説明

有機酸の銅塩及び殺カビ剤としてのその使用

一般式(I):A・Cu(I)を有する化合物(式中、Aは、(A1)〜(A8)の意味を有する有機酸の二塩基性イオンを表し、Cuは、銅2+イオンを表す。)、及び、植物又はその一部における植物病原細菌及び菌の制御のための、個別又は混合物での一般式(I)を有する化合物の使用が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物病原菌の制御のための有機酸の銅塩の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、硫酸塩、オキシ塩化物、水酸化物、炭酸塩及び周知のボルドー液のような無機銅塩は、予防的な用途における菌類病の制御のために農業において広く使用されてきた。
例えば、第JP7398021号、Pesticide(1980), vol. 14(10), 29-30頁、Geobios(1985), vol.12(3-4), 147-8頁に記載されているように、例えば、酢酸銅、コハク酸銅、グルタル酸銅、アジピン酸銅、クエン酸銅、酒石酸銅、アスパラギン酸銅、グルタミン酸銅、フタル酸銅、安息香酸銅のような有機酸の銅塩が、任意にその他の活性成分と混合されて農作物における菌類病の制御のために使用されうることも知られている。
本出願人は、いくつかの特定の有機酸の銅塩が、前述の銅塩より高度にずっと低用量で、植物において持続的な保護作用を可能にすることを見いだした。
従って、農業の実施におけるこれらの塩の使用は、すでに公知の有機又は無機銅誘導体より、配合物中の銅含量の低下を可能にして環境影響に有意に有利な影響を及ぼす。
本出願人はまた、これらの塩が、本来の自然の防御機構を増幅するように遺伝学的に変性された植物の品種においても植物病原体を制御する優れた形であることも見いだした。
さらに、本出願人は、これらの塩が、例えば、プラスチック、金属、織物繊維、ガラス、木材、紙、発泡体、レンガ等のような生命のない基材における菌類病の制御にも使用しうることを見いだした。これらの塩は、例えば、噴霧、塗布、浸漬、含浸等のような当業者に周知の方法により、物質の種類及び基材が受ける条件に依存した適用用量で基材の表面に適用しうる。
これらの銅塩の多くは新規である。公知のものもあるが、これらの特別な適用のためのそれらの使用については今までに記載されていない。
【発明の開示】
【0003】
従って、本発明の目的は、一般式(I):A・Cu(I)を有する化合物の、植物又はその一部における植物病原細菌及び真菌の制御のための、単独又は混合物での使用に関する。
式中、
− Aは、(A1)〜(A8)の意味を有してもよい有機酸の二塩基性イオンを表し、
− Cuは、銅2+イオンを表し、
− (A1)〜(A8)は、それぞれ以下のカルボン酸を表す。
【0004】
(A1):
【化1】

(式中、
− R1及びR2は、同種でも異種でもよく、水素原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C6アルケニル又はC2-C6ハロアルケニル基、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル又はC1-C6ハロアルコキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルチオ又はC1-C6ハロアルキルチオ基、任意に置換されたC3-C6シクロアルコキシル基、任意に置換されたアリール基又は任意に置換されたヘテロアリール基、任意に置換された複素環式基を表す。)
【0005】
(A2):
【化2】

(式中、
− R2は、前述の定義の意味を有し、
− Qは、水素原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、シアノ基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルカルボニル又はC1-C6ハロアルキルカルボニル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、C1-C6アルキルアミノカルボニル基、C2-C12ジアルキルアミノカルボニル基を表し、
− Xは、水素原子又はハロゲン原子、ヒドロキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル又はC1-C6ハロアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミン基、C1-C6アルキルアミン基、C2-C12ジアルキルアミン基、置換されていてもよい直鎖状又は分岐状のC1-C6チオアルキル基、置換されていてもよい直鎖状又は分岐状のC1-C6ハロチオアルキル基、置換されていてもよい直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルスルフィニル基、置換されていてもよい直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルスルホニル基を表し、
− nは1乃至4の数である。)
【0006】
(A3):
【化3】

(式中、
− Wは、酸素原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルイミン基、任意に置換されたアリールイミン基、任意に置換されたヘテロアリールイミン基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシイミン基、任意に置換されたアリールオキシイミン基を表し、
−x及びyは、同一でも異なっていてもよく、0乃至4の数である。)






【0007】
(A4):
【化4】

(式中、
− R3は、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基を表し、
− x及びyは、同一でも異なっていてもよく、0乃至4の数である。)
【0008】
(A5):
【化5】

(式中、
− R4は、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基を表す。)
【0009】
(A6):
【化6】

(式中、
− Q、X及びnは前述の定義と同一の意味を有する。)
【0010】
(A7):
【化7】

(式中、
− R5及びR6は、同種でも異種でもよく、水素原子、ハロゲン原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C6アルケニル又はC2-C6ハロアルケニル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C6アルキニル又はC2-C6ハロアルキニル基、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル又はC1-C6ハロアルコキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルチオ又はC1-C6ハロアルキルチオ基、任意に置換されたC3-C6シクロアルコキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルアミン基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C12ジアルキルアミン基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルカルボニルアミン基、任意に置換されたアリールカルボニルアミン基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基、任意に置換された複素環式基を表し、
− R5及びR6は、合同でC1-C6環を形成してもよく、
− x及びyは、同一でも異なっていてもよく、x及びyが0乃至2でR5及びR6がともに水素原子である場合以外は、0乃至4の数である。)
【0011】
(A8):
【化8】

(式中、
− X及びnは、サリチル酸を除いて、前述の定義と同一の意味を有する。)
【0012】
C1-C6アルキル基は、同種又は異種の1以上の置換基で任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル基を意味する。
この基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチルである。
C1-C6ハロアルキル基は、同種又は異種の1以上のハロゲン原子で任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル基を意味する。
この基の例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルである。
【0013】
C2-C6アルケニル基は、同種又は異種の1以上の置換基で任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C6アルケニル基を意味する。
この基の例は、エテニル、プロペニル、ブテニルである。
C2-C6ハロアルケニル基は、同種又は異種の1以上のハロゲン原子で任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C6アルケニル基を意味する。
この基の例は、2,2-ジクロロプロペニル、1,2,2-トリクロロプロペニルである。
C2-C6アルキニル基は、同種又は異種の1以上の置換基で任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C6アルキニル基を意味する。
この基の例は、エチニル、プロパルギルである。
C2-C6ハロアルキニル基は、同種又は異種の1以上のハロゲン原子で任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C6アルキニル基を意味する。
この基の例は、3-クロロプロピニルである。
【0014】
C3-C6シクロアルキル基は、その環が、同種又は異種の1以上の置換基で任意に置換された3乃至6個の炭素原子からなるシクロアルキル基を意味する。
この基の例は、シクロプロピル、2,2-ジクロロシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
C1-C6アルコキシル基は、脂肪族部分が前述のC1-C6アルキル基であるC1-C6アルコキシル基を意味する。
この基の例は、メトキシル、エトキシル、イソプロポキシル、シクロプロピルメトキシルである。
【0015】
C1-C6ハロアルコキシル基は、脂肪族部分が前述のC1-C6ハロアルキル基であるC1-C6ハロアルコキシル基を意味する。
この基の例は、トリフルオロメトキシル、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシル、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピロキシルである。
C1-C6チオアルキル基は、脂肪族部分が前述のC1-C6アルキル基であるC1-C6チオアルキル基を意味する。
この基の例は、チオメチル、チオエチルである。
C1-C6ハロチオアルキル基は、脂肪族部分が前述のC1-C6ハロアルキル基であるC1-C6ハロチオアルキル基を意味する。
この基の例は、トリフルオロチオメトキシル、1,1,2,2-テトラフルオロチオエトキシルである。
【0016】
C1-C6アルキルスルフィニル基は、脂肪族部分が前述のC1-C6アルキル基であるC1-C6アルキルスルフィニル基を意味する。
この基の例は、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルである。
C1-C6アルキルスルホニル基は、脂肪族部分が前述のC1-C6アルキル基であるC1-C6アルキルスルホニル基を意味する。
この基の例は、メチルスルホニル、エチルスルホニルである。
C3-C6シクロアルコキシル基は、脂肪族部分が前述のC3-C6シクロアルキル基であるC3-C6シクロアルコキシル基を意味する。
この基の例は、シクロペントキシ、シクロヘキシロキシである。
C1-C6アルキルアミン又はC2-C12ジアルキルアミン基は、脂肪族部分が1又は2個の前述のC1-C6アルキル基であるアルキルアミン又はジアルキルアミン基を意味する。
この基の例は、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、ジブチルアミノである。
【0017】
アリール基は、同種又は異種の1以上の基で任意に置換された芳香族炭素環式基を意味する。
この基の例は、フェニル、ナフチルである。
ヘテロアリール基は、同種又は異種の1以上の基で任意に置換された、窒素、酸素、硫黄から選択された1乃至4個のヘテロ原子を含む芳香族性の5又は6原子複素環式基を意味し、ベンゼンとの縮合基又は複素環の二環式基も意味する。
ヘテロアリール基の例は、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、テトラジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾピラゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、トリアゾールピリジン、トリアゾールピリミジン、チアゾールトリアゾールである。
【0018】
複素環式基は、別の芳香族又は非芳香族環と任意に縮合した、窒素、酸素、硫黄から選択された1個以上のヘテロ原子を含む、3乃至12個の元素を有する飽和又は不飽和環を意味する。
複素環の例は、ピロリジン、ピペリジン、ジヒドロピリジン、ピペラジン、2,6-ジケトピペラジン、2-ケトアゼチジン、モルホリン、チアジン、インドリンである。
C1-C6アルキルイミン基は、脂肪族部分が前述のC1-C6アルキル基であるアルキルイミン基を意味する。
この基の例は、エチルイミン、イソプロピルイミン、ベンジルイミン、1-フェニルエチルイミンである。
【0019】
アリールイミン及びヘテロアリールイミン基は、芳香族及びヘテロ芳香族部分がそれぞれ前述のアリール基及びヘテロアリール基であるアリールイミン及びヘテロアリールイミン基を意味する。
この基の例は、フェニルイミン、ナフチルイミン、2-ピリジルイミン、4-ピリジルイミン、2-ピリミジルイミン、2-チエニルイミン、2-チアゾリルイミンである。
C1-C6アルコキシイミン基は、アルコキシル部分が前述のC1-C6アルコキシル基であるアルコキシイミン基を意味する。
この基の例は、メトキシルイミン、エトキシイミン、イソプロポキシルイミン、ベンジルオキシイミンである。
アリールオキシイミン基は、芳香族部分が前述のアリール基であるアリールオキシイミン基を意味する。
この基の例は、フェノキシイミン、ナフトキシイミンである。
【0020】
C1-C6アルキルカルボニルアミン基は、脂肪族部分が前述のC1-C6アルキル基であるアルキルカルボニルアミン基を意味する。
この基の例は、アセチルアミン、プロピルカルボニルアミンである。
アリールカルボニルアミン基は、芳香族部分が前述のアリール基であるアリールカルボニルアミン基を意味する。
この基の例は、ベンゾイルアミン、4-メチルベンゾイルアミンである。
C1-C6アルキルカルボニル基は、脂肪族部分が前述のC1-C6アルキル基であるアルキルカルボニル基を意味する。
この基の例は、アセチル、エチルカルボニル、イソプロピルカルボニルである。
C1-C6ハロアルキルカルボニル基は、脂肪族部分が前述のC1-C6ハロアルキル基であるハロアルキルカルボニル基を意味する。
この基の例は、1,1,1-トリフルオロメチルカルボニルである。
【0021】
C1-C6アルコキシカルボニル基は、脂肪族部分が前述のC1-C6アルコキシル基であるアルコキシカルボニル基を意味する。
この基の例は、メトキシルカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシルカルボニル、ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルである。
C1-C6アルキルアミノカルボニル又はC2-C12ジアルキルアミノカルボニル基は、脂肪族部分がそれぞれ1又は2個の前述のC1-C6アルキル基であるアルキルアミノカルボニル又はジアルキルアミノカルボニル基を意味する。
この基の例は、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、ジブチルアミノカルボニルである。
【0022】
本出願のすべての部分における任意に置換されたという表現は、以下の基から選択された同種又は異種の1以上の置換基を意味する:ハロゲン原子;同様にハロゲン原子により任意に置換されたC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシル、C1-C6アルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル及びC1-C6アルキルスルホニル;任意にハロゲン化されたC1-C6アルキルカルボニル及びC1-C6アルコキシカルボニル;任意にハロゲン化されたアミノカルボニル、C1-C6アルキルアミノカルボニル、C2-C12ジアルキルアミノカルボニル;カルボキシル;任意にハロゲン化されたC1-C6アルキルカルボニルオキシ;シアノ;ニトロ;ホルミル;ヒドロキシル;アミノ;任意に置換されたアリール及びヘテロアリール。
それらの活性が興味深い一般式(I)を有する化合物の例を以下に記載する。
・4-クロロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・3,4-ジメトキシベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-フルオロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-トリフルオロメチルベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ジメチルアミノベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・2,4-ジクロロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ブロモベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸モノメチルエステルの銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸モノエチルエステルの銅(II)塩、
・2-シアノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
・2-アセチル-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
【0023】
・2-アミノカルボニル-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
・3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-メトキシカルボニル-2-ブテン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・2-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・3-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・3-ケトグルタル酸の銅(II)塩、
・3-メトキシ-2-ペンテン二酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-クロロフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-シアノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-シアノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩
・2-メトキシコハク酸の銅(II)塩、
・2-エトキシコハク酸の銅(II)塩、
【0024】
・3-(2-フリル)-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・3-(2-チアゾリル)-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・3-ベンジリデン-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・1,1-シクロプロパンジカルボン酸の銅(II)塩、
・ジアリルマロン酸の銅(II)塩、
・エチルフェニルマロン酸の銅(II)塩、
・ビス(2-シアノエチル)マロン酸の銅(II)塩、
・N-モルホリンマロン酸の銅(II)塩、
・N-ベンジルオキシイミノマロン酸の銅(II)塩、
・3-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・5-クロロ-2-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・5-ブロモ-2-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・2-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸の銅(II)塩、
・2-ヒドロキシ-5-メトキシ安息香酸の銅(II)塩、
・2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸の銅(II)塩、
・3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・3,5-ジメチル-4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・3-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・2,3-ジヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・2,6-ジヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・3,4-ジヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩。
【0025】
本発明の目的はまた、例えば、プラスチック、金属、織物繊維、ガラス、木材、紙、発泡体、レンガのような生命のない基材における植物病原菌の制御のための一般式(I)を有する化合物の使用に関する。
前述のように、式(I)の塩の多くは新規生成物である。
従って、本発明の別の目的は、一般式(I'):A'・Cuを有する化合物に関する。
式中、
− A′は、(A′1)〜(A′7)の意味を有する有機酸の二塩基性イオンを表し、
− Cuは、銅2+イオンを表し、
− (A′1)〜(A′7)は、それぞれ以下のカルボン酸を表す。
【0026】
・(A′1):
【化9】

(式中、
− R′1は任意に置換されたアリール基を表し、
− R′2は水素原子を表す。)
【0027】
・(A′2):
【化10】

(式中、
− X′は、水素又はハロゲン原子、ヒドロキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル基を表し、
− n′は1又は2の値を有し、
− R′2は水素原子を表し、
− Q′は、水素原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシカルボニル基、アセチル基、シアノ基を表す。)
【0028】
・(A′3):
【化11】

(式中、
− W′は酸素原子を表し、
− x′及びy′はともに1の値を有する。)
【0029】
・(A′4):
【化12】

(式中、
− R′3は直鎖状又は分岐状のC1-C3アルキル基を表し、
− x′は1に等しく、y′は0に等しい。)
【0030】
・(A′5):
【化13】

(式中、
− R′4は任意に置換されたアリール基を表す。)
【0031】
・(A′6):
【化14】

(式中、
− X′は、水素又はハロゲン原子、ヒドロキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル基を表し、
− n′は1又は2の値を有し、
− Q′は、水素原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシカルボニル基、アセチル基、シアノ基を表す。)
【0032】
・(A′7):
【化15】

(式中、
− R′5は直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル基を表し、
− R′6は水素原子を表し、
− x′は0に等しく、y′は1に等しい。)
【0033】
以前には記載されたことがない一般式(I′)を有する生成物の例を以下に記載する:
・4-クロロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・3,4-ジメトキシベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-フルオロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-トリフルオロメチルベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ジメチルアミノベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・2,4-ジクロロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ブロモベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸モノメチルエステルの銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸モノエチルエステルの銅(II)塩、
・2-シアノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
・2-アセチル-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
【0034】
・2-アミノカルボニル-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
・3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-メトキシカルボニル-2-ブテン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・2-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・3-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・3-ケトグルタル酸の銅(II)塩、
・3-メトキシ-2-ペンテン二酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-クロロフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-シアノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-シアノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩
・2-メトキシコハク酸の銅(II)塩、
・2-エトキシコハク酸の銅(II)塩、
【0035】
・3-(2-フリル)-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・3-(2-チアゾリル)-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・3-ベンジリデン-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・ジアリルマロン酸の銅(II)塩、
・エチルフェニルマロン酸の銅(II)塩、
・ビス(2-シアノエチル)マロン酸の銅(II)塩、
・N-モルホリンマロン酸の銅(II)塩、
・N-ベンジルオキシイミノマロン酸の銅(II)塩、
【0036】
式(I)を有する化合物は、下式の反応スキームAに従って容易に得ることができる。
【化16】

(式中、Aは前述の定義と同一の意味を有し、zは1又は2の値を有する。)
【0037】
一般式(I)を有する化合物は、一般式(II)を有する有機カルボン酸を、炭酸水素ナトリウム又はカリウム、水酸化ナトリウム又はカリウム又はカルシウムのような無機塩基を2当量以上用いて水中に溶解させ、式(III)を有する銅塩(式中、Xは塩素又は臭素のようなハロゲン又は過塩素酸塩(z=2)又は硫酸塩イオン(z=1)である。)の水溶液を得られた混合物に添加して式(I)を有する混合物を得ることにより得られる。
あるいは、任意に有機アミン(例えばトリエチルアミン)のような追加の塩基の存在下において、酸の形(II)の存在下で水酸化又は炭酸銅(これらの場合には、XはそれぞれOH基又はCO3基を表し、zはそれぞれ2又は1を表す。)を使用することも可能である。
あるいは、一般式(I)を有する化合物は、一般式(II)を有する有機カルボン酸に対応するエステルを、従来の合成方法に従って水又はアルコール中で鹸化し、次いで前述のような式(III)を有する銅塩の水溶液を得られた混合物に添加することにより得ることができる。
一般式(II)を有するカルボン酸は、それ自体が公知でない場合には、例えば、Organic Reactions (1967), vol. 15, page 204、又はProc. Indian Acad. Sci. (1941), vol. 14A, pages 112-122、又はJ. Org. Chem. (1979), vol. 44, page 3136に記載されている方法に従って、文献に記載されている方法により調製しうる。
一般式(II)に対応する有機酸が光学又は幾何異性体中心を含む場合には、一般式(I)を有する化合物はすべての可能な立体配置の異性体の形で存在しうる。
従って、本発明の範囲はまた、農学分野における植物病原菌の制御のための、いずれかの割合の異性体混合物としての一般式(I)を有する化合物の使用、並びに単一異性体の調製及び使用も含む。
【0038】
一般式(I)を有する化合物はまた、いずれかの数の水分子の配位により水和された形でも存在しうる。
一般式(I)を有する化合物はまた、例えば、ナトリウム、カルシウム、カリウムのような金属カチオンをその構造内に配位しうる。その数は、一般式(I)を有する第二銅塩の合成に使用した調製法に関連して変化し、化合物は水和した形でも存在しうる。
農学分野における植物病原菌の制御のためのこれらの混合塩の使用もまた本発明の範囲内である。
一般式(I)を有するカルボン酸の銅塩は、他の殺カビ剤に対する過敏性が低く、多くの植物病原菌及び細菌を制御することができる。
単独又は混合物で一般式(I)を有する化合物により制御される植物病原体の例を、単に説明のために、非限定的目的で、可能な適用農作物の例とともに以下に記載する。
−蔓植物のPlasmopara viticola、
−植物のPhytophthora spp.、
−米のPyricularia oryzae、
−リンゴのVenturia inaequalis、
−タバコのPeronospora tabacina、
−ウリ科の生産物のPseudoperonospora cubensis、
−サラダ、ホウレンソウのBremia、
−トマト、ジャガイモのAlternaria spp.。
【0039】
一般式(I)を有する第二銅塩は、治療的及び予防的の両方の性質の高い殺菌作用を発揮することが可能であり、植物毒性は低いか不在である。
従って、本発明のさらなる目的は、一般式(I)を有する化合物の適用による農作物における植物病原菌の制御方法に関する。
所望の効果を得るために適用される化合物の量は、例えば、使用する化合物、保存すべき農作物、病原体の種類、感染の程度、気候条件、適用法、採用される配合物のようないくつかの因子に関連して変化しうる。
一般的には、10g乃至5kg/haの用量の化合物が十分な制御を提供する。
農業における実際的な使用には、1種以上の一般式(I)を有する化合物を含む殺カビ剤組成物を採用するのがしばしば好都合である。
一般式(I)を有するこれらの組成物又は化合物の適用は、例えば、葉、茎、枝及び根のような植物のいずれかの部分、又は植える前の種、又は植物が成長する用地に実施されうる。
乾燥粉末、水和剤、乳剤、マイクロエマルジョン、ペースト、粒物、溶液、懸濁液等の形の組成物を使用しうる。組成物の種類の選択は特定の用途に依存するであろう。
組成物は、例えば、場合によっては界面活性剤の存在下で溶剤及び/又は固体希釈剤を用いて活性物質を希釈又は溶解させることにより公知の方法に従って調製される。
シリカ、カオリン、ベントナイト、タルク、滴虫土、ドロマイト、炭酸カルシウム、マグネシア、白亜、粘土、合成シリケート、アタパルガイト、海泡石が固体希釈剤又はキャリヤーとして使用されうる。
【0040】
水のほかに、芳香族有機溶剤(キシロール又はアルキルベンゾールの混合物、クロロベンゼン等)、パラフィン(油留分)、アルコール(メタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、グリセリン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸イソブチル等)、ケトン(シクロヘキサノン、アセトン、アセトフェノン、イソフォロン、エチルアミルケトン等)、アミド(N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等)が液体希釈剤として使用されうる。
アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸のナトリウム、カルシウム、トリエチルアミン又はトリエタノールアミン塩、ポリエトキシ化アルキルフェノール、ソルビトールのポリオキシエチル化エステル、リグニンスルホネート等が界面活性剤として使用されうる。
組成物はまた、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレートのような接着剤を特定の目的のための添加剤として含みうる。
前述の組成物においては、活性物質の濃度範囲は0.1乃至98%、好ましくは0.5乃至90%である。
所望であれば、例えば、殺カビ剤、植物調整剤、抗生物質、除草剤、殺虫剤、肥料のようなその他の適合する活性成分を、一般式(I)を有する化合物に添加しうる。
【0041】
本発明の組成物に含まれうるその他の殺カビ剤の例を以下に記載する:
AC-382042、アシベンゾラー(acibenzolar)、アンプロピルフォス(ampropylfos)、アニラジン、アザコナゾ−ル(azaconazole)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、ベナラキシル(benalaxyl)(そのラセミ化合物の形又は任意に活性R異性体として)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベノミル(benomyl)、ビタータノル(bitertanol)、ブラスチシジン-S、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ブピリメート(bupirimate)、ブチオベート(buthiobate)、カプタフォル(captafol)、カプタン、カルベンダジム(carbendazim)、カルボキシン、カルプロプアミド(carpropamid)、チノメチオナット(chinomethionat)、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート(chlozolinate)、キュプロカルシック(cuprocalcic)、シアゾファミド(cyazofamid)、シモキサニル(cymoxanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、シプロジニル(cyprodinil)、デバカルブ(debacarb)、ジクロフルアニド、ジクロン、ジクロブトラゾル(diclobutrazol)、ジクロメジン(diclomezine)、ジクロラン(dicloran)、ジクロシメト(diclocymet)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ジフェノコナゾール(diphenoconazole)、ジフルメトリム(diflumetorim)、ジメチリモル(dimethirimol)、ジメトモルフ(dimethomorph)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジノキャップ(dinocap)、殺菌性ジペプチド、ジピリチオン、ジタリムフォス(ditalimfos)、ジチアノン、ドデモルフ(dodemorph)、ドダイン(dodine)、エジフェンフォス、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、エタコナゾール(etaconazole)、エタボクサム(ethaboxam)、エチリモール、エトキシキン、エトリジアゾール(etridiazole)、ファモキサドン(famoxadone)、フェナミドン(fenamidone)、フェナミノスルフ、フェナパニル(fenapanil)、フェナリモール(fenarimol)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フェンフラム(fenfuram)、フェンヘクサミド(fenhexamid)、フェノキサニル(fenoxanil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、フェンチン(fentin)、フェルバム、フェリムゾーン(ferimzone)、フルアジナム(fluazinam)、フルジオキソニル(fludioxonil)、フルメトーバー(flumetover)、フルモルフ(flumorph)、フルオロイミド、フルオトリマゾール(fluotrimazole)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルスルファミド(fulsulfamide)、フルトラニル(fultolanil)、フルトリアフォル(flutriafol)、ホルペト、ホセチルアルミニウム、フベリダゾール(fuberidazole)、フララクシル(furalaxyl)、フルコナゾール(furconazole)、グアザチン(guazatine)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ヒドロキシキノリンスルフェート、ヒメキサゾール、ICIA0858、イマザリル(imazalil)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イミノクタジン(iminoctadine)、イプコナゾール(ipconazole)、イプロベンフォス(iprobenfos)、イプロジオン(iprodione)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、カスガマイシン、クレソキシム-メチル(kresoxim-methyl)、マンカパー(mancopper)、マンコゼブ(mancozeb)、マネブ、メベニル(mebenil)、メパニピリム(mepanipyrim)、メプロニル(mepronil)、メタラクシル(metalaxyl)、メタラクシル(metalaxyl)-M、メトコナゾール(metconazole)、メトフロキサム(methfuroxam)、メチラム(metiram)、メトスルフォヴァックス(metsulfovax)、MON-65500、マイクロブタニル(myclobutanil)、ナタマイシン、ニコビフェン(nicobifen)、ニトロサル(nitrothal)-イソプロピル、ヌアリモル(nuarimol)、オフレイス(ofurace)、オリサストロビン(orisastrobin)、テトララミック(tetraramic)オキシクロリド、オキサジクシル(oxadixyl)、オキシカルボキシン、ペフラゾエート(pefurazoate)、ペンコナゾール(penconazole)、ペンシクロン(pencycuron)、ペンタクロロフェノール及びその塩、ペンチオバリカルブ(penthiovalicarb)、フタリド、ピペラリン、ボルドー液、ポリオキシン、プロベナゾール(probenazole)、プロクロラズ(prochloraz)、プロシミドン(procymidone)、プロパモカルブ(propamocarb)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロピネブ、プロキナジド(proquinazid)、プロチオカルブ、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ピコキシストロビン(pycoxystrobin)、ピラカルボリド、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラゾホス、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリメタニル(pyrimethanil)、ピロキノリン、ピロキシファー(pyroxyfur)、キノアセトール、キナザミド、キンコナゾール(quinconazole)、キノキシフェン(quinoxyfen)、キントゼン、ラベナゾール(rabenazole)、水酸化銅、酸塩化銅、硫酸銅、RH-7281、RPA-407213、シメコナゾール(simeconazole)、スピロキサミン(spiroxamine)、スピロメシフェン(spiromesifen)、SSF-126、(メトミノストロビン(metominostrobin))、ストレプトマイシン、SYP-L-190、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、チアベンダゾール、チシオフェン(thicyofen)、チフルザミド(thifluzamide)、チオファナート-メチル、チラム、チオキシミド(tioxymid)、トルクロフォス(tolclofos)-メチル、トリルフルアニド(tolylfluanid)、トリアジメフォン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリアリモール(triarimol)、トリアズブチル(triazbutil)、トリアゾキシド、トリシクラゾール(tricyclazole)、トリデモルフ、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)(CGA 279202)、トリフルミゾール(triflumizole)、トリホリン、トリチコナゾール(triticonazole)、バリダマイシン(validamycin)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、ジネブ、ジラム、硫黄、ゾキサミド。
【0042】
これらの殺菌性化合物は、市販の製品又は市販間近の製品である。それらの記載は、例えば、“The pesticide manual”, 2000, XII Edition, British Crop Protection Council Ed.のような技術文献に容易に見いだされうる。
殺菌活性を有するジペプチドは、特許願第EP-A-1028125号において特許請求されている化合物の一を意味する。
一般式(I)を有するカルボン酸の誘導体の塩はまた、前述の多くの活性成分と相乗作用を示して、抗妨害方法の優れた手段であることを示し、適用用量をさらに低下させうることも見いだされた。
以下の実施例は、本発明のよりよい理解のための説明のために提供され、決して本発明の範囲の限定と考えられるべきではない。
【0043】
例1
4-クロロベンジリデンマロン酸の銅塩(化合物1)の調製
5.95gの炭酸水素ナトリウムを140cm3の水に溶解させた溶液に、8gの4-クロロベンジリデンマロン酸を添加する。酸が完全に溶解した後、8.74gの硫酸銅を20cm3の水に溶解させた溶液を反応混合物に添加する。混合物を室温において攪拌しながら一晩放置する。固体沈殿物を濾過して水で洗浄すると、空気中で乾燥させた後に8.85gの化合物1が得られる(収率:88%)。
元素分析[%実測値(理論値)]=C 41.1(41.7);H 1.9(1.7);Cl 12.3(12.7);Cu 21.9(22.1)。
【0044】
例2
4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸モノメチルエステルの銅塩(化合物50)の調製
7.4gの4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸ジメチルエステルを8cm3のメタノールに懸濁させた液体に、氷浴上でNaOHの3.1N溶液17.8cm3をゆっくり滴下する。得られた溶液を室温において24時間攪拌しながら放置する。次いで硫酸銅の溶液(16cm3のH2O中に6.95g)を添加し、混合物をさらに24時間攪拌する。固体沈殿物を濾過して水で洗浄すると、空気中で乾燥させた後に7.0gの化合物47が得られる(収率:81%)。
元素分析[%実測値(理論値)]=C 45.2(45.9);H 3.1(3.2);Cu 20.4(20.2)。
【0045】
例3
3-ケトグルタル酸の銅塩(化合物132)の調製
10gの3-ケトグルタル酸を45cm3のH2Oに懸濁させた液体に、氷浴上で11.5gの炭酸水素ナトリウムを少しずつ添加する。次いで9.1gの塩化銅(II)を再び氷浴上で添加する。反応混合物を室温において24時間攪拌しながら放置する。固体沈殿物を濾過して水で洗浄すると、空気中で乾燥させた後に12.0gの化合物129が得られる(収率:83%)。
元素分析[%実測値(理論値)]=C 28.2(28.9);H 2.0(1.9);Cu 30.7(30.6)。
【0046】
例4
2-メトキシコハク酸の銅塩(化合物239)の調製
10gのジメチルマレエートを、攪拌しながらMeONaの3Mメタノール溶液25cm3に添加する。1時間後、NaOHの7N溶液10cm3を滴下し、さらに1時間後に硫酸銅の溶液(45cm3のH2O中に17.2g)を添加する。反応混合物をさらに24時間攪拌する。固体沈殿物を濾過して水で洗浄すると、空気中で乾燥させた後に11.2gの化合物235が得られる(収率:80%)。
元素分析[%実測値(理論値)]=C 28.3(28.6);H 2.7(2.9);Cu 29.9(30.3)。
【0047】
例5
5-クロロサリチル酸の銅塩(化合物275)の調製
5gの5-クロロサリチル酸を10cm3のH2Oに懸濁させた液体に、NaOHの5.8N溶液10cm3を添加する。酸が完全に溶解した後、塩化銅の溶液(40cm3のH2O中に3.9g)を添加する。反応混合物を24時間攪拌する。固体沈殿物を濾過して水で洗浄すると、空気中で乾燥させた後に6.3gの化合物269が得られる(収率:93%)。
元素分析[%実測値(理論値)]=C 35.4(35.9);H 1.25(1.3);Cl 15.1(14.9);Cu 26.9(27.1)。
【0048】
例に記載した方法と同様にして以下の化合物を調製した。
表1
式中のAが下式(A1)の意味を有する一般式(I)の誘導体
【化17】













【0049】
【表1】







【0050】
表2
式中のAが下式(A2)の意味を有する一般式(I)の誘導体
【化18】



























【0051】
【表2】











【0052】
表3
式中のAが下式(A3)の意味を有する一般式(I)の誘導体
【化19】

【0053】
【表3】












【0054】
表4
式中のAが下式(A4)の意味を有する一般式(I)の誘導体
【化20】

【0055】
【表4】

【0056】
表5
式中のAが下式(A5)の意味を有する一般式(I)の誘導体
【化21】


















【0057】
【表5】

【0058】
表6
式中のAが下式(A6)の意味を有する一般式(I)の誘導体
【化22】



【0059】
【表6】

【0060】
表7
式中のAが下式(A7)の意味を有する一般式(I)の誘導体
【化23】









































【0061】
【表7】

【0062】
表8
式中のAが下式(A8)の意味を有する一般式(I)の誘導体
【化24】

【0063】
【表8】

【0064】
例6
蔓植物におけるツユカビ(Plasmopara viticola)に対する殺菌活性の測定
調整済みの環境(20±1℃、相対湿度70%)における花瓶内で成長した蔓植物の葉(品種Dolcetto)を、アセトン中に20体積%の濃度で水−アセトン溶液中に分散させた化合物1、2及び3を葉の両面に噴霧することにより処理する。
調整済みの大気中に24時間保持した後、植物の葉の両面にPlasmopara viticolaの分生子の水性懸濁液(20000分生子/cm3)を噴霧する。
植物を、菌の培養期間21℃において湿度飽和環境に保持する。
前記期間の終了時(7日間)に、0%(完全に感染した植物)乃至100%(健全な植物)の評価スケールで殺菌活性を評価する。
試験したすべての植物は、1000ppmの濃度で90より高い菌の制御を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):A・Cu(I)を有する化合物の、植物又はその一部における植物病原細菌及び真菌の制御のための、単独又は混合物での使用。
(式中、
− Aは、(A1)〜(A8)の意味を有する有機酸の二塩基性イオンを表し、
− Cuは、銅2+イオンを表し、
− (A1)〜(A8)は、それぞれ以下のカルボン酸を表す。
(A1):
【化1】

(式中、
− R1及びR2は、同種でも異種でもよく、水素原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C6アルケニル又はC2-C6ハロアルケニル基、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル又はC1-C6ハロアルコキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルチオ又はC1-C6ハロアルキルチオ基、任意に置換されたC3-C6シクロアルコキシル基、任意に置換されたアリール基又は任意に置換されたヘテロアリール基、任意に置換された複素環式基を表す。)
(A2):
【化2】

(式中、
− R2は、前述の定義の意味を有し、
− Qは、水素原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、シアノ基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルカルボニル又はC1-C6ハロアルキルカルボニル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、C1-C6アルキルアミノカルボニル基、C2-C12ジアルキルアミノカルボニル基を表し、
− Xは、水素原子又はハロゲン原子、ヒドロキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル又はC1-C6ハロアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミン基、C1-C6アルキルアミン基、C2-C12ジアルキルアミン基、置換されていてもよい直鎖状又は分岐状のC1-C6チオアルキル基、置換されていてもよい直鎖状又は分岐状のC1-C6ハロチオアルキル基、置換されていてもよい直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルスルフィニル基、置換されていてもよい直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルスルホニル基を表し、
− nは1乃至4の数である。)
(A3):
【化3】

(式中、
− Wは、酸素原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルイミン基、任意に置換されたアリールイミン基、任意に置換されたヘテロアリールイミン基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシイミン基、任意に置換されたアリールオキシイミン基を表し、
− x及びyは、同一でも異なっていてもよく、0乃至4の数である。)
(A4):
【化4】

(式中、
− R3は、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基を表し、
− x及びyは、同一でも異なっていてもよく、0乃至4の数である。)
(A5):
【化5】

(式中、
− R4は、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基を表す。)
(A6):
【化6】

(式中、
− Q、X及びnは前述の定義と同一の意味を有する。)
(A7):
【化7】

(式中、
− R5及びR6は、同種でも異種でもよく、水素原子、ハロゲン原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C6アルケニル又はC2-C6ハロアルケニル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C6アルキニル又はC2-C6ハロアルキニル基、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル又はC1-C6ハロアルコキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルチオ又はC1-C6ハロアルキルチオ基、任意に置換されたC3-C6シクロアルコキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルアミン基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC2-C12ジアルキルアミン基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルキルカルボニルアミン基、任意に置換されたアリールカルボニルアミン基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基、任意に置換された複素環式基を表し、
− R5及びR6は、合同でC1-C6環を形成してもよく、
− x及びyは、同一でも異なっていてもよく、x及びyが0乃至2でR5及びR6がともに水素原子である場合以外は、0乃至4の数である。)
(A8):
【化8】

(式中、
− X及びnは、サリチル酸を除いて、前述の定義と同一の意味を有する。))
【請求項2】
一般式(I)を有する前記化合物が、いずれかの割合の異性体混合物又は単一の異性体である請求項1記載の使用。
【請求項3】
一般式(I)を有する前記化合物が、いずれかの数の水分子の配位により水和された形で存在する請求項1記載の使用。
【請求項4】
一般式(I)を有する前記化合物が、その構造内に金属カチオンをさらに配位している請求項1記載の使用。
【請求項5】
一般式(I)を有する前記化合物が混合塩の形である請求項1記載の使用。
【請求項6】
一般式(I)を有する前記化合物が、
・4-クロロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・3,4-ジメトキシベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-フルオロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-トリフルオロメチルベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ジメチルアミノベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・2,4-ジクロロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ブロモベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸モノメチルエステルの銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸モノエチルエステルの銅(II)塩、
・2-シアノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
・2-アセチル-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
・2-アミノカルボニル-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
・3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-メトキシカルボニル-2-ブテン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・2-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・3-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・3-ケトグルタル酸の銅(II)塩、
・3-メトキシ-2-ペンテン二酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-クロロフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-シアノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-シアノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩
・2-メトキシコハク酸の銅(II)塩、
・2-エトキシコハク酸の銅(II)塩、
・3-(2-フリル)-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・3-(2-チアゾリル)-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・3-ベンジリデン-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・1,1-シクロプロパンジカルボン酸の銅(II)塩、
・ジアリルマロン酸の銅(II)塩、
・エチルフェニルマロン酸の銅(II)塩、
・ビス(2-シアノエチル)マロン酸の銅(II)塩、
・N-モルホリンマロン酸の銅(II)塩、
・N-ベンジルオキシイミノマロン酸の銅(II)塩、
・3-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・5-クロロ-2-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・5-ブロモ-2-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・2-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸の銅(II)塩、
・2-ヒドロキシ-5-メトキシ安息香酸の銅(II)塩、
・2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸の銅(II)塩、
・3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・3,5-ジメチル-4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・3-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・2,3-ジヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、
・2,6-ジヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩、及び
・3,4-ジヒドロキシ安息香酸の銅(II)塩
から選択される請求項1記載の使用。
【請求項7】
一般式(I′):A′・Cu(I′)を有する化合物。
(式中、
− A′は、(A′1)〜(A′7)の意味を有する有機酸の二塩基性イオンを表し、
− Cuは、銅2+イオンを表し、
− (A′1)〜(A′7)は、それぞれ以下のカルボン酸を表す。
・(A′1):
【化9】

(式中、
− R′1は任意に置換されたアリール基を表し、
− R′2は水素原子を表す。)
・(A′2):
【化10】

(式中、
− X′は、水素又はハロゲン原子、ヒドロキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル基を表し、
− n′は1又は2の値を有し、
− R′2は水素原子を表し、
− Q′は、水素原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシカルボニル基、アセチル基、シアノ基を表す。)
・(A′3):
【化11】

(式中、
− W′は酸素原子を表し、
− x′及びy′はともに1の値を有する。)
・(A′4):
【化12】

(式中、
− R′3は直鎖状又は分岐状のC1-C3アルキル基を表し、
− x′は1に等しく、y′は0に等しい。)
・(A′5):
【化13】

(式中、
− R′4は任意に置換されたアリール基を表す。)
・(A′6):
【化14】

(式中、
− X′は、水素又はハロゲン原子、ヒドロキシル基、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル基を表し、
− n′は1又は2の値を有し、
− Q′は、水素原子、任意に置換された直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシカルボニル基、アセチル基、シアノ基を表す。)
・(A′7):
【化15】

(式中、
− R′5は直鎖状又は分岐状のC1-C6アルコキシル基を表し、
− R′6は水素原子を表し、
− x′は0に等しく、y′は1に等しい。))
【請求項8】
前記化合物が、
・4-クロロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・3,4-ジメトキシベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-フルオロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-トリフルオロメチルベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ジメチルアミノベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・2,4-ジクロロベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ブロモベンジリデンマロン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸モノメチルエステルの銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンマロン酸モノエチルエステルの銅(II)塩、
・2-シアノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
・2-アセチル-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
・2-アミノカルボニル-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロペン酸の銅(II)塩、
・3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-メトキシカルボニル-2-ブテン酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシ-3-メトキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・2-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・3-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・4-ヒドロキシケイヒ酸の銅(II)塩、
・3-ケトグルタル酸の銅(II)塩、
・3-メトキシ-2-ペンテン二酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-クロロフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-カルボキシ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-シアノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩、
・3-アミノ-2-シアノ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロパン酸の銅(II)塩
・2-メトキシコハク酸の銅(II)塩、
・2-エトキシコハク酸の銅(II)塩、
・3-(2-フリル)-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・3-(2-チアゾリル)-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・3-ベンジリデン-2-カルボキシプロペン酸の銅(II)塩、
・ジアリルマロン酸の銅(II)塩、
・エチルフェニルマロン酸の銅(II)塩、
・ビス(2-シアノエチル)マロン酸の銅(II)塩、
・N-モルホリンマロン酸の銅(II)塩、及び
・N-ベンジルオキシイミノマロン酸の銅(II)塩
から選択される請求項7記載の化合物。
【請求項9】
下式の反応スキームAに従う反応を含む、請求項1乃至8のいずれかに記載の一般式(I)を有する化合物の調製方法。
【化16】

(式中、Aは前述の定義と同一の意味を有し、zは1又は2の値を有する。)
【請求項10】
活性成分として、1種以上の、請求項1乃至8のいずれかに記載の一般式(I)を有する化合物を含む殺菌性組成物。
【請求項11】
その他の殺カビ剤、植物調整剤、抗生物質、除草剤、殺虫剤、肥料のような、前記一般式(I)を有する化合物に適合するその他の活性成分を含む請求項10記載の組成物。
【請求項12】
前記活性成分の濃度が0.1乃至98%、好ましくは0.5乃至90%である、請求項10又は11記載の組成物。
【請求項13】
植物病原菌の制御のための請求項1乃至12のいずれかに記載の殺菌性組成物の使用。
【請求項14】
前記植物病原体が、蔓植物のPlasmopara viticola、植物のPhytophthora spp.、米のPyricularia oryzae、リンゴのVenturia inaequalis、タバコのPeronospora tabacina、ウリ科の生産物のPseudoperonospora cubensis、サラダ、ホウレンソウのBremia、トマト、ジャガイモのAlternaria spp.である請求項1乃至6又は13のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
請求項1乃至8のいずれかに記載の一般式(I)を有する化合物の適用又は請求項10乃至12のいずれかに記載の殺菌性組成物の適用による農作物における植物病原菌を制御する方法。
【請求項16】
適用される化合物の量が10g/ha乃至5kg/haである請求項15記載の方法。
【請求項17】
例えば、葉、茎、枝及び根のような植物のすべての部分、又は植える前のその種、又は植物が成長する用地に適用する請求項15記載の方法。
【請求項18】
プラスチック、金属、織物繊維、ガラス、木材、紙、発泡体、レンガのような生命のない基材における植物病原菌の制御のための、請求項1乃至8のいずれかに記載の一般式(I)を有する化合物、又は請求項10乃至12のいずれかに記載の殺菌性組成物の使用。

【公表番号】特表2007−502314(P2007−502314A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529888(P2006−529888)
【出願日】平成16年5月8日(2004.5.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005490
【国際公開番号】WO2004/103074
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505431237)イサグロ ソシエタ ペル アチオニ (5)
【Fターム(参考)】