説明

有機電界発光表示装置及びその駆動方法

【課題】スキャンラインの配線抵抗による電圧降下の問題を克服するために、入力されるデータを補正することで、画像品質の劣化を抑止する。
【解決手段】スキャンライン、データライン及び多数の画素が備えられる表示パネル10と、データラインに補正データ信号を印加するデータ駆動部16と、奇数番目のスキャンラインに順次走査信号を印加する第1走査駆動部14と、偶数番目のスキャンラインに順次走査信号を印加する第2走査駆動部15と、各スキャンライン別にこれに連結された画素に入力されるデータを格納するバッファメモリ18と、バッファメモリ18に格納されたデータにより各スキャンライン別の輝度の程度を判断してこれに対応するデータ補正値を生成し、これを通じて前記各スキャンラインに連結されるそれぞれの画素位置に適合するように、データに補正値を加減して生成された補正データ信号をデータ駆動部に提供する補正演算部19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機電界発光表示装置に関し、特に配線の電圧降下(IR drop)による輝度差を克服できる受動型有機電界発光表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、有機電界発光表示装置は自発光素子であって、液晶表示装置などの他のディスプレイ装置に比べて視野角の問題がなく、消費電力に比べて高い輝度の発光能力を有する。また、他の表示装置に比べて薄い厚さで製作し易いという長所を有する。
このような有機電界発光表示装置は、駆動方式によって能動型と受動型とに区分され得る。
【0003】
能動型有機電界発光表示装置は、それぞれの画素が駆動回路を有する。従って、スキャンラインを介して選択された画素にデータ信号が印加される。またデータ信号は画素の発光期間にキャパシタに維持される特性を有する。従って、発光期間全体を通じて画素にデータ信号を供給する必要がないので、画素の駆動電力が減少するという効果がある。但し、前記能動型有機電界発光表示装置は、それぞれの画素別に有機発光ダイオード以外に多数の薄膜トランジスタ及びキャパシタが備えられなければならないなど、その構成が複雑であるという短所がある。
【0004】
それに対し、受動型有機電界発光表示装置は、それぞれの画素に有機発光ダイオード、アノード電極及びカソード電極を備えてアノード電極とカソード電極との間に印加されるデータ電圧又は電流により発光動作を行う。即ち、前記受動型有機電界発光表示装置は、各画素を構成するにおいて薄膜トランジスタが備えられる必要がないなど、前述した能動型有機電界発光表示装置に比べて相対的に簡単な構成を有し、それにより、生産が容易であるという長所を有する。
【0005】
このような受動型有機電界発光表示装置は、多数の画素で構成されたパネル部と、画素にスキャン信号を供給するためのスキャンライン及び前記画素にデータ信号を供給するためのデータラインで構成される。
【0006】
特に、前記スキャンラインは各画素のカソード電極に連結され、一般に偶数番目及び奇数番目毎に左右交互に接続される構造を有する。
即ち、スキャンラインにスキャン信号を印加する動作は画素の左側と右側で交互に印加できる。一例として、奇数番目のスキャンラインはパネル部の左側からスキャン信号の供給を受け、偶数番目のスキャンラインはパネル部の右側からスキャン信号の供給を受けることができる。
【0007】
しかしながら、このような構造の場合、スキャンラインの配線抵抗による電圧降下(IR drop)が発生すれば、左右の両端に向かうほど、奇数番目及びこれに隣接した偶数番目ラインの輝度差が大きくなり、水平ストライプ現象が現れて画像の品質が劣化してしまうという短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本特開平2007−310097号
【特許文献2】日本特開平2007−272144号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、受動型有機電界発光表示装置において、スキャンラインの配線抵抗による電圧降下の問題を克服するために、データラインに入力されるデータを補正して提供することで、水平ストライプ現象を除去し、これによる画像品質の劣化も抑止する有機電界発光表示装置及びその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明に係る有機電界発光表示装置は、スキャンライン、データライン及び前記スキャンラインとデータラインの交差部に形成された多数の画素が備えられる表示パネルと、前記データラインに補正データ信号を印加するデータ駆動部と、奇数番目のスキャンラインに順次走査信号を印加する第1走査駆動部と、偶数番目のスキャンラインに順次走査信号を印加する第2走査駆動部と、各スキャンライン別にこれに連結された画素に入力されるデータを格納するバッファメモリと、前記バッファメモリに格納されたデータにより各スキャンライン別の輝度の程度を判断してこれに対応するデータ補正値を生成し、これを通じて前記各スキャンラインに連結されるそれぞれの画素位置に適合するように、データに前記補正値を加減して生成された前記補正データ信号を前記データ駆動部に提供する補正演算部とを有することを特徴とする。
【0011】
このとき、前記補正演算部は、各スキャンライン別の輝度の程度を判断し、各スキャンラインに対して互いに対応する画素別の輝度差を計算する第1計算部と、前記第1計算部の結果値と、スキャンラインに連結された各画素のアドレス情報の入力を受けて現在のスキャンラインに連結された各画素の位置に適合するように、前記各画素に入力されるデータの補正値を調整する第2計算部と、前記第1計算部による各スキャンライン別の輝度の程度を考慮して前記各画素に入力されるデータの輝度に適合した校正値を生成する制御部とを有することを特徴とする。
【0012】
また、前記各スキャンラインに対して互いに対応する画素は同じデータラインに連結される画素であり、隣接したスキャンラインにそれぞれ連結された画素であり、前記第1計算部は各スキャンライン別の輝度の程度を判断するように前記各スキャンラインに連結された画素に入力されるデータを加算合計する回路を有することを特徴とする。
【0013】
更に、前記第2計算部はスキャンラインの端部から中央部方向へ画素位置に適合するように、データの補正値を傾斜的に調整できるように、すなわち、端部に向かうほど、補正が大きくなるように、各画素のアドレスに対して直線近似させる乗除算回路を有し、前記制御部は各画素に入力されるデータの階調別に前記補正値を加減するようにする校正値が格納されたレジスタを備えた階調補正テーブル回路を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明による有機電界発光表示装置の駆動方法は、各スキャンライン別の輝度の程度を判断し、各スキャンラインに対して互いに対応する画素別の輝度差を計算する第1段階と、スキャンラインに連結された各画素のアドレス情報の入力を受けて現在のスキャンラインに連結された各画素の位置に適合するように、前記各画素に入力されるデータの補正値を調整する第2段階と、前記第1段階による各スキャンライン別の輝度の程度を考慮して前記各画素に入力されるデータの輝度に適合した校正値を生成する第3段階と、前記第2段階及び第3段階の出力値により生成された最終補正値が現在のスキャンラインに連結された画素に入力されるデータに加減されて補正データが出力される第4段階とを含むことを特徴とする。
【0015】
更に、前記隣接するスキャンラインは、奇数番目のスキャンライン及びこれに隣接した偶数番目のスキャンラインであり、前記奇数番目及び偶数番目のスキャンラインには互いに異なる方向から走査信号が印加され、前記各画素に入力されるデータの補正値を調整するにおいてスキャンラインの端部から中央部方向へ画素位置に適合するように、データの補正値を傾斜的に調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スキャンラインの配線抵抗による電圧降下の問題を克服するために、データラインに入力されるデータを補正して提供することで、水平ストライプ現象を除去し、これによる画像品質の劣化も抑止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る有機電界発光表示装置の概略的なブロック図である。
【図2】図1の表示パネルに対する回路構成を示すブロック図である。
【図3】図1の補正演算部に対する具体的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。ここで、第1構成要素と第2構成要素が連結されると説明するにあたり、第1構成要素は第2構成要素と直接連結されてもよく、第3構成要素を介して第2構成要素と間接的に連結されてもよい。また、本発明の完全な理解のための必須でない構成要素は明確性を図るために省略する。更に、同一部分には同一符号を付す。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る有機電界発光表示装置の概略的なブロック図であり、図2は、図1の表示パネルに対する回路構成を示すブロック図である。
【0020】
図1を参照すれば、本発明の実施形態に係る有機電界発光表示装置は、表示パネル10、タイミング制御部12、走査駆動部14及びデータ駆動部16を有する。特に、各スキャンラインS1、…、Sn別にこれに連結された画素(図示せず)に入力されるデータDataを格納するバッファメモリ18と、バッファメモリ18に格納されたデータにより各スキャンライン別の輝度の程度を判断し、これに対応するデータ補正値を生成する。そして、これを通じて各スキャンラインに連結されるそれぞれの画素位置に適合するように、データに補正値を加減して生成された補正データData’をデータ駆動部16に提供する補正演算部19を有する。
【0021】
即ち、補正演算部19はスキャンラインの配線抵抗による電圧降下の問題を克服するにおいて、スキャンラインに連結された画素に入力されるデータによる輝度程度を考慮してデータを補正し、補正されたデータをデータ駆動部16に提供する。
【0022】
タイミング制御部12は外部から入力される画像データDataを処理する。タイミング制御部12は画像データが入力されるバッファメモリ18を制御し、データ駆動部16にデータ制御信号を印加し、走査駆動部14に走査制御信号を印加する。
そして、データラインD1、…、Dmと電気的に連結されたデータ駆動部16は、タイミング制御部12からのデータ制御信号に応じて補正演算部16を介して入力を受けた補正データData’に相応する駆動電流を生成してデータラインD1、…、Dmに印加する。
【0023】
また、スキャンラインS1、…、Snと電気的に連結された走査駆動部14、15は、タイミング制御部12から入力されるスイッチング制御信号に応じた走査信号をスキャンラインS1、…、Snのそれぞれに順次印加する。
【0024】
但し、本発明の実施形態の場合、走査駆動部は奇数番目のスキャンラインS1、S3、…、Sn−1に順次走査信号を印加する第1走査駆動部14と、偶数番目のスキャンラインS2、S4、…、Snに順次走査信号を印加する第2走査駆動部15とからなることを特徴とする。
【0025】
表示パネル10は、図2に示すように、多数の画素110、112、114で構成された画素部100、画素110、112、114にスキャン信号S1、…、Snを供給するためのスキャンライン120、130及び画素110にデータ信号D1(R)、D2(G)、…、Dm(B)を供給するためのデータライン140で構成される。
【0026】
画素部100のそれぞれの画素110、112、114は、スキャンライン120、130とデータライン140とが交差する領域に形成され、規則的に配列されたレッド画素110、ブルー画素112及びグリーン画素114で構成される。それぞれの画素110、112、114は、特定の色を表す有機発光ダイオードD及び寄生キャパシタCでモデリングされる。また、有機発光ダイオードDのアノード電極にはデータライン140が連結され、カソード電極にはスキャンライン120、130が連結される。
【0027】
スキャンライン120、130は、多数の画素110、112、114のカソード電極に連結される。それぞれのスキャンライン120、130が活性化される場合、活性化されたスキャンライン120、130に連結された画素110、112、114は発光動作を行える状態で進入する。
【0028】
スキャンライン120、130を活性化する方法によってディスプレイ動作は、飛越走査(Interlaced Scan)及び順次走査(Progressive Scan)とに分けられる。
【0029】
また、スキャンライン120、130にスキャン信号S1、…、S2nを印加する動作は、画素の左側と右側で交互に印加できる。即ち、奇数番目のスキャンライン120はパネル部100の左側からスキャン信号の供給を受け、偶数番目のスキャンライン130はパネル部100の右側からスキャン信号の供給を受けることができる。
【0030】
例えば、奇数番目のライン、即ち、一例として、第1スキャンライン121が活性化され、第1スキャンライン121に連結された画素110、112、114にデータ信号D1(R)、D2(G)、…、Dm(B)が供給されると、それぞれの画素110、112、114を通過した電流は第1スキャンライン121の右側から左側に流れる。従って、配線抵抗Rが存在する場合、第1スキャンライン121の右側の電圧は左側の電圧より高いレベルを維持する。
【0031】
即ち、第1スキャンライン121の右側に配置された画素のカソード電圧は高い値を維持し、左側に配置された画素のカソード電圧は低い値を維持する。 従って、第1スキャンライン121に連結された画素が同じ輝度で発光しなければならない場合にも右側の画素は左側の画素より多少低い輝度で発光する。
【0032】
前述した現象は偶数番のスキャンライン130に連結された画素では反対に現れる。即ち、一例として、第2スキャンライン131に連結された画素が同じ輝度で発光しなければならない場合にも左側の画素は低い輝度で発光する。
このようにスキャンラインの配線抵抗による電圧降下(IR drop)が発生すれば、左右の終端へ向かうほど、奇数番目及びこれに隣接した偶数番目ラインの輝度差が大きくなり、水平ストライプ現象が生じる。
【0033】
より具体的に説明すれば、第1スキャンライン121及び第2スキャンライン131に連結された画素がいずれも同じ輝度で発光する場合を仮定すると、最も右側に位置する第1スキャンライン121に連結された画素Aのカソード電圧Vは第2スキャンライン131に連結された画素Bのカソード電圧Vより大きく、輝度はその反対となる。即ち、理想的には画素Aと画素Bが同じ輝度で発光されなければならないにも拘らず、画素Aの輝度が画素Bの輝度より低く発光する。
【0034】
即ち、同じデータラインDmに連結される画素であって、隣接したスキャンラインにそれぞれ連結された画素A、Bの場合、スキャンラインの電圧降下によって輝度の差が発生し、これはパネルの中央部から終端部に向かうほど、大きくなる。
即ち、画素A及び画素Bのカソード電圧差(ΔV=V−V)が大きいほど、輝度差は更に大きくなる。
【0035】
このような問題を克服するための方策として、各画素に印加される電流の大きさ、即ち、データをスキャンライン方向に対して傾斜的に調整することが提示された。しかしながら、この場合、電流の調整のために、可変電圧源が更に備えられなければならないだけでなく、各データの階調に関係なく補正が一定の割合で行われるため、中間階調に対する補正が十分でないという短所がある。
【0036】
一例として、第1スキャンライン121に連結された画素A及び第2スキャンライン131に連結された画素Bがいずれも100%の輝度、即ち、フルホワイト階調で発光するようにするデータが入力されることを仮定する。このとき、画素Bが100cd/m、画素Aが90cd/mの輝度で発光して10%の差が生じれば、画素A及び画素Bのカソード電圧差(ΔV=V−V)が同一である場合、即ち、第1スキャンライン121に連結された画素A及び第2スキャンライン131に連結された画素Bがいずれも一定の輝度(一例として、中間階調である50%の輝度)で発光するようにするデータが入力されると、画素Bが50cd/m、画素Aが40cd/mの輝度で発光して輝度差の絶対値は同一であるが、相対的に20%の差が生じる。
【0037】
即ち、水平ストライプ現象を克服するにおいては隣接スキャンラインに上下に配置された画素間の絶対的な輝度差だけでなく、各画素に印加されるデータの階調程度を考慮してデータを補正することが好ましい。これを通じて必要な補正の比率が相対的に大きい中間階調においてもより確実な水平ストライプ現象が克服可能になる。
【0038】
本発明の実施形態は、前述したように、各スキャンライン別にこれに連結された画素に入力されるデータを格納するバッファメモリ18と、バッファメモリ18に格納されたデータにより各スキャンライン別の輝度の程度を判断してこれに対応するデータ補正値を生成する。そして、これを通じて前記各スキャンラインに連結されるそれぞれの画素位置に適合するように、データに補正値を加減して生成された補正データをデータ駆動部16に提供する補正演算部19を備えることにより、前記問題を克服する。
【0039】
即ち、補正演算部19はスキャンラインの配線抵抗による電圧降下の問題を克服するにおいて、それぞれのスキャンラインに連結された画素に入力されるデータによる輝度程度を考慮してこれに対応するデータを補正し、補正されたデータData’をデータ駆動部16に提供する。
【0040】
図3は、図1の補正演算部に対する具体的な構成を示すブロック図である。
図3を参照すれば、補正演算部19は、第1計算部190と、第2計算部192と、制御部194とを備える。第1計算部190は各スキャンライン別の輝度の程度を判断し、各スキャンラインに対して互いに対応する画素別の輝度差を計算する。そして、第2計算部192は第1計算部の結果値と、スキャンラインに連結された各画素のアドレス情報の入力を受けて現在のスキャンラインに連結された各画素の位置に適合するように、各画素に入力されるデータDataの補正値を調整する。また、制御部194は第1計算部190による各スキャンライン別の輝度の程度を考慮して各画素に入力されるデータの輝度(階調)に適合した校正値を生成する。ここで、第2計算部192及び制御部194の出力値により生成された最終補正値がスキャンラインに連結された画素に入力されるデータDataに加減されて補正されたデータData’が出力される。
【0041】
このとき、各スキャンラインは、前述したように、奇数番目及び偶数番目のスキャンラインに区分されて、それぞれ互いに反対方向からスキャン信号が入力されることを特徴とする。
【0042】
第1計算部190は、バッファメモリ18から各スキャンライン別にこれに連結された画素に入力されるデータDataの伝達を受ける。そして、これを通じて各スキャンライン別の輝度の程度を判断し、各スキャンラインに対して互いに対応する画素別の輝度差を計算する役割をする。このとき、各スキャンライン別の輝度の程度を判断するために、一例として各スキャンラインに連結された画素に入力されるデータを加算合計する回路を含んで構成されることができる。
【0043】
又は、パルス幅変調(PWM)駆動方式の有機電界発光表示装置の場合には、各スキャンラインに連結された画素が駆動される画素数を計算する回路が備えられることによっても実現が可能である。
これにより、スキャンラインに連結された各画素を通じて発光する輝度の程度を判断できる。
【0044】
また、第2計算部192は、現在のスキャンラインに連結された各画素のアドレス情報の入力を受けてスキャンラインに連結された各画素の位置に適合するように、各画素に入力されるデータの補正値を調整する役割をする。前述したように、パネルの端部の場合は対応する画素別の輝度差が大きく、中央部へ向かうほど、対応画素別の輝度差が小さいので、各画素に入力されるデータの補正値は画素の位置に応じて互いに異なる割合で適用されることが好ましい。
【0045】
これにより、第2計算部192はスキャンラインの端部から中央部方向へ画素位置に適合するように、データの補正値を傾斜的に調整することができ、これは各画素のアドレスに対して直線近似させる乗除算回路で構成され得る。
また、制御部194は内部に階調補正テーブル回路196が備えられており、これは各画素に入力されるデータの階調別に補正値を加減するようにする校正値が格納されたレジスタを含んで構成される。
【0046】
即ち、制御部194は前述した第1計算部190により得られた各スキャンライン別の輝度の程度を考慮して各画素に入力されるデータの階調に適合した校正値を抽出する役割をする。
【0047】
このように制御部194を介してスキャンラインに連結された各画素別の校正値が抽出されると、これは第2計算部196から出力された補正値に乗算して最終的に現在のスキャンラインに連結された各画素別の最終補正値が生成される。そして、これは各画素別に入力される現在のデータDataに加減されて補正データData’が出力される。
【0048】
出力された補正データData’はデータ駆動部16に伝達されてデータ駆動部16を介してスキャンラインに連結された各画素別に印加される。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることはもちろんであり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャンライン、データライン及び前記スキャンラインとデータラインの交差部に形成された多数の画素が備えられる表示パネルと、
前記データラインに補正データ信号を印加するデータ駆動部と、
奇数番目のスキャンラインに順次走査信号を印加する第1走査駆動部と、
偶数番目のスキャンラインに順次走査信号を印加する第2走査駆動部と、
各スキャンライン別にこれに連結された画素に入力されるデータを格納するバッファメモリと、
前記バッファメモリに格納されたデータにより各スキャンライン別の輝度の程度を判断してこれに対応するデータ補正値を生成し、これを通じて前記各スキャンラインに連結されるそれぞれの画素位置に適合するように、データに前記補正値を加減して生成された前記補正データ信号を前記データ駆動部に提供する補正演算部と
を備えることを特徴とする有機電界発光表示装置。
【請求項2】
前記補正演算部は、
各スキャンライン別の輝度の程度を判断し、各スキャンラインに対して互いに対応する画素別の輝度差を計算する第1計算部と、
前記第1計算部の結果値と、スキャンラインに連結された各画素のアドレス情報の入力を受けて現在のスキャンラインに連結された各画素の位置に適合するように、前記各画素に入力されるデータの補正値を調整する第2計算部と、
前記第1計算部による各スキャンライン別の輝度の程度を考慮して前記各画素に入力されるデータの輝度に適合した校正値を生成する制御部と
を有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項3】
前記第1計算部は各スキャンライン別の輝度の程度を判断するように前記各スキャンラインに連結された画素に入力されるデータを加算合計する回路を含むことを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項4】
前記第2計算部はスキャンラインの端部から中央部方向へ画素位置に適合するように、データの補正値を傾斜的に調整できるように、すなわち、端部に向かうほど、補正が大きくなるように、各画素のアドレスに対して直線近似させる乗除算回路を有することを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項5】
前記制御部は各画素に入力されるデータの階調別に前記補正値を加減するようにする校正値が格納されたレジスタを備えた階調補正テーブル回路を有することを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項6】
各スキャンライン別の輝度の程度を判断し、各スキャンラインに対して互いに対応する画素別の輝度差を計算する第1段階と、
スキャンラインに連結された各画素のアドレス情報の入力を受けて現在のスキャンラインに連結された各画素の位置に適合するように、前記各画素に入力されるデータの補正値を調整する第2段階と、
前記第1段階による各スキャンライン別の輝度の程度を考慮して前記各画素に入力されるデータの輝度に適合した校正値を生成する第3段階と、
前記第2段階及び第3段階の出力値により生成された最終補正値が現在のスキャンラインに連結された画素に入力されるデータに加減されて補正データが出力される第4段階と
を含むことを特徴とする有機電界発光表示装置の駆動方法。
【請求項7】
前記隣接するスキャンラインは奇数番目のスキャンライン及びこれに隣接した偶数番目のスキャンラインであり、前記奇数番目及び偶数番目のスキャンラインには互いに異なる方向から走査信号が印加されることを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光表示装置の駆動方法。
【請求項8】
前記各画素に入力されるデータの補正値を調整するにおいてスキャンラインの端部から中央部方向へ画素位置に適合するように、データの補正値を傾斜的に調整することを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−15138(P2010−15138A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119184(P2009−119184)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】