説明

有機酸の回収

塩のカチオンが不溶性炭酸塩を形成する希釈された塩溶液から有機酸を回収する方法を開示する。アミンおよびCOを該溶液に導入し、不溶性炭酸塩、および酸とアミンとの間の複合体を形成する。アミンは選択的に溶解される一報で、容易には酸を溶解しない非水混和性溶剤の存在下で、酸/アミン複合体の熱解離、即ち「クラッキング」が行われる。次に、蒸留、反応蒸留、抽出又は反応抽出等の任意の適切な手段によって、有機酸が水から回収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵ブロス等の希釈された塩溶液から有機酸を回収する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発酵による酢酸、乳酸などの有機酸の生成においては、通常、pHが大幅に低くなり、発酵生物が阻害されないように、発酵が進むに従いそれを中和することが求められる。多くの発酵は、中性pH付近で最適に操作される。pH調整は、普通、NaOHまたはCa(OH)等の塩基を発酵槽に添加することによって行われる。このことは、発酵生成物は、酢酸ナトリウムまたは酢酸カルシウム等の希釈された有機酸の塩であり、それ自体遊離酸ではないことを意味する。従って、遊離酸の回収が望まれる場合、塩を酸に変換し直し、希釈されたブロス水溶液から該酸を分離する必要がある。
【0003】
この問題に対処するため、多くの方法が提案されている。最も簡易な方法の中でも、有機酸塩を含むブロスに硫酸等の強鉱酸を添加することが挙げられる。硫酸は有機酸よりも非常に強い酸であるため、実質的に、全ての有機酸塩を遊離酸に変換するようにイオン平衡をシフトする。しかしながら、該強酸自体が同時に塩に変換されてしまう。該塩が有益でない場合は廃棄すればよいが、塩の副生物は、有機酸と等モル量で生成されるため、多くの場合、経済的および環境的な負荷になる。
【0004】
他の方法として、希釈された塩溶液から有機酸を回収することが提案されている。より関心のあるものの一つに、アミンを使用して、アルカリ金属塩を有機塩に変換することがある。例えば、Urbas、米国特許第4,405,717号(該特許は、参照により、その全体を本明細書に組み込む)は、トリブチルアミン(TBA)およびCOを使用して、希釈されたカルシウム塩を、不溶性CaCO、およびTBAと酢酸との水溶性有機複合体に、高い収率で変換することを記載する。Urbasは、TBA酸複合体を希釈された水溶液から抽出し、次いで回収した有機複合体を濃縮および「クラッキング」、または熱分解して、TBAおよび酢酸を再生することを示唆する。しかしながら、濃縮複合体を熱クラッキングすることにより、四級塩および「タール類」等の難処理性TBA副生物が生成される。続発するTBAの損失は、操業上のおよび経済的な負担となる。
【0005】
Verserら(米国特許公開公報第2005/0256337号)(該公報は、参照により、その全体を本明細書に組み込む)は、抽出液から直接エステルを形成して、抽出されたTBA酸複合体から酸を回収することを記載する。
【0006】
アミン複合体の抽出および再生方法は、数多く提案されている。Kingら、米国特許第5,412,126号、およびBaniel、米国特許第4,275,234号は、抽出および再生方法を記載する。Kogaら、米国特許第4,353,784号では、Kingと同様に、高沸点第三アミンで抽出し、酸を蒸留する。Wiseら、米国特許第5,068,188号では、アミンで抽出し、石灰石で逆抽出し、アルカリ土塁酢酸塩を形成するが、ここでは、遊離酸を再生しない。Thomasら、米国特許公開公報第2006/0024801A1号では、低分子量のアミンで酸性化し、蒸発により濃縮し、蒸留カラム中で低分子量アミンを高分子量アミンに置換して、高分子量アミンから酸を留出させる。Dattaら、米国特許第5,723,639号では、主にアンモニウム塩に焦点が当てられているが、少量のアルコールが希釈塩に加えられたアミン含有塩も主張しており、混合物を触媒の存在下で加熱し、親水性膜による浸透気化に供する。
【0007】
これらの方法の中には、異なる温度での水への逆抽出、酸の蒸留またはアミンの蒸留によるものもある。Baileyら、米国特許第4,771,001号のように、酸を塩基水溶液に逆抽出することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,405,717号
【特許文献2】米国特許公開第2005/0256337号
【特許文献3】米国特許第5,412,126号
【特許文献4】米国特許第4,275,234号
【特許文献5】米国特許第4,353,784号
【特許文献6】米国特許第5,068,188号
【特許文献7】米国特許公開第2006/0024801A1号
【特許文献8】米国特許第5,723,639号
【特許文献9】米国特許第4,771,001号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらの方法はいずれも、希釈酸塩の回収および遊離有機酸の生成方法として簡単でエネルギーの低い方法を提案していない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の方法は、希釈された塩溶液から有機酸を回収するための方法である。希釈された塩溶液は、有機酸塩、不溶性炭酸塩を形成する該塩のカチオンを含む。該方法は、アミンとCOとを、希釈された塩溶液に導入し、酸/アミン複合体と不溶性炭酸塩とを形成するステップを含む。酸/アミン複合体を非水混和性溶剤の存在下で加熱し、酸/アミン複合体を熱解離する。該酸は、溶剤に対して非混和性であり、アミンを含む溶剤相と酸を含む水相とが形成される。該方法では、さらに、溶剤相と水相とが分離される。
【0011】
一実施形態では、加熱するステップは、さらに、酸/アミン複合体の溶液と非水混和性溶剤とを混合することを含む。他の実施形態では、加熱するステップは、少なくとも約110℃で、少なくとも約170℃で、または約120℃から約220℃の間で加熱することを含んでもよい。該方法の種々の実施形態では、加熱するステップは、少なくとも約5秒間、少なくとも約1分間または少なくとも約5分間行ってもよい。該方法の他の実施形態では、相を分離するステップは、デカンテーション、遠心または沈殿で構成されうる。該方法は、水相から有機酸を回収することを含むこともできる。回収するステップは、蒸留、反応蒸留、抽出および反応抽出から選択することができる。
【0012】
該方法のさらなる実施形態では、非水混和性溶剤は芳香族溶剤を含む。非水混和性溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、クメンまたはそれらの混合物から選択することができる。また、該方法の非水混和性溶剤は直鎖炭化水素溶剤を含んでもよく、該炭化水素溶剤は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、デカリンまたはそれらの混合物から選択することができる。該方法の種々の実施形態では、約1%未満、約0.5%未満または約0.1%未満の酸が溶剤中に存在する。該方法の別の実施形態では、アミンは三級アミンであり、これは、トリブチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジイソプロピルアミンまたはそれらの混合物から選択することができる。溶剤相からのアミンは、希釈された塩溶液に導入されるアミンとして使用してもよい。
【0013】
該方法の別の実施形態では、有機酸は、発酵培地において発酵によって生成されてもよい。該方法の有機酸は、カルボン酸を含んでもよい。該方法の有機酸は、酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、コハク酸、クエン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、グリコール酸、ギ酸またはそれらの混合物から選択することができる。該方法の有機酸は酢酸も含むことが好ましい。
【0014】
本発明の第二の方法は、有機酸のアミン塩から有機酸を回収する方法である。該方法は、有機酸のアミン塩を含む水性溶剤を、非水混和性溶剤の存在下で加熱して有機酸のアミン塩を熱解離し、アミンおよび有機酸を形成するステップを含む。該方法の有機酸は非水混和性溶剤に対して非混和性である。
【0015】
該方法の一実施形態では、加熱するステップは、さらに、水性溶剤および非水混和性溶剤を混合することを含む。該加熱するステップは、少なくとも約110℃で、少なくとも約170℃で、または120℃から約220℃の間で加熱することを含んでもよい。加熱するステップは、約5秒間、少なくとも1分間、または少なくとも約5分間行ってもよい。
【0016】
非水混和性溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、クメンまたはそれらの混合物から選択されてもよい芳香族溶剤を含む。非水混和性は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、デカリンまたはそれらの混合物から選択することができる直鎖炭化水素溶剤を含んでもよい。該方法のさらなる実施形態では、該方法は、水性溶剤と非水混和性溶剤とを分離することを含む。分離するステップは、デカンテーション、遠心または沈殿から選択してもよい。該方法の別の実施形態は、水性溶剤から有機酸を回収することを含んでもよい。有機酸を回収するステップは、蒸留、反応蒸留、抽出または反応抽出から選択することができる。
【0017】
該方法の種々の実施形態では、有機酸は、発酵培地において発酵によって生成された。有機酸は、酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、コハク酸、クエン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、グリコール酸、ギ酸またはそれらの混合物から選択してもよいカルボン酸を含んでもよい。有機酸は酢酸を含んでもよい。該方法の別の実施形態では、約1%未満、約0.5%未満、約0.1%未満の酸が、非混和性溶剤中に存在する。該方法のさらなる実施形態では、アミンは、トリブチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンまたはそれらの混合物から選択してもよい三級アミンである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】平衡状態での溶剤溶液および水溶液中のTBAの質量パーセントを示すグラフ。
【図2】向流三平衡段階カスケードを示すMcCabe−Thieleダイアグラム。
【図3】溶剤中のTBAの無溶質質量パーセント、および50g/Lの酢酸中のTBAの無溶質質量パーセントを示すグラフ。
【図4】160℃および200℃での溶剤溶液および水溶液中のTBAの質量パーセントを示すグラフ。
【図5】本発明を実施するための試験装置の概略図。
【図6】溶剤中のTBAのSF質量パーセントおよび水溶液中のTBAのSF質量パーセントに関し、集められた試験データを示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、発酵ブロスのような希釈された溶液から有機酸(たとえばカルボン酸類)の回収および分離を提供し、ここで、有機酸は、酸と、pH調整のために発酵中に酸を中和するために使用される塩基との反応から形成される塩の形態をしている。このような有機酸塩の一例は、石灰または炭酸カルシウムと発酵生物によって生成される酢酸とから形成される酢酸カルシウムである。たとえば、酢酸を生成する発酵を炭酸カルシウムで中和すれば、発酵生成で得られる有機酸塩は、酢酸カルシウムであろう。
【0020】
2酢酸+CaCO→酢酸カルシウム+HO+CO
本発明の一実施形態は、有機酸塩、不溶性炭酸塩を形成する該塩のカチオンを含む希釈された塩溶液から有機酸を回収する方法である。この方法は、三級アミンのようなアミンと二酸化炭素とを希釈された塩溶液に導入し、酸/アミン複合体および不溶性炭酸塩を形成することを含む。該方法は、さらに、非水混和性溶剤の存在下で酸/アミン複合体を加熱し、酸/アミン複合体を熱解離することも含む。この実施形態では、酸は溶剤に対して非混和性である。加熱により酸/アミン複合体を熱解離する時、得られる酸は溶剤に対して混和性がないので、水相中にとどまる。解離は完全ではなく、解離されていない酸/アミン複合体も水相中にとどまっているかもしれない。得られるアミンは水相より溶剤との相性が良いため、溶剤に存在する。したがって、加熱ステップでは、アミンを含む溶剤相と酸を含む水相とが形成される。このようにして、溶剤中のアミンは、酸から効果的に分離される。さもなければ、酸およびアミンが接近して存在する場合、これらは酸/アミン複合体を再生しうる。しかし、酸およびアミンは別々の相に存在するので、該方法はさらに溶剤相と水相とを分離することを含むことができる。
【0021】
本発明のこの実施形態は、特に、発酵によって生成された希釈された塩溶液中で有機酸、特にカルボン酸とともに使用するのに適している。そのような有機酸として、たとえば、酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、コハク酸、クエン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、グリコール酸、ギ酸およびそれらの混合物を挙げることができ、好ましくは酢酸、乳酸およびプロピオン酸が挙げられ、および好ましくは酢酸が挙げられる。
【0022】
この実施形態の有機酸塩は、不溶性炭酸塩を形成するカチオンを含む。たとえば、炭酸カルシウムは不溶性である。カルシウムに加えて、他の適切なカチオンとして、亜鉛、バリウムおよびマグネシウムが挙げられる。
【0023】
有機酸塩は、たとえば、米国特許公開公報第2005/0256337号(該公報は、参照によって、その全体を本明細書に組み込む)に記載されるように、水中で該塩をアミンおよび二酸化炭素と反応させることによって、アミン塩に変換される。たとえば、
Ca(Ac)+HO+CO+2TBA=>2TBA:HAc+CaCO
より具体的には、アミンおよび二酸化炭素を希釈された塩溶液に導入するステップは、通常、該溶液をアミンと混合し、該混合物中に二酸化炭素を通して泡立たせながら、中性pHに近いところで行われる。このようにして、有機酸塩は、水、二酸化炭素およびアミンと反応し、酸/アミン複合体および不溶性炭酸塩を形成する。炭酸塩は該溶液から除去され、そうすることで、反応を酸/アミン複合体を形成する方向に向かわせ、事実上完了する。本発明の重要な利点は、この反応を、温度および圧力の周囲条件で、および発酵ブロスのpHのような中性pH付近で行うことができるということである。
【0024】
希釈された塩溶液に溶解性のある酸/アミン複合体中のいかなるアミンも、該プロセスのこのステップでの使用に適している。特にアミンとして三級アミンが使用可能であり、トリブチルアミン(TBA)、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびそれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0025】
炭酸カルシウムのような不溶性アルカリ土塁金属は、従来の固液分離によって容易に回収することができる。たとえば、トリブチルアミン、酢酸カルシウム、水および二酸化炭素の反応によって形成される炭酸カルシウムCaCOは、pH調整のために、発酵に再循環することができる。一実施形態では、この塩を、有機酸の初期生成の間、pH調整のために、有機酸発酵における塩基として使用することができる。このように発酵中に炭酸カルシウムを使用することによって二酸化炭素を生成し、これを本発明の種々の実施形態に使用して酸/アミン複合体および不溶性炭酸塩を形成することができる。この統合プロセスでは、二酸化炭素の純生産は行われない。したがって、希釈された塩溶液に二酸化炭素を酸性剤として導入するステップにより有機酸回収における鉱酸の消費および塩廃棄の問題が克服されるため、重要な利点となる。この統合プロセスは、米国特許公開公報第2005/0256337号に記載されている。
【0026】
本発明の一つの利点は、アミン塩を濃縮するまたはアミン塩が形成された水溶液からアミン塩を抽出する必要がなく、その結果エネルギーの節約になるということである。いくつかの実施形態では、アミン塩は、水溶液中に、酢酸塩基準で、約15%未満、約10%未満、約8%未満、約5%未満、または約4%未満の濃度で存在し、ここで酢酸塩基準は、酢酸の塩としての重量%(すなわち、TBA:HacまたはCa(AC))である。
【0027】
適切な非水混和性溶剤として、水に対して非混和性であり、酸に対して非混和性であるものが挙げられる。溶剤および水溶液は、アミンの再生のために系を加熱する操作温度で2相を形成しなければならない。また、溶剤は、アミンに対して混和性でなければならないが、非水混和性の溶剤はどれも、アミンに対して混和性であるだろう。このようにして、酸/アミン複合体が非水混和性溶剤の存在下で熱解離するので、アミンを溶剤中で隔離することができ、酸との反応および酸/アミン複合体の再生を避けるあるいは制限することができる。非水混和性である溶剤はどれも使用することができるが、高温でごく少量の水を溶解する溶剤が好ましい。たとえば、操作温度で、約10%未満、約5%未満、約1%未満、または約0.5重量%未満の水を含有する溶剤が好ましい。適切な溶剤として、芳香族溶剤、直鎖炭化水素溶剤およびそれらの混合物が挙げられる。たとえば、芳香族溶剤として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、クメンおよびそれらの混合物のような溶剤を挙げることができる。好ましい溶剤として、直鎖炭化水素が挙げられ、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、デカリンおよびそれらの混合物のような溶剤が挙げられる。比較的疎水性であるこのような成分は、水を非水混和性溶剤から締め出すことによって補助し、これによって、溶剤の効果的な選択性を改良する。
【0028】
該方法は、さらに、非水混和性溶剤の存在下で酸/アミン複合体を加熱し、酸/アミン複合体を熱解離することを含む。酸/アミン複合体の熱解離、または「クラッキング」は、主に水中で行われるが、解離時、アミンを含む溶剤相および酸を含む水相が形成される。希釈された塩溶液、酸/アミン複合体および非水混和性溶剤の組成物は、このステップの間、どのような高い温度にも加熱することができるが、好ましい温度は約120℃〜約220℃の範囲である。ある実施形態では、混合物を、約110℃を超える、約120℃を超える、約130℃を超える、約140℃を超える、約150℃を超える、約160℃を超える、約170℃を超える、約180℃を超える、約190℃を超える、約200℃を超える、約210℃を超える、約220℃を超える、約230℃を超える、約240℃を超える、または約250℃を超える温度に加熱することができる。
【0029】
加熱するステップの間、希釈された塩溶液、酸/アミン複合体および非水混和性溶剤の組成物を混合し、解離していない酸/アミン複合体からのアミンの溶剤相への移動を促進することができる。たとえば、液体を混合するための従来の方法および装置を採用することができる。適切な混合プロセスおよび装置は、以下の実施例に記載する。
【0030】
加熱時、酸/アミン複合体から酸およびアミンが解離し、該解離は非常に急速に起こり、通常数分以内に起こりうる。通常、ある温度に加熱すると、温度が設定温度に達するや否や、生成物をサンプリングすることができ、次いでその後の種々の時点でサンプリングすることができる。最初のサンプリング後、組成物がさらに変化しない場合は、解離は最初のサンプリング時に事実上完了していたということである。ある実施形態では、混合物を、少なくとも約5秒間、もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、45または60分間加熱してもよい。他の実施形態では、混合物を1時間かけて加熱してもよい。
【0031】
酸/アミン複合体の解離の後、非水混和性溶剤の存在下、沈殿時に2つの相(水相および溶剤相)が形成する。水相は解離していない酸/アミン複合体および遊離酸を含み、溶剤相はアミンを含む。組成物がまだ高温である間に沈殿を行うのが好ましい。2つの相は、デカンテーション、遠心、沈殿またはそれらの組合せのような適切な任意の手段によって分離することができる。たとえば、ミキサ/沈降器、充填カラム、パルスカラム、または遠心抽出器のような連続プロセスを始めとするプロセスを行うために、液−液抽出用として当該分野で公知の任意のプロセスを使用することができる。バッチプロセスも使用することができる。
【0032】
液−液抽出の分野で周知であるように、該プロセスは、数多くの段階で行われるのが好ましい。具体的には、該プロセスは、一段接触器で行うこともでき、または多段カスケードを使用して、アミンおよび酸の高い変換および回収を提供することもできる。該プロセスにおける溶剤流れおよび水溶液流れは、該カスケードを通して並流として、あるいは向流として移動することができる。同じ段数に関し、向流構成は、同じ抽出量を達成するのに、並流構成より少ない溶剤しか必要としない。一般的な抽出カスケードと同様に、供給物に対する溶剤の比率がより高いほどおよび/または接触段の数がより多いほど、より高いアミンの溶剤相への総回収率を達成する。さらに、より高い温度により、回収率が増大させられ、より少ない段数の使用により、同様の回収率を達成することができる。当業者であれば、操作および資本コストを最小限にしながら、所望のアミンの回収率を達成するために、供給物に対する溶剤の比および段数を最適化することができる。
【0033】
ある実施形態では、分離は、複数の、2を超す、3を超す段数で行われ、好ましい実施形態では、3段で行われる
他の実施形態では、酸/アミン複合体からの溶剤中のアミンの回収率は、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99重量%でありえる。
【0034】
アミンを含む溶剤相は、通常、事実上水を含まず、アミンの溶液は、通常、いかなる明らかな分解生成物も認められない。溶剤相と水相とを分離した後、アミンはほとんど例外なく溶剤相中に見られ、ここで、系中の約10%の酸が溶剤相中に存在し、あるいは系中の約5%未満の、約0.5%未満の、または約0.1%未満の酸が溶剤中に存在する。プロトン化形態または遊離形態である有機酸は、解離していない酸/アミン複合体と共に、ほとんど例外なく水相に見出される。
【0035】
酢酸の大部分をアミン複合体から取り出した後、水相中の有機酸を、蒸留、反応蒸留、抽出または反応抽出のような適切な手段により回収してもよい。今やプロトン化酸であり反応性のある有機酸は、反応蒸留、反応抽出、または当該分野で公知の他の適切な手段のような、適切な任意の手段によって、エステルのようなさらなる生成物に直接変換してもよい。プロトン化されているので、アミンを含む溶剤を使用する抽出によって回収することもできる。
【0036】
本発明の重要な利点の一部として、プロセスの種々の成分を、回収し、該プロセスにおける再使用のために再循環することができる。アミンは、通常、高沸点化合物であるから、低沸点を有する、選択された溶剤は、単純な蒸留によってアミンから簡単に分離することができる。アミンに関して沸点に基づく溶剤選択は、当業者に公知の基準によって最適化することができる。
【0037】
溶剤相からのアミンは回収することができ、COと共に、希釈された塩溶液に導入され、酸/アミン複合体および不溶性炭酸塩を形成するアミンとして使用することができる。
【0038】
本発明のさらなる実施形態は、有機酸のアミン塩から有機酸を回収する方法である。この方法は、有機酸のアミン塩を含有する水性溶剤を、非水混和性溶剤の存在下で加熱し、有機酸のアミン塩を熱解離することを含む。非水混和性溶剤は、有機酸が非混和性であるものである。このようにして、アミンおよび有機酸が形成される。この実施形態の他の態様は、本発明の他の実施形態に関連して、先に記載している。
【0039】
本発明の種々の実施形態を詳細に記載したが、それらの実施形態の変更および適合が行われることは当業者には明らかである。しかし、このような変更および適応は、以下の請求項に記載される本発明の範囲内であることは、明らかに理解されるものである。
【実施例】
【0040】
以下の実施例は、説明の目的のために提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0041】
この実施例では、アミン、トリブチルアミン(TBA)が、酢酸/TBA複合体および酢酸の水溶液、およびヘプタン直鎖炭化水素溶剤の2つの相系のうち、炭化水素相に優先的に存在することを示す。
【0042】
2ガロンの高圧攪拌パー反応器中で、5質量%の酢酸水溶液流の供給物1,750mLを1,283mLのヘプタンと混合した。次いでこの溶液を200℃に加熱し、高圧で攪拌した。所望の温度に達した時、TBAを、14.93、30.27、96.98、97.29、97.09、97.04、97.21および97.4グラムの特定の添加量で系に加えた。高圧容器が所定の温度および圧力に達した時、高圧ピストン駆動のクロマトグラフィポンプ(Eldex)を使用して、TBAを容器に加えた。これら8つの添加操作をそれぞれ行った後、系を高圧で30分間攪拌した。各攪拌時間後、系を沈殿させると、相は5分間で分離した。各沈殿時間後、サンプルをサンプルポートおよび熱交換器により有機相および水相から取り出し、各相中のTBA組成を測定した。要するに、8つのTBA添加物を作り、前記時間に、各相から2つのサンプルを取り出した。サンプルは、各相を通って高圧ミキサの頂部に及ぶ1/8インチステンレス鋼浸漬管から取り出した。管を加圧空間とする前に十分な冷却によってサンプルを室温に冷却できるように、該管は、コイル状であり、循環冷却水が通るパイプジャケットに挿入されていた。サンプル管および冷却部のホールドアップ体積は、7mLであった。サンプル管から前のサンプルの物質が十分に除去できるように、合計4個の10mLサンプルを、各条件で取り出した。最後に、第5番目の10mLサンプルを取り出し、パー反応器中の平衡混合物を示すために、サンプルとして使用した。実験に関して、パージサンプルおよび最終のサンプルの全てを、TBAが存在するかについて分析し、TBA質量バランスに近づけるために使用した。合計で、628.1グラムのTBAを実験装置に加え、実質的に100%のTBAが、サンプル中および系内に最終的に残ったTBA中に占められていた。FID検出器を備える較正GC(Agilent)およびAgilent DB5MSUIウルトラ・イナート・カラムを使用して、各サンプルのTBA組成を測定した。各条件で取り出した第5サンプルから測定した、各相中のTBAの平衡組成を以下の表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
図1に、このデータをグラフとして示す。
図2は、向流三平衡段階カスケードを示すMcCabe−Thieleダイアグラムである。平衡曲線は、この実施例で記載したように、200℃で取り出した平衡実験データに基づく。図2によって示される図では、供給物に対する溶剤比を0.45に設定し、溶剤に抽出されたTBAの量は、98.25%に設定した。平衡段階の数は、当業者によく知られている手段によって計算した。
【実施例2】
【0045】
この実施例では、TBA複合体および酸の水相とTBAを含有する有機相との平衡状態は、2相系で直ちに達せられること、および2つの異なる溶剤、ヘプタンおよびドデカンは、類似の平衡曲線を有することを示す。
【0046】
実施例1の装置と同じ装置を使用し、2ガロン攪拌圧力容器中で、5質量%酢酸流1,400mLを3,742mLのドデカンと混合した。この溶液を200℃に加熱した。50、150、300、400および600グラムのTBAの合計5個のTBA添加物を、ポンプを使用して容器中の混合物に加えた。条件調節後、混合物が平衡状態であれば、経時的にサンプルを取り出し、測定した。添加物は高圧で1、5および30分攪拌した。攪拌後、それぞれ、サンプルを取り出す前に、混合物を5分間沈殿させた。この実験に関して、10mlのサンプルを取り出す前に、サンプル管から不純物を除去するために、50mlの物質を取り出した。
【0047】
結果を図3にグラフとして示す。各TBA負荷で取り出した3つのサンプルに関し、差はほとんど見られなかった。各条件に関し、これらの点は全て、ほとんど重なっている。平衡曲線もこれら2種類の溶剤に関して、非常に類似していた。
【実施例3】
【0048】
この実施例では、酢酸/TBA複合体および酢酸の水溶液と、ヘプタン直鎖炭化水素溶剤との2相系における、TBAの平衡濃度に与える温度の影響を示す。
5質量%酢酸流1,750mLを、1,282mLのヘプタンに接触させた。実施例1で使用した2ガロン圧力反応器中で、該混合物を160℃に加熱した。8つのTBA添加物を、先の実施例1とほぼ同じ量で作成した。取り出したサンプル中のTBAの測定濃度を以下の表2に示す。実施例1と実施例3との比較により、2液相中のTBAの濃度平衡曲線は温度によって影響されることが示されている。これを図4にグラフで示す。
【0049】
【表2】

【実施例4】
【0050】
この実施例では、試験装置における、水溶液(または供給物)流に対する溶剤流量比、攪拌速度、全流速および温度が及ぼす本発明への影響を示す。
図5に関して、試験装置10を組み立て、本発明を使用する商業的な抽出プロセスのための設計データを得た。酢酸およびTBAの水溶液流、1:1モル濃度までのTBA、を加熱し、別に加熱された水不溶性溶剤流と接触することができるように、装置を組立てた。ドデカンは、200℃での蒸気圧が比較的低く、低分子量アルカン類より難燃性であるので、これを溶剤として選択した。水溶液流20および溶剤流30を、フィードポンプ40により別々に、直径に対する長さ(L/D)の比が2の200mLミキサ(パー反応器)50に供給し、L/D比が0.65の2個のタービン型インペラ60を使用した。水溶液流20および溶剤流30は、ミキサ50に入れる前に、ヒータ70によって加熱した。攪拌速度は、40RPMから1500RPMまで変化させた。水溶液流20および溶剤流30を、ミキサ50の底に供給した。ミキサ50は、該ミキサ50の頂部から沈殿槽80への混合物の取出口を備える。高圧管の部分を含む沈殿槽80は、体積が180mLであり、溶剤相および水相の界面レベルを観察でき、制御できるように、高圧サイトグラスを備えていた。水溶液流90は沈殿槽の底から流出し、冷却用熱交換器100、次いで絞り弁110および背圧弁120を通り抜けた。同様に、溶剤流130は、沈殿槽80の頂部から取り出され、冷却用熱交換器140、絞り弁150および背圧弁160を通過した。サンプルポート170は、種々の条件を試験し、それらの条件でサンプルを各相から取り出すことができるように、背圧弁120および160の後ろに設置された。それぞれの相が沈殿槽80から取り除かれる速度を調整することによって沈殿槽における界面のレベルを制御するために、絞り弁110および150を使用した。
【0051】
試験運転を、ミキサに供給する水溶液流に対する溶剤流量比、攪拌速度、全流速および温度を変化させて行った。実験は、サンプルポートに達した溶剤流および水溶液流に関し、温度および濃度が定常状態になるまで実施した。実験を行い、両相中のTBA濃度の結果を測定し、実施例1および2で行った、2ガロンのバッチ式反応器で集めた平衡データと比較した。試験装置において最初に試験した15個の条件について、結果を以下の表3に示す。図6に該データをグラフとしても示す。示した平衡曲線は、200℃で行った実施例の実験から得た平衡データのパワーフィット回帰曲線である。該試験装置で試験された全ての条件に関し、実施例1のデータから系が平衡に達すると予測されていた、95%を超える量のTBAを抽出した。
【0052】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機酸塩と、不溶性炭酸塩を形成する前記塩のカチオンとを含む希釈された塩溶液から有機酸を回収する方法であって、
a.アミンとCOとを前記希釈された塩溶液に導入し、酸/アミン複合体と前記不溶性炭酸塩とを形成するステップと、
b.前記酸/アミン複合体を非水混和性溶剤の存在下で加熱して前記酸/アミン複合体を熱解離するステップであって、前記酸は前記溶剤に対して非混和性であり、アミンを含む溶剤相と酸を含む水相とを形成するステップと、
c.前記溶剤相と前記水相とを分離するステップと
を含む方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記非水混和性溶剤は、芳香族溶剤を含む方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、
前記非水混和性溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、クメンおよびそれらの混合物からなる群より選択される方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、
前記非水混和性溶剤は、直鎖炭化水素溶剤を含む方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、
前記直鎖炭化水素溶剤は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、デカリンおよびそれらの混合物からなる群より選択される方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、
約1%未満の前記酸が前記溶剤相に存在する方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、
約0.5%未満の前記酸が前記溶剤相に存在する方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法において、
約0.1%未満の前記酸が前記溶剤相に存在する方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、
前記アミンは三級アミンである方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、
前記アミンは、トリブチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびそれらの混合物からなる群より選択される三級アミンである方法。
【請求項11】
請求項1記載の方法において、
前記有機酸が発酵培地中で発酵によって生成された方法。
【請求項12】
請求項1記載の方法において、
前記有機酸は、カルボン酸を含む方法。
【請求項13】
請求項1記載の方法において、
前記有機酸は、酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、コハク酸、クエン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、グリコール酸、ギ酸およびそれらの混合物からなる群より選択される有機酸を含む方法。
【請求項14】
請求項1記載の方法において、
前記有機酸は酢酸を含む方法。
【請求項15】
請求項1記載の方法において、
前記溶剤相からの前記アミンを、前記希釈された塩溶液に導入されるアミンとして使用される方法。
【請求項16】
請求項1記載の方法において、
前記加熱するステップは、更に、酸/アミン複合体を含む溶液と非水混和性溶剤とを混合することを含む方法。
【請求項17】
請求項1記載の方法において、
前記分離するステップは、デカンテーション、遠心および沈殿からなる群より選択される方法。
【請求項18】
請求項1記載の方法、更に、
前記水相から前記有機酸を回収するステップを含む方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、
前記回収するステップは、蒸留、反応蒸留、抽出および反応抽出からなる群より選択される方法。
【請求項20】
請求項1記載の方法において、
前記加熱するステップは、少なくとも約110℃で加熱することを含む方法。
【請求項21】
請求項1記載の方法において、
前記加熱するステップは、少なくとも約170℃に加熱することを含む方法。
【請求項22】
請求項1記載の方法において、
前記加熱するステップは、約120℃から約220℃の範囲で加熱することを含む方法。
【請求項23】
請求項1記載の方法において、
前記加熱するステップを少なくとも約5秒間行う方法。
【請求項24】
請求項1記載の方法において、
前記加熱するステップを少なくとも約1分間行う方法。
【請求項25】
請求項1記載の方法において、
前記加熱するステップを少なくとも約5分間行う方法。
【請求項26】
有機酸のアミン塩から有機酸を回収する方法であって、
前記有機酸の前記アミン塩を含む水性溶剤を非水混和性溶剤の存在下で加熱して前記有機酸の前記アミン塩を熱解離し、アミンおよび有機酸を形成する段階を含み、
前記有機酸は、前記非水混和性溶剤に対して非混和性である方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法において、
前記非水混和性溶剤は、芳香族溶剤を含む方法。
【請求項28】
請求項26記載の方法において、
前記非水混和性溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、クメンおよびそれらの混合物からなる群より選択される方法
【請求項29】
請求項26記載の方法において、
前記非水混和性溶剤は、直鎖炭化水素溶剤を含む方法。
【請求項30】
請求項26記載の方法において、
前記直鎖炭化水素溶剤は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、デカリンおよびそれらの混合物からなる群より選択される方法。
【請求項31】
請求項26記載の方法において、
約1%未満の前記酸が前記非水混和性溶剤中に存在する方法。
【請求項32】
請求項26記載の方法において、
約0.5%未満の前記酸が前記非水混和性溶剤中に存在する方法。
【請求項33】
請求項26記載の方法において、
約0.1%未満の前記酸が前記非水混和性溶剤中に存在する方法。
【請求項34】
請求項26記載の方法において、
前記アミンは三級アミンである方法。
【請求項35】
請求項26記載の方法において、
前記アミンは、トリブチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびそれらの混合物からなる群より選択される三級アミンである方法。
【請求項36】
請求項26記載の方法において、
前記有機酸が発酵培地で発酵によって生成された方法。
【請求項37】
請求項26記載の方法において、
前記有機酸はカルボン酸を含む方法。
【請求項38】
請求項26記載の方法において、
前記有機酸は、酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、コハク酸、クエン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、グリコール酸、ギ酸およびそれらの混合物からなる群より選択される有機酸を含む方法。
【請求項39】
請求項26記載の方法において、
前記有機酸は酢酸を含む方法。
【請求項40】
請求項26記載の方法において、
前記加熱するステップは、更に、前記水性溶剤と前記非水混和性溶剤とを混合することを含む方法。
【請求項41】
請求項26記載の方法は、更に、
前記水性溶剤と前記非水混和性溶剤とを分離することを含む方法。
【請求項42】
請求項41記載の方法において、
前記分離するステップは、デカンテーション、遠心および沈殿からなる群より選択される方法。
【請求項43】
請求項26記載の方法において、更に、
前記有機酸を前記水性溶剤から回収することを含む方法。
【請求項44】
請求項43記載の方法において、
前記回収するステップは、蒸留、反応蒸留、抽出および反応抽出からなる群より選択される方法。
【請求項45】
請求項26記載の方法において、
前記加熱するステップは、少なくとも約110℃に加熱することを含む方法。
【請求項46】
請求項26記載の方法において、
前記加熱するステップは、少なくとも約170℃に加熱することを含む方法。
【請求項47】
請求項26記載の方法において、
前記加熱するステップは、約120℃から約220℃の範囲で加熱することを含む方法。
【請求項48】
請求項26記載の方法において、
前記加熱するステップを、少なくとも約5秒間行う方法。
【請求項49】
請求項26記載の方法において、
前記加熱するステップを、少なくとも約1分間行う方法。
【請求項50】
請求項26記載の方法において、
前記加熱するステップを、少なくとも約5分間行う方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−519578(P2011−519578A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508681(P2011−508681)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/043188
【国際公開番号】WO2009/137708
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(502307014)ジーケム インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】ZeaChem Inc.
【Fターム(参考)】