説明

有機EL表示パネルのエージング方法

【課題】有機EL表示装置の消費電力の増大を抑えつつ、その信頼性を向上させることが可能な有機EL表示パネルのエージング方法を提供する。
【解決手段】最初に、固定表示領域11を特定する(ステップA1)。次に、第1のエージングとして、固定表示領域11の有機EL素子116のみに対して、通常の駆動電流の電流密度よりも大きな第1の電流密度の電流を所定時間にわたり供給する。さらに、第2のエージングとして、非固定表示領域12の有機EL素子116のみに対して、第1の電流密度よりも小さな第2の電流密度の電流を所定時間にわたり供給する(ステップA2)。その後、必要に応じて、有機EL表示パネル10の全面の表示画素110の有機EL素子に供給される駆動電流を不図示の補正回路等により調整して、有機EL表示パネル10の全面の表示画像の補正処理(いわゆる2次元補正)を行う(ステップA3)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の有機EL素子を備えた有機EL表示パネルのエージング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:以下、「有機EL」と略称する)素子を用いた有機EL表示装置が、CRTやLCDに代わる表示装置として注目されており、例えば、その有機EL素子を駆動させる駆動用薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下「TFT」と略称する)を備えたアクティブマトリクス型の有機EL表示装置の研究開発も進められている。
【0003】
有機EL素子は、例えば、ITOから成る陽極、MTDATA(4,4−bis(3−methylphenylphenylamino)biphenyl)等の第1ホール輸送層及びTPD(4,4,4−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylanine)等の第2ホール輸送層から成るホール輸送層、キナクリドン(Quinacridone)誘導体を含むBebq(10−ベンゾ〔h〕キノリノール−ベリリウム錯体)から成る発光層、Bebqから成る電子輸送層、及びアルミニウム合金等から成る陰極が、この順番で積層形成された構造を有する。
【0004】
このような有機EL素子は、有機EL素子を駆動させる駆動用TFTを介して電流が供給されることによって発光する。即ち、陽極から注入されたホールと、陰極から注入された電子とが発光層の内部で再結合し、発光層を形成する有機分子を励起して励起子が生じる。この励起子が放射失活する過程で発光層から光が放たれ、この光が、透明な陽極及びガラス基板等の絶縁性基板を介して外部へ放出されて発光する。
【0005】
以下に、アクティブマトリクス型の有機EL表示装置について、図面を参照して説明する。図3は、この有機EL表示装置の等価回路図である。図3では、有機EL表示装置の有機EL表示パネル10に、マトリクス状に配置された複数の表示画素の中から、1つの表示画素110だけを示している。
【0006】
図3に示すように、行方向に延びた画素選択信号線111と列方向に延びた表示信号線112の交差点の付近に、Nチャネル型の画素選択用TFT113が配置されている。この画素選択用TFT113のゲートは、画素選択信号線111に接続されており、そのドレインは、表示信号線112に接続されている。画素選択信号線111には垂直駆動回路201から出力されるハイレベルの画素選択信号Gが印加され、それに応じて画素選択用TFT113がオンする。表示信号線112には水平駆動回路202から表示信号Dが出力される。
【0007】
画素選択用TFT113のソースは、Pチャネル型の駆動用TFT114のゲートに接続されている。駆動用TFT114のソースには、正電源電位PVddを供給する電源線115が接続されている。駆動用TFT114のドレインは有機EL素子116の陽極に接続されている。有機EL素子116の陰極には負電源電位CVが供給されている。
【0008】
また、駆動用TFT114のゲートと保持容量線117の間には保持容量118が接続されている。保持容量線117は一定の電位に固定されている。保持容量118は、画素選択用TFT113を通して駆動用TFT114のゲートに印加される表示信号Dを一水平期間保持する。
【0009】
次に、上述した有機EL表示装置の動作について説明する。ハイレベルの画素選択信号Gが1水平期間にわたって画素選択信号線111に印加されると、画素選択用TFT113がオンする。すると、表示信号線112の出力された表示信号Dが画素選択用TFT113を通して、駆動用TFT114のゲートに印加されると共に、保持容量118によって保持される。即ち、表示信号Dが表示画素110に書き込まれる。
【0010】
そして、駆動用TFT114のゲートに印加された表示信号Dに応じて、駆動用TFT114のコンダクタンスが変化して、駆動用TFT114がオン状態となる場合には、そのコンダクタンスに応じた駆動電流が駆動用TFT114を通して有機EL素子116に供給され、有機EL素子116がそれに応じた輝度で点灯する。一方、当該ゲートに供給された表示信号Dに応じて、駆動用TFT114がオフ状態となる場合には、駆動用TFT114には駆動電流が流れないため、有機EL素子116は消灯する。
【0011】
上述した動作を、1フィールド期間にわたって、全ての行の表示画素110に対して行うことにより、表示パネル10全体に所望の画像を表示することができる。
【0012】
なお、本願に関連する技術文献としては、以下の特許文献が挙げられる。
【特許文献1】特開2002−93577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した有機EL表示装置では、その使用時間の経過、即ち有機EL素子116への駆動電流の導通及び非導通の繰り返しに伴い、有機EL素子116の発光層が劣化して、いわゆる焼き付き、即ち輝度の減衰が生じていた。この輝度は、時間経過の初期において急激に減衰し、その後、緩やかに減衰する。この輝度と時間との関係を示すと、図4のようになる。図4は、有機EL素子116の発光輝度と経過時間との関係を示す特性図であり、縦軸は輝度、横軸は時間に対応している。
【0014】
この問題に対する対処方法としては、従来より、図5に示すように、有機EL表示パネル10の全面(ハッチング部参照)の有機EL素子116に対して、輝度が減衰していない正常な有機EL素子116の発光に必要な駆動電流の電流密度よりも大きな電流密度を有した所定の駆動電流を導通させて、上記時間経過による輝度の低下分と等価もしくは略等価な劣化を生じさせるエージング処理を行っていた。このエージング処理により、有機EL表示パネル10の全体の輝度の減衰は緩和され、結果として有機EL表示装置の信頼性を向上させることができる。
【0015】
しかしながら、従来例に係る上記エージング方法では、有機EL表示装置の信頼性が向上するものの、本来ユーザに求められている輝度をもって有機EL表示パネル10を発光させるためには、エージング処理が為されていない有機EL素子116の発光に必要な駆動電流の電流密度よりも大きな電流密度の駆動電流が必要とされ、過剰な消費電力が要求されてしまう。即ち、有機EL表示装置の消費電力が増大するという問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そこで本発明は、有機EL表示装置の消費電力の増大を抑えつつ、その信頼性を向上させることが可能なエージング方法を提供するものである。
【0017】
本発明は、駆動電流の供給によって発光する複数の有機EL素子が配置され、文字もしくは画像の表示位置における表示頻度に応じて、もしくは表示に必要な有機EL素子の輝度に応じて区分される複数の表示領域を備えた有機EL表示パネルのエージング方法であって、上記表示領域ごとに異なるエージング条件をもって、各表示領域内の有機EL素子をエージングすることを特徴とする。
【0018】
上記エージング方法におけるエージング条件は、各表示領域に共通する所定の時間にわたり、各表示領域によって異なる所定の電流密度を有した電流を有機EL素子に供給するものである。もしくは、上記エージング条件は、各表示領域に共通する所定の電流密度を有した電流を、各表示領域によって異なる所定の時間にわたり有機EL素子に供給するものである。もしくは、上記エージング条件は、各表示領域によって異なる所定の時間にわたり、各表示領域によって異なる所定の電流密度を有した電流を有機EL素子に供給するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、文字や画像の表示位置の変動の度合いに応じて区分される複数の表示領域を備えた有機EL表示パネルをエージングする場合において、有機EL表示装置の消費電力の増大の抑止と、有機EL表示装置の信頼性の向上との両立を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態に係る有機EL表示パネルのエージング方法について図面を参照して説明する。ここでは、エージングに要する時間を極力短縮する必要のある場合について説明を行う。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る有機EL表示パネルのエージング方法を示すフロー図である。また、図2は、本実施形態に係る有機EL表示パネルのエージング方法を説明する図であり、有機EL表示パネル10の上面図である。なお、図2では、図4に示したものと同様の構成要素については同一の符号を付して説明を行う。即ち、この有機EL表示パネル10は、図3に示した有機EL表示パネル10と同様の構成を有している。ただし、画素選択用TFT113及び駆動用TFT114は、図3に示したものに限定されず、Nチャネル型でもPチャネル型であってもよい。それに応じて、各TFTのソース及びドレインは互いに入れ替わってもよい。
【0022】
また、この有機EL表示パネル10は、表示位置が変動しない文字や画像が表示される固定表示領域11と、表示位置が変動する文字や画像が表示される非固定表示領域12とを有しているものとする。ここで、固定表示領域11の表示位置が変動しない文字や画像とは、それらの表示位置が常に一定であるものであれば特に限定されないが、例えば、録画時の識別マーク(例えば図中のRECマークやカメラマーク)、時間表示、字幕、メニュー表示等である。ただし、表示位置が変動しない文字や画像は、それらの表示に必要な複数の表示画素のうち、発光する表示画素の一部の位置が、時間経過により表示画素単位で僅かに変動するものであってもよい。もしくは、表示位置が変動しない文字や画像は、表示位置の基準座標が固定されており、その基準座標を基準とした所定の箇所で時間経過により変動するものであってもよい。以降、上記のような文字もしくは画像についても、上記表示位置が変動しない文字や画像に含まれるものとして説明する。
【0023】
最初に、図1のフロー図のステップA1では、有機EL表示パネル10の全面の表示画素110の中から、固定表示領域11及び非固定表示領域12に対応する表示画素110を特定する。その後、ステップA2では、固定表示領域11及び非固定表示領域12ごとに、それぞれエージング条件の異なる第1及び第2のエージングを行う。これら第1及び第2のエージングは、いずれが先に行われてもよい。もしくは、第1及び第2のエージングは同時に行われてもよい。
【0024】
第1のエージング処理では、図2(A)に示すように、まず、有機EL表示パネル10の全面の表示画素110の中から、上記固定表示領域11の表示画素110を画素選択用TFT113により選択する。その後、固定表示領域11の有機EL素子116に、通常の有機EL素子116の発光の際の駆動電流の電流密度以上の第1の電流密度を有した電流を、所定時間にわたり供給する。ここで、第1の電流密度は、通常の発光の際の駆動電流の電流密度以上であれば特に限定されないが、例えば、通常の発光の際の駆動電流の電流密度の約1倍以上約10倍以下である。さらにいえば、第1の電流密度は、約2〜百数十mA/cmであることが好ましい。また、上記所定時間は、特に限定されないが、例えば数秒〜数時間である。
【0025】
また、第1のエージングでは、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各色、もしくは、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)、W(白色)の各色のうち、特定の色に対応した有機EL素子116を備えた表示画素110のみを選択してもよい。
【0026】
一方、第2のエージング処理では、図2(B)に示すように、有機EL表示パネル10の全面の表示画素110の中から、非固定表示領域12の表示画素110を画素選択用TFT113により選択する。その後、非固定表示領域12の有機EL素子116に、上記第1の電流密度よりも小さい第2の電流密度を有した電流を上記所定時間にわたり供給する。ここで、第2の電流密度は、第1の電流密度より小さいものであれば特に限定されないが、例えば約1〜約100mA/cmであることが好ましい。なお、非固定表示領域12の有機EL素子116の輝度の経時的な劣化が無視できる程度である場合、もしくはその劣化を考慮する必要のない場合、この第2のエージング処理は省略されてもよい。
【0027】
こうして、表示位置が変動しない文字や画像が表示される固定表示領域11と、そうでない非固定表示領域12ごとに、異なるエージング条件をもって有機EL素子116のエージングが行われる。即ち、必要以上に各表示領域の有機EL素子116を劣化させることがないため、本来ユーザが求める輝度を実現する際にも、従来例のような過剰な消費電力を必要としない。結果として、有機EL表示パネル10のエージング方法において、有機EL表示装置の消費電力の増大の抑止と、有機EL表示装置の信頼性の向上との両立を図ることが可能となる。
【0028】
さらに、上記第2のエージングの後、必要に応じて、ステップA3で、有機EL表示パネル10の全面の表示画素110の有機EL素子に供給される駆動電流を不図示の補正回路等により調整して、有機EL表示パネル10の全面の表示画像の輝度やコントラスト等の補正処理を行ってもよい。その補正処理としては、例えば、有機EL表示パネル10を点灯させて各表示画素110の輝度を測定し、その輝度データをフィードバックして、その輝度データに応じた電流を各表示画素110に供給して、有機EL表示パネル10の均一な輝度を実現する2次元補正を行うことできる。
【0029】
なお、この補正処理は、上記第2のエージングが省略された場合、ステップA2の第1のエージングの後に行えばよい。この補正処理により、上記第1もしくは第2のエージングにより劣化した有機EL素子116の輝度のばらつきが改善されるため、表示画像の表示品位を向上させることができる。
【0030】
なお、上述した実施形態では、第1もしくは第2のエージングの際、有機EL表示パネル10を、固定表示領域11及び非固定表示領域12の2つの領域に分け、各表示領域に対して異なるエージングを行うものとしたが、本発明はこれに限定されない。即ち、固定表示領域11と非固定表示領域12のいずれか、もしくは両表示領域を、さらに複数の表示領域に分割し、各表示領域における文字や画像の表示位置の変動の度合いに応じて、上記エージングに用いる電流の電流密度を調整してもよい。
【0031】
この場合においても、文字や画像の表示位置の変動の度合いに応じて区分される複数の表示領域ごとにエージングが行われるため、有機EL表示装置の消費電力の増大の抑止と、有機EL表示装置の信頼性の向上との両立を図ることが可能となる。
【0032】
さらにいえば、第1もしくは第2のエージングの対象は、複数の表示領域を単位としたものに限定されない。例えば、上記エージングの際に、特定の文字もしくは画像に対応する表示画素110を特定し、それらの表示画素110ごとに、エージングに用いる電流の電流密度を調整してもよい。これにより、有機EL表示装置の消費電力をさらに低く抑えることができる。
【0033】
また、上述した実施形態では、エージングに要する時間を短縮させる必要がある場合として、有機EL表示パネル10の複数の表示領域ごとに異なる電流密度を有した電流を、各表示領域において共通の所定時間にわたって有機EL素子116に供給することによりエージングを行ったが、本発明はこれに限定されない。
【0034】
次に、エージングに要する時間を短縮させる必要が無い場合におけるエージング方法について説明する。即ち本発明は、上記実施形態と同等の効果を奏するものであれば、エージングする際に有機EL素子116に供給する電流の電流密度を所定の値に固定して各表示領域に共通させ、上記表示領域ごとに異なる所定の時間にわたって、各表示領域のエージングを行うものであってもよい。
【0035】
この場合、文字や画像の表示位置の変動の度合いが大きい表示領域ほど、長時間にわたって上記エージングを行えばよい。また、上記電流密度の所定の値(固定値)は、0mA/cmより大きく、画素選択用TFT113や駆動用TFT114等の許容限度を超えるジュール熱を発生させない程度の値であれば、任意に指定されるものであってよい。このように、上記電流密度の所定の値を固定値とした場合、ジュール熱の発生を極力低く抑えることが可能となるため、有機EL表示装置の信頼性の低下を抑止することができる。
【0036】
また、本発明は、上記実施形態と同等の効果を奏するものであれば、エージングする際に、有機EL素子116に供給する電流の電流密度と、その電流を有機EL素子116に供給する所定の時間とを、2つの可変値として、上記表示領域ごとに異なる値で設定してもよい。この場合、エージングに要する時間の短縮と、エージングの際に生じるジュール熱の抑止とを考慮して、上記2つの可変値を最適化すればよい。
【0037】
なお、上記実施形態では、文字や画像の表示位置の変動の度合いに応じて、固定表示領域11や非固定表示領域12等の複数の表示領域を区分するものとしたが、本発明はこれに限定されない。即ち、文字や画像の表示位置における表示頻度、即ち、文字や画像の表示位置の変動の度合いのみならず、それらの所定の表示位置での表示回数や表示時間に依存する尺度に応じて、複数の表示領域が区分されてもよい。もしくは、文字や画像の表示に必要な有機EL素子116の発光輝度に応じて、複数の表示領域が区分されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る有機EL表示パネルのエージング方法を示すフロー図である。
【図2】本発明の実施形態に係る有機EL表示パネルのエージング方法を説明するための表示パネルの上面図である。
【図3】有機EL表示パネルの等価回路図である。
【図4】有機EL素子の発光輝度と経過時間との関係を示す特性図である。
【図5】従来例に係る有機EL表示パネルのエージング方法を説明するための有機EL表示パネルの上面図である。
【符号の説明】
【0039】
10 有機EL表示パネル 11 固定表示領域 12 非固定表示領域
110 表示画素
111 画素選択信号線 112 表示信号線 113 画素選択用TFT
114 駆動用TFT 115 電源線 116 有機EL素子
117 保持容量線 118 保持容量
201 垂直駆動回路 202 水平駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動電流の供給によって発光する複数の有機EL素子が配置され、文字もしくは画像の表示位置における表示頻度に応じて、もしくは表示に必要な前記有機EL素子の輝度に応じて区分される複数の表示領域を備えた有機EL表示パネルのエージング方法であって、
前記表示領域ごとに異なるエージング条件をもって、各表示領域内の前記有機EL素子をエージングすることを特徴とする有機EL表示パネルのエージング方法。
【請求項2】
前記エージング条件は、各表示領域に共通する所定の時間にわたり、各表示領域によって異なる所定の電流密度を有した電流を前記有機EL素子に供給することを特徴とする請求項1記載の有機EL表示パネルのエージング方法。
【請求項3】
前記エージング条件は、各表示領域に共通する所定の電流密度を有した電流を、各表示領域によって異なる所定の時間にわたり前記有機EL素子に供給することを特徴とする請求項1記載の有機EL表示パネルのエージング方法。
【請求項4】
前記エージング条件は、各表示領域によって異なる所定の時間にわたり、各表示領域によって異なる所定の電流密度を有した電流を前記有機EL素子に供給することを特徴とする請求項1記載の有機EL表示パネルのエージング方法。
【請求項5】
駆動電流の供給によって発光する複数の有機EL素子が配置され、表示位置が変動しない文字もしくは画像が表示される固定表示領域を備えた有機EL表示パネルのエージング方法であって、
前記固定表示領域内の前記有機EL素子のみに対して、前記駆動電流の電流密度以上の第1の電流密度を有した電流を所定時間にわたり供給する第1のエージングを行うことを特徴とする有機EL表示パネルのエージング方法。
【請求項6】
前記有機EL表示パネルのうち前記固定表示領域以外の領域の有機EL素子のみに対して、前記第1の電流密度よりも小さい第2の電流密度を有した電流を前記所定時間にわたり供給する第2のエージングを行うことを特徴とする請求項5記載の有機EL表示パネルのエージング方法。
【請求項7】
前記第1のエージングを行った後に、前記有機EL表示パネルの全面の有機EL素子に供給される前記駆動電流を調整して、前記有機EL表示パネルの全面の表示画像の補正を行うことを特徴とする請求項5記載の有機EL表示パネルのエージング方法。
【請求項8】
前記第2のエージングを行った後に、前記有機EL表示パネルの全面の有機EL素子に供給される前記駆動電流を調整して、前記有機EL表示パネルの全面の表示画像の補正を行うことを特徴とする請求項6記載の有機EL表示パネルのエージング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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