させる噴霧手段と、前記真空処理槽内に設けられた冷却手段と、前記収集部を加熱するためのヒータとを有する請求項5記載の有機蒸着材料製造システム。
【請求項7】
前記造粒装置が、真空処理槽と、前記真空処理槽内に設けられ所定形状の造粒空間を有する造粒手段と、前記造粒手段を冷却する冷却手段と、前記造粒手段を加熱するためのヒータとを有する請求項5記載の有機蒸着材料製造システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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